JP2008007803A - 表面処理銅箔 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】銅層の少なくとも一方の面上に燐含有ニッケル−モリブデンからなる表面処理層又は燐−ニッケル−モリブデンを少なくとも含有する表面処理層を形成した表面処理銅箔である。
また、銅層の少なくとも一方の面上に形成された燐含有ニッケル層又はニッケル合金層上に、モリブデン又はモリブデン合金層を形成した表面処理銅箔である。
【選択図】なし
Description
また、プリント配線板の用途が拡大するに伴いプリント配線板が高温下で用いられる場合があり、プリント配線板が長時間加熱されると、プリント配線板において回路部分の銅が基板樹脂に対して触媒として作用し、該基板樹脂が銅箔との接合面で分解して銅箔一基板間の剥離強度が劣化する現象が起こる。
そこで新たにニッケル−コバルトからなる金属層を設けることが提案されている(例えば特許文献1<特公平6−54829号公報>参照)。
そこで上記エッチング性の悪さを改善すべくNi−Co中に燐を含有させる方法が提案されている(特許文献2<特開平10−135594>参照)。この提案では、エッチング性が向上し、エポキシ系の樹脂ではピール強度も向上する、と開示しているが、同条件にて作成した表面処理箔をCOFもしくはFPCに使用されているポリイミドフィルムへ貼り付けて密着性を測定すると目標とするピール強度がでないことが実証されている。
1(%)≦D×100/(C+D)≦70(%)
の範囲であることが好ましい。この範囲を選択するのは、Moが1%以下では、ポリイミドとの密着性を向上させる効果がほとんど期待できず、また、Moを70%以上にするとめっきのムラやエッチング性に支障をきたすようになるためである。
0.01(%)≦B×100/(A+B)(%)≦15(%)
であることが望ましい。
燐含有量が0.01(%)以下では、エッチング性に効果が見られず、また、15%以上と含有量が多過ぎるとポリイミドフィルムへの密着性が悪くなる。
以下、電気めっき法による表面処理層の形成方法につき説明する。
燐含有ニッケル−モリブデン浴としては、ニッケル十モリブデンめっき液に燐化合物を溶解した浴を用い、通常の方法に従い銅箔表面上に燐含有ニッケル−モリブデン層を形成する。
また、燐含有ニッケルめっき層上にモリブデン層をめっきする場合には、ニッケルめっき浴に燐化合物を溶解しためっき浴にてニッケルめっきを行った後、モリブデンもしくはモリブデン合金めっきを行う。なお、モリブデン又はモリブデン合金浴に燐化合物を溶解させることによりモリブデン又はモリブデン合金層のエッチング性を良くすることができる。
めっき浴の組成、浴温、電流密度等も通常のめっき処方と同様で良く、何ら特別の方法を採用する必要はない。
防錆処理は、クロメート処理あるいは亜鉛皮膜形成とクロメート処理を併用する。これらの処理は、銅箔表面の耐食性を高める働きをする。クロムはピール強度に効果を示す場合もある。クロメート処理の場合は、銅箔表面の耐塩酸性を高める効果がある。クロメート処理は、クロム酸処理液中で陰極電解を行うことにより施すことができ、被処理面にクロムの酸化物あるいはクロム水和酸化物を析出させる。ここで用いるクロム酸処理液は、クロム酸単独の水溶液のほか、クロム酸又は重クロム酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩の水溶液である。亜鉛皮膜とクロメート処理の場合は、主として、樹脂基板と銅箔をプレスする時の銅箔の基板と接合していない面の加熱変色を防ぐ目的で施される。また一方で、銅箔−樹脂基板間の加熱時のビールの低下を防ぐ役割も果たす。しかし、必要以上に亜鉛皮膜を厚くすると耐塩酸性が悪くなる。
NiSO4・6H2O 10〜500g/l
Na2MoO4・2H2O 1〜50g/l
クエン酸3ナトリム2水和物 30〜200g/l
NaPH2O2・H2O 1〜30g/l
電流密度 1〜50A/dm2
浴温 10〜70℃
NiSO4・6H2O 10〜500g/l
Na2MoO4・2H2O 1〜30g/l
CoSO4・7H2O 1〜50g/l
クエン酸3ナトリム2水和物 30〜200g/l
NaPH2O2・H2O 1〜30g/l
電流密度 1〜50A/dm2
浴温 10〜70℃
NiSO4・6H2O 10〜500g/l
H3BO3 1〜50g/l
NaPH2O2・H2O 0.1〜30g/l
電流密度 1〜50A/dm2
浴温 10〜70℃
Na2MoO4・2H2O 1〜30g/l
CoSO4・7H2O 1〜50g/l
クエン酸3ナトリム2水和物 30〜200g/l
電流密度 1〜50A/dm2
浴温 10〜70℃
Na2Mo04・2H2O 1〜30g/l
CoSO4・7H2O 1〜50g/l
クエン酸3ナトリム2水和物 30〜200g/l
NaPH2O2・H2O 1〜30g/l
電流密度 1〜50A/dm2
浴温 10〜70℃
Na2MoO4・2H2O 1〜50g/l
無水クロム酸 1〜50g/l
クエン酸3ナトリム2水和物 30〜200g/l
電流密度 1〜50A/dm2
浴温 10〜70℃
銅箔: 電解銅箔(結晶粒状晶)
箔厚: 12μm
表面処理を施す面の粗さ: 0.7μm
前記条件1の条件範囲内にて10秒めっきして燐を含有するニッケル−モリブデン層を成膜し、その後防錆金属Zn・Crを付着させ、シラン処理を行った。銅箔表面に析出した各金属の付着量を表1に示す。
前記条件2の条件範囲内にて15秒めっきして燐を含有するニッケル−モリブデン−コバルト層を成膜し、その後防錆金属Zn・Crを付着させ、シラン処理を行った。銅箔表面に析出した各金属の付着量を表1に示す。
前記条件3の条件範囲内にて12秒めっきして燐を含有するニッケル層を成膜し、その上に、前記条件4の条件範囲内にて10秒めっきしてモリブデン−コバルト層を成膜し、その上に防錆金属Zn・Crを付着させ、シラン処理を行った。銅箔表面に析出した各金属の付着量を表1に示す。
前記条件3の条件範囲内にて15秒めっきして燐を含有するニッケル層を成膜し、その上に、前記条件5の条件範囲内にて20秒めっきして燐を含有するモリブデン−コバルト層を成膜し、その上に防錆金属Zn・Crを付着させ、シラン処理を行った。銅箔表面に析出した各金属の付着量を表1に示す。
前記条件3の条件範囲内にて10秒めっきして燐を含有するニッケル層を成膜し、その上に、前記条件6の条件範囲内にて8秒めっきしてモリブデン−クロム層を成膜し、その上に防錆金属Zn・Crを付着させ、シラン処理を行った。銅箔表面に析出した各金属の付着量を表1に示す。
ニッケル−コバルトめっき条件
NiSO4・6H2O 60〜180g/l
CoSO4・7H2O 5〜35g/l
NaCL 15g/l
温度 20℃
電流密度 1〜5a/dm2
時間 1〜15秒
の条件下にて表面処理を行った後、Zn・Cr、シランの順番にて表面処理を行った。銅箔表面に析出した各金属の付着量を表1に示す。
ニッケル−燐めっき条件
燐を含有するニッケルめっき条件
NiSO4・6H2O 10〜500g/l
H3BO3 1〜50g/l
NaPH2O2・H2O 0.1〜30g/l
電流密度 3A/dm2
浴温 30℃
時間 4秒
の条件下にて表面処理を行った後、Zn・Cr、シランの順番にて表面処理を行った。銅箔表面に析出した各金属の付着量を表1に示す。
燐含有ニッケルーコバルトめっき条件
NiSO4・6H2O 60〜180g/l
CoSO4・7H2O 5〜35g/l
NaCI 15g/l
NaPH2O2・H2O 10g/l
温度 20℃
電流密度 1〜5A/dm2
時間 1〜15秒
の条件下にて表面処理を行った後、Zn・Cr、シランの順番にて表面処理を行った。銅箔表面に析出した各金属の付着量を表1に示す。
比較例3のめっき液濃度のNaPH2O2・H2Oを100g/lとした他は比較例3と同一条件でめっきを行った。銅箔表面に析出した各金属の付着量を表1に示す。
各実施例、各比較例で作成した表面処理銅箔にポリイミド樹脂を塗り(厚さ50μm)、温度300℃、窒素雰囲気中で硬化させ、評価用銅貼フィルムを作成し評価用サンプルとした。
各評価用サンプルをJISC6511に規定する方法に準拠して、測定試料幅10mmのピール強度を測定した。測定結果を表2に示す。
各評価用サンプルを温度150℃、168時間、大気中に放置後、JISC6511に規定する方法に準拠して、測定試料幅10mmのピール強度を測定した。測定結果を表2に示す。
エッチング溶液に塩化第2銅を使用し、各評価用サンプルから銅を溶解し、フィルム上に金属等が残っていない状態を、目視で確認できるまでに要した時間を測定した。測定結果を表2に示す。
評価用サンプルに1mm幅のテープを貼り1mmの回路を形成後、50g/l硫酸に5分間浸漬させフィルムと銅層の接合部に侵食等が起きていないかどうかを顕微鏡を使用し観察した。観察結果を表2に示す。
(1)常態ピール
各実施例の常態ピールは約1(KN/m)であり、比較例の約0.5(KN/m)と比較して明らかに接着強度は向上している。
(2)耐熱ピール
各実施例の耐熱ピールは常態ピールに対してやや低下しているが1(KN/m)程度はたもっている。一方比較例2の耐熱ピールは極端に劣化している。
(3)エッチング性と耐酸性
実施例のP−Ni−Mo含有表面処理層は比較例2〜4と比べてエッチング時間は同等であり、耐酸性は明らかに優れている。燐を含有していない比較例1の表面処理層は、耐酸性は優れているもののエッチング時間が長い。
したがって、本発明の表面処理銅箔は、プリント配線板用として、あるいはCOF用、FPC用として優れた効果を発揮するものである。
Claims (4)
- 未処理銅箔の少なくとも一方の面上に燐含有ニッケル−モリブデンからなる表面処理層又は燐−ニッケル−モリブデンを少なくとも含有する表面処理層が形成されていることを特徴とする表面処理銅箔。
- 未処理銅箔の少なくとも一方の面上に形成された燐含有ニッケル層又はニッケル合金層上に、モリブデン又はモリブデン合金層が形成されていることを特徴とする表面処理銅箔。
- 前記表面処理属に含まれる燐量は、表面処理層の金属量の0.01〜15重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面処理銅箔。
- 前記ニッケル−モリブデン層、又はモリブデン合金に含まれるモリブデンの量は、ニッケル−モリブデン又はモリブデン合金の1%以上70%以下であることを特徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載の表面処理銅箔。
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Cited By (4)
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KR101151845B1 (ko) | 2009-04-27 | 2012-06-01 | 엘에스엠트론 주식회사 | 연성 동장 적층판 및 그 제조 방법 |
CN104152879A (zh) * | 2014-08-26 | 2014-11-19 | 安捷利电子科技(苏州)有限公司 | 一种镀有阻性材料的铜箔的制造方法 |
JP2016192530A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-10 | 新日鉄住金化学株式会社 | 銅張積層板、プリント配線板及びその使用方法 |
KR20190049818A (ko) | 2016-09-12 | 2019-05-09 | 후루카와 덴키 고교 가부시키가이샤 | 구리박 및 이것을 갖는 동장 적층판 |
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