JP2008000023A - コンバイン - Google Patents

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Abstract

【課題】 排気装置の泥等の抱き込みや泥等の浸入などを確実に防止して、走行性能の低下を防止するとともに、排気ガスの吹き付けによって塵等がコンバインの周囲に巻上げられることを防止し、しかも排気装置の構造を簡素化したコンバインを提供する。
【解決手段】 排気サイレンサ22をエンジンルーム18内に配設するとともに、テールパイプ23の外気導入部24をエンジンルーム18内に設ける。これにより、排気サイレンサ22等への泥等の付着・固化やテールパイプ23内への泥等の浸入を確実に防ぐことができるので、排気装置20の排気性能を安定的に得ることができ、したがって信頼性に優れたコンバインを得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、機体の左右一側部に脱穀装置を備え、機体の左右他側部に、エンジンが収容されるエンジンルーム、エンジンから排出された排気を排出する排気装置、前記脱穀装置により脱穀選別された穀粒が一時貯溜されるグレンタンク、およびキャビンとを備えるコンバインに関する。
従来、コンバインのエンジンは機体前方に設置されており、排気装置はエンジンから機体下部を通って機体後方側に配管され、エンジンで発生した排気ガスを機体後方で排出する。排気装置は排気音を低減させる排気サイレンサや排気ガスを排出するテールパイプ等から構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−261279号公報(第26図)
しかしながら、上記従来のコンバインは、排気サイレンサやテールパイプ等の排気装置が機体下部に配管されているため、走行中に巻上げられた泥等が排気装置に掛かり易い。このように排気装置に泥等が掛かると、排気サイレンサやテールパイプに泥等が抱き込まれて付着、固化する場合や、テールパイプに泥等が進入するおそれがある。特にコンバインが湿田で走行する場合には排気装置に泥等が大量に付着し、排気装置内への泥等の進入も増大するため、コンバインの走行性能の低下が問題となる。
また、排気装置が機体下部に配管されているため、テールパイプから排出される排気ガスが機体の下方の地面に吹き付けられ、排気ガスによって塵等がコンバインの周囲に巻上げられるおそれがある。
また、従来の排気装置では、排気装置の途中に外気導入部を設け、排気サイレンサの下流部において外気をテールパイプ内に導入させて排気ガスと混合し、排気ガスの温度を低下させている。しかし、この形態では、外気導入部からの藁屑や泥等の異物の進入を防止するためのカバーが必須となるため、排気装置が複雑化、大型化することが避けられず、排気装置を設置するための広い空間が必要となる。
本発明は前記の各問題点に鑑みてなされたものであり、排気装置の泥等の抱き込みや泥等の浸入などを確実に防止して、走行性能の低下を防止するとともに、排気ガスの吹き付けによって塵等がコンバインの周囲に巻上げられることを防止し、しかも排気装置の構造を簡素化したコンバインを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係るコンバインは、機体の左右一側部に脱穀装置を備え、該機体の左右他側部に、エンジンが収容されるエンジンルーム、エンジンから排出された排気を排出する排気装置、前記脱穀装置により脱穀選別された穀粒が一時貯溜されるグレンタンク、およびキャビンとを備える。前記排気装置は、前記エンジンルーム内でエンジンに接続される排気サイレンサと、該排気サイレンサの下流側に接続されてエンジンからの排気ガスを排気案内するテールパイプと、前記エンジンルール内でテールパイプに設けられ、エンジンルーム内の外気をテールパイプ内に導入する外気導入部とを有している。前記脱穀装置とキャビンとグレンタンクの三者の間には、前記テールパイプのための通管スペースが形成されており、この通管スペースを通って該テールパイプが縦方向に配設されている。
請求項2においては、前記通管スペースの近傍にはオーガレストが立設されており、前記テールパイプが、前記脱穀装置および前記オーガレストに装着されたブラケットに支持されている。
請求項3においては、前記テールパイプは、サイレンサに接続される上流側の第1パイプと、下流側の第2パイプに上下に二分割されており、これら第1・第2パイプは連結部において連結されており、これら第1パイプと第2パイプのそれぞれは、排気ガスが流れる内流路を有する内管と、該内管を囲む外管からなる二重管構造を呈しており、内・外管の対向間隙には、冷却用の空気が流れる外流路が設けられており、前記連結部に、前記外流路内に外気を導入するための開口部が設けられている。
請求項1記載の本発明に係るコンバインにおいては、排気装置を構成する排気サイレンサをエンジンルーム内に配設するとともに、テールパイプの外気導入部をエンジンルーム内に設けたので、排気サイレンサ等への泥等の付着・固化やテールパイプ内への泥等の浸入を確実に防ぐことができる。従って、排気サイレンサやテールパイプ等を機体下部に配管する従来形態に比べて、排気装置の排気性能が安定的に発揮されるため、コンバインの走行性能の低下を抑えて、信頼性に優れたコンバインを得ることができる。
また、テールパイプは上方に向かって配管されているため、テールパイプから排出される排気ガスが機体の下方の地面に吹き付けられることはなく、排気ガスによって塵等がコンバインの周囲に巻上げられる不具合も生じない。
また、外気導入部をエンジンルーム内に設けて、このエンジンルーム内の外気をテールパイプ内に導入するようにしたので、クリーナーによって藁屑等が予め除去された清浄な外気を導入することができる。従って、外気導入部の開口部付近に覆い部を設ける必要がなくなり、外気導入部の構造を簡素化できる。
また、請求項1においては、脱穀装置とキャビンとグレンタンクの三者間の間隙空間をテールパイプのための通管スペースとして利用して、この通管スペースにテールパイプを縦方向に配設したので、元来はデッドスペースである当該間隙空間を無駄なく有効利用することができる。これにより、機体におけるテールパイプを含む排気装置の占有スペースを小さくできるので、コンバインの設計上の自由度の向上を図ることができる。
テールパイプを縦方向に配設した場合には、排出オーガとの干渉が問題となりやすい。しかし、この問題は、グレンタンクにパイプガードを設けることで簡単確実に解決することができる。また、排出オーガに対して機体右側にテールパイプを配置した場合には、排出オーガが左出し時において、排気との干渉は全く生じず、従来品と同様の使い勝手を得ることができる。
請求項2記載の本発明に係るコンバインによれば、テールパイプを支持するブラケットを脱穀装置およびオーガレストに装着させたので、ブラケットの安定的に装着固定することができ、したがって、縦方向に伸びるテールパイプを強固に固定支持することができる。
また、テールパイプとブラケットとの間、或いは脱穀装置とオーガレストとブラケットとの間に、防振構造を構築することが容易となる。これによれば、騒音や振動の低減化を図って、居住性に優れたコンバインを提供することができる。脱穀部とエンジンとの振動周波数の差に起因するテールパイプの破損(亀裂)を防ぐこともできる。
グレンタンクにブラケットを装着支持させた場合には、該タンクを開閉自在な構造とすることが困難となる。これに対して、本発明のように、オーガレストと脱穀装置にブラケットを支持させていると、タンクを開閉自在な構造とすることができる。
請求項3記載のコンバインにおいては、テールパイプを内管と外管とからなる二重管構造として、内・外管の対向間隙に冷却用の空気が流れる外流路を備える構造としたので、外流路を設けることによる断熱効果と、外流路に空気が流れることによる冷却効果とが相俟って、テールパイプの外表面(外管の表面)の温度上昇を効果的に抑えることができる。これによれば、テールパイプの周囲に配置された部材が、熱影響によって寸法変化したり、形状変化したりすることを防ぐことができる。
さらに本発明では、テールパイプをサイレンサに接続される上流側の第1パイプと、排気口を有する下流側の第2パイプの二分割構成とするとともに、これら第1・第2パイプの連結部に、冷却用の外気を導入するための開口部を設けたので、テールパイプの中途部で冷却用の外気を導入することができ、したがって、冷却効率の向上を図ることができる。
本発明のコンバインについて、図を用いて説明する。図1は本発明に係るコンバインの全体側面図、図2はコンバインの正面図、図3はコンバインの要部の側面簡略図、図4はコンバインの平面概略図、図5はテールパイプの側面図、図6はテールパイプの正面図、図7はテールパイプの断面簡略図、図8(a)は図7のA−A線断面図、(b)は図7のB−B線断面図、図9はテールパイプの支持構造を示す図である。
まずコンバインの全体構成について説明する。図1乃至図3に示すように、クローラ式走行装置1上には機体2が搭載され、該機体2の前端には引起し・刈取部3が昇降可能に配設されている。この引起し・刈取部3は前端に分草板4を突出して穀稈を分草し、その後部の引起しケース5を立設して該引起しケースより突出したタイン6の回転により穀稈を引き起こし、前記分草板4後部に配設した刈刃7にて株元を刈り取るようにしている。機体2の前部の走行方向の左側には選別部8が設けられ、この選別部8の上部には脱穀装置9が設けられている。
機体2の上部の右側前部には座席10およびキャビン11が搭載されており、機体2の右側後部には、選別後の精粒を貯留するグレンタンク12が搭載されている。図4に示すように、グレンタンク12の後部には排出オーガ13の縦排出オーガ13aが立設され、該縦排出オーガ13aを中心にしてグレンタンク12が側方へ回動可能とし、本機内部側に配置した駆動系や油圧系のメンテナンスを容易にしている。
前記グレンタンク12の底部には排出コンベア15が前後方向に配設され、該排出コンベア15から前記排出オーガ13に動力が伝達されて、排出オーガ13先端よりトラック等へグレンタンク12内の穀粒を排出できるようにしている。脱穀装置9の下方に配設された選別部8は、脱穀装置9から流下する穀粒や藁屑などから穀粒を選別し、前記グレンタンク12に搬送するようになっている。
図3に示すように、機体2の前方のキャビン11の下方にはエンジン17が搭載されるエンジンルーム18が設けられている。エンジンルーム18は、上面、前面、後面、左右側面がエンジンルームカバー(図示せず)により構成されている。このエンジンルーム18の右側方には冷却用の外気を取り入れるための開口(図示せず)が開設されている。この開口に至るように、キャビン11の後部からエンジン17にかけては、エアクリーナや吸気サイレンサ等を配設した吸気経路(図示せず)が形成されている。吸気経路はエンジン17の吸気マニホールドに連結されており、この吸気経路を経由して取り込まれた外気は、エンジン17内で燃焼に供される。
排気装置20は、エンジンの排気マニホールド21に接続され、エンジン17で発生した排気ガスの排気音を低減させて排出するものであり、排気サイレンサ22、テールパイプ23、外気導入部24などを構成要素とする。排気サイレンサ22は断面形状が楕円形の筒状体であり、エンジンルーム18内の冷却ファン25からの排風を受ける位置に配置されている。
図5に示すように、テールパイプ23は、排気サイレンサ22の下流側に接続されて、エンジン17からの排気ガスを排気案内するためのものであり、側面視で上下方向に長いL字状を呈している。詳しくは、テールパイプ23は、排気サイレンサ22のサイレンサ出口管26に接続されて、機体2の後方に向けて延出された水平部27と、この水平部27の後端部から上方に向かって伸びる垂直部28と、垂直部28の上方部に装着されたガイド筒29とからなり、ガイド筒29の排気口29aから水平方向に排気ガスを排出するようになっている。なお、排気口29aは、右斜め後方に指向している(図4参照)が、図6に示すように、上方に開口する構成とすることも可能である。この場合、排気口29aには開閉回動自在に蓋体29bを配置している。
図4において、符号Sは、脱穀装置9とキャビン11とグレンタンク12の三者の間に設けられた、テールパイプ23のための通管スペースを示す。この通管スペースSの内部にテールパイプ23の垂直部28が配置される。
図7に示すように、テールパイプ23は、サイレンサ22に接続される上流側の第1パイプ23aと、下流側の第2パイプ23bとに二分割されており、両パイプ23a・23bは連結部23cにおいて不離一体的に連結されている。両パイプ23a・23bのそれぞれは、排気ガスが流れる内流路30を有する小径の内管33a・33b(以下、適宜に単に内管33と示す)と、該内管33a・33bを囲む大径の外管34a・34b(以下、適宜に単に外管34と示す)からなる二重管構造に形成されており、これら内外管33・34の対向間隙には、冷却用の空気が流れる外流路31が形成されている。
内外管33・34はそれぞれ金属製の直管とエルボとで構成されており、両管33・34の間に外流路31となる間隙を確保した状態で、外管34内に内管33を内挿して形成される。
第1パイプ23aの上流端には、エンジンルーム18内の外気をテールパイプ23の内流路30内に導入して、排気ガスの温度を外気により低下させるための外気導入部24aが設けられている。詳しくは、図7に示すように、排気サイレンサ22のサイレンサ出口管26と第1パイプ23aの内管33aの接続部分に間隙が確保されるように、該内管33aに出口管26を挿入している。そして、エンジン作動時に内管33aを排気ガスが通過すると、排気ガスの気流により外気導入部24aに負圧が生じ、内管33aの内流路30にエンジンルーム内の外気が吸引される。
また、第1パイプ23aの上流端においては、外管34aの上流端は、エンジンルーム18内において、内管33aよりも下流寄りに位置している。つまり、外管34aと内管33aの端部位置に差を設けて、これら外管34aの上流端に、エンジンルーム18内の外気を外流路31に導入する外気導入部24bを設けている。当該構成によれば、エンジン18が作動して排気ガスが第1パイプ23aの内管33aの下流端から排気されると、内外流路30・31に気圧差が生じて、外気導入部24bから外流路31内にエンジンルーム18内の外気が流れ込む。
このように、テールパイプ23を内管33と外管34とからなる二重管構造として、内・外管33・34の対向間隙に冷却用の空気が流れる外流路31を設けていると、外流路31を設けることによる断熱効果と、外流路31に外気が流れることによる冷却効果とが相俟って、テールパイプ23の外表面(外管の表面)の温度上昇を効果的に抑えることができる。内管33aの内流路30にエンジンルーム内の外気が吸引されることによっても排気ガスの温度上昇を抑えることができる。これにより、テールパイプ23の周囲に配置された部材が、熱影響を受けて寸法が変化したり、形状が変化するなどの不具合を防ぐことができる。
また、排気装置20を構成する排気サイレンサ22をエンジンルーム18内に配設するとともに、テールパイプ23の外気導入部24a・24bをエンジンルーム18内に設けたので、排気サイレンサ22等への泥等の付着・固化やテールパイプ23内への泥等の浸入を効果的に防ぐことができる。従って、排気サイレンサ22やテールパイプ23等を機体2の下部に配管する従来形態に比べて、排気装置20の排気性能が安定的に発揮されるため、コンバインの走行性能の低下を抑えて、信頼性に優れたコンバインを得ることができる。
また、外気導入部24をエンジンルーム18内に設けて、このエンジンルーム18内の外気をテールパイプ23内に導入するようにしたので、エンジンルーム18のクリーナーによって藁屑等が予め除去された清浄な外気を導入することができる。したがって、外気導入部24の開口部付近に覆い部を設ける必要がなくなり、外気導入部24の構造を簡素化できる。
外気導入部24は排気サイレンサ22に近いエンジンルーム18内に配設され、冷却ファン25の排風が直接的に当たる位置に設けることが好ましい。これによれば、外気導入部24に冷却ファン25の排風を常に当てて、外気導入部24に低温の空気を導入させることができるので、冷却効率の向上に貢献できる。外気導入部24に塵埃が溜まり難く、メンテナンスフリーな構造にできる点でも優れている。
テールパイプ23(第1パイプ23a)とサイレンサ出口管26との接続方向は、前後方向としている。これは、エンジン17の振動の大きい方向が前後方向であるため、かかる振動方向に沿った方向にサイレンサ出口管26を挿入しておけば、出口管26の突端が第1パイプ23aの内管33aに接触し難い構造とできることに拠る。
また、本実施形態に係るサイレンサ出口管26とテールパイプ23との接続構造によれば、振動を抑えて、騒音を小さくできる点でも優れている。すなわち、外気導入部24aは排気サイレンサ22に設けられたサイレンサ出口管26が第1パイプ23aの内管33aに挿入され、サイレンサ出口管26とテールパイプ23との間に間隙が形成されている構成であるため、排気サイレンサ22とテールパイプ23とを接続するフランジを廃することができる。したがって、フランジを廃した分だけ、振動体である排気サイレンサ22の質量を減じることができるので、振動に起因する騒音を低減できる。
次に、連結部23cの構成について説明する。図7および図8に示すように、両パイプ23a・23bの連結する連結部23cは、上流側と下流側に位置する上下一対の四角板状のフランジ40・41と、両フランジ40・41を連結固定する連結手段42とで構成される。本実施形態における連結手段42はフランジ40・41の四隅を連結するボルトであり、両フランジ40・41を一定の対向間隙47を置いた状態で連結固定する。但し、フランジ40・41の形状は限定しない。
図8(a)に示すように、上流側のフランジ40の盤面中央には、第1パイプ23aの外管34aの内径寸法と略同寸法の内径寸法を有する丸孔44が開設されており、この丸孔44の内縁の等角度位置の三箇所から、内管33aを固定するための内管固定片45が内向きに張出し形成されている。第1パイプ23aのフランジ40への取付に際しては、丸孔44の中央部に内管33aを上下貫通状に内挿したうえで、該内管33aの外周面と内管固定片45とを溶接固定する。また、丸孔44を囲むように、フランジ40の下面に外管34aの上端を溶接固定する。外管34aと内管33aとの間の外流路31の内管固定片45を除く部位には、三つの通孔46aが形成されることとなる。かかる通孔46aは、対向間隙47を介して、通管スペースSと連通している(図7参照)。
図8(b)に示すように、下流側のフランジ41の構成も、上流側のフランジ40と略同様である。すなわち、丸孔44の中央部に内挿された内管33bと内管固定片45とを溶接固定したうえで、フランジ41の上面に外管34bの下端を溶接固定することで、第2パイプ23bをフランジ41に固定している。外管34bと内管33bとの間の外流路31の内管固定片45を除く部位には、三つの通孔(開口部)46bが形成される。この通孔46bも、対向間隙47を介して、通管スペースSと連通している。
そして、両フランジ40・41をスペーサ43を介して連結手段(ボルト)42で固定することにより、両フランジ40・41を、所定の対向間隙47を置いて一体化している。
図7に示すように、両パイプ23a・23bを連結部23cで連結した状態では、第1パイプ23aの内管33aの下流端は、第2パイプ23bの内管33bの上流端よりも下流寄り(上方寄り)に位置している。具体的には、第1パイプ23aの内管33aの外径寸法(D1)を、第2パイプ23bの内管33bの内径寸法(D2)よりも小径として、第2パイプ23bの内管33bに第1パイプ23aの内管33aを内挿して、両管33a・33bの端部位置(上下位置)に差を設けている。また、両フランジ40・41を連結固定した状態において、第1パイプ23aの内管33aの下流端は、両フランジ40・41の対向間隙47よりも下流寄りに、また、第2パイプ23bの内管33bの上流端は、対向間隙47に臨む位置に存するように、両内管33a・33bの長さ寸法(フランジ40・41からの突出寸法)は設定されている。これにより、対向間隙47に臨む内外管34a・34bの間に、内流路30に連通する流路(開口部)46cを形成することができる(図8参照)。
以上のような構成の連結部23cによれば、エンジンが作動して排気ガスが第1パイプ23aの内管33aの下流端から排気されると、排気ガスの気流により対向間隙47の空気に下流方向の流れが生じ、その結果、流路46cを介して内管33bの内流路30内に通管スペースSの外気が流れ込む。
また、第2パイプ23bの外流路31には、通孔46bを介して通管スペースSの外気が導入される。つまり、内管33bの上流端から排気ガスが排気されると、外流路31の空気に下流方向の流れが生じ、その結果、通孔46aから通管スペースSの外気が外流路31に流れ込む。
このように、第1パイプ23aと第2パイプ23bの連結部23cに、冷却用の外気を導入するための開口部(46b、46c)が設けられていると、テールパイプ23の中途部で冷却用の外気を内外流路30・31内に導入することができるので、テールパイプ23の上流端のみから外気を導入する形態に比べて、冷却効率の格段の向上を図ることができる。
次に、テールパイプ23の支持構造について説明する。図5、図6および図9に示すように、テールパイプ23は、脱穀装置9およびオーガレスト14に装着されたブラケット50に固定支持されている。なお、図6において、符号70は、排出オーガ13のテールパイプ23やキャビン11への接触・干渉を防ぐことを目的として、グレンタンク12の後方部に装着されたパイプガードを示す(図1参照)。
オーガレスト14は、脱穀装置9の前面に装着された支柱部14aと、支柱部14aの上端に装着されたレスト部14bとで構成されており、通管スペースSの近傍、具体的には、図4に示すようにキャビン11の後方で進行方向左側に立設されている。レスト部14bは正面視略U字型に形成され、排出オーガ13の横排出オーガ13bが載置される。
図9に示すように、ブラケット50は、脱穀装置9の側面に固定されるブラケット本体51と、ブラケット本体51と連結部23cの下側フランジ40とを連結するステー52と、テールパイプ23を係合固定するための係合部材53とを備えるものであり、これらステー52と係合部材53によって、上下二箇所でテールパイプ23を固定支持する。ブラケット本体51は、脱穀装置9の側面にボルト54で締結固定される取付部51aと、該取付部51aの上端から左方向に伸びる水平部51bと、水平部51bの左端部から上方向に伸びるベース部51cとを備える金属成形品である。図5に示すように、ベース部51cは、側面視で異形の三角形状を呈しており、その盤面中央部には、上下方向に長い支持壁55が、右方向へ突出する姿勢状態で固定支持されている。ステー52は水平部52aと垂直部52bとを有するL字金具であり、垂直部52bとベース部51cとの間、および水平部52aとフランジ40との間は、ボルト56により締結固定されている。
係合部材53は、ベース部51cの上端に締結固定されたL字状の連結部材57を介してブラケット本体51に装着される。該係合部材53を第2パイプ23bの外管34bに溶接固定させることによって、テールパイプ23はブラケット50に固定支持されている。
図5および図9において、符号60は、オーガレスト14の支柱部14aの側面に固定支持された連結板を示す。この連結板60は、オーガレスト14とブラケット50とを連結するためのものであり、支柱部14aの右端部に締結固定されている。
以上のような支持構造によれば、脱穀装置9とオーガレスト14とによって、ブラケット50を支持したので、該ブラケット50を安定的に固定支持することができる。テールパイプ23も強固に固定支持することができる。また、ステー52と係合部材53によって、上下二箇所でテールパイプ23を支持する形態であるので、縦方向に伸びるテールパイプ23を安定的に支持できる。
なお、これらブラケット50、テールパイプ23、およびオーガレスト14を繋ぐ締結部においては、これら締結部を構成するボルト孔は長孔に形成されており、締結部の位置調整が可能に構成されている。これによれば、長孔によってブラケット50等の形状や寸法のバラツキを吸収しながら、締結作業を進めることができるので、テールパイプ23の機体2に対する組み付け作業を、簡単にしかも作業効率良く進めることができる。
また、これら締結部には防振構造を構築することができ、これによれば、騒音や振動の低減化を図って、居住性に優れたキャビン11を備えるコンバインを提供することができる。また、脱穀装置9とエンジン17との振動周波数の差に起因するテールパイプ23の破損(亀裂)を防ぐことができる。
本発明に係るコンバインの全体側面図である。 コンバインの正面図である。 コンバインの要部の側面簡略図である。 コンバインの平面概略図である。 テールパイプの側面図である。 テールパイプの正面図である。 テールパイプの断面簡略図である。 (a)は図7のA−A線断面図、(b)は図7のB−B線断面図である。 テールパイプの支持構造を示す要部の拡大図である。
符号の説明
2 機体
9 脱穀装置
11 キャビン
12 グレンタンク
14 オーガレスト
17 エンジン
18 エンジンルーム
20 排気装置
22 排気サイレンサ
23 テールパイプ
23a 第1パイプ
23b 第2パイプ
23c 連結部
24 外気導入部
30 内流路
31 外流路
33 内管
34 外管
46b 開口部(通孔)
46c 開口部(通孔)
50 ブラケット
S 通管スペース

Claims (3)

  1. 機体の左右一側部に脱穀装置を備え、該機体の左右他側部に、エンジンが収容されるエンジンルーム、エンジンから排出された排気を排出する排気装置、前記脱穀装置により脱穀選別された穀粒が一時貯溜されるグレンタンク、およびキャビンとを備えるコンバインであって、
    前記排気装置は、前記エンジンルーム内でエンジンに接続される排気サイレンサと、該排気サイレンサの下流側に接続されてエンジンからの排気ガスを排気案内するテールパイプと、前記エンジンルール内でテールパイプに設けられ、エンジンルーム内の外気をテールパイプ内に導入する外気導入部とを備えており、
    前記脱穀装置とキャビンとグレンタンクの三者の間には、前記テールパイプのための通管スペースが形成されており、
    この通管スペースを通って該テールパイプが縦方向に配設されていることを特徴とするコンバイン。
  2. 前記通管スペースの近傍にはオーガレストが立設されており、
    前記テールパイプが、前記脱穀装置および前記オーガレストに装着されたブラケットに支持されている請求項1記載のコンバイン。
  3. 前記テールパイプは、サイレンサに接続される上流側の第1パイプと、下流側の第2パイプに上下に二分割されており、これら第1・第2パイプは連結部において連結されており、
    これら第1パイプと第2パイプのそれぞれは、排気ガスが流れる内流路を有する内管と、該内管を囲む外管からなる二重管構造を呈しており、内・外管の対向間隙には、冷却用の空気が流れる外流路が設けられており、
    前記連結部に、前記外流路内に外気を導入するための開口部が設けられている請求項1又は2記載のコンバイン。
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