JP2008008063A - 防蟻断熱材及び建物の断熱構造 - Google Patents

防蟻断熱材及び建物の断熱構造 Download PDF

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Abstract

【課題】防蟻性、断熱性能、及び耐久性に優れた防蟻断熱材、並びに、シロアリによる断熱材への食害や、建物の上部躯体である木部への断熱材を経由してのシロアリの侵入及びシロアリによる木部への食害を防止できる建物の断熱構造を提供する。
【解決手段】見掛け密度が90〜300kg/m3、圧縮強度が155〜800N/cm2の発泡断熱材からなる防蟻断熱材1。
発泡断熱材の熱伝導率が0.025〜0.040W/m・kである。
発泡断熱材の吸水率が0.1〜0.4g/100cm2である。
発泡断熱材の曲げ弾性率が5500〜30000N/cm2である。
防蟻断熱材1を建物Aのべた基礎2の基礎スラブ(コンクリート体)3及び外周立ち上がり部(コンクリート体)4に密着させた建物Aの断熱構造。
【選択図】図1

Description

本発明は、シロアリによる食害を受けにくいと共に、断熱性能や耐久性に優れた防蟻断熱材、及びそれを用いた建物の断熱構造に関するものである。
従来のこの種の技術としては、
(1)平均気泡膜厚が5μm以上、かつ見掛け密度が30〜600kg/m3であるポリカーボネート系樹脂発泡体からなる防蟻材(例えば、特許文献1参照。)や、
(2)かさ密度が20〜650kg/m3である発泡ガラス板(例えば、特許文献2参照。)、
等が知られている。
特開平11−236736号公報(請求項1等) 特開平11−124860号公報(第2頁)
しかし、上記のようなポリカーボネート系樹脂発泡体や発泡ガラス板では、ポリスチレン系発泡断熱材等の一般的な断熱材よりも防蟻性が高くなっているものの、断熱材に必要な断熱性能や、耐久性の1項目となる非吸水性が不十分であるという問題点がある。
断熱性能については、一般的に、断熱材の熱伝度率が小さくなればその断熱性能が高くなる一方、断熱材の熱伝導率が大きくなればその断熱性能が低くなる。そのため、断熱材の断熱性能が低い場合、建物の省エネルギー性能を保持するためには、断熱材の厚さを大きくする必要がある。しかし、断熱材の厚さを大きくすれば、コスト高になるという問題点がある。また、厚さを大きくした断熱材を用いて基礎外断熱工法を施工すれば、基礎の外側にある断熱材が建物の外壁面よりも外方へ突出し、断熱材の外周面と建物の外壁面との間に段差ができるので、外装デザインが悪化するという問題点がある。
耐久性については、断熱材を基礎外断熱材として用いた場合、断熱材の一部が地中に埋設され、地中に含まれる水分等で断熱材自体の劣化が促進されるので、基礎外断熱材に採用する断熱材としては、非吸水性の高い(吸水率の小さい)ものが望まれる。
本発明は、以上のような事情や問題点に鑑みてなされたものであり、防蟻性、断熱性能、及び耐久性に優れた防蟻断熱材、並びに、シロアリによる断熱材への食害や、建物の上部躯体である木部への断熱材を経由してのシロアリの侵入及びシロアリによる木部への食害を防止できる建物の断熱構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1の防蟻断熱材は、見掛け密度が90〜300kg/m3、圧縮強度が155〜800N/cm2の発泡断熱材からなる。
請求項2の防蟻断熱材においては、前記発泡断熱材の熱伝導率が0.025〜0.040W/m・kである。
請求項3の防蟻断熱材においては、前記発泡断熱材の吸水率が0.1〜0.4g/100cm2である。
請求項4の防蟻断熱材においては、前記発泡断熱材の曲げ弾性率が5500〜30000N/cm2である。
請求項5の防蟻断熱材においては、前記発泡断熱材の基材樹脂がポリ塩化ビニル系樹脂である。
また、請求項6の建物の断熱構造は、請求項1〜5のいずれか記載の防蟻断熱材を建物のコンクリート体に密着させたものである。
請求項7の建物の断熱構造においては、前記防蟻断熱材の少なくとも一部が地中に埋設されている。
請求項1の防蟻断熱材によれば、発泡断熱材の全体又は表層部が硬く、シロアリによる食害を極めて受けにくいので、防蟻性に優れている。また、断熱性能に優れているので、建物の省エネルギー性能を保持するために発泡断熱材の厚さを大きくする必要がない。そのため、厚さの小さい発泡断熱材で断熱性能を確保できると共に、厚さの小さい発泡断熱材を用いれば、コスト高にならず、建物の外装デザインが損なわれることもない。更に、非吸水性が高く、耐久性に優れているので、地中に埋設することもできる。
請求項2の防蟻断熱材によれば、発泡断熱材の熱伝導率が低いので、確実に断熱性能に優れている。
請求項3の防蟻断熱材によれば、発泡断熱材の非吸水性が高いので、確実に耐久性に優れている。
請求項4の防蟻断熱材によれば、一般的なコンクリート型枠用合板と同等又はそれ以上の曲げ弾性率を有しているので、コンクリート型枠として用いた場合でも、コンクリート打設時に変形するおそれがない。
請求項5の防蟻断熱材によれば、品質が安定した安価な発泡断熱材を容易に製造することができる。また、ポリ塩化ビニル系樹脂として無鉛化ポリ塩化ビニル系樹脂を用いれば、分別リサイクルが可能になる。
また、請求項6の建物の断熱構造によれば、シロアリによる防蟻断熱材への食害や、建物の上部躯体である木部への防蟻断熱材の内部を経由してのシロアリの侵入及びシロアリによる木部への食害を防止することができる。また、防蟻断熱材は防蟻性の他に耐久性にも優れ、劣化が少ないので、長期において建物の断熱性能を維持することができる。
請求項7の建物の断熱構造によれば、シロアリによる食害を受けにくくかつ地中の水分による劣化が少ない防蟻断熱材の少なくとも一部を容易に基礎の断熱材として地中に埋設することができる。
以下、本発明を実施形態及び実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態や実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない限り、適宜変更可能である。
図1に示すように、第1実施形態に係る建物Aの断熱構造は、防蟻断熱材1を建物Aのべた基礎2の外側に密着させたものである。
防蟻断熱材1は、矩形板状に形成されており、見掛け密度が90〜300kg/m3、圧縮強度が155〜800N/cm2の発泡断熱材で構成されている。そのため、防蟻断熱材1においては、発泡断熱材の全体又は表層部が硬く、シロアリによる食害を極めて受けにくいので、防蟻性に優れている。また、断熱性能に優れているので、建物Aの省エネルギー性能を保持するために発泡断熱材の厚さを大きくする必要がない。従って、厚さの小さい発泡断熱材で断熱性能を確保できると共に、厚さの小さい発泡断熱材を用いれば、コスト高にならず、建物Aの外装デザインが損なわれることもない。更に、非吸水性が高く、耐久性に優れているので、図1のように少なくとも一部を地中Gに埋設することもできる。
ここでいう防蟻性とは、シロアリによる食害を受けにくい性質をいう。シロアリとは、ゴキブリに近縁の社会生活をする不完全変態の昆虫であって、シロアリ目(等翅類)Isopteraの総称である。このシロアリは、非変形の堅い頭部を有する一方、比較的柔らかくて弱い体部を有している。このようなシロアリとしては、例えばヤマトシロアリやイエシロアリ等の各種のものが挙げられる。更に、ヤマトシロアリやイエシロアリに代表されるように、地下に生息するシロアリは、少なくとも一部が地中Gに埋設されたポリスチレン系発泡断熱材等の一般的な断熱材に食害を与えると共に、その断熱材の内部を経由して建物Aの上部躯体である木部に食害を与える特性を有している。
なお、発泡断熱材の見掛け密度は90〜300kg/m3が好適であるが、そのうち100〜180kg/m3が特に好適である。これに対し、見掛け密度が90kg/m3未満である場合、シロアリによって発泡断熱材が加害されにくい防蟻性があるものの、発泡断熱材への部分的な加害が見られ、防蟻効果の信頼性に劣る傾向がある。一方、見掛け密度が300kg/m3を超える場合、発泡断熱材の防蟻性は確保できるが、熱伝導率が大きくなって断熱性能が悪化するばかりではなく、発泡断熱材の重量が重くなって施工性が悪化する傾向がある。
また、発泡断熱材の圧縮強度が155N/cm2未満である場合、シロアリによって発泡断熱材が加害されにくい防蟻性があるものの、発泡断熱材への部分的な加害が見られ、防蟻効果の信頼性に劣る傾向がある。一方、圧縮強度が800N/cm2を超える場合、発泡断熱材の防蟻性は確保されるものの、押出発泡体や架橋発泡体に代表される発泡成形体を得ることが困難となるばかりではなく、独立気泡及び均一セル構造体が得ることが難しく、断熱性能が劣る傾向がある。
発泡断熱材としては、押出発泡プラスチック、型内発泡プラスチック、硬質ポリウレタンフォーム、押出発泡ガラス等の多数の独立気泡を有する合成樹脂系発泡体や無機系発泡体等が挙げられる。
無機系発泡体の基材無機物としては、ガラス、セメント、陶磁器、セラミックス等が挙げられる。ここでいう基材無機物とは、無機系発泡体の主成分となる無機物をいう。
合成樹脂系発泡体の基材樹脂としては、
〔1〕汎用プラスチック(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、フッ素樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、AS樹脂、ポリメタクリル酸メチル等)、
〔2〕エンジニアリングプラスチック(ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、環状ポリオレフィン等)、
〔3〕スーパーエンジニアリングプラスチック(ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、非晶ポリアリレート、液晶ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン等)、
〔4〕熱硬化性樹脂(ポリイミド、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等)、
等が挙げられる。ここでいう基材樹脂とは、合成樹脂系発泡体の主成分となる合成樹脂をいう。
なお、発泡断熱材は、複合材料(ガラス繊維強化発泡プラスチック、炭素繊維強化発泡プラスチック、ガラス繊維強化無機系発泡体、炭素繊維強化無機系発泡体等)であってもよい。
ここで、発泡断熱材の基材樹脂がポリ塩化ビニル系樹脂であれば、品質が安定した安価な発泡断熱材を容易に製造できるという利点がある。また、ポリ塩化ビニル系樹脂として無鉛化ポリ塩化ビニル系樹脂を用いれば、分別リサイクルが可能になるという利点がある。
ポリ塩化ビニル系樹脂としては、
〔1〕塩化ビニル単独重合体(=ポリ塩化ビニル)、
〔2〕塩化ビニルモノマーと他のモノマーとの共重合体(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等)、
〔3〕〔1〕の塩化ビニル単独重合体又は〔2〕の共重合体にそれとの相溶性を呈する合成樹脂を劣位量混合したもの、
等が挙げられる。このようなポリ塩化ビニル系樹脂の重合度は、1000〜4000、より好ましくは1500〜3000が好適である。
前記相溶性を呈する合成樹脂としては、塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
なお、発泡断熱材は、図2に示すように、多数の独立気泡を有する合成樹脂系発泡体や無機系発泡体等の発泡体からなるコア材1Dの表面をコート材1Eで被覆したものであってもよい。このように、発泡断熱材は、均質なものの全体が硬くてもよいし、表層部だけが硬くてもよい。
コート材1Eとしては、
〔1〕熱硬化性樹脂(常温硬化性樹脂等)、
〔2〕熱可塑性樹脂、
〔3〕光硬化性樹脂(エポキシアクリレート系、ウレタンアクリオレート系、ABSライク樹脂系、エポキシフィラー系、オキセタン系等)、
〔4〕光重合開始剤を原料樹脂に添加して光重合させるもの、
等が挙げられる。
光重合開始剤としては、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール、α-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-フェニルプロパン等が挙げられる。
コア材1Dの表面をコート材1Eで被覆する方法としては、
〔1〕射出成型法、
〔2〕真空注型法、
〔3〕重力注型法(トップゲート方式、アンダーゲート方式等)、
〔4〕コア材1Dを硬化前又は溶融状態のコート材1E中に浸漬(いわゆるドブ漬け)する方法、
等が挙げられる。なお、コア材1Dの表面の6面全てをコート材1Eで被覆してもよいが、コンクリート体に接する面を除外した5面を被覆しておけば、防蟻性とコスト面から優位である。
また、発泡断熱材には、必要に応じて、従来公知の適宜の熱安定剤、可塑剤、充填剤、顔料等を添加しておいてもよい。
ここで、防蟻断熱材1において、発泡断熱材の熱伝導率が0.025〜0.040W/m・kであれば、確実に断熱性能に優れているという利点がある。なお、熱伝導率が0.025W/m・k未満である場合、断熱性能に更に優れているものの、発泡断熱材内部の独立気泡数が多くなり、ソリッド(セル膜)部分を形成する樹脂比率が低下するため、発泡断熱材がシロアリによる加害を受けやすくなり、防蟻性が悪化する傾向がある。一方、熱伝導率が0.040W/m・kを超える場合、断熱性能に劣り、同等の断熱効果を得るために厚さが大きい発泡断熱材の採用や発泡断熱材の重ね貼りが必要となってコスト高となったり、施工性が悪化したりする傾向がある。
発泡断熱材の吸水率が0.1〜0.4g/100cm2であれば、非吸水性が高いので、確実に耐久性に優れているという利点がある。なお、吸水率が0.1g/100cm2未満である場合、非吸水による耐久性に更に優れているものの、発泡断熱材内部がほほ完全な独立気泡構造となり、発泡倍率が低下して熱伝導率が大きくなり、断熱性能が悪化する傾向がある。一方、吸水率が0.4g/100cm2を超える場合、地中Gに含まれる水分を吸収し、即ち、その水分が発泡断熱材の内部に浸透していくことにより耐久性が悪化する傾向がある。また、発泡断熱材の吸水性は断面形状に影響されるので、スライサー等により切断されたカット発泡断熱材の使用は好ましくない。従って、発泡断熱材の表面が微細セルで形成されたスキン層付き発泡断熱材や、発泡体からなるコア材1Dの表面を熱硬化性樹脂等のコート材1Eで被覆した発泡断熱材等を使用することが好ましい。
発泡断熱材の曲げ弾性率が5500〜30000N/cm2であれば、一般的なコンクリート型枠用合板と同等又はそれ以上の曲げ弾性率を有しているので、コンクリート型枠として用いた場合でも、コンクリート打設時に変形するおそれがないという利点がある。なお、曲げ弾性率が5500N/cm2未満である場合、防蟻断熱材1をコンクリート型枠として用いれば、コンクリート打設時に防蟻断熱材1が変形もしくは破断して所望のコンクリート体を得られないおそれがある。一方、曲げ弾性率が30000N/cm2を超える場合、曲げ弾性率の性状は確保できるものの、発泡断熱材の見掛け密度が大きくなり、発泡断熱材の特徴である軽量性が損なわれるおそれがある。
また、防蟻断熱材1をコンクリート型枠として用いる場合、防蟻断熱材1にその厚さ方向に貫通する貫通孔をドリル等で形成し、その貫通孔にセパレータ等の型枠間隔保持材を挿通したりできるが、防蟻断熱材1にその厚さ方向に延びるが貫通しない下穴をドリル等で形成し、その下穴の周囲にタップで雌ネジを形成し、その雌ネジに、型枠間隔保持材の先端に形成された雄ネジを螺着したり、あるいは、防蟻断熱材1に前記下穴をドリル等で形成し、その下穴にアンカープラグを固着し、そのアンカープラグに形成された雌ネジ孔に、型枠間隔保持材の先端に形成された雄ネジを螺着したりすることもできるという利点がある。
図1に示すように、べた基礎2の基礎スラブ(コンクリート体)3上の周縁部には、外周立ち上がり部(コンクリート体)4が周方向に延びるように立設されている。
前記の防蟻断熱材1は、基礎スラブ3の外周面3a及び外周立ち上がり部4の外周面4aに周方向に並べるように取り付けられている。防蟻断熱材1の外周面1aには、モルタル等からなる外装仕上げ塗材5が塗布されている。なお、防蟻断熱材1と外装仕上げ塗材5との間には、下塗材を塗布してもよい。基礎スラブ3の下には、捨てコンクリートや割栗石を施工してもよい。
防蟻断熱材1を基礎スラブ3や外周立ち上がり部4に密着させる方法としては、
〔1〕防蟻断熱材1を外側のコンクリート型枠に当接するように設置した状態で基礎スラブ3のコンクリートや外周立ち上がり部4のコンクリートを打設する方法、
〔2〕防蟻断熱材1を打設後の基礎スラブ3や外周立ち上がり部4に接着剤で接着する方法、
等が挙げられる。発泡断熱材の曲げ弾性率が5500〜30000N/cm2であれば、更に、
〔3〕防蟻断熱材1を捨て型枠とする方法、即ち、防蟻断熱材1を通常のコンクリート型枠の代わりに設置した状態で基礎スラブ3のコンクリートや外周立ち上がり部4のコンクリートを打設する方法、
等も挙げられる。〔1〕や〔3〕の方法により防蟻断熱材1を基礎スラブ3や外周立ち上がり部4に密着させれば、〔2〕のような接着剤で防蟻断熱材1を接着する後工程を省略できるので、施工性の向上を図ることができるという利点がある。
建物Aにおいては、防蟻性、断熱性能、及び耐久性に優れた防蟻断熱材1をべた基礎2の外側に密着させているので、基礎外断熱を図ることができると共に、シロアリによる防蟻断熱材1への食害や、建物Aの上部躯体である軸組Bや床組C等の木部への防蟻断熱材1の内部を経由してのシロアリの侵入及びシロアリによる木部への食害を防止できるという利点がある。また、防蟻断熱材1は防蟻性の他に耐久性にも優れ、劣化が少ないので、長期において建物Aの断熱性能を維持できるという利点がある。
更に、シロアリによる食害を受けにくくかつ地中Gの水分による劣化が少ない防蟻断熱材1の一部を、図1のように容易に基礎の断熱材として地中Gに埋設できるという利点がある。
図3に示すように、第2実施形態に係る建物Aの断熱構造は、第1実施形態において、防蟻断熱材1をべた基礎2の内側に密着させたものである。
防蟻断熱材1は、下端がべた基礎2の基礎スラブ3に当接するようにして、べた基礎2の外周立ち上がり部4の内周面4bに周方向に並べるように取り付けられている。
このように、建物Aにおいては、防蟻性、断熱性能、及び耐久性に優れた防蟻断熱材1をべた基礎2の内側に密着させているので、基礎内断熱を図ることができると共に、シロアリによる防蟻断熱材1への食害や、木部への防蟻断熱材1の内部を経由してのシロアリの侵入及びシロアリによる木部への食害を防止できるという利点がある。また、防蟻断熱材1は防蟻性の他に耐久性にも優れ、劣化が少ないので、長期において建物Aの断熱性能を維持できるという利点がある。また、防蟻断熱材1はシロアリによる食害を受けず、防蟻断熱材1の内部に蟻道が形成されることはないので、シロアリが床下Yに侵入した場合、風を嫌う習性を有するシロアリは防蟻断熱材1の外部に蟻道を形成せざるを得ない。そのため、シロアリが床下Yに侵入したことを早期に発見できるという利点がある。
ここで、図3に示すように、防蟻断熱材1と同様に構成された断熱補強用の防蟻断熱材1Fを、外端が基礎内断熱用の防蟻断熱材1に当接するようにして基礎スラブ3上に周方向に並べるように敷設しておけば、基礎内断熱をより効果的に図ることができるという利点がある。
防蟻断熱材1を外周立ち上がり部4に密着させる方法としては、
〔1〕防蟻断熱材1を内側のコンクリート型枠に当接するように設置した状態で外周立ち上がり部4のコンクリートを打設する方法、
〔2〕防蟻断熱材1を打設後の外周立ち上がり部4に接着剤で接着する方法、
等が挙げられる。発泡断熱材の曲げ弾性率が5500〜30000N/cm2であれば、更に、
〔3〕防蟻断熱材1を捨て型枠とする方法、即ち、防蟻断熱材1を通常のコンクリート型枠の代わりに設置した状態で外周立ち上がり部4のコンクリートを打設する方法、
等も挙げられる。〔1〕や〔3〕の方法により防蟻断熱材1を外周立ち上がり部4に密着させれば、〔2〕のような接着剤で防蟻断熱材1を接着する後工程を省略できるので、施工性の向上を図ることができるという利点がある。
断熱補強用の防蟻断熱材1Fを基礎スラブ3上に密着させる方法としては、
〔1〕断熱補強用の防蟻断熱材1Fを所定位置に設置した状態で基礎スラブ3のコンクリートを打設する方法、
〔2〕断熱補強用の防蟻断熱材1Fを打設後の基礎スラブ3上に接着剤で接着する方法、
等が挙げられる。〔1〕の方法により断熱補強用の防蟻断熱材1Fを基礎スラブ3上に密着させれば、〔2〕のような接着剤で断熱補強用の防蟻断熱材1Fを接着する後工程を省略できるので、施工性の向上を図ることができるという利点がある。
図4に示すように、第3実施形態に係る建物Aの断熱構造は、寒冷地等に見られる断熱構造であって、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせたものである。そのため、第1実施形態の利点と第2実施形態の利点の両方を有している。
図5に示すように、第4実施形態に係る建物Aの断熱構造は、第1実施形態において、防蟻断熱材1を、べた基礎2の代わりに外周布基礎12の外側に密着させたものである。
外周布基礎12は、ベース部(コンクリート体)13と立ち上がり部(コンクリート体)14とから断面が逆T字状に形成されている。
防蟻断熱材1は、下端がベース部13に当接するようにして、立ち上がり部14の外周面14aに周方向に並べるように取り付けられている。なお、ベース部13の下には、捨てコンクリートや割栗石を施工してもよい。
このように、建物Aにおいては、防蟻性、断熱性能、及び耐久性に優れた防蟻断熱材1を外周布基礎12の外側に密着させているので、基礎外断熱を図ることができると共に、シロアリによる防蟻断熱材1への食害や、木部への防蟻断熱材1の内部を経由してのシロアリの侵入及びシロアリによる木部への食害を防止できるという利点がある。また、防蟻断熱材1は防蟻性の他に耐久性にも優れ、劣化が少ないので、長期において建物Aの断熱性能を維持できるという利点がある。
更に、図5に示すように、防蟻断熱材1の一部が地中Gに埋設されていても、シロアリによる地中Gからの防蟻断熱材1への食害を防止できるので、木部への防蟻断熱材1の内部を経由してのシロアリの侵入及びシロアリによる木部への食害を確実に防止できるという利点がある。
防蟻断熱材1を立ち上がり部14に密着させる方法としては、
〔1〕防蟻断熱材1を外側のコンクリート型枠に当接するように設置した状態で立ち上がり部14のコンクリートを打設する方法、
〔2〕防蟻断熱材1を打設後の立ち上がり部14に接着剤で接着する方法、
等が挙げられる。発泡断熱材の曲げ弾性率が5500〜30000N/cm2であれば、更に、
〔3〕防蟻断熱材1を捨て型枠とする方法、即ち、防蟻断熱材1を通常のコンクリート型枠の代わりに設置した状態で立ち上がり部14のコンクリートを打設する方法、
等も挙げられる。〔1〕や〔3〕の方法により防蟻断熱材1を立ち上がり部14に密着させれば、〔2〕のような接着剤で防蟻断熱材1を接着する後工程を省略できるので、施工性の向上を図ることができるという利点がある。
図6に示すように、第5実施形態に係る建物Aの断熱構造は、第4実施形態において、防蟻断熱材1を外周布基礎12の内側に密着させたものである。
建物Aの床下地盤15上には、土間コンクリート(コンクリート体)16が施工されている。
防蟻断熱材1は、下端が土間コンクリート16に当接するようにして、外周布基礎12の立ち上がり部14の内周面14bに周方向に並べるように取り付けられている。
このように、建物Aにおいては、防蟻性、断熱性能、及び耐久性に優れた防蟻断熱材1を外周布基礎12の内側に密着させているので、基礎内断熱を図ることができると共に、シロアリによる防蟻断熱材1への食害や、木部への防蟻断熱材1の内部を経由してのシロアリの侵入及びシロアリによる木部への食害を防止できるという利点がある。また、防蟻断熱材1は防蟻性の他に耐久性にも優れ、劣化が少ないので、長期において建物Aの断熱性能を維持できるという利点がある。また、防蟻断熱材1はシロアリによる食害を受けず、防蟻断熱材1の内部に蟻道が形成されることはないので、シロアリが床下Yに侵入した場合、風を嫌う習性を有するシロアリは防蟻断熱材1の外部に蟻道を形成せざるを得ない。そのため、シロアリが床下Yに侵入したことを早期に発見できるという利点がある。
ここで、図6に示すように、断熱補強用の防蟻断熱材1Fを、外端が基礎内断熱用の防蟻断熱材1に当接するようにして土間コンクリート16上に周方向に並べるように敷設しておけば、基礎内断熱をより効果的に図ることができるという利点がある。
防蟻断熱材1を立ち上がり部14に密着させる方法としては、
〔1〕防蟻断熱材1を内側のコンクリート型枠に当接するように設置した状態で立ち上がり部14のコンクリートを打設する方法、
〔2〕防蟻断熱材1を打設後の立ち上がり部14に接着剤で接着する方法、
等が挙げられる。発泡断熱材の曲げ弾性率が5500〜30000N/cm2であれば、更に、
〔3〕防蟻断熱材1を捨て型枠とする方法、即ち、防蟻断熱材1を通常のコンクリート型枠の代わりに設置した状態で立ち上がり部14のコンクリートを打設する方法、
等も挙げられる。〔1〕や〔3〕の方法により防蟻断熱材1を立ち上がり部14に密着させれば、〔2〕のような接着剤で防蟻断熱材1を接着する後工程を省略できるので、施工性の向上を図ることができるという利点がある。
断熱補強用の防蟻断熱材1Fを土間コンクリート15上に密着させる方法としては、
〔1〕断熱補強用の防蟻断熱材1Fを所定位置に設置した状態で土間コンクリート15のコンクリートを打設する方法、
〔2〕断熱補強用の防蟻断熱材1Fを打設後の土間コンクリート15上に接着剤で接着する方法、
等が挙げられる。〔1〕の方法により断熱補強用の防蟻断熱材1Fを土間コンクリート15上に密着させれば、〔2〕のような接着剤で断熱補強用の防蟻断熱材1Fを接着する後工程を省略できるので、施工性の向上を図ることができるという利点がある。
図7に示すように、第6実施形態に係る建物Aの断熱構造は、寒冷地等に見られる断熱構造であって、第4実施形態と第5実施形態とを組み合わせたものである。そのため、第4実施形態の利点と第5実施形態の利点の両方を有している。
図8に示すように、第7実施形態に係る建物Aの断熱構造の好ましい態様は、第1実施形態において、防蟻断熱材1を、べた基礎2の代わりに地下室22の外側に密着させたものである。
床下地盤15には、凹部15Hが形成されている。この凹部15H内には、地下室22の土間コンクリート(コンクリート体)23が施工されている。この土間コンクリート23上の周縁部には、側壁(コンクリート体)24が周方向に延びるように立設されている。
防蟻断熱材1は、下端が土間コンクリート23に当接するようにして、側壁24の外周面24aに周方向に並べるように取り付けられている。
このように、建物Aにおいては、防蟻性、断熱性能、及び耐久性に優れた防蟻断熱材1を地下室22の外側に密着させているので、地下室22での外断熱を図ることができると共に、シロアリによる防蟻断熱材1への食害や、木部への防蟻断熱材1の内部を経由してのシロアリの侵入及びシロアリによる木部への食害を防止できるという利点がある。また、防蟻断熱材1は防蟻性の他に耐久性にも優れ、劣化が少ないので、長期において地下室22の断熱性能を維持できると共に、長期においてコンクリート壁面の吸水を防止できるという利点がある。
更に、図8に示すように、防蟻断熱材1の全部が地中Gに埋設されていても、シロアリによる地中Gからの防蟻断熱材1への食害を防止できるので、木部への防蟻断熱材1の内部を経由してのシロアリの侵入及びシロアリによる木部への食害を確実に防止できるという利点がある。
防蟻断熱材1を地下室22の側壁24の外周面24aに密着させる方法としては、
〔1〕防蟻断熱材1を外側のコンクリート型枠に当接するように設置した状態で側壁24のコンクリートを打設する方法、
等が挙げられる。発泡断熱材の曲げ弾性率が5500〜30000N/cm2であれば、更に、
〔2〕防蟻断熱材1を捨て型枠とする方法、即ち、図9〜図11に示すように、防蟻断熱材1を通常のコンクリート型枠の代わりに設置した状態で側壁24のコンクリートを打設する方法、
等も挙げられる。〔2〕の方法においては、図9及び図10に示すように、外側のコンクリート型枠としての防蟻断熱材1と内側のコンクリート型枠25とを所定間隔に保持する型枠間隔保持材26を使用することができる。
この型枠間隔保持材26は、図10に示すように、基軸27と、この基軸27の一端27a側及び他端27b側にそれぞれ外嵌されたドーム状の当接カップ28とを備えている。基軸27の一端27a及び他端27bには、それぞれ雄ネジ29が形成されている。防蟻断熱材1の内周面1bには、防蟻断熱材1の厚さ方向に延びるが貫通しない雌ネジ穴30が形成されている。
複数の型枠間隔保持材26により防蟻断熱材1とコンクリート型枠25とを所定間隔に保持するには、基軸27の一端27a側の当接カップ28が防蟻断熱材1に当接するように、基軸27の一端27aの雄ネジ29を防蟻断熱材1の雌ネジ穴30に螺着し、コンクリート型枠25が基軸27の他端27b側の当接カップ28に当接するように、コンクリート型枠25に形成された挿通孔31に基軸27の他端27bを挿通した後、基軸27の他端27bの雄ネジ29にナット32を螺合して締め付ければよい。図11に示すように、基軸27の他端27b側の当接カップ28から内方へ突出した部分33は、側壁24を打設した後に切除しておけばよい。基軸27の他端27b側の当接カップ28内には、必要に応じて、モルタル等の充填材を充填してもよい。
一方、防蟻断熱材1を地下室22の側壁24の内周面24bに密着させる方法としては、
〔1〕防蟻断熱材1を内側のコンクリート型枠に当接するように設置した状態で側壁24のコンクリートを打設する方法、
等が挙げられる。発泡断熱材の曲げ弾性率が5500〜30000N/cm2であれば、更に、
〔2〕防蟻断熱材1を捨て型枠とする方法、即ち、図示しないが、防蟻断熱材1を通常のコンクリート型枠の代わりに設置した状態で側壁24のコンクリートを打設する方法、
等も挙げられる。〔2〕の方法においては、既述のようにして、型枠間隔保持材26により外側のコンクリート型枠25と内側の防蟻断熱材1とを所定間隔に保持することができる。
なお、防蟻断熱材1を密着させるコンクリート体は、第1〜第3実施形態のようなべた基礎2の基礎スラブ3や外周立ち上がり部4、第4〜第6実施形態のような外周布基礎12の立ち上がり部14、第7実施形態のような地下室22の側壁24の他、コンクリート外壁、第4〜第6実施形態のような外周布基礎12のベース部13、第5及び第6実施形態のような土間コンクリート15、第7実施形態のような地下室22の土間コンクリート23等であってもよい。
次に、本発明を、微細セル及び独立気泡構造を有する架橋硬質ポリ塩化ビニル系樹脂発泡体(一般名:塩ビフォーム断熱材。以下、「塩ビフォーム断熱材」という。)からなる防蟻断熱材の防蟻効力試験等についての実施例に基づいて詳細に説明する。
表1に示すように、防蟻断熱材として、見掛け密度100kg/m3の塩ビフォーム断熱材(商品名:ナビセル、JFC株式会社製)を用いた。この防蟻断熱材の見掛け密度、発泡倍率、圧縮強度、熱伝導率、吸水率、曲げ弾性率、防蟻効力試験による質量減少率、ネジ加工性、及びネジ外れ性を後述のようにして測定又は評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2008008063
なお、見掛け密度は、約100mm×約100mm×約25mm又は約200mm×約200mm×約25mmのサイズの3つの試験片により、JIS K 7222に従って測定した。
発泡倍率は、次の数式〔1〕に従って算出した。
(原料の見掛け密度)/(塩ビフォーム断熱材の見掛け密度) ・・〔1〕
圧縮強度は、上面と下面との平行度が厚さの1%以内となるように切り出した3つの試験片により、JIS K 7220に従って測定した。
熱伝導率は、平均温度(試験片温度)を(20−2)℃〜(20+3)℃として、JIS K 1412に従って測定した。
吸水率は、約100mm×約100mm×約25mmのサイズの3つの試験片により、JIS A 9511に従って測定した。
曲げ弾性率は、曲げ応力−たわみ曲線の始めの直線部分(弾性変形領域)により、JIS K 7221−7.2に従って算出した。
防蟻効力試験による質量減少率は、試験片のサイズを20mm×20mm×10mmとした点を除き、そのサイズの3つの試験片により、JWPS−TW−S.1(社団法人日本木材保存協会規格:表面処理用木材防蟻剤の室内防蟻効力試験方法及び性能基準、一般試験名:強制摂食試験)に従って測定した。
具体的には、20mm×20mm×10mmのサイズとした各試験片を60±2℃で48時間乾燥し、デシケータ内で約30分間冷却した後、0.01gまで秤量することにより試験前の質量(W1)を測定した。また、底板及び蓋を有する円筒状の飼育容器(アクリル樹脂製、外径8cm、高さ6cm、肉厚5mm)の底板上に、厚さが5mmとなるように硬石膏を注入、硬化させた。
この飼育容器内の硬石膏上に、柾目(まさめ)面を上下にしたアカマツ辺材をブランクとして載置すると共に、3つの試験片をそれぞれ水平に載置した状態で、イエシロアリの巣から無作為に取り出した職蟻150頭、兵蟻15頭を飼育容器内に投入し、蓋をした後、28±2℃の暗所に21日間静置した。そして、21日経過後に飼育容器から試験片を取り出し、その表面に付着した蟻土を丁寧に取り除いた上、60±2℃で48時間乾燥し、デシケータ内で約30分間冷却した後、0.01gまで秤量することにより試験後の質量(W2)を測定した。
質量減少率は、次の数式〔2〕に従って算出し、3つの試験片についての平均値とした。なお、ブランクとしてのアカマツ辺材の質量減少率は、27.5%であった。
質量減少率(%)={(W1−W2)/W1}×100 ・・〔2〕
また、21日経過後の試験片について、目視により最大直線寸法が1mm以上の大きな穿孔があるか否かの穿孔観察を行った。その結果を表1に示す。
更に、前記の質量減少率及び強制摂食試験体の穿孔観察結果に基づき、次の基準に従って防蟻性を総合評価した。その結果を表1に示す。
〔防蟻性評価〕
○:試験体の質量減少率が3%未満であると共に、大きな穿孔がないため、防蟻性に優れている。
△:試験体の質量減少率が3%未満であるが、一部に大きな穿孔があるため、防蟻性が低い。
×:試験体の質量減少率が3%以上であると共に、大きな穿孔があるため、防蟻性がない。
ネジ加工性及びネジ外れ性は、防蟻断熱材をコンクリート型枠として用いる場合に、セパレータ等の型枠間隔保持材を防蟻断熱材に螺着できるか否か、及び防蟻断熱材に螺着された型枠間隔保持材に引張荷重を印加した状態で型枠間隔保持材が防蟻断熱材から外れるか否かを評価するためのものである。
具体的には、防蟻断熱材にその厚さ方向に延びるが貫通しない下穴をφ6.5mmのキリで形成した後、その下穴の周囲に5/16インチサイズのタップで雌ネジを形成し、その雌ネジに、型枠間隔保持材の一端に形成された雄ネジを螺着できるか否かについて、次の基準に従って評価した。
〔ネジ加工性〕
○:雌ネジが形成され、型枠間隔保持材の雄ネジを雌ネジに螺着できる。
×:雌ネジが形成されず、型枠間隔保持材の雄ネジを螺着できない。
また、上記のようにして型枠間隔保持材の雄ネジを雌ネジに螺着できた場合は、防蟻断熱材に螺着された型枠間隔保持材を下に向け、かつ型枠間隔保持材の他端に30kgの重りを付けることにより引張荷重を印加した状態で、型枠間隔保持材が防蟻断熱材から外れるか否かについて、次の基準に従って評価した。
〔ネジ外れ性〕
○:引張荷重を印加しても外れない。
×:引張荷重を印加すれば外れる。
表1に示すように、防蟻断熱材として、見掛け密度150kg/m3の塩ビフォーム断熱材(商品名:ナビセル、JFC株式会社製)を用いた他は、実施例1と同様の操作を行った。その結果を表1に示す。
表1に示すように、見掛け密度200kg/m3の塩ビフォーム断熱材(商品名:ナビセル、JFC株式会社製)を用いた他は、実施例1と同様の操作を行った。その結果を表1に示す。
〔比較例1〕
表1に示すように、断熱材として、見掛け密度80kg/m3の塩ビフォーム断熱材(商品名:ナビセル、JFC株式会社製)を用いた他は、実施例1と同様の操作を行った。その結果を表1に示す。
〔比較例2〕
表1に示すように、断熱材として、見掛け密度32kg/m3の押出法ポリスチレンフォーム〔商品名:KLF−FIII(25mm厚)、株式会社カネカ製〕を用いた他は、実施例1と同様の操作を行った。その結果を表1に示す。
〔比較例3〕
表1に示すように、断熱材として、見掛け密度25kg/m3のビーズ法発泡ポリスチレン〔商品名:EPS−VF(40倍発泡)、株式会社カネカ製〕を用いた他は、実施例1と同様の操作を行った。その結果を表1に示す。
以上のように、本発明に係る防蟻断熱材は、防蟻性、断熱性能、及び耐久性に優れた断熱材として利用することができる。また、セパレータ等の型枠間隔保持材の先端に形成された雄ネジを螺着するための雌ネジ等を形成できるので、コンクリート型枠として用いる場合は、施工性の向上に寄与する捨て型枠として利用することができる。更に、防蟻断熱材を用いた建物の断熱構造は、シロアリによる防蟻断熱材への食害や、シロアリによる防蟻断熱材の内部を経由した建物の木部への食害を未然に防止すると共に、建物の長期断熱性能の維持を図るのに適している。
第1実施形態に係る建物の断熱構造を示す要部拡大概略断面図。 コア材の表面をコート材で被覆した例を示す断面図。 第2実施形態に係る建物の断熱構造を示す要部拡大概略断面図。 第3実施形態に係る建物の断熱構造を示す要部拡大概略断面図。 第4実施形態に係る建物の断熱構造を示す要部拡大概略断面図。 第5実施形態に係る建物の断熱構造を示す要部拡大概略断面図。 第6実施形態に係る建物の断熱構造を示す要部拡大概略断面図。 第7実施形態に係る建物の断熱構造を示す要部拡大概略断面図。 外側の防蟻断熱材及び内側のコンクリート型枠を設置した状態を示す概略断面図。 型枠間隔保持材付近の要部拡大概略断面図。 側壁を打設した後の状態を示す概略断面図。
符号の説明
A 建物
1 防蟻断熱材
2 べた基礎
3 基礎スラブ(コンクリート体)
4 外周立ち上がり部(コンクリート体)
G 地中
12 外周布基礎
13 ベース部(コンクリート体)
14 立ち上がり部(コンクリート体)
16 土間コンクリート(コンクリート体)
22 地下室
23 土間コンクリート(コンクリート体)
24 側壁(コンクリート体)

Claims (7)

  1. 見掛け密度が90〜300kg/m3、圧縮強度が155〜800N/cm2の発泡断熱材からなる防蟻断熱材。
  2. 前記発泡断熱材の熱伝導率が0.025〜0.040W/m・kである請求項1記載の防蟻断熱材。
  3. 前記発泡断熱材の吸水率が0.1〜0.4g/100cm2である請求項1又は2記載の防蟻断熱材。
  4. 前記発泡断熱材の曲げ弾性率が5500〜30000N/cm2である請求項1〜3のいずれか記載の防蟻断熱材。
  5. 前記発泡断熱材の基材樹脂がポリ塩化ビニル系樹脂である請求項1〜4のいずれか記載の防蟻断熱材。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の防蟻断熱材を建物のコンクリート体に密着させたことを特徴とする建物の断熱構造。
  7. 前記防蟻断熱材の少なくとも一部が地中に埋設されている請求項6記載の建物の断熱構造。
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