JP2008000865A - ワーク加工機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】テーブル上にワーク1を上方からクランプし、クランプしたワークの側面部を加工するワーク加工機において、テーブル上を移動自在な可動部11を設け、この可動部11にクランプ用の機構部を設け、当該クランプを解除して可動部を移動する際に、ワーク1を保持する補助クランプ部50を設けた。
【選択図】図1
Description
図1は、本発明の実施の形態に係る横型のワーク加工機100の正面図、図2は、図1の平面図、図3は、図1及び図2の側面図である。なお、本実施の形態の説明では、図1における紙面垂直方向を横方向、紙面上下方向を上下方向とする。
ワーク加工機100は、図1に示すように、主に長さが数m〜数十mにも及ぶ長尺なワーク1の側面部1A及び反対側の側面部1B(図4参照)をそれぞれ切削加工(対向の加工)するための工作機械であり、この長尺なワーク1の長手方向が水平方向(図1及び図2の紙面左右方向)に向けて取り付けられるようになっている。このワーク加工機100は、ワーク1を長手方向に沿って固定するための治具ユニット10と、この治具ユニット10を挟んで反対側にそれぞれ配置された二つの加工ユニット20A,20B(図2参照)と、これらの治具ユニット10及び加工ユニット20A,20Bの下側に位置するベッド30とを備えている。
ベッド30は、高さ調節が可能な複数の脚部31を備えており、ベッド30の上面が略水平となるように、床面40の上に配置されている。このベッド30は、図2に示すように、平面視において矩形に形成されている。
加工ユニット駆動装置23は、加工ユニット本体21が移動するときの駆動力を発生させるための駆動装置である。この加工ユニット駆動装置23は、サーボモータを駆動することにより、ボールねじ24を回転させる。これにより、加工ユニット駆動装置23がボールねじ24に取り付けられたスライドテーブル29を移動させ(矢印B方向)、加工ユニット本体21がレール22に沿って移動することになる。
切削工具26は、主軸25の先端部に取り外し自在に取り付けられており、図示せぬ主軸モータが回転することによって、主軸25と共に回転するようになっている。
送りモータ28は、サーボモータであり、図示せぬボールねじの端部に取り付けられている。このボールねじは、一対の本体レール32の間に、回転自在に設けられている。送りモータ28は、ボールねじを回転させることにより、加工ユニット本体21を、本体レール32の延在する方向に沿って移動(図3における矢印D方向)させる。これにより、送りモータ28は、治具ユニット10に保持されたワーク1に対して、主軸25を送る、あるいは、主軸25を戻すといった動作を行うようになっている。
本実施形態における加工ユニット20Bは、加工ユニット20Aと同一の構成であり、治具ユニット10を挟んで加工ユニット20Aと対象に設けられている。なお、同一の部分には同一の符号を付して示し、重複する説明は省略する。
ワーク載置面16は、加工テーブル12の長手方向の略全域にわたって略水平に形成されている。
また、搬送ローラ18は、昇降構造を備えており、ワーク1をワーク載置面16に載置したときに、搬送ローラ18がワーク載置面16から上方に向かって突出しない位置まで下降して退避する。また、ワーク1を搬送するときには、ワーク載置面16から上方に向かって突出しない位置に上昇する。これにより、搬送ローラ18が下降したときには、ワーク1はワーク載置面16によって下方から支持され、搬送ローラ18が上昇したときには、ワーク1は搬送ローラ18によって下方から支持される。
補助クランプ部50は、図4に示すように、ワーク載置面16の幅方向における一方の端部に設けられた突起部19と、突起部19が設けられていない側に略等間隔に配設された複数の爪部51とを備えている。なお、本実施形態では、爪部51は、搬送ローラ18に隣り合って設けられている。
爪部51は、加工テーブル12の凸部12Aに設けられた補助クランプ部油圧シリンダ53によって動作する。この補助クランプ部油圧シリンダ53は、シャフト53Aが水平から右下がりに角度θだけ傾いた方向に伸縮自在に取り付けられている。これにより、爪部51は、突起部19から離れるにつれて斜め上方に移動し、突起部19に近づくにつれて斜め下方に移動する。また、爪部51の先端部であり、ワーク1に接触する爪先端部51Aは、補助クランプ部油圧シリンダ53の伸縮する方向と略平行に、ワーク載置面16から角度θだけ傾いた向きに移動する。
このため、爪先端部51Aがワーク1に接触するワーク載置面16からの位置は、ワーク1の幅が大きい場合には高い位置で接触し、例えば、幅が小さいワーク1Sが載置されている場合には、幅が大きいワーク1が載置されている場合よりも低い位置で接触するため、ワーク1の大きさに応じて、爪先端部51Aがワーク1に接触する位置を調節することができる。
基準面19Aは、ワーク載置面16と略垂直に形成されており、爪先端部51Aが突起部19に向かって斜め下方に移動したときに、ワーク1の側面部1A,1Bの下部を挟み込む。このとき、爪先端部51Aが突起部19に向かって斜め下方に移動することにより、爪先端部51Aは、ワーク1を基準面19Aに向かって側方に押し付けるとともに、ワーク1を載置面16に向かって下方に押し付けるようになっている。すなわち、補助クランプ部油圧シリンダ53の推力をFとすると、分力により、爪先端部51Aからワーク1に対して、横方向すなわち基準面19Aに向かう方向にFCos(コサイン)θ、縦方向すなわち載置面16に向かう方向にFSin(サイン)θの力が加わる。
治具駆動装置13(図2参照)は、移動式治具11が移動するときの駆動力を発生させるための駆動装置である。この治具駆動装置13は、サーボモータを駆動することにより、ボールねじ14を回転させる。これにより、治具駆動装置13が移動式治具11をワーク載置面16の長手方向(図2における矢印A方向)に移動するようになっている。
また、移動式治具11は、ワーク1の大きさ等を判別する判別センサと、多数の資材が置かれたストックヤードからワーク1が搬入された時にワーク1の到着を検知する到着検知センサと、ワーク1の座標位置を検知する位置検知センサとを備えている。これにより、図示せぬ制御部が各センサで検知した情報を取得し、この情報に基づいてワーク加工機100全体の各モータや各油圧シリンダ等を制御することにより、ワーク加工機100は自動で動作するようになっている。
ボールねじ14側のメインフレーム9の側部9Aには、下端の中央に、ボールねじ14と嵌め合わされて、移動式治具11を加工テーブル12の長手方向(矢印A方向)に移動させるナット部8が設けられている。
メインフレーム9の側部9A,9Aには、図5に示すように、開口65がそれぞれ形成されている。この開口65は、図4に示すように、加工ユニット20A,20Bの切削工具26のみならず、主軸25も通り抜け可能な大きさであり、切削工具26がワーク1に到達可能に形成されている。また、開口65は、加工テーブル12の長手方向に幅広に形成されているため、移動式治具11がワーク1を一度保持しただけで、加工ユニット20A,20Bは開口65内の複数の位置を加工することができる。
当接部62は、略矩形断面を有し、メインフレーム9の側部9A及び上部9Bと略同寸法の長さでワーク載置面16の長手方向に延在しており、下面が略平面状に形成されている。この当接部62は、本クランプ部油圧シリンダ61が上下方向に伸縮することにより、ワーク1に接触し、ワーク1を下方に向かってワーク載置面16に押し付ける。ここで、移動式治具11は、直動ベアリング60が上下方向への移動が規制されてレール15に取り付けているため、移動式治具11は、当接部62がワーク1に当たっても上方に移動してしまうことがない。
シャワーノズル64は、当接部62の周りに設けられた支持フレーム63に、当接部62の長手方向に沿って間隔を空けて取り付けられている。このシャワーノズル64は、ワーク1を加工する際にワーク1及び切削工具26に切削油を噴射したり、ワーク1及び加工テーブル12に油を噴射して洗浄したりするようになっている。
以下、ワーク加工機100の動作について説明する。
ワーク加工機100がワーク1を加工するときには、先ず、図7に示すように、補助クランプ部50が開いた状態になるとともに、図6に示すように、搬送ローラ18がワーク載置面16から上方に突出する位置に上昇する。
ワーク1を判別すると、搬送用ハンド52がワーク1を掴み、図1に示すように、加工テーブル12の端まで搬送する。ワーク1が加工テーブル12の端まで搬送されると、搬送ローラ18がワーク載置面16から上方に突出しない位置に下降し、ワーク1がワーク載置面16に載置される。
搬送ローラ18が下降すると、移動式治具11は、位置検出センサでワーク1の座標位置を検出する。搬送用ハンド52は、挟持力を開放して、ワーク1をワーク載置面16に設置すると、ワーク1から退避し、ワーク1が搬送用ハンド52を自由に貫通できる状態となる。
補助クランプ部50がワーク1の左右方向を保持すると、移動式治具11がレール15に沿ってワーク1の加工位置に移動する。
移動式治具11が加工位置に到達すると、当接部62が下方に移動し、ワーク1をワーク載置面16に向かって上方から押し付けてワーク1の上下方向を保持する。
加工ユニット20A,20Bは、それぞれの加工位置に移動すると、ワーク1の加工を開始する。このとき、移動式治具11のシャワーノズル64からワーク1の加工位置に向けて切削油が噴射され、切削工具26及び加工部位が潤滑されるとともに、付着した切粉が洗浄される。
ここで、加工ユニット20Aの加工位置と、加工ユニット20Bの加工位置とは、移動式治具11の開口65の内側であれば同じ位置である必要はなく、例えば、ワーク1に複数の孔を配列させて形成するときには、加工ユニット20Aと加工ユニット20Bとが隣り合う孔を両側から同時に加工することにより、短時間で加工することができる。
移動式治具11は、次の加工位置に移動すると、当接部62を下方に移動させてワーク1をワーク載置面16に向かって押し付け、加工ユニット20A,20Bがワーク1の加工を開始する。
当接部62による保持が解除されると、移動式治具11は、シャワーノズル64から油を噴射しながら加工テーブル12の長手方向(矢印A方向)に往復移動を行い、ワーク1及び加工テーブル12上に蓄積された切粉を洗浄する。
次に、図7に示すように、補助クランプ部50の爪部51が開き、ワーク1の左右方向の保持を解除する。
ワーク1の保持が解除されると、搬送ローラ18がワーク載置面16から上方にはみ出る位置に上昇し、搬送用ハンド52がワーク1を掴んでストックヤードに搬出する。
移動式治具11は、ワーク1を搬出すると、シャワーノズル64から油を噴射してワーク載置面16を洗浄し、次のワーク1の搬入に備える。
このとき、補助クランプ部50は、突起部19と、この突起部19とともにワーク1を挟み込む爪部51とを備え、この爪部51は、突起部19に近づくにつれて斜め下方に移動し、爪先端部51Aがワーク1に接触するワーク載置面16からの位置は、ワーク1の幅が大きい場合には高い位置で接触し、ワーク1の幅が小さい場合にはワーク1の幅が大きい場合よりも低い位置で接触するため、ワーク1の大きさに応じて、爪先端部51Aがワーク1に接触する位置を調節することができる。これにより、爪部51は、ワークが小さい場合であっても、加工ユニット20A,20Bの加工動作の阻害とならない低い位置でワークを保持するため、ワーク加工機100は、様々な大きさのワーク1に対応することができる。
また、上記実施形態では、爪部51は、搬送ローラ18に隣り合って設けられているが、これに限定されず、爪部と搬送ローラとが離れた位置に設けられていてもよい。
さらには、上記実施形態では、補助クランプ部50は、ワーク1が搬入されてワーク載置面16に載置されると、ワーク1が搬出されるまで常にワーク1を保持しているが、これに限定されず、移動式治具11が移動するときにワーク1を保持していれば、移動式治具11がワーク1を保持している間等は、ワーク1の保持を解除してもよい。
さらにまた、上記実施形態では、ワーク1を水平方向に載置しているが、これに限定されず、例えば、ワーク1を高さ方向に縦に配置してもよい。
1A 側面部
1B 側面部
11 移動式治具(可動部)
12 加工テーブル(テーブル)
16 ワーク載置面
18 搬送ローラ
50 補助クランプ部
61 本クランプ部油圧シリンダ(機構部)
64 シャワーノズル
100 ワーク加工機
Claims (4)
- テーブル上にワークを上方からクランプし、クランプしたワークの側面部を加工するワーク加工機において、
前記テーブル上を移動自在な可動部を設け、
この可動部に前記クランプ用の機構部を設け、
当該クランプを解除して可動部を移動する際に、ワークを保持する補助クランプ部を設けたことを特徴とするワーク加工機。 - 前記補助クランプ部が、加工領域を避けた側面部の下部をクランプすることを特徴とする請求項1に記載のワーク加工機。
- 前記テーブルに、上昇してワークを所定位置に案内すると共に、下降してワークをワーク載置面に載置する複数の搬送ローラを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のワーク加工機。
- 前記可動部が、前記テーブルあるいはワークに、油を噴射するシャワーノズルを備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のワーク加工機。
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