本発明では、多数の異なる形態の実施形態が可能であり、本発明の特定の実施例および実施形態を図面中に示し、本明細書中で詳細に説明しているが、本開示については、本発明の諸原理の例示として考えるべきであり、例示されたこれらの特定の実施例および実施形態だけに本発明を限定することは意図していないことを理解されたい。
以上で示したように、本発明の様々な実施形態は、図1に示されるような(PVTにわたって)非常に高精度な、低ジッタの自走し、セルフリファレンス式のクロック・ジェネレータおよび/またはタイミングおよび周波数のリファレンスを他の回路と一体化する機能を含めて非常に多くの利点を実現するものである。図1は、本発明の教示による、例示のシステムの実施形態150を示すブロック図である。図1に示すように、システム150は、インターフェース(I/F)(またはI/O(input/output入出力)回路)120と共に他の、または第2の回路180とモノリシックに一体化された、本発明のクロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンス100を有する単一の集積回路である。インターフェース120は、キャリブレーションや周波数選択などのために一般に電源(図示せず)などからの電源、グラウンド、および他の線またはバスをクロック・ジェネレータ100に提供することになる。図に示すように、1つまたは複数の出力クロック信号が、第1の周波数(f0)、第2の周波数(f1)から同様に(n+1)番目の周波数(fn)までなど、複数の周波数としてバス125上で供給される。さらに、電力節約モード(または低電力モード(LP))が(やはり、バス125上で)実現される。第2の回路180(またはI/F120)は、選択信号(S0、S1ないしSn)や1つまたは複数のキャリブレーション信号(C0ないしCn)などを介してクロック・ジェネレータ100に入力を供給することもできる。代わりに、これらの選択信号(S0、S1ないしSn)、および1つまたは複数のキャリブレーション信号(C0ないしCn)は、(線140上の)電源および(線145上の)グラウンドと一緒にバス135上などインターフェース120を介してクロック・ジェネレータ100に直接に供給されてもよい。
クロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンス100は、低電力モードに加えて、以下でより詳細に説明している追加モードを有する。例えば、クロック・モードにおいて、装置100は、1つまたは複数のクロック信号を出力信号として第2の回路180に対して供給することになる。第2の回路180は、例えばマイクロプロセッサ、「DSP」(digital signal processorデジタル信号処理プロセッサ)、無線周波数回路などのどのようなタイプまたは種類の回路でも、あるいはこれらの1つまたは複数の出力クロック信号を利用することができる他のどのような回路であってもよい。また例えばタイミングまたは周波数のリファレンス・モードにおいて、装置100からの出力信号は、第2の発振器についての同期化のためのリファレンス信号などのリファレンス信号であってもよい。結果として、専門用語のクロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンスは、このクロック・ジェネレータが一般には方形波信号をも供給することになるという理解と共に、本明細書中において交換可能なようにして利用されることになり、この信号には、タイミング/周波数リファレンスが提供されても提供されなくてもよく、この信号は、その代わりに実質的な正弦波信号を利用してもよい。さらに、以下でより詳細に説明されるように、本発明の様々な実施形態は、パルス化モードも提供しており、このモードにおいてはクロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンス100からの出力信号は、例えば命令処理効率を増大させ電力消費を低下させるためにバーストでまたは間隔を開けて供給される。
様々な信号は、例えば「実質的な」正弦波または方形波と称されることに留意されたい。これは、このような信号が教科書で見出されるもっと理想的な図とは実際に異なるようにしてしまう可能性がある様々な変動、ノイズ源および他のひずみに対応することができることである。例えば、以下でより詳細に説明するように、例示の「実質的な」方形波信号は、図15Aおよび15Bに示されており、アンダーシュート、オーバーシュート、および他の変動など様々なひずみを示し、それにもかかわらず実際には非常に高品質の方形波であるものと考えられる。
本発明のいくつかの重要な特徴は、システム150にある。第1に、非常に高精度な、低ジッタの、自走し、セルフリファレンス式のクロック・ジェネレータ100が、他の(第2の)回路180とモノリシックに一体化されて単一の集積回路(システム150)が形成される。これは、従来技術とは明らかな対照をなしており、従来技術においては、結晶リファレンス発振器などのリファレンス発振器を使用してクロック信号を供給し、この結晶リファレンス発振器は、他の回路と一体化することができず、回路基板を介して任意の追加回路に接続する必要がある第2の別個のデバイスとしてオフチップになっている。例えば、本発明によれば、クロック・ジェネレータ100を含めてシステム150は、現代のIC製造において利用される従来のCMOS、BJT、BiCMOS、または他の製造技術を使用して他の第2の回路と共に製造することができる。
第2に、別個のリファレンス発振器は必要とされない。もっと正確に言えば、本発明によれば、クロック・ジェネレータ100は、セルフリファレンス式であり自走しており、従来技術では一般的となっている位相ロック・ループ(「PLL」)、遅延ロック・ループ(「DLL」)の形で、またはリファレンス信号に対する注入ロッキングを介して同期化されるなど、別個のリファレンス発振器は参照されず、また別の信号に対してロックされないようになっている。
第3に、クロック・ジェネレータ100は、周波数を低レイテンシでグリッチがないようにスイッチングすることができるように、複数の出力周波数と電力節約モードを実現する。例えば、第2の回路180は、バッテリ・モードや低周波数モードなどの電力節約モードにシフトすることができ、(選択信号を介して)電力消費を最小限にするためのより低いクロック周波数を要求し、あるいは低電力クロック信号を要求してスリープ・モードに入ることができる。以下でより詳細に説明するように、このような周波数スイッチングは、PLL/DLL発振器からこの出力周波数を変更するために必要とされる数千のクロック・サイクルではなくて、単にほんの一握りのクロック・サイクルだけを使用して(利用されるグリッチ防止ステージ数に比例して)グリッチ防止のために導入される低レイテンシを伴った実質的に無視可能なレイテンシで実現される。
さらに、以下で説明しているクロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンス100のかなり高い使用可能な出力周波数を仮定すると、新しい動作モードが使用可能である。例えば、クロック・スタートアップ・タイムは、事実上または実質的に無視可能であり、それにより、クロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンス100を電力節約のために完全にオフしまたはパルス化するなど反復して開始し停止することができるようになる。例えば、クロックとして連続的に実行するのではなくて、クロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンス100は、プロセッサなどの第2の回路180によって命令処理するために比較的短い離散的な間隔で、またはバーストで(すなわち、パルス化して)、周期的にまたは非周期的に動作させることができる。以下でより詳細に説明しているように、より多くの命令(毎秒百万命令またはMIPS)が、電力消費についてミリワット(mW)当たりに処理されるので、高速なスタートアップ・タイムと共に、このようなパルス動作は電力節約を実現する。さらに、このようなパルス化モードを利用して、他の使用に加えて第2のクロックまたは発振器を定期的に同期化させることもできる。結果として、クロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンス100(および以下で説明している他の実施形態)は、クロック・モード、タイミングおよび/または周波数リファレンス・モード、電力節約モード、およびパルス化モードを含めて複数の動作モードを有する。
第4に、以下でより詳細に説明しているように、クロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンス100は、製造プロセス、電圧、および温度の(「PVT」の)変動にわたっての非常に高精度な周波数生成のための機能を含んでいる。これらの機能は、周波数チューニングおよび周波数選択と、温度および/または電圧の変動と製造プロセスの変動に起因して引き起こされる可能性のある周波数変動についての補償を含んでいる。
第5に、クロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンス100は、数百MHzおよびGHz帯などにおける非常に高いまた比較的高い周波数を生成し、この周波数が、次いで複数のより低い周波数に分周される。このような「N」(整数の比としての有理数)による各分周により、位相ノイズがNだけ低下させられ、ノイズ電力がN2だけ低下させられて、かなりのノイズ低下がもたらされる。結果として、本発明のクロック・ジェネレータにより、リング発振器など他の発振器を用いて入手可能なものに比べてかなり低いジッタしかもたらされないことになる。
これらの機能は、図2により詳細に説明されており、図2は、本発明の教示による、第1の例示の装置200の実施形態を示すブロック図である。図2に示すように、装置200は、周波数セレクタ205を使用して選択される複数の周波数のうちの任意の周波数を有するクロック信号やリファレンス信号など、1つまたは複数の出力信号を供給するクロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンスである。この装置(またはクロック・ジェネレータ)200は、(共振エレメントを有する)発振器210と、周波数コントローラ215と、周波数分割器220と、モード・セレクタ225と、前述の周波数セレクタ205を含んでいる。本発明によれば、この発振器210は、比較的高い周波数f0を有する信号を生成する。前述のPVT変動に起因して、発振周波数f0が、複数の可能性のある発振周波数から選択可能なように周波数コントローラ215を利用して周波数を選択し、または発振器210をチューニングしており、すなわち周波数コントローラ215は、PVT変動にわたって高精度である周波数を有する出力信号を供給する。
例えば、これらのPVT変動を仮定すると、発振器210などの発振器からの出力周波数は、プラス5%またはマイナス5%変化してしまうこともある。リング発振器を利用した用途など、一部の用途では、このような周波数可変性は、受け入れることができることもある。しかし、本発明によれば、集積化されたマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号処理プロセッサ、通信コントローラなどのためのクロック信号を供給するなど、より影響を受けやすい用途、あるいは複雑な用途では特に、クロック・ジェネレータ200についてのさらに高い精度が望ましい。結果として、この発振器からの出力周波数が±0.25%以下などの数桁程度だけ変動が少ないように選択される、または所望の周波数f0となり、比較的低いジッタを有するように、周波数コントローラ215を利用してこれらのPVT変動について調整が行われる。
性能を改善し、ジッタ(ノイズ)および他の干渉を減少させるために、一般的にPLLおよびDLLを使用して行われるように、低周波数出力を生成し、それをより高周波数へと逓倍する代わりに、本発明では、比較的高周波数の出力f0を生成し、この高周波数の出力が次いで周波数分割器220を使用して1つまたは複数のより低い周波数(f1ないしfn)へと分周される。周波数分割器220からの複数の周波数のうちの1つまたは複数の周波数を有するクロック信号を、次いで周波数セレクタ205を使用して選択することができる。以上に示すように、このような周波数選択は、グリッチなしに低レイテンシで実現され、比較的高速また非常に高速なグリッチのない周波数スイッチングが実現される。さらに、複数の動作モードが、モード・セレクタ225を使用して実現される。
図3は、本発明の教示による、クロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンス300としての第2の例示の装置の実施形態をより詳細に示すブロック図である。図3を参照すると、クロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンス300は、共振器310、持続する増幅器305、温度補償器315、プロセス変動補償器320、周波数キャリブレーション・モジュール325、1つまたは複数の係数レジスタ340を備えており、この選択された実施形態に応じて周波数分割器および方形波ジェネレータ330、電圧アイソレータ355、共振周波数セレクタ360、出力周波数セレクタ335およびモード・セレクタ345を含んでいてもよい。持続する増幅器305、温度補償器315、プロセス変動補償器320、電圧アイソレータ355、共振周波数セレクタ360、および周波数キャリブレーション・モジュール325は、多くの場合に周波数コントローラ215などの周波数コントローラの内部に含まれる。また、(330のうちの)方形波ジェネレータは、タイミングまたは周波数のリファレンスの実施形態においては必要とされなくてもよいことにも留意されたい。
共振器310は、LC−タンクを形成するように結合されたインダクタ(L)やキャパシタ(C)など、エネルギーを蓄えるどのようなタイプの共振器であってもよく、ここでこのLC−タンクは、複数のLC−タンク構成のうちの選択された構成を有しており、あるいはそうでなければキャパシタに結合されたインダクタに電気的にまたは電気機械的に等価であり、またはそれ以外の方法で、一般的にキャパシタに結合されたインダクタとして当技術分野において表される。LC共振器に追加して、他の共振器も等価であり本発明の範囲内に含まれるものと考えられる。例えば、共振器310は、セラミック共振器、機械的共振器(例えば、XTAL)、マイクロエレクトロメカニカル(「MEMS」)共振器、またはフィルム・バルク音響共振器(film bulk acoustic resonator)であってもよい。他の場合には、様々な共振器は、電気的または電気機械的な類似性によってLC共振器として表されてもよく、また本発明の範囲内に含まれる。例示の実施形態においては、LC−タンクは、高いQ−値を実現するために共振器として利用されてきている。
持続する増幅器305は、共振器310についてのスタートアップ増幅も持続する増幅も実現する。温度補償器315は、共振器310についての周波数制御を実現して、温度に起因する変動に基づいてこの発振周波数を調整する。選択された実施形態においては、望まれ、または必要とされる制御の程度に応じて、温度補償器315は、選択された実施形態について以下で示しているように電流と周波数の両方にわたっての制御を含んでいてもよい。同様に、プロセス変動補償器320は、共振器310についての周波数制御を実現して、半導体製造技術に固有のプロセス変動に基づいて、すなわち所与のファウンドリ内のプロセス変動(例えば、バッチ変動またはラン変動、所与のウェーハ内の変動、同じウェーハ内のダイごとの変動)にも、異なるファウンドリおよびファウンドリ・プロセス(例えば、130nmプロセスおよび90nmプロセス)の間のプロセス変動にも共に基づいてこの発振周波数を調整する。周波数キャリブレーション・モジュール325を利用して、共振器310において発生する可能性のあるこれらの発振周波数の中からその所望の出力周波数f0を微調整し選択し、すなわち複数の使用可能な周波数または可能性のある周波数から出力周波数f0を選択する。選択された実施形態においては、係数レジスタ340を利用して、以下でさらに詳細に説明している様々な例示の補償器およびキャリブレーションの実施形態において利用される係数値を記憶する。
この温度補償およびプロセス補償に加えて、電圧アイソレータ355は、電源などからの電圧の変動からの分離を実現し、また個別に、あるいは温度補償器315の一部分としてなど他のコンポーネントの一部分として実装することもできる。これらのPVT変動についての周波数調整に加えて、この共振周波数は、使用可能な周波数の範囲から選択される周波数を得るために共振周波数セレクタ360を介して独立に選択されてもよい。
クロック信号生成については、クロック・ジェネレータ300は、(モジュール330中の)周波数分割器を利用して、出力発振周波数f0を複数のより低い周波数(f1ないしfn)に変換し、(やはりモジュール330中の)方形波ジェネレータを使用して、実質的な正弦波発振信号をクロック用途のための実質的な方形波信号へと変換する。次いで、周波数セレクタ335は、これらの複数の周波数を有するこれらの使用可能な出力信号のうちの1つまたは複数の出力信号の選択を実現し、モード・セレクタ345は、低電力モード、パルス化モード、リファレンス・モードなどを提供するなどの動作モードの選択も実現することができる。これらのコンポーネントを使用して、クロック・ジェネレータ300は、このようなPVT変動に起因する周波数ドリフトが最小限から無視できる、複数の(PVTにわたって)非常に高精度な低ジッタの安定した出力周波数f0、f1ないしfnを実現しており、それによって前述のように影響を受けやすい、または複雑な用途のための十分な精度と安定性が実現される。
図4は、本発明の教示による、例示の周波数コントローラ、発振器および周波数キャリブレーションの実施形態を示す高レベルの概略ブロック図である。図4に示すように、この共振器は、共振LCタンク405として実施され、この周波数コントローラは、いくつかのエレメント、(この持続する増幅器を実装するために使用される)負の相互コンダクタンス増幅器410、温度応答(または温度依存)電流ジェネレータ(I(T))415、温度応答(または温度依存)周波数(f0(T))補償モジュール420、プロセス変動補償モジュール425として実施され、周波数キャリブレーション・モジュール430を含んでいてもよい。これらの様々な温度応答または温度依存のモジュール415および420は、温度変動の影響を受けやすく、または温度変動に敏感であり、この共振周波数がこれらのPVT変動にわたって高精度であるように、対応する調整を実現する。
持続する増幅器を伴う共振LCタンク405についても、高調波発振器または高調波コアとして同様に説明することができ、このようなすべての変形形態も、本発明の範囲内に含まれる。共振LCタンク405は、キャパシタ440と並列のインダクタ435であるが、キャパシタンスと直列なインダクタンスなど他の回路トポロジについても知られており、説明されているトポロジと等価であることに留意されたい。このような他の等価なトポロジについては図8に示されている。さらに、以上で指摘したように、他のタイプの共振器についても利用することができ、すべては本明細書中で示されるこの例示の共振LCタンクと等価であると考えられる。さらに、以下でより詳細に説明しているように、固定されたものも可変なものも共に追加のキャパシタンスが、これらの様々なモジュールに分散され、共振LCタンク405の一部分を効果的に形成する。さらに、対応する抵抗(またはインピーダンス)RL445およびRC450は、別々に示されているが、これらはそれぞれインダクタ435およびキャパシタ440に固有なものであり、製造の一部分として行われ、それぞれのインダクタ435およびキャパシタ440に対する追加でも、またこれらと別個のコンポーネントでもないことを理解されたい。逆に、このような抵抗は、PVT変動についての補償の一部分として含めることも可能である。
この共振LCタンクまたは発振器405のインダクタ435およびキャパシタ440は、サイズ変更されて、実質的または近似的にこの選択された発振周波数f
0、またはf
0の周囲の発振周波数帯を実現する。さらに、インダクタ435およびキャパシタ440は、サイズ変更して、周波数が高くなるにつれてより少ない面積しか必要としないというICレイアウトの面積要件を有し、または満たすことができる。以下で説明しているように、温度変動およびプロセス変動ならびに他のひずみと共にインピーダンスR
LやR
Cなど他のファクタは、f
0に影響を及ぼすので、当業者なら、
が成り立つが、一次の近似にすぎないことが理解されよう。例えば、インダクタ435およびキャパシタ440をサイズ変更して1〜5GHzの範囲の共振周波数を生成することができる。他の実施形態においては、より高い周波数またはより低い周波数が望ましいこともあり、このような周波数はすべて本発明の範囲内に含まれる。さらに、インダクタ435およびキャパシタ440は、任意の半導体回路プロセス技術または他の回路プロセス技術を使用して製造することができ、例えばCMOSと互換性があり、バイポーラ接合トランジスタと互換性があるようにすることができるが、他の実施形態においては、インダクタ435およびキャパシタ440は、やはり例えば制限なしに、SOI(silicon−on−insulatorシリコン・オン・インシュレータ)技術、MiM(metal−insulator−metal金属絶縁膜金属)技術、PiP(polysilicon−insulator−polysiliconポリシリコン絶縁膜ポリシリコン)技術、GaAs技術、ひずみシリコン技術、半導体ヘテロ接合技術、またはMEMSベースの(マイクロエレクトロメカニカル)技術を使用して製造することができる。このようなすべての実装形態および実施形態は、本発明の範囲内に含まれることを理解されたい。さらに、共振LCタンク405に加えてまたはその代わりに、他の共振器および/または発振器の実施形態についても利用することができ、またこれらは本発明の範囲内に含まれる。本明細書中で使用されるように、「LCタンク」は、発振を実現することができる、ただし実施される任意のまたすべてのインダクタおよびキャパシタの回路のレイアウト、構成またはトポロジを意味し言及することになる。CMOS技術などの従来プロセスを使用して製造すべき発振器405の機能により、このクロック・ジェネレータは、第2の回路180など他の回路と一体化してモノリシックに製造することができるようになり、本発明の明確な利点がもたらされることに留意されたい。
さらに、図4に示されるキャパシタンス440は、共振LCタンク405の共振および周波数決定に関与する全体のキャパシタンスのうちの一部分にすぎず、固定されたキャパシタンスである。選択された実施形態において、この固定されたキャパシタンスは、一例としてこの発振器において最終的に利用される全キャパシタンスのうちのほぼ10%から90%を表すことができる。以下でより詳細に説明しているように、追加の固定された、可変なキャパシタンスが、クロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンス300内に選択的に含まれ、例えば温度応答周波数(f0(T))補償モジュール420およびプロセス変動補償モジュール425によって実現されて、共振周波数f0を選択することも、共振周波数f0が温度変動にもプロセス変動にも実質的に独立であるようにできることも実現するように、この全体のキャパシタンスは、分散される。
これらの選択された実施形態において、インダクタンス435は固定されているが、可変なように、あるいは固定されたインダクタンスと可変なインダクタンスの組合せとしても実装することができる。結果として、当業者なら、周波数チューニングのためのものも温度およびプロセスに独立にするためのものも、固定され可変なキャパシタンスについての詳細な説明は、インダクタンスの選択にも同様に関係があることが理解されよう。例えば、異なるインダクタンスをこの発振器にスイッチングして含め、または外して、同様にチューニングを実現することができる。さらに、単一のインダクタのインダクタンスについても調整することができる。結果としてこのようなすべてのインダクタンス変動およびキャパシタンス変動についても、本発明の範囲内に含まれる。
また図4に示されるように、共振LCタンク405と、ノードまたは線470と475における第1の(出力)信号と呼ばれる結果として生じる出力信号は、差動信号であり、共通モード阻止性能(common−mode rejection)を実現する。非差動形構成または他のシングル・エンド形構成を含めて他の構成もまた、本発明の範囲内に含まれる。例えば、シングル・エンド形構成においては、図に示されるようなバランス化された構成についての2つを使用するのではなくて、様々なモジュール(例えば、435、460)のうちの1つのインスタンシエイションだけが必要とされないはずである。同様に、周波数分割器など以下で説明している他のコンポーネントや機能も、差動形構成ではなくてシングル・エンド形の構成を有するはずである。さらに、例示された様々な実施形態は、(CMOS、AMOS、IMOSなど)様々な形態のMOSFETトランジスタを利用している。しかし、「BJT」(bipolar junction transistorバイポーラ接合トランジスタ)やBiCMOSなどを使用した他の実装形態もまた使用可能である。このようなすべての実施形態は、等価であると考えられ、本発明の範囲内に含まれる。
負の相互コンダクタンス増幅器410が選択されて、相互コンダクタンス(gm)の調整およびその抵抗器のオン抵抗を介して温度補償が実現される。相互コンダクタンス(gm)の調整は、周波数選択において独立に利用することもできる。発振振幅も周波数もこの持続する増幅器の相互コンダクタンスの影響を受け、温度補償を実現するのに加えて振幅変調も周波数トリミング(またはチューニング)も実現するので、本発明の他の重要な利点は、スタートアップ増幅および持続する増幅を実現するために負の相互コンダクタンス増幅器410を選択することである。負の相互コンダクタンス増幅器410は、図に示すように(ノード470と475にまたがった)共振LCタンク405の両端間の電圧に応じて電流を共振LCタンク405に(また特にキャパシタ440へと)注入することになる。この電流注入は、次に(電圧がこの電流の積分であるので)この電圧波形を変化させ(および変形させ)、図5Aに示されるように一般に相互コンダクタンスgmの大きさに逆比例して周波数の変化または変形をもたらすことになる。ゲインがこの共振エレメントに固有の損失をキャンセルするように提供されるのでこの相互コンダクタンスは、負の値となることに留意されたい。結果として、「相互コンダクタンス増幅器」が本明細書中で用いられるときはいつでも、「負の相互コンダクタンス増幅器」を意味し、単にその省略形にすぎないことを理解されたい。同様に、相互コンダクタンスは、(MOSFETについての)増幅器410を流れる電流(yI(x))の平方根に実質的に比例し(ほぼ等しく)、また温度に依存する(BJTについての)増幅器410を流れる電流(yI(x))に実質的に比例する(ほぼ等しい)このバイアス電流の関数でもあり、図5Bに示されるように温度にも電流バイアスにも依存する波形ひずみをもたらす。さらに、図5Cに示されるように、この発振周波数はまた、この持続する負の相互コンダクタンス増幅器410の相互コンダクタンスに関連しており、この相互コンダクタンスの関数でもあり、発振周波数の選択を実現する。さらに、(I(T)としての)温度依存性に加えて、この電流はまた、電圧チューニングや外部チューニングなど(I(x)としての)他の変数の関数として変化する可能性もあり、(以下に示しているように)「y」のファクタなどだけ増幅することができ、結果としてこの電流は、「yI(x)」と称される。
本発明の重要な発明のブレークスルーは、これらの可能性のあるひずみを有利に利用して、この発振器の選択されたf0値を生成する際における周波数補償と、この持続する増幅器の相互コンダクタンスの調整を介しての周波数変調とを実現することを含んでいる。結果として以下でより詳細に説明しているように、この相互コンダクタンスを第1に周波数を選択するために修正しまたは変化させて、第2に、一般にリアルタイムにまたはリアルタイムに近いベースでこの電流yI(x)を修正することにより、温度または電圧に起因したこのような周波数変動について補償することができる。本発明による、選択された周波数f0と、その温度変動に関する安定性は、この相互コンダクタンスgmの適切な選択とI(T)の選択を介して決定することができる。別の言い方をすれば、本発明によれば、このバイアス電流は、I(T)として(または、より一般にはyI(x)として)温度に依存させられ、これが次にこの相互コンダクタンスgmに影響を及ぼし、これが次に発振周波数f0に影響を及ぼす。この方法は、電圧変動など他の変数のために利用することもできる。
図6は、本発明の教示による例示の負の相互コンダクタンス増幅器、温度応答電流ジェネレータ(I(T))、およびLCタンク共振器の実施形態を示す回路図である。図6に示されるように、共振LCタンク500は、(トランジスタM1、M2、M3およびM4から構成される)相補形クロス結合対増幅器505として実装される負の相互コンダクタンス増幅器に結合されており、この増幅器は次に電流ミラー510(トランジスタ525Aおよび525B)として実装される電圧アイソレータを介して温度応答電流ジェネレータ(I(x))515に結合されている。電流ミラー510は、電源の変動に伴う改善された安定性を実現し、この電源からこの発振器を分離(電圧分離)するためなどにカスコード・トポロジ(520Aおよび520B)の形に実装することもできる。温度応答電流ジェネレータ515は、図7A、7Bおよび7Cにそれぞれ示されるようなCTAT(complementary to absolute temperature絶対温度に対して相補的)、PTAT(proportional to absolute temperature絶対温度に比例)、またはPTAT2(proportional to absolute temperature squared絶対温度の2乗に比例)、図7Dに示されるようなCTATと、PTATと、PTAT2との組合せなどのトポロジを利用して実装することができる。各場合において、この負の相互コンダクタンス増幅器(相補形クロス結合対増幅器)505に注入される電流I(T)(またはyI(x))は、図に示されるように増大する温度の関数として増大する電流(PTATおよびPTAT2)や減少する電流(CTAT)などの温度依存性を有する。これらの温度応答電流ジェネレータの1つまたは複数の組合せは、例えばPTATに並列なCTATなど図7Dに示されるように実装することもできる。
特定の温度応答電流ジェネレータまたは温度依存電流ジェネレータの選択はまた、利用される製造プロセスの関数でもある。例えば、CTATは、TSMC(Taiwan Semiconductor台湾セミコンダクター)社の製造プロセスについて利用することができる。より一般的には、異なる製造業者は、アルミニウムや銅など、異なる材料を利用するので、RLは、一般的には変化し、異なる温度係数をもたらし、これらの温度係数が、次にこの発振器の温度係数を変化させ、それによりI(T)補償における違いが必要となる。これに対応して、CTAT補償、PTAT補償、およびPTAT2補償の異なる比率は、温度の関数として事実上平坦な周波数応答を実現するために必要とされることもある。別々に示してはいないが、図7A、7B、7Cおよび7Dに示されるこれらの様々な温度応答電流ジェネレータは、当技術分野において知られているように実装することができるスタートアップ回路を含んでいてもよい。さらに、この選択された温度応答電流ジェネレータ構成を備えるこれらのトランジスタは、示されるこれらの例示のトポロジについて、CTAT(M7およびM8)とPTAT2(M13およびM14)についての強い反転に、PTAT(M9およびM10)とPTAT2(M11およびM12)についてのサブスレッショルド(subthreshold)にバイアスするなど異なるようにバイアスすることができる。
図8は、本発明の教示による、追加の例示の負の相互コンダクタンス増幅器、温度応答(または温度依存)電流ジェネレータ(I(T)またはI(x))、およびLCタンク共振器の実施形態を示す回路およびブロック図である。図8に示されるように、共振LCタンク550は、以前に示されているものに比べて異なるトポロジを有しているが、これもまた相補形クロス結合対増幅器505(トランジスタM1、M2、M3、およびM4)として実装される負の相互コンダクタンス増幅器に結合されており、この増幅器は次に複数の電流ミラー510(または520)および530を介して温度応答(または温度依存)電流ジェネレータ(I(T)またはI(x))515に結合される。図に示すようにこれらの複数の電流ミラーを利用して、負の相互コンダクタンス増幅器505および共振LCタンク550に逐次的にゲインを与え、これらに入る電流I(T)を増大させる。多くの場合に、ノードBに電流を供給し、この負の相互コンダクタンス増幅器を駆動する電流ミラー中のテール・デバイス(tail device)(例えば、図6中のトランジスタM6)は、PMOSデバイスであるように選択され、このようにして、数ステージのミラーリングがこのgm増幅器に対してPMOS電流ミラー入力を供給するために(図に示すように)必要とされることもある。現代のCMOSプロセスにおいては、PMOSデバイスは、しばしば同様なサイズの同様にバイアスされたNMOSデバイスに比べて、より少ないフリッカ・ノイズしか示さないことが知られている埋め込みチャネル・デバイスであることがあるため、PMOSは選択されることが多い。フリッカ・ノイズは、この回路中の非線形能動デバイスによって、この発振周波数の周囲で高い周波数に変換されるので、このテール・デバイス中の減少させられたフリッカ・ノイズは、この発振器の位相ノイズおよびジッタを減少させる。
以上で指摘したように、負の相互コンダクタンス増幅器505に電流を供給する電流ミラー510または520(あるいは他の回路)のこの一部分は、長いトランジスタ形状およびカスコード構成を使用して出力抵抗を増大させ、ノードBにおけるかなりの安定性を実現することなどにより、その出力を高インピーダンスにして電源周波数ドリフトを低下させるべきである。さらに、シャント・キャパシタ570を使用して、フィルタをかけ、それによってこれらの様々なテール・デバイスからのフリッカ・ノイズを低下させることもできる。
選択された用途に応じて、そのI(T)(またはyI(x))バイアスと共に負の相互コンダクタンス増幅器505を使用することにより、これらの追加の周波数コントローラ・コンポーネントがこの用途において必要でないこともあり、また望ましくないこともあるように、十分な周波数安定性を実現することができる。しかし、他の実施形態においては、以下でより詳細に説明している1つまたは複数のコンポーネントを使用して、さらなる精度および周波数ドリフトの少なさを実現することができる。
温度依存電流yI(x)(またはI(T))を供給することに加えて、これらの様々なトランジスタM1、M2、M3、およびM4はそれぞれ、導電中に関連する抵抗を有し、この抵抗はまた、発振中に周波数ひずみと周波数ドリフトを引き起こしてしまう傾向もある。各半サイクル中にM1およびM4、またはM2およびM3は、オンであり導通している。このような抵抗はまた、温度に依存している。結果として、これらのトランジスタM1、M2、M3、およびM4は、サイズ(幅および長さ)が調整され、またこのような周波数の影響を補償すべきである。共振LCタンク405に注入される電流は、(図5Cに示されるように)発振を持続するのに十分である必要があり、結果として最小値を有することになり、この最小値は、負の相互コンダクタンス増幅器410(または505)および温度依存電流ジェネレータ415(または515)を介して簡単に実装することができる周波数制御の程度または機能を制限することもあることに留意されたい。結果として、I(T)と、トランジスタ(M1、M2、M3、およびM4)サイジングを一緒に選択して、発振スタートアップを実現し、電力消費制約についての最大電流に対応できるようにし、この選択されたIC面積およびレイアウトに合わせるべきである。例えば、相互コンダクタンスgmを選択して、温度を上昇させると周波数が減少する周波数特性を有するようにし、その後、トランジスタM1、M2、M3、およびM4をその周波数を温度から独立にし、または温度を上昇させると共に周波数が高くなるように十分に大きくサイジングし、その後、I(T)を適切に選択して周波数−温度の関係を微調整することにより、スタートアップを確実にし、発振を持続させるのにほぼ十分な電流を供給することができる。選択されたモデル化された実施形態においては、これにより、PVTにわたってほぼ±0.25%から0.5%の周波数精度がもたらされており、これは、多くの用途のために十分すぎるほどのこともある。
図4をもう一度参照すると、追加の補償モジュールを利用して、より高い精度およびそり少ない変動(または周波数ドリフト)が必要とされることもある用途などについて共振周波数f0にわたってのより高い制御および精度が実現され、あるいは、ここで諸技術により、従来の技法では、ほぼ±0.25%またはそれより良好な周波数精度を実現するなど、PVT変動にわたっての十分な精度を実現することができなくなる。これらの状況においては、この例示の温度応答周波数(f0(T))補償モジュール420などの温度依存(または温度応答)周波数(f0(T))補償モジュール420を利用することができる。このモジュール420は、例えば、それぞれが共振LCタンク405の各サイドまたはレール(線470および475)に結合され、またそれぞれが共通の制御の下にある、第1の複数(「w」)のスイッチング係数(p0ないしp(w−1))(レジスタ445)によって実現される制御可能キャパシタンス・モジュール435と、第2の複数(「x」)のスイッチング係数(p0ないしp(x−1))(レジスタ450)によって決定される制御電圧を供給する電圧コントローラ(VCTRL)440とを利用して、実装することができ、代表的な実施例が、図9および10に示されている。
図9は、本発明の教示による例示の制御可能キャパシタンス・モジュール635を示す回路図であり、このキャパシタンス・モジュールは、周波数温度補償モジュール420における(また共振LCタンク405の各サイド(ノードまたは線470および475)に取り付けられた)制御可能キャパシタンス・モジュール435として利用することができる。図に示すように、この制御可能キャパシタンス・モジュール635は、2進数の重み付けが行われた固定キャパシタ(Cf)620と可変キャパシタ(バラクタ)(Cv)615の複数(w)のスイッチ可能容量性モジュール640のバンクまたはアレイから構成される。任意タイプの固定キャパシタ620と可変キャパシタ(バラクタ)615を利用することができる。すなわち選択された実施形態においては、バラクタ615は、A−MOS(accumulation mode MOSFET蓄積モードMOSFET)、I−MOS(inversion mode MOSFET反転モードMOSFET)、および/または接合/ダイオード・バラクタである。各スイッチ可能容量性モジュール640は、同じ回路レイアウトを有しており、それぞれは、2進数の重み付けされたキャパシタンスだけ異なっており、スイッチ可能容量性モジュール6400は1ユニットのキャパシタンスを有し、スイッチ可能容量性モジュール6401は2ユニットのキャパシタンスを有し、以下同様に、スイッチ可能容量性モジュール640(w−1)は2(w−1)ユニットのキャパシタンスを有し、各ユニットは、(一般的にフェムトファラッド(fF)またはピコファラッド(pF)の単位における)特定のキャパシタンス値を表している。
各スイッチ可能モジュール640内において、それぞれの固定キャパシタンスと可変キャパシタンスは、最初は等しく、この可変キャパシタンスは、ノード625に供給される制御電圧に応じて変化することが可能である。この制御電圧は、次には温度と共に変化し、また温度の関数として変化することにもなる制御キャパシタ・モジュール635によって実現される全体キャパシタンスまたは合計キャパシタンスをもたらし、次にはこれを利用してこの共振周波数f0が変化させられる。また各スイッチ可能容量性モジュール640内において、この固定キャパシタンスCfまたはこの可変キャパシタンスCvが、両方共ではないが、スイッチング係数p0ないしp(w−1)を使用してこの回路にスイッチングされて含められる。例えば、この選択された実施形態において、所与のまたは選択されたモジュール640では、その対応する「p」係数がロジック・ハイ(または高電圧)であるときに、この対応する固定キャパシタンスCfがスイッチングされてこの回路に含められ、この対応する可変キャパシタンスCvがスイッチングされてこの回路から外され(このデバイスが、AMOSであるかIMOSであるかに応じて、それぞれ電源レールVDDまたはグラウンド(GND)に結合されて、浮遊ノードを回避し、このタンクに提示されるキャパシタンスを最小にされ)ることになり、またその対応する「p」係数がロジック・ロー(または低電圧)であるときに、この対応する固定キャパシタンスCfがスイッチングされてこの回路から外され、この対応する可変キャパシタンスCvがスイッチングされてこの回路に含められ、ノード625上に供給される制御電圧に結合される。
例示の実施形態においては、合計で8つのスイッチ可能容量性モジュール640(および対応する第1の複数の8つのスイッチング係数p0ないしp7)が実装されて、固定キャパシタンスと可変キャパシタンスの256個の組合せが実現されている。その結果、温度変動の関数としての発振周波数に対する重要な制御が実現される。
図10は、本発明の教示による、(周波数温度補償モジュール420の)制御可能キャパシタンス・モジュール635中の制御電圧を供給するために利用される例示の温度依存電圧制御モジュール650を示す回路図である。図に示すように、電圧制御モジュール650は、PTAT電流ジェネレータ、PTAT2電流ジェネレータおよび/またはCTAT電流ジェネレータの1つまたは複数の組合せを使用して、以前に説明したような電流ジェネレータ655を使用した温度依存電流I(T)(または、より一般的に電流I(x))を生成し、別個のジェネレータ655を設ける代わりに、負の相互コンダクタンス増幅器410と、利用されるI(T)ジェネレータ415を共用することができる。温度依存電流I(T)(またはI(x))は、すべて並列に構成されている、複数のスイッチ可能抵抗性モジュールまたはブランチ675のアレイまたはバンクと、固定容量性モジュールまたはブランチ680に対して電流ミラー670を介してミラーリングされる。抵抗685は、例えば拡散抵抗(pまたはn)、ポリシリコン、金属抵抗、サリサイドまたは非サリサイドのポリシリコン抵抗、あるいはウェル抵抗(pウェルまたはnウェル)など任意のタイプ、または異なるタイプの組合せでもよい。各スイッチ可能抵抗性モジュール675は、第2の複数(「x」)のスイッチング係数q0ないしq(x−1)の対応する「q」係数によって電圧制御モジュール650にスイッチングされて含められ、または外される。(その対応する係数がロジック・ハイまたは高電圧であるときなど)スイッチ可能抵抗性モジュール675がこの回路にスイッチングされて含められるときに、その対応する抵抗685の両端に結果として生じる電圧もまた、この温度依存電流I(T)に起因して温度依存性がある。選択された実施形態においては、3つのスイッチ可能抵抗性モジュール675が利用され、8つのブランチの組合せがもたらされた。その結果、ノード625に供給される制御電圧もまた、温度の関数であり、それによって制御可能キャパシタンス・モジュール635中の可変キャパシタ615に対する温度依存性または感度がもたらされる。
第1の複数のスイッチング係数p0ないしp(w−1)と、第2の複数のスイッチング係数q0ないしq(x−1)は、本発明のクロック・ジェネレータを有する代表的なICをテストすることにより、製造後に決定される。例示の実施形態において、この第1の複数のスイッチング係数p0ないしp(w−1)は、様々な組合せの係数をテストすることにより、最初に決定されて、粗いレベルの調整が実現され、変化する周囲温度の関数として実質的にまたはほとんど平坦な周波数応答がもたらされる。次いで、この第2の複数のスイッチング係数q0ないしq(x−1)は、やはり様々な組合せの係数をテストすることによって決定されて、より細かいレベルの調整が実現され、変化する周囲温度の関数として実質的にまたかなり平坦な周波数応答がもたらされる。次いで、この第1および第2の複数の係数が、この選択された処理ラン(またはバッチ)において製造されるすべてのICにおけるそれぞれの抵抗445および450にロードされる。他の状況の下ではこの製造処理に応じて、精度をさらに高くするために各ICを別々にキャリブレーションすることができる可能性もある。結果として、負の相互コンダクタンス増幅器410およびI(T)ジェネレータ415によって実現される温度補償に関連して、このクロック・ジェネレータの全体的な周波数応答は、温度変動に実質的に独立となる。
結果として、共振LCタンク405に与えられる全体的なキャパシタンスは、固定部分と可変部分の組合せの形に分散され、可変な部分は、温度補償を実現するように反応し、それによってこの共振周波数f0が制御される。この回路(制御キャパシタ・モジュール635)にスイッチングして含められる可変キャパシタンスCvが大きくなればなるほど、周囲温度の変動に対するこの反応は、より大きなものとなる。
温度補償を実現するのに加えて、スイッチングされるまたは制御可能キャパシタンス・モジュール635を利用して、この共振周波数f0を選択またはチューニングすることができることにも留意されたい。
もう一度図4を参照すると、別の補償モジュールを利用して、より高い精度およびより少ない変動(または周波数ドリフト)が必要とされる可能性のある用途についても、PVTにわたってほぼ±0.25%またはさらに良好な周波数精度を実現するなど、この共振周波数f0にわたって、より高い制御および精度を実現することもできる。これらの状況においては、プロセス変動補償モジュール425を利用して、図11および12に示される例示のモジュールなど、製造プロセス変動に独立に共振周波数f0にわたっての制御を実現することができる。
図11は、本発明の教示による例示の第1のプロセス変動補償モジュール760を示す回路図である。第1のプロセス変動補償モジュール760は、各モジュールが共振LCタンク405のレールまたはサイド(線470および475)に取り付けられた、図4におけるプロセス補償モジュール460として利用することもできる。さらに、各第1のプロセス変動補償モジュール760は、レジスタ465に記憶される第3の複数(「y」)のスイッチング係数r0ないしr(y−1)によって制御される。第1のプロセス変動補償モジュール760は、(対応する「r」係数によって制御される)対応する複数のスイッチング・トランジスタ740を介して複数の固定キャパシタンス750をスイッチングして含め、または外すことにより、この共振周波数f0の調整および選択を行うために、2進数の重み付けがされた第1の固定キャパシタンス750を有するスイッチ可能容量性モジュールのアレイを提供する。この場合にも、各キャパシタンス・ブランチは、このアレイまたは回路760にスイッチングされて含められ、または外されるので、この対応する第1の固定キャパシタンスは、この共振LCタンク中の発振のために使用可能な全体のキャパシタンスに加えられ、またはこの全体のキャパシタンスから差し引かれ、それによってこの共振周波数が調整される。第3の複数のスイッチング係数r0ないしr(y−1)はまた、一般にこれらの第1および第2の複数のスイッチング係数の決定を伴う反復プロセスとして、テストICを使用して製造後に決定される。このキャリブレーションは、この周波数キャリブレーション・モジュール(325または430)と、所定の周波数を有することが知られているリファレンス発振器を使用して遂行される。次いで、この決定された「r」係数は、この生産またはプロセス・バッチのICの対応するレジスタ465に記憶される。代わりに、各ICは、例えば別々にキャリブレーションされてもよい。
追加の周波数ひずみを回避するために、この第1のプロセス変動補償モジュール760を用いていくつかの追加機能を実装することができる。第1に、追加の周波数ひずみを回避するためにMOSトランジスタ740のオン抵抗を小さくすべきであり、したがってこのトランジスタの幅/長さの比は大きくなる。第2に、大きなキャパシタンスが、2つの対応するトランジスタ740がこの同じ「r」係数によって制御されて2つのブランチに分割されてもよい。第3に、共振LCタンクがすべての条件下で同様な負荷を有するようにするために、第1の固定キャパシタンス750が回路760にスイッチングされて含められ、または外されるときに、(この製造プロセスについての設計ルールによって可能とされるかなり小さなキャパシタンスまたは最小のサイズを有する)「ダミー」キャパシタとしての対応する第2の固定キャパシタンス720が、その対応する「r」係数の逆数に基づいてそれに対応してこの回路にスイッチングされて外され、または含められる。結果として、トランジスタ740のほぼまたは実質的に同じオン抵抗が常に存在しており、キャパシタンスの容量が変化しているにすぎなくなる。
この「ダミー」キャパシタンスの使用に代わるものとして、トランジスタ740の代わりに金属ヒューズなどを利用することもできる。金属ヒューズをそのままに残して、対応する固定キャパシタンス750を含め、この金属ヒューズを「吹き飛ばして」(回路をオープンにして)共振LCタンク405からこの対応する固定キャパシタンス750を取り除くことが可能である。
図12は、本発明の教示による、例示の第2のプロセス変動補償モジュール860を示す回路図である。第2のプロセス変動補償モジュール860は、モジュール760の代わりに、各モジュールが共振LCタンク405のレールまたはサイド(線470および475)に取り付けられた、図4におけるプロセス補償モジュール460として利用することもできる。さらに、第2の各プロセス変動補償モジュール760はまた、レジスタ465に記憶される第3の複数のスイッチング係数r0ないしr(y−1)によって制御されるはずである。(しかし、例示の各プロセス変動補償モジュール760または860において使用される異なる回路のために、この対応する第3の複数のスイッチング係数r0ないしr(y−1)は、もちろん互いに異なっているはずである。)
図12は、バラクタ850が、それを通る矢印を伴うキャパシタとしてではなく、MOSトランジスタによって表される、他の図において利用されるものとは異なるバラクタ図を示していることに留意されたい。バラクタは、多くの場合に図12に示されるようなA−MOSトランジスタまたはI−MOSトランジスタ、あるいはより一般的にMOSトランジスタであり、このトランジスタのソースとドレインとを短絡することにより構成されることを当業者なら理解されよう。その結果、これらの他の図示されているバラクタは、可能性のある実施形態として図13のように構成されるA−MOSトランジスタまたはI−MOSトランジスタを含んでいるものと考えることができる。さらに、バラクタ850は、互いに2進数の重み付けも行われている。
第2のプロセス変動補償モジュール860は、同様な構造的概念を有しているが、第1のプロセス変動補償モジュール760からの追加の注目すべき違いを有している。第2のプロセス変動補償モジュール860は、MOSスイッチ/トランジスタのない複数のスイッチ可能可変容量性モジュール865のアレイまたはバンクを実現しており、それ故にこれらのMOSトランジスタを介しての損失またはローディングがなくなる。その代わりに、この負荷は、低損失キャパシタンスとしても現れる。このような低損失は、この発振器のスタートアップ電力がより少ないことも意味する。第2のプロセス変動補償モジュール860において、MOSバラクタ850は、グラウンド・レールまたは電源レール(電圧VDD)にスイッチングされ、それによってバラクタ850の形状に基づいて、共振LCタンク405に対してこの最小キャパシタンスまたは最大キャパシタンスがもたらされる。AMOSでは、電圧VDDにスイッチングすることにより、最小キャパシタンスがもたらされるはずであり、グラウンドにスイッチングすることにより、最大キャパシタンスがもたらされるはずであるが、IMOSの場合には逆になる。この場合にも、第2のプロセス変動補償モジュール860は、対応する「r」係数を介して、選択されたバラクタ850をグラウンドまたはVDDに結合することにより、共振周波数f0の調整および選択のためにバラクタ850として、2進数の重み付けがされた可変キャパシタンスのアレイから構成される。
各キャパシタンス・ブランチは、グラウンドまたはVDDに対してスイッチングされるので、この対応する可変キャパシタンスは、この共振LCタンク中の発振のために使用可能な全体キャパシタンスに追加され、またはこの全体キャパシタンスには含められず、それによってこの共振周波数が調整される。より詳細には、A−MOSを実装する場合には、(Vinとして)VDDに結合することにより、より小さなキャパシタンスがもたらされ、またグラウンドに結合すること(Vin=0)により、より大きなキャパシタンスがもたらされ、I−MOSを実装する場合にはこの逆が成り立ち、この場合には(Vinとして)VDDに結合することにより、より大きなキャパシタンスがもたらされ、またグラウンドに結合すること(Vin=0)により、より小さなキャパシタンスがもたらされ、ここで、このLCタンクのレール(図4のノードまたは線470と475)上の電圧は、ゼロ(0)Vと電圧VDDとの間にあり、このいずれの電圧レベルからもかなり、または実質的に離れていることが仮定される。第3の複数のスイッチング係数r0ないしr(y−1)はまた、一般にはこれらの第1および第2の複数のスイッチング係数の決定を伴う反復プロセスとしても、テストICを使用して製造後に決定される。次いで、これらの決定された「r」係数は、この生産またはプロセス・バッチのICの対応するレジスタ465に記憶される。この場合にも、個別のICは、別々にキャリブレーションされ、テストされてもよい。
図6〜12に示されるモジュールなど、温度補償器315(または410および415)やプロセス変動補償器320(または435および440)などのモジュールについてのこれらの例示の実施形態については、他の目的のために利用することもできることに留意されたい。例えば、補償器315(または410および415)についての様々な例示の実施形態は、温度ではなくてプロセス変動に対して依存するようにすることができる。同様に、補償器320(または435および440)についての様々な例示の実施形態は、プロセス変動でなくて温度に対して依存するようにすることもできる。結果として、すべてが本発明の範囲内に含まれる追加および等価の回路および用途について、当業者なら認識することになるので、これらのモジュールおよび他のモジュールについての実施形態は、例示の回路および例示された構造だけに限定されるものと考えるべきではない。
図3および4を参照すると、クロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンス300は、周波数キャリブレーション・モジュール(325または430)を含んでいてもよい。この周波数キャリブレーション・モジュールは、別の特許出願の主題でもあるが、その高レベル機能について以下で簡単に説明しておく。図13は、本発明の教示による、(モジュール325または430として利用することもできる)例示の周波数キャリブレーション・モジュール900を示す高レベルのブロック図である。周波数キャリブレーション・モジュール900は、デジタル周波数分割器910、カウンタベースの周波数検出器915、デジタル・パルス・カウンタ905、および(レジスタ465として利用することもできる)キャリブレーション・レジスタ910を含んでいる。テストICを使用して、クロック・ジェネレータ(200または300)からの出力信号は、周波数分割され(910)、周波数検出器915中において知られているリファレンス周波数920と比較される。クロック・ジェネレータ(200または300)が、このリファレンスに対して速いか、または遅いかに応じて、ダウン・パルスまたはアップ・パルスがパルス・カウンタ905に対して供給される。これらの結果に基づいて、これらの第3の複数のスイッチング係数r0ないしr(y−1)が決定され、クロック・ジェネレータ(200または300)が、選択されたリファレンス周波数にキャリブレーションされる。この場合にも、個別のICは、別々にキャリブレーションされテストされてもよい。
もう一度、図2、3および4を参照すると、ノード470と475に使用可能な選択可能およびチューニング可能な共振周波数f0を有する差動形の実質的に正弦波の信号を供給する、PVTにわたって非常に高精度の低ジッタの、自走しセルフリファレンス式の発振器について、説明されていることが、当業者には理解されよう。多数の用途では、この信号は十分であり、直接に利用(し、図2の線250上、図3の線350上、または図4のレールまたは線470と475との間に出力)することができる。例えば、この信号は、タイミングまたは周波数のリファレンスとして利用することもできる。本発明によれば、以下で説明しているように(実質的に方形波の)クロック生成、周波数分割、低レイテンシの周波数スイッチング、およびモード選択を含めて、追加の用途についても使用可能である。
図14は、本発明の教示による、例示のグリッチ抑制モジュール1080を伴う、例示の周波数分割器および方形波ジェネレータ1000と、例示の非同期周波数セレクタ1050を示すブロック図である。以上で指摘しているように、周波数分割器および方形波ジェネレータ1000は、モジュール220および/または330に含まれ、またはモジュール220および/または330を備え、(グリッチ抑制モジュール1080を伴い、または伴わない)周波数セレクタ1050は、モジュール205および/または335に含まれ、またはモジュール205および/または335を備える。
図14を参照すると、この発振器からの出力信号、すなわち図2の線250上の出力、図3の線360上の出力、あるいは図4のレールまたは線470と475との間の出力など、周波数f0を有する実質的な正弦波信号が、周波数分割器および方形波ジェネレータ1000に入力される。この実質的な正弦波信号の周波数は、1つまたは複数のどのような任意の値「N」によっても(必要な場合にはf0を含めて)「m個の」異なる周波数に分周され、実質的な方形波信号に変換され、周波数f0、f1、f2ないしfmとして、線またはバス1020上に出力されるm+1個の異なる使用可能な周波数を有する複数の実質的な方形波信号がもたらされる。m+1個の異なる使用可能な周波数を有するこれらの実質的な方形波信号のうちのどの信号も、図に示すようにマルチプレクサとして実施することができる例示の非同期周波数セレクタ1050を介して非同期に選択可能である。m+1個の異なる使用可能な周波数を有するこれらの実質的な方形波信号のうちのどの信号の選択も、複数の選択線(SmないしS0)1055を介して遂行することができ、線1060に出力されるこの選択された周波数を有する実質的な方形波信号が供給される。
非同期周波数選択の一部分として、グリッチ抑制はまた、グリッチ抑制モジュール1080によって実現され、このグリッチ抑制モジュールは、図14に示される1つまたは複数の例示のDフリップフロップ(「DFF」)の使用によることを含めて複数の方法で実装することができる。グリッチは、ロー状態またはハイ状態が十分な期間にわたって保持されず、この出力クロック信号によって駆動される回路中で準安定性を引き起こす可能性のある非同期周波数遷移中に発生する可能性がある。例えば、非同期周波数遷移は、このハイ状態がこの第2の周波数においてロー状態に遷移して戻ろうとするポイントにおいて、第2の周波数でハイ状態に遷移する第1の周波数においてロー状態をもたらす可能性があり、電圧スパイクまたはグリッチがもたらされる。可能性のあるグリッチが、出力クロック信号の一部分として供給されないようにするために、(選択された周波数を有する)この選択された実質的な方形波信号が、保持状態を実現する第1のDFF1065に対して線1060上で供給される。万一グリッチが発生する場合には、この信号は、クロック・エッジがDFFをトリガするまで保持されることになる。このグリッチが、このクロック・エッジで発生するのを回避するために、これらのDFFは、最大使用可能周波数よりも低い周波数でクロックすることができ、あるいは別のクロック信号を待つ間などに(DFF1070など)1つまたは複数の追加のDFFを使用することができ、DFF1065からのQ出力は、電源レールまたはグラウンド・レールなどへと第1の状態(ハイもしくはロー)または第2の状態(ローもしくはハイ)に安定化することになる。2個のDFFで十分であり、潜在的には追加のDFFが追加されることが望ましいこともあるが、追加のDFFは、スイッチング・レイテンシの増大を引き起こすことが、本発明者らによって示されている。例示のDFFを利用して示されているが、他のフリップフロップまたはカウンタを利用することもでき、当業者なら、この結果を達成することになる無数の他の等価な実装形態もこのようなすべての変形形態も本発明の範囲内に含まれることを理解されよう。
本発明の教示によるこのような例示の低レイテンシの周波数スイッチングが、図15に示されている。図15はまた、様々な技術において利用される実際の方形波の一般的なものである、本発明の「実質的な」方形波についても示しており、それらのそれぞれのハイ状態およびロー状態において妥当な変動のアンダーシュートおよびオーバーシュートを示している(教科書の例の完全な「平坦さ」ではない)。図15の部分Aは、1MHzから33MHzへの非同期なグリッチのないスイッチングを示しているが、部分Bは、4MHzから8MHzへの、次いで16MHzへの、また次いで33MHzへの測定されたグリッチのないスイッチングを示している。
もう一度、図14を参照すると、周波数分割器および方形波ジェネレータ1000は、差動形やシングル・エンド形など無数の方法で実装することができ、この例示された分割器は、単に例示であるにすぎない。図4に示される発振器からの出力は、(線またはレール470と475にまたがる)差動形であるので、この第1の分割器1005はまた差動形であり、相補形の出力を供給して、この発振器に対して実質的に一定の負荷を提示し、位相合わせを保持しており、また高速でGHz帯などの高周波数に対応する。さらに、第1の分割器1005のどのような緩和モード発振を阻止することも必要であり、またはそれを勧められることもある。第2の分割器1010はまた、差動形であり、整数、2の倍数、有理数、または他のどのような量または数などにより分周するなど、(「M」によって分周される)どのような任意の周波数分割も実現することができる。このような分割器についてのトポロジまたは構成が、当技術分野において知られており、このような任意の分割器を利用することができる。例えば限定なしにこのような分割器は、一連の(複数ステージの)カウンタ、または図16に示されるこれらのフリップフロップなどのフリップフロップ1075とすることができ、これらは、2のべき乗または2の倍数の周波数分割を実現し、各ステージの出力は、図に示すように次のステージについてのクロック信号を供給し、またそれ自体の入力にフィードバックもされる。図に示されるように、次いでf0/2、f0/4、以下同様にf0/2Nまでなど複数の周波数が、線またはバス1020上で出力について使用可能である。さらに、図に示されるように、この発振器から第1の分割器1005までバッファ1085を利用して、分割器1005を駆動するのに十分な電圧を供給することもでき、また分割器ステージ間において信号の立ち上がり時間および立ち下がり時間にも影響を及ぼす可能性のある状態依存の負荷変動を分離することもできる。
どのような実質的な正弦波信号もフリップフロップをクロックするために供給され、次いでこのフリップフロップの出力が高電圧または低電圧までプルされるので、これらの様々なフリップフロップの使用はまた、実質的な方形波を供給していることに留意されたい。当技術分野において知られており、または知られるようになるような他の方形波ジェネレータが利用されてもよい。例示の実施形態においては、位相合わせを保持するために、差動信号が、最後の分周を介して保持される。この最後の周波数分周に続いて、この信号が第1の(ハイ)状態にある時間が、この信号が第2の(ロー)状態にある時間に実質的に等しいように、(それぞれが異なる周波数を有する)複数の信号が、次いで(モジュール1015において)方形にされて、実質的に均等に分割された(例えば、50:50の)デューティ・サイクルがもたらされる。
図17は、本発明の教示による例示のモード選択モジュールを示すブロック図である。低電力のスタンバイ・モードなどにおける、本発明のクロック・ジェネレータ(100、200または300)などの非常に高精度な高性能リファレンスが不必要な状況が存在する。これらの状況においては、本発明によれば、クロック出力が供給されないか、または低電力の低下された性能クロック1105出力しか供給されない。例えば、比較的低周波数において、低性能のリング発振器が低電力消費と共に適切な性能を供給することができる。図17に示されるように、これらの条件では、低電力の発振器1105の出力を(マルチプレクサ1100を介して)選択することができ、これが他の回路に対するクロック出力として供給される。しかし、高周波数においては、このような低性能発振器は、かなり多くの電力を、一般的に本発明の発振器よりもかなり多くの電力を消費する。一般的に、周波数の関数としての「ブレーク・イーブン」ポイントが存在し、この周波数の後には、このクロック・ジェネレータ(100、200または300)は、より高い性能もより低い電力消費も共に実現し、(マルチプレクサ1100を介して)選択し、他の回路に対するクロック出力として供給することができる。その結果、このクロック・ジェネレータ(100、200または300)を利用して低電力モードを実現することもできる。
さらに、モード・セレクタ1110を使用して、このクロック・ジェネレータ(100、200または300)は比較的速やかに再スタートすることができるので、単なる低周波数モードやスリープ・モードではなくてノー電力モードや、このクロック・ジェネレータ(100、200または300)を周期的にまたは非周期的に、バーストでまたは間隔を開けて反復して停止し、また再スタートするパルス化モードなど、他のモードを選択することもできる。様々なリファレンス・モードについては、以下で説明している。
従来技術と明確な対照をなして、本発明のこのクロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンス(100、200または300)を使用したこのパルス化クロッキングは、電力の節約または保存を実現する。このクロックは比較的高い周波数を有するので、より多くの電力が所与のバースト中に消費されることもあるが、より多くの命令がこの期間に処理され、それに続くこのパルスのないまたはオフ期間中には電力消費はなくあるいは限られており、連続的に実行されるクロックに比べてさらに高いMIPS/mWがもたらされる。対照的に、従来技術のクロックの比較的長いスタートアップ・タイムおよびロッキングに起因して、このようなパルス化クロッキングは、従来技術においては、より多くの電力消費と、より少ない効率がもたらされる。
図18は、本発明の教示による、第2の発振器についての例示の同期化モジュール1200を示すブロック図である。前述のように、このクロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンス(100、200または300)はリファレンス・モードを実現して他の発振器またはクロックを同期化させることができ、これらの発振器またはクロックは、第2の発振器1210(例えば、リング発振器、緩和発振器、または位相シフト発振器)などのように低電力であっても低電力でなくてもよい。このクロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンス(100、200または300)からの出力信号は、必要に応じてさらに周波数分割されて、複数の使用可能なリファレンス周波数が形成され、1つのリファレンス周波数がこの複数の周波数から選択される。これについては、この既存の周波数分割器(例えば220、330、1000)を使用し、次いでこの周波数セレクタ1050(あるいは205または335)からのこのリファレンス信号を供給することによるなど、前述のモジュールを使用して達成することができる。例えば、図3を参照すると、モード・セレクタ345は、リファレンス・モードを選択し、この出力リファレンス信号を周波数セレクタ335から(同期化モジュールを伴う)第2の発振器375に供給する。次いで、PLLやDLL1205などの同期化モジュールを利用して、第2の発振器1210からの出力信号をクロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンス(100、200または300)によって供給されるリファレンス信号に同期化させる。連続同期化のモードに加えて、パルス化同期も実現することができ、このパルス化同期においては、このクロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンス(100、200または300)は、パルス化出力を供給し、同期化が、ある同期化期間としてのこれらのパルスの期間中に行われる。
図19は、本発明の教示による例示の方法を示す流れ図であり、有用な概要を提供するものである。この方法は、クロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンス(100、200または300)のスタートアップなどを介して、開始ステップ1220から開始される。図19においては、逐次的なステップとして示されているが、これらのステップは、どのような順序で行われてもよく、一般にはクロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンス(100、200または300)が動作するときに同時に行われてもよいことに留意されたい。図19を参照すると、ステップ1225において共振周波数を有する共振信号が、LCタンク405や共振器310などを介して生成される。ステップ1230において、この共振周波数は、電流および周波数を調整する温度補償器315などを介して温度に応じて調整される。ステップ1235において、この共振周波数は、プロセス変動補償器320などを介して製造プロセス変動に応じて調整される。ステップ1240において、この共振周波数を有する共振信号は、周波数分割器330や1000などを介して、対応する複数の周波数を有し、実質的にこの共振周波数以下の、対応する複数の周波数を有する複数の第2の信号に分周される。ステップ1245において、出力信号が、例えば周波数セレクタ335や1050などを介して、これらの複数の第2の信号から選択される。この選択された実施形態またはモードに応じて、この選択された出力信号は、例えばリファレンス信号として直接に供給することができる。
他の実施形態においては、この出力信号がシングル・エンド形信号でなくて差動形であるときや、この共振信号が実質的に正弦波信号であるときなど、この方法は、ステップ1250において、例えばモジュール330または1000を使用してクロック出力信号を生成するためなどに、必要に応じてこの差動形の実質的に正弦波の信号を、実質的に等しいハイおよびローのデューティ・サイクルを有するシングル・エンド形の実質的に方形波の信号に変換することにより継続される。ステップ1255において、ある動作モードがまた、複数の動作モードから選択され、ここでこれらの複数の動作モードは、モード・セレクタ225や345などを使用して、例えばクロック・モード、タイミングおよび周波数リファレンス・モード、電力節約モード、およびパルス・モードを含む群から選択することができる。リファレンス・モードがステップ1255において選択されるときに、ステップ1260において、この方法は、ステップ1265へと進んで、図18に示されるなどのようにこの出力信号に応じて(例えば、第2の発振器から)第3の信号を同期化する。ステップ1260または1265に続いて、この方法は、(この連続的に実行されるクロック・ジェネレータおよび/またはタイミング/周波数リファレンス(100、200または300)などと共に)終了し、または反復し(継続し)、ステップ1270へと戻る。
また要約すれば、本発明は、共振周波数を有する第1の信号を供給するようになっている共振器と、この共振器に結合された増幅器と、複数の周波数のうちの第1の周波数を有する共振周波数を選択するようになっている(共振器に結合された)周波数コントローラとを備える装置を提供している。この装置は、有理数による分割などにより、実質的に第1の周波数以下の、対応する複数の周波数を有する複数の第2の信号に、この第1の周波数を有する第1の信号を分周するようになっている(この共振器に結合された)周波数分割器も含んでいる。
この第1の信号は、差動信号であってもよく、シングル・エンド形信号であってもよい。この第1の信号が差動信号であるときに、この周波数分割器は、さらにこの差動信号をシングル・エンド形信号に変換するようになっている。同様に、この第1の信号が実質的な正弦波信号であるときに、この周波数分割器はさらに、この実質的な正弦波信号を実質的な方形波信号に変換するようになっている。
様々な実施形態において、この周波数分割器は、直列に連続的に結合された複数のフリップフロップまたはカウンタを備え、ここで選択されたフリップフロップまたはカウンタの出力は、2つの、またはより一般的には直列に連続的に結合された複数の分割器によって分周された、以前のフリップフロップまたはカウンタの周波数であり、連続的な分割器の出力は、以前の分割器の出力よりも周波数が低い。これらの複数の分割器は、差動形、シングル・エンド形、あるいは差動形に最終的なシングル・エンド形ステージが続いているなど、差動形およびシングル・エンド形であってもよい。この周波数分割器はまた、実質的に等しいハイおよびローのデューティ・サイクルを有する実質的な方形波信号にこの第1の信号を変換するようになっている方形波ジェネレータを含んでいてもよい。
本発明はまた、この周波数分割器に結合された周波数セレクタを含んでいてもよく、これらの複数第2の信号から1つの出力信号を供給するようになっていてもよい。この周波数セレクタは、マルチプレクサおよびグリッチ・サプレッサをさらに備えていてもよい。
本発明はまた、この周波数セレクタに結合されたモード・セレクタを含んでいてもよく、ここで、このモード・セレクタは、複数の動作モードを実現するようになっており、これらの動作モードは、クロック・モード、タイミングおよび周波数リファレンス・モード、電力節約モード、およびパルス・モードを含む群から選択することができる。
リファレンス・モードでは、本発明はまた、このモード・セレクタに結合された同期化回路と、この同期化回路に結合され、第3の信号を供給するようになっている制御発振器とを含んでいてもよく、ここでは、このタイミングおよびリファレンス・モードにおいて、このモード・セレクタは、さらにこの同期化回路に対してこの出力信号を結合してこの第3の信号のタイミングおよび周波数を制御するようになっている。このような同期化回路は、遅延ロック・ループ、位相ロック・ループ、または注入ロッキング回路であってもよい。
選択された実施形態においては、この増幅器は、負の相互コンダクタンス増幅器であってもよい。この周波数コントローラは、さらに温度に応じてこの負の相互コンダクタンス増幅器を流れる電流を調整するようになっていてもよく、温度に反応する電流源を備えていてもよい。このような電流源は、CTAT構成、PTAT構成、およびPTAT2構成を含む複数の構成など、複数の構成から選択される1つまたは複数の構成を有してもよい。さらに、この周波数コントローラはさらに、この負の相互コンダクタンス増幅器を流れる電流を修正してこの共振周波数を選択し、この負の相互コンダクタンス増幅器の相互コンダクタンスを修正してこの共振周波数を選択し、あるいは電圧に応じてこの負の相互コンダクタンス増幅器を流れる電流を修正するようになっていてもよい。この周波数コントローラは、この共振器に結合され、この共振器を電圧変動から実質的に分離するようになっている電圧アイソレータを含んでいてもよく、また電流ミラーを備えていてもよく、この電流ミラーは、さらにカスコード構成を有していてもよい。この周波数コントローラはさらに、製造プロセス変動、温度変動、または電圧変動に応じて、この共振器のキャパシタンスまたはインダクタンスを修正するようになっていてもよい。
この周波数コントローラは、これらの様々な機能のための様々な実施形態を有していてもよく、第1の複数の係数を記憶するようになっている係数レジスタと、この係数レジスタおよびこの共振器に結合された複数のスイッチ可能容量性モジュールを有する第1のアレイとをさらに備えていてもよく、各スイッチ可能容量性モジュールは、固定キャパシタンスと可変キャパシタンスを有し、各スイッチ可能容量性モジュールは、この第1の複数の係数のうちの対応する1つの係数に応じて、固定キャパシタンスと可変キャパシタンスの間でスイッチングし、また各可変キャパシタンスを制御電圧にスイッチングしてもよい。この複数のスイッチ可能容量性モジュールは、2進数の重み付けが行われていてもよく、あるいは別の重み付けスキームを有していてもよい。この周波数コントローラはまた、この係数レジスタに結合された複数のスイッチ可能抵抗性モジュールを有し、さらに容量性モジュールを有する第2のアレイであって、この容量性モジュールと複数のスイッチ可能抵抗性モジュールが、さらに制御電圧を供給するノードに結合され、各スイッチ可能抵抗性モジュールが、この係数レジスタに記憶される第2の複数の係数のうちの対応する1つの係数に応じて、このスイッチ可能抵抗性モジュールをこの制御電圧ノードへとスイッチングさせる第2のアレイと、電流ミラーを介してこの第2のアレイに結合された温度依存電流源を含んでいてもよい。
この周波数コントローラはまた、この共振器に結合され、製造プロセス変動に応じてこの共振周波数を修正するようになっているプロセス変動補償器を含んでいてもよい。例示の一実施形態においては、このプロセス変動補償器は、複数の係数を記憶するようになっている係数レジスタと、この係数レジスタとこの共振器に結合された複数のスイッチ可能容量性モジュールを有するアレイとを備えていてもよく、各スイッチ可能容量性モジュールは、第1の固定キャパシタンスと第2の固定キャパシタンスを有し、各スイッチ可能容量性モジュールは、これら複数の係数のうちの対応する1つの係数に応じてこの第1の固定キャパシタンスと第2の固定キャパシタンスの間でスイッチングしてもよい。この複数のスイッチ可能容量性モジュールは、2進数の重み付けが行われていてもよく、あるいは別の重み付けスキームを有していてもよい。
他の例示の実施形態においては、このプロセス変動補償器は、複数の係数を記憶するようになっている係数レジスタと、この係数レジスタとこの共振器に結合され、各スイッチ可能可変容量性モジュールが、これら複数の係数のうちの対応する1つの係数に応じて第1の電圧と第2の電圧との間でスイッチングする、複数のスイッチ可能可変容量性モジュールを有するアレイとを備えていてもよい。この複数のスイッチ可能可変容量性モジュールはまた、2進数の重み付けが行われていてもよく、あるいは別の重み付けスキームを有していてもよい。
本発明はまた、この周波数コントローラに結合され、リファレンス信号に応じてこの共振周波数を修正するようになっている周波数キャリブレーション・モジュールを含んでいてもよい。例えば、この周波数キャリブレーション・モジュールは、この周波数コントローラに結合され、この第1の周波数を有する第1の信号から導き出された出力信号をより低い周波数に変換して分周された信号を供給するようになっている周波数分割器と、この周波数分割器に結合され、このリファレンス信号をこの分周された信号と比較し、1つまたは複数のアップ信号またはダウン信号を供給するようになっている周波数検出器と、この周波数検出器に結合され、この1つまたは複数のアップ信号またはダウン信号の間の差をこの出力信号とこのリファレンス信号との間の差のインジケータとして決定するようになっているパルス・カウンタとを含んでいてもよい。
本発明と共に使用される共振器は、直列や並列など複数のLC−タンク構成のうちの選択された一構成を有するLC−タンクを形成するように結合されたインダクタ(L)とキャパシタ(C)を備えていてもよく、また他のコンポーネントを含んでいてもよい。他の実施形態においては、この共振器は、セラミック共振器、機械的共振器、マイクロエレクトロメカニカル共振器、およびフィルム・バルク音響共振器、あるいはキャパシタ(C)に結合されたインダクタ(L)と電気的に等価な他の任意の共振器を含む群から選択することができる。
本発明の装置は、タイミングおよび周波数のリファレンスとして、またはクロック・ジェネレータとして利用することができる。さらに本発明はまた、第2の発振器出力信号を供給する(リング発振器、緩和発振器、または位相シフト発振器など)第2の発振器と、この周波数コントローラおよびこの第2の発振器に結合され、この第2の発振器出力信号にスイッチングして電力節約モードを実現するようになっているモード・セレクタとを含んでいてもよい。追加の動作モードは、この周波数コントローラに結合されたモード・セレクタによって実現することができ、この周波数コントローラは、この発振器を周期的に開始し停止させて、パルス化出力信号を供給するようになっていてもよく、この共振器を選択的に開始し停止させて、電力節約を実現するようになっていてもよい。
他の選択された実施形態においては、本発明の装置は、共振周波数を有する第1の信号を供給するようになっている共振器と、この共振器に結合された増幅器と、この増幅器およびこの共振器に結合され、温度に応じてこの共振周波数を修正するようになっている温度補償器と、この共振器に結合され、製造プロセス変動に応じてこの共振周波数を修正するようになっているプロセス変動補償器と、この共振器に結合され、この共振周波数を有する第1の信号を、実質的にこの共振周波数以下の、対応する複数の周波数を有する複数の第2の信号に分周するようになっている周波数分割器と、この周波数分割器に結合され、これらの複数の第2の信号から1つの出力信号を供給するようになっている周波数セレクタとを備えている。
他の選択された実施形態においては、本発明の装置は、クロック信号を生成し、共振周波数を有する差動形の実質的に正弦波の第1の信号を供給するようになっているLC共振器と、このLC共振器に結合された負の相互コンダクタンス増幅器と、この負の相互コンダクタンス増幅器とこのLC共振器に結合され、温度に応じてこの負の相互コンダクタンス増幅器中の電流を修正し、さらに温度に応じてこのLC共振器のキャパシタンスを修正するようになっている温度補償器と、このLC共振器に結合され、製造プロセス変動に応じてこのLC共振器のキャパシタンスを修正するようになっているプロセス変動補償器と、この共振器に結合され、各第2の信号が実質的に等しいハイおよびローのデューティ・サイクルを有し、実質的にこの共振周波数以下の、対応する複数の周波数を有する、複数のシングル・エンド形の実質的な方形波の第2の信号にこの共振周波数を有する第1の信号を変換し分周するようになっている周波数分割器と、この周波数分割器に結合され、この複数の第2の信号から1つの出力信号を供給するようになっている周波数セレクタとを備える。
前述から、非常に多数の変形形態および修正形態が、本発明の新規な概念の趣旨および範囲を逸脱することなくもたらされ得ることが認められよう。本明細書中で示される特定の方法および装置に関しては、どのような限定も意図されず、推論すべきでないことを理解されたい。添付特許請求の範囲によって、特許請求の範囲内に含まれるこのようなすべての修正形態をカバーすることがもちろん意図されている。