JP2007528515A - レンズアレイとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

集積型センサユニットを備える、または備えないレンズアレイまたはマイクロレンズアレイもしくは非球面レンズのためのシステム及び方法を提供する。基板とレンズ材料との間の誘電体は湾曲した凹部を有し、これはレンズ材料によって埋められる。光はレンズ材料層へ入り、湾曲した凹部部分によって集束される。
【選択図】図4

Description

本発明は、概してマイクロレンズアレイ及び光学レンズに関し、特に、マイクロレンズアレイまたは非球面レンズの製造方法に関する。
マイクロレンズアレイは、画像化アプリケーション用の小型パッケージに光学的多用性をもたらす。従来、マイクロレンズは直径が1ミリメートル未満のレンズとして定義されているが、5ミリメートルまたはそれ以上の直径を有するレンズも時としてマイクロレンズとされている。
マイクロレンズアレイを製造する公知の方法は、リフローまたは拡散を使用する方法等、多くが存在する。図1Aから1Cは、材料の堆積、パターニング及びリフローによりマイクロレンズアレイを製造するステップの典型的な順序を示す。図1Aにおいて、感光性樹脂等の感光層10は、シリコン基板(図示されていない)を覆う平坦化層12上に形成される。感光層の材料は、マイクロレンズアレイの形成に使用される。図1Bにおいて、感光層10は、長方形、縞または正方形14等の形状のアレイを形成するようにパターニングされ、これらの形状は、個々のマイクロレンズが形成される場所に位置決めされる。パターニングは、例えば公知のマスク及びフォトレジスト処理を使用するものであってもよく、この場合、フォトレジストは感光層10上へ堆積され、不透明なエリアを有するマスクを介して暴露され、フォトレジストの選択された部分が現像(または除去)され、感光層10のエッチング・エリアがフォトレジストにより暴露されて残される。次に、正方形14はリフローされるに足る程度に加熱され、これにより、図1Cに示すような半球面状のマイクロレンズ16のアレイが形成される。
しかしながら、上述のような熱リフロー法により製造されるマイクロレンズアレイには、幾つかの欠点がある。典型的には、感光性樹脂は、可視スペクトルの青の領域における光を比例的に多く吸収する成分を含む。その結果、色スペクトルは歪み、あるべきものより「黄色がかった」画像が生成される。この色の歪は、樹脂の酸化に起因して時間と共に増大する。別の欠点は、感光性樹脂をパターニングすることのできる解像度が樹脂層の厚さによって制限されることである。樹脂層が厚いほど、アレイ内のマイクロレンズはより大きく離隔され、これにより、アレイの集光効率が下がる。一方で、樹脂層は、リフローに際して、結果的に得られるマイクロレンズのたるみが充分に所望される集束効果を生じさせるように、十分な厚さでなければならない。従って、この方法で製造されたマイクロレンズアレイの場合、最も高い可能集光効率を達成することは困難である。さらに別の欠点は、マイクロレンズの曲率半径が小さくなるにつれて、入射光はマイクロレンズに近い点に集束される、という事実によって招来される。従って、感光層は、単純に不透明な領域と光透過性の領域とに分かれたマスクを使用して、セルの形に従った正方形または長方形の形になるようにパターニングされ、マイクロレンズを形成するために熱処理される。よって、マイクロレンズの曲率半径は低減される。さらに、長方形に形成されたマイクロレンズは、幅方向と長さ方向でその曲率半径に大きな差を有しているので、対応するフォトダイオード上へ入射光を精確に集束することは困難であり、光の一部は平坦化層またはフォトダイオードとマイクロレンズとの間のカラー・フィルタ層に集束され、光の損失、及び感度及び解像度の低下の原因になる。
マイクロレンズアレイを製造する別の公知の方法は、本参照によりその全体が本明細書に援用されるM.オイカワ、外著「プレーナマイクロレンズの光カップリング特性」SPIE会報、1544、1991年、226から237頁、に記述されているもの等の拡散による方法である。図2Aから2Gは、2種類の拡散を使用してマイクロレンズアレイを形成するためのステップを示す。図2Aでは、ガラス基板20が準備されている。図2Bでは、ガラス基板20上へ金属膜22が堆積されている。次に、金属膜22は、図2Cに示すように個々のマイクロレンズが形成されるべき場所である部分24を除去するように、公知の工程等によりパターニングされる。図2D及び2Eは、その後の処理の一種を示し、暴露されたエリア24は適切なドーパント及びエネルギーで拡散され(図2D)、次に、残りの金属が除去され、その表面は化学研磨または機械研磨等で研磨され、マイクロレンズ26が形成される(図2E)。図2F及び2Gは別の種類の後続処理を示し、この場合は、イオン、プロトンまたは他の適切な分子がボンバードに使用されて(例えば、低エネルギーの使用等)(図2F)基板20内へ拡散され、残りの金属部分は除去され、照射部分は有機蒸気等を使用して「膨潤」され(図2G)、マイクロレンズ28が形成される。この結果、高開口数のプレーナマイクロレンズ・アレイが得られる。拡散を使用するマイクロレンズアレイの製造における1つの欠点は、光軸に沿った厚さの制御が制限されることである。
画像装置の製造に際しては、マイクロレンズアレイは一般に、相補形金属酸化膜半導体(CMOS)センサまたは電荷結合素子(CCD)センサ等の基底センサ・アレイと共に使用される。マイクロレンズは、対応するセンサ上へ光を集め、集束する。マイクロレンズは、広い集光エリアから光を集めてこれをセンサの狭い感光エリア(即ち、ピクセル)に集束することにより、画像装置の感光度を大幅に向上させる。画像信号を生成する公知の方法を、図3に示す。光線30は、上述の工程等によって形成される平坦化層36を覆うマイクロレンズ34のアレイを備えるマイクロレンズ層32によって集められ、集束される。平坦化層36を通過した後、光線30は、フィルタ層40内の、各々が赤、緑及び青(RGB)等の特定の色の光のみを通過させるカラー・フィルタ38によって濾波される。フィルタを通った光は、次に、フォトダイオードまたはCCD装置等のセンサ44のアレイを備えるセンサ層42を通過する。プロセッサ(図示されていない)は、センサからの信号を結合してカラー画像を生成する。
マイクロレンズ、フィルタ及びセンサのこのような配列には、幾つかの欠点がある。マイクロレンズ層32、フィルタ層40及びセンサ層42を分離して形成するためには幾つかの工程ステップが必要であり、これにより、製造コストは上がり、より多くの時間もかかる。また、これらの層はマイクロレンズとセンサの間隙を拡大させ、これは、一部には光が所望されるセンサではなく隣接するセンサに当たることに起因してピクセル間のクロストークを拡大させる可能性がある。
画像化分野の多くのアプリケーションにとっては、マイクロレンズに加えて、高品質の非球面レンズもまた必須要素である。プロが使用するカメラ及びビデオ画像機器の場合のように、これらは、光学システムにおいて、重要な光伝搬の制御及び画像カラー品質の補正に広く使用される。しかしながら、非球面レンズの製造は複雑であり、高度に訓練された専門家が行なう熟練した手作業によってのみ成し得るものである。従来の機械を使用して高速で製造することのできる球面レンズとは異なり、非球面レンズまたは特別なサイズまたは形状のレンズは、典型的には手作業で、かつ多くの場合個々に成形され、研磨される。これは時間とコストがかかる可能性がある。
従って、公知のレンズアレイまたは非球面レンズ及び関連工程における上述のような欠点を克服する、改良されたレンズ、マイクロレンズまたはアレイに対するニーズ、及び非球面レンズを含むこれらの製造方法に対するニーズが存在する。さらに、公知のマイクロレンズ/センサ素子に関わる上述の欠点を克服する、統合されたマイクロレンズアレイ及びセンサ・アレイに対するニーズが存在する。
本発明は、改良されたマイクロレンズアレイまたは非球面レンズ、及びマイクロレンズアレイまたは非球面レンズの製造工程を提供する。ある態様においては、マイクロレンズアレイはセンサ・アレイ上に形成され、統合されたマイクロレンズ/センサ素子がもたらされる。
ある実施形態によれば、基板上にはまずセンサ・アレイが加工される。センサ・アレイ上には、スピンオン式ポリマ(例えば、ポリイミド)または酸化物(例えば、SiO2)が堆積される。この誘電層上には、次に、スピンオン式フォトレジスト等のパターニング用感光誘電層が形成される。マイクロレンズが形成されるべき場所である、個々のセンサの上に重なる誘電層のエリアが露出されるように、パターニング層の選択された部分が除去される。露出された部分は、次に、湾曲した凹部を形成するように、例えばウェットエッチング、グレースケール・マスクまたはシャドウ・マスクの使用等によって処理される。湾曲した凹部は、マイクロレンズの所望される特性に依存して、浅い凹部から深い球面凹部まで、制御された形状及びレンジを有してもよい。次いで、パターニング層の残りの部分が除去される。誘電層上には、基底となる誘電層の屈折率より高い屈折率を有する、SiO2、SiOxNy、Si3N4、TiO2またはポリマ等の無機レンズ材料が堆積され、マイクロレンズとセンサの統合されたアレイが形成される。レンズ材料の層は、所望されれば研磨されてもよい。
他の実施形態では、誘電層は任意の基板上に堆積されてもよく、センサ・アレイ上である必要はない。このような実施形態においては、本工程は、所望される任意の形状の個々の球面または非球面レンズ、または球面及び/または非球面マイクロレンズのアレイを製造するためのプラスチック成形用テンプレートを形成する、かつ/または同テンプレートを製造するために使用されてもよい。本発明によるこの工程は、異なる形状の非球面レンズ及び/または球面レンズを使用してレンズアレイまたはマイクロレンズアレイを形成することを可能にする。これにより、レンズ製造業者は、多くの追加タイプのレンズアレイを低価格でより柔軟に製造することができるようになる。
本発明は、公知のマイクロレンズアレイ及びその製造方法を凌ぐ幾つかの優位点を提供する。本マイクロレンズアレイは、公知の方法よりも少ない工程ステップでセンサ・アレイ上へ直に形成されることから、本発明のマイクロレンズ/センサ素子は、従来のものより製造が容易であり、製造コストが少ない。マイクロレンズの焦点距離は、マイクロレンズ及び/または工程管理に使用される誘電材料のタイプ(即ち、レンズ素子の曲率)に依存して制御されることが可能である。
本発明はまた、ウェットエッチング、グレースケール・マスクまたはシャドウ・マスクを使用して非球面レンズを製造することができるため、改良されたセンサ感度を提供する。別の優位点は、無機レンズ材料の使用がマイクロレンズの信頼性または有効寿命を延ばすことにある。また、レンズ材料が、先に論じたように、青い光をより多く比例的に吸収して画像を所望されるものより黄色がからせる場合のある樹脂含有材料の有害な特性を持たないことから、センサにより生成される画像のカラー品質も向上する。本発明が提供するさらに別の優位点は、マイクロレンズアレイがセンサ素子の保護層として作用することから、結果的に得られるマイクロレンズ/センサ素子はより薄くなり、環境影響に対する耐性が高まることにある。
結果的に得られるマイクロレンズアレイは、カメラ、デジタルカメラ・センサ、パーソナル・デジタル・アシスタントまたはラップトップのための小型ディスプレイ画面から、プロジェクション・スクリーン、ウォールサイズの表示スクリーンまたはビルボード・サイズの表示スクリーンのための大型ディスプレイ画面に至る様々なアプリケーションのためのデバイスに使用することができる。アレイ/センサ・ユニットの処理または製造は、各アレイ/センサ・ユニット間に一貫した特性を有する高い処理量を可能にする。
本発明の範囲は、本参照により本項に含まれる請求の範囲によって定義される。1つまたは複数の実施形態に関する下記の詳細な説明を考慮すれば、当業者には、本発明の実施形態がより完全に理解され、その追加の優位点も認識されるであろう。以下、別途略述した添付の図面を参照する。
本発明の実施形態及びその優位点は、以下の詳細な説明を参照すれば最も良く理解される。諸図を通じて、類似の符号は、1つまたは複数の図面に示される類似の部材を特定するために使用されていることは認識されるべきである。
図4は、マイクロレンズアレイまたは非球面レンズを製造するための、本発明の一実施形態による方法400を示すフローチャートである。ステップ402では、まず基板が準備される。基板は、CMOSまたはCCDセンサのアレイを含んでもよい。センサ・アレイは、小型画面アプリケーションから大型のディスプレイ装置にまで及ぶ任意の適切なサイズであってもよい。次にステップ404において、基板上へ誘電層が堆積される。ステップ406では、誘電層上へスピンオン式フォトレジストまたは他の感光材料等のパターニング層が堆積される。ステップ408では、パターニング層の選択された部分が、公知のフォトリソグラフィ処理等によって除去される。除去された部分は、マイクロレンズまたは非球面レンズが形成されるべき場所である誘電層のエリアを露出させる。センサ・アレイを備える実施形態の場合、この露出されるエリアは個々のセンサ素子の位置に一致する。
ステップ410において、誘電層の露出されたエリアは、ウェットエッチング、グレースケール・マスクまたはシャドウ・マスク等によって選択的にエッチングされ、湾曲を制御された凹部が形成される。湾曲した凹部は、中心部が最も深く、端または周囲に向かってテーパ状に上がっている。エッチングは、基底部である基板またはセンサが露出される程度に、全ての誘電材料を除去しない。さらに、湾曲した凹部は、アプリケーションに依存して半球面または非球面等の任意の適切な形状であってもよい。パターニング層の残りの部分はステップ412において除去され、この結果得られるテンプレートは、これで後の処理ステップのための準備が整った状態である場合もあれば、特別設計のレンズのプラスチック成形に使用される場合もある。引き続きテンプレートにさらなる処理が行われる場合は、ステップ414において誘電層上へ無機レンズ材料の層が堆積され、湾曲した凹部が充填される。ある実施形態では、レンズ材料は、誘電層の屈折率より高い屈折率を有する。適切なレンズ材料の例としては、SiO2、SiOxNy、Si3N4、TiO2、ポリマまたはプラスチック成形の場合のプラスチックが含まれるが、この限りではない。次にレンズ材料層は、必要であれば研磨されてもよい。
図5Aから5Gは、本発明の一実施形態による、マイクロレンズアレイの様々な製造ステップを示す。図5Aは、マイクロレンズアレイがその上に形成される基板500を示す平面図である。ある実施形態では、基板500はガラス基板またはシリコン基板であり、最終的に得られるデバイスはマイクロレンズアレイである。別の実施形態では、基板500は、ガラスまたはシリコン等の支持基板の上に形成されるセンサ・アレイであり、最終的に得られるデバイスは統合されたセンサ/マイクロレンズアレイである。センサ・アレイは、フォトダイオードまたは他のセンサ素子等のCMOSまたはCCDセンサのアレイであってもよい。センサの製造は、公知の方法によって行われる。図5Aは、個々のセンサ素子504を有するセンサ・アレイ502が支持基板506上に形成される実施形態を示している。酸化物(例えば、SiO2、TiO2)、窒化物(例えば、SiOxNy)、スピンオン式ポリマ等である誘電層508は、図5Bに示すように、センサ・アレイ502上へ堆積される。誘電層508の厚さは、特有のアプリケーション要件に依存する。統合されたセンサ/マイクロレンズ・アレイの一実施形態では、誘電層508の厚さは1μmから数ミリメートルの間である。個々の非球面レンズの別の実施形態では、誘電層508の厚さは1センチメートルまで、またはそれ以上であってもよい。
次に、誘電層508を覆ってパターニング層510が堆積される。このパターニング層510は、マイクロレンズまたは非球面レンズが形成される場所である誘電層の一部を露出させるために使用される。パターニング層510は感光性の誘電材料であり、使用されるパターニング工程のタイプに基づいて選択される。例えば、フォトリソグラフィ工程の場合、パターニング層510はスピンオン式フォトレジストであっても、他の感光材料であってもよい。次には、フォトマスクを介する暴露により、パターニング層510上に所望されるパターンを形成することができる。フォトマスクは、フォトレジストがポジ型であれば円形開口のアレイを有することができ、この円形開口は、形成されるべきマイクロレンズの位置決めに一致する。マイクロレンズが異なる形状及び/またはサイズを有することになれば、フォトマスクの個々の開口を適宜調整することができる。次に、パターニング層510の露出された部分が除去され、図5Dに示すように、マイクロレンズまたは非球面レンズが形成されるべき場所である誘電層508の部分512が暴露される。基底を成すセンサ・アレイと共に、部分512は個々のセンサ素子504に対応する。
図5Eでは、次に誘電層508の露出部分512がエッチングされ、センサ素子504に重なる湾曲した凹部514が形成される。図5Eの平面図である図5Fに示すように、湾曲した凹部514は半球状であってもよい。上述のように、個々の湾曲した凹部514の形状は、マイクロレンズのアプリケーションによって変わってもよい。さらに、ある実施形態では、湾曲した凹部514は、ウェットエッチングもしくはグレースケール・マスクまたはシャドウ・マスクを使用するパターニング後のエッチング等の制御されたエッチングによって形成される。また、テーパ状のエッチングのための他のエッチング工程が本発明に適する場合もある。エッチの深さ及びテーパも、マイクロレンズまたはレンズの焦点距離等の光学特性を決定する。従って、誘電層のエッチを制御すれば、異なるタイプのマイクロレンズアレイを容易に製造することができる。
図6A及び6B、及び図7Aから7Cは、ある実施形態による、グレースケール・マスク工程を使用する制御された湾曲凹部の製造方法を示す。図6Aは、グレースケール・マスクの1つの開口600の一例を示し、典型的なグレースケール・マスクは、間の不透明な部分によって分離されたこのような開口600を多数備える。グレースケール・マスクは、図6Bに示すように、異なる量の光を半径の位置決めの異なる開口へ通す。グレースケール・マスク上の開口600の異なる半径における灰色度は、フォトレジスト等の基底を成す感光誘電体の対応する位置における露光度を決定する。図に示すように、開口の中心から半径方向の外側にかけて、通る光の量は中心における最大ほぼ100%から縁または外周におけるほぼ0%へと少なくなる。光透過曲線「a」は、所望されるマイクロレンズまたはレンズの製造に適する任意の形状であってもよい。
図7Aから7Cは、グレースケール・マスクを使用して制御された湾曲凹部を形成するステップの順序を示す。図7Aにおいて、パターニング層510(ポジ型フォトレジスト等)の小部分は、グレースケール・マスクの開口600を介して露出される。x方向におけるグレースケール・マスクの開口間部分は、不透明であることに留意されたい。図7B及び7Cに示すように、パターニング層510は現像され、ドライエッチングが実行され、露出されたパターンは基底を成す誘電層508へ転写され、湾曲した凹部514が形成される。従って、グレースケール・マスク上の灰色及びドライエッチングのスケールを制御することにより、異なる設計の球面及び非球面マイクロレンズ及びレンズを高速かつ低コストで製造することができる。
パターニング及びエッチングのタイプに依存して、湾曲した凹部514は、湾曲した凹部の表面の不整を滑らかにする処理を必要とする場合がある。湾曲した凹部の「粗さ」は、可視光の波長に比較して小さいものであるべきである。ある実施形態では、この粗さは可視光の波長のほぼ1/10でなければならない。本明細書で定義する「粗さ」は、湾曲した凹部の表面のピークと谷の間の距離または変動を指す。例えば、ウェットエッチングを使用して湾曲した凹部514を形成する場合、急速ウェットエッチングまたは洗浄を追加して湾曲した凹部514上の表面の粗さを全て平滑化してもよい。急速ウェットエッチングの代替方法は、湾曲した凹部514の表面を基底を成す誘電層508と同じ屈折率の薄い誘電材料で被覆することである。凹部514の表面エリアを平滑化するのに適する他の方法には、適正に設計される化学機械的研磨(CMP)及びこれに類似するもの等の方法が含まれる。
誘電層508の湾曲した凹部514が形成される(かつ、必要であれば研磨される)と、本構造体は、プラスチック成形によりプラスチック・レンズを製造するためのテンプレートとして使用される場合もあれば、マイクロレンズ/センサ統合のために引き続きさらに処理される場合もある。レンズのプラスチック成形の場合、特有のアプリケーションに依存して、同じパターン設計及び湾曲形状である、または異なる設計及び形状である複数のテンプレートを使用することができる。マイクロレンズ/センサ統合に使用される場合は、図5Gを参照すると、誘電層508の湾曲した凹部514が形成された(かつ、必要であれば研磨された)後、透明なレンズ材料516の層が堆積され、図5Gに示すようにマイクロレンズアレイが形成される。ある実施形態では、レンズ材料は無機質であり、基底を成す誘電層508の屈折率より高い屈折率を有する。レンズ材料516として適する材料の幾つかには、SiO、SiO、Si、TiO、ポリマ、プラスチックまたはこれらの組合わせ等の誘電体が含まれる。従って、誘電層508及びレンズ材料516は、マイクロレンズの要件に依存して適宜選択される。ある実施形態では、堆積されるレンズ材料516の厚さは、アプリケーション要件に依存して、湾曲した凹部の中心における深さとほぼ同じであるか、それより厚い。無機レンズ材料を使用すれば、樹脂ベースのリフロー工程とは対照的に、より本物に近いカラー画像を生成するレンズが製造される。即ち、黄色がかった画像を生成する青スペクトルの余分な吸収は発生しない。さらに、拡散ではなく堆積によってマイクロレンズを製造する方法では、光軸に沿ってレンズの形状及び厚さをより良く制御することができる。レンズ材料516の堆積後、必要であれば、平らで滑らかな表面にするために上面は研磨されてもよい。
図8は、統合されたセンサ/マイクロレンズを有するマイクロレンズアレイ800の斜視図である。透明なレンズ材料516は、基底を成すマイクロレンズ802及びセンサ・アレイ502の保護層として作用することができる。各マイクロレンズ802は、基底部分である、基板506により支持されるセンサ素子808に対応している。マイクロレンズアレイ800へ入る光は、対応するマイクロレンズ802によって、センサ・アレイ内の個々のセンサの方向へ導かれる。マイクロレンズアレイの製造工程は、より多くの光がセンサによって受け取られることを可能にし、これにより、画像感度及びカラー品質が向上する。但し、上述のように、マイクロレンズアレイ800または個々の非球面レンズは、基底を成すセンサ・アレイを必要としない。
本発明は、非球面または異なるサイズ/形状のマイクロレンズ/センサを有するマイクロレンズアレイまたは個々のレンズが容易に製造されることを可能にする。非球面レンズまたは特殊なサイズまたは形状のレンズを製造する公知の工程においては、レンズは、典型的には手作業で、かつ時には一つ一つ成形され、研磨される。これは、時間及び労力の面でコストがかかる可能性がある。これに対して、球面レンズ・アレイは、従来の機械装置を使用して高速で製造することができる。しかしながら、これらの機械装置では、同一アレイ上に非球面レンズを製造することも、異なる形状またはサイズのレンズを製造することもできない。好都合なことに、本発明は、異なる形状またはサイズの非球面マイクロレンズまたはレンズを有するマイクロレンズアレイまたはレンズを高速かつ低コストで製造することを可能にする。
上述の実施形態は本発明を例示するものであって、限定するものではない。また、本発明の原理に従って、幾つかの修正及び変形が可能であることも理解されるべきである。例えば、上述の実施形態は誘電層を覆うパターニング層の使用について記述している。しかしながら、パターニング用の感光誘電層を直接使用して使用可能な湾曲凹部を製造することができれば、または適切な化学処理またはイオンビーム・スパッタリング及びこれらに類似するもの等の他の手段を使用して湾曲凹部を製造することができれば、誘電層を除去してもよい。従って、本発明の範囲は添付のクレームによってのみ定義される。
公知の工程によるリフローによりマイクロレンズアレイを製造するステップの典型的な順序を示す。 公知の工程によるリフローによりマイクロレンズアレイを製造するステップの典型的な順序を示す。 公知の工程によるリフローによりマイクロレンズアレイを製造するステップの典型的な順序を示す。 公知の工程による1つの拡散タイプを使用してマイクロレンズアレイを製造するステップ、及び別のタイプの公知の工程を使用してマイクロレンズアレイを製造するためのステップを示す。 公知の工程による1つの拡散タイプを使用してマイクロレンズアレイを製造するステップ、及び別のタイプの公知の工程を使用してマイクロレンズアレイを製造するためのステップを示す。 公知の工程による1つの拡散タイプを使用してマイクロレンズアレイを製造するステップ、及び別のタイプの公知の工程を使用してマイクロレンズアレイを製造するためのステップを示す。 公知の工程による1つの拡散タイプを使用してマイクロレンズアレイを製造するステップを示す。 公知の工程による1つの拡散タイプを使用してマイクロレンズアレイを製造するステップを示す。 別のタイプの公知の工程を使用してマイクロレンズアレイを製造するためのステップを示す。 別のタイプの公知の工程を使用してマイクロレンズアレイを製造するためのステップを示す。 公知のマイクロレンズアレイ及びセンサ・アレイ素子の1つのタイプを示す。 本発明の一実施形態による、センサ・アレイ上にマイクロレンズアレイを製造するための工程を示すフローチャートである。 ある実施形態による、マイクロレンズ/センサ・アレイを製造する工程の一段階を示す。 ある実施形態による、マイクロレンズ/センサ・アレイを製造する工程の一段階を示す。 ある実施形態による、マイクロレンズ/センサ・アレイを製造する工程の一段階を示す。 ある実施形態による、マイクロレンズ/センサ・アレイを製造する工程の一段階を示す。 ある実施形態による、マイクロレンズ/センサ・アレイを製造する工程の一段階を示す。 ある実施形態による、マイクロレンズ/センサ・アレイを製造する工程の一段階を示す。 ある実施形態による、マイクロレンズ/センサ・アレイを製造する工程の一段階を示す。 本発明の一実施形態に使用されるグレースケール・マスクを示す。 本発明の一実施形態に使用されるグレースケール・マスクの特性を示す。 ある実施形態による、グレースケール・マスクを使用して曲率制御式凹部を製造する工程の一段階を示す。 ある実施形態による、グレースケール・マスクを使用して曲率制御式凹部を製造する工程の一段階を示す。 ある実施形態による、グレースケール・マスクを使用して曲率制御式凹部を製造する工程の一段階を示す。 本発明の一実施形態によるマイクロレンズアレイの斜視図である。

Claims (42)

  1. レンズまたはレンズアレイを製造するための方法であって、
    基板を準備する工程と、
    前記基板上に誘電層を堆積する工程と、
    前記誘電層上にパターニング層を堆積する工程と、
    形成されるべきレンズに対応する前記誘電層のエリアの上を覆うパターニング層の一部を除去する工程と、
    前記誘電層の露出された部分に湾曲した凹部を形成するよう、前記誘電層の前記露出された部分を除去する工程と、
    前記湾曲した凹部にレンズ材料を充填する工程と、を含む方法。
  2. 前記除去する工程は、ウェットエッチングを含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記除去する工程は、グレースケール・マスクまたはシャドウ・マスクを介する露出を含む、請求項1記載の方法。
  4. 前記誘電層を堆積する前に、前記基板上にセンサ素子のアレイを形成する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  5. 前記センサ・アレイは、CMOSセンサ素子のアレイを有する、請求項4記載の方法。
  6. 前記センサ・アレイは、CCDセンサ素子のアレイを有する、請求項4記載の方法。
  7. 前記誘電層は、前記レンズ材料層より低い屈折率を有する、請求項1記載の方法。
  8. 前記レンズ材料層は、無機質である、請求項1記載の方法。
  9. 前記センサ素子は、形成されるべきマイクロレンズのアレイの下に位置する、請求項4記載の方法。
  10. 前記レンズ材料層を研磨する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  11. 前記湾曲した凹部を処理し、且つ平滑化する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  12. 前記湾曲した凹部と前記レンズ材料層との境界面は、可視光の波長より小さい粗さを有する、請求項1記載の方法。
  13. 前記粗さは、前記可視光の波長のほぼ1/10未満である、請求項12記載の方法。
  14. 前記2つの除去するステップは、複数の湾曲した凹部を形成する、請求項1記載の方法。
  15. 少なくとも1つの湾曲した凹部は、他の湾曲した凹部とは異なる形状を有する、請求項14記載の方法。
  16. 前記湾曲した凹部は、非球面である、請求項1記載の方法。
  17. 前記誘電層の露出された部分を除去した後に、前記パターニング層の残りの部分を除去する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  18. 前記レンズは、マイクロレンズまたは非球面レンズである、請求項1記載の方法。
  19. 基板と、
    基板上に配置され、上面上に少なくとも1つの湾曲した凹部を有する誘電層と、
    前記誘電層上に配置されたレンズ材料層と、
    を備えるレンズまたはレンズアレイ装置。
  20. 前記基板と前記誘電層との間に、センサ素子アレイをさらに備える、請求項19記載の装置。
  21. 前記センサ素子は、CMOSまたはCCD素子である、請求項20記載の装置。
  22. 前記レンズ材料は、前記誘電層より高い屈折率を有する、請求項19記載の装置。
  23. 前記誘電層は、湾曲した凹部のアレイを有する、請求項19記載の装置。
  24. 前記湾曲した凹部の少なくとも1つは、非球面である、請求項19記載の装置。
  25. 前記湾曲した凹部の少なくとも1つは、他の湾曲した凹部とは異なる形状を有する、請求項23記載の装置。
  26. 前記誘電層及びレンズ材料層は、堆積により形成される、請求項19記載の装置。
  27. 前記レンズ材料層は、研磨された上面を有する、請求項19記載の装置。
  28. 前記レンズ材料層との境界面における前記誘電層の粗さは、可視光の波長より小さい、請求項19記載の装置。
  29. 前記粗さは、前記可視光の波長のほぼ1/10以下である、請求項28記載の装置。
  30. 前記湾曲した凹部は、非球面である、請求項19記載の装置。
  31. 前記湾曲した凹部は、マイクロレンズまたは非球面レンズを形成する、請求項19記載の装置。
  32. レンズまたはレンズアレイを製造するための方法であって、
    基板を準備する工程と、
    前記基板上に誘電層を堆積する工程と、
    前記誘電層上に湾曲した凹部を形成するよう、形成されるべきレンズに対応する前記誘電層の一部を選択的に除去する工程と、
    前記誘電層上にレンズ材料の層を形成する工程と、を含む方法。
  33. 前記誘電層を堆積する前に、前記基板上にセンサ・アレイを形成する工程をさらに含む、請求項32記載の方法。
  34. 前記レンズ材料の屈折率は、前記誘電層の屈折率より高い、請求項32記載の方法。
  35. 前記形成されるべきレンズは、マイクロレンズである、請求項32記載の方法。
  36. 前記形成されるべきレンズは、非球面である、請求項32記載の方法。
  37. 前記形成する工程は、前記湾曲した凹部に充填されるレンズ材料を堆積する工程を含む、請求項32記載の方法。
  38. 前記形成する工程は、前記湾曲した凹部を有する前記誘電層を成形用テンプレートとして使用する工程を含む、請求項32記載の方法。
  39. レンズを製造するための型を製造する方法であって、
    基板を準備する工程と、
    前記基板上に誘電層を堆積する工程と、
    前記誘電層上にパターニング層を堆積する工程と、
    形成されるべきレンズに対応する前記誘電層のエリアの上を覆うパターニング層の一部を除去する工程と、
    前記誘電層の露出された部分に湾曲した凹部を形成するよう、前記誘電層の前記露出された部分を除去する工程と、を含む方法。
  40. 前記形成されるべきレンズは、マイクロレンズまたは非球面レンズを備える、請求項39記載の方法。
  41. 基板と、
    前記基板上に配置された誘電層と、を備え、
    前記誘電層は、その上面上に少なくとも1つの湾曲した凹部を有し、前記湾曲した凹部は形成されるべきレンズに対応している、レンズまたはレンズアレイを成形するための装置。
  42. 前記形成されるべきレンズは、マイクロレンズまたは非球面レンズを備える、請求項41記載の装置。
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