JP2008002508A - パーキングロックの解除装置およびそれを備えた動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、かつ非常時にパーキングロックを解除することが可能なパーキングロックの解除装置およびそれを備えた動力伝達装置を提供する。
【解決手段】パーキングロックの解除装置はスイッチ10と、変速部190と、パーキングブレーキ部170と、レバー300とを備える。レバー300は、シャフト130に着脱自在に設けられている。シャフト130は、レバー300を操作することにより手動で駆動させることが可能であり、アクチュエータ20が作動しないときには手動でレバー300を駆動させることによりパーキングロック機構160のロックを解除することが可能である。
【選択図】図1

Description

この発明は、パーキングロックの解除装置およびそれを用いた動力伝達装置に関し、より特定的には、シフト操作体での操作を電気的に検出し、その操作に応じて変速するシフトバイワイヤ機構におけるパーキングロックの解除装置およびそれを備えた動力伝達装置に関するものである。
従来、シフトバイワイヤに関しては、たとえば特開平6−1157号公報(特許文献1)および特開2004−230952号公報(特許文献2)に開示されている。
特開平6−1157号公報 特開2004−230952号公報
特許文献1では、フェール検出手段からの検出信号に基づくシフトバイワイヤ制御部からの電気信号を受けたとき、あるいはシフトバイワイヤ制御部およびモータを含む電気回路の電源が電圧不足となったときにパーキングレンジのシフトを阻止するシフトロック手段が開示されている。
特許文献2では、コンソールに伸縮可能なセレクトレバーを設け、セレクトレバーの可動範囲に面してコンソールフィニッシャに開口部を形成するとともに、開口部を覆うカバーを設けたシフトバイワイヤシステムのフェールセーフ構造が開示されている。
しかしながら、従来の技術では、信号線の断線やバッテリの不具合等が発生した場合、トランスミッションのレンジがP(パーキング)に入ったままだと車両を移動させることができない。特許文献2のようにセレクトレバーを設ける技術では、手動のセレクトレバー機構は設計の自由度が低く、またこれを覆うカバー領域の使用にも制限があるという問題があった。
そこで、この発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、簡単な構成を採用し、かつ非常時にパーキングモードを解除することが可能なパーキングロックの解除装置およびそれを備えた動力伝達装置を提供することを目的とする。
この発明に従ったパーキングロックの解除装置は、シフト操作体と、シフト操作体での操作を電気的に検出し、その操作に応じて動力源の回転を変速して出力する変速部と、変速部に接続されて停止時に変速部からの出力の回転を停止させるパーキングブレーキ部とを備える。パーキングブレーキ部は、変速部からの出力の回転を停止させることが可能なロック機構と、ロック機構に接続されてロック機構を駆動させるシャフトとを含む。また、パーキングロックの解除装置は、シフト操作体での操作に応じてシャフトを駆動させる駆動部と、シャフトに着脱自在に設けられるレバーとをさらに備える。シャフトは、レバーを係合させて操作することにより手動で駆動させることが可能であり、駆動部が作動しないときには手動でレバーを操作することによりロック機構のロックを解除することが可能である。
このように構成されたパーキングロックの解除装置では、シャフトに着脱自在に設けられるレバーを備えるため、このレバーを駆動させるだけでパーキングロックにおけるロック機構のロックを解除することが可能である。そのため、従来よりも構成が簡単で、かつ非常時にロックを解除することができるパーキングロックの解除装置を提供することができる。
この発明に従った動力伝達装置は、上記のパーキングロックの解除装置を備える。
この発明では、簡単な構成で非常時にロックを解除することが可能であるパーキングロックの解除装置を提供することができる。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態では同一または相当する部分については同一の参照符号を付し、その説明については繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に従った動力伝達装置の模式図である。図1を参照して、動力伝達装置1を構成する変速機構としてのトランスミッション100は、動力源220から供給される回転の回転数および回転トルクを変速部190で変換してタイヤ211へ伝達する。動力源220は内燃機関、外燃機関またはモータなどの回転電機により構成される。動力源220がエンジンである場合に、ガソリンを燃料とするガソリンエンジン、軽油を燃料とするディーゼルエンジンだけでなく、天然ガスなどの気体を燃料とするエンジンであってもよい。
さらに、エンジンの形状として、直列型、V型、W型、水平対向型などのさまざまなエンジンを採用することが可能である。動力源220で発生した回転力はシャフト221により変速部190に伝達される。
変速部190は、シャフト221で回転力を入力され、入力された回転力の回転数および回転トルクを変換してシャフト192に伝える。シャフト192は出力シャフトである。シャフト192とシャフト191が連動しており、シャフト191の回転を止めればシャフト192の回転も停止する。変速部190はギヤと同期装置を用いた、いわゆる常時噛み合い型の変速機であってもよい。また、プラネタリギヤと油圧回路を用いた自動変速機であってもよい。変速部190はスイッチ10に接続され、スイッチ10での操作に応じて変速段または変速レシオを決定する。さらに、変速部190は無段変速装置(CVT)を構成していてもよい。
シャフト192は差動装置210に接続されており、差動装置210により2つのタイヤ211に回転力が振分けられる。
シャフト191にパーキングギヤ180が接続されている。パーキングギヤ180は複数の凹部181を有し、この凹部181にパーキングポール172の凸部171が噛み合うことでパーキングギヤ180が回転できないような構成とされている。なお、図1で示す状態では、パーキングギヤ180の凹部181とパーキングポール172の凸部171とは噛み合っておらず、パーキングギヤ180は自由に回転することが可能である。その結果、パーキングギヤ180に接続されたシャフト191、シャフト191と連動して回転するシャフト192もそれぞれ回転することが可能である。
パーキングポール172は支点179を中心として、パーキングギヤ180に近づく方向と、パーキングギヤ180から遠ざかる方向とに回動することが可能である。パーキングポール172がパーキングギヤ180に近づく方向に回動すればパーキングポール172の凸部171がパーキングギヤ180の凹部181と係合する。
パーキングポール172がパーキングギヤ180から遠ざかる方向に回動するとパーキングポール172の凸部171がパーキングギヤ180の凹部181から離れる。これによりパーキングギヤ180が回転可能となる。
カム161がパーキングポール172の先端と当接可能に設けられている。カム161の側面は円錐形状であり、カム161が軸方向に移動することでパーキングポール172が回動する。カム161はパーキングロッド140と接続されており、パーキングロッド140によりカム161の運動が規定されている。パーキングロッド140およびカム161にはコイルバネ150が接続されている。コイルバネ150によりカム161が付勢されている。
パーキングロッド140はカム161を押出す作用を有する。パーキングロッド140はプレート120に接続されている。
プレート120は支点129を中心として回動することが可能であり、その表面に溝123が設けられている。溝123のいずれかにディテントスプリング110の先端部111が係合しており、ディテントスプリング110はプレート120の位置を保持する役割を果たす。また、プレート120はバネ122により支点121と接続されており、バネ122はプレート120の回動に対して抵抗となるように作用する。本実施の形態においては、バネ122が配置されているが、バネ122は取付けられていなくてもよい。
シャフト130が支点129に接続されており、シャフト130が回動することで支点129を中心としてプレート120が回転する。プレート120の回動時にディテントスプリング110がプレート120の溝123に係合しているため、ディテントスプリング110が回動時の抵抗となり、回動動作に節度感を与える。
シャフト130にはレバー300が着脱自在に装着されており、アクチュエータ20の故障時には運転者がレバー300を操作することでプレート120を回動させることができる。その結果、アクチュエータ20の故障時であっても運転者がレバー300を操作することでカム161を駆動させてパーキングポール172によるパーキングギヤ180のロックを解除することが可能である。
アクチュエータ20はシャフト130を駆動させることでパーキングポール172によるロックを解除させることができる駆動装置である。アクチュエータ20は、たとえばモータにより構成される。アクチュエータ20はスイッチ10から電気信号を受けてシャフト130を駆動させる。アクチュエータ20はスイッチ10から電気的な信号を受けて駆動する。スイッチ10は運転者が操作する部分であり、たとえばハンドル上に設けられる。また、センターコンソール付近に設けられていてもよい。
図2は、図1中の動力伝達装置を簡略化して示す図である。図2では、トランスミッション100とアクチュエータ20との関係を示している。図3は、図2中の矢印IIIで示す方向から見た動力伝達装置の側面図である。図2および図3を参照して、トランスミッション100にシャフト130が挿入されており、シャフト130の一端にアクチュエータ20が取付けられる。アクチュエータ20とトランスミッション100との間のシャフト130にパーキング解除用のレバー300が係合している。レバー300はシャフト130に着脱自在に装着されている。レバー300がシャフト130に着脱自在に装着される構造に関しては、任意の構造を採用することができる。
図4は、パーキングポールの動作を説明するために示す動力伝達装置の模式図である。図4を参照して、シャフト130を回動させると、プレート120もシャフト130とともに支点129を中心として回動する。この回動に伴い、プレート120に連結されたパーキングロッド140が軸方向に移動して、パーキングロッド140の先端に取付けられたカム161がパーキングポール172を押上げる。これにより、パーキングポール172の凸部171がパーキングギヤ180の凹部181に嵌り合う。その結果、パーキングギヤ180およびそれに連結されたシャフト191は回転することができなくなる。これに伴い、シャフト191と連動して動くシャフト192も回転しなくなり、いわゆるパーキングロック状態となる。
パーキングロック状態を解除するためには、アクチュエータ20を駆動させてシャフト130を回動させる。これによりシャフト130に連結されたプレート120およびパーキングロッド140が駆動し、カム161が動くことでパーキングポール172が下方向に移動する。その結果、パーキングポール172の凸部171とパーキングギヤ180の凹部181との係合が外れ、変速部190に接続されたシャフト191,192が自由に回転可能となってパーキングロック状態が解除される。
すなわち、パーキングロックの解除装置は、シフト操作体としてのスイッチ10と、スイッチ10での操作を電気的に検出し、その操作に応じて動力源220の回転を変速して出力する変速部190と、変速部190に接続されて停止時に変速部190からの出力の回転を停止させるパーキングブレーキ部170とを備える。パーキングブレーキ部170は変速部190からの出力の回転を停止させることが可能なロック機構160と、ロック機構160に接続されてロック機構160を駆動させるシャフト130とを備える。スイッチ10での操作に応じてシャフト130を駆動させる駆動部としてのアクチュエータ20と、シャフト130に着脱自在に設けられるレバー300とをさらに備える。レバー300は手動で駆動させることが可能である。アクチュエータ20が作動しないときには手動でレバー300を駆動させることによりロック機構160のロックを解除することが可能である。動力伝達装置1は上述のパーキングロックの解除装置を備える。
このように構成された動力伝達装置1では、シャフト130にレバー300を係合させてレバー300を回動させるだけでパーキングロックを解除することができる。その結果、簡単な構成でパーキングロックを解除することができる。
(実施の形態2)
図5は、この発明の実施の形態2に従った動力伝達装置の模式図である。図6は、図5中の矢印VIで示す方向から見た動力伝達装置の側面図である。図5および図6を参照して、この発明の実施の形態2に従った動力伝達装置1では、シャフト130端部に平面131により構成される2面幅部135が設けられており、この2面幅部135にレバー300の先端部301が嵌め合わせられる点で、実施の形態1に従った車両の動力伝達装置1と異なる。2面幅部135は平面131により構成されており、2つの平面131に先端部301の平面302が嵌り合う。なお、この実施の形態ではシャフト130の端部に2面幅部135が設けられているが、アクチュエータ20とトランスミッション100との間のシャフト130の部分に2面幅部135が設けられていてもよい。レバー300はシャフト130に着脱自在に取付けられる。
このように構成された実施の形態2に従った動力伝達装置では、実施の形態1に従った動力伝達装置と同様の効果がある。
(実施の形態3)
図7は、この発明の実施の形態3に従った動力伝達装置の模式図である。図8は、図7中の矢印VIIIで示す方向から見た動力伝達装置の側面図である。図7および図8を参照して、実施の形態3に従った動力伝達装置1では、シャフト130に穴132が設けられ、穴132にレバー300の先端部301が差し込まれる。レバー300はシャフト130に着脱自在に取付けられる。穴132の位置は、図7および図8ではアクチュエータ20とトランスミッション100との間であるが、これに限られずアクチュエータ20の外側、すなわち、シャフト130の端部に穴132が設けられ、この穴132にレバー300の先端部301が差し込まれていてもよい。
このように構成された実施の形態3に従った動力伝達装置であっても、実施の形態1に従った動力伝達装置と同様の効果がある。
(実施の形態4)
図9は、この発明の実施の形態4に従った動力伝達装置におけるシャフトとレバーとの係合部を詳細に示す図である。図9を参照して、シャフト130の平面131がテーパ形状に構成されており、このテーパ面にレバー300の先端部301が差し込まれる点で、実施の形態2に従った動力伝達装置と異なる。レバー300はシャフト130に着脱自在に取付けられる。このように構成された実施の形態4に従った動力伝達装置であっても、実施の形態1に従った動力伝達装置と同様の効果がある。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態1に従った動力伝達装置の模式図である。 図1中の動力伝達装置を簡略化して示す図である。 図2中の矢印IIIで示す方向から見た動力伝達装置の側面図である。 パーキングポールの動作を説明するために示す動力伝達装置の模式図である。 この発明の実施の形態2に従った動力伝達装置の模式図である。 図5中の矢印VIで示す方向から見た動力伝達装置の側面図である。 この発明の実施の形態3に従った動力伝達装置の模式図である。 図7中の矢印VIIIで示す方向から見た動力伝達装置の側面図である。 この発明の実施の形態4に従った動力伝達装置におけるシャフトとレバーとの係合部を詳細に示す図である。
符号の説明
1 動力伝達装置、10 スイッチ、20 アクチュエータ、100 トランスミッション、120 プレート、130 シャフト、140 パーキングロッド、160 ロック機構、170 パーキングブレーキ部、171 凸部、172 パーキングホール、190 変速部、220 動力源。

Claims (2)

  1. シフト操作体と、
    前記シフト操作体での操作を電気的に検出し、その操作に応じて動力源の回転を変速して出力する変速部と、
    前記変速部に接続されて停止時に前記変速部からの出力の回転を停止させるパーキングブレーキ部とを備え、
    前記パーキングブレーキ部は、前記変速部からの出力の回転を停止させることが可能なロック機構と、前記ロック機構に接続されて前記ロック機構を駆動させるシャフトとを含み、
    前記シフト操作体での操作に応じて前記シャフトを駆動させる駆動部と、前記シャフトに着脱自在に設けられるレバーとをさらに備え、
    前記シャフトは、前記レバーを係合させて操作することにより手動で駆動させることが可能であり、前記駆動部の故障時には手動で前記レバーを操作することにより前記ロック機構のロックを解除することが可能である、パーキングロックの解除装置。
  2. 請求項1に記載のパーキングロックの解除装置を備えた動力伝達装置。
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