JP2007533634A - 注射、経口、または局所用の徐放性医薬製剤 - Google Patents

注射、経口、または局所用の徐放性医薬製剤 Download PDF

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Abstract

薬剤を注射、経口投与、または局所投与によって患者に持続送達するための医薬製剤および方法が提供されている。注射製剤は、薬剤およびマトリックス材料を含む多孔質微粒子を含み、製剤を注射すると、治療または予防有効量の薬剤が、少なくとも24時間、微粒子から放出される。経口製剤は、薬剤およびマトリックス材料を含む多孔質微粒子を含み、治療または予防有効量の薬剤が、経口投与後少なくとも2時間、微粒子から放出される。局所製剤は、薬剤およびマトリックス材料を含む多孔質微粒子を含み、治療または予防有効量の薬剤が、局所投与後少なくとも2時間、微粒子から放出される。

Description

本発明は、一般に製剤の分野であり、さらに詳細には薬剤徐放用の微粒子製剤に関する。
(本発明の背景)
現在の送達系は、しばしば不正確な用量を送達し、頻繁な投与が必要であり、患者のコンプライアンスを妨げるもので理想的でない。さらに、即時放出性製剤の頻繁な投与によって、薬剤レベルが最高および最低になり、望ましくない毒性または不十分な有効性をもたらす。
徐放性微粒子薬剤を送達するためには、正確な量の薬剤が適切な期間にわたって送達されるように、化合物を正確に配合しなければならない。これには、幾何学的粒径ならびに密度、ならびに選択された送達装置および薬剤として許容できる担体との適合性など重要な要素の制御が必要である。
徐放性粒子に対する従来の試みは、ポリカチオン剤と治療薬で錯体を形成するなど錯化剤の使用に焦点が絞られてきた。しかし、この手法は、治療薬がポリカチオン剤と錯体を形成できる必要があり、これによって治療薬がアニオン化合物に限定される。この手法は、ポリカチオン錯化剤が非毒性であることも必要とする。この手法は、放出速度がポリカチオンに対する化合物の結合の強さに本質的に依存しているので、錯体からの化合物の放出速度を制御する能力も限定するものである。
他には、薬剤をポリマーマトリックス内にカプセル化することによって、多孔度を制御することなく放出を制御するような製剤の設計に焦点が絞られてきた。この手法は、通常は少なくとも3つの放出期:即時放出バースト期、薬物がほとんど放出されない誘導期、および薬物がマトリックス分解プロセスによって放出される持続期があるという点で不利である。しばしば、誘導期は、この期間中、薬物の治療上有効量を放出しないので望ましくない。
注射による、または経口もしくは局所投与による局所または全身送達のための、薬剤の徐放性微粒子製剤を提供することは望ましいはずである。また、頻繁な投与を少なくすることができる薬剤の微粒子製剤を提供することも望ましいはずである。
(発明の概要)
注射による、または経口もしくは局所投与による送達用の徐放性医薬製剤を提供する。上記製剤は、薬剤およびマトリックス材料を含む多孔質微粒子を含む。
一態様では、注射によって患者に送達するための、薬剤およびマトリックス材料を含む多孔質微粒子を含む徐放性医薬製剤を提供する。この製剤では、治療または予防有効量の薬剤が、製剤の注射後少なくとも24時間微粒子から放出される。一実施形態では、多孔質微粒子は、約1μm〜150μm、例えば約5μm〜25μmの体積平均粒径を有する。一実施形態では、多孔質微粒子は、約5〜90体積%の平均多孔度を有する。一実施形態では、多孔質微粒子は、さらにリン脂質など1種または複数の界面活性剤を含む。
一実施形態では、薬剤として許容できる注射用媒体中に微粒子を分散する。媒体は、水性、または非水性とすることができる。
製剤は、広範囲の薬剤を含むことができる。例えば、薬剤は、ペプチド、タンパク質、またはオリゴヌクレオチドとすることができる。様々な実施形態では、薬剤は、ステロイド、抗精神病薬、抗悪性腫瘍薬、または制吐薬を含む。
様々な実施形態では、マトリックス材料は、生体適合性合成ポリマー、脂質、疎水性分子、またはその組合せを含む。例えば、合成ポリマーは、例えばポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、およびポリ(乳酸−コ−グリコール酸)などのポリ(ヒドロキシ酸)、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリアミド、ポリカーボネート;ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリアルキレン、ポリ(エチレングリコール)などのポリアルキレングリコール、ポリ(エチレンオキシド)などのポリアルキレンオキシド、ポリ(エチレンテレフタレート)などのポリアルキレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ポリ(塩化ビニル)などのポリハロゲン化ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリシロキサン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリスチレン、ポリウレタンおよびそのコポリマー;アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、カルボキシルエチルセルロース、三酢酸セルロース、およびセルロース硫酸ナトリウム塩(本明細書では共通して「合成セルロース」と呼ぶ)などの誘導体化セルロース;アクリル酸のポリマー、メタクリル酸のポリマー、あるいはポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル)、ポリ(メタクリル酸イソブチル)、ポリ(メタクリル酸ヘキシル)、ポリ(メタクリル酸イソデシル)、ポリ(メタクリル酸ラウリル)、ポリ(メタクリル酸フェニル)、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸イソプロピル)、ポリ(アクリル酸イソブチル)、およびポリ(アクリル酸オクタデシル)などのエステルを含むそのコポリマーまたは誘導体(本明細書では共通して「ポリアクリル酸」と呼ぶ);ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、およびポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、そのコポリマー、誘導体、およびブレンドからなる群から選択されるポリマーを含むことができる。好ましい一実施形態では、合成ポリマーは、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、またはポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含む。
一実施形態では、製剤は、さらに1種または複数の他の薬剤を含む。一実施形態では、製剤は、さらに多孔質微粒子をブレンドさせた追加の微粒子を含む。追加の微粒子は、1種または複数の他の薬剤を含むことができる。
別の態様では、薬剤およびマトリックス材料を含む多孔質微粒子を含む徐放性医薬製剤を患者に注射投与するステップを含む、薬剤を患者に送達する方法を提供する。この方法では、製剤を注射すると、治療または予防有効量の薬剤が、少なくとも24時間、微粒子から患者に放出される。例示的な注射経路/部位には、静脈内、動脈内、心臓内、くも膜下腔内、骨内、関節内、滑液嚢内、皮内(intracutaneous)、皮下、筋肉内、および皮内(intradermal)投与、ならびに頭蓋内、病巣内、または腫瘍内投与が含まれる。
一実施形態では、薬剤の大部分は、注射後14日、28日、または6か月までに、微粒子から放出される。一実施形態では、薬剤の大部分は、注射後約24時間以降かつ約28日以内に放出される。好ましい一実施形態では、製剤は、徐放期間にわたって4倍を超えて変動しない局所または血漿中濃度を提供する。様々な実施形態では、治療または予防有効量の薬剤は、注射後少なくとも7日間、注射後少なくとも14日間、または注射後少なくとも28日間、微粒子から放出される。
さらに別の態様では、薬剤の投与および徐放に関する注射製剤を作製する方法を提供する。好ましい一実施形態では、方法は、マトリックス材料を揮発性溶媒に溶解して、溶液を形成するステップと、薬剤を溶液に添加して、乳濁液、懸濁液、または第2の溶液を形成するステップと、揮発性溶媒を乳濁液、懸濁液、または第2の溶液から除去して、薬剤およびマトリックス材料を含む多孔質微粒子を得るステップとを含み、この製剤を注射すると、治療または予防有効量の薬剤が、少なくとも24時間、微粒子から放出される。一実施形態では、方法は、1種または複数の界面活性剤を、溶液と組み合わせるステップをさらに含む。一実施形態では、方法は、微粒子を、薬剤として許容できる注射用媒体と組み合わせるステップをさらに含む。
別の好ましい実施形態では、薬剤の投与および徐放用の注射製剤を作製する方法は、マトリックス材料を揮発性溶媒に溶解して、溶液を形成するステップと、薬剤を溶液に添加するステップと、少なくとも1種の孔形成剤を、溶液中の薬剤と組み合わせて、乳濁液、懸濁液、または第2の溶液を形成するステップと、揮発性溶媒および孔形成剤を乳濁液、懸濁液、または第2の溶液から除去して、薬剤およびマトリックス材料を含む多孔質微粒子を得るステップとを含み、この製剤を注射すると、治療または予防有効量の薬剤が、少なくとも24時間、微粒子から放出される。孔形成剤(例えば、揮発性塩)は、マトリックス材料を含む溶液と組み合わせる場合、水溶液の形とすることができる。一実施形態では、揮発性溶媒および孔形成剤を乳濁液、懸濁液、または第2の溶液から除去するステップは、噴霧乾燥、蒸発、流動床乾燥、凍結乾燥、真空乾燥、またはその組合せから選択されるプロセスを使用して実施する。
一態様では、薬剤およびマトリックス材料を含む多孔質微粒子を含む乾燥粉末医薬製剤;および薬剤として許容できる注射用媒体を含むパーツキットを提供する。このパーツキットでは、乾燥粉末医薬製剤を薬剤として許容できる媒体中で混合して、注射製剤を形成し、次いで注射製剤を注射すると、治療または予防有効量の薬剤が、少なくとも24時間、微粒子から放出される。
さらに別の態様では、経口投与によって患者に送達するための徐放性医薬製剤を提供する。製剤は、治療または予防有効量の薬剤が、製剤の経口投与後少なくとも2時間、少なくとも4時間、少なくとも8時間、少なくとも16時間、または少なくとも24時間、微粒子から放出される、薬剤およびマトリックス材料を含む多孔質微粒子を含む。一実施形態では、マトリックス材料は、生体適合性合成ポリマー、脂質、疎水性化合物、またはその組合せから選択される。一実施形態では、微粒子を、1種または複数の薬剤として許容できる経口投与用添加剤と組み合わせる。薬剤およびマトリックス材料を含む多孔質微粒子を含む徐放性医薬製剤を患者に経口投与するステップを含む、薬剤を患者に送達する方法を提供する。この方法では、治療または予防有効量の薬剤が、経口投与後少なくとも2時間、微粒子から患者に放出される。
さらに別の態様では、局所投与によって患者に送達するための徐放性医薬製剤を提供する。製剤は、治療または予防有効量の薬剤が、患者に局所投与後少なくとも2時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、少なくとも2日間、または少なくとも7日間、微粒子から放出される、薬剤およびマトリックス材料を含む多孔質微粒子を含む。一実施形態では、マトリックス材料が、生体適合性合成ポリマー、脂質、疎水性材料、またはその組合せから選択される。一実施形態では、微粒子を、1種または複数の局所投与用の薬剤として許容できる添加剤と組み合わせる。薬剤およびマトリックス材料を含む多孔質微粒子を含む徐放性医薬製剤を患者に局所投与するステップを含む、薬剤を患者に送達する方法を提供する。この方法では、治療または予防有効量の薬剤が、局所投与後少なくとも2時間、微粒子から患者に放出される。
(発明の詳細な説明)
注射、経口、または局所用の徐放性薬剤送達系を開発した。この送達系は、注射、経口投与、または局所投与した後の微粒子からの薬剤の放出速度を制御するために多孔度、幾何学的粒径、および組成物が選択かつ使用される、多孔質微粒子を含む製剤である。特に、微粒子の組成物(例えば、マトリックス材料、界面活性剤)は、遅延放出が行われる(かつ即時放出性製剤に伴うバースト効果が回避される)ように選択することができること、および微粒子の多孔度は、薬剤の放出速度のさらなる制御が行われ、かつ投与した後の誘導期を回避して薬剤の大部分の連続放出が行われるように選択することができることが発見された。微粒子の組成物は、薬剤の放出を遅延させるように選択することができるが、組成物の選択だけでは、適切な量の薬剤が、投与してから所望の期間にわたって連続的に放出されるようにすることはできない。微粒子の組成物が与えられた場合は、多孔度を、治療または予防有効量の薬剤が、注射してから少なくとも24時間、あるいは経口または局所投与後少なくとも2時間連続的に放出され続けるように選択することができる。
多孔質微粒子は、薬剤分子と別の分子で錯体を形成する必要のない薬剤の持続性局所送達、および/または持続性プラズマレベルを提供することができることは有利である。さらに、持続性送達製剤は、毒性の付加、または有効性の低減を生じる恐れがある即時放出性薬剤関連の薬剤の最高および最低を調節できることが有利である。
この方法および製剤は、局所または血漿中濃度をほぼ一定の値で提供することができることが有利である。例えば、これらは徐放期間にわたって4倍を超えて変動しない可能性がある。
本明細書では、「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(include)」、および「含んでいる(including)」という用語は、反対のことが明示されていない限り、開放性および非限定性を示す用語であるよう意図されている。
(徐放性医薬製剤)
非経口投与用の徐放性医薬製剤は、薬剤およびマトリックス材料を含む多孔質微粒子を含む。微粒子の組成物、幾何学的直径、および多孔度によって、製剤を投与すると、治療または予防有効量の薬剤が、身体中の微粒子から、注射してから少なくとも約24時間、あるいは経口投与または局所投与後少なくとも2時間にまで延びる期間にわたって持続的に放出されることが規定される。
一実施形態では、薬剤の大部分が、注射で投与してから約14日までに放出される。別の実施形態では、薬剤の大部分が、注射で投与してから約28日までに放出される。
一実施形態では、薬剤の大部分が、経口投与または局所投与後約24時間までに放出される。別の実施形態では、薬剤の大部分が、局所投与後約7日までに放出される。
徐放性の尺度として、薬物の場合の投与後の平均吸収時間(MATadm)を使用することができる。MATadmは、薬物分子が、投与後に血流に吸収されるのにかかる平均時間であり、投与後の薬剤プラズマプロフィルから以下の通り算出することができる。

MATadm=(AUMCadm∞/AUCadm∞)−MRTiv (数式1)

式中、AUMCadm∞は、投与後のゼロ時間から無限大までの第1モメント曲線下面積(時間と血漿中濃度の積)であり、AUCadm∞は、投与後ゼロ時間から無限大までの血漿中濃度曲線下面積であり、MRTivは、対象の薬剤の場合の静脈内投与後の平均滞在時間である。MRTivを下記の通り決定することができる。

MRTiv=(AUMCiv∞/AUCiv∞) (数式2)

式中、AUMCiv∞は、静脈内投与後のゼロ時間から無限大までの第1モメント曲線下面積(時間と血漿中濃度の積)であり、AUCiv∞は、静脈内投与後のゼロ時間から無限大までの血漿中濃度曲線下面積である。
例えば、多孔質微粒子は、微粒子の形で送達されていない場合の投与後の薬剤平均吸収時間より長い投与後の薬剤平均吸収時間を提供することができる。所望のMATadmは、投与される薬物分子によって異なり、微粒子として送達されていない場合の薬物分子に比べて、この微粒子製剤を使用して得られるMATadmの増加を考慮するのに役立つ。好ましい一実施形態では、この組成物および方法によって微粒子で投与された薬物は、この微粒子で投与されていない薬物に比べて、少なくとも約25〜50%のMATadmの増大を提供することになる。
徐放性医薬製剤は、微粒子組成物、微粒子幾何学的粒径、および微粒子多孔度を制御することによって実現する。多孔度(ε)は、微粒子に含まれる空隙体積(Vv)と微粒子の全体積(Vt)の比である。

ε=Vv/Vt (数式3)

この関係は、微粒子のエンベロープ密度(ρe)、および微粒子の絶対密度(ρa)の式で表すことができる。

ε=1−ρe/ρa (数式4)

絶対密度は、微粒子中に存在する固体材料の密度の測定値であり、微粒子の質量を固体材料の体積(すなわち、微粒子に含まれる空隙体積、および微粒子間の体積を除外する)で除したものに等しい(空隙の質量が無視できるものと考えられる場合、固体材料の質量に等しいと考えられる)。絶対密度は、ヘリウム比重びん法などの技法を使用して測定することができる。エンベロープ密度は、微粒子の質量を微粒子が占有している体積で除したものに等しい(すなわち、固体材料の体積と微粒子に含まれる空隙の体積の合計に等しく、微粒子間の体積を除外する)。エンベロープ密度は、水銀多孔度測定法などの技法を使用して、または(Micromeritics、米国ジョージア州ノークロス(Norcross,Georgia))のGeoPyc(商標)機器を使用して測定することができる。エンベロープ密度を微粒子のタップ密度から推定することができる。タップ密度は、充填物密度の測定値であり、微粒子の質量を、微粒子中の固体材料の体積、微粒子内の空隙体積、および材料が充填された微粒子間の体積の合計で除したものに等しい。タップ密度(ρt)は、GeoPyc(商標)機器、またはタップ密度について英国薬局方に記載されているものおよびASTM規格試験方法などの技法を使用して測定することができる。本質的に球状の微粒子の場合、エンベロープ密度は、微粒子間の体積を計上することによってタップ密度から推定できることは当技術分野で知られている。

ρe=ρt/0.794 (数式5)

多孔度を以下の通り表すことができる。

ε=1−ρt/(0.794ρa) (数式6)

所定の微粒子組成物(薬剤、およびマトリックス材料)および構造(微粒子多孔度、したがって密度)に関し、反復過程を使用して、微粒子が薬剤を放出する期間を定義することができる。すなわち(1)初期の薬剤放出の時間および量を決定するために、マトリックス材料、薬剤含有量、および微粒子幾何学的粒径を選択し、(2)微粒子の多孔度を選択して、初期の薬剤放出量を調整し、かつ初期放出を超えた顕著な薬剤放出が生じることを確実にし、(3)幾何学的粒径および多孔度を調整して、選択された経路による投与を容易にし、注射部位における必要なまたは望ましい任意の特性を発現するように調整するようにする、例えばその中に含まれている薬剤のすべてが実質的に放出される前に微粒子を注射部位から除去するはずの生理的排除機構を回避または遅延させる。本明細書では、「初期放出」という用語は、微粒子が湿潤した直後に放出された薬剤の量を指す。微粒子の湿潤時の初期放出は、完全にはカプセル化されていない薬剤、および/または微粒子の外部表面近くに配置されている薬剤に起因する。最初の10分で放出される薬剤量は、初期放出の尺度として使用される。
本明細書では、粒子に関連して「直径」または「d」は、別段の指定のない限り、数平均粒径を指す。数平均粒径を記述するために使用することができる方程式の一例を下記に示す。
Figure 2007533634
式中、n=所与の直径(d)の粒子の数。
本明細書では、「幾何学的粒径(size)」、「幾何学的粒径(diameter)」、「体積平均粒径(size)」、「体積平均粒径(diameter)」、または「d」という用語は、体積加重粒径平均を指す。体積平均粒径を記述するために使用することができる方程式の一例を下記に示す。
Figure 2007533634
式中、n=所与の直径(d)の粒子の数。
本明細書では、「体積中央値」という用語は、体積加重分布の中央値直径値を指す。中央値は、全体の50%がより小さく、50%がより大きい直径であり、累積率50%に対応する。
幾何学的粒径の分析を、当技術分野で知られている光散乱法、光学顕微鏡法、走査電子顕微鏡法、または透過型電子顕微鏡法によりクールター計数器で行うことができる。
多孔質微粒子
多孔質微粒子は、マトリックス材料、および薬剤を含む。本明細書では、「マトリックス」という用語は、薬剤が分散され、捕捉され、またはカプセル化される1種または複数の材料を含む構造を指す。マトリックスは、多孔質微粒子の形である。場合によっては、多孔質微粒子は、さらに1種または複数の界面活性剤を含む。
本明細書では、「微粒子」という用語には、別段の指定のない限り、マイクロスフェアおよびマイクロカプセル、ならびに微粒子が含まれる。微粒子は、球状の形状でもよいしそうでなくてもよい。マイクロカプセルは、別の材料、例えば薬剤を含むコアを包囲する外側殻を有する微粒子と定義する。薬剤およびマトリックスを含むマイクロスフェアは、ハニカム構造または単一の内部空隙を有する多孔質とすることができる。どちらのタイプの微粒子も、微粒子の表面上に孔を有することができる。
本明細書では、微粒子は、0.5〜1000ミクロンのサイズを有する粒子である。一実施形態では、微粒子は、1〜150μm(例えば、5〜25μm、10〜25μmなど)の体積平均粒径を有する。様々な注射部位および投与経路は、通常はこの幅広い範囲内の所望のサイズ範囲を示している。一実施形態では、体積平均粒径は、身体の自然の排除機構(例えば、マクロファージによる食作用)の効果を回避し最小限に抑えるように選択する。一般に、より大きな粒子は、より遅い速度で食作用される。
一実施形態では、微粒子は約5〜90%の平均多孔度を有する。微粒子の多孔度を、薬剤の大部分が所望の徐放期間内に放出されるように選択する。特定の実施形態では、平均多孔度は、約25〜約75%、約35〜約65%、または約40〜約60%とすることができる。
マトリックス材料
マトリックス材料は、微粒子からの薬剤の放出を減速させるように機能する材料である。これは、生分解性材料がしばしば好ましいが、非生分解性または生分解性材料で形成することができる。
マトリックス材料は、結晶質、半結晶質、または非晶質とすることができる。マトリックス材料は、ポリマー、脂質、塩、疎水性小分子、またはその組合せとすることができる。
薬剤は、具体的な製剤のニーズに応じて多孔質微粒子中に存在するマトリックス材料の量より多いまたは少ない量で多孔質微粒子中に存在することができる。
マトリックス材料は、微粒子の少なくとも5w/w%を構成する。微粒子中のマトリックス材料の含有量は、5〜約95wt%とすることができる。典型的な実施形態では、マトリックス材料は、約50〜90wt%の量で存在する。
代表的な合成ポリマーには、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、およびポリ(乳酸−コ−グリコール酸)などのポリ(ヒドロキシ酸)、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリアミド、ポリカーボネート;ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリアルキレン、ポリ(エチレングリコール)などのポリアルキレングリコール、ポリ(エチレンオキシド)などのポリアルキレンオキシド、ポリ(エチレンテレフタレート)などのポリアルキレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ポリ(塩化ビニル)などのポリハロゲン化ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリシロキサン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリビニルアセテートフタレート、ポリスチレン、ポリウレタンおよびそのコポリマー;アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、カルボキシルエチルセルロース、三酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸トリメリット酸セルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム塩(本明細書では共通して「合成セルロース」と呼ぶ)などの誘導体化セルロース、アクリル酸のポリマー、メタクリル酸のポリマー、あるいはポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)、ポリ(アクリル酸ブチル)、ポリ(メタクリル酸イソブチル)、ポリ(メタクリル酸ヘキシル)、ポリ(メタクリル酸イソデシル)、ポリ(メタクリル酸ラウリル)、ポリ(メタクリル酸フェニル)、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸イソプロピル)、ポリ(アクリル酸イソブチル)、およびポリ(アクリル酸オクタデシル)などのエステルを含むそのコポリマーまたは誘導体(本明細書では共通して「ポリアクリル酸」と呼ぶ)、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、およびポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、そのコポリマー、その誘導体およびそのブレンドが含まれる。本明細書では、「誘導体」には、当業者によってルーチンに行われる化学基、例えばアルキル、アルキレンの置換、付加、ヒドロキシル化、酸化、および他の修飾形態を有するポリマーが含まれる。
好ましい生分解性ポリマーの例には、乳酸やグリコール酸(ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含めて)などのヒドロキシ酸のポリマー、およびPEGとのコポリマー、ポリ無水物、ポリ(オルト)エステル、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、そのブレンドおよびコポリマーが含まれる。
好ましい天然ポリマーの例には、アルブミン、フィブリノゲン、ゼラチン、およびプロラミンなどのタンパク質、例えばゼイン、ならびにアルギネート、セルロース、およびポリヒドロキシアルカノエートなどの多糖類、例えばポリヒドロキシブチレートが含まれる。
代表的な脂質には、以下のクラスの分子:脂肪酸および誘導体、モノ、ジおよびトリグリセリド、リン脂質、スフィンゴ脂質、コレステロールおよびステロイド誘導体、テルペン、ならびにビタミンが含まれる。脂肪酸およびその誘導体としては、飽和および不飽和の脂肪酸、奇数および偶数の脂肪酸、シスおよびトランス異性体、ならびにアルコール、エステル、酸無水物、ヒドロキシ脂肪酸、およびプロスタグランジンを含めて脂肪酸誘導体があり得る。使用することができる飽和および不飽和の脂肪酸には、12個の炭素原子〜22個の炭素原子を線状または分枝の形で有する分子が含まれる。使用することができる飽和脂肪酸の例には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、およびステアリン酸が含まれる。使用することができる不飽和脂肪酸の例には、ラウリン酸、フィセテリン酸(physeteric)、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、およびオレイン酸が含まれる。使用することができる分枝状脂肪酸には、イソラウリン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、およびイソステアリン酸、ならびにイソプレノイドが含まれる。脂肪酸誘導体には、12−(((7’−ジエチルアミノクマリン−3 イル)カルボニル)メチルアミノ)−オクタデカン酸;N−[12−(((7’ジエチルアミノクマリン−3−イル)カルボニル)メチル−アミノ)オクタデカノイル]−2−アミノパルミチン酸,N スクシニル−ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、およびパルミトイルホモシステイン;および/またはその組合せが含まれる。使用することができるモノ、ジおよびトリグリセリド、またはその誘導体には、6〜24個の炭素原子の脂肪酸、または脂肪酸の混合物を有する分子、ジガラクトシルジグリセリド、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロール;1,2−ジパルミトイル−sn−3 スクシニルグリセロール;および1,3−ジパルミトイル−2−スクシニルグリセロールが含まれる。
好ましい一実施形態では、マトリックス材料は、リン脂質、またはリン脂質の組合せを含む。使用することができるリン脂質には、ホスファチジン酸、飽和および不飽和の両脂質を含むホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジル誘導体、カルジオリピン、およびβ−アシル−y−アルキルリン脂質が含まれる。ホスファチジルコリンの例には、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジペンタデカノイルホスファチジルコリン、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジアラキドイルホスファチジルコリン(DAPC)、ジベヘノイルホスファチジルコリン(DBPC)、ジトリコサノイルホスファチジルコリン(DTPC)、ジリグノセロイルホスファチジルコリン(DLPC);およびジオレオイルホスファチジルエタノールアミンまたは1−ヘキサデシル−2−パルミトイルグリセロホスホエタノールアミンなどのホスファチジルエタノールアミンなどが含まれる。非対称アシル鎖(例えば、炭素6個のアシル鎖および炭素12個の別のアシル鎖)を含む合成リン脂質も使用することができる。ホスファチジルエタノールアミンの例には、ジカプリルホスファチジルエタノールアミン、ジオクタノイルホスファチジルエタノールアミン、ジラウロイルホスファチジルエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン(DMPE)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジパルミトレオイルホスファチジルエタノールアミン、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、およびジリネオイルホスファチジルエタノールアミンが含まれる。ホスファチジルグリセロールの例には、ジカプリルホスファチジルグリセロール、ジオクタノイルホスファチジルグリセロール、ジラウロイルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジパルミトレオイルホスファチジルグリセロール、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、およびジリネオイルホスファチジルグリセロールが含まれる。好ましいリン脂質には、DMPC、DPPC、DAPC、DSPC、DTPC、DBPC、DMPG、DPPG、DSPG、DMPE、DPPE、およびDSPEが含まれる。
リン脂質の追加の例には、変性リン脂質、例えばそのヘッド基を修飾したリン脂質、例えばアルキル化またはポリエチレングリコール(PEG)変性、水素化リン脂質、様々なヘッド基を有するリン脂質(ホスファチジルメタノール、ホスファチジルエタノール、ホスファチジルプロパノール、ホスファチジルブタノールなど)、ジブロモホスファチジルコリン、モノおよびジフィタノリホスファチド、モノおよびジアセチレン性ホスファチド、ならびにPEGホスファチドが含まれる。
使用することができるスフィンゴ脂質には、セラミド、スフィンゴミエリン、セレブロシド、ガングリオシド、スルファチドおよびリゾスルファチドが含まれる。スフィングロ脂質の例には、ガングリオシドGM1およびGM2が含まれる。
使用することができるステロイドには、コレステロール、硫酸コレステロール、ヘミコハク酸コレステロール、6−(5−コレステロール 3β−イルオキシ)ヘキシル−6−アミノ−6−デオキシ−1−チオ−α−D−ガラクトピラノシド、6−(5−コレステン−3β−イルオキシ)ヘキシル−6−アミノ−6−デオキシル−1−チオ−α−D−マンノピラノシドおよびコレステリル(4’−トリメチル 35 アンモニオ)ブタノエートが含まれる。
使用することができる追加の脂質化合物には、トコフェロールおよび誘導体、オイルおよびステアリルアミンなどの誘導体化オイルが含まれる。
他の適切な疎水性化合物には、トリプトファン、チロジン、イソロイシン、ロイシン、バリンなどのアミノ酸、アルキルパラベン、例えばメチルパラベン、チロキサポール、および安息香酸などの芳香族化合物が含まれる。
マトリックスは、炭水化物(単糖および二糖類、糖アルコール、およびエステルなどの炭水化物誘導体を含めて)、ならびにアミノ酸、その塩およびエステルやアミドなどその誘導体などの薬剤として許容できる小分子を含むことができる。
DOTMA、N−[1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド;DOTAP、1,2−ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン;およびDOTB、1,2−ジオレオイル−3−(4’−トリメチル−アンモニオ)ブタノイル−sn グリセロールなど様々なカチオン脂質を使用することができる。
無機材料を微粒子中に含むことができる。塩化カルシウムや塩化ナトリウムなどの金属塩(無機塩)は、粒子中に存在しても、または粒子の生成に使用してもよい。クエン酸などの有機酸および/またはリン脂質を含めて脂質との塩の場合、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、ナトリウム、カリウム、リチウム、および鉄などの金属イオンを対イオンとして使用することができる。有機酸塩の例には、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、グルコン酸マグネシウム、およびグルコン酸ナトリウムが含まれる。様々な金属イオンを、ランタニド、遷移金属、アルカリ土類金属、および金属イオンの混合物を含めてこのような錯体として使用することができる。トロメタミン塩酸塩などの有機塩基の塩を含むことができる。
一実施形態では、微粒子は、1種または複数のカルボン酸を、遊離酸またはその塩の形で含むことができる。塩は、2価の塩とすることができる。カルボキシレート部分は、親水性カルボン酸またはその塩とすることができる。適切なカルボン酸には、ヒドロキシジカルボン酸、ヒドロキシトリカルボン酸などが含まれる。クエン酸およびクエン酸塩が好ましい。塩の場合の適切な対イオンには、ナトリウム、およびカルシウムなどのアルカリ土類金属が含まれる。このような塩は、粒子の調製中に、塩化カルシウムなど1種の塩と遊離酸であるカルボン酸との組合せから、またはナトリウム塩などの代替塩の形から形成することができる。
界面活性剤
一実施形態では、多孔質微粒子は、さらに1種または複数の界面活性剤を含む。本明細書では、「界面活性剤」は、疎水性または両親媒性(すなわち、親水性および疎水性の両成分または領域を含めて)である化合物である。界面活性剤を使用して、微粒子形成を容易にし、微粒子の表面特性を改変しかつ微粒子を分散または懸濁する状態を変え、マトリックス材料の特性を変え(例えば、マトリックスの疎水性を増大または低減する)、あるいはその機能を組合せて行うことができる。これは、その「マトリックス材料」を形成する同様のまたは同一の材料と識別されなければならない。多孔質微粒子中の界面活性剤の含有率は、一般に微粒子の約10重量%未満である。
一実施形態では、界面活性剤は脂質を含む。使用することができる脂質には、以下のクラスの脂質:脂肪酸および誘導体、モノ−、ジ−およびトリグリセリド、リン脂質、スフィンゴ脂質、コレステロールおよびステロイド誘導体、テルペン、プロスタグランジンならびにビタミンが含まれる。脂肪酸およびその誘導体としては、飽和および不飽和の脂肪酸、奇数および偶数の脂肪酸、シスおよびトランス異性体、ならびにアルコール、エステル、酸無水物、ヒドロキシ脂肪酸、および脂肪酸の塩を含めて脂肪酸誘導体があり得る。使用することができる飽和および不飽和の脂肪酸には、12個の炭素原子〜22個の炭素原子を直鎖状または分枝状で有する分子が含まれる。使用することができる飽和脂肪酸の例には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、およびステアリン酸が含まれる。使用することができる不飽和脂肪酸の例には、ラウリン酸、フィセテリン酸(physeteric)、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、およびオレイン酸が含まれる。使用することができる分枝状脂肪酸には、イソラウリン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、およびイソステアリン酸、ならびにイソプレノイドが含まれる。脂肪酸誘導体には、12−(((7’−ジエチルアミノクマリン−3 イル)カルボニル)メチルアミノ)−オクタデカン酸;N−[12−(((7’ジエチルアミノクマリン−3−イル)カルボニル)メチル−アミノ)オクタデカノイル]−2−アミノパルミチン酸,N スクシニル−ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、およびパルミトイルホモシステイン;および/またはその組合せが含まれる。使用することができるモノ、ジ−およびトリグリセリド、またはその誘導体には、6〜24個の炭素原子の脂肪酸、または脂肪酸の混合物を有する分子、ジガラクトシルジグリセリド、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロール;1,2−ジパルミトイル−sn−3 スクシニルグリセロール;および1,3−ジパルミトイル−2−スクシニルグリセロールが含まれる。
好ましい一実施形態では、界面活性剤はリン脂質を含む。使用することができるリン脂質には、ホスファチジン酸、飽和および不飽和の両脂質を含むホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジル誘導体、カルジオリピン、およびβ−アシル−y−アルキルリン脂質が含まれる。ホスファチジルコリンの例には、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジペンタデカノイルホスファチジルコリン、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジアラキドイルホスファチジルコリン(DAPC)、ジベヘノイルホスファチジルコリン(DBPC)、ジトリコサノイルホスファチジルコリン(DTPC)、ジリグノセロイルホスファチジルコリン(DLPC);およびジオレオイルホスファチジルエタノールアミンや1−ヘキサデシル−2−パルミトイルグリセロホスホエタノールアミンなどのホスファチジルエタノールアミンなどが含まれる。非対称アシル鎖(例えば、炭素6個のアシル鎖および炭素12個の別のアシル鎖)を含む合成リン脂質も使用することができる。ホスファチジルエタノールアミンの例には、ジカプリルホスファチジルエタノールアミン、ジオクタノイルホスファチジルエタノールアミン、ジラウロイルホスファチジルエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン(DMPE)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジパルミトレオイルホスファチジルエタノールアミン、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、およびジリネオイルホスファチジルエタノールアミンが含まれる。ホスファチジルグリセロールの例には、ジカプリルホスファチジルグリセロール、ジオクタノイルホスファチジルグリセロール、ジラウロイルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジパルミトレオイルホスファチジルグリセロール、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、およびジリネオイルホスファチジルグリセロールが含まれる。好ましいリン脂質には、DMPC、DPPC、DAPC、DSPC、DTPC、DBPC、DLPC、DMPG、DPPG、DSPG、DMPE、DPPE、およびDSPEが含まれ、最も好ましくはDPPC、DAPCおよびDSPCが含まれる。
使用することができるスフィンゴ脂質には、セラミド、スフィンゴミエリン、セレブロシド、ガングリオシド、スルファチドおよびリゾスルファチドが含まれる。スフィングロ脂質の例には、ガングリオシドGM1およびGM2が含まれる。
使用することができるステロイドには、コレステロール、硫酸コレステロール、ヘミコハク酸コレステロール、6−(5−コレステロール 3β−イルオキシ)ヘキシル−6−アミノ−6−デオキシ−1−チオ−α−D−ガラクトピラノシド、6−(5−コレステン−3β−イルオキシ)ヘキシル−6−アミノ−6−デオキシル−1−チオ−α−D−マンノピラノシドおよびコレステリル(4’−トリメチル 35 アンモニオ)ブタノエートが含まれる。
使用することができる追加の脂質化合物には、トコフェロールおよび誘導体、オイルおよびステアリアミンなどの誘導体化オイルが含まれる。
DOTMA、N−[1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド;DOTAP、1,2−ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン;およびDOTB、1,2−ジオレオイル−3−(4’−トリメチル−アンモニオ)ブタノイル−sn グリセロールなど様々なカチオン脂質を使用することができる。
エトキシ化ソルビタンエステル、ソルビタンエステル、脂肪酸塩、糖エステル、プルロニック、テトロニック、エチレンオキシド、ブチレンオキシド、プロピレンオキシド、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、モノおよびジアシルグリセロール、モノおよびジアシルエチレングリコール、モノおよびジアシルソルビトール、モノおよびジアシルグリセロールスクシネート、アルキルアシルホスファチド、脂肪アルコール、脂肪アミンおよびその塩、脂肪エーテル、脂肪酸エステル、脂肪アミド、脂肪カーボネート、コレステロールエステル、コレステロールアミド、およびコレステロールエーテルを含めて、様々な他の界面活性剤を使用することができる。
陰イオンまたは陽イオン界面活性剤の例には、モノステアリン酸アルミニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸カルシウム、スルホコハク酸ジオクチルカルシウム、スルホコハク酸ジオクチルカリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、乳化ろう、ラウリル硫酸マグネシウム、オレイン酸カリウム、ヒマシ油ナトリウム、セトステアリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリンフマール酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、塩化ベンザルコニウム、セトリミド、臭化セトリミド、および塩化セチルピリジニウムが含まれる。
薬剤
広範囲の薬剤を、本明細書に記載する徐放性医薬製剤の多孔質微粒子内に充填することができる。「薬剤」は、治療、診断、または予防剤である。本明細書では、一般に「薬物」または「活性作用物質」と呼ぶことがある。薬剤は、例えばタンパク質、ペプチド、糖、オリゴ糖、核酸分子、または他の合成もしくは天然作用物質とすることができる。薬剤は、非晶質状態、結晶状態、またはその混合物で存在することができる。
適切な薬剤の代表例には、これらの薬剤の以下のカテゴリーおよび例、ならびに代替塩の形、遊離酸の形、遊離塩基の形、および水和物など薬剤の代替の形が含まれる。すなわち鎮痛剤/下熱剤(例えば、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセンナトリウム、ブプレノルフィン、塩酸プロポキシフェン、ナプシル酸プロポキシフェン、塩酸メペリジン、塩酸ヒドロモルホン、モルヒネ、オキシコドン、コデイン、重酒石酸ジヒドロコデイン、ペンタゾシン、重酒石酸ヒドロコドン、レボルファノール、ジフルニサル、サリチル酸トロラミン、塩酸ナルブフィン、メフェナム酸、ブトルファノール、サリチル酸コリン、ブタルビタール、クエン酸フェニルトロキサミン、クエン酸ジフェンヒドラミン、メトトリメプラジン、塩酸シンナメドリン、フェンタニル、およびメプロバメート);
抗喘息薬(例えば、テオフィリン、アミノフィリン、ダイフィリン、硫酸メタプロテレノール、アミノフィリンなどのキサンチン;クロモリンナトリウムやネドクロミルナトリウムなどの肥満細胞安定薬;臭化イプラトロピウムなどの抗コリン作用剤;ブデソニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、フルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、モメタゾン、およびプロピオン酸フルチカゾンなどのコルチコステロイド吸入剤;ザフィルルカストやジレウトンなどのロイコトリエン調節剤;メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ケトチフェン、およびトラキサノクスなどのコルチコステロイド);
抗生物質(例えば、ネオマイシン、ストレプトマイシン、クロラムフェニコール、セファロスポリン、アンピシリン、ペニシリン、テトラサイクリン、およびシプロフロキサシン);
抗うつ薬(例えば、ネホパム、オキシペルチン、ドキセピン、アモキサピン、トラゾドン、アミトリプチリン、マプロチリン、フェネルジン、デシプラミン、ノルトリプチリン、トラニルシプロミン、フルオキセチン、イミプラミン、パモ酸イミプラミン、イソカルボキサジド、トリミプラミン、およびプロトリプチリン);
抗糖尿病剤(例えば、ビグアニドおよびスルホニル尿素誘導体);
抗真菌剤(例えば、グリセオフルビン、ケトコナゾール、イトラコニゾール、アムホテリシンB、ナイスタチン、ボリコナゾール、およびカンジシジン);
抗高血圧剤(例えば、プロパノロール、プロパフェノン、オキシプレノロール、ニフェジピン、レセルピン、トリメタファン、フェノキシベンザミン、塩酸パルギリン、デセルピジン、ジアゾキシド、一硫酸グアネチジン、ミノキシジル、レシナミン、ニトロプルシドナトリウム、インドジャボク、アルセロキシロン、およびフェントラミン);
炎症抑制薬(例えば、(非ステロイド系)インドメタシン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ナプロキセン、イブプロフェン、ラミフェナゾン、ピロキシカム、(ステロイド系)コルチゾン、デキサメタゾン、フルアザコルト(fluazacort)、セレコキシブ、ロフェコキシブ、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、およびプレドニゾン);
抗腫瘍薬(例えば、シクロホスファミド、アクチノマイシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、マイトマイシン、メトトレキサート、フルオロウラシル、カルボプラチン、カルムスチン(BCNU)、メチル−CCNU、シスプラチン、エトポシド、カンプトテシンおよびその誘導体、フェネステリン(phenesterine)、パクリタキセルおよびその誘導体、ドセタキセルおよびその誘導体、ビンブラスチン、ビンクリスチン、タモキシフェン、ならびにピポスルファン(piposulfan));
抗不安剤(例えば、ロラゼパム、ブスピロン、プラゼパム、クロルジアゼポキシド、オキサゼパム、クロラゼプ酸二カリウム、ジアゼパム、パモ酸ヒドロキシジン、塩酸ヒドロキシジン、アルプラゾラム、ドロペリドール、ハラゼパム、クロルメザノン、およびダントロレンナトリウム);
免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン、アザチオプリン、ミゾリビン、およびFK506(タクロリムス));
抗片頭痛剤(例えば、エルゴタミン、プロパノロール、粘液酸イソメトヘプテン、およびジクロラールフェナゾン);
鎮静薬/催眠薬(例えば、ペントバルビタール、ペントバルビタール、およびセコバルビタールなどのバルビツール酸塩;および塩酸フルラゼパム、トリアゾラム、ミダゾラムなどのベンゾジアザピン類);
抗狭心症剤(例えば、βアドレナリン阻害薬;ニフェジピンやジルチアゼムなどのカルシウムチャネル阻害薬;およびニトログリセリン、硝酸イソソルビド、四硝酸ペンタエリスリトール、硝酸エリスリチルなどの硝酸エステル);
抗精神病薬(例えば、ハロペリドール、デカン酸ハロペリドール、コハク酸ロクサピン、塩酸ロクサピン、チオリダジン、塩酸チオリダジン、チオチキセン、塩酸チオクスチキセン(thioxthixene hydrochloride)、ピモジド、リスペリドン、フマル酸クエチアピン、オランザピン、フルフェナジン、デカン酸フルフェナジン、エナント酸フルフェナジン、トリフロペラジン、クロルプロマジン、ペルフェナジン、クエン酸リチウム、クロザピン、塩酸ジプラシドン、メシル酸ジプラシドン、塩酸モリドン、およびプロクロルペラジン);
抗躁病剤(例えば、炭酸リチウム);
抗不整脈剤(例えば、トシル酸ブレチリウム、エスモロール、ベラパミル、アミオダロン、エンカイニド、ジゴキシン、ジギトキシン、メキシレチン、リン酸ジソピラミド、プロカインアミド、硫酸キニジン、グルコン酸キニジン、ポリガラクツロン酸キニジン、酢酸フレカイニド、トカイニド、およびリドカイン);
抗関節炎剤(例えば、フェニルブタゾン、スリンダク、ペニシラミン、サルサレート、ピロキシカム、アザチオプリン、インドメタシン、メクロフェナメート、アウロチオリンゴ酸ナトリウム、ケトプロフェン、オーラノフィン、アウロチオグルコース、およびトルメチンナトリウム);
痛風治療剤(例えば、コルヒチン、およびアロプリノール);
抗凝固薬(例えば、ヘパリン、ヘパリンナトリウム、およびワルファリンナトリウム);
血栓溶解剤(例えば、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、およびアルテプラーゼ);
抗線維素溶解剤(例えば、アミノカプロン酸);
血液レオロジー改善剤(例えば、ペントキシフィリン);
抗血小板剤(例えば、アスピリン);
抗痙攣剤(例えば、バルプロ酸、ジバルプロエックスナトリウム、フェニトイン、フェニトインナトリウム、クロナゼパム、プリミドン、フェノバルビトール、カルバマゼピン、アモバルビタールナトリウム、メトスクシミド、メタルビタール、メホバルビタール、メフェニトイン、フェンスクシミド、パラメタジオン、エトトイン、フェナセミド、セコバルビタールナトリウム、クロラゼプ酸二カリウム、およびトリメタジオン);
抗パーキンソン病薬(例えば、エトスクシミド);
抗ヒスタミン剤/鎮痒剤(例えば、ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、マレイン酸ブロムフェニルアミン、塩酸シプロヘプタジン、テルフェナジン、フマル酸クレマスチン、トリプロリジン、カルビノキサミン、ジフェニルピラリン、フェニンダミン、アザタジン、トリペレナミン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、およびメトジラジン);
カルシウム調節に有用な作用物質(例えば、カルシトニン、および副甲状腺ホルモン);
抗菌薬(例えば、硫酸アミカシン、アズトレオナム、クロラムフェニコール、パルミチン酸クロラムフェニコール、シプロフロキサシン、クリンダマイシン、パルミチン酸クリンダマイシン、リン酸クリンダマイシン、メトロニダゾール、塩酸メトロニダゾール、硫酸ゲンタマイシン、塩酸リンコマイシン、硫酸トブラマイシン、塩酸バンコマイシン、硫酸ポリミキシンB、コリスチンメタナトリウム、および硫酸コリスチン);
抗ウイルス剤(例えば、インターフェロンα、β、またはγ、ジドブジン、塩酸アマンタジン、リバビリン、およびアシクロビア);
抗微生物薬(例えば、セファゾリンナトリウム、セフラジン、セファクロル、セファピリンナトリウム、セフチゾキシムナトリウム、セフォペラゾンナトリウム、セフォテタン二ナトリウム、セフロキシムアゾチル(azotil)、セフォタキシムナトリウム、セファドロキシル一水和物、セファレキシン、セファロチンナトリウム、塩酸セファレキシン一水和物、セファマンドールナファート、セフォキシチンナトリウム、セファニシドナトリウム、セフォラニド、セフトリアキソンナトリウム、セフタジジム、セファドロキシル、セフラジン、およびセフロキシムナトリウムなどのセファロスポリン;アンピシリン、アモキシシリン、ベンザチンペニシリンG、シクラシリン、アンピシリンナトリウム、ペニシリンGカリウム、ペニシリンVカリウム、ピペラシリンナトリウム、オキサシリンナトリウム、塩酸バカンピシリン、クロキサシリンナトリウム、チカルシリン二ナトリウム、アズロシリンナトリウム、カルベニシリンインダニルナトリウム、ペニシリンGプロカイン、メチシリンナトリウム、およびナフシリンナトリウムなどのペニシリン;エチルコハク酸エリスロマイシン、エリスロマイシン、エストール酸エリスロマイシン、ラクトビオン酸エリスロマイシン、ステアリン酸エリスロマイシン、およびエチルコハク酸エリスロマイシンなどのエリスロマイシン;および塩酸テトラサイクリン、ドキシサイクリンヒクレート、および塩酸ミノサイクリンなどのテトラサイクリン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン);
抗感染症薬(例えば、GM−CSF);
気管支拡張剤(例えば、塩酸エピネフリン、硫酸メタプロテレノール、硫酸テルブタリン、イソエタリン、メシル酸イソエタリン、塩酸イソエタリン、硫酸アルブテロール、アルブテロール、メシル酸ビトルテロール、塩酸イソプロテレノール、硫酸テルブタリン、エピネフリン、および酒石酸水素エピネフリンなどの交感神経興奮薬、サルブタモール、フォルモテロール、サルメテロール、キシナホアート、およびピルブテロール);
ステロイド系化合物およびホルモン(例えば、ダナゾール、シピオン酸テストステロン、フルオキシメステロン、エチルテストステロン、エナント酸テストステロン、メチルテストステロン、フルオキシメステロン、およびシピオン酸テストステロンなどのアンドロゲン;エストラジオール、エストロピパート、および結合型エストロゲンなどのエストロゲン;酢酸メトキシプロゲステロン、酢酸ノルエチンドロンなどのプロゲスチン;トリアムシノロン、ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、酢酸デキサメタゾン、プレドニゾン、酢酸メチルプレドニゾロン懸濁液、トリアムシノロンアセトニド、メチルプレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、およびコハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、トリアムシノロンヘキサアセトニド、ヒドロコルチゾン、シピオン酸ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸パラメタゾン、テブト酸プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウムなどのコルチコステロイド;およびレボチロキシンナトリウムなどの甲状腺ホルモン);
血糖降下剤(例えば、ヒトインスリン、精製ウシインスリン、精製ブタインスリン、グリブリド、クロルプロパミド、グリピジド、トルブタミド、およびトラザミド);
脂質低下剤(例えば、クロフィブレート、デキストロサイロキシンナトリウム、プロブコール、プラバスチチン(pravastitin)、アトルバスタチン、ロバスタチン、およびナイアシン);
タンパク質(例えば、DNアーゼ、アルギナーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、インターフェロン、成長ホルモン、卵胞刺激ホルモン、インターロイキン、トロンボポイエチン、抗体、およびリパーゼ);
核酸(例えば、本明細書に記載する任意のタンパク質を含めて、治療上有用なタンパク質をコード化する任意のセンスまたはアンチセンス核酸);
赤血球生成刺激に有用な作用物質(例えば、エリスロポエチン);
抗悪性潰瘍剤/抗逆流剤(例えば、ファモチジン、シメチジン、および塩酸ラニチジン);
抗悪心剤/制吐剤(例えば、塩酸メクリジン、ナビロン、プロクロルペラジン、ジメンヒドリネート、塩酸プロメタジン、チエチルペラジン、塩酸オンダンセトロン、塩酸パロンセトロン、およびスコポラミン);
脂溶性ビタミン(例えば、ビタミンA、D、E、Kなど);
ならびにミトキソトラン(mitoxotrane)、ハロニトロソ尿素、アンスロサイクリン(anthrocycline)、エリプチシンなどの他の薬剤。上記その他のクラスの有用な薬剤および各クラス内の種の一覧の説明は、Martindale、The Extra Pharmacopoeia、第30版(The Pharmaceutical Press,London 1993年)に記載されている。
一実施形態では、薬剤は、テストステロン、プロゲステロン、エストラジオールなどのステロイドを含む。
別の実施形態では、薬剤は、抗精神病薬(ハロペリドール、デカン酸ハロペリドール、コハク酸ロキサピン、塩酸ロキサピン、チオリダジン、塩酸チオリダジン、チオチキセン、塩酸チオチキセン、ピモジド、リスペリドン、フマル酸クエチアピン、オランザピン、フルフェナジン、デカン酸フルフェナジン、エナント酸フルフェナジン、トリフロペラジン、クロルプロマジン、ペルフェナジン、クエン酸リチウム、クロザピン、塩酸ジプラシドン、メシル酸ジプラシドン、塩酸モリドン、プロクロルペラジンなど)、鎮痛剤(モルヒネおよびオキシドコンなど)、制吐薬(プロクロルペラジン、塩酸オンダセトロン、および塩酸パロンセトロンなど)、抗生物質(セフプロジル、シプロフロキサシン、およびアモキシシリンなど)、抗真菌薬(ボリコナゾールやイトラコナゾールなど)、抗腫瘍薬(パクリタキセルやドセタキセルなど)、またはペプチドまたはタンパク質(インスリン、カルシトニン、ロイプロリド、顆粒球コロニー刺激因子、副甲状腺ホルモン関連ペプチド、成長ホルモン、インターフェロン、エリスロポエチン、卵胞刺激ホルモン、インターロイキン、トロンボポエチン、抗体およびソマトスタチンなど)を含む。
微粒子中の薬剤の含有量は、一般に約1〜約70wt%である。典型的な実施形態では、薬剤は、約5〜50wt%の量で存在する。
一実施形態では、徐放性医薬製剤は、2つ以上の異なる薬剤を含む。一実施形態では、2つ以上の薬剤を1種の微粒子に組み合わせ、その微粒子から送達される。別の実施形態では、製剤は、異なる薬剤を各々含有する2つ以上の異なる微粒子の混合物を含む。一実施形態では、製剤は、少なくとも1種の徐放用薬剤、および少なくとも1種の他の速放用薬剤を含む。
さらに別の実施形態では、徐放性医薬製剤は、ある単一の薬剤を各々含むが、異なる多孔度を有する様々な微粒子の混合物を含み、したがって混合物の粒子の一部が第1の放出プロフィルを有し(例えば、第1の薬剤の大部分が2〜24時間放出される)、他の粒子が第2の薬剤放出プロフィルを有する(例えば、第2の薬剤の大部分が24時間後に放出される)。
RESによる取り込みを阻害するための材料
マクロファージによる微粒子の取り込みおよび除去は、幾何学的粒径の増大(例えば、>3μmによって、食作用が減速される)、ポリマーの選択、および/または接着もしくは取り込みを最小限に抑える分子の組み込みまたはカップリングによって、あるいは少なくとも1種のグリコール単位が表面を曝露するようにポリ(アルキレングリコール)をマトリックスに組み込むことによって、減速または最小限に抑えることができる。例えば、微粒子による組織接着は、ポリ(アルキレングリコール)部分を微粒子の表面に共有結合させることによって最小限に抑えることができる。このポリ(アルキレングリコール)表面部分は、水に対する親和性が高く、粒子の表面へのタンパク質の吸着を低減させる。したがって、細網内皮系(reticulo−endothelial system)(RES)による微粒子の認識および取り込みは低減する。
一方法では、ポリ(アルキレングリコール)の末端ヒドロキシル基を、生物活性分子、または粒子の電荷、親油性もしくは親水性に影響を与える分子に、微粒子の表面で共有結合させる。当技術分野で利用可能な方法を使用して、広範囲のリガンドのいずれかを微粒子に結合させて、in vivoにおける微粒子の送達特性、安定性、または他の特性を向上することができる。
薬剤として許容できる注射用媒体
注射による投与の場合、多孔質微粒子を、通常は、1種または複数の薬剤として許容できる注射用媒体と(例えば、それに懸濁させて)組み合わせる。薬剤として許容できる媒体は、当技術分野で知られている水性または非水性の媒体とすることができる。水性媒体の例には、生理食塩水溶液、デキストロースやマンニトールなどの糖溶液、および薬剤として許容できる緩衝溶液が含まれ、非水性媒体の例には、固定植物油、グリセリン、ポリエチレングリコール、アルコール、およびオレイン酸エチルが含まれる。媒体は、さらに抗細菌防腐剤、酸化防止剤、等張化剤、緩衝剤、安定剤、または他の成分を含むことができる。
局所投与用の製剤添加剤
局所投与の場合、多孔質微粒子を、当業者が利用可能な薬剤として許容できる局所剤形の様々な添加剤のうちから選択される1種または複数の添加剤と組み合わせる。これらの添加剤には、軟膏、ジェル、またはペーストベース材料、結合剤、安定化剤、防腐剤、香味剤、生体接着性ポリマーまたは他の生体接着性材料、および顔料が含まれる。局所投与の場合、多孔質微粒子は、パッチなど経皮送達系の構成要素とすることができる。
経口投与用の製剤添加剤
経口投与の場合、多孔質微粒子を、当業者が利用可能な薬剤として許容できる経口剤形の様々な添加剤のうちから選択される1種または複数の添加剤と組み合わせる。これらの添加剤には、結合剤、味覚改変成分、食用着色料、および粘度調整剤が含まれる。薬物製剤は、懸濁液、カプセル、錠剤、ペースト、ジェル、または固体もしくは半固体の形とすることができる。例えば、微粒子を、当技術分野でよく知られている甘味料および/または香味剤を含む水溶液中で懸濁することができる。いくつかの剤形は、腸内を覆うことで、薬剤の放出の開始を遅延させることができる。
(多孔質微粒子および徐放性医薬製剤の作製)
典型的な実施形態では、多孔質微粒子を、(1)マトリックス材料を揮発性溶媒に溶解して、マトリックス材料溶液を形成するステップと、(2)薬剤をマトリックス材料の溶液に添加するステップと、(3)場合によっては少なくとも1種の孔形成剤を、マトリックス材料溶液中の薬剤と組み合わせ、乳化して、乳濁液、懸濁液、または第2の溶液を形成するステップと、(4)揮発性溶媒、および孔形成剤が存在する場合それも、乳濁液、懸濁液、または第2の溶液から除去して、薬剤およびマトリックス材料を含む多孔質微粒子を得るステップとを含む方法によって作製する。この方法によって、治療または予防有効量の薬剤を、身体中の微粒子から少なくとも2時間放出する微粒子が生成される。多孔質微粒子を作製するために使用できる技法には、下記に述べるように溶融押出、噴霧乾燥、流動床乾燥、溶媒抽出、ホットメルトカプセル化、および溶媒蒸発が含まれる。最も好ましい実施形態では、噴霧乾燥によって微粒子を生成する。薬剤をマトリックスに、固体粒子、液滴として組み込む、あるいは薬剤をマトリックス材料溶媒に溶解することによって組み込むことができる。薬剤が固体の場合、薬剤を、マトリックス材料溶液に添加される固体粒子としてカプセル化することができ、あるいは水溶液に溶解して、次いでカプセル化する前に、マトリックス材料溶液で乳化させることができ、あるいは固体薬剤を、マトリックス材料とともにマトリックス材料溶媒中で共可溶化することができる。
一実施形態では、この方法は、1種または複数の界面活性剤を、薬剤とマトリックス材料溶液中で組み合わせるステップをさらに含む。徐放性医薬製剤の作製方法の一実施形態では、この方法は、多孔質微粒子を薬剤として許容できる充填剤とブレンドするステップをさらに含む。
一実施例では、マトリックス材料は、生体適合性合成ポリマーを含み、揮発性溶媒は、有機溶媒を含む。別の実施例では、孔形成剤は、薬剤/マトリックス溶液と組み合わせる場合、水溶液の形態である。
一実施形態では、揮発性溶媒および孔形成剤を乳濁液、懸濁液、または第2の溶液から除去するステップを、噴霧乾燥、蒸発、流動床乾燥、凍結乾燥、真空乾燥、またはその組合せから選択されるプロセスを使用して実施する。
溶媒蒸発
この方法では、マトリックス材料および薬剤を、塩化メチレンなどの揮発性有機溶媒に溶解する。固体または液体の孔形成剤を、溶液に添加することができる。活性作用物質を固体としてまたは溶液として、ポリマー溶液に添加することができる。混合物を、音波処理または均質化し、得られた分散液または乳濁液を、TWEEN(登録商標)20、TWEEN(登録商標)80、PEG、またはポリ(ビニルアルコール)などの界面活性剤を含むことがある水溶液に添加し、均質化して、乳濁液を形成する。得られた乳濁液を、有機溶媒の大半が蒸発し、微粒子が残るまで撹拌する。様々な幾何学的粒径および形態的性質を有する微粒子は、この方法により、乳濁液の液滴サイズを制御することによって得ることができる。溶媒蒸発は、Mathiowitzら、J.Scanning Microscopy、4巻、329頁(1990年);Beckら、Fertil.Steril.、31巻、545頁(1979年);およびBenitaら、J.Pharm.Sci.、73巻、1721頁(1984年)によって記載されている。
ポリ無水物など特に加水分解に対して不安定なポリマーは、水の存在のため、作製プロセス中に分解することがある。これらのポリマーの場合、完全に有機溶媒中で行われる以下の2つの方法がより有用である。
ホットメルトマイクロカプセル化
この方法では、マトリックス材料および薬剤を、まず溶融し、次いで固体または液体の活性作用物質と混合する。孔形成剤を固体としてまたは溶液として、溶液に添加することができる。混合物を、非混和性溶媒(シリコーン油)などの中で懸濁し、連続的に撹拌しながら、ポリマーの融点より高い5℃に加熱する。乳濁液が安定化すると、ポリマー粒子が固化するまで冷却する。得られた微粒子を、デカンテーションによって、石油エーテルなどのポリマー非溶媒で洗浄して、易流動性粉末を得る。ホットメルトマイクロカプセル化は、Mathiowitzら、Reactive Polymers、6巻、275頁(1987年)によって記載されている。
溶媒除去
この技法は元来、加水分解に対して不安定な材料のために設計された。この方法では、固体または液体の薬剤を、塩化メチレンのような揮発性有機溶媒に選択されたマトリックス材料および薬剤を溶かした溶液に分散または溶解する。この混合物を(シリコーン油などの)有機油中で撹拌することによって懸濁して、乳濁液を形成する。この技法で生成された粒子の外部の形態的性質は、使用するポリマーのタイプに大きく依存するものである。
微粒子の噴霧乾燥
微粒子は、噴霧乾燥により、(1)マトリックス材料、および場合によっては界面活性剤を揮発性溶媒に溶解して、マトリックス材料溶液を形成するステップと、(2)薬剤をマトリックス材料の溶液に添加するステップと、(3)場合によっては少なくとも1種の孔形成剤をマトリックス材料溶液中の薬剤と組み合わせるステップと、(4)乳濁液、懸濁液、または第2の溶液を、薬剤、マトリックス材料溶液、および場合によっては孔形成剤から形成するステップと、(5)乳濁液、懸濁液、または溶液を噴霧乾燥し、揮発性溶媒、および孔形成剤が存在する場合それも除去して、多孔質微粒子を形成するステップとを含む方法によって生成することができる。本明細書で定義するように、乳濁液、懸濁液、またはマトリックス材料および薬剤を含有する溶液を「噴霧乾燥」する方法は、乳濁液、懸濁液、または溶液を噴霧化して、微細ミストを形成し、温度制御したキャリヤーガスと直接接触させて乾燥する方法を指す。当技術分野で利用可能な噴霧乾燥装置を使用する典型的な一実施形態では、乳濁液、懸濁液、または溶液は、噴霧乾燥機の入口を経由して送達され、乾燥機内のチューブを通り抜け、次いで出口を経由して噴霧化される。温度は、使用するガスまたはマトリックス材料に応じて変わることがある。所望の生成物を生成するように入口および出口の温度を制御することができる。
形成された粒子の幾何学的粒径は、マトリックス材料溶液を吹きつけるするために使用する噴霧化装置、噴霧化装置圧力、流量、使用するマトリックス材料、マトリックス材料濃度、溶媒のタイプ、および吹きつけ温度(入口と出口の両温度)に応じて決まるものである。幾何学的直径が1〜10ミクロンの微粒子を得ることができる。
薬剤が固体の場合、薬剤を、スプレイする前にマトリックス材料溶液に添加する固体粒子としてカプセル化することができ、あるいは薬剤を溶媒に溶解して、次いで吹きつける前にマトリックス材料溶液で乳化することができ、あるいは固体を、吹きつける前にマトリックス材料とともに適切な溶媒中で共可溶することができる。
多孔質微粒子作製用の試薬
多孔質微粒子を作製するために使用するある種の試薬は、マトリックス材料用の溶媒、薬剤用の溶媒または媒体、孔形成剤、および微粒子形成を容易にするための様々な添加剤を含むことができる。
溶媒
マトリックス材料用の溶媒は、その生体適合性、およびマトリックス材料の溶解性、および適切な場合は送達すべき薬剤との相互作用に基づいて選択する。例えば、マトリックス材料が溶媒に易溶であること、送達すべき薬剤に対して溶媒は有害な影響がないことは、マトリックス材料溶媒を選択する上で考慮すべき要素である。水性溶媒を使用して、マトリックスを水溶性ポリマーで形成することができる。通常は、有機溶媒を使用して、疎水性および幾分親水性のマトリックス材料を溶解する。水性溶媒と有機溶媒の組合せを使用することができる。好ましい有機溶媒は、揮発性であり、または比較的に低い沸点を有し、あるいは真空下で除去することができ、ヒトに微量投与することが許容できるものであり、例えば塩化メチレンである。酢酸エチル、エタノール、メタノール、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸、ジメチルスルホキシド(DMSO)、およびクロロホルムなどの他の溶媒、ならびにその組合せも利用することができる。好ましい溶媒は、Federal Register、62巻、85号、24301〜09頁(1997年5月)で公開されているように、Food and Drug Administrationによってクラス3残留溶媒と評価されるものである。
一般に、マトリックス材料を溶媒に溶解して、0.1〜60重量/体積%(w/v)、より好ましくは0.25〜30%の濃度を有するマトリックス材料溶液を形成する。次いで、マトリックス材料溶液を下記に記載するように処理して、薬剤をその中に組み込んだマトリックスを得る。
微粒子形成を容易にするための界面活性剤
様々な界面活性剤を、マトリックス材料を含む溶液、懸濁液、または乳濁液に添加して、微粒子形成を容易にすることができる。乳濁液をマトリックスの生成中に使用する場合、界面活性剤を、乳濁液の任意の相に乳化剤として添加することができる。使用することができる例示的な乳化剤または界面活性剤(例えば、薬剤とマトリックス材料の重量に対して約0.1〜5重量%)は、最も生理学的に許容できる乳化剤を含む。例としては、タウロデオキシコール酸やコール酸など、アミノ酸と抱合および非抱合の天然および合成の形の胆汁酸塩または胆汁酸がある。リン脂質は、レシチンなどの天然混合物を含めて混合物として使用することができる。これらの界面活性剤は、単に乳化剤の役目を果たすことができ、したがって、粒子の一部分をなし、マトリックス全体にわたって分散する。
微粒子懸濁を容易にするための添加剤
微粒子の組成物は、微粒子が添加剤構造の全部または一部分を表面曝露させ、したがって投与の場合の媒体中での微粒子の懸濁を容易にするように添加剤を含むことができる。懸濁を容易にするための添加剤を、微粒子の生成中に含むことができる。あるいは、微粒子に添加剤を後生成で覆うこともできる。例示的な添加剤は、使用することができる界面活性剤(例えば、薬剤とマトリックス材料の重量に対して約0.1〜5重量%)を含み、それにはリン脂質、脂肪酸の塩、およびポリソルベート80などのPEG単位を含む分子が含まれる。
多孔度の制御
微粒子の多孔度は、マトリックス材料溶液中の薬剤の固形分を調整すること、またはマトリックス溶媒を除去する速度を調整すること、またはその組合せによって、微粒子の生成中に制御することができる。固形分の濃度が高いと、多孔度の低い微粒子になる。
あるいは、下記に記載するような孔形成剤を使用して、生成中に微粒子の多孔度を制御することができる。孔形成剤は、プロセス中に使用して、得られるマトリックス中の多孔性を生み出す揮発性材料である。孔形成剤は、揮発可能な固体、または揮発可能な液体とすることができる。
多孔性は、微粒子の生成および形成中に生み出される。
液体の孔形成剤
液体の孔形成剤は、マトリックス材料溶媒と非混和性であり、薬剤およびマトリックス材料と相溶である処理条件下で揮発可能でなければならない。孔形成を行うために、孔形成剤をまずマトリックス材料溶液中の薬剤で乳化する。次いで、この乳濁液はさらに処理して、マトリックス材料溶媒および孔形成剤を、蒸発、真空乾燥、噴霧乾燥、流動床乾燥、凍結乾燥、またはこれらの技法の組合せを使用して同時にまたは順次に除去する。
液体の孔形成剤の選択は、マトリックス材料溶媒に依存する。代表的な液体の孔形成剤には、水;ジクロロメタン;エタノール、メタノール、またはイソプロパノールなどのアルコール;アセトン;酢酸エチル;ギ酸エチル;ジメチルスルホキシド;アセトニトリル;トルエン;キシレン;ジメチルホルアミド;THF、ジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;トリエチルアトニン;ホルアミド;酢酸;メチルエチルケトン;ピリジン;ヘキサン;ペンタン;フラン;水;液体パーフルオロカーボン、およびシクロヘキサンが含まれる。
液体の孔形成剤は、薬剤溶媒乳濁液の1〜50%(v/v)、好ましくは5〜25%(v/v)の量で使用する。
固体の孔形成剤
固体の孔形成剤は、薬剤またはマトリックス材料を害しない処理条件下で揮発可能でなければならない。固体の孔形成剤は、(i)薬剤を含むマトリックス材料溶液に溶解し、(ii)マトリックス材料溶媒と混和しない溶媒に溶解して、溶液を形成し、次いで薬剤を含むマトリックス材料溶液で乳化し、あるいは(iii)薬剤を含むマトリックス材料溶液に固体粒子として添加することができる。次いで、薬剤/マトリックス材料溶液中の孔形成剤の溶液、乳濁液、または懸濁液をさらに処理して、マトリックス材料溶媒、孔形成剤、および適切な場合は、孔形成剤用の溶媒を、蒸発、噴霧乾燥、流動床乾燥、凍結乾燥、真空乾燥、またはこれらの技法の組合せを使用して同時にまたは順次に除去する。マトリックス材料が沈殿した後、硬化した微粒子を凍結乾燥して、除去されなかった孔形成剤をマイクロカプセル化プロセス中に除去することができる。
好ましい一実施形態では、固体の孔形成剤は、揮発性塩基を揮発性酸と組み合わせた塩などの揮発性塩である。揮発性塩は、加熱かつ/または真空を使用して、固体または液体から気体状態に変態することができる材料である。揮発性塩基の例には、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、およびピリジンが含まれる。揮発性酸の例には、炭酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、および安息香酸が含まれる。好ましい揮発性塩には、重炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウム、安息香酸アンモニウム、およびその混合物が含まれる。固体の孔形成剤の他の例には、ヨウ素、フェノール、安息香酸(塩としてではなく酸として)、カンフル、およびナフタレンが含まれる。
固体の孔形成剤は、薬剤とマトリックス材料の5〜1000%(w/w)、好ましくは10〜600%(w/w)、より好ましくは10〜100%(w/w)の量で使用する。
(多孔質微粒子の投与方法)
本明細書に記載する徐放性医薬製剤は、注射、経口投与、または局所投与による患者への投与のために設計することができる。本明細書では、「患者」は、哺乳類を含めて動物、好ましくはヒトを示す。
注射投与
薬剤を局所、局部または全身に送達する場合、本明細書に記載する多孔質微粒子を含む徐放性医薬製剤を、薬剤として許容できる媒体を用いて注射によって患者に投与することができる。注射は、通常は従来型の注射器、および針、カテーテルなどを使用して実施する。他の実施形態では、製剤をニードレスインジェクタなど、より複雑な送達系によって注射することができる。製剤は、静脈内、筋肉内、皮内(intracutaneous)、皮下、関節内、滑液嚢内、骨内、脊髄内、くも膜下腔内、動脈内、または心臓内の投与を含めて、ほとんどいかなる器官または身体の領域にも注射することができる。さらに他の実施形態では、製剤は頭蓋内、病巣内、または腫瘍内の投与に適している。
一実施形態では、多孔質微粒子は、安定して貯蔵し、媒体と使用直前に再構成し、注射によって投与することができる粉末の形である。このような場合では、製剤および媒体を、キットの形で提供または包装ことができる。
局所投与
薬剤を局所、局部、または全身に送達する場合、本明細書に記載する多孔質微粒子を含む徐放性医薬製剤を、適切な半固体剤形で局所塗布によって患者に投与することができる。本明細書で使用する「局所の」または「局所に」という用語は、皮膚または粘膜表面を含めて、身体のいかなる部分もの領域を指す。例えば、微粒子製剤は、患者へのコルチコステロイド、またはフェンタニルなどの鎮痛剤の徐放および局所送達の場合、患者の皮膚の領域への塗布用のペーストまたは軟膏の形とすることができる。別の例として、微粒子製剤は、抗真菌剤の徐放および局所送達の場合、膣粘膜組織への塗布用のジェルの形とすることができる。別の例として、微粒子製剤は、エストラジオールなどのステロイド、またはモルヒネなどの鎮痛剤の徐放および全身送達の場合、経皮パッチの構成要素とすることができる。
経口投与
薬剤を局所または全身に送達する場合、本明細書に記載する多孔質微粒子を含む徐放性医薬製剤を、適切な経口剤形で経口投与によって患者に投与することができる。微粒子は、当技術分野でよく知られている材料および方法を使用して、ゼラチンカプセルに加えられ、ことによると錠剤もしくはウェファー、または他の固体送達の形に形成することができ、あるいは微粒子を液体媒体に懸濁して、懸濁液を形成することができる。投与は、単に患者が経口製剤を服用することしか必要としない。
上記に記述する方法および組成物は、以下の非限定的実施例を参照してさらに理解されよう。
(実施例)
下記の実施例では、微粒子の多孔度を決定する場合、以下の手順を使用した。微粒子についてタップ密度(TAP density)(タップ密度の尺度としてトランスアクシャル圧密度(Transaxial Pressure Density))は、Micromeritics GeoPyc Model 1360を使用して測定した。微粒子についてタップ密度からエンベロープ密度を推定した(数式5)。絶対密度は、ヘリウム比重びん法によって、Micromeritics AccuPyc Model 1330を使用して決定した。ポリマー、薬剤、およびリン脂質の絶対密度を決定し、微粒子の絶対密度については加重平均値を使用した。多孔度を上記の数式6に基づいて算出した。多孔度(パーセント)を報告するとき、(数式6に基づく)多孔度の値に100%をかけた。
下記の実施例では、in vitro薬剤放出速度は、以下の手順を使用して決定した。微粒子を、懸濁液の公称薬剤濃度が1mg/mLになるように、PBS−SDS(リン酸緩衝生理食塩水−0.05%ドデシル硫酸ナトリウム)に懸濁した。次いで、懸濁液の試料を、100%放出したときの理論薬剤濃度が0.75μg/mLになるように大容量のPBS−SDSに37℃で添加した。得られた希釈懸濁液を、振動装置(rocker)上のインキュベータ中で37℃に維持した。微粒子からの薬剤の放出速度を決定するために、放出媒体の試料を経時的に取り、微粒子を溶液から分離し、溶液薬剤濃度を、HPLCでブデソニドの場合は254nm、またはプロピオン酸フルチカゾンの場合は238nmで検出して監視した。カラムは、J’Sphere ODS−H80(250×4.6mm、4μm)であった。移動相は、エタノール−水(64:36)からなる定組成系であり、流量0.8mL/分で流した。
下記の実施例では、幾何学的粒径を記述する場合、体積平均粒径は、50μmの開口部をもつCoulter Multisizer IIを使用して測定した。
粉末は、ボルテックス処理および音波処理を使用してPluronic F127およびマンニトールを含む水性媒体に分散した。次いで、得られた懸濁液を、分析のため電解液に希釈した。
(実施例1)微粒子多孔度のブデソニド放出に対する影響
ブデソニド含有マイクロスフェアを以下のように得られた材料を使用して調製した。すなわちブデソニドは、FarmaBios S.R.L.(イタリアパヴィア(Pavia,Italy))製であり、リン脂質(DPPC)は、Avanti Polar Lipids Inc.(米国アラバマ州アラバスター(Alabaster,AL))製であり、ポリマー(PLGA)は、BI Chemicals(米国バージニア州ピーターズバーグ(Petersburg,VA))製であり、重炭酸アンモニウムは、Spectrum Chemicals(米国カリフォルニア州ガーデナ(Gardena,CA))製であり、塩化メチレンは、EM Science(米国ニュージャージー州ギブスタウン(Gibbstown,NJ))製であった。
異なる6ロットのブデソニド含有マイクロスフェア(B1〜B6)を以下の通り調製した。各マイクロスフェアロット(B1〜B4およびB6)では、8.0gのPLGA、0.72gのDPPC、および2.2gのブデソニドを、364mLの塩化メチレンに20℃で溶解した。B5のロットでは、36.0gのPLGA、2.16gのDPPC、および9.9gのブデソニドを1764mLの塩化メチレンに20℃で溶解した。B1ロットは孔形成剤なしで調製し、噴霧乾燥機に対する処理条件および溶液の固形分を使用して、マイクロスフェアの多孔性を生み出した。B2〜B6のロットは、孔形成剤の重炭酸アンモニウムを使用して調製して、B1ロットより高い多孔度を有するマイクロスフェアを生み出した。B2〜B6のロットの場合、孔形成剤の保存溶液は、4.0gの重炭酸アンモニウムを36mLのRO/DI水に20℃で溶解することによって調製した。各ロットについて、異なる比の重炭酸アンモニウム保存溶液を、上記に記述する薬剤/ポリマー溶液(孔形成剤体積:薬剤/ポリマー溶液:B2:1:49、B3:1:24、B4:1:10、B5:1:49、B6:1:19)と組み合わせ、ローター−ステーター式ホモジナイザを使用して乳化した。得られた乳濁液は、ベンチトップ型噴霧乾燥機で、空気−噴霧ノズル、および乾燥用気体として窒素を使用して噴霧乾燥した。噴霧乾燥条件は以下の通りであった:すなわち乳濁液流量20mL/分、乾燥用気体速度60kg/時、および出口温度21℃。生成物収集容器を噴霧乾燥機から取り外し、真空ポンプに取り付け、そこで少なくとも18時間乾燥した。
図1は、5.5時間後にin vitroで放出されたブデソニドの(パーセント)対多孔度のグラフである。表1は、図1に示すロットについての幾何学的粒径、密度および多孔度のデータを示す。
Figure 2007533634
表2は、さらに24時間後に放出されたブデソニド(パーセント)に対する多孔度の影響を示している。
Figure 2007533634
in vitroブデソニド放出データは、多孔度の制御を使用して、一定の期間後の薬剤放出量をいかに調整することができるか、ならびに多孔度を使用して、初期放出を超えた顕著な薬剤放出が起こり、薬剤の放出が少なくとも24時間にわたって生じるようにすることがいかにできるかを実証している。
(実施例2)プロピオン酸フルチカゾン放出に対する微粒子多孔度の影響
プロピオン酸フルチカゾン含有マイクロスフェアを以下のように得られた材料を使用して調製した。プロピオン酸フルチカゾンは、Cipla Ltd.(インドムンバイ(Mumbai,India))製であり、リン脂質(DPPC)は、Chemi S.p.A.(イタリアミラノ(Milan,Italy))製であり、ポリマー(PLGA)は、BI Chemicals(米国バージニア州ピーターズバーグ(Petersburg,VA))製であり、重炭酸アンモニウムは、Spectrum Chemicals(米国カリフォルニア州ガーデナ(Gardena,CA))製であり、塩化メチレンは、EM Science(米国ニュージャージー州ギブスタウン(Gibbstown,NJ))製であった。
異なる6ロットのプロピオン酸フルチカゾン含有マイクロスフェア(F1〜F6)を以下の通り調製した。各マイクロスフェアロットでは、3.0gのPLGA、0.18gのDPPC、および0.825gのプロピオン酸フルチカゾンを136.4mLの塩化メチレンに20℃で溶解した。F1ロットは孔形成剤なしで調製し、噴霧乾燥機に対する処理条件および溶液の固形分を使用して、マイクロスフェアの多孔性を生み出した。F2〜F6のロットは、孔形成剤の重炭酸アンモニウムを使用して調製して、F1ロットより高い多孔度を有するマイクロスフェアを生み出した。孔形成剤の保存溶液は、2.22gの重炭酸アンモニウムを20gのRO/DI水に20℃で溶解することによって調製した。各ロットについて、異なる比の重炭酸アンモニウム保存溶液を、薬剤/ポリマー溶液(重炭酸アンモニウム溶液体積:薬剤/ポリマー溶液体積:F2:1:74、F3:1:49、F4:1:24、F5:1:14、F6:1:10)と組み合わせ、次いで混合物を、ローター−ステーター式ホモジナイザを使用して乳化した。得られた乳濁液は、ベンチトップ型噴霧乾燥機で、空気−噴霧ノズル、および乾燥用気体として窒素を使用して噴霧乾燥した。噴霧乾燥条件は以下の通りであった:乳濁液流量20mL/分、乾燥用気体速度60kg/時、および出口温度21℃。生成物収集容器を噴霧乾燥機から取り外し、真空ポンプに取り付け、そこで少なくとも18時間乾燥した。
図2および3はそれぞれ、5.5時間および24時間後にin vitroで放出されたフルチカゾン(パーセント)対多孔度のグラフである。表3は、図2および3にその放出を示した材料についての幾何学的粒径、密度および多孔度のデータを示す。
Figure 2007533634
in vitroプロピオン酸フルチカゾン放出データは、多孔度を使用して、一定の期間後の薬剤放出量をいかに調整することができるか、ならびに多孔度を使用して、顕著な薬剤放出が起こるようにすることがいかにできるかを実証している。
本明細書に引用する刊行物、およびそれらが引用されている資料は、特に参照により組み込まれる。本明細書に記載する方法および装置の修正形態および変形形態は、上記の詳細な説明によって当業者に明らかであろう。このような修正形態および変形形態は、添付の特許請求の範囲内に包含されるように意図されている。
5.5時間後のブデソニドのin vitro放出パーセント対微粒子の多孔度パーセントのグラフである。 5.5時間後のプロピオン酸フルチカゾンのin vitro放出パーセント対微粒子の多孔度パーセントのグラフである。 24時間後のプロピオン酸フルチカゾンのin vitro放出パーセント対微粒子の多孔度パーセントのグラフである。

Claims (54)

  1. 薬剤およびマトリックス材料を含む多孔質微粒子を含む、患者に注射で送達するための徐放性医薬製剤であって、
    上記製剤が、注射投与用に、かつ治療または予防有効量の薬剤が製剤を注射した後少なくとも24時間、微粒子から放出されるように適合される製剤。
  2. 上記薬剤の大部分が、注射後14日、28日、または6か月以内に、微粒子から放出される請求項1に記載の製剤。
  3. 上記多孔質微粒子が、約1μm〜150μmの体積平均粒径を有する請求項1に記載の製剤。
  4. 上記多孔質微粒子が、約5μm〜25μmの体積平均粒径を有する請求項1に記載の製剤。
  5. 上記多孔質微粒子が約5〜90体積%の平均多孔度を有する請求項1から4のいずれか一項に記載の製剤。
  6. 上記薬剤が、ペプチド、タンパク質、またはオリゴヌクレオチドである請求項1から5のいずれか一項に記載の製剤。
  7. 上記薬剤が、ステロイド、抗精神病薬、抗悪性腫瘍薬、または制吐薬を含む請求項1から6のいずれか一項に記載の製剤。
  8. 治療または予防有効量の上記薬剤が、少なくとも7日間、上記微粒子から放出される請求項1から7のいずれか一項に記載の製剤。
  9. 治療または予防有効量の上記薬剤が、少なくとも14日間、上記微粒子から放出される請求項1から7のいずれか一項に記載の製剤。
  10. 治療または予防有効量の上記薬剤が、少なくとも28日間、上記微粒子から放出される請求項1から7のいずれか一項に記載の製剤。
  11. 治療または予防有効量の上記薬剤が、少なくとも2か月間、上記微粒子から放出される請求項1から7のいずれか一項に記載の製剤。
  12. 上記微粒子が薬剤として許容できる注射用媒体に分散している請求項1から11のいずれか一項に記載の製剤。
  13. 上記媒体が水性である請求項12に記載の製剤。
  14. 上記媒体が非水性である請求項12に記載の製剤。
  15. 薬剤およびマトリックス材料を含む多孔質微粒子を含む徐放性医薬製剤を患者に注射で投与するステップを含む、薬剤を患者に送達する方法であって、
    上記製剤を注射すると、治療または予防有効量の上記薬剤が、患者に少なくとも24時間、上記微粒子から放出される方法。
  16. 上記注射が、静脈内、動脈内、心臓内、くも膜下腔内、骨内、関節内、滑液嚢内、皮内、皮下、筋肉内、および皮内からなる群から選択される請求項15に記載の方法。
  17. 上記注射が、頭蓋内、病巣内、または腫瘍内である請求項15に記載の方法。
  18. 上記薬剤の大部分が、注射後14日、28日、または6か月以内に、上記微粒子から放出される請求項15に記載の方法。
  19. 治療または予防有効量の上記薬剤が、注射後少なくとも7日間、上記微粒子から放出される請求項15に記載の方法。
  20. 治療または予防有効量の上記薬剤が、注射後少なくとも14日間、上記微粒子から放出される請求項15に記載の方法。
  21. 治療または予防有効量の上記薬剤が、注射後少なくとも28日間、上記微粒子から放出される請求項15に記載の方法。
  22. 上記薬剤の大部分が、注射後約24時間以降かつ約28日以内に放出される請求項15に記載の方法。
  23. 上記製剤が、徐放期間にわたって4倍を超えて変動しない局所または血漿中濃度を提供する請求項15に記載の方法。
  24. マトリックス材料を揮発性溶媒に溶解して、溶液を形成するステップと、
    薬剤、および場合によっては少なくとも1種の孔形成剤を上記溶液に添加して、乳濁液、懸濁液、または第2の溶液を形成するステップと、
    上記揮発性溶媒、および場合によっては孔形成剤を、乳濁液、懸濁液、または第2の溶液から除去して、上記薬剤および上記マトリックス材料を含む多孔質微粒子を得るステップとを含む、薬剤の投与および徐放用の注射製剤の作製方法であって、
    上記多孔質微粒子を含む製剤を患者に注射すると、治療または予防有効量の上記薬剤が、少なくとも24時間、微粒子から放出される方法。
  25. 上記マトリックス材料が生体適合性合成ポリマーを含み、上記揮発性溶媒が有機溶媒を含む請求項24に記載の方法。
  26. 1種または複数の界面活性剤を上記溶液と組み合わせるステップをさらに含む請求項24または25に記載の方法。
  27. 上記界面活性剤がリン脂質を含む請求項26に記載の方法。
  28. 上記孔形成剤が、マトリックス材料を含む上記溶液と組み合わせる場合、水溶液の形態である請求項24に記載の方法。
  29. 上記孔形成剤が揮発性塩である請求項24に記載の方法。
  30. 上記揮発性溶媒および孔形成剤を乳濁液、懸濁液、または第2の溶液から除去するステップを、噴霧乾燥、蒸発、流動床乾燥、凍結乾燥、真空乾燥、またはその組合せから選択されるプロセスを使用して実施する請求項24から29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 上記多孔質微粒子を薬剤として許容できる注射用媒体と組み合わせるステップをさらに含む請求項24に記載の方法。
  32. 請求項1から11のいずれか一項に記載の乾燥粉末医薬製剤と、
    薬剤として許容できる注射用媒体とを含むパーツキット。
  33. 薬剤およびマトリックス材料を含む多孔質微粒子を含む、患者に経口投与で送達するための徐放性医薬製剤であって、
    治療または予防有効量の上記薬剤が、上記製剤の経口投与後少なくとも2時間、上記微粒子から放出される製剤。
  34. 治療または予防有効量の上記薬剤が、経口投与後少なくとも4時間、上記微粒子から放出される請求項33に記載の製剤。
  35. 治療または予防有効量の上記薬剤が、経口投与後少なくとも8時間、上記微粒子から放出される請求項33に記載の製剤。
  36. 治療または予防有効量の上記薬剤が、経口投与後少なくとも16時間、上記微粒子から放出される請求項33に記載の製剤。
  37. 治療または予防有効量の上記薬剤が、経口投与後少なくとも24時間、上記微粒子から放出される請求項33に記載の製剤。
  38. 上記微粒子を、1種または複数の薬剤として許容できる経口投与用添加剤と組み合わせている請求項33から37のいずれか一項に記載の製剤。
  39. 請求項33から38のいずれか一項に記載の上記徐放性医薬製剤を患者に経口投与するステップを含む、薬剤を患者に送達する方法。
  40. 薬剤およびマトリックス材料を含む多孔質微粒子を含む、患者に局所投与で送達するための徐放性医薬製剤であって、
    治療または予防有効量の上記薬剤が、患者に局所投与後少なくとも2時間、上記微粒子から放出される製剤。
  41. 治療または予防有効量の上記薬剤が、局所投与後少なくとも12時間、上記微粒子から放出される請求項40に記載の製剤。
  42. 治療または予防有効量の上記薬剤が、局所投与後少なくとも24時間、上記微粒子から放出される請求項40に記載の製剤。
  43. 治療または予防有効量の上記薬剤が、局所投与後少なくとも2日間、上記微粒子から放出される請求項40に記載の製剤。
  44. 治療または予防有効量の上記薬剤が、局所投与後少なくとも7日間、上記微粒子から放出される請求項40に記載の製剤。
  45. 上記微粒子を、1種または複数の薬剤として許容できる局所投与用添加剤と組み合わせている請求項40から44のいずれか一項に記載の製剤。
  46. 請求項40から45のいずれか一項に記載の上記徐放性医薬製剤を患者に局所投与するステップを含む、薬剤を患者に送達する方法。
  47. マトリックス材料が、生体適合性合成ポリマー、脂質、疎水性分子、またはその組合せを含む請求項1から14、33から38、または40から45のいずれか一項に記載の製剤。
  48. 上記合成ポリマーが、ポリヒドロキシ酸、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアルキレン、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリアルキレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ポリハロゲン化ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリシロキサン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリウレタン、合成セルロース、ポリアクリル酸、ポリ酪酸、ポリ吉草酸、ポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、ならびにそのコポリマー、誘導体、およびブレンドからなる群から選択されるポリマーを含む請求項47に記載の製剤。
  49. 上記合成ポリマーが、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、またはポリ(ラクチド−コ−グリコリド)を含む請求項47に記載の製剤。
  50. 上記多孔質微粒子がさらに1種または複数の界面活性剤を含む請求項1から14、33から38、または40から45のいずれか一項に記載の製剤。
  51. 1種または複数の上記界面活性剤がリン脂質を含む請求項50に記載の製剤。
  52. 第2の薬剤をさらに含む請求項1から14、33から38、または40から45のいずれか一項に記載の製剤。
  53. 上記多孔質微粒子とブレンドさせた追加の微粒子をさらに含む請求項1から14、33から38、または40から45のいずれか一項に記載の製剤。
  54. 上記追加の微粒子が1種または複数の他の薬剤を含む請求項53に記載の製剤。
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