JP2008001583A - シリコン単結晶の製造システムおよびこれを用いたシリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

シリコン単結晶の製造システムおよびこれを用いたシリコン単結晶の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所望の結晶品質のシリコン単結晶をより確実に得ることができ、生産性や歩留りの向上を実現するシリコン単結晶の製造システムおよびこれを用いたシリコン単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】CZ法を用いた引上げ装置30で製造されるシリコン単結晶の結晶品質を目標規格内とするため、F/Gの値を所定範囲内に制御する製造条件を設計するシステムで、少なくとも、自動により前バッチのシリコン単結晶の結晶品質結果から次バッチのシリコン単結晶の製造条件を仮設計する手段1、次バッチの引上げ装置30の構成部材を要因とするFおよび/またはGの変化量から補正量を算出する手段2、次バッチでの製造工程を要因とするFおよび/またはGの変化量から補正量を算出する手段3、手段1による製造条件に手段2および/または手段3による補正量を加算し、次バッチでの製造条件を算出する手段4を具備するシリコン単結晶の製造システム38。
【選択図】図1

Description

本発明は、所望の結晶品質、特には結晶欠陥が少ないシリコン単結晶を高歩留で効率良く生産するための最適製造条件を設計する製造システム及びこれを用いたシリコン単結晶の製造方法に関するものである。
近年は、半導体回路の高集積化に伴う素子の微細化に伴い、その基板材料となるチョクラルスキー法(以下、CZ法と略記する)で製造されたシリコン単結晶に対する品質要求が高まってきている。特に単結晶中には、FPD(Flow Pattern Defect)、LSTD(Laser Scattering Tomography Defect)、COP(Crystal Originated Particle)等のグローンイン(Grown−in)欠陥と呼ばれる、酸化膜耐圧特性やデバイスの特性を悪化させる単結晶成長起因の欠陥が存在し、その密度とサイズの低減が重要視されている。
これらの欠陥を説明するに当たって、先ず、結晶成長中にシリコン単結晶に取り込まれるベイカンシイ(Vacancy、以下Vと略記することがある)と呼ばれる空孔型の点欠陥と、インタースティシアル−シリコン(Interstitial−Si、以下Iと略記することがある)と呼ばれる格子間シリコン型の点欠陥のそれぞれの取り込まれる濃度を決定する因子について、一般的に知られていることを説明する。
シリコン単結晶において、V領域とは、シリコン原子の不足から発生するボイドが多い領域であり、I領域とは、シリコン原子が余分に存在することにより発生するシリコン原子の凝集体や転位ループクラスタが多い領域のことであり、そしてV領域とI領域の間には、原子の過不足が少ないニュートラル(Neutral、以下Nと略記することがある)領域が存在している。そして、前記グローンイン欠陥(FPD、LSTD、COP等)というのは、あくまでもVやIが過飽和な状態の時に発生するものであり、多少の原子に偏りがあっても、飽和濃度以下であれば、上記グローンイン欠陥としては存在しないことが判ってきた。
この両点欠陥の濃度は、CZ法における結晶の引上げ速度(成長速度)Fと結晶中の固液界面軸方向温度勾配Gとの関係から決まり、V領域の周囲には、OSF(酸化誘起積層欠陥、Oxidation Induced Stacking Fault)と呼ばれる欠陥が、結晶成長軸に対する垂直方向(結晶径方向)の断面で見た時に、リング状に分布(以下、OSFリングということがある)していることが確認されている。
これらグローンイン欠陥を分類すると、例えば成長速度が0.6mm/min前後以上と比較的高速の場合には、空孔型の点欠陥が凝集して出来たボイド起因とされているFPD、LSTD、COP等のグローンイン欠陥が結晶径方向全域に高密度に存在し、V領域となる。また、成長速度が0.6mm/min以下の場合は、成長速度の低下に伴い、上記のOSFリングが結晶の周辺から発生し、このリングの外側には格子間シリコンの凝集に基づく転位ループ起因と考えられているL/D(Large Dislocation:格子間転位ループの略号)、LSEPD(Large Secco Etch Pit Defect)、LFPD(Large Flow Pattern Defect)等の欠陥が低密度に存在し、I領域となる。さらに、成長速度を0.4mm/min前後以下に低速にすると、OSFリングがウェーハ中心に収縮して消滅し、全面がI領域となる。
また、前述のように、V領域とI領域の中間でOSFリングの外側に、空孔起因のFPD、LSTD、COPも、格子間シリコンに基づく転位ループ起因のLSEPD、LFPDも、さらにはOSFも存在しないN領域が存在する。
このN領域は、通常は成長速度を下げた時に成長軸を含む面内において、成長軸方向に対して斜めに存在するため、単結晶を成長軸方向に垂直に切断した面内では一部分にしか存在しなかった。このN領域について、ボロンコフ理論(例えば非特許文献1参照)では、引上げ速度Fと結晶固液界面軸方向温度勾配Gの比であるF/Gというパラメータが点欠陥のトータルな濃度を決定すると唱えている。面内で引上げ速度は一定のはずであるが、面内でGが分布を持つために、例えば、ある引上げ速度では中心がV領域でN領域を挟んで周辺でI領域となるような結晶しか得られなかった。
そこで最近、面内のGの分布を改良して、例えば、引上げ速度Fを徐々に下げながら引上げることにより、ある引上げ速度では面内の一部にしか存在しなかったN領域を結晶径方向全面に広げた全面N領域の結晶を製造できるようになった。また、この全面N領域の結晶を長さ方向へ拡大するには、このN領域が結晶径方向全面に広がった時の引上げ速度を維持して引上げればある程度達成できる。また、結晶が成長するに従ってGが変化することを考慮し、それを補正して、あくまでもF/Gが一定になるように、引上げ速度を調節すれば、それなりに成長方向にも、全面N領域となる結晶が拡大できるようになった(例えば特許文献1参照)。
しかし、この全面N領域が得られる引上げ速度のマージン(制御範囲)は極端に狭く、一度単結晶の直胴部全長にわたりN領域の結晶製造が実現したとしても、一度設定した同一製造条件を用いて直胴部全長にわたり目標品質規格であるN領域となる結晶を継続して製造することは不可能であった。そこで、直胴部全長にわたってN領域を実現する製造条件の設計においては、絶えず製造条件の操業実績データ(引上げ速度、ルツボ回転数、温度パターン等)及び結晶品質実績データのような製造上実際に得られた実績のデータをまとめ、それらを解析する等のデータ処理を行い、その結果から製造条件の見直しを行うという作業を繰り返し行ってきた。特許文献2では、これらの製造条件の設計において、実績データに基づいて製造条件を自動的に算出するシリコン単結晶の製造システムが開示されている。
しかしながら、単結晶の直胴部全長にわたりN領域の結晶製造が行えるように、上記のように実績データに基づいた製造条件の見直しを行っていたとしても、突然N領域とはならずに目標の品質規格から大きく外れてしまうことがあった。時には、直胴部全域にわたって品質が規格外になるケースもあった。
特許第3460551号公報 特開2005−162558号公報 V.V.Voronkov,Journal of Crystal Growth,vol.59(1982),pp.625〜643
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、所望の結晶品質のシリコン単結晶をより確実に得ることができ、生産性や歩留りの向上を実現するシリコン単結晶の製造システムおよびこれを用いたシリコン単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、チョクラルスキー法を用いた引上げ装置によって製造されるシリコン単結晶の結晶品質を目標規格内とするために、引上げ速度Fと結晶固液界面軸方向温度勾配Gの比F/Gの値を所定範囲内に制御する製造条件を設計する製造システムであって、少なくとも、自動により
前バッチで製造されたシリコン単結晶の結晶品質結果から次バッチで製造するシリコン単結晶の製造条件を仮設計する手段1と、
次バッチで使用する引上げ装置の構成部材を要因とする次バッチのFおよび/またはGの変化量を予測してF/Gの値が所定範囲内に制御されるように補正量を算出する手段2と、
次バッチでの製造工程を要因とする次バッチのFおよび/またはGの変化量を予測してF/Gの値が所定範囲内に制御されるように補正量を算出する手段3と、
前記手段1で仮設計された製造条件に、前記手段2および/または前記手段3から算出されたFおよび/またはGの補正量を加算して、次バッチで製造するシリコン単結晶の製造条件を算出する手段4
とを具備するものであることを特徴とするシリコン単結晶の製造システムを提供する(請求項1)。
このような本発明のシリコン単結晶の製造システムであれば、従来の製造システムのように、前バッチで製造されたシリコン単結晶の結晶品質結果から次バッチで製造するシリコン単結晶の製造条件を設計するだけでなく、これを仮設計とし、さらに、次バッチで使用する引上げ装置の構成部材や、次バッチでの製造工程を要因とするFおよび/またはGの変化に対する補正を加算することができることから、より高精度でF/Gの値を所定範囲内に制御することが可能な製造条件を設計することができ、一層確実に結晶品質が目標規格内に制御されたシリコン単結晶を製造することが可能である。このため、所望の結晶品質を有するシリコン単結晶を高生産性、高歩留りで製造することができる。
そして、この製造条件の設計を自動で行うため、設計に要する作業負担を軽減し、作業時間の短縮化を図ることができるとともに正確に製造条件を算出して設計することができるので効率が良い。
なお、上記のF/Gの値の所定範囲は特に限定されるものではなく、所望の結晶品質(規格や仕様)に対応して適宜設定することができる。
このとき、前記手段2は、少なくとも、前記次バッチで使用する引上げ装置の構成部材の交換および/または経時変化から算出するものとするのが好ましい(請求項2)。
このように、前記手段2は、少なくとも、次バッチで使用する引上げ装置の構成部材の交換および/または経時変化から、次バッチのFおよび/またはGの変化量を予測して上記補正量を算出することにより、より確実にF/Gの値を所定範囲内に制御することが可能な製造条件を設計することができる。
そして、Fおよび/またはGの変化の要因となる構成部材は、製造されるシリコン単結晶を引上げるワイヤ、前記シリコン単結晶の原料を収容する石英ルツボ、該石英ルツボを支持する黒鉛ルツボ、前記シリコン単結晶の原料を溶融するためのヒータの少なくとも1つ以上のものとするのが好ましい(請求項3)。
シリコン単結晶の引上げ装置の構成部材において、石英ルツボ、黒鉛ルツボ、ヒータは結晶固液界面軸方向温度勾配Gに及ぼす影響が強く、またワイヤは引上げ速度Fに及ぼす影響が強い。そのため、これらの少なくとも1つ以上をFおよび/またはGの変化の要因となる構成部材の対象とすることにより、次バッチのFおよび/またはGの変化量を、より正確に予測することができる。
また、前記手段3は、前記原料の溶融終了からシリコン単結晶の引上げ開始までの時間、マルチプリングにおけるシリコン単結晶の累計長さの初期設定長さとの差の少なくともいずれか1つ以上のものから算出するものであるのが好ましい(請求項4)。
このように、手段3が、前記原料の溶融終了からシリコン単結晶の引上げ開始までの時間、マルチプリングにおけるシリコン単結晶の累計長さの初期設定長さとの差の少なくともいずれか1つ以上のものから算出するものとすることにより、より確実にF/Gの値を所定範囲内に制御することが可能な製造条件を設計することができる。
そして、本発明は、前記シリコン単結晶の製造システムを用いてシリコン単結晶を製造することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法を提供する(請求項5)。
このように、前記シリコン単結晶の製造システムを用いてシリコン単結晶を製造するシリコン単結晶の製造方法であれば、前バッチで製造されたシリコン単結晶の結晶品質結果から次バッチで製造するシリコン単結晶の製造条件を仮設計するとともに、さらに、次バッチで使用する引上げ装置の構成部材や、次バッチでの製造工程を要因とするFおよび/またはGの変化に対する補正を加算することができることから、より高精度でF/Gの値を所定範囲内に制御できる製造条件を設計することができ、一層確実に結晶品質が目標規格内に制御されたシリコン単結晶を効率良く製造することが可能である。このため、高生産性、高歩留りで所望の結晶品質を有するシリコン単結晶を得ることができる。
このとき、N領域単結晶を製造することができる(請求項6)。
このように、本発明のシリコン単結晶の製造方法により、特にはマージンの狭いN領域単結晶を製造することができ、結晶欠陥の少ない単結晶を効率良く得ることができる。
また、前記手段2および/または手段3により算出される補正量を、定期的に見直すのが好ましい(請求項7)。
このように、手段2および/または手段3により算出される補正量を、定期的に見直すことにより、F/Gを所定範囲内に維持するための条件の設計を、より最適化させていくことが可能となる。
このように、本発明のシリコン単結晶の製造システムおよびこれを用いたシリコン単結晶の製造方法によって、例えば引上げ装置の構成部材を交換しても、そのFやGに対する影響を考慮した製造条件を設計することができ、所望の結晶品質を有するシリコン単結晶を製造することができ、生産性や歩留りの向上を実現することができる。かつ、この最適製造条件の設計は自動で行うことができるので、効率が良い。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
CZ法を用いたシリコン単結晶の製造システムに関して、従来では、例えば前バッチで引上げられたシリコン単結晶の結晶品質の結果から、製造条件の見直しを行い、次バッチで製造するシリコン単結晶の製造条件を設計するものが開示されている。
しかしながら、上記のような従来のシステムにより製造条件を新しく設計し直しても、目標の品質規格から大きく外れたシリコン単結晶が引上げられる場合があった。場合によっては直胴部全域にわたり品質が規格外になってしまうケースがあった。
そこで、本発明者らは、このように所望の結晶品質(特にはN領域)から大きく外れてしまうことの原因について鋭意調査を行ったところ、引上げ装置の構成部材や単結晶の製造工程を要因として上記問題が発生することを発見した。
すなわち、引上げ装置の構成部材を要因とするものとしては、例えば、まず構成部材の交換が挙げられ、特に、結晶を引上げるワイヤ、結晶の原料を収容する石英ルツボ、石英ルツボを支持する黒鉛ルツボ、原料を溶融するためのヒータを交換した後のバッチでは、前バッチで例えばN領域の結晶が引上げられ、この結晶品質結果に基づいて設計された製造条件でシリコン単結晶を製造しても、前バッチのようにN領域にはならずに、品質が規格外になる頻度が高いことを見出した。
さらに調査を進めたところ、より具体的には、例えばワイヤの交換をした場合においては、引上げ速度を若干高速に設定しておくと、ワイヤの伸びで補償され、目標とする引上げ速度になることが確認できた。また、黒鉛ルツボを交換した場合には、引上げ速度を若干下げる方向に補正することにより、引上げ速度が適正となり、ヒータを交換した場合においては、引上げ速度を若干上げる方向に補正することにより引上げ速度が適正となることを発見した。
そして、これらの引上げ装置の構成部材は、使用時間の経過に従って劣化等によりバッチ間において変化してしまう。また、例えば、毎バッチ交換する石英ルツボはその重量がある範囲でばらつきをもち、また引上げ開始時に原料の融液面位置が同一の所定位置になるように移動した石英ルツボの位置の移動量(標準位置との差)も黒鉛ルツボのライフ、劣化状態、その他の要因により変化する。これらに従ってN領域結晶を達成するための最適な製造条件も徐々に変化することを見出した。
また、単結晶の製造工程を要因とするものとしては、例えば、単結晶が乱れて再溶融する時間を含めたシリコン単結晶の引上げを開始するまでの時間、また、1つの石英ルツボで複数のシリコン単結晶を育成するマルチプリングの場合では、同一バッチの前に引上げたシリコン単結晶の累計長さと初期設定長さとの違いなどが挙げられ、N領域等の所望の結晶品質を達成することのできる引上げ速度等に影響を及ぼすことが分かった。
本発明者らは、以上のような結晶品質に及ぼす影響が大きい引上げ装置の構成部材の交換や経時変化などによる引上げ速度Fや結晶固液界面軸方向温度勾配Gへの影響量(変化量)や、次バッチでの製造工程による影響量をそれぞれ調査し、これに従って予めその影響量分だけ上記のような従来のシステムにより設計した条件に補正した製造条件でシリコン単結晶を引上げることによって、より確実に所望の結晶品質のシリコン単結晶を得ることができることを見出し本発明を完成させた。
以下では、本発明の実施の形態について図を参照して具体的に説明をする。
まず、本発明のシリコン単結晶の製造システムを説明するにあたり、CZ法による単結晶引上げ装置の構成について述べる。図3にその構成の一例を示す。
図3に示すように、この単結晶引上げ装置30は、引上げ室31と、引上げ室31中に設けられたルツボ32と、ルツボ32の周囲に配置されたヒータ34と、ルツボ32を回転させるルツボ保持軸33及びその回転機構(図示せず)と、シリコンの種結晶9を保持するシードチャック11と、シードチャック11を引上げるワイヤ10と、ワイヤ10を回転又は巻き取る巻取機構(図示せず)を備えて構成されている。ルツボ32は、その内側のシリコン融液6を収容する側には石英ルツボ36が設けられ、その外側には黒鉛ルツボ37が設けられている。また、ヒータ34の外側周囲には断熱材35が配置されている。
シリコン単結晶5は、原料のシリコン融液6(融液面7)からワイヤ10によって引上げられており、結晶固液界面8が形成されている。
この単結晶引上げ装置30は、本発明の単結晶製造システムで得られる製造条件に従って単結晶引上げを行うことができるものであれば良く、特に限定されず、例えば従来使用していたものとすることができる。また、磁場を印加するMCZ法による引上げ装置とすることもできる。
そして、このような単結晶引上げ装置30に対し、以下に示すような本発明のシリコン単結晶の製造システムが構築されており、この製造システムによって自動的に算出されたシリコン単結晶の製造条件に基づいて、所望の結晶品質のシリコン単結晶を引上げて製造することが可能である。
図1は本発明のシリコン単結晶の製造システムの一例を示す概略図である。
本発明の製造システム38は、まず、例えば引上げ装置30に接続され、前バッチで製造されたシリコン単結晶の結晶品質結果から次バッチで製造するシリコン単結晶の製造条件を仮設計する手段1を有している。さらに、次バッチでのF/Gの値が所定範囲内に制御されるように、引上げ装置30の各構成部材を要因とする次バッチのFおよび/またはGの変化量を予測してその補正量を算出する手段2と、製造工程を要因とする次バッチのFおよび/またはGの変化量を予測してその補正量を算出する手段3とが配置されている。
そして、上記手段1、手段2、手段3と接続され、手段1で仮設計された製造条件に、手段2および/または手段3から算出されたFおよび/またはGの補正量を加算して、次バッチで製造するシリコン単結晶の製造条件を算出する手段4が配置されている。この手段4はさらに引上げ装置30と接続され、手段4で得られた製造条件に基づいてシリコン単結晶を引上げることができる。
なお、上記各手段はコンピュータから成っており、例えば予め設定しておいたプログラムに基づいて自動的にデータ処理できるようになっている。このため、例えば人の手を介したことによる計算間違い等が起こるのを効果的に防いで正確に処理することができるとともに、迅速にデータを処理して製造条件を導き出すことができるので、設計に伴う作業時間を大幅に短縮化して作業効率を向上させることが可能である。
ここで、各手段について述べる。上記手段1は、例えば特許文献2に開示されている本発明者らによる発明と同じにすることができる。前述したように、前バッチでのシリコン単結晶の結晶品質結果(前バッチの製造条件および実績データ、結晶品質の目標および実績データ等含む)に基づき、例えば引上げ速度やルツボ回転数等の製造条件を見直し、次バッチにおける製造条件を自動的に算出するものである。この手段1により、まず、次バッチにおける製造条件として、基本となる条件を設計することができる。なお、特に特許文献2のものに限定されるものではない。
次に、上記手段2は、FやGに対して影響・変化を及ぼす要因のうち、例えばワイヤ10や石英ルツボ36、黒鉛ルツボ37、ヒータ34などの交換やその経時変化といった引上げ装置30の構成部材を要因とするものについて、その変化に対応した補正量を求めるものである。さらには、石英ルツボ36の重量変化や、石英ルツボ36内に収容されたシリコン融液6の融液面7の位置が、単結晶引上げを開始するときに所定の同一の位置になるように石英ルツボ36を移動したときのその移動量、すなわち、標準位置と移動後の位置との位置差等に対応した補正量が挙げられる。このとき、所望の結晶品質が得られるように、F/Gの値を考慮して最適な上記補正量が算出される。これは後述する手段3についても同様である。
図4のグラフは、それぞれ、N領域単結晶とするための、(A)ルツボ32を要因とする変化量に対する補正量、(B)ヒータ34を要因とする変化量に対する補正量の一例を示している。より詳しくは、(A)融液面7の位置が単結晶引き上げの開始時に所定の位置になるよう移動した石英ルツボ36の移動量に対する補正量であり、(B)ヒータライフに対する補正量である。また、ワイヤを交換した場合は、上述のように、例えばFをより高速に補正して調整することができる。これらの補正量は、メーカー等により種々変えられる。
上記手段3は、次バッチでの製造工程を要因とするFやGに対する変化量を調査・予測して補正量を求めるものである。このFやGを変化させる要因となる製造工程とは、例えば原料の溶融終了からシリコン単結晶の引き上げ開始までに要した時間が挙げられる。さらに、例えば同一バッチで単結晶を複数本引上げるマルチプリングの場合では、シリコン単結晶の累計長さの初期設定長さとの差が挙げられる。すなわちマルチプリングでは、初期設定に基づいて所定の長さの分だけ単結晶を引上げ、その後原料を追加し、さらに単結晶を引上げていくが、この引上げられる単結晶の長さを初期設定値と完全に一致させるのは困難であり、このようなずれが生じることにより、上記の変化要因となってしまう。
上記手段3では、これらの要因に対する補正量を求めることができる。
図5のグラフは、それぞれ、(A)マルチプリングにおけるシリコン単結晶の累計長さの初期設定長さとの差、(B)原料の溶融終了から単結晶引き上げ開始までに要する時間に対し、N領域単結晶とするための補正量の一例を示したものである。
なお、上記手段2や手段3で考慮される要因はこれらに限定されるものではなく、上記例では、特にその影響度が高いものを例にあげて説明したが、Fおよび/またはGに影響を与えるような要素であれば、適宜追加することができる。例えば、ヒータを交換した場合は、上述したように、ヒータのメーカ等を考慮するとともに、装置内での配置位置を変更することにより、FやGへの影響量を考慮した補正量を追加することができる。
以上のような手段2や手段3による補正を導入することにより、引上げられるシリコン単結晶の結晶品質を目標とする結晶品質により近づけることができる。
そして、上記手段4は、手段1で仮設計した製造条件に対し、手段2および/または手段3で求めた補正量を加算することにより、次バッチあるいは次の結晶の引き上げに適用する製造条件を算出する。このようにして、所望の結晶品質となるように、すなわちF/Gの値がその結晶品質に対応した所定の範囲内に制御されるように算出された製造条件に基づいて、引上げ装置30で次の結晶を引き上げることで所望の結晶品質のシリコン単結晶5を引上げることができる。
以上のような本発明のシリコン単結晶の製造システム38であれば、従来のシステムのように単に前バッチの実績データを考慮して次バッチの製造条件を設計するにとどまらず、さらに、従来では考慮されていなかった次バッチにおけるFおよび/またはGを変化させる要因をも考慮し、それに対応した補正を行って製造条件を得ているので、従来の製造システムに比べて一層確実に所望の結晶品質、特にはN領域のシリコン単結晶を製造することが可能である。
以下、この本発明の製造システム38を用いたシリコン単結晶の製造方法の一例について、図2のフローチャートを参照して説明する。
まず、例えば、特許文献2で開示されている方法によって、手段1により、前バッチの製造条件および実績データ、結晶品質の目標および実績データから、次バッチで引上げるシリコン単結晶を目標の結晶品質にするための製造条件を仮設計する(F1)。
そして、次バッチで用いる引上げ装置30において、結晶固液界面軸方向温度勾配Gや引上げ速度Fに影響を及ぼす構成部材の情報を確認する(F2)。前述したように、石英ルツボ36、黒鉛ルツボ37、ヒータ34、ワイヤ10などについてメーカや使用時間、経時変化による状態、交換の有無等の情報をそれぞれについて確認する。
これらの情報から、手段2により、Fおよび/またはGに対する変化量を調査等によって予測し、次バッチで引上げる単結晶の結晶品質が所望のものになるように、その補正量を計算する(F3)。
具体的には、ワイヤ交換のように直接引上げ速度Fに影響を及ぼすパラメータに加え、ヒータや黒鉛ルツボの交換、石英ルツボの重量等のGに影響を及ぼすパラメータについて、それぞれの変化分に対応して補正量を求める。このとき、各条件を変化させたときの結晶品質の調査結果から最適な補正量を求めることができる。
そして、手段1により仮設計した製造条件に、手段2により求めた補正量を加算して、次バッチで引上げる単結晶の製造条件を手段4により設計する(F4)。
この製造条件でマルチプリング1本目のシリコン単結晶を製造する(F5)。
次に、例えば同一バッチで複数本引上げるマルチプリングでは、手段3によって、溶融終了からシリコン単結晶の引き上げを開始するまでの時間および/またはシリコン単結晶の累計長さの初期設定長さとの差を計算し(F6)、次に引上げるシリコン単結晶の製造条件の補正量を計算する(F7)。すなわち、上記F4で求めた製造条件(手段1による製造条件に手段2による補正をおこなった製造条件)に、さらにF7で求めた補正量を加算して、次に引上げる単結晶の製造条件を設計し(F8)、この製造条件でマルチ2本目以降のシリコン単結晶を製造する(F5)。
なお、上記例に限らず、前述したように、例えば融液面7を所定の位置にするための石英ルツボ36の位置の移動量等から算出した補正を、適宜手段1によって導き出された製造条件に追加することが可能である。
コストや、目標とする品質レベル等によって、その都度必要な補正内容を決定することができる。
また、これらの手段2や手段3によって算出される補正量を定期的に見直すと良い。すなわち、これらの補正量を算出するにあたっては、例えば過去の経験やデータから適切と思われる式を適用して算出することができるが、定期的にこの補正式が正しいかどうかの検証を実施し、適宜補正式を変更することによって、より適切な補正量を導き出すことができる。このような見直しを行えば、所望の結晶品質の再現性をさらに改善することが可能である。
このように、本発明のシリコン単結晶の製造方法においては、従来の前バッチのデータを基に設計した製造条件により単結晶を製造する製造方法に対し、さらに、次バッチで使用する引上げ装置30の構成部材や次バッチでの製造工程を要因とするFおよび/またはGの変化に対応してF/Gが所望の範囲になるように補正を行っているので、より確実に所望の結晶品質のシリコン単結晶を製造することが可能である。
特には、N領域単結晶のような製造マージンが比較的狭い結晶品質を達成するにあたって有効である。このN領域を達成する製造マージンは、結晶直径が大口径になるほど狭くなる。直径が例えば200mm未満の小口径では、従来法によってもある程度の歩留り、生産性でN領域単結晶を製造することができるが、直径が200mm以上では困難になる。
一方、本発明の製造方法では、直径が200mm未満の場合はもちろん、直径が200mm以上の単結晶を製造するにあたって、その有効性が特に現れ始め、直径が300mm以上の大直径では、その効果はさらに顕著なものとなる。
以下、本発明の実施例および比較例をあげてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
(実施例1)
口径600mm(24インチ)の石英ルツボを用い、MCZ法で直径200mmのシリコン単結晶を引上げた。このときの結晶品質は直胴部全長の80%が径方向全面N領域となっていた。そして、その次のバッチでワイヤ交換を実施し、新しいワイヤで単結晶の引上げを行った。
このとき、本発明の製造システムにより、まず前バッチの実績データより製造条件を仮設計するとともに、この仮設計された製造条件に対し、ワイヤの伸びを考慮して、引上げ速度を+0.005mm/min補正した製造条件でシリコン単結晶を製造した。
その結果、前バッチと同様に、結晶品質は直胴部全長の80%が径方向全面N領域となり、高品質の単結晶を再現することができた。
(比較例1)
口径600mm(24インチ)の石英ルツボを用い、MCZ法で直径200mmのシリコン単結晶を引上げた。このときの結晶品質は直胴部全長の80%が径方向全面N領域となっていた。そして、その次のバッチでワイヤ交換を実施し、新しいワイヤで単結晶の引上げを行った。
このとき、引上げ速度を補正せず、前バッチと同じ製造条件でシリコン単結晶を製造した。
その結果、前バッチのように結晶品質が直胴部全長に渡り径方向全面N領域とはならず、転位クラスターが発生し、結晶1本丸ごと品質不良となった。
(実施例2)
口径800mm(32インチ)の石英ルツボを用い、MCZ法で直径300mmのシリコン単結晶を引上げた。このときの結晶品質は直胴部全長の60%が径方向全面N領域となっていた。そして、その次のバッチで黒鉛ルツボを交換して単結晶の引上げを行った。
そこで、本発明の製造システムにより、次のバッチでは前バッチの実績データから直胴部の径方向全面N領域とならなかった部分を+0.002mm/min修正し、更に黒鉛ルツボの交換に伴う、同一湯面位置を保つためのルツボ位置変化量の変化を考慮して、全体の引上げ速度を−0.001mm/minシフトさせた製造条件でシリコン単結晶を製造した。
その結果、結晶品質は直胴部全長の70%が径方向全面N領域となり、前バッチに比較して、径方向全面N領域の歩留りが向上した。このように、炉内構成部材を交換したにもかかわらず、本発明により前バッチのシリコン単結晶を再現するに留まらず、より所望の結晶品質にできるよう改善することが可能である。
(比較例2)
口径800mm(32インチ)の石英ルツボを用い、MCZ法で直径300mmのシリコン単結晶を引上げた。このときの結晶品質は直胴部全長の60%が径方向全面N領域となっていた。そして、その次のバッチでヒータを交換した。そこで、次のバッチでは、製造条件を前バッチの実績データから直胴部の径方向全面N領域とならなかった部分のみを−0.002mm/min修正したが、ヒータ交換のGに及ぼす影響は考慮しなかった。この製造条件でシリコン単結晶を製造した。
その結果、結晶品質は直胴部全長に対する径方向全面N領域は20%に留まり、前バッチに比較して、径方向全面N領域の歩留りが大幅に低下した。
(実施例3)
口径800mm(32インチ)の石英ルツボを用い、MCZ法で直径300mmのシリコン単結晶を引上げた。このときの結晶品質は直胴部全長の60%が径方向全面N領域となっていた。そして、その次のバッチでヒータを交換した。そこで、次のバッチでは前バッチの実績データから直胴部の径方向全面N領域とならなかった部分を−0.002mm/min修正し、更にヒータ交換のGに及ぼす影響を考慮して、ヒータ位置を20mm上方にシフトさせることによりGを補正した製造条件でシリコン単結晶を製造した。
その結果、結晶品質は直胴部全長の70%が径方向全面N領域となり、前バッチに比較して、径方向全面N領域の歩留りが向上した。
(比較例3)
口径800mm(32インチ)の石英ルツボを用い、MCZ法で直径300mmのシリコン単結晶を引上げる場合において、前バッチの実績データから、次の製造条件にフィードバックする結果系の情報をフィードバックして次の製造条件を設計し、径方向全面N領域となるように、10本のシリコン単結晶を製造した。
その結果、平均N領域達成率は40%であった。
(実施例4)
口径800mm(32インチ)の石英ルツボを用い、MCZ法で直径300mmのシリコン単結晶を引上げる場合において、前バッチの実績データから、次の製造条件にフィードバックする結果系の情報をフィードバックして次の製造条件を仮設計し、さらに引上げ装置の構成部材の情報、すなわち要因系の情報から求めた補正量を上乗せして、次に引上げる製造条件を設計し、10本のシリコン単結晶を製造した。
このとき、要因系の情報として、ワイヤ交換の有無、ヒータ交換の有無及び使用時間、石英ルツボ重量を補正した、黒鉛ルツボの経時変化に伴う石英ルツボの位置調整量を考慮した。
その結果、平均N領域達成率は80%となり、極めて高い達成率となった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明のシリコン単結晶の製造システムの一例を示す概略構成図である。 本発明のシリコン単結晶の製造方法の手順の一例を示すフローチャートである。 本発明のシリコン単結晶の製造システムを構築することができる引上げ装置の一例を示す構成概略図である。 手段2により算出される補正量の一例を示したグラフである。 手段3により算出される補正量の一例を示したグラフである。
符号の説明
5…シリコン単結晶、 6…シリコン融液、 7…融液面
8…結晶固液界面、 9…種結晶、 10…ワイヤ、
11…シードチャック、 30…単結晶引上げ装置、
31…引上げ室、 32…ルツボ、 33…ルツボ保持軸、
34…ヒータ、 35…断熱材、 36…石英ルツボ、
37…黒鉛ルツボ、
38…本発明のシリコン単結晶の製造システム。

Claims (7)

  1. チョクラルスキー法を用いた引上げ装置によって製造されるシリコン単結晶の結晶品質を目標規格内とするために、引上げ速度Fと結晶固液界面軸方向温度勾配Gの比F/Gの値を所定範囲内に制御する製造条件を設計する製造システムであって、少なくとも、自動により
    前バッチで製造されたシリコン単結晶の結晶品質結果から次バッチで製造するシリコン単結晶の製造条件を仮設計する手段1と、
    次バッチで使用する引上げ装置の構成部材を要因とする次バッチのFおよび/またはGの変化量を予測してF/Gの値が所定範囲内に制御されるように補正量を算出する手段2と、
    次バッチでの製造工程を要因とする次バッチのFおよび/またはGの変化量を予測してF/Gの値が所定範囲内に制御されるように補正量を算出する手段3と、
    前記手段1で仮設計された製造条件に、前記手段2および/または前記手段3から算出されたFおよび/またはGの補正量を加算して、次バッチで製造するシリコン単結晶の製造条件を算出する手段4
    とを具備するものであることを特徴とするシリコン単結晶の製造システム。
  2. 前記手段2は、少なくとも、前記次バッチで使用する引上げ装置の構成部材の交換および/または経時変化から算出するものであることを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造システム。
  3. 前記Fおよび/またはGの変化の要因となる構成部材は、製造されるシリコン単結晶を引上げるワイヤ、前記シリコン単結晶の原料を収容する石英ルツボ、該石英ルツボを支持する黒鉛ルツボ、前記シリコン単結晶の原料を溶融するためのヒータの少なくとも1つ以上のものとすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリコン単結晶の製造システム。
  4. 前記手段3は、前記原料の溶融終了からシリコン単結晶の引上げ開始までの時間、マルチプリングにおけるシリコン単結晶の累計長さの初期設定長さとの差の少なくともいずれか1つ以上のものから算出するものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の製造システム。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の製造システムを用いてシリコン単結晶を製造することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  6. 請求項5に記載のシリコン単結晶の製造方法であって、N領域単結晶を製造することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  7. 前記手段2および/または手段3により算出される補正量を、定期的に見直すことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のシリコン単結晶の製造方法。
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