以下、決済装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、実施形態に係る決済装置10の外観及び利用状況を示す斜視図である。
決済装置10には、読取端末20及びピンパッド端末30が接続されることがある。決済装置10は、コード読取装置40及び登録装置50に接続される。
決済装置10は、登録装置50と連動せずに非連動モードで決済を行うこともできるし、接続された登録装置50と連動して連動モードで決済を行うこともできるものである。連動モードでは、登録装置50から決済装置10へと送られる決済情報に基づく決済処理を決済装置10が実行する。
決済装置10による決済には、既存の他の決済装置で利用されているのと同様な公知の決済方法を用いることができる。決済方法は例えば、クレジット決済、ギフトカード決済、デビット決済、プリペイド決済、電子マネー決済、あるいはポイント決済などである。上記の各種決済のためには、カード媒体が広く利用される。カード媒体としては、磁気カード(磁気ストライプカード)、接触型IC(Integrated Circuit)カード、または非接触型ICカードなどが適用される。これらの各カードは、磁気ストライプ、接触型ICチップまたは非接触型ICチップによりデータを記録する。また、上記の各種決済のために、非接触型ICチップを搭載した電子機器(例えば携帯電話、スマートフォン、タブレットPC等)などが利用される場合もある。
決済装置10は、本体11、タッチパネル12、カード読取装置13及びレシート排出口14を備える。本体11は、決済装置10を構成するための後述する各種の要素の多くを含む。タッチパネル12は、本体11の上部に設けられている。カード読取装置13は、タッチパネル12の側面部に設けられている。レシート排出口14は、タッチパネル12の操作者(店員など)に近い側に形成されている。レシート排出口14は、本体11の内部に配置された印刷機で印刷された決済伝票等であるレシートを本体11の外部へと排出するために利用される。
読取端末20は、非接触型ICチップに記憶された情報を読み取るために設けられるものである。読取端末20は、読取部21及び表示デバイス22を備える。読取部21は、非接触型ICチップに記憶された情報を無線通信により非接触で読み取る。読取部21は、非接触型ICチップに記憶された情報を書き換える。表示デバイス22は、各種情報を表示する。表示デバイス22で表示する各種情報は、例えば決済金額、非接触型ICチップを搭載した媒体を読取部21に近付けるよう促す文章、あるいは決済が完了したことを通知するための文章などである。
ピンパッド端末30は、接触型ICカードから情報を読み取る。ピンパッド端末30は、カード差込口31、ピンパッド32及び表示デバイス33を備える。カード差込口31から接触型ICカードを差し込むことで、ピンパッド端末30の内部に設けられた電極と、接触型ICカードに搭載された接触型ICチップの電極とを接触させることができる。ピンパッド端末30は、この電極どうしの接触を介して、接触型ICチップに記録された情報を読み取る。ピンパッド32は、テンキー、確定ボタン、訂正ボタン及び各種機能が割り当てられたボタンなどからなる。ピンパッド32は、買物客による操作により暗証番号(PIN)の入力などを行う。表示デバイス33は、決済金額、接触型ICカードをカード差込口31に差し込むように促す文章又は決済が完了したことの通知のための文章などを表示する。
コード読取装置40は、QRコード(登録商標)などの二次元コードから情報を読み取る。
登録装置50は、POS端末とも呼ばれるものであり、商取引の対象となる商品の登録処理を行う機能を有する装置である。登録装置50は、登録した商品についての代金の決済のための決済処理を行う機能を持つ。登録装置50はまた、決済処理を決済装置10に行わせるために、決済情報を決済装置10へと送る機能を持つ。
登録装置50は、本体51、表示デバイス52,53及び入力デバイス54を備える。表示デバイス52は、登録装置50の操作者に確認させるための各種情報を表示する。表示デバイス53は、買物客に確認させるための各種情報を表示する。当該各種情報は、例えば商品名、商品の金額、取引の小計金額及び取引の合計金額などである。入力デバイス54は、操作者による操作に応じて各種の情報を入力する。入力デバイス54としては、キーボード、キーパッド又はボタンなどを用いることができる。また入力デバイス54としては、表示デバイス52の表示面に重ねて配置されたタッチ検出部材を用いることもできる。つまり、タッチパネルの表示装置及びタッチ検出部材を表示デバイス52及び入力デバイス54として用いても良い。
図2は決済装置10のブロック図である。なお、図2においては、図1に示される要素と同一の要素については、図1に示されるのと同一の符号を付している。
本体11は、CPU(central processing unit)111、主記憶デバイス112、補助記憶デバイス113、通信デバイス114、印刷機115、グラフィックコントローラ116、スピーカ117及び通信コネクタ1141〜1145を有している。
CPU111は、決済装置10の動作に必要な処理及び制御を行うコンピュータの中枢部分に相当する。CPU111は、BIOS(basic input/output system)、オペレーティングシステム及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに従って、決済装置10としての各種の機能を実現するべく決済装置10の各部を制御する。さらにCPU111は、通信デバイス114を介して読取端末20及びピンパッド端末30の制御を行う場合もある。
主記憶デバイス112は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。主記憶デバイス112は、ROM(read only memory)及びRAM(random access memory)を備える。主記憶デバイス112は例えば以下のように動作する。ROMは、上記のBIOS、オペレーティングシステム又はアプリケーションソフトウェアなどのプログラムを記憶する。またROMは、CPU111が決済装置10の各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを記憶する場合もある。RAMは、CPU111が処理を実行する上で必要なデータを記憶する。またRAMは、CPU111によって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用される。
補助記憶デバイス113は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス113は、例えばEEPROM(登録商標)(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)又はSSD(solid state drive)などである。補助記憶デバイス113は、CPU111が各種の処理を行う上で使用するデータ又はCPU111での処理によって生成されたデータなどを保存する。補助記憶デバイス113は、上記のオペレーティングシステム又はアプリケーションなどのプログラムを記憶する場合もある。決済情報なども、補助記憶デバイス113に記憶される場合がある。
主記憶デバイス112または補助記憶デバイス113に記憶されるアプリケーションプログラムには、後述する制御処理に関して記述した制御プログラムを含む。一例として決済装置10は、制御プログラムが主記憶デバイス112または補助記憶デバイス113に記憶された状態で、利用者へと譲渡される。しかしながら決済装置10は、制御プログラムが主記憶デバイス112または補助記憶デバイス113に記憶されない状態で利用者に譲渡されても良い。そして、別途に利用者へと譲渡された制御プログラムが、利用者またはサービスマンなどによる操作の下に主記憶デバイス112または補助記憶デバイス113へと書き込まれても良い。このときの制御プログラムの譲渡は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介したダウンロードにより実現できる。
通信デバイス114には、通信コネクタ1141〜1145が接続されている。通信デバイス114は、通信コネクタ1141〜1145に接続された機器との通信を行う。通信コネクタ1141〜1144には、登録装置50、読取端末20、ピンパッド端末30及びコード読取装置40が接続されている。通信コネクタ1145には、ネットワーク60が接続されている。
ネットワーク60は例えば、インターネット、電話回線網、3G若しくはLTE(登録商標)(long term evolution)等の携帯電話回線網、専用回線、その他のネットワーク又はこれらの
組合せなどである。決済装置10は、認証などのためにネットワーク60を介してサーバ70と通信する。
通信コネクタ1141〜1144は例えば、RS−232C、USB(universal serial bus)、SCSI(small computer system interface)、IEEE 1394、Ethernet(登録商標)又はその他のインターフェース規格に準拠したケーブルを接続するための端子である。通信コネクタ1141〜1144を使用せずに、決済装置10が登録装置50、読取端末20又はピンパッド端末30と無線通信しても良い。当該無線通信には例えば、無線LAN(local area network)又はBluetooth(登録商標)などを用いることができる。
通信コネクタ1145は例えば、Ethernetケーブルまたは電話線などを接続する端子である。通信コネクタ1145を使用せずに、決済装置10がネットワーク60と無線通信しても良い。当該無線通信には例えば、無線LANまたは携帯電話回線などを用いることができる。
通信コネクタの数は5に限らない。例えば、様々な種類のケーブルを接続できるようにするため、あるいはその他の装置を接続するために6以上の通信コネクタを備えていても良い。決済装置10と、読取端末20、ピンパッド端末30、コード読取装置40、登録装置50及びネットワーク60のうちの一部との接続に無線通信を用いるのであれば、通信コネクタ1141〜1145の一部を省略しても良い。
印刷機115は、決済内容を示すレシートを印刷する。印刷機115としては、サーマルプリンタ、インクジェットプリンタ又はレーザープリンタなど種々の方式のプリンタを用いることができる。
グラフィックコントローラ116は、CPU111からの命令の下に表示装置122で表示させる画像の処理及び表示装置122の制御を行う。
スピーカ117は、CPU111から送られた音信号に応じた音を発する。
タッチパネル12は、入力装置であるタッチ検出部材121と表示装置122とを含む。タッチ検出部材121は、表示装置122の表示面に積層する状態で配置されている。タッチパネル12は、操作者が表示装置122の表示面に指などにより触れようとするタッチ操作に際し、そのタッチ操作の対象となる位置をタッチ検出部材121が検出して、座標位置情報として出力する。かくしてタッチ検出部材121は、操作者による操作を入力する入力手段の一例である。
タッチ検出部材121の位置検出方式としては、膜抵抗方式、静電容量方式、電磁誘導方式、光学方式又は弾性波方式など種々の方式を用いることができる。
表示装置122としては、典型的には液晶ディスプレイが用いられる。なお表示装置122は、バックライトを備える。
カード読取装置13は、磁気カードを読み取る。図1においては、カード読取装置13に磁気ストライプカードをスライドさせるように通すことで磁気ストライプに記録された情報を読み取るタイプのカード読取装置13を示している。
以下、決済装置10の動作を説明する。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
決済装置10が電源投入されると、CPU111は、主記憶デバイス112または補助記憶デバイス113に記憶された制御プログラムに従って、所定の処理選択画面をタッチパネル12の表示装置122に表示して待機状態となる。そして、操作者のタッチ操作が行われると、タッチ位置をタッチ検出部材121で検出して、操作者が選択した処理を判定し、その選択された処理を実行する。
図3は、CPU111によって実行される決済処理のフローチャートである。
CPU111はまず、決済情報取得処理を実行することで、買物客の買上金額を含む決済情報を取得する(Act11)。この決済情報には、買物客が購入した商品名、商品番号、商品単価、購入個数、取引の小計額、消費税額、取引の合計額、店舗名等の情報が含まれる。この決済情報取得処理においては、CPU111は、登録装置50と連動せずに非連動モードで動作する場合には、操作者のタッチパネル12の入力を判定することで、決済情報を取得する。また、接続された登録装置50と連動する連動モードで動作する場合には、CPU111は、登録装置50から送信されてくる決済情報を通信デバイス114によって受信することにより決済情報を取得する。CPU111は、取得した決済情報を主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶する。
その後、CPU111は、タッチパネル12の表示装置122に、選択可能な決済方法(クレジット、電子マネー、ギフトカード、現金など)を表示する(Act12)。このとき、スピーカ117によって、操作者に対して決済方法の選択と支払金額の入力を促す音声ガイダンスを行うようにしても良い。
そして、CPU111は、操作者によるタッチパネル12による決済方法の選択入力を受けて、買物客が所望する決済方法を取得し、主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶する(Act13)。また更に、CPU111は、操作者によるタッチパネル12による、選択された決済方法による支払金額の入力を受けて、買物客が所望する支払金額を取得し、主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶する(Act14)。そして、CPU111は、選択された決済方法と入力された支払金額に基づいて決済処理を実行する(Act15)。
その後、CPU111は、このAct15での決済処理の結果として、支払残額が0円となったか否かを判定する(Act16)。ここで、支払残額が0円となっていないと判定した場合には(Act16の「NO」)、CPU111は、上記Act12からの処理を繰り返す。
例えば、上記Act11で取得した決済情報における取引の合計金額が26,200円であったとし、上記Act13において決済方法としてクレジット決済が選択され、上記Act14において支払金額として25,000円が入力されたとする。この場合、上記Act15の決済処理において、CPU111は、以下のような処理を実施する。
まずCPU111は、買物客が支払いに使用するカード媒体から読み取ったカード情報を取得して、主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶する。カード媒体が磁気カードであれば、カード読取装置13によってカード情報が読み取られ、CPU111は、このカード情報を主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113にする。また、カード媒体がICカードである場合には、読取端末20又はピンパッド端末30によってカード情報が読み取られるので、CPU111は、これを通信デバイス114によって受信して、主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶する。
次にCPU111は、主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶されている上記クレジット決済の支払金額(この例では25,000円)分について、クレジット決済処理を実施する。なお、このクレジット決済処理は、通信デバイス114によるネットワークを介したサーバ70との通信を用いた、クレジット会社へのカード保有者検証処理なども含む。CPU111は、クレジット決済内容を、当該決済を特定するための取引番号を付けた取引データとして、主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶する。また、サーバ70においても、それが備える記憶装置に、この取引データを記憶する。このようなクレジット決済処理については、既存の決済装置10及びサーバ70におけるものと同様であって良いので、その詳細な説明は省略する。
この結果として、取引の合計金額26,200円のうち、25,000円分の支払いが終了するが、未だ1,200円の支払残額が存在する。従って、CPU111は、上記Act12からの処理を繰り返すこととなる。
上記Act12からの繰り返しにおいて、上記Act13で決済方法としてギフトカード決済が選択され、上記Act14で支払金額として1,000円が入力されたとする。この場合、上記Act15の決済処理において、CPU111は、以下のようなギフトカード決済処理を実施する。
すなわち、CPU111は、上記Act14において入力された金額分について、通信デバイス114によるネットワークを介したサーバ70との通信を用いて、ギフトカード会社に対する決済処理を実施する。CPU111は、ギフトカード決済内容を、当該決済を特定するための取引番号を付けた取引データとして、主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶する。また、サーバ70においても、それが備える記憶装置に、この取引データを記憶する。このようなギフトカード決済処理についても、既存の決済装置10及びサーバ70におけるものと同様であって良いので、その詳細な説明は省略する。
この結果として、取引の合計金額26,200円のうち、26,000円分の支払いが終了するが、未だ200円の支払残額が存在する。従って、CPU111は、再び、上記Act12からの処理を繰り返すこととなる。
そして、上記Act13において決済方法としてポイント利用決済が選択され、上記Act14において支払金額として200円が入力されたとする。この場合、上記Act15の決済処理において、CPU111は、以下のようなポイント利用決済処理を実施する。
すなわち、CPU111は、上記記憶されたプログラム及び上記カード決済処理時にカード媒体から読み取って主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶したカード情報に従って、ポイント利用先のポイント口座を決定する。そして、CPU111は、上記Act14において入力された金額分について、通信デバイス114によるネットワークを介したサーバ70との通信を用いて、ポイント口座からポイントを差し引くポイント利用決済処理を実施する。このときCPU111は、差し引き後の更新ポイントの情報を取得する。CPU111は、ポイント利用決済内容を、当該決済を特定するための取引番号を付けた取引データとして、主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶する。また、サーバ70においても、それが備える記憶装置に、この取引データを記憶する。このようなポイント利用決済処理についても、既存の決済装置10及びサーバ70におけるものと同様であって良いので、その詳細な説明は省略する。
なお、ここでは、取引の合計金額に対して決済方法(クレジット決済、ギフトカード決済及びポイント利用決済)と金額を入力し、それに応じた決済処理を行う場合を説明したが、例えば、一取引に複数の商品が含まれ、商品毎に決済方法を指定することも可能である。このような場合には、その商品に応じて金額が決定され得るので、Act14の金額入力を省略することが可能である。
また、ここでは説明しなかった電子マネー決済や現金決済の場合についても同様である。これら電子マネー決済や現金決済についても、既存の決済装置10及びサーバ70におけるものと同様であって良いので、その詳細な説明は省略する。
上記Act15の決済処理の結果として、取引の合計金額26,200円の支払いが終了すると、上記Act16において支払残額が0円となったと判定する(Act16の「YES」)。この場合には、CPU111は、ポイントを付与するか否かを判定する(Act17)。この判定は、CPU111が、主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶されたプログラムと、上記Act15の決済処理において上記カード決済処理時にカード媒体から読み取って主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶したカード情報とに従って行われる。
ここで、ポイントを付与すると判定した場合には(Act17の「YES」)、CPU111は、ポイント付与処理を実行する(Act18)。このポイント付与処理においては、CPU111は、主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶されたプログラムとカード情報に従って、上記Act15の決済処理における決済の内容に応じたポイントを算出する。またCPU111は、上記記憶されたプログラム及びカード情報に従って、付与先のポイント口座を決定する。そしてCPU111は、通信デバイス114によるネットワークを介したサーバ70との通信を用いて、付与先のポイント口座にポイントを追加させ、また付与後の更新ポイントの情報を取得して主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶する。このようなポイント付与処理についても、既存の決済装置10及びサーバ70におけるものと同様であって良いので、その詳細な説明は省略する。
以上のように、CPU111を中枢部分とするコンピュータは、カード読取装置13、タッチパネル12、読取端末20、ピンパッド端末30、登録装置50及びサーバ70などの機能との協働によって、複数種類の決済方法それぞれによる決済処理を行う決済手段として機能する。
そして、このAct18のポイント付与処理が終了したならば、あるいは、上記Act17においてポイント付与しないと判定した場合には(Act17の「NO」)、CPU111は、主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶された、上記一連の処理によって得られた各情報から、取引支払情報を生成し、生成した取引支払情報を主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶する(Act19)。
その後、CPU111は、主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶した取引支払情報に対して所定の符号化を行い、QRコードなどの所定の二次元コードのイメージを作成し、作成した二次元コードのイメージを主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶する(Act110)。つまり、この二次元コードには、取得された買上金額に関する取引データ(売上金額や取引番号など)と、クレジット決済における取引データ(クレジット支払金額や取引番号など)、電子マネー決済における取引データ(電子マネー支払金額や取引番号など)、ギフトカード決済における取引データ(ギフトカード支払金額や取引番号など)、ポイント利用決済における取引データ(ポイント利用支払金額や取引番号など)、現金決済における取引データ(現金支払金額や取引番号など)、などのうちの決済に利用された取引データと、もしあればポイント付与に関わるポイントデータ(付与されたポイントや付与後のポイント(更新ポイント)、付与口座など)と、が含まれる。二次元コードには、利用された決済手段(現金、クレジットカード、電子マネー、ギフトカード、ポイント等)、購入した商品と決済手段との対応(例えば、一取引に複数の商品が含まれ、価格25,000円の商品Aはクレジットカードで支払われ、価格1,000円の商品Bはギフトカードで支払われ、価格200円の商品Cはポイントで支払われた)等の情報も含まれる。
そしてCPU111は、主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶した取引支払情報に基づいて、印刷機115によってレシート印刷を行うことで、買物客に渡されるレシートを発行する(Act111)。この場合、発行されるレシートは、上記Act110で作成し主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶した二次元コードのイメージも印刷される。その後CPU111は、この決済処理の制御処理を終了する。
以上のように、CPU111を中枢部分とするコンピュータは、印刷機115の機能との協働によって、複数種類の決済方法による決済処理の内容を符号化した1つの二次元コード85を印刷したレシート80を発行するレシート発行手段として機能する。
図4は、決済装置10によって発行されるレシート80のレイアウト例を示す図である。レシート80には、主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶した取引支払情報に基づく、取得された買上金額に関する取引データ(売上金額(例えば、上述した例における取引の合計金額26,200円)や取引番号など)を示す買上金額内容81が印刷される。また、レシート80には、クレジット決済における取引データ(クレジット支払金額(例えば、上述した例におけるクレジット支払金額25,000円)や取引番号など)を示すクレジット決済内容82、電子マネー決済における取引データ(クレジット支払金額や取引番号など)を示す電子マネー決済内容、ギフトカード決済における取引データ(ギフトカード支払金額(例えば、上述した例におけるギフトカード決済金額1,000円)や取引番号など)を示すギフトカード決済内容83、ポイント利用決済における取引データ(ポイント利用支払金額(例えば、上述した例におけるポイント利用決済金額200円)や取引番号など)を示すポイント利用決済内容84、現金決済における取引データ(現金支払金額や取引番号など)を示す現金決済内容、などのうちの決済に利用された決済内容が印刷される。そしてさらに、レシート80には、主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶した二次元コードのイメージ基づく、買上金額内容81と、クレジット決済内容82、電子マネー決済内容、ギフトカード決済内容83、ポイント利用決済内容84、及び下金決済内容、などのうちの決済に利用された決済内容に対応する情報がコード化された二次元コード85が印刷される。
また、もしあれば、レシート80には、ポイント付与に関わるポイントデータ(付与されたポイントや付与後のポイント(更新ポイント)、付与口座など)を示すポイント付与内容も印刷され、また、二次元コード85にもそれに対応する情報がコード化されて含まれることとなる。
図5は、CPU111によって実行される返金処理のフローチャートである。
返品を求める買物客は、その返品する商品に対応するレシート80を持参して、操作者に提示する。操作者は、このレシート80に印刷された二次元コード85をコード読取装置40によって読み取る。これに応じて、CPU111は、コード読取装置40で読み取ったコード化されていた情報を通信デバイス114によって受信して、主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶する(Act21)。こうしてCPU111は、買上金額に関する取引データ(売上金額や取引番号など)と、クレジット決済における取引データ(決済金額や取引番号など)、電子マネー決済における取引データ(決済金額や取引番号など)、ギフトカード決済における取引データ(決済金額や取引番号など)、ポイント利用決済における取引データ(決済金額や取引番号など)、現金決済における取引データ(決済金額や取引番号など)、ポイント付与に関わるポイントデータ(付与されたポイントや付与後のポイント、付与口座など)などを取得することができる。
その後CPU111は、この取得した情報に基づいて返金処理を進める。
まずCPU111は、元取引支払情報生成処理を実行する(Act22)。すなわち、CPU111は、この二次元コード85から読み取って主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶した情報から、その取引における支払に関する情報である元取引支払情報(取引の合計金額、クレジット支払金額、電子マネー支払金額、ギフトカード支払金額、ポイント利用支払金額、現金支払金額)を生成し、主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶する。そしてCPU111は、表示装置122及びスピーカ117によって、操作者に対して取消操作に関する操作ガイダンスを行う。この操作ガイドに従った操作者の操作に応じて、買上金額に関する取引データの取消処理を行う。
すなわち、CPU111は、主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶した元取引支払情報から、元取引で利用された決済方法(クレジット、電子マネー、ギフトカード、現金、…)をタッチパネル12の表示装置122に表示する(Act23)。このとき、スピーカ117によって、操作者に対して返金・取消対象とする決済方法の選択と返金対象金額の入力を促す音声ガイダンスを行うようにしても良い。
そして、CPU111は、操作者によるタッチパネル12による返金・取消対象とする決済方法の選択入力を受けて、買物客が所望する決済方法を取得し、主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶する(Act24)。また更に、CPU111は、操作者によるタッチパネル12による、選択された返金・取消対象とする決済方法(クレジット、電子マネー等)により支払われた金額の入力を受けて、買物客が所望する返金対象金額を取得し、主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶する(Act25)。なお、元取引支払情報(クレジット支払金額、電子マネー支払金額、等)を参照して、対象となる金額を読み出すことで、返金対象金額を取得することができるので、このAct25の処理は省略しても良い。そして、CPU111は、選択された決済方法と取得した返金対象金額とに基づいて返金処理を実行する(Act26)。
このAct26での返金処理の終了後、CPU111は、他に返金対象が有るか否かを判定する(Act27)。ここで、他に返金対象が有ると判定した場合には(Act27の「YES」)、CPU111は、上記Act23からの処理を繰り返す。
例えば、図4に示したレシート80の例において、上記Act24において返金・取消対象とする決済方法としてクレジット決済が選択され、上記Act25において返金対象金額として25,000円が入力又は読み出されたとする。この場合、上記Act26の返金処理においては、CPU111は、まず、表示装置122及びスピーカ117によって、操作者に対して取消操作に関する操作ガイダンスを行う。この場合の取消操作には、取消対象となるクレジット決済に使用されたカード媒体を読み取る処理が含まれる。この操作ガイドに従った操作者の操作に応じて、CPU111は、通信デバイス114によりサーバ70と通信して、元取引支払情報中のクレジット決済における取引データに含まれる取引番号によって特定される、サーバ70の記憶装置に記憶されているクレジット決済における取引データの取消処理を行う。また、サーバ70は、この取消処理に応じて、クレジット会社への取消処理を実施する。従来は、元取引支払情報を操作者の操作により作成することが必要であったが、本実施形態では、二次元コード85から読み取ったクレジット決済における取引データから元取引支払情報が自動的に生成される。それ以外の点は、既存の決済装置10及びサーバ70におけるクレジット取消・返品処理と同様であって良いので、その詳細な説明は省略する。
また、図4に示したレシート80の例において、上記Act24において返金・取消対象とする決済方法としてギフトカード決済が選択され、上記Act25において返金対象金額として1,000円が入力又は読み出されたとする。この場合、上記Act26の返金処理においては、CPU111は、通信デバイス114によりサーバ70と通信して、元取引支払情報中のギフトカード決済における取引データに含まれる取引番号によって特定される、サーバ70の記憶装置に記憶されているギフトカード決済における取引データの取消処理を行う。ここで、決済時にギフトカードは使用済みとなっているため、ギフトカードを返却することはできない。そのためこの取引データの取消処理においては、店舗は、買物客に対しては現金による返金を行い、その買物客に返金した元取引の金額をギフトカード会社に請求することになる。従来は、元取引支払情報を操作者の操作により作成することが必要であったが、本実施形態では、二次元コード85から読み取ったギフトカード決済における取引データから元取引支払情報が自動的に生成される。それ以外の点は、既存の決済装置10及びサーバ70における取消・返品処理と同様であって良いので、その詳細な説明は省略する。
また、図4に示したレシート80の例において、上記Act24において返金・取消対象とする決済方法としてポイント利用決済が選択され、上記Act25において返金対象金額として200円が入力又は読み出されたとする。この場合、上記Act26の返金処理においては、CPU111は、通信デバイス114によりサーバ70と通信して、元取引支払情報中のポイント利用決済における取引データに含まれる取引番号によって特定される、ポイント口座にポイントを追加する、ポイント利用決済における取引データの取消処理を行う。従来は、元取引支払情報を操作者の操作により作成することが必要であったが、本実施形態では、二次元コード85から読み取ったポイント利用決済における取引データから元取引支払情報が自動的に生成される。それ以外の点は、既存の決済装置10及びサーバ70におけるポイント利用取消・返品処理と同様であって良いので、その詳細な説明は省略する。
また、上記Act24において返金・取消対象とする決済方法として電子マネー決済や現金決済が選択された場合についても、二次元コード85から読み取った電子マネー決済や現金決済における取引データから元取引支払情報が自動的に生成される。それ以外の点は、既存の決済装置10及びサーバ70における電子マネー取消・返品処理や現金取消・返品処理と同様であって良いので、その詳細な説明は省略する。
こうして返品を求める買物客が所望する返金対象の全てに対してAct26の返金処理が終了したならば、CPU111は、上記Act27において他に返金対象が無いと判定する(Act27の「NO」)。この場合には、CPU111は、次の処理に進み、元取引支払情報中にポイント付与に関わるポイントデータが含まれている場合には(Act28の「YES」)、CPU111は、ポイント返還処理を実行する(Act29)。このポイント返還処理においては、CPU111は、元取引支払情報中のポイント付与に関わるポイントデータ(付与されたポイントや付与後のポイント(更新ポイント)、付与口座など)に基づいて、表示装置122及びスピーカ117によって、操作者に対して取消操作に関する操作ガイダンスを行う。この操作ガイドに従った操作者の操作に応じて、CPU111は、通信デバイス114によりサーバ70と通信して、付与先のポイント口座からポイントを返還させ、また返還後の更新ポイントの情報を取得して主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶する。従来は、元取引支払情報を操作者の操作により作成することが必要であったが、本実施形態では、二次元コード85から読み取ったポイント付与に関わるポイントデータから取引支払情報が自動的に生成される。それ以外の点は、既存の決済装置10及びサーバ70におけるポイント返還処理と同様であって良いので、その詳細な説明は省略する。
以上のように、CPU111を中枢部分とするコンピュータは、コード読取装置40、タッチパネル12、スピーカ117及びサーバ70の機能との協働によって、レシート80から1つの二次元コード85を読み取ることで、複数種類の決済方法それぞれに対応する取消・返品処理を行う返金手段として機能する。
このAct29のポイント返還処理が終了したならば、あるいは、元取引支払情報中にポイント付与に関わるポイントデータが含まれてない場合には(Act28の「NO」)、CPU111は、主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶された、上記一連の処理によって得られた各情報から、返金・取消処理の結果を反映させた取引支払情報を生成し、生成した取引支払情報を主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶する(Act210)。ここで、返金・取消を反映させた取引支払情報の生成方法には、次の2種類がある。一つは、二次元コード85から読み取って自動生成して主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶した元取引支払情報から、返金・取消対象として選択された決済(例えばクレジット決済)についての返金処理が行われた取引データを削除し、その結果の元取引支払情報を取引支払情報として生成する方法である。つまり、修正・更新された取引支払情報を生成する。もう一つは、二次元コード85から読み取って自動生成して主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶した元取引支払情報のうち、返金・取消対象として選択された決済(例えばクレジット決済)についての取引データ以外の取引データを読み出して、新たな取引支払情報を生成する方法である。つまり、新規の取引支払情報を生成する。
こうして取引支払情報を新規に生成、または元取引支払情報から修正・更新して生成したならば、CPU111は、この生成した取引支払情報に対して所定の符号化を行い、QRコードなどの所定の二次元コードのイメージを作成し、作成した二次元コードのイメージを主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶する(Act211)。つまり、この二次元コードには、返金・取消を反映させた買上金額に関する取引データ(売上金額や取引番号など)と、クレジット決済における取引データ(クレジット支払金額や取引番号など)、電子マネー決済における取引データ(電子マネー支払金額や取引番号など)、ギフトカード決済における取引データ(ギフトカード支払金額や取引番号など)、ポイント利用決済における取引データ(ポイント利用支払金額や取引番号など)、現金決済における取引データ(現金支払金額や取引番号など)、などのうちの決済に利用された取引データと、もしあればポイント付与に関わるポイントデータ(付与されたポイントや付与後のポイント(更新ポイント)、付与口座など)と、が含まれることとなる。
そしてCPU111は、主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶した、返金・取消を反映させた取引支払情報に基づいて、印刷機115によって返金レシート印刷を行うことで、買物客に渡されるレシートを再発行する(Act212)。この場合、発行されるレシートは、上記Act211で作成し主記憶デバイス112又は補助記憶デバイス113に記憶した二次元コードのイメージも印刷される。その後CPU111は、この返金処理の制御処理を終了する。
本実施形態によれば、複数種類の決済方法それぞれによる決済処理を行ったとき、それら複数種類の決済方法による決済処理の内容を符号化した1つの二次元コード85を印刷したレシート80を発行するので、この二次元コード85を読み取れば、どのような決済処理が行われたのかを容易に把握できるようになる。よって、複数種類の決済方法で実施した決済処理の取消処理を容易に行えるようになる。
すなわち、レシート80から二次元コード85を読み取ることで、複数種類の決済方法それぞれに対応する返金処理を行うことができることで、複数種類の決済方法で実施した決済処理の取消処理を容易に行えるようになる。
なお、複数種類の決済方法のそれぞれの決済処理の内容と二次元コード85とを、1枚のレシート80に印刷することで、買物客に渡すレシートの数を減らすことができる。近年の買物客から増加している、レシートの1枚化の要請に応えることができる。
また、決済処理に応じたポイントの付与処理も行い、このポイントに関する内容も二次元コード85に含めてレシート80に印刷することで、ポイントの返還についても容易に実施し得るようになる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、買上金額内容81、クレジット決済内容82、ギフトカード決済内容83及びポイント利用決済内容84を1枚のレシート80上にまとめて印刷する例を説明したが、これらをそれぞれ別々のレシートとして印刷し、各レシートに、全ての内容についての情報を含む同一の二次元コード85を印刷するようにしても良い。あるいは、買上金額内容81、クレジット決済内容82、ギフトカード決済内容83及びポイント利用決済内容84を任意の組合せで印刷したレシートと、残りを1つずつ又は組合せた別のレシートとして発行し、それぞれに全ての内容についての情報を含む同一の二次元コード85を印刷するようにしても構わない。
このように、複数種類の決済方法のそれぞれの決済処理の内容の内、少なくとも1つの決済処理の内容と二次元コード85とを1枚のレシートに印刷し、他の決済処理の内容については別のレシートに、同一の二次元コード85と共に印刷することで、何れかのレシートから二次元コード85を読み取れば、複数種類の決済方法それぞれに対応する返金処理を行うことができる。よって、買物客は返品及び返金を要請する際、複数のレシートの内の1枚だけを持参すればよくなる。
また、上記実施形態は、クレジット決済、ギフトカード決済及びポイント付与を行う場合を例に説明したが、それらに加えて、あるいは、それらの少なくとも一つの代わりに、デビット決済や電子マネー決済等のクレジット決済以外の決済処理が含まれていても良い。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。