JP2007254826A - 被膜形成装置および被膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアロゾルデポジション法において一次粒子の発生割合を容易に増やすことができ、得られる被膜の硬度や、成膜速度および成膜効率に優れる被膜形成装置および被膜形成方法を提供する。
【解決手段】エアロゾル発生装置11と、真空チャンバー5と、該真空チャンバー5内に配設されエアロゾルを基材7に噴射するエアロゾル噴射ノズル12とを備え、エアロゾルデポジション法により基材7にセラミックス被膜を形成する被膜形成装置1であって、エアロゾル発生装置11は、成膜用微粉と分散用粗粉とからなるセラミックス粉体に振動を与える手段2と、セラミックス粉体に搬送ガスを混合してエアロゾルを形成した後、該エアロゾル中の分散用粗粉を除去する手段3と、このエアロゾルをエアロゾル噴射ノズル12に供給する手段とを有し、成膜用微粉は 0.05〜2μm の平均粒子径を有し、分散用粗粉は 3〜100μm の平均粒子径を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エアロゾルデポジション法(以下、AD法と記す)において、エアロゾル中のセラミックス粒子径を調整した後、セラミックス被膜を形成する被膜形成装置および被膜形成方法に関する。
従来、原料セラミックス微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを基材に向けてエアロゾル噴射ノズルより噴射し、エアロゾルをこの基材表面に高速で衝突させ、超微粒子の構成材料からなる被膜を基材上に形成させるAD法が知られている。AD法の例としては、基板上に 50 nm〜5μm の超微粒子脆性材料を接合させて理論密度の 95 %以上で結晶サイズで 100 nm 以下の微結晶を含む脆性材料である超微粒子成形体を得る脆性材料超微粒子成形体の低温成形法が挙げられる(特許文献1参照)。AD法では、数μm〜数十μm の緻密な被膜を密着性良好に形成できるとともに、ワークの冷却不要、ニッケルアルミ等の下地処理不要および封孔処理不要などにより、他の被膜形成法である溶射法と比較して製造コストが大幅に安くなるという利点がある。
しかしながら、AD法においては、微粒子をエアロゾル発生装置内に投入し、振動させてエアロゾルを発生させる機構を用いることが多く、微粒子が凝集し、二次粒子化しやすい。この二次粒子は、良好な被膜の形成に寄与しないので、一次粒子の含有比率を増やしたエアロゾルをエアロゾル噴射ノズルに供給する目的で、分級装置を付与したり(特許文献2参照)、分級装置および解砕装置を付与する方法(特許文献3参照)等が知られている。しかし、これらのように成膜装置に凝集粒子を分級あるいは解砕する手段を設けると、装置全体が複雑になり、大きなスペースを要するようになる欠点があった。
この問題に対し、AD法において小さい粒子を配合することで緻密な成膜性と、大きい粒子を配合することで高い成膜速度とを付与することを目的として、少なくとも三つの粒径頻度ピークを有する粒子混合物をエアロゾル化する方法(特許文献4参照)や、また 0.01〜1μm の体積基準による 50%平均粒径(D50)を有する原料微粒子と、3〜100μm の体積基準による 50%平均粒径(D50)を有する補助粒子とを含んでなる粒子混合物をエアロゾル化する方法(特許文献5参照)が知られている。
しかしながら、実際には、この 3〜100μm の体積基準による 50%平均粒径(D50)を有する補助粒子にはエッチング効果があるため、原料微粒子と併用するのは好ましくないという問題がある。
特許第3265481号公報 特開平11−21677号公報 特開2001−181859号公報 特開2005−314800号公報 特開2005−314801号公報
本発明はこのような問題に対処すべくなされたものであり、AD法において一次粒子の発生割合を容易に増やすことができ、得られる被膜の硬度や、成膜速度および成膜効率に優れる被膜形成装置および被膜形成方法を提供することを目的とする。
本発明の被膜形成装置は、エアロゾル発生装置と、真空チャンバーと、該真空チャンバー内に配設され上記エアロゾル発生装置から供給されるエアロゾルを基材上に噴射するエアロゾル噴射ノズルとを備え、AD法により基材上にセラミックス被膜を形成する被膜形成装置であって、上記エアロゾル発生装置は、成膜用微粉と分散用粗粉とからなるセラミックス粉体に振動を与える手段と、上記セラミックス粉体に搬送ガスを混合してエアロゾルを形成した後、該エアロゾル中の上記分散用粗粉を除去する手段と、該分散用粗粉を除去されたエアロゾルを上記エアロゾル噴射ノズルに供給する手段とを有し、上記成膜用微粉は 0.05〜2μm の平均粒子径を有し、上記分散用粗粉は 3〜100μm の平均粒子径を有することを特徴とする。
なお、本発明の成膜用微粉および分散用粗粉における「平均粒子径」は、レーザ回折式粒度分布計を用いて測定した粒度分布測定データにおける、粒径の小さい側からの微粒子の累積体積が 50 %に達した時の粒子の粒径をいう。
上記セラミックス粉体に振動を与える手段として振動モータを、上記分散用粗粉を除去する手段としてフィルターを、それぞれ備えることを特徴とする。
また、上記セラミックス粉体における、上記成膜用微粉粒子の個数の、上記分散用粗粉粒子の個数に対する比が、1.0×101〜1.0×1012であることを特徴とする。
また、上記セラミックス粉体は、アルミナ粉体であることを特徴とする。
本発明の被膜形成方法は、成膜用微粉を搬送ガス中に分散させたエアロゾルを、真空チャンバー内でエアロゾル噴射ノズルから基材上に噴射して成膜を行なうAD法による被膜形成方法であって、該被膜形成方法は、上記基材上に噴射するエアロゾルの形成工程として、0.05〜2μm の平均粒子径を有する成膜用微粉と、 3〜100μm の平均粒子径を有する分散用粗粉とからなるセラミックス粉体に振動を与える工程と、上記セラミックス粉体に搬送ガスを混合してエアロゾルを形成する工程と、上記エアロゾルから上記分散用粗粉を除去する工程とを有することを特徴とする。
本発明の被膜形成装置は、エアロゾル発生装置において、AD法による被膜形成が可能な微細な成膜用微粉と、それよりも粗い分散用粗粉とからなるセラミックス粉体に振動を与える手段を有するので、成膜用微粉の凝集粉は分散用粗粉によって解砕され、セラミックス粉体中の一次粒子の存在割合が増加する。また、エアロゾル発生装置の中で、質量の重い分散用粗粉は、エアロゾルチャンバー内に留まりやすく、さらに、該エアロゾル中の分散用粗粉を除去する手段を有するので、被膜形成に供されるエアロゾル中の分散用粗粉の存在割合が減少する。これらの結果、得られる被膜が緻密となり硬度の向上が図れるとともに、成膜時にエッチング効果が発生しないので、成膜速度および成膜効率を向上させることができる。
本発明の被膜形成方法は、基材上に噴射するエアロゾルの形成工程として、0.05〜2μm の平均粒子径を有する成膜用微粉と、 3〜100μm の平均粒子径を有する分散用粗粉とからなるセラミックス粉体に振動を与える工程と、セラミックス粉体に搬送ガスを混合してエアロゾルを形成する工程と、エアロゾルから分散用粗粉を除去する工程とを有するので、エアロゾル中の成膜用微粉の凝集が防止できるとともに、分散用粗粉の存在割合が減少するので、被膜特性の向上や、成膜速度および成膜効率を向上させることができる。また、別途分級装置や解砕装置が不要であり、成膜コストを低くできる。
本発明においてAD法は、成膜用微粉をガス中に分散させたエアロゾルを基材に向けてエアロゾル噴射ノズルより噴射し、エアロゾルをこの基材表面に高速で衝突させ、微粒子の構成材料からなる被膜を基材上に形成させる方法である。成膜用微粉は、衝突により粉砕し、清浄な新生表面を形成し、低温接合を生じさせるので、室温で微粒子同士の接合を実現できる。
本発明においてAD法によるセラミックス被膜を形成するための、エアロゾル原料となるセラミックス粉体としては、絶縁性や耐食性が良好なアルミナ、ジルコニア、チタニア等の酸化物セラミックス粉体等が挙げられる。それぞれのセラミックスの高純度グレードにおいて、真比重が小さい方がエアロゾル化しやすいことから、アルミナ微粒子を用いることが好ましい。
AD法では、上述のように室温で微粒子同士の接合を実現でき、高温にさらされることによる原料セラミックスの変態による物性低下を招くこともない。例えば、絶縁性に優れたαアルミナを用いても溶射法ではγアルミナに変態して絶縁性が低下するため、膜厚を増加させる必要があるが、AD法でαアルミナを用いると絶縁性の高いαアルミナのままで成膜できるので、膜厚を増加させずに絶縁性の高いセラミックス層が得られる。
一般にセラミックス粉体は、静置保管中や粒子間衝突により一部凝集して二次粒子となり凝集粉を形成しやすい。この凝集粉を含むエアロゾルはセラミックス被膜の成膜性や緻密性を阻害するので、原料のセラミックス粉体に含まれる凝集粉を解砕するとともに新規の凝集粉の発生を防ぎ、エアロゾル中への凝集粉の混入を防止する必要がある。
本発明に用いるセラミックス粉体は、0.05〜2μm の平均粒子径を有する成膜用微粉と、3〜100μm の平均粒子径を有する分散用粗粉とを併用する。分散用粗粉は、成膜用微粉を分散させる媒体として用いられ、エアロゾル発生装置の中で成膜用微粉と接触して、成膜用微粉に含まれる凝集粉を解砕するとともに成膜用微粉間の衝突頻度を減らし新規の凝集粉の発生を防止する。
分散用粗粉は、分散用粗粉との接触によって一次粒子の存在比率を高められた成膜用微粉とともにエアロゾルを形成した後、後述するフィルター等によって除去され、分散用粗粉が除去されたエアロゾルが被膜形成に供される。
本発明においてAD法によるセラミックス被膜を形成するための、エアロゾル原料となるセラミックス粉体における、成膜用微粉粒子の個数の、分散用粗粉粒子の個数に対する比が、1.0×101〜1.0×1012であることが好ましく、より好ましくは 1.0×101〜1.0×1010であり、さらに好ましくは 1.0×102〜1.0×108であり、最も好ましくは 1.0×102〜1.0×107である。
本発明の一実施例に係る被膜形成装置の構成例を図1に基づいて説明する。図1は基材として軸受外輪外周面に被膜を形成する場合の被膜形成装置の構成を示す図である。
図1に示すように、AD法によるセラミックス被膜形成装置1は、エアロゾル発生装置11と、真空チャンバー5とを有する。エアロゾル発生装置11は、セラミックス粉体に振動を与える手段である振動モータ2と、エアロゾル中の分散用粗粉を除去する手段であるフィルター3と、ガス供給設備10とを備え、各構成部位は配管により接続されている。また、真空チャンバー5内にセラミックス被膜形成対象である基材7と、エアロゾル噴射ノズル12とが配設されている。
振動モータ2により、上述の成膜用微粉と分散用粗粉とからなるセラミックス粉体に振動が加えられ、成膜用微粉と分散用粗粉との接触頻度が上昇し、成膜用微粉に含まれる凝集粉が解砕されるとともに成膜用微粉間の衝突頻度が減少し新規の凝集粉の発生が防止される。
ガス供給設備10から供給される搬送ガスによって、成膜用微粉と分散用粗粉と搬送ガスとからなるエアロゾルがフィルター3に供給される。フィルター3においてエアロゾル中の分散用粗粉が捕集され、成膜用微粉と搬送ガスとからなるエアロゾルがエアロゾル噴射ノズル12に供給される。エアロゾル噴射ノズル12から、このエアロゾルが基材7上に噴射されてセラミックス被膜が形成される。
エアロゾルのエアロゾル噴射ノズル12への供給速度は、ガス供給設備10からの搬送ガスの供給圧力および真空チャンバー内の減圧度によって調整される。
フィルター3に挿入されるフィルターの目開きは、分散用粗粉を捕集できる大きさであればよい。本発明において分散用粗粉の平均粒子径 3〜100μm に対し、フィルターの目開きは0.5〜2μm であることが好ましい。0.5μm 未満のときは容易に目詰まり起こすので好ましくなく、2μm をこえるとエッチング効果の大きい粒子がノズルから噴霧されるので好ましくない。
また本発明において用いるフィルター3は複数個設けて、分散用粗粉の目詰まりによるエアロゾルの供給配管の閉塞時にフィルター3の交換や清掃を容易に行なえるように切り替え可能な方式にしておくことが好ましい。
エアロゾル噴射ノズル12は、長方形等の開口部を有するノズル先端から、基材7に向けてエアロゾルを噴射するものである。なお、エアロゾル噴射ノズル12は、1本であっても複数本であってもよい。
真空ポンプ6によって真空チャンバー5は減圧下に保たれる。微粒子フィルター4は、真空ポンプ6へのセラミックス微粒子の混入を防止するために設けられている。
本発明の被膜形成方法は、成膜用微粉を搬送ガス中に分散させたエアロゾルを、真空チャンバー内でエアロゾル噴射ノズルから基材上に噴射して成膜を行なうAD法による被膜形成方法であって、基材上に噴射するエアロゾルの形成工程として、0.05〜2μm の平均粒子径を有する成膜用微粉と、 3〜100μm の平均粒子径を有する分散用粗粉とからなるセラミックス粉体に振動を与える工程と、セラミックス粉体に搬送ガスを混合してエアロゾルを形成する工程と、エアロゾルから分散用粗粉を除去する工程とを有する。
上述の被膜形成装置を利用した本発明の被膜形成方法を、図1に基づいて説明する。
基材上に噴射するエアロゾルの形成工程として、まず、エアロゾル発生装置11に投入されている 0.05〜2μm の平均粒子径を有する成膜用微粉と、3〜100μm の平均粒子径を有する分散用粗粉とからなるセラミックス粉体に振動モータ2によって振動を加える。該工程により、成膜用微粉と分散用粗粉との接触頻度を上げ、成膜用微粉に含まれる凝集粉を解砕するとともに成膜用微粉間の衝突頻度を減らし新規の凝集粉の発生を防止できる。
次に、セラミックス粉体にガス供給設備10から搬送ガスを混合して、成膜用微粉と分散用粗粉と搬送ガスとからなるエアロゾルを形成する。このエアロゾルは、搬送ガス等によってフィルター3に供給され、フィルター3においてエアロゾル中の分散用粗粉のみを捕集する。なお、使用可能な搬送ガスとしては、アルゴン、窒素、ヘリウム等の不活性ガスが挙げられる。
以上の工程により、エアロゾル噴射ノズル12には、分散用粗粉が除去され、かつ、一次粒子の存在比率を高めた成膜用微粉を含むエアロゾルが供給される。エアロゾル噴射ノズル12から基材7に向けてこのエアロゾルを噴射し、基材7にセラミックス被膜を形成する。
基材7である軸受外輪は、位置決め用XYテーブル8に連設する対象物回転用モータ9に取り付け、対象物回転用モータ9により回転させられ(図中A)、位置決め用XYテーブル8により軸方向に移動させられる(図中B)。軸受外輪を回転・移動させつつ、該外輪外周面へのエアロゾル噴射を行ない被膜を形成する。被膜形成は、基材の用途に応じて被膜厚さが所定の膜厚となるまで行なう。上記のように軸受外輪を基材とする場合で絶縁性を付与するためには、5 μm程度とする。
本発明の被膜形成方法において、搬送ガスの種類や分圧を制御することによって、原子配置位置や被膜中の組成を制御することで、被膜の電気的特性、機械的特性、および磁気的特性等の物理的特性ならびに化学的特性等を制御することが可能である。
また、本発明の被膜形成方法において、被膜の形成を減圧下で行なうことが好ましい。これにより、原料微粒子に形成された新生面の活性をある程度の時間持続させることができる。
以下の実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に示す方法で各実施例および各比較例に使用する成膜用微粉および分散用粗粉を調製した。
成膜用微粉および分散用粗粉として、市販される酸化アルミニウム微粒子をそれぞれ2種類用意した。これらの微粒子について平均粒子径を以下のようにして測定した。まず、微粒子を少量採取して、試験管に入れ、イオン交換水 3 ml と 0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液、数滴とを滴下し、充分に撹拌を行なった。次に、この混合液をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(LA−920、堀場製作所製)の分散バスに注入し、装置内蔵超音波( 30 W )を 5 分間照射し、光軸を調整した後、測定を行なった。その結果、各2種類の成膜用微粉および分散用粗粉の平均粒子径(粒径の小さい側からの微粒子の累積体積が50%に達した時の粒子の粒径)は、以下のとおりであった。
成膜用微粉1:0.1μm
成膜用微粉2:1μm
成膜用微粉3:0.01μm
分散用粗粉1:5μm
分散用粗粉2:50μm
分散用粗粉3:150μm
実施例1〜実施例4および比較例1〜比較例3
成膜用微粉と成膜用微粉とを表1に示す個数比で混合したセラミックス粉体を用いて、以下のようにして被膜の製造を行なった。
得られたセラミックス粉体を図1に示されるエアロゾル発生装置11に、装填し、振動モータ2により振動を加え、搬送ガスとしてヘリウムガスを 7 L/分の流量で装置内に流しながら、エアロゾルを発生させて、フィルター3により成膜用粗粉を除去したエアロゾルをステンレス(SUS)基材上にエアロゾル噴霧ノズル12から噴射させた。こうして、基材上に面積 10 mm×10 mm の酸化アルミニウム被膜を形成させた。
作製した酸化アルミニウム被膜の厚さを触針式表面形状測定器(日本真空技術社製、Dectak3030)を用いて測定することにより、酸化アルミニウム被膜の成膜速度(μm・cm/分)を算出した。成膜速度(μm・cm/分)は、1分間にスキャン距離1cm につき形成される被膜の厚さ(μm)を意味する。また、作製した酸化アルミニウム被膜のビッカース硬度をダイナミック超微小硬度計(DUH−W201、島津製作所製)を用いて測定した。これらの測定結果を表1に示す。
比較例4
フィルター3を使用せず分散用粗粉を除去しなかったこと以外は実施例1と同様に処理して、得られた被膜の成膜速度およびビッカース硬度を測定した。結果を表1に併記する
Figure 2007254826
本発明の被膜形成装置および該装置を利用した被膜形成方法は、AD法において一次粒子の発生割合を容易に増やすことができ、得られる被膜の硬度や、成膜速度および成膜効率に優れるので、各種産業部品等へのセラミックス被膜形成に好適に利用できる。
本発明の一実施例に係る被膜形成装置を示す図である。
符号の説明
1 セラミックス被膜形成装置
2 振動モータ
3 フィルター
4 微粒子フィルター
5 真空チャンバー
6 真空ポンプ
7 基材
8 位置決め用XYテーブル
9 基材回転用モータ
10 ガス供給設備
11 エアロゾル発生装置
12 エアロゾル噴射ノズル

Claims (5)

  1. エアロゾル発生装置と、真空チャンバーと、該真空チャンバー内に配設され前記エアロゾル発生装置から供給されるエアロゾルを基材上に噴射するエアロゾル噴射ノズルとを備え、エアロゾルデポジション法により基材上にセラミックス被膜を形成する被膜形成装置であって、
    前記エアロゾル発生装置は、成膜用微粉と分散用粗粉とからなるセラミックス粉体に振動を与える手段と、前記セラミックス粉体に搬送ガスを混合してエアロゾルを形成した後、該エアロゾル中の前記分散用粗粉を除去する手段と、該分散用粗粉を除去されたエアロゾルを前記エアロゾル噴射ノズルに供給する手段とを有し、
    前記成膜用微粉は 0.05〜2μm の平均粒子径を有し、前記分散用粗粉は 3〜100μm の平均粒子径を有することを特徴とする被膜形成装置。
  2. 前記セラミックス粉体に振動を与える手段として振動モータを、前記分散用粗粉を除去する手段としてフィルターを、それぞれ備えることを特徴とする請求項1記載の被膜形成装置。
  3. 前記セラミックス粉体における、前記成膜用微粉粒子の個数の、前記分散用粗粉粒子の個数に対する比が、1.0×101〜1.0×1012であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の被膜形成装置。
  4. 前記セラミックス粉体は、アルミナ粉体であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の被膜形成装置。
  5. 成膜用微粉を搬送ガス中に分散させたエアロゾルを、真空チャンバー内でエアロゾル噴射ノズルから基材上に噴射して成膜を行なうエアロゾルデポジション法による被膜形成方法であって、
    該被膜形成方法は、前記基材上に噴射するエアロゾルの形成工程として、0.05〜2μm の平均粒子径を有する成膜用微粉と、 3〜100μm の平均粒子径を有する分散用粗粉とからなるセラミックス粉体に振動を与える工程と、前記セラミックス粉体に搬送ガスを混合してエアロゾルを形成する工程と、前記エアロゾルから前記分散用粗粉を除去する工程とを有することを特徴とする被膜形成方法。
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