JP2002519050A - 炭水化物成分を有する化学的に修飾されたタンパク質 - Google Patents
炭水化物成分を有する化学的に修飾されたタンパク質Info
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Abstract
Description
/091,687号、および1999年4月28日に出願された米国仮特許出願第60/131,446号
の恩恵を主張する。
の前駆体タンパク質に関して修飾された糖化パターンを有する突然変異体タンパ
ク質に関する。特に、本発明は、化学的に修飾された突然変異体タンパク質であ
って、前駆体タンパク質中でシステイン以外の残基に置換されたシステイン残基
を含み、その後該置換されたシステイン残基は糖化チオスルホネートと反応させ
ることにより修飾される、突然変異体タンパク質に関する。本発明はまた、化学
的に修飾された突然変異体タンパク質および糖化メタンチオスルホネートを産生
する方法に関する。本発明の別の態様は、タンパク質を糖化メタンチオスルホネ
ート試薬と反応させることによりタンパク質の機能特性を修飾する方法である。
本発明はまた、化学的に修飾された突然変異体タンパク質の構造−機能関係を測
定する方法に関する。
生物学的方法が最近得られた(Cornish et al.,Angew.Chem.,Int.Ed.Engl.,34:62
1-633(1995))とはいえ、天然アミノ酸の置換に限られてきた。しかしながら、最
近の方法はたいていの実験室では行うのが難しい。対照的に、酵素のコントロー
ルされた化学的修飾は、酵素構造の容易で柔軟な修飾のために広い可能性を提供
し、その結果酵素特異性のコントロールされた調整をする広い可能性が開かれる
。
をシステインに化学的に形質転換(CH2OH→CH2SH)することによりチオールサブチ
リシンを産生したBender(Polgar et al.,J.Am.Chem.Soc.,88:3153-3154(1996))
およびKoshland(Neet et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,56:1606-1611(1966))の
グループにより1966年にされた最初の報告とともに、以前に広がっている。Wu(W
u et al.,J.Am.Chem.Soc.,111:4514-4515(1989);Bell et al.,Biochemistry,32:
3754-3762(1993))およびPeterson(Peterson et al.,Biochemistry,34:6616-6620
(1995))、およびより最近は、Suckling(Suckling et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett
.,3:531-534(1993))により、合成の可能性を有するものを含む、化学的に産生さ
れた人工酵素への関心が復活した。
。しかしながら、天然の、野生型の酵素は、合成化学的に関心がもたれる全ての
構造を取ると期待することはできず、また合成に必要な所望の鏡像異性的に純粋
な物質に立体特異的に形質転換することは必ずしもできない。酵素の合成適用可
能性におけるこの潜在的な制限がこれまで認識され、タンパク質工学の部位定方
向およびランダム突然変異誘発技術を使用するコントロールされた方法で酵素の
特異性を変化させることにおいて進歩がなされた。しかしながら、タンパク質工
学による酵素特性の修飾は、天然アミノ酸の置換に制限され、この制限を克服す
るために案出された分子生物学的方法は、ごく普通の用途またはラージスケール
の合成に容易には従わない。酵素の化学的修飾により得られる新しい特異性また
は活性の産生は、長年化学者の興味をそそってきたしこれからもそうであろう。
システインに突然変異されている化学的に修飾された洗剤酵素が記載されている
。その後システインを修飾して、酸化剤に対して改良された安定性を酵素に与え
る。請求された化学的修飾は、C1−6アルキルによるチオール水素の置換である
。
記載されているが、例えば洗剤または有機物合成において使用するための、活性
、球核特異性、基質特異性、立体選択性、熱安定性、pH活性特性、および表面結
合特性のような特性が変化した1つ以上の酵素を開発することもまた所望である
。特に、サブチリシンのようにペプチド合成のために作成された酵素が所望であ
る。ペプチド合成に有用な酵素は、高エステラーゼおよび低アミダーゼ活性を有
する。通常、サブチリシンはこれらの必要条件を満たさず、サブチリシンのエス
テラーゼ対アミダーゼの選択性の改良が所望である。しかしながら、アミダーゼ
活性を低下させることによりペプチド合成のための酵素を作成する以前の試みは
、通常、エステラーゼおよびアミダーゼ活性の両方を非常に減少させることとな
った。アミダーゼ活性を低下させるための以前の方法には、水混和性の有機溶媒
(Barbas et al.J.Am.Chem.Soc.,110:5162-5166(1988);Wong et al.,J.Am.Chem.
Soc.,112:945-953(1990);and Sears et al.,Biotechnol.Prog.,12:423-433(1996
))および部位定方向突然変異誘発(Abrahamsen et al.,Biochemistry,30:4151-41
59(1991);Bonneau et al.,「S1およびS1'結合部位における部位定方向突然変異
誘発によるサブチリシンBPN'の特異性の変化」J.Am.Chem.Soc.,113:1026-1030(1
991); and Graycar et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.,67:71-79(1992))の使用が含まれ
る。しかしながら、エステラーゼ対アミダーゼ活性の割合がこれらの方法により
改良されると同時に、絶対的なエステラーゼ活性が低下した。Abrahamsen et al
.,Biochemistry,30:4151-4159(1991)。非天然アミノ酸成分の取込みを可能にす
る化学的修飾技術(Neet et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.,56:1606(1966);Polgar et
al.,J.Am.Chem.Soc.,88:3153-3154(1966);Wu et al.,J.Am.Chem.Soc.,111:4514-
4515(1989); and West et al.,J.Am.Chem.Soc.,112:5313-5320(1990))もまた、
サブチリシンのエステラーゼ対アミダーゼの選択性の改良に使用されてきた。例
えば、サブチリシンの触媒三構造セリン(Ser221)のシステインへの化学的変換(N
eet et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.,56:1606(1996);Polgar et al.,J.Am.Chem.Soc.
,88:3153-3154(1966);and Nakatsuka et al.,J.Am.Chem.Soc.,109:3808-3810(19
87))またはセレノシステインへの化学的変換(Wu et al.,J.Am.Chem.Soc.,111:45
14-4515(1989))、およびキモトリプシンの触媒三構造ヒスチジン(His57)のメチ
ル化(West et al.,J.Am.Chem.Soc.,112:5313-5320(1990))は、エステラーゼ対ア
ミダーゼの選択性に実質的な改良をもたらした。しかしながらあいにく、これら
の修飾もまた、絶対的なエステラーゼ活性の50倍から1000倍までの減少を伴った
。
-75(1995))、炎症(Lasky,Annu.Rev.Biochem.,64:113-139(1995);Weis et al.,An
nu.Rev.Biochem.,65:441-473(1996))、および宿主の免疫応答(Varki,Glycobiol.
,3:97-130(1993);Dwek,Chem.Rev.,96:683-720(1996))を決定する細胞間情報伝達
イベントにおける標識として作用する。さらに、タンパク質の適切な糖化は、発
現および折りたたみに重要であり(Helenius,Mol.Biol.Cell.,5:253-265(1994))
、熱およびタンパク分解安定性を増加させる(Opdemakker et al.,FASEB J.,7:13
30-1337(1993))。同じペプチド主鎖を有するが、糖化の性質および部位の両方に
おいて異なる多くの形態(糖形態)(Rademacher et al.,Annu.Rev.Biochem.,57:
785-838(1988))で、糖タンパク質は天然に生ずる。これらの微小不均一性混合物
内のそれぞれの成分により示されるこの相違により(Rademacher et al.,Annu.Re
v.Biochem.,57:785-838(1988);Parekh et al.,Biochem.,28:7670-7679(1989);Kn
ight,Biotechnol.,7:35-40(1989))、正確な機能の測定における調節の困難性(Li
u,Trends Biotechnol.,10:114-120(1992);Bill et al.,Chem.Biol.,3:145-149(1
996))および問題が提供される。これらの重要な特性を探究するために、純粋な
糖化タンパク質の調製、並びに構造−活性関係(SAR)のような構造−機能関係を
決定するための非天然変異体の調製を可能にする方法が緊急に必要とされている
。単一の糖形態の比較に成功した少数の研究には、豊富な供給源および大規模な
クロマトグラフィー分離が必要とされていた(Rudd et al.,Biochem.,33:17-22(1
994))。糖とタンパク質との間の非天然結合により形成された新しい糖タンパク
質(Krantz et al.,Biochem.,15:3963-3968(1976))は、炭水化物−タンパク質複
合体の非常に重要な代替供給源を提供する(Stowell et al.,Adv.Carbohydr.Che
m.Biochem.,37:225-281(1989);Neoglycoconjugates:Preparation and Applicati
ons,Lee et al.,Eds.,Academic Press.London(1994);Abelson et al.,Methods E
nzymol.,242:(1994);Lee et al.,Methods Enzymol.,247:(1994);Bovin et al.,C
hem.Soc.Rev.,24:413-421(1995))。特に、化学的な糖化により、糖−タンパク
質結合のグリカン構造および性質のコントロールが可能になる。しかしながら、
これらの利点にもかかわらず、現在の調製方法(Stowell et al.,Adv.Carbohydr.
Chem.Biochem.,37:225-281(1980))では通常、混合物が生じる。さらに、これら
の技術は、タンパク質の全体の電荷を変える(Lemieux et al.,J.Am.Chem.Soc.,9
7:4076-4083(1975);Kobayashi et al.,Methods Enzymol.,247:409-418(1994))ま
たは誘導されるグリカンの環式の性質を破壊するかもしれない(Gray,Arch.Bioch
em.Biophys.,163:426-428(1974))。例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)によるラ
クトースの還元アミノ化により、誘導される非環式アミンの形成によってリシン
残基が無差別に修飾される(Gray,Arch.Biochem.Biophys.,163:426-428(1974))。
BSAの部位特異的糖化が進歩してきた(Davis et al.,Tetrahedron Lett.,32:6793
-6796(1991);Wong et al.,Biochem.J.,300:843-850(1994);Macindoe et al.,J.C
hem.Soc.,Chem.Commun.,847-848(1998))。しかしながら、これらの方法は、BSA
中に存在するシステインの修飾に依存しており、それだけでは糖化部位の選択に
柔軟性を与えない。糖タンパク質は、分離するのが困難な異なって糖化された形
態の複合混合物として天然に生ずる。それらの特性を探究するために、炭水化物
−タンパク質複合体の同質の供給源が必要とされている。現在の方法では通常、
糖化の部位またはレベルをほとんどまたは全くコントロールできない、特徴付け
が不十分な組成物のタンパク質混合物が産生される。
い糖化タンパク質を提供することにある。
とにより、明確な特性を有する糖化タンパク質を産生する方法を提供することに
ある。
様式で修飾される方法が提供される。通常、タンパク質の修飾は、タンパク質中
のシステイン残基と糖化チオスルホネートとの反応により生じる。
変異体タンパク質であって、該突然変異体タンパク質が前駆体タンパク質中でシ
ステイン以外の残基に置換されたシステイン残基を有することによって前駆体タ
ンパク質と異なり、その後該置換されたシステイン残基は糖化チオスルホネート
と反応させることにより修飾される、突然変異体タンパク質が提供される。好ま
しくは、糖化チオスルホネートはアルキルチオスルホネートであり、最も好まし
くは、メタンチオスルホネートである。
質を産生する方法であって、(a)前駆体タンパク質を提供し、(b)前記前駆体タン
パク質中のシステイン以外のアミノ酸残基をシステインで置換し、(c)前記置換
されたシステインを炭水化物成分を含む糖化チオスルホネートと反応させ、(d)
前記置換されたシステインがそこに結合した炭水化物成分を含む修飾された糖化
タンパク質を得る、各工程を含む方法が提供される。好ましくは、糖化チオスル
ホネートはアルキルチオスルホネートであり、最も好ましくは、メタンチオスル
ホネートである。また好ましくは、前記前駆体タンパク質をコードするDNAを修
飾して前記タンパク質内の所望の位置でシステインをコードするDNAを含ませる
組換えDNA技術の使用により、前記前駆体タンパク質中の置換を得る。
おいては、糖化チオスルホネートはメタンチオスルホネートである。最も好まし
い実施の形態においては、糖化メタンチオスルホネートは、
α−Glc,−Et−α−Man,−Et−Lac,−β−Glc(Ac)2,−β−Glc(Ac)3,−β−Glc(
Ac)4,−Et−α−Glc(Ac)2,−Et−α−Glc(Ac)3,−Et−α−Glc(Ac)4,−Et−β−
Glc(Ac)2,−Et−β−Glc(Ac)3,−Et−β−Glc(Ac)4,−Et−α−Man(Ac)3,−Et−
α−Man(Ac)4,−Et−β−Gal(Ac)3,−Et−β−Gal(Ac)4,−Et−Lac(Ac)5,−Et−
Lac(Ac)6,または−Et−Lac(Ac)7である化学構造を有する。
な条件下でタンパク質を糖化チオスルホネート試薬と反応させて、該タンパク質
と比較して変化した機能特性を有する糖タンパク質を産生する方法である。した
がって、本発明により、修飾されたタンパク質であって、前駆体、天然、または
野生型のタンパク質の糖化パターンと異なる完全にまたは部分的にあらかじめ決
まった糖化パターンを有するタンパク質、およびそのような修飾されたタンパク
質を産生する方法が提供される。
測定する方法に関する。ある方法には、本発明の第1および第2の化学的に修飾さ
れた突然変異体タンパク質であって該第2の化学的に修飾された突然変異体タン
パク質の糖化パターンが前記第1の化学的に修飾された突然変異体タンパク質の
糖化パターンと異なる突然変異体タンパク質を提供し、前記第1および第2の化学
的に修飾された突然変異体タンパク質の機能特性を評価し、前記第1および第2の
化学的に修飾された突然変異体タンパク質の機能特性を該第1および第2の化学的
に修飾された突然変異体タンパク質の構造と関係付ける、各工程が含まれる。別
の方法には、本発明の第1および第2の化学的に修飾された突然変異体タンパク質
であって該第2の化学的に修飾された突然変異体タンパク質中の少なくとも一つ
の異なるシステイン残基が糖化チオスルホネートと反応させることにより修飾さ
れる突然変異体タンパク質を提供し、前記第1および第2の化学的に修飾された突
然変異体タンパク質の機能特性を評価し、前記第1および第2の化学的に修飾され
た突然変異体タンパク質の機能特性を該第1および第2の化学的に修飾された突然
変異体タンパク質の構造と関係付ける、各工程が含まれる。
タンパク質中に導入するための部位定方向突然変異誘発および化学的修飾に代わ
るものが提供される。さらに、本発明の方法により、あらかじめ決まったおよび
独特の構造を有する純粋な糖タンパク質(すなわち混合物ではない)の調製が可
能になる。その上、これらの糖タンパク質を使用して、タンパク質の非天然変異
体の構造−機能関係(例えば構造−活性関係("SAR"))を測定できる。
ーンをタンパク質中に導入できることである。この利点により、パーティショニ
ング(partitioning)、溶解度、細胞間シグナリング、触媒性活性、生物学的活性
および薬理学的活性のような重要なタンパク質特性を修飾することができる。さ
らに、本発明の方法により、例えば免疫学的またはアレルゲン性の応答に重要な
部位あるいは修飾されたタンパク質のタンパク分解に重要な部位のような、特定
の化学的にまたは生物学的に重要なタンパク質部位の「マスキング」の工程が提
供される。
糖化されるタンパク質の糖化パターンを修飾することができるということである
。
。ある特定の実施例において、ここで本発明者により、プロテアーゼの基質特異
性を修飾して、アミダーゼ活性と比較してエステラーゼ活性を増加させることが
できることが示された。同様に、他の酵素とともに本発明を利用した場合に基質
特異性の修飾が予想される。
記載されている。
。
ンタスシステイン突然変異体に結合可能なMTSとして一つの腕を有する第一世代
の糖デンドリマー試薬の合成を示す。
の二つの平行した合成方法である。いずれの方法によっても、メタンチオスルホ
ネート試薬(R−SSO2Me)の大きいライブラリを使用してデンドリマーの枝をふさ
ぐことができる。図示された経路は、二量体および三量体のデンドリマーのいず
れの調製にも可能である。
ノマーメタンチオスルホネート1aおよびエチル結合メタンチオスルホネート1b,c
,g,h。
ンノ−MTS試薬1dおよび1i、およびそれぞれ1cおよび1hに関してC−4においてエ
ピマーであるβ−D−ガラクト−MTS試薬1eおよび1jの調製を示す。
残基と糖メタンチオスルホネート試薬との反応を示す。
オスルホネート(1a)とサブチリシンバチルスレンタス−N62C,−S156C,−S166C,
−L217Cとの反応を示す。
生型("WT")に関して糖化された化学的に修飾された突然変異体酵素("CMM")の脱
保護されたグリカンの構造−タンパク分解活性SARを示す。軸中の破線は、数値
が測定されなかったことを示す。位置62において、システインへの突然変異(R=H
)により起こるkcat/KMの減少が糖化により部分的に回復する(図10A)。位置2
17において、突然変異(R=H)により起こる活性の4倍の減少は、非結合S−β−Glc
による糖化によってWTより6倍低くまで拡大されるが、エチル結合グリカンによ
る糖化によってWTより約2.5倍低くまで縮小される(b−f)(図10B)。位置156
において、活性における弓状の変化は、大きいラクト−CMM S156−C−S−fにお
いてWTより3倍低い最低kcat/KMに達する(図10C)。位置166において、突然変
異により起こるkcat/KMにおける2.5倍の減少は、糖化により拡大され、kcat/KM
は、S166C(R=H)からS166C−S−fについてWTより3.8倍低い数値まで単調に減少す
る(図10D)。
セチル化グリカンの構造−タンパク分解活性SARを示す。それぞれのグリカンに
ついて存在するアセテート基の数は、対応する棒グラフ上のラベルによって示さ
れる。位置62(図11A)、217(図11B)、および166(図11D)において、
活性における変化する傾向が、アノマーの立体化学によってkcat/KMに基づくア
セチル化の逆効果の結果として観察される(図12参照)。この結果、N62C−S
−gについてのkcat/KMはWTより1.1倍高くなる。位置156において(図11C)、
変化はわずかであり、これは表面に露出した配位と一致する。
の糖化された化学的に修飾された突然変異体酵素のタンパク分解活性における変
化を示す。アセチル化されたものと完全に脱保護された化学的に修飾された突然
変異体酵素との活性の比較により、位置62(図12A)および217(図12B)に
おけるアセチル化はα−結合した化学的に修飾された突然変異体酵素の活性を高
めるが、β−結合したものの活性を減少させることが示される。対照的に、位置
166においては(図12D)、アセチル化により、α−結合したCMMの活性は減少
するがβ−結合したCMMの活性は増加する。表面に露出した配位と一致して、位
置156(図12C)における変化は大きくない。それぞれのグリカンについて、存
在するアセテート基の数は、対応する棒グラフ上のラベルにより示される。軸中
の破線は、数値が測定されなかったことを示す。
KMを示す。位置62において(図13A)、S1ポケット中で、糖化によりWTより1.3
倍から1.9倍大きい同様の活性を有する一連の酵素が生じる。また位置217におい
て(図13B)、S1'ポケット中で、糖化によりL217C−SEtGalについてWTより最
大3.5倍大きくまでkcat/KMが増加する(-e)。位置156において(図13C)、S1ポ
ケット中で、糖化によりkcat/KMが減少する。位置166において(図13D)、S1
ポケット中で、システインへの突然変異(R=H)に基づく活性の大幅な減損は糖化
により回復する。5つの全てのS166Cの脱保護された糖−CMMは、WTより1.1倍から
1.4倍低い同様のkcat/KMを有する。
のグリカンについて存在するアセテート基の数は、対応する棒グラフ上のラベル
により示される。軸中の破線は、数値が測定されなかったことを示す。位置62に
おいて(図14A)S2ポケット中で、および位置217において(図14B)S1'ポケ
ット中で、アセチル化の効果はアノマーの立体化学に依存する。両方の部位にお
いて、α−結合糖のアセチル化により(-b,-d)、kcat/KMが増加するのに対し、β
−結合糖についてkcat/KMは減少する(-c,-e,-f)。kcat/KMはまた、アセテートの
数の増加とともに増加する。側鎖の表面に露出した性質と一致して、位置156に
おける(図14C)、S1ポケット中のアセチル化は、kcat/KMにほとんど影響を与
えない。位置166において(図14D)、S1ポケット中で、アセチル化の効果は、
位置62および217において観察されるものと反対である。アセチル化によりβ−
結合糖−CMMのkcat/KMが増加するのに対し(-c,-e)、α−結合糖−CMMについては
減少する(-b,-d)。
数値が測定されなかったことを示す。脱保護された試薬による糖化1b-fにより、
全ての場合においてE/A比が増加する。最大の効果は、位置62においてS2ポケッ
ト中で(図15A)、および217においてS1'ポケット中で(図15B)観察され、
E/Aにおける最大の増加は、WTより最大10.9倍大きい数値であった。両方の部位
で、E/Aは、α−結合したものよりβ−結合糖−CMMについて高かった。位置156
(図15C)および166(図15D)において、S1ポケット中で、E/Aほとんど変化
しなかった。
れのグリカンについて存在するアセテート基の数は、対応する棒グラフ上のラベ
ルにより示される。軸中の破線は、数値が測定されなかったことを示す。0より
大きい数値は、アセチル化によりE/Aが増加することを示し、負の数値はアセチ
ル化によりE/Aが減少することを示す。
Lの活性部位のL217C−S−Glc(Ac)3の最小構造は、触媒性残基Ser221,His64を示
す。ジスルフィド結合によりLeu217に結合するトリアセチル化D−グルコース成
分の炭素原子の数を数える。産物AAPFのフェニル環は、S1結合部位をふさぎ、Wa
t127への重要な水素結合(1.72Å)を形成する。この水分子はさらに、グルコース
のC−2アセテート基のカルボニルOへの第2の水素結合(1.89Å)により安定する。
末端は、Ser221のO原子への結合を形成する。重要なデアシル化求核性水分子と
して作用するWat127は、C−2アセテート基のカルボニル基への水素結合により安
定する。
様式で修飾される方法が提供される。通常、タンパク質の修飾は、タンパク質中
のシステイン残基と糖化チオスルホネートとの反応により生じる。
変異体タンパク質であって、該突然変異体タンパク質が前駆体タンパク質中でシ
ステイン以外の残基に置換されたシステイン残基を有することによって前駆体タ
ンパク質と異なり、その後該置換されたシステイン残基は糖化チオスルホネート
と反応させることにより修飾される、突然変異体タンパク質が提供される。好ま
しくは、糖化チオスルホネートはアルキルチオスルホネートであり、最も好まし
くは、メタンチオスルホネートである。
質を産生する方法であって、(a)前駆体タンパク質を提供し、(b)前記前駆体タン
パク質中のシステイン以外のアミノ酸残基をシステインで置換し、(c)前記置換
されたシステインを炭水化物成分を含む糖化チオスルホネートと反応させ、(d)
前記置換されたシステインがそこに結合した炭水化物成分を含む修飾された糖化
タンパク質を得る、各工程を含む方法が提供される。好ましくは、糖化チオスル
ホネートはアルキルチオスルホネートであり、最も好ましくは、メタンチオスル
ホネートである。また好ましくは、前記前駆体タンパク質をコードするDNAを修
飾して前記タンパク質内の所望の位置でシステインをコードするDNAを含ませる
組換えDNA技術の使用により、前記前駆体タンパク質中の置換を得る。本発明に
よりシステイン残基で置換されるアミノ酸残基は、部位定方向突然変異誘発法ま
たは当該技術においてよく知られる他の方法を使用して置換されるかもしれない
。例えば、ここに引用される国際特許出願公開第95/10615号参照。
ネートはメタンチオスルホネートを含む。より好ましくは、メタンチオスルホネ
ートは、
α−Man,−Et−Lac,−β−Glc(Ac)2,−β−Glc(Ac)3,−β−Glc(Ac)4,−Et−α
−Glc(Ac)2,−Et−α−Glc(Ac)3,−Et−α−Glc(Ac)4,−Et−β−Glc(Ac)2,−Et
−β−Glc(Ac)3,−Et−β−Glc(Ac)4,−Et−α−Man(Ac)3,−Et−α−Man(Ac)4,
−Et−β−Gal(Ac)3,−Et−β−Gal(Ac)4,−Et−Lac(Ac)5,−Et−Lac(Ac)6,また
は−Et−Lac(Ac)7を含む化学構造を有する。
ク質を提供し、効果的な条件下で該タンパク質を糖化チオスルホネート試薬と反
応させることにより前記タンパク質と比較して変化した機能特性を有する糖タン
パク質を産生する、各工程を含む方法である。したがって、本発明により、修飾
されたタンパク質であって、前駆体、天然、または野生型のタンパク質の糖化パ
ターンと異なる完全にまたは部分的にあらかじめ決まった糖化パターンを有する
タンパク質、およびそのような修飾されたタンパク質を産生する方法が提供され
る。ここで用いたように、糖化パターンとは、炭水化物成分の組成を意味する。
本発明はまた、化学的に修飾された突然変異体タンパク質の構造−機能関係を測
定する方法に関する。第1の方法には、本発明の第1および第2の化学的に修飾さ
れた突然変異体タンパク質であって該第2の化学的に修飾された突然変異体タン
パク質の糖化パターンが前記第1の化学的に修飾された突然変異体タンパク質の
糖化パターンと異なる突然変異体タンパク質を提供し、前記第1および第2の化学
的に修飾された突然変異体タンパク質の機能特性を評価し、前記第1および第2の
化学的に修飾された突然変異体タンパク質の機能特性を該第1および第2の化学的
に修飾された突然変異体タンパク質の構造と関係付ける、各工程が含まれる。第
2の方法には、本発明の第1および第2の化学的に修飾された突然変異体タンパク
質であって該第2の化学的に修飾された突然変異体タンパク質中の少なくとも一
つの異なるシステイン残基が糖化チオスルホネートと反応させることにより修飾
される突然変異体タンパク質を提供し、前記第1および第2の化学的に修飾された
突然変異体タンパク質の機能特性を評価し、前記第1および第2の化学的に修飾さ
れた突然変異体タンパク質の機能特性を該第1および第2の化学的に修飾された突
然変異体タンパク質の構造と関係付ける、各工程が含まれる。
ク質複合体の有用な供給源が提供される。さらに、本発明の方法により、あらか
じめ決まったおよび独特の構造を有する純粋な糖タンパク質(すなわち混合物で
はない)の調製が可能になる。その上、これらの糖タンパク質を使用して、タン
パク質の非天然変異体の構造−機能関係(例えば構造−活性関係("SAR"))を測
定できる。
もよい。例えば、天然には糖化されないタンパク質が本発明により糖化され得る
。同様に、天然に糖化形態で存在するタンパク質が修飾されて、糖化パターンに
より該タンパク質に改良されたまたは所望の特性が与えられるかもしれない。す
なわち、本発明において有用なタンパク質は、例えば生物学的活性、化学的活性
、薬理学的活性、または免疫学的活性のような機能特性において糖化がある役割
を果たすタンパク質である。
ノ酸上に存在する炭水化物成分を有する成分を意味する。本発明において、糖化
は、例えば糖化チオスルホネートとシステイン残基のチオール水素との反応の結
果として提供され、それにより糖化チオスルホネート上に存在する炭水化物成分
に結合するアミノ酸残基が産生される。
ク質を提供し、該タンパク質を効果的な条件下で糖化チオスルホネート試薬と反
応させることにより該タンパク質と比較して機能特性が変化した糖タンパク質を
産生する、各工程を含む方法である。
動物の体への効果、ワクチンとして作用する能力、三次構造(すなわちタンパク
質がどのように折りたたまれるか)、アレルゲン性であるか否か、溶解度、シグ
ナリング効果、生物学的活性および薬理学的活性が含まれるが、これに限定され
ない(ここに引用されるPaulson,"Glycoproteins:What are the Sugar Chains F
or?",Trends in Biochem.Sciences,14:272-276(1989))。本発明の方法において
糖化チオスルホネートをチオール特異的修飾試薬として使用することにより、タ
ンパク質の残基を実質的に制限なく変化できる。さらに、この方法によりあらか
じめ決まったおよび独特の構造を有し、したがって糖化の部位およびレベルの両
方がコントロールされる独特の機能特性を有する純粋な糖タンパク質の産生が可
能となる。特に、タンパク質の機能特性を修飾する方法により、あらかじめ決ま
った部位における部位−およびグリカン−特異的なタンパク質糖化による単一の
糖形態が調製できる。そのような利点により、従来技術では存在しなかったタン
パク質特性の修飾に関して種々の選択が提供される。非常に特異的で予測可能な
糖化パターンを有するタンパク質を産生できることにより、化学的、薬理学的、
免疫学的、または触媒性能力における既知のおよび定量可能な効果を有するタン
パク質の産生が可能となる。例えば、特定の問題のあるエピトープが分かってい
れば、エピトープが炭水化物成分によりマスクされている本発明による修飾され
たタンパク質を産生することができ、したがって問題のアレルゲン性または免疫
抗原性の応答が減少する。別の実施例として、製薬上のまたは産業上の使用にお
ける回収または調製に関してタンパク質の溶解度に問題がある場合、本発明を利
用して、変化した溶解度特性を有するタンパク質を産生し、したがってより所望
のタンパク質産物を産生することが可能になる。別の実施例として、使用される
環境においてタンパク分解に不安定であるという特定の問題をタンパク質が有す
る場合、本発明を使用してタンパク質のタンパク分解開裂部位をマスクすること
により、そのような部位を炭水化物成分で完全に覆うことが可能であろう。これ
らの実施例は、改良されたタンパク質を産生する本発明の多くの応用の少数に過
ぎない。
には、自分自身は変化されずに他の基質中の化学的変化に触媒作用を及ぼすこと
ができるタンパク質が含まれる。酵素は、野生型酵素または変異体酵素でもよい
。本発明の範囲内の酵素には、プルラナーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、アミ
ラーゼ、イソメラーゼ、リパーゼ、オキシダーゼ、およびレダクターゼが含まれ
る。好ましくは、酵素はプロテアーゼである。酵素は、野生型または突然変異体
プロテアーゼでもよい。野生型プロテアーゼは、例えばバチルスレンタスまたは
バチルスアミロリクエファシエンス(amyloliquefaciens) (BPN'とも称される)
から単離されてもよい。突然変異体プロテアーゼは、例えば、ここに引用される
国際特許出願公開第95/10615号および同第91/06637号により作成できる。本発明
による修飾に適切な酵素の機能特性には、例えば酵素活性、溶解度、パーティシ
ョニング、細胞間シグナリング、基質特異性、基質結合、熱および試薬安定性、
抗原性部位をマスクする能力、生理学的機能、および薬学的機能が含まれる(こ
こに引用されるPaulson,"Glycoproteins:What are the Sugar Chains For?",Tre
nds in Biochem.Sciences,14:272-276(1989))。
はシステイン残基で置換される。好ましくは、システインによりタンパク質中で
置換されるアミノ酸は、アスパラギン、ロイシン、またはセリンからなる群より
選択される。
語は、互いに交換して使用できる用語であり、タンパク質中のアミノ酸の1つを
置換するのに使用されるシステインのチオール水素を置換するために使用される
基を含む。通常、チオール側鎖基には、上述で定義されたチオール側鎖基がシス
テインのチオール硫黄に付加される際の硫黄が含まれる。
アミノ酸残基を産生できるものである。糖化されるとは、本発明によるタンパク
質に転移できる糖または炭水化物成分がチオスルホネートに結合することを意味
する。好ましくは、糖化チオスルホネートは糖化アルキルチオスルホネートであ
り、もっとも好ましくは、糖化メタンチオスルホネートである。そのような糖化
メタンチオスルホネートは、一般式
−Et−β−Gal,−Et−β−Glc,−Et−α−Glc,−Et−α−Man,−Et−Lac,−β−
Glc(Ac)2,−β−Glc(Ac)3,−β−Glc(Ac)4,−Et−α−Glc(Ac)2,−Et−α−Glc(
Ac)3,−Et−α−Glc(Ac)4,−Et−β−Glc(Ac)2,−Et−β−Glc(Ac)3,−Et−β−
Glc(Ac)4,−Et−α−Man(Ac)3,−Et−α−Man(Ac)4,−Et−β−Gal(Ac)3,−Et−
β−Gal(Ac)4,−Et−Lac(Ac)5,−Et−Lac(Ac)6,または−Et−Lac(Ac)7を含むR基
を有する。
ある。化学的に修飾された突然変異体タンパク質の多機能化は、デンドリマー法
により達成でき、それにより多枝結合構造を使用して多機能化された化学的に修
飾された突然変異体タンパク質を産生できる。
に合成された(ここに引用されるBuhleier et al.,Synthesis,155-158(1978))
。枝分かれ部位を含有する同一の構成ブロックを中心の芯へ結合させることは、
高度の均質性およびコントロールで達成できる。それぞれの枝は、化学的変化の
後さらに別の枝分かれ構成ブロックに結合できる機能基を含有する。この方法に
おいて、枝分かれの増加により非常に機能化された分子がすばやく生じる。
質、および様々の糖成分を含む多様な糖化をすることができる。デンドリマー試
薬構造には、ペンタエリトリトールに由来し、非常に複雑に枝分かれしたデンド
リマー試薬になる、
)。
この方法は、より大きいデンドリマーに拡張できる。さらに特定すると、メタン
チオスルホネートへ自由に転換できるために糖デンドリマーの一本の「腕」を残
すことにより、図3に示されるように、残った腕はさらに枝分かれして、非常に
機能化された糖デンドリマー試薬を合成できる。さらなる枝分かれおよび異なる
炭水化物の使用により、この概念は実質的に無制限のレベルまで拡張できる。
ンドリマーのメタンチオスルホネート構成ブロックを合成するための柔軟な合成
方法が図4に示される。
ルホネートはメタンチオスルホネートであり、
α−Man,−Et−Lac,−β−Glc(Ac)2,−β−Glc(Ac)3,−β−Glc(Ac)4,−Et−α
−Glc(Ac)2,−Et−α−Glc(Ac)3,−Et−α−Glc(Ac)4,−Et−β−Glc(Ac)2,−Et
−β−Glc(Ac)3,−Et−β−Glc(Ac)4,−Et−α−Man(Ac)3,−Et−α−Man(Ac)4,
−Et−β−Gal(Ac)3,−Et−β−Gal(Ac)4,−Et−Lac(Ac)5,−Et−Lac(Ac)6,また
は−Et−Lac(Ac)7を含む化学構造を有する。
測定する方法に関する。この方法には、本発明の第1および第2の化学的に修飾さ
れた突然変異体タンパク質であって該第2の化学的に修飾された突然変異体タン
パク質の糖化パターンが前記第1の化学的に修飾された突然変異体タンパク質の
糖化パターンと異なる突然変異体タンパク質を提供し、前記第1および第2の化学
的に修飾された突然変異体タンパク質の機能特性を評価し、前記第1および第2の
化学的に修飾された突然変異体タンパク質の機能特性を該第1および第2の化学的
に修飾された突然変異体タンパク質の構造と関係付ける、各工程が含まれる。
は、熱および試薬安定性、溶解度、パーティショニング、酵素活性、細胞間シグ
ナリング、基質特異性、基質結合、抗原性部位をマスクする能力、生理学的機能
、および薬学的機能が含まれるが、これに限定されない(ここに引用されるPaul
son,"Glycoproteins:What are the Sugar Chains For?",Trends in Biochem.Sci
ences,14:272-276(1989))。
関係を測定する第2の方法である。この方法には、本発明の第1および第2の化学
的に修飾された突然変異体タンパク質であって該第2の化学的に修飾された突然
変異体タンパク質中の少なくとも一つの異なるシステイン残基が糖化チオスルホ
ネートと反応させることにより修飾される突然変異体タンパク質を提供し、前記
第1および第2の化学的に修飾された突然変異体タンパク質の機能特性を評価し、
前記第1および第2の化学的に修飾された突然変異体タンパク質の機能特性を該第
1および第2の化学的に修飾された突然変異体タンパク質の構造と関係付ける、各
工程が含まれる。
法により修飾される特定のプロテアーゼに集中する。アルカリ性セリンプロテア
ーゼ(サブチリシン)は、生体触媒作用、特にキラルの分解、多機能性化合物の
部位選択性アシル化、ペプチド結合、およびグリコペプチド合成における使用が
増加している。図5に示されるように、サブチリシンは、次いで第一アミンと反
応してペプチド産物を形成するアシル酵素中間体を最初に形成することにより、
エステル基質から始まるペプチド結合形態に触媒作用を及ぼすことができる。こ
の用途には、アシル酵素形態を促進するためには高エステラーゼ活性が、所望の
産物のペプチド結合の加水分解を最小にするためには低アミダーゼ活性が必要で
ある。通常、サブチリシンはこれらの必要条件を満たさない。しかしながら、サ
ブチリシンのエステラーゼ対アミダーゼの選択性の改良が長い間求められてきた
。本発明において提供される方法を使用することにより、有利な特性を有するサ
ブチリシンの産生が可能である。
し、次いで糖化メタンチオスルホネートと反応して導入されたシステインにおい
て糖化点を産生する作用をする追加のシステイン残基をサブチリシン内に導入す
る。天然システインを含有せず天然には糖化されないので、バチルスレンタスサ
ブチリシンを実施例の目的のために選択した。
なる。サブサイトに対応する基質の部分は標識されたPであり、サブサイトは標
識されたSである。慣例より、サブサイトは標識されたS1、S2、S3、S4、S1'およ
びS2'である。サブサイトについては、ここに引用されるBerger et al.,Phil.Tr
ans.Roy.Soc.Lond.B,257:249-264(1970),Siezen et al.,Protein Engineering,4
:719-737(1991)およびFersht,Enzyme Structure and Mechanism,2 ed.,Freeman:
New York,29-30(1985)に見ることができる。
選択された。特に、バチルスアミロリクエファシエンスからの天然発生サブチリ
シン中のN62、L217、S156、およびS166、またはバチルスレンタスサブチリシン
のような他のサブチリシン中の等価アミノ酸残基に対応するアミノ酸を、システ
インへの修飾のために選択した。突然変異したサブチリシンは、標準部位定方向
突然変異誘発技術により産生され、得られた突然変異体サブチリシンを、実施例
中で提供されるように、特定の糖化アルキルチオスルホネート、特に糖化メタン
チオスルホネートと反応させた。
なぜならこの方法は、基質の保護を最小限しか必要とせず、穏やかな条件下で進
行し、ラセミ化を引き起こさないからである。ここに引用される、Wong et al., Enzymes in Synthetic Organic Chemistry ,Pergamon Press:Oxford,41-130(1994
)。これらの利点にもかかわらず、2つの重大な問題により、ペプチド合成におけ
るセリンプロテアーゼの使用が制限されてきた。1つは、結合産物の加水分解を
引き起こす原因となるタンパク分解(アミダーゼ)活性であり、もう1つはスト
リンジェントな構造特異性および立体特異性である。
駆体酵素と比較してエステラーゼ対アミダーゼ活性が変化していることが分かっ
た。エステラーゼ対アミダーゼの割合を増加することにより、酵素を使用してよ
り有効にペプチド合成に触媒作用を及ぼすことができる。特に、図5に示される
ように、サブチリシンは、次いで第一アミン(すなわちアシル受容体)と反応し
てペプチド産物を形成するアシル酵素中間体を最初に形成することにより、エス
テル基質(すなわちアシル供与体)から始まるペプチド結合形態に触媒作用を及
ぼすことができる。したがって、この反応には、アシル酵素形態を促進するため
には高エステラーゼ活性が、所望の産物のペプチド結合の加水分解を最小にする
ためには低アミダーゼ活性が必要である。本発明により産生される化学的に修飾
された突然変異体サブチリシンは、酵素の絶対的なエステラーゼ活性を減少させ
ずに、エステラーゼ対アミダーゼの割合を増加させたことを示す。さらに、本発
明のある修飾された酵素は、同時に、絶対的なエステラーゼ活性の増加を示す。
成に使用して、例えば所望の反応に触媒作用を及ぼすおよび/またはある立体選
択性を選択することができるということである。例えば、ここに引用されるNori
tomi et al.Biotech.Bioeng.51:95-99(1996);Dabulis et al.Biotech.Bioeng.41
:566-571(1993),and Fitzpatrick et al.J.Am.Chem.Soc.113:3166-3171(1991)参
照。
を有することが利点であるそのようなタンパク質を使用することが所望である任
意の方法において使用できる。したがって、ここに提供されるように修飾された
タンパク質は、薬剤の組成物についておよび診断上の製剤における医療分野にお
いて使用できる。さらに、本発明により修飾される酵素のようなタンパク質は、
通常そのような酵素について知られる、洗濯製品、織物処理、食物改良、穀物飲
料の醸造、抗菌薬としてのスターチ(starch)処理、および個人医療処方のような
方法において使用できる。さらに、本発明により可能となる独特の機能性は、こ
れまで可能であると認識されていないタンパク質に使用できる。
430 (1977)、参照として本明細書中に取り入れておく)については既に文献に記
載されている(バーグランド(Berglund )ら、J. Am. Chem. Soc., 119: 5265
- 5266 (1997))、参照として本明細書中に取り入れておく)。アセトブロモグ
ルコース(3)(図6参照)(シューラー(Scheurer)らの記載(J. Am. Chem.
Soc., 76: 3224 (1954))に従ってD−グルコースから調製した。本文献を参照
として本明細書中に取り入れておく)の収率は73%であり、ペンタアセチルグル
コース(ヴァーレイ(Verley)らの方法(Ber. Dtsch. Chem. Ges., 34: 3354 -
3358 (1901)に従い、対応する親化合物である炭水化物から調製した。本文献
を参照として本明細書中に取り入れておく。フラッシュクロマトグラフィーによ
って精製した)の収率は99%であった。5d(図7参照)(ヴァーレイ(Verley
)らの方法(Ber. Dtsch. Chem. Ges., 34: 3354 - 3358 (1901)に従い、対応
する親化合物である炭水化物から調製した。本文献を参照として本明細書中に取
り入れておく。フラッシュクロマトグラフィーによって精製した)の収率は92%
であった。5e(図7参照)(ヴァーレイ(Verley)らの方法(Ber. Dtsch. Ch
em. Ges., 34: 3354 - 3358 (1901)に従い、対応する親化合物である炭水化物
から調製した。本文献を参照として本明細書中に取り入れておく。フラッシュク
ロマトグラフィーによって精製した)の収率は99%であった。5f(図7参照)
(ハドソン(Hudson )ら、J. Am. Chem. Soc., 37: 1270 - 1275 (1915 )の方
法に従ってラクトースから調製した。本文献を参照として本明細書中に取り入れ
ておく。フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、収率は
82%であった)は文献の方法に従って調製した。N,N−ジメチルホルムアミド(
”DMF”)はN2 気流下、CaH2 を用いて蒸留し、モレキュラーシーブを加え、N2
充填して使用まで保存した。メタノールはN2 気流下、Mg / I2 を用いて用時蒸
留した。Br(CH2)2 OH は保管していたものを減圧下、CaO を用いて蒸留し、N2
充填して使用まで保存した。その他すべての試薬については、シグマ−アルドリ
ッヒ(Sigma - Aldrich)(ミズーリ州セントルイス)またはベイカー(Baker)
(ニュージャージー州フィリップスバーグ)から購入したものを使用した。フラ
ッシュクロマトグラフィーについてはすべて、シリカゲル(ワットマン(Whatma
n)、60Å、230〜400メッシュ、ニュージャージー州クリフトン)を用いて行っ
た。融点はエレクトロサーマル(Electrothermal)IA9000 型デジタル融点測定
装置を用いて測定し、未補正である。IRスペクトルはボーメンMB(Bomem MB)ま
たはパーキン−エルマーFTIRスペクトラム1000(Perkin - Elmer FTIR Spectrum
1000 )を用いて記録した。1H NMR スペクトルおよび 13C NMR スペクトルは
、バリアン ジェミニ200(Varian Gemini 200)、ユニティ400(Unity 400)ま
たはユニティ500(Unity 500)NMRスペクトロメーターを指示されている周波数
で用いて記録した。指示に従い、NMRピークの帰属は、相関スペクトル(”COSY
”)または分極移動によるひずみのない強度増加(Distortionless Enhanced by
Polarization Transfer、” DEPT”)実験を利用して行い、その他はすべて主
観的なものである。すべての化学シフトに関して、内部標準である微量の溶媒を
参照とした。D2 O 中での 13C NMRについては 1,4−ジオキサン(67.6 ppm )を
用いた。ES - MSデータは、PE SCIEX API III バイオモレキュラー( Biomolecu
lar )マススペクトロメーターを用いて得た。すべてのHRMS データは、指示さ
れたイオン化法に従い、マイクロマス( Micromass )70 - 250S またはマイク
ロマス( Micromass )ZAB - SE マススペクトロメーターを用いて得た。溶媒は
減圧除去した。
スルフォネート(1a)の調製 1a(図8参照)と類似した型の連結していないグリコ−MTS試薬に関する最
初の実験はダニシェフスキー(Danishefsky )のグリカール法に基づくものであ
る(ハルコム(Halcomb)ら、J. Am. Chem. Soc., 111: 6661 - 6666 (1989) 、
参照として本明細書中に取り入れておく)。レシンプル(Lesimple)らの方法(
Tetrahedron Lett., 27: 6201 - 6204 (1986)、参照として本明細書中に取り入
れておく)に従ってトリス(Tris )- TBS グルカールを調製し、ジメチルジオ
キシランを用いて酸化し、トリス(Tris )- TBS 保護1,2−アンヒドログル
コースを得た。しかしながら、多様な条件下において、他の硫黄求核試薬の挙動
(ゴードン(Gordonら、Carbohydr. Res., 206: 361 - 366 (1990);バーコヴィ
ッツ(Berkowitz)ら、J. Am. Chem. Soc., 114: 4518 - 4529 (1992)、参照と
して本明細書中に取り入れておく)とは対照的に、メタンチオスルフォネートイ
オンはTris - TBS 保護1,2−アンヒドログルコースのエポキシド部位を開環
することができなかった。多様な条件下において1a(図8参照)の脱保護を試
みたが、すべての条件下において、チオグルコシド結合の分解または加水分解を
生じるのみであった(ゼンプレン(Zemplen)ら、Ber. Dtsch. Chem. Ges., 56:
1705 - 1710 (1923);プラットナー(Plattner)ら、J. Am. Chem. Soc., 94:
8613 - 8615 (1972);モリ(Mori)ら、Tetrahedron Lett., 20: 1329 - 1332
(1979);ハーツィッヒ(Herzig)ら、Carbohydr. Res., 153: 162 - 167 (1986)
;ハーツィッヒ(Herzig)ら、J. Org. Chem., 51: 727 - 730 (1986);ヴェケ
マンズ(Vekemans)ら、Tetrahedron Lett., 28: 2299 - 2300 (1987);シンゲ
ット(Cinget)ら、Synlett., 168 - 170 (1993)、参照として本明細書中に取り
入れておく)。
mg , 2.84 mmol )にアセトブロモグルコース(3)(図6参照)(1g,2.43
mmol )を加えた。20分後、得られた懸濁液を冷却し、溶媒を除去した。フラッ
シュクロマトグラフィー(EtOAc : ヘキサン=9:11を用いて残渣を精製し、得
られた固体をエーテルから再結晶することによって白色固体の1a(図8参照)
(674 mg ,63%)を得た:mp 151 - 152 ℃、溶解後に分解(エーテル);[α] 27 D = -19.0 (c 1.24 ,CHCl3 );IR(KBr )1749 cm-1 (C=O)、1333 , 114
0 cm-1 (S - SO 2 );1H NMR (400 MHz ,CDCl3 )δ2.00,2.04,2.06,2.
07 ( s ×4,3H×4,Ac ×4)、3.44(s,3H,CH3SO2 - )、3.82(dd
d ,J 4 - 5 10.1 Hz ,J 5 - 6 5.9 Hz ,J 5 - 6 2.2 Hz ,1H,H - 5 )、4.
08(dd ,J 5 - 6 5.9 Hz ,J 6 - 6 12.5 Hz ,1H ,H - 6 )、4.31(dd ,J 5 - 6 2.2 Hz ,J 6 - 6 12.5 Hz ,1H ,H - 6' )、5.05( t ,J 9.8 Hz ,1
H ,H - 4 )、5.07( dd ,J 1 - 2 10.5 Hz ,J 2 - 3 9.4 Hz ,1H ,H - 2
)、5.25(d ,J 1 - 2 10.5 Hz ,1H ,H - 1)、5.29(t ,J 9.3 Hz ,1H
,H -3 );13C NMR(50 MHz ,CDCl3 )δ20.5,20.7(CH3COO - ×4)、52.8
(CH3SO2 - )、61.8,68.0,68.7,73.3,76.6( C - 2 ,C - 3 ,C - 4 ,C
- 5 ,C - 6 )、86.4( C - 1 )、169.3,169.3,169.7,170.1( CH3 COO -
×4);HRMS m / z (EI+):測定値 443.0636(M+H+):C15 H23 O11 S 2 理論値443.0682 。
チルメタンチオスルフォネート(1g)の調製 N2 気流下、D−グルコース(2a)(図6参照)(1.45 g,8.1 mmol )のBr
(CH2 ) 2 OH(19 ml )懸濁液にBF3・Et2 O(145 μl ,1.1 mmol )を滴下し、
得られた混合物を105度に加熱した。8時間後、得られた溶液を冷却し、溶媒を
除去した。N2 気流下、残渣をAc2 O / ピリジン(2:3v / v ,16 ml )に溶
解した。さらに24時間後、反応溶媒を除去し、フラッシュクロマトグラフィー(
EtOAc、次にEtOAc : ヘキサン=3:7)を繰り返し行って残渣を精製し、無色
油状の2−ブロモエチル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グル
コピラノシド(4g)(図6参照)(1.76g,48%)を得、これは放置すること
によって結晶化し、白色固体を得た:mp 86 - 88 ℃;[α]25 D = +130.6 (c 0
.21 ,CHCl3 );IR(フィルム)1749 cm-1 (C=O);1H NMR (400 MHz ,CDC
l3 )δ2.01,2.03,2.07,2.09 ( s ×4,3H×4,Ac ×4)、3.51(t ,J
5.9 Hz ,2H ,- CH2Br )、3.83(dt ,J d 11.6 Hz ,J t 5.8 Hz , 1H , -
OCHH' - )、3.49(dt ,J d 11.6,J t 5.8 Hz , Hz ,1H ,- OCHH' - )
、4.10(dd ,J 5 - 6 2.2 Hz ,J 6 - 6' 12.0 Hz ,1H ,H - 6 )、4.14(dd
d ,J 4 - 5 10.2 Hz ,J 5 - 6 2.2 Hz ,J 5 - 6' 4.4 Hz ,1H,H - 5 )、4
.24(dd ,J 5 - 6' 4.4 Hz ,J 6 - 6' 12.0 Hz ,1H ,H - 6' )、4.84(dd
,J 1 - 2 3.8 Hz ,J 2 - 3 10.3 Hz ,1H ,H - 2 )、5.05( t ,J 9.7 Hz
,1H ,H - 4 )、5.14(d ,J 1 - 2 3.8 Hz ,1H ,H - 1 )、5.49(dd
,J 2 - 3 10.3 Hz ,J 3 - 4 9.5 Hz ,1H ,H - 3);13C NMR(100 MHz ,C
DCl3 )δ20.6,20.7(CH3COO - ×4)、29.9 (- CH2Br - )、61.9,67.8,6
8.5,68.8,70.0,70.8( - OCH2 - ,C - 2 ,C - 3 ,C - 4 ,C - 5 ,C - 6
)、96.0( C - 1 )、169.6,170.0,170.2,170.6( CH3 COO - ×4);HRMS
m / z (FAB+):測定値 477.0381(M+Na+):C16 H23 O10 BrNa 理論値
477.0372 。N2 気流下、4g(図6参照)(190 mg ,0.42 mmol )のDMF(6ml
)溶液にNaSSO 2CH 3 (75 mg ,0.56 mmol )を加え、50℃に加熱した。21時
間後、溶液を冷却し、溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc
: ヘキサン=1:1)を用いて残渣を精製し、無色油状の1g(図6参照)(18
3 mg ,90%)を得た:[α]27 D = +92.1 (c 0.39 ,CHCl3 );IR(フィルム
)1748 cm-1 (C=O)、1322,1134cm-1 (S - SO2);1H NMR (400 MHz ,CDCl3 )δ2.01,2.03,2.07,2.09 ( s ×4,3H×4,Ac ×4)、3.41(t ,J 5.
7 Hz ,2H ,- CH2 S - )、3.41(s ,3H ,CH3 SO2 - )、3.75(dt ,J d 10
.8 Hz ,J t 5.7 Hz , 1H , - OCHH' - )、3.99 - 4.06(m ,2H ,H - 5,
- OCHH' - )、4.09(dd ,J 5 - 6 2.4 Hz ,J 6 - 6' 12.6 Hz ,1H ,H - 6
)、4.25(dd ,J 5 - 6 4.6 Hz ,J 6 - 6 ' 12.6 Hz ,1H,H - 6' )、4.87
(dd ,J 1 - 2 3.9 Hz ,J 2 - 3 10.3 Hz ,1H ,H - 2 )、5.06( t ,J 9.
8 Hz ,1H ,H - 4 )、5.12(d ,J 1 - 2 3.9 Hz ,1H ,H - 1 )、5.43(t
,J 9.8 Hz ,1H ,H - 3);13C NMR(100 MHz ,CDCl3 )δ20.6,20.6,20.
7,20.7(CH3COO - ×4)、36.0 (- CH2 S - )、50.8(CH 3 SO2 - )、61.8
(- OCH2 - )、67.0,67.8,68.3,69.8,70.7( C - 2 ,C - 3 ,C - 4 ,C
- 5 ,C - 6 )、96.0( C - 1 )、169.5,170.0,170.6( CH3 COO - ×4)
;HRMS m / z (FAB+):測定値 487.0946(M+H+):C 17 H 27 O 12 S 2
理論値487.0944 。
調製 N2 気流下、4g(図6参照)(300 mg,0.66 mmol )のMeOH(3 ml )懸濁
液にNaOMe (0.1 M,0.3 ml )の溶液を加え、激しく撹拌した。6時間後、得
られた溶液をドウェックス(Dowex)50W (H + )プラグ(2×1cm ,溶出液はM
eOH)に通し、溶媒を除去することにより、白色固体の2−ブロモエチルα−D
−グルコピラノシドブロミド(4b)(図6参照)(178 mg ,94%)を得た(
中間体としての4bの合成については既に文献に記載されている。しかしながら
、この方法によると、生成物の収率が低い。ナガイ(Nagai)ら、Cabohydr. Res
., 190: 165 - 180 (1989)、本文献を参照として本明細書中に取り入れておく)
。N2 気流下、4b(図6参照)(178 mg ,0.62 mmol )のDMF(7ml )溶液に
NaSSO 2CH 3 (100 mg ,0.75 mmol )を加え、50℃に加熱した。21時間後、溶
液を冷却し、溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(MeOH : EtOAc
=1:9)を用いて残渣を精製し、吸湿性泡状の1b(図6参照)(144 mg ,7
3%)を得た:[α]27 D = +109.9 (c 1.11 ,H2O );IR(フィルム)3423 cm- 1 (O - H)、1309,1128cm-1 (S - SO 2);1H NMR (500 MHz ,D2O ,COSY)
δ3.16(t ,J 9.5 Hz ,1H ,H - 4 )、3.28(t ,J 5.9 Hz ,2H , - CH2 S
- )、3.30(s ,3H ,CH3 SO2 - )、3.31(dd ,J 1 - 2 3.8 Hz ,J 2 - 3
9.9 Hz ,1H ,H - 2 )、3.44( t ,J 9.5 Hz ,1H ,H - 3 )3.47 - 3.53(
m ,2H ,H - 6 ,H - 6' )、3.58 - 3.61(m ,1H ,H - 5 )、3.62(dt ,J d 10.8 Hz ,J t 5.4 Hz , 1H , - OCHH' - )、3.79(dt ,J d 10.8 Hz
,J t 6.3 Hz , 1H , - OCHH' - )、4.72(d ,J 1 - 2 3.8 Hz ,1H ,H -
1 );13C NMR(100 MHz ,D2O )δ36.7 (- CH2 S - )、50.7(CH3 SO2 - )
、61.5 (- OCH2 - )、67.2,70.5 ,72.3,73.2,74.0( C - 2 ,C - 3 ,C
- 4 ,C - 5 ,C - 6 )、99.4( C - 1 );HRMS m / z (FAB+):測定値 3
19.0517(M+H+):C 9 H 19 O 8 S 2 理論値319.0521 。
チルメタンチオスルフォネート(1h)の調製 N2 気流下、0℃で1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−α,β−D−
グルコース(2g)(2 g,5.1 mmol )およびBr(CH 2 ) 2 OH(0.45 ml,6.3
mmol )のCH2 Cl2溶液(9ml)にBF3・Et2 O(3.3 ml ,26.0 mmol )を15分以
上かけて滴下した。1.5時間後、この溶液を室温まで加温した。20時間後、反応
液を氷水(15ml)に入れ、CH2 Cl2(15ml×3回)で抽出した。これらの抽出液
を合わせ、水(15ml)、飽和NaHCO3(水溶液、15ml)、水(15ml)で洗浄し、
乾燥し(MgSO 4 )、ろ過後溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(E
tOAc : ヘキサン=1:3)を用いて残渣を精製し、白色固体の2−ブロモエチ
ル−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド(4h
)(図6参照)(1.42g ,61%)を得た:mp 118 - 120 ℃(EtOAc / イソオク
タン)(コーレス(Coles)らの文献 J. Am. Chem. Soc., 60: 1020 - 1022 (1
938) においては、mp 117.3 ℃(EtOH)。本文献を参照として本明細書中に取り
入れておく);[α]27 D = - 11.9 (c 1.65 ,CHCl3 )(ヘルファーリッヒ(He
lferrich )らの文献 Just. Lieb. Ann. Chem., 541: 1 - 16 (1939)においては
、[α]20 D = - 12.3 (c 0.2 ,CHCl3 )。本文献を参照として本明細書中に取
り入れておく);1H NMR (200 MHz ,CDCl3 )δ2.00,2.02,2.07,2.09 (
s ×4,3H×4,Ac ×4)、3.42 - 3.51(m ,2H )、3.67 - 3.87(m ,2H
)、4.10 - 4.31(m ,3H )、4.57(d ,J 1 - 2 8Hz,, 1H ,H - 1 )、 4
.97 - 5.27(m ,3H )。N2 気流下、4h(図6参照)(640 mg ,1.41 mmol
)のDMF(18 ml )溶液にNaSSO 2CH 3 (260 mg ,1.94 mmol )を加え、50℃に
加熱した。25時間後、溶液を冷却し、溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラ
フィー(EtOAc:ヘキサン =1:1)を用いて残渣を精製し、得られた固体をEt
OAc /ヘキサンから再結晶することにより、白色固体の1h(図6参照)(544
mg ,80%)を得た:mp 115 - 116 ℃(EtOAc / ヘキサン);[α]27 D = +5.4
(c 1.06 ,CHCl3 );IR(KBr)1758,1741 cm-1 (C = O )、1314,1133 c
m-1 (S - SO2);1H NMR (500 MHz ,CDCl3 ,COSY)δ1.99,2.02,2.06,2.0
8 ( s ×4,3H×4,Ac ×4)、3.30 - 3.38(m ,2H ,- CH2 S - )、3.34
(s ,3H ,CH3 SO2 - )、3.70(ddd ,J 4 - 5 9.9 Hz ,J 5 - 6 2.2 Hz ,J
5 - 6 ' 4.6 Hz ,1H,H - 5 )、3.83( ddd ,J 5.6 Hz ,J 7.4 Hz ,J 10.
5 Hz,1H , - OCHH' - )、4.13 - 4.18(m ,2H , H - 6 ,- OCHH' - )
、4.24(dd ,J 5 - 6 ' 4.6 Hz ,J 6 - 6 ' 12.4 Hz ,1H ,H - 6' )、4.5
5(dd ,J 1 - 2 8.1 Hz ,1H,H - 1 )、4.98(dd ,J 1 - 2 8.1 Hz ,J 2 - 3 9.7 Hz ,1H ,H - 2 )、5.07(t ,J 9.9 Hz ,1H ,H - 4)、5.19(t
,J 9.6 Hz ,1H ,H - 3);13C NMR(125 MHz ,CDCl3 ,DEPT )δ20.5,20
.7(q ×2,CH3COO - ×4)、36.0 (t,- CH2 S - )、50.6(q,CH 3 SO2 -
)、61.6 (t,- OCH2 - )、68.1,70.8 ,71.9,72.5(d×4, C - 2 ,C -
3 ,C - 4 ,C - 5 )、68.4(t,C - 6 )、100.8( d,C - 1 )、169.3,1
70.0,170.5( s×3,CH3 COO - ×4);HRMS m / z (FAB+):測定値 487.
0940(M+H+):C 17 H 17 O 12 S 2 理論値487.0944 。
調製 N2 気流下、4h(図6参照)(300 mg,0.66 mmol )のMeOH(3 ml )懸濁
液にNaOMe (0.1 M,0.3 ml )の溶液を加え、激しく撹拌した。4時間後、得
られた溶液をドウェックス(Dowex)50W (H + )プラグ(2×1cm ,溶出液はM
eOH)に通し、溶媒を除去することにより、白色固体の2−ブロモエチルβ−D
−グルコピラノシド(4c)(図6参照)(176 mg ,93%)を得、すぐに次の
反応に使用した。サンプルを EtOH / EtOAc から再結晶したところ、無色の結
晶性固体を得た:mp 74 - 78 ℃(EtOH / EtOAc )(ヘルファーリッヒ(Helfer
rich )らの文献 Just. Lieb. Ann. Chem., 541: 1 - 16 (1939)においては、mp
74 - 75 ℃(EtOH / EtOAc )。本文献を参照として本明細書中に取り入れてお
く);[α]26 D = - 22.4 (c 1.63 ,H2 O )(ヘルファーリッヒ(Helferrich
)らの文献 Just. Lieb. Ann. Chem., 541: 1 - 16 (1939)においては、[α]19 D = - 26.1 (c 3.0 ,H2 O )。本文献を参照として本明細書中に取り入れてお
く);1H NMR (400 MHz ,CD3OD )δ3.30(t ,J 8.4 Hz ,1H ,H - 2 )、
3.39 - 3.49(m ,3H )、3.64 - 3.80(m ,3H )、3.97(br d ,J 6 - 6 '
11.7Hz, 1H ,H - 6' )、4.02(dt ,J d 11.3 Hz ,J t 6.5 Hz , 1H , -
OCHH' - )、4.23(dt ,J d 11.3 Hz ,J t 6.5 Hz , 1H , - OCHH' - )、
4.44(d ,J 1 - 2 7.9 Hz ,1H,H - 1 )。N2 気流下、4c(図6参照)(1
76 mg ,0.61 mmol )のDMF(7 ml )溶液にNaSSO 2 CH 3 (100 mg ,0.75 mmo
l )を加え、50℃に加熱した。15時間後、溶液を冷却し、溶媒を除去した。フラ
ッシュクロマトグラフィー(MeOH : EtOAc =1:9)を用いて残渣を精製し、
吸湿性泡状の1c(図6参照)(144 mg ,74%)を得た:[α]27 D = - 15.8 (
c 0.88 ,H2 O );IR(KBr) 3400 cm-1 (OH )、1310,1131 cm-1 (S - SO2)
;1H NMR (500 MHz ,D2 O ,COSY)δ3.07(dd ,J 1 - 2 8.1 Hz ,J 2 - 3 9.4 Hz ,1H,H - 2 )、3.16(dd ,J 3 - 4 9.0 Hz ,J 4 - 5 9.8 Hz ,1
H,H - 4 )、3.24(ddd ,J 4 - 5 9.8 Hz ,J 5 - 6 6.0 Hz ,J 5 - 6 ' 2.3
Hz ,1H,H - 5 )、3.27(t ,J 9.0 Hz ,1H ,H - 3)3.30 - 3.33(m ,2H
,- CH2 S - )、3.34(s ,3H ,CH3 SO2 - )、3.50 (dd ,J 5 - 6 6.0 Hz
,J 6 - 6 ' 12.4 Hz ,1H ,H - 6 )、3.69(dd ,J 5 - 6 ' 2.3 Hz ,J 6 - 6 ' 12.4 Hz ,1H ,H - 6' )、3.81(dt ,J d 11.5 Hz ,J t 5.8 Hz , 1
H , - OCHH' - )、4.00(dt ,J d 11.4 Hz ,J t 5.7 Hz , 1H ,- OCHH'
- )、4.30(d ,J 1 - 2 8.1 Hz ,1H , H - 1 );13C NMR(50 MHz ,D2 O )δ36.9 (- CH2 S - )、51.0( CH 3 SO2 - )、62.0 (- OCH2 - )、69
.5,70.9 ,74.3,76.7,77.3(C - 2 ,C - 3 ,C - 4 ,C - 5 ,C - 6 )、
103.7(C - 1 );HRMS m / z (FAB+):測定値 341.0351(M+Na+):C9
H18 O8 S2 Na理論値341.0341 。
ル)エチルメタンチオスルフォネート(1i)の調製 N2 気流下、0℃で1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−α,β−D−
マンノース(5d)(図7参照)(4.7 g,12.1 mmol )およびBr(CH 2 ) 2 OH
(1.05 ml,14.8 mmol )のCH 2 Cl 2溶液(22ml )にBF 3・Et 2 O(7.7 ml ,
60.7 mmol )を15分以上かけて滴下した。1時間後、この溶液を室温まで加温し
た。25時間後、反応液を氷水(20ml)に入れ、CH2 Cl2(20ml×2回)で抽出し
た。これらの抽出液を合わせ、水(20ml)、飽和NaHCO3(水溶液、20ml)、水
(20ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4 )、ろ過後溶媒を除去した。残渣をEtOAc/
イソオクタンから結晶化し、2−ブロモエチル−2,3,4,6−テトラ−O−
アセチル−α−D−マンノピラノシド(4i)(図7参照)(3.52g ,64%)
を得た。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc : ヘキサン=1:3)を用いて
残っていた母液を精製することにより、さらに、きれいに結晶化した白色固体の
4i(図7参照)(320 mg ,6%、計70%)を得た:mp 121 - 123℃(ダーメ
ン( Dahmen )らの文献 「2−ブロモエチルグリコシド類(2 - Bromoethyl Gl
ycosides - Synthesis and Characterization )」、Carbohydr. Res., 116: 30
3 - 307 (1983) においては、mp 118 - 119℃(EtOH / イソオクタン)。本文献
を参照として本明細書中に取り入れておく);[α]28 D = +48.3 (c 1.31 ,CH
Cl3 )(ダーメン( Dahmen )らの文献 「2−ブロモエチルグリコシド類(2
- Bromoethyl Glycosides - Synthesis and Characterization )」、Carbohydr
. Res., 116: 303 - 307 (1983) においては、[α]23 D = +45 (c 0.6 ,CDCl3 )。本文献を参照として本明細書中に取り入れておく);1H NMR (200 MHz
,CDCl3 )δ1.99,2.05,2.10,2.16 ( s ×4, 3H×4,Ac ×4)、3.52(
t , J 6 Hz ,2H ,- CH2 Br - )、3.82 - 4.04(m ,2H ,-OCH2 - )、4.09
- 4.16(m ,1H ,H - 5 )、4.13(dd ,J 5 - 6 2 Hz ,J 6 - 6 ' 12 Hz ,
1H ,H - 6 )、4.28(dd ,J 5 - 6 ' 6 Hz ,J 6 - 6 ' 12 Hz ,1H ,H - 6'
)、4.87(br s ,1H ,H - 1 )、5.22 - 5.40(m ,3H ,H - 2, H - 3,
H - 4)。N2 気流下、4i(図7参照)(600 mg ,1.32 mmol )のDMF(17 ml
)溶液にNaSSO 2 CH 3 (230 mg ,1.72 mmol )を加え、55℃に加熱した。20時
間後、溶液を冷却し、溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc
:ヘキサン =9:11)を用いて残渣を精製し、得られた固体をEt2 O/ヘキサン
から再結晶し、白色固体の1i(566 mg ,88%)を得た:mp 128 - 129℃(Et 2 O/ヘキサン);[α]27 D = + 53.2 (c 0.92 ,CHCl3 );IR(KBr) 1739
cm-1 (C = O )、1325,1129 cm-1 (S - SO 2);1H NMR (500 MHz ,CDCl3
,COSY)δ1.97,2.04,2.09,2.14 ( s ×4, 3H×4,Ac ×4)、3.37 - 3
.40(m ,2H ,- CH2 S - )、3.38(s ,3H ,CH3 SO2 - )、3.79(dt ,J d
10.5 Hz ,J t 5.8 Hz , 1H , - OCHH' - )、3.98 - 4.03(m ,2H, - OCH H' - ,H - 5 ) 、4.09 (dd ,J 5 - 6 2.5 Hz ,J 6 - 6 ' 12.5 Hz ,1H ,
H - 6 )、4.26(dd ,J 5 - 6 ' 5.6 Hz ,J 6 - 6 ' 12.5 Hz ,1H ,H - 6'
)、4.85(d ,J 1 - 2 0.7 Hz ,1H , H - 1 )、5.23 - 5.29(m ,3H ,H
- 2, H - 3, H - 4);13C NMR(50 MHz ,CDCl3 )δ20.6,20.7,20.8( C H3COO - ×4)、35.7 (- CH2 S - )、50.8(CH 3 SO 2 - )、62.5 (- OCH 2 - )、66.0,66.8 ,69.0,69.2,69.3(C - 2 ,C - 3 ,C - 4 ,C - 5 ,C
- 6 )、97.7(C - 1 )、169.7,169.9,170.0,170.6( CH3 COO - ×4);
HRMS m / z (FAB+):測定値 487.0954(M+H+):C17 H27 O12 S2 理
論値 487.0944。
調製 N2 気流下、4i(図7参照)(1g ,2.2 mmol )のMeOH(10 ml )懸濁液
にNaOMe(0.143M ,0.7 ml )を加えた。3時間後、得られた溶液をドウェック
ス(Dowex)50W (H + )プラグ(2×1cm ,溶出液はMeOH)に通し、溶媒を除
去した。フラッシュクロマトグラフィー(MeOH:EtOAc =2:25)を用いて残渣
を精製し、白色泡状の2−ブロモエチルα−D−マンノピラノシド(4d)(図
7参照)(606 mg ,96%)を得た(反応物質としての4dの使用については既
に文献に記載されているが、調製の詳細および特性については記載されていない
、ニルソン(Nilsson)らに付与された米国特許第4,918,009号、参照として本明
細書中に取り入れておく):[α]26 D = +50.7 (c 0.91 ,H2 O );IR(KBr)
3417 cm-1 (OH); 1H NMR (500 MHz ,D2 O ,COSY)δ3.38 - 3.44(m ,
3H ,H - 4,- CH2 Br - )、3.50 - 3.55(m ,2H ,H - 5,H - 6 )、3.60(
dd ,J 2 - 3 3.5 Hz ,J 3 - 4 9.7 Hz ,1H,H - 3 )、3.66(dd ,J 5 - 6 ' 4.6 Hz ,J 6 - 6' 11.2 Hz ,1H,H - 6' )、3.68(ddd ,J 4.6 Hz ,J
5.4 Hz ,J 11.7 Hz ,1H , - OCHH' - )、3.76(dd ,J 1 - 2 1.8 Hz
,J 2 - 3 3.5 Hz ,1H,H - 2)、3.81(ddd ,J 5.1 Hz ,J 6.5 Hz ,J
11.7 Hz ,1H , - OCHH' - )、4.71(d ,J 1 - 2 1.8 Hz ,1H , H - 1
);13C NMR(100 MHz ,D2 O )δ32.1 (- CH2 Br - )、61.7 (- OCH2 -
)、67.5,68.4 ,70.7,71.3,73.8(C - 2 ,C - 3 ,C - 4 ,C - 5 ,C -
6 )、100.5(C - 1 );HRMS m / z (FAB+):測定値 308.9985(M+Na+ ):C 8 H 15 O 6 79 Br Na理論値308.9950。N2 気流下、4d(図7参照)
(245 mg ,0.85 mmol )のDMF(10 ml )溶液にNaSSO 2CH 3 (150 mg ,1.12
mmol )を加え、50℃に加熱した。16時間後、溶液を冷却し、溶媒を除去した。
フラッシュクロマトグラフィー(MeOH:EtOAc =1:9)を用いて残渣を精製し
、吸湿性のの1d(図7参照)(217 mg ,80%)を得た:[α]29 D = +58.0 (
c 1.34 ,H2 O );IR(KBr) 3441 cm-1 (OH)、1314,1132 cm-1 (S - SO 2 ); 1H NMR (500 MHz ,D 2 O )δ3.31(t ,J 5.8 Hz ,2H ,- CH2 S - )
、3.35(s ,3H ,CH3 SO2 - )、3.45 (t ,J 9.6 Hz ,1H ,H - 4 )、3.49
(ddd ,J4 - 5 9.8 Hz ,J5 - 6 5.8 Hz ,J5 - 6' 1.9 Hz ,1H , H - 5
)、3.55(dd ,J 5 - 6 5.8 Hz ,J 6 - 6' 12.1 Hz ,1H ,H - 6 )、3.60
(dd ,J 2 - 3 3.4 Hz ,J 3 - 4 9.0 Hz ,1H ,H - 3 )、3.66(dt ,J d 1
0.7 Hz ,J t 5.7 Hz , 1H , - OCHH' - )、3.69(dd ,J 5 - 6 ' 1.9 Hz
,J 6 - 6' 12.1 Hz ,1H ,H - 6' )、3.77(dd ,J 1 - 2 1.6 Hz ,J 2 - 3 3.4 Hz ,1H,H - 2)、3.83(dt ,J d 11.0 Hz ,J t 5.9 Hz , 1H , - O
CHH' - )、4.72(d ,J 1 - 2 1.6 Hz ,1H , H - 1 );13C NMR(125 MH
z ,D2 O )δ36.7 (- CH2 S - )、50.7(CH3 SO2 - )、61.9 (- OCH2 -
)、66.7,67.7 ,70.9,71.5,74.0(C - 2 ,C - 3 ,C - 4 ,C - 5 ,C - 6
)、100.8(C - 1 );HRMS m / z (FAB+):測定値 319.0528(M+H+)
:C 9 H 19 O 8 S 2理論値 319.0521。
エチルメタンチオスルフォネート(1j)の調製 N2 気流下、0℃で1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−α,β−D−
ガラクトース(5e)(図7参照)(5.1 g,13.1 mmol )およびBr(CH 2 ) 2 O
H(1.15 ml ,16.2 mmol )のCH 2 Cl 2溶液(24ml )にBF 3・Et 2 O(8.5 ml
,67.0 mmol )を滴下した。1時間後、この溶液を室温まで加温した。24時間後
、反応液を氷水(20ml)に入れ、CH2 Cl2(30ml×3回)で抽出した。これらの
抽出液を合わせ、水(20ml)、飽和NaHCO3(水溶液、20ml)、水(20ml)で洗
浄し、乾燥し(MgSO4 )、ろ過後溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィ
ー(EtOAc : ヘキサン=1:3)により残渣を精製し、白色固体の2−ブロモエ
チル−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシド(
4j)(図7参照)(4.01g ,67%)を得た:mp 116 - 117 ℃(EtOAc / ヘキ
サン)(コーレス(Coles)らの文献 J. Am. Chem. Soc., 60: 1020 - 1022 (1
938) においては、mp 111 ℃(EtOH)。ダーメン( Dahmen )らの文献 「2−
ブロモエチルグリコシド類(2 - Bromoethyl Glycosides - Synthesis and Char
acterization )」、Carbohydr. Res., 116: 303 - 307 (1983) においては、mp
114 - 116℃(EtOH / 軽石油エーテル)。これら文献を参照として本明細書中
に取り入れておく)。;[α]27 D = - 3.8 (c 0.81 ,CHCl3 )(ダーメン( D
ahmen )らの文献 「2−ブロモエチルグリコシド類(2 - Bromoethyl Glycosid
es - Synthesis and Characterization )」、Carbohydr. Res., 116: 303 - 30
7 (1983) においては、[α]23 D = - 5 (c 1.4 ,CDCl3 )。本文献を参照とし
て本明細書中に取り入れておく);1H NMR (200 MHz ,CDCl 3 )δ1.98,2.
05,2.08,2.15 ( s ×4, 3H×4,Ac ×4)、3.43 - 3.50(m ,2H )、3.
75 - 3.95(m ,2H )、4.12 - 4.24(m ,3H )、4.53(d ,J 1 - 2 8 Hz ,
1H , H - 1 )、5.02(dd ,J 2 - 3 11 Hz ,J 3 - 4 3 Hz ,1H ,H - 3 )
、5.23(dd ,J 1 - 2 8 Hz ,J 2 - 3 11 Hz ,1H,H - 2)、5.40(br d ,J
3 - 4 3 Hz ,1H,H - 4 )。N2 気流下、4j(図7参照)(223 mg ,0.49 m
mol )のDMF(6ml )溶液にNaSSO 2CH 3 (85 mg ,0.63 mmol )を加え、55℃
に加熱した。30時間後、溶液を冷却し、溶媒を除去した。フラッシュクロマトグ
ラフィー(EtOAc:ヘキサン =1:1)を用いて残渣を精製し、白色泡状の1j
(図7参照)(198 mg ,83%)を得た:[α]27 D = +9.1 (c 1.41 ,CHCl3
);IR(フィルム) 1747 cm-1 (C = O)、1320,1133 cm-1 (S - SO 2 ); 1H
NMR (500 MHz ,CDCl 3 )δ1.98,2.05,2.09,2.15 ( s ×4, 3H×4
,Ac ×4)、3.35(s ,3H ,CH3 SO2 - )、3.35 - 3.38(m ,2H ,- CH2 S
- )、3.84(ddd ,J 6.1 Hz ,J 7.1 Hz ,J 10.5 Hz ,1H ,- OCHH' -
)、3.92(td ,J4 - 5 1.1 Hz ,J t 6.6 Hz ,1H , H - 5 )、4.10 - 4
.21 (m ,3H ,H - 6 ,H - 6', - OCHH' - )、4.52(d ,J 1 - 2 8 Hz
,1H,H - 1)、5.01(dd ,J 2 - 3 10.3 Hz ,J 3 - 4 3.5 Hz ,1H ,H - 3
)、5.20(dd ,J 1 - 2 8.0 Hz ,J 2 - 3 10.3 Hz ,1H,H - 2)、5.40( d
d ,J 3 - 4 3.5 Hz ,J 4 - 5 1.1 Hz ,1H,H - 4 );13C NMR(100 MHz ,
CDCl3 )δ20.6,20.7,20.8(CH3COO - ×4)、36.1 (- CH2 S - )、50.6
(CH3 SO2 - )、61.2 (- OCH2 - )、67.0,68.3 ,68.5,70.8,71.0(C - 2
,C - 3 ,C - 4 ,C - 5 ,C - 6 )、101.3( C- 1 )、169.5,170.0,170
.1,170.4( CH3 COO - ×4);HRMS m / z (FAB+):測定値 487.0936(M
+H+):C17 H27 O12 S2 理論値 487.0944。
の調製 N2 気流下、4j(図7参照)(778 mg ,1.71 mmol )のMeOH(10 ml)懸濁
液にNaOMe(0.104M ,0.8 ml )を加えた。4時間後、得られた溶液をドウェッ
クス(Dowex)50W (H + )プラグ(3×1cm ,溶出液はMeOH)に通し、溶媒を
除去し、白色の2−ブロモエチルβ−D−ガラクトピラノシド(4e)(図7参
照)(450 mg ,92%)を得(不安定な4eの合成については既に文献に記載さ
れている。ダーメン( Dahmen )ら、「グリコシド合成における2−ブロモエチ
ルグリコシド類、4,2−ブロモエチルグリコシド類:α−L−Fuc - (1 - >2
) - D - Galおよびβ - D - Gal - (1- >4) - D - Glunac を含む糖タンパク
質の調製(2 - Bromoethyl Glycosides , 4,2 - Bromoethyl Glycosides in Gly
coside Synthesis - Preparation of Glycoproteins Containing α−L−Fuc
- (1 - >2) - D - Gal andβ - D - Gal - (1- >4) - D - Glunac )」、Ca
rbohydr. Res., 125: 237 - 245 (1984)。参照として本明細書中に取り入れてお
く)、すぐに次の反応に使用した。N2 気流下、4e(図7参照)(290 mg ,1.
01 mmol )のDMF(12 ml )溶液にNaSSO 2CH 3 (180 mg ,1.34 mmol )を加え
、50℃に加熱した。15時間後、溶液を冷却し、溶媒を除去した。フラッシュクロ
マトグラフィー(MeOH:EtOAc =1:9)を用いて残渣を精製し、白色泡状の1
e(図7参照)(229 mg ,71%)を得た: [α]27 D = +2.9 (c 0.58 ,H2 O
);IR(フィルム) 3358 cm-1 (br , O - H )、1306,1120 cm-1 (S - SO 2 ); 1H NMR (500 MHz ,D 2 O ,COSY)δ3.29 - 3.33(m ,2H ,- CH2 S
)、3.30(dd ,J 1 - 2 7.7 Hz ,J 2 - 3 10.0 Hz ,1H,H - 2)、 3.35(s
,3H ,CH3 SO2 - )、3.43(dd ,J 2 - 3 10.0 Hz ,J 3 - 4 3.6 Hz ,1H
,H - 3 )、3.48(ddd ,J4 - 5 0.9 Hz ,J5 - 6 4.3 Hz ,J5 - 6' 7.9 H
z ,1H ,H - 5 )、3.52(dd ,J5 - 6 4.3 Hz ,J6 - 6' 11.7 Hz ,1H
,H - 6 )、3.57(dd ,J5 - 6 ' 7.9 Hz ,J6 - 6' 11.7 Hz ,1H ,H - 6
' )、3.70( dd ,J 3 - 4 3.6 Hz ,J 4 - 5 0.9 Hz ,1H,H - 4 )、3.80(
dt ,J d 11.2 Hz ,J t 6.1 Hz , 1H , - OCHH' - )、4.01(dt ,J d 11.
4 Hz ,J t 5.8 Hz , 1H , - OCHH' - )、4.24(d ,J 1 - 2 7.7 Hz ,1H
,H - 1);13C NMR(100 MHz ,D 2 O )δ36.7 (- CH2 S - )、50.8(CH 3 SO 2 - )、61.9 (- OCH 2 - )、69.2,69.6 ,71.7,73.7,76.2(C - 2
,C - 3 ,C - 4 ,C - 5 ,C - 6 )、104.0( C- 1 );HRMS m / z (FAB
+):測定値 319.0523(M+H+):C9 H19 O8 S2 理論値 319.0521 。
−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−β−D−グルコピラノシル)エチ
ルメタンチオスルフォネート(1k)の調製 N2 気流下、0℃で1,2,3,6−テトラ−O−アセチル−4−O−(2,3
,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−β−D−グ
ルコピラノシド(5f)(図7参照)(5 g,7.4 mmol )およびBr(CH 2 ) 2 OH
(0.65 ml,9.2 mmol )のCH 2 Cl 2溶液(15 ml )にBF 3・Et 2 O(4.0 ml ,
31.5 mmol )を滴下した。1時間後、この溶液を室温まで加温した。20時間後、
反応液を氷水(15 ml )に入れ、CH 2 Cl 2(20 ml×2回)で抽出した。これら
の抽出液を合わせ、水(20 ml)、飽和NaHCO3(水溶液、20 ml)、水(20 ml)
で洗浄し、乾燥し(MgSO4 )、ろ過後溶媒を除去した。残渣をフラッシュクロマ
トグラフィー(EtOAc : ヘキサン=1:1)により精製し、白色泡状の2−ブロ
モエチル−2,3,6−トリ−O−アセチル−4−O−(2,3,4,6−テトラ
−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−β−D−グルコピラノシド(
4k)(図7参照)(2.94g ,53%)を得た:[α]27 D = - 7.8 (c 1.28 ,CH
Cl3 )(ダーメン( Dahmen )らの文献 「2−ブロモエチルグリコシド類(2
- Bromoethyl Glycosides - Synthesis and Characterization )」、Carbohydr
. Res., 116: 303 - 307 (1983) においては、[α]23 D = - 11 (c 1.3 ,CHCl3 )。本文献を参照として本明細書中に取り入れておく); 1H NMR (500 MHz
,CDCl3 )δ1.94,2.02,2.02 ( s ×3, 3H×3,Ac ×3)、2.04 ( s ,
6H,Ac ×2)、2.10,2.13( s ×2, 3H×2,Ac ×2)、3.38 - 3.46(m ,
2H ,- CH2 Br - )、3.59(ddd ,J5' - 6''' 2.2 Hz ,J 4.9 Hz ,J 9.9
Hz ,1H ,H - 5' )、3.75 - 3.80 (m ,2H ,H - 4' ,- OCHH' - )、3.85
(td ,J4 - 5 1.1 Hz ,J t 6.9 Hz ,1H , H - 5 )、4.03 - 4.12 (m
,4H ,H - 6 ,H - 6',H - 6'' ,- OCHH' - )、4.45(d ,J 1 - 2 7.8 H
z ,1H,H - 1)、4.48(dd ,J 5' - 6''' 2.2 Hz ,J 6'' - 6''' 12.1 Hz ,
1H ,H - 6''' )、4.50(d ,J 1' - 2' 7.9 Hz ,1H,H - 1')、4.89(dd
,J 1' - 2' 7.9 Hz ,J 2' - 3' 9.6 Hz ,1H,H -2')、4.92(dd ,J 2 - 3 10.5 Hz ,J 3 - 4 3.4 Hz ,1H,H - 3)、5.08( dd ,J 1- 2 7.8 Hz ,J 2 - 3 10.5 Hz ,1H,H - 2 )、5.18(t ,J 9.6 Hz ,1H,H - 3')、5.32(
dd ,J 3 - 4 3.4 Hz ,J 4 - 5 1.1 Hz ,1H,H - 4)。N2 気流下、4k(図
7参照)(357 mg ,0.48 mmol )のDMF(6 ml )溶液にNaSSO2 CH 3 (87 mg
,0.65 mmol )を加え、50℃に加熱した。22時間後、溶液を冷却し、溶媒を除
去した。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン =11:9)を用いて
残渣を精製し、白色泡状の1k(図7参照)(327 mg ,88%)を得た::[α]2 7 D = - 3.7 (c 1.0 ,CHCl3 );IR(KBr) 1751 cm-1 (C = O)、1323,113
4 cm-1 (S - SO2) ; 1H NMR (500 MHz ,CDCl3 ,COSY )δ1.94,2.02,2.
02 ,2.04,2.04 ,2.11,2.13( s ×7, 3H×7,Ac ×7)、3.29 - 3.40(m
,2H ,- CH2 S - )、 3.32(s ,3H ,CH3 SO2 - )、3.59(ddd ,J4' - 5' 9.9 Hz ,J 5' - 6'' 4.9 Hz ,J 5' - 6''' 2.2Hz ,1H ,H - 5' )、3.7
7(t ,J 9.5 Hz ,J t 6.6 Hz ,1H , H - 4' )、3.79 - 3.86 (m ,2H
,H - 5 ,- OCHH' - )、4.03 - 4.13 (m ,4H ,H - 6 ,H - 6' ,H - 6''
,- OCHH' - )、4.46(d ,J 1 - 2 7.8 Hz ,1H,H - 1)、4.50(d ,J 1 ' - 2' 8.0 Hz ,1H ,H - 1' )、4.52(dd ,J 5' - 6''' 2.2 Hz ,J 6'' - 6''' 11.9Hz ,1H,H - 6''' )、4.87(dd ,J 1' - 2' 8.0 Hz ,J 2' - 3' 9.6 Hz ,1H,H -2')、4.93(dd ,J 2 - 3 10.5 Hz ,J 3 - 4 3.5 Hz ,1H
,H - 3)、5.08( dd ,J 1- 2 7.8 Hz ,J 2 - 3 10.5 Hz ,1H,H - 2 )、5
.17(t ,J 9.3 Hz ,1H,H - 3')、5.32(dd ,J 3 - 4 3.5 Hz ,J 4 - 5
1.0 Hz ,1H,H - 4);13C NMR(125 MHz ,CDCl3 ,DEPT )δ20.5,20.7,
20.8,20.9(q×4,CH3COO - ×7)、36.0 (t,- CH2 S - )、50.6(q,CH 3 SO 2 - )、60.7 ,61.6,68.5(t×3,- OCH2 - ,C - 6 ,C - 6' )、66.
5,69.0 ,70.6,70.9,71.3 ,72.6,72.8,76.0(d×8,C - 2 ,C - 3 ,C
- 4 ,C - 5 ,C - 2' ,C - 3' ,C - 4' ,C - 5' )、100.7,101.1(d×2
, C- 1 , C- 1')、169.1,169.7,169.7,170.1,170.2,170.3,170.4(s×
7,CH3 COO - ×7);HRMS m / z (FAB+):測定値 775.1793(M+H+):
C29 H43 O20 S2 理論値 775.1789 。
ルメタンチオスルフォネート(1f)の調製 N2 気流下、4k(図7参照)(877 mg ,1.18 mmol )のMeOH(6 ml)溶液
にNaOMe(0.1M ,0.6 ml )を加えた。3時間後、反応液をドウェックス(Dowe
x)50W (H + )プラグ(4×1cm ,溶出液はMeOH)に通し、溶媒を除去し、白
色泡状の2−ブロモエチル4−O−β−D−ガラクトピラノシル−β−D−グル
コピラノシド(4f)(図7参照)(476 mg ,90%)を得、すぐに次の反応に
使用した。N2 気流下、4f(図7参照)(476 mg ,1.06 mmol )のDMF(24 ml
)溶液にNaSSO 2 CH 3 (185 mg ,1.38 mmol )を加え、50℃に加熱した。21
時間後、溶液を冷却し、溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(CHCl 3 :MeOH:AcOH:H2O =60:30:3:5)を用いて残渣を精製し、吸湿性泡状の
1f(図7参照)(346 mg ,68%)を得た: [α]28 D = +1.5 (c 1.66 ,H2 O);IR(KBr ) 3416 cm-1 (br , O - H )、1311,1131 cm-1 (S - SO2);
1H NMR (400 MHz ,D2 O ,COSY)δ3.10 - 3.13(m ,1H ,H - 2)、3.30
(t ,J 6.0 Hz ,2H,- CH2 S - )、 3.31(dd ,J 1' - 2' 7.8 Hz ,J 2 ' - 3' 10.3 Hz ,1H,H -2')、3.34(s,3H ,CH3 SO2 - )、.3.38 - 3.54(
m , 5H )、3.44(dd ,J 2' - 3' 10.3 Hz ,J 3' - 4' 3.3 Hz ,1H ,H - 3
' )、3.57(dd ,J 8.4 Hz ,J 14.4 Hz ,1H )、3.59(dd ,J 4.9 Hz
,J 7.3 Hz ,1H )、3.70(br d ,J3' - 4' 3.3 Hz ,1H ,H - 4' )、
3.77( dd ,J 1.0 Hz ,J 11.5 Hz ,1H )、3.79 - 3.83(m , 1H , - OC H H' - )、3.97 - 4.02(m , 1H , - OCHH' - )、4.22(d ,J 1' - 2' 7
.8 Hz ,1H,H - 1' )、4.33(d ,J 1 - 2 7.8 Hz ,1H,H - 1 );13C NMR
(125 MHz ,D2 O )δ36.7 (- CH2 S - )、50.8(CH 3 SO2 - )、61.0
,62.1,69.4 ,69.6,71.9,73.5,73.7,75.3,75.9,76.4,79.3(- OCH2 -
,C - 2 ,C - 3 ,C - 4 ,C - 5 ,C - 6 ,C - 2' ,C - 3' ,C - 4' ,C
- 5' ,C - 6' )、103.3, 103.9( C- 1,C - 1' );HRMS m / z (FAB+
):測定値 503.0886(M+Na+):C 15 H 28 O 13 S 2 Na 理論値 503.086
9。
(Subtilisin Bacillus lentus 、”SBL”)突然変異体の修飾に関する一般的方
法 約25mgの酵素を含む突然変異酵素(SBL - N62C , - L217Cまたは - S166C )
の1.25mlの凍結アリコートを解凍し、ポリプロピレン製試験管内の1.25mlの修飾
緩衝液(下記参照)に加えた。この溶液に0.2Mのグリコ−MTS反応溶液100μl(
1a,g−kはMeCN溶液、1b−fは水溶液(図8参照))を加えた。混合物の
入った試験管をシールし、渦動撹拌し、室温で上下回転装置に入れた。修飾が完
了した時点で(サクシニル−Ala - Ala - Pro - Phe−p−ニトロアニリド[ε41 0 =8800 M -1 cm-1 ](ボヌー(Bonneau )ら、「S1およびS1' 結合部位にお
ける部位特異的突然変異によるサブチリシンBPN' の特異性の変更(Alteration
of the Specificity of Subtilisin BPN' by Site - Directed Mutagenesis in
its S1 and S1' Binding - Sites )」、 J. Am. Chem. Soc., 119: 1026 - 103
0 (1991)、本文献を参照として本明細書中に取り入れておく)を基質とし、0.00
5%のツイーン80(Tween 80)、1%のDMSO を含む0.1 Mのトリス(Tris )- H
Cl緩衝液(pH 8.6 )中で一定の活性を示し、エルマン(Ellman's )反応試薬(
ε412 =13600 M -1 cm-1 )(エルマン(Ellman)ら、 Biochem. Pharmacol.
, 7: 88 - 95 (1961) 、本文献を参照として本明細書中に取り入れておく)を用
いた滴定において溶液中に遊離のチオール基が検出されないことによって判定し
た)、さらに50μlの修飾反応液を加え、混合物を上下回転装置に入れてさらに1
0分間撹拌した。充填済み、平衡化済みのG - 25 セファデックス(Sephadex )P
D10カラムに反応液を流し、3.5 mlのクエンチ緩衝液(下記参照)を用いて溶出
した。4℃で10 mM のMES および1mM のCaCl 2(pH 5.8)に対して反応液を透
析した(2×1L,2×45分)。得られた透析物は液体窒素中で急速冷凍し、−
18℃で保存した。
) 化学修飾した突然変異酵素(”CMMs”)全体の遊離チオール含量は、リン酸緩
衝液( 0.25 M 、pH 8.0 )中で エルマン(Ellman's )反応試薬(エルマン(
Ellman)ら、 Biochem. Pharmacol., 7: 88 - 95 (1961) 、本文献を参照とし
て本明細書中に取り入れておく)を用いて滴定し、分光光度計によって測定した
。すべての場合において遊離のチオールは検出されなかった。修飾酵素の分析は
、ファルマシア ファスト−システム(Pharmacia Phast - system)上、pH 4.2
において非変性グラジエント(8〜25%)ゲル中を陽極方向に泳動させることに
より分析し、1本のバンドを示した。ES - MS 分析を行う前に、ソース15RPCマ
トリックス(Source 15 RPC matrix )(17 - 0727 - 20 、ファルマシア(Phar
macia )、ニュージャージー州ブリッジウォーター)を用いたFPLC(バイオラド
(BioRad)、生物学的システム(Biologic System )、カリフォルニア州ハーキ
ュレス)によってCMMsを精製したが、このとき、移動緩衝液として5%のアセト
ニトリルおよび0.01%のTFA を用い、一段階濃度勾配により、80%のアセトニト
リルおよび0.01%の TFA を用いて溶出した。MS m / z (ES - MS ):N62C -
S - a (図8参照)計算値 27049、測定値 27051;N62C - S - b (図8参照
)計算値 26925、測定値 26928;N62C - S - c (図8参照)計算値 26925、
測定値 26928;N62C - S - d (図8参照)計算値 26925、測定値 26925;N6
2C - S - e (図8参照)計算値 26925、測定値 26925;N62C - S - f (図8
参照)計算値 27087、測定値 27087;N62C - S - g (図8参照)計算値 270
93、測定値 27096;N62C - S - Et - β- Glc (Ac) 2 (図8参照)計算値 27
009、測定値 27015;N62C - S - Et - β- Glc (Ac) 3 (図8参照)計算値 2
7051、測定値 27053;N62C - S - i (図8参照)計算値 27093、測定値 270
98;N62C - S - Et - β- Gal (Ac) 3 (図8参照)計算値 27051、測定値 27
051;N62C - S - k (図8参照)計算値 27381、測定値 27386;L217C - S -
β- Glc (図8参照)計算値 26882、測定値 26879 ;L217C - S - β- Glc (
Ac) 2 (図8参照)計算値 26966、測定値 26962;L217C - S - β- Glc (Ac) 3 (図8参照)計算値 27008、測定値 27006;L217C - S - b (図8参照)
計算値 26926、測定値 26928;L217C - S - c (図8参照)計算値 26926、
測定値 26925; L217C - S - d (図8参照)計算値 26926、測定値 26925;
L217C - S - e (図8参照)計算値 26926、測定値 26928; L217C - S - f
(図8参照)計算値 27088、測定値 27087;L217C - S - Et - α- Glc (Ac) 2 計算値 27010、測定値 27012; L217C - S - Et - β- Glc (Ac) 3 計算値
27052、測定値 27056 ;L217C - S - Et - α- Man (Ac) 3 計算値 27052
、測定値 27056 ;L217C - S - Et - β- Gal (Ac) 3 計算値 27052、測定値
27053 ;L217C - S - Et - Lac (Ac) 6 計算値 27340、測定値 27342 ;S1
66C - S - a (図8参照)計算値 27076、測定値 27080 ;S166C - S - b (
図8参照)計算値 26952、測定値 26955 ;S166C - S - c (図8参照)計算
値 26952、測定値 26950 ;S166C - S - d (図8参照)計算値 26952、測定
値 26952 ;S166C - S - e (図8参照)計算値 26952、測定値 26952 ;S16
6C - S - f (図8参照)計算値 27114、測定値 27112 ;S166C - S - Et -
α- Glc (Ac) 3 計算値 27078、測定値 27078 ;S166C - S - Et - β- Glc
(Ac) 2 計算値 27036、測定値 27040 ; S166C - S - Et - β- Glc (Ac) 3 (主要量)、S166C - S - h (微量)およびS166C - S - Et - β- Glc (Ac) 2 (微量)を含む 計算値 27078(主要量)、27120(微量)、27036(微量)、
測定値 27081(主要量)、27121(微量)、27036(微量);S166C−S−Et−α
−Man(Ac) 3 計算値 27078、測定値 27085;S166C - S - Et - β- Gal (Ac) 3 計算値 27078、測定値 27079 ;S166C - S - Et - Lac (Ac) 5 計算値
27324、測定値 27331 。
的方法 本方法においては、二量体化を防ぐために凍結乾燥粉末として保存していたS1
56Cのみを使用した。ポリプロピレン製の試験管に約25〜30mgの凍結乾燥したS15
6Cをはかり取った。これを以下の修飾緩衝液(2.5ml)に溶解した。
を行い、適切なクエンチ緩衝液を用いた。MS m / z (ES - MS ):S156C - S
- a (図8参照)計算値 27076、測定値 27079;S156C - S - b (図8参照)
計算値 26952、測定値 26955;S156C - S - c (図8参照)計算値 26952、
測定値 26952;S156C - S - d (図8参照)計算値 26952、測定値 26952;S
156C - S - e (図8参照)計算値 26952、測定値 26952;S156C - S - f (
図8参照)計算値 27114、測定値 27115;S156C - S - g (図8参照)計算値
27120、測定値 27123;S156C - S - h (図8参照)計算値 27120、測定値
27122;S156C - S - i (図8参照)計算値 27120、測定値 27123;S156C -
S - j (図8参照)計算値 27120、測定値 27120;N62C - S - k (図8参照
)計算値 27408、測定値 27411 。
イン突然変異体の修飾後のグリコ−CMM (glyco - CMM )のアセチル化レベルを
測定し、以下の表1および2に記載する。
ン 急速凍結して保存していたSBL突然変異体の修飾に関する一般的方法としては
、0.5mlのアリコートに相当する1.26mgの L217C - S - β- Glc (Ac) 3 をMTS反
応試薬の不在下で2時間インキュベートしたところ、 L217C - S -β- Glc を単
一生成物として得た。MS m / z (ES - MS):L217C - S -β- Glc 計算値 26
882 ,測定値 26885。
極およびフッ化スルフォニル阻害剤を用いたセリンプロテアーゼ類の活性部位の
滴定(Active - Site Titration of Serine Proteases Using a Fluoride - Ion
Selective Electrode and Sulfonyl Fluoride Inhibitors )」、Anal. Bioche
m., 242: 221 - 227 (1996)、本文献を参照として本明細書中に取り入れておく
)に従って測定したが、この方法は、フッ化物(フルオライド)イオン感受性電
極(オリオン・リサーチ(Orion Research 96 - 09 ))によって測定を行い、
α−トルエンスルフォニルフルオライド(α− toluenesulfonyl fluoride , PM
SF )を用いて酵素反応によるフッ化物の放出をモニターするものである。この
ようにして測定した活性酵素濃度は各CMM についてのkcat 値の計算に使用した
。
いて、0.005%のツイーン80(Tween 80 )および1%のジメチルスルホキシド(
”DMSO ”)を含む0.1Mのトリス(Tris )−HCl緩衝液(pH 8.6 )中、サクシ
ニル−AAPF - pNA を基質とし、9種類の濃度(0.125mM〜3.0mM)において初期
速度データを求め、曲線適応(グラフィットR 3.03(GraFitR 3.03 )(エリサ
カス・ソフトウェア(Erithacus Software )社、イギリス、ミドルセックス州
ステインズ)により測定した(ε410 =8800 M -1 cm-1 )((ボヌー(Bonnea
u )ら、 J. Am. Chem. Sci., 119: 1026 - 1031 (1990)、本文献を参照として
本明細書中に取り入れておく))。
よるタンパク質の部位選択的グリコシル化の制御 グリコシル化の方法を幅広くテストする目的で、システイン突然変異に関して
、別異の位置に存在し、特性の異なる4つのSBL部位を選択した。S1ポケット(
シェクターの命名法(Nomenclature of Schechter )、バーガー(Berger )、
Biochem. Biophys. Res. Commun., 27: 157 - 162 (1967 )、本文献を参照とし
て本明細書中に取り入れておく)に存在するS156は表面に露出している残基であ
ることから、天然に存在する糖タンパク質に見出されるグリカンに類似した外向
きに露出しているグリカンを導入することができる(「分子糖生物学(Molecula
r Glycobiology )」、フクダ(Fukuda )ら編、オックスフォード大学、オック
スフォード(1994)、本文献を参照として本明細書中に取り入れておく)。これと
は対照的に、S2 ポケット内に存在するN62 、S1 ポケット内に存在するS166、お
よびS1' ポケット内に存在するL217は、内側に向かっている側鎖を有しており、
妨害を受ける位置において糖の導入法の適応性を試みた。代表的な一連の保護さ
れたまたは保護されていないメタンチオスルフォネート(”MTS”)の単糖類お
よび二糖類1a−k(図8参照)を用い、糖部位に関して幅広い適応性を評価し
た。これらの物質は、それぞれの親化合物である炭水化物から良好〜高い収率で
調製された(図6(反応試薬および反応条件:(i)Ac2O , ピリジン、次にHBr ,
AcOH ;(ii) NaSSO 2 CH 3 , EtOH , 90 ℃ ;(iii) Br(CH 2 )2 OH , BF3 ・
Et 2 O 次にAc 2O , ピリジン;(iv) NaSSO2 CH3 , DMF , 50 ℃ ;(v) NaOMe
, MeOH ;(vi)Ac 2O , ピリジン、次にBr(CH 2)2 OH , BF 3 ・ Et 2 O , DCM
)および図7(反応試薬および反応条件:(i) Ac 2O , ピリジンを用いた場合、
5dについては92%、5eについては99%、Ac 2O , NaOAc を用いた場合、5
fについては82%;(ii)Br(OH)2 OH , BF3 , Et2 O , DCM を用いた場合、4i
については70%、4jについては67%、4kについては53%;(iii) NaOMe , Me
OH を用いた場合、4dについては96%、4eについては92%、4fについては9
0%;(iv) NaSSO2 CH3 , DMF , 50 ℃ を用いた場合、1dについては80%、1
eについては71%、1fについては68%、1iについては88%、1jについては
83%、1kについては88%))。D−グルコースから2つのタイプのグリコシル
化反応試薬、アノメリックメタンチオスルフォネート1aおよびエチル連結を有
するメタンチオスルフォネート1b、c、g、hを調製した(2a、図6)。完
全に保護されている1a、g、hおよび保護されていない1b、cを調製するこ
とにより、立体的なかさおよび疎水性を増す効果があることが予測された。図6
に示すように、エチル連結していないMTS試薬1aは、 NaSSO 2 CH 3 を用い、
アセトブロモグルコース(3)(シューラー(Scheurer )らの記載(J. Am. Ch
em. Soc., 76: 3224 (1954))に従い、D−グルコースから調製した。本文献を
参照として本明細書中に取り入れておく)から容易に調製することができた。1
b、gの調製については、2−ブロモエタノールを用いてD−グルコース(2)
をフィッシャー(Fischer )グリコシル化することによってα結合したエチル基
を導入した。テトラアセチルブロミド 4gを NaSSO2 CH3 と反応させること
により、パーアセチル化α−グルコ−MTS 1gを90%という高収率で調製する
ことができた。ブロミド 4gのゼンプレン(Zemplen )脱アシル化(ゼンプレ
ン(Zemplen )ら、Ber. Dtsch. Chem. Ges., 56: 1705 1710 (1923) 、本文献
を参照として本明細書中に取り入れておく)、およびそれに続くメタンチオスル
フォネートイオンによるブロミドの置換はスムーズに進行し、完全に脱保護され
たα−グルコ−MTS 1bが収率69%で得られた。β−D−グルコ−MTS 反応試
薬である1cおよび1hは、それぞれC - 1 位置に関する1bおよび1gのエピ
マーであり、対応するパーアセチル化β−ブロミド 4hから調製した。4hの
調製については、アルコール類によるアノメリックアセテート類のルイス(Lewi
s )酸触媒置換を用いる定法を利用した(ダーメン( Dahmen )ら、「2−ブロ
モエチルグリコシド類(2 - Bromoethyl Glycosides - Synthesis and Characte
rization )」、Carbohydr. Res., 116: 303 - 307 (1983)、本文献を参照とし
て本明細書中に取り入れておく)。保護されたブロミドである4hから対応する
パーアセチル化β−グルコ−MTS反応試薬(1h)および保護されていないβ−
グルコ−MTS(1c)を調製したが、この方法はエピメリ化α−グルコ−MTS反応
試薬の調製に使用した方法と基本的には同一である。従って、 NaSSO2 CH3 を
用いることにより、4hから1hが収率78%で得られ、続いて脱保護を行うこと
により4c(ヘルファーリッヒ(Helferrich )らの文献 Just. Lieb. Ann. Che
m., 541: 1 - 16 (1939)、本文献を参照として本明細書中に取り入れておく)か
ら1cが収率68%(4hに対する収率)で得られた。同様な反応経路により、C
- 2 位置に関する1bおよび1gのエピマーであるα−D−マンノ−MTS反応試
薬1dおよび1i、ならびにC - 4 位置に関する1cおよび1hのエピマーであ
るβ−D−ガラクト−MTS反応試薬1eおよび1jが同様に効率的に得られた(
図7)。パーアセチル化ジサッカライド ラクト−MTS反応試薬(1k)および
全く保護されていないジサッカライド ラクト−MTS反応試薬(1f)を調製す
ることにより、本方法をオリゴサッカライドに適用できることが示され、このと
き、ラクトース(2f)からの収率は全体的に良好であり、それぞれ38%および
27%であり、残基内結合の解裂は生じなかった。
Lett., 6: 2501 - 2512 (1996);バーグルンド(Berglund )ら、J. Am. Chem.
Soc., 199: 5265 - 5266 (1997) ;デサンティス(DeSantis )ら、Biochem.,
37: 5968 - 5973 (1998)、これらの文献を参照として本明細書中に取り入れてお
く)、水性緩衝液中において、システイン突然変異体のうちから選択したSBL−N
62C、−S156C、−S166Cおよび−L217Cとグリコ−MTS反応1a−k(図8参照)
を反応させた。これらの反応は迅速かつ定量的であり、特異活性の変化をモニタ
ーすることにより、およびエルマン(Ellman )反応試薬を用いて遊離チオール
を滴定すること(エルマン(Ellman)ら、 Biochem. Pharmacol., 7: 88 - 95
(1961) 、本文献を参照として本明細書中に取り入れておく)により判断した。
グリコシル化した化学修飾突然変異体(CMMs )は分子量排除クロマトグラフィ
ーおよび透析によって精製し、その構造は、以下の表3に示すように、正確なES
- MS 分析(±7Da )によって確認した。
とから、これらの純度が高いことが確認できた。得られたCMM溶液の活性酵素濃
度は、フッ化物イオン感受性電極を使用し、α−トルエンスルフォニルフルオラ
イド(PMSF)を用いた活性部位滴定によって決定した(ヒシア(Hsia)ら、「フ
ッ化物イオン選択的電極およびフッ化スルフォニル阻害剤を用いたセリンプロテ
アーゼ類の活性部位の滴定(Active - Site Titration of Serine Proteases Us
ing a Fluoride - Ion Selective Electrode and Sulfonyl Fluoride Inhibitor
s )」、Anal. Biochem., 242: 221 - 227 (1996)、本文献を参照として本明細
書中に取り入れておく)。すべての場合において、全く保護されていない反応試
薬1b〜f(図8参照)を用いた修飾では部位特異的グリコシル化が起こり、ま
た一種類のグリコ体が生成した。さらに、保護されたMTS反応試薬1a、g〜k
(図8参照)を用いた修飾の場合、アセチル化のレベルが制御可能な生成物が得
られた。pHの調整をおこない、グリコシル化部位を適切に選択することにより、
アセチル化状態の異なるSBLのグリコ体を調製した。pHを制御することによって
アセチル化レベルを調節することができるという能力により、容易に推定するこ
とができるグリコ−CMMの構造的多様性が非常に広がり、その範囲については、S
BL−N62C、−S156C、−S166Cおよび−L217C(図9)を用いた1a(図8参照)
の反応によって調査した。
5における反応試薬1a(図8参照)を用いたL217Cの修飾では、完全なイン・サ
イチュー(in situ )脱アセチル化が起こり、生成物は完全に脱保護されたグリ
コシル化−SBLであるL217C−S−β−Glc のみであった。これとは対照的に、pH
9.5において反応試薬1a(図8参照)を用いたN62C、S156CおよびS166Cの反応
においては、それぞれ完全にアセチル化された生成物であるN62C−S−a(図8
参照)、S156C−S−a(図8参照)、S166C−S−a(図8参照)のみが得られ
た。脱アセチル化に対するpHの影響を調べる目的で、1a(図8参照)を用いた
L217Cの反応を取り上げた。pH7.5および5.5においては、生成物は2個および3
個のアセテート基を保持しており、217C−S−β−Glc (Ac)2 およびL217C−S
−β−Glc (Ac)3 を生成した。すべての場合において、部位選択性が完全に保
持されていた。
供することができた。pH9.5の水溶液中においてはアセテートエステルは化学的
に若干不安定であるが、pH7.5および5.5においては安定である(グリーン(Gree
ne )ら、「有機合成における保護基群(Protective Groupe in Organic Synthe
sis )」第2版、ニューヨーク、ウィレー(Wiley )社(1991)、本文献を参照
として本明細書中に取り入れておく)。同一の反応条件下において、L217Cと他
の3種の突然変異体N62C、S156CおよびS166Cとの間では、修飾中における挙動に
顕著な差異があることから、修飾に先立って脱アセチル化が起こる可能性は消失
した。さらに、217番の位置は分子内部に向かう側鎖が結合しており、表面に露
出した156番の位置に対する修飾では脱アセチル化の徴候を示さなかったことは
特筆すべきである。この知見から、イン・サイチュー(in situ )化学的脱アセ
チル化または酵素による分子間の脱アセチル化のいずれの可能性も消失した。ま
たさらに、分子内で脱アセチル化を行うSBLの能力については、pH9.5におけるL2
17C−S−β−Glc (Ac)3 の反応によって確認した。一般的な修飾反応条件下に
おいて、1a(図8参照)反応試薬を用いずにL217C−S−β−Glc (Ac)3 をイ
ンキュベートすることにより、L217C−S−β−Glc を単一生成物として得た(
図9)。
を用いたSBL−N62C、−S156C、−S166Cおよび−L217Cの反応を参照し、アセチル
化の状態が異なるグリコシル化CMM の小さなライブラリーを調製することによっ
て明らかにした。指標としてSBLの野生型(”WT”)およびCMM のpH活性プロフ
ァイルを用い、pH5.5および6.5を選択して脱アセチル化を最小限にとどめた。一
般的には、SBLおよびSBL−CMMsの特異活性は、pH7.5以下においては活性レベル
が急激に低下し、pH5.5においては至適pH(8.5〜9.5)におけるそれよりも5〜2
0%低い(デサンティス(Desantis )ら、「ひとつの部位における化学修飾によ
ってセリンプロテアーゼのpHプロファイルに顕著なシフトをもたらすことができ
る(Chemical Modifications at a Single Site Can Induce Significant Shift
s in the pH Profiles of a Serine Protease )」、J. Am. Chem. Soc., 120:
8582 - 8586 (1998 )、本文献を参照として本明細書中に取り入れておく)。予
測していたように、このような加水分解活性の低下は、1g〜k(図8参照)を
用いたこれらの修飾による生成物に由来するものであり、これらの生成物はすべ
ての場合において2個以上のアセテート基を保持していた。
セチル基が脱アセチル化したグリコ−CMM であるL217C−S−Et−α−Glc (Ac)2 およびS166C−S−Lac (Ac )5 以外は、1個のアセチル基が脱アセチル化した
CMM が得られた。2個のアセチル基が脱アセチル化したグリコ−CMM が生成す
ることは、ジサッカライドMTS反応試薬である1k(図8参照)に2個の一級ア
セテートが存在することに由来しているものと考えられる。一般的に、酵素によ
る分子間脱アセチル化条件下においては、一級アセテート基の方が二級アセテー
ト基よりも不安定である(バシャー(Bashir )ら、「酵素を用いた炭水化物の
エステル化および脱エステル化−p−ヒドロキシベンズアルデヒドの天然に存在
するラムノシドの合成およびリパーゼを触媒とする数種のアリルピラノシドに対
するアシル化の系統的研究(Enzymatic Esterification and De - Esterificati
on of Carbohydrates - Synthesis of Naturally Occuring Rhamnopyranoside
of P - Hydroxybenzaldehyde and a Systematic Investigation of Lipase - Ca
talyzed Acylation of Selected Arylpyranosides)」、 J. Chem. Soc., Perki
n Trans. I, 2203 - 2222 (1995) 本文献を参照として本明細書中に取り入れて
おく)。対照的に、SBL−S156Cを用いた反応においては、完全にアセチル化され
たCMMであるS156C−S−g〜k(図8参照)のみが得られた。156番の位置に存
在する表面に露出したグリカンに対しては、いずれも脱アセチル化が起こらない
という知見は、分子内の酵素触媒メカニズムには分子内部に向かっているアセテ
ート基を要するという事実と一致する。興味のあることに、SBL−N62C の反応は
1g〜k(図8参照)のアノメリック立体配置によっても確認され、α−MTS反
応試薬1gおよびi(図8参照)を用いた場合にはすべてのアセテート基が保持
された生成物が得られ、一方、β−MTS反応試薬1h、jおよびk(図8参照)
を用いた場合にはアセチル基が1個はずれた生成物が得られた。pH6.5における
修飾により、容易に生成することができるアセチル化グルコ−CMMの範囲がさら
に拡充した。例えば、62番の位置においては、pH5.5において生成されるトリア
セチル化されたN62C−S−Et−β−Glc (Ac)3 の代わりに、ジアセチル化β−
グルコースを導入することができ、N62C−S−Et−β−Glc (Ac)2 が生成され
る。166番の位置におけるアセチル化の範囲も、S166C−S−Et−β−Glc (Ac)3
の代わりにS166C−S−Et−β−Glc (Ac)2 が生成することによって拡充した
。
−p−ニトロアニリド(Suc - AAPF - pNA )の加水分解に関するkcat およびK M を測定することによって判定した。生成した48種のCMM の反応速度パラメー
ターをWTおよび表3に示す非修飾突然変異体のそれらと比較した。図8に示す非
常に選択的かつ制御された方法により、構造的に関連性があるモノサッカライド
であるD−グルコース、D−ガラクトースおよびD−マンノース、さらに、立体
的にかさ高いジサッカライドであるラクトースを導入することができた。得られ
たグリコシル化CMM について、構造活性相関に関して詳細かつ正確な組分けを行
った(図10〜12参照)。
インに変更したことに起因してkcat /KM が1/2.3に減少したが、これは、グ
リコシル化を行うことによって部分的に回復した(図10A )。エチル連結したα
−グルコース、β−グルコース、β−ガラクトースまたはα−マンノースをN62C
に導入することによりkcat /KM が増加し、kcat /KM がWTの1/1.5〜1/
2に低下したN62C −S−b−eが生成した。ジサッカライドを導入したラクト
−CMM−N62C −S−f(図8参照)は、その立体的かさおよび親水性の高さにも
関わらず、N62C よりも高い活性を示し、kcat /KM の低下はWTの1/1.7にす
ぎなかった。
、L217Cのkcat /KM 値がWTの1/4であったことによって示されるように、本
質的にかなり劇的であった(図10B)。保護されておらず、エチル連結していな
いグルコースを導入してL217C−S−β−Glc を生成することにより、kcat /KM 値はさらにWTの1/6にまで低下した。対照的に、217番の位置において、エ
チル連結したMTS反応試薬1b〜f(図8参照)を用いてグリコシル化すること
によって活性が回復し、L217C−S−b〜f(図8参照)のkcat /KM 値は同程
度であり、WTの1/2.5〜1/3.1の範囲であった。エチル連結しているL217C−
S−b−f(図8参照)としていないL217C−S−β−Glc との間のこの大きな
差異は、疎水性のLeu を非常に親水性の強い炭水化物部位と置換することに関し
てSBLが寛容であることを示しており、このような炭水化物部位は直接結合したC
ys −S−β−Glc よりも疎水性エステルのスペーサー基を介して連結した方が
好ましい。このことは、アミダーゼ活性を有効に発揮するためには、SBLのS1 '
サブサイト内に近接して結合している疎水性残基の存在が構造上不可欠であるこ
とを示唆しており、また、同様なCys −S−β−Glc 置換によってエステラーゼ
活性が顕著な増強を示すことと明らかな対比をなしている。
とにより、kcat /KM 値は1/1.4に低下した(図10C)。次に、保護されてい
ないS−Et−β−Glc ・側鎖b(図8参照)を導入することにより、S156C−S
−b(図8参照)のkcat /KM 値はWTの1/2.3に低下した。S156C−S−b〜
−f(図8参照)においては、kcat /KM 値は弧を描くように変化し、ピーク
はS156C−S−d(図8参照)の場合であって、このときのkcat /KM 値はWTの
1/1.9であり、以後一様に減少してS156C−S−f(図8参照)ではkcat /KM
値はWTの1/3に低下した。これらのS156 CMM についてのKM 値はSBL−WTに
ついてのそれと同等であることから、これらの修飾が基底状態の結合には影響を
及ぼさないことが示唆され、かつ、S156の側鎖が表面に露出した方向であること
と一致する。
変更することによってkcat /KM 値は1/2.5に低下したが、この低下は、1b
(図8参照)を用いて修飾することによって増幅され、S166C−S−b(図8お
よび10D参照)はkcat /KM 値がWTの1/3に低下した。S166C−S−b〜−f
(図8参照)においては、kcat /KM 値はS166C−S−f(図8参照)まで一様
に減少したが、このS166C−S−f(図8参照)はS1 結合部位に立体的にかさ
高いジサッカライドであるラクトースが結合しており、kcat /KM 値はWTの1
/3.8であった。
については、SBLにアセチル化側鎖a、g〜k(図8参照)を導入することによ
って生じるkcat /KM 値が非常に多様に変化したことによって示された。これ
らの劇的な変化は、保護されていない側鎖であるb〜f(図8参照)の場合には
変化に乏しかったことと対照的である。例えば、62番の位置においては、異なる
減少−増加パターンが観察された(図11A)。このことから、テトラアセチル化
α−グルコ−CMM であるN62C −S−g(図8参照)のkcat /KM 値はWTよりも
1.1倍高かった。同様な異なるパターンは217番の位置(図11B)および166番の位
置(図11D)においても観察された。156番の位置については変化が小さかったが
、このことは、側鎖が表面に露出した方向であることと一致する(図11C)。
ル化CMM のそれらと比較した(図12)。本実験においては、アセチル化による
効果をグリコシル化による効果と分けて調べ、修飾による基本的な効果について
詳細を調べることができるようにした。図12から明らかなように、アセチル化グ
リカンのアノメリック立体化学がkcat /KM 値を調節していた。
をN62C −S−g(図8参照)およびN62C −S−Et−β−Glc (Ac)2、3 と比較
したところ、N62C −S−b(図8参照)からN62C −S−d(図8参照)へとア
セテート基の数が0から4に増加することによって、α−グルコ側鎖b(図8参
照)に対してkcat /KM 値が1.6倍増加することが示された。対照的に、N62C
−S−c(図8参照)から N62C −S−Et−β−Glc (Ac)2 or 3 へとアセテ
ート基の数が0から2または3に増加することはβ−グルコ側鎖cに対して不利
であり、kcat /KM 値は1/2に低下した。同様に、N62C −S−Et−β−Gal
(Ac)3 は、N62C −S−e(図8参照)よりもきわめて低いkcat /KM 値を示し
、この値はWTの1/5であった。アセチル化によるkcat /KM 値のこのような
変化は、基底状態の結合が増加または減少することによって明確に表れ、最も顕
著な例としては、N62C −S−Et−β−Gal (Ac)3 が挙げられ、kcat /KM 値は
、保護されていないガラクト−CMM であるN62C −S−e(図8参照)の2.4倍で
あった。
することにより、アセテート基を0個、2個または3個有するエチル基を結合し
ていないβ−D−グルコースを217番の位置に導入することができた。図12Bに示
すように、2個または3個のアセテート基を付加することにより、L217C−S−
β−Glc ではkcat /KM 値がWTの1/6であったが、L217C −S−Et−β−Glc
(Ac)2 またはL217C −S−Et−β−Glc (Ac)3 においてはWTの1/2まで戻
った。このことは、アセチル化によって活性の微調整をすることができ、かつ、
これらのCMMのエステラーゼkcat /KM値も同時に増加することを示している。
観察され、62番の位置と同様に、アセチル化はα−連結CMM に関しては有効であ
ったが、β−連結CMM に対しては不利であった。例えば、α−連結グルコース部
位においてアセテート基の数を0から2に増やす(すなわち、L217C −S−b(
図8参照)からL217C −S−Et−α−Glc (Ac)2 にする)ことにより、kcat /
KM値 はWTの1/2まで増加した。対照的に、エピメリ化したβ−連結部位にお
いてアセテート基の数を0から3に増やす(すなわち、L217C −S−c(図8参
照)からL217C −S−Et−β−Glc (Ac)3にする)ことにより、WTの1/2であ
ったkcat /KM値 が1/6まで低下した。同様に、α−連結したL217C −S−Et
−α−Man (Ac)3 は、対応する保護されていないL217C −S−d(図8参照)
よりもkcat /KM値 が1.5倍であり、逆に、L217C −S−Et−β−Gal (Ac)3
は、対応する保護されていないβ−連結したL217C −S−e(図8参照)の1/
2であった。
セチル化による変化はごくわずかであり、アノメリック立体化学によって生じる
多様性は観察されなかった(図12C)。アセテート基の数を0から4に増やす(S
156C −S−b〜−e(図8参照)からS156C −S−g〜−j(図8参照)にす
る)ことにより、kcat /KM値は1/1.05から1/1.6に減少した。156番の位置
においては、立体的に最もかさ高いラクトース側鎖(−k)(図8参照)が結合
した場合にkcat /KM値 が最低になり、WTの1/3.2であったことから、SBLの表
面であっても、立体的にかさ高い基を導入することにより、kcat /KM値を変化
させることが可能であることが示唆された。
アノメリック立体配置によってアセチル基が増加したことによる効果が変化した
(図12D)。しかしながら、これらの増加および減少の方向性は逆であった。
アセチル化はβ−連結したCMM には有効であったが、α−CMM には不利であった
。例えば、α−連結したS166C−S−Et−α−Glc (Ac)3 のkcat /KM値は、対応
する保護されていないS166C−S−b(図8参照)の1/1.8であり、一方、β−
連結したS166C−S−Et−β−Glc (Ac)2, 3 の kcat /KM値は、対応する全く保
護されていないS166C−S−c(図8参照)の1.6倍であった。繰り返して述べる
が、これらの多様性は、基底状態の結合の変化によって表れたものである。例え
ば、S166C−S−Et−α−Man (−d)(図8参照)からS166C−S−Et−α−Ma
n (Ac)3 にすることによってKM は1.4倍増加した。
ており、かさ高いジサッカライド側鎖f(図8参照)の4つの位置のすべてにつ
いてアセチル化を行うことにより、kcat /KM値は全体的に低下した。例えば、6
2番の位置においてヘプタアセチル化を行う(N62C−S−f(図8参照)からN62
C−S−k(図8参照)にする)ことにより、kcat /KM値はWTの1/3に低下し
た。側鎖k(図8参照)の立体的なかさが大きいにも関わらず、このように低下
したことについては、KM が大きくなったとよりもむしろkcat 値がN62C−S−f
(図8参照)の1/2になったことによるものである。事実、N62C−S−k(図
8参照)のKM値はN62C−S−f(図8参照)の1/1.3であった。同様に、L217C
−S−Et−Lac (Ac)6 およびL217C −S−Et−Lac (Ac)5 のkcat /KM値はそれ
ぞれ、対応する保護されていないCMM の1/1.7および1/1.4であった。
択的グリコシル化に活用した。この方法は一般的で応用範囲が広く、あらかじめ
決定している部位において、タンパク質の位置特異的およびグリカン特異的グリ
コシル化を行うことに関する最初の実施例に含まれている純粋なグリコ体の調製
を行うことが可能になった。SBLによって触媒される新規な分子内脱アセチル化
を慎重に制御することにより、本方法の範囲が大きく拡張され、また、パーアセ
チル化したMTS反応試薬1a,g〜k(図8参照)を用いたSBL−N62C 、−S156C
、−S166Cおよび−L217Cの反応により、アセチル化レベルを正確に調節すること
によってグリカンを導入することが可能になった。
選択性の高いグリコシル化技術を利用することなしには、このように正確な傾向
は確認し得ず、従来実施されていた非特異的グリコシル化によって生じた多様性
は、一般的な法則によって説明付けし得るものである。炭水化物の構造の微妙な
差異を利用して、SBLの活性を精密に調整することが可能であることが明らかに
なっている。例えば、アセチル化した状態においては、グリカンのアノメリック
立体化学により、kcat /KM値の変化を調節することができる。62番および217番
の位置においては、アセチル化によってα−連結CMM では活性が増強されるが、
β−連結CMM では低下した。この傾向は166番の位置においては逆であり、アセ
チル化によってβ−連結CMM ではkcat /KM値が大きくなるが、α−連結CMM で
は小さくなった。156番の位置においては、表面に露出している状態と整合して
、変化はより穏やかではあったが、ジサッカライドであるラクトースを用いてグ
リコシル化を行うことにより、活性を部分的に制御することができた。これらの
結果は、グリカンおよびグリコシル化部位を正しく選択することによって活性の
調節を行うことについての大きな可能性を示すものである。
より、基質特異性を広げる可能性も生じる。例えば、水素結合している一連のヒ
ドロキシル基に関して、グリコシル化アミノ酸などの水素結合基質に対する特異
性を広げることができる。サブチリシン類は糖タンパク質の合成を触媒する目的
で使用されてきた(ウィッテ(Witte )ら、「サブチリシンを触媒とする糖タン
パク質カップリングの基質としてのベンジル型のN−保護糖タンパク質エステル
の液相および固相合成(Solution - and Solid - Phase Synthesis of N - prot
ected Glycopeptide Esters of the Benzyl Type as Substrates for Subtilisi
n - Catalyzed Glycopeptide Couplings )」、J. Am. Chem. Soc., 120: 1979
- 1989 (1998) ;ワン(Wong )ら、「N−連結およびO−連結糖タンパク質の酵
素を用いた合成(Enzymatic Synthesis of N - Linked and O - Linked Glycope
ptides )」、J. Am. Chem. Soc., 115: 5893 - 5901 (1993 ) 、これらの文献
を参照として本明細書中に取り入れておく)。しかしながら、これらの酵素が本
来有している特異性は、グリコシル化された残基が形成されたアミド結合から少
なくとも1残基分離れた距離にある(P2・P3''' またはP' 2・P'3''' )ペプチ
ドの結合に限定されていた。例えば、H - Gly - Ser (Ac 3 GlucNAcβ) - NH 2
をもちいてZ - Gly - OBz を連結する場合は首尾良く行えるが、H−Ser (Ac 3
GlucNAcβ) - NH 2 を用いた場合には生成物が得られなかった(ウィッテ(Witt
e )ら、J. Am. Chem. Soc., 120: 1979 - 1989 (1998 )、本文献を参照として
本明細書中に取り入れておく)。本明細書中において水素結合基として示されて
いるS1およびS1 ' サブ部位に糖類を導入することにより、親水性基質に対する
プロテアーゼの特異性を広げることができる。
択することにより、糖側鎖の性質が異なることに伴う活性の変化を調べることに
よってSAR を測定することができる。例えば、立体中心をC - 4 →C - 1 →C -
2 と移動することによる影響は、e→c→b→d(図8参照)という一連のCMM
を用いることによって測定することができる。本実施例においてはタンパク質の
例としてSBLを用いて説明しているが、本方法が如何なるタンパク質のグリコシ
ル化についても適用できることは明らかであり、また、部位およびコンジュゲー
トしている可能性のあるグリカンについての制限はない。従って、本方法を用い
ることにより、治療上重要な如何なる炭水化物認識決定因子をも導入することが
可能であり、その一例として、肝のアシアロ糖タンパク質レセプターのリガンド
に相当する、eおよびf(図8参照)のβ−D−ガラクトピラノシル部位が挙げ
られる(シャロン(Sharon )ら、Essays Biochem., 30: 59 - 75(1995) 、本文
献を参照として本明細書中に取り入れておく)。
ol., 7: 88 - 95 (1961) 、本文献を参照として本明細書中に取り入れておく)
(ε412 =13600 M -1 cm-1 )を用い、0.005容量%のDMSO および37.5 mM の
エルマン(Elleman )反応試薬をDMSO に溶解した1容量%溶液を含む0.1Mのト
リス(Tris )−HCl(pH 8.6)中、0.15Mおよび0.30Mのサクシニル−AAPF - S
Bn を基質とし、低濃度基質近似法を用いて求めた特異性定数を間接的に測定し
た。
解した1容量%溶液を含む0.1Mのトリス(Tris )−HCl緩衝液(pH 8.6 )中で
、エルマン(Elleman )反応試薬を用いて間接的に測定した後、25℃において、
サクシニル−AAPF - pNA を基質とし、8種類の濃度(31.25μM〜3mM )におい
て初期速度データを求め、曲線適応(グラフィットR 3.03(GraFitR 3.03 )(
エリサカス・ソフトウェア(Erithacus Software )社、イギリス、ミドルセッ
クス州ステインズ)により、ミカエリス−メンテン(Michaelis - Menten )定
数を測定した。
ついて、反応試薬1a〜k(図8参照)を用いて表4に示すグリコ−CMM を調製
し、記載に従って精製し、様々な特性を明らかにした。
マン(Elleman )反応試薬(エルマン(Ellman)ら、 Biochem. Pharmacol., 7
: 88 - 95 (1961) 、本文献を参照として本明細書中に取り入れておく)を用い
、基質であるサクシニル−Ala - Ala - Pro - Phe - SBn ( suc - AAPF - SBn
)からチオベンジルアルコールが放出されることによって間接的に測定した。エ
ステラーゼ活性を迅速にスクリーニングすることができるように、低濃度基質(
[S] <<KM )を使用し、このことによって反応の初期速度からkcat /KM を直
接求めることができた。スクリーニングの結果は表4に示す。
62番の位置を修飾することにより、得られた一連の5個の酵素のkcat /KM 値が
増加した。これらの酵素は同程度のkcat /KM 値を有しており、その値はWTの1.
3〜1.9倍であった(図13A)。α−連結が存在することは活性にとって明らかに
マイナスであり、N62C−S−Et−β−Glc (−c)(図8参照)のkcat /KM 値
はそのエピマーである N62C−S−Et−α−Glc(−b)(図8参照)の1.2倍で
あり、WTの1.9倍であった。さらにまた、α連結を有するN62C−S−Et−α−Man
(−d)(図8参照)のkcat /KM 値はこの群内で最小であり、WTの1.3倍であ
った。
い糖側鎖b〜f(図8参照)のうちの任意のものを導入することにより、いずれ
もkcat /KM 値が増加した(図13B)。しかしながら、この部位におけるグリコ
シル化の効果はさらに劇的であり、L217C−S−Et−β−Gal (−e)(図8参
照)のkcat /KM 値はWTの3.4倍であった。L217C−S−β−Glc およびL217C−
S−Et−β−Glc (−c)(図8参照)のkcat /KM 値を比較することにより、
この位置にエチル連結を導入することが活性に与える影響を評価することができ
た。この導入によりkcat /KM 値は増加し、L217C−S−β−GlcではWTの1.8倍
であったが、L217C−S−Et−β−Glc (−c)(図8参照)ではWTの2.7倍にな
った。62番の位置においては、β−グリコ−CMM (−c、−e、−f)(図8
参照) の方がα−グリコ−CMM (−a、−d)(図8参照)よりもkcat /KM
値が大きかった。例えば、L217C−S−Et−β−Glc (−c)(図8参照)のkca t /KM 値はL217C−S−Et−α−Glc (−b)(図8参照)のそれの1.3倍であ
った。
されていないグリコCMM はいずれも同程度のkcat /KM 値を有しており、WTの1
/1.3〜1/2.1であった(図13C)。
することにより、kcat /KM 値が著しく低下した酵素が得られ、その値はWTの1
/10であった。しかしながら、続いて1b〜f(図8参照)を用いて修飾するこ
とにより、酵素活性の大部分は回復し(図13D)、S166Cの保護されていないグリ
コ−CMM であるS166C−S−b〜f(図8参照)は同程度のkcat /KM 値を有し
ており、その範囲はWTの1/1.1〜1/1.4であった。
において観察された傾向とは全く逆に、アセチル化N62C CMM のkcat /KM 値 は
ばらついていた。α−連結CMM にアセテートを導入することにより、これらに対
応する保護されていないグリコ−CMMよりもkcat /KM 値が増加した(図14A )
。すなわち、N62C−S−Et−α−Glc(Ac)4 (−b)(図8参照)およびN62C −
S−Et−α−Man(Ac)4 (−d)(図8参照)のkcat /KM 値はそれぞれWTの1.9
倍および1.6倍であった。β連結CMM に対してはアセチル化は明らかに不利であ
り、N62C−S−Et−β−Gal(Ac)3 、N62C−S−Et−β−Glc(Ac)2 およびN62C−
S−Et−β−Glc(Ac)3 のkcat /KM 値はすべてWTよりも低かった。しかしなが
ら、CMM内に存在するアセテートの数が増えると活性が回復した:N62C−S−Et
−β−Glc(Ac)3 のkcat /KM 値はWTの1/1.3であり、N62C−S−Et−β−Glc(
Ac)2 のそれの1.5倍であった。立体的にかさ高い側鎖を有するラクトシル化N62C
CMM であるN62C−S−Et−Lac(−f)(図8参照)およびN62C−S−Et−Lac(
Ac)7(−k)(図8参照)のkcat /KM 値は、その大きさにもかかわらず、単糖
類(モノサッカライド)が結合したCMM のそれらと同程度であった。このことは
、図8に示すグリコシル化法の汎用性に関する明確な例示であり、本方法を用い
ることにより、SBLの触媒能力を保持しながら、活性部位に非常に大きな構造体
を導入することが可能であることを示している。
において、アセチル化反応試薬である1a、g〜k(図8参照)を用いて修飾を
行うことにより、WTよりもkcat /KM 値が大きいCMM が得られた(図14B)。連
結を有していないグリコ−CMMに関しては、アセテートの数が増すとkcat /KM
値が劇的に増加し、その度合いは、L217C−S−β−GlcではWTの1.8倍であった
ものがL217C−S−β−Glc(Ac)2 になるとWTの2.4倍となり、L217C−S−β−Gl
c(Ac)3 になるとWTの3.2倍となり、これはアミダーゼの反応速度において観察さ
れた傾向と同様であった。エチル連結L217C−グリコ−CMM に関しては、N62C−
グリコ−CMM およびL217C−グリコ−CMMのアミダーゼ反応速度において観察され
たように、アセチル化による効果はアノメリック立体化学に応じて変化した。α
−連結CMM をアセチル化することによってkcat /KM 値は増加したが、β−連結
CMM をアセチル化するとkcat /KM 値は低下した。このことはL217C−S−Et−
β−Gal(Ac)3 において最も顕著に表れ、このときのkcat /KM 値はWTのわずか
1.1倍であり、L217C−S−Et−β−Gal(−e)の1/3.1であった。保護されて
いないL217C−グリコ−CMMにおける効果とは対照的に、アセチル化L217C−グリ
コ−CMMの活性は、エチル連結を導入することによって減少した。例えば、L217C
−S−Et−β−Glc(Ac)3 のkcat /KM 値はWTの1.4 倍であったことと比較する
と、L217C−S−β−Glc(Ac)3 のkcat /KM 値はWTの3.2 倍であった。
、対応するアセチル化していないグリコ−CMM と比較した場合に、反応速度定数
の差がほとんどなく(図14C)、この知見は、156番の位置の側鎖が表面に露出し
ているという性質と一致するものであった。エチル連結を導入することによって
kcat /KM 値が増加し、S156C−S−β−Glc(Ac)4(−a)(図8参照)ではWT
の1/2.6であったkcat /KM 値がS156C−S−Et−β−Glc(Ac)4(−h)(図8
参照)ではWTの1/1.5になった。
−CMM に対するアセチル化の影響により、対応する保護されていないグリコ−CM
M に比べてkcat /KM 値が低下した(図14D)。例外として、エチル連結β−グ
リコ−CMM であるS166C−S−Et−β−Glc(Ac)2 および L217C−S−Et−β−Gl
c(Ac)3 が挙げられ、これらのkcat /KM 値 はそれぞれWTの1.4倍および1.7倍で
あった。この部位においてkcat /KM 値がWTよりも大きくなったグリコ−CMM は
わずか2個しか調製することができず、この例は、糖を正しく選択することが酵
素活性の調節に必須であることを示している。62番の位置および217番の位置に
おいて観察された効果とは対照的に、アセチル化CMM の活性に関しては糖部位へ
のα連結は不利であり、S166C−S−Et−α−Glc(Ac)3 のkcat /KM 値 はWTの
1/1.9であって、S166C−S−Et−β−Glc(Ac)3 のそれと対照的であった。ア
セチル化CMM およびアセチル化していないCMM の両方について立体的にかさ高い
ラクトース部位を導入することによってS166C−S−Et−Lac(−f)(図8参照
)およびS166C−S−Et−Lac(Ac)3 を得たが、これらのkcat /KM 値は低く、そ
れぞれWTの1/1.4 および1/2.3であった。
ーゼを決定した。L217C−S−β−Glc(Ac)3 、L217C−S−Et−α−Man(Ac)3お
よびL217C−S−Et−β−Gal (−e)(図8参照)は、初期速度法によって求
められた独立したkcat 値およびKM 値を有していた。結果を表5に示す。
Gal (−e)(図8参照)についてのスクリーニングによって確認された結果と
よく一致しており、これら2つの酵素の活性はそれぞれWTの3.6倍および3.5倍で
あることがわかった。遷移状態の安定性が増してkcat 値がそれぞれWTの2倍お
よび2.3倍になったこと、ならびに基質結合性がより強固になってKM 値がそれぞ
れWTの1/1.8および1/1.5になったことにより、このような活性の増強が生じ
た。
は、kca 値がWTの2.3倍、KM 値がWTの1/3.6であったことから、kcat /KM 値
はWTの8.4倍になり、この値はスクリーニングによって求められた値の約2.5倍で
あった。スクリーニングによって得られたパラメーターと反応速度の全分析によ
って得られたそれらとが異なっていたことにより、低濃度基質スクリーニングの
限界が明らかになった。低濃度基質近似法を正確に行うためには、KM 値と比較
して基質濃度は低くなければならない。L217C−S−β−Glc(Ac)3 のKM 値(0.1
5 mM )は明らかに小さいため、この場合には近似が保持されなかった。WTと比
較した活性の増強については、部位特異的突然変異と化学修飾法とを組み合わせ
て用いることによって達成された増強の中ではこの場合が最大であった。
化の影響の差異については、(kcat /KM )エステラーセ゛/(kcat /KM )アミタ゛ーセ゛ 値、 すなわちE / A 値を用いる有益な方法によって比較することができる(図15参照
)。
かった。E / A 値の増加はα−連結またはβ−連結の存在によるものであり、β
−連結CMM であるN62C −S−Et−β−Glc(−c)(図8参照)、N62C −S−E
t−β−Gal (−e)(図8参照)、N62C −S−Et−Lac(−f)(図8参照)
は、α−連結CMM であるN62C −S−Et−α−Glc(−b)(図8参照)およびN6
2C −S−Et−α−Man(−d)(図8参照)よりもE / A 値が大きかった(図15
A)。これらの値の増加は、エステラーゼのkcat /KM 値の増加、およびアミダ
ーゼのkcat /KM 値の減少によるものである。
の位置におけるグリコシル化により、WTと比較してE / A 値が大幅に増加してい
る酵素が得られた。217番の位置に突然変異を起こしてシステインに変更するこ
とにより、E / A 値はWTの6.4倍になった。アセチル化していないβ連結糖であ
るS−β−Glc 、S−Et−β−Glc (−c)(図8参照)、S−Et−β−Gal
(−e)(図8参照)、S−Et−Lac(−f)(図8参照)を用いて修飾を行う
ことにより、E / A 値はさらに増加した(図15B)。対照的に、α−連結CMM のE
/ A 値は突然変異体のそれらより低かった。E / A 値についてのこのような変
化はエステラーゼのkcat /KM 値の変化と同調するものであり、アミダーゼのk cat /KM 値が逆の変化をすることによってさらに増幅される。エチル連結を導
入するとE / A 値は低下し、L217C−S−β−Glc ではWTの10.9倍であったが 、
L217C−S−Et−β−Glc(−c)(図8参照)ではWTの7.6倍になった。
のE / A 値はいずれも同程度であり、WTの1.2倍〜1.6倍の範囲であった(図15C
)。
D)、これはエステラーゼのkcat /KM 値が非常に低いことによるところが大き
い。S166Cを修飾することによってエステラーゼのkcat /KM 値がWTのそれとほ
ぼ同程度のレベルまで回復したこと、およびS166C−グリコ−CMMはWTと比較して
アミダーゼ活性が弱かったことから、関連のある一群のCMM は同程度のE / A 値
を示すはずであり、その値はすべてWTよりも大きく、システイン突然変異体より
も明らかに高かった(図15D)。
よびN62C −S−Et−α−Man(Ac)4 (−i)(図8参照)を除いては、N62C−
グリコ−CMM をアセチル化することによってE / A 値が減少した。しかしなが
ら、対応する保護されていないグリコ−CMMと同様に、アセチル化N62C−グリコ
−CMMのE / A 値はすべてWTより大きかった(図16A )。アセチル化のレベルを
上げるとE / A 値が増加し、N62C−S−Et−β−Glc(Ac)2 ではWTの2.1倍であっ
たものがN62C−S−Et−β−Glc(Ac)3 ではWTの3.0倍になった。エチル連結グ
リコ−CMM に関してはE / A 値の全体的な増加が観察されたにもかかわらず、連
結していないCMM N62C−S−β−Glc(Ac)4 (−a)(図8参照)のE / A 値
はWTとほぼ等しかった。
E / A 値はすべてWTより大きかった(図16B)。これらの対である保護されてい
ないグリコ−CMM と同様に、β−連結アセチル化−グリコ−CMM のE / A 値はL2
17C突然変異体のそれよりも大きく、逆に、α−連結アセチル化−グリコ−CMM
のE / A 値はL217C突然変異体のそれよりも低かった。実際、この部位において
修飾を行うことにより、E / A 値が非常に大きいCMM を生成することができ、L2
17C−S−β−Glc(Ac)3 のE / A 値はWTの17.2倍であった。L217Cの保護されて
いないグリコ−CMM とは対照的に、エチル連結を導入することによってE / A
値は減少し、L217C−S−β−Glc(Ac)3 ではWTの17.2 であったが、L217C−S
−Et−β−Glc(Ac)3 ではWTの9.2倍になった。連結していないL217Cアセチル化
−グリコ−CMMにおいては、アセテートの数が増えるとE / A 値も増加し、L217C
−S−β−Glc(Ac)2 ではWTの5.0倍であったが、L217C−S−β−Glc(Ac)3 で
はWTの17.2倍になった。
化することによってE / A 値が増加した(図16C)。故に、S156C−S−Et−β−
Glc(Ac)4 (−h)(図8参照)のE / A 値はWTの1.5倍であり、S156C−S−Et
−α−Glc(Ac)4 (−g)(図8参照)のE / A 値はWTの2.0倍であった。S156C
−S−Et−α−Man(Ac)4 (−i)(図8参照)のE / A 値は、アセチル化して
いない対であるS156C−S−Et−α−Man (−d)(図8参照)の1.3倍であっ
た。
に、グルコシル化CMM をアセチル化するとE / A 値が増加した(図16D)。その
他の糖部位は、アセチル化することによってすべてE / A 値が減少した。アセテ
ートの数を増やすとE / A 値も増加し、S166C−S−Et−β−Glc(Ac)2 のE / A
値はWTの2.7倍であったが、S166C−S−Et−β−Glc(Ac)3 ではWTの3.2倍であ
った。
が結合したサブチリシン・バチルス・レントゥス(subtilisin Bacillus lentu
s )のX線構造(ブルックハーヴェン・データベース・エントリー(Brookhaven
database entry IJEA )を用いた。インサイト II (Insight II )バージョン
2.3.0(バイオシム・テクノロジーズ(Biosym Technologies )社、カリフォル
ニア州サンディエゴ)を用いて酵素のセットアップを行った。最小化のための初
期状態の設定を行う目的で、反応速度の測定に使用したpH8.6において水素を添
加した。このことにより、すべてのリジンおよびアルギニン残基ならびにN末端
にプロトン(陽子)が付加され、すべてのグルタミン酸およびアスパラギン酸残
基およびC末端からプロトンが離脱した。64番のヒスチジン(His 64)のプロト
ン付加体をすべての計算において使用した。モデル系は、5Åの水分子層と溶媒
和させた。系の中の水分子の総数は1143個であった。このセットアップにおいて
得られた野生型酵素の酵素−阻害剤コンプレックスの全体的な電荷は+4であっ
た。固定原子価力場(CVFF )関数を用い、シリコン・グラフィクス・インディ
ゴ(Silicon Graphics Indigo )コンピューターを使用してディスカバー(DISC
OVER )プログラム バージョン2.9.3(バイオシム・テクノロジーズ(Biosym T
echnologies )社、カリフォルニア州サンディエゴ)を用いることにより、エネ
ルギーのシミュレーションを行った。スイッチ距離2Åを含む非結合カットオフ
距離を18Åとした。非結合対のリストは20サイクルごとに見直し、すべての計算
において誘電定数(比誘電率)を1とした。最初は水分子のみが動くことができ
、次に水分子とアミノ酸側鎖が動き、最後に酵素全体が動くという各段階におい
てWT酵素を最小化した。インサイト(Insight )のビルダーモジュール(Builde
r module )を用いて適切なアミノ酸を修飾することにより、突然変異し、化学
修飾した酵素を作出した。これらの構造体を同様の方法によって最小化した。最
初に、突然変異を起こした残基の側鎖および水分子を最小化した。次に、残基の
骨格を束縛した状態ですべての側鎖および水分子を最小化し、続いてすべての原
子を最小化した。最小化のすべての段階を通してAAPF 阻害剤は自由に動いてい
た。各段階におけるエネルギーの最小化は、まず、モース(Morse )理論または
交差理論によらず急速下降法によって、構造的な摂動に関するエネルギーの誘導
が5.0 kcal/Å以下になるまで行い、次に、モース(Morse )理論または交差理
論によらずコンジュゲートグラジエント法によって、構造的な摂動に関するエネ
ルギーの誘導が1.0 kcal/Å以下になるまで行い、最後に、モース(Morse )理
論または交差理論に基づき、コンジュゲートグラジエント法によって、構造的な
摂動に関する最終的なエネルギーの誘導が0.1 kcal/Å以下になるまで行った。
剤であるAAPF がSBL−CMM のひとつであるL217C−S−β−Glc(Ac)3 に結合し
ているものを分子モデルとして分子レベルで分析した。反応速度分析において使
用した基質はサクシニル−AAPF であったが、この部位は分子モデルにに採用し
なかった。なぜならば、SBLのX線構造においてサクシニル基の方向性が記録さ
れていなかったことから、結晶内での運動性が高いことが示唆されたからである
。
より、見かけのkcat /KM 値の変化は、グリコシル化−S−β−Glc(Ac)3 側
鎖がSBLのS1 ' ポケットを占有することと相関していることが明らかになった。
最小化された構造(図17)においては、グルコースのC−3、C−4およびC−
6置換体の酸素原子と周囲を取り囲んでいる溶媒中の水分子との間の水素結合相
互作用(点線で示している)によって形成されるネットワークによってグルコー
ス部位の位置が固定されていた。この溶媒和の広がりは、グルコースのC−2置
換体の方向に向かい、触媒作用を発揮する三点に至っていた。この配置において
は、C−2アセテート基のカルボニル酸素原子は水素結合(1.89Å)受容体とし
て作用し、本モデルにおいて基質アナログとして用いているAAPF のカルボキシ
末端に近接した位置において127番の水分子を不動化する。カルボン酸の酸素原
子に対する水素結合の様子を図17に示す。
かった(WTの1/2)のは、217番の位置においてグルコース部位がS1 ' ポケッ
トを占有していたためであることが示唆された。このことによってpNA 脱離基の
結合が効果的に阻止され、従って、アミダーゼ活性における律速段階であるアシ
ル−酵素中間体の形成速度が減少した。第二に、pNA が置換して共有結合アシル
−セリン(Ser )221 中間体を生成した後、図18に示すように、グルコースのC
−2アセテートの酸素原子の水素結合を介し、カルボニル炭素原子に近接した位
置において、グルコース部位が、きわめて重要かつ求核的な水分子(Wat 127 )
を不動化した。このことによってアシル−酵素中間体の加水分解が起こり、従っ
て、エステラーゼ活性における律速段階である脱アシル化速度が増した(ザーナ
ー(Zerner)ら、J. Am. Chem. Soc., 86: 3674 - 3679 (1964);ウィテーカー
(Whitaker )ら、J. Am. Chem. Soc., 87: 2728 - 2737 (1965);ベレズィン(
Berezin )ら、FEBS Lett., 15: 121 - 124 (1971)、これらの文献を参照として
本明細書中に取り入れておく)。
ゼ活性を劇的に増幅させることができる。部位特異的突然変異法および化学修飾
法を組み合わせて用いて合成したグリコシル化CMM のライブラリーには、WTより
も活性が高いCMM が22個含まれていた。S2 ポケット内の 62番の位置および S1 ' ポケット内の217番の位置においてグリコシル化を行ったところ、kcat /KM
値が最も大きく増加した。最も活性が高かったCMM であるL217C−S−β−Glc
(Ac)3 の kcat /KM 値はWTの8.4倍であり、これは本法を用いて合成したエス
テラーゼの中で最も活性が高いものであった。表面に露出している156番の位置
をグリコシル化した場合には、活性にほとんど変化がなく、このことは、そのよ
うな部位に糖を導入してもSBLの触媒活性にはほとんど影響を与えないことを示
している。
る特異性も大きく改善された。この値は、L217C−S−β−Glc(Ac)3 ではWTの1
7.2倍に増加した。エステラーゼ対アミダーゼの比が大きいことが望ましい場合
には、そのような酵素はペプチド合成に使用する酵素の非常に魅力的な候補であ
る。さらに、上述したCMM はこの用途に対して大きな可能性を有しており、これ
は、アミダーゼ活性の低下に加えて、エステル基質に対するこれらの酵素の触媒
効果が増強されることによってE / A値の増加が達成されているからである。
の目的のみのものであり、当業者であれば、請求の範囲によって定義される本発
明の本質および範ちゅうから逸脱することなく変更を加えることができることは
明らかである。
平行した合成方法を示す図
メタンチオスルホネート試薬との反応を示す図
ネートとサブチリシンバチルスレンタス−N62C,−S156C,−S166C,−L217Cとの反
応を示す図
分解活性SARを示すグラフ
解活性SARを示すグラフ
ラフ
Claims (42)
- 【請求項1】 化学的に修飾された突然変異体タンパク質であって、前駆体
タンパク質中でシステイン以外の残基に置換されたシステイン残基を含み、その
後該置換されたシステイン残基は糖化チオスルホネートと反応させることにより
修飾されることを特徴とする突然変異体タンパク質。 - 【請求項2】 前記タンパク質が酵素であることを特徴とする請求項1記載
の化学的に修飾された突然変異体タンパク質。 - 【請求項3】 前記酵素がプロテアーゼであることを特徴とする請求項2記
載の化学的に修飾された突然変異体タンパク質。 - 【請求項4】 前記プロテアーゼが、バチルスレンタスサブチリシンである
ことを特徴とする請求項3記載の化学的に修飾された突然変異体タンパク質。 - 【請求項5】 前記チオスルホネートが、アルキルチオスルホネートを含む
ことを特徴とする請求項1記載の化学的に修飾された突然変異体タンパク質。 - 【請求項6】 前記アルキルチオスルホネートが、メタンチオスルホネート
を含むことを特徴とする請求項5記載の化学的に修飾された突然変異体タンパク
質。 - 【請求項7】 前記システイン以外の残基が、アスパラギン、ロイシン、お
よびセリンからなる群より選択されるアミノ酸であることを特徴とする請求項1
記載の化学的に修飾された突然変異体タンパク質。 - 【請求項8】 前記システイン以外の残基が、前記タンパク質の基質結合サ
ブサイト中にあることを特徴とする請求項1記載の化学的に修飾された突然変異
体タンパク質。 - 【請求項9】 前記糖化チオスルホネートが、−S−β−Glc,−S−Et−β−
Gal,−S−Et−β−Glc,−S−Et−α−Glc,−S−Et−α−Man,−S−Et−Lac,−S
−β−Glc(Ac)2,−S−β−Glc(Ac)3,−S−β−Glc(Ac)4,−S−Et−α−Glc(Ac)2 ,−S−Et−α−Glc(Ac)3,−S−Et−α−Glc(Ac)4,−S−Et−β−Glc(Ac)2,−S−
Et−β−Glc(Ac)3,−S−Et−β−Glc(Ac)4,−S−Et−α−Man(Ac)3,−S−Et−α
−Man(Ac)4,−S−Et−β−Gal(Ac)3,−S−Et−β−Gal(Ac)4,−S−Et−Lac(Ac)5 ,−S−Et−Lac(Ac)6,または−S−Et−Lac(Ac)7を含むチオール側鎖を含むことを
特徴とする請求項1記載の化学的に修飾された突然変異体タンパク質。 - 【請求項10】 炭水化物成分が、デンドリマー成分であることを特徴とす
る請求項1記載の化学的に修飾された突然変異体タンパク質。 - 【請求項11】 化学的に修飾された突然変異体タンパク質を産生する方法
であって、(a)前駆体タンパク質を提供し、(b)前記前駆体タンパク質中のシステ
イン以外のアミノ酸残基をシステインで置換し、(c)前記置換されたシステイン
を炭水化物成分を含む糖化チオスルホネートと反応させ、(d)前記置換されたシ
ステインがそこに結合した炭水化物成分を含む修飾された糖化タンパク質を得る
、各工程を含むことを特徴とする方法。 - 【請求項12】 前記チオスルホネートが、アルキルチオスルホネートを含
むことを特徴とする請求項11記載の方法。 - 【請求項13】 前記アルキルチオスルホネートが、メタンチオスルホネー
トを含むことを特徴とする請求項12記載の方法。 - 【請求項14】 前記タンパク質が酵素であることを特徴とする請求項11
記載の方法。 - 【請求項15】 前記酵素がプロテアーゼであることを特徴とする請求項1
4記載の方法。 - 【請求項16】 前記プロテアーゼが、バチルスレンタスサブチリシンであ
ることを特徴とする請求項15記載の方法。 - 【請求項17】 前記システイン以外のアミノ酸残基が、アスパラギン、ロ
イシン、およびセリンからなる群より選択されるアミノ酸であることを特徴とす
る請求項11記載の方法。 - 【請求項18】 前記システイン以外のアミノ酸残基が、前記タンパク質の
基質結合サブサイト中にあることを特徴とする請求項11記載の方法。 - 【請求項19】 前記糖化チオスルホネートが、−S−β−Glc,−S−Et−β
−Gal,−S−Et−β−Glc,−S−Et−α−Glc,−S−Et−α−Man,−S−Et−Lac,−
S−β−Glc(Ac)2,−S−β−Glc(Ac)3,−S−β−Glc(Ac)4,−S−Et−α−Glc(Ac) 2 ,−S−Et−α−Glc(Ac)3,−S−Et−α−Glc(Ac)4,−S−Et−β−Glc(Ac)2,−S
−Et−β−Glc(Ac)3,−S−Et−β−Glc(Ac)4,−S−Et−α−Man(Ac)3,−S−Et−
α−Man(Ac)4,−S−Et−β−Gal(Ac)3,−S−Et−β−Gal(Ac)4,−S−Et−Lac(Ac
)5,−S−Et−Lac(Ac)6,または−S−Et−Lac(Ac)7を含むチオール側鎖を含むこと
を特徴とする請求項11記載の方法。 - 【請求項20】 前記炭水化物成分が、デンドリマー成分であることを特徴
とする請求項11記載の方法。 - 【請求項21】 【化1】 を含む糖化チオスルホネートであって、Rが−β−Glc,−Et−β−Gal,−Et−β
−Glc,−Et−α−Glc,−Et−α−Man,−Et−Lac,−β−Glc(Ac)2,−β−Glc(Ac) 3 ,−β−Glc(Ac)4,−Et−α−Glc(Ac)2,−Et−α−Glc(Ac)3,−Et−α−Glc(Ac) 4 ,−Et−β−Glc(Ac)2,−Et−β−Glc(Ac)3,−Et−β−Glc(Ac)4,−Et−α−Man
(Ac)3,−Et−α−Man(Ac)4,−Et−β−Gal(Ac)3,−Et−β−Gal(Ac)4,−Et−Lac
(Ac)5,−Et−Lac(Ac)6,または−Et−Lac(Ac)7を含むことを特徴とする糖化チオ
スルホネート。 - 【請求項22】 タンパク質の機能特性を修飾する方法であって、 タンパク質を提供し、 効果的な条件下で該タンパク質を糖化チオスルホネート試薬と反応させること
により前記タンパク質と比較して変化した機能特性を有する糖タンパク質を産生
する、 各工程を含むことを特徴とする方法。 - 【請求項23】 前記タンパク質が酵素であることを特徴とする請求項22
記載の方法。 - 【請求項24】 前記酵素がプロテアーゼであることを特徴とする請求項2
3記載の方法。 - 【請求項25】 前記プロテアーゼがバチルスレンタスサブチリシンである
ことを特徴とする請求項24記載の方法。 - 【請求項26】 前記糖化チオスルホネートが、 【化2】 を含み、Rが−β−Glc,−Et−β−Gal,−Et−β−Glc,−Et−α−Glc,−Et−α
−Man,−Et−Lac,−β−Glc(Ac)2,−β−Glc(Ac)3,−β−Glc(Ac)4,−Et−α−G
lc(Ac)2,−Et−α−Glc(Ac)3,−Et−α−Glc(Ac)4,−Et−β−Glc(Ac)2,−Et−
β−Glc(Ac)3,−Et−β−Glc(Ac)4,−Et−α−Man(Ac)3,−Et−α−Man(Ac)4,−
Et−β−Gal(Ac)3,−Et−β−Gal(Ac)4,−Et−Lac(Ac)5,−Et−Lac(Ac)6,または
−Et−Lac(Ac)7を含むことを特徴とする請求項22記載の方法。 - 【請求項27】 化学的に修飾された突然変異体タンパク質の構造−機能関
係を測定する方法であって、 請求項1記載の第1および第2の化学的に修飾された突然変異体タンパク質であ
って、該第2の化学的に修飾された突然変異体タンパク質の糖化パターンが前記
第1の化学的に修飾された突然変異体タンパク質の糖化パターンと異なる突然変
異体タンパク質を提供し、 前記第1および第2の化学的に修飾された突然変異体タンパク質の機能特性を評
価し、 前記第1および第2の化学的に修飾された突然変異体タンパク質の機能特性を該
第1および第2の化学的に修飾された突然変異体タンパク質の構造と関係付ける、
各工程を含むことを特徴とする方法。 - 【請求項28】 前記タンパク質が酵素であることを特徴とする請求項27
記載の方法。 - 【請求項29】 前記酵素がプロテアーゼであることを特徴とする請求項2
8記載の方法。 - 【請求項30】 前記プロテアーゼが、バチルスレンタスサブチリシンであ
ることを特徴とする請求項29記載の方法。 - 【請求項31】 前記システイン以外の残基が、アスパラギン、ロイシン、
およびセリンからなる群より選択されるアミノ酸であることを特徴とする請求項
27記載の方法。 - 【請求項32】 前記システイン以外の残基が、前記タンパク質の基質結合
サブサイト中にあることを特徴とする請求項27記載の方法。 - 【請求項33】 前記糖化チオスルホネートが、−S−β−Glc,−S−Et−β
−Gal,−S−Et−β−Glc,−S−Et−α−Glc,−S−Et−α−Man,−S−Et−Lac,−
S−β−Glc(Ac)2,−S−β−Glc(Ac)3,−S−β−Glc(Ac)4,−S−Et−α−Glc(Ac) 2 ,−S−Et−α−Glc(Ac)3,−S−Et−α−Glc(Ac)4,−S−Et−β−Glc(Ac)2,−S
−Et−β−Glc(Ac)3,−S−Et−β−Glc(Ac)4,−S−Et−α−Man(Ac)3,−S−Et−
α−Man(Ac)4,−S−Et−β−Gal(Ac)3,−S−Et−β−Gal(Ac)4,−S−Et−Lac(Ac
)5,−S−Et−Lac(Ac)6,または−S−Et−Lac(Ac)7を含むチオール側鎖を含むこと
を特徴とする請求項27記載の方法。 - 【請求項34】 前記炭水化物成分が、デンドリマー成分であることを特徴
とする請求項27記載の方法。 - 【請求項35】 化学的に修飾された突然変異体タンパク質の構造−機能関
係を測定する方法であって、 請求項1記載の第1および第2の化学的に修飾された突然変異体タンパク質であ
って、該第2の化学的に修飾された突然変異体酵素中の少なくとも一つの異なる
システイン残基が糖化チオスルホネートと反応させることにより修飾される突然
変異体タンパク質を提供し、 前記第1および第2の化学的に修飾された突然変異体タンパク質の機能特性を評
価し、 前記第1および第2の化学的に修飾された突然変異体タンパク質の機能特性を該
第1および第2の化学的に修飾された突然変異体タンパク質の構造と関係付ける、
各工程を含むことを特徴とする方法。 - 【請求項36】 前記タンパク質が酵素であることを特徴とする請求項35
記載の方法。 - 【請求項37】 前記酵素がプロテアーゼであることを特徴とする請求項3
6記載の方法。 - 【請求項38】 前記プロテアーゼが、バチルスレンタスサブチリシンであ
ることを特徴とする請求項37記載の方法。 - 【請求項39】 前記システイン以外の残基が、アスパラギン、ロイシン、
およびセリンからなる群より選択されるアミノ酸であることを特徴とする請求項
35記載の方法。 - 【請求項40】 前記システイン以外の残基が、前記タンパク質の基質結合
サブサイト中にあることを特徴とする請求項35記載の方法。 - 【請求項41】 前記糖化チオスルホネートが、−S−β−Glc,−S−Et−β
−Gal,−S−Et−β−Glc,−S−Et−α−Glc,−S−Et−α−Man,−S−Et−Lac,−
S−β−Glc(Ac)2,−S−β−Glc(Ac)3,−S−β−Glc(Ac)4,−S−Et−α−Glc(Ac) 2 ,−S−Et−α−Glc(Ac)3,−S−Et−α−Glc(Ac)4,−S−Et−β−Glc(Ac)2,−S
−Et−β−Glc(Ac)3,−S−Et−β−Glc(Ac)4,−S−Et−α−Man(Ac)3,−S−Et−
α−Man(Ac)4,−S−Et−β−Gal(Ac)3,−S−Et−β−Gal(Ac)4,−S−Et−Lac(Ac
)5,−S−Et−Lac(Ac)6,または−S−Et−Lac(Ac)7を含むチオール側鎖を含むこと
を特徴とする請求項35記載の方法。 - 【請求項42】 炭水化物成分が、デンドリマー成分であることを特徴とす
る請求項35記載の方法。
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