JP2007524963A - プラズマ生成装置及び方法並びに可変デューティサイクルの高周波駆動回路 - Google Patents
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Abstract
ここに開示するリアクティブ回路は、高密度のプラズマを生成する方法及びシステムにおいて、動的整合用回路網を使用することを必要とせずに、インピーダンスが動的に変化するプラズマを直接的に駆動できるようにするものである。このリアクティブ回路網は、プラズマインピーダンスのリアクタンス成分であるプラズマリアクタンスの値が第1の値であるときに小さな合計リアクタンスを提供し、且つ、プラズマリアクタンスの値が第2の値であるときに所定リアクタンス限界値を超えないリアクタンスを示すようにしたものである。プラズマリアクタンスの前記第1の値及び前記第2の値は、動的に変化するプラズマリアクタンスの値の予期される値域の大部分に及ぶ値である。プラズマリアクタンスの前記第1の値及び前記第2の値を、例えば、このプラズマリアクタンスの予期される上限値及び下限値に夫々対応した値としてもよく、或いはまた、プラズマリアクタンスの前記第1の値を、プラズマリアクタンスの予期される平均値に対応した値としてもよい。
Description
本件特許出願は、米国特許法第119条の規定に従って米国特許仮出願第60/480,338号(出願日:2003年6月19日)に基づく優先権を主張するものである。また、本件特許出願は、米国特許出願第10/419,052号(出願日:2003年4月17日)の一部継続出願であり、同米国特許出願第10/419,052号は、米国特許出願第10/268,053号(出願日:2002年10月9日)の一部継続出願であり、同米国特許出願第10/268,053号は、米国特許法第119条の規定に従って米国特許仮出願第60/328,249号(出願日:2001年10月9日)に基づく優先権を主張するものである。尚、以上の全ての先行特許出願の開示内容はこの言及をもってその全体が本願開示に組込まれたものとする。
本発明は、広くはプラズマ生成システムの構造並びにそれを構成する方法に関するものである。より詳しくは、本発明は、プラズマを生成するために用いる、高周波増幅器と、アンテナと、それら高周波増幅器とアンテナとを接続するための効果的な回路とに関するものである。
一般的に、プラズマは、物質の4つの状態のうちの1つであると見なされており、他の3つは、固体、液体、それに気体の状態である。プラズマ状態にある物質の構成要素は、基本的に、イオン化された状態にある。この状態は、反応性やエネルギを高め、方向性を有するビームを形成するのに適しているなどの特質により、多くの用途において有用性を発揮する。
プラズマ生成システムは、様々な電子部品や集積回路、それに医用装置などを製造するために一般的に用いられており、また、プラズマ生成システムを使用して動作するようにした様々な設備ないし機械が存在している。プラズマが広く用いられている用途には、例えば、(i)供給源から化学反応やスパッタリングなどによって所望の物質の被膜を形成するという用途、(ii)高精度で材料のエッチングを行うという用途、(iii)プラズマ中に存在する、或いはプラズマによって誘導されるフリーラジカルによって物品の滅菌を行うという用途、それに、(iv)物質の表面特性を改変するという用途などがある。
高周波(RF)電源をエネルギ供給源として使用するプラズマ生成システムは、簡便に使用することのできるプラズマ源であり、また、運搬及び移動が容易なものが多いことから、実験設備や製造設備などに広く用いられている。この種のプラズマ生成システムは、RF放射エネルギを気体に結合することによって、その気体をイオン化するようにしており、その気体は通常、減圧(及び低密度)下におかれている。このようなRFプラズマ生成システムにおいては、プロセス条件が変化すると、通常、RF電源によって駆動されているアンテナ端子間の負荷が、プラズマのために変動することになる。ここでいうプロセス条件の変化には、作動気体や圧力の変化などが含まれ、それらの変化が、アンテナ端子間の負荷の大きさに影響を及ぼすのである。更には、RF電源の出力波形の振幅が変化すると、そのことがプラズマの温度及び密度に影響を及ぼし、それが更に、アンテナの負荷の大きさに影響を及ぼすことになる。従って、RF電源にとっての負荷である、アンテナとプラズマとから成る系は、大きさが一定の負荷ではなく、また、線形の負荷でもない。
通常のRF電源は出力インピーダンスが約50 Ωであるため、RF電源と負荷との間の結合効率が最大となるのは、この出力インピーダンスと整合する50 Ωのインピーダンスの負荷を駆動する場合である。しかるに、プラズマの自己インダクタンスや、プラズマの実効抵抗、及びプラズマとアンテナとの間の相互インダクタンスの、予測できない頻繁な変動のため、プラズマが発生したときに、RF電源からその発生したプラズマへのエネルギ伝達を良好に行えるように、動的インピーダンス整合が行われており、この動的インピーダンス整合は、回路を構成している素子のうちのあるものに帰還をかけたり、また場合によっては、プラズマ自体に帰還をかけることによって行われている。その達成のために、プラズマの状態変化によって発生する負荷インピーダンスの変動を補償するように、調節可能なインピーダンス整合用回路である「マッチングボックス」が一般的に用いられている。
典型的な動的整合のためのマッチングボックスは、互いに独立して調節可能な2個の可変素子を備えており、一方は、直列インピーダンスを調節するために用いられ、他方は、シャントインピーダンスを調節するために用いられる。プラズマへのエネルギ伝達を最適化するには、それら2個の可変素子の調節が連鎖的に行われなければならない。そして、それら2個の可変素子の調節を高精度で行えるようにすることが、しばしば困難な作業となることは、当然のことといわねばならない。通常、帰還をかけるためには、プラズマインピーダンスの変動に合わせて、手動操作または機械的アクチュエータにより、1つまたは幾つかの素子の素子定数に調節を加える必要があり、また、それほど高度には自動化されてはいない装置にも対応することのできる、かなり巧妙なフィードバック回路を備える必要がある。
周知のごとく、気体に対して十分に強力な電場を作用させることによって、気体原子の正電荷を帯びた原子核から電子を引き離してその気体をイオン化し、導電性を有する流体状の物質を形成することができ、これがプラズマと呼ばれているものである。更に、そのイオン化した気体に対して、アンテナを介して高周波電磁場を作用させることにより、そのイオン化した気体の内部に電流を誘導することができる。これによって、その気体のイオン化が更に進行し、それに伴って導電性が向上するため、その気体中の荷電粒子に対するアンテナの電磁場の結合度が高まる。これによって、誘導電流が更に増大することから、電気的ブレークダウンが急激に進行して、気体のイオン化が格段に増進する。このときのRF電磁場の実効結合度は、使用しているRF電磁場の形態、及び/または、使用しているRF電磁波の波形に左右される。以下に、大量のプラズマを高効率で生成するのに適したRF電磁場の形態及びRF電磁波の波形の幾つかの具体例について説明する。
ホイッスラー波は、静磁場B0の中に置かれている無限プラズマ内を伝播することのできる右旋円偏波(R波と呼ばれることがある)の電磁波である。例えば円筒容器内のプラズマのような、有限プラズマ内でホイッスラー波が発生した場合には、境界条件が存在するために、即ち、系が無限でないために、左旋円偏波モードの電磁波(L波)も同時に発生し、これは、右旋円偏波と相まって、全体の電磁場に対して静電場として寄与するものとなる。このような「境界存在下のホイッスラー波」は、ヘリコン波と呼ばれている。これについては、Boswell, R.W., Plasma Phys. 26, 1147 (1981) を参照されたい。ヘリコン波は、興味深くまた有用な多くの特質を有しており、それら特質のうちには、(1)ヘリコン波を用いないRFプラズマ生成方法と比べて、より高密度のプラズマをより高い効率で生成及び維持できること、(2)RF入力電力が僅か数キロワット程度の小型のプラズマ生成装置を使用してNp≒1014/ cm3 までのプラズマ密度が得られること、(3)多くの場合、安定した、静止性の比較的高いプラズマが得られること、(4)均一性の高いプラズマが得られること、それに(5)1 mTorr の数分の1から数十mTorrまでの、広い圧力範囲に亘ってプラズマ生成が可能であることなどがある。ヘリコン波を用いた励起モードを採用すれば、静磁場B0 の強度が比較的低くても、強力なプラズマ増強効果が得られることが観察されており、そのような比較的低強度の静磁場は、安価な磁場発生装置を用いて、低コストで容易に発生させることができる。
低強度の静磁場を用いてm=+1のヘリコンR波による励起を行う場合には、例えば、比較的小型のプラズマ容器を使用して、B0< 150 Gの静磁場を作用させることで、強力なプラズマ密度(Np)の増強効果と、高度のプラズマの均一性とを達成することができる。これは、例えば、使用するアンテナを、そのアンテナの電磁場パターンが、アンテナ電磁場と同一空間を占有する1つまたは複数のヘリコンモードのパターンに近似しており、それによってヘリコンモードに結合するようにした電磁場パターンであるようなアンテナとすることで達成することができる。それは、作用させる静磁場の強度B0、RF周波数(FRF)、プラズマ密度Np自身、及び物理的寸法などの複数の条件の適当な組み合わせによって決定されるものである。
RF電力をプラズマに結合するためのアンテナ構造についての幾つかの具体例が、米国特許第4,792,732号公報(特許文献1)、同第6,264,812号公報(特許文献2)、それに、同第6,304,036号公報(特許文献3)などに開示されている。しかしながら、それら公報に開示されているアンテナ構造は、比較的複雑なものであり、特別の構成部品を必要とするものも多く、それらのことが、プラズマ生成システムの導入コスト及び保守コストの増大を招いている。更に、それら公報に開示されているアンテナ構造は、それらの全てが、以下に開示する好適モードであるヘリコンモードを高効率で発生させるのに適しているわけでもない。
RF電源は、通常、外部からRF信号を入力として受取るように構成されているか、或いは、RF信号の発生回路を内蔵しているかのどちらかである。多くのプロセス関連用途においては、このRF信号の周波数は約13.56 MHzとされている。このRF信号が電力出力段によって増幅され、そして、プラズマを生成するために、アンテナを介して、プラズマ発生システム内の気体/プラズマに結合される。
RF電源として用いるのに適したRF増幅器も含めて、一般的に増幅器というものは、例えば効率、線形性、増幅度、それにインピーダンスなどの増幅器特性に応じて、また、増幅器の用途に応じて、様々に分類されている。特に電力増幅という用途に関しては、無駄に消費されて熱になってしまう電力量が重要な考慮事項となり、なぜならば、その熱を放散させるためのヒートシンクが必要であることから、低効率の増幅器を使用した機器は寸法が大きくならざるを得ないからである。また、様々な増幅器特性のうちで特に重要なものは、増幅器の出力インピーダンスであり、なぜならば、増幅器が無駄に消費する電力量を低減する上での、その増幅器に固有の限界が、出力インピーダンスによって決定されるからである。
通常のRF増幅器は、その出力インピーダンスが標準値である50 Ωになるように設計されている。そして、増幅器の出力端子間の電圧と、出力端子を介して出力される電流とが、いずれもゼロではないことから、増幅器の消費電力は、それら電圧と電流との積の値によって与えられる。
この積の値を小さくするには、スイッチング素子において消費される電力を低減する場合と同様に、増幅器の出力端子間の電圧と、出力端子を介して出力される電流との間に、位相差を導入すればよい。スイッチング素子を用いた増幅器は、それ以前の増幅器と異なり、スイッチング素子が2つの状態を取ることで動作する。一方は、短絡状態に相当するオン状態すなわち低インピーダンス状態であり、他方は、開路状態に相当するオフ状態すなわちインピーダンスが無限大の(或いは、少なくとも非常に大きな)状態である。スイッチング方式の増幅器では、増幅用の素子が、増幅すべき信号により制御されてスイッチとして機能する。そこで、その増幅すべき信号の波形を、例えば整合用負荷回路網などを用いて、適当な波形にすることによって、電流と電圧との間に位相差を導入することができる。そして、その位相差の導入によって、スイッチング素子の内部で消費される電力が最小になるように電流の位相と電圧の位相とをずらすようにすればよい。即ち、電流値が大きいときには電圧値がゼロまたは低値になるように、また逆に、電圧値が大きいときには電流値がゼロまたは低値になるようにすればよい。米国特許第3,919,656号公報(特許文献4)及び同第5,187,580号公報(特許文献5)には、スイッチング方式の増幅器の内部で消費される電力を低減ないし最小化する上で有用な、電圧と電流との間の様々な関係が開示されている。
米国特許第5,747,935号公報(特許文献6)には、整合用負荷回路網を備えたスイッチング方式のRF増幅器が開示されており、その整合用負荷回路網は、目標周波数におけるインピーダンスが高く、その一方で、その目標周波数を基本周波数とする高調波は短絡するようにしたものであり、それによって、プラズマインピーダンスの変動に際してのRF電源の安定性を向上させている。かかる整合用負荷回路網は、動的整合用回路網を不要化するものではなく、むしろ、スイッチング方式の電源の動作をより複雑なものにしている。かかる整合用負荷回路網は更に、基本周波数の近傍の狭い周波数帯域に対する強い選択性に左右されるために、優れた周波数追随性を備えたものではない。
米国特許第6,432,260号公報(特許文献7)には、整合用インピーダンス回路網にスイッチング素子を組込んで、動的に変動するプラズマの複素インピーダンスを、殆ど純抵抗成分のみから成る複素インピーダンスとすることが、即ち、プラズマインピーダンスのリアクタンス成分を実質的に中和するということが開示されている。これによって、電源にとっての負荷の変動は、プラズマインピーダンスの純抵抗成分(即ち、プラズマ抵抗)の変動だけになるため、電源はそのプラズマ抵抗の変動にだけ応答すればよいようになる。そして、動的に変動するプラズマ抵抗に応じて、プラズマに投入する電力を制御するようにしている。
プラズマインピーダンスが、RF電源にとっての負荷インピーダンスのうちの小さな部分でしかない場合には、その変動は、それほど重要な意味を持たない。従って、プラズマインピーダンスの変動領域幅が、インピーダンス全体の大きさと比べて、ほんの僅かな部分でしかない場合には、動的整合用回路網を介在させることなしに、RF電源でプラズマを駆動することも可能である。ただし、プラズマのインダクタンスに対抗して、駆動回路であるRF電源から十分に大きな電力を投入しようとすれば、効率がある程度損なわれることはやむをえない。それゆえ、動的に変動するプラズマインピーダンスの変動幅が、RF電源にとっての負荷インピーダンス全体のうちのかなり大きな部分を占める場合には、整合用回路網が必要である。
米国特許第6,150,628号公報(特許文献8)、同第6,388,226号公報(特許文献9)、同第6,486,431号公報(特許文献10)、及び同第6,552,296号公報(特許文献11)に開示されているスイッチング方式の定電流RF電源は、プラズマ負荷に対して直列に接続されるインダクタ要素を含むものである。プラズマは基本的に、鉄芯またはフェライト芯のトランスの二次側として駆動され、そのトランスの一次側をそのRF電源で駆動するようにしている。そのような構成とすることで、動的インピーダンス整合用回路網を不要化することができる。プラズマを流れる電流は、電力を負荷の大きさに応じて調節するように、インダクタにより決定される初期電流の電流値と略々同じ大きさに維持される。
それら特許には更に、プラズマの点火のための様々な方法が開示されており、それら方法のうちには、高電圧パルス、紫外光、及び容量性結合を利用する方法などが含まれており、更に、プラズマの点火に際して発生する大きなインピーダンス変動をやり過ごすことによって、プラズマインピーダンスの変動の影響を抑制するようにしている。
更にその他の公知の構成として、プラズマを二次側とするトランスを模倣した構成を構築し、その構成の一次側と二次側とを、共通トランス芯によって比較的弱く結合した構成がある。R. J. Taylorが発明したプラズマ生成方法は、プロセス用プラズマを利用して、ドーナツ形真空容器の内部のクリーニングを行うためのプラズマ生成方法であり、この方法を実施するための装置が1973年に製作されている。その装置における回路は、トランスの一次側として、トカマク用の空芯の抵抗熱線(OH)巻線を使用しており、また、整合用回路網として、固定キャパシタC1及びC2を含む回路を使用している。また、これと同様のトカマク用の回路であって、鉄芯トランスを使用した様々な回路構成も、公知となっている。それら回路構成の多くは、1〜50 kHzの周波数領域で動作するものである。
R. J. Taylorのこれらに類似した回路構成によれば、プラズマインピーダンスの変動が駆動回路の負荷に及ぼす影響は大きなものではない。これは、パラメータδ=M1p / (L1 Lp)1/2 −ここで、M1p は、トランスの一次側のインダクタンスL1 と、プラズマのインダクタンスLp との間の相互インダクタンスである−の値が非常に小さいことによるものである。その結果、トランスの一次側の端子間に現れる誘導性負荷の変動量が、プラズマインピーダンスの変動量より小さなものになるのである。これに対して、プラズマを実質的に直接的に駆動する場合には、即ち、アンテナの電流ストラップに電力を供給してプラズマを駆動する場合には、パラメータδ=Mant-plasma / (Lant Lplasma)1/2−ここで、Mant-plasmaは、アンテナのインダクタンスLantと、プラズマのインダクタンスLplasmaとの間の相互インダクタンスである−の値が小さなものとはならず、そして、プラズマインピーダンスの変動によって、RF電源による負荷インピーダンスが比較的大きな変動を生じることになる。このことから、多くの場合、電力を好適に投入できるようにするためには、可変整合用回路網を使用して、RF電源の50 Ωのインピーダンスに対して整合を取ることが必要とされている。
プラズマを直接的に駆動する場合、即ち、二次側であるプラズマと、RF電源に接続された一次側である巻線とを実質的に結合するための結合トランス芯を使用しない場合には、プラズマインピーダンスの変動は、アンテナのリード線間に、即ち、結合トランスの一次側として機能する巻線の端子間に、大きなインピーダンスの変動として現れる。このような回路構成においては、プラズマまたはプラズマ/アンテナ結合に、プラズマインピーダンスの変動に応じた連続的な調節を行う動的整合用回路網を介在させていた。
米国特許第4,792,732号公報
米国特許第6,264,812号公報
米国特許第6,304,036号公報
米国特許第3,919,656号公報
米国特許第5,187,580号公報
米国特許第5,747,935号公報
米国特許第6,432,260号公報
米国特許第6,150,628号公報
米国特許第6,388,226号公報
米国特許第6,486,431号公報
米国特許第6,552,296号公報
高効率のプラズマ生成システムを設計しようとする際に直面する課題は、保守作業が殆ど不要で、また簡易な構造設計のアンテナの必要性であり、プラズマの非線形的に動的に変動するインピーダンスにRF電源を直接的に結合するための高コストの動的整合用回路網の排除、及び効率的に変調し得る周波数追随性に優れたRF電源の必要性である。
ここでは、1つまたは複数のRF電源をプラズマに高効率で結合するための改善した構成を開示する。更なる開示は、動的整合用回路網を使用することなくRF電源をプラズマに結合することのできる、RF電源によりプラズマを生成する方法及びシステムである。尚、ここでいう動的整合用回路網とは、動的に変動するプラズマのインピーダンスに応じて、インピーダンスの調節が行われるようにしたものである。
ここでは、インピーダンスを整合するための動的整合用回路網を使用する替わりに、リアクティブ回路網を使用して、RF電源をアンテナとプラズマとから成る系に結合するようにしている。このリアクティブ回路網は、プラズマインピーダンスの値が第1の値であるときに、RF電源にとっての負荷が略々純抵抗の負荷となるように指定されている。また、プラズマインピーダンスの値が第2の値であるときに、RF電源にとっての負荷のリアクタンスが、このRF電源それ自体のリアクタンスと略々等しくなるように選定されており、このプラズマインピーダンスの第2の値は、動的に変化するプラズマリアクタンス(プラズマインピーダンスのリアクタンス成分)の値の予期される値域の大部分をカバーする値とすることが好ましい。従って、ここでは、プラズマとRF電源との間の動的整合用回路を不要化するリアクティブ回路を設計する方法を開示する。また更に、約13.56 MHzで動作するプラズマ生成システムに用いるのに適したリアクティブ回路を開示する。ここに開示する方法は、更に、13.56 MHz以外の様々な周波数に適合するリアクティブ回路を設計する場合にも適用し得るものである。
前記リアクティブ回路を設計する際には、プラズマインピーダンスに加えて、その他の事項も考慮に入れることができる。例えば、前記リアクティブ回路を、スイッチング方式の電源である前記RF電源に位相差を導入するような回路として設計することもでき、それによって、スイッチング素子における抵抗損失を低減して前記RF電源の効率を高めることができる。このような付加的な条件を満たすためには、通常、3個またはそれ以上のリアクタンス素子の素子定数を適切に定めればよく、それによって、所望の動作を行わせることが可能になる。
具体的な実施の形態として提示するプラズマ生成システムは、少なくとも1つのプラズマ源を備えたものである。この少なくとも1つのプラズマ源には、複数のループエレメントを含むアンテナが装備されており、それら複数のループエレメントは、各々がループ軸心を有しており、1本の共通軸心の周囲に、各ループエレメントの軸心がその共通軸心に対して直交するようにして配設されている。この実施の形態のプラズマ生成システムは更に、少なくとも1つの高周波電源を備えたものである。この高周波電源は、前記複数のループエレメントを実質的に直角位相で駆動することにより、プラズマ負荷に結合され、それによって、プラズマ負荷が、前記アンテナを介して円偏波モードで、また好ましくはヘリコンモードで、駆動されるようにするものである。この実施の形態のプラズマ生成システムは更に、前記共通軸心に略々沿った方向の静磁場を作用させる手段と、スイッチング方式の増幅器を前記アンテナのループエレメントに結合するリアクティブ回路網とを備えている。
前記高周波電源は、実質的にA級の増幅器、実質的にAB級の増幅器、実質的にB級の増幅器、実質的にC級の増幅器、実質的にD級の増幅器、実質的にE級の増幅器、及び、実質的にF級の増幅器から成る群の、少なくとも1つの増幅器を含むものとすることが好ましい。1つの実施の形態では、かかる増幅器をトランスの一次側に接続することによって、その駆動インピーダンスを低下させて、低値の駆動インピーダンスにしている。更に好ましいのは、前記高周波電源を、比較的低出力インピーダンスのプッシュプル方式のD級増幅器を含むものとすることである。
前記高周波電源は、低出力インピーダンスの電源とすることが好ましい。この低出力インピーダンスは、しばしば、標準的なインピーダンスの値である50 Ωよりはるかに小さいインピーダンスとされる。前記高周波電源の出力インピーダンスの値は、約0.5 Ω以下、約2 Ω以下、約3 Ω以下、約5 Ω以下、約8 Ω以下、約10 Ω以下、及び、約20 Ω以下から成る組から選択された範囲内の値とすることが好ましい。また、この出力インピーダンスの値は、5 Ω以下とすることが好ましく、0.5〜2 Ωの間の値とすればなお好ましく、1 Ω以下の値とすれば最も好ましい。好適な実施の形態においては、この出力インピーダンスの値を約12 Ωにしている。このように低出力インピーダンスの高周波電源を駆動回路として使用し、更に、その駆動回路を、ここに開示する回路を介してアンテナの電流ストラップに接続することによって、マッチングボックスを不要化することができ、従って、プラズマを利用した処理システムにおける回路の複雑度を低減し、その故障発生源を除去し、またコスト増を回避することができる。
ここに開示するシステムの更なる利点として、プラズマの形成以前の時点でアンテナに印加する電圧を、非常に高い電圧とすることができ、それによって、様々な動作条件下でのプラズマの点火容易性を向上させることができるということがある。プラズマが点火したならば、アンテナに印加されている電圧は低下し、プラズマを維持するための低い電圧レベルになる。
ここに開示するシステムは、複数のアンテナエレメントの間の位相差と、静磁場B0 の大きさとを適当に定めることによって、ヘリコンモードのプラズマ源として動作させることも、また、磁場印加誘導結合プラズマ源(MICP)として動作させることもでき、更には、静磁場B0=0とすることで、ICPプラズマ源として動作させることもできるものである。更に、ここに開示するシステムは、従来のプラズマ源を使用した場合には対応が困難及び/または結果が不良であった圧力領域(例えばP0≒100 mTorrの圧力領域)においても、高効率で安定して動作し得るものであることが確認されている。また、中性粒子圧力P0 と、高周波入力電力PRF と、外部から印加する軸心方向の静磁場B0との夫々に関する条件を適当に定めることによって、複数のアンテナエレメントを夫々に流れる電流の位相が、急速に直角位相に「ロック」することが観察された。そして、それら電流の位相がそのようにロックすることによって、プラズマ容器内のプラズマの分布は略々均一になり、従って均一な処理条件を提供できるという利点が得られる。
更に、このようなアンテナシステムとRF電源との組合せは、これまでに報告されているプラズマ装置のパラメータの変動範囲(例えば中性粒子圧力P0 というパラメータは、約1分間の長さのサイクルで、100 mTorrから5 mTorrまで低下し、再び100+ mTorrへ戻るように変動する)よりも、はるかに広い変動範囲においてプラズマのパラメータが変動するような条件下であっても、動的整合用回路網を構成する素子の調節を必要とすることなく、プラズマの形成及び維持が可能である。
ここに開示するシステムの更にその他の利点として、動的整合用回路網を不要化したために、プラズマ装置を「即時オン」方式で動作させることが可能になっているということがある。この特性を利用することによって、プラズマ装置を使用しているプロセスに対して、更なるプロセス制御を加えることが可能となる。具体的な一例としては、プラズマを生成するためのRF電力の振幅を変化させる変調を行うことで、2つの(またはより以上の)電力レベルの間でのスイッチングが可能であり、例えば30% の電力レベルと100% の電力レベルとの間でスイッチングすることや、完全なオンオフ方式で(0% から100%で)スイッチングすることが可能である。この振幅の変調は、高速で行うことができ、例えば数キロヘルツの周波数での変調も可能であり、それによって、様々な効果を達成することができる。例えば、RF電力の平均値を低下させて、それによって平均プラズマ密度を低下させることができる。この「即時オン」方式の動作を行わせることによって、RF入力電力の平均値を、体積50リットル当たり僅か5 Wという小さな値にしても、プラズマを生成することが可能になる。
更に、変調によって、反応容器内部の作動気体の空間分布を制御することも可能である。また、プラズマを利用して作動ガスの空間分布を変化させるため、活性化学種であるラディカルのフラックスの非均一性を高めることもできる。プラズマ生成のデューティサイクルを変化させることによって、プラズマオフ期間(即ち、電力レベル低下期間)における中性気体の流れ特性に調節を加えることができ、それによって、プロセスの均一性を制御することができるのである。更に、プラズマを点火するために必要とされるRF電力の投入期間の長さは、通常10〜20μ秒であるため、このデューティサイクルは、数十kHzまたは数百kHzもの高い周波数で制御することが可能である。
本発明の以上の特徴並びにその他の特徴について、以下に添付図面を参照しつつ説明して行く。
添付図面中、図1に示したのは、2組のアンテナセットを備えたプラズマ源容器である。アンテナ構造体の全体は、互いに直交させて配設した2組のアンテナセットで構成されている。各アンテナセットは、同一軸心上に配設された2個のアンテナエレメントから成り、個々のアンテナエレメント105、110、115、及び120は、単巻または複巻のループエレメントとして形成されている。それら4個のアンテナエレメント105、110、115、及び120は、2つのRF電源により駆動されるようにしてあり、それらRF電源を、図中に、A電源125及びB電源130として示した。位相分離器を使用することによって、全てのアンテナエレメントを1つのRF電源に接続することも可能であり、また、各々のアンテナエレメントを個別のRF電源に接続することも可能である。また、それらアンテナエレメントを直角位相で駆動するようにしている。アンテナエレメントのループを製作する材料としては、テフロン(登録商標)で被覆した8番線ワイヤを使用することが好ましいが、ただし、裸銅線などのその他の導体材料を使用することも可能である。
図1に示した互いに直交した2組のアンテナセットは、その各々が、ヘルムホルツコイルのようにループアンテナとして形成された2個のアンテナエレメントから成り、即ち、一方のセットは、ループエレメント105及び115から成り、他方のセットは、ループエレメント110及び120から成る。それらループエレメントは、断熱円筒容器135の周面に沿った形状に形成されており、それらループエレメントに電流を流すことによって発生する磁界の方向は、この円筒容器135の軸心に対して略々直交する方向となる。各アンテナセットの互いに対向する2個のループエレメントは、互いに直列に接続されてヘルムホルツコイルを構成している。また、互いに対向する2個のループエレメントを接続している配線どうしは、それら配線の互いに並行に延在している部分を流れる電流の向きが逆になるようにすることが好ましい。これは、それら配線部分に付随する漂遊磁界ができるだけ相殺されるようにするためであるが、ただしこれは、この装置の動作にとって必須のものではない。このアンテナの駆動の仕方は、互いに直交する2組のアンテナセットが、互いに略々同一の振幅で90度の位相差を有する夫々の電流によって駆動されるようにするというものであり、これによって、略々横方向の回転磁界を発生させるようにしている。
具体的な一例として、ヘリコンモードでプラズマを発生させる場合には、単なる電磁石などを用いて軸に沿った静磁場B0 140を発生させる。また、その静磁場の磁力線の方向を、円筒容器の軸心方向にする。静磁場の方向をこの方向とすることによって、横方向の回転磁場が、m=+1のヘリコン波を模したものとなる。また、実際にこれを実行するときには、静磁場を外部磁場として発生させるための電流の大きさ及び向きを調節することによって、プラズマ生成システムの出力を制御するようにする。プラズマを発生させるために必要な静磁場の強度は、様々なパラメータの値を以下に例示するように設定する場合であれば、通常、10〜100ガウス程度になる。ただし、プラズマ源容器の寸法によっても、必要とされる静磁場の強度は異なる。この静磁場の最適な強度及び方向が一旦決定されたならば、通常、その強度及び方向に対して再度の調節を加える必要はない。
このように、静磁場と、複数のアンテナエレメントによるRF磁場との組み合わせによって、断熱円筒容器内にm=+1のヘリコンモードでプラズマを発生させ、且つ、そのプラズマのディスチャージを持続させることができる。尚、静磁場を変化させることも、即ち、静磁場の再調整を行うことも可能である。また更に、静磁場をゼロにして、ヘリコンモードを直接的に励起しないようにすることも可能である。そのような動作モードでも、プラズマを発生させることができるが、ただしその場合には、通常は、ヘリコンモードほどの高効率は得られない。また、当然のことながら、その場合にも、後から静磁場を作用させるようにすれば、それによってプラズマ源(プラズマ生成システム)の動作効率を高めることができる。
更に、例えばアンテナエレメントとして単巻ループエレメントの替わりに複巻ループエレメントを使用して、及び/または、寸胴形のベルジャーを使用して、全体として図1に示した条件と同一の条件を達成することも可能である。また、これは必須の要件ではないが、そのベルジャーをアンテナ構造体のフレームに装着する際には、アンテナエレメントとの間の隙間が2分の1インチ(約13 mm)以下になるようにすることが好ましい。
プラズマ装置の具体的な1つの構成例を示すと、以下の通りである。その構成例においては、ベルジャーとして、内径が約12インチ(約300 mm)の石英ベルジャー(例えば、K.J. Lesker製の標準型12×12ベルジャー)を使用しており、この石英ベルジャーは、高さが約15 cmの直円筒状部分の上端に、半径が6インチ(約150 mm)の半円形の上端閉塞部を設けたものである。このベルジャーを、内径が約12インチ(約300 mm)で高さが約8インチ(約200 mm)の真空チャンバ(プラズマ装置の一部ではない)の頂部に載置する。2組のアンテナセットは、その各々が、互いに対向する2個のループ状のアンテナエレメントから成り、個々のアンテナエレメントは、封入型の略々矩形のアンテナエレメントであって、二巻の連続ループとして形成されている。合計4個のアンテナエレメントを、ベルジャーを囲繞するようにして配置し、アンテナエレメントとベルジャーとの間隔は、どの位置においても約8分の1インチ〜約2分の1インチ(約3 mm〜約13 mm)の範囲内にあるようにしている。個々のアンテナエレメントの内部では二巻のループが直列に接続されており、更に、各アンテナセットにおける2個のアンテナエレメントは、それらアンテナエレメントが発生する磁場が互いに同一の向きとなるようにして、直列に接続されている。この構成例では、各アンテナセットの自己インダクタンスは約10μHであり、2組のアンテナセットの間の相互インダクタンスは1μH以下である。個々のアンテナエレメントは、テフロン(登録商標)で被覆した8番線のワイヤにより形成されており、そのループの垂直方向に延在する部分の長さは約25 cm、水平方向に延在する部分の長さは20 cmである。また、別構成例として、テフロン(登録商標)で被覆したワイヤの一巻または二巻によってアンテナエレメントを形成するのではなく、剛性を有する銅製の単巻の導体を使用するようにしてもよい。尚、以上に例示した、横方向の回転磁界を発生させるための具体的な構成例の特徴は、特許請求の範囲に明記されない限り、本発明の範囲を限定するものではない。
以上に説明したアンテナには、図2〜図4に示したように従来のRF電源及び、動的整合方式によってアンテナ電流を流すことができる。また、図2〜図4に示した回路は、ここに開示する様々な方法と互換可能な回路である。それら方法のうちには、RF電源を低出力インピーダンスの電源として構成するステップと、RF電源をアンテナに結合しているリアクタンスに調節を加えて、プラズマが存在していないときの共振周波数をRF電源の目標動作周波数に合わせるステップとを含む方法がある。ここで、低出力インピーダンスというのは、プラズマが存在するときと存在しないときとの、回路の品質係数(Q)に関係したものである。プラズマが存在しないときの「Q」は、プラズマが存在するときの「Q」と比べて、5倍から10倍、或いはそれより更に大きなものとなっている。また特に、公知の回路とは異なり、このようなRF電源とアンテナとの組合せは、プラズマが発生したときに、プラズマインピーダンスの変化に応じてリアクタンスを変更するなどの再調整を行う必要がない。
図2において、RF電源200としては、例えば、動作周波数が2 MHzで出力範囲が0〜1 kWの市販の電源装置を使用することができる。このRF電源は、50 Ωの同軸ケーブルを介して、図1に示したAポート125において、直角位相/ハイブリッド回路に接続されている。この直角位相/ハイブリッド回路の +45度の部分と -45度の部分とは、夫々が個別のL形の容量型整合用回路に接続されており、それら容量性整合用回路は図示のごとく可変キャパシタ205、210、215、及び220で構成されている。いずれも参照番号225で示した2個のキャパシタは、いずれも、RF電源の動作周波数におけるリアクタンスが約100 Ωのものであり、また、トランス230は、その二次側を開回路としたときの一次側のリアクタンスと、一次側を開回路としたときの二次側のリアクタンスとが、いずれも約100 Ωのものである。図2に示したように、使用しているRF電源200は1つだけであり、このRF電源に、受動型電力分配回路(直角位相/ハイブリッド回路)と、4個の可変素子205、210、215、及び220とを組合せて使用することで、互いに独立した2組のアンテナセットのインダクタンス235及び240に対する整合を取るようにしている。
図3に示した別の実施の形態では、互いに独立した2つのRF電源305及び310を使用しており、従って、完全に独立した2組のアンテナ駆動電力回路が、可変キャパシタ315、320、325、及び330を介して、2つのインダクタンス335及び340に接続されている。RF電源を1つしか使用しない場合と比べて、この構成とすることにより得られる利点は、2つのRF電源の各々を最大出力で動作させることによって入力電力を2倍にできること、それに、2組のアンテナセットの間で、位相差及び振幅比を調節できることがある。通常は、電源305と310とは、互いに略々同じ振幅で、90度の位相差をもって動作させるが、ただし、励起するモードの性質を変化させるために、振幅及び/または位相差を変化させることがある。例えば、2つのRF電源を互いに異なった振幅で動作させるようにすれば、完全な円を成す円偏波ヘリコン波によるヘリコンモードではなく、楕円偏波のヘリコン波によるヘリコンモードのプラズマを維持することが可能となる。
図4に示した第3の実施の形態では、回路が2つの部分に分かれている。一方の回路部分は、インダクタ/アンテナのインダクタンス405と可変キャパシタ410とから成る受動共振回路として構成されている。他方の回路部分は、可変キャパシタ415及び420から成る動的整合用回路として構成されており、アンテナのインダクタンス425に接続されていて、RF電源400により駆動される被駆動回路となっている。この回路構成によれば、受動側の回路部分が、被駆動側の回路部分に対して90度の位相差をもって動作するため、先の実施の形態と同様にして楕円偏波ヘリコンモードが励起され、それによって多くの利点が得られるものであるが、ただし、動的整合用回路を備えたRF電源をただ1つ使用するだけで、それら利点が得られるようになっている。
この具体的な構成例では、作動気体としてアルゴンを使用しており、その圧力範囲は10 mTorr〜100 mTorrを超える値である。軸心方向に作用させる静磁場は、手作業で設定することにより、0〜150 Gに設定できるようにしてある。また、この静磁場は、ベルジャーとアンテナとで構成されるアセンブリの外部に配置したコイルによって発生させるようにしており、そのコイルの半径は約9インチ(約230 mm)である。
圧力を約75 mTorrに設定してプラズマを生成させたところ、少なくとも3通りの異なったモードでプラズマを発生させ得ることが判明した。第1のモードとして、高輝度モードが観察された。このモードは、静磁場をB0 <Bcriticalとし、高周波電力PRFを約200 Wまたはそれ以下とする条件下で発生し、プラズマがベルジャーの縁部近傍に集中するものであった。ここで、B0 は軸心方向の静磁場であり、また、Bcriticalはヘリコンモードでプラズマを励起するために最低限必要とされる軸心方向の静磁場B0 の限界値である。また、電力レベルPRFは、アンテナに供給される高周波電力のレベルであり、Pthresholdは以下に説明するそのスレショルド電力値である。このモードにおいては、アンテナに流れる高周波電流は、直角位相になろうとはせず、できる限り180度の位相差を維持しようとする傾向が認められた。第2のモードとして、ダル・グロー・ディスチャージ・モードに類似したモードが観察された。このモードは、静磁場をB0>Bcriticalとし、高周波電力をPRF <Pthreshold とする条件下で発生し、高周波電力が比較的大きいときには一様な密度/グローが発生するが、高周波電力が比較的小さいときにはベルジャーの壁面に沿った厚さが約1〜2 cmのダーク領域が発生した。このモードにおいては、高周波電流は安定した直角位相を維持しようとし、また、プラズマが形成された直後に急速に約90度の位相差にロックすることが観察された。第3のモードとして、高周波電力を更に増大させてPRF >Pthresholdとし、また静磁場をB0 >Bcritical とした条件下において、高輝度プラズマが形成されるモードが観察された。このときのプラズマは、第1のモードにおいて発生したプラズマと比べて、径方向により均一に分布していることが観察された。また、この第3のモードでも、第2のモードと同様に、アンテナに流れる高周波電流は直角位相にロックしようとする傾向を有することが観察された。この第3の形態は、高効率で動作することのできるモードであり、また、公知のプラズマ装置では対応が困難であることが判明している中性粒子圧力において達成されたモードである。ただし、この第3のモードだけでなく、以上の3つのモードはいずれも、プラズマ処理の用途に好適に用い得るものである。
本発明の1つの特徴として、新規な電源回路を使用することにより、調節可能な整合用回路を備えた図2〜図4に示した従来のRF電源を不要化することも可能であるということがある。
好適な1つの実施の形態においては、図5に示したような回路構成を使用して、RF電源回路によってアンテナの電流ストラップを直接的に駆動するようにしている。低出力インピーダンスの(即ち、プッシュプル出力段を備えた)様々なRF増幅器が公知となっているが、図5に示したRF増幅器としては、そのようなRF増幅器を使用することが好ましい。一対のトランジスタ505及び510は、適当な駆動回路500によって、プッシュプル方式で駆動されており、このプッシュプル方式の回路構成は、当業者には周知のものである。この構成においては、いかなるときにも、いずれか一方のトランジスタしか導通状態になっておらず、また、通常はデューティサイクルが50%またはそれ以下になっている。一対のトランジスタの出力が組み合わされることで完全な信号になる。
出力段を構成している電力制御用の半導体素子であるトランジスタ505及び510はスイッチング方式で動作させるように構成することが好ましい。また、図5〜図7に示したトランジスタはFETであるが、FETに替えて任意の適当な増幅素子を使用することができ、例えばバイポーラトランジスタ、IGBT、真空管なども使用可能である。スイッチング方式の動作の一例は、D級増幅動作方式である。この動作方式では、RF波形の互いに逆極性の半サイクルに対応して、一対の出力素子を交互に高速でオンオフさせるスイッチングが行われる。理論上では、出力素子が、完全にオン状態となって電圧降下がゼロになる状態と、完全にオフ状態となって電流がゼロになる状態との間で遷移するため、出力素子において消費される電力はゼロになる。従って、D級動作においては、理論上は効率が100%の能力がある。しかしながら、そのようになるのは、スイッチング素子のオン状態におけるインピーダンスがゼロであって、しかも、そのスイッチングが無限大の速度で行われる場合である。実際には通常、90%近くの効率を示す。
RF電源から成る駆動回路は、固定または可変のリアクタンス515、好ましくはキャパシタを介してアンテナの電流ストラップ520に直接的に結合することが好ましい。この結合リアクタンスの値は、プラズマが存在していない状態での、この結合リアクタンスとアンテナとから成る回路の共振周波数が、RF電源の動作周波数と略々等しくなるような値とすることが好ましい。
図6(A)に示したのは、以上に説明した回路の出力段の別構成例であり、この別構成例はトランス620を含んでいる。このトランス620は、駆動回路600とトランジスタ605及び610とで構成されたプッシュプル段の後段に接続される形で、またはこのプッシュプル段に組み込まれる形で装備されており、絶縁機能を提供している。プッシュプル段の出力インピーダンスが高すぎる場合には、このトランス620によって、その高い出力インピーダンスを低い出力インピーダンスに変換することもできる。キャパシタ615は、トランス620とアンテナの電流ストラップ625とから成るインダクタンス回路と組合わさることで、目標駆動周波数で共振する共振回路を構成するものである。図6(B)に示した同様の更に別の構成例では、キャパシタ615がDC成分の除去のために用いられており、また、キャパシタ630が、トランス620の漏れインダクタンスと、アンテナの電流ストラップ625のインダクタンスとに直列に接続されて、共振回路を構成している。
図7に示したのは、RF電源とアンテナの電流ストラップとを接続するための更に別の回路構成である。DC給電線にセンタタップ型インダクタ725が接続されており、このセンタタップ型インダクタ725は、プッシュプル駆動回路700に接続され、また、トランジスタ705及び710で構成された出力段に接続されている。トランス720は絶縁機能を提供している。この構成例でも、いかなるときにも、いずれか一方のトランジスタしか導通状態になっておらず、また、通常はデューティサイクルが50%以下になっている。図5〜図7の回路は、あくまでも具体例を提示したに過ぎない。それら回路の替わりに、低出力インピーダンスの、プッシュプル段をはじめとする様々な公知の回路構成のうちの任意のものを使用することができる。
また、RF電源を接続するアンテナは、対称形ヘリコンアンテナ(ナゴヤ3型アンテナや、その変形構成であるボスウェル型のパドル形アンテナなど)や、非対称形ヘリコンアンテナ(例えば、右旋ヘリカル形のツイスト・ナゴヤ3型アンテナなど)などの、任意の形態のヘリコンアンテナとすることができ、更には、非ヘリコン型の、誘導結合型アンテナの形態のアンテナとすることもできる。
RF電源は、可変デューティサイクルとすることによって振幅変調を行えるようなものとするのもよく、そうすれば、例えば、低プラズマ密度またはゼロプラズマ密度の期間の間に、高プラズマ密度の期間を挿入することが可能となる。このようなプラズマ密度の変調を利用して、作動気体の流れ特性並びに均一性に影響を及ぼすことができ、ひいては、プロセスの均一性に影響を及ぼすことができる。そのため、変調方式を適切に選択することによって、プラズマ生成装置によって発生させるプラズマの空間分布をより均一なものとすることができる。
一般的に、プラズマ生成システムに用いる高周波電源は、実質的にA級の増幅器、実質的にAB級の増幅器、実質的にB級の増幅器、実質的にC級の増幅器、実質的にD級の増幅器、実質的にE級の増幅器、実質的にF級の増幅器、或いは、それら増幅器を組合せたものとすることができる。それら高周波電源に、ヘリコンモードを励起するためのアンテナを組合せることによって、高密度のプラズマを好適に発生させることができる。更に、図2〜図4に示したような、非スイッチング方式の増幅器を用いたRF電源でも、そのRF電源のインピーダンスを低出力インピーダンスに変換するための中間段を組込むことによって、ここに説明するスイッチング方式の増幅器を使用した実施の形態における高効率の動作と同様の動作を行わせることができる。
誘導結合方式のプラズマ源では、アンテナの電流ストラップを、プラズマ形成領域に近接させて、通常は断熱容器の外側に配設する。アンテナエレメント及びプラズマは、それらを回路の構成要素として見るならば、1つの非理想的なトランスの一次側及び二次側を構成する要素であると見なすことができる。図8に示した等価回路において、インダクタ810は、系に含まれる様々なインダクタンスをまとめて1個の回路素子の形で表したものであり、それら様々なインダクタンスには、アンテナの電流ストラップのインダクタンスと、配線に付随する全てのインダクタンスとが含まれ、更に、例えば駆動回路が出力トランスを含んでいる場合であれば、その出力トランスによるインダクタンスも含まれる。また、Pという文字を付した長方形の中の回路要素は、プラズマを表すものである。即ち、インダクタ820はプラズマの自己インダクタンスを表しており、インピーダンス815はプラズマ内の電力消費量を実効抵抗の形でモデル化して表したものである。Mはアンテナとプラズマとの間の相互インダクタンスを表している。トランジスタ駆動回路800は、矩形波電圧源として表されている。キャパシタンス805は、プラズマ生成システムを設置する際に、回路の共振周波数を目標動作周波数に略々整合させるために調節するためのものである。この可変キャパシタを固定キャパシタに替えた実施の形態とした場合には、RF電源の動作周波数を調節することによって同じ目的を達成することができる。
以上のシステムの全体としての動作を説明するために、このシステムの全体をモデル化すると、図9に示したようになる。図9において、全てのインダクタのインダクタンスを1つにまとめたものをインダクタンス905で表し、全てのキャパシタのキャパシタンスを1つにまとめたものをキャパシタンス910で表し、更に、全ての電力消費要素を1つにまとめたものを抵抗915で表している。また、増幅器は、理想的なRF電圧源として動作する(即ち、ゼロ出力インピーダンスで動作する)ものとしている。
プラズマが存在していないときには、電力消費量は少ししかないため、Rの値は小さく、そのため、図9の回路は、図10に示したように、周波数の変化に対して狭い周波数領域の共振応答を示すものとなっている。これによって、回路の動作に関する利点のうちの1つが得られる。即ち、比較的少ない入力電力で、アンテナを駆動するための電圧として高電圧を印加することができ、それによって、反応容器内の気体の内部ブレークダウンを容易に発生させることができる。プラズマが形成されたならば、システムの内部減衰によって、図11に示したように、共振ピーク幅が著しく拡大し、それによって回路の全体としてのQが低下する。共振中心周波数はプラズマの状態に応じてシフトするが、そのシフト量は、プラズマ負荷が存在しているときの共振応答の広い共振ピーク幅と比べれば、無視し得る程度のものである。従って、プラズマ負荷が存在している状態で動作しているときの回路は、動作条件の変動に対する感受性が低く、帰還をかける必要がない。これを示したのが図11であり、同図において、システムの全体としての共振周波数は僅かにシフトしているが、Qが十分に低下しているため、システムの動作は高効率のままである。回路のQが低下しているため、プラズマに印加されている電圧は自動的に調節されて、プラズマが存在していないときと比べて非常に低下している。実施の形態によっては、ここで、RF駆動回路の動作周波数の再調節を実行して、プラズマが存在していない状態における正確な共振周波数から、プラズマが形成されることによって共振周波数がシフトする方向へ、RF駆動回路の動作周波数を僅かに移動させるようにするのもよい。
プラズマへ投入する入力電力のレベルを制御する方法には様々な方法があり、例えば、RF出力段にDC電圧を供給しているDC電源回路の供給電圧レベルを調節するという方法を用いることもできる。1つの実施の形態においては、プラズマ負荷の変動を検出し、その検出した変動に応じて供給電圧レベルを変化させることによって、プラズマ装置へ投入する電力を比較的一定に維持するようにしている。図12に示したように、DC電源レギュレータ1230によって調節を行うようにしており、その調節のためのプラズマ負荷の検出を行う方法として、電圧センサ1200によってDC電源回路1215の出力電圧をモニタして電圧検出値を得ると共に、電流センサ1205によってRF/プラズマシステムに注入されているDC電流をモニタして電流検出値を得るようにし、そして、モジュール1210において、それらの積と、予め測定して求めておいたRF増幅器1220の効率の概算値とに基づいて、RF増幅器1220からプラズマ1225へ注入される正味電力の推定値を算出するようにしている。ゲイン設定モジュール1235で使用する効率乗数の値は、様々な出力レベルに対応した値を予め測定して、デジタル値として格納しておけばよく、そうすれば、様々な出力レベルに応じた効率の変動に対処することができる。また、そのための測定は、例えば、システムの各所の熱負荷をモニタすることなどによって行えばよい。また、別法として、RF電圧及びRF電流を測定し、それらの同相分の積を算出することによって、プラズマ中で実際に消費される電力を推定するようにしてもよい。
プラズマに対する検出を更に拡張して、空間均一性の検出まで行うようにしてもよく、その検出は直接的に行うこともでき、また、電圧または電流の変動を検出することによって間接的に行うこともできる。電圧または電流の変動に応じてデューティサイクルを変化させることで、プラズマの空間均一性を制御することができる。更に、デューティサイクルを変化させることによって、平均入力電力を制御するようにしてもよく、それによって、プラズマ生成効率を向上させることができる。更に、図12のフィードバック構成は、先に説明した2つまたはそれ以上の電力レベルの間でのスイッチングを行うためにも利用可能なものである。
本明細書において、「低出力インピーダンス」であるというとき、それは、プラズマが存在するときと比べてプラズマが存在しないときの方が、図9に示した直列共振回路の「Q」が5倍〜10倍、或いはそれより更に大きくなるような出力インピーダンスであることを意味している。この場合、増幅器の出力インピーダンスが十分に小さいことによって、出力の半サイクルにおいて無駄に消費される電力が、リアクタンス素子に蓄積されるエネルギより格段に小さくなる。この条件を数学的に示すならば、Zout << (L/C)1/2 となり、ここでL及びCは、図9にまとめて表された単一の要素である。RF増幅器の動作は、この条件が満たされるときに、電圧源としての動作に近いものとなる。
例えば、RF電源の出力インピーダンスの純抵抗成分などに関して「低抵抗」であるというとき、それは、一般に約10 Ω以下であり、好ましくは約6 Ω以下であり、より好ましくは約4 Ω以下であり、最も好ましくは約1 Ω以下であることを意味している。
ただし、本発明の実施の形態の全てにおいて、RF電源をアンテナ/プラズマに結合するためのリアクティブ回路を構成している素子の素子定数を、プラズマが存在していないときの回路の共振周波数に基づいて決定するようにしているわけではない。実際に、動的整合用回路を不要とし、しかも、動的に変化するプラズマインピーダンスとの高効率の結合を可能とすることができるように、リアクティブ回路の仕様値を適切に決定するための条件として、回路の共振周波数に基づくのではない、別の条件を採用することも可能である。
プラズマインピーダンスが変化しても、プラズマリアクタンスの値が、ある上限値と、ある下限値との間に存在していると予測することができる。従って、プラズマリアクタンスの値の予期される上限値及び予期される下限値を、仕様値として定めることができる。例えば、かかる仕様値を、予期される平均値からσ距離1つ分離れた値に定めてもよい。また、実際のプラズマインピーダンスが、そのようにして定めた所定の上限値及び下限値で規定される範囲から外れる確率の値をもって、更なる仕様値とするようにしてもよい。実際に、プラズマリアクタンスの値の予期される高値に替えて、プラズマのリアクタンスの予期される低値に対して対称的な位置ではないところに、特定の限界値を定めて仕様値とすることも可能である。更に、ある特定のプラズマについてのプラズマインピーダンスの値は、正規分布に従わないことがあっても、幾つものプラズマの夫々のプラズマインピーダンスの値を総合したものは、全体として正規分布に従うものとなる確率が高い。
また、同様に、RF電源の動作周波数及び動作時間に関する特性に関しても、幾つものRF電源のそれら特性を総合したものは、全体として正規分布に従うものとなる確率が高い。そのため、予期されるプラズマリアクタンスの2つの値において、プラズマリアクタンスとRF電源とが整合するように、リアクタンス回路網を適切に選ぶことによって、プラズマリアクタンスの変動とRF電源の変動とを好適に整合させることが可能である。
プラズマリアクタンスの仕様値を以上のように定めるならば、そして更に、プラズマインピーダンスの純抵抗成分であるプラズマ抵抗の下限値ないしプラズマ抵抗の低値(これは、プラズマインピーダンスの変動が最大になるプラズマ抵抗の値である)が既知であるならば、それらに基づいて、リアクティブ回路を構成している素子の素子定数を定める方法が得られる。
例えば、図13に示した回路は、ウェブアドレスがhttp://www.ixysrf.com/pdf/switch_mode/appnotes/3ap_3_5kw13_56mhz_gen.pdfであるウエブサイトから2004年6月10日にダウンロードした "3 kW and 5 kW Half-bridge Class-D RF Generators at 13.56MHz with 89% Efficiency and and Limited Frequency Agility", Directed Energy Inc. copy-right 2002, document number 9300-0008 Rev. 1," なる刊行物に記載されている回路であり、この回路のRF出力ジャックにおけるインピーダンスは50 Ωである。尚、同刊行物の開示内容はこの言及をもって本願開示に組込まれたものとする。この図13の回路において、Ca=C1+C2とおき、またCb=C3+C4とおくならば、直列インピーダンスの値Z1 は下記の式(1)で表され、シャントインピーダンスの値Z2 は下記の式(2)で表される。
そして、この回路の入力端子間の複素インピーダンスはZ1+Z2になる。ここで、この回路中のインダクタンスがL1 =2.1μHであるものとすれば、この入力端子間の複素インピーダンスの値が14 + i12.6 Ωになるように素子定数を定めればよく、そうした場合に、Caは約81.6 pFとなり、Cbは約376 pFとなる。
例えば、半導体処理装置のチャンバ内でプラズマを使用するときには、その動作周波数を13.56 MHzとして、基板にRFバイアス電圧を印加するようにしており、そこでは、プラズマに対する結合が、容量性結合となっている。このように、結合が容量性結合となっているプラズマ生成システムにおいては、そのプラズマとアンテナとから成る系の複素インピーダンスが、例えば、その抵抗成分Rpが約1〜4 Ωの範囲内の値を取り、そのリアクタンス成分Xpが約-8〜-25 Ωの値を取るものとなっている。複素インピーダンスの値がこのようなものであるならば、図13の回路を、そのプラズマとアンテナとから成る系を備えたシステムに適用することは、一般的には困難であるといえる。即ち、この回路にとっての負荷である複素インピーダンスの虚数成分が大きいため、トランジスタで構成されているスイッチング回路を安全確実に動作させるには、供給電圧を、ピーク供給電圧の目標値である約700〜800Vの数分の1の、例えば約250V(おそらく200V以上)に抑えなければならない。一方、ピーク出力電圧は、(Vsupply / 2) × |H| で与えられ、ここで|H|は、システムの伝達関数の絶対値である。供給電圧を250Vに抑えるのであれば、このピーク出力電圧は、プラズマ状態に応じて変化するものの、約28〜83 Vになる。
動作周波数が与えられているときに、合計インピーダンスを調節する方法としては、既に存在するインピーダンスに、直列にインダクタ(正のリアクタンスを有する)を付加する方法と、同じく直列にキャパシタ(負のリアクタンスを有する)を付加する方法とがある。1つの具体例として、例えばリード線などに起因する漂遊インダクタンスLが存在する場合には、キャパシタを直列に付加することによって、与えられた動作周波数における合計インピーダンスZtotをゼロまたは略々ゼロにすることができ、そのためのキャパシタのキャパシタンスCは、Ztot = ZL+ZC = iωL-(1/iωC)≒0となるような値に定めればよい。同様に、駆動回路の出力段に使用している素子が、例えばMOSFETトランジスタなどのように、かなりの大きさの出力キャパシタンスを有するものである場合には、その負荷を僅かに誘導性のものとすることによって、その出力キャパシタンス(仕様書によってはCOSSで表されていることがある)に起因する電力消費を低減することができる。この電力消費は、そのキャパシタンスに蓄積される電荷によるものである。負荷を適切に調節して誘導性負荷とすることにより、その電荷を消費させることなく、キャパシタンスから放出させることができる。
図14は、プラズマの駆動ないしはアンテナとプラズマとから成る系の駆動が、容量性結合により行われるシステムにおいて、高周波電源1405をそのプラズマないしアンテナとプラズマとから成る系に結合するためのリアクティブ回路1400の一般化した構成を示した図である。この回路は、容量性結合により駆動するためのものであり、例えば、半導体処理にプラズマを使用する場合に、基板にRFバイアス電圧を印加するためのものであるが、ただし、以下に説明するこの回路の素子定数を定める方法の基礎原理は、誘導性結合により駆動するシステムにも等しく適用可能なものである。図示した一般化した構成のリアクティブ回路1400は、キャパシタの素子定数を適宜定めることによる調節、インダクタの素子定数を適宜定めることによる調節、それに、両方の素子定数を適宜定めることによる調節のいずれもが可能である。例えば、キャパシタンス1415及び1425のリアクタンスは、最小のリアクタンス成分に略々等しく、即ち各々約500 pFに設定するとよい。次に、インダクタ1410及び1420の素子定数を、次の2つの条件を満足するように定める。(a)プラズマリアクタンスの値が最大、即ちその予期される上限値であるときに、トランジスタ出力段にとっての全体負荷の虚数成分が小さくなっていること、(b)プラズマリアクタンスの値が最小、即ちその予期される下限値であるときに、トランジスタ出力段にとっての全体負荷の虚数成分が、高周波電源の動作を最適にする値になっていること、即ち、例えば上で言及したDirected Energyの参考文献に記載されている回路の場合であれば、その複素インピーダンスの虚数成分が+12 Ωになるようになっていること。
トランジスタ駆動段にとっての負荷のインピーダンスの値は、Zload = Z1410 + Z1415 + (Z1420+ Z1425)||Zpとなる。ここで、Z1410 は、図14においてインダクタ1410のインピーダンスなどを表しており、Zpは、プラズマリアクタンスの1つの予期値を表している。従って、図14の駆動回路にとっての負荷のインピーダンスの値は、キャパシタ1425とインダクタ1420とを直列に接続したものに更にプラズマのインピーダンス1440を並列に接続したもののインピーダンスに、キャパシタ1410のインピーダンスと、インダクタ1415のインピーダンスとを直列に接続した合計インピーダンスになる。
高周波電源が、+12 Ωの出力リアクタンスの負荷で駆動するときに最も良好に動作するものであるとすると、上記条件(a)では、プラズマリアクタンスXp の値約 -25 Ωに対応して、Im(Zload) が約0 Ωになっているようにする。また、上記条件(b)では、プラズマリアクタンスXp の値約 -8 Ωに対応して、Im(Zload) が約12 Ωになっているようにする。これら2つの条件を数式で表すことによって、一対の数式から成る連立方程式が得られる。そこで、プラズマ抵抗Rpの値を、例えば約1 Ωなどの小さな値に設定して、その連立方程式を解くようにする。プラズマ抵抗をこのようなレベルに設定することによって、RF電源にとっての負荷の大きな変動が見られるからである。そして、この一対の数式からなる連立方程式を解くことによって、未知数であったインダクタ1415及び1420のインダクタンスの値が得られる。この実施の形態において、上で示した数値条件を適用するならば、インダクタ1420のインダクタンスの値は約345 nHとして与えられ、またインダクタ1415のインダクタンスの値は約185 nHとして与えられる。インダクタ1420及び1415のインダクタンスの値をこれらの値に定めることによって、条件(a)に規定されているようにIm(Zload) が約0 Ωになり、また、条件(b)に規定されているようにIm(Zload) が約11.9 Ωになるようにすることができる。更に精緻な計算をするのであれば、漂遊インダクタンスや、コイルのインダクタンスなどを考慮に入れ、また更に、その他の、理想状態から逸脱させる様々な影響までも考慮に入れるようにすればよい。
計算によって解を求める際に、同程度の大きさの数の差分を取るために大きな誤差が生じそうな場合には、キャパシタ1410及び1425の素子定数を変更するとよく、例えば、それらの素子定数をより小さな値とすることによって、誤差に対する許容度が高まることがある。更には、キャパシタ1410及び1425の素子定数を固定してインダクタ1415及び1420の素子定数を調節する替わりに、インダクタ1415及び1420の素子定数を固定してキャパシタ1410及び1425の素子定数を調節するようにしてもよい。容易に理解されるように、複数のリアクタンス素子を接続する場合に、その接続が直列であるにせよ並列であるにせよ、重要な意味を持つ量は、その合計インピーダンスの値である。それゆえ、以上の回路において、L及びCの具体的な値や、また、素子どうしの具体的な接続形態は、様々なものとすることができる。その1つの具体例として、例えば、インダクタLとキャパシタCとを直列接続して、その全体としてのリアクタンスを約5.9 Ωにする場合に、L=345 nH且つC=500 pFとしてもよく、また、L=620.5 nH且つC=250 pFとしてもよい。従って、L及びCの値を定めるに際しては、そのシステムにおけるその他の制約条件を満足するように、それらの値を調節することができ、ここでいうその他の制約条件とは、例えば、2次高調波におけるインピーダンスを高く(或いは低く)するなどの条件である。
他のトランジスタ出力段では、僅かに容量性負荷を含む、リアクタンス負荷の異なったインピーダンスで作動させる場合もある。従って、Im(Zload) が約0 Ωになるようにするという条件が、プラズマリアクタンスの値が予期される上限値または下限値よりもむしろ中間点の値で指定されるようにするのもよい。そのようにした場合には、プラズマリアクタンスの値がその指定値に、即ち、指定リアクタンス限界値にあるときに、そのトランジスタで構成された出力段にとっての全体負荷である複素インピーダンスの虚数部分が小さくなることになる。更に、プラズマリアクタンスの値のこの指定リアクタンス限界値は、予期される動作領域の外部の値としてもよい。ただし、そうした場合には、トランジスタの出力電流がより大きなものとなることがある。更に、キャパシタ1425に並列に接続する抵抗経路を付加することによって、リアクティブ回路の性能を向上させることができる。従って、リアクティブ回路を、抵抗素子を含む回路構成としてもよい。
また、更なる特徴として、特性が非線形の抵抗素子またはリアクティブ素子を用いて、RF電源にとっての負荷インピーダンスの変動を低減するようにしてもよい。更に別の特徴として、インダクタ1415及び1420に手を加えて、それらの間の相互インダクタンスM1415,1420 の値を、それが正値であるにせよ負値であるにせよ、小さな値とするのもよい。例えば、この相互インダクタンスM1415,1420 の値が正値である場合には、その値をM1415,1420 / (L1415 L1420)1/2< 0.02となるように定めることによって、プラズマリアクタンスの変動が応答伝達関数Hに及ぼす影響を軽減することができ、ただし、この相互インダクタンスの値が負値である場合には、その影響が増大することがある。
リアクティブ回路網の素子定数を以上の方法に従って定めることにより、動的に調節を行う動的整合用回路の必要性を排除できる他に、更に幾つもの利点が得られる。例えば、プラズマリアクタンスの値が、その予期される値域に含まれる1つの所定値にあるときに、RF電源である増幅器の動作を整合させるように素子定数を定めるため、RF電源の出力段のトランジスタにとっての負荷インピーダンスを、高い動作電圧のときに高い動作効率が得られるようなリアクタンス成分を有するインピーダンスにすることができる。更に、プラズマリアクタンスの値がその値域の他方の限界値にあるときには、RF電源の出力段にとっての負荷インピーダンスが小さく、従って、合計負荷が小さいため、出力段を構成しているトランジスタは大電流を低電圧で供給するように動作しており、従って、このときには、トランジスタにとっての負荷のリアクタンスはそれほど重要ではない。更に、以上のようにして定めてあれば、プラズマリアクタンスの値が広い範囲に亘って変動する場合でもあっても、RF電源からプラズマへ投入する電力を好適な電力レベルに維持することができる。更に別の特徴として、この回路構成を使用することによって、多数の出力段を、例えば互いに並列に接続して、使用できるということがある。
RF電源に関する仕様値として、アンテナ端子へ印加する出力電圧の目標値が指定されることがしばしばあり、その場合には、プラズマ動作条件を変化させるための必要に応じて指定されるこの出力電圧の目標値を達成するために、RF入力電圧レベルに調節を加えることになる。そこで、系の「電圧伝達関数」、即ち、入力電圧に対する出力電圧の比H = Vplasma / Vinを解析すると、H = Vplasma / Vin = [(Z1410 + Z1415)||Zp] / Zloadとなる。
上述のように調整しているため、この伝達関数は、共振特性を有するものとなっており、この伝達関数Hの大きさは、動作領域のたとえ全域でないにしても実質的に1より大きくなっている。この絶対値|H|は、Xp の値が約 -25 Ωであるときに、ほぼ75になり(これは、条件(a)によるものであり、このときのRpの値は約1 Ωである)、Xpの値の変化とともに変化して、Xp の値が−8 Ωであるときに、ほぼ1.5になる(これは条件(b)によるものであり、このときもRp の値は約1 Ωのままである)。プラズマ抵抗Rpの値がこれより大きく、例えば約4 Ωである場合には、絶対値|H|は、約21から約1.6へ変化する。従って、リアクタンス回路網の素子定数を、プラズマ抵抗の値がその予期される下限値にあるときの動作に適合するように設定しておけば、プラズマ抵抗の値がそれより大きな値のときには、プラズマインピーダンスの変動がより小さなものとなる確度が高いといえる。
尚、以上の説明では、リアクティブ回路網の共振周波数についても説明したが、高周波電源の動作周波数を、プラズマが存在していないときのリアクティブ回路網の共振周波数から、プラズマが形成されることによって共振ピークが広がるときのその共振周波数の移動方向へ幾分変位させておくことが望ましい。これは、関連する周波数領域の全域に亘って、安定した、効率の良い動作を確実にする。
ここに開示しているシステム及び方法は、作動気体のブレークダウンを発生させてプラズマを点火する能力において優れたものであり、そのわけは、プラズマが存在していないときの回路のQが高いため、比較的小さな必要電力で、アンテナエレメントに高い電圧を印加することができるからである。そして、プラズマが存在していないときの印加電圧を制御することによって、作動気体のブレークダウンを意図したタイミングで発生させることができ、しかも、一旦プラズマが形成されたならば、そのプラズマ内の誘導電流がシステムにとっての負荷となるため、ブレークダウンを発生させるために印加していた高い電圧が低下し、それによって、プラズマが形成される際にシステムに大きな負担がかかるという事態が回避される。
以上に説明した回路構成は、例えば機械的な調節機構を備えたキャパシタのような、調節可能とした可変素子を必要とせず、それは、キャパシタンスCを固定しておいて構わないからである。しかしながら、プラズマの動作点に対してリアルタイムで回路のインピーダンスを整合させる調節のために使用するのではなく、例えばシステムの共振点を所望の動作周波数に整合させる調節を行うためなどに使用するという目的で、可変キャパシタを使用した回路構成とすることもあり、そのようなものも、好適な実施の形態のうちに含まれる。システムの共振点を所望の動作周波数に整合させることが有用であるのは、例えば、L-C共振周波数をドリフトさせる物理的変化即ち経時変化の影響を打ち消す場合などである。
1つの実施の形態として、動作周波数が共振周波数からの小さなずれを補償するために調節され、一方、キャパシタの機械的な調節で大きなずれを補償することができる。また別の実施の形態として、調節が、キャパシタの調節操作によって行われるようにしてもよい。好適な(調節操作が行われるようにした)実施の形態は、その調節が、電源が動作していないときに自動的に行われるものである。更に別の方式として、その調節が、プロセス制御の一環として、例えば、プロセス条件に対する微調整が行われるようにすることで、可変素子としなければならない構成部品の個数を低減することができ、可変素子を1個だけしか備えない実施の形態とすることも可能である。
当業者には容易に理解されるように、以上に開示した本発明の実施の形態に対しては、本発明の教示及び概念から逸脱することなく様々な変更を加えることができ、代替の実施形態とすることができる。そして、そのような変更形態も、特許請求の範囲に記載した範囲に含まれるものである。例えば、低インピーダンスに対して、通常の増幅器と共同するトランスによって、その低インピーダンスに対する整合を取るようにしてもよい。更に、本発明は動的整合用回路を不要化するものではあるが、動的整合用回路とここに開示したリアクティブ回路とを併用し、それによって、動的整合用回路に課される厳しい要求条件を緩和するようにすることも考えられ、そのようなのも、特許請求の範囲の記載に明示する本発明の範囲に包含されるものである。従って、特許請求の範囲の記載は、以上のような変更構成、別構成、及びそれらの均等構成をも包含するものとして理解されるべきものである。尚、本明細書において参考文献として挙げた様々な文献は、それら文献に言及したことをもって、それらの開示内容及び教示内容の全体が本願開示に組込まれたものとする。
Claims (40)
- 動的に変化するプラズマのインピーダンスを直接的に駆動するための動的整合用回路の必要性を低減する方法において、
低出力インピーダンスの高周波電源を用意するステップと、
前記高周波電源と前記プラズマとの間に第1リアクタンスと第2リアクタンスとを有するリアクティブ回路網を介装するステップであって、前記第1リアクタンス及び前記第2リアクタンスは、前記プラズマインピーダンスのリアクタンス成分であるプラズマリアクタンスの値が第1の値であるときに、前記高周波電源にとっての負荷が略々純抵抗の負荷となり、且つ、プラズマリアクタンスの値が第2の値であるときに、前記高周波電源にとっての負荷が所定リアクタンス値の負荷となるように選定されている、ステップと、
平均入力電力を制御するステップと、
を含むことを特徴とする方法。 - プラズマリアクタンスの前記第1の値及び前記第2の値が、動的に変化するプラズマリアクタンスの値の予期される値域の大部分に及ぶことを特徴とする請求項1記載の方法。
- プラズマリアクタンスの前記第1の値及び前記第2の値が、このプラズマリアクタンスの予期される上限値及び予期される下限値に夫々対応することを特徴とする請求項1記載の方法。
- プラズマインピーダンスの純抵抗成分であるプラズマ抵抗の値が低値であるときに、前記リアクティブ回路網が有効となるようにすることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記プラズマ抵抗の値が、約1〜5 Ω、1 Ω以下、及び10 Ω以下から成る組の1つであることを特徴とする請求項1記載の方法。
- プラズマリアクタンスの予期される下限値及び予期される上限値を推定するステップと、
前記リアクタンス回路網が有効となることを必要とするプラズマ抵抗の低値を推定するステップと、
を更に含むことを特徴とする請求項1記載の方法。 - 前記高周波電源にとっての前記所定リアクタンス値を、約12 Ωとすることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記高周波電源のデューティサイクルを変化させる前記ステップにおいて更に中性気体の流れを発生させることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記プラズマの空間分布を検出し、その検出結果に応じてデューティサイクルを変化させるステップを更に含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記プラズマの空間分布を検出し、その検出結果に応じてデューティサイクルを変化させることで中性気体の流れを発生させる時間を発生させ、それによってプラズマまたは中性気体から成るリアクティブ要素の空間分布を変化させるステップを更に含むことを特徴とする請求項9記載の方法。
- 前記平均入力電力は、体積10リットル当たり約1ワット以上の平均密度で供給されることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記平均入力電力を変化させることで、複数の出力電力レベルの間での選択を可能にすることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 少なくとも1つの出力電力レベルが、約5ワット、約10ワット、約5〜10ワット、約10〜50ワット、及び、約5〜約25キロワットから成る組から選択された電力レベルであることを特徴とする請求項12記載の方法。
- プラズマ電力は、2つまたはそれ以上の複数の電力レベルの間で高速でスイッチングされることを特徴とする請求項13記載の方法。
- プラズマ電力は、フル電力レベルの約30パーセントから約100パーセントの間でスイッチングされることを特徴とする請求項14記載の方法。
- デューティサイクルを変化させる周波数の少なくとも1つが、少なくとも約1 Hz、少なくとも約10 Hz、少なくとも約100 Hz、少なくとも約500 Hz、少なくとも約1000 Hz、少なくとも約5000 Hz、少なくとも約10,000 Hz、及び、少なくとも約100,000 Hzから成る組から選択された周波数であることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記平均入力電力は、パルス幅変調方式または前記高周波電源の内部のDC電源回路の出力を変化させる方式の、一方または両方の方式で制御されることを特徴とする請求項1記載の方法。
- プラズマ生成システムにおいて、
高周波電力を提供する高周波電源手段と、
前記高周波電源手段をインピーダンスが連続的に変化するプラズマに結合するための少なくとも1つのリアクティブ回路とを備え、
前記少なくとも1つのリアクティブ回路は、プラズマリアクタンスの値が予期される下限値であるときに、小さな合計リアクタンスを示し、且つ、プラズマリアクタンスの値が予期される上限値であるときに、所定リアクタンス限界値を超えないリアクタンスを示す、
ことを特徴とするプラズマ生成システム。 - 前記所定リアクタンス限界値が、前記高周波電源手段のリアクタンス値と略々等しいことを特徴とする請求項18記載のシステム。
- 前記所定リアクタンス限界値が、約0.5 Ω以下、約2 Ω以下、約3 Ω以下、約5 Ω以下、約8 Ω以下、約10 Ω以下、約20 Ω以下、及び、約12 Ωから成る組から選択された範囲内の値であることを特徴とする請求項18記載のシステム。
- 前記リアクティブ回路が更にトランスを含んでおり、それによって前記高周波電源とアンテナとの間のDC絶縁機能を提供していることを特徴とする請求項18記載のシステム。
- 前記高周波電源手段が、実質的にA級の増幅器、実質的にAB級の増幅器、実質的にB級の増幅器、実質的にC級の増幅器、実質的にD級の増幅器、実質的にE級の増幅器、及び、実質的にF級の増幅器から成る組の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項21記載のシステム。
- 前記高周波電源手段がプッシュプル回路を含むことを特徴とする請求項22記載のシステム。
- 前記プッシュプル回路が、実質的にD級、E級、及びF級の動作モードのうちの1つの動作モードで動作する少なくとも1個のトランジスタを含むことを特徴とする請求項23記載のシステム。
- 前記プラズマ生成システムが、容量性結合モード(「Eモード」)でプラズマを生成することを特徴とする請求項18記載のシステム。
- 前記リアクティブ回路をプラズマに結合するアンテナを更に備え、該アンテナは、プラズマ源容器に近接して配設された少なくとも1つのループ状の電流ストラップを有することを特徴とする請求項18記載のシステム。
- 前記電流ストラップは電力をプラズマに投入するためのメインカプラであることを特徴とする請求項26記載のシステム。
- プラズマインピーダンスが動的に変化するプラズマに、高周波電源を用いてエネルギを投入する方法において、
前記高周波電源を少なくとも1つのリアクティブ回路を介して少なくとも1つのアンテナに結合するステップを含み、
前記少なくとも1つのリアクティブ回路は、プラズマインピーダンスのリアクタンス成分であるプラズマリアクタンスの値が第1の値であるときに小さな合計リアクタンスを示し、且つ、プラズマリアクタンスの値が第2の値であるときに所定限界値を超えないリアクタンスを示す、
ことを特徴とする方法。 - プラズマリアクタンスの前記第1の値及び前記第2の値が、動的に変化するプラズマリアクタンスの値の予期される値域の大部分に及ぶことを特徴とする請求項28記載の方法。
- 前記第1の値及び前記第2の値が、このプラズマリアクタンスの予期される上限値及び下限値の夫々に対応することを特徴とする請求項28記載の方法。
- プラズマリアクタンスの前記第1の値が、予期されるプラズマリアクタンスの平均値に対応することを特徴とする請求項28記載の方法。
- プラズマと高周波電源との間の動的整合用回路を不要化するリアクティブ回路の設計方法において、
前記高周波電源を低出力インピーダンスの電源として構成するステップを含み、
前記リアクティブ回路は、プラズマインピーダンスのリアクタンス成分であるプラズマリアクタンスの値が第1の値であるときに小さな合計リアクタンスを示し、且つ、プラズマリアクタンスの値が第2の値であるときに所定限界値を超えないリアクタンスを示す、
ことを特徴とする方法。 - プラズマリアクタンスの前記第1の値及び前記第2の値が、動的に変化するプラズマリアクタンスの値の予期される値域の大部分に及ぶことを特徴とする請求項32記載の方法。
- プラズマリアクタンスの前記第1の値及び前記第2の値が、このプラズマリアクタンスの予期される上限値及び下限値の夫々に対応することを特徴とする請求項32記載の方法。
- プラズマリアクタンスの前記第1の値が、予期されるプラズマリアクタンスの平均値に対応することを特徴とする請求項32記載の方法。
- 前記プラズマに結合する電力をフィードバックにより制御するステップと、DC電源から前記高周波電源へ出力される出力電圧及び出力電流の値を判定するステップと、前記高周波電源の効率測定値を算出するステップと、前記DC電源から出力される前記出力電圧と前記出力電流との積に応じて前記DC電源の出力を変化させるステップと、を更に含むことを特徴とする請求項32記載の方法。
- 低出力インピーダンスの高周波電源手段をプラズマインピーダンスが動的に変化するプラズマに結合するためのリアクティブ回路において、リアクティブ回路はプラズマインピーダンスのリアクタンス成分であるプラズマリアクタンスの値が第1の値であるときに小さな合計リアクタンスを示し、且つ、プラズマリアクタンスの値が第2の値であるときに所定の限界値を超えないリアクタンスを示すことを特徴とするリアクティブ回路。
- プラズマリアクタンスの前記第1の値及び前記第2の値が、動的に変化するプラズマリアクタンスの値の予期される値域の大部分に及ぶことを特徴とする請求項37記載のリアクティブ回路。
- プラズマリアクタンスの前記第1の値及び前記第2の値が、このプラズマリアクタンスの予期される上限値及び下限値の夫々に対応することを特徴とする請求項37記載のリアクティブ回路。
- プラズマリアクタンスの前記第1の値が、予期される平均値に対応することを特徴とする請求項37記載のリアクティブ回路。
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