JP2008001968A - 微粒子凝集塊解砕装置および被膜形成装置 - Google Patents

微粒子凝集塊解砕装置および被膜形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】エアロゾル中のセラミックス微粒子凝集塊を、コンタミレスで微細に、かつ、連続的に解砕可能な微粒子凝集塊解砕装置、および該解砕装置を利用した被膜形成装置を提供する。
【解決手段】エアロゾルを基材上に噴射・衝突させてセラミックス被膜を形成するエアロゾルデポジション法で用いられ、基材への噴射前においてエアロゾル中のセラミックス微粒子凝集塊を解砕する微粒子凝集塊解砕装置であって、エアロゾル導入部2と、エアロゾル導出部3とを有する解砕容器4と、解砕容器4内に入れられる複数個のボール5と、解砕容器4を振動させる振動手段6とを備えてなり、上記エアロゾルは、導入部2から容器4内に導入された後、セラミックス微粒子凝集塊が、振動手段6による容器4の振動に伴い、ボール5または容器壁と、衝突または摺接して解砕されて、導出部3より導出される。
【選択図】図1

Description

本発明はエアロゾルデポジション法(以下、AD法と記す)において、エアロゾル中のセラミックス微粒子の凝集塊をAD被膜形成に適した状態に解砕する微粒子凝集塊解砕装置、および、該解砕装置を利用した被膜形成装置に関する。
常温下で緻密なセラミックス被膜等を形成する方法として、微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを基材に向けてノズルより噴射し、エアロゾルを基材表面に衝突させて、微粒子の構成材料からなる被膜を基材上に形成させるAD法が知られている。AD法においてエアロゾル中のセラミックス微粒子が、凝集塊の状態で基材上に衝突すると成膜が十分になされないことから、エアロゾル中の凝集塊状態のセラミックス微粒子を1次粒子に解砕することが好ましい。
従来のAD法においてエアロゾル中のセラミックス微粒子凝集塊を解砕処理する方法としては、(1)エアロゾルを成膜速度より低速で衝撃板に衝突させて粗大な凝集状態にある微粒子を解砕する方法、(2)複数の導入部から加速されたエアロゾル流を互いに衝突させて粗大な凝集状態にある微粒子を解砕する方法、(3)エアロゾルに超音波やマイクロ波を照射して粗大な凝集状態にある微粒子を解砕する方法等が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、(1)の方法では、衝撃板に局部的に微粒子が衝突するために、衝撃板がエッチングされ衝撃板材質微粒子のコンタミが生じる場合があった。また、(2)の方法では、搬送ガスの流量および速度を上げないと解砕効率が悪い。しかし、成膜ノズルの最小部断面積が小さいと抵抗により搬送ガス流量は大きくできない。最小部断面積を大きくすると成膜時の吐出速度は低下してしまい成膜効率が落ちる。また、(3)の方法では、連続成膜時に超音波やマイクロ波発生プローブ表面にセラミックス微粒子が付着し性能低下をきたすことがあった。このため連続成膜は困難であった。
特許第3348154号公報
本発明はこのような問題に対処するためになされたもので、AD法において成膜効率の向上を図りつつ連続成膜を可能とすべく、エアロゾル中のセラミックス微粒子凝集塊を、コンタミレスで微細に、かつ、連続的に解砕可能な微粒子凝集塊解砕装置、および該解砕装置を利用した被膜形成装置を提供することを目的とする。
本発明の微粒子凝集塊解砕装置は、セラミックス微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを基材上に噴射・衝突させてセラミックス被膜を形成するエアロゾルデポジション法で用いられ、上記基材への噴射前においてエアロゾル中でセラミックス微粒子同士が凝集したセラミックス微粒子凝集塊を解砕するための微粒子凝集塊解砕装置であって、該微粒子凝集塊解砕装置は、エアロゾルの導入部と、エアロゾルの導出部とを有する解砕容器と、該解砕容器内に解砕媒体として入れられる複数個のボールと、該解砕容器を振動させる振動手段とを備えてなり、上記エアロゾルは、導入部から解砕容器内に導入された後、該エアロゾル中のセラミックス微粒子凝集塊が、上記振動手段による解砕容器の振動に伴い、ボールまたは容器壁と、衝突または摺接して解砕されて、導出部より導出されることを特徴とする。
上記ボールが、上記セラミックス微粒子と同種材料からなることを特徴とする。また、上記解砕容器の内壁が、上記セラミックス微粒子と同種材料からなることを特徴とする。
ここで同種材料とは、同組成の材料のみならず、類似組成の材料も含む。
本発明の被膜形成装置は、セラミックス微粒子をガス中に分散させてエアロゾルとするエアロゾル発生装置と、該エアロゾル発生装置で発生したエアロゾル中のセラミックス微粒子凝集塊を解砕する微粒子凝集塊解砕装置と、真空チャンバーと、該真空チャンバー内に配設され上記微粒子凝集塊解砕装置から送られる解砕されたエアロゾルを基材上に噴射するエアロゾル噴射ノズルとを備え、エアロゾルデポジション法により基材上にセラミックス被膜を形成する被膜形成装置であって、用いられる微粒子凝集塊解砕装置が、上記本発明の微粒子凝集塊解砕装置であることを特徴とする。
本発明の微粒子凝集塊解砕装置は、解砕容器と、該解砕容器内に解砕媒体として入れられる複数個のボールと、該解砕容器を振動させる振動手段とを備えてなるので、振動手段による解砕容器の振動に伴い、該解砕容器内に導入されたエアロゾル中のセラミックス微粒子凝集塊を、ボールまたは容器壁と、衝突または摺接させることで、1次粒子に解砕できるとともに、セラミックス微粒子内に結晶歪や予備亀裂を付与できる。
解砕媒体としてボールを使用するので、エアロゾル流を互いに衝突させて微粒子を解砕する場合のように、搬送ガスの流量および速度を高くしなくとも解砕効率に優れる。また、解砕容器への導入、導出はエアロゾル発生装置からの搬送ガス流によって連続的に行なわれるとともに、超音波やマイクロ波等を発生させる必要がなく簡易な構造であり、セラミックス微粒子の付着等による解砕性能低下がないことから、エアロゾル微粒子を安定して連続的に解砕できる。
セラミックス微粒子凝集塊と衝突または摺接するボールや解砕容器の内壁を、そのセラミックス微粒子と同種材料で形成することで、ボールや解砕容器からの被膜形成に不要な材料のコンタミを防止できる。
本発明の被膜形成装置は、エアロゾル発生装置で発生したエアロゾル中のセラミックス微粒子凝集塊を上記の微粒子凝集塊解砕装置を用いて解砕した後、基材上に噴射・衝突させてセラミックス被膜を形成するので、セラミックス微粒子が1次粒子に解砕されるとともに再凝集を生じずに結晶歪や予備亀裂が付与され、基材への成膜効率に優れる。また、エアロゾル微粒子が連続的に解砕され供給されるので、連続的にセラミックス被膜を形成することができる。
本発明の一実施例に係る微粒子凝集塊解砕装置を図1に基づいて説明する。図1は微粒子凝集塊解砕装置を示す図である。
図1に示すように、微粒子凝集塊解砕装置1は、エアロゾルの導入部2と、エアロゾルの導出部3とを有する解砕容器4と、該解砕容器4内に解砕媒体として入れられる複数個のボール5と、この解砕容器4に振動を与える手段である振動モータ6とを備えているボール振動ミル式の解砕器である。
該装置において、導入部2から解砕容器4内に導入されたエアロゾル中のセラミックス微粒子凝集塊16が、振動モータ6による解砕容器4の振動に伴い、ボール5または解砕容器4の容器壁と、衝突または摺接して解砕されつつ、導出部3より導出される。
解砕容器4はAD法による被膜形成装置の一部として組み込まれ、解砕容器4へのエアロゾルの導入・導出は、エアロゾル発生装置(図2参照)からの搬送ガスの流れ、および、真空チャンバー(図2参照)における真空ポンプの吸引によって連続的に行なわれる。
解砕容器4の内部は、真空ポンプ等により減圧下に保たれるとともに、エアロゾルが不活性ガスを搬送ガスとしているので、減圧下の容器内部は完全な不活性ガス雰囲気となり、セラミックス微粒子解砕時の新生面における酸素接触による酸化や水分の吸着、粒子間の凝集等が回避される。
振動手段は、解砕容器4本体を振動させ、内部のボール5および導入されるエアロゾルが、ボール5や解砕容器4の容器内壁と十分に衝突を生じさせることができる手段であればよい。振動方向等は特に限定されない。このような振動手段としては、例えば、クランク、振動モータ、打槌器等が挙げられるが、振動振幅やサイクルの調整が容易で耐久性の高いことから、上述の振動モータ6を採用することが好ましい。
解砕容器4の容積および材質、ならびにボール5のサイズおよび材質は、処理する基材や処理量等に対応させて適宜決定することができる。
解砕容器4の内壁およびボール5の材質は、ボール5同士および解砕容器4の内壁との衝突時において、生じる破片がエアロゾル中に混入して被膜形成に不要な材料のコンタミとなることを防ぐため、被膜形成に使用される後述のセラミックス微粒子と同種の材質であることが好ましい。
また、ボール5のサイズは一般的にボールミルに用いられているミル本体容積とボール総体積との比率であれば特に制限なく使用することができる。例えば内容積 500 cc の解砕容器4に対し直径 10 mm のアルミナ製ボールを 50〜250 個使用することができる。
解砕容器4内における解砕原理は、解砕媒体として用いるボール5同士、あるいは解砕容器4の容器壁面とボールとの摺動による摩擦力と、これらのぶつかりによる衝撃力とをエアロゾル中のセラミックス微粒子凝集塊16に加え解砕するものである。
ボール5がランダムに摺動・ぶつかり合う解砕器内に、エアロゾル状態で導入された粗大な凝集状態にあるセラミックス微粒子凝集塊16は、解砕されて1次粒子になりさらに粉砕されながら解砕容器4から導出され、真空チャンバー内のエアロゾル噴射ノズル等(図2参照)まで搬送されて基材に衝突して成膜される。
また、セラミックス微粒子は、解砕容器内において解砕されると同時に微粒子内に結晶歪や予備亀裂が付与されるために、以下に示すAD法による成膜原理によれば、非常に成膜効率の良い成膜原料となる。
本発明においてAD法は、原料セラミックスの微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを基材に向けてエアロゾル噴射ノズルより噴射し、エアロゾルをこの基材表面に高速で衝突させ、微粒子の構成材料からなる被膜を基材上に形成させる方法である。AD法における成膜原理を以下に説明する。
自由電子をほとんど持たない共有結合性あるいはイオン結合性が強い原子結合状態にあることで硬度は高いが衝撃に弱い脆性材料である、セラミックス微粒子は、通常いくつかの結晶子が集まった多結晶体から構成されている。
このセラミックス微粒子が、基材表面に非常に高速で衝突した場合、その運動エネルギーによって発生する衝撃でさらに細かく破砕され、例えば、結晶子同士の界面等の壁界面に沿って結晶格子のずれを生じたり、あるいは破砕されたりする現象が起こり、元々内部に存在していたズレ面や破面は原子が剥き出しの状態となり、すなわち新生面が形成される。
その新生面の原子一層の部分は、元々安定した原子結合状態から外力により強制的に不安定な状態にさらされ、表面エネルギーが高い状態となる。すなわち、セラミックス微粒子への機械的衝撃力の付加により表面エネルギーが極度に大きな微細断片粒子が多数生成する。
この高活性の新生面が、隣接した脆性材料表面や同じく隣接した脆性材料の新生面あるいは基板表面と接合して安定状態に移行することで、微細断片粒子表面同士が生成後瞬時に基材と接着あるいは互いに再結合し、焼成を行った場合と類似した緻密質のセラミックス構造物を形成する。または、衝突の衝撃により粒子がへき開面に沿って変形して、粒子の一部に新生面を形成し、次いで衝突してきた粒子と再結合したり、粒子間の空孔を埋めて緻密化する。
さらに、外部からの連続した機械的衝撃力の付加により、上記現象を継続的に発生させ、微粒子の変形・破砕等の繰返しにより接合の進展、それによって形成された被膜の緻密化・成長が行われ脆性材料の被膜が基材表面上に形成される。
本発明の一実施例に係る被膜形成装置を図2に基づいて説明する。図2は平板基材上にセラミックス被膜を形成する場合の被膜形成装置を示す図である。
図2に示すように、AD法による被膜形成装置7は、エアロゾル発生装置8と、微粒子凝集塊解砕装置1と、真空チャンバー9を有する。真空チャンバー9内には、セラミックス被膜形成対象である基材10と、エアロゾル噴射ノズル11とが配設されている。エアロゾル噴射ノズル11には、エアロゾル発生装置8からのエアロゾルが微粒子凝集塊解砕装置1で微細に解砕された状態で供給される。真空チャンバー9の内部は真空ポンプ12によって減圧されるとともに、セラミックス微粒子の混入を防止するため、真空ポンプ12の直前に微粒子フィルター13が設けられている。基材10は、真空チャンバー9内において、XYテーブル14上に固定され軸方向に移動させられる(図中A)。
なお、以上の構成において、微粒子凝集塊解砕装置以外のエアロゾル発生装置等については、AD法において通常使用される任意の装置・部品等を利用できる。
エアロゾル噴射ノズル11は、セラミックス微粒子を、長方形等の開口部を有するノズル先端から、基材表面に向けて噴射するものである。なお、エアロゾル噴射ノズル11は、1本であっても複数本であってもよい。また、エアロゾル噴射ノズル11は、真空チャンバー9内で変位可能に構成してもよい。エアロゾル噴射ノズル11を変位可能とする場合は、基材10を固定してもよい。さらに、必要に応じて回転モータ等を併用してもよい。
エアロゾルの搬送ガスとしては、不活性ガスを使用し、ガス供給設備15からエアロゾル発生装置8に供給されている。使用可能な不活性ガスとしては、アルゴン、窒素、ヘリウム等が挙げられる。
本発明においてセラミックス被膜を形成するためのエアロゾル原料となるセラミックス微粒子としては、被膜形成可能なものであればよく、任意のセラミックス微粒子を使用できる。例えば、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の酸化物、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の微粒子が挙げられる。
なお、原料のセラミックス微粒子は微粒子凝集塊解砕装置1において機械的衝撃力により微細な微粒子に解砕されるので、原料調整時における粒子径等は特に限定されない。
また、被膜形成対象となる基材としては、各種産業機械に用いられる耐熱耐摩耗性、耐久性、耐食・耐絶縁性等の要求される各種部材、例えば軸受を構成する部材等が挙げられる。
セラミックス微粒子を所定量、エアロゾル発生装置8に投入し、セラミックス被膜の形成対象である基材10をXYテーブル14に取り付け、真空ポンプ12を起動し、真空チャンバー9と、微粒子凝集塊解砕装置1と、エアロゾル発生装置8とを減圧に保つ。
次に、エアロゾル発生装置8にガス供給設備15から搬送ガスを導入し、セラミックス微粒子と混合して、セラミックス微粒子と搬送ガスとからなるエアロゾルを形成させる。このエアロゾルは、搬送ガスの流れおよび真空ポンプ12の吸引等によって、微粒子凝集塊解砕装置1のエアロゾル導入部2から解砕容器4の内部に導入される。
解砕容器4に導入されたエアロゾルは、振動モータ6等によって解砕容器の中で揺動しているボール5および振動している解砕容器4の内壁面と衝突する。この衝突等によって、エアロゾル中に存在する粗大な凝集状態にあるセラミックス微粒子凝集塊が1次粒子に解砕されつつ、エアロゾル導出部3から導出される。この解砕されたセラミックス微粒子を有するエアロゾルが、真空チャンバー9内のエアロゾル噴射ノズル11から基材10に向けて噴射される。
エアロゾル噴射ノズル11からエアロゾルを噴射しつつ、基材10をXYテーブル14により水平方向に移動させて、または、エアロゾル噴射ノズル11を移動させて、基材10上に所望の形状・厚さの被膜を形成する。
本発明の被膜形成装置は、微粒子凝集塊解砕装置で、エアロゾル中においてセラミックス微粒子が凝集した状態のセラミックス微粒子凝集塊を1次粒子に解砕するとともに、結晶歪や予備亀裂を付与するため、緻密なセラミックス被膜を形成でき、基材へのセラミックス被膜の成膜効率にも優れる。また、微粒子凝集塊解砕装置のボールや解砕容器の内壁を、使用するセラミックス微粒子と同種材料で形成することで、ボールや解砕容器からの被膜形成に不要な材料のコンタミを防止できる。
さらに、搬送ガスの種類や分圧を制御することによって、原子配置位置や被膜中の組成を制御することで、被膜の電気的特性、機械的特性、および磁気的特性等の物理的特性ならびに化学的特性等を制御することも可能である。
実施例
図2に示す被膜形成装置7を用い、微粒子凝集塊解砕装置としては、アルミナ製の解砕容器4(内容積 500 cc )の中にアルミナ製ボール(直径 10 mm )を 140 個仕込み、振動モータ6を取り付けたものを用いた。また、基材10としては、SUJ2製、30 mm×30 mm×2 mm (鏡面仕上げ)を用いた。
エアロゾル発生装置8にアルミナ微粒子(大明化学工業社製:タイミクロンTM-DAR、平均粒子径 0.16μm )100 g を仕込み、振動モータ6および真空ポンプ12を起動して、エアロゾル搬送ガスとして、ヘリウムガス(太陽日酸社製 純ヘリウムG1)をエアロゾル発生装置8に導入した。減圧条件は数 Torr とし、振動モータ6の振動条件は振動数 5 Hz、ストローク 50 mm とした。
エアロゾル発生装置8にてアルミナ微粒子と搬送ガスとからなるエアロゾルを発生させ、これを微粒子凝集塊解砕装置1に供給して、エアロゾル中の凝集セラミックス微粒子を解砕処理した後、真空チャンバー9内のエアロゾル噴射ノズル11に搬送し噴射して、基材上にアルミナ被膜を形成した。この時、ノズルを固定し基材を 10 mm/分の速度でストローク 15 mm で往復動させて 10 分間、成膜した。
成膜した基材をエタノール溶液で超音波洗浄後、断面観察したところ緻密かつ透明で滑らかな表面を有するαアルミナ被膜が 4μm の厚さで形成していた。
比較例として、微粒子凝集塊解砕装置をはずして成膜したところ、同一条件でも成膜厚みは 2μm 以下であり、かつ成膜面外観は灰色で表面は粗い面となっていた。
本発明の微粒子凝集塊解砕装置は、エアロゾル中のセラミックス微粒子凝集塊を、コンタミレスで微細に、かつ、連続的に解砕可能であり、AD法において成膜効率の向上を図りつつ連続成膜が可能となるので、各種産業機械部品への成膜処理に使用されるAD被膜形成装置に好適に利用できる。
本発明の微粒子凝集塊解砕装置の一実施例を示す図である。 本発明の被膜形成装置の一実施例を示す図である。
符号の説明
1 微粒子凝集塊解砕装置
2 導入部
3 導出部
4 解砕容器
5 ボール
6 振動モータ
7 被膜形成装置
8 エアロゾル発生装置
9 真空チャンバー
10 基材
11 エアロゾル噴射ノズル
12 真空ポンプ
13 微粒子フィルター
14 XYテーブル
15 ガス供給設備
16 セラミックス微粒子凝集塊

Claims (4)

  1. セラミックス微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを基材上に噴射・衝突させてセラミックス被膜を形成するエアロゾルデポジション法で用いられ、前記基材への噴射前においてエアロゾル中でセラミックス微粒子同士が凝集したセラミックス微粒子凝集塊を解砕するための微粒子凝集塊解砕装置であって、
    前記微粒子凝集塊解砕装置は、前記エアロゾルの導入部と、前記エアロゾルの導出部とを有する解砕容器と、該解砕容器内に解砕媒体として入れられる複数個のボールと、該解砕容器を振動させる振動手段とを備えてなり、
    前記エアロゾルは、前記導入部から解砕容器内に導入された後、該エアロゾル中のセラミックス微粒子凝集塊が、前記振動手段による解砕容器の振動に伴い、ボールまたは容器壁と、衝突または摺接して解砕されて、前記導出部より導出されることを特徴とする微粒子凝集塊解砕装置。
  2. 前記ボールが、前記セラミックス微粒子と同種材料からなることを特徴とする請求項1記載の微粒子凝集塊解砕装置。
  3. 前記解砕容器の内壁が、前記セラミックス微粒子と同種材料からなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の微粒子凝集塊解砕装置。
  4. セラミックス微粒子をガス中に分散させてエアロゾルとするエアロゾル発生装置と、該エアロゾル発生装置で発生したエアロゾル中のセラミックス微粒子凝集塊を解砕する微粒子凝集塊解砕装置と、真空チャンバーと、該真空チャンバー内に配設され前記微粒子凝集塊解砕装置から送られる解砕されたエアロゾルを基材上に噴射するエアロゾル噴射ノズルとを備え、エアロゾルデポジション法により基材上にセラミックス被膜を形成する被膜形成装置であって、
    前記微粒子凝集塊解砕装置が、請求項1、請求項2または請求項3記載の微粒子凝集塊解砕装置であることを特徴とする被膜形成装置。
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