JP3809860B2 - 複合構造物作製方法及び複合構造物作製装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微粒子を含むエアロゾルを基材に吹き付け、微粒子材料からなる構造物を基材上に形成させることによって、基材と構造物からなる複合構造物を作製する複合構造物作製方法および複合構造物作製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板上への微粒子材料からなる膜の形成方法としてはガスデポジション法(加集誠一郎:金属 1989年1月号)が知られている。この方法は金属やセラミックスの超微粒子をガス攪拌にてエアロゾル化し、微小なノズルを通して加速せしめ、基材表面に超微粒子の圧粉体層を形成させ、これを加熱して焼成させることにより被膜を形成する。例えば特開平11−299879号公報には、キャリアガスと生体適合材料の微粒子とから構成されるエアロゾルの供給部、ノズル、加熱装置、温度測定装置、基材とから構成され、キャリアガスをエアロゾルの供給部に導入してエアロゾルを発生させてノズルから基材に吹き付けて微粒子の堆積物を基材上に形成するとともに基材及び堆積物を加熱せしめて焼結させ、人工生体適合構造・機能部品を作製する方法が提案されている。
【0003】
上記ガスデポジション法を改良した技術として微粒子ビーム堆積法あるいはエアロゾルデポジション法と呼ばれる脆性材料の膜あるいは構造物の形成方法がある。これは、脆性材料の微粒子を含むエアロゾルをノズルから高速で基板に向けて噴射し、基板に微粒子を衝突させて、その機械的衝撃力を利用して脆性材料の多結晶構造物を基板上にダイレクトに形成させる方法であり、特開平11−21677号公報、特開平2000−212766号公報に開示されるものが知られている。
【0004】
特開平11−21677号公報に開示される技術は、前記した超微粒子を含むエアロゾルを搬送する際あるいはセラミックスなどを加熱蒸発させる際に、超微粒子同士が凝集して大きな粒子となるのを防止するために、中間の経路に分級装置を配置するようにしている。
【0005】
特開2000−212766号公報は、粒径が10nmから5μmの範囲にあるセラミックスなどの超微粒子をガスに分散させてエアロゾルとした後、ノズルより高速の超微粒子流として基板に向けて噴射して堆積物を形成させる。このときに超微粒子や基板に、イオン、原子、分子ビームや低温プラズマなどの高エネルギー原子などを照射して作製される構造物を強固なものとする工夫がなされている。また同公報の図5によるとエアロゾルを発生させるエアロゾル化チャンバーは、ガスを導入するとともに重力ベクトル方向への上下振動により超微粒子を攪拌・混合させてエアロゾル化する工夫が採られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術で示したエアロゾルの発生手段は、静止したエアロゾル供給部において粉体にガス導入パイプを埋没させてガスを導入したり、エアロゾルチャンバーを上下させるなどの手法を採るが、エアロゾル供給部が静止している状態でガスを導入し続けると、粉体はガス導入パイプの開口付近の一体がすぐに飛ばされてしまい、エアロゾル量を長期的に安定させて供給することが困難である。エアロゾルチャンバーを上下させて攪拌することによりこの弊害は有る程度解消されるものの、上下運動は粉体のパッキング(押し固める作用)を起こすため、粉体によっては振動とともに固着が進み、これがやはりエアロゾル発生量の長期的安定性に対して弊害を与える。微粒子を基材に衝突させてその構造物を形成させる手法で用いるこれらのエアロゾル発生手法では、構造物形成のために数十分から数時間に亘る連続操作が必要となる場合があり、エアロゾルを長期安定させて供給することは工業利用上必須と言って良い。
【0007】
【課題を解決するための手段】
まず本発明が行われる場となった複合構造物作製方法である、基材上に脆性材料構造物を形成するエアロゾルデポジション法について説明する。
延展性を持たない脆性材料(セラミックス)に機械的衝撃力を付加すると、結晶子同士の界面などの劈開面に沿って結晶格子のずれを生じたり、あるいは破砕される。そして、これらの現象が起こると、ずれ面や破面には、もともと内部に存在し別の原子と結合していた原子が剥き出しの状態となった新生面が形成される。この新生面の原子一層の部分は、もともと安定した原子結合状態から外力により強制的に不安定な表面状態に晒され、表面エネルギーが高い状態となる。この活性面が隣接した脆性材料表面や同じく隣接した脆性材料の新生面あるいは基材表面と接合して安定状態に移行する。外部からの連続した機械的衝撃力の付加は、この現象を継続的に発生させ、微粒子の変形、破砕などの繰り返しにより接合の進展、緻密化が行われ、脆性材料構造物が形成される。
【0008】
そして、上記機械的衝撃を搬送ガスにて脆性材料を基材に衝突させるようにした方法がエアロゾルデポジション法である。
この方法はガスデポジション法より発展してきた手法であり、脆性材料の微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを搬送し、高速で基材表面に噴射して衝突させ、微粒子を破砕・変形せしめ、基材との界面にアンカー層を形成して接合させるとともに、破砕した断片粒子同士を接合させることにより、基材との密着性が良好で強度の大きい脆性材料構造物を基材上にダイレクトに形成させることができる。
【0009】
本発明は上述のエアロゾルデポジション法で用いられるエアロゾル発生器として好適な構成を見いだしたものであるが、同じくガスデポジション法でも使用可能であり、従って微粒子粉体としても脆性材料微粒子の他、金属微粒子なども利用できる。
【0010】
本発明においては、微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを高速で基材に衝突させて基材と微粒子材料からなる複合構造物を作製する複合構造物作製方法において、エアロゾルを発生させるには、微粒子を容器に収容し、これに重力ベクトル方向に対しておおよそ直角となる方向に機械的振動作用を与えて微粒子を攪拌するとともに、ガスを微粒子に吹き付けて微粒子を気流中に舞い上がらせることとし、その一態様としての複合構造物作製装置においては、エアロゾルを発生させるエアロゾル発生器とこのエアロゾル発生器で発生したエアロゾルを高速で基材に衝突させるためのノズルとを備え、エアロゾル発生器が微粒子を収容する容器と、容器に接続されガスを導入する導入口と、容器に接続され容器内で発生したエアロゾルをノズル側に導出する導出口と、容器に機械的振動作用を与える振動手段とを有し、振動手段を用いて重力ベクトル方向に対しておおよそ直角となる方向に振動を与えて微粒子を攪拌するとともに導入口からガスを微粒子に吹き付けてエアロゾルを発生させることを特徴とする。
【0011】
ここで、微粒子とはセラミックスや半導体などの脆性材料の他、金属材料やこれらの混合物、あるいはセラミックス微粒子にセラミックスや金属、樹脂をコーティングしたものが挙げられる。
【0012】
容器としては数百mLから1L程度の容量の円筒容器などが使用されるが、これに微粒子粉体を数十mLから数百mL収容して、導入口を微粒子粉体表面の直上に位置させたり、粉体内部に導入口を埋没させたりしてガスを吹き付ける。このとき重力ベクトル方向に対しておおよそ直角の方向に振動させるが、おおよそ直角とは実質的には直角方向から10°以内の傾きとする。この振動作用はいわゆる水平方向の往復振動が考えられる。上下振動に比較して重力方向への移動が無いため、粉体のパッキングが起こりにくく、従って上下振動に比べてエアロゾル発生の長期的安定が保たれる。横方向の振動速度を調節することでエアロゾルの発生量を制御することができる。
【0013】
また容器内に微粒子とともに大きさが1mm以上の塊状の微粒子解砕片を収容するとなおよい。例えばセラミックスのボールなどがこれに当たる。微粒子粉体に振動を与え続けると微粒子同士は振動によって発生する静電気などで凝集を始め、時には数mm径もある凝集塊を多くつくるようになる。このような状態になるとエアロゾルの発生は起きにくくなりすなわち長期安定性が損なわれる。従って微粒子解砕片を粉体とともに収容させて同時に攪拌することにより、微粒子同士の凝集をほぐすことが可能となり、好適である。この凝集解砕は導入口を粉体表面直上に位置させてガスを微粒子粉体に吹き付ける場合に特に効果を上げる。解砕作用を与えるには、このほか振動作用には寄らない回転羽根を用いた粉体のミキシングなども一定の効果を上げる。ただしミキシングの場合は度が過ぎると容器壁面への粉体の付着を招来し、長期安定性を損なわせる原因となる。
【0014】
また別の一態様として、機械的振動作用が重力ベクトル方向を軸とした渦動振動であることを特徴とする。渦動振動に関して容器に円筒を用いた場合において説明すると、容器自体の回転は行われず、円筒の中心軸がそれにほぼ垂直なある半径をもつ円周上をなぞるようにしてスクロール運動をすることを意味しており、このとき容器上部を支点としてその中心軸が円錐の側面の形状を描くように運動する場合も含む。この場合も中心軸自身の運動は重力ベクトル方向に対しておおよそ直角の面をなぞる回転運動となる。このような運動をさせると、容器の回転が行われないにも関わらず、その中に収容されている微粒子粉体は容器内で容器の中心軸を中心として独立して円周回転運動を行う。従ってここに導入口を位置させてガスを吹き付けるか、ここに導入口を埋没させてガスを吹き出させるかを行うことにより、導入口の開口付近に常に回転運動によって新しい粉体が供給されて、安定的にエアロゾルを発生させることが可能となる。
【0015】
またエアロゾルの導出口をその開口が容器内に収容されている粉体の上部に位置させており、吹き上げられた微粒子粉体が気流に乗って開口まで到達し導出されるが、本発明の一態様として、さらにはこの導出口の開口部と収容された微粒子との間に発生したエアロゾル中の凝集粒が導出されることを防ぐ遮蔽手段を設置することを特徴とする。エアロゾルデポジション法ではエアロゾル中の微粒子は一次粒子がリッチに存在することが望ましいが、0.1〜5μmの粒径をもつ微粒子粉体は凝集しやすいこともあって、この微粒子粉体への吹きつけによるエアロゾル発生では凝集粒を含むことが懸念される。この凝集粒のうち特に大きいものは構造物の形成中に基材上に吹き付けられると、形成表面に付着してそれ以降の構造物形成を阻害したり、あるいは出来上がった構造物を削り取るなどの弊害を起こしたりなどする。従ってこの凝集粒を除外することが健全な構造物形成のための要因となるが、上述した遮蔽コマはエアロゾル中の凝集粒が導出口へ到達することを防ぎ、比較的一次粒子に近い微粒子を選択的に導出させる役割を果たす。これは一次粒子や多少の凝集はしているものの比較的小さい凝集粒は気流の流線に沿って移動しやすいのに対し、粗大な凝集粒は慣性が比較的大きいため、ガスが吹き付けられた後、比較的直進して導出口へあるいは容器の上部へ向かって移動するためであり、従って、導出口の開口部が収容される微粒子粉体の表面から見て隠れるように遮蔽手段が配置されることが望ましい。構造物形成とその阻害との境界にあたる凝集粒の粒径は粉体種によっても違うなど規定することが難しいため、実質的には遮蔽手段の大きさや位置とガスの流量などの諸設定条件を適切に選んでエッチング及び圧粉体形成を代表とする阻害が起こらない構成を選択するとよい。
【0016】
【発明の実施の態様】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。まず本発明のエアロゾル発生器が使用されるエアロゾルデポジション法における構造物作製装置について説明する。
【0017】
図1は複合構造物作製装置1を示したものであり、窒素ガスボンベ101の先にガス搬送管102を介してエアロゾル発生器103が設置され、その下流側にエアロゾル搬送管104を介して構造物形成室105内に例えば10mm×0.4mmの噴射開口をもつノズル106が設置されている。エアロゾル発生器103内には脆性材料微粒子例えば酸化アルミニウム微粒子粉体が充填されている。ノズル106の開口の先には基材107が配置され、基材107はXYステージ108に固定されている。構造物形成室105は真空ポンプ109と接続されている。
【0018】
以下にエアロゾルデポジション法に基づく複合構造物作製装置1の作用を述べる。窒素ガスボンベ101を開栓し、ガスをエアロゾル発生器103内に送り込み、同時にエアロゾル発生器103を運転させて脆性材料微粒子と窒素ガスが適当比で混合されたエアロゾルを発生させる。また真空ポンプ109を稼動させ、エアロゾル発生器103と構造物形成室105の間に差圧を生じさせる。このエアロゾルをエアロゾル搬送管104を通して加速させ、ノズル106より基材107に向けて噴射する。基材107はXYステージ108により揺動され、エアロゾル衝突位置を変化させつつ、微粒子の衝突により基材107上に膜状の脆性材料構造物が形成されていく。
【0019】
次に上述のような構成を代表とする複合構造物作製装置に採用されるエアロゾル発生器の実施の態様を述べる。
図2は本発明の一態様としてのエアロゾル発生器2を示したものであり、約500mLの円筒形状の容器201にはガスを導入する導入口202と発生したエアロゾルを導出する導出口203が配置され、微粒子粉体204を充填され、これに直径10mmのアルミナ球石205が複数個混在している。この微粒子粉体204には、前述した酸化アルミニウムのようなセラミックス粉体でも良いし、あるいは金属材料の粉体でもよい。導入口202の開口は直径が2mmであり、微粒子粉体204の表面近く数mmの位置に、微粒子粉体204の方向を向いて開いており、導出口203は直径が4mmであり、微粒子粉体204の上方約8cmの位置に開口を開けている。この容器201は振とう器206に設置されている。
【0020】
以上の構成からなるエアロゾル発生器2の作用と効果を述べる。窒素などのガスを導入口202より毎分数〜十数リットルで導入し、同時に振とう器206を運転させる。振とう器206は図2中矢印のように水平方向に振幅約2cm、振とう速度30〜300往復/分で運転される。この作用によりガスは微粒子粉体204を容器内に巻きあげ、エアロゾルを発生させる。この振とう速度を変化させることによりエアロゾル中の微粒子の濃度を調整することができる。このようにしてエアロゾルを発生させつづけると、微粒子粉体204の運動により徐々にこれが凝集していく。そこで混在しているアルミナ球石205が振とうによる攪拌作用を受けてこの凝集粒を解砕する。従って凝集によるエアロゾルの濃度の低下を抑制することができる。発生したエアロゾルは導出口203へ向かう気流にのり、ここからエアロゾル発生器2の外へと導出される。このようにして作製されたエアロゾルが図1に示した複合構造物作製装置1の要素部として作用し、例えば酸化アルミニウムの構造物の形成などが行われる。
【0021】
図3は本発明の別の一態様としてのエアロゾル発生器3を示したものであり、約800mLの円筒形状の容器301の底に近い側面に複数の導入口302が設置され、容器301の上方で中心軸上の位置に導出口303が設置される。これらの開口はそれぞれ直径2mmおよび直径4mmである。これに微粒子粉体304が収容される。また導出口303の開口の直下には径が2cmの凝集粒遮断手段である凝集粒遮蔽コマ305が容器301の底から支持されて、円錐部を開口のある上方に向けて設置される。容器301は回転モータ306の先に設置された半径2.5mmの偏心をもつ偏心軸307に乗せられ、また上部の蓋の部分が支柱308に半固定されて圧縮ばね309で偏心軸307に押さえつけられている。
【0022】
以上の構成からなるエアロゾル発生器3の作用と効果を述べる。導入口302から窒素などのガスが導入されるとともに回転モータ307が図3中の矢印のように回転し、偏心軸307により容器301の底面が直径5mmの円を描くように渦動振動される。容器301自体は支柱308に半固定されているため回転は起こさない。しかしながら拘束を受けていない微粒子粉体304はこの渦動振動を受けて回転モータ307の回転方向へと自在に回転する。この作用により導入口302の開口付近に次々と微粒子が送り込まれて吹き上げられ、この攪拌作用により安定的にエアロゾルが発生する。また微粒子粉体304の一部は凝集粒を形成しており、それがため容器301内で発生した直後のエアロゾル中にも凝集粒が含まれる場合がある。これら凝集粒はその重量が比較的大きいためその慣性により吹き上げられた後は気流に乗りやすい一次粒子と比較して直線的に容器301内を移動する。一方凝集粒遮蔽コマ305は導出口303の開口付近で折れ曲がる気流を形成させる働きをしており、従って気流に乗りやすい一次粒子はこの凝集粒遮蔽コマ305を避けて導出口303よりエアロゾル発生器3外へ導出されるのに対し、凝集粒は凝集粒遮蔽コマ305に衝突して開口へと届くことはなく、従って凝集粒の混在の少ないエアロゾルを作製することが可能となる。エアロゾル中の微粒子濃度は回転モータ306の回転数に敏感に対応して変化するため、これを制御して所望の濃度のエアロゾルを長期間安定させて発生させることができる。
【0023】
また導入口302に開口の向きを回転モータ306の回転方向と逆むきすなわち微粒子粉体304の回転方向において下流側に向けると、開口から微粒子が侵入して導入口302をふさぐという弊害をなくすことができ好適である。さらに開口の位置は容器301の側面付近に置くことがよい。なぜなら微粒子粉体304の回転運動により遠心力が働くため、長時間エアロゾル発生器を稼動させていると容器301の側面位置にてパッキングを起こすことがままあり、側面付近からガスを吹き込むことにより遠心力と逆側に力をかけることができたり、あるいはパッキングが生じる前に粉体をガスによってほぐすことができるからである。
【0024】
図4は本発明の別の一態様としてのエアロゾル発生器4を示したものであり、約800mLの円筒形状の容器401の底に近い側面に導入口402が設置され、容器401の上方で中心軸上の位置に導出口403が設置される。これらの開口はそれぞれ2mm、4mmである。導出口403の上部には微粒子粉体404が漏れない程度の細孔をもつメッシュ405が設置されてその上に微粒子粉体404が充填される。また導出口403の開口の直下には径が2cmの凝集粒遮蔽コマ406が容器401の底から支持されて円錐部を開口のある上方に向けて設置される。容器401は回転モータ407の先に設置された半径2.5mmの偏心をもつ偏心軸408に乗せられ、また上部の蓋の部分が支柱409に半固定されて圧縮ばね410で偏心軸408に押さえつけられている。
【0025】
以上の構成からなるエアロゾル発生器4の作用については、前出のエアロゾル発生器3に準じるもので、導入口402から導入されたガスがメッシュを通して比較的緩やかで分散された状態で容器301の上部に向かって気流を形成するところに違いがある。このため微粒子粉体404の表面全面から緩やかに一次粒子が巻きあがりエアロゾルを発生するので好適である。図4中では凝集粒遮蔽コマ406が設置されているが、以上のような発生機構によりエアロゾル中に凝集粒が混ざる弊害が少ないため、実際はこれが無くても十分実用的である。
【0026】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを基材に高速で衝突させて微粒子の構造物を形成させる複合構造物作製方法および複合構造物作製装置において、エアロゾル発生器の振動を重力ベクトル方向に対しておおよそ直角となる方向に与えながらガスを微粒子に吹き付けることにより、エアロゾル中の微粒子の濃度を比較的安定させて長時間発生させることが可能となった。またエアロゾル中に粗大な凝集粒が含まれるという弊害も解消することが容易となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】エアロゾルデポジション法で用いる構造物作製装置を示す模式図
【図2】本発明の一態様であるエアロゾル発生器2を示す模式図
【図3】本発明の一態様であるエアロゾル発生器3を示す模式図
【図4】本発明の一態様であるエアロゾル発生器4を示す模式図
Claims (7)
- 微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを高速で基材に衝突させて前記基材と微粒子材料からなる複合構造物を作製する複合構造物作製方法において、前記エアロゾルを発生させるには、前記微粒子を容器に収容し、これに重力ベクトル方向に対しておおよそ直角となる方向に機械的振動作用を与えて前記微粒子を攪拌するとともに、前記ガスを前記微粒子に吹き付けて前記微粒子を気流中に舞い上がらせることとする複合構造物作製方法。
- 前記容器内に前記微粒子とともに大きさが1mm以上の塊状の微粒子解砕片を収容することを特徴とする請求項1に記載の複合構造物作製方法。
- 前記機械的振動作用が、重力ベクトル方向を軸とした渦動振動であることを特徴とする請求項1または2に記載の複合構造物作製方法。
- 微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生器と、該エアロゾル発生器で発生したエアロゾルを高速で基材に衝突させるためのノズルを備え、前記基材と微粒子材料からなる複合構造物を作製するための複合構造物作製装置において、前記エアロゾル発生器が、前記微粒子を収容する容器と、前記容器に接続されガスを導入する導入口と、前記容器に接続され前記容器内で発生したエアロゾルをノズル側に導出する導出口と、前記容器に機械的振動作用を与える振動手段とを有し、前記振動手段を用いて重力ベクトル方向に対しておおよそ直角となる方向に振動を与えて前記微粒子を攪拌するとともに前記導入口からガスを前記微粒子に吹き付けてエアロゾルを発生させることを特徴とする複合構造物作製装置。
- 前記エアロゾル発生器は、前記容器内に前記微粒子とともに大きさが1mm以上の塊状の微粒子解砕片を収容することを特徴とする請求項4に記載の複合構造物作製装置。
- 前記機械的振動作用が、重力ベクトル方向を軸とした渦動振動であることを特徴とする請求項4または5に記載の複合構造物作製装置。
- 前記エアロゾル発生器において、前記導出口の開口の鉛直下方に、発生したエアロゾル中の凝集粒が前記導出口より導出されることを防ぐ遮蔽手段を設置したことを特徴とする請求項4乃至6に記載の複合構造物作製装置。
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