JP2007527376A - タンパク質のジスルフィド結合形成およびグリコシル化の方法とそれに用いられる試薬 - Google Patents

タンパク質のジスルフィド結合形成およびグリコシル化の方法とそれに用いられる試薬 Download PDF

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Abstract

ジスルフィド結合を、特にタンパク質、ペプチドおよびアミノ酸において形成するための方法および試薬に関する。本発明の方法および試薬は、タンパク質、ペプチドおよびアミノ酸の制御されたグリコシル化に特に有用となる。本方法は、試薬または中間体としてチオスルフォネートまたはセレネニルスルフィドの化合物を使用する。セレネニルスルフィド基を含むタンパク質およびペプチドのあるものもまた、本発明の一部を形成する。

Description

本発明はタンパク質のジスルフィド結合形成の方法および/または化学修飾方法とそれ
に用いられる試薬に関する。特にタンパク質のグリコシル化に使用される試薬または方法である。
タンパク質の翻訳時および翻訳後のグリコシル化は、これらの生体活動や安定化において重要な役割を演じる(R. Dwek, Chem. Rev., 96: 683-720 (1996))。
例えば、グリコシル化反応は、細胞のシグナル伝達および制御、発生と免疫といった必須の生物的諸過程において主要な役割を果たす。これらの事象の研究は、糖タンパク質が同じペプチド骨格を有するものの、グリコシル化の性質もその部位も異なる、いわゆる糖型物混合物として自然界に生じるという事実により困難なこととなる。
さらに、タンパク質のグリコシル化は遺伝により直接に制御されるものではないため、哺乳類細胞培養における治療用の糖タンパク質の発現は、雑多な糖型の混合物を生じる。均質な糖タンパク質の糖型を合成する能力は、正確な研究目的の前提条件であるだけでなく、現在、多型の糖型混合物として市販されている治療用の糖タンパク質(例えば、エリスロポエチンおよびインターロイキン)の調製においても重要性が増している。リン酸化およびメチル化といった、タンパク質の他の翻訳後修飾もまた重要性を有している。このようなタンパク質の修飾の度合いや性質を制御することは、生体系におけるその作用を研究しまたは制御する可能性をもたらす。(B. G. Davis, Science, Vol 303, p 480-482, 2004)。
タンパク質をグリコシル化する数々の方法が化学合成も含め、知られている。糖タンパク質の化学合成は、ある有用性、少なからず純粋な糖タンパク質糖型に近づく可能性を与える。既知の合成方法の一つは、チオール基選択的な炭水化物試薬である、グリコシルメタンチオスルフォネート試薬(グリコ(glyco)−MTS)を利用する。前記グリコシル
メタンチオスルフォネート試薬はタンパク質のチオール基と反応し、ジスフィルド結合によりタンパク質と結合するグリコシル残基が導入される(例えば WO00/01712参照)。
しかし、glyco−MTS試薬は多くの欠点があり、例えば往々にして並みの反応収率、
その調製における困難さ、ならびにしばしば使用される塩基性条件下での安定性の問題をはらんでいる。そのため、容易に調製できて、安定性があり、および高収率でグリコシル化タンパク質を生成することができるタンパク質グリコシル化用試薬が望まれてきた。
また、多種多様のタンパク質において、単一部位でも複数の部位でもグリコシル化ができ、高収率でグリコシル化タンパク質産物を生成し、位置選択的である他のタンパク質グリコシル化の方法も望まれている。
驚くべきことに本発明者らは、ある種の硫黄およびセレンを含有したグリコシル化試薬が、比較的簡単に調製することができ、対応するglyco−MTS試薬よりも一般的に安定
性があり、高収率でタンパク質も含め、広範囲のチオールを含有する化合物のグリコシル化に使用できることを見出した。
第1の方法として、本発明はジスルフィド結合 (−S−S−)を形成する方法を提供す
る。この方法は、少なくとも1個のチオール基(−SH)を含む有機化合物と式Iの化合物とを反応させることを含む。
R−S−X−R1 (I)
(式I中、XはSO2またはSeであり、好ましくはSeである。Rは有機部分であり、
例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、または炭水化物部分である。R1は置
換されていてもよいアルキル基であり、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいピリジル基、または置換されていてもよいナフチル基であり、かつ、XがSO2
のときR1はアルキル基(置換されていてもよい)ではないという条件である。)
少なくとも1つのチオール基を含む有機化合物は、アミノ酸、ペプチドまたはタンパク質であることが好ましい。
第2の方法として、本発明は少なくとも1個のチオール基(−SH)を含むタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸を化学修飾する方法であり、先に定義した式Iの化合物と、前記のタンパク質、ペプチド、またはアミノ酸とを反応させることを含む方法を提供する。
R−S−X−R1 (I)
さらに、別の態様として、本発明はRが炭水化物部分を表す式Iの化合物を提供する。
Rがアルケニルまたはアルケニル基であるとき、式Iの化合物との反応によって生成したジスフィルド化合物がR基内のC=C結合、またはC≡C結合での反応によってさらに変更される可能性がある。
本発明者らは驚くべきことにさらに、チオール基含有タンパク質が対応するセレネニルスルフィドに変換され、このように形成されたS−Se結合における硫黄の求電子性が、炭水化物を含むチオール基含有化合物による求核置換を受けやすくするということを見出した。
第3の方法として、本発明は少なくとも1個のチオール基(−SH)を含むタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸を化学修飾する方法を提供する。その方法は、そのチオール基をセレネニルスルフィド基(−S−Se−R2)に変換することを含む。したがって本発
明により少なくとも1つのセレネニルスルフィド基を含むタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸を調製することが可能となる。少なくとも1つのセレネニルスルフィド基を含む、そうしたタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸は、本発明のさらなる特徴を構成する。特に好ましくは、少なくとも1つのセレネニルスルフィド基を含むタンパク質またはペプチドである。
タンパク質、ペプチドまたはアミノ酸中のセレネニルスルフィド基は、さらにチオール基を含む有機化合物と反応する可能性があり、化学修飾されたタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸を与えるであろう。その場合、その有機基はジスフィルド結合によってタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸に結合している。好ましくはチオール基を含むその有機化合物は、炭水化物化合物であり、これによりアミノ酸、ペプチドまたはタンパク質のグリコシル化の方法を提供する。本明細書において「グリコシル化」とは、別の部分と共有結合によってグリコシル単位が付加する一般的過程を意味する。
第4の方法として、本発明は少なくとも1つのチオール基(−S−H−)を含むタンパク質、ペプチド またはアミノ酸を化学修飾する方法を提供する。該方法は以下を含む。
(a)該チオール基をセレネニルスルフィド基(−S−Se−R2)へ変換すること
(b)チオール基を含む有機化合物とそのセレネニルスルフィド基とを反応させること
本発明の第1、2、3、4の態様を、以下、第1、第2、第3、第4の方法として、各々を言及する。特記しない限り、本明細書にある好ましい構成および定義はこれらのすべての方法と関係している。さらに、本発明はここに述べられる、好ましいいずれかの構成のすべての可能な組み合わせを含む。そうした組み合わせが明らかに開示されているか、
いないかにかかわらずである。
第1の方法および第2の方法によるジスフィルド結合形成の一般化された反応スキームは、スキーム1に表される。
Figure 2007527376
好ましくはスキーム1に示される有機部分は、タンパク質、ペプチドまたはアミノ酸である。
第3の方法および第4の方法によるタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸のセレネニルスルフィド基導入の一般化されたスキームは、スキーム2で表される。
Figure 2007527376
スキーム2の方法により、R2基はタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸とセレネニル
スルフィド(−S−Se−)結合を介して共有結合することとなる。このようなタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸は本発明のさらなる局面を形成する。
セレネニルスルフィド基を含むタンパク質およびペプチドは、X線回折技術によるタンパク質構造の決定において有用であるかもしれない。現在のところ、MAD技術(多波長異常分散)は、タンパク質中のすべてのメニオニン残基をセレノメチオニン基に変換する反応を伴う。修飾タンパク質および非修飾タンパク質のX線回折パターンの比較によって、その非修飾タンパク質の構造決定を行なうことが可能となる。本発明の方法により、そのような技術に使用できそうな、セレニウムを含む代替のタンパク質またはペプチドの便利かつ容易な利用を可能とする。本発明の方法は、重金属をタンパク質の構造に導入するための簡易な方法を提供し、これによりX線回折データの解析が容易になる。
セレネニルスルフィドを含むタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸は、スキーム3の一
般化された反応図式に表される第4の方法により、チオール基を含む有機化合物とさらに反応することができる。
Figure 2007527376
スキーム3の方法により、該有機部分がジスフィルド結合(−S−S−)を介してタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸と共有結合することとなる。この方法において、タンパク質、ペプチドまたはアミノ酸は、求電子試薬として働き、他方、チオール基を含む有機化合物は求核試薬として働く。対照的にグリコ−MTS試薬を用いる既知の反応は、タンパク質、ペプチドまたはアミノ酸中の求核性チオール基と求電子試薬のグリコ−MTS試薬との反応を含む。本発明による方法は、グリコ−MTS試薬を用いる公知のタンパク質化学修飾方法に対して相補的関係にある方法を提供する。
本明細書でアルキル基は、好ましくは1〜10個の炭素原子を含む直鎖または分岐のア
ルキル基であり、より好ましくは1〜6個の炭素原子を含む直鎖または分岐のアルキル基である。好ましいアルキル基としては、メチル基およびエチル基が挙げられる。本明細書で好ましいアルケニル基は、少なくとも1個のC−C二重結合を含む直鎖または分岐の炭化水素であり、2〜20個の炭素原子を有し、好ましくは2〜10個の炭素原子を有し、より好ましくは2〜6個の炭素原子を含む。好ましいアルケニル基として以下のものが挙げられる。
−(CH2)CH=CH2,−CH2CH2CH=CH2
プレニル基((CH32C=CHCH2−)
ファルネシル基((CH32C=CH[CH2CH2C(CH3)=CH]2CH2−)
本明細書で好ましいアルキニル基は、少なくとも1個のC−C三重結合を含む直鎖または分岐の炭化水素であり、2〜10個の炭素原子を有し、好ましくは2〜6個の炭素原子を含む。好ましいアルキニル基には以下のものが含まれる。
−CH2C≡CH,−CH2CH2C≡CH
1が任意に置換された基を表す場合、適切な置換基として、式Iの化合物の生成を妨
げないか、あるいは第1の方法または第2の方法によるジスフィルド結合の形成反応を妨げない任意の置換基が挙げられる。例えば、−NO2、−SO3H、−CO2H、−(CH2CH2O)nH、−(CH2CH2O)nMeであり、nは1〜100の整数であり、好まし
くは1〜50の整数であり、より好ましくは1〜20の整数であり、特に好ましくは1〜10の整数である。R1基は1〜5個、好ましくは1〜2個の置換基で別個に置換されて
もよい。R1基は任意に、例えばポリスチレン樹脂のような樹脂である固体担体に結合し
てもよく、またはその一部を構成してもよい。
1基は、フェニル基が好ましい。式Iの化合物のR1基がフェニル基または他の芳香族基である場合、第1の方法または第2の方法によるチオール基含有化合物との反応の進行を、UV分光法を使ってモニターすることができるという利点がある。したがって、例えばPhSO2‐発色団は、約265nmでUVスペクトル極大を示す。PhSO2−部分は、式Iの化合物にも、またジスフィルド結合生成反応の副生物であるPhSO2 -にも存在する。しかし関係する吸光係数は、UVを使って反応の進歩を追跡できるほど充分に異なる。同様に、本発明の第3、第4の方法も、R2がフェニル基または他の芳香族基である場
合に、UV分光法によってモニタリングされる。
式Iの化合物において、R基はいかなる有機部分であってもよく、とりわけタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸と結合するのに適した有機部分である。Rの種類に特に制限はないが、例えば、−S−X−基は、第1級、第2級、または第3級である。Rは芳香族基また
は脂肪族基であってもよい。R基は必要に応じて置換することができ、例えばフォスホリル基またはスルフォニル基によって置換されてもよい。XがSeのとき、他のタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸とジスフィルド結合を介して結合ができるように、Rはタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸であってもよい。
R基として好ましいものにファルネシル(farnesyl)基が挙げられる。ファルネシル化は多くのタンパク質(腫瘍原性タンパク質Rasを含む)に関係している自然の翻訳後修飾である。本発明の方法により、タンパク質、ペプチドおよびアミノ酸をファルネシル化することができる。
またRは、リンカーを介してS−X−基と結合してもよい、炭水化物部分であることも
好ましい。そのリンカーは炭水化物部分とS−X−基との間に1〜10の原子を含むこと
ができる。例えばそのリンカーは、アルキレン基(例えば、−(CH2t−基であり、tは1〜10の整数)またはアルケニレン基(例えば、−(CH2)CH=CH−または−CH2CH2CH=CH−基)である。S−X−基が糖残基のアノマー位に存在するか、ある
いはリンカーを介してそのアノマー炭素と結合している化合物が好ましい。
好ましい炭水化物部分には、単糖類、オリゴ糖類および多糖類が挙げられ、天然の糖タンパク質にあるか、または生体系に存在するすべての糖部分が含まれる。好ましくは保護されていてもよいグリコシル誘導体またはグリコシド誘導体であり、例えば保護されてていもよいグルコシル、グルコシド、ガラクトシルおよびガラクトシド誘導体である。グリコシルおよびグリコシドは、αおよびβの基を含んでいる。好ましい炭水化物部分には、グルコース、ガラクトース、フコース、 GlcNAc、GalNAc、 シアル酸、マンノース、ならびに少なくとも1個のグルコース、ガラクトース、フコース、GlcNAc、GalNAc、 シアル酸および/またはマンノースの残基を含むオリゴ糖または多糖類が挙げられる。
炭水化物の官能基は、いずれも当該技術分野において知られている保護基を使用して必要に応じ保護してもよい( 例えばグリーンら "有機合成における保護基"、 第2版、 Wiley、 New York、1991年。その開示は参照によってここに取り込まれる。)。炭水化物部
分の任意の−OH基のための適切な保護基として、アセチル(Ac)、ベンジル(Bn)、ピボリル(piv)、シリル(例えば、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMSi)お
よびtert-ブチルジフェニルシリル(TMDPSi))、アセタール、ケタールおよびメ
トキシメチル(MOM)が挙げられる。該保護基は、炭水化物部分がアミノ酸、ペプチドまたはタンパク質へ付着する前後に取り除くことができる。
好ましい炭水化物部分には、Glc(Ac)4β−、Glc(Bn)4β−、Gal(Ac)4β−、Gal(Bn)4β−、Glc(Ac)4α(1,4)Glc(Ac)3α(1,4)Glc(Ac)4β−、β−Glc、β−Gal、α−Man、α−Man(Ac
4、Man(1,6)Manα−、Man(1−6)Man(1−3)Manα−、(
Ac)4Man(1−6)(Ac)4Man(1−3)(Ac)2Manα−、−Et−β
−Gal、−Et−β−Glc、Et−α−Glc、−Et−α−Man、−Et−Lac、−β−Glc(Ac)2、−β−Glc(Ac)3、−Et−α−Glc(Ac)2
−Et−α−Glc(Ac)3、−Et−α−Glc(Ac)4、−Et−β−Glc(Ac)2、−Et−β−Glc(Ac)3、−Et−β−Glc(Ac)4、−Et−α−M
an(Ac)3、−Et−α−Man(Ac)4、−Et−β−Gal(Ac)3、−Et
−β−Gal(Ac)4、−Et−Lac(Ac)5、−Et−Lac(Ac)6、−Et
−Lac(Ac)7、またはその脱保護された等価物である。
自然界の糖類から生じる炭水化物部分を構成する好ましい単糖の単位は、 互いに天然
の鏡像体(enantiomeric form)となり得て、これらはD−型(例えばD−グルコースま
たはD−ガラクトース)か、あるいはL−型(例えばL−ラムノースまたはL−フコース)のいずれでもよい。いずれのアノマー結合はα−またはβ−の結合である。
第1の方法または第2の方法で用いるチオール基を含む化合物は、少なくとも1個のチオール基を含む任意の有機化合物である。チオール基は第1級、第2級、または第3級であってもよい。該化合物は芳香族または脂肪族であってもよい。もし該化合物が1個より多いチオール基を含む場合、このような各々のチオール基部分でジスルフィド結合が形成される可能性がある。
前記化合物は、アミノ酸、ペプチドまたはタンパク質が好ましい。本明細書では、ペプチドは、互いにアミド結合を介して結合した少なくとも2個のアミノ酸残基を有している
。タンパク質、ペプチドまたはアミノ酸に含まれるアミノ酸は、α‐アミノ酸であることが望ましい。アミノ酸はD−型でもL−型でもよいが、好ましくはL−型である。そうし
たアミノ酸、 ペプチドまたはタンパク質は、チオール基を含む天然のアミノ酸、 ペプチドまたはタンパク質でもよく、例えば1個以上のシステイン残基の存在によるものが挙げられる。あるいはそうしたアミノ酸、ペプチドまたはタンパク質が、前駆体であってチオールを含まないアミノ酸、ペプチドまたはタンパク質の化学修飾によって調製されてもよい。あるいはチオール基を含むペプチドまたはタンパク質は、部位特異的突然変異によってシステイン残基を導入して調製し得る。部位特異的突然変異は当該技術分野において公知の技術である。( 例えば WO00/01712 および J. Sambrookら、 分子クローニング:研究室マニュアル第3版、 Cold Springs Harbour Laboratory Press、2001年、参照。その
開示は参照によってここに取り込まれる。)
好ましいタンパク質として酵素を含み、その特異性は、本発明の方法および試薬を用いてグリコシル化の制御をすることによって修飾されるであろう。他の好ましいタンパク質には、治療用のタンパク質、すなわち血清アルブミンおよび血液タンパク質、ホルモン、インターフェロン、レセプター、抗体、インターロイキンおよびエリスロポエチンが挙げられる。
式Iの化合物は通常チオール選択性であり、このために通常、チオール基を含む有機化
合物に他の官能基が存在しても、そのことがその反応を妨げないことが見出されている。しかしながら他の官能基は、いずれも必要に応じて反応条件下で安定である、当該技術分野で公知の保護基を用いて保護してもよい。
第1の方法または第2の方法におけるジスルフィド結合の形成反応は、一般には中性または塩基性(pH約7〜約9.5)の緩衝液中にて行われ、わずかに塩基性(pH約8〜約9)の緩衝液が特に好ましい。適した緩衝液は、HEPES、CHES、MESおよびトリスである。チオール基含有化合物がタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸である場合、このようなpHであれば、反応中に望ましくない変性は僅かであるかまたはまったく起こらない。同様に温度に敏感な化合物に対し、重大な損害を避けるために反応温度を選択しなければならない。例えば、タンパク質またはペプチドとの反応では、変性を避けるために室温またはそれより低い温度で行うのが好ましい。水性の溶媒系または有機溶媒系を用いることができるが、タンパク質、 アミノ酸またはペプチドを確実に溶解するには水性
の溶媒系が好ましい。その反応は一般的にかなり迅速であり、例えばしばしば1時間未満
で起こる。
一般に式Iの化合物は過剰に用いられ、例えばチオール基含有化合物に関して10〜20当量用いられる。これに対して、グリコ−MTS試薬試薬を用いる反応では、多くの場合、およそ30当量の使用が必要となり、それは試薬費用に加わる。
式Iの化合物においてRが炭水化物部分であり、XがSO2であり、R1がフェニル基である場合、対応するグリコ-MTS化合物の場合よりも塩基性条件下で安定であることが見出されている。それゆえ未反応または過剰である式Iの化合物は多くの場合、該反応から再利用のために回収することができる。このことは、Rが炭水化物部分を表している場合、そうした化合物が比較的高価でありおよび/または調製に多くの時間を要するために特に好都合である。さらに式Iの化合物がフェニルチオスルフォネート化合物である場合、対応するMTS化合物よりも一般に安価であり容易に調製できる。
式Iの化合物はいくつかの異なる方法で調製することができる。XがSO2を表わす化
合物である場合、式IIの化合物と式IIIの化合物とを反応させることにより調製してもよ
い。
M(SSO21k II
(式中、M は金属であり、例えばLi、Na、K、Cs、Ca、Mg、ZnまたはAlを示すが、Na、Kが好ましい。kは1〜3の整数である。)
R−L III
(式中、Rは式Iについて定義されたとおりであり、Lは脱離基である。)
脱離基Lは、生成したアニオンL−が、何ら甚だしく反応を妨げることがない、例えば
生成物と反応することにより妨げられることはない限り使用することができる。好ましい脱離基として、Lはトルエンスルフォネート(トシレート)、メタンスルフォネート(メシレート)およびトリフルオロメタンスルフォネート(トリフレート)のようなハロゲンおよびスルフォネートを含むものである。特にクロロまたはブロモである場合が好ましい。
式IIIの化合物は市販のもの、または当該技術分野における公知の方法により調製する
ことができ、例えば一般にはハロゲン化糖、より好ましくは1−ハロゲン糖を生成する方法がある。式IIIの化合物はハロゲン化グリコシル(glycosyl halide)が好ましい。式IIIの化合物として適したものは、例えば一般的に下記に示されるようなグルコースまたは
ガラクトースに基づくものが挙げられる。
Figure 2007527376
(式中、各R5 は独立にHまたは糖部分であり、または例えばAcまたはBnのような適切な保護基であるが、各R5 はHが好ましい。R3とR4は一方がHであり、他方はOH、O−保護基またはO−糖部分であるが、HまたはO−糖部分であるのが好ましい。tは1〜10の整数であり、好ましくは1〜6、より好ましくは2または3である。)
式IIIの化合物が可溶である溶媒系であればいかなる溶媒系で反応を進行させることが
できる。式IIの化合物もまた少なくとも部分的に可溶である溶媒系が好ましい。適切な溶媒としてエタノール、メタノールのようなアルコールまたはN,N−ジメチルフォルムアミド(DMF)およびアセトニトリルが挙げられる。中でもアセトニトリルが好ましい。式IIの化合物は、スキーム4に示すように硫黄と対応するスルフィニート(sulfinite)
塩(式VII)との反応によって調製することができる。
M(SO21k+S→M(SSO21k
VII II
スキーム4
結晶である式IIの化合物は、精製、特に大規模な精製を容易とするためには望ましい。
式VIIのスルフィニート(sulfinite)塩は市販のもの(例えばナトリウムベンゼンスルフィニート)、または当該技術分野において公知の方法により調製することができるもの(例えばJP 61205249, および M. UchinoらChemical & Pharmaceutical Bulletin, 1978, 26 (6), 1837-45参照。その開示は参照によってここに取り込まれる。)である。
例えば対応するチオレート塩R1S−は、リチウムメチルのような適切な塩基を使用し
て、対応するチオール化合物R1SHの脱プロトン化によって生成することができる。そ
のチオレート塩は、次いで適切な酸化剤、例えば2−(フェニルスルフォニル)−3−フェニルオキサジリジン("Davis試薬", Sandrinelliら、 Organic Letters (1999), 1 (8), 1177-1180, その開示は参照によってここに取り込まれる。)を用いて対応するスル
フィニート塩に酸化することができる。
もう一つの方法としてXがSO2である式Iの化合物は、スキーム5に示すように、銀
イオンの存在下でスルフィニートアニオンR1SO2 -と式VIIIのジスルフィドとを反応さ
せることによって調製することができる。
Figure 2007527376
式VIIIのジスルフィド化合物は、市販のものが得られ、または当該技術分野において公知の方法により調製できるものである。
XがSeである式Iの化合物は、式Vの化合物の反応によって生成できる。
R−SH V
式中、Rは式Iの化合物に定義されたとおりであり、式VIaまたは式VIbの化合物である。
1SeL21Se(OH)2
VIa VIb
(式中、R1は式Iによって定義されたとおりで、L2は脱離基であり、例えばOH、Br、Cl、CNまたはIが挙げられるが、Brが好ましい。)
該反応は無水ジクロロメタン中で行なわれ、次いでトリエチルアミンを加えて抑止させることができる。式VIaの好ましい化合物はPhSeBrであり、式VIbの好ましい化合物はPhSe(OH)2である。
式VIの化合物は、市販のもの(例えばPhSeBr、PhSeCl、PhSeCN、2−ニトロフェニルセレノシアネート)であり、または当該技術分野における公知の方法により調製できるものである。例えばMeSeBrは、次の方法を参照することにより生成される;Hope, Eric G.; Kemmitt, Tim; および Levason, William, in Journal of the Chemical Society, Perkin Transactions 2:Physical Organic Chemistry (1972-1999) (1987), (4), 487-90。その開示は参照によってここに取り込まれる。)
少なくとも1つのチオール基を含む有機化合物(式Vの化合物を含む)は市販のものでもよく、または当該技術分野における公知の方法により調製してもよい。例えばそれらの方法は一般にチオール化合物、特にチオ−糖の調製方法である。
例えばチオ糖は、対応するハロ糖から調製してもよい。ハロ糖とチオウレアとを処理して対応するイソチオウロニウム塩を与えることによる(W. A. Bonner, J. E. Kahn, J. Am. Crew. Soc. 1951,73)。続いてナトリウムメタビスルフィートを用いる穏やかな加水分解により対応するチオールが生じる。もし必要であれば、チオ糖を合成する間、適切な保護基を用いることができる。式Vの化合物におけるRが炭水化物部分である場合、チオール基は該部分のどの部分であってもよい。好ましくは糖のアノマー位にあるか、またはリンカーを介してアノマー炭素に結合してもよい。
グルコースおよびガラクトースに基づく式Vの化合物の適切例は、一般には下記のように示される。
Figure 2007527376
(図中、各R5 は独立にHまたは糖部分であり、または例えばAcまたはBnのような適切な保護基であるが、各R5 はHが好ましい。R3とR4の一方がHであり、他方はOH、O−保護基またはO−糖部分であるが、好ましくはHまたはO−糖部分である。rは2〜10の整数であり、好ましくは2〜6、より好ましくは2または3である。 )
本発明の第4の方法において式Vの化合物は、チオールを含む化合物として用いるのにも最適である。
式Vの化合物と式VIの化合物との反応において、式Vの化合物の他の官能基はいずれも保護されなくてもよいが、当該技術分野で公知の保護基によって保護することもできる。
第3の方法または第4の方法により、タンパク質、ペプチドまたはアミノ酸中の少なくとも1個のチオール基をセレネニルスルフィド基へ変換することは高度に選択的である。さらにセレネニルスルフィド基とチオールを含む有機化合物との反応は、高度に部位選択的である。そのため、本発明の方法を実施す際、タンパク質、ペプチドまたはアミノ酸または他のチオールを含む有機化合物にある他の官能基を保護することは通常、必要ではない。このことは、生成物にその後の脱保護工程を実施する必要性を回避できるためにかなり好都合である。
タンパク質、ペプチドまたはアミノ酸が1個を超えるチオール基を含む場合、このよう
な各チオール基は対応するセレネニルスルフィド基に変換される可能性がある。前記セレネニツスルフィド基の各々はチオール基を含む有機化合物と反応させてもよく、ジスルフィド結合を介してタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸の複数の部位で該有機化合物を結合する可能性がある。したがって本発明の方法は、複数部位でタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸を化学修飾する都合のよい方法を提供する。特に本発明の方法は、タンパク質、ペプチドまたはアミノ酸の複数部位でのグリコシル化を可能にする。
第3または第4の方法においてタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸のチオール基のセレネニルスルフィド基への変換は、式XaまたはXbの化合物と該タンパク質、ペプチドまたはアミノ酸とを反応させることにより都合よく実施できる。
2−Se−L2 または R2−Se(OH)2
Xa Xb
(式中、Lは脱離基であり、例えばOH、Br、CN、ClまたはIであり、Brが好ましい。R2は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置
換されていてもよいベンジル基、置換されていてもよいピリジル基、置換されていてもよ
いナフチル基である。好ましいR2はフェニル基であり、式Xaの好ましい化合物はPh
SeBrであり、式Xbの好ましい化合物はPhSe(OH)2である。
2が置換されていてもよい部分を表す場合、適した置換基としてはチオール基を含む
タンパク質、ペプチドまたはアミノ酸との反応を妨げないすべての置換基を含むものであり、好ましくはタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸のその後の反応、例えばチオールを含む有機化合物との反応を妨げない置換基である。適した置換基としては、−NO2、−
SO3H、 −CO2H、−(CH2CH2O)nHおよび−(CH2CH2O)nMeが挙げら
れ、nは好ましくは1〜100であり、より好ましくは1〜20であり、さらに好ましくは1〜10の整数である。R2基は独立に1−5の置換基、好ましくは1または2の置換
基で独立に置換されることができる。
2基は必要に応じて、固体保持体に固定化され、またはその一部を形成する。例えば
、 式Xaまたは式Xbの化合物は、以下に示すようなポリスチレン樹脂のような樹脂か
ら生じる。
Figure 2007527376
式Xaおよび式Xbの化合物は、前記の化合物VIaおよび化合物VIbのように、市販のものまたは当該技術分野における公知の方法により調製することができるものである。
各チオール基を対応するセレネニルスルフィド基に確実に変換させるためには、タンパク質、ペプチドまたはアミノ酸中のチオール基当り、少なくとも1モル当量の式Xaまた
は式Xbの化合物を用いなければならない。該反応は、緩衝液(例えばMES、pH9.5)の存在下、水性溶媒(水とアセトニトリルの混合物のような)中において進行させるのが好ましい。該反応のpHおよび温度は、タンパク質またはペプチドの望ましくない変性を避けるように選択しなければならない。該反応はわずかに塩基性のpH(約pH8〜
約pH9)において、室温またはそれ以下の温度で進行させるのが好ましい。
チオール基を含む有機化合物は、タンパク質、ペプチドまたはアミノ酸と結合するのに適当であるすべての有機化合物であり、そのチオール基の硫黄原子は、求核試薬として作用し、セレネニルスルフィド基と反応することができる。天然の有機化合物であれば特に制限はない。例えば、チオール基は第一級、第二級または第三級であってもよい。該化合物は芳香族または脂肪族でもよい。例えば、アルキル、アルケニル(例えばファルネシル)またはアルキニルのチオール基が挙げられる。好ましくは、該化合物がチオール基を1つだけ含有していることである。
タンパク質、ペプチドまたはアミノ酸と結合するのに適した有機部分は、タンパク質、ペプチドまたはアミノ酸の物理的もしくは化学的な諸性質を修飾するのに有用な任意の置換基を含有している。適した部分には、タンパク質、 ペプチドまたはアミノ酸の安定性
、加工処理または溶解性の助けとなる標識(例えば蛍光標識)または基が含まれる。そうした有機化合物は、本発明の方法を用いてジスフィルド結合を介して一つのタンパク質、
ペプチドまたはアミノ酸と他のタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸とを結合させる可
能性を与えることができる第二のタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸であってもよい。
好ましくは少なくとも1個のチオール基を含む有機化合物が、ファルネシル誘導体であるか、または前述した炭水化物部分であり、これらは必要に応じリンカーによってチオール基(−S−H−)に結合されている。そのリンカーは炭水化物部分と−SH基との間に1〜10原子を含むことができる。例えば、アルキレン基(例えば−(CH2t、tは1〜10である)、またはアルケニレン基(例えば−(CH2)CH=CH−、または−C
2CH2CH=CH−)が挙げられる。チオール基を含む化合物は、チオール基が糖残基のアノマー位にあるか、またはリンカーによりアノマー炭素と結合する化合物が好ましい。
炭水化物部分にあるいずれの官能基は、前述のとおり、当該技術分野で公知の保護基を用いて保護することもできる。その保護基は炭水化物部分がアミノ酸、ペプチドまたはタンパク質と結合する前または後において、取り除くことができる。これらは、結合後の不必要な脱保護工程を避けるためにも、セレネニルスルフィド化合物と反応させる前に取り除くのが好ましい。本発明のグリコシル化方法のさらなる有利な点は、保護されていない炭水化物部分がアミノ酸、ペプチドまたはタンパク質と結合することを可能にする点である。
第4の方法によりセレネニルスルフィド基とチオール基を含む有機化合物との反応(すなわちジスフィルド結合形成反応)は、一般に中性または塩基性(例えば約pH7〜約pH9.5)での緩衝液の存在下で実施されるが、僅かに塩基性(例えば約pH8〜約pH9)が好ましい。適した緩衝液には、HEPES、CHES、MESまたはトリスが挙げられる。pHは反応中にタンパク質またはペプチドの望まない変性がほとんどないまたは全
くないpHでなければならない。同様に、温度に敏感な化合物の重大な損害を避けるように反応温度を選択しなければならない。 例えば、 タンパク質またはペプチドの反応は、これらの変性を避けるためには室温またはそれ以下の温度で進行させるのが好ましい。水性溶媒系または有機溶媒系を用いることができる。水性溶媒の系が好ましく、水性溶媒系はタンパク質, アミノ酸 またはペプチドの溶解を確実にすることができるからである。
水性溶媒系がまた、有機化合物として保護されていない炭水化物化合物の使用を可能とすることからも好ましい。該反応は一般に非常に早く、しばしば1時間未満である。
一般に少なくとも1個のチオール基を含む有機化合物は過剰に用いられ、例えばタンパク質、アミノ酸またはペプチドを基準として10〜20当量用いられる。しかし、場合によっては1モル当量の少なさで用いることができる。
炭水化物の化合物を大量に得る場合、高価であり、多くの時間を要する。そのため、少なくとも1つのチオール基を含む有機化合物が炭水化物の化合物である場合、節約のためにも最低数の当量だけ用いるのが好ましい。タンパク質グリコシル化方法についての先行技術の方法では、しばしば炭水化物化合物の大量過剰の使用を要する。例えば、1000当量のオーダーである (B. G. Davis, Curr.Ope71. Biotechnol. 2003, 14, 379)。 したがって、本発明による方法では、先行技術方法よりもグリコシル化合物のより少量当量の使用を可能とすることであるという有利な点がある。
本発明をさらに次の実施例により説明するが、これにより限定されるものではない。
実験の一般的事項
融点は、Kofler加熱ブロックで測定し、補正はしなかった。プロトン核磁気共鳴(δH)
スペクトルの400 MHzスペクトルは、COSYを利用して帰属した。炭素核磁気共鳴(δc)スペクトルは、HMQCを使用して帰属した。多重性は、DEPTシーケンスを使用して帰属した。化
学シフトはすべて、内部標準として残留溶媒を使用して、ppmでδスケール上に引用した
赤外スペクトルの吸収極大は、波数(cm-l)で記録し、s(強)および br(広)として分類した。低分解能マススペクトルは、イオン化法(ESI)または化学イオン化(MH3, CI)技術を使用して測定した。
高分解能マススペクトルは、化学イオン化(MH3,CI)技術を使用して、あるいはエレクトロスプレーイオン化法(ESI)またはフィールドイオン化法(FI+)を使用して測定した。M/z
値はダルトン(Dalton)で示され、その後に括弧内にそれらのパーセント存在率(percentage abundance)を付した。旋光度は、1 dmの光路長で旋光計により測定した。濃度は、g/100 mLで与えられる。
薄層クロマトグラフィー(t.l.c)は、メルクKieselgel 60F254、背面がガラスのプレコ
ートプレート上で実施した。プレートの可視化は、紫外線ランプ(λmax=254または365nm)および/またはモリブデン酸アンモニウム(5%、2M硫酸中)または硫酸(5% EtOH中)を用
いて行なった。フラッシュ(Flash)カラムクロマトグラフィーは、Sorbsil C60 40/60
シリカを用いて行なった。ジクロロメタン(DCM)は、水素化カルシウムから蒸留した。ア
セトンは、無水硫酸カルシウムから蒸留した。残りの無水溶媒は、Fluka社から購入した
。「ペトロール(Petrol)」とは、40〜60℃範囲で蒸留される石油エーテルの画分をいう。
タンパク質の質量分析スペクトロメトリー:液体クロマトグラフィー/マススペクトロメトリーは、Phenomenex Jupiter C5 カラム(150 x 2.1 mm x 5 μm)を使用するWaters Alliance 2790 HPLCに接続させたMicromass LCT(ESI-TOF-MS)で行なった。水(溶媒A)およびアセトニトリル(溶媒B)は、それぞれ0.5% 蟻酸を含み、流速が毎分0.2mlである移動相として使用した。濃度勾配は次のように設計された: 95%A(3分アイソクラチック(isocratic))から100%Bへ、次いで16分後に2分間、isocratic。LCTのエレクトロスプレー(electrospray)電源は、毛細管電圧、3 kVおよびコーン(cone)電圧30 Vで作動させた。窒素をネブライザーおよび溶媒除去ガスとして毎時400リットルの全体流速で使用した。ミオ
グロビン(ウマ心臓)を検量の標準として、ならびに系の感度を試験するために用いた。
実施例1:(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシル)−1
−イソチオウロニウムブロミド
Figure 2007527376
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロミド(11.0 g, 26. 4 mmol)とチオ尿素(3.10 g, 41.9 mmol)をアルゴン雰囲気下で無水アセトン(30 mL)
に溶解させ、60℃まで加熱した。20分後、白色固体が沈殿した。該沈殿物を濾過により取り除き、濾液を還流し、白色固体が沈殿しなくなるまでこの処理を繰り返した。白色がかった結晶が結合し、アセトン/ペトロールから再結晶することにより、標記の化合物(11.4 g, 76%)が白色結晶として得られた:融点194-196℃ [Lit. 191°C (H. Beyer, U. Schultz, Chem. Ber. 1954, 87, 78)] ; [α] D 25-5. 6 (c, 1. 0 in H2O) [Lit. [α] D
25-7. 6 (c, 1.4 in H2O) (W. A. Bonner, J. E. Kahn, J Am Chem Soc, 1951, 73, 2241) ]; δH (400 MHz, DMSO-d6) 1.97, 2.00, 2.02, 2.06 (12H, 4 x s, 4 x CH3), 4.06-4.25 (3H, m, H-5, H-6, H-6'), 5.07-5.12 (2H, m, H-2, H-4), 5.31 (1H, at, J9. 5 Hz, H-3), 5.77 (1H, d, J1,2 9.9 Hz, H-1), 9.13 (2H, brs, NH2), 9.29 (2H, brs, NH2)。
実施例2:1−チオ−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース
Figure 2007527376
(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシル)−1−イソチオウロニウムブロミド(9.0 g, 18.8 mmol)とNa225(4.93 g, 26.0 mmol)をDCM (150
mL) と水 (70 mL)との攪拌された混合物に加えた。該混合物をアルゴン雰囲気下、加熱
還流した。 1.5 時間後、室温(RT)まで冷却し、相を分離させた。水溶性相はDCM (3 x 50
mL)で再抽出した。これらの混合有機相を、水(50 mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空中で溶媒を除去することにより、標記の化合物(6.14 g, 90%)が白色固体とし
て得られた:融点112-114℃ [Lit. 113-114°C (R. J. Ferrier, R. H. Furneaux, Carbohydr. Res. 1977, 57, 73) ]; [α] D 24 +6. 3 (c, 1. 2 in CHCl3) [Lit. [α] D 20 +5.
0 (c, 1.1 in CHCl3) (R. J. Ferrer, R. H. Furneaux, Carbohydr. Res. 1977, 57, 73)]; δH (400 MHz, CDCl3) 1.99, 2.00, 2.05, 2.06 (12H, 4 xs, 4xCH3), 2.30 (1H, d,
J1,SH, 10.2 Hz, SH), 3.71 (1H, ddd, J4, 5 10.0 Hz, J5,6 2.4 Hz, J5,6 , 4. 7 Hz, H-5), 4. 10 (1H, dd, J6,6, 12.3 Hz, H-6), 4. 22 (1H, dd, H-6'), 4.53 (1H, at, J9.9 Hz, H-1), 4. 95 (1H, at, J9.5 Hz, H-2), 5. 08 (1H, at, J 9. 8 Hz, H-4), 5.17 (1H, at, J 9. 4 Hz, H-3)。
実施例3:(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−1−イソチオウロニウムブロミド
Figure 2007527376
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−D−β−ガラクトピラノシルブロミド (5.4 g, 13.0 mmol)とチオウレア (1.25 g, 16.8 mmol) をアルゴン雰囲気下で無水アセトン (40 mL) に溶解させ、60°Cまで加熱した。1時間後、室温まで冷却し、生じた残留物を濾
過して分離し、さらにアセトン/ペトロールから再結晶させることにより、標記の化合物(4.6 g, 70%, 2 段階)が白色結晶固体として得られた:融点134-137℃ [Lit. 170°C from isopropanol (W. A. Bonner, J. E. Kahn, J Am Chem Soc 1951, 73, 2241)] ; [α] D 25 +40. 4 (c, 1.0 in H2O) [Lit. [α] D 25 +16. 0 (c, 1.6 in EtOH, (W. A. Bonner,
J. E. Kahn, J Am Chem Soc 1951,73, 2241)) ; δH (500 MHz, DMSO-d6) 1.96, 2.02, 2.09, 2.15 (12H, 4 xs, 4xCH3) 4.06-4. 13 (2H, m, H-6, H-6'), 4.45 (1H, t, J6. 2 Hz, H-5), 5.12 (1H, at, J9.9 Hz, H-2), 5.24 (1H, dd, J2, 3 10.0 Hz, J3,4 3. 6 Hz,
H-3), 5. 39 (1H, d, J3,4 3.1 Hz, H-4), 5.71 (1H, d, J1,2 10.2 Hz, H-1), 9.12, 9.36 (2 x 2H, 2 x brs, 2 x NH2)。
実施例4:1−チオ−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−3−D−ガラクトピラノース
Figure 2007527376
(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−3−D−ガラクトピラノシル)−1−イソチオウロニウムブロミド (4.4 g, 8.8 mmol) とNa225(2.02 g, 10.6 mmol)をDCM (60 mL)と水 (30 mL)との攪拌された混合物に加えた。該混合物をアルゴン雰囲気下、加熱還流した。2.5 時間後、RTまで冷却し、相を分離させた。水溶性相はDCM (3 x 50 mL)で
再抽出した。 これらの混合有機相を、水(100 mL)で洗浄し、塩水 (100 mL)につけ、MgS04で乾燥し、濾過し、真空中で溶媒を除去することにより、標題の化合物 (2.65 g, 81%)
が白色固体として得られた:融点83−84℃[Lit. 86. 5-88°C (J. Frgala, M. Cerny, J.
Stanek, Collect. Czech. Chem. Commun. 1975, 40, 1411) ];
[α] D 24+30. 1 (c, 1. 0 in CHCl3) [Lit. [α] D 19 +32.0 (c, 3.5 in CHCl3) (J. Frgala, M. Cerny, J. Stanek, Collect. Czech. Chem. Commun. 1975, 40, 1411) ];δH (400 MHz, CDCl3) 1.99, 2.06, 2.10, 2.17 (12H, 4 xs, 4 x CH3), 2. 38 (1H, d, J1,SH 10.3 Hz, SH), 3.95 (1H, dt, J4, 5 1. 2 Hz, J5,6 6. 6 Hz, J5,6' 6.6 Hz, H-5), 4.09-4. 14 (2H, m, H-6, H-6'), 4.53 (1H, at, J9,9 Hz, H-1), 5.02 (1H, dd, J2,3 10. 1, J3, 4 3.4 Hz, H-3), 5.19 (1H, at, J 10.0 Hz, H-2), 5.44 (1H, at, dd, J3,4 3.7
Hz, J4,5 1.2 Hz, H-4)。
実施例5:(3,4,6−トリ−O−アセチル−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−1−イソチオウロニウムクロリド
Figure 2007527376
3,4,6−トリ−O−アセチル−2−アセトアミド−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシルクロリド(3.0 g, 8.2 mmol) とチオ尿素 (1.21 g, 14.6 mmol)をアルゴン雰囲気下で無水アセトン(25 mL)に溶解させ、60℃まで加熱した。2時間後、白色固体が沈殿した。該沈殿物を濾過により取り除き、濾液を還流し、白色固体が沈殿しなくなるまでこの処理を繰り返した。白色がかった結晶が結合し、アセトン/ペトロールから再結晶することにより、標記の化合物(2.19 g9 61%)が白色結晶として得られた:融点134−137℃ [L
it. 179-181℃from EtOH (D. Horton, M. L. Wolfrom, J. Org. Chem. 1962, 27, 1794)];
[α] D 25-25. 2 (c, 1. 0 in H2O) [Lit. [α] D 25-29. 3 (c, 1. 1 in MeOH) (D. Horton, M. L. Wolfrom, J. Org. Chem. 1962, 27,1794)] ; δH (400 MHz, DMSO-d6) 1. 80 (3H, s, NHCOCH3), 1.94, 1. 98, 2. 08 (9H, 3 xs, 3 x CH3), 4.05 (1H, dd, J5,6 2.4 Hz, J6,6, 12.4 Hz, H-6), 4.17 (1H, dd, J5,6, 5.0 Hz, J6,6, 12.3 Hz, H-6'), 4. 26
(1H, ddd, J4,5 10.2 Hz, J5,6 2. 3 Hz, J5,6, 4. 7 Hz, H-5), 4. 93 (1H, at, J9.9Hz, H-4), 5.12 (1H, at, J9.9 Hz, H-3), 5.73 (1H, d, J1,2 10.4 Hz, H-1), 8.48 (1H,
d, J4.7 Hz, NHAc), 9.13 (2H, brs, NH2), 9.29 (2H, brs, NH2)。
実施例6:1−チオ−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノース
Figure 2007527376
(3,4,6−トリ−O−アセチル−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−1−イソチオウロニウムクロリド(1.75 g, 39.8 mmol)とNa225 (0.91 g, 4.8 mmol) をDCM (30 mL)と水 (15 mL)との攪拌された混合物に加えた。該混合
物をアルゴン雰囲気下において加熱還流した。2時間後、RTまで冷却し、相を分離させた
。 水溶性相はDCM (2 x 50 mL)で再抽出した。これらの混合有機相を、水 (50 mL)で洗浄し、塩水(50 mL)につけ、MgS04で乾燥し、真空中で溶媒を除去した。EtOAc/ペトロール
から再結晶することにより、標記の化合物(1.00 g, 68%)が白色固体として得られた:融
点165-167℃ [Lit. 167-168°C (W. M. zu Reckendorf, W. A. Bonner, J. Org. Chem. 1961, 26, 4596) ];
[α] D 25 -24.8 (c, 1.0 in CHCl3) [Lit. [α] D 25-14. 5 (c, 0.9 in CHC13) (W. M. zu Reckendorf, W. A. Bonner, J. Org. Chem. 1961, 26, 4596) ];δH (400 MHz, CDC13)
1.99, 2.03, 2.05, 2.10 (12H, 4 xs, 4 x CH3), 2.57 (1H, d, J1,SH 9.2 Hz, SH), 3.67 (1H, ddd, J4,5 9.7 Hz, J5,6 4. 8 Hz, J5,6' 2. 3 Hz, H-5), 4.09-4. 17 (2H, m, H-2, H-3), 4.24 (1H dd, J5,6 4. 8 Hz, J6,6'12. 4 Hz, H-6), 4.59 (1H, at, J 9.8 Hz, H-1), 5.06-5.15 (2H, m, H-4, H-6'), 5.72 (1H, d, J 9. 2 Hz, NH)。
実施例7:1−チオ−β−D−ガラクトピラノース
Figure 2007527376
1−チオ−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノース (3.00 g, 7.3 mmol) とNaOMe (40 mg, 0.73 mmol)を攪拌されたメタノール (40 mol)溶液に
加えた。2時間後薄層クロマトグラフィー(EtOAc:ペトロール 1:1)は、出発原料(Rf0. 5)が完全に消費されるとともに生成物(Rf 0.0) が得られたことを示した。該反応物はD
owex(R)-50イオン交換樹脂を加えることによって中和され、この後に濾過し、真空中で濃縮した。MeOH/EtOAcからの再結晶により、標記の化合物(1.41 g, 98%)が下記のような白
色結晶固体として得られた:融点100-102℃;
[α] D 22+47.6 (c, 1.0 in MeOH ;δH (400 MHz, CD3OD), 2. 62 (1H, d, J1,SH 8.3 Hz,
SH), 3.47- 3.49 (2H, m, H-2, H-3), 3.57 (1H, at, J 5.9 Hz, H-5), 3. 68 (1H, dd,
J5,6 5. 0 Hz, J6,6, 11.4 Hz, H-6), 3.75 (1H, dd, J5,6' 6. 9 Hz, J6,6, 11. 5 Hz,
H-6'), 3.91 (1H, bs, H-4), 4.37 (1H, bd, J 7.7 Hz, H-1) ; δc (100 MHz, CD3OD),
61.6 (t, C-6), 69.6 (d, C-4), 74.4, 74. 8 (2 xd, C-2, C-3), 80.1 (d, C-5), 81. 4 (d, C-1) ; m/z (ES-) 196 (100%, M-H+) ; m/z HRMS (ES-) Calcd. for C6H12O5S (M-H+) 195.0327. Found 195.0323 。
実施例8:1−チオ−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノース
Figure 2007527376
3,4,6−トリ−O−アセチル−2−アセチルアミノ−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシルチオール (400 mg, 0.98 mmol) とナトリウムメトキシド (18 mg, 0.3 mmol)を攪拌されたメタノール(lOml)溶液に加えた。30分後、薄層クロマトグラフィー (酢
酸エチル)は、出発原料(Rf 0. 2)が完全に消費されるとともに生成物(Rf 0. 0) が得られたことを示した。 該反応物はDowex(R)-50イオン交換樹脂を加えることによって中和され、その後に濾過し、真空中で濃縮した。メタノール/酢酸エチルからの再結晶により、標記の化合物(230mg, 98%)が下記のような白色結晶固体として得られた:融点85-88℃ [Lit. 86-88°C]18 ;
[α] D 22-10. 4 (c, 1.0 in MeOH) [Lit. [α] D 25+177.1 (c, 1.45 in CHCl3) ]18H (400 MHz, MeOH), 2.00 (3H, s, CH3), 3.27-3. 37 (2H, m, H-4, H-5), 3.42 (1H, at J9.1 Hz, H-3), 3. 64-3. 73 (2H, m, H2, H-6), 3.87 (1H, dd, J5,6 2.1 Hz, J6,6, 12.0 Hz, H-6'), 4.56 (1H, d, J1,2 10.0 Hz, H-1), 8.11 (1H, bd, JNH,2 9.1 Hz, NH)。
実施例9:1,2,3,6−テトラ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−D−グルコピラノース
Figure 2007527376
酢酸ナトリウム (700 mg, 8. 3 mmol) を無水酢酸 (50 mL) に加え、加熱還流し、そこでマルトトリオース (3.00 g, 6.0 mmol) を加え、激しく攪拌した。90分後、薄層クロマトグラフィー(ペトロール:酢酸エチル,1:2)は、出発原料(Rf 0. 0)が完全に消費さ
れるとともに、生成物(Rf 0. 3) が得られたことを示した。該反応物はRTまで冷却し、DCM (50 mL)で希釈、 水 (100 mL)と分離させた。相を分離させ、水溶性相はDCM (2 x 50 mL)で再抽出した。これらの混合有機相を、pHが8になるまで炭酸水素ナトリウム(飽和
水溶液400 mL) で洗浄し、塩水(200 mL)につけ、MgS04で乾燥、濾過し、真空中において
濃縮することにより、標記の化合物(1.00 g, 68%)がアモルファスの白色固体であるアノ
マー混合物(α/s, 2/11)として得られた;
β化合物:δH (500 MHz, CDCl3) 2.05, 2.07, 2.10, 2.14, 2.15, 2.19, 2. 21, 2.27 (30H, 8 xs, 10 x OAc), 3.92 (1H, ddd, J4, 5 9.5 Hz, J5, 6 2. 9 Hz, J6,6 4.1 Hz, H-5a), 3.95-4. 01 (3H, m, H-4b, H-5b, H-5c), 4.05 (1H, at, J 9. 1 Hz, H-4a), 4.09 (1H, dd, J5, 6 2.5 Hz, J6,6, 12.7 Hz, H-6c), 4.21 (1H, dd, J5, 6 3. 4 Hz, J6,6, 12.6 Hz, H-6b), 4.29 (1H, dd, J5, 6 3.4 Hz, J6,6, 12. 4 Hz, H-6'c), 4.35 (1H, dd, J5, 6 4. 3 Hz, J6,6, 12.3 Hz, H-6a), 4. 48-4. 52 (2H, m, H-6'a, H-6'b), 4.78 (1H, dd, J1,2 4.1 Hz, J2, 3 10.3 Hz, H-2b), 4.90 (1H, dd, J1,2 4.1 Hz, J2, 3 10.6
Hz, H-2c), 5.01 (1H, dd, J1,2 8.0 Hz, J2, 3 9.0 Hz, H-2a), 5.11 (1H, at, J 10.1
Hz, H-4c), 5.31 (1H, d, J1,2 3.9 Hz, H-1b), 5.32-5. 44 (3H, m, H-3a, H-3b, H-3c), 5.45 (1H, d, J1,2 4.1 Hz, H-1c), 5.79 (1H, d, J1,2 8. 2 Hz, H-1a) ;
α化合物は選択したデータだけ:δH (500 MHz, CDCl3) 2. 08, 2. 09, 2.12, 2. 18, 2. 21, 2. 23,2. 26 (30H, 8 xs, 10 x OAc), 5.07 (1H, at, J 9.9 Hz), 6.28 (1H, d, J1,2 3. 8 Hz, H-1a)。
残りのシグナルは次の多重線に位置する。3. 85-3. 89, 3.90-3. 98,3. 99-4. 07,4. 15-4. 18,4. 23-4. 27, 4. 29-4.32, 4. 43-4. 49, 4. 74-4. 76, 4. 84-4. 87, 4. 98-4. 94, 5. 25-5. 54; m/z (ES+) 984 (MNH4 +, 30%), 989 (MNa+, 100%) ; m/z HRMS (ES+) Calcd. For C40H58O27N(MNH4 +) 984. 3196 Found 984. 3199。
実施例10:2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グリコピラノシル)−α−D−グリコピラノシル)−α−D−グリコピラノシルブロミド
Figure 2007527376
1,2,3,6−テトラ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グリコピラノシル)−α−D−グリコピラノシル)−D−グリコピラノース (200 mg, 0.21 mmol) を無水DCM (5 mL)に溶解した。 これに臭化水素 (33% 酢酸中2 mL)を加えた。 該混合物をアルゴン雰囲気下、RTにて放置した。30分後、薄層クロマトグラフィー (ペトロール: 酢酸エチル, 1: 2)は、出発原料(Rf 0.3)が完全に消費されるとともに、生成物 (Rf 0.6) が得られた
ことを示した。該反応混合物はDCM (10 mL) と水 (10 mL)に分離し、水溶性相はDCM (3 x
10 mL)で再抽出した。これらの混合有機相は、pHが8になるまで炭酸水素ナトリウム (飽和水溶液20 mL) で洗浄し、塩水 (20 mL)につけ、MgSO4で乾燥、濾過し、真空中で濃
縮した。標記の化合物が下記のように白色体(203 mg, 98%)として得られた;
[α] D 22+152. 2 (c, 1.0 in CHCl3) ; δH (400 MHz, CDCl3) 2. 03, 2. 05, 2. 06, 2.
08, 2. 10, 2. 13, 2. 18,2. 21 (30H, 10 x COCH3), 3.93-3. 99 (3H, m, H-4b, H-5a,
H-5b), 4.05-4. 10 (2H, m, H-4c, H-6a), 4.20 (1H, dd, J5,6 1,8 Hz, J6,6, 12. 2 Hz, H-6b), 4.26-4. 34 (2H, m, H-5c, H-6a'), 4. 35 (1H, dd,J5,6 3. 5 Hz, J6,6, 12.7 Hz, H-6c), 4.52 (1H, dd, J5,6 0.6 Hz, J6,6, 12.2 Hz, H-6b'), 4. 57 (1H, dd, J5,62. 1 Hz, J6,6, 12. 4 Hz , H-6c''), 4.74 (1H, dd, J1,24.1 Hz, J2,39. 9 Hz, H-2c), 4. 78 (1H, dd, J1,24. 2 Hz, J2,310. 2 Hz, H-2b), 4,88 (1H, dd, J1,24.0 Hz, J2,310. 5 Hz, H-2a), 5.10 (1H, at, J9. 7 Hz, H-4a), 5.32 (1H, d, J1,24.0 Hz, H-1b), 5. 39 (1H, at, J 9.9 Hz, H-3q), 5.43-5. 46 (1H, m, H-3b), 5,45 (1H, d, J1,23.8 Hz, H-la), 5.64 (1H, at, J9. 5 Hz, H-3c), 6.53 (1H, d, J1,23.9 Hz, H-lc)。
実施例11:1−チオ−2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノース
Figure 2007527376
2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシルブロミド (2.10 g, 2.10 mmol) を無水
アセトン (60 mL)内に溶解させた。これに無水チオ尿素 (315 mg, 4.2 mmol)を加え、ア
ルゴン雰囲気中加熱還流した。6.5時間後、薄層クロマトグラフィー (ペトロール:酢酸エチル, 1: 2)は、出発原料(Rf 0.3)が完全に消費されるとともに、生成物 (Rf 0. 0) が得られたことを示した。該反応物を真空中で濃縮し、DCMで滴定し、過剰チオ尿素から
有機物を除去した。濾液を真空中で濃縮し、残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール、9:1)によって精製することにより、特性のない中間物、2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル−1−イソチオウロニウムブロミド(1.14g, 50%)を得た。該中間物 (100 mg, 0.09 mmol) とNa2S205 (22 mg, 0.11 mmol) を DCM
(30 mL) と水 (15 mL)との攪拌された混合物に加えた。該混合物をアルゴン雰囲気下加
熱還流した。2.5時間後、薄層クロマトグラフィー (ペトロール: 酢酸エチル, 1: 2)
は、出発原料(Rf0.0) が完全に消費されるとともに生成物(Rf 0.4) が得られたことを示
し、この時点で反応温度をRTまで冷却し、相を分離させた。水溶性相はDCM (2 x 20 mL)
で再抽出した。これらの混合有機相を塩水(20 mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥、濾過し、真空中で溶媒を除去した。標記の化合物が下記のような白色アモルファス固体(74 mg, 84%)として得られた;
[α] D 22+99. 5 (c, 1.0 in CHC13) ;δH (400 MHz, CDCl3) 1.99, 2.00, 2.01, 2.02, 2.03, 2.05, 2.10, 2.15, 2. 18 (30H, 9 x s, 10 x COCH3), 3.72-3. 76 (1H, m, H-5a),
3. 90-4. 00 (4H, m, H-4a, H-4b, H-5b, H-5c), 4.05 (1H, dd, J5,62.2 Hz, J6,6, 12.3 Hz, H-6c), 4.17 (1H, dd, J5,63. 3 Hz, J6,6, 12.3 Hz, H-6b), 4.25 (1H, dd, J5,63. 6 Hz, J6,6'12.5 Hz, H-6c'), 4.30 (1H, J5,64.3 Hz, J6,6, 12. 2 Hz, H-6c), 4.44 (1H, dd, J5,62. 2 Hz, J6,6, 12. 1 Hz, H-6a'), 4.46 (1H, dd, J5,62. 2 Hz, J6,6,
12.2 Hz, H-6b'), 4.59 (1H, d, J1,29.7 Hz, H-1a), 4.74 (1H, dd, J1,24.1 Hz, J2,3 10.6 Hz, H-2b), 4. 80 (1H, at, J9.0 Hz, H-2a), 4. 85 (1H, dd, J1,24. 1 Hz, J2,310. 6 Hz, H-2c), 5.07 (1H, at, J9. 9 Hz, H-4c), 5.25 (1H, at, J 9.0 Hz, H-3a), 5.26 (1H, d, J1,24. 1 Hz, H-lb), 5.35 (1H, at, J 10.0 Hz, H-3b), 5.37-5. 41 (2H, m, H-1c, H-3c)。
実施例12:1−チオアセチル−2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノース
Figure 2007527376
2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシルブロミド(11.2 g, 11.6 mmol)とチオ酢酸
カリウム(3.96 g, 34. 8 mmol)を無水THF (40 ml)中に懸濁させ、不活性アルゴン雰囲気
下加熱還流した。 12時間後、薄層クロマトグラフィー(ペトロール:EtOAc, 1: 2)は、出発原料(Rf 0.45)が完全に消費されるとともに主生成物(Rf 0.4) が得られたことを示した。該反応物を水 (80 mL)で希釈し、RTまで冷却した。相を分離させ、水溶性相はDCM (3
x 40 mL)で再抽出した。これらの混合有機相はpH 8 まで飽和NaHCO3 (50 mL)で洗浄し、塩水 (50 mL)につけ、MgSO4で乾燥、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッ
シュクロマトグラフィー(ペトロール/EtOAc, 1: 4)によって精製することにより、標記の化合物(8. 08 g, 71%)が白色体として得られた;
[α] D 25+86. 4 (c, 1.0 in CHC13) ;δH (400 MHz, CDCl3) 2.01, 2.02, 2.05, 2.08, 2.11, 2.17 (27H, 6 x s, 9 x OAc), 2.40 (3H, s, SAc), 3. 88 (1H, ddd, J4,59. 8 Hz,
J5,64.0 Hz, J5,6, 2. 7 Hz, H-5a), 3.92-4. 01 (4H, m, H-4a, H-4b, H-5b, H-5c), 4.07 (1H, dd, J5,62.4 Hz, J6,6, 12. 3 Hz, H-6c), 4.19 (1H, dd, J5,63.5 Hz, J6,6, 12.2 Hz, H-6b), 4.27 (1H, dd, J5,6, 3.8 Hz, J6,6,12.3 Hz, H-6'c), 4.30 (1H, dd, J5,64.2 Hz, J6,6, 12. 4 Hz, H-6a), 4.46 (1H, dd, J5,6, 2.6 Hz, J6,6, 12.3 Hz, H-6'b), 4.47 (1H, dd, J5,6, 2. 2 Hz, J6,6, 12.2 Hz, H-6'a), 4.76 (1H, dd, J1,23.9 Hz, J2,310. 0 Hz, H-2b), 4.87 (1H, dd, J1,23. 8 Hz, J2,310. 6 Hz, H-2c), 5.99 (1H, dd, J1,210.3 Hz, J2,39. 1 Hz, H-2a), 5.08 (1H, at, J9.9 Hz, H-4c), 5.27 (1H, d, J1,24. 0 Hz, H-1b), 5.31 (1H, d, J1,210. 0 Hz, H-1a), 5.33-5. 43 (4H, m, H-1c, H-3a, H-3b, H-3c) ; δc (125 MHz, CDCl3) 20.7, 20. 8, 20.9, 21.0, 21.1 (5 x q,
10 x COCH3, SCOCH3), 31. 0 (q, SCOCH3) 61.9 (t, C-6c), 62.7 (t, C-6b), 63.3 (t,
C-6a), 68.4 (d, C-4c), 69.0 (d, C-5b), 69.5 (d, C-5c), 69.8 (d, C-3c), 70.3 (d,
C-2a), 70.5 (d, C-2c), 70.9 (d, C-2a), 72.1 (d, C-3b), 73.0 (d, C-4b), 74.1 (d,
C-4a), 76.6 (d, C-3a), 76.9 (d, C-5a), 80.2 (d, C-1a), 96.1 (d, C-1c), 96.4 (d,
C-1b), 169.4, 169.6, 169. 8, 169.9, 170.3, 170.5, 170.6 (7 x s, 10 x COCH3), 196.0 (s, SCOCH3) ; m/z (ES+) 1000 (MNH4 +, 60%), 1003 (MNa+, 100%)。
実施例13:1−チオ−β−D−マルトトリオース
Figure 2007527376
1−チオアセチル−2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−1−チオ−β−D−グルコピラノース (600 mg, 0.6 mmol) とNaOAc (18 mg, 0. 18 mmol) を攪拌されたメタノール (10 ml)溶液に加えた。10分後、薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール, 9 : 1)は、出発原料(Rf
0. 9)が完全に消費されるとともに生成物(Rf 0. 0) が得られたことを示した。該反応物はDowex(R)-50イオン交換樹脂を加えることによって中和され、その後に濾過し、真空中
で濃縮することにより、標記の化合物がアモルファス固体(305 mg, 98%)として得られた

[α] D 25+123 (c, 1.0 in MeOH) ;δH (400 MHz, D20), 3.15 (1H, at, J9. 2 Hz, H-2a), 3.26 (1H, at, J9. 3 Hz), 3.41-3. 82 (16H, m, H-2b, H-2c, H-3a, H-3b, H-3c, H-4a, H-4b, H-4c, H-5a, H-5b, H-5c, H-6a, H-6b, H-6c, H-6'a, H-6'b, H-6'c), 4.42 (1H, d, J1,29. 6 Hz, H-1a), 5.23 (1H, d, J1,21.7 Hz, H-1), 5.24 (1H, d, J1,21. 8 Hz, H-1) ; δc (100 MHz, D2O), 60. 8, 70.0 (2 x t, C-6a, C-6b, C-6c), 69.6, 71.5,
71.8, 72.1, 73.0, 73.2, 73.6, 76.0, 77.1, 77.6, 79.0 (11 x d, C-2a, C-2b, C-2c,
C-3a, C-3b, C-3c, C-4a, C-4b, C-4c, C-5a, C-5b, C-5c), 80. 2 (d, C-1a), 99.8, 100.1 (2 x d, C-1b, C-1c) ; m/z (ES-) 519 (100%, M-H+) ; m/z HRMS (ES-) calcd. for C18H31O15S (M-H+) 519. 1384. Found 519.1389。
実施例14:1,2,3,6−テトラ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−D−グルコピラノース
Figure 2007527376
酢酸ナトリウム (420 mg, 5.2 mmol) を無水酢酸 (30 mL)に加え、加熱還流し、その時点でマルトヘプトース (1.00 g, 0. 86 mmol) を加え、激しく攪拌した。90分後、薄層クロマトグラフィー(ペトロール: 酢酸エチル1: 3) は、出発原料(Rf 0.0)が完全に消費さ
れるとともに生成物(Rf 0. 3) が得られたことを示した。該反応物をRTまで冷却し、DCM (50 mL)で希釈し、水(100 mL)と分離させた。 相を分離させ、水溶性相はDCM (2 x 40 mL)で再抽出した。これらの混合有機相はpH 8まで炭酸水素ナトリウム(飽和水溶液200 mL)
で洗浄し、蒸留、塩水(100 mL)につけ、MgSO4で乾燥し、真空中で濾過して濃縮した。残
留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール: 酢酸エチル 1: 3)によって精
製することにより、標記の化合物がアモルファスの白色固体であるアノマー混合物(α/β, 15/85)として得られた;
δH (500 MHz, CDCl3)2.02, 2.03, 2.04, 2.05, 2.06, 2.07, 2.08, 2.10, 2.13, 2.19, 2.22, 2.24 (66H, 12 x s, 22 x OAc), 3. 89-4. 14 (13H, m, H-4a, H-4b, H-4c, H-4d,
H-4e, H-4f, H-5a, H-5b, H-5c, H-5d, H-5e, H-5f, H-5g), 4.25-4. 34,4. 39 (1H, dd, J4. 0 Hz, J 12.3 Hz), 4.52-4. 56 (13H, m, H-6a, H-6a', H-6b, H-6b', H-6c, H-6c', H-6d, H-6d', H-6e, H-6e', H-6f, H-6f', H-6d, H-6g'), 4. 75-4.79 (5H, m, H-2b,
H-2c, H-2d, H-2e, H-2e, H-2f), 4.90 (1H, dd, J1,23. 7 Hz, J2,310.5 Hz, H-2g), 5.00 (1H, at, J9. 4 Hz, H-4g), 5.31-5. 45 (13H, m, H-3a, H-3b, H-3c, H-3d, H-3e, H-3f, H-3g, H-1b, H-1c, H-1d, H-1e, H-1f, H-1g), 5.79 (0.85H, d, J1,2 8. 1 Hz, H-1a β), 6.28 (0.15H, d, J1,24. 0 Hz, H-1aα)。
実施例15:2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O− (2,3,6−トリ−O−ア
セチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシルブロミド
Figure 2007527376
1,2,3,6−テトラ−O−アセチル−4−O− (2,3,6−トリ−O−アセチル
−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−D−グルコピラノース (100 mg, 0.05 mmol)を無水DCM (5 mL)に溶解させた。これに臭化水素(33% 酢酸
中, 0.5 mL) を加えた。該混合物をアルゴン雰囲気下、RTで攪拌し続けた。40分後、薄層クロマトグラフィー(ペトロール: 酢酸エチル,1:3)は、出発原料(Rf0.3)が完全に消費
されるとともに生成物(Rf0.7)が得られたことを示した。該反応混合物をDCM(10mL)と水(10mL)に分離させ、水溶性相はDCM(3x10mL)で再抽出した。これらの混合有機相は、pH 7ま
で炭酸水素ナトリウム (飽和水溶液150mL)で洗浄し、蒸留、塩水(20mL)につけ、MgSO4
乾燥し、濾過し、真空中で濃縮することにより、標記の化合物(98mg,96%)が白色固体として得られた;
[α] D 22+162.0 (c, 1.0 in CHCl3) ;δH (400 MHz, CDCl3) 2.02, 2.03, 2.04, 2.06, 2. 08, 2.10, 2.11, 2.14, 2.19, 2.23, 2.24, 2.25 (66H, 12 x s, 22 x OAc), 3.94-4. 04 (12H, m, H-4b, H-4c, H-4d, H-4e, H-4f, H-5b, H-5c, H-5d, H-5e, H-5f, H-5g), 4. 08 (1H, dd, J5,6 2.2 Hz, J6,6, 12. 6 Hz, H-6), 4.19-4. 33,4. 53-4.60 (12H, m, H-5a, H-6b, H-6b', H-6c, H-6c', H-6d, H-6d', H-6e, H-6e', H-6f, H-6f', H-6g, H-6g'), 4.12 (1H, at, J 9.5 Hz, H-4a), 4.40 (1H, dd, J5,63.1 Hz, J6,6, 12. 7 Hz, H-6a), 4.64 (1H, dd, J5,62. 3 Hz, J6,6'12. 5 Hz, H-6a'), 4.74 (1H, dd, J1,23.9 Hz,
J2,39. 7 Hz, H-2a), 4.75-4. 97 (5H, m, H-2b, H-2c, H-2d, H-2e, H-2f), 4. 89 (1H, d, J1,24. 0 Hz, J2,310.6 Hz, H-2g), 5.11 (1H, at, J 9.9 Hz, H-4g), 5.32-5. 47 (12H, m, H-1b, H-1c, H-1d, H-1e, H-1f, H-1g, H-3b, H-3c, H-3d, H-3e, H-3f, H-3g), 5.65 (1H, at, J 9.4 Hz, H-3a), 6.54 (1H, d, J1,24. 3 Hz, H-1a) 。
実施例16:1−チオ−2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノース
Figure 2007527376
2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシルブロミド (1. 08 g, 0.5 mmol) とヨウ化テトラブチルアンモニウム (19 mg, 0. 05 mmol) を無水アセトン (50 mL)に溶解した。これに乾燥チオ尿素(52 mg, 0.7 mmol)を加え
、該反応物をアルゴン雰囲気下加熱還流した。8時間後、薄層クロマトグラフィー (ペトロール: 酢酸エチル 1: 4) は、出発原料(Rf 0. 6)が完全に消費されるとともに副生成物(Rf 0.0) が得られたことを示した。該反応物を真空中で濃縮し、過剰チオ尿素から有機
物を除去するためにDCMで滴定した。濾液を真空中で濃縮し、残留物をカラムフラッシュ
クロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール, 9: 1)によって精製することにより、特性
のない中間物、2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシル−1−イソチオウロニウムブロミド(212 mg, 19%)を得た。該中間物(210 mg, 0.09 mmol)とNa2S2O5 (22 mg, 0.11 mmol) をDCM (10 mL) と水 (5 mL)との撹拌された混合物に加えた。該混合物をアルゴン雰囲気下加熱還流した。 4.5時間後、薄層
クロマトグラフィー (ペトロール: 酢酸エチル, 1: 2)は、出発原料(RfO. 0)が完全に消
費されるとともに生成物(Rf 0.2) が得られたことを示した。そこで該反応物をRT まで冷却し、相を分離させた。水溶性相はDCM (2 x 10 mL)で再抽出した。これらの混合有機相
を塩水 (20 mL)で洗浄し、乾燥 (MgSO4)、真空中で濾過し、溶媒を除去した。標記の化合物(185 mg, 90%)が書きのような非晶性固体として得られた;
[α] D 24+128. 1 (c, 1. 0 in CHCl3);δH (500 MHz, CDCl3), 2.00, 2.01, 2.02, 2.03,
2.04, 2.05, 2.07, 2. 08, 2. 12, 2. 17, 2. 19, 2. 21, 2. 22, 2. 23 (66H, 14 x s,
22 x COCH3), 2.27 (1H, d, J1,SH 9. 8 Hz, SH), 3. 76 (1H, dat, J4,59.7 Hz, J3. 5
Hz, H-5a), 3. 92-4. 08 (12H, m, H-4a H-4b, H-4c, H-4d, H-4e, H-4f, H-5b, H-5c, H-5d, H-5e, H-5f, H-5g), 4. 17- 4.36, 4.49-4. 56 (12H, m, H-6b, H-6b', H-6c, H-6c', H-6d, H-6d', H-6e, H-6e', H-6f, H-6f', H-6g, H-6g'), 4.39 (1H, dd, J5,6 3.6 Hz, J6,6, 12. 2 Hz, H-6a), 4. 48 (1H, dd, J5,63.2 Hz,J6,6'12.3 Hz, H-6a), 4.62 (1H at, J 9. 5 Hz, H-1a), 4.73-4. 78 (5H, m, H-2b, H-2c, H-2d, H-2e, H-2f), 4. 82
(1H, at, J 9. 5 Hz, H-2a), 4. 88 (1H, dd, J1,24.0 Hz, J2,310.4 Hz, H-2g), 5.09
(1H, at, J9. 9 Hz, H-4g), 5.27 (1H, at, J9. 1 Hz, H-3a), 5. 30- 5.44 (12H, m,-1b, H-1c, H-1d, H-1e, H-1f, H-1g, H-3b, H-3c, H-3d, H-3e, H-3f, H-3g)。
実施例17:SBLCys156−S−SePhの調製
単一修飾は規範的システイン含有タンパク質、セリンプロテアーゼスブチリシン、バチルスレンタス変異株S156C (SBLCysl56) を用いて研究されている。SBLCysl56 (10 mg)を脱
気水性バッファー溶液(1 mL, 70 mM CHES, 5 mM MES, 2 mM CaCl2, pH 9.5)へ溶解させた。PhSeBr (5 mg, 0.02 mmol) をアセトニトリル (200 μL)に溶解し、このうちの150 μL
(40 eq)をタンパク質溶液に加え、逆回転子に置いた。30分後、エルマン分析(G. L. Ellman, K. D. Courtney, V. Andres, R. M. Featherstone, Biochem. Pharmacol. 1961,7, 88)により、遊離型のチオールは存在しないことが示された。さらに30分、該反応物
を逆回転子に置き、その段階で反応混合物をPD10 Sephadex(R)G25カラムに流し、pH 7.0
で 70 mM HEPESと 2 mM CaCl2を溶出した。分留タンパク質を集め、水と接触して透析(MWCO 12-14 KDa)し(1 x 4L 1時間, 2 x 2L 30分)、SBLS156C-S-SePhを得たa;
m/z (ES+) found 26864 clcd. 26870。
実施例18:SSβGCys344Cys432−(S−SePh) 2 の調整
多重修飾は、2つのシステイン残留物(SSβG-Cys344Cys432)を含有した古細菌Sulfolobus
solfataricus由来の好熱性β−グルコシダーゼ変異体を用いて、研究が行われた。SSβG-Cys344Cys432 (1 mg)を水溶性バッファー中に溶解させた (1 mL, 70 mM CHES, 5 mM MES, 2 mM CaCl2, pH 9. 5)。PhSeBr (2 mg, 0. 02 mmol)はアセトニトリル (200 μL)中に
溶解し、そのうちの20 μL (74 eq) をタンパク質溶液に加え、逆回転子に置いた。1時
間後、該混合反応物をPD10 Sephadex(R) G25 カラムに流し、溶出して (70 mM HEPES, 2 mM CaCl2, pH 7.0) SSβGCys344Cys432-(S-SePh)2を得た;
m/z (ES+) found 57700 calcd. 57697 。
実施例19:代表的なタンパク質のチオール糖とのグリコシル化、および他のチオールとの反応
SBLCys156-S-SePh (1 mg)を水溶性バッファー中(1 mL, 70 mM CHES, 5 mM MES, 2 mM CaCl2, pH 9.5)に溶解した。チオール糖または他のチオールを水の中に溶解し、規定量のタ
ンパク質溶液(下記表の当量参照)の中に溶解し、混合物を逆回転子に置いた。1時間後、該反応物を質量スペクトルで分析した。
Figure 2007527376
Conv. = ESI−MSによって決定された変換
1チオールの添加に先立ち、フェニルセレニウムブロミドとの反応により活性化され、対
応するタンパク質-S-Se-Phまたはタンパク質-(S-Se-Ph) 2が与えられた
2タンパク質分解活性によるタンパク質分解を防ぐために、グリコシレーションに先立ちP
MSF(フェニルメチルスルフォニルフルオライド)と反応させた
上記表の結果は、本発明の方法によるとわずか1当量のチオール化合物を用いることで、所望の生成物に高率で変換されることを実証している。さらに、該結果は本発明の方法は、単一または多重の位置でのタンパク質グリコシル化に利用できることを実証している。SBL-Cys 156とSSβGCys344Cys432 の3箇所でのグリコシル化は、大変多様なタンパク質
構造および露出程度の異なる環境において見られ、本発明の方法が幅広い応用性があることを示している。
実施例20: GlcGlcGlcGlcGlcGlcGlc-SHを用いたSBLCysl56の代表的なタンパク質グリコシル化
1−チオ−2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノース (15 mg, 0.007 mmol) とナトリウムメトキシド (2 mg, 0.007 mmol)を撹拌されたメタノール (2 ml) 溶液に加えた。2時間後、薄層クロマトグラフィー(ペトロー
ル: 酢酸エチル, 1: 2) は、出発原料(Rf 0. 2)が完全に消費されるとともに生成物(Rf 0.0) が得られたことを示した。該反応物はDowex(R)-50イオン交換樹脂を加えることによ
って中和され、その後真空中で濾過し、濃縮した。
1−チオ−β−D−マルトヘプトースの原料は、未精製の1−チオ−β−D−マルトヘプトースを水(5 mL)に投入し、そのうちの300μL (11 eq)を、500μLの水溶性バッファー液(70 mM CHES, 5 mM MES, 2 mM CaCl2, pH 9.5)にSBLCys 156-S-SePh (1 mg)が溶解した溶液に添加した。結果として生じた溶液を逆回転子に置いた。1時間後、該混合反応物をPD10 Sephadex(R)G25 カラムに流し、70 mM HEPES, 2 mM CaCl2, pH 7.0において溶出した
。分留タンパク質を収集してGlcGlcGLcGlcGlcGlcGlc-SBLCysl56を得た;
m/z (ES+) found 27878 calcd. 27881。
実施例21: SBLCys156-S-GlcNAcの酵素拡張機能
A. GIcNAc-SBLCysl56 (3 mg) を1 mLの水溶性バッファー液に溶解した。 フェニルメチ
ルスルフォニルフルオライド (PMSF)を加えた (100 mg/mLの アセトニトリル溶液50μL; 500-当量)。該混合反応は30分間室温で温置し、 Sephadex(R)G25 (PD-10)脱塩カラムで精製した。非活性化したタンパク質の純度をESI-質量分光分析で評価した (観測値 : 27100,計算値27104)。タンパク質分留は凍結乾燥し、0. 1Mカコジル酸ナトリウムバッファー液 (pH 7.52)の1.0 mL中に再溶解した。MnCl2. 4H2O (3.2 mg; 16 μmol) とウリジン二
リン酸-ガラクトース(UDP-galactose, 2.3 mg; 3.4 p. mol, Kyowa Hakko ; 30-当量) を加えた。Spodoptera Frugiperda 由来の組換えウシ β−1,4−ガラクトシルトランス
フェラーゼ (EC 2. 4. 1. 229 100 mU, Calbiochem)を加え、反応混合物を40分間室温
で温置し、Galβ1,4GlcNAc-S-SBL-Cys156 (ESI-MS, 観測値 27265, 計算値 27266)を得た。
B. GDP-フコース(3mg, Kyowa Hakku) とSpodoptera Frugiperda由来のヒトα−1,3−
フコシルトランスフェラーゼ(EC 2.4. 1. 65, 10 mU, Calbiochem)を加え、該混合反応物を一晩室温で温置し、LewisX-S- SBL-Cys 156 (ESI-MS,観測値27410,計算値 27412)を得
た。
この実施例では、本発明の方法により調製されたグリコシル化タンパク質が、適した糖修飾酵素、例えば、選択的にGalβ1, 4GlcNAc結合を形成するβ-1, 4-ガラクトシルトラン
スフェラーゼのようなグリコシルトランスフェラーゼとの反応によりさらに修飾されることを実証した。
実施例22:ソディウムフェニルチオスルフォネート (NaPTS)
Figure 2007527376
ソディウムベンゼンスルフィネート (10 g, 61 mmol) と硫黄 (1.95 g, 61 mmol)を無水
ピリジン (60 mL) に溶解し、黄色溶液を得た。該反応物はアルゴン雰囲気下攪拌し、1
時間後白色懸濁液を得た。 該反応物を濾過し、無水ジエチルエーテルで洗浄した。無水
エタノールからの再結晶により、白色結晶固体として標記の化合物(10.5 g, 88%)を得た;
融点305-306℃[Lit. 287°C, Sato, R.; Goto, T.; Takikawa, Y.; Takizawa, S. Synthesis 1980,615] ;
δH (200 MHz, DMSO-d6) 7.28-7. 76 (5H, m, Ar-H) 。
実施例23:2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルフェニルチオスルフォネート
Figure 2007527376
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロミド (207 mg, 0.5 mmol)を無水アセトニトリル (5 mL)に溶解した。これにソディウムフェニルチオスルフォネート (201 mg, 1 mmol) とテトラブチルアンモニウムブロミド(61 mg, 0. 05 mmol)を加えた。該混合物をアルゴン雰囲気下70° Cで攪拌した。4.5時間後、薄層グロマ
トグラフィー (ペトロール : 酢酸エチル, 1 : 1) は、出発原料(Rf 0. 3)が完全に消費
されるとともに生成物(Rf 0.5) が得られたことを示した。該溶液を真空中で濃縮した。
未精製固形物をジクロロメタン(DCM, 20 mL)と水(20 mL)に分離し、水溶性相はDCM (2 x 20 mL)で再抽出した。 これらの混合有機相は塩水(20 mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥、濾過
して真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー (ペトロール: 酢酸エチル, 1: 1)によって精製することにより、標記の化合物(225 mg, 88%)を白色結晶固体として得た;
融点 129-130℃;
[α] D 25 +51. 2 (c, 1. 0 in CHCl3) ; umax (KBr) 1754 (s, C=O), 1376 (s, C=C) cm-1 ; δH (400 MHz, C6D6) 1.68, 1.72, 1.73, 1.75 (4 x 3H, 4 x s, 4 x OAc), 3.09 (1H, ddd, J4,510. 2 Hz, J5,62.4 Hz, J5,6' 4. 2 Hz, H-5), 3.83 (1H, dd, J5,62. 4 Hz, J6,6' 12. 7 Hz, H-6), 4. 08 (1H, dd, J5,6'4.2 Hz, J6,6'12. 6 Hz, H-6'), 5.17-5. 23 (2H, m, H-2, H-4), 5.40 (1H, d, J1,210.2 Hz, H-1), 5.44 (1H, at, J9.4 Hz, H-3), 6. 98-7. 03 (3H, m, Ar-H), 7.90-7. 92 (2H, m, Ar-H)。
生成物の構造は、さらに単結晶X線回折によって確認された。
実施例24:2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシルフェニルチオスルフォネート
Figure 2007527376
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−ガラクトピラノシルブロミド (2.0 g,
5 mmol)を無水アセトニトリル(80 mL)に溶解した。これにソディウムフェニルチオスル
フォネート (2.02 g, 10.3 mmol) とテトラブチルアンモニウムブロミド(160 mg, 0.5 mmol)を加えた。該混合物をアルゴン雰囲気下70° Cで攪拌した。5時間後、薄層クロマト
グラフィー(ペトロール: 酢酸エチル, 1: 1) は、出発原料(Rf 0. 6)が完全に消費されるとともに生成物(Rf 0.4) が得られたことを示した。該溶液を真空中で濃縮した。未精製
油分をDCM (50 mL)と水(50 mL)で分離し、水溶性相はDCM (2 x 50 mL)で再抽出した。こ
れらの混合有機相は塩水(100 mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥、濾過し、真空中で濃縮した。
残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール : 酢酸エチル, 2 : 1)によって精製することにより、標記の化合物(1.7 g9 65%, 2 段階)を白色結晶固体として得た融点 53-54℃ ;
[α] D 27+24. 2 (c, 1.0 in CHCl3) ; δH (400MHz, CDCl3) 1.98, 2.03, 2.06, 2.11 (4
x 3H, 4 x s, 4 x OAc), 3. 85 (1H, dd, J5,6 8.8 Hz, J6,6' 14.0 Hz, H-6), 3.95-4.
00 (2H, m, H-5, H-6), 5.11 (1H, dd, J2,39.7 Hz, J3,43. 3 Hz, H-3), 5.23 (1H, at, J 10.3 Hz, H-2), 5.25 (1H, d, J1,210. 2 Hz, H-1), 5.43 (1H, dd, J3,43.6 Hz, J4,51. 0 Hz, H-4), 7.54-7. 68 (3H, m, Ar-H), 7.93-7. 97 (2H, m, Ar-H)。
実施例25:エチル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−ジチオ−β−D−グルコピラノシルジスルフィド
Figure 2007527376
方法1:2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルフェニルチオスルフォネート(100 mg, 0.2 mmol) とトリエチルアミン (0. 03 mL, 0.2 mmol) を無
水DCM (10 mL)に溶解し、アルゴン雰囲気下室温(RT)で攪拌した。エタンチオール(0. 016
mL, 0.2 mmol)の無水DCM(10 mL)溶液を、シリンジ・ポンプを通して30分以上かけてゆっくりと液滴にて加えた。40分後、薄層クロマトグラフィー(ペトロール: 酢酸エチル,
1: 1) は、出発原料(Rf 0.3)が完全に消費されるとともに主生成物(Rf 0.5) が得られたことを示し、該溶液を真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール: 酢酸エチル, 1: 1)によって精製することにより、標記の化合物(70 mg, 82%)を白色結晶固体として得た;
融点 95-96℃ [Lit. 100-102°C, (Davis, B. G.; Ward, S. J.; Rendle, P. M. Chem. Commun. 2001,189)] ;
[α] D 22-164. 9 (c, 0.2 in CHCl3) [Lit. [α] D 24-178. 0 (c, 1.0 in MeOH) (Davis,
B. G.; Ward, S. J.; Rendle, P. M. Chem. Commun. 2001, 189)] ; δH (400 MHz, CDCl3) 1.30 (1H, t, J 7. 4 Hz, CH3), 2.00, 2.02, 2.03, 2.06 (4 x 3H, 4 x s, 4 x CH3
), 2. 79 (2H, dq, JCH3-H 7. 5 Hz, JHH 2. 7 Hz), 3.73 (1H, ddd, J4,5 10. 2 Hz, J5,6 2. 5 Hz, J5, 6' 4.8 Hz, H-5), 4. 14 (1H, dd, J5, 6 2. 4 Hz, J6,6' 12.4 Hz, H-6), 4.22 (1H, dd, J5,6' 4. 7 Hz, J6,6' 12. 4 Hz, H-6'), 4.52 (1H, d, J1,2 9. 8 Hz, H-1), 5.10 (1H, at, J 9.8 Hz, H-4), 5.21-5. 26 (2H, m, H-2, H-3)。
方法2: フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−セレネニルスルフィド−D−β−グルコピラノシド(75 mg, 0.15 mmol)とトリエチルアミン(30 μL, 0.15 mmol)
を新たに蒸留したDCM (10 mL)に溶解した。該溶液をアルゴン雰囲気下RTで撹拌した。エ
タンチオール(11μL, 0.15 mmol)の無水DCM(10 mL)溶液を液滴にて2.5時間以上かけて加えた。3時間後、薄層クロマトグラフィー(ペトロール:酢酸エチル 1: 1) は、出発原
料(Rf 0.5)が完全に消費されるとともに主生成物(Rf 0.5) が得られたことを示した。該
溶液を真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール: EtOAc, 5: 3)によって精製することにより、標記の化合物(50 mg, 82%)を白色結晶固体と
して得た。
実施例26:エチル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−ジチオ−β−D−ガラクトピラノシルジスルフィド
Figure 2007527376
方法1:2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシルフェニルチオスルフォネート(100 mg, 0.2 mmol)とトリエチルアミン(0.03 mL, 0.2 mmol)を無水DCM (10 mL)中に溶解し、アルゴン雰囲気下RTで撹拌した。エタンチオール(0.016 mL, 0.2
mmol)の無水DCM (10 mL)溶液をシリンジ・ポンプを通して30分以上かけてゆっくりと
液滴により加えた。40分後、薄層クロマトグラフィー(ペトロール: 酢酸エチル, 1: 1)
は、出発原料(Rf 0.3)が完全に消費されるとともに主生成物(Rf 0.4) が得られたことを示した。該溶液を真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(ペ
トロール: 酢酸エチル, 1: 1)によって精製することにより、標記の化合物(78 mg, 91%)
を白色結晶固体として得た;
融点65-66℃ ;
[α] D 25 -52. 1 (c, 1.4 in CHCl3) ;
umax (KBr) 1746 (s, C=O) cm-1; δH (400 MHz, CDCl3) 1.30 (1H, t, J7.4 Hz, CH3), 1.95, 2.01, 2.02, 2.13 (4 x 3H, 4 x s, 4 x CH3), 2.79 (2H, dq, JCH3-H 7.2 Hz, JHH 1.7 Hz), 3.94 (1H, td, J4,5 0.9 Hz, J5, 6 6. 3 Hz, J5, 6' 7. 0 Hz, H-5), 4. 06
(1H, dd, J5,6 6.3 Hz, J6,6'11.3 Hz, H-6), 4.12 (1H, dd, J5,6' 7.0 Hz, J6,6' 11.2 Hz, H-6'), 4.51 (1H, d, J1,2 9.9 Hz, H-1), 5.05 (1H, dd, J2,3 9.9 Hz, J3,43.6 Hz, H-3), 5. 35-5. 40 (2H, m, H-2, H-4)。
方法2:フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−セレネニルスルフィド−D−β−ガラクトピラノシド(75 mg, 0.15 mmol)とトリエチルアミン(30 μL 0.15 mol)
を新たに蒸留したDCM (10 mL)に溶解した。該溶液をアルゴン雰囲気下RTで撹拌した。エ
タンチオール(11μL, 0.15 mmol)の無水DCM (10 mL)溶液を2.5時間以上かけてゆっく
りと液滴により加えた。3時間後、薄層クロマトグラフィー(ペトロール:酢酸エチル 1: 1) は、出発原料(Rf 0.5)が完全に消費されるとともに主生成物(Rf 0.5) が得られたことを示した。該溶液を真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(
ペトロール: EtOAc, 5 : 3)によって精製し、標記の化合物(50 mg, 82%)を白色結晶固体
として得た。
実施例27:エチル3,4,6−トリ−O−アセチル−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシルジスルフィド
Figure 2007527376
フェニル3,4,6−トリ−O−アセチル−2−アセトアミド2−デオキシ−1−セレネニルスルフィド−D−β−グルコピラノシド(100 mg, 0.19 mmol)とトリエチルアミン(0.03 mL, 0.19 mmol) を新たに蒸留したDCM (20 mL)に溶解した。該溶液をアルゴン雰囲気
下RTで撹拌した。エタンチオール (0.014 mL, 0.19 mmol)の無水DCM (10 mL)溶液を1時
間以上かけて液滴により加えた。3時間後、薄層クロマトグラフィー(EtOAc) は、出発原
料(Rf 0.5)が完全に消費されるとともに主生成物(Rf 0.4) が得られたことを示した。該
溶液を真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc)によっ
て精製することにより、標記の化合物(75 mg, 93%)をアモルファス固体として得た;
[α] D 25-70. 1 (c, 2.5 in CHCl3) ; δH (400 MHz, CDCl3), 1. 32 (3H, d, JCH, CH3 6.6 Hz, CHCH3), 1.96, 2.04, 2.05, 2.08 (12H, 4 x s, 4 x COCH3), 2.82 (2H, q, J 7.4 Hz, CH2), 3.75 (1H, ddd, J4,5 10.1 Hz, J5,6 2. 5 Hz, J5, 6, 4.7 Hz, H-5), 4.12-4. 25 (3H, m, H-2, H-6, H-6'), 4.73 (1H, at, J1,2 10. 4 Hz, H-1), 5.10 (1H, at, J 9. 8 Hz, H-4), 5.30 (1H, at, J 9. 9 Hz, H-3), 5.70 (1H, d, JNH,2 9. 1 Hz, NH)。
実施例28:ビス−N−アセチル−L−システイニル−L−セリンメチルエステル
Figure 2007527376
ビス−L−システイニル−L−セリンメチルエステル(100 mg, 0.23 mmol)をメタノール
中(5 mL)に溶解した。この溶液に無水酢酸(0.09 mL, 0.92 mmol)とピリジン(0.075 mL, 0.92 mmol)を加えた。15分後、薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル: メタノール5: 1) は、出発原料(Rf 0.1)が完全に消費されるとともに主生成物(Rf 0.5) が得られたことを示
した。該反応物を真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(酢
酸エチル: メタノール 5: 1)によって精製することにより、標記の化合物(60 mg, 50%)を白色結晶固体として得た;
融点 145-147℃ ;
[α] D 25-33. 4 (c, 1.0 in CHCl3) ; δH (400 MHz, CDCl3) 2.04 (3H, s, COCH3), 2.96 (1H, dd, JCH, H 13.9 Hz, JCH,αH 4. 7 Hz, CysCHH), 3. 23 (1H, dd, JCH,H 13. 9
Hz, JCH,αH 4.7 Hz, CysCHH), 3.76 (3H, s, OMe), 3.83 (1H, dd, JCH,H 11.4 Hz, JCH,αH4.1 Hz, SerCHH), 3.93 (1H, dd, JCH,H 11.3 Hz, JCH,αH 4.9 Hz, SerCHH), 4.55 (1H, t, J 4.3 Hz,αHSer), 4.87 (1H, t, J4.8,αHCys)。
実施例29:N−アセチル−L−システイニル−L−セリンメチルエステル
Figure 2007527376
ビス−N−アセチル−L−システイニル−L−セリンメチルエステル(1.92 g, 3.96 mmol)を液体のクロロホルム(100 mL)とメタノール(10 mL)に溶解し、撹拌した。この撹拌溶液にトリブチルフォスフィン(1.1 mL, 4.36 mmol)を加えた。2時間後、薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル: メタノール 10: 1) は、出発原料(Rf 0.3)が完全に消費されるととも
に主生成物(Rf 0.6) が得られたことを示した。該反応物を真空中で濃縮した。酢酸エチ
ル/メタノールから再結晶させることにより、標記の化合物(1.77 g, 93%)を白色結晶固
体として得た;
融点 127-128℃;
[α] D 25-32. 0 (c, 1.0 in MeOH) ; δH (400 MHz, CDCl3) 1. 89 (1H, at, J 8.9 Hz, SH), 2.06 (3H, s, COCH3), 2. 84-2. 93 (1H, m, CysCHH), 2. 97-3. 04 (1H, m, CysCHH), 3. 79 (3H, s, OMe), 3. 91 (1H, dd, JCH,H 11.4 Hz, JCH,αH 3.1 Hz, SerCHH, 4.03 (1H, dd, JCH,H 11. 7 Hz, JCH,αH4. 2 Hz, SerCHH), 4. 61-4. 65 (1H, m,αHSer),
4.71-4. 76 (1H, m, αHCys), 6.93 (1H, d, JαH,NH 7.8 Hz, NHCys), 7.73 (1H, d, JαH,NH 7.4 Hz, NHSer).
実施例30:N−アセチル−L−システイン(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−ジチオ−β−D−グルコピラノシルジスルフィド)−L−セリンメチルエステル
Figure 2007527376
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルフェニルチオスルフォネート(61 mg, 0. 12 mmol)を無水DCM (5 mL)中に溶解し、アルゴン雰囲気下RTで撹拌
した。これにN−アセチル−L−システイン−L−セリンメチルエステル(32 mg, 0.12 mmol)およびトリエチルアミン(0.015 mL, 0. 1 lmmol)を無水DCM (10 mL)および無水メタ
ノール(0.5 mL)に溶解させた溶液をシリンジ・ポンプを通して4時間以上かけてゆっくりと液滴により加えた。5時間後、薄層クロマトグラフィー (酢酸エチル: メタノール, 10: 1) は、出発原料(Rf 0. 3, (薄層クロマトグラフィー装置 (ぺトロール: 酢酸エチル, 1: 1) )が完全に消費されるとともに主生成物(Rf 0.5) が得られたことを示した。該溶液
を真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル: メタ
ノール 10: 1)によって精製することにより、標記の化合物(75 mg, 99%)を白色結晶固体
として得た;
融点126−128℃ [Lit. 125-128°C (Davis, B. G. ; Ward, S. J.; Rendle, P. M. Chem.
Commun. 2001, 189)] ;
[α] D 25-47. 9 (c, 0.7 in CHCl3) [Lit. [α] D 24-178. 0 (c, 1.0 in MeOH) (Davis, B. G.; Ward, S. J.; Rendle, P. M. Chem. Commun. 2001, 189)] ;
δH (400 MHz, CDCl3) 2.03, 2.06, 2.07, 2.11 (5 x 3H, 4 x s, 5 x CH3), 3.05 (1H, dd, JCH,H 13. 9 Hz, JCH,αH8. 8 Hz, CysCHH), 3.28 (1H, dd, JCH,H 13.9 Hz, JCH,αH 4.8 Hz, CysCHH), 3.80 (3H, s, OMe), 3. 89 (1H, ddd, J4,5 10. 0 Hz, J5, 6 2. 2 Hz, J5, 6' 4. 1 Hz, H-5), 3. 94 (1H, dd, JCH, H 11.7 Hz, JCH,αH 3.0 Hz, SerCHH), 4.00 (1H, dd, JCH, H 13. 8 Hz, JCH,αH 3. 7 Hz, SerCHH), 4.23 (1H, dd, J5,6 4.2 Hz, J6,6' 12. 4 Hz, H-6), 4. 38 (1H, dd, J5,6' 2.0 Hz, J6,6' 12.5 Hz, H-6'), 4. 62-4. 65 (1H, m, αHSer), 4. 64 (1H, d, J1,2 9.5 Hz, H-1), 4.90-4. 94 (1H, m, αHCys), 5. 18 (1H, at, J 10. 1 Hz, H-4), 5. 24-5. 29 (2H, m, H-2, H-3), 6.94 (1H, d, JNH,H 7.9 Hz, NHAc), 7.52 (1H, d, JNH,H 7.6 Hz, NHSer)。
実施例31:N−アセチル−L−システイン(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−ジチオ−β−D−ガラクトピラノシルジスルフィド)−L−セリンメチルエステル
Figure 2007527376
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシルフェニルチオスルフォネート(50 mg, 0.1 mmol)を無水DCM (5 mL)中で溶解し、アルゴン雰囲気下RTで撹拌
した。N−アセチル−L−システイン−L−セリンメチルエステル(31 mg, 0. 12 mmol)
およびトリエチルアミン(0. 015 mL, 0. 1 lmmol)を無水DCM (10 mL)および無水メタノール(0.5 mL)に溶解させた溶液をシリンジ・ポンプを通して2時間以上かけて液滴により加えた。2時間後、薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル: メタノール, 10: 1) は出発原料(Rf 0. 5, t.1.cシステム ペトロール: 酢酸エチル, 1: 1 )を完全に消費するとともに主生成物(Rf 0.5)が得られたことを示した。該溶液を真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル: メタノール 10: 1)によって精製することにより、標記の化合物(59 mg, 95%)を白色アモルファス固体として得た;
[α] D 25-48. 8 (c, 0.25 in CHCl3) ; δH (400 MHz, CDCl3) 1.99, 2.04, 2.05, 2. 08, 2. 18 (5 x 3H, 4 x s, 5 x CH3), 2. 80 (1H, bs, OH), 2.99 (1H, dd, JCH,H 14.1 Hz, JCH,αH 9.2 Hz, CysCHH), 3.32, 3.77 (3H, s, OMe), 3.92 (1H, dd, JCH,H 11. 7 Hz, JCH,αH 3. 0 Hz, SerCHH), 4.01 (1H, dd, JCH,H 11.7 Hz, JCH,αH 3.7 Hz, SerCHH), 4.06-4. 14 (2H, m, H-5, H-6), 4.20-4. 26 (1H, m, H-6'), 4.61-4. 63 (1H, m,αHSer), 4.65 (1H, d, J1,2 9. 8 Hz, H-1), 4.88-4. 93 (1H, m, αHCys), 5.11 (1H, dd,
J2,3 9.8 Hz, J3,4 3.3 Hz, H-3), 5.42-5. 47 (2H, m, H-2, H-4), 6. 68 (1H, d, JNH,H 7. 8 Hz, NHAc), 7.28 (1H, d, JNH,H 8.1 Hz, NHSer)。
実施例32:2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシルブロミド
Figure 2007527376
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルコピラノース(1.0 g, 1.9 mmol)をア
ルゴン雰囲気下無水DCM (6 mL)と無水DMF (0. 4 mL)に溶解した。結果物の溶液を0℃で
撹拌した。オキサリルブロミド(4 mL, 2M in DCM, 24 mmol)を5分以上かけて液滴により加えた。該反応物をRTで撹拌した。40分後、薄層クロマトグラフィー(ペトロール: 酢
酸エチル, 2: 1) は主生成物(Rf 0.7)が得られたことを示した。該反応物は0℃まで冷却し、5分以上氷冷水(30 mL)を加えて急冷した。該反応物はDCM (20 mL)と水に分離した。水溶性相はDCM (3 x 20 mL)で再抽出し、これらの混合有機相を塩水(40 mL)で洗浄し、MgS04で乾燥、濾過し、真空中で濃縮することにより標記の化合物(1. 10 g, 95%)を粗製黄
色オイルとして得た;
δH (400 MHz, CDCl3), 3.57 (1H, dd, J1, 23. 5 Hz, J2, 3 9.1 Hz, H-2), 3.68 (1H, dd, J5, 6 2.1 Hz, J6,6'11. 0 Hz, H-6), 3.79-3. 84 (2H, m, H-4, H-6'), 4.07 (1H, at, J 9. 1 Hz, H-3), 4.07-4. 11 (1H, m, H-5), 4.47-4. 62 (3H, m, PhCH 2 ), 4.74 (s, 2H, PhCH 2 ), 4.84- 4.89 (2H, m, PhCH 2 ), 5.10 (1H, d, J 11.1 Hz, PhCH 2 ), 6.46 (1H, d, H-1), 7.15-7. 41 (20H, m, Ar-H)。
実施例33:2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシルフェニルチオスルフォネート
Figure 2007527376
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−α−グルコピラノシルブロミド(3.55 g, 5.88 mmol)とソディウムフェニルチオスルフォネート(4.76 g, 24.3 mmol)を無水1,4ジオ
キサン(90 mL)に溶解した。該反応物をアルゴン雰囲気下70℃まで加熱した。20時間
後、薄層クロマトグラフィー(ペトロール:酢酸エチル, 2: 1)は、出発原料(Rf 0. 7)が完全に消費されるとともに主生成物(Rf 0.6)が得られたことを示した。該反応物はRTまで冷却して濾過し、沈殿物をペトロール/酢酸エチルで洗浄し、濾液を真空中で濃縮した。残
留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール: 酢酸エチル, 4 : 1)によって
精製することにより、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルコピラノシルフェニルチオスルフォネート(3. 18 g, 78%)をβ:α比が3:1のα、β化合物混合物である白色粘性ゴムとして得た。酢酸エチル/ペトロールからの選択的な再結晶により、純粋な2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシルフェニルチオスルフォネートを白色結晶固体として得た;
融点 106-108℃;
[α] D 22+21. 4 (c, 0. 35 in CHCl3) ; δH (500 MHz, C6D6) 3.21 (1H, ddd, J4, 5 9.
7 Hz, J5, 6 1. 4 Hz, J5, 6' 3.8 Hz, H-5), 3.29 (1H, dd, J5, 61. 4 Hz, J6,6' 11.
1 Hz, H-6), 3.34 (1H, dd, J1, 2 9.9 Hz, J2, 3 8.7 Hz, H-2), 3.49 (1H, dd, J5, 6
3.8 Hz, J6, 6' 11.1 Hz, H-6'), 3.51 (1H, at, J9. 4 Hz, H-3), 3.60 (1H, at, J9. 4 Hz, H-4), 4.15, 4.25 (2H, ABq, J 12.1 Hz, PhCH2), 4.52, 4.58 (2H, ABq, J 11.0 Hz, PhCH2), 4.72, 4.76 (2H, ABq, J 11.3 Hz, PhCH2), 4.78, 4.52 (2H, ABq, J 11.3 Hz, PhCH2), 5.25 (1H, d, J1,2 10. 2 Hz, H-1), 6.82-6. 88 (3H, m, Ar-H), 7.05-7. 26 (20H, m, Ar-H), 7.96-7. 98 (2H, m, Ar-H)。
実施例34:エチル2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−ジチオ−β−D−グルコピラノシルジスルフィド
Figure 2007527376
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルフェニルチオスルフォネート(100 mg, 0.14 mmol)とトリエチルアミン(0.02 mL, 0.14 mmol)を無水DCM (10 mL)中に溶解し、アルゴン雰囲気下RTで撹拌した。これにエタンチオール(11 μL, 0.14 mmol)の無水DCM (10 mL)溶液をシリンジ・ポンプを通して90分以上かけてゆっくりと液滴状により加えた。90分後、薄層クロマトグラフィー(ペトロール:酢酸エチル, 6: 1)は
出発原料(Rf 0. 2)を完全に消費するとともに主生成物(Rf 0.4)が得られたことを示した
。該溶液を真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(ペトロー
ル: 酢酸エチル, 7: 1)によって精製することにより、標記の化合物を澄んだオイル(83 mg, 95%)として得た;
[α] D 22-164. 9 (c, 0.2 in CHCl3) [Lit. [α] D 25-80. 0 (c, 3.0 in MeOH) (Davis, B. G.; Ward, S. J.; Rendle, P. M. Chem. Commun. 2001, 189)] ; δH (400 MHz, CDCl3) 1.22 (1H, t, J 7. 3 Hz, CH3), 2.68-2. 86 (2H, m, CH2), 3.24 (1H, ddd, J4, 5 9.7 Hz, J5,6 3.3 Hz, J5,6' 2. 1 Hz, H-5), 3. 56-3. 60 (2H, m, H-6, H-6'), 3. 61 (1H, at, J 9.1 Hz, H-3), 3.72 (1H, at, J9. 4 Hz, H-4), 3. 89 (1H, at, J 9. 1 Hz, H-2), 4. 34 (1H, d, J1,2 9.7 Hz, H-1), 4. 37, 4. 31 (2H, Abq, J 12.2 Hz, PhCH 2 ),
4.56, 4. 83 (2H, Abq, J 11.3 Hz, PhCH 2 ), 4. 77-4. 83 (2H, m, PhCH 2 ), 4. 90 (1H,
d, J 11.1 Hz, PhCHH), 4. 97 (1H, d, J 10.7 Hz, PhCHH), 7. 07-7. 21 (14H, m, Ar-H), 7.25-7. 27 (2H, m, Ar-H), 7. 29-7. 31 (2H, m, Ar-H), 7. 36-7.38 (2H, m, Ar-H)。
実施例35:N−アセチル−L−システイン(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−ジチオ−β−D−グルコピラノシルジスルフィド)−L−セリンメチルエステル
Figure 2007527376
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシルフェニルチオスルフォネート(50 mg, 0.07 mmol)を無水DCM (5 mL)中で溶解し、アルゴン雰囲気下RTで撹拌した。これにN−アセチル−L−システイン−L−セリンメチルエステル(19 mg, 0.07 mmol) およびトリエチルアミン(11 μL, 0. 08 mmol)を無水DCM (5 mL)およびメタノール(0.5 mL)に溶解させた溶液を5時間以上シリンジ・ポンプを通して液滴によりゆっくり加え
た。5時間後、薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル)は出発原料(Rf 0. 9)を完全に消費
するとともに主生成物(Rf 0.6)が得られたことを示した。該溶液を真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル)によって精製することにより、標記の化合物(48 mg, 82%)を白色結晶固体として得た;
融点 96-97℃ ;
[α] D 22+56. 2 (c, 1 in CHCl3) ; δH (400 MHz, CDCl3) 2.03 (3H, s, COCH3), 3.19 (1H, dd, JCH,H 14.0 Hz, JCH,αH 8.3 Hz, CysCHH), 3. 37 (1H, dd, JCH,H 14.3 Hz, JCH,αH 6.0 Hz, CysCHH), 3.64 (1H, ddd, J4,5 9.6 Hz, J5,6 1.8 Hz, J5,6' 3.9 Hz, H-5), 3.72 (1H, at, J 9.2 Hz, H-4), 3.77 (1H, at, J 8. 8 Hz, H-3), 3.82 (3H, s, OMe), 3.84-3. 90 (4H, m, SerCHH, H-2, H-6, H-6'), 3.96 (1H, dd, JCH,H 11.7 Hz, JCH,αH 3.3 Hz, SerCHH), 4.50 (1H, d, J1, 2 9.6 Hz, H-1), 4.51, 4.70 (2H, ABq, J 11.6 Hz, PhCH2), 4.55, 4. 85 (2H, ABq, J 10.4 Hz, PhCH2), 4.59-4. 62 (1H, m, αHSer), 4.81, 4.87 (2H, ABq, J 10.6 Hz, PhCH2), 4.91, 4.97 (2H, ABq, J 11.0 Hz, PhCH2), 4. 93-4. 98 (1H, m,αHCys), 6.88 (1H, bd, JNH,H 7. 9 Hz, NHAc), 7.13-7. 39 (20H, m, 20 x Ar-C), 7. 48 (1H, d, JNH,H 7.6 Hz, NHSer)。
実施例36:2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシルフェニルチオスルフォネート
Figure 2007527376
2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシルブロミド(200 mg, 0.21 mmol)を無水アセ
トニトリル中(10 mL)に溶解した。これにソディウムベンゼンチオスルフォネート(80 mg,
0.41 mmol)とテトラブチルアンモニウムイオダイド(10 mg, 0.02 mmol)を加えた。結果
物混合物をアルゴン雰囲気下70℃で撹拌した。2時間後、薄層クロマトグラフィー(ペ
トロール: 酢酸エチル, 1: 2)は出発原料(Rf 0. 5)を完全に消費するとともにUV活性の生成物(Rf 0.5)が得られたことを示した。ここで該溶液をRTまで冷却して濾過し、濾液を真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール: 酢酸エチ
ル, 1: 2)によって精製することにより、標記の化合物(140 mg, 62%)を白色アモルファス固体として得た;
[α] D 22+69. 9 (c, 0.75 in CHCl3) ; δH (500 MHz, CDCl3) 2.03, 2.04, 2.06, 2.08,
2.11, 2.15, 2.19, (30H, 10 x COCH3), 3.77-3. 79 (1H, m, H-5a), 3.94-4. 00 (4H, m, H-4a, H-4c, H-5b, H-5c), 4.10 (1H, dd, J5, 6 2.1 Hz, J6,6' 12. 4 Hz, H-6b), 4
.17-4. 22 (3H, m, H-6a, H-6c, H-6a'), 4.29 (1H, dd, J5, 6 3.3 Hz, J6, 6' 12. 6 Hz, H-6b'), 4.46 (1H, dd, J5, 6 1. 9 Hz, J6,6' 12.4 Hz, H-6c'), 4.76 (1H, dd, J1,23. 9 Hz, J2, 3 10.4 Hz, H-2a), 4.89-4. 94 (2H, m, H-2b, H-2c), 5.12 (1H, at, J 9.9 Hz, H-4b), 5.28 (1H, d, J1, 2 3. 8 Hz, H-1a), 5.34 (1H, d, J1, 29. 7 Hz, H-1c), 5.37 (1H, at, J9.1 Hz, H-3c), 5.41 (1H, at, J 10.1 Hz, H-3b), 5.41-5. 45 (2H, m, H-1b, H-3a), 7.62-7. 65 (2H, m, Ar-H), 7.71 (1H, m, Ar-H), 8.00-8. 02 (2H, m, Ar-H)。
実施例37:エチル2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−1−ジチオ−β−D−グルコピラノシルジスルフィド
Figure 2007527376
2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシルフェニルチオスルフォネート(50 mg, 0.05 mmol)を無水DCM (10 mL)に溶解し、アルゴン雰囲気下RT
で撹拌した。トリエチルアミン(7 μL, 0.05 mmol)とエタンチオール(3μL, 0.05 mmol)
と無水DCM (10 mL)との溶液をシリンジ・ポンプを通して1時間以上かけてゆっくりと液
滴により加えた。1時間後、薄層クロマトグラフィー(ペトロール: 酢酸エチル, 1: 2)は出発原料(Rf 0. 4)を完全に消費するとともに主生成物(Rf 0.6)が得られたことを示した
。該溶液を真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(ペトロー
ル: 酢酸エチル, 1: 2)によって精製することにより、標記の化合物(43 mg, 93 %)を澄んだオイルとして得た;
[α] D 24 +26.4 (c, 1.5 in CHCl3) ; δH (500 MHz, CDCI3) 1.30 (1H, t, J7. 2 Hz, CH3), 2.04, 2.05, 2.06, 2.07, 2.10, 2. 14, 2.19, 2.20 (30H, 8 x s, 10 x COCH3), 2.75-2. 87 (2H, m, CH 2CH3), 3.77-3. 81 (1H, m, H-5a), 3.96-4. 00 (3H, m, H-4b, H-5c, H-5b), 4.03 (1H, at, J 9.3 Hz, H-4a), 4.10 (1H, dd, J5,6 2. 3 Hz, J6,6' 12. 6 Hz, H-6c), 4.22 (1H, dd, J5,6 2.9 Hz, J6, 6' 12.4 Hz, H-6b), 4.29 (1H, dd, J5,
6 3.7 Hz, J6, 6' 12. 4 Hz, H-6'c), 4.33 (1H, dd, J5, 6 4.4 Hz, J6, 6'12. 4 Hz, H-6a), 4.51 (1H, dd, J5, 6' 1.8 Hz, J6,6' 12.4 Hz, H- 6b', 4.57 (1H, dd, J5, 6 2.3 Hz, J6,6' 12.4 Hz, H-6a'), 4. 58 (1H, d, J1,2 9. 9 Hz, H-1a), 4.79 (1H, dd, J1,2 4.1 Hz, J2,3 10. 6 Hz, H-2b), 4.90 (1H, dd, J1, 2 4.3 Hz, J2, 3 10.4 Hz, H-2c), 5.11 (1H, at, J 9. 9 Hz, H-4c), 5.16 (1H, at, J 9. 5 Hz, H-2a), 5.33 (1H, d,
J1,2 4.1 Hz, H-1b), 5.37 (1H, at, J8. 9 Hz, H-3a), 5. 38-5. 44 (2H, m, H-3b, H-3c), 5.45 (1H, d, J1,2 4.1 Hz, H-1c)。
実施例38:N−ブトキシカルボニル−L−システイン(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−1−ジチオ
−β−D−グルコピラノシルジスルフィド)−L−セリンメチルエステル
Figure 2007527376
2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシルフェニルチオスルフォネート(89 mg, 0.08
mmol)を無水DCM (5 mL)に溶解し、アルゴン雰囲気下RTで撹拌した。トリエチルアミン(0. 014 mL, 0.2 mmol)およびN−ブトキシカルボニル−L−システイニル−L−セリンメ
チルエステル(30 mg, 0.09 mmol)を無水DCM (10 mL)および無水メタノール(1 mL)に溶解
させた溶液をシリンジ・ポンプを通して3時間以上かけてゆっくりと液滴により加えた。3時間後、薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル)は出発原料(Rf 0. 7)を完全に消費する
とともに主生成物(Rf 0.6)が得られたことを示した。該溶液を真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル)によって精製することにより、標記の化合物(66 mg, 74%)をアモルファス固体として得た;
[α] D 24 +25.1 (c, 1.25 in CHCl3) ; δH (500 MHz, CDCl3) 1.47 (9H, s, C (CH3) 3), 2.00, 2.01, 2.02, 2.03, 2.06, 2.09, 2.15, 2.18 (30H, 8 x s, 10 x COCH3), 2.75-2. 87 (1H, m, CHHCys), 3.16- 3.19 (1H, m, CHHCys), 3.27 (1H, t, J 6.2 Hz, OH), 3.81 (3H, s, OMe), 3.83-3. 85 (1H, m, H-5a), 3.92-4. 01 (6H, m, H-4b, H-5b, H-5c,
H6a, H-6a', CHHSer), 4.06 (1H, dd, J5, 6 2.2 Hz, J6, 6' 12.2 Hz, H-6c), 4.09-4.
16 (2H, m, H-4a, H-6b), 4.25 (1H, dd, J5, 6 3.2 Hz, J6, 6' 12. 3 Hz, H-6c'), 4.39-4. 41 (1H, m, CHHSer), 4. 52-4. 67 (4H, m,αHSer, αHCys, H-1a, H-6'b), 4.74 (1H, dd, J1,2 4.1 Hz, J2, 3 10.3 Hz, H-2b), 4.85 (1H, dd, J1,2 3.7 Hz, J2,3 10.5
Hz, H-2c), 5.07 (1H, at, J 9. 9 HZ, H-4c), 5.11-5. 13 (1H, m, H-2a), 5.28 (1H, d, J1, 2 4.1 Hz, H-1b), 5.32-5. 41 (4H, m, H-3a, H-3b, H-3c, NHCys), 5.42 (1H, d, J1, 2 3.9 Hz, H-1c), 7.25 (1H, bd, JNH,αH 6.7 Hz, NHSer)。
実施例39:フェニル2,3,6−トリ−O−アセチル−1−セレネニルスルフィド−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシド
Figure 2007527376
2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシルチオール(500 mg, 0.53 mmol)とフェニル
セレニウムブロミド(200 mg, 0.9 mmol)を無水DCM (20 ml)中に溶解した。5時間後、薄
層クロマトグラフィー(ペトロール:酢酸エチル 1: 2)は出発原料(Rf 0. 3)を完全に消費
するとともに主生成物(Rf 0.4)が得られたことを示した。該反応物をトリエチルアミン(5
ml)を加えて急冷し、真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール:酢酸エチル 1: 2)によって精製することにより、標記の化合物(527 mg, 91%)を白色がかったアモルファス固体として得た;
[α] D 25-2. 6 (c, 1.0 in CHCl3) ; δH (400 MHz, CDCl3), 1.99, 2.01, 2.02, 2.04, 2.06, 2.10, 2.14 (30H, 9 x s, 10 x OAc), 3.79 (1H, dat, J4, 5 9.7 Hz, J3. 4 Hz, H-5a), 3.92 (3H, m, H4b, H-5b, H-5c), 4.00 (1H, at, J 9. 3 Hz, H-4a), 4.05 (1H, dd, J5,6 2.8 Hz, J6,6' 12. 8 Hz, H-6c), 4.15 (1H, dd, J5,6 2. 8 Hz, J6,6' 12.6 Hz, H-6b), 4.22 (1H, dd, J5,6 3. 7 Hz, J6, 6' 12.0 Hz, H-6a), 4.25 (1H, dd, J5, 6
3.3 Hz, J6,6' 12. 0 Hz, H-6c'), 4.42-4. 46 (2H, m, H-6a', H-6b'), 4.66 (1H, d, J1,2 9.9 Hz, H-1a), 4.74 (1H, dd, J1, 2 4.1 Hz, J2,3 10.4 Hz, H-2b), 4.86 (1H, dd, J1, 2 4.1 Hz, J2, 310. 5 Hz, H-2c), 5.06 (1H, at, J 9. 6 Hz, H-4c), 5.07 (1H,
at, J 9.8 Hz, H-2a), 5.27 (1H, d, J1, 2 4.4 Hz, H-1b), 5.32-5. 39 (3H, m, H-3a,
H-3b, H-3c), 5.41 (1H, d, J1, 2 4.2 Hz, H-1c), 7.27-7. 29 (3H, m, Ar-H), 7.64-7. 67 (2H, m, Ar-H)。
実施例40:ビス−N−ブトキシカルボニル−L−システイニル−L−トレオニンメチルエステル
Figure 2007527376
ビス−N−ブトキシカルボニル−L−システイン(4.0 g, 9.1 mmol)、L−トレオニンメ
チルエステル(2.42 g, 18.2 mmol)、DCC (3.75 g, 18.2 mmol)、HOBt (2.46 g, 18.2 mmol)およびDIPEA (2.5 ml, 18.2 mmol)を新たに蒸留したDCM (150 mL)中に溶解した。18
時間後、薄層クロマトグラフィー (酢酸エチル: メタノール 9: 1)は出発原料(Rf 0. 0)
を完全に消費するとともに主生成物(Rf 0.5)が得られたことを示した。該反応物を水(2 x
100 ml)で希釈し、相を分離させた。有機相を塩(100 ml)水で洗浄し、MgSO4で乾燥、濾
過し、真空中で溶媒を除去した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エ
チル: メタノール9: 1)によって精製し、メタノール/ジエチルエステルから再結晶させ
ることにより、標記の化合物 (3.26 g, 60%)を白色結晶固体として得た;
融点145-147℃ ;
[α] D 25 +20.8 (c, 1.0 in CHCl3) ; δH (400 MHz, CDCl3), 1.23 (3H, d, JCH,CH3 6.6 Hz, CHCH3), 1.44 (9H, s, C (CH3) 3), 3.11-3. 12 (2H, m, CH2Cys), 3.26 (1H, bs,
OH), 3.75 (3H, s, OMe), 4.32-4. 36 (1H, m, CHCH3), 4.61 (dd, JNH, αThr 8. 7 Hz, JαH,CHCH3 2. 15 Hz, CHCH3), 4.63-4. 68 (1H, m,αCys), 5.75 (1H, d, JNH,αHCys
7. 4 Hz, NHCys), 7.56 (1H, d, JNH,αThr 8. 6 Hz, NHThr)。
実施例41:N−ブトキシカルボニル−L−システイニル−L−トレオニンメチルエステル
Figure 2007527376
ビス−N−ブトキシカルボニル−L−システイニル−L−トレオニンメチルエステル(2.0
g, 3.3 mmol)を液体クロロフォルム(100 mL)とメタノール(10 mL)中で溶解し、撹拌した。この攪拌溶液にトリエチルフォスフィン (1.0 mL, 4.0 mmol)を加えた。2時間後、薄
層クロマトグラフィー (酢酸エチル: メタノール 9: 1)は出発原料(Rf 0. 7)を完全に消
費するとともに生成物(Rf 0.8)が得られたことを示した。該溶液を真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル)によって精製することにより、標記の化合物(2.0 g, 99%)を白色体として得た;
[α] D 25-11. 4 (c, 1.0 in CHCl3) ; δH (400 MHz, CDCl3) 1.09 (3H, d, JCH, CH3 6.4 Hz, CH3), 1.34 (9H, s, C (CH3) 3), 1.65 (1H, at, J 8. 7 Hz, SH), 2.72-2. 89 (2H, m, CH2), 3.66 (3H, s, OMe), 3.96 (1H, m, OH), 4.24-4. 28 (1H, m, CHCH3), 4.34-4. 36 (1H, m, αHCys), 4.49 (1H, dd, JαHThr,NH 8.5 Hz, JαHThr,CHCH3 2.7 Hz,
αHThr), 5.82 (1H, d, JαHCys, NH 8. 2 Hz, NHCys), 7. 38 (1H, d, JαHThr,NH 8. 5
Hz, NHThr)。
実施例42:N−ブトキシカルボニル−L−システイン(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−ジチオ−β−D−グルコピラノシルジスルフィド)−L−トレオニンメチルエステル
Figure 2007527376
フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−セレネニルスルフィド−D−β−グルコピラノシド(130 mg, 0.25 mmol)とトリエチルアミン(0.02 mL, 0. 18 mmol)を新たに蒸留したDCM (10 mL)に溶解した。該結果物溶液をRTで撹拌した。N−ブトキシカルボ
ニル−L−システイン−L−トレオニンメチルエステル(30 mg, 0. 089 mmol)の無水メタノール(4 mL)溶液を上記溶液にゆっくりと加えた。10分後、薄層クロマトグラフィー (ペトロール: 酢酸エチル, 1: 2)は出発原料(Rf 0. 5)を完全に消費するとともに生成物(Rf 0.2)が得られたことを示した。該溶液を真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール: 酢酸エチル, 1: 2)によって精製することにより、標記の化合物(32 mg, 51 %)を白色アモルファス固体として得た;
[α] D 25-81. 2 (c, 0.25 in CHCl3) ; δH (400 MHz, CDCl3) 1.28 (3H, d, JCHCH3 6.7
Hz, CHCH 3), 1.51 (9H, s, C (CH3) 3), 2.06, 2. 08, 2.10 2.14 (12H, 4 x s, 4 x OAc), 2.86 (1H, bs, OH), 3.06 (1H, dd, JCHαH 8. 8 Hz, JCHCH 13.4 Hz, CHHCys), 3.3
1 (1H, dd, JCHαH 4. 2 Hz, JCHCH 13.1 Hz, CHHCys), 3.82 (3H, s, OCH3), 3. 87- 3.89 (1H, m, H-5), 4.32-4. 38 (2H, m, H-6, H-6'), 4.39 (1H, dd, JCHCH3 6.4 Hz, JCHαH 2.5 Hz, CHOH), 4.60-4. 65 (3H, m, H-1, αHThr, αHCys), 5.20-5. 32 (3H, m, H-2, H-3, H-4), 5.42 (1H, d, JNHαH 8. 0 Hz, NHCys), 7.12 (1H, d, JNHαH 8.9 Hz, NHThr)。
実施例43:N−ブトキシカルボニル−L−システイン(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−ジチオ−β−D−ガラクトピラノシルジスルフィド)−L−トレオニンメチルエステル
Figure 2007527376
フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−セレネニルスルフィド−D−β−ガラクトピラノシド(140 mg, 0.27 mmol)とトリエチルアミン(0.01 mL, 0.089 mmol)を新たに蒸留したDCM (5 mL)に溶解した。該結果物溶液をRTで撹拌した。N−ブトキシカルボニル−L−システイン−L−トレオニンメチルエステル(26 mg, 0.077 mmol)を無水DCM (5 mL)および無水メタノール(4 mL)に溶解させた溶液を上記溶液にゆっくりと加えた。1
0分後、薄層クロマトグラフィー(ペトロール: 酢酸エチル, 1: 2)は出発原料(Rf 0. 6)
を完全に消費するとともに生成物(Rf 0.2)が得られたことを示した。該溶液を真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール: 酢酸エチル, 1: 2)によって精製することにより、標記の化合物(49 mg, 93%)を白色アモルファス固体として得た;
[α] D 25-81. 2 (c, 0.25 in CHCl3) ; δH (400 MHz, CDCl3) 1.24 (3H, d, JCHCH3 6.4
Hz, CH3), 1.46 (9H, s, C (CH3) 3), 2.01, 2.06, 2.08, 2.20 (12H, 4 x s, 4 x OAc), 2.79 (1H, bd, JCH,OH 4.1 Hz, OH), 2.99 (1H, dd, JαH,CH2 8.8 Hz, JCH,H 13.9 Hz, CHHCys), 3.32-3. 35 (1H, m, CHHCys), 3.76 (3H, s, OCH3), 4.04 (1H, at, J6.2 Hz, H-5), 4.10-4. 16 (1H, m, H-6), 4.19 (1H, dd, J5,6' 6.1 Hz, J6,6' 10. 8 Hz, H-6'), 4. 36-4. 46 (1H, m, CHOH), 4.56 (1H, dd, JαHThr,CH 2.4 Hz, JαH,NH 8. 9 Hz,
αHThr), 4.57-4. 64 (1H, m, αHCys), 4.65 (1H, d, J1,2 9.0 Hz, H-1), 5.13 (1H, dd, J2, 3 9. 8 Hz, J2,3 9. 8 Hz, H-3), 5. 3 1 (1 H, d, JαHCys,NH 8. 3 Hz, NHCys), 5.47 (1H, d, J3,4 3.2 Hz, H-4), 5.52 (1H, at, J9. 6 Hz, H-2), 6.91 (1H, d, J
αHThr,NH 9.0 Hz, NHThr)。
実施例44:ブトキシカルボニル−L−システイニル−(S−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシルジスルフィド)−L−トレオニンメチルエステル
Figure 2007527376
出発物質としてフェニル3,4,6−トリ−O−アセチル−2−アセトアミド−2−デオキシ−1−セレネニルスルフィド−D−β−を利用した実施例43の類似の方法によって、標記の化合物を白色アモルファス固体(55mg, 88%)として得た。
[α] D 25 -47. 1 (c, 0. 1 in CHCl3) ; δH (400 MHz, CDCl3) 1.17 (3H, d, JCH, CH3 6.4 Hz, CH3), 1.49 (9H, s, C (CH3) 3), 1.91, 2. 00, 2.02, 2.07 (12H, 4 x s, 4 x,
COCH3), 2.99 (1H, dd, JCHH,CHH 13.5 Hz, JαH,CH 10.0 Hz, CHH), 3.38 (1H, dd, J
αH,CH 4.8 Hz, JCHH,CHH 13. 5 Hz, CHH), 3. 88-3. 91 (1H, m, H-5), 4. 16-4. 32 (4H, m, H-2, H-6, H-6', CHCH3), 4. 45 (1H, d, JαH,CH 2.7 Hz, αHThr), 4. 54 (1H, dd, JαH,CH,H9.7 Hz, JαH,CHH 4.7 Hz, αHCys), 4. 79 (1H, d, J1, 2 10.1 Hz, H-1),
5. 06 (1H, at, J 9. 7 Hz, H-4), 5. 28 (1H, at, J 9.7 Hz, H-3)。
実施例45:N−ブトキシカルボニル−L−システイニル−(S−1−β−D−グルコピラノシルジスルフィド)−L−トレオニンメチルエステル
Figure 2007527376
フェニル1−セレネニルスルフィド−D−β−グルコピラノシド(70 mg, 0.2 mmol)とト
リエチルアミン(0.01 mL, 0.1 mmol)をメタノール中(8 mL)に溶解した。該結果物溶液をRTで撹拌した。N−ブトキシカルボニル−L−システイン−L−トレオニンメチルエステ
ル (22 mg, 0.07 mmol)のメタノール(5 mL) 溶液を上記溶液にゆっくりと加えた。10分後、薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール, 9: 1)は主生成物(Rf 0.4)が形成さ
れたことを示した。該溶液を真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール, 9: 1)によって精製することにより、標記の化合物(32 mg, 91%)を白色アモルファス固体として得た;
[α] D 25-139. 5 (c, 0.6 in MeOH) ; δH (500 MHz, CD30D) 1.19 (3H, d, JCH,CH3 6.2
Hz, CHCH3), 1.49 (9H, s, C (CH3) 3), 2.93 (1H,dd,JCHH,CHH 13.5Hz, JCH,αH9. 5 Hz, CH2Cys), 3.32-3. 46 (4H, m, H-3, H-4, H-5, CHH), 3.60-3. 63 (1H, m, H-2), 3.73-3. 77 (1H, m, H-6), 3.78 (3H, s, OMe), 3.92-3. 94 (1H, m, H-6'), 4. 31-4. 36 (1H, m, CHCH3), 4.39 (1H, d, J1, 2 9.3 Hz, H-1), 4. 48 (1H, d, JαH,CH 2. 9 Hz, αHThr), 4.69 (1H, dd, JαH,CHH9. 0 Hz, JαH,CHH 5.2 Hz, αHCys)。
実施例46:N−ブトキシカルボニル−L−システイニル−(S−2−アセトアミド−2
−デオキシ−1−β−D−グルコピラノシルジスルフィド)−L−トレオニンメチルエステル
Figure 2007527376
出発物質としてフェニル2−アセトアミド−2−デオキシ−1−セレネニルスルフィド−β−D−グルコピラノシドを利用した実施例45の類似の方法によって、標記の化合物を白色アモルファス固体(32 mg, 91 %)として得た。
[α] D 25+6.21 (c, 0.45 in MeOH) ; δH (500 MHz, CD3OD) 1.19 (3H, d, JCHCH3 6.7 Hz, CHCH 3), 1.49 (9H, s, C (CH3) 3), 1.99 (3H, s, COCH3), 2.97 (1H, dd, JCH, H 13. 8 Hz, JCH,αH 9.6 Hz, CHHCys), 3.31-3. 33 (1H, m, CHH), 3.38-3. 41 (1H, m, H-5), 3.45 (1H, at, J9. 3 Hz, H-4), 3.54 (1H, dd, J2, 3 8. 6 Hz, J3,4 9.8 Hz, H-3), 3.76-3. 77 (1H, m, H-6), 3.78 (3H, s, OMe), 3.79-4. 01 (2H, m, H-2, H-6'), 4.33 (1H, dq, JCHCH3 6.3 Hz, JCH,αH3.0 Hz, CHCH3), 4.48 (1H, d, JαH,CH 3.0 Hz, αHThr), 4.59 (1H, d, J1,2 10. 3 Hz, H-1), 4.63- 4.67 (1H, m, αHcys)。
実施例47:フェニル−1−セレネニルスルフィド−β−D−グルコピラノシド
Figure 2007527376
1−チオ−β−D−グルコピラノシド(200 mg, 0.9 mmol)とフェニルセレネニルブロミド(230 mg, 1. 0 mmol)を無水1,4−ジオキサン(5mL)に加え、アルゴン雰囲気下撹拌した。1分後、薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル)は主生成物(Rf 0.2)が得られたことを示した。該反応物はトリエチルアミン(2 mL)を加えて急冷した。該溶液を真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル: メタノール, 9: 1)によって精製することにより、標記の化合物(165 mg, 57%)を白色アモルファス固体として得た;[α] D 22+56. 2 (c, 1 in CHCl3) ; δH (400 MHz, MeOD) 3.31-3. 33 (2H, m, H-3, H-5), 3.39-3. 45 (2H, m, H-2, H-4), 3.62 (1H, dd, J5,6 5.3 Hz, J6, 6' 12.1 Hz, H-6), 3.83 (1H, dd, J5, 6' 1.9 Hz, J6, 6' 12.2 Hz, H-6), 4.47 (1H, d, J1, 2 9.4 Hz,
H-1), 7. 27- 7. 34 (3H, m, Ar-H), 7.75-7. 78 (2H, m, Ar-H)。
実施例48:フェニル−1−セレネニルスルフィド−β−D−ガラクトピラノシド
Figure 2007527376
出発物質として1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドを利用した実施例47の類似の方法によって、標記の化合物を白色がかったアモルファス固体(193mg, 20%)として得た;
[α] D 25-111. 4 (c, 1 in MeOH) ; δH (400 MHz, CD3OD) 3.52 (1H, dd, J2, 3 9. 4 Hz, J3,4 3.3 Hz, H-3), 3.56 (1H, at, J4,5 0.9 Hz, J6. 5 Hz, H-5), 3.67-3. 69 (2H, d, J 6. 0 Hz, H-6, H-6'), 3.74 (1H, at, J 9.3 Hz, H-2), 3.91 (1H, dd, J3,4 3. 2 Hz, J4, 5 0. 7 Hz, H-4), 4.45 (1H, d, J1, 2 9.7 Hz, H-1), 7.27-7. 30 (3H, m, Ar-H), 7.76-7. 79 (2H, m, Ar-H)。
実施例49:フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−セレネニルスルフィド−β−D−グルコピラノシド
Figure 2007527376
1−チオ−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース(200 mg,
0.6 mmol)とフェニルセレネニルブロミド(150 mg, 0.6 mmol)を新たに蒸留したDCM (5 mL)に加え、アルゴン雰囲気下RTで撹拌した。5分後、薄層クロマトグラフィー (ペトロール: 酢酸エチル, 1: 1)は出発原料(Rf 0. 4)を完全に消費するとともに生成物(Rf 0.5)が得られたことを示した。該反応物はトリエチルアミン(2 mL)を加えて急冷し、5分間撹拌した。残留物はDCM (5 mL)と水(10 mL)に分離し、水溶性相はDCM (3 x 5 mL)で再抽出し
た。これらの混合有機相は塩水(10 mL)で洗浄し、MgS04で乾燥、濾過し、溶媒を真空中で除去した。結果物である残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール: 酢
酸エチル, 2: 1)によって精製することにより、標記の化合物(260 mg, 93%)を黄色結晶固体として得た;
融点111-112 ℃;
[α] D 25 -250. 1 (c, 1.0 in CHCl3) ; δH (400 MHz, CDCl3) 2.02, 2.01, 2.00 (12H,
4 x s, 4 x CH3), 3.75 (1H, ddd, J4,5 9.9 Hz, J5,6 2.4 Hz, J5, 6' 4. 6 Hz, H-5),
4.08 (1H, dd, J5, 6 2.6 Hz, J6, 6' 12.4 Hz, H-6), 4.16 (1H, dd, J5 6' 4.5 Hz, J6, 6' 12. 4 Hz, H-6'), 4. 62 (1H, d, J1, 2 9. 8 Hz, H-1),5.12 (1H, at, J 9. 7 Hz, H-4), 5.20-5. 30 (2H, m, H-2, H-3), 7.25-7.28 (3H, m, Ar-H), 7.67-7. 70 (2H, m, Ar-H)。
実施例50:フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−セレネニルスルフィド−β−D−ガラクトピラノシド
Figure 2007527376
出発物質として1−チオ−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノースを利用した実施例49の類似の方法によって、標記の化合物を黄色結晶固体(402
mg, 95%)として得た;
融点 123-125 ℃ ;
[α] D 25 -172. 4 (c, 1.0 in CHCl3) ; δH (400 MHz, CDCl3) 1.99, 2.02, 2.16 (12H,
4 x s, 4 x CH3), 3.94-4. 03 (3H, m, H-5, H-6, H-6'), 4.64 (1H, d, J1, 2 10.1 Hz, H-1), 5.04 (1H, dd, J2, 3 10.2 Hz, J3, 4 3.3 Hz, H-3), 5.40-5. 45 (2H, m, H-2,
H-4), 7.27-7. 30 (3H, m, Ar-H), 7.69-7. 71 (2H, m, Ar-H)。
実施例51:フェニル3,4,6−トリ−O−アセチル−2−アセトアミド−2−デオキシ−1−セレネニルスルフィド−β−D−グルコピラノシド
Figure 2007527376
出発物質として1−チオ−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノースを利用した実施例49の類似の方法によって、標記の化合物を白色結晶固体(300 mg, 66%)として得た;
融点177-179 ℃;
[α] D 25 - 134. 0 (c, 1.0 in CHCl3) ; δH (400 MHz, CDCl3) 1.90 (3H, s, NHCOCH 3), 1.99, 2.00, 2.03 (9H, 3 x s, 3 x CH3), 3.76 (1H, ddd, J4, 510. 1 Hz, J5,6 2.3 Hz, J5,6' 4.7 Hz, H-5), 4.07 (1H, dd, J5, 6 2.3 Hz, J6, 6' 12.3 Hz, H-6), 4.15 (1H, dd, J5,6' 4.6 Hz, J6, 6' 12.2 Hz, H-6'), 4.19-4. 24 (1H, m, H-2), 4.78 (1H, d, J1,2 10.1 Hz, H-1), 5.09 (1H, at, J 9. 7 Hz, H-4), 5.28 (1H, at, J 9.5 Hz, H-3), 5.79 (1H, d, J 9. 1 Hz, NHAc), 7.24-7. 28 (3H, m, Ar-H), 7. 68-7. 70 (2H, m,
Ar-H)。
実施例52:フェニル2−アセチルアミノ−2−デオキシ−1−セレネニルスルフィド−β−D−グルコピラノシド
Figure 2007527376
1−チオ−2−アセチルアミノ−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド(230 mg, 0.98 mmol)とフェニルセレネニルブロミドをアルゴン雰囲気下で攪拌された無水1,4-ジオキ
サン(5 mL)と無水メタノール(3 ml)に加えた。1分後、薄層クロマトグラフィー(酢酸エ
チル: メタノール, 9: 1)は生成物(Rf 0.4)が得られたことを示した。該反応物はトリエ
チルアミン(5 mL)を加えて急冷した。該溶液を真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル: メタノール, 9: 1)によって精製することにより、標記の化合物 (270 mg, 70%)を白色アモルファス固体として得た;
[α] D 22-174. 0 (c, 1 in MeOH) ; δH (400 MHz, MeOD), 1.96 (3H, s, CH3), 3.31-3. 39 (2H, m, H-4, H-5), 3.51 (1H, at, J 8.1 Hz, H-3), 3.65 (1H, dd, J5,6 5.0 Hz,
J6, 6' 11.7 Hz, H-6), 3.82-3. 90 (2H, m, H-2, H-6'), 4.65 (1H, d, J1,2 10.2 Hz,
H-1), 7.27-7. 34 (3H, m, ArH), 7.72-7. 74 (2H, m, ArH)。
実施例53:エチル1−チオ−β−D−グルコピラノシルジスルフィド
Figure 2007527376
フェニル1−セレネニルスルフィド−β−D−グルコピラノシド(140 mg, 0.4 mmol)をメタノール中(10 mL)に溶解し、RTで撹拌した。この溶液にメタノール(5 mL)に溶解させた
エタンチオール(10 μL, 0.1 mmol)およびトリエチルアミン(60 μL, 0.4 mmol)を1時間
以上液滴により加えた。1時間後、薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル: メタノール, 9: 1)は出発原料(Rf 0. 5)を完全に消費するとともに主生成物(Rf 0.4)が得られたことを
示した。該溶液を真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(酢
酸エチル: メタノール, 5: 1)によって精製することにより、標記の化合物(165 mg, 57%)を白色アモルファス固体として得た;
[α] D 22-65. 3 (c, 0.4 in CHCl3) ; δH (500 MHz, CD3OD) 1.33 (3H, t, J 7. 4 Hz,
CH3), 2. 86 (2H, q, J 7. 4 Hz, CH2), 3.30-3. 34 (2H, m, H-4, H-5), 3.41 (1H, at, J 9. 0 Hz, H-3), 3. 49 (1H, at, JHz, H-2), 3.67 (1H, dd, J5, 6 5.3 Hz, J6,6' 12.0 Hz, H-6), 3.88 (1H, dd, J5,6' 2.1 Hz, J6,6' 12.0 Hz, H-6'), 4. 35 (1H, d, J1,2 9. 1 Hz, H-1)。
実施例54:エチル2−アセトアミド−2−デオキシ−1−ジスルフィド−β−D−グルコピラノシド
Figure 2007527376
フェニル2−アセトアミド−2−デオキシ−1−セレネニルスルフィド−β−D−グルコピラノシド(140 mg, 0.4 mmol)をメタノール中(10 mL)に溶解し、RTで撹拌した。この溶
液にメタノール (5 mL)に溶解させたエタンチオール(10 μL, 0.13 mmol)およびトリエチルアミン(55 μL, 0. 4 mmol)を1時間以上かけて液滴により加えた。1時間後、薄層ク
ロマトグラフィー(酢酸エチル: メタノール, 9: 1)は主生成物(Rf 0.2)が得られたことを示した。該溶液を真空中で濃縮した。該結果物である残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル: メタノール, 5: 1)によって精製することにより、標記の化合物(38 mg, 99%)を白色アモルファス固体として得た;
[α] D 25-7. 9 (c, 1.0 in CHCl3) ; δH (400 MHz, CD30D) 1. 30 (3H, t, J 7. 3 Hz, CH3), 2. 01 (3H, s, OAc), 2.83-2. 86 (2H, m, CH2), 3.31-3. 39 (2H, m, H-4, H-5),
3.51-3. 56 (1H, m, H-3), 3. 68-3. 72 (1H, m, H-6), 3.84-3. 91 (2H, m, H-2, H-6'), 4.57 (1H, d, J1, 2 10. 3 Hz, H-1)。
実施例55:チオスルフォネート試薬を用いたタンパク質グリコシル化の手順
A. SBLS 156C 変異体(24 mg, 0. 89 μmol)を水溶性バッファー液 (2.4 mL, 70 mM HEPES
, 2 mM CaCl2, pH 6.9)に溶解した。2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−
グルコピラノシルフェニルチオスルフォネート (50mg, 0.1 mmol)を水/アセトニトリル (1.6 mL, 9/7 v/v)に溶解した。糖溶液(50 μL)の一部をタンパク質溶液に加え、 逆回転子に置いた。25分後、エルマン分析(Ellman, G. L. Arch. Biochem. Biophys. 1959, 82, 70)により遊離型のチオールは存在しないことが示され、ここで糖溶液(50 μL) の残
りの部分を加えた。該反応物をさらに5分間逆回転子に置き、該反応混合物をPD10 Sephadex(R)G25 カラムに流し、HEPES 70 mM、CaCl2 2 mM、pH 7. 0で溶出した。タンパク質留分を収集し、MWCO 12-14 KDaで透析して(10 mM MES, 1 mM CaCl2, pH 5. 8, (1 x 4L を
1時間, 2 x 2Lを30分間))、グリコシル化された生成物を得た(m/z (ES)観測値 27072
計算値27078)。
B. SBLS156C 変異体(24 mg, 0.89 jjmol) を水溶性バッファー液 (2.4 mL, 70 mM HEPES,
2 mM CaCl2, pH 6.9)に溶解した。2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトコピラノシルフェニルチオスルフォネート (50mg, 0.1 mmol) を水/アセトニトリル (1.0 mL, 1/1 比) に溶解した。糖溶液(50 μL) をタンパク質溶液に加え、 逆回転子に置いた。25分後、エルマン分析により遊離型のチオールは存在しないことが示され、ここで糖溶液(50 μL) の残りの部分を加えた。該反応物をさらに5分間逆回転子に置き
、該反応混合物をPD10 SephadexRG25 カラムに流し、HEPES 70 mM、CaCl2 2 mM、pH 7. 0で溶出した。タンパク質留分を収集し、MWCO 12-14 KDaで透析して(10 mM MES, 1 mM CaCl2, pH 5. 8, (1 x 4L を1時間, 2 x 2L 30分間))、グリコシル化された生成物を得た( m/z (ES) 観測値27072 計算値 27078)。
C. SBLS 156C 変異体(10 mg, 0. 37 mol) を脱気水溶性バッファー液(1 mL, 70 mM CHES,
5mM MES, 2 mM CaCl2, pH 9.5) に溶解した。2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシルフェニルチオスルフォネート (30mg, 0.03 mmol)をアセトニトリル (150 μL)に溶解した。糖溶液(75 μL) をタンパク質溶液に加え、逆回転子に置いた。30分後、 エルマン分析により遊離型のチオールは存在しないことが示され、ここで該反応混合物をPD10 Sephadex(R) G25 カラムに流し、HEPES 70 mM、CaCl2 2 mM、pH 7. 0で溶出した。タンパ
ク質留分を収集し、MWCO 12-14 KDaで透析して(10 mM MES, 1 mM CaCl2, pH 5. 8, (1 x
4L を1時間, 2 x 2L 30分間))、グリコシル化された生成物を得た( m/z (ES) 観測値27654 計算値 27653)。
D. BSA (10 mg, 0. 14 μmol) を水溶性バッファー液 (1 mL, 50 mM Tris, pH 7.7) に溶解した。2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルフェニルチオスルフォネート(lOmg, 0.02 mmol)を水/アセトニトリル(1.0 mL, 8/2比)中に溶解した。糖溶液(150 μ1) をタンパク質溶液に加え、逆回転子に置いた。30分後、エルマン分析により遊離型のチオールは存在しないことが示され、ここで該反応混合物をPD10 Sephadex(R)G25 カラムに流し、HEPES 70 mM、CaCl2 2 mM、pH 7. 0で溶出した。タンパク質留分を収集し、MWCO 12-14 KDaで透析して(純水, (1 x 4L を1時間, 2 x 2L 30分間))、グリコシル化された生成物を得た( m/z (ES) 観測値66798 計算値66794)。
E. BSA (10 mg, 0.14 llmol) を水溶性バッファー液(1 mL, 50 mM Tris, pH 7.7) に溶解した。2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルフェニルチオスルフォネート (25mg, 0.05 mmol)をアセトニトリル(0.5 mL)に溶解した。糖溶液(75μL) をタンパク質溶液に加え、逆回転子に置いた。30分後、エルマン分析により遊離型のチオールが存在しないことが示され、ここで該反応混合物をPD10 Sephadex(R)G25 カラムに流し、HEPES 70 mM、CaCl2 2 mM、pH 7. 0で溶出した。タンパク質留分を収集し、MWCO
12-14 KDaで透析して(純水, (1 x 4L を1時間, 2 x 2Lを30分間))、グリコシル化
された生成物を得た( m/z (ES) 観測値66792 計算値66794)。
実施例56:セレネニルスルフィド試薬を用いたタンパク質グリコシル化の手順
A. SBLS 156C 変異体(5 mg) を脱気水溶性バッファー液(1 mL, 70 mM CHES, 5 mM MES, 2
mM CaCl2, pH 9.5) に溶解した。フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β
−D−セレネニルスルフィドグルコピラノシド (10 mg, 0.02 mmol)をアセトニトリル(500 μl)に溶解した。糖溶液(500 μl)をタンパク質溶液に加え、逆回転子に置いた。1時
間後、エルマン分析により遊離型のチオールは存在しないことが示され、ここで該反応混合物をPD10 Sephadex(R)G25 カラムに流し、HEPES 70 mM、CaCl2 2 mM、pH 7. 0で溶出した。タンパク質留分を収集し、MWCO 12-14 KDaで透析して(純水, (1 x 4L を1時間, 2 x 2Lを30分間))、グリコシル化された生成物を得た( m/z (ES) 観測値27074 計算値27077)。
B.BSA (5 mg) を脱気水溶性バッファー液(1 mL, 70 mM CES, 5 mM MES, 2 mM CaCl2, pH 9.5) に溶解した。フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−セレネニ
ルスルフィドグルコピラノシド (10 mg, 0.02 mmol)をアセトニトリル(800 μl)に溶解した。糖溶液(800 μl) をタンパク質溶液に加え、 逆回転子に置いた。 1時間後、エルマン分析により遊離型のチオールは存在しないことが示され、ここで該反応混合物をPD10 Sephadex(R)G25 カラムに流し、HEPES 70 mM、CaCl2 2 mM、pH 7. 0で溶出した。タンパク質留分を収集し、MWCO 12-14 KDaで透析して(純水, (1 x 4L を1時間, 2 x 2Lを30分間))、グリコシル化された生成物を得た( m/z (ES) 観測値66792 計算値 66794)。
C. SBLS 156C 変異体(5 mg) を脱気水溶性バッファー液 (1 mL, 70 mM CHES, 5 mM MES, 2 mM CaCl2, pH 9.5) に溶解した。フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−セレネニルスルフィドガラクトピラノシド (10 mg, 0.02 mmol) をアセトニトリル(500 μl)に溶解した。糖溶液(500 μl) をタンパク質溶液に加え、 逆回転子に置いた。1時間後、エルマン分析により遊離型のチオールは存在しないことが示され、ここで該反応混合物をPD10 Sephadex(R)G25 カラムに流し、HEPES 70 mM、CaCl2 2 mM、pH 7. 0で溶出した。タンパク質留分を収集し、MWCO 12-14 KDaで透析して(水, (1 x 4L を1時間, 2 x 2Lを30分間))、Glc (Ac) 4SBLS156Cを得た( m/z (ES) 観測値27074 計算値 27077)。
D. SBLS 156C 変異体(10 mg) を脱気水溶性バッファー液 (1 mL, 70 mM CHES, 5 mM MES,
2 mM CaCl2, pH 9.5) に溶解した。フェニル−1−セレネニルスルフィド−β−D−グ
ルコピラノシド (15 mg, 0.02 mmol)を水/アセトニトリル(0.8 mL, 1/1 比)に溶解した
。糖溶液(500 μl) をタンパク質溶液に加え、 逆回転子に置いた。30分後、エルマン
分析により遊離型のチオールが存在しないことが示され、該反応物をさらに30分逆回転子に置き、ここで該反応混合物をPD10 Sephadex(R)G25 カラムに流し、HEPES 70 mM、CaCl2 2 mM、pH 7. 0で溶出した。タンパク質留分を収集し、MWCO 12-14 KDaで透析して(水, (1 x 4L を1時間, 2 x 2Lを30分間))、AcGlcSBLS156Cを得た( m/z (ES) 観測値27072 計算値 26911)。
E. SBLS 156C 変異体(5 mg) を脱気水溶性バッファー液 (2.4 mL, 70 mM HERPES, 2 mM CaCl2, pH 6.9) に溶解した。フェニル2−アセチルアミノ−2−デオキシ−1−セレネニルスルフィド−β−D−グルコピラノシド (5 mg, 0.01 mmol)をアセトニトリル(200 μu, 1/1 比)に溶解した。糖溶液(100μl) をタンパク質溶液に加え、 逆回転子に置いた。
30分後、エルマン分析により遊離型のチオールは存在しないことが示され、ここで糖溶液(100 μL) の残りの部分を加えた。該反応物をさらに30分逆回転子に置き、ここで該反応混合物をPD10 Sephadex(R)G25 カラムに流し、HEPES 70 mM、CaCl2 2 mM、pH 7. 0で溶出した。タンパク質留分を収集し、MWCO 12-14 KDaで透析して(10 mM MES, 1 mM CaCl
2, pH 5. 8, (1 x 4L を1時間, 2 x 2Lを30分間))、HOGlcNAcSBLS156Cを得た( m/z (ES) 観測値26950 計算値 26950)。
F. SBLS 156C 変異体 (5 mg) を脱気水溶性バッファー液 (1 mL, 70 mM CHES, 5 mM MES,
2 mM CaCl2, pH 9.5) に溶解した。フェニル3,4,6−トリ−O−アセチル−2−ア
セチルアミノ−2−デオキシ−1−セレネニルスルフィド−β−D−グルコピラノシド (10 mg, 0.02 mmol) をアセトニトリル(500 μl)に溶解した。糖溶液 (500μl) をタンパ
ク質溶液に加え、逆回転子に置いた。1時間後、エルマン分析により遊離型のチオールが存在しないことが示され、ここで該反応混合物をPD10 Sephadex(R)G25 カラムに流し、HEPES 70 mM、CaCl2 2 mM、pH 7. 0で溶出した。タンパク質留分を収集し、MWCO 12-14 KDaで透析して(水, (1 x 4L を1時間, 2 x 2Lを30分間))、AcGlcNAcSBLS156Cを得た( m/z (ES) 観測値27074 計算値 27078)。
G. SBLCysl56 (5 mg) を脱気水溶性バッファー液 (500 μL, 70 mM CHES, 5 mM MES, 2 mM CaCl2, pH 9.5) に溶解した。フェニル2,3,6−トリ−O−アセチル−1−セレネ
ニルスルフィド−4−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−グルコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル)−β−D−グルコピラノシド (15 mg, 0.015 mmol) をアセトニトリル (300 μL, 75 eq)
に溶解し、この溶液をタンパク質溶液に加え、逆回転子に置いた。30分後、エルマン
分析により遊離型のチオールは存在しないことが示された。該反応物をさらに30分間逆回転子に置き、ここで該反応混合物をPD10 Sephadex(R)G25 カラムに流し、HEPES 70 mM
、CaCl2 2 mM、pH 7. 0で溶出した。タンパク質留分を収集し、MWCO 12-14 KDaで透析し
て(水, (1 x 4L を1時間, 2 x 2Lを30分間))、Glc (Ac)4Glc (Ac)3Glc (Ac)3- SBLCysl56を得た( m/z (ES+) 観測値27644 計算値 27653)。
H. SBLCys 156 (5 mg) を脱気水溶性バッファー液 (500μL, 70 mM CHES, 5 mM MES, 2 mM CaCl2, pH 9.5)に溶解した。フェニル1−セレネニルスルフィド−β−D−ガラクトピラノシド (15 mg, 0.04 mmol) を水/アセトニトリル (600 μL, 1/3 比)に溶解した。糖溶液(600 μL, 230 eq) をタンパク質溶液に加え、 逆回転子に置いた。30分後、エル
マン分析により遊離型のチオールは存在しないことが示され、該反応物をさらに30分間回転子に置き、ここで該反応混合物をPD10 Sephadex(R)G25カラムに流し、HEPES 70 mM、CaCl2 2 mM、pH 7. 0で溶出した。タンパク質留分を収集し、MWCO 12-14 KDaで透析して
(水, (1 x 4L を1時間, 2 x 2Lを30分間))、Gal-SBLCysl56を得た( m/z (ES+) 観
測値26908 計算値 26909)。
I. 1−チオ−β−D−マルトトリオース (104 mg, 0.2 mmol) をメタノール メタノール
(5 mL)中に溶解し、酢酸エチル(2 mL)中のフェニルセレネニルブロミド(70 mg, 0.3 mmol)溶液に加えた。2分後、トリエチルアミン (2 mL)を加え、該反応を水(10 mL)とエタノール(5 mL)で希釈した。相は分離し、水溶性相をペトロール(3 x 10 mL)で洗浄し、凍結
乾燥した。未精製のフェニル1−セレネニルスルフィド−マルトトリオース (m/z 755,757 (M+Br, 100%))を水(10 mL)に投入し、その50 μL(25 eq) を500μlのバッファー液中(70 mM CHES, 5 mM MES, 2 mM CaCl2, pH 9.5)のSBLCys156 (1 mg)溶液に加えた。結果物溶液を逆回転子に置いた。2.5時間後、該反応混合物をPD10 Sephadex(R)G25 カラムに流し、HEPES 70 mM、CaCl2 2 mM、pH 7. 0で溶出した。タンパク質留分を収集し、GlcGlcGlc- SBLCysを得た( m/z (ES+) 観測値27226 計算値 27233)。
J. BSA (5 mg) を脱気水溶性バッファー液 (1 mL, 70 mM CHES, 5 mM MES, 2 mM CaCl2, pH 9. 5)に溶解した。フェニル1−セレネニルスルフィド−β−D−グルコピラノシド (6 mg, 0. 02 mmol) を水/アセトニトリル (0. 7 mL, 2/5 比)に溶解した。糖溶液(700
μL, 225 eq) をタンパク質溶液に加え、 逆回転子に置いた。1時間後、エルマン分析に
より遊離型のチオールは存在しないことが示され、ここで該反応混合物をPD10 Sephadex(R)G25 カラムに流しHEPES 70 mM、CaCl2 2 mM、pH 7. 0で溶出した。タンパク質留分を収集し、MWCO 12-14 KDaで透析して(水, (1 x 4L を1時間, 2 x 2Lを30分間))、Glc-BSAを得た( m/z (ES+) 観測値66620 計算値 66625)。
Figure 2007527376
実施例57:glyco-MTS試薬を用いた式Iの化合物との比較
表1および2において、MTSはCH3-S02-S-を表し、PTSはPh-S02-S-を表す。
Figure 2007527376
1.対応する親炭水化物 D-グルコース(Glc)、 D-ガラクトース(Gal) または Glcα (1, 4)
Glcα(1, 4) Glcに由来する。
2. B. G. Davis, R. C. Lloyd and J. B. Jones, J. Org. Cliem., 1998, 63, 9614, and
B. G. Davis, M. A. T. Maughan, M. P. Green, A. Ullman and J. B. Jones, Tetrahedron Asymmetry, 2000, 11, 245から抜粋。
3. B. G. Davis, S. J. Ward and P. M. Randle, Chem. Commun., 2001, 189. から抜粋
表1に見られるように、本発明によるglyco-PTS試薬は、対応するglyco-MTS試薬よりも優れた収率で合成される。さらには、glyco-PTS試薬の合成に用いる出発材料の費用は、
対応するglyco-MTS試薬のおよそ10倍低い(2003年の換算)。
表2において、SBL-Cys156はスブチリシン Bacillus lentus 変異体S156Cであり、BSA-Cys58はウシ血清アルブミンである。
Figure 2007527376
1. Et3N, DCM, RT, 1 当量(eq.) のチオスルフォネート
2. Et3N, DCM/MeOH (20: 1), RT, 1 当量(eq.) のチオスルフォネート ; ペプチド[P]-Cys-Ser-OMe, Glc (Ac) 4α(1, 4) Glc (Ac) 3α(1, 4) Glc (Ac) 3 β-PTSとの反応においては[P] = Boc であり、これを除き[P] = Ac
3.70mM CHES, 5mM MES, 2mM CaCl2 pH 9.5 または50mM Tris. HCl, pH 7.7, RT, glyco-MTSでは〜30 eq、SBL- Cys156のGlc (Ac) 4 s-PTSおよび Gal(Ac)4s-PTS では〜10 eq、BSA-Cys58の Glc (Ac) 4s-PTSおよび Gal (Ac) 4s-PTS では〜20 eq、SBL-Cys156 のGlc (Ac) 4α(1, 4) Glc (Ac) 3α(1, 4) Glc (Ac) 3s-PTS では〜40 eq。
4. B. G. Davis, R. C. Lloyd and J. B. Jones, J. Org. Chem., 1998, 63, 9614, およびB. G. Davis, M. A. T. Maughan, M. P. Green, A. Ullman and J. B. Jones, Tetrahedron Asymmetry, 2000, 11, 245から抜粋。
5. B. G. Davis, S. J. Ward and P. M. Randle, Chem. Commun., 2001, 189から抜粋。
表2から見られるように、本発明のglyco-PTS試薬は対応するglyco-MTS 化合物よりも一般的に高収率のグリコシル化反応を示すことがわかる。
実施例58:GlcGlcGlc-S-SePhを用いた異なるpHにおけるSBLCys156のグリコシル化
Figure 2007527376
反応条件: SBLCysl 56 を1時間、GlcGlcGlc-S-SePh (20 eq.)とともに、[a]10 mM Tris pH 7.5 ; [b]70 mM CHES, 5mM MES, 2 mM CaCl2, pH 8.5 ; [c]70 mM CHES, 5mM MES, 2 mM CaCl2, pH 9.5中に温置した。
実施例59:代表的タンパク質のファルネシル化
SBLCysl56 (10 mg) を水溶性バッファー液(1 mL, 70 mM CHES, 5 mM MES, 2 mM CaCl2, pH 9.5)に溶解した。PMSF (100 mg/mLのアセトニトリル溶液140 μL)を加えた。10分後
、反応混合物を ビバスピン遠心濾過機で濃縮した。 (10 kDa MWCO, Sartorius社製); この工程は300 μL のミリ Qウォーターを加えて3回繰り返した。次に、得られた非活性化されたSBLCysl56 の一部(1 mg) を200 μL のバッファー液に溶解した (1 mL, 70 mM CHES, 5 mM MES, 2 mM CaCl2, pH 9.5) 。ファルネシルフェニルチオスルフォネート (5 mg/mLのTHF 溶液56 μL ,20 当量) を加えた。該混合物を逆回転子に置いた。1時間後、 該反応物をビバスピン遠心濾過機(ミリ Qウォーターを加えて4 回濾過)で脱塩し、質量分析法で分析した。
この実施例は、本発明がファルネシル基をタンパク質に付着させるための手段となることを示している。ファルネシル化は多くのタンパク質にとって自然な翻訳後修飾である。実施例60:D−マンノースペンタアセテート
Figure 2007527376
マンノース(50 g, 280 mmol)を無水酢酸(200 mL)とピリジン(200 mL)の撹拌溶液に懸濁させた。24時間後、薄層クロマトグラフィー (ペトロール:酢酸エチル, 1: 1) は、出発原料(Rf 0.0)が完全に消費されるとともに生成物(Rf 0.3) が得られたことを示した。該
反応物を水(400 mL)で希釈し、酢酸エチル(300 mL)と分離させた。相は分離し、水溶性相は酢酸エチル(2 x 200 mL)で再抽出した。これらの混合有機相は希塩酸(2 L, 1M)、ソデ
ィウムハイドロゲンカルボネート(飽和水溶液の500 mL)で洗浄し、塩水(300 mL)につけ、MgS04で乾燥、濾過し、真空中で濃縮して標記の化合物(107.3 g, 98%)をアノマーの混合
オイル(α/β 2: 1)として得た;
δH (400 MHz, CDCl3) 1.95, 1.99, 2.05, 2.16 (15 H, 4 x s, COCH3β), 1.96, 2.00,
2.04, 2.12, 2.13 (15 H, 5 x s, COCH3α), 3. 78 (1H, ddd, J4,5 9.9 Hz, J5, 6 2. 3
Hz, J5, 6' 5.4 Hz, H-5β), 3.99-4. 03 (m, H-5α), 4.05-4. 10 (2H, m, H-6α, H-6β), 4.23 (1H, dd, J5, 6' 5.0 Hz, J6,6' 12. 1 Hz, H-6α), 4.26 (1H, dd, J5, 6' 5.3 Hz, J6,6' 12. 4 Hz, H-6'b), 5.10 (1H, dd, J2, 3 3.3 Hz, J3, 4 10.3 Hz, H-3β), 5.20-5. 21 (1H, dd, J1,2 2.1 Hz, J2, 3 2.5 Hz, H-2α), 5.24-5. 30 (3H, m, H-3
α, H-4α, H-4β), 5.43 (1H, dd, J1,2 1.2 Hz, J2, 3 3.2 Hz, H-2β), 5. 83 (1H, d, J1,2 0.9 Hz, H-1β), 6.03 (1H, d, J1,2 2.1 Hz, H-1α)。
実施例61:2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルブロミド
Figure 2007527376
D−マンノースペンタアセテート(103 g, 264 mmol)を無水DCM中(200 mL)に溶解した。これに臭化水素(酢酸中33%, 200 mL)を加えた。混合物をアルゴン雰囲気下RTで放置した。
2時間後、薄層クロマトグラフィー(ペトロール: 酢酸エチル, 2: 1) は、出発原料(Rf 0.2)が完全に消費されるとともに生成物(Rf 0.3) が得られたことを示した。該反応混合物はDCM (100 mL)と冷水(200 mL)に分離し、水溶性相をDCM (3 x 200 mL)で再抽出した。これらの混合有機相はpH 8まで得られたソディウムハイドロゲンカルボネートで洗浄し、塩水(300 mL)につけ、MgS04で乾燥、濾過し、真空中で濃縮した。結果物の標記の化合物で
ある澄んだオイル(106.6 g)は、精製することなく使用できた;
δH (400 MHz, CDCl3) 1.96, 2.03, 2.06, 2.13 (12H, 4 x s, 4 x OAc), 4.09 (1H, dd,
J5,6 2. 2 Hz, J6, 6' 12.5 Hz, H-6), 4.18 (1H, dd, J4,5 10.1 Hz, J5,6 2.2 Hz, J5,6' 4. 8 Hz, H-5), 4.28 (1H, dd, J5, 6 4.9 Hz, J6, 6' 12. 5 Hz, H-6'), 5. 32 (1H, at, J 10.1 Hz, H-4), 5. 39 (1H, dd, J1, 2 1.6 Hz, J2, 3 3.5 Hz, H-2), 5.66 (1H, dd, J2, 3 3.5 Hz, J3, 4 10. 1 Hz, H-3), 6.26 (1H, bs, H-1)。
実施例62:(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシル)−1−イソチオウロニウムブロミド
Figure 2007527376
出発物質として2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−α−マンノピラノシルブロミドを利用した実施例3の類似の方法によって、標記の化合物を白色結晶固体(80.6 g, 60%, 2段階)として得た。
融点 123-126 ℃ [Lit. 125-128 ℃(H20) ];
[α] D 26+119. 0 (c, 1.0 in MeOH) [Lit. [α] D 27+103 (c, 1. 0 in Acetone)] ; δH (400 MHz, DMSO-d6) 1.95, 2.02, 2.03, 2.14 (12H, 4 x s, 4 x OAc), 4.08 (1H dd, J5
, 6 2.4 Hz, J6,6' 12. 3 Hz, H-6), 4.22 (1H, dd, J5,6' 2. 4 Hz, J6,6' 12. 5 Hz, H-6'), 4.32 (1H, ddd, J4,5 10. 0 Hz, J5,6 2.2 Hz, J5,6' 5.2 Hz, H-5), 5.05 (1H, dd, J2,3 3.4 Hz, J3,4 10.0 Hz, H-3), 5.17 (1H, at, J 10.0 Hz, H-4), 5. 36 (1H, dd, J1,2 1.5 Hz, J2, 3 3.4 Hz, H-2), 6. 36 (1H, d, J1,2 1.2 Hz, H-1), 9.40 (4H, bs, 2 x NH2)。
実施例63:2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルチオール
Figure 2007527376
出発物質として(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシル)−1−イソチオウロニウムブロミドを利用した実施例2の類似の方法によって、標記の化合物を無色のオイル(14. 5 g, 98%)として得た。
[α] D 24+68. 7 (c, 1.5 in CHCl3) [Lit. [α] D 20+78. 6 (c, 0.8 in CHCl3)] ; δH (400 MHz, CDCl3) 1.98, 2.04, 2.08, 2.14 (12H, 4 x s, 4 x OAc), 2.28 (1H, d, J1,SH 6. 7 Hz, SH), 4.10 (1H, dd, J5,6 2. 4 Hz, J6,6' 12.5 Hz, H-6), 4.28 (1H, dd, J5, 6' 5.1 Hz, J6,6' 12.0 Hz, H-6'), 4.32- 4.36 (1H, m, H-5), 5. 26-5.34 (3H, m, H-2, H-3, H-4), 5.54 (1H, d, J1, SH 6.9 Hz, H-1)。
実施例64:フェニル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−セレネニルスルフィド−α−D−マンノピラノシド
Figure 2007527376
出発物質として2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシルチオールを利用した実施例49の類似の方法によって、標記の化合物(590 mg, 83%)を黄色の
オイルとして得た。
[α] D 25+13.4 (c, 1.0 in CHCl3 ; δH (400 MHz, CDCl3) 1.94, 1.94, 2.02, 2.10 (12H, 4 x s, 4 x OAc), 3.52 (1H, dd, J5,6 2.4 Hz, J6, 6' 12. 4 Hz, H-6), 3.94 (1H ddd, J4,5 9.6 Hz, J5, 6 2.5 Hz, J5,6' 3. 9 Hz, H-5), 4.07 (1H, dd, J5, 6'3.9 Hz, J6,6' 12. 4 Hz, H-6'), 5.23 (1H, dd, J2,3 3.2 Hz, J3,4 9. 9 Hz, H-3), 5.28 (1H, at, J9. 7 Hz, H-4), 5. 38 (1H, d, J1,2 1. 6 Hz, H-1), 5.40 (1H, dd, J1,2 1.5 Hz,
J2,3 3.1 Hz, H-2), 7.26-7. 28 (3H, m ArH), 7.62-7. 65 (2H, m, ArH)。
実施例65:2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド
Figure 2007527376
D−マンノースペンタアセテートを新たに蒸留したTHE (150 mL)に溶解し、ベンジルアミン(11.1 mL, 01. 5 mmol)をこの攪拌された溶液に加えた。24時間後、薄層クロマトグ
ラフィー (ペトロール: 酢酸エチル, 1: 1) は、出発原料(Rf 0.5)が完全に消費されるとともに生成物(Rf 0.3) が得られたことを示した。該反応物は新たに蒸留した塩酸(100 mL, 1M)を加えて急冷し、10分間撹拌した。該反応物はDCM (100 mL)を加えて分別し、相は分離した。水溶性相はDCM (3 x 100 mL)で再抽出した。これらの混合有機相は希塩酸(100 mL, 1M)で洗浄し、塩水(100 mL)につけ、MgS04で乾燥、真空中で濃縮した。結果物の
オレンジ色のオイルはカラムフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール: 酢酸エチル, 1: 1)で精製した。白色がかった結晶はペトロール/酢酸エチルから結合し、再結晶するこ
とにより、標記の化合物(12.4 g, 53%)を白色固体として得た。
融点92-94 ℃ [Lit. 92℃] ;
[α] D 25+17.8 (c, 1. 0 in CHCl3) ; [Lit. [α] D 25+21. 0 (c, 1.0 in CHCl3)] ; δH
(400 MHz, CDCl3) 1.98, 2.04, 2.08, 2.14 (12H, 4 x s, 4 x OAc), 4.09-4. 14 (1H, m, H-6), 4.20-4. 26 (2H, m, H-5, H-6'), 4.59-5. 00 (1H, m, OH), 5.20-5. 23 (2H, m, H-1, H-2), 5.27 (1H, at, J 9. 9 Hz, H-4), 5. 39 (1H, dd, J2,3 2.7 Hz, J3,4 9.6 Hz, H-3)。
実施例66:1',1’,1'−トリクロロアセチミデート2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド
Figure 2007527376
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(1.01 g, 2.87 mmol)、1,1,1−トリクロロアセトニトリル(2.9 mL, 28.7 mmol)および活性化した4Åモ
レキュラーシーブ(ca. 500 mg)を無水DCM (20 mL)に懸濁させ、0℃で1時間撹拌した。
そこで、DBU (0. 085 mL, 0.57 mmol)を加えた。1.5時間後、薄層クロマトグラフィー
(ペトロール: 酢酸エチル, 1: 1) は、出発原料(Rf 0.2)が完全に消費されるとともに生成物(Rf 0.5) が得られたことを示した。該反応物をセリット(R)を通して濾過し、真空中で濃縮した。結果物である残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール:
酢酸エチル, 1: 1)で精製することにより、標記の化合物(1.42 g, 99%)を澄んだオイルとして得た。;
[α] D 25+42. 7 (c, 1.0 in CHCl3) [Lit. [α] D 21 +50.0 (c, 1.0 in CHCl3)] ; δH (400 MHz, CDCl3) 2.20, 2.07, 2.09, 2.29 (12H 4 x s, 4 x OAc), 4.15-4. 22 (2H, m,
H-5, H-6), 4.28 (1H dd, J5,6'4. 3 Hz, J6,6' 11.8 Hz, H-6'), 5.40-5. 42 (2H, m, H-3, H-4), 5.48 (1H, at, J2.1 Hz, H-2), 6.29 (1H, d, J1,2 1. 9 Hz, H-1), 8. 80 (1H, s, NH)
実施例67:ベンジル−α−D−マンノピラノシド
Figure 2007527376
D−マンノース(30 g, 167 mmol)とアセチルクロリドをベンジルアルコール中(250 mL)に溶解し、1時間50 ℃で暖めた。結果物の溶液を低圧蒸留で濃縮した。残留物をカラムフ
ラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル: メタノール, 9: 1)で精製し、イソプロパノール/ペトロールから再結晶することにより、標記の化合物(29.34 g, 70%)を白色結晶固体
として得た。
融点 126-127 ℃ [Lit 128-129 ℃];
[α] D 26+102. 0 (c, 1.1 in MeOH) ; [Lit. [α] D 18 +73.1 (c, 1.4 in H2O)] ; δH (400 MHz, CD30D) 3.62 (1H, ddd, J4, 5 9.5 Hz, J5, 6 2.3 Hz, J5,6' 5. 5 Hz, H-5), 3.68 (1H, at, J 9. 3 Hz, H-4), 3.733. 78 (2H, m, H-3, H-6), 3.85-3. 88 (2H, m, H-2, H-6'), 4.75, 4.52 (2H, ABq, J 11.6 Hz, CH2), 4.86 (1H, d, J1,2 1.8 Hz, H-1),
7.28-7. 38 (5H, m, ArH)。
実施例68:ベンジル4,6−ジ−O−ピボリル−α−D−マンノピラノシド
Figure 2007527376
ベンジル−α−D−マンノピラノシド(30.0 g, 111. 0 mmol)を不活性アルゴン雰囲気下
、無水ピジリン中(200 mL)に懸濁させた。結果物である懸濁液を0 ℃まで冷却し、クロロトリフェニルメタン(35 mL, 280 mmol)を液滴により加えた。クロロトリフェニルメタン
を加えた後、薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル)は、出発原料(Rf 0.0)が完全に消費されるとともに主生成物(Rf 0.7)が得られたことを示した。該反応物は水(50 mL)と酢酸エ
チル(100 mL)に分離した。相は分離し、水溶性相は酢酸エチル(3 x 50 mL)で再抽出した
。これらの混合有機相は希塩酸(1L, 1M)で洗浄し、ソディウムハイドロゲンカーボネート(飽和溶液中の800 mL)でpH 7まで調整し、塩水(200 mL)につけ、MgS04で乾燥し、真空中
で濃縮した。残留物を酢酸エチル/ペトロールから再結晶し、標記の化合物(27.07 g, 56%)を白色結晶固体として得た。
融点133-135℃ ;
[α] D 25 +64. 7 (c, 1.0 in CHCl3) ; δH (400 MHz, CDCl3) 1.251, 1.254 (18H, 2 x s, 2 x C (CH3) 3), 3. 85 (1H, at, J 9. 8 Hz, H-4), 3.92 (1H, ddd, J4,5 9.7 Hz, J5,6 5. 6 Hz, J5,6' 2.5 Hz, H-5), 4.05 (1H, dd, J1,2 1. 9 Hz, J2,3 2.1 Hz, H-2),
4. 37 (1H, dd, J5,6 5.6 Hz, J6,6' 11.8 Hz, H-6), 4.42 (1H, dd, J5,6' 2. 7 Hz, J6,6' 12.0 Hz, H-6'), 4.53, 4.76 (2H, Abq, J 11.9 Hz, CH2), 4.90 (1H, d, J1,2 1. 8
Hz, H-1), 5.14 (1H, dd, J2,3 3.2 Hz, J3,4 9. 7 Hz, H-3), 7. 33-7. 36 (5H, m, ArH)。
実施例69:ベンジル2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−ジ−O−ピボリル−α−D−マンノピラノシド
Figure 2007527376
ベンジル4,6−ジ−O−ピボリル−α−D−マンノピラノシド(15.0 g, 34.2 mmol)お
よびベンゼントリクロロアセチミデート(17 mL, 91.4 mmol)を無水DCM (100 mL)および無水シクロヘキサン(100 mL)とに溶解させ、不活性アルゴン雰囲気下、1時間以上かけて4
Åモレキュラーシーブ(ca 5 g)で撹拌した。1時間後、トリメチルシリルトリフレート(0.31 mL, 1.71 mmol)を加えた。18時間後、薄層クロマトグラフィー(ペトロール: 酢酸
エチル, 5: 1)は、出発原料(Rf 0.0)が完全に消費されるとともに主生成物(Rf 0.4)が得
られたことを示した。該反応物はトリエチルアミン(ca 30 mL)で急冷し、該溶液をセリット(R)を通して濾過し、真空中で濃縮した。結果物である残留物をカラムフラッシュクロ
マトグラフィー(ペトロール: 酢酸エチル, 5: 1)で精製することにより、標記の化合物(14. 4 g, 70%)を無色のオイルとして得た;
[α] D 25+29. 0 (c, 2.0 in CHCl3) ; δH (400 MHz, CDCl3) 1.24, 1.25 (18H,2 x s, 2
x C (CH3) 3), 3.97-4. 04 (3H, m, H-2, H-4, H-5), 4.25 (1H,dd, J5,6 4.8 Hz, J5,6' 11.6 Hz, H-6), 4. 44 (1H, dd, J5,6' 1. 6 Hz, J6,6' 11.7 Hz, H-6'), 4.51, 4.74 (2H, ABq, J 12. 0 Hz, BnCH2), 4. 55, 4. 61 (2H, ABq, J 11.7 Hz, BnCH2), 4.57, 4.
80 (2H, ABq, J 10.7 Hz, BnCH2), 4. 92 (1H, d, J1,2 1.8 Hz, H-1), 5.37 (1H, dd, J2,3 3.1 Hz, J3,4 8. 8 Hz, H-3), 7. 28-7. 35 (15H, m, ArH)。
実施例70:ベンジル2,4−ジ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシド
Figure 2007527376
ベンジル2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−ジ−O−ピボリル−α−D−マンノピラノシド(8.0 g, 12.9 mmol)とソディウムメトキシド(1.75 g, 32.4 mmol)をメタノール中(100 mL)に溶解し、加熱還流した。20時間後、薄層クロマトグラフィー (ペトロール/酢酸エチル, 2: 1)は、出発原料(Rf 0.8)が完全に消費されるとともに主生成物(Rf 0.2)が得
られたことを示した。該反応物はDowex(R)-50イオン交換樹脂を加えることによって中和
され、この後に濾過し、真空中において濃縮した。結果物である残留物をカラムフラッシ
ュクロマトグラフィー(ペトロール: 酢酸エチル, 2: 1)で精製することにより、標記の化合物(4.50 g, 78%)を純粋オイルとして得た;
[α] D 25+45.2 (c, 1.0 in CHCl3) ; δH (500 MHz, CDCl3) 2. 83 (2H, bs, 2 x OH), 3. 83-3. 86 (1H, m, H-5), 3.90-4. 00 (4H, m, H-2), H-4), H-6, H-6'), 4. 21-4. 28
(1H, m, H-3), 4. 58 (1H, d, J 12.1 Hz, CHH), 4.72-4. 83 (4H, m, 4 x CH 2Ar), 5.04 (1H, d, J 11.1 Hz, CHH), 5.09 (1H, bs, H-1), 7.43-7. 51 (15H, m, 15 x ArH)。
実施例71:ベンジル2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−ビス−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド)−α−D−マンノピラノシド
Figure 2007527376
DCM (10 mL)に溶解させたベンジル2,4−ジ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシ
ド(255 mg, 0.57 mmol)およびDCM (10 mL)に溶解させた1',1’,1'−トリクロロアセチミデート−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド(1.12 g, 2.27 mmol)を、カニューレを通して活性4Åモレキュラーシーブを入れた乾燥フラスコに加えた。該溶液を1時間撹拌し、その後ボロントリフルオロエチレート(90 μL, 0. 85
mmol)を加えた。16時間後、薄層クロマトグラフィー (ペトロール:酢酸エチル, 2: 1)は、出発原料(Rf 0.1)が完全に消費されるとともに主生成物(Rf 0.3)が得られたことを示した。該反応物をトリエチルアミン(ca 5 mL)で急冷し、該溶液をセリット(R)を通して濾過し、真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール:
酢酸エチル, 4: 3)で精製することにより、標記の化合物(472 mg, 75%)を白色アモルファス固体として得た;
[α] D 25+81. 5 (c, 1.0 in CHCl3) ; δH (500 MHz, CDCl3) 1.98, 2.02, 2.05, 2.07, 2.09, 2.10, 2.11, 2.19 (24H, 8 x s, 8 x OAc), 3.74-3. 76 (1H, m, H-6a), 3.81-3. 87 (3H, m, H-2a, H-5a, H-6'a), 3.92-3. 97 (3H, m, H-4a, H-5b, H-6b), 4.03-4. 22 (4H, m, H-3a, H-5c, H-6'b, H-6c), 4.27 (1H, dd, J5,6' 5. 5 Hz, J6, 6' 12.3 Hz, H-6'c), 4.54, 4.75 (2H, Abq, J 11.9 Hz, CH2), 4.64, 4.81 (2H, Abq, J 12. 2 Hz, CH2), 4.65, 4.91 (2H, Abq, J 11. 4 Hz, CH2), 4.97 (1H, d, J1,2 1. 7 Hz, H-1c), 5.00 (1H, d, J1,2 1.6 Hz, H-1a), 5.19 (lH, d, J1,2 1.7 Hz, H-1b), 5.25 (1H, at, J 10.0 Hz, H-4b), 5.33 (1H, at, J 10.1 Hz, H-4c), 5.36 (1H, dd, J1,2 1.8 Hz, J2, 3 3.3 Hz, H-2c), 5.42 (1H, dd, J1, 2 1. 5 Hz, J2, 3 3.5 Hz, H-2b), 5.44-5. 47 (2H,
m, H-3b, H3c), 7.32-7. 42 (15H, m, ArH)。
実施例72:アセチル2,4−ジ−O−アセチル−3,6−ビス−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド)−α/β−D−マンノピラノシド
Figure 2007527376
ベンジル2,4−ジ−O−ベンジル−3,6−ビス−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド)−α−D−マンノピラノシド(100 mg, 0.09 mmol)とパールマン触媒(Pd (OH)2,湿性, 35 mg)を無水エタノール(5 mL)に溶解した。該溶
液を脱気し、水素ガスでパージし、水素雰囲気下で撹拌した。4日後、薄層クロマトグラフィー (酢酸エチル)は、出発原料(Rf 0.9)が完全に消費されるとともに主生成物(Rf 0.4)が得られたことを示した。該溶液をセリット(R)を通して濾過し、真空中で濃縮した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製することにより、中間生成物である3,6−ビス−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド)−α/β−D−マンノピラノシド(74 mg, 98%)を白色アモルファス固体として得た;
m/z HRMS (ES+) C34H48034Na (MNa+)としての計算値 863. 2433.観測値863. 2440. この
中間生成物(74 mg, 0. 088 mmol) は無水酢酸(5 mL)とピリジン(5 mL)中に再懸濁させた
。24時間後、薄層クロマトグラフィー (ペトロール:酢酸エチル, 2: 3)は、出発原料(Rf 0.0)が完全に消費されるとともに生成物(Rf 0.4)が得られたことを示した。該反応物は水(20 mL)で希釈し、酢酸エチル(20 mL)で分別して相を分離した。水溶性相は酢酸エチル(2 x 20 mL)で再抽出した。これらの混合有機相は希塩酸(500 mL, 1M)で洗浄し、ソディ
ウムアイドロゲンカルボネート(飽和溶液中の50 mL)で調整、塩水(30 mL)につけ、MgS04
で乾燥、濾過し、真空中で濃縮することにより、標記の化合物(83 mg, 98%)をアノマー混合物(α/β 5: 1)のアモルファス体として得た;
δH (500 MHz, CDCl3) α化合物, 2.00, 2.02, 2.08, 2.12, 2.17, 2.18, 2.19, 2.26 (33H, 8 x s, 11 x OAc), 3.59 (1H, dd, J5, 6 3.0 Hz, J6,6' 11.1 Hz, H-6a), 3.76 (1H, dd, J5,6' 5. 2 Hz, J6,6' 11. 2 Hz, H-6'a), 3.92 (1H, ddd, J4,5 10.2 Hz, J5, 6
3.0 Hz, J5, 6' 5.2 Hz, H-5a), 4.04-4. 16 (4H, m, H-5b, H-5c, H-6b, H-6c), 4.21 (1H, dd, J2,3 3.4 Hz, J3, 4 9.9 Hz, H-3a), 4.28 (1H, dd, J5,6' 5.5 Hz, J6,6' 12.2 Hz, H-6'b/c), 4.31 (1H, dd, J5,6' 4.7 Hz, J6,6' 12.3 Hz, H-6'b/c), 4. 81 (1H, d, J1,2 1.5 Hz, H-1c), 5.06-5. 07 (2H, m, H-1b, H-?), 5.20-5. 35 (8H, m, H-2a, H-2b, H-2c, H-3b, H-3c, H-4a, H-4b, H-4c), 6.07 (1H, d, J1,2 1. 8 Hz, H-1a). β化合物はデータを下記のみに選択した。3.64 (1H, dd, J5,6 3.7 Hz, J6,6' 10. 8 Hz, H-6a), 3.69-3. 73 (1H, m, H-5a), 3.76 (1H, dd, J5,6' 5.2 Hz, J6, 6' 11.2 Hz, H-6'a), 4.01 (1H, dd, J2,3 3.2 Hz, J3,4 9. 7 Hz, H-3a), 5.50 (1H, dd, J1,2 0.9 Hz, J2,3 3.2 Hz, H-2a), 5.83 (1H, d, J1,2 0.9 Hz, H-1a)。
実施例73:2,4−ジ−O−アセチル−ビス−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−O−マンノピラノシル)−α−D−マンノピラノシルブロミド
Figure 2007527376
アセチル2,4−ジ−O−アセチル−3,6−ビス−O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−マンノピラノシド)−α/β−D−マンノピラノシド(87 mg, 0.09
mmol)を無水DCM (5 mL)中に溶解した。これに臭化水素(酢酸中33%, 1 mL)を加えた。該
混合物をアルゴン雰囲気下RTで撹拌した。2時間後、薄層クロマトグラフィー (ペトロール:酢酸エチル, 1: 4)は、出発原料(Rf 0.4)が完全に消費されるとともに生成物(Rf 0.6)が得られたことを示した。該反応混合物をDCM (10 mL)と水(10 mL)に分離し、水溶性相をDCM (3 x 10 mL)で再抽出した。これらの混合有機相をソディウムハイドロゲンカルボネ
ート(飽和水溶液の20 mL)でpH 8まで調整し、塩水(20 mL)につけ、MgS04で乾燥、濾過し
、真空中で濃縮して、標記の化合物(80 mg, 90%)をなんら精製の必要がない白色体として得た;
δH (400 MHz, CDCl3) 1.97, 1.99, 2. 05,2. 06,2. 10,2. 12,2. 17,2. 24 (30H, 9 x s, 10 x OAc), 3.60 (1H, dd, J5, 6 3.0 Hz, J6, 6' 11.4 Hz, H-6a), 3.77 (1H, dd, J5,6' 4.5 Hz, J6,6' 11. 4 Hz, H-6'a), 4.02-4. 09 (5H, m, H-5a, H-5b, H-5c, H-6b, H-6c), 4.24 (1H, dd, J5,6' 6. 8 Hz, J6, 6' 12.2 Hz, H-6'), 4.29 (1H, dd, J5, 6' 5.0 Hz, J6,6' 12.6 Hz, H-6'), 4.62 (1H, dd, J2, 3 3.4 Hz, J3, 4 10. 0 Hz, H-3a), 4.79 (1H, bs, H-1c), 5. 02-5. 04 (2H, m, H-1b, H-3b), 5.17-5. 30 (5H, m, H-2b, H-2c, H-3c, H-4b, H-4c), 5. 39 (1H, at, J 10. 1 Hz, H-4a), 5.43 (1H, dd, J1, 2 1.5 Hz, J2, 3 3.2 Hz, H-2a), 6. 34 (1H, bs, H-1a)。
実施例74:1−チオ−2,4−テトラ−O−アセチル−3,6−O−ビス−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−マンノピラノシル)−α−D−マンノピラノース
Figure 2007527376
2,4−テトラ−O−アセチル−3,6−O−ビス−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−マンノピラノシル)−α−D−マンノピラノシルブロミド(850 mg, 0. 85 mmol)を無水アセトン中(20 mL)に溶解した。無水チオウレア(115 mg, 1.56 mmol)を加え、該混合物をアルゴン雰囲気下、加熱還流した。18時間後、薄層クロマトグラフィー
(ペトロール:酢酸エチル, 1: 3)は、出発原料(Rf 0.4)が完全に消費されるとともに生成物(Rf 0.0)が得られたことを示した。該反応物を真空中で濃縮し、結果物である残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール, 9: 1)で精製することにより、中間生成物2,4−テトラ−O−アセチル−3,6−O−ビス−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−マンノピラノシル)−α−D−マンノピラノシル−1−イソチオウロニウムブロミド (550 mg, 60%)を得た。この中間生成物(550 mg, 0.51 mmol)とNa2S2O5(122 mg, 0.62 mmol)をDCM (20 mL)と水(10 mL)の混合物に加えた。該混合
物をアルゴン雰囲気下、加熱還流した。2.5時間後、薄層クロマトグラフィー (ペトロール:酢酸エチル, 1: 3)は、出発原料(Rf 0.0)が完全に消費されるとともに生成物(Rf 0.3)が得られたことを示し、ここで該反応物をRTまで冷却し、相は分離した。水溶性相はDCM (2 x 20 mL)で再抽出した。これらの混合有機相はソディウムハイドロゲンカルボネー
ト(飽和水溶液の20 mL)で洗浄し、塩水(20 mL)につけ、MgS04で乾燥、濾過して真空中で
溶媒を除去した。残留物をカラムフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール:酢酸エチル, 1: 3)で精製することにより、標記の化合物(350 mg, 73%)を白色アモルファス固体として得た;
[α] D 23 +58.1 (c, 1.2 in CHCl3 ; δH (500 MHz, C6D6) 1. 74,1.75, 1.78, 1. 82, 1. 91, 2.03, 2.06, 2.26 (24H, 8 x s, 10 x Oac), 2. 07 (1H,bs, SH), 3. 65 (1H, dd,
J5,6 3. 2 Hz, J6,6' 11.0 Hz, H-6a), 3.93 (1H, dd, J5, 6' 5.3 Hz, J6, 6' 11.1 Hz, H-6'a), 4.31-4.38 (4H, m, H-3a, H-5a, H-5b/c, H-6), 4. 43-4. 45 (1H, m, H-6), 4. 51 (1H, dd, J5, 6' 5.6 Hz, J6,6' 12. 6 Hz, H-6'), 4. 56- 4.60 (2H, m, H-5b/c,
H-6'), 4. 91 (1H, d, J1,2 1.5 Hz, H-1c), 5. 20 (1H, d, J1,2 1.8 Hz, H-1b), 5.43
(1H, dd, J1,2 1.8 Hz, J2, 3 3.1 Hz, H-2b), 5.45 (1H, bs, H-1), 5.65 (1H, dd, J1, 21. 5 Hz, J2, 3 3.1 Hz, H-2a), 5.70-5. 82 (5H, m, H-2c, H-3b, H-4a, H-4b, H-4c), 5. 85 (1H, dd, J2, 3 3.2 Hz, J3,4 10.2 Hz, H-3c)。
実施例75:Man (1-6) Man (l-3) ManSHを使ったSBLCys156における代表的なタンパク質グリコシル化手順
1−チオ−2,4−テトラ−O−アセチル−3,6−O−ビス−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−O−マンノピラノシル)−α−D−マンノピラノース(20 mg, 0.02 mmol)とソディウムメトキシド(2 mg, 0. 02mmol)をメタノール撹拌溶液(5 mL)に加え
た。12時間後、(ペトロール:酢酸エチル, 1: 2)出発原料(Rf 0.2)が完全に消費される
とともに生成物(Rf 0.0)が得られたことが示された。該反応はDowex(R)-50イオン交換樹
脂を加えることによって中和され、この中和点で濾過し、真空中において濃縮した。粗糖チオールを水(5 mL)に投入し、そのうちの38 μLをSBL156CysSePh (1 mg)を含有した水溶性バッファー液(500 μL, 70 mM CHES, 5 mM MES, 2 mM CaCL2, pH9.5)に添加した。結果物溶液を逆回転子に置いた。1時間後、該混合反応をPD10 Sephadex(R)G25 カラムに流し、70 mM HEPES、 2 mM CaCl2、pH 7.0で溶出した。タンパク質画分を採取し、Man (Man) Man-S- SBLCysl56が得られた;
m/z (ES+) 観測値 27878, 計算値 27881。

Claims (28)

  1. 少なくとも1個のチオール基を含む有機化合物と式Iの化合物:
    R−S−X−R1 (I)
    (式中、XはSO2またはSeを表し、Rは有機部分であり、R1は置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいピリジル基、または置換されていてもよいナフチル基であり、かつ、XがSO2であるときR1は置換されていてもよいアルキル基でない。)との反応を含む、ジスルフィド結合を形成する方法。
  2. 前記の少なくとも1つのチオール基を含む有機化合物は、アミノ酸、ペプチドまたはタンパク質である、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも1個のチオール基を含むタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸を化学修飾する方法であり、そうしたタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸と式Iの化合物:
    R−S−X−R1 (I)
    (式中、XはSO2 または Seを表し、 Rは 有機部分であり、R1は置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいピリジル基、または置換されていてもよいナフチル基であり、かつ、XがSO2 であるとき、R1は置
    換されていてもよいアルキル基でない。)との反応を含む方法。
  4. Rが炭水化物の基である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 1がフェニル基である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. XがSeである、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. XがSO2である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  8. 下記式I:
    R−S−X−R1 (I)
    (式中、XはSO2またはSeを表し、Rは炭水化物部分であり、R1は置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいピリジル基、または置換されていてもよいナフチル基であり、かつ、XがSO2であるとき、R1は置換されていてもよいアルキル基でない。)で表される化合物。
  9. 1がフェニル基である請求項8に記載の化合物。
  10. XがSeである請求項8または請求項9に記載の化合物 。
  11. XがSO2である請求項8または請求項9に記載の化合物 。
  12. 式IIの化合物:
    M(SSO2l)k (II)
    (式中、Mは金属であり、例えば Li、Na、K、Ca、 Cs、 Zn、 Mgまたは Alである。kは1〜3の整数である。)
    と、式IIIの化合物:
    R−L (III)
    (式中、Lは脱離基である。)とを反応させることを含む、請求項11に記載された式Iの化合物を調製する方法。
  13. 式VIIIのジスルフィド化合物:
    R−S−S−R (VIII)
    を銀イオンの存在下、スルフィニートアニオン:R1SO2 -
    に反応させることを含む、請求項11に記載された式Iの化合物を調製する方法。
  14. 式Vの化合物と、式VIaの化合物または式VIbの化合物と
    R−SH (V)
    1SeL2 (VIa)
    1Se(OH)2 (VIb)
    (式中、L2は Br、 Cl、 CN、または Iである。)
    を反応させることを含む、請求項10に記載された式Iの化合物を調製する方法。
  15. ジスフィルド結合の形成において請求項1〜7のいずれかに記載の式Iの化合物の使用。
  16. 少なくとも1個のチオール基を含むタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸を修飾するための、請求項1〜7のいずれかに記載の式Iの化合物の使用。
  17. 少なくとも1個のチオール基を含むタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸をグリコシル化するための、請求項8〜11のいずれかに記載の式Iの化合物の使用。
  18. チオール基をセレニルスフィド基に変換することを含む、少なくとも1個のチオール基を含むタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸を化学修飾する方法。
  19. 少なくとも1個のチオール基を含むタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸と式Xaまたは式Xbに表される化合物:
    2SeL2 Xa
    2Se(OH)2 Xb
    (式中、L2は脱離基であり、R2は置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいベンジル基、置換されていてもよいピリジル基、または置換されていてもよいナフチル基である。R2は固体支持体の一部を構成するか、
    または結合している。)とを反応させることを含む、請求項18に記載の方法。
  20. 2がフェニル基による、請求項19に記載の方法。
  21. 式Xaまたは式Xbで表される化合物がPhSeBrである、請求項19に記載の方法。
  22. タンパク質、ペプチドまたはアミノ酸中のセレネニルスルフィド基と、チオール基を含む有機化合物とをさらに反応させる、請求項18〜21のいずれかに記載の方法。
  23. 少なくとも1つのセレネニルスルフィド基を含むタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸を、チオール基を含む有機化合物とを反応させることにより、そうしたタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸を化学修飾する方法。
  24. 前記有機化合物が炭水化物であるの化合物である、請求項22または23に記載の方法。
  25. 前記有機化合物がタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸である、請求項22または23に記載の方法。
  26. セレネニルスルフィド基が、下記式:
    −S−Se−R2
    (式中、R2は置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置
    換されていてもよいベンジル基、置換されていてもよいピリジル基または置換されていてもよいナフチル基である。)
    で表される基である、セレネニルスルフィド基を少なくとも1つ含むタンパク質、ペプチド、アミノ酸。
  27. 請求項18〜21のいずれかに記載された方法により得ることができる、少なくとも1つのセレネニルスルフィド基を含むタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸。
  28. 請求項18〜21のいずれかに記載された方法により得ることができる、少なくとも1個のジスルフィド結合を含むタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸。
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