JP2012522223A - 分析物を検出するためのデバイス - Google Patents

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Abstract

酸化還元活性分析物感応性材料を作用電極上に含む、分析物を検出するためのデバイス、ならびにコンピュータに支援された信号取得および処理。

Description

本発明は概して、分析物を検出するための技術に関する。様々な実施形態において、本発明は、pHを測定するためのデバイスに関する。
pH、または水素イオン指数は、溶液の酸性度またはアルカリ性度の尺度である。溶液のpHは、溶液内のプロトンとも呼ばれる水素イオン(H+)の濃度、またはより厳密に言うと活性によって決定づけられる。プロトンの濃度が高くなるに従って、溶液の酸性度が高くなる。逆に、溶液内のプロトンの濃度が低下するに従って溶液の塩基性が強くなる。従来、溶液内のプロトンの濃度は、pH値を表示する電子計測器に接続されたガラス電極プローブで測定されてきた。
従来のpHプローブまたはガラス電極は、プロトンに感応する脆弱なドープガラス膜で構成されたある種のイオン選択性電極である。このpH応答性ガラス膜は、この種のプローブにおける主たる検出素子である。サンプル溶液中のプロトンは、ガラス膜の外側に結合することによって、膜の内部表面の電位を変化させる。この電位の変化を、銀/塩化銀基準電極などの基準電極の一定の電位に対して測定する。次いで、電位差を検量線上にプロットすることによって電位差をpH値に関連づける。単調な多段階プロセスを通じて検量線を作成することによって、ユーザは、様々な既知の標準緩衝液の電位の変化をプロットする。たいていの従来のpHセンサは、この原理の変形に基づく。
特許協力条約出願第PCT/US10/26842号明細書 米国特許出願公開第20080023328号明細書 米国特許出願公開第20070272552号明細書 米国特許出願公開第20080035481号明細書 米国特許仮出願第61/161,139号明細書 米国特許第4,495,050号明細書 米国特許仮出願第61/225,855号明細書 米国特許仮出願第61/289,318号明細書 米国特許仮出願第61/163,139号明細書
Hammondら、J. Chem. Soc. Perkin. Trans. 707 (1983) Medinaら、J. Chem. Soc. Chem. Commun. 290 (1991) Shu and Wrighton, J. Phys. Chem. 92, 5221 (1988) J. Am. Chem. Soc. 2007、129、5370-5371 Bard and Faulkner, "Electrochemical Methods: Fundamentals and Applications" (Wiley 2001)
従来のpHガラス電極の精度および信頼性は不安定であるため、多数の試薬および十分に訓練された技術者を必要とする単調で時間がかかるプロセスを含む注意深い定期的な較正および手入れを要する。ガラス電極の特殊な特性および構造により、ガラス膜を常に湿らせておくことがさらに必要である。したがって、ガラスプローブの日常的な手入れには、プローブの適正な整備および使用条件を確保するために、十分に訓練された技術者による厄介かつ高コストの保管、すすぎ、洗浄、および較正プロトコールの通常の履行が必要である。
単調な整備に加えて、従来のガラス電極は脆弱であるため、ガラス電極の分野の適用範囲が制限される。特に、ガラス電極の脆弱な性質は、食品および飲料適用、ならびに管理されていない環境、過酷な環境または危険な環境での使用に不適切である。したがって、従来のpHガラス電極の限界に対処し、それを克服するpHプローブの必要性が当技術分野に存在する。当該pHプローブデバイスを本明細書に開示する。
本発明は、当技術分野において現在既知のものより優れた固体状態分析物センサを提供する。本明細書に記載のセンサは、より高度なピーク位置安定性、強度および寿命を示す分析物依存信号を提供し、構成するのが容易かつ安価である。この詳細な説明は、pHセンサ(すなわちpH計およびpHプローブ組立体)に関して本発明を例証するが、本発明の方法、材料およびデバイスは、一般に、対象となる任意の分析物の検出に適用可能である。
いくつかの実施態様において、本発明は、従来のpH計の高価で脆弱なガラス電極に取って代わる固体状態pHプローブ組立体および計測デバイスに関する。特に、本発明は、較正の必要がないセンサチップを利用するpH計測システムに関する。いくつかの実施態様において、本発明は、さらに、分析物感応性材料と、従来の基準電極との第1の併用を実証するpHプローブ組立体を提供する。したがって、本発明のいくつかの実施形態は、分析物感応性材料を含み、従来の基準電極と併用される作用電極を有するpHプローブ組立体を提供する。
本発明のいくつかの実施態様において、pH計測ユニットに電気的に結合されたpHプローブを有するpH計測システムを提供する。計測ユニットは、ユーザに対してpHが表示される表示画面を含む。pH計測システムは、使用されていないときにプローブ組立体を適正に維持および収納するための収納ベースをさらに含む。
本発明による計測ユニットは、一般に、電圧掃引をサンプル溶液に与えるとともに、プローブ組立体の様々な電極からの信号を受信および処理する二重の機能を果たす。本発明によるプローブ組立体は、対向電極(CE)、作用電極(WE)および基準電極(RE)を含む。これらの電極の各々は、計測ユニットがサンプル溶液のpHを測定するのを支援するための基本的な機能を果たす。
CEは、計測ユニットに電気的に結合された導電性炭素繊維管を含む。いくつかの実施形態において、CEは、金、プラチナおよび当技術分野で既知の他の材料などの非炭素系導電性材料をさらに含むことができる。計測ユニットからの電圧掃引がCEに加えられ、それが、次に、プローブ組立体が挿入されるサンプル溶液に加えられる。REは、CE内に同軸配置され、CEによって印加される電圧を正確に検出して測定するように構成される。WEは、センサチップの端部の中央に配置され、前記センサチップは、REに対して中央に同軸配置され、場合によりディスポーザブルである。したがって、いくつかの実施形態において、REは、外部に配置されたCEと中央に配置されたWEとの間に挿入配置される。
WEは、分析物感応性材料(ASM)コーティングを含むようにさらに改造される。ASMは、電圧に敏感であり、サンプル溶液における分析物の濃度に依存する可逆的な電気化学酸化還元反応を生じる化学化合物を含む。例えば、サンプル溶液に高濃度のプロトンが存在する場合は、酸化還元反応は比較的正の電圧で生じる。逆に、サンプル溶液に低濃度のプロトンが存在する場合は、酸化還元反応は比較的負の電圧で生じる。酸化還元反応が生じると、電子がWEを介してASMへ、またはASMから流れる。この電流の流れは、信号を計測ユニットに送信することを可能にする。信号が記録され、次いでREの電圧値と比較される。次いで、REの電圧値は、既知のpH緩衝液の標準化された電圧と比較される。電圧値と標準化された電圧との間の比較は、サンプル溶液のpH値を導く。
本発明のいくつかの実施態様において、プローブ組立体は、搭載電子部品および処理回路を含むことによって、プローブ組立体からのアナログ信号を計測ユニットに送信する前に増幅する。したがって、低増幅アナログ信号を電気コードで送信することにより一般に経験される電磁干渉が回避される。
プローブ組立体の同軸構成は、REに過大な環状フリットを提供する。環状フリットの1つの利点は、表面積の増大をもたらすことである。表面積の増大は、汚染に対する耐性の強化によりプローブ組立体の寿命を延ばす。より小さな表面積を有するフリットと比較して、本発明の環状フリットは、交換が必要となるまでより長く持続する。
本発明のいくつかの実施態様において、収納ベースがプローブ組立体に提供される。本発明のREは、乾燥するのが防止されると最適に維持される。本発明による収納ベースは、プローブ組立体の軸部を受容および支持するように構成された開口を有する加重ベースを提供する。収納ベースは、一般に、開口を介してプローブ組立体によりアクセス可能な湿潤溶液のボトルを保持するように構成された内部空間を含む。湿潤液のボトルは、組立体を挿入したり、収納ベースから取り外すとプローブ組立体の外面を拭くように作用する複数のフラップを有する改造キャップをさらに含む。フラップは、さらに、プローブ組立体を湿潤溶液ボトルに挿入すると、ボトル内の圧力の望ましくない増加を防止する。収納ベースの内部空間内の湿潤溶液の漏れを防止するために、ボトルキャップと収納ベースとの間に密閉がさらに介在する。
本発明のいくつかの実施態様は、使用前にWEチップを収納および保護するためのパッケージングシステムをさらに含む。パッケージングシステムは、一般に、ディスポーザブルWEチップを保持するための複数のウェルを有するディスポーザブルポリマー基材を含む。各ウェルは、チップを周囲環境から保護するために箔蓋で密閉される。WEチップは、単に、箔蓋を介してプローブの接触点をチップと係合させることによってパッケージングから取り除かれる。いくつかの実施態様において、パッケージングシステムをしっかりと保持するために収納トレイがさらに設けられる。収納トレイは、ディスポーザブル基材をしっかりと保持するためのウェルを含み、ユーザが、使用済みのWEチップをプローブ組立体から除去するのを支援するための先細りの溝をさらに含むことができる。
本発明のいくつかの実施態様は、ビーカーまたは同様の頂部開口型容器とともに使用する際にプローブ組立体を固定するように構成されたクリップをさらに含む。いくつかの実施形態において、クリップを容器に固定するための第1の特徴と、プローブ組立体をクリップに固定するための第2の特徴とを有するクリップを提供する。他の実施形態において、クリップを容器に固定するための第1の特徴と、プローブ組立体のケーブルをクリップに固定するための第2の特徴とを有するクリップを提供する。
4時間の過程にわたって、pH7のリン酸緩衝液にアントラキノン(AQ)を含むセンサ(以下の実施例1参照)を使用して得られた一連のボルタモグラムを示す図である。最下のトレースは1番目のボルタモグラムを表し、続く各ラインは、100番目、200番目、300番目、400番目および500番目のボルタモグラムを示す。各ボルタモグラムは、実施に約30秒間を要し、ボルタモグラムが連続的に実施されたため、ボルタモグラムが得られた時間は、100番目、200番目、300番目、400番目および500番目のボルタモグラムに対してそれぞれ50分、100分、150分、200分および250分であった。 4時間の過程にわたって、pH7のリン酸緩衝液に2−(ベータ−ナフトール)メチルアントラキノンを含むセンサ(以下の実施例1参照)を使用して得られた一連のボルタモグラムを示す図である。最下のトレースは1番目のボルタモグラムを表し、続く各ラインは、100番目、200番目、300番目、400番目および500番目のボルタモグラムを示す。各ボルタモグラムは、実施に約30秒間を要し、ボルタモグラムが連続的に実施されたため、ボルタモグラムが得られた時間は、100番目、200番目、300番目、400番目および500番目のボルタモグラムに対してそれぞれ50分、100分、150分、200分および250分であった。 従来のガラスpHプローブの性能と、50mMのNaOH溶液で滴定した4ミリモルの酢酸に2−(ベータ−ナフトール)メチルアントラキノンを含むセンサ(以下の実施例2参照)の性能とを比較した図である。 従来のガラスpHプローブの性能と、一連のpHのストック緩衝液に2−(ベータ−ナフトール)メチルアントラキノンを含むセンサ(以下の実施例2参照)の性能とを比較した図である。 本発明の第1の例示的な実施形態を完全に組み立てられた形で示す図である。 第1の例示的な実施形態の分解図を示す図である。 図5および図6に示される本発明の第1の例示的な実施形態のセンサチップの様々な態様の詳細な図をA部で示す図である。 図5および図6に示される本発明の第1の例示的な実施形態のセンサチップの様々な態様の詳細な図をB部で示す図である。 図5および図6に示される本発明の第1の例示的な実施形態のセンサチップの様々な態様の詳細な図をC部で示す図である。 図5および図6に示される本発明の第1の例示的な実施形態のセンサチップの様々な態様の詳細な図をD部で示す図である。 図5および図6に示される本発明の第1の例示的な実施形態のセンサチップの様々な態様の詳細な図をE部で示す図である。 図5から図7に示される本発明の第1の例示的な実施形態のセンサチップに配置された本発明の例示的な作用電極の図である。 図5から図7に示される本発明の第1の例示的な実施形態のセンサチップに配置された本発明の例示的な対向電極の断面図である。 図5から図7に示される本発明の第1の例示的な実施形態のセンサチップに配置された本発明の例示的な基準電極の断面図である。 図10に示される基準電極の例示的な実施形態の詳細図である。 本発明の第2の例示的な実施形態を示す図である。 図12に示される第2の例示的な実施形態のセンサウェルトレイ構成要素の詳細な図をA部で示す図である。 図12に示される第2の例示的な実施形態のセンサウェルトレイ構成要素の詳細な図をB部で示す図である。 本発明の代表的な実施形態による固体状態pHプローブおよび計測デバイスシステムの実施態様の斜視図である。 本発明の代表的な実施形態による固体状態pHプローブ組立体の実施態様の斜視図である。 本発明の代表的な実施形態による固体状態pHプローブ組立体の実施態様の斜視分解図である。 本発明の代表的な実施形態によるカートリッジ組立体の実施態様の斜視分解図である。 本発明の代表的な実施形態によるjフック小型基準組立体の実施態様の斜視分解図である。 本発明の代表的な実施形態による固体状態pHプローブ組立体の実施態様の断面図である。 本発明の代表的な実施形態によるチップユニットの実施態様の断面図である。 本発明の代表的な実施形態によるプローブ組立体クリップの斜視図である。 本発明の代表的な実施形態による断面図でも示されたプローブクリップ組立体を介して、断面図で示された容器に結合されたプローブ組立体の斜視図である。 本発明の代表的な実施形態によるプローブ組立体クリップの斜視図である。 本発明の代表的な実施形態によるプローブコードクリップの斜視図である。 本発明の代表的な実施形態によるプローブコードクリップを介して、断面図で示された容器に結合されたプローブコードの斜視図である。 本発明の代表的な実施形態による、斜視図で示されたプローブ組立体によってアクセスされる収納ベースの実施態様の断面図である。 本発明の代表的な実施形態による蓋の上面図である。 本発明の代表的な実施形態による密封パッケージング組立体の断面側面図である。 本発明の代表的な実施形態による収納トレイの詳細な図をA部で示す図である。 本発明の代表的な実施形態による収納トレイの詳細な図をB部で示す図である。 本発明の代表的な実施形態による収納トレイの詳細な図をC部で示す図である。 本発明の代表的な実施形態による収納トレイの詳細な図をD部で示す図である。 本発明の代表的な実施形態による収納トレイの詳細な図をE部で示す図である。 本発明の代表的な実施形態による収納トレイの詳細な図をF部で示す図である。 本発明の代表的な実施形態による計測デバイスシステムによって実施されるボルタメトリー手順のグラフ図である。 本発明の代表的な実施形態による固体状態pHプローブおよび計測デバイスシステムの様々な構成要素の関係を示す概略流れ図である。 本発明の代表的な実施形態による計測デバイスシステムによって実施される作図方形波ボルタメトリー手順のグラフ図である。
本発明は、当技術分野で現在既知のものより優れた固体状態分析物センサを提供する。具体的には、本発明は、より明確なピーク、より高いピーク位置安定性、より強いピーク強度および長いピーク寿命を示す改善された分析物依存信号を提供し、現在利用可能な分析物センサシステムと比較して、構成するのが簡単でコストが高くない固体状態分析物センサシステムを提供する。センサ構成要素、ならびにそれらの構成要素の構成および組成のいくつかの実施形態を以下に詳細に説明し、読者の便利のために以下の定義を示す。
定義
明細書および添付の特許請求の範囲に使用されているように、単数形「不定冠詞(a)」、「不定冠詞(an)」および「定冠詞(the)」は、文脈が他を指定する場合を除いて複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「1つの結合剤(a binder)」の言及は、結合剤の混合物を含み、「1つの導電性材料(a conductive material)」の言及は、2つ以上の当該材料を含むことができる。
「分析物」は、サンプルに存在する対象となる化学種であり、本発明の作用電極を含む分析物センサシステムを使用することによって、その存在が検出可能であるか、またはその濃度が測定可能である。
「酸化還元活性材料」は、酸化および/または還元することができる材料である。「酸化還元活性」は、それらのプロセスのいずれか、または両方を指す。
「分析物感応性材料」または「ASM」は、ユーザが定めた用途特異的許容範囲内でサンプル中の分析物の存在または濃度に対して感応性または実質的に感応性である酸化還元活性材料である。分析物に対して「実質的に感応性」は、エンドユーザによって定められる、所定の用途に必要とされる許容範囲内の感応性を指すように使用される。
「分析物非感応性材料」または「AIM」は、サンプル中の分析物の存在または濃度に対して非感応性または実質的に非感応性である酸化還元活性材料である。分析物に対して「実質的に非感応性」は、エンドユーザによって定められる、所定の用途に必要とされる許容範囲内での非感応性を指すように使用される。
材料に関する「分散された」または「結合された」は、それが溶液に溶解されているか、または気体、液体もしくは固体にコロイド懸濁されていることを意味する。該用語は、材料を固体の表面、または固体の構成要素に研磨固定、吸着、静電結合または共有結合させる実施形態をも包含する。該用語は、材料を結晶格子にドープ剤として含める実施形態をも包含する。該用語は、固体内に挿入された材料をも包含する。
「電気化学的検出システム」は、コントローラ/プロセッサユニット(CPU)および少なくとも1つの電極を含む。
「センサ」は、集合的に電気化学的検出システムの構成要素電極を指す。典型的なセンサは、作用電極、対向電極および基準電極(従来の基準電極または擬似基準電極)を含むが、分析物非感応性電極をさらに含むことができる。
電極の「表面」は、機能的表面、すなわち分析物サンプルと接触し、電気的または電気化学的目的を果たす表面の部分を指す。それは、例えば、電流または電圧が通らない絶縁性WE筐体を含まない。同様に、REの表面は、電流または電位を検出する、サンプルと接触した電極表面の部分である。CEの表面は、電流をサンプルに送るか、またはサンプルから受け取るように作用する、サンプルと接触した部分を指す。
「作用電極」または「WE」は、対象となる分析物を検出するための電気化学的プロセスが生じる電極である。センサにおいて、作用電極は、試験サンプル中の1つまたは複数の分析物に対して感応性であってもよく、または分析物感応性の種/材料で化学的に改質されてもよい。作用電極の電気化学的応答は、試験下の系に対する何らかの摂動が加えられた後に測定される。例えば、摂動は、電子移動を生じさせるWEに対する電位差の印加であってもよく、次いで作用電極における発生電流が印加電位の関数として記録される(ボルタメトリック方式)。多くの他の方式が当技術分野で既知であるため、この動作方式の例は例示的であって、網羅的でない。
「分析物非感応性電極」(AIE)は、電流の流れが、一部に、分析物を含むが、それに限定されないサンプル組成物中の(支持電極の最小閾値を除いて)種の存在または濃度と無関係である酸化還元プロセスに左右される作用電極の特殊な例である。AIEは、時間またはサンプル組成物を通じて変化しないため、WE応答と比較することができる内部標準または「ゼロ点」として使用され得る応答を与えるように作用する。AIEは、その全体が本明細書に組み込まれている特許文献1により詳細に記載されている。
「基準電極」(RE)は、WEに印加される電位差を監視するために使用される電極である。「従来の基準電極」(CRE)は、ある一定の化学組成を有するため、一定の電気化学電位を有することで、既知の制御された方法でWEに印加される電位差の測定を可能にする。CREは、一般に、一定のイオン組成およびイオン強度の電解質と接触した酸化還元対の2つの半体を含む。酸化還元対の両半体が存在し、関与するすべての種の組成が一定であるため、系は平衡に維持され、次いでCREの電極−電解質界面にわたる電位低下(すなわち実測電圧)が熱力学的に固定されて一定になる。例えば、広く使用されているCRE系は、規定の一定濃度のKClを含むAg|AgCl|KCl系である。したがって、2つの半電池反応は、Ag++e-→Ag、およびAgCl+e-→Ag+Cl-である。したがって、全電池反応は、ネルンスト平衡電位がE=E0−(RT/F)*ln「Cl-」(Eは実測RE電位であり、E0は、すべての種が単位活性である標準水素電極に対するAg|AgCl対の標準電位(規則により、これは、0.0Vの電位を有するものと定められる)であり、R、TおよびFは、それぞれ適切な単位の普遍気体定数、温度およびファラデー定数である)で与えられるAgCl→Ag++Cl-である。したがって、この系の電位は、これが一定であれば、安定な一定の電位を与える、存在するCl-イオンの濃度(より厳密に言うと活性)にのみ左右される。多くの他のCRE系が当技術分野で既知である。CREの組成が一定に保たれることが必須であるため、CREにほとんど電流を流すべきでなく(そうでなければ電解が生じ、CREの組成が変化することになる)、それには回路を完成するための第3の電極、すなわち対向電極(CE)の使用が必要である。しかし、二電極構成を、WEが一般に100ミクロンより小さい少なくとも1つの寸法を有する微小電極である特殊な場合に使用することができる。この場合は、WEに流される電流が小さいため、二電極電池をCREに使用することができるが、CEを必要としない。
「擬似基準電極」(PRE)という用語は、特に非水性電解質に使用されることがある基準電極のタイプを指す。これらの電極は、一般に、明確な酸化還元電位の両半体を含まないため、一定の組成および電位の熱力学的基準電極でない。しかし、それらは、(分のオーダの)電気化学的実験の時間スケールにわたって合理的に一定の電位を与え、次いで必要であれば、PREの絶対電位をCREに再較正することができる。PREの1つの例は、(非水性電気化学に広く使用される)銀ワイヤである。
電池に電流を流すためには、回路を完成するために1つのさらなる電極が必要とされ得る。いくつかの実施形態において、この追加的な電極は、「対向電極」もしくは「CE」、または時には「補助電極」である。この電極は、電子のソースまたはシンクとして単純に機能し、電流が電池を流れることを可能にする。WEにおいて測定される信号に干渉し得る望ましくない電気化学的酸化還元プロセスがCEに生じるのを避けるために、CEは、一般に、比較的化学的に不活性な材料、一般にはプラチナ(Pt)を使用して作製されるが、炭素(グラファイト)も広く採用されている。
本明細書に使用されているように、「同軸」という用語は、様々な構成要素、例えば電極がそのまわりに配置される共通の軸を指す。いくつかの実施形態において、「同軸」は、同心状またはほぼ同心状に配置された放射対称を指す。いくつかの実施形態において、「同軸」という用語は、外側の、または外部に配置された電極構成要素内に同心状に配置されている1つまたは複数の電極を指す。例えば、限定することなく、WE、CEおよびREは、CEが、分析物溶液に浸漬されたセンサチップの外環であり、WEがチップの中央に存在し、REがCEとWEの間に挿入配置されているときに同軸配置されている。
「単離化合物」および「精製化合物」という用語は、それとともに自然に存在する他の化合物から実質的に分離された、またはそれらの化合物に対して濃縮された化合物を指す。単離化合物は、通常、少なくとも約80重量%の純度、少なくとも90重量%の純度、少なくとも98重量%の純度、または少なくとも約99重量%の純度である。本開示は、ジアステレオ異性体、ならびにそれらのラセミ体および分解された形、異性体として純粋な形、およびそれらの医薬として許容し得る塩を含むことを意図する。
本明細書に使用されているように、「化学的部分」という用語は、分子の官能基、または官能基を部分構造体として含む分子の任意の部分を指す。化学的部分の基の非限定的な例としては、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、アミド、カルボキシル、ヒドロキシルメチル、カルボニル、エーテル、アルコキシエーテル、およびそれらから得られる置換または非置換アリールまたはヘテロアリール環が挙げられる。
本明細書に使用されているように、「化学リンカー」という用語は、分析物感応性材料を所望の基板に共有結合することに関与する化学構造体を指す。いくつかの実施形態において、化学リンカーは、化学結合を含む。他の実施形態において、化学リンカーは、2つの異なる化学分子の間に挿入された1つまたは複数の原子を含む。さらに、いくつかの実施形態において、化学リンカーは、2つの異なる化学分子の間に挿入された1つまたは複数の分子を含み、例えば、化学リンカーは、分析物感応性材料と作用電極の基板との間に挿入される。
「アルク(alk)」または「アルキル」という用語は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、n−オクチル、ドデシル、オクタデシル、アミルおよび2−エチルヘキシル等の、1から12個の炭素原子、好ましくは1から8個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖炭化水素基を指す。アルキル基は、他に指定される場合を除いて、(場合により置換された)アリール、(場合により置換された)ヘテロシクロ、(場合により置換された)カルボシクロ、ハロ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、(場合により置換された)アルコキシ(例えばC1からC7)、アシル(例えばC1からC7)、(場合により置換された)アリールオキシ(例えばC1からC7)、(場合により置換された)アルキルエステル、(場合により置換された)アリールエステル、(場合により置換された)アルカノイル、(場合により置換された)アロイル、カルボキシ、保護カルボキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、置換アミノ、(一置換)アミノ、(二置換)アミノ、保護アミノ、アミド、ラクタム、尿素、ウレタンおよびスルホニル等から選択される1つまたは複数の基で場合により置換されている。
「アル(ar)」、「アリール」または「アリール環」という用語は、フェニル、ナフチルおよびビフェニルなどの、好ましくは6から12員を有する芳香族単素環式(すなわち炭化水素)一環、二環または三環含有基を指す。アリール基は、他に指定される場合を除いて、アルキル(場合により置換されたアルキル)、(場合により置換された)アルケニル、(場合により置換された)アリール、(場合により置換された)ヘテロシクロ、ハロ、ヒドロキシ、(場合により置換された)アルコキシ、(場合により置換された)アリールオキシ、(場合により置換された)アルカノイル、(場合により置換された)アロイル、(場合により置換された)アルキルエステル、(場合により置換された)アリールエステル、シアノ、ニトロ、アミノ、置換アミノ、アミド、ラクタム、尿素、ウレタンおよびスルホニルから選択される1つまたは複数の基で場合により置換されている。場合により、隣接する置換基は、それらが結合された原子と一緒になって、3から7員環を形成する。
「ヘテロアリール」または「ヘテロアリール環」という用語は、単独で、またはさらなる窒素、硫黄もしくは酸素環原子とともに酸素、硫黄および/または窒素原子などの1から4個のヘテロ原子を有する場合により置換された5員環または6員環を指す。また、上記の場合により置換された5員環または6員環を芳香族5員環または6員環系に場合により縮合することができる。例えば、それらの環をベンゼン、ピリジンまたはトリアゾール系などの芳香族5員環または6員環系に場合により縮合することができる。
以下の環系は、「ヘテロアリール」という用語によって表される(置換または非置換の)複素環式基の非限定的な例、すなわちチエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアトリアゾリル、オキサトリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、オキサジニル、トリアジニル、チアジアジニルテトラゾロ、1,5−[b]ピリダジニルおよびプリニル、ならびにベンゾ縮合誘導体、例えば、ベンゾキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイミダゾリルおよびインドリルである。
ヘテロアリール基は、他に指定される場合を除いて、1から3つのハロ、トリハロメチル、アミノ、保護アミノ、アミノ塩、一置換アミノ、二置換アミノ、カルボキシ、保護カルボキシ、カルボン酸塩、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、ヒドロキシ基の塩、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、(場合により置換された)アルキル、(場合により置換された)シクロアルキル、(場合により置換された)(シクロアルキル)アルキル、(場合により置換された)フェニル、フェニルアルキル(場合により置換されたフェニルアルキル)から選択される1つまたは複数の基で場合により置換されている。ヘテロアリール基に対する置換基は、これまで記載されている通りであるか、またはトリハロメチルの場合は、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチルまたはトリヨードメチルであり得る。ヘテロアリール環に対する上記置換基に関連して使用されるように、「低級アルコキシ」はC1からC4のアルコキシ基を指し、同様に、「低級アルキルチオ」はC1からC4のアルキルチオ基を指す。
「複素環」、「複素環式」、「複素環式基」または「ヘテロシクロ」という用語は、少なくとも1つの炭素原子含有環に少なくとも1つのヘテロ原子を有する芳香族(「ヘテロアリール」)または非芳香族環式基(例えば、好ましくは全部で3から10個の環原子を含む3から13員の一環式、7から17員の二環式、または10から20員の三環式環系)を含む完全飽和または部分不飽和もしくは完全不飽和を指す。ヘテロ原子を含む複素環式基の各環は、窒素原子、酸素原子および/または硫黄原子から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を有していてもよく、窒素ヘテロ原子および硫黄ヘテロ原子は、場合により酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は、場合により四級化されていてもよい。複素環式基は、環または環系の任意のヘテロ原子または炭素原子に結合されていてもよい。多環複素環の環は、1つまたは複数のスピロ結合を介して縮合、架橋および/または接合していてもよい。
例示的な一環式複素環式基としては、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロロジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、4−ピペリドニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラヒドロピラニル、テトラゾイル、トリアゾリル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソランおよびテトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニル等が挙げられる。
例示的な二環式複素環式基としては、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチエニル、キヌクリジニル、キノリニル、テトラ−ヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、クロモニル、クマリニル、ベンゾジオキソリル、ジヒドロベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル(フロ[2,3−c]ピリジニル、フロ[3,2−b]ピリジニルまたはフロ[2,3−b]ピリジニルなど)、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル(3,4−ジヒドロ−4−オキソ−キナゾリニルなど)、テトラヒドロキノリニル、アザビシクロアルキル(6−アザビシクロ[3.2.1]オクタンなど)、アザスピロアルキル(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカンなど)、イミダゾピリジニル(イミダゾ[1,5−a]ピリジン−3−イルなど)、トリアゾロピリジニル(1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルなど)およびヘキサヒドロイミダゾピリジニル(1,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−3−イルなど)等が挙げられる。
例示的な三環式複素環式基としては、カルバゾリル、ベンジドリル、フェナントロリニル、アクリジニル、フェナントリジニルおよびキサンテニル等が挙げられる。
ヘテロシクロ基は、他に指定される場合を除いて、(置換アルキルを含む)アルキル、アルケニル、オキソ、(置換アリールを含む)アリール、(置換ヘテロシクロを含む)ヘテロシクロ、(場合により置換された)カルボシクロ、ハロ、ヒドロキシ、(場合により置換された)アルコキシ、(場合により置換された)アリールオキシ、(場合により置換された)アルカノイル、(場合により置換された)アロイル、(場合により置換された)アルキルエステル、(場合により置換された)アリールエステル、シアノ、ニトロ、アミド、アミノ、置換アミノ、ラクタム、尿素、ウレタンおよびスルホニル等から選択される1つまたは複数の基で場合により置換されており、場合により置換基の1つまたは複数の対は、それらが結合された原子と一緒になって、3から7員環を形成する。
読者は、この序文および上記定義を念頭において、以下に説明する本発明の様々な態様および実施形態をよりよく理解することができる。読者の便利のために、この説明を種々のセクションおよびサブセクションに分割する。セクションIでは、本発明の分析物検出デバイス(「計器」)を様々な構成要素の観点から説明する。パートAでは、「プローブ」に焦点をおき、サブセクション1から4において、プローブ上の電極(パート1、サブパートa(WE)、b(RE)、c(CE)およびd(IE))、プローブ上の電極の配置(パート2、サブパートa(同軸)およびb(他の構成))ならびに様々なプローブ関連デバイス(パート4、サブパートa(プローブクリップ)、b(「インクウェル」)およびc(密封パッケージング))について説明する。パートBでは、信号の取得および処理に焦点をおく。セクションIIでは、本発明の計器を様々な用途に使用することをより容易にすることができる関連デバイスについて説明する。
セクションI:分析物検出デバイス
A(1)(a):作用電極(WE)
いくつかの態様において、本発明の作用電極(WE)は、少なくとも1つのASMおよび基板材料を含む。好適なASMおよび基板材料を以下に記載する。いくつかの例示的な実施形態において、アントラキノン(AQ)を含むWEを以下の実施例1に記載されているように調製する。いくつかの実施形態において、単一のASMによって提供される測定より高感度の測定を提供しながら、分析物濃度を求めるために分解しなければならないさらなる重複ピークを導入する可能性を最小限に抑えるように選択される、WEは、同じ分析物種に対して感応性の2つのASMを含む。この実施形態のいくつかの例において、WEは、やはり実施例1に記載されているフェナントレンキノン(PAQ)およびアントラキノン(AQ)の両方を含む。他の態様において、WEは、それぞれが参照により本明細書に組み込まれている特許文献2、特許文献3および特許文献4に記載されているようにAIMを内部標準としてさらに含むことができる。さらに、いくつかの実施形態において、WEは、各ASMが多様な分析物種に対する感応性について選択される2つ以上のASMを含む。
本発明の他の態様において、WEは、高度に精製されたASMを含む。いくつかの実施形態において、WEは、以下に記載されるように、最初に精製されてから、基板の表面と結合される酸化還元活性材料を含む。他の実施形態において、ASMは、以下の実施例1に記載されるように、最初に精製され、次いで炭素−エポキシ電極に共有結合されるAQである。さらなる実施形態において、WEは、やはり実施例1に記載されるように精製AQおよび精製PAQの両方を含む。
いくつかの実施形態において、以下に記載されるように、ASM結合の前にWE基板を処理して不純物を除去する。
他の実施形態において、電極表面に存在するASM材料は、ASMと基板との結合の後にさらなる精製が施されて、センサ信号形状のさらなる向上をもたらす。好適な方法としては、好適な溶媒によるすすぎ、電位に対する電極の曝露、好適な溶媒中での超音波処理、もしくは例えばソックスレー装置を使用する連続抽出、またはこれらの方法の組合せが挙げられるが、それに限定されない。
いくつかの実施形態において、以下に記載されるように、WE基板に多サイクルのASM結合および精製を施すことによって、ASM結合をさらに向上させる。本発明によれば、当業者は、基板上に装填される純粋のASMの量を制御することによって、所定の用途に適するサイズおよび形状を有するWEを製造して、本発明の有益性を達成することを可能にすることができる。
さらなる実施形態において、WEは、10から300マイクロアンペアの間のpH依存信号をもたらすのに十分な量で存在するASMを含む。
いくつかの実施形態において、WEのサイズおよび形状は、WE、REおよびCE間の有害な電気化学的作用を最小限に抑えながら、ユーザが背景ノイズに対して分析物依存信号を区別することを可能にしながら信号質を維持するのに十分なWE性能を維持するように選択される。
高度に精製されたASMを含むWEは、現在利用可能なWEと比較していくつかの利点を有する。当該電極は、電極表面積1単位当たりのASM装填が優れるため、より強い信号強度およびより長い信号寿命、ならびに信号ピークの形状の観察によって検出できる、性能に悪影響を及ぼすASM以外の汚染物の量の減少をもたらす。それらの向上した性能は、それらを小型化に適応させながら、分析物依存信号を背景ノイズから区別するのに必要な最低限の信号強度および信号質を維持する。
本発明のWEを、センサから取り外し可能で容易に交換できるように構成することができる。
本発明のいくつかの実施形態は、さらに、それぞれが、基板上に配置され、その基板と電気的に結合する1つまたは複数のASMを含む1つまたは複数のWEを有する改良型分析物センサを提供する。当該ASMを基板表面に吸着させるか、またはそれに共有結合させることができる。
いくつかの態様において、センサは、ASMとしてAQ誘導体を含む。他の態様において、本発明は、ASMとしてフェナントレンキノン(PAQ)またはその誘導体を含む。さらに、他の態様において、本発明は、ASMとしてオルト−ベンゾキノン(OQ)またはその誘導体を含む。さらに、他の態様において、本発明は、ASMとしてN,N’−ジフェニルパラ−フェニレンジアミン(DPPD)またはその誘導体を含む。
いくつかの態様において、本発明は、ASMとしてアントラセン(AC)またはその誘導体を含む。他の態様において、本発明は、ASMとしてナフタキノン(NQ)またはその誘導体を含む。さらに、他の態様において、本発明は、ASMとしてパラ−ベンゾキノン(PQ)またはその誘導体を含む。
本発明は、さらに、基板上に配置され、基板と電気的に結合するASMを含むセンサ構造体を提供する。この構造体は、センサとして知られる。以下に詳述される様々な例示的な実施形態は、現在既知のセンサと比較したピーク強度、寿命、および一定pHにおける経時的なピーク位置シフトの向上を示す。
本明細書に記載のセンサは、基板上に配置され、基板と電気的に結合する少なくとも1つのASMであって、基板材料とより強く相互作用し、長時間のボルタメトリックサイクル中に一定のpHの溶液に対するより安定な応答を生成するASMを含む。ASM化合物の選択は、センサを使用する具体的な用途に左右されることになる。
本発明のいくつかの実施形態において、WEセンサは、AQの誘導体を含む。これらのセンサは、AQそのものを含むセンサと比較して、信号寿命の向上および一定pHにおける経時的なピーク位置のドリフトの減少をもたらす(図1と図2の比較)。さらに、これらのセンサの応答曲線は、従来のガラスセンサの応答曲線と同等である(例えば、図3および図4参照)。
好適なAQ誘導体としては、アントラキノン部分の酸化還元活性を維持するが、AQ誘導WE構造体を使用して信号寿命およびピーク安定性を向上させるために、置換のために利用可能な部分の1つまたは複数において極性基と親AQ分子との間にスペーサ部分を含めて、または含めずにアミノ、アミド、カルボキシル、ヒドロキシル、メチルおよびカルボニル類の官能基を含むが、それらに限定されない極性基で置換された誘導体が挙げられる。同様に、ベータナフトールと親AQ分子との間にスペーサ部分を含めて、または含めずに親AQ分子の1つまたは複数の位置において結合されたベータ−ナフトール基などの置換基を組み込んで、本発明の信号寿命およびピーク安定性を向上させることができる。また、5,12−ナフタセンキノン(3)などの長い芳香族構造を有する誘導体は、性能の向上を示す。本発明のこの態様を含むことができるAQ誘導体のいくつかの実施形態は、表1に示される化合物2−カルボキシAQ(1)、2−N−BOCエチレンジアミンAQ(2)、5,12−ナフタセンキノン(3)、1−アセチルアミドAQ(4)および2−(ベータ−ナフトール)メチルアントラキノン(5)を含む。
Figure 2012522223
いくつかの実施形態において、本発明は、単離または精製された新規化合物として2−N−BOCエチレンジアミンAQを提供する。他の実施形態において、化合物2−N−BOCエチレンジアミンAQを含むWEを提供する。いくつかの実施形態において、化合物2−N−BOCエチレンジアミンAQは、WEの基板に共有結合される。他の実施形態において、化合物2−N−BOCエチレンジアミンAQは、WEの基板に物理吸着される。
いくつかの実施形態において、本発明は、単離または精製された新規化合物として2−(ベータ−ナフトール)メチル−アントラキノンを提供する。他の実施形態において、化合物2−(ベータ−ナフトール)メチル−アントラキノンを含むWEを提供する。いくつかの実施形態において、化合物2−(ベータ−ナフトール)メチル−アントラキノンは、WEの基板に共有結合される。他の実施形態において、化合物2−(ベータ−ナフトール)メチル−アントラキノンは、WEの基板に物理吸着される。
誘導体化によってAQ分子に組み込まれた官能基は、WE構造体の有用な寿命を向上させることが示された。理論によって束縛されるのではないが、これらのWE構造体の観察された寿命に対する1つの説明は、AQ誘導体の官能基が、グラファイトの生成および/または後の処理時に酸化により生じるグラファイト端面上に存在する官能基との水素結合相互作用に参加することが可能な部分を含むことである。水素結合相互作用は、グラファイト表面に対するASM分子の親和性を高め、起こり得る任意の脱離プロセスの速度を低下させる。
加えて、AQのベータ−ナフトール誘導体は、AQから調製されたWE構造体と比較すると、WE構造体の有用な寿命の向上を示した。さらなる芳香族特性を保有すると、これらのAQ誘導体は、pi−pi堆積相互作用を介して、グラファイト表面の底面に対する親和性が向上することが予測される。さらに、これらのAQ誘導体は、ボルタメトリック分析の同一時間フレームにわたって、AQと比較してピーク位置安定性が向上していることを示した。
分子の酸化還元活性分析物感応性挙動がそのまま維持されるのであれば、以上に詳述したAQ分子への置換を他の種類の酸化還元活性分析物検出分子に適用して、これらの異なる種類の分子の寿命および精度対時間を向上させることができる。様々な種類のASM候補を以下に示す。
本発明のいくつかの実施形態において、WEセンサは、表2に示される式Iによって示されるAQまたはAQ誘導体を含む。
Figure 2012522223
式Iは、得られた化合物のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8が、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、アミド、カルボキシル、ヒドロキシルメチル、カルボニル、エーテルおよびアルコキシエーテルからなる化学部分群から個別かつ独立に選択され、さらなる任意の2つの隣接する基(R1およびR2、またはR2およびR3、またはR3およびR4、またはR5およびR6、またはR6およびR7、またはR7およびR8)が一緒になって、置換または非置換アリールまたはヘテロアリール環を形成してもよい化学化合物式を示す。
他の実施形態において、本発明のセンサは、表3に示される式IIによって示されるフェナントレンキノン(PAQ)またはPAQ誘導体を含む。
Figure 2012522223
式IIは、得られた化合物のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8が、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、アミド、カルボキシル、ヒドロキシルメチル、カルボニル、エーテルおよびアルコキシエーテルからなる化学部分群から個別かつ独立に選択され、さらなる任意の2つの隣接する基(R1およびR2、またはR2およびR3、またはR3およびR4、またはR5およびR6、またはR6およびR7、またはR7およびR8)が一緒になって、置換または非置換アリールまたはヘテロアリール環を形成してもよい化学化合物式を示す。
別の態様において、本発明のセンサは、表4に示される式IIIによって示されるオルト−ベンゾキノンまたはオルト−ベンゾキノン誘導体を含む。
Figure 2012522223
式IIIは、得られた化合物のR1、R2、R3およびR4が、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、アミド、カルボキシル、ヒドロキシルメチル、カルボニル、エーテルおよびアルコキシエーテルからなる化学部分群から個別かつ独立に選択され、さらなる任意の2つの隣接する基(R1およびR2、またはR2およびR3、またはR3およびR4)が一緒になって、置換または非置換アリールまたはヘテロアリール環を形成してもよい化学化合物式を示す。
別の態様において、本発明のセンサは、表5に示される式IVによって示されるN,N’−ジフェニルパラ−フェニレンジアミン(DPPD)またはDPPD誘導体を含む。
Figure 2012522223
式IVは、得られた化合物のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13およびR14が、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、アミド、カルボキシル、ヒドロキシルメチル、カルボニル、エーテルおよびアルコキシエーテルからなる化学部分群から個別かつ独立に選択され、さらなる任意の2つの隣接する基(R1およびR2、またはR2およびR3、またはR3およびR4、またはR4およびR5、またはR6およびR7、またはR8およびR9、またはR9およびR10、またはR10およびR11、またはR11およびR12、またはR13およびR14)が一緒になって、置換または非置換アリールまたはヘテロアリール環を形成してもよい化学化合物式を示す。
別の態様において、本発明のセンサは、表6に示される式Vによって示されるアントラセンまたはアントラセン誘導体を含む。
Figure 2012522223
式Vは、得られた化合物のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10が、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、アミド、カルボキシル、ヒドロキシルメチル、カルボニル、エーテルおよびアルコキシエーテルからなる化学部分群から個別かつ独立に選択され、さらなる任意の2つの隣接する基(R1およびR2、またはR2およびR3、またはR3およびR4、またはR6およびR7、またはR7およびR8、またはR8およびR9)が一緒になって、置換または非置換アリールまたはヘテロアリール環を形成してもよい化学化合物式を示す。
別の態様において、本発明のセンサは、表7に示される式VIによって示されるナフタキノンまたはナフタキノン誘導体を含む。
Figure 2012522223
式VIは、得られた化合物のR1、R2、R3、R4、R5およびR6が、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、アミド、カルボキシル、ヒドロキシルメチル、カルボニル、エーテルおよびアルコキシエーテルからなる化学部分群から個別かつ独立に選択され、さらなる任意の2つの隣接する基(R1およびR2、またはR3およびR4、またはR4およびR5、またはR5およびR6)が一緒になって、置換または非置換アリールまたはヘテロアリール環を形成してもよい化学化合物式を示す。
別の態様において、本発明のセンサは、表8に示される式VIIによって示されるパラ−ベンゾキノン(PQ)またはPQ誘導体を含む。
Figure 2012522223
式VIIは、得られた化合物のR1、R2、R3およびR4が、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、アミド、カルボキシル、ヒドロキシルメチル、カルボニル、エーテルおよびアルコキシエーテルからなる化学部分群から個別かつ独立に選択され、さらなる任意の2つの隣接する基(R1およびR2、またはR3およびR4)が一緒になって、置換または非置換アリールまたはヘテロアリール環を形成してもよい化学化合物式を示す。
他の態様において、本発明のセンサは、表9に示される式VIIIによって示されるアゾベンゼンまたはアゾベンゼン誘導体を含む。
Figure 2012522223
式VIIIは、得られた化合物のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10が、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、アミド、カルボキシル、ヒドロキシルメチル、カルボニル、エーテルおよびアルコキシエーテルからなる化学部分群から個別かつ独立に選択され、さらなる任意の2つの隣接する基(R1およびR2、またはR2およびR3、またはR3およびR4、またはR4およびR5、またはR6およびR7、またはR7およびR8、またはR8およびR9、またはR9およびR10)が一緒になって、置換または非置換アリールまたはヘテロアリール環を形成してもよい化学化合物式を示す。
別の態様において、本発明のセンサは、AQのpH検出性能の向上について記載されている同じ誘導体化手法を使用することによってその検出能力を向上させることができる1つまたは複数の酸化還元活性分子またはその誘導体を含む。したがって、酸化還元活性分子誘導WE構造体を使用して信号寿命およびピーク安定性を向上させるために、置換のために利用可能な部分の1つまたは複数において極性基と親分子との間にスペーサ部分を含む、または含めない、アミノ、アミド、カルボキシル、ヒドロキシル、メチルおよびカルボニル類の官能基を含むが、それらに限定されない極性基による親分子の置換を組み込むことができる。同様に、ベータ−ナフトールと親酸化還元活性分子との間にスペーサ部分を含めて、または含めずに親酸化還元活性分子の1つまたは複数の位置において結合されたベータ−ナフトール基などの置換基を組み込んで、本発明の信号寿命およびピーク安定性を向上させることができる。
いくつかの実施形態において、本発明のセンサは、単一のASMを含む。例えば、単一ASMのpHセンサのいくつかの実施形態は、ASMが、2−カルボキシAQ(1)、2−N−BOCエチレンジアミンAQ(2)、5,12−ナフタセンキノン(3)および1−アセチルアミドAQ(4)からなる化合物の群から選択されるセンサを含む。他の実施形態において、単一ASMのセンサは、ASMが2−(ベータ−ナフトール)メチルアントラキノンであるセンサを含む。
他の実施形態において、本発明のセンサは、少なくとも2つ以上のASM化合物を含む。
本発明のいくつかの実施形態は、少なくとも1つの酸化還元活性ASMを有するセンサを含み、1つまたは複数のさらなるASMおよび/またはAIMをさらに含むことができる。ASMおよびAIMのいずれもが、明確な周期的ボルタメトリー酸化および/または還元ピークで可逆的な酸化還元活性を示す酸化還元活性材料を含むことができる。
一般に、ASMの酸化還元電位は、所望の分析物に対して感応性である。好適な材料としては、例えば、限定することなく、pH感応性ASM:アントラキノン(AQ)、フェナントレンキノン(PAQ)、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、アントラセン、ジアゾ含有化合物、ポルフィリン、NADH、NAD+およびN−メチルニコチンアミドを含むニコチンアミド、キノンチオール、モノ四級化N−アルキル−4,4’−ビピリジニウム、RuOおよびNi(OH)2、ならびにそれらの化合物の誘導体;CO感応性ASM:フェロセニルフェラアゼチンジスルフィド;アルカリ金属陽イオン感応性ASM:1,1’−(1,4,10,13−テトラオキサ−7,1−ジアザシクロオクタデカン−7,16−ジイルジメチル)、フェロセニルチオール、および共有結合したクリプタンドを含む他のフェロセン誘導体を挙げることができる。好適なASMは、例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれている非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3に記載されている。実例としては、通常は化学的に非感応性の酸化還元中心(フェロセン)が、その酸化還元電位を化学的に感応性にするように化学物質認識部分に共有結合された上記フェロセニルフェラアゼチンおよびフェロセニルクリプトが挙げられる。参照により本明細書に組み込まれている非特許文献3に記載されている1−ヒドロ−1’−(6(ピロール−1−イル)ヘキシル−4,4’−ビピリジニウムビス(ヘキサフルオロ−ホスフェート)などの、センサおよび基準官能基が共有結合された分子またはポリマーも好適である。
本発明のいくつかの実施形態は、それらが導入される化学媒体に対して実質的に非感応性である酸化還元電位を有するAIMをさらに含むことができる。当該AIMとしては、例えば、限定することなく、フェロセン、n−ブチルフェロセン、K4Fe(CN)6、ポリビニルフェロセン、ヘキサシアノ鉄酸ニッケル、フェロセンスチレンコポリマーおよびフェロセンスチレン架橋コポリマーを含むフェロセンポリマーおよびコポリマー、ニッケルシクラム、および炭素上に分散されたAgナノ粒子等からなる群から選択されるAIMを挙げることができる。さらに、非限定的な例としては、フェロセニルチオール、ポリビニル−フェロセン、ビオロゲン、ポリビオロゲンおよびポリチオフェンが挙げられる。他の実施形態は、化学的に分離されているが、化学媒体または分析物サンプルと電気的に結合する通常は化学的に感応性の材料を含むAIMを含むことができる。
概して、ASMに関する本明細書の教示は、AIMにも有用である。
いくつかの実施形態において、本発明のWEにおける使用に好適な基板材料としては、炭素同素体およびその誘導体、遷移金属、導電性金属合金、導電性ポリマー化合物およびその誘導体、ドープシリコンおよびドープ半導体材料を含むシリコンおよびその誘導体を含む半導体材料およびその誘導体、ならびに当業者に既知のさらなる好適な材料が挙げられるが、それらに限定されない。
いくつかの態様において、基板は炭素を含む。いくつかの実施形態において、基板は、以下の実施例に記載されるように、グラファイトおよびエポキシなどの結合剤を含む複合材料を含む。
本発明のいくつかの態様において、基板の表面を、酸化還元活性材料の結合の前に精製して、基板との結合を向上させ、特に、基板と結合する材料の量および純度、ならびに結合の強度を向上させる。グラファイト/エポキシ基板および他の基板に対する好適な方法としては、プラグに成形することができる基板の表面を研磨した後に、加圧空気または他の気体の流体を基板表面に誘導し、場合により好適な溶媒中で超音波処理するか、または基板表面を王水で処理することが挙げられるが、それに限定されない。得られたWEは、ASM結合の前に精製されない基板を使用して作製されたWEによって生成される信号と比較して、優れた信号強度および寿命を有する分析物依存信号を生成する。
基板は、1つまたは複数のASMとワイヤなどの電線管との間の物理的および電気的架橋ユニットとして作用する自己充足的実体として作用する。基板の物理的機能は、基板/ASM構造体を対象となるサンプル、典型的には液体に浸漬させることができるようにASMに対する支持体を提供することである。これにより基板は、ASMを対象となるサンプルと相互作用させる。基板の電気的機能は、電子などの電荷担体を電線管からASMに伝達し、次いでASMが酸化還元反応を生じるように電子をASMに実質的に供給(または除去)することである。いくつかの実施形態において、基板材料は、対象となるサンプルとの直接的な反応に対する電気的不活性、および様々なエネルギーを有する電荷担体を、エネルギーの損失を最小限にして誘導する能力を含むように選択される。
多種多様な基板が、本発明のセンサにおける使用に好適である。当該基板としては、金およびプラチナなどの貴金属、シリコンなどの半導体材料、および様々な炭素系材料が挙げられるが、それらに限定されない。
熱分解性グラファイト(PG)、グラファイト、非晶質炭素、カーボンブラック、単層または多層カーボンナノチューブ、ガラス炭素、ホウ素ドープダイヤモンド、熱分解されたフォトレジストフィルム(PPF)および当技術分野で既知の他のものなどの炭素同素体を含むが、それらに限定されない多種多様な炭素基板が本発明のセンサにおける使用に好適である。また、上記炭素同素体のすべてを好適な結合剤に粉末形態として分散させることができる。当該結合剤としては、有機ポリマーまたは無機ポリマーおよび接着性材料が挙げられる。いくつかの実施形態において、基板はグラファイト粉末であり、結合剤はエポキシ樹脂である。他の実施形態において、基板はグラファイトロッドである。
様々な実施形態において、基板表面を研磨しなくても研磨してもよい。一実施形態において、基板表面を、以下の実施例に記載されているように研磨する。他の実施形態において、ASMの基板表面への吸着または共有結合を容易にするために基板を誘導体化する。炭素基板表面を誘導体化するための好適な技術の例としては、酸化、還元、窒素、酸素または硫黄などのヘテロ原子の導入、およびヨウ化メチルまたはメチルグリニャール試薬などの求電子試薬または求核試薬との反応による不動態化が挙げられるが、それらに限定されない。
本発明において記載されるデバイスによって提供されるボルタメトリック測定時に電気信号が生成されるようにASMを基板と接触させるためのいくつかの方法が利用可能である。そのまま堆積する(すなわち、固体のASMを基板表面上に研磨固定する)ことによって、または溶媒中ASMの溶液として堆積した後に溶媒を蒸発させることによってASMを表面に物理吸着させることができる。共有結合ケミストリーを用いてASMを基板の表面に共有結合させることもできる。共有結合ケミストリーの例としては、基板に固有の求核性官能基の直接的なアルキル化、ASM誘導体の基板への反応性ラジカル付加、ASM誘導体の基板への反応性ニトレン付加、ASM誘導体の基板への反応性カルベン付加、および官能化された基板によるASM誘導体のフイスゲン1,3−二極性環状付加が挙げられるが、それらに限定されない。
少なくとも一部に、基板表面が求核性官能基で構成される場合は、基板の直接的なアルキル化によってASMを共有結合させることが可能である。表10に示される非限定的な例は、好適な塩基(例えばヒューニッヒ塩基)の存在下で好適な脱離基(例えばハロゲンまたは擬ハロゲン)を用いて誘導体化されたASMで基板を処理することによって表面のヒドロキシル官能基をアルキル化することを含む。
Figure 2012522223
特定の基板を反応性ラジカルとの反応による結合によって共有結合改質する。表11に示される非限定的な例は、アリールラジカルをASMジアゾニウム誘導体から電気化学的に生成することを含む。
Figure 2012522223
特定の基板を反応性ニトレンとの反応による結合によって共有結合改質することができる。表12に示される非限定的な例は、反応性ニトレンをASMアジド誘導体から熱的に(すなわち基板/ニトレン前駆体混合物を好適な温度に加熱することによって)生成することを含む。
Figure 2012522223
特定の基板を反応性カルベンとの反応による結合によって共有結合改質することができる。表13に示される非限定的な例は、反応性カルベンをASMジアジリン誘導体から熱的に(すなわち基板/カルベン前駆体混合物を好適な温度に加熱することによって)生成することを含む。
Figure 2012522223
また、特定の基板をフイスゲン1,3−二極性環状付加による結合によって共有結合改質することができる。表14に示される非限定的な例は、基板表面をアジドで官能化した後に、AMSアルキン誘導体をフイスゲン1,3−二極性環状付加することを含む。
Figure 2012522223
したがって、本発明のASMは、所望の基板と電気的に結合するように基板上に配置される。物理的吸着または共有結合を含むが、それに限定されない手段のいずれか1つまたはその組合せによって結合を達成することができる。ASMを、本来の状態もしくは活性化状態であってもよい基板に直接結合するか、または化学リンカーなどの、結合を促す中間材料を用いて結合することができる。いくつかの実施形態において、以下の実施例に例示されるように、ASMをグラファイトロッド基板の研磨された表面に物理吸着する。
WE ASMの実施例1:AQおよび選択されたAQ誘導体の間の信号強度の減衰および信号ピーク位置の安定性の比較調査によるセンサ寿命およびセンサ寿命の関数としての精度の評価。
一連のセンサ構造体のセンサ寿命を通じての寿命および精度の向上を判断するために、AQ、または以下の化合物:2−カルボキシAQ、2−BOCエチレンジアミンAQ、5,12−ナフタセンキノン、1−アセチルアミドAQおよび2−(ベータ−ナフトール)メチルアントラキノンの1つを含むWEを有する、以下に記載されるように構成されたpHセンサを使用して、時間の関数としての信号減衰率および信号ピーク位置の変化の試験を実施した。
2−(ベータ−ナフトール)メチルアントラキノンの合成
2−(ブロモメチル)アントラキノン(0.225g、0.747mmol)および2−ヒドロキシナフタレン(0.118g、0.822mmol)をアセトン(10mL)に溶解させた。K2CO3(0.134g、0.971mmol)を1回で添加し、反応バイアルを密閉した。反応混合物を終夜撹拌しながら加熱ブロック(65℃)で加熱した。翌朝、反応混合物を周囲温度まで冷却した。該溶液をDI水の添加によって40mLの全体容積まで希釈した。得られた沈殿をブフナー漏斗に回収した。固体をジクロロメタン(80mL)に溶解させた。有機溶液を1NのNaOH溶液(40mL)および塩水(40mL)で洗浄した。有機層を分離し、(Na2SO4で)乾燥させた。溶液を濾過し、Iscoカートリッジ上に装填されるシリカゲル上に吸着させた(40mL、シリカゲル)。ヘキサン(300mL)、ヘキサン(300mL)中2%EtOAc、ヘキサン(300mL)中4%EtOAc、ヘキサン(300mL)中6%EtOAc、ヘキサン(300mL)中8%EtOAcおよびヘキサン(300mL)中10%EtOAcの段階的勾配を使用するCombiFlash装置にて材料を精製した。材料は、8%EtOAc溶媒濃度フラクションに溶出した。生成物を含む最後のわずかなフラクションは、生成物結晶から独立して結晶化すると思われるその黄色結晶によって示唆される不純物をも含んでいた。これらのフラクションを混合して蒸発させ、シリカゲル上に吸着させ、再び上記のクロマトグラフィー分離を施した。この場合の溶出溶媒濃度は、生成物がカラムから完全に溶出されるまで定組成を維持するヘキサン中8%EtOAcまで段階的に引き上げられただけであった。精製された生成物を含むフラクションを混合し、ロータリーエバポレータを使用して濃縮した。生成物を黄色固体として得た(0.139g、収率51%)。
WEの作製
本発明のWEを以下の通り作製した。グラファイトロッド(直径0.120”または0.093”、Alfa Aesar)の一部を、筐体の一端付近を除くすべての点において、ロッドの長さより小さいが、直径全体を収容するように摩擦嵌合を用いて機械加工されたプラスチック筐体に挿入した。この端部において、ロッドと筐体の間に0.025インチの間隙が存在するように皿穴をプラスチックに機械加工した。この間隙にエポキシ(Epotek、マサチューセッツ州Billerica)を充填し、エポキシ製造者の説明書に従って硬化させた。硬化させると、エポキシを含まないWE構造体の端部においてロッドに16ゲージの穴を開け、その穴に16ゲージの銅線を挿入して、炭素と電気接触させた。次いで、ロッドの反対側の端部を十分に研磨して、平坦なプラスチック−エポキシ−グラファイト表面を得た。
新たに研磨したロッドに窒素流を散布して粒子を除去し、次いでアセトニトリル(BDH)中適切なASMの溶液に3分間にわたって浸漬し、その時点でそれを除去し、アセトニトリルで洗浄し、30分間または60分間にわたって150℃のオーブンに仕込んだ。冷却すると、WEセンサは、使用の準備が整った。
信号取得プロトコール
ASMへの経時的な電流流量を印加電圧の関数として測定するために、ECHOCHEMIE AUTOLABポテンショスタット/ガルバノメータ(型式PGSTAT12)を使用して、以上のように製造したWEを用いて方形波ボルタメトリーを実施した。2mVの走査ステップサイズ、25mVの振幅および40msの走査時間を使用した。グラファイトロッドおよび飽和カロメル電極をそれぞれ対向電極および基準電極として従来の三電極構成で使用した。あるいは、特許文献5に記載されているSENOVASTATコントローラプロセッサ(Senova Systems Inc.、カリフォルニア州Sunnyvale)を使用して測定を実施することができる。pH7のリン酸緩衝液中で、約4時間にわたってセンサに連続的な反復的ボルタメトリック走査を施した。各ボルタメトリック走査は、個々のpH測定を表す。各走査はほぼ30秒かかるため、4時間で500回の走査が得られた。それらの結果を表15にまとめる。
Figure 2012522223
Figure 2012522223
センサ寿命
上記のセンサシステムが最大の寿命を達成するためには、ピーク強度(電流の最大の絶対値)の経時的な低下が最小限であるべきである。図1および図2、ならびに「4時間にわたるピーク強度信号の低下」という表題の欄に示される結果は、上記AQ誘導体を含むセンサが、AQより小さい4時間にわたる信号低下を示すことを示している。これらの結果は、信号低下が小さくなると、WEセンサの機能的寿命がより長くなるため有意である。例えば、2−(ベータ−ナフトール)メチルアントラキノンは、AQと比較して20倍の信号寿命の向上を示す。これは、図1が、AQについて500回の走査の過程にわたる信号強度の顕著な低下を示すのに対して、図2が、2−(ベータ−ナフトール)メチルアントラキノンについて同じ時間にわたる信号強度のほとんど知覚できない変化を示す図1と図2の比較において容易に認識され得る。
4時間にわたるセンサ精度
以上に記載されているように、センサ寿命を通じての最高のセンサ精度を、ピーク位置(ASM電流の流れが最大になる電圧)を時間の関数として監視することによって評価することができる。最高の精度では、一定pHの溶液におけるピーク位置が変化しないはずである。図1および図2に示され、「4時間にわたるピーク位置の変化」の欄にまとめられている結果は、上記AQ誘導体を含むセンサが4時間にわたってAQと同等、またはより良好なピーク安定性を発揮することを示している。重要なことは、2−(ベータ−ナフトール)メチルアントラキノンを含むセンサが、4時間にわたってピーク位置の変化を示さないことである。これは、これらのセンサが、AQで構成されるセンサでの約0.07pH単位の精度の変化と比較して、4時間の過程にわたって精度の低下を示さないことを意味する。
WE ASMの実施例2:2−(ベータ−ナフトール)メチルアントラキノンセンサと従来のガラスプローブとの比較
本発明のいくつかの実施形態は、固体状態pH計の較正を必要とせずに、精度の低下を最小限にしながら、広範なpH値に対して長時間にわたってpHを測定する能力を提供する。上記のように構成された2−(ベータ−ナフトール)メチルアントラキノンセンサの性能を、従来のガラスpHセンサ(Thermo型式9157BNMD)の性能に対して評価するために、一連のストック緩衝液のpHを両計測器と同時に測定した。従来のガラスpH計は、この実験の前に較正を必要としたが、本発明のセンサは、pHの関数としてのそれらの既知の酸化還元応答により、較正せずに使用することが可能であった。ストック緩衝液は、pH4.00(BDH5024)、pH5.00(BDH5034)、pH6.00(BDH5038)、pH6.86(BDH5040)、pH7.00(BDH5052)、pH7.38(BDH5058)、pH8(BDH5060)、pH9.18(BDH5066)、pH10.00(BDH5078)、および50mMのNaOHを使用してpH3.5からpH12まで滴定された4ミリモルの酢酸を含んでいた。pH4.00フタル酸(BDH5024)ストック緩衝液、pH7.00リン酸(BDH5052)ストック緩衝液およびpH10.00炭酸(BDH5078)ストック緩衝液を使用してThermoセンサを較正した。
図3および図4に示されるこの分析の結果は、本発明の2−(ベータ−ナフトール)メチルアントラキノンセンサの性能が、外部較正を必要とせずに従来のガラスセンサの性能と同等であること実証している。
次に図5〜7および図12を参照すると、300mgのグラファイト(Aldrich)、1.152gのエポキシAおよび173mgのエポキシB(Epotek)を乳鉢および乳棒で合わせ、均一になるまで(約5から8分間)混合してWE6を形成した。次いで、この材料を、図11に示されるように、コントローラ/プロセッサ26に対する電気接続を与える銅線に接続された真鍮の背板を有するPEEKセンサチップ筐体キャビティ(3/16”×深さ5mm)に充填した。次いで、ユニット全体をオーブンにて摂氏150度で1時間硬化させた。除去および冷却すると、表面を、最初に220グリットの紙やすりを用い、次いで1200グリットの紙やすりを用いて研磨して、滑らかで平坦な表面を得た。この処理によりグラファイト/エポキシセンサを得る。
別個に、NOBF4(1.1モル当量)(Aldrich)を0℃でDMF(BDH)に溶解させ、1−アミノアントラキノン(1−アミノAQ)(TCI America)または2−アミノアントラキノン(2−アミノAQ)(Aldrich)を添加した(1.0モル当量)。反応物を摂氏0度で45分間撹拌し、次いでジエチルエーテル(DMFに対して5倍の容積当量)(BDH)を添加した。これにより、淡褐色の沈殿(1−アミノAQまたは2−アミノAQのジアゾニウム塩)を得て、それを遠心によって回収し、洗浄液が無色になるまでジエチルエーテルで洗浄し、次いで乾燥させた。
あるいは、NOBF4(1.1モル当量)(Aldrich)塩化メチレン(BDH)に0℃で懸濁させた後、1−アミノアントラキノン(1−アミノAQ)(TCI America)または2−アミノアントラキノン(2−アミノAQ)(Aldrich)(1.0モル当量)を添加することによって、1−アミノAQまたは2−アミノAQのジアゾニウム塩を形成した。撹拌すると得られた褐色の沈殿を濾過によって回収し、塩化メチレンで洗浄し、乾燥させた。この粗製物を、ジエチルエーテルの添加によるDMFからの析出によりさらに精製した。次いで、沈殿を遠心によって回収し、洗浄液が無色になるまでジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させた。
次いで、(上記方法のいずれかによって形成された)1−アミノAQまたは2−アミノAQのジアゾニウム塩をDMFに溶解させ、上記によるグラファイト/エポキシセンサをこの溶液に3分間浸漬させた。あるいは、ジアゾニウム含有DMF溶液の一滴をグラファイト/エポキシセンサの表面に直接加え、一定時間(すなわち3分間)にわたって表面との接触を維持させた。次いで、AQ誘導体化グラファイト/エポキシセンサをDMFおよび水で洗浄した。次いで、得られたAQ誘導体化グラファイト/エポキシ電極は、WEとしてpH検出に使用する準備が整った。
pH検出のための好適なWEを、エポキシと、グラファイト、または1−アミノAQまたは2−アミノAQのジアゾニウム塩で誘導体化された多層カーボンナノチューブ(MWCNT)とを混合することによって形成することもできる。これを、50mgのグラファイト(Aldrich)または50mgの多層カーボンナノチューブ(Nanolab)と(以上に記載されているように調製された)1−アミノAQまたは2−アミノAQのジアゾニウム塩の25mgとを好適な溶媒中で反応させることによって実施することができる。当該溶媒としては、DMF、アセトン、アセトニトリル、水および塩化メチレンが挙げられるが、それらに限定されない。室温で1時間にわたって反応させた後、AQ誘導体化炭素材料をDMF、アセトニトリルおよびジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させる。次いで、誘導体化炭素材料をエポキシと混合し、好適なPEEK筐体に充填し、硬化させ、以上に記載されているように研磨した。
WE ASMの実施例3:官能化基板へのフイスゲン1,3−二極性環状付加
2−(3−エチニルフェノール)メチルアントラキノンの合成
2−(ブロモメチル)アントラキノン(0.200g、0.664mmol)および3−ヒドロキシフェニルアセチレン(0.086g、0.731mmol)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム(0.020g、0.054mmol)をアセトン(20mL)に溶解させた。K2CO3(0.119g、0.863mmol)を1回で添加し、反応バイアルを密閉した。反応混合物を週末にかけて撹拌しながら加熱ブロック(60℃)で加熱した。翌月曜日の朝に、反応混合物を周囲温度まで冷却した。該溶液を0.1MのNaOH水溶液の添加によって40mLの全体容積まで希釈した。得られた沈殿をブフナー漏斗に回収した。得られた固体をジクロロメタンに溶解させ、Iscoカートリッジ上に装填されるシリカゲル上に吸着させた(40g、シリカゲル)。ヘキサン(500mL)中10%EtOAcに続いてヘキサン中15%EtOAcを溶離剤として使用して材料を溶出させた。生成物を含むフラクションを混合し、蒸発させて、生成物をわずかに黄色の固体として得た(0.124g、収率55%)。
グラファイトロッドの表面のアジド官能化
この作業は、DevadossおよびChidsey(非特許文献4)の先例に従う。NaN3(0.020g、0.31mmol)をアセトニトリル(10mL)に懸濁させた。該溶液を周囲温度で15分間にわたって撹拌した。次いで、得られた混合物(注:NaN3は、アセトニトリルに対する溶解度がさほど高くなく、未溶解の固体がこの時点でまだ存在していた)を氷/水浴にて0℃まで冷却した。冷却浴中で10分間にわたって撹拌した後、ICl(5μL、0.016g、0.099mmol)を、激しく撹拌している冷却混合物に添加した。撹拌を0℃でさらに15分間継続し、その時点で氷/水浴を取り除いた。本明細書に記載の仕様に従って構成された4つのグラファイトロッドチップを、以上に記載されているように調製されたIN3の溶液に懸濁させた。該溶液を周囲温度で1時間撹拌した(注:この1時間の過程で溶液の色が黄色から琥珀色に変化した)。チップを溶液から除去し、アセトニトリルですすぎ、次いで直ちにフイスゲン環状付加にそのまま使用した。
アジド官能化グラファイトロッドによる2−(3−エチニルフェノール)メチルアントラキノンのフイスゲン環状付加
DMSO/H2O(3:1)(20mL)中CuSO4(12.8mg、0.08mmol)の溶液を調製した。DMSO/H2O(3:1)(9mL)中トリス[(1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル]アミン(2.1mg、0.004mmol)の溶液を調製した。CuSO4(1mL、0.004mmol)の溶液を、撹拌しているリガンド溶液に添加した。アスコルビン酸ナトリウム(15.8mg、0.08mmol)を添加し、得られた溶液を室温で20分間撹拌した。DMSO/H2O(3:1)(10mL)中2−(3−エチニルフェノール)メチルアントラキノン(6.8mg、0.020mmol)の溶液(0.1mL、0.0002mmol)を、撹拌しているCu/リガンド/アスコルビン酸ナトリウム溶液に添加した。アジド官能化グラファイトロッドチップを該溶液に懸濁させた。混合物を周囲温度で1時間撹拌した。次いで、チップを除去し、アセトニトリルですすいだ。次いで、チップをアセトニトリル中で超音波処理して、任意の物理吸着した材料を除去した。それらのチップを、さらに操作することなく電気化学的分析に使用した。
実施例4:ルアーコネクタによるWEの作製
本発明の好ましいWEを以下の通り作製した。図19を参照すると、金メッキバネ106をチップ筐体36に挿入し、チップ筐体内の棚上で静止させた。次いでグラファイトロッド42(直径0.120”、Graphite Sales,Inc.)の一部を、筐体の一端付近を除くすべての点に摩擦嵌合を用いて、ロッドの長さより小さいが、直径全体を収容するように機械加工されたプラスチック筐体36に挿入した。この構成において、ロッド42は、バネ106と直接電気接触する。環状間隙124にエポキシ(Epotek、マサチューセッツ州Billerica)を充填し、エポキシ製造者の説明書に従って硬化させた。次いで、最初に220グリットの紙やすりを使用し、次いで1200グリットに紙やすりを使用してロッド−エポキシ構造体の突出部を平坦に研磨して、平坦なプラスチック−エポキシ−グラファイト表面を得た。
新たに研磨したチップに窒素流を散布して粒子を除去し、アセトニトリル(BDH)に浸漬させ、1分間超音波処理して、チップ表面をさらに洗浄した。超音波処理ステップを繰り返し、次いでチップをアセトニトリル(BDH)中2−(ベータ−ナフトール)メチルアントラキノンの1mM溶液に3分間浸漬させ、その時点でそれを除去し、アセトニトリルで洗浄し、150℃のオーブンに30分間仕込んだ。冷却すると、WEセンサは使用する準備が整った。
上記手法は、AQの炭素基板上への凝集または物理的吸着を含む方法によって得られる電極より信号強度が良好であり、寿命が長く、AQ化合物の浸出の程度が低いとともに、構成するのが簡単で安価である電極を与える。上記方法は、また、信号強度がより大きく、ピーク位置安定性がより高く、反応時間が短縮されるため、炭素誘導体化のために、市販のAQの塩化亜鉛安定化ジアゾニウム塩を使用する方法より優れる。
A(1)(b):基準電極(RE)
いくつかの実施形態において、pHセンサは、基準電極(RE)をさらに含む。本発明のセンサにおける使用に好適な多くの基準電極が当技術分野で既知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれている非特許文献5を参照されたい。
本発明のいくつかの実施形態において、基準電極は、以下の実施例に記載されるように、電解液によって囲まれた塩素化銀ワイヤを含む。他の実施形態において、REは、塩素化銀ワイヤのみを含む。他の実施形態において、REは、参照により本明細書に組み込まれている特許文献6に記載されているヨウ化物/三ヨウ化物系を含む。
場合により、「擬似基準」(PRE)(「準基準」と称することもある)電極が、特に非水性電解質に使用される。PREの例示的で非限定的な例は、非水性電気化学で広く使用されている銀ワイヤである。具体的な用途に応じて他のPREを使用することができる。
いくつかの実施形態において、分析物サンプルに曝露されたREの表面積は、本明細書に記載されているように、分析物依存信号の質に悪影響を及ぼす電極内電気化学的効果を最小限に抑えるか、または排除するように選択される。
本発明は、酸化還元活性分析物感応性材料を特徴とする固体状態作用電極を、同一のpH計測システムで従来の基準電極とともに動作させる第1の事例を示す。このハイブリッド手法は、固体状態のデバイスに固有の頑丈さと、多くの電気化学技術のベースとなる許容された参照標準とを兼ね備える。
したがって、当業者は、本発明の独自のハイブリッド構成を理解するであろう。特に、当業者は、固体状態のWEと従来ベースのREとのこの組合せを理解するであろう。このハイブリッド構成は、従来のガラス電極の望ましくなく、厄介な較正要件を伴わずに、従来ベースのREの信頼性を備えたpHプローブ組立体を提供する。したがって、本発明は、従来のpH計測システムの限界を克服する新規かつ有用な組合せを提供する。
いくつかの実施形態において、以下の実施例に例示されるように、jフック構成の小型基準組立体を含むようにREを改造する。あるいは、小型基準組立体の塩素化銀ワイヤがpHセンサのWEに隣接または近接して配置されるように、小型基準電極を従来のREの近端部に配置する。小型基準組立体のjフック構成は、REの塩素化銀ワイヤの少なくとも一部がサンプル溶液の温度に曝露されるのを確実にする。したがって、ワイヤの温度は、WEと実質的に同様であり、それは、平衡になると、ワイヤの温度とWEの温度との差が10%未満であることを意味する。いくつかの実施形態において、分析物含有サンプルにおけるプローブ組立体の平衡後のワイヤの温度とWEの温度との差が2度未満である。他の実施形態において、系の平衡後のワイヤの温度とWEの温度との差が1度未満である。さらに、いくつかの実施形態において、平衡後のワイヤの温度とWEの温度との差が3度未満である。銀ワイヤをWEおよび/またはサンプル溶液と実質的に同じ温度にすると、センサの温度感受性が低下することによって、pHセンサの精度が向上する。
A(1)(c):対向電極(CE)
本発明のいくつかの実施形態は、対向電極(CE)をさらに含む。実用的には、CEは、電子ソースまたはシンクとして作用することによって、電流をサンプルに供給し、それがpHセンサシステムを流れることを可能にする。
好適なCEは当技術分野で既知である。例えば、参照により組み込まれている上記非特許文献5を参照されたい。WEにおいて測定される信号に干渉し得る望ましくない電気化学的酸化還元プロセスがCEに生じるのを避けるために、CEは、一般に、比較的化学的に不活性な材料、一般にはステンレス鋼、炭素(例えばグラファイト)またはPtで構成される。
以下の実施例に記載されるいくつかの実施形態において、CEは、グラファイトまたは炭素系ロッドである。他の実施形態において、CEは炭素繊維管である。さらに、いくつかの実施形態において、CEは、当技術分野で既知の導電性材料である。
様々な参考文献には、センサ性能にとってのWE:CE表面積比の重要性が記載されている。本発明の様々な実施形態において、分析物サンプルに曝露されたCEの表面積は、本明細書に記載されているように、分析物依存信号の質および寿命に悪影響を及ぼす電極内電気化学的効果を最小限に抑えるか、または排除するように選択される。いくつかの実施形態において、CEの表面積とWEの表面積との比は、約1:1から約1:10である。他の実施形態において、この比は約1:2であり、さらなる実施形態において、その比は約1:1.5である。
いくつかの実施形態において、CEは、pHセンサの様々な他の構成要素を収容するための中空内腔を有する導電性炭素繊維管を含む。炭素繊維管を前置増幅器モジュールに電気的に結合させることによって、CEを介してサンプル溶液に電圧を印加する。当業者は、導電性低インピーダンスのCEが、電気化学電池駆動電位を供給することに加えて、CE内に収容された構成要素、特に高インピーダンスのREを外的な電磁干渉から保護するための電磁遮蔽物として作用することを理解するであろう。いくつかの実施形態において、同軸構成を実装することによって、CEの外部位置は、CE内に同心状またはほぼ同心状に配置された電極であるREおよびWEに電磁遮蔽を提供する。当業者は、さらに、CEの遮蔽機能がREおよびWEの同心配置に左右されないことを理解するであろう。むしろ、当業者は、REおよびWEの正確な位置がCEの外部位置に対して内的に変化しても、以上に記載されている遮蔽保護を受けることができることを理解するであろう。
A(1)(d):分析物非感応性電極(AIE)
本発明のいくつかの実施形態において、分析物非感応性電極(AIE)を、上記の従来の基準電極の代わりに擬似準基準電極とともに使用する。
AIEはサンプル中の分析物濃度のボルタメトリック測定またはアンペロメトリック測定を行う過程で分析されているサンプルに加えられた電気的刺激の印加に応答して、実質的に分析物非感応性の信号を生成することが可能である。AIEは、分析物感応性信号と連続的に比較することができる内部標準(換言すれば、システムに対する内部の標準)として有用な予測可能信号を提供するため、分析物濃度を測定する際により高い精度および再現性を可能にする。
したがって、本発明のいくつかの実施形態において、分析物濃度のボルタメトリック測定および/またはアンペロメトリック測定を行う過程で電気的刺激が分析物サンプルに加えられると実質的に分析物非感応性の電気的応答を生成するAIEを電気化学的分析検出デバイスに使用する。
A(2)(a):同軸プローブ組立体
実施例1:pHセンサ組立体
次に図14〜19を参照すると、同軸構成で配置された様々な電極を含むプローブ組立体201を提供する。いくつかの実施形態において、プローブ組立体201は、図15から図18に示されるように、酸化還元活性分析物感応性材料(ASM)を含む作用電極(WE)と、導電性炭素繊維管を含む対向電極(CE)と、電解液によって囲まれた塩素化銀ワイヤを含む基準電極(RE)とを含む。pH計測システム101は、WEのASM上に可逆的化学反応を電気化学的に誘発することによってサンプル溶液内のプロトン濃度を直接測定する。WE、CEおよびREをサンプル溶液に浸漬させると、電圧掃引がCEを流れて、WEのASMに酸化還元反応を生じさせることによって、電子を獲得するか、または失う。発生する電子の流れをpHプロセッサモジュールによって記録する。
一態様において、本発明は、WEが分析物感応性酸化還元活性材料を含み、REが標準REである少なくともWEおよびREを含む分析物検出デバイスを提供する。本発明は、酸化還元活性分析物感応性材料を特徴とする固体状態作用電極を、同一のpH(または他の分析物)計測システムで従来の、または伝統的な基準電極とともに動作させる第1の事例を示す。このハイブリッド手法は、固体状態のデバイスに固有の頑丈さと、多くの電気化学技術のベースとなる許容された基準電極標準とを兼ね備える。
次に図15を参照すると、プローブ組立体201の斜視図が示されている。本発明のいくつかの実施形態において、プローブ組立体201はベースエンクロージャ35を含む。ベースエンクロージャ35は、一般に、互いに結合されて、組立体201のチップ部37から受信した信号を捕捉および増幅する様々な電子部品を収容するための内部空間を提供する一対の対向半体を含む。いくつかの実施形態において、ベースエンクロージャ半体を互いに密閉して、プローブが偶発的に液体に浸された場合に液体の排出を防止する。いくつかの実施形態において、ベースエンクロージャ35は、プローブ組立体201のアナログ信号を、さらなる処理および表示に向けてプロセッサモジュール50に伝達するために増幅する高利得低ノイズの前置増幅器を収容する。他の実施形態において、ベースエンクロージャ35は、デジタル信号をプロセッサモジュール50に伝達するための高利得低ノイズ前置増幅器およびアナログ−デジタル変換器を収容する。オンボードで信号を前置増幅することによって、高インピーダンスのアナログ信号を電気ケーブル70に通すことによる電磁干渉を排除する。したがって、信号対ノイズ比がプロセッサモジュール50で増大される。
ベースエンクロージャ35は、電気ケーブル70を受容および支持するための開口を有する遠端部39をさらに含む。ベースエンクロージャの近端部41は、対向電極(CE)40を受容および支持するための開口をさらに含む。いくつかの実施形態において、CE40を、エポキシなどの接着性構成要素を介して近端部41に固定的に結合させ、CE40の一部が、エンクロージャ35内に収容された電子部品との接触を維持する。
CE40は、プローブ組立体201の様々な他の構成要素を収容するための中空内腔を有する導電性炭素繊維管を含む。CE40を、電気ケーブル70およびベースエンクロージャ35内に収容された様々な電子部品を介してプロセッサモジュール50に電気的に結合させる。いくつかの実施形態において、CE40の外側の円筒面に2つの端部を除いてエポキシまたは塗料をコーティングする、近端部および遠端部を約3/8”まで露出させる。CE40にコーティングすることによって、露出した近端部の電気接触表面積は、CE40が液体に浸される深さに関係なく、露出した炭素繊維の3/8”長に限定される。遠端部において、露出した電気接触表面積は、印刷回路基板210上のコネクタと接触する。加えて、CE40のコーティング面は、CE40を電気的に絶縁して、ユーザがCE40の外面に触れるか、またはそれを掴むことによって引き起こされる干渉を防止する。CE40は、電気化学電池駆動電位を提供するのに加えて、CE40とともに収容された構成要素を外的な電磁干渉から保護するための低インピーダンスの導電性電磁遮蔽物を提供する。
プローブ組立体201のチップ部37は、CE40内に同軸収容された基準電極(RE)44を含む。チップ部37は、RE44のルアーコネクタに機械的に結合された脱着可能チップ36内に収容された作用電極(WE)42をさらに含む。
次に図16を参照すると、プローブ組立体201の分解斜視図が示されている。既に記載したように、CE40は、プローブ組立体201のさらなる構成要素を収容するように構成された中空内腔72を含む。いくつかの実施形態において、内腔72は、RE44を収容するように構成される。RE44は、ベースエンクロージャ35内に収容された電気的構成要素と信号の送受信を行う多種多様な構造的特徴を有するカートリッジ組立体130を含む。いくつかの実施形態において、カートリッジ組立体130は、RE44の様々な主要構成要素を収容するための内腔を有する管状部材132を含む。管状部材132は、ベースエンクロージャ35内に収容された電気的構成要素に整合的に接続するように構成された電気コネクタ140によって遠端部が覆われる。管状部材132の近端部は、脱着可能チップ36を機械的および電気的に結合するためのルアーコネクタ38を含むカートリッジルアー組立体150で密閉される。脱着可能チップ36は、必要なときにチップ36を容易に除去して新しいチップと交換できるように、ルアーコネクタ38の先細りの外面に可逆的に加圧嵌合または固定される。
次に図17Aを参照すると、カートリッジ組立体130の分解斜視図が示されている。概して、RE44は、伝統的な、または従来の基準電極の技術および解釈に基づく。いくつかの実施形態において、RE44は、その全体がポリスルホン外管132内に密閉して含まれる、3MのKClゲル溶液内に懸濁された塩素化銀ワイヤ160を含む。外管132の近端部152にカートリッジルアー組立体150を嵌合して、流体密封密閉を形成する。ルアー組立体150は、作用電極ワイヤ(図示せず)を介して電気コネクタ140に電気的に結合されたルアーコネクタ38をさらに含む。作用電極ワイヤは、接触点104から作用電極導管134を介してコネクタ140に伸びる。導管134は、管132内のゲル溶液に対して流体密封されているため、RE44に印加される任意の電圧から分離される。
いくつかの実施形態において、ルアー組立体150を、サーミスタ170を受容する溝136を含むようにさらに改造する。いくつかの実施形態において、サーミスタ170をシアノアクリル酸メチル化合物などの接着剤で溝136に接着する。最終的な組立てを通じて、カートリッジ130をCE40に挿入し、熱伝導性エポキシを用いて密閉する。熱伝導性エポキシおよび炭素繊維管CE40は、サーミスタを外部の目標溶液に熱的につないで、迅速かつ正確な温度測定を可能にする。サーミスタ170は、ワイヤ172を介してコネクタ140に電気的に結合された温度センサをさらに含む。プロトン活性は、温度とともに変化するため、正確なpH値の測定を行う場合はサンプル溶液の温度を考慮すべきであることを当業者は理解するであろう。ワイヤ172を外管132の外側に配置し、電気コネクタ140の外面に位置する溝138に通す。あるいは、いくつかの実施形態において、ワイヤ172を外管132内に配置し、ゲル溶液およびRE44(図示せず)に印加される任意の電圧への曝露を防止するように絶縁する。さらに、いくつかの実施形態において、ワイヤ172は溝138から出て、プローブ組立体201のベース容器35内に収容された印刷回路基板に直接結合される。
他の実施形態において、RE44を、二重接合部を含むようにさらに改造することによって、ワイヤ160を小型基準組立体190にて分離することによりゲル溶液内の汚染からワイヤ160を保護する。小型基準組立体190は、一般に、管状部材132内に配置された管状部材などのケースを含み、リードまたはワイヤ160の被絶縁部が小型基準組立体190内に挿入される。小型基準組立体190は、3MのKCl AgClゲル溶液をも含み、RE44のゲル溶液と小型基準組立体190との間の塩橋として作用する小型フリット198を含む。二重接合構成は、サンプル溶液とワイヤ160との間のさらなるバリヤを提供することによって、RE電圧値の精度を向上させる。
いくつかの実施形態において、図17Bに示されるように、RE44を、jフック構成の小型基準組立体192を含むように改造する。あるいは、小型基準組立体192を、塩素化銀ワイヤ160がカートリッジルアー組立体150に隣接して配置されるようにRE44の近端部152に配置する。絶縁ワイヤ194のさらなる範囲を、小型基準組立体192から突出した塩素化銀ワイヤの露出部162に結合して、小型基準組立体192と電気コネクタ140との間の接続を可能にする。管状部材206の近端部を密閉バリヤ196(その密閉バリヤは、露出部162をも封入する)で塞ぐとともに、遠端部にフリット構成要素198を嵌合させ、銀ワイヤ160を管状部材206内の3MのKCl AgClゲル溶液に懸濁させる。小型基準組立体192のjフック構成は、ワイヤ160の少なくとも一部をサンプル溶液の温度および/またはサーミスタ170によって測定された温度に曝露させることを確実にする。銀ワイヤ160をサンプル溶液と同じ温度にすると、センサの温度感受性が低下する。
続けて図17Aを参照すると、外管132の遠端部154を密閉バリヤ180で塞ぐことによってRE44の組立てを開始する。いくつかの実施形態において、密閉バリヤ180は、外管132に嵌合する、KClゲル溶液に対する発泡体または別の材料の抵抗を含む。導管134および小型基準組立体190の導通を可能にするように、バリヤ180を遠端部154内に配置する。遠端部154を、室温で加硫するシリコーンなどのポリマー密閉材182でさらに密閉する。最後に、エポキシまたは他の好適な接着性化合物を介して、電気コネクタ140を遠端部154に固定的に結合する。
次に図18を参照すると、プローブ組立体201の断面図が示されている。組み立てるときに、電気コネクタ140をベースエンクロージャ35内に配置し、印刷回路基板200または機能的に同等の電気的構成要素に結合する。いくつかの実施形態において、印刷回路基板200は、組立体201の残りの構成要素から受信されたアナログ信号を、受信、増幅および変換するように構成された回路210をさらに含む。当業者は、ベースエンクロージャ35を、本発明の主旨の範囲内で、任意のタイプまたは構成の電子回路を収容するように改造できることを理解するであろう。
組み立てられたチップ部37の詳細断面図を図19に示す。既に記載したように、チップ部37は、CE40、RE44およびWE42が、共通の中心軸76に沿って互いに相対的に同軸配置されるように構成される。具体的には、CE40が軸76から最も遠くに配置され、WE42が中心の軸76上に配置され、RE44が、CE40とWE42の間に挿入配置される。この構成は、3つの構成要素電極の間の正確な空間的関係を確立し、本質的に拡大縮小可能である。この構成は、さらに、電極間に放射対称が維持されるように隣接電極間に等距離間隔を確立する。
WE42は、標準的な先細りまたはルアー型コネクタ38を介して接触点104の端部に機械的に接続された脱着可能ポリマーチップ36上に位置する。チップ36を、さらに、接触バネ106を介して接触点104に電気的に結合する。接触点104を導管134に固定的に、かつ密封して接続し、作用電極ワイヤ142を介して電気コネクタ140に電気的に結合する。接触点104を、さらに、ルアーコネクタ38に固定的に、かつ密封して接続する。
いくつかの実施形態において、カートリッジルアー組立体150は、フリット部材220を受容するための環状凹部156を含む。いくつかの実施形態において、フリット部材220は、ルアーコネクタ38を囲み、それに固定的に結合された、環形を有するポリマーまたはセラミックフリットを含む。フリット部材220を、サンプル溶液120と接触する近端部およびRE44のゲル溶液183と接触する遠端部を有するように配置する。フリット部材220は、それ自体、塩橋として作用して、サンプル120とRE44のゲル溶液183との間のイオン交換を可能にする。
カートリッジルアー組立体150を管状部材132に固定的に結合し、CE40に機械的または可逆的に結合する。しかし、ルアー組立体150とCE40との間の機械的接続は、CE40と管状部材132の外面との間の望ましくない流体の漏れを防止する流体密封密閉を提供する。
カートリッジ組立体130とCE40との間の接続は、プローブ組立体201内の様々な構成要素の検査、洗浄または交換ができるように、カートリッジ組立体130およびCE40の取り外しを可能にする。いくつかの実施形態において、カートリッジ組立体をCE40に再挿入すると電気コネクタ140を整合的に整列するように構成される指向性チャネル(図示せず)を含むように、ベース容器35の内面を改造する。この特徴は、印刷回路基板200への電気コネクタ140の結合を制御または支援する。この特徴は、CE40内のカートリッジ組立体130の適正な配列を確保することによって、誤配列または交差電気接続による損傷を防止する。
いくつかの実施形態において、環状間隙124をWE42の近端部とチップ36との間に設ける。WE42を調製する際に、炭素ロッドをチップ36の開口122内に配置し、続いてエポキシ樹脂などの好適な接着性材料143を間隙124に充填することによってチップ36に固定または固着させる。WE42は、非炭素系導電性材料などの代替的な基板材料、ならびに以上に記載されている基板材料およびその全体が参照により本明細書に組み込まれている、2009年7月15日に出願された特許文献7、名称「METHODS AND DEVICES FOR MEASURING pH」に開示されている基板材料をさらに含むことができる。接着性材料143を硬化させると、炭素ロッドを研磨し、または他の方法で削ることによって、作用電極炭素材料の任意の側壁面の露出をなくす。
さらに、以上に記載され、かつその全体が参照により本明細書に組み込まれている、2009年12月22日に出願された特許文献8、名称「IMPROVED ANALYTE SENSITIVE MATERIALS FOR USE IN A SOLID STATE ANALYTE MEASURING DEVICE」に開示されているように、適切な分析物感応性材料(ASM)を炭素ロッドの露出面にコーティングすることによって炭素材料を調製する。特に、いくつかの実施形態において、1uL分取量の自動ナノリットルディスペンサ(SGE Analytical ScienceによるeVol)を使用して、ASM(2−(ベータ−ナフトール)メチルアントラキノン)の1mMアセトニトリル溶液を、露出した炭素チップ表面上に計量分配した。計量分配が完了すると、コーティングされたチップを150℃のオーブンにて30分間硬化させて、最終的な使用可能な形のチップ36を得た。
当業者は、本発明の独自のハイブリッド構成を理解するであろう。特に、当業者は、この固体状態WE42と従来ベースのRE44との組合せを理解するであろう。このハイブリッド構成は、従来のガラス電極の望ましくなく、厄介な較正要件を伴わずに、従来ベースのRE44の信頼性を有するpHプローブ組立体201を提供する。したがって、本発明は、従来のpH計測システムの限界を克服する新規かつ有用な組合せを提供する。
A(2)(b):他のプローブ構成
実施例2:pHセンサワンド組立体
次に図5〜11を参照すると、いくつかの実施形態において、任意の遠隔容器、例えばバイオリアクターに導入して、pHセンサの再較正を必要とせずに、長期間にわたって容器内容物を絶えず監視する能力を与えることができるワンド構成を有するpHセンサが提供される。ワンドを以下の通り組み立てた。
ワンド組立体は、本発明の教示に従ってWE、CEおよびREを含む。特に、ワンド組立体は、上記ASMの実施例2に記載されているように得られたWEを含む。図6、7および9のCE8を、5mmの長さに切断された1/4インチの直径グラファイトロッド(Alfa Aesar)から形成した。銀エポキシ(McMaster Carr)を使用して、グラファイトロッド34をPEEK筐体内の密接する円筒状キャビティにおいて真鍮の背板に接着した。キャビティの寸法は、ロッドと同じであった。真鍮の背板に取りつけられた銅線は、コントローラ/プロセッサへの電気的接続を提供した。エポキシを硬化させると、最初に220グリットの紙やすりを用い、次いで1200グリットの紙やすりを用いてグラファイトを研磨して、滑らかで平坦な表面を得た。
このCEの実施形態は、性能を犠牲にすることなく従来のプラチナ対向電極より構成するためのコストが小さく、表面分解が小さいため、従来のステンレス鋼対向電極より良好な性能を示す。
さらに、図6、7、10および11に示されるRE7を以下の通り準備した。6mmの長さの0.5mm銀ワイヤ(Aldrich)をシリコーンゴムグロメット23に配置し、塩素化処理して、ワイヤ22の表面に塩化銀の層を堆積した。塩素化処理は、0.1モルの塩酸溶液(Aldrich)中で30分間にわたって250マイクロアンペアの一定電流を与えるように構成されたポテンショスタット(PGStat12、Ecochemie)に作用電極としての銀ワイヤを接続することからなっていた。これにより、塩素化銀ワイヤを得た。
個別に、直径1/16”の素焼多孔質セラミックロッド17(CoorsTek)を熱収縮チューブ18内に保持し、管の一端の内径(ID)が熱収縮/セラミックロッドの外径(OD)より大きくなるように機械加工された管のUltemプラスチック(McMaster Carr)から形成された筐体16に嵌め込んだ。次いで、熱収縮/セラミックロッドのODと管のIDとの間に生じたキャビティにエポキシ(Epoxies、Etc.)を埋め込み、硬化させた。セラミックロッドの外面を平坦に研磨して、円形のセラミックのみを露出させた。この手順により、ロッドが、液体およびイオンを拡散させることができるチャネルとして作用する多孔質セラミックロッドのためのUltem筐体を得た。次いで、Ultem管の残りの開口端に、セラミックロッドの内部末端に接触するゲル(高分子量のヒドロキシエチルセルロースを含む飽和KCl水溶液および飽和AgCl水溶液(Aldrich))を充填した。
REの組立てを完了させるために、(気泡形成を回避しながら)塩素化銀ワイヤおよびシリコーングロメットをゲルに押し込み、Ultem筐体にねじ込まれた真鍮ネジを使用して所定位置に密閉した。真鍮ネジは、REとコントローラ/プロセッサとの間の電気的接触をも与える。
この基準電極は、銀ワイヤなどの擬似基準電極と比較して優れた電位安定性を有するとともに、従来の銀−塩化銀基準電極ではしばしば必要とされる電解質の不断の維持を必要としない。また、図5、図6および図7に示されるように、従来の銀−塩化銀REと比較してこのREのサイズが小さいため、それをpHセンサチップ2内に嵌合することが可能である。
その塩化物濃度が10%の範囲内で一定であるサンプル組成物における使用に好適である代替的なREは、塩化銀コーティング部分のみがサンプルと接触する塩化銀コーティング銀ワイヤからなる。銀ワイヤの残りの部分は、電気絶縁カバーを介して溶液から分離される。次いで、絶縁された銀ワイヤを介する接続によりREとコントローラ/プロセッサとの間を電気的に接触させる。ワイヤのこの塩化銀コーティング部分を、塩素化銀ワイヤを形成するための、既に記載した手法により作製することができる。さらなる別法は、塩化物の代わりに臭化物またはヨウ化物を使用することを含む。これらのREは、その臭化物またはヨウ化物濃度がそれぞれ10%の範囲内で一定であるサンプル組成物において効果的に機能する。
コーティングされたワイヤである代替的なREは、作製するのが極めて容易であり、それ自体、当技術分野で既知の基準電極と比較して低コストで単純な基準電極であるが、そのハロゲン化物濃度が10%の範囲内で一定であるサンプル組成物における使用に限定される。
センサチップ筐体15に3つの長手の穴を掘って、作用電極、基準電極および対向電極を収容するように構成されるキャビティを形成することによってpHセンサチップ2を構築した。WE6を以上のASM実施例2に記載されているようにWEキャビティ内に形成した。同時に、CE8を以上に記載されているようにCEキャビティ内に組み立てた。WEおよびCEの形成に続いて、RE7を以上に記載されているように構築し、REキャビティに挿入した。これによりセンサチップを得た。
次いで、最初に位置合せマーク10および11を用いてチップとセンサ本体との目視的な位置合せを行い、次いで接触ロケータピン9が接触ロケータ穴14と係合するようにチップを本体上にスライドさせることによって、WE、CEおよびREに対する電極接触部13を、センサ本体のセンサ端部上のそれらの対応する接触部12と適正に位置を合わせてセンサチップに配置することによりセンサチップをセンサ本体4に嵌合させることによって、pHセンサワンド1を組み立てた。
実用的には、センサワンド組立体を遠隔容器に挿入し、コネクタ/ワイヤハーネス5をコントローラ/プロセッサのセンサワンドポートに挿入することによってコントローラ/プロセッサに電気的に結合する。次いでpHをボルタメトリック測定する。
A(3)(a):プローブクリップ
本発明のいくつかの実施形態は、pHセンサの保管および使用を容易にするpHセンサ付属品をさらに含む。例えば、次に図20および図21を参照すると、プローブクリップ300が示されている。プローブクリップ300は、一般に、プローブ組立体201の軸部47を整合的に受容する大きさの開口部302を有する軟質または半硬質成形ポリマー材料を含む。プローブクリップ300は、プローブ201のチップが目標溶液290で懸濁されるように、pHプローブ201を所望の容器280に結合するための手段として提供される。
いくつかの実施形態において、開口部302は、開口部302の拡大を可能にすることによって、様々なサイズおよび設計のpHプローブ組立体を収容するために拡大間隔304および/または逃げ溝306をさらに含む。プローブ組立体201は、一般に、摩擦嵌合を介して開口部302内に維持される。いくつかの実施形態において、2つの界面の間の摩擦を大きくするためのテクスチャまたはコーティングを含むように開口部302をさらに改造する。プローブクリップ300は、使用時のプローブ組立体をさらに安定させるための長形面308をも含み得る。クリップ300内のプローブ組立体201の懸垂高さを、開口部302内へのプローブ組立体201のさらなる挿入または引込みによって調整する。
開口部302および長形面308を、支持ベース310を介してクリップ312に直接結合する。支持ベース310およびクリップ312は、目標溶液290を保持する容器280の縁282または露出面を跨るように構成される。いくつかの実施形態において、間隙314を、容器の肉厚を収容するようにクリップ312と開口部302または長形面308との間に挿入する。例えば、間隙314は、容器の肉厚にほぼ等しいか、またはそれよりわずかに狭い幅を含むことができる。間隙314は、容器の縁またはリップの非線形の特徴を整合的に受容するように構成された輪郭または形状をさらに含むことができる。例えば、いくつかの実施形態において、間隙314は、容器の傾斜リップを受容するための形状を含む。
次に図22を参照すると、翼状プローブクリップ320が示されている。プローブクリップ320は、開口部322の拡大を可能にすることによって、様々なサイズおよび設計のpHプローブ組立体を収容するために逃げ溝328を有する開口部322を含む。プローブクリップ320は、全般的に開口部322と同じ平面内に整列された接触点332を有する一対の対向配置翼330をさらに含む。開口部322と翼330は、支持ベース340を介して互いに結合される。
最初に対向配置翼330を内方向に圧縮することによって接触部332を開口部322に対して外方向に移動させることによって、プローブクリップ320を容器に固定する。翼330を圧縮すると、間隙(図示せず)を接触部332と開口接触部324との間に設ける。次いで、接触部332が容器の外面に配置され、開口接触部324が容器の内面に対して配置されるようにプローブクリップ320を容器の縁上に配置する。開口接触部324は、全般的に、接触部332の間に配置される。翼330を解放すると、開口接触部324を容器の内面に対して強く引くことによってプローブクリップ320の位置を固定する。アーム326は、容器の縁を横切ることによって、容器の開口に近接するクリップ320の位置を維持する。
次に図23および図24を参照すると、コードクリップ350が示されている。いくつかの実施形態において、コードクリップ350は、容器280のエッジまたは縁282を受容するための口部352を有する蝶番式クリップを含む。コードクリップ350は、クリップ350の内部アーム354に旋回可能に結合されたコード留め具360をさらに含む。コード留め具360は、全般的に、プローブ組立体10のコード70の位置を固定的に維持するように構成されている。いくつかの実施形態において、コード留め具360は、内部にバネ搭載ピストン364が取りつけられた外筒362を含む。活性化の前に、ピストンのコードスロット366の一部だけが筒窓370を介して露出されるようにピストン364を緩める。ピストン364を活性化させると、コードスロット366を、筒窓370を介して完全に露出させる。露出したら、pHプローブ組立体201のコード70を、窓370を介してコードスロット366に挿入する。次いで、ピストン364を緩めることにより、ピストン364を緩和位置に戻すことによって、コード70を窓370とコードスロット366との間に挟持するか、または他の方法で固定する。
プローブ組立体201とクリップ350との間の距離を増大または減少させることによってプローブ組立体201の懸垂高さを調整する。この距離の変更は、ピストン364を活性化させることにより、コード70の挟持または固定位置を緩めた後に、コード70を再調整することによって実施される。適切な懸垂高さに達すると、ピストン364を緩めることによって、コード70の狭持および/または固定位置を回復させる。クリップ350の旋回軸特徴は、コード70の望ましくない屈曲または折れ曲りを防止するようにプローブ201の懸垂位置を調節する。いくつかの実施形態において、コード留め具360を所望の角度で内部アーム354に固定的に取りつける。
A(3)(b):プローブインクウェル
使用していないときは、図14および図25に示されるように、プローブ組立体201のpHセンサを収納ベース80の開口82に挿入することができる。収納ベース80は、ベース容器35が全体的に垂直位置に保持されるようにプローブ組立体201を固定的に保持するように構成されている。湿潤溶液90を保持するか、または他の方法で維持することによって、図25に示されるように、開口82内に挿入したときにプローブ組立体201のチップ部37を湿潤溶液90に収納するように収納ベース80の内部空間84をさらに改造することができる。
続けて図25を参照すると、収納ベース80の断面図が示されている。収納ベース80のいくつかの実施形態は、底板88に蝶番式に結合された上蓋86を有するクラムシェル構成を含む。底板88は、湿潤溶液90を保持するためのボトル100または他の容器を整合的に受容する形状および直径を有する成形ウェル92を含む。底板88は、低い重心を与えることによって収納ベース80をさらに安定させるためにベース錘94をさらに含む。
上蓋86は、ボトル100の蓋102にしっかりと接触するように計算された長さを有する内方向押出成形体96をさらに含む。したがって、押出成形体96は、蓋102に接触して、成形ウェル92内のボトル100の位置を維持する。いくつかの実施形態において、ワッシャまたはスペーサ98を押出成形体96と蓋102の間に挿入して界面を密閉することによって、湿潤溶液90が内部空間84に漏れるのを防止する。
次に図26を参照すると、蓋102の上面斜視図が示されている。プローブ組立体201の軸部47の直径よりわずかに大きい直径を有する開口110を蓋102に設ける。したがって、図25に示されるように、軸部47が、開口110を介して湿潤溶液90にアクセスすることを可能にする。いくつかの実施形態において、開口110は、複数のスリット114を有することによって複数の対向フラップ116を提供する膜112をさらに含む。
膜112は、一般に、そのpH測定値を得ることになる様々な酸性溶液および塩基性溶液に対して抵抗性である弾性材料を含む。例えば、いくつかの実施形態において、膜112は、ゴムまたはプラスチックポリマー材料を含む。膜112は、プローブ組立体201が開口110から除去されると、膜112のフラップ116がそれらの本来の形状または構成を回復して、開口110を実質的に閉じるように、適度に弾性の材料をさらに含む。プローブ組立体201が挿入されるか、または収納ベース80から除去されると、軸部47の外面から溶液を拭き取るか、または他の方法で除去するようにフラップ116を構成することもできる。
スリット114の数およびフラップ116のサイズは、プローブ組立体201を収容する必要に応じて異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、フラップ116は、開口110を実質的に閉じて湿潤溶液90の蒸発を防止する。フラップ116は、軸部47に半径方向の支持をさらに提供することによって軸部47を開口110内の中心に配置する。
プローブ組立体201のボトル100への挿入時に蓋102と軸部47との間の気密密閉を防止するようにフラップ116のサイズをさらに改造することができる。気密密閉は、ボトル100内の空気圧を上昇させて、プローブ組立体201内に正の空気圧をもたらすため一般に望ましくない。プローブ組立体201内の正の空気圧は、組立体内の主要構成要素の変位をもたらし得るため、回避されるべきである。したがって、いくつかの実施形態において、フラップ116は、プローブ組立体201の挿入を可能にするが、蓋102と軸部47との間の気密密閉を防止するように構成される。
プローブの基準電極の湿潤を必要とする任意のpHプローブまたはガラス電極を収容するように、収納ベース80の特徴を全般的に改造することができる。例えば、いくつかの実施形態において、本発明によって教示されていないサイズおよび構成を有するpHプローブ組立体を収容するように、開口82および膜112を改造する。収納ベース80の実施形態は、複数のプローブ組立体20および/または湿潤溶液を収容するための複数の開口および複数の成形ウェル92をさらに含むことができることがさらに期待される。
A(3)(c):密封パッケージング
次に図27を参照すると、ディスポーザブルチップ36の密封パッケージ230の断面図が示されている。いくつかの実施形態において、密封パッケージ230は、使用前にディスポーザブルWEチップ36を収納するための複数のウェル232を有するディスポーザブルポリマーパッケージングを含む。各ウェル232を周囲環境から個々に密閉するように箔蓋234をベース部材240にあてがう。接触点104をチップ36の挿入部分56に近接する位置で箔蓋234に押し込むことによってそれぞれのウェル232からチップ36を除去する。いくつかの実施形態において、各ウェル232の中心を箔蓋234の外面に標示して、接触点104を挿入すべき箇所の視覚的指標を提供する。いくつかの実施形態において、視覚的指標は、円、点、物理的圧痕、テクスチャ、標的シンボル、色、透明窓またはそれらの任意の組合せを含む。
箔蓋234は、当技術分野で既知の任意の好適な材料を含むことができる。いくつかの実施形態において、蓋234の材料および/または厚さは、接触点104を蓋234に押し込むときに所望の抵抗を提供するように選択される。例えば、いくつかの実施形態において、蓋234の物理特性は、接触点104を蓋234に押し込むのに必要とされる最小限の力が、接触点104を挿入部分56内に正確かつ十分に固定するのに必要とされる力に等しくなるように選択される。接触点104を蓋234に押し込む単なる作用は、それ自体、ルアーコネクタ38にチップ36を固定的に搭載するのに十分な遂行力を生成する。
いくつかの実施形態において、図28Aおよび図28Fに示されるように、密封パッケージ230を保持するための手段として収納トレイ250を提供する。収納トレイ250は、一般に、密封パッケージ230を受容する大きさおよび構成のウェル252を有する硬質または半硬質材料を含む。収納トレイ250のいくつかの実施形態は、複数の穴421をさらに含むことによって密封チップ36にアクセスする。いくつかの実施形態において、収納トレイ250は、チップ除去溝260を含む。他の実施形態において、収納トレイ250は、WEチップ36に対するアクセスを確保するための複数の穴を有する蓋401を含む。チップ除去溝260は、プローブ組立体201のルアーコネクタ38からWEチップ36を除去するための手段として提供される。いくつかの実施形態において、チップ除去溝260は、使用されたチップ36を受容するための第1の端部256と、その反対側に位置する狭い端部258とを有する先細りの開口を含む。チップ36を第1の端部256から第2の端部258に移動させると、先細りの開口は、チップ36とカートリッジルアー組立体との間のクサビとして作用して、チップ36をルアーコネクタ38から変位させる。いくつかの実施形態において、除去溝260は、図28Cおよび図28Dに示されるように、開口の壁が、第1の端部256から第2の端部258にかけて徐々にその厚さを増大させる傾斜壁をさらに含む。さらに、いくつかの実施形態において、収納トレイ250は、プローブ組立体201の除去後に、チップ36を自動的に捕捉し回収ビンに保持するように回収ビン405を含む。
B:信号の取得および処理
本発明のpHセンサ組立体は、コントローラ/プロセッサまたはプロセッサモジュールおよび前置増幅器ボードまたは前置増幅器モジュールをさらに含む。コントローラ/プロセッサおよび前置増幅器ボードは、一緒になって、ボルタメトリック実験を実施することが可能なポテンショスタットを実装する電子ハードウェアおよびファームウェアを含む。方形波ボルタメトリーは、他の直流(DC)技術に比べて信号対ノイズの向上をもたらし、不可逆的な酸化還元プロセスに起因する信号を除去するため有利であるが、他の方法を採用することもできる。例えば、いくつかの実施形態において、分析物の存在をアンペロメトリーにより検出する。
概して、プロセッサモジュールは、以下の構成要素、すなわち以下に記載される実施形態では外部AC電源によって、または代替的実施形態では内部電池DC電源によって電力供給され得る電源;pHセンサ電極ポートを介してpHセンサ電極にインタフェースするコネクタ;マイクロプロセッサ、信号調整増幅器および不揮発性メモリを含む電子ハードウェア;走査を開始および停止するためのユーザ入力を受け付け、基準電極に対して対向電極の電位を制御し、データ、例えば作用電極を流れる電流を測定および分析することによって方形波ボルタメトリーを実施するように電子ハードウェアを制御し、得られたデータからpH測定値を計算および表示し、刻時データを不揮発性メモリに記憶し、ユーザまたはサービス員によって呼び戻されたときにデータをメモリから取り出すファームウェアを含む。
いくつかの実施形態において、前置増幅器モジュールは、REにおける所望の電位を示すプロセッサモジュールからの1つの信号を受信し、REにおける実際の電位を示すREからの第2の信号を受信し、次いでREにおける所望の電位が達成されるように電気化学電池電位を調整するための第3の信号を、CEを介して出力することによって、所望の電池電位をREに加える。WEがREに近接しているため、WEとREとの間の電位差は無視できると想定される。さらに、前置増幅器モジュールは、WEからの信号を、プロセッサモジュールによって読取り可能になるように電気的にスケール変更する。プロセッサモジュールは、電気的にスケール変更された信号をWEから前置増幅器を介して受信し、この信号をプロセッサモジュールから出力された所望の電池電位に対して分析する。この分析の結果を、WEの特徴的な分析物応答と比較して、値を分析物に関連づけることを可能にする。
いくつかの実施形態において、前置増幅器モジュールは、以下の構成要素、すなわちCE/REフィードバック回路、WE電流−電圧前置増幅器、デジタル電位計、不揮発性メモリ、機械的継電器および固体状態継電器を含む。
実用的には、方形波ボルタメトリーを使用してpHを測定する。コントローラ/プロセッサは、一連の方形波パルスをサンプルに供給し、次のパルスの供給の直前における各方形波パルスの最後に電流測定を行う。方形波パルス群における各階段電位については、順電流および逆電流の両方を測定する。次いで、不可逆的プロセスから応答を除くことによって可逆的電気化学プロセスを測定するように測定結果を互いに減算する。不可逆的プロセス応答を除去すると、信号対ノイズ比が向上して、より正確なpH測定が可能になる。
いくつかの実施形態において、マイクロプロセッサに制御されたアナログ−デジタル変換器を使用して電流測定を行う。デジタル濾過技術を採用して、アナログ信号調整ハードウェアによって実施されるノイズ低減よりさらに信号ノイズを低減することもできる。例えば、いくつかの実施形態において、複数のデジタルサンプルを、間隔をおいて採取し、平均して、差電流と称する1つの電流測定値を構成する。いくつかの実施形態において、デジタルサンプル間の間隔は1ミリ秒である。これらの電流測定の結果を、それらが行われた電位に関してマイクロプロセッサによって分析する。いくつかの実施形態において、マイクロプロセッサによる分析は、i.)差電流測定値を集めて連続的な波形を作成すること、ii.)差電流波形における最大増幅ピークの位置を特定すること、およびiii.)このピークが生じた電位と、入力変数がピーク電位であり、出力が分析された溶液のpHである事前設定検量線とを比較することを含む。さらなる実施形態において、連続的な差電流波形を加重移動平均(WMA)フィルタによってデジタル濾過して、スプリアスノイズをさらに低減し、ピーク電位の位置をより正確に特定する。さらなる実施形態において、WMAフィルタを無限インパルス応答(IIR)デジタルフィルタと交換するか、WMAフィルタに無限インパルス応答(IIR)デジタルフィルタを追加する。他の実施形態において、連続的な差電流波形の第1の派生物および第2の派生物を使用して、ピーク電位の位置特定を容易にする。
CE/REフィードバック回路を、物理的にCEおよびREに近い前置増幅器モジュール上に配置する。REとフィードバック回路との間の電気的接続は高インピーダンスであるため、モータまたは実験用撹拌板などの外部ノイズ源からの影響を受けやすい。この設計は、CE/REに可能な限り近いフィードバック回路の位置を特定して、外部ノイズ源の影響を軽減する。いくつかの実施形態において、信号前置増幅回路は、雑音排除のために物理的にWEの近くにあることがさらに望ましい。信号前置増幅回路は、数十または数百マイクロアンペアのオーダの電流をボルト単位のオーダの電圧に変換する。前増幅後に、外部ノイズ源による干渉を最小限にしながら、1メートル長のプローブケーブルを介してWE信号をプロセッサモジュールに送信することが可能である。他の実施形態において、プローブケーブルは、1メートルを超える、または1メートル未満の長さを含む。代替的実施形態は、信号処理モジュールへの送信の前にアナログ信号をデジタル信号に変換して、無線送信またはより長距離送信を可能にする。
いくつかの実施形態において、プローブ電子部品は、0.5ワットのオーダで電力を消費する。他の実施形態では、電池を介して電力供給することができ、WE信号をプロセッサモジュールに無線送信することができる。無線送信は、手持形プローブ以外のセンサ構成に適用可能である。
いくつかの実施形態において、マイクロプロセッサおよび関連回路は、信号前置増幅回路の利得を迅速に変化させてWE電流強度のばらつきを補償する能力を有することがさらに望ましい。信号前置増幅ステージは、デジタル電位計などの調整可能な利得抵抗器を含む電流−電圧変換器からなる。いくつかの実施形態において、マイクロプロセッサは、デジタル電位計値を連続的に調整して、可能な最良の信号対ノイズ比を達成する。
いくつかの実施形態において、マイクロプロセッサは、方形波周期、または方形波パルス流におけるステップの間の時間間隔を制御することがさらに望ましい。WE電流が定常状態に達するのに要する時間は、分析される溶液の組成を含む多くの要因により実験毎に異なり得る。従来の方形波ボルタメトリーでは、マイクロプロセッサが電流を測定する前にWE電流が必ず定常状態に達するように、方形波周期を事前設定する。当該技術に対する改良型において、マイクロプロセッサは、WE電流を連続的に測定し、電流がいつ定常状態に達したかを判断した上で、規定の間隔が経過するのを待たずに直ちに次の方形波ステップに進む。この自己可変方形波周期は、全体的な走査時間をより短くし、pH測定を実施するのに要する時間をより短くすることを当業者なら理解するであろう。
いくつかの実施形態において、多くの連続的走査の移動平均を送信または表示することによって、ユーザに送信または表示されるpH値をさらに安定させることが望ましい。事前設定閾値より大きい計算されたpH値の変化を検出すると、プロセッサモジュールは、システムがpHの総体変化に直ちに応答するが、pHの微妙な変化には徐々に応答するように移動平均をリセットする。
いくつかの実施形態において、粗/微走査モードを採用することによって、pH値を送信または表示できるまで時間をさらに縮小することが望ましい。図29を参照すると、走査ステップサイズ61を2ミリボルトより大きな値まで増加させて、より粗い解像度で走査時間をより短くする。この粗走査は、おおざっぱに計算されたpH値を表示するために使用されるのに対して、微走査、またはより小さな走査ステップサイズ61による走査は、粗走査によりボルタメトリックピークが存在することが見いだされた領域に対してのみ実施される。微走査が完了すると、より正確な計算されたpH値が表示される。得られた波形がボルタメトリックピークを含まなくなるまで、狭い電圧範囲に対する微走査を連続して実施し、その時点で、pH電圧範囲全体に対する粗走査を再び採用する。
代替的実施形態において、初期のpH値を送信または表示するのに要する時間が縮小されるように1つまたは複数の粗走査をインターリーブする。さらに、いくつかの実施形態において、1つまたは複数のインターリーブ走査を実行して、pH値の精度および/または正確さを高める。図29、信号62を参照すると、第1の走査が0、4、8等...ミリボルトの電位を駆動し、第2の後続の走査が2、6、10等...ミリボルトの電位を電気化学電池に駆動するように走査ステップサイズを増加させる。したがって、初期走査時間、および初期pH値を送信または表示するのに要する時間が半分に減じられる。第2の後続の走査後に、ボルタメトリックピーク位置を平均し、計算されたpH値をより正確に送信または表示する。2つを超えるインターリーブ走査を採用して、初期pH値を送信または表示するのに要する時間をさらに縮小するようにインターリーブ走査モードを拡張できることを当業者なら理解するであろう。
いくつかの実施形態において、プローブ電子部品は、特に、電子部品に電力が供給されていないが、電気化学電池にいくらかの電位が残留する場合に、電流が偶発的に電極を流れ、それらに損傷を与えることを防止するためにRE、CEおよびWEから切断される能力を有することがさらに望ましい。REおよびWEは、ゼロリーク電流を効果的に確保するためにプロセッサモジュールを介して制御される機械的継電器を介して使用されない場合にプローブ電子部品から切断される。CEは、固体状態継電器を介して使用されない場合にプローブ電子部品から切断される。固体状態継電器は、機械的継電器より物理的に小さいという利点を有し、CEがリーク電流によって損傷される可能性がないためCEの場合に妥当である。
いくつかの実施形態において、プローブ電子部品は、一連番号、利得設定、構成データ、またはプローブに特有の較正情報などの様々なデータを記憶するのに使用される不揮発性メモリをさらに含む。
プロセッサモジュールは、後のダウンロードおよびパーソナルコンピュータでの分析に向けた刻時データを記録するのに使用される不揮発性メモリを含むこともできる。
方形波ボルタメトリーにおいて、WE42を流れる電流66を測定しながら、RE44とWE42との間の電位または電圧差62を階段状に掃引する。いくつかの実施形態において、RE44は、RE44の電圧を監視する高インピーダンスJFET演算増幅器に接続される。WE42は、WE42を流れる電流を測定するための電流−電圧増幅器に接続される。最後に、CE40は、その目的が、RE44に所望の階段電圧を与えるのに必要なだけの電流を電池に駆動することである電子駆動体に接続される。
電池を安定化させてから、次の電圧ステップ62を印加する直前までに、WE42を流れる定常状態の電流46を測定する。WE42を流れる差電流48を、順方向の電流から逆方向の電流46を減じることによって計算する。いくつかの実施形態において、プロセッサモジュール50に使用される走査ステップサイズは、約40msの走査周期では2mVであり、走査周期は、サンプル溶液120において定常状態の電流に達するための時間定数によって制限される。1回の完全な走査は、約100mVから約−850mVまでRE44上の電位を掃引し、走査前後の安定化時間を含めて完了するのに約25秒を要する。
次に図29および30を参照すると、サンプル溶液120についての電圧掃引62対電流応答66のグラフ図が示されている。計測デバイス50は、プローブ組立体201からの信号64および68を受信してプロットする。電圧62が大きくなると、WE42のASMが還元されて、電流を流すと同時にプロトン67を取り込む。電圧62がサンプル溶液120に対する最適範囲を上回ると、WE42のASMが完全に還元され、電流が消滅する。サンプル溶液曲線120の中心点122は、ASMの最大電流を表すため、サンプル溶液120を、既知のpH緩衝液についての既に測定された標準化電圧126および128と比較するための便利な標識である。最大電流が観察される電圧は、示されているように、ASM、および試験されているサンプル溶液120のpHの特徴である。
次に図30を参照すると、pH計測システム101の流れ図が示されている。いくつかの実施形態において、計測デバイス50は、電圧掃引60をプローブ組立体201のCE40に供給する。いくつかの実施形態において、電圧掃引60は、銀/塩化銀基準電極に対して約0.2ボルトから約−1ボルトの周期的ボルタメトリーを含む。他の実施形態において、電圧掃引60は、図31に示されるように、銀/塩化銀基準電極に対して約0.2ボルトから約−1ボルトの方形波ボルタメトリーを含む。
図31は、サンプル溶液を介してCE40からWEに印加された方形波ボルタメトリーのグラフ図を示す。次いで、WEを流れる発生電流をWEとREとの間の電位の関数として記録する。最大電流が観察される電圧は、下記のように、ASM、および試験されているサンプルのpHの特徴である。
酸化還元反応が生じる電圧は、サンプル溶液におけるプロトンの濃度に依存する。例えば、高濃度のプロトンが存在する場合(すなわち酸性溶液の場合)は、反応は比較的正の電圧で生じる。逆に、低濃度のプロトンが存在する場合(すなわちアルカリ性または塩基性溶液の場合)は、反応は比較的負の電圧で生じる。したがって、既知のpH緩衝液に対する標準化電圧を設定することにより、サンプル溶液の酸化還元電圧を既知のpH緩衝液の標準化酸化還元電圧と比較することによってサンプル溶液のpHを測定することができる。
いくつかの実施形態において、pHセンサは、WEからの信号を受信および増幅するための搭載回路を含む。WEからの信号は、回路によって捕捉され、増幅され、次いで処理のためにプロセッサモジュール50に送られる。処理すると、サンプル溶液のpH値をディスプレイ52に表示する。プロセッサモジュール50は、一般に、以上に記載され、かつその全体が参照により本明細書に組み込まれている、2009年3月25日に出願され、名称が「INTERNALLY CALIBRATED DEVICE FOR MEASURING PH」の特許文献9に開示されているように、一緒になって、ボルタメトリック実験を実施することが可能なポテンショスタットを実装する電子ハードウェアとファームウェアの組合せを含む。
当業者は、様々な他のボルタメトリーおよび電気化学分析技術を成功裡に使用して、印加電圧を変化させ、WEから供給される発生電流を測定できることを理解するであろう。例えば、いくつかの実施形態において、電圧掃引60は、計測デバイス50からCE40に加えられるAC波形を含む。
セクションII:関連デバイス
本発明のいくつかの実施形態において、pHセンサ組立体は、その例が図12および図13に示されるセンサウェルトレイ組立体をさらに含む。
pHセンサウェルトレイ25は、それぞれが、WE、REおよびCEを含むpHセンサ33を含む複数のサンプルウェル32で構成される。pHセンサは、多くの構成のいずれであってもよい。一実施形態において、センサは、AIEをさらに含む。各pHセンサの電極は、トレイがコントローラ/プロセッサのセンサウェルトレイポート27に挿入された後にセンサ電極をコントローラ/プロセッサ26に電気的に結合する電気エッジコネクタ31と電気的に結合する。
上記pHセンサチップを構成するための方法を含むが、それに限定されない多種多様な方法でウェルセンサを構成することができる。多種多様なトレイ構成が可能である。例えば、多数のサンプルをセンサウェルに計量分配するための自動サンプルハンドリングシステムの使用に適応するマルチウェルプレートとしてトレイを構成することができる。

Claims (24)

  1. 第1の端部、第2の端部および中心軸を有するプローブ組立体と、
    前記プローブ組立体の前記第1の端部に配置されたフリットを有する基準電極と、
    基板に結合された分析物感応性材料を含む作用電極であって、前記分析物感応性材料および前記基板は、前記プローブ組立体の前記第1の端部に配置されている作用電極と、
    前記プローブ組立体の前記第1の端部に配置された対向電極と、
    前記プローブ組立体の前記第2の端部に配置されたエンクロージャと、
    前記エンクロージャ内に配置され、前記基準電極、前記作用電極および前記対向電極の少なくとも1つに電気的に結合された前置増幅回路と、
    ボルタメトリーによって分析物を検出するために前記前置増幅回路に電気的に結合されたプロセッサと
    を備え、前記基準電極、前記作用電極および前記対向電極は中心軸に対して同軸配置され、前記前置増幅回路は、前記基準電極および前記作用電極の少なくとも1つから受信された信号をスケール変更することを特徴とするpH計デバイス。
  2. 前記ASMは、アントラキノン、フェナントレンキノン、オルト−ベンゾキノン、N,N’−ジフェニルパラ−フェニレンジアミン、アントラセン、ナフタキノン、パラ−ベンゾキノンおよびアゾベンゼンからなる群から選択され、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13およびR14の少なくとも1つは、水素部分、アルキル部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アミノ部分、アミド部分、カルボキシル部分、ヒドロキシルメチル部分、カルボニル部分、エーテル部分およびアルコキシエーテル部分からなる群から選択される化学的部分で置換されていることを特徴とする請求項1に記載のpH計デバイス。
  3. 前記分析物感応性材料は、化学リンカーによって前記基板に共有結合されていることを特徴とする請求項1に記載のpH計デバイス。
  4. 前記分析物感応性材料は、前記基板内に物理吸着されていることを特徴とする請求項1に記載のpH計デバイス。
  5. 前記基板は、貴金属材料、半導体材料、導電性金属合金材料、導電性ポリマー化合物および炭素系材料からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のpH計デバイス。
  6. 前記炭素系材料は、炭素同素体材料、熱分解性グラファイト材料、グラファイト、非晶質炭素、カーボンブラック、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、ガラス炭素、ホウ素ドープダイヤモンドおよび熱分解されたフォトレジストフィルムからなる群から選択されることを特徴とする請求項5に記載のpH計デバイス。
  7. 前記基準電極は、前記対向電極の一部の中に同軸配置されたカートリッジ組立体を含み、前記基準電極は、第1の端部および第2の端部を有する電極ワイヤをさらに含み、前記第1の端部は、前記前置増幅回路に電気的に結合され、前記第2の端部は、電解液に曝露されていることを特徴とする請求項1に記載のpH計。
  8. 前記カートリッジ組立体内に配置された小型基準組立体であって、
    第1の端部および第2の端部を有するケースであって、前記第1の端部は、フリット部材を受容するための開口を有し、前記ケースは、第2の電解液をさらに含むケースと、
    第1の端部、第2の端部および中間部を有するリードであって、前記第1の端部は、前記電極ワイヤの前記第2の端部に電気的に結合され、前記リードの前記第2の端部は、前記第2の電解液内に配置され、前記リードの前記中間部は、前記リードの温度が前記WEと実質的に類似するように前記WEに近接して配置されたリードと
    を備えた小型基準組立体をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載のpH計。
  9. アントラキノン、フェナントレンキノン、オルト−ベンゾキノン、N,N’−ジフェニルパラ−フェニレンジアミン、アントラセン、ナフタキノン、パラ−ベンゾキノンおよびアゾベンゼンからなる群から選択される改良型分析物感応性材料であって、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13およびR14の少なくとも1つが、水素部分、アルキル部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アミノ部分、アミド部分、カルボキシル部分、ヒドロキシルメチル部分、カルボニル部分、エーテル部分およびアルコキシエーテル部分からなる群から選択される化学的部分で置換されていることを特徴とする改良型分析物感応性材料。
  10. 少なくとも2つの隣接する置換炭素原子が、アリール環およびヘテロアリール環の少なくとも1つを形成することを特徴とする請求項7に記載の改良型分析物感応性材料。
  11. 目標分析物を検出するための複数の電極を有するプローブであって、前記複数の電極は、それに結合された分析物感応性材料を有する少なくとも1つの電極を含むプローブと、
    前記複数の電極と近接して配置され、それらに電気的に結合された前置増幅器であって、少なくとも1つの電極から受信された信号を電気的にスケール変更する前置増幅器と
    を備えることを特徴とする計器デバイス。
  12. 分析物を検出するための方法をコンピュータシステム内で実施するためのコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、
    前記方法を実施するのに利用されるコンピュータプログラムコード手段を提供するためのコンピュータ読取り可能媒体を備え、前記コンピュータプログラムコード手段は、
    予めプログラムされた制御電圧の第1の信号をプロセッサから前置増幅器に送信するステップと、
    第2の信号を作用電極から受信するステップであって、前記第2の信号は前置増幅器からの電流を表すステップと、
    前記第1の信号と相対的に前記第2の信号に分析を施すステップと、
    値を表示するステップと
    を実施するための実行可能コードで構成され、前記前置増幅器は、
    基準電極における実電位と、前記プロセッサからの前記予めプログラムされた制御電圧の第1の信号とを比較するステップと、
    前記基準電極における前記実電位が、前記予めプログラムされた制御電圧の第1の信号にほぼ等しくなるように対向電極における出力信号を調整するステップと、
    前記第2の信号をスケール変更するステップと、
    前記第2の信号を前記プロセッサに送信するステップと
    をさらに実施することを特徴とするコンピュータプログラム製品。
  13. 第1の走査を実行して、前記第2の信号の範囲を決定するステップと、
    前記第1の走査によって決定された前記範囲に集中する第2の走査を実行するステップと
    をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載のコンピュータプログラム製品。
  14. 第1の走査を実行して値を表示するステップと、
    インターリーブ走査を実行して、表示された値の精度および正確さの少なくとも1つをさらに向上させるステップと
    をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載のコンピュータプログラム製品。
  15. 複数のインターリーブ走査をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載のコンピュータプログラム製品。
  16. 前記分析は、ボルタメトリーおよびアンペロメトリーの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項12に記載のコンピュータプログラム製品。
  17. 基板と、
    前記基板に結合された分析物感応性材料であって、前記分析物感応性材料がアントラキノン、フェナントレンキノン、オルト−ベンゾキノン、N,N’−ジフェニルパラ−フェニレンジアミン、アントラセン、ナフタキノン、パラ−ベンゾキノンおよびアゾベンゼンからなる群から選択され、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13およびR14の少なくとも1つが、水素部分、アルキル部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アミノ部分、アミド部分、カルボキシル部分、ヒドロキシルメチル部分、カルボニル部分、エーテル部分およびアルコキシエーテル部分からなる群から選択される化学的部分で置換されている、分析物感応性材料と
    を備えることを特徴とする作用電極。
  18. 前記分析物感応性材料は、前記基板に共有結合されていることを特徴とする請求項17に記載の作用電極。
  19. 前記分析物感応性材料は2−(ベータ−ナフトール)メチルアントラキノンであることを特徴とする請求項17に記載の作用電極。
  20. 前記分析物感応性材料は2−N−BOCエチレンジアミンAQであることを特徴とする請求項17に記載の作用電極。
  21. プローブ組立体を容器に固定するためのクリップデバイスであって、
    プローブ組立体の一部を受容するための開口部と、
    前記開口部に結合された本体であって、前記本体が前記容器の縁面を受容するための第1のアームを有していて、前記開口部が前記容器の内側に近接して位置し、前記第1のアームが前記容器の外側に近接して位置するようになっている、本体と
    を備えることを特徴とするクリップデバイス。
  22. カバー部に選択的に結合されたベース部を有するエンクロージャを備える収納デバイスであって、前記ベース部は、湿潤溶液を受容するためのウェルを有し、前記カバー部は、プローブ組立体の軸部を支持するための開口部を有し、前記開口部は、前記ウェルとほぼ位置合せされていて、プローブ組立体を前記開口部に挿入すると、前記プローブ組立体のチップ部が前記湿潤溶液に浸されるようになっていることを特徴とする収納デバイス。
  23. サンプル中の分析物を検出するためのシステムであって、
    分析物を検出するための複数の電極を有するプローブ組立体であって、前記プローブ組立体が前記複数の電極に電気的に結合された前置増幅器をさらに含む、プローブ組立体と、
    前記前置増幅器に電気的に結合されたプロセッサと、
    分析物を検出するための方法を前記プロセッサ内で実施するためのコンピュータプログラムコードと
    を備え、前記コンピュータプログラムコードは、
    予めプログラムされた制御電圧の第1の信号を前記プロセッサから前記前置増幅器に送信するステップと、
    第2の信号を前記プローブ組立体の少なくとも1つの電極から受信するステップであって、前記第2の信号は前記前置増幅器からの電流を表すステップと、
    前記第1の信号と相対的に前記第2の信号に分析を施すステップと、
    値を表示するステップと
    を実施するための実行可能コードで構成されることを特徴とするシステム。
  24. 前記前置増幅器は、
    基準電極における実電位と、前記プロセッサからの前記予めプログラムされた制御電圧の第1の信号とを比較するステップと、
    前記基準電極における前記実電位が前記予めプログラムされた制御電圧の第1の信号にほぼ等しくなるように、対向電極における出力信号を調整するステップと、
    前記第2の信号をスケール変更するステップと、
    前記第2の信号を前記プロセッサに送信するステップと
    をさらに実施することを特徴とする請求項20に記載のシステム。
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