JP2007522944A - 曲げ工程におけるプレートシートの曲げ角度を検知するための方法及び空圧装置 - Google Patents

Abstract

【課題】
【解決手段】本発明は、プレートシート用曲げプレス機、より詳細には、プレス機のパンチが母型ダイ上に配置されたシートへと作動される際にリアルタイムで曲げ角度を測定する装置及び方法に関する。
本方法では、プレートシートによって完全にあるいは部分的に閉塞される母型ダイの少なくとも２つの位置において少なくとも２つの圧縮空気流を生成する。曲げ工程中の圧力の変化が測定され、このような変化はサンプル圧力値と比較される。本装置は、４つのオリフィス（５，６）に給気する減圧機（ＲＰ）を有する圧縮空気システムと、相殺を行うサーボ制御装置（１５）と、を有する。
【選択図】図１

Description

本発明は、曲げ工程におけるプレートシートの曲げ角度を検知するための方法及び空圧装置に関する。

周知なように、曲げプレス機は様々な構成上の相違を有し得る。最も普及している曲げプレス機は、パンチを支持する可動テーブルと母型ダイを支持する固定テーブルとを有するものである。

移動テーブルは２つのライザーに沿って鉛直面内で移動可能であり、このような移動のために２つのライザーには２つの液圧シリンダが組み込まれている。

母型ダイ及びパンチは所望の曲げ角度に応じた異なる形状を有し、互換性がある場合には両方あるいは一方のみを交換可能である。

母型ダイにプレートシートが配置され、パンチがプレートシートに落下される。

曲げプレス機では、曲げ工程の終了時において、曲げ角度を、特に、この角度が所望の角度と一致しているか否かを検証することが主要な課題の１つとなっている。

実際、プレートでは、プレート自体の弾性による復帰により、パンチと母型ダイとによってつけられた角度が保持されないことが知られている。

この弾性によるプレートの復帰については、主に以下の３つの可変ファクターに依存しているため、確定が可能ではあるが困難である：
プレート厚、これはプレートシートの全ての位置にわたって一定ではない；
プレートを形成する材料；
プレートシートの積層の方向。

これらファクターは複数の同様なシート、複数の同様な機械加工についても変化し得るため、曲げられたプレートシート毎に、曲げ角度が所望の角度に一致しているか否か検証し、可能ならば新たなプレス加工について行う必要がある。

曲げ角度を検知するための機械的あるいは光学的なタイプの複数のシステムが従来知られており、最も精密なものでは４つの位置で測定を行う。

例えば、米国特許出願公開第４１３１００８号公報、伊国特許出願公開第１２９３３７４号公報、伊国特許出願公開第１２９４１４７号公報には機械的システムが開示されており、この機械的システムにはプレートの内面又は外面における曲げ角度を検知するためのフィーラー手段が設けられており、このフィーラー手段は１つあるいは２つの弾性的に変形する互いに独立したフォーク（ｆｏｒｋ）によって形成されている。

フォークが２つの場合には、一方のフォークを他方のフォーク内に、あるいは、両フォークを互いに並べて配置可能である。

フォークのビード（ｂｅａｄ）あるいはビット（ｂｉｔ）は、シートプレートに接触するように配置されている。

２つの弾性的に変形するフォークの下側は関連する位置変換機に接続されており、この位置変換機は曲げプレス機を制御する論理データ処理ユニットと接続されている。

独国特許出願公開第１０００６５１２号公報には、別の機械的なタイプのシステムが開示されており、このシステムでは、曲げ角度を検知するために２つのレバーが用いられ、これらレバーは、母型ダイを支点とし、回動によって１つの変換機を作動させる。

曲げ角度を検知するための別のシステムがベルギーの会社であるＬＶＤによって製造されており、このシステムでは母型ダイに近接して移動アームが設けられており、この移動アームは、２つのリンク機構によって支持され、曲げ工程において、末広がりのプレートの２つの翼部の内の１つの翼部と接触するようにセンサ手段を配置する。

センサ手段は、このようなアームに対して共軸に移動され、曲げプレス機の論理ユニットに検知データを提供する。

これら機械的なシステムは、全てのタイプの母型ダイには、特に、狭窄なスロットを有する母型ダイには、物理的にフォークを挿入するスペースがないため適用できず、不便である。

さらに、金属が加工される環境において常に存在し得る汚れあるいは金属のくずによって、フォークの移動が妨げられ得る。

国際公開第０１／２８７０６号パンフレットを参照し、この光学系には少なくとも１つの光線源が設けられており、この光線源は、制御されるシートの一部分へと２つのスポットあるいは１つの線状セグメントを投射するために用いられる。

曲げ角度は、投射された複数のスポットと、既知の光線の入射角、及び、既知の検知面間の距離から得られる。

２つの光線が通過するチャンネルによってパンチの強度が減少し、さらに、このようなチャンネルは、プレート上に存在するくず又は不純物によって容易に閉塞され得、これによって読み取りが妨げられ、信頼性が低下する。
米国特許出願公開第４１３１００８号公報 伊国特許出願公開第１２９３３７４号公報 伊国特許出願公開第１２９４１４７号公報 独国特許出願公開第１０００６５１２号公報 国際公開第０１／２８７０６号パンフレット

本発明の目的は、閉塞あるいは読み取りの妨害を回避することが可能なシステムにおいて曲げ角度を確実に決定することである。

これら及び他の目的は、複数の請求項の記載によって特徴付けられる本発明の方法及び装置によって全て達成される。

これら及び他の特徴は、以下の何ら限定を意図しない単なる例示である幾つかの実施形態の説明によってより適切に指摘されている。

図１を参照し、参照符号１は断面図において曲げプレス機の母型を指示しており、参照符号１０は母型ダイのスロットを指示している。

パンチ２は母型ダイの上方に設けられており、参照符号３はプレートシートを指示しており、プレートシートは、所望の線に沿って曲げられる必要があり、所定の曲げ角度に到達されなければならない。

この母型ダイの断面においては、鉛直プレス軸４に対して対称に配置されている２組の複数のオリフィスが認識されるであろう。

これら各組は、圧縮空気システムに通じている第１のオリフィス５と第２のオリフィス６とを有し、これら第１のオリフィス５と第２のオリフィス６には、母型ダイ本体に形成されている夫々のチャンネル７，８を介して給気がなされる。

圧縮空気システムのラインは９で示されており、圧縮空気システムは、圧力を予め定められた値で常時一定に維持する精密な減圧機ＲＰと、対称でバランスのとれた配管システムと、を有し、４つのオリフィスが完全に開放された場合にはこれら４つのオリフィスへと同一の流速で空気を送ることが可能である。

最も一般的な場合には、各ラインに圧力センサが挿入されており、圧力センサはその信号を信号変換機へと伝送し、信号変換機はデータ処理ユニットに接続可能であり、データ処理ユニットは、プレートの曲げ工程において常時、特に、パンチがその作動を停止し、母型ダイから離間されるまで、プレートが弾性により最終的な曲げ角度に復帰する間、想定されるプレートの位置、即ち、プレートの曲げ角度を演算可能である。

複数のオリフィスの配置は好ましくは図示されている配置であり、より詳細に説明すると、第１のオリフィス５は、外側オリフィスと称され、曲げられる前のプレートシートに垂直な方向に沿って鉛直に配置され、ほぼ、母型ダイ平面においてスロットに近接している。

第２のオリフィス６は、内側オリフィスと称され、スロット面に垂直に配置され、この面において第１のオリフィスから所定距離だけ離間して開口している。

即ち、２つのオリフィスは、プレートが可能な最大角度まで曲げられる際に、互いに異なるタイミングでプレートに接触する２つの面に配置されている。

図１に示されるように、プレートシートは、プレスサイクルの開始時においてオリフィス５を完全に閉塞しており、検知される圧力は最大となり、一方で、オリフィス６は完全に開放され、空気が自由に外部環境に放出されるため、圧力は最小となる。プレス工程が開始されると、図２を参照し、オリフィス５が開放され始め、一方で、オリフィス６はプレートの曲げにより閉塞され始める。

工程の最後には、オリフィス５は完全に開放され、一方で、オリフィス６は完全にあるいは部分的に閉塞される。

好ましい実施形態では、圧力検知装置は絶対的なタイプではなく、差分タイプであり、
外部オリフィスへと続くダクト内に対する内部オリフィスへと続くダクト内の圧力差を検出する。

弾性復帰工程中、プレートは母型ダイの２つのエッジ部において２つの角度をなして支持されており、プレートの曲げ角度の測定ではこれら両角度を考慮しなければならない。

このために、２つの別々の圧力差変換機が用いられ得、１つの圧力差変換機が１つの母型ダイのエッジ部に対応し、これらからの信号が組み合わせて処理され得る。

図示されている好ましい実施形態では、母型ダイの内部において、複数の外側オリフィスに同一のダクトが連通されており、また、複数の内側オリフィスに同一のダクトが連通されており、対称性に基づいて、これら複数の同一のダクトが２つの角度を測定する手段を形成しているため、単一の圧力差センサが用いられる。

検知された圧力の差を測定し、較正テーブルを参照することで、角度を測定することが可能であり、この較正テーブルは、システムにおける線形性の不可避な欠如を補正すると共に、給気される空気圧への依存性を考慮したものである。

好ましい実施形態のシステムでは、図４に示されるように空圧回路を改良することで、圧力減少の不確実性、及び、圧力センサのスケール誤差に起因する主要な測定誤差を回避可能である。

互いに分岐された２つのダクトが、圧力差センサＴＤＰに接続され、圧力調整ユニットＲＰによって給気されており、相殺装置が追加されており、この相殺装置は、サーボ位置決め装置１５に接続されているシャッター１４を有する１組の対称なオリフィス１３によって形成され、プレートが曲げられる際に母型ダイのエッジ部で生じるのとまったく同様に、２つのオリフィスについて空気の通過する領域を２つの反対の方向に沿って徐々に変化させる。

サーボ位置決め装置が圧力差センサＴＤＰによって検知される圧力差によって制御される場合には、圧力差が零になるように、即ち、母型ダイの複数のオリフィスにおける空気の通過する領域の相違が、相殺装置の複数のオリフィスにおける領域の相違によって完全に相殺されるように、サーボ位置決め装置が駆動される。

このように、プレートの角度はシャッターの到達位置に二次的に厳密に（ｂｉ−ｕｎｉｖｏｃａｌｌｙ）関連しており、このシャッターの到達位置は周知の様々なシステムによって非常に厳密に検知可能である。

例えば、プレス数値制御装置に接続される不図示の絶対エンコーダーを用いて位置が測定される。

例えば較正済みの二面角を母型ダイに配置してなされる初期較正の後、数値制御装置によってテーブルが形成され、このテーブルに基づいて、任意の時に、シャッターの位置からプレートの曲げ角度が得られ、逆もまた成り立つ。

代わって、シャッターが、曲げの終了時に到達する最小の角度に対応する固定位置に維持される場合には、圧力差センサＴＤＰによって得られる零値の近傍での圧力の変位を測定することにより、プレートの厚さの相違や弾性復帰による角度の変位を即時に測定することが可能となる。

機械加工装置においてツールとして母型ダイを用いても、代わってパンチを用いても、このような応用が可能であり、図４では、母型ダイのツールＵＭと置換可能なパンチツールＵＰが、曲げ角度を測定するための装置として点線で示されるように代わって接続されている。

オリフィスにおける圧力を制御する場合について明示して説明したが、可能な変形例では、検証されるパラメーターは圧縮空気の排出速度であってもよく、この速度値はプレートシートによるオリフィスの閉塞状態に応じて変化する。

単一の圧力測定システムが、夫々の空気給気ダクトに設けられている電磁弁から常時選択を行うことにより、異なる複数の母型ダイあるいはパンチに形成されている異なる複数の組のオリフィスに適用可能である。

曲げプレス機の母型ダイに適用された本装置を曲げ工程を開始する前において示す模式図。 図１の装置を曲げ工程の中間時において示す図。 図１の装置を曲げ工程の終了時において示す図。 精度を向上させる補助装置を有する測定システムの好ましい実施形態をブロックダイアグラムの形態で示す図。

Claims (11)

1. 曲げ線に沿って曲げられたプレートシートの曲げ角度を検知するための方法であって、
   曲げ工程中にプレートシートによって完全にあるいは部分的に閉塞される母型ダイの２つの位置において少なくとも２つの圧縮空気流を生成することと、
   曲げ工程中に２つの圧縮空気流間の圧力変化を測定することと、
   測定された圧力値を演算処理し、較正により得られた既定のサンプル値と比較することと、
   を具備する方法。
2. 曲げ工程前のプレートシートに垂直であり、シート支持平面に近接し母型ダイのグルーブに近接して母型ダイに配置されている第１の圧縮空気流と、スロット面に垂直な第２の圧縮空気流と、を有することを特徴とする請求項１に記載の方法。
3. 両スロット面への１組の圧縮空気流の圧力の測定が行われる、ことを特徴とする請求項１に記載の方法。
4. ２つの空気流間の圧力測定は、母型ダイの１組の複数のオリフィスへの２つの空気給気ダクトに接続されている差分タイプの圧力変換機によって行われる、ことを特徴とする請求項１に記載の方法。
5. 圧縮空気システムであって、その給気ラインにシステム減圧機が設けられている圧縮空気システムと、プレートシートに接触する母型ダイ面へと、母型ダイのグルーブの頂点を通る鉛直軸に対して対称な位置に設けられている２組の複数のオリフィスであって、複数のオリフィスの各々に夫々の圧縮空気流が給気される２組のオリフィスと、を具備する、ことを特徴とする曲げ角度を測定するための装置。
6. プレートの支持角度を測定する手段は、母型ダイのスロットの外側の２つのオリフィスとスロットそれ自体の内側の２つのオリフィスとを互いに連通することによって形成されている、ことを特徴とする請求項５に記載の装置。
7. ２つのオリフィスとシャッターとを有し、プレートの当接による母型ダイにおける複数のオリフィス間の閉塞状態の相違を外的に相殺可能なサーボ制御装置によって、２つの空気流間の圧力差がゼロ値で一定に維持可能である、ことを特徴とし、また、角度測定は外部相殺装置についての位置測定に相当する、ことを特徴とする請求項４に記載の方法。
8. 所与の曲げ角度に対する小さな変位を比較的容易に検知するために、サーボ制御装置が所与の角度に対応する位置に維持され、変換機により与えられるゼロ値の近辺の圧力差が測定される、ことを特徴とする請求項７に記載の方法。
9. 共通の圧縮空気給気ラインが、圧力差センサの零点誤差を補正可能とするように周期的に遮断される、ことを特徴とする請求項７に記載の方法。
10. 互いに異なる複数の母型ダイに形成されている互いに異なる複数の組の複数のオリフィスに対して、夫々の空気給気ダクトに設けられている電磁弁を用いて複数のオリフィスの複数の組から常時選択を行うことにより、単一の圧力測定システムを用いることが可能である、請求項１乃至４、７、及び、８のいずれか１項に記載の方法。
11. 曲げ角度の測定のための１組のオリフィスはパンチに形成されている、ことを特徴とする請求項１に記載の方法。

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