JP6267989B2 - プラズマ処理方法及び容量結合型プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理方法及び容量結合型プラズマ処理装置 Download PDF

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Description

本発明の種々の側面及び実施形態はプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置に関するものである。
半導体の製造プロセスでは、薄膜の堆積又はエッチング等を目的としたプラズマ処理を実行するプラズマ処理装置が広く用いられている。高性能かつ高機能な半導体を得るためには、被処理体の被処理面に対し、均一なプラズマ処理を行うことが望ましい。
近年のプラズマ処理においては、周波数が比較的に高い高周波電力を用いて処理ガスのプラズマを生成するプラズマ処理装置が用いられている。このプラズマ処理装置は、周波数が例えば100MHzである高周波電力を、プラズマ生成用電力として供給する。また、プラズマ処理装置は、プラズマ生成用電力よりも周波数が低い高周波電力を、プラズマ中のイオンを被処理体に向けて引き込むためのバイアス用電力として供給する。
ところで、このようなプラズマ処理装置においては、被処理体の中央部に対応するプラズマ密度が被処理体の周縁部に対応するプラズマ密度と比して大きくなるので、プラズマ密度を均一化するための部材を被処理体の載置台に設けることが知られている。例えば特許文献1には、載置台の内部の、被処理体の中央部に対応する領域に誘電体層を設け、被処理体の中央部からプラズマへ供給される電界を誘電体層により弱めることによって、プラズマ密度を均一化することが開示されている。
特開2008−243973号公報
しかしながら、従来技術では、構成の変更を不要化しつつ被処理体の被処理面の均一性を維持することまでは考慮されていない。すなわち、従来技術では、被処理体の中央部に対応する領域に誘電体層を設けることによってプラズマ密度を均一化するので、被処理体の被処理面の均一性を維持可能であるものの、誘電体層を設けるために処理装置内の構成の変更が新たに行われる。このような処理装置内の構成の変更が行われると、構成が複雑化したり、製造コストが高くなる恐れがある。
本発明の一側面に係るプラズマ処理方法は、ガス供給工程と、電力供給工程と、エッチング工程とを含む。ガス供給工程は、被処理体が配置された処理容器の内部に処理ガスを供給する。電力供給工程は、前記処理容器の内部に供給された処理ガスのプラズマを生成するための電力であり、周波数が100MHz〜150MHzであるプラズマ生成用電力と、前記プラズマ生成用電力よりも周波数が低い電力であるバイアス用電力とを供給する。エッチング工程は、デューティ比が10%〜70%となり、かつ、周波数が5kHz〜20kHzとなるように前記バイアス用電力をパルス変調しながら、前記処理ガスのプラズマにより被処理体をエッチングする。
本発明の種々の側面及び実施形態によれば、構成の変更を行わず被処理体の被処理面の均一性を維持するようにプロセス条件の設定範囲、つまり、処理装置及び処理のマージン(許容範囲)を広く出来、装置を停止することなく処理することができるプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置が実現される。
図1は、本実施形態に係るプラズマ処理方法に適用されるプラズマ処理装置を示す概略断面図である。 図2Aは、本実施形態における被処理体の構造例(その1)を示す断面図である。 図2Bは、本実施形態における被処理体の構造例(その2)を示す断面図である。 図2Cは、本実施形態における被処理体の構造例(その3)を示す断面図である。 図3は、本実施形態に係るプラズマ処理装置によるプラズマ処理方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図4Aは、本実施形態におけるエッチング工程の一例を示す図である。 図4Bは、本実施形態におけるエッチング工程の一例を示す図である。 図5Aは、比較例1及び実施例1〜3についての処理結果を示す図である。 図5Bは、センタファースト分布に対してデューティ比及び周波数が与える影響の検証結果(その1)を示す図である。 図6は、比較例2及び実施例4,5についての処理結果を示す図である。 図7Aは、比較例3及び実施例6についての処理結果を示す図である。 図7Bは、比較例3及び実施例6についての処理結果を示す図である。 図8Aは、センタファースト分布に対してデューティ比及び周波数が与える影響の検証結果(その2)を示す図である。 図8Bは、センタファースト分布に対してデューティ比及び周波数が与える影響の検証結果(その2)を示す図である。 図9Aは、実施例7〜10における処理結果を示す図である。 図9Bは、実施例7〜10における処理結果を示す図である。 図10Aは、実施例11〜実施例14における処理結果を示す図である。 図10Bは、実施例11〜実施例14における処理結果を示す図である。
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を付すこととする。
本実施形態に係るプラズマ処理方法は、1つの実施形態において、被処理体が配置された処理容器の内部に処理ガスを供給するガス供給工程と、処理容器の内部に供給された処理ガスのプラズマを生成するための電力であり、周波数が100MHz〜150MHzであるプラズマ生成用電力と、プラズマ生成用電力よりも周波数が低い電力であるバイアス用電力とを供給する電力供給工程と、デューティ比が10%〜70%となり、かつ、周波数が5kHz〜20kHzとなるようにバイアス用電力をパルス変調しながら、処理ガスのプラズマにより被処理体をエッチングするエッチング工程と、を含む。
また、本実施形態に係るプラズマ処理方法は、1つの実施形態において、エッチング工程は、デューティ比が40%〜60%となり、かつ、周波数が5kHz〜10kHzとなるようにバイアス用電力をパルス変調しながら、処理ガスのプラズマにより被処理体をエッチングする。
また、本実施形態に係るプラズマ処理方法は、1つの実施形態において、バイアス用電力の周波数が400kHz〜13.56MHzである。
また、本実施形態に係るプラズマ処理方法は、1つの実施形態において、被処理体は、ポリシリコン膜と、SiO2膜又は有機膜とを含み、エッチング工程は、SiO2膜又は有機膜をマスクとして処理ガスのプラズマによりポリシリコン膜をエッチングする。
また、本実施形態に係るプラズマ処理方法は、1つの実施形態において、被処理体は、SiO2膜と、有機膜又はポリシリコン膜とを含み、エッチング工程は、有機膜又はポリシリコン膜をマスクとして処理ガスのプラズマによりSiO2膜をエッチングする。
また、本実施形態に係るプラズマ処理方法は、1つの実施形態において、被処理体は、SiO2膜とポリシリコン膜との積層膜と、有機膜とを含み、エッチング工程は、有機膜をマスクとして処理ガスのプラズマにより積層膜をエッチングする。
また、本実施形態に係るプラズマ処理方法は、1つの実施形態において、積層膜は、少なくとも24層以上積層される。
また、本実施形態に係るプラズマ処理方法は、1つの実施形態において、処理ガスは、臭素又は塩素と、フッ素と、酸素とを含む。
また、本実施形態に係るプラズマ処理方法は、1つの実施形態において、処理ガスは、アルゴンをさらに含む。
また、本実施形態に係るプラズマ処理方法は、1つの実施形態において、処理ガスは、CF系ガスを含む。
また、本実施形態に係るプラズマ処理方法は、1つの実施形態において、バイアス用電力は、500W〜3000Wである。
また、本実施形態に係るプラズマ処理方法は、1つの実施形態において、エッチング工程によってエッチングされた被処理体の中心位置のエッチングレートと、当該被処理体の中心位置から径方向に沿って周縁側に所定距離だけシフトした位置のエッチングレートとの差は、−1.2(nm/min)〜1.2(nm/min)である。
本実施形態に係るプラズマ処理装置は、1つの実施形態において、被処理体が配置された処理容器と、処理容器の内部を減圧するための排気部と、処理容器の内部に処理ガスを供給するためのガス供給部と、処理容器の内部に処理ガスを供給する工程と、処理容器の内部に供給された処理ガスのプラズマを生成するための電力であり、周波数が100MHz〜150MHzであるプラズマ生成用電力と、プラズマ生成用電力よりも周波数が低い電力であるバイアス用電力とを供給する工程と、デューティ比が10%〜70%となり、かつ、周波数が5kHz〜20kHzとなるようにバイアス用電力をパルス変調しながら、処理ガスのプラズマにより被処理体をエッチングする工程とを実行する制御部とを備えた。
図1は、本実施形態に係るプラズマ処理方法に適用されるプラズマ処理装置を示す概略断面図である。図1では、RIE(Reactive Ion Etching)プラズマ処理装置の一例を示している。このプラズマ処理装置2は、例えば内部が密閉空間となっている真空チャンバーからなる処理容器21と、この処理容器21内の底面中央に配設された載置台3と、載置台3の上方にこの載置台3と対向するように設けられた上部電極51とを備えている。
処理容器21は小径の円筒状の上部室21aと、大径の円筒状の下部室21bとからなる。上部室21aと下部室21bとは互いに連通しており、処理容器21全体は気密に構成されている。上部室21aの上部には、上部電極51が配置され、上部室21a内には、載置台3等が格納されている。下部室21b内には載置台3を支える支持部27及び排気空間が格納されている。下部室21b底面の排気口22には排気空間排気管23を介して排気装置24が接続されている。この排気装置24には図示しない圧力調整部が接続されており、この圧力調整部は図示しない制御部からの信号によって処理容器21内全体を排気して所望の真空度に維持するように構成されている。排気装置24は、処理容器21の内部を減圧するための排気部の一例である。一方、上部室21aの側面には被処理体であるウエハWの搬入出口25が設けられており、この搬入出口25はゲートバルブ26によって開閉可能となっている。処理容器21は、アルミニウム等の導電性の部材から構成され、接地されている。
載置台3は、例えばアルミニウムからなる導電体部材であるプラズマ生成用の下部電極31と、下部電極31の上面を覆うように形成された誘電体層32とが下方からこの順番に積層された構造となっており、誘電体層32には電極膜33が埋め込まれている。誘電体層32と、電極膜33とは、静電チャックを構成する。また載置台3は絶縁部材41,42を備え、絶縁部材41は下部電極31の側周面を、絶縁部材42は下部電極31の底面を夫々覆い、これら絶縁部材41,42を介して下部電極31は支持板27上に設置された支持台31aに固定され、処理容器21に対して電気的に十分浮いた状態になっている。
下部電極31内には冷媒を通流させるための冷媒流路43が形成されており、冷媒がこの冷媒流路43を流れることで下部電極31が冷却され、誘電体層32の上面である載置面に載置されたウエハWが所望の温度に冷却されるように構成されている。
また、誘電体層32には載置面とウエハW裏面との間の熱伝達性を高めるための熱伝導性のバックサイドガス(熱伝達ガス)を放出する貫通孔44aが設けられている。この貫通孔44aは、下部電極31内等に形成されたガス流路44と連通しており、このガス流路44を介して図示しないガス供給部から供給された、例えばヘリウム(He)等のバックサイドガスが放出されるようになっている。
また、下部電極31には、例えば周波数が100MHz〜150MHzの高周波電力を供給する第1の高周波電源45aと、例えば第1の高周波電源45aよりも周波数の低い400kHz〜13.56MHzの高周波電力を供給する第2の高周波電源45bと、が夫々整合器46a、46bを介して接続されている。第1の高周波電源45aより供給される高周波電力は、後述する処理ガスをプラズマ化する役割を果たし、第2の高周波電源45bより供給される高周波電力は、ウエハWにバイアス電力を印加することでプラズマ中のイオンをウエハW表面に引き込む役割を果たす。以下では、説明の便宜を図るため、第1の高周波電源45aより供給される高周波電力をプラズマ生成用電力と呼び、第2の高周波電源45bより供給される高周波電力をバイアス用電力と呼ぶことがあるものとする。
また下部電極31の上面外周部には、誘電体層32を囲むようにフォーカスリング47が配置されている。フォーカスリング47はウエハWの周縁部の外方の領域のプラズマ状態を調整する役割、例えばウエハWよりもプラズマを広げて、ウエハ面内のエッチング速度の均一性を向上させる役割を果たす。
支持台31aの下部外側には支持台31aを取り囲むようにバッフル板28が設けられている。バッフル板28は、上部室21a内の処理ガスをバッフル板28と上部室21a壁部との間に形成された隙間を介して下部室21bへ通流させることにより、上部室21a内の処理ガスの流れを均一に排気する整流板としての役割を果たす。
また、上部電極51は中空状に形成され、その下面に処理容器21内へ処理ガスを分散供給するための多数のガス供給孔52が例えば処理を均一にするように分散して形成されていることによりガスシャワーヘッドを構成している。上部電極51の上方にはガス拡散室52aが設けられ、ガス拡散室52aで拡散されてガス供給孔へ供給される。ガス拡散室52aは、複数に分割されていても良い。また、上部電極51の上面中央にはガス導入管53が設けられ、このガス導入管53は処理容器21の上面中央を貫通して上流で処理ガス供給源55に接続されている。この処理ガス供給源55は、図示しない処理ガス供給量の制御機構を有しており、プラズマ処理装置2に対して処理ガスの供給量の給断及び増減の制御を行うことができるようになっている。上部電極51、ガス導入管53及び処理ガス供給源55は、処理容器21の内部に処理ガスを供給するためのガス供給部の一例である。また、上部電極51が上部室21aの壁部に固定されることによって、上部電極51と処理容器21との間には導電路が形成されている。
さらに、上部室21aの周囲には、搬入出口25の上下に二つのマルチポールリング磁石56a、56bが配置されている。マルチポールリング磁石56a、56bは、複数の異方性セグメント柱状磁石がリング状の磁性体のケーシングに取り付けられており、隣接する複数のセグメント柱状磁石同士の向きが互いに逆向きになるように配置されている。これにより磁力線が隣接するセグメント柱状磁石間に形成され、上部電極51と下部電極31との間の処理空間の周辺部に磁場が形成され、処理空間へプラズマを閉じこめることができる。なお、マルチポールリング磁石56a、56bを有さない装置構成としてもよい。
また、プラズマ処理装置2の各構成部は、CPUを備えたプロセスコントローラ100に接続されて制御される構成となっている。プロセスコントローラ100には、工程管理者がプラズマ処理装置2を管理するためのコマンドの入力操作等を行うキーボードや、プラズマ処理装置2の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザインタフェース101が接続されている。
また、プロセスコントローラ100には、プラズマ処理装置2で実行される各種処理をプロセスコントローラ100の制御にて実現するための制御プログラムや処理条件データ等が記録されたレシピが格納された記憶部102が接続されている。
また、ユーザインタフェース101からの指示等にて任意のレシピが記憶部102から呼び出され、プロセスコントローラ100が実行することで、プロセスコントローラ100の制御下で、プラズマ処理装置2での所望の処理が行われても良い。レシピは、例えば、CD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、フラッシュメモリなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納された状態のものを利用したり、あるいは、他の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させて利用したりすることも可能である。プロセスコントローラ100は、「制御部」とも称する。
例えば、プロセスコントローラ100は、後述するプラズマ処理方法を行うようにプラズマ処理装置2の各部を制御する。より詳細な一例をあげて説明すると、プロセスコントローラ100は、処理ガス供給源55から処理容器21の内部に処理ガスを供給する。そして、プロセスコントローラ100は、処理容器21の内部に供給された処理ガスのプラズマを生成するための電力であり、周波数が100MHz〜150MHzであるプラズマ生成用電力と、プラズマ生成用電力よりも周波数が低い電力であるバイアス用電力とを供給する。そして、プロセスコントローラ100は、デューティ比が10%〜70%となり、かつ、周波数が5kHz〜20kHzとなるようにバイアス用電力をパルス変調しながら、処理ガスのプラズマにより被処理体をエッチングする。ここで、バイアス用電力をパルス変調するとは、例えば、バイアス用電力の供給及び供給停止を交互に繰り返し行うことを含む。また、デューティ比とは、バイアス用電力の供給を行う供給時間とバイアス用電力の供給を停止する停止時間とを加算して得られる加算時間に対する供給時間の比である。また、被処理体は、例えばウエハWである。
図2Aは、本実施形態における被処理体の構造例(その1)を示す断面図である。図2Aに示す被処理体は、処理対象膜であるポリシリコン膜201と、ポリシリコン膜201の上に線状に形成されたマスクとしてのSiO2膜202とを含む。なお、図2Aでは、ポリシリコン膜201の上にSiO2膜202が形成される例を示したが、ポリシリコン膜201の上に有機膜が形成されても良い。
図2Bは、本実施形態における被処理体の構造例(その2)を示す断面図である。図2Bに示す被処理体は、処理対象膜であるSiO2膜301と、SiO2膜301の上に線状に形成されたマスクとしての有機膜302とを含む。有機膜302は、例えば、アモルファスカーボン、SiCOなどが好ましい。なお、図2Bでは、SiO2膜301の上に有機膜302が形成される例を示したが、SiO2膜301の上にポリシリコン膜が形成されても良い。
図2Cは、本実施形態における被処理体の構造例(その3)を示す断面図である。図2Cに示す被処理体は、処理対象膜である複数の積層膜401と、積層膜401の上に線状に形成されたマスクとしての有機膜402とを含む。有機膜402は、例えば、アモルファスカーボン、SiCOなどが好ましい。積層膜401は、SiO2膜401aとポリシリコン膜401bとの積層膜である。積層膜401は、少なくとも24層以上形成される。
次に、本実施形態に係るプラズマ処理装置2によるプラズマ処理方法について更に詳細に説明する。図3は、本実施形態に係るプラズマ処理装置によるプラズマ処理方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図3に示すように、プラズマ処理装置2は、被処理体が配置された処理容器21の内部に処理ガスを供給するガス供給工程を行う(ステップS101)。例えば、プラズマ処理装置2は、処理ガスとして、臭素又は塩素と、フッ素と、酸素とを含むガスを処理容器21の内部に供給する。臭素又は塩素と、フッ素と、酸素とを含むガスは、例えばHBr/NF3/O2である。また、例えば、プラズマ処理装置2は、処理ガスとして、CF系ガスを処理容器21の内部に供給しても良い。CF系ガスは、例えばCF4である。さらに、処理ガスとして、臭素又は塩素と、フッ素と、酸素とを含むガスが処理容器21の内部に供給される場合、処理ガスは、アルゴンをさらに含んでいても良い。
より詳細な一例を挙げて説明する。プラズマ処理装置2のプロセスコントローラ100は、処理ガス供給源55から、シャワーヘッドとしての上部電極51を介して処理容器21の内部に処理ガスを供給する。
続いて、プラズマ処理装置2は、周波数が100MHz〜150MHzであるプラズマ生成用電力と、プラズマ生成用電力よりも周波数が低いバイアス用電力とを供給する電力供給工程を行う(ステップS102)。ここで、バイアス用電力の周波数は、例えば0.4kHz〜13.56MHzである。また、バイアス用電力は、例えば500W〜3000Wである。
より詳細な一例を挙げて説明する。プラズマ処理装置2のプロセスコントローラ100は、第1の高周波電源45aから処理容器21の内部へプラズマ生成用電力を供給することで、処理ガスからプラズマを生成する。また、プロセスコントローラ100は、第2の高周波電源45bから被処理体へバイアス用電力を供給することで、プラズマ中のイオンを被処理体に向けて引き込む。
続いて、プラズマ処理装置2は、デューティ比が10%〜70%となり、かつ、周波数が5kHz〜20kHzとなるようにバイアス用電力をパルス変調しながら、処理ガスのプラズマにより被処理体をエッチングするエッチング工程を行う(ステップS103)。好ましくは、プラズマ処理装置2は、デューティ比が20%〜70%となり、かつ、周波数が5kH〜20kHzとなるようにバイアス用電力をパルス変調しながら、処理ガスのプラズマにより被処理体をエッチングする。更に好ましくは、プラズマ処理装置2は、デューティ比が40%〜60%となり、かつ、周波数が5kHz〜10kHzとなるようにバイアス用電力をパルス変調しながら、処理ガスのプラズマにより被処理体をエッチングする。エッチング工程によってエッチングされた被処理体の中心位置のエッチングレートと、当該被処理体の中心位置から径方向に沿って周縁側に所定距離だけシフトした位置のエッチングレートとの差は、−1.2(nm/min)〜1.2(nm/min)である。
例えば、被処理体が、ポリシリコン膜と、SiO2膜又は有機膜とを含む場合を想定する。この場合には、プラズマ処理装置2は、SiO2膜又は有機膜をマスクとして処理ガスのプラズマによりポリシリコン膜をエッチングする。また、例えば、被処理体が、SiO2膜と、有機膜又はポリシリコン膜とを含む場合を想定する。この場合には、プラズマ処理装置2は、有機膜又はポリシリコン膜をマスクとして処理ガスのプラズマによりSiO2膜をエッチングする。また、例えば、被処理体が、SiO2膜とポリシリコン膜との積層膜と、有機膜とを含む場合を想定する。この場合には、プラズマ処理装置2は、有機膜をマスクとして処理ガスのプラズマにより積層膜をエッチングする。
図4A及び図4Bは、本実施形態におけるエッチング工程の一例を示す図である。なお、図4A及び図4Bの例では、被処理体は、図2Bに示したように、処理対象膜であるSiO2膜301と、SiO2膜301の上に線状に形成されたマスクとしての有機膜302とを含むものとする。プラズマ処理装置2のプロセスコントローラ100は、第2の高周波電源45bからウエハWへバイアス用電力を供給するとともに、デューティ比が60%となり、かつ、周波数が10kHzとなるようにバイアス用電力をパルス変調する。すなわち、図4Bに示すように、プロセスコントローラ100は、プラズマ中のプラスイオンやマイナスイオンが被処理体に向けて引き込まれる際に、デューティ比が60%となり、かつ、周波数が10kHzとなるように、第2の高周波電源45bのON/OFFを制御することによって、バイアス用電力をパルス変調する。
この結果、第2の高周波電源45bがONである場合には、図4Aの(a)に示すように、被処理体上のSiO2膜301に対するプラスイオン及びマイナスイオンの衝突が加速し、被処理体上のイオンシースの厚みが増加する。一方、第2の高周波電源45bがOFFである場合には、図4Aの(b)に示すように、被処理体上のSiO2膜301に対するプラスイオン及びマイナスイオンの衝突が抑制され、被処理体上のイオンシースの厚みが減少する。バイアス用電力を供給する第2の高周波電源45bがON/OFF制御されることによって、図4Aの(a)に示したイオンシースの状態と図4Aの(b)に示したイオンシースの状態とが交互に繰り返される。すると、被処理体上のイオンシースの成長が抑制される。特に、被処理体の中央部に対応する領域に形成されるイオンシースの成長が、被処理体の周縁部に対応する領域に形成されるイオンシースの成長と比較して、抑制される。この結果、被処理体の中央部に対応するプラズマ密度と被処理体の周縁部に対応するプラズマ密度が適度に均一化され、被処理体上のSiO2膜301の被処理面の均一性が維持可能となる。例えば、被処理体上のSiO2膜301に形成されるホールの幅であるCD(Critical Dimension)が、被処理体の中央部から被処理体の周縁部に亘って均一化される。
なお、図4A及び図4Bの説明では、被処理体が、図2Bに示した被処理体である場合を説明したが、開示の技術これに限られず、被処理体が、図2Aに示した被処理体や、図2Cに示した被処理体であっても良い。まず、被処理体が、図2Aに示したように、処理対象膜であるポリシリコン膜201と、ポロシリコン膜201の上に線状に形成されたマスクとしてのSiO2膜202とを含んだ被処理体である場合を想定する。この場合、本実施形態におけるエッチング工程が実行されると、被処理体上のポリシリコン膜201に形成されるホールの幅であるCDが、被処理体の中央部から被処理体の周縁部に亘って均一化される。
また、例えば、被処理体が、図2Cに示したように、処理対象膜である複数の積層膜401と、積層膜401の上に線状に形成されたマスクとしての有機膜402とを含む被処理体である場合を想定する。この場合、本実施形態におけるエッチング工程が実行されると、被処理体上の積層膜401に形成されるホールの幅であるCDが、被処理体の中央部から被処理体の周縁部に亘って均一化される。
上述したように、本実施形態によれば、処理容器21の内部に処理ガスを供給するガス供給工程と、周波数が100MHz〜150MHzであるプラズマ生成用電力と、バイアス用電力とを供給する電力供給工程と、デューティ比が10%〜70%となり、かつ、周波数が5kHz〜20kHzとなるようにバイアス用電力をパルス変調しながら、処理ガスのプラズマにより被処理体をエッチングするエッチング工程とを行う。このため、被処理体の中央部に対応するプラズマ密度と被処理体の周縁部に対応するプラズマ密度が適度に均一化される。その結果、構成の変更を不要化しつつ被処理体の被処理面の均一性を維持するようにプロセス条件の設定範囲、つまり、処理装置及び処理のマージン(許容範囲)を広く出来、装置を停止することなく処理することが可能となる。
また、本実施形態によれば、エッチング工程において、好ましくは、デューティ比が20%〜60%となり、かつ、周波数が5kHz〜20kHzとなるようにバイアス用電力をパルス変調しながら、処理ガスのプラズマにより被処理体をエッチングする。その結果、被処理体の被処理面の均一性を更に精度良く維持するようにプロセス条件の設定範囲、つまり、処理装置及び処理のマージン(許容範囲)を広く出来、装置を停止することなく処理することが可能となる。
また、本実施形態によれば、エッチング工程において、更に好ましくは、デューティ比が40%〜60%となり、かつ、周波数が5kHz〜20kHzとなるようにバイアス用電力をパルス変調しながら、処理ガスのプラズマにより被処理体をエッチングする。その結果、被処理体の被処理面の均一性を更に精度良く維持するようにプロセス条件の設定範囲、つまり、処理装置及び処理のマージン(許容範囲)を広く出来、装置を停止することなく処理することが可能となる。
また、本実施形態によれば、バイアス用電力の周波数が400kHz〜13.56MHzである。その結果、プラズマ中のイオンを効率良く引き込むことができるので、被処理体の被処理面の均一性を更に精度良く維持するようにプロセス条件の設定範囲、つまり、処理装置及び処理のマージン(許容範囲)を広く出来、装置を停止することなく処理することが可能となる。
また、本実施形態によれば、被処理体は、ポリシリコン膜と、SiO2膜又は有機膜とを含み、エッチング工程において、SiO2膜又は有機膜をマスクとして処理ガスのプラズマによりポリシリコン膜をエッチングする。その結果、被処理体上のポリシリコン膜の被処理面の均一性を維持するようにプロセス条件の設定範囲、つまり、処理装置及び処理のマージン(許容範囲)を広く出来、装置を停止することなく処理することが可能となる。
また、本実施形態によれば、被処理体は、SiO2膜と、有機膜又はポリシリコン膜とを含み、エッチング工程において、有機膜又はポリシリコン膜をマスクとして処理ガスのプラズマによりSiO2膜をエッチングする。その結果、被処理体上のSiO2膜の被処理面の均一性を維持するようにプロセス条件の設定範囲、つまり、処理装置及び処理のマージン(許容範囲)を広く出来、装置を停止することなく処理することが可能となる。
また、本実施形態によれば、被処理体は、SiO2膜とポリシリコン膜との積層膜と、有機膜とを含み、エッチング工程において、有機膜をマスクとして処理ガスのプラズマにより積層膜をエッチングする。その結果、被処理体上の積層膜の被処理面の均一性を維持するようにプロセス条件の設定範囲、つまり、処理装置及び処理のマージン(許容範囲)を広く出来、装置を停止することなく処理することが可能となる。
また、本実施形態によれば、積層膜は、少なくとも24層以上積層される。その結果、被処理体上に少なくとも24層以上積層された積層膜の被処理面の均一性を維持するようにプロセス条件の設定範囲、つまり、処理装置及び処理のマージン(許容範囲)を広く出来、装置を停止することなく処理することが可能となる。
また、本実施形態によれば、処理ガスは、臭素又は塩素と、フッ素と、酸素とを含む。その結果、被処理体の被処理面の均一性を更に精度良く維持するようにプロセス条件の設定範囲、つまり、処理装置及び処理のマージン(許容範囲)を広く出来、装置を停止することなく処理することが可能となる。
また、本実施形態によれば、処理ガスは、アルゴンをさらに含む。その結果、構成の変更を不要化しつつ、単にアルゴンの流量の変更によって被処理体の中央部のエッチングレート及びCDを所望の値に制御することが可能となる。
また、本実施形態によれば、処理ガスは、CF系ガスを含む。その結果、被処理体の被処理面の均一性を更に精度良く維持するようにプロセス条件の設定範囲、つまり、処理装置及び処理のマージン(許容範囲)を広く出来、装置を停止することなく処理することが可能となる。
また、本実施形態によれば、バイアス用電力は、500W〜3000Wである。その結果、被処理体の中央部のエッチングレート及びCDを所望の値に制御することが可能となる。
また、本実施形態によれば、エッチング工程によってエッチングされた被処理体の中心位置のエッチングレートと、当該被処理体の中心位置から径方向に沿って周縁側に所定距離だけシフトした位置のエッチングレートとの差は、−1.2(nm/min)〜1.2(nm/min)である。その結果、被処理体の中央部のエッチングレート及びCDを所望の値に精度良く制御することが可能となる。
(実施例)
以下に、開示のプラズマ処理方法について、実施例を挙げて更に詳細に説明する。ただし、開示のプラズマ処理方法は、以下の実施例に限定されるものではない。
(比較例1)
比較例1では、ガス供給工程と電力供給工程とエッチング工程とを順に行う一連のプラズマ処理工程を被処理体に対して行った。プラズマ処理工程は、以下の条件を用いて行った。被処理体は、以下の構造を有するものを用いた。
(被処理体)
処理対象膜:SiO2膜
マスク:ポリシリコン膜
(プラズマ処理工程)
処理ガス:HBr/NF3/O2=300/34/24sccm
第1の高周波電源からの高周波電力(プラズマ生成用電力):800W
プラズマ生成用電力の周波数:100MHz
第2の高周波電源からの高周波電力(バイアス用電力):600W
バイアス用電力の周波数:13.56MHz
バイアス用電力に対するパルス変調:実行せず
パルス変調後のバイアス用電力のデューティ比:100%
パルス変調後のバイアス用電力の周波数:0kHz
温度(上部電極/処理容器の内壁/下部電極):80/70/60℃
(実施例1)
実施例1では、プラズマ処理工程において、以下の条件を用いてバイアス用電力をパルス変調しながら、処理ガスのプラズマにより被処理体をエッチングした。その他の点については、比較例1と同様である。
バイアス用電力に対するパルス変調:実行
パルス変調後のバイアス用電力のデューティ比:60%
パルス変調後のバイアス用電力の周波数:5kHz
(実施例2)
実施例2では、プラズマ処理工程において、バイアス用電力として以下の条件を用いた。その他の点については、実施例1と同様である。
第2の高周波電源からの高周波電力(バイアス用電力):1000W
(実施例3)
実施例3では、プラズマ処理工程において、バイアス用電力として以下の条件を用いるとともに、パルス変調後のバイアス用電力の周波数として以下の条件を用いた。その他の点については、実施例1と同様である。
第2の高周波電源からの高周波電力(バイアス用電力):1000W
パルス変調後のバイアス用電力の周波数:10kHz
(比較例1及び実施例1〜3についての処理結果)
図5Aは、比較例1及び実施例1〜3についての処理結果を示す図である。図5Aの図501〜図504は、それぞれ、比較例1及び実施例1〜3における被処理体のエッチングレートを示す図である。図501〜図504において、縦軸は、被処理体のSiO2膜をHBr/NF3/O2のプラズマによりエッチングした場合のエッチングレート[nm/min]を示している。また、図501〜図504において、横軸は、被処理体の径方向の位置を示している。すなわち、図501〜図504は、被処理体の中心位置を「0」として、被処理体の「−150(mm)」の周縁位置から「+150(mm)」の周縁位置までのエッチングレートを示すものである。
また、図5Aにおいて、「Point2 average」とは、被処理体の中心位置のエッチングレートと、被処理体の中心位置から径方向に沿って周縁側に±30(mm)だけシフトした位置のエッチングレートとの差を示す。この「Point2 average」が所定値(例えば1.2)以上である場合には、被処理体の周縁部のエッチングレートと比して被処理体の中央部のエッチングレートが過度に大きくなる分布であるセンタファースト分布が発生していることを意味する。従って、被処理体の被処理面の均一性を精度良く維持するように「Point2 average」を1.2以下になるようにプロセス条件の設定範囲、つまり、処理装置及び処理のマージン(許容範囲)を広く出来、装置を停止することなく処理することが可能となる。
図5Aに示すように、バイアス用電力をパルス変調しない比較例1では、被処理体の径方向に沿った複数の位置のエッチングレートの平均は、26.3nm/minとなり、平均エッチングレートに対するばらつきは、±7.8%となった。この平均エッチングレートとばらつきは、いずれも予め定められた許容スペックを満たすものではなかった。また、比較例1では、「Point2 average」が3.1nm/minとなった。この「Point2 average」は、センタファースト分布が発生していることを示す値であった。
これに対して、デューティ比が60%となり、かつ、周波数が5kHzとなるようにバイアス用電力をパルス変調した実施例1では、被処理体の径方向に沿った複数の位置のエッチングレートの平均は、17.5nm/minとなり、平均エッチングレートに対するばらつきは、±7.7%となった。この平均エッチングレートとばらつきは、いずれも予め定められた許容スペックを満たすものであった。また、実施例1では、「Point2 average」が0.5nm/minとなった。この「Point2 average」は、センタファースト分布の程度が比較例1と比較して軽減されていることを示す値であった。言い換えると、実施例1では、被処理体の周縁部のエッチングレートと被処理体の中央部のエッチングレートとの差が、比較例1と比較して小さくなった。
実施例1よりも大きいバイアス用電力を用いた実施例2では、被処理体の径方向に沿った複数の位置のエッチングレートの平均は、24.7nm/minとなり、平均エッチングレートに対するばらつきは、±5.6%となった。この平均エッチングレートとばらつきは、いずれも予め定められた許容スペックを満たすものであった。また、実施例2では、「Point2 average」が1.3nm/minとなった。この「Point2 average」は、センタファースト分布の程度が比較例1と比較して軽減されていることを示す値であった。言い換えると、実施例2では、被処理体の周縁部のエッチングレートと被処理体の中央部のエッチングレートとの差が、比較例1と比較して小さくなった。
実施例1よりも大きいバイアス用電力と、実施例1よりも大きいパルス変調後の周波数とを用いた実施例3では、被処理体の径方向に沿った複数の位置のエッチングレートの平均は、26.0nm/minとなり、平均エッチングレートに対するばらつきは、±6.7%となった。この平均エッチングレートとばらつきは、いずれも予め定められた許容スペックを満たすものであった。また、実施例3では、「Point2 average」が0.5nm/minとなった。この「Point2 average」は、センタファースト分布の程度が比較例1と比較して軽減されていることを示す値であり、かつ、実施例1と同等の値であった。言い換えると、実施例3では、被処理体の周縁部のエッチングレートと被処理体の中央部のエッチングレートとの差が、比較例1と比較して小さくなるとともに、実施例1と同等の値に維持された。
このように、比較例1と実施例1〜3との比較から分かるように、実施例1〜3では、バイアス用電力をパルス変調しながら、処理ガスのプラズマにより被処理体をエッチングすることで、バイアス用電力をパルス変調しない手法と比較して、被処理体の被処理面の均一性を向上することが可能となる。
(センタファースト分布に対してデューティ比及び周波数が与える影響の検証結果(その1))
図5Bは、センタファースト分布に対してデューティ比及び周波数が与える影響の検証結果(その1)を示す図である。図5Bにおいて、横軸は、パルス変調後のバイアス用電力のデューティ比(%)を示しており、縦軸は、パルス変調後のバイアス用電力の周波数(kHz)を示す。また、図5Bにおいて、「Point2 average」とは、被処理体の中心位置のエッチングレートと、被処理体の中心位置から径方向に±30(mm)だけシフトした位置のエッチングレートとの差を示す。また、図5Bでは、比較例1、実施例2及び実施例3それぞれに対応する測定点を併せて示した。
図5Bに示すように、バイアス用電力をパルス変調しない比較例1では、「Point2 average」が1.2nm/minよりも大きいため、センタファースト分布の程度が比較的に大きいことが分かった。これに対して、バイアス用電力をパルス変調した実施例1及び実施例3では、「Point2 average」が1.2nm/min以下であるため、センタファースト分布の程度が比較例1と比較して軽減されていることが分かった。このため、本発明者らは、実施例2及び実施例3それぞれに対応する測定点の周囲に存在する複数の測定点について「Point2 average」を測定した。この測定の結果、デューティ比が10%〜70%となり、かつ、周波数が5kHz〜20kHzとなるようにバイアス用電力をパルス変調した場合に、「Point2 average」が1.2nm/min以下となった。さらに、デューティ比が40%〜60%となり、かつ、周波数が5kHz〜10kHzとなるようにバイアス用電力をパルス変調した場合に、デューティ比が10%〜70%となり、かつ、周波数が5kHz〜20kHzとなるようにバイアス用電力をパルス変調した場合と比べて「Point2 average」が小さくなった。すなわち、デューティ比が10%〜70%となり、かつ、周波数が5kHz〜20kHzとなるように、好ましくは、デューティ比が40%〜60%となり、かつ、周波数が5kHz〜10kHzとなるようにバイアス用電力をパルス変調することによって、センタファースト分布の程度が軽減されることが確認された。
(比較例2)
比較例2では、ガス供給工程と電力供給工程とエッチング工程とを順に行う一連のプラズマ処理工程を被処理体に対して行った。プラズマ処理工程は、以下の条件を用いて行った。被処理体は、以下の構造を有するものを用いた。
(被処理体)
処理対象膜:SiO2膜
マスク:ポリシリコン膜
(プラズマ処理工程)
処理ガス:CF4=100sccm
第1の高周波電源からの高周波電力(プラズマ生成用電力):600W
プラズマ生成用電力の周波数:100MHz
第2の高周波電源からの高周波電力(バイアス用電力):600W
バイアス用電力の周波数:13.56MHz
バイアス用電力に対するパルス変調:実行せず
パルス変調後のバイアス用電力のデューティ比:100%
パルス変調後のバイアス用電力の周波数:0kHz
温度(上部電極/処理容器の内壁/下部電極):80/70/60℃
(実施例4)
実施例4では、プラズマ処理工程において、以下の条件を用いてバイアス用電力をパルス変調しながら、処理ガスのプラズマにより被処理体をエッチングした。その他の点については、比較例2と同様である。
バイアス用電力に対するパルス変調:実行
パルス変調後のバイアス用電力のデューティ比:60%
パルス変調後のバイアス用電力の周波数:10kHz
(実施例5)
実施例5では、プラズマ処理工程において、バイアス用電力として以下の条件を用いた。その他の点については、実施例4と同様である。
第2の高周波電源からの高周波電力(バイアス用電力):1000W
(比較例2及び実施例4,5についての処理結果)
図6は、比較例2及び実施例4,5についての処理結果を示す図である。図6の図601〜図603は、それぞれ、比較例2及び実施例4,5における処理結果のエッチングレートを示す図である。図601〜図603において、縦軸は、被処理体のSiO2膜をCF4のプラズマによりエッチングした場合のエッチングレート[nm/min]を示している。また、図601〜図603において、横軸は、被処理体の径方向の位置を示している。すなわち、図601〜図603は、被処理体の中心位置を「0」として、被処理体の「−150(mm)」の周縁位置から「+150(mm)」の周縁位置までのエッチングレートを示すものである。
また、図6において、「Point2 average」とは、被処理体の中心位置のエッチングレートと、被処理体の中心位置から径方向に±30(mm)だけシフトした位置のエッチングレートとの差を示す。この「Point2 average」が所定値(例えば1.0)以上である場合には、被処理体の周縁部のエッチングレートと比して被処理体の中央部のエッチングレートが過度に大きくなる分布であるセンタファースト分布が発生していることを意味する。
図6に示すように、バイアス用電力をパルス変調しない比較例2では、被処理体の径方向に沿った複数の位置のエッチングレートの平均は、219.8nm/minとなり、平均エッチングレートに対するばらつきは、±4.3%となった。この平均エッチングレートとばらつきは、いずれも予め定められた許容スペックを満たすものではなかった。また、比較例2では、「Point2 average」が2.5nm/minとなった。この「Point2 average」は、被処理体の周縁部のエッチングレートと比して被処理体の中央部のエッチングレートが過度に大きくなる分布であるセンタファースト分布が発生していることを示す値であった。
これに対して、デューティ比が60%となり、かつ、周波数が10kHzとなるようにバイアス用電力をパルス変調した実施例4では、被処理体の径方向に沿った複数の位置のエッチングレートの平均は、157.5nm/minとなり、平均エッチングレートに対するばらつきは、±4.9%となった。この平均エッチングレートとばらつきは、いずれも予め定められた許容スペックを満たすものであった。また、実施例4では、「Point2 average」が1.4nm/minとなった。この「Point2 average」は、センタファースト分布の程度が比較例2と比較して軽減されていることを示す値であった。言い換えると、実施例4では、被処理体の周縁部のエッチングレートと被処理体の中央部のエッチングレートとの差が、比較例2と比較して小さくなった。
実施例4よりも大きいバイアス用電力を用いた実施例5では、被処理体の径方向に沿った複数の位置のエッチングレートの平均は、188.3nm/minとなり、平均エッチングレートに対するばらつきは、±2.8%となった。この平均エッチングレートとばらつきは、いずれも予め定められた許容スペックを満たすものであった。また、実施例5では、「Point2 average」が1.2nm/minとなった。この「Point2 average」は、センタファースト分布の程度が比較例2と比較して軽減されていることを示す値であった。言い換えると、実施例5では、被処理体の周縁部のエッチングレートと被処理体の中央部のエッチングレートとの差が、比較例2と比較して小さくなった。
このように、比較例2と実施例4,5との比較から分かるように、実施例4,5では、バイアス用電力をパルス変調しながら、処理ガスのプラズマにより被処理体をエッチングすることで、バイアス用電力をパルス変調しない手法と比較して、被処理体の被処理面の均一性を向上することが可能となる。
(比較例3)
比較例3では、ポリシリコン膜のエッチング工程を2つのステップで段階的に行うプラズマ処理工程を被処理体に対して行った。つまり、1ステップ目でポリシリコンを所定深さの途中までプラズマによりエッチングし、2ステップ目で所定深さまでプラズマによりエッチングする。プラズマ処理工程は、以下の条件を用いて2ステップで段階的にエッチングした。被処理体は、以下の構造を有するものを用いた。
(被処理体)
処理対象膜:ポリシリコン膜
マスク:SiO2膜
(プラズマ処理工程)
(1ステップ目)
処理ガス:HBr/NF3/O2=300/28/17sccm
第1の高周波電源からの高周波電力(プラズマ生成用電力):800W
プラズマ生成用電力の周波数:100MHz
第2の高周波電源からの高周波電力(バイアス用電力):1000W
バイアス用電力の周波数:13.56MHz
バイアス用電力に対するパルス変調:実行せず
パルス変調後のバイアス用電力のデューティ比:100%
パルス変調後のバイアス用電力の周波数:0kHz
温度(上部電極/処理容器の内壁/下部電極):80/70/60℃
(2ステップ目)
処理ガス:HBr/NF3/O2=300/34/15sccm
第1の高周波電源からの高周波電力(プラズマ生成用電力):800W
プラズマ生成用電力の周波数:100MHz
第2の高周波電源からの高周波電力(バイアス用電力):1000W
バイアス用電力の周波数:13.56MHz
バイアス用電力に対するパルス変調:実行せず
パルス変調後のバイアス用電力のデューティ比:100%
パルス変調後のバイアス用電力の周波数:0kHz
温度(上部電極/処理容器の内壁/下部電極):80/70/60℃
(実施例6)
実施例6では、プラズマ処理工程の1ステップ目及び2ステップ目において、以下の条件を用いてバイアス用電力をパルス変調しながら、処理ガスのプラズマにより被処理体をエッチングした。その他の点については、比較例3と同様である。
バイアス用電力に対するパルス変調:実行
パルス変調後のバイアス用電力のデューティ比:60%
パルス変調後のバイアス用電力の周波数:10kHz
(比較例3及び実施例6についての処理結果)
図7A及び図7Bは、比較例3及び実施例6についての処理結果を示す図である。図7Aのトレース図701は、比較例3におけるプラズマ処理工程後の被処理体の中央部の断面を拡大して得られた写真のトレース図である。トレース図702は、比較例3におけるプラズマ処理工程後の被処理体の中央部と周縁部との中間に位置する中間部の断面を拡大して得られた写真のトレース図である。トレース図703は、比較例3におけるプラズマ処理工程後の被処理体の周縁部の断面を拡大して得られた写真のトレース図である。トレース図711は、実施例6におけるプラズマ処理工程後の被処理体の中央部の断面を拡大して得られた写真のトレース図である。トレース図712は、実施例6におけるプラズマ処理工程後の被処理体の中央部と周縁部との中間に位置する中間部の断面を拡大して得られた写真のトレース図である。トレース図713は、実施例6におけるプラズマ処理工程後の被処理体の周縁部の断面を拡大して得られた写真のトレース図である。
また、図7Bの図801は、比較例3における被処理体の各部の形状を示す図である。図811は、実施例6における被処理体の各部の形状を示す表である。
なお、図7A及び図7Bにおいて、「Center」、「Middle」及び「Edge」は、それぞれ、被処理体の中央部、中間部及び周縁部を示す。また、図7Bにおいて、「Mask Remain」は、マスクの高さを示し、「Partial Depth」は、処理対象膜のエッチング深さを示す。
図7A及び図7Bに示すように、バイアス用電力をパルス変調しない比較例3では、マスクの高さは、被処理体の周縁部から中央部へ向けて、低くなるとともに、処理対象膜のエッチング深さは、被処理体の周縁部から中央部へ向けて、深くなる。これに対して、デューティ比が60%となり、かつ、周波数が10kHzとなるようにバイアス用電力をパルス変調した実施例6では、マスクの高さ及び処理対象膜のエッチング深さは、被処理体の周縁部から中央部へ向けて、ほぼ一定となった。
このように、比較例3と実施例6との比較から分かるように、実施例6では、バイアス用電力をパルス変調しながら、処理ガスのプラズマにより被処理体をエッチングすることで、バイアス用電力をパルス変調しない手法と比較して、被処理体の被処理面の均一性を向上することが可能となる。
(センタファースト分布に対してデューティ比及び周波数が与える影響の検証結果(その2))
図8A及び図8Bは、センタファースト分布に対してデューティ比及び周波数が与える影響の検証結果(その2)を示す図である。図8A及び図8Bにおいて、縦軸は、Point2 average(nm/min)を示す。また、図8Aにおいて、横軸は、パルス変調後のバイアス用電力のデューティ比(%)を示す。また、図8Bにおいて、横軸は、パルス変調後のバイアス用電力の周波数(Hz)を示す。また、図8Aでは、比較例1、比較例2、実施例1、実施例3及び実施例5それぞれに対応する測定点を併せて示した。また、図8Bでは、比較例1、比較例2及び実施例1〜実施例3それぞれに対応する測定点を併せて示した。なお、図8A及び図8Bにおいて、Point2 averageとは、被処理体の中心位置のエッチングレートと、被処理体の中心位置から径方向に±30(mm)だけシフトした位置のエッチングレートとの差を示す。
図8A及び図8Bに示すように、バイアス用電力をパルス変調しない比較例1及び比較例2と比較して、バイアス用電力をパルス変調した各実施例では、「Point2 average」が小さくなった。すなわち、各実施例では、センタファースト分布の程度が比較例1及び比較例2と比較して、軽減されていることが分かった。このため、本発明者らは、各実施例それぞれに対応する測定点の周囲に存在する複数の測定点について「Point2 average」を測定した。この測定の結果、デューティ比が10%〜70%となり、かつ、周波数が5kHz〜20kHzとなるようにバイアス用電力をパルス変調した場合に、「Point2 average」が予め定められた許容スペック(例えば、1.2以下)を満たすものであった。さらに、デューティ比が40%〜60%となり、かつ、周波数が5kHz〜10kHzとなるようにバイアス用電力をパルス変調した場合に、デューティ比が10%〜70%となり、かつ、周波数が5kHz〜20kHzとなるようにバイアス用電力をパルス変調した場合と比べて「Point2 average」が小さくなった。すなわち、デューティ比が10%〜70%となり、かつ、周波数が5kHz〜20kHzとなるように、好ましくは、デューティ比が40%〜60%となり、かつ、周波数が5kHz〜10kHzとなるようにバイアス用電力をパルス変調することによって、センタファースト分布の程度が軽減されることが確認された。
(実施例7)
実施例7では、プラズマ生成用電力、バイアス用電力、パルス変調後のバイアス用電力のデューティ比及びパルス変調後のバイアス用電力の周波数として以下の条件を用いた。その他の点については、実施例1と同様である。
第1の高周波電源からの高周波電力(プラズマ生成用電力):400W
第2の高周波電源からの高周波電力(バイアス用電力):1850W
パルス変調後のバイアス用電力のデューティ比:30%
パルス変調後のバイアス用電力の周波数:10kHz
(実施例8〜実施例10)
実施例8〜実施例10では、それぞれ、処理ガスとして以下の処理ガスを用いた。その他の点については、実施例7と同様である。
実施例8:HBr/NF3/O2/Ar=300/34/24/50sccm
実施例9:HBr/NF3/O2/Ar=300/34/24/100sccm
実施例10:HBr/NF3/O2/Ar=300/34/24/200sccm
(実施例7〜実施例10についての処理結果)
図9A及び図9Bは、実施例7〜10における処理結果を示す図である。図9Aの図901〜図904は、それぞれ、実施例7〜実施例10における被処理体のエッチングレートを示す図である。図901〜図904において、縦軸は、被処理体のSiO2膜をHBr/NF3/O2のプラズマ又はHBr/NF3/O2/Arのプラズマによりエッチングした場合のエッチングレート[nm/min]を示している。また、図901〜図904において、横軸は、被処理体の径方向の位置を示している。すなわち、図901〜図904は、被処理体の中心位置を「0」として、被処理体の「−150(mm)」の周縁位置から「+150(mm)」の周縁位置までのエッチングレートを示すものである。
また、図9Bにおいて、縦軸は、Point2 average(nm/min)を示し、横軸は、Arの流量(sccm)を示している。
また、図9A及び図9Bにおいて、「Point2 average」とは、被処理体の中心位置のエッチングレートと、被処理体の中心位置から径方向に沿って周縁側に±30(mm)だけシフトした位置のエッチングレートとの差を示す。この「Point2 average」が所定値(例えば1.2)以上である場合には、被処理体の周縁部のエッチングレートと比して被処理体の中央部のエッチングレートが過度に大きくなる分布であるセンタファースト分布が発生していることを意味する。
図9A及び図9Bに示すように、Arを用いない実施例7では、被処理体の径方向に沿った複数の位置のエッチングレートの平均は、25.5nm/minとなり、平均エッチングレートに対するばらつきは、±3.2%となった。この平均エッチングレートとばらつきは、いずれも予め定められた許容スペックを満たすものであった。また、実施例7では、「Point2 average」が0.3nm/minとなった。この「Point2 average」は、センタファースト分布の程度が比較例1と比較して軽減されていることを示す値であった。言い換えると、実施例7では、被処理体の周縁部のエッチングレートと被処理体の中央部のエッチングレートとの差が、比較例1と比較して小さくなった。
また、Arを用いた実施例8〜実施例10では、被処理体の径方向に沿った複数の位置のエッチングレートの平均は、それぞれ、22.6nm/min、22.8nm/min及び23.1nm/minとなった。また、実施例8〜実施例10では、平均エッチングレートに対するばらつきは、それぞれ、±6.1%、±4.7%及び±3.3%となった。これらの平均エッチングレートとばらつきは、いずれも予め定められた許容スペックを満たすものであった。また、実施例8〜実施例10では、「Point2 average」が、それぞれ、0.0nm/min、−0.1nm/min及び−0.6nm/minとなった。これらの「Point2 average」は、センタファースト分布の程度が比較例1と比較して軽減されていることを示す値であった。言い換えると、実施例8〜実施例10では、被処理体の周縁部のエッチングレートと被処理体の中央部のエッチングレートとの差が、比較例1と比較して小さくなった。
また、Arを用いた実施例8〜実施例10では、Arの流量が増加するほど、「Point2 average」が小さくなった。この結果から、Arの流量の変更によって被処理体の中央部のエッチングレート及びCDを所望の値に制御することが可能であることが分かった。Arの流量が増加するほど、「Point2 average」が小さくなる理由としては、以下の理由が考えられる。すなわち、プラズマ中のイオンのうち非処理体の中央部に集中し易いマイナスイオン(例えば、Br)が、プラスイオンであるArイオンによって相殺され、結果として、被処理体の中央部のエッチングの進行が妨げられたためであると考えられる。
(実施例11〜実施例14)
実施例11〜実施例14では、それぞれ、バイアス用電力として以下の条件を用いた。その他の点については、実施例7と同様である。
実施例11:640W
実施例12:1350W
実施例13:2350W
実施例14:2850W
(実施例11〜実施例14についての処理結果)
図10A及び図10Bは、実施例11〜実施例14における処理結果を示す図である。図10Aの図1001及び図1002は、それぞれ、実施例12及び実施例13における被処理体のエッチングレートを示す図である。図1001及び図1002において、縦軸は、被処理体のSiO2膜をHBr/NF3/O2のプラズマ又はHBr/NF3/O2/Arのプラズマによりエッチングした場合のエッチングレート[nm/min]を示している。また、図1001及び図1002において、横軸は、被処理体の径方向の位置を示している。すなわち、図1001及び図1002は、被処理体の中心位置を「0」として、被処理体の「−150(mm)」の周縁位置から「+150(mm)」の周縁位置までのエッチングレートを示すものである。
また、図10Bにおいて、縦軸は、Point2 average(nm/min)を示し、横軸は、バイアス用電力(W)を示している。
また、図10A及び図10Bにおいて、「Point2 average」とは、被処理体の中心位置のエッチングレートと、被処理体の中心位置から径方向に沿って周縁側に±30(mm)だけシフトした位置のエッチングレートとの差を示す。この「Point2 average」が所定値(例えば1.2)以上である場合には、被処理体の周縁部のエッチングレートと比して被処理体の中央部のエッチングレートが過度に大きくなる分布であるセンタファースト分布が発生していることを意味する。
図10A及び図10Bに示すように、バイアス用電力が1350Wである実施例12、及び、バイアス用電力が2350Wである実施例13では、被処理体の径方向に沿った複数の位置のエッチングレートの平均は、それぞれ、21.0nm/min及び29.4nm/minとなった。また、実施例12及び実施例13では、平均エッチングレートに対するばらつきは、それぞれ、±4.9%及び±4.1%となった。これらの平均エッチングレートとばらつきは、いずれも予め定められた許容スペックを満たすものであった。また、実施例11〜実施例14では、「Point2 average」が、それぞれ、0.5nm/min、0.1nm/min、0.5nm/min及び1.1nm/minとなった。これらの「Point2 average」は、センタファースト分布の程度が比較例1と比較して軽減されていることを示す値であった。言い換えると、実施例11〜実施例14では、被処理体の周縁部のエッチングレートと被処理体の中央部のエッチングレートとの差が、比較例1と比較して小さくなった。
また、図10Bに示すように、実施例12〜実施例14では、バイアス用電力が増加するほど、「Point2 average」が大きくなった。この結果から、バイアス用電力の変更によって被処理体の中央部のエッチングレート及びCDを所望の値に制御することが可能であることが分かった。
2 プラズマ処理装置
3 載置台
21 処理容器
24 排気装置(排気部)
31 下部電極
32 誘電体層
45a 第1の高周波電源
45b 第2の高周波電源
55 処理ガス供給源(ガス供給部)
100 プロセスコントローラ(制御部)
101 ユーザインタフェース
102 記憶部

Claims (13)

  1. 処理容器と、前記処理容器内に設けられ、被処理体の載置台として機能する下部電極と、前記下部電極に対向するように設けられた上部電極とを備える容量結合型プラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法であって、
    前記処理容器の内部に処理ガスを供給するガス供給工程と、
    前記処理容器の内部に供給された処理ガスのプラズマを生成するための電力であり、周波数が100MHz〜150MHzであるプラズマ生成用電力および、前記プラズマ生成用電力よりも周波数が低い電力であるバイアス用電力を前記下部電極に供給する電力供給工程と、
    前記下部電極に供給される前記プラズマ生成用電力が一定に維持された状態で、デューティ比が10%〜70%となり、かつ、周波数が5kHz〜20kHzとなるように前記バイアス用電力をパルス変調しながら、前記処理ガスのプラズマにより被処理体をエッチングするエッチング工程と
    を含むことを特徴とするプラズマ処理方法。
  2. 前記エッチング工程は、デューティ比が40%〜60%となり、かつ、周波数が5kHz〜10kHzとなるように前記バイアス用電力をパルス変調しながら、前記処理ガスのプラズマにより被処理体をエッチングすることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理方法。
  3. 前記バイアス用電力の周波数が400kHz〜13.56MHzであることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ処理方法。
  4. 前記被処理体は、ポリシリコン膜と、SiO2膜又は有機膜とを含み、
    前記エッチング工程は、前記SiO2膜又は前記有機膜をマスクとして前記処理ガスのプラズマにより前記ポリシリコン膜をエッチングすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のプラズマ処理方法。
  5. 前記被処理体は、SiO2膜と、有機膜又はポリシリコン膜とを含み、
    前記エッチング工程は、前記有機膜又は前記ポリシリコン膜をマスクとして前記処理ガスのプラズマにより前記SiO2膜をエッチングすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のプラズマ処理方法。
  6. 前記被処理体は、SiO2膜とポリシリコン膜との積層膜と、有機膜とを含み、
    前記エッチング工程は、前記有機膜をマスクとして前記処理ガスのプラズマにより前記積層膜をエッチングすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のプラズマ処理方法。
  7. 前記積層膜は、少なくとも24層以上積層されることを特徴とする請求項6に記載のプラズマ処理方法。
  8. 前記処理ガスは、臭素又は塩素と、フッ素と、酸素とを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のプラズマ処理方法。
  9. 前記処理ガスは、アルゴンをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のプラズマ処理方法。
  10. 前記処理ガスは、CF系ガスを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のプラズマ処理方法。
  11. 前記バイアス用電力は、500W〜3000Wであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載のプラズマ処理方法。
  12. 前記エッチング工程によってエッチングされた前記被処理体の中心位置のエッチングレートと、当該被処理体の中心位置から径方向に沿って周縁側に所定距離だけシフトした位置のエッチングレートとの差は、−1.2(nm/min)〜1.2(nm/min)であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載のプラズマ処理方法。
  13. 処理容器と、
    前記処理容器内に設けられ、被処理体の載置台として機能する下部電極と、
    前記下部電極に対向するように設けられた上部電極と、
    前記処理容器の内部を減圧するための排気部と、
    前記処理容器の内部に処理ガスを供給するためのガス供給部と、
    前記処理容器の内部に処理ガスを供給する工程と、前記処理容器の内部に供給された処理ガスのプラズマを生成するための電力であり、周波数が100MHz〜150MHzであるプラズマ生成用電力および、前記プラズマ生成用電力よりも周波数が低い電力であるバイアス用電力とを前記下部電極に供給する工程と、前記下部電極に供給される前記プラズマ生成用電力が一定に維持された状態で、デューティ比が10%〜70%となり、かつ、周波数が5kHz〜20kHzとなるように前記バイアス用電力をパルス変調しながら、前記処理ガスのプラズマにより被処理体をエッチングする工程とを実行する制御部と
    を備えたことを特徴とする容量結合型プラズマ処理装置。
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