JP2007526474A - 電気化学センサー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ボルタメトリーpHセンサーで使用するための電極は、基板、例えばグラファイト電極、上に固定化した、化学感受性レドックス活性化合物、特に、4-ニトロベンジルアミン、1,2-ナフトキノンおよびフェナントレンキノンで修飾した、炭素粉末、特に炭素ナノチューブ、を含む。
【選択図】図13
Description
発明の概要
本発明に従って、電気化学センサーに用いるための電極が提供され、該電極は化学感受性を有するレドックス活性化合物で修飾された炭素を含み、該レドックス活性化合物は、アントラキノン、フェナントレンキノンまたはN,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン(N,N’-diphenyl-p-phenylenediamine)(DPPD)ではない。
化学感受性のレドックス素材を含む作用電極、および
対極
を含み、該作用電極の表面積:対極の表面積の比が1:10から10:1である、
pHセンサーを提供する。
化学感受性レドックス素材を含む作用電極、および
対極電極
を含み、該作用電極の面積が500μm2から0.1m2である、
pHセンサーを提供する。
本発明の好ましい第一態様のpHセンサーおよび電極は、好ましくは、非ダウンホール環境内で用いられる。用語“非ダウンホール”(non-downhole)は、センサーがボアホール下の環境、またはその他の地下水量の液体以外の環境内で用いられることを意味する。適当な非ダウンホールでの用途には、環境、科学、汚水、工業および廃水でのpH測定が含まれる。用語「環境の」(”environmental”)は、川および海での様な試験を含む。用語「化学的な」(”chemical”)は、研究室または工場内での化学操作中の試験を含む。用語「工業的な」(”industrial”)は、工業過程からの廃棄物を含む。用語「廃液」は、液体廃棄物の排出物、例えば下水、を含む。廃液は、ほとんど、または完全に水を含んでいなくて良い。廃水は家庭内所有物および工業用所有物からの液体廃物を含む。廃水は水が主である。
本発明で使用される炭素は、化学感受性レドックス活性素材によって修飾できる必要がある。好ましくは、炭素は炭素粉末の形である。特に、炭素は、グラファイト粒子の形であることが好ましく、その平均直径は、0.1から50μm、好ましくは1から30μmである。代わりに、炭素は、カーボンナノチューブの形であっても良い。これらは、実質上、グラファイトの「巻き上げ」シートである。通常、これらは、単層カーボンナノチューブまたは多層カーボンナノチューブ(multi-walled carbon nanotubes)(MWCNTs)のいずれかである。
化学感受性レドックス活性素材は、電子の放出および獲得を行う能力を有する、任意の有機素材であって良い。それは、好ましくは、固相素材である。基板、例えばガラス状カーボンまたは底面熱分解グラファイト(bppg)電極上に固定した場合、それは、酸化/還元時に陽子および電子の放出/獲得を同時に行う。
好ましい化学感受性レドックス活性素材は、a)化学的かつ電気化学的に可逆的な挙動を示す化合物、およびb)電気化学的に可逆的な挙動を導く化学的に不可逆な挙動を示す化合物、を含む該素材である。後者の範疇で、好ましい素材には、b.1)ポリマーを形成する化合物、およびb.2)ニトロ基を含む化合物が含まれる。これらのグループのそれぞれについて、順次、考察する。
これらレドックス活性素材内の化合物は、それらがサイクリックボルタメトリーおよび方形波(square wave)ボルタメトリーの両方に供された場合、安定な可逆的ボルタメトリーピークを作り出す。それらをネルンス挙動(Nernstian behaviour)という。該化合物を組み込んだセンサーをpH測定に用いようとする場合、個々の化合物についての、pHに対するピーク電位のプロットは、直線であり、以下の式:
に従って、ネルンスト応答を生ずる。以下の例では、nおよびmは両方共、スキーム1に提案したように、2に等しいと考えられる。これらの化合物のピーク電位をモニターすることによって、pHを測定できる。
DPA、PAQおよびアントラセンのレドックス経路(案)
該レドックス活性素材中の化合物は、サイクリックボルタメトリーを行った場合、不可逆化学反応を受ける。この不可逆化学反応の結果として後に形成された物質(例えば、別の化合物または反応化合物のポリマー)は、上記段落a)中に記載された化合物に類似した電気化学的に可逆な挙動を示す。これらの物質のピーク電位は、測定される種(目標分析物)に対してネルンスト応答を示し、それ故、これらの物質を、pHセンサーのような電気化学センサーに用いることができる。
b.1)ポリマーを形成するもの
本発明の態様に有用な化合物はすべて、不可逆化学反応を経て、ポリマーを形成する。得られたポリマーは、サイクリックボルタメトリーを行った場合、測定される種に対して直線のネルンスト応答を示す、ピーク電位を有する。本発明の態様での使用に適当な化合物には、ジフェニルアミンおよびフェノチアジン染料が含まれるが、ジフェニルアミンがもっとも好ましい。好ましいフェノチアジン染料には、トルイジンブルー、メチレンブルー、およびチオニンが含まれる。これらの中では、メチレンブルーおよびチオニンが好ましい。
そのようなレドックス活性素材は、通常、1以上の炭素環および/または複素環を含む芳香族化合物であり、少なくとも1個のニトロ基によって置換されている。適当な炭素環式化合物は、フェニル、アントラセン、フルオランテン等を含む。適当な複素環式化合物は、1以上のヘテロ原子によって置換された環内に、1以上の炭素原子を有する炭素環式化合物を含む。ヘテロ原子は、好ましくは、窒素、酸素および硫黄から選択される。好ましくは、複素環式化合物は、環内に、1から5のヘテロ原子、好ましくは1から3のヘテロ原子を含む。好ましくは、化合物は、本発明の電気化学センサーによって測定される予定の種への応答を覆い隠すような、その他のいかなる競争化学変換(competing chemical transformation)をも受けるべきではない。
ここではニトロベンゼンを例として示したアリールニトロ部の
電気化学還元の一般的メカニズム
化学感受性レドックス活性素材に加えて、本発明は、また、化学非感受性レドックス活性素材を用いても良い。従って、化学非感受性レドックス活性素材は、化学感受性レドックス活性素材と同じ基板上に存在して良い。
化学感受性素材と同様に、化学非感受性素材を用いて、炭素を修飾してよい。別法として、該素材を、直接、基板(例えばbppg)に適用することができる。素材がプリントされたスクリーンである場合、次いで、結合剤およびシンナーも必要になる。
修飾された炭素をその上に適用した基板は、電極の製造に通常用いられる任意の基板であって良い。例えば、基板は、底面熱分解グラファイト(bppg)電極、またはガラス状カーボン、金あるいは白金のような金属電極、またはITOを含む電極のような、光学上透明な電極であって良い。好ましくは、基板は、修飾された炭素と良好な電気的接触を有し、また、修飾された炭素での良好な被覆を達成しうる表面を有する。
本発明のセンサーの作用電極の大きさは、表面積が、好ましくは10μm2から0.1m2、より好ましくは50μm2から0.1m2、さらにより好ましくは500μm2から0.1m2である様な大きさである。
本発明の電極は、分析に用いられている物質によって汚されにくいという利点を有する。それ故、センサーの作用寿命は、電極の取り替えが必要になる時点まで、延びる。
センサーの構造は、その最終用途に依存し、それ故、測定される物質、および測定が行われるであろう環境に依存する。公知のセンサー構造を本明細書において記載さえたアグロメレートと電極と共に用いてよい。
本発明で用いられた、炭素を修飾するための好ましい方法は、
a) 化学感受性レドックス活性素材での均一な化学的誘導化;
b) 化学感受性レドックス活性素材の物理的吸着による誘導化;
c) 化学感受性活性素材と結合剤との物理的混合:
である。均一な化学的誘導化とは、炭素および化学感受性レドックス活性素材を、2つの種の化学結合の原因となるための還元体(例えば次亜リン酸)の存在する溶媒中で、結合する方法を言う。用語「均一な」は、すべての還元体(および還元体のみ)が、溶液相内にあるという事実を指す。還元体および化学感受性レドックス活性素材(またはその前駆体)を溶液中に溶解させるのに対して、炭素は溶媒中に分散させる。化学反応は、溶液相内でのみ起こり、後に炭素表面に結合する種が作り出される。
試薬および装置
British Drug House Chemicalsより入手したメチレンブルーおよびチオニン、ならびに、Riedel de Haenより入手した塩化カリウムを除き、全試薬を、Aldrichから、入手できる最高級のものを入手し、さらなる精製を行うことなく使用した。全水溶液を、比抵抗が18MΩcm以上であるElgastat(Elga,UK)UHQ級水系からの脱イオン水を用いて調製した。全測定は、純粋なN2ガス(BOC gases,Guildford,Surrey,UK)で、30分間、溶液を脱気した後に行われ、また、特に記載しない限り、温度22±2℃で結果を記録した。
電気化学的測定を、標準3電極配置を有するμAutolabコンピューター制御ポテンショスタット(Ecochemie,Netherlans)を用いて、記録した。全室温実験を、容量30cm3のセル内で行った。高温ボルタメトリー(30−70℃)を、
加熱した水浴から水を循環させることによって所望の温度に自動温度調節した、容量25cm3の二重壁ガラスセルを用いて行った。すべての場合、底面熱分解グラファイト(bppg、0.20cm2、Le Carbone Ltd.,Sussex,UK)電極は、作用電極として働く(以下を参照されたい)。プラチナロッドは、対極として働き、飽和カロメル電極(SCE,Radiometer,Copenhagen)は、セルの組み立てが完了した基準電極として働く。
a) 物理吸着による誘導化
炭素粉末上への物理吸着は、2gの炭素粉末を、25cm3の0.1M HCl+ 0.1M KCl、および10cm3のアセトン中の10mM 化合物(以下に示す)溶液と共に、混合することによって行われ、該化合物は、アントラセン、アゾベンゼン(AB)、ジフェニルアミン、9,10-ジフェニルアントラセン(DPA)、1,3-ジフェニルグアニジン、フロレセイン、メチレンブルー、3-ニトロフルオランテン(3-NF)、6-ニトロチリセン(6-NC)、9-ニトロアントラセン(9-NA)、9,10-フェナントラキノン(PAQ)またはトリフェニルアミン:の内の一つの化合物である。反応混合物を、ビーカー中で2時間連続攪拌し、次に水吸引によりろ過し、その後、蒸留水で洗浄して、酸および塩を除去した。次にろ過物を蒸発フード内に12時間置いて空気乾燥し、最終的に密閉容器内に保存した。
最初に、2gの炭素粉末を、5mM Fast Black K(2,5-ジメトキシ-4-[(4-ニトロフェニル)アゾ]ベンゼンジアゾニウムクロリド;FBK)を含む10cm3溶液と共に混合し、そこに50cm3の 次亜リン酸(H3PO2、50% Aldrich)を加えた。次に、反応混合物を、10分毎に攪拌しながら、30分間5℃に置いたままにし、その後、未反応の種を炭素から除去するために、溶液を水吸引でろ過した。さらに、脱イオン水での洗浄を行い、残ったいかなる酸をも取り除き、最後にアセトニトリルで洗浄して、混合物から未反応ジアゾニウムをすべて除去した。次に、炭素粒子を、蒸発フード内に12時間置いて、空気乾燥させ、その後、密閉容器内に保存した。
上記の方法の1つを用いて誘導化し、密閉容器内で保存した各々の化合物を、数カ月の期間にわたって調査し、該調査期間経過後も、安定なボルタモグラム(voltammogram)を示すことを見出した。このことは、炭素粉末表面からの脱離が殆ど又は全く起こらず、誘導化炭素粉末が、該期間中、安定であることを示す。
新たに誘導化した炭素粉末を、特徴を調べる前に、bppg電極の表面上へ研磨固定(abrasive immobilisation)することによって、その特徴を調べた。研磨固定は、最初にガラス研磨紙(H00/240)上で電極を研磨することによって行われ、その後、炭化ケイ素紙(P1000C)上で平滑になるまで磨いた。次に、官能化炭素を含むファインフィルターペーパー(Whatman)上に電極表面を穏やかに擦りつけることによって、誘導化炭素をbppg電極上に機械的に固定化した。3-ニトロフルオランテン、6-ニトロチリセンおよび9-ニトロアントラセン誘導化炭素粉末の場合、ニトロ基の電気還元が化学的に不可逆であり、それ故、信号が最初の第1走査後に喪失する(以下を参照のこと)と言う事実から、誘導化炭素が、各々の実験の初期に、底面上に固定化されたことは、特記に値する。
調査される化合物のそれぞれが、物理吸着または誘導化法による共有結合のいずれかの方法で、炭素粒子に付着していることを確かめるために、新たに誘導化した炭素をbppg電極上に固定化し、該誘導化炭素のそれぞれについて、以下のプロトコールを、調査される全pH範囲(pH1-12)にわたって、サイクリックボルタメトリーを用いて行った。典型的には、+1.0Vから−1.0Vまでの最初の10回繰り返し走査(データは示さず)を行い、種の安定性を確認した。各々の場合において、迅速に安定して、酸化および還元ピーク間で約20mVの隔たりを有する対称波に近い波形を示し、電気化学可逆系を認めることができるが、固定化された種に関してのピーク-ピーク間の隔たりは理想的には0に近い。次に、電解溶液を新しい溶液と入れ替え、ボルタメトリー応答を記録した。相当するボルタメトリー応答(データは示さず)は、最終の走査と重なることが分かり、これにより、電解活性を有する種が電極表面に残っていることが確認された。最後に、走査速度を変え、ピーク電流対走査速度のプロットが直線になることが分かり、表面結合種と一致する。
最初に、各pHでの誘導化炭素の応答を、個別的に、サイクリックボルタメトリー(CV)を用いて、次に、方形波ボルタメトリー(square wave voltammetry)(SWV)を用いて、調べた。SWVは、単一掃引で、調査される各レドックス系の可逆性による明確なボルタメトリーピークを提供すると言う、慣用のCVに対して明らかな長所があるので、系の電気化学調査に用いた。相関するサイクリックボルタモグラムおよび方形波ボルタモグラムを、pH溶液の範囲内で記録した(pH1.0、0.1M HCl + 0.1M KCl;pH4.6、0.1M 酢酸 +0.1M 酢酸ナトリウム + 0.1M KCl;pH6.8、0.025M Na2HPO4+ 0.025M KH2PO4 + 0.1M KCl;pH9.2、0.05M 四ホウ酸二ナトリウム + 0.1M KCl;pH12、0.01M KOH + 0.1M KCl)。本発明の化合物のボルタメトリー挙動は、次の3つの型に分類できる:(1)化学的および電気化学的に可逆な挙動、(2)電気化学的に可逆な系を導く化学的に不可逆な系(ポリマー種形成を含む)、(3)電気化学的に可逆な系を導く化学的に不可逆な系(窒素含有化合物を含む)。
実施例1の方法に従って、PAQおよびDPAで誘導化したグラファイト粉末のボルタメトリー応答を測定した。図2は、pH範囲1-12で測定したPAQのサイクリックボルタメトリー応答を重ねて示す。各pHでの酸化および還元ピーク間に約20mVのわずかな隔たりを有するが、ピークの形は対称に近い。より高い電位でのわずかな肩は、各ピークで認められたが、DPAおよびアントラセンでは認められなかった。これは、アントラキノンを炭素粉末上に誘導化した場合に認められるボルタメトリーと類似しており、各々、キノン−セミキノン種の還元/酸化中間体によるものと考えることができる。
アントラセン、DPAおよびPAQについて、理論的に計算したpHによるピーク電位シフト(58.1mV/pH単位、式1)と実験的に測定されたpHによるピーク電位のシフトの比較(22±2℃、酸化SWV走査による)
ジフェニルアミンで誘導化された炭素粉末のサイクリックボルタメトリーは、第1走査時、酸化方向で、大きな電気化学的不可逆波が、pH6.8で、約+0.45V(対SCE)に認められることを示した(図4)。+1.0Vで走査方向を逆にした場合、新しい波が、+0.03V(対SCE)に認められ、この波は、繰り返し循環時に成長して、安定な可逆レドックス系になるが、+0.45Vの大きなピークは、4回以後、無くなった。この挙動は、溶液中のジフェニルアミンの電解重合について文献に報告されている挙動と類似しているが、この場合、重合は、水溶液と接する炭素粒子表面上に物理吸着されたジフェニルアミンで起こる。図4中の大きな電気化学的不可逆ピーク(I)は、スキーム3内に示したように、ジフェニルアニオンが相当する関連ラジカルカチオンへ酸化され、次に、付随するプロトンの損失および獲得を含む機構を通して重合することによると考えることができる。
ジフェニルアミンについての電解重合の機構(案)
別種のポリマーフィルムを、トルイジンブルーならびに本明細書中で重要なメチレンブルーおよびチオニンのようなフェノチアジン染料から誘導する。これらの分子は、時折、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)およびβ-d-グルコースのような、生理活性分子および酵素を検出する、Nafionフィルム内に被覆された電流計センサー内の仲介物質(mediator)としても、用いられている。メチレンブルーおよびチオニン誘導化炭素粒子のレドックス性は、ジフェニルアミン−炭素のそれより複雑であり、pHに大きく依存する。溶液中では、メチレンブルーおよびチオニンの両方で移動する電子数(n)は、常に2に等しいと報告されているが、移動するプロトン数(m)は、pH<5.4でm=3,pH5.4<6.0でm=2、pH>6.0でm=1、の様にpHで変化すると報告されている。
9-NA、6-NCおよび3-NF誘導化炭素粉末の挙動は、一般的に、6-NCで認められたボルタメトリーを議論することによって、特徴付けることができる。化合物間の挙動に差異が生ずる場合は、その差異が議論されることになる。
9-NA、6-NCおよび3-NFについての、6-電子、6-陽子のニトロ基還元に相当する系Iと、アリールヒドロキシルアミン/アリールニトロソレドックス系に相当する系IIの、ピーク電位の比較(pH6.8)
9-NA、6-NCおよび3-NFについての、pHによるピーク電位の理論的に計算されたシフト(58.1mV/pH、式1)と、系Iおよび系IIのpHによるピーク電位の実験的に測定されたシフトの比較(22±2℃、酸化的SWV走査による)
FBK(2,5-ジメトキシ-4-[(4-ニトロフェニル)アゾ]ベンゼンジアゾニウムクロリド)誘導化炭素のボルタメトリーについても、調べた。該化合物中のニトロ基の還元は、アゾ環の存在によって、さらに複雑になる。最初に、電位減少方向への走査を、各pHでサイクリックボルタメトリーを用いて行った。2つの不可逆ピークが認められ(図7)、より高い電位の第一ピーク(図7中(II)で示す)は、現在のところ、まだ未同定である(下記を参照のこと)が、より低い電位で後に現れるピークは、今では周知のニトロ基の4電子、4陽子還元の特徴である(図7中(I)で示す)。しかしながら、FBKのボルタメトリーは、−1.0Vで走査方向を逆にすると、予想される様なニトロ還元についての逆ピークが認められないため、上で議論した化合物とは異なるが、ヒドロキシルアミン部分による新規の酸化ピークは認められなかった(が、低い幅広のピークがpHに依存する正確な電位で0Vより上に認められるため、ラジカルカチオンに酸化されるアミンによる重合が多分起こっているであろう)。次の繰り返し循環時には、どのpHにおいても、還元または酸化のどちらにも、ピークが認められなかった。しかしながら、各系、(I)および(II)は、pHで直線的ネルンスト様式でシフトすることが認められた。ニトロ系は、57mV/pH単位でシフトするが、系(II)は、61mV/pH単位でシフトした。電気化学を理解するために、さらに、CVを用いて、第一の未同定系までは電位を負の方向へ走査し、ピークが認められた後すぐに走査方向を逆にする、実験を行った。特性プロトコールを該実験に沿って行ったところ、化学結合によって炭素上に誘導化されたジアゾニウム塩の別の研究と矛盾せず、FBKが炭素粒子上に誘導化されていることが確認される、安定な可逆系を形成していることが分かった。図8は、pH4.6でのこの可逆系を示し、挿入図は、特性プロトコールで用いたように、走査速度を変化させたサイクリックボルタモグラムを示す。系(II)を越えて、系(I)と関連するニトロの還元が起こるまで、電位を掃引した場合にのみ、繰り返し走査で続く信号がすべて失われる。FBKが炭素表面上に固定化され脱離していないことを確認するために、この挙動について、別の説明を調べためた。
FBK誘導化炭素粉末の電気化学的還元について予想されるメカニズム経路
本実施例では、温度20℃から70℃の範囲で、pHに対する4化合物の応答を調べた。得られた実験結果は、式1を用いて理論的に予想される通り変化した。
アントラセン、DPAおよびPAQ(酸化SWVによる)ならびに9-NAのニトロ還元波(CVボルタモグラムによる)についての、pHでのピーク電位のシフトの、理論的計算値と実験による測定値の比較(温度範囲20-70℃)
本発明の第二の好ましい態様は、炭素および式(I):
R2は、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C1-4アルコキシ、C2-4アルケニルオキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、ジ(C1-4アルキル)アミノ;C1-4アルキルチオ、C2-4アルケニルチオ、ニトロ、シアノ、-O-CO-R’、-CO-O-R’、-CO-NR’R”、-COR’、-S(O)R’および-S(O)2R’より選択され、各R’およびR”は、同一かまたは異なっており、水素、C1-4アルキルまたはC2-4アルケニルを示し;さらに、
mは0または1から4までの整数である)
のニトロベンゼン誘導体またはその塩である化合物を含む成分の使用に関し、その方法は、上記のような化合物を炭素内に部分的に挿入するに充分な時間、粉末化炭素を該化合物と混合し、得られた修飾炭素を単離することを含む。
ここに用いられているように、C1-4アルキル基または部分は、1から4の炭素原子を含む、直線状または枝分かれしたアルキル基または部分である。C1-4アルキル基または部分の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチルおよびt-ブチルが含まれる。2つのアルキル部分が1つの基に存在する懸念を排除するために、アルキル部分は、同一であっても、異なっていても良い。
ここに用いられているような、用語アミノは、式-NH2の基を示す。用語C1−4アルキルアミノは、式-NHR’の基を示し、式中、R’はC1-4アルキル基であり、上に定義したようにC1-4アルキル基が好ましい。用語ジ(C1-4アルキル)アミノは、式-NR’R”の基を示し、式中、R’およびR”は、同一かまたは異なっており、上に定義したように、C1-4アルキル基を示す。ここに用いられているような、用語アミドは、式-C(O)NH2の基を示す。
本発明に用いられる化合物中のアルキルおよびアルケニル基または部分は、置換されていないか、または1、2または3の置換基で置換されており、該置換基は、同一かまたは異なっており、ヒドロキシ、ハロゲンおよび未置換のC1-2アルコキシ置換基から選択される。
本発明での使用に特に適している炭素の1つの形は、グラファイトである。グラファイトは、粉末状のグラファイトの形が好ましい。好ましい粒子の直径は、0.1から100μmであり、より好ましくは1から50μmであり、より好ましくは2から20μmである。
本発明に用いた化合物は、本明細書中のはじめの方に記載されている。化合物は、式(I)のニトロベンゼン誘導体またはその塩の形であって良い。化合物中のアルキルおよびアルケニル基または部分は、未置換、または1、2もしくは3の置換基で置換されており、該置換基は、同一かまたは異なっており、ヒドロキシ、ハロゲンおよび未置換のC1-2アルコキシ置換基より選択される。
基Yは、水素、ヒドロキシ、C1-4アルキルおよび -NR3R4から選択され、R3およびR4は、同一かまたは異なっており、水素、ヒドロキシ、C1-4アルキルおよびC1-4アルコキシから選択される。Y中のアルキル基または部分は、未置換か、または1、2あるいは3の置換基によって置換されており、該置換基は、同一かまたは異なっており、ヒドロキシ、ハロゲンおよび未置換C1-2アルコキシ置換基から選択される。好ましくは、Y中のアルキル基または部分は、未置換である。
R2は、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-4アルキルおよびC1-4アルコキシから選択され;
mは0、1または2であり;
Xは、式 -(CR5R6)n-の基を表し、式中nは0、1または2であり、R5およびR6は同一かまたは異なっており、水素、ヒドロキシ、C1-4アルキル、アルコキシより選択され;そして、
Yは、水素、ヒドロキシ、C1-4アルキルおよび -NR3R4から選択され、式中、R3およびR4は、同一かまたは異なっており、水素、ヒドロキシ、C1-4アルキルおよびC1-4アルコキシから選択される)
またはその塩である。
R2は、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-4アルキルおよびC1-4アルコキシから選択され;
mは0、1または2であり;
Xは、式 -(CR5R6)n-の基を表し、式中nは0、1または2であり、R5およびR6は同一かまたは異なっており、水素、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシより選択され;そして、
R3およびR4は、同一かまたは異なっており、水素、ヒドロキシ、C1-4アルキルおよびC1-4アルコキシから選択される)
またはその塩である。
またはその塩である。より好ましくは、R3およびR4は、同一かまたは異なっており、水素、およびC1-4アルキルから選択される。
に従って表すことのできる、ネルンスト挙動を示すことが分かった。
上記の化合物と同様に、他のレドックス活性素材を本発明の素材に含むことができる。これらのさらなるレドックス活性素材は、電子の損失および獲得を受ける能力を有する任意の有機素材であって良い。好ましくは、さらなるレドックス活性素材は、固相素材である。基板、例えばガラス状カーボンまたは底面熱分解グラファイト(bppg)電極、上に固定化した場合、該素材は、酸化/還元時にそれに伴う陽子および電子の損失/獲得を受ける。
・ 修飾MWCNTsと結合剤を溶媒中で化合し;
・ 溶媒からアグロメレートを沈殿させるために、過剰の水溶液を加え;そして、
・ アグロメレートを回収する:
工程を含んで良い。
修飾された炭素を適用する基板は、電極の製造に慣用に用いられる任意の基板であってよい。例えば、基板は、底面熱分解グラファイト(bppg)電極、またはガラス状カーボン、金もしくは白金のような金属電極、または所望によりITOを含む電極のような透明な電極であって良い。好ましくは、基板は、炭素ナノチューブと良好な電気接触を有し、また、炭素ナノチューブおよびレドックス活性素材で良好な被覆を達成できる様な表面を有する。
本発明によるセンサーの構造は、センサーの最終的用途に依存することになり、そして、センサーが測定しようとする物質、および、測定が行われるであろう環境に依存する。既知のセンサー構造を、本明細書中に記載のアグロメレートおよび電極と共に用いてよい。
炭素を溶媒中で上記の部分挿入化合物と共に混合することによる本発明の方法に従って、該炭素を修飾する。適当な溶媒には、共通の非プロトン性溶媒が含まれる、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、クロロホルム、塩化メチレンの名を挙げることができる。溶媒を脱気して良く、または、例えば、溶存酸素のような溶存気体を含んでいて良い。
驚くべきことに、本発明に使用した化合物は、炭素内に、自然に部分挿入する。得られた素材は丈夫であり、例えば、電気化学センサーとして用いられる場合、高温でも安定した応答を作り出す。さらに、化合物は高い割合で部分挿入する、即ち、多量の化合物を部分挿入できる。このことは、結果として、大きい電流応答および高い感受性を生じる。
以下の薬品を除き、全薬品を、Aldric(Gillingham,UK)から入手した。以下の薬品とは、塩化カリウム(Riedel de Haen,Seelze,Germany)、過塩素酸テトラブチルアンモニウム(tetorabuthylammonium perchlorate)(TBAP)、過塩素酸リチウム(Fluska Chemicals,Gillingham,UK)、アセトニトリル(合成用、99.9%、無水、Fischer Scientific,Loughborough,UK)、ジエチルエーテル(British Drug House Chemicals,Poole,UK)である。使用した薬品は、入手可能な最高級のものであり、さらなる精製を行うことなく使用した。
X線粉末回折実験を、銅Kα1バンド(λ=1.54Å)からのX線照射を用いるPanalytical Xpet Pro 装置を使用して、行った。
グラファイト粉末および多層炭素ナノチューブ(MWCNTs)を、4-NBAで誘導化し、bppg電極の表面上にそれらを研磨固定するための方法:
別に記載しない限り、グラファイト粉末(0.5g)またはMWCNTs(50mg)の、4-ニトロベンジルアミン(4-NBA)での誘導化を、グラファイト粉末サンプルまたはMWCNTsサンプルのいずれかを、アセトニトリル中の4-NBA溶液(10mM,25cm3)中で120分間、室温で攪拌することによって、成し遂げた。次に、サンプルを吸引下でろ過し、アセトニトリルで洗浄(5x50cm3)して、いかなる物理吸着種をも除去し、12時間空気乾燥させた。次に、サンプルを、使用前まで、空気密閉容器内で保存した。
4-ニトロベンジルアミンで誘導化したグラファイト粉末およびMWCNTsのボルタメトリー特性:
4-NBA分子がグラファイト粉末(4-NBA炭素)上、またはMWCNTs(4-NBAMWCNTs)上に付着し、それら自身がbppg電極上に研磨固定されていることを確認するために、サイクリックボルタメトリー(CV)を用いた。(下記の)標準的方法を、全pH範囲(pH1.0からpH12.0)に用いた。
pH1.0からpH12.0での4-NBA炭素および4-NBAMWCNTsのボルタメトリー応答:
この実施例では、サイクリックボルタメトリーを用いて、これらの素材のpH1.0からpH12.0までの特徴を調べ、該修飾炭素素材をpHの分析センシング(analytical sensing)として使用できることを示す。図14に示すように、4-NBAのような芳香族ニトロ化合物の電気化学還元は、4電子、4陽子を含む不可逆反応をはじめに受けて、相当するアリールヒドロキシルアミンを形成する。繰り返し循環時、アリールヒドロキシルアミンは、次に、さらなる2-電子および2-陽子を含む、化学的に可逆で、電気化学的に準可逆な酸化を受け、相当するアリールニトロソ化合物になる。
次に、式(I)の化合物(本実施例では4-NBA)が本当に挿入されていたかを決定し、特に、部分的に挿入されていたかを決定するために、前実施例中で使用した炭素の表面修飾の性質を調査した。化合物による炭素の修飾と言う点では、一般的可能性が3つある:(i)物理的吸着(physisorption)、(ii)化学的吸着(chemisorption)および(iii)全挿入または部分挿入。
発明者らは、誘導化工程中の反応混合物を攪拌する時間の長さが、炭素素材により吸着される4-NBAの量にどのように影響するかを調べた。これを行うために、アセトニトリル中の4-NBAの10mM溶液中に懸濁したグラファイト粒子またはMWCNTsを含む、反応混合物のアリコートを採取し、ろ過し、乾燥アセトニトリルで洗浄して、160分間攪拌しながら、その間40分間隔で乾燥させた。次に、サンプルをbppg電極上に研磨固定し、サイクリックボルタメトリーを、pH6.8緩衝液中で行った。各サンプルについて、5回の走査を記録し、規定時間で取り出した各アリコートについて、5つのサンプルを別々に研磨固定した。各サンプルについて記録された5回のサイクリックボルタモグラムから、図15a中、−0.6V対SCEのニトロ基部分の不可逆な4電子、4陽子還元に相当するピーク面積、および、図3a中、−0.1V対SCEの、可逆な2電子、2陽子アリールヒドロキシルアミン/アリールニトロソ対に相当するピーク面積を、測定した。これらのピークは、図14中、系Iおよび系IIで示す。
先の研究で、炭素上への有機分子の化学吸着は、2つの方法で達成される。第一の方法は、ジアゾニウム塩の直接的電気化学還元またはアミンの電気化学酸化を用いる、「不均一な」での方法である。第二の方法は、「均一な」(用語「均一な」は、ここでは、変性剤および酸化剤/還元剤の両方が溶液相内にあるという意味で使われる)、例えば、グラファイト粒子存在中、次亜リン酸でのアリールジアゾニウム塩の還元、で行われる。
本実施例の前の2節で、4-NBAはグラファイト粉末またはMWCNTsの表面上に吸着されそうにないことが確定したので、次に、発明者らは、炭素表面上に局在するエッジ面様欠陥での4-NBAの全体または部分的挿入の可能性を考慮した。第一に、グラファイト挿入化合物の課題に専心した広範囲の文献を参考に、電気化学的証拠を研究した。
電気化学手段を用いた4-NBAによるグラファイトおよびMWCNTsの修飾の原因が挿入にあることを推論するために、他の技術による証拠をここに示す。
未修飾の天然MWCNTsおよび4-NBA修飾CNTsについて実験的に定量されたX線回折のデータの比較
電極表面上に研磨固定され、電解質溶液と接触している、純粋な有機固体の固体状態の電気化学は、電極表面−有機固体−溶液界面の3相の境界で起こるはずである。酸化/還元時に電荷中立を維持するために、溶液相から結晶内への付随イオンの挿入が起こるはずである。図25は、電子の移動が起こり得るこの三相の境界を、白色描影法で図式的に表している。
図26に示す電極の電気活性表面面積は、図25に示したものより大きい。これは、電極表面−有機固体−溶液の三相境界を形成できるだけでなく、炭素粒子が有機固体結晶と接触する場所でもさらなる炭素粒子−有機固体−溶液の三相境界が形成され、それ故、電荷の移動を増加させることによる。しかしながら、この方法を用いると電気活性は改良されるが、グラファイト粒子と有機結晶の間の接触度は、グラファイト粒子の大きさによって制限される。
炭素ナノチューブ(Carbon nanotubes)(CNTs、本明細書中では、ナノチューブとも言う)は長年にわたって知られているが、1991年に発見された(S.Iijima,Nature,1991,56,354)。研究に大きな展開が認められた分野およびナノ中部の用途は、電気化学である。炭素ナノチューブは、それらの注目に値する機械的強度、構造および良好な電気伝導率により、この分野で特に有用である。これらの性質は、触媒検出ならびにドーパミン、チトクロムcおよび炭水化物のような生体分子の分析から、過酸化水素、ヒドラジンおよびTNTのようなアナライトのセンシングまでの範囲にわたり、電気分析用途に用いられてきた。
レドックス活性素材は、電子の放出および獲得を受ける能力を有する任意の有機素材であって良い。好ましくは、レドックス活性素材は、固相素材である。基板、例えばガラス状カーボンまたは底面熱分解性グラファイト(basal plane pyrolytic graphite)(bppg)電極、上に固定化された場合、該素材は、酸化/還元時に付随する陽子および電子の損失/獲得を受ける。
本発明のアグロメレートは、ナノチューブおよび結合剤を含み、該結合剤はレドックス活性素材である。ナノチューブおよびレドックス活性素材の種類は、上記の通りであって良い。
・ 炭素ナノチューブおよび結合剤を溶媒中で結合させる;
・ 溶媒からアグロメレートを沈殿させる原因となるために、過剰量の水溶液を加える;
・ アグロメレートを回収する:
工程を含んでよい。
炭素ナノチューブおよびレドックス活性素材を適用する基板は、電極の製造に慣用に使用される任意の基板であって良い。例えば、基板は、底面熱分解グラファイト(basal plane pyrolytic graphite)(bppg)またはガラス状カーボン、金あるいは白金のような金属電極、またはITOを含む電極のような光学的に透明な電極であって良い。好ましくは、基板は、炭素ナノチューブと良好な電気的接触を有し、また、炭素ナノチューブおよびレドックス活性素材での良好な被覆を達成できるような表面を有する。
センサーの構造は、その最終用途に依存し、それ故、測定すべき物質および測定が行われるであろう環境に依存するであろう。周知のセンサー構造を、本明細書中に記載のアグロメレートと電極の組み合わせで使用できる。
実施例9:ナノチューブアグロメレートの形成および底面熱分解性グラファイト表面上へのナノチューブの研磨固定
試薬および装置
試薬は、塩化カリウムをRiedel de Haen(Seelze,Germany)から入手したのを除いて、全試薬をAldrich(Gillingham,UK)から、入手できる最高級のものを入手し、さらに精製することなく使用した。全水溶液は、18.2MΩcm以上の抵抗率を有する、Elgastat(Elga,UK)UHQ級う水系からの脱イオン水を用いて、調製した。全サイクリックボルタメトリー測定は、溶液を純粋なN2ガス(BOC Gases,Guildford,Surrey,UK)で30分間脱気した後に行い、特に記載しない限り、20∀2ECの温度で記録した。
pH1-12の既知pH溶液を、脱イオン水を用いて、以下の通り:pH1、0.1M HCl;pH4.6、0.1M 酢酸 +0.1M 酢酸ナトリウム;pH6.8、0.025M Na2HPO4 + 0.025M KH2PO4 ;pH9.2、0.05M 四ホウ酸二ナトリウム;pH12、0.01M 水酸化ナトリウム:作成した。該水溶液は、さらなる支持電解質として、さらに0.1M KClを含む。pH測定を、Jenway 3030 pHメーターを用いて行った。
9,10-フェナントラキノン(phenanthraquinone)(PAQ)または1,2-ナフサキノン(napthaquinone)(NQ)のいずれかでのMWCNTsのアグロメレーションは、50mg MWCNTsをアセトン中のPAQまたはNQのいずれかの10mM 溶液10cm3と共に混合し、さらに25cm3の0.1M HCl + 0.1M KCl 水溶液をゆっくりと加えることによって、達成された。反応混合物を、ビーカー内で2時間連続攪拌し、次に、吸引によりろ過し、その後、蒸留水で洗浄して、酸および塩を除去した。次に、12時間の間、ヒュームフードの内側に置いて空気乾燥させ、最終的に、必要とされるまで、密閉容器内で保存した。
はじめに、アグロメレートの形成を、SEMおよびCVを用いて確かめ、次に、bppg表面上へのアグロメレートの固定化を、CVを用いたボルタメトリーで確認した。
PAQまたはNQのいずれかの微小結晶とMWCNTsとの物理的混合物よりむしろ、PAQまたはNQのMWCNTsとのアグロメレートが形成されていることを確認するために、走査電子顕微鏡(scanning electron microscopy)(SEM)を用いた。清潔なbppg電極表面上への研磨固定を行った後、各素材の像を、別々に描いた。はじめに、純粋な(有機固体を含まない)MWNCNTsのSEM像を記録した(図29)。次に、2.2節に記載の方法に従って修飾した、MWCNTsのSEM像を比較として記録した(図30および31)。
bppg表面上への固定化を、サイクリックボルタメトリーを用いて確認した。次に、2つのアグロメレートをpH1-12の全pH範囲にわたって調査した。方法の第一段階は、かつてPAQまたはNQについてのレドックスプロセスの電位領域を測定したが、種の安定性を確実にするために、20回繰り返し走査を行うことであった(該走査の精密な電位範囲は、PAQおよびNQの間で、ならびにpHで、変化させた)。MWCNT-PAQアグロメレートおよびMWCNT-NQアグロメレートの両例では、走査速度の増加に伴って増加するピークのわずかな隔たりを伴う対称に近い波形(以下を参照のこと)は、全pHで認められた(図36aおよび36b)。20回の繰り返し操作後、ピーク電流は、(最初にわずかに減少することが分かったが)安定なままであり、酸化および還元の両ピークプロセスの電荷(ピーク面積)は、互いに等しい、ことが分かった。
安定で電気化学的にほぼ可逆な系が、pH1からpH12の全pH範囲にわたって、MWCNT-PAQおよびMWCNT-NQの両アグロメレートで認められることを、実施例2のサイクリックボルタメトリーを用いて確立するために、以下に詳細に記載する全調査で系を探る電気化学的方法として、方形波ボルタメトリーを用いた。この方法は、ほぼ可逆な電極速度論的挙動を有するPAQおよびNQによる周知のボルタメトリーピークを作る、単一掃引を行う手段を提供するため、慣用のサイクリックボルタメトリーと比較して、明らかな長所を有する。それ故、方形波ボルタメトリーは、特に、酸素還元が興味あるレドックスプロセスの電位とよく似た電位で競合し得るより高いpHで、MWCNT-PAQおよびMWCNT-NQ還元波の解像を助けることができる。方形波ボルタモグラムは、pH溶液の範囲内(pH1、0.1M HCl;pH4.6、0.1M 酢酸 +0.1M 酢酸ナトリウム;pH6.8、0.025M Na2HPO4 +0.025M KH2PO;pH9.2、0.05M 四ホウ酸二ナトリウム;pH12、0.01M 水酸化ナトリウム)でのMWCNT-PAQおよびMWCNT-NQアグロメレートについて記録し、それぞれ、図38aおよび38bに重ねて示す。図38aおよび38bより、pHを高くすると、MWCNT-PAQおよびMWCNT-NQのピーク電位は、予想通り、より低い電位にシフトすることが明らかである。この挙動は、bppg電極上に研磨固定されたPAQ結晶について認められた挙動と一致する。
素材を高温環境下における適当なpHプローブとして用いて良いか否かを決めるために、アグロメレートのボルタメトリー応答への温度の影響を調査した。
MWCNT-PAQおよびMQCNT-NQの両アグロメレートについて、調査した各温度でのピーク電位対pHのプロットは直線になり、R2値は0.998以下でなく、その勾配を表6に示す。ネルンスト式によって予想される理論勾配も、比較として表6に示す。認められるように、pHでのピーク電位の勾配の変化はネルンスト様ではなく、50ECの温度範囲で約3mV/pH単位変化し、温度に比較的非感受性である。このことは、これらアグロメレートを高温でpHセンサーとして用いうることのみならず、温度のきわめて有意な変化によっても大きな影響を受けないことを示しており、都合がよい。
研磨固定したMWCNT-PAQおよびMWCNT-NQアグロメレートについて、調査した各温度での、pHに対するピーク電位のプロットの勾配(実験による)
本発明の第四の好ましい態様では、電極は、炭素組成物およびレドックス活性化合物の基板上に層を含み、該層は、層を切断することによって形成されるエッジ(edge)を有するし、炭素およびレドックス活性化合物をさらす。
「切断」(“cut”)電極に関連した感受性の増加は、図43および44で認めることができる。図43は、印刷電極を用いて記録した方形波ボルタモグラム(Square Wave Voltammmagram)(SWV)を示す。また、該図は、端を切断した後の同一電極で記録したSWV(上の線)も示す。切断電極についてSWV上に認められる鋭いピーク(上の線)は、溶液と接触しているさらされた結晶によるものである。
Claims (76)
- 電気化学センサーに使用するための、炭素およびレドックス活性化合物を含む、電極であって、該レドックス活性種が、アントラキノン、フェナントレンキノンまたはN,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミンより選択される該種を少なくとも一種含む、2種の該レドックス活性種で誘導化された炭素をベースにした電極を除外する、電極。
- レドックス活性化合物がアントラキノン、フェナントレンキノンまたはN,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミンでない、請求項1記載の電極。
- レドックス活性化合物が化学感受性化合物である、請求項1または2記載の電極。
- 電極形成前に、炭素およびレドックス活性化合物が共に調合されている、請求項1、2または3記載の電極。
- 炭素が1以上の以下の方法:
・ 化学感受性レドックス活性素材での均一な化学的誘導化;
・ 化学感受性レドックス活性素材の物理吸着による誘導化;および、
・ 化学感受性レドックス活性素材と結合剤の物理的混合:
によって修飾される、請求項1−4のいずれか1項記載の電極。 - レドックス活性素材で修飾された炭素を含む電極であって、該電極をサイクリックボルタメトリーにかける場合、レドックス活性素材が不可逆化学反応を受ける、電極。
- 請求項1−6のいずれか1項記載の電極を含む電気化学センサー。
- 化学感受性レドックス活性素材で修飾された炭素を含む作用電極;および
対極を含むpHセンサーであって、作用電極の表面積と対極の表面積の比率が1:10から10:1である、pHセンサー。 - 作用電極の表面積が10μm2から0.1m2である、請求項8記載のpHセンサー。
- 作用電極の表面積が50μm2から0.1m2である、請求項9記載のpHセンサー。
- 化学感受性レドックス活性素材で修飾された炭素を含む作用電極、および対極を含むpHセンサーであって、作用電極の面積が500μm2から0.1m2である、pHセンサー。
- 作用電極の表面積と対極の表面積の比率が1:5から3:1である、請求項8−11のいずれか1項記載のpHセンサー。
- 作用電極の表面積が0.5mm2から10mm2である、請求項8−12のいずれか1項記載のpHセンサー。
- 化学感受性レドックス活性素材がpHの変化に感受性である、請求項8−13のいずれか1項記載のpHセンサー。
- 炭素が一以上の以下の方法:
1) 化学感受性レドックス活性素材での均一な化学的誘導化;
・ 化学感受性レドックス活性素材の物理吸着による誘導化;および、
・ 化学感受性レドックス活性素材と結合剤との物理的混合:
の一つ又はそれより多くによって修飾されている、請求項14記載のpHセンサー - 作用電極が、少なくとも化学非感受性レドックス活性素材をさらに含む、請求項8−15のいずれか1項記載のpHセンサー。
- 化学感受性レドックス活性素材が1以上の別の化合物を含む、請求項8−16のいずれか1項記載のpHセンサー。
- 作用電極が、pHの変化に感受性である2つのレドックス活性素材、およびpHの変化に非感受性である2つのレドックス活性素材を含む、請求項17記載のpHセンサー。
- 電極をサイクリックボルタメトリーにかける場合、化学感受性レドックス活性素材が不可逆化学反応を受ける、請求項14−18のいずれか1項記載のpHセンサー。
- 電極をサイクリックボルタメトリーにかける場合、不可逆化学反応生成物が可逆電気化学を示す、請求項17記載のpHセンサー。
- 電気化学センサーに使用するための電極を製造する方法であって、化学感受性素材が2つのレドックス活性種ではなく、その1つをアントラキノン、フェナントレンキノンまたはN,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミンから選択する条件で、一つの化学感受性レドックス活性素材で炭素を修飾することを含む方法。
- 炭素を修飾する工程が1以上の以下の方法:
1) 化学感受性レドックス活性素材での均一な化学的誘導化;
・ 化学感受性レドックス活性素材の物理吸着による誘導化;および、
・ 化学感受性レドックス活性素材と結合剤との物理的混合:
の一つ又はそれより多くを含む、請求項21記載の方法。 - サイクリックボルタメトリーにかける場合、化学感受性レドックス活性素材が不可逆化学反応を受ける、請求項21または22記載の方法。
- 電極をサイクリックボルタメトリーにかける場合、不可逆化学反応の生成物が可逆電気化学を示す、請求項23記載の方法。
- 化学感受性レドックス活性素材で修飾した炭素を基板に適用する工程をさらに含む、請求項21−24のいずれか1項記載の方法。
- 化学感受性レドックス活性素材が水素イオンの濃度の変化に感受性である、請求項19−23のいずれか1項記載の方法。
- 化学感受性レドックス活性素材で修飾した炭素を基板表面に適用することを含む、適用位置で電極を製造する方法であって、サイクリックボルタメトリーを行うと、化学感受性レドックス活性素材が不可逆化学反応を受ける、方法。
- 電極をサイクリックボルタメトリーにかけると、不可逆化学反応生成物が可逆電気化学を示す、請求項27記載の方法。
- サイクリックボルタメトリーを行うと、化学感受性レドックス活性素材が重合を受ける、請求項27または28記載の方法。
- 化学感受性レドックス活性素材がニトロ置換基を有する、請求項28または29記載の方法。
- 請求項1−6のいずれか1項記載の電極、または請求項8−20のいずれか1項記載のpHセンサーの部分を形成する電極であり、さらに、基板上に配置された、炭素および式(I)化合物:
R2は、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C1-4アルコキシ、C2-4アルケニルオキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、ジ(C1-4アルキル)アミノ;C1-4アルキルチオ、C2-4アルケニルチオ、ニトロ、シアノ、-O-CO-R’、-CO-O-R’、-CO-NR’R”、-COR’、-S(O)R’ および -S(O)2R’ より選択され、式中、R’ およびR” は各々同一かまたは異なり、水素、C1-4アルキル、またはC2-4アルケニルを示し;さらに、
mは、0または1から4の整数である:
またはその塩を含み、該式(I)化合物が炭素内に部分的に挿入されている、電極。 - 粉末化した炭素がグラファイトまたは多層炭素ナノチューブの形である、請求項31記載の電極
- 作用電極および対極を含む電気化学センサーであって、該作用電極が、請求項31−35のいずれか1項記載の電極を含む、電気化学センサー。
- 基準電極をさらに含む、請求項36記載のセンサー。
- 電気化学センサーに使用するための電極を製造する方法であって、基板を提供し、請求項31記載の組成物を該基板表面に適用することを含む、方法。
- 適用工程が基板表面上に組成物を研磨固定することを含む、請求項38記載の方法。
- 請求項1−6のいずれか1項記載の電極、または請求項8−20のいずれか1項記載のpHセンサーの部分を形成する電極であって、基板上に、炭素ナノチューブおよびレドックス活性素材を配置することを含む、電極。
- レドックス活性素材が、電気化学センサーによって検出される種の濃度に化学感受性であるボルタメトリー応答を有する、請求項40記載の電極。
- レドックス活性素材がプロトンの濃度に感受性である、請求項40または41記載の電極。
- レドックス活性素材が、電気化学センサーで検出される種の濃度に化学的に非感受性である、さらなるレドックス活性素材を含む、請求項40または41記載の電極。
- レドックス活性素材が、電気化学センサーによって検出される種の濃度に化学的に感受性である、少なくとも2つのレドックス活性素材を含む、請求項40−43のいずれか1項記載の電極。
- 炭素ナノチューブおよびレドックス活性素材を、機械混合物の形、またはアグロメレートの形のいずれかで基板上に適用する、請求項40−44のいずれか1項記載の電極。
- アグロメレートを基板上に研磨固定する、請求項45記載の電極。
- 作用電極および対極を含む電気化学センサーであって、該作用電極が請求項40−46のいずれか1項記載の電極を含む、電気化学センサー。
- さらに基準電極を含む、請求項47記載のセンサー。
- レドックス活性素材がプロトンの濃度に感受性であり、センサーがpHセンサーである、請求項48記載のセンサー。
- 電気化学センサーに使用するための電極を製造する方法であって、基板を提供し、該基板表面に炭素ナノチューブおよびレドックス活性素材を提供することを含む、方法。
- 炭素ナノチューブおよびレドックス活性素材を、機械混合物の形またはアグロメレートの形で基板に提供する、請求項50記載の方法。
- 適用工程が、炭素ナノチューブおよびレドックス素材を基板上へ研磨固定することを含む、請求項50または51記載の方法。
- 方法が、
・ 炭素ナノチューブおよび結合剤を溶媒中で結合する;
・ アグロメレートが溶媒から沈殿する様な過剰量の水溶液を加える;そして、
・ アグロメレートを回収する:
工程を含む、請求項51記載の方法。 - 請求項1−6のいずれか1項記載の電極、または請求項8−20のいずれか1項記載のpHセンサーの部分を形成する電極であって、該炭素および該レドックス活性化合物の組成物の基板上の層を含み、該層は、該層を切断することによって形成されるエッジ(edge)を有し、炭素およびレドックス活性素材をさらす、電極。
- 層が、炭素ベースインクおよび該レドックス活性化合物の混合物を含む、請求項54記載の電極。
- レドックス活性化合物が結晶の形である、請求項54または55記載の電極。
- レドックス活性化合物がフェナントレンキノンである、請求項54、55、または56記載の電極。
- 作用電極および対極を含む電気化学センサーであって、該作業電極が請求項54−57のいずれか1項記載の電極を含む、センサー。
- 電気化学センサー内への、請求項1−6、31−35、40−46、52−57のいずれか1項記載の電極の使用。
- センサーがpHセンサーである、請求項59記載の使用。
- 非ダウンホール環境での、請求項8−20、36、37、47−49のいずれか1項記載のセンサーの使用。
- 式(I)のニトロベンゼン誘導体:
R2は、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C1-4アルコキシ、C2-4アルケニルオキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、ジ(C1-4アルキル)アミノ;C1-4アルキルチオ、C2-4アルケニルチオ、ニトロ、シアノ、-O-CO-R’、-CO-O-R’、-CO-NR’R”、-COR’、-S(O)R’ および -S(O)2R’ より選択され、式中、R’ およびR” は各々同一かまたは異なり、水素、C1-4アルキル、またはC2-4アルケニルを示し;さらに、
mは、0または1から4の整数である:
またはその塩である化合物の部分挿入によって、炭素を修飾する方法であって、粉末化炭素を、上記の様な化合物と、該化合物の炭素内への部分挿入を可能にするのに充分な時間、混合し、得られた修飾炭素を単離することを含む、方法。 - 粉末化炭素および化合物を、溶媒内で混合し、該溶媒は非プロトン性有機溶媒である、請求項62記載の方法。
- 粉末化炭素がグラファイトまたは多層ナノチューブの形である、請求項62または63記載の方法。
- 化合物が、式(II)のニトロベンゼン誘導体:
mは0、1または2であり;
Xは、式−(CR5R6)n- の基であり、式中nは、0、1または2であり、R5およびR6は同一かまたは異なり、水素、ヒドロキシ、C1-4アルキルおよびC1-4アルコキシから選択され;さらに、
Yは、水素、ヒドロキシ、C1-4アルキルおよび −NR3R4から選択され、R3およびR4は、同一かまたは異なり、水素、ヒドロキシ、C1-4アルキルおよびC1-4アルコキシから選択される:
またはその塩である、請求項62、63または64記載の方法。 - 炭素および式(I)の化合物:
R2は、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C1-4アルコキシ、C2-4アルケニルオキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、ジ(C1-4アルキル)アミノ;C1-4アルキルチオ、C2-4アルケニルチオ、ニトロ、シアノ、-O-CO-R’、-CO-O-R’、-CO-NR’R”、-COR’、-S(O)R’ および -S(O)2R’ より選択され、式中、R’ およびR” は各々同一かまたは異なり、水素、C1-4アルキル、またはC2-4アルケニルを表し、;さらに、
mは、0または1から4の整数である:
またはその塩を含む組成物であり、式(I)の該化合物が炭素内に部分挿入されている、組成物。 - 炭素がグラファイトまたは多層炭素ナノチューブの形である、請求項68記載の組成物。
- 式(I)の化合物が請求項4から6のいずれか1項記載な化合物である、請求項68または69記載の組成物。
- アグロメレートが結合剤内に分散させた炭素ナノチューブを含み、該結合剤がレドックス活性化合物である、電気化学センサーに使用するためのアグロメレート。
- レドックス活性素材が、電気化学センサーによって検出される種の濃度に化学感受性である、ボルタメトリー応答を有する、請求項71記載のアグロメレート。
- レドックス活性素材がプロトン濃度に感受性である、請求項71または72記載のアグロメレート。
- レドックス活性素材が、電気化学センサーによって検出される種の濃度に化学非感受性である、さらなるレドックス活性素材を含む、請求項71、72または73記載のアグロメレート。
- レドックス活性素材が、電気化学センサーによって検出される種の濃度に化学感受性である、少なくとも2つのレドックス活性素材を含む、請求項71−74のいずれか1項記載のアグロメレート。
- 請求項71−75のいずれか1項記載のアグロメレート、または、請求項6−10のいずれか1項記載の電極の、電気化学センサー内の使用。
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