JP2007522083A - 7−置換カンプトテシンおよびカンプトテシン類似体ならびにそれらの調製方法 - Google Patents

7−置換カンプトテシンおよびカンプトテシン類似体ならびにそれらの調製方法 Download PDF

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Abstract

有効な抗腫瘍化合物であるカンプトテシン化合物の生成方法を開示している。これらの化合物は、酵素トポイソメラーゼIを阻害し、また結合したトポイソメラーゼI-DNA開裂可能錯体のDNAをアルキル化できる。

Description

本発明は、7-置換カンプトテシン化合物および7-置換カンプトテシン類似体の調製方法に関する。カンプトテシン(CPT)およびCPT類似体は、酵素トポイソメラーゼIを阻害し、かつ試験管内および生体内抗癌活性を有すると報告されている。活性を失うことなしに、CPTのC7に数多くの置換基を置くことができることが示されている(Redinbo et al.、Science 279、1504〜1513、1998)。
カンプトテシン(CPT)は天然産の細胞毒性アルカロイドであり、このアルカロイドは酵素トポイソメラーゼIを阻害することで知られ、また強力な抗腫瘍剤である。カンプトテシンは、下記に示した一般的環構造を有する。
Figure 2007522083
カンプトテシンは、WallらによりCamptotheca acuminataの木部および樹皮から単離された(Wall et al.、1966、J. Am. Chem. Soc.、88:3888)。
主な合成の取組みは、B-環をC7において誘導体化して、細胞毒性および生体内活性を改善することを対象としてきている。
カンプトテシン化合物の細胞毒性活性は、哺乳類の細胞におけるDNAおよびRNA合成を共に阻害しかつDNAの可逆的分裂をもたらす、これらの化合物の能力から生じると考えられる。トポイソメラーゼIは、正および負の超コイルDNAを共に弛緩させ、複製、転写、および組換えなどの種々のDNA相互作用に関係している。その酵素機序は、2つのDNAストランドの一方の過渡的切断、ならびに可逆的な共有結合性トポイソメラーゼI酵素-DNA錯体の生成を含むと考えられる。カンプトテシンは、「開裂可能錯体(cleavable complex)」と名付けられたこの酵素-DNA中間体を可逆的に捕捉することにより、DNA切断-再結合反応を妨げる。開裂可能錯体アッセイは、カンプトテシン化合物の可能な生体内細胞毒性活性を測定する標準的試験である。いくつかのタイプのヒトの癌内におけるトポイソメラーゼIを高レベルとし、また対応する正常組織内におけるトポイソメラーゼIを低レベルとすることにより、生物学的に活性なカンプトテシン類似体による腫瘍治療の基本をもたらしている。
米国特許第4894456号は、トポイソメラーゼIの阻害剤として作用し、また白血病(L-1210)の治療に有効であるカンプトテシン化合物を合成する方法を記述している。米国特許第5225404号は、カンプトテシン化合物により結腸腫瘍を治療する方法を開示している。
数多くのカンプトテシン化合物およびトポイソメラーゼIの阻害剤としてのそれらの使用が、米国特許第5053512号、米国特許第4981968号、米国特許第5049668号、米国特許第5106742号、米国特許第5180722号、米国特許第5244903号、米国特許第5227380号、米国特許第5122606号、米国特許第5122526号、および米国特許第5340817号により報告されている。
米国特許第4943579号は、いくつかのプロドラッグを生成させるためのカンプトテシンの20-位におけるヒドロキシル基のエステル化を開示している。この特許は、これらのプロドラッグが水溶性であり、加水分解により親カンプトテシン化合物に変換されることを、さらに開示している。
Wallらの米国特許第5646159号および第5916892号は、CPT化合物のC20アミノ酸エステルを開示している。
Wallらの米国特許第5932588号は、C7において、-CH2L(基中Lは、Cl、Br、Iである)、-OSO2CH3、-OSO2C6H4-CH3などのC7メチレン脱離基を有するCPT化合物を開示している。
Brangi et al.、Cancer Research、59、5938〜5946 December 1、1999は、癌細胞におけるカンプトテシン抵抗性の研究を報告し、また化合物ジフルオロ-10,11-メチレンジオキシ-20(S)-カンプトテシン、およびいくつかのC7-置換化合物を報告している。
Redinbo et al.、Science 279、1504〜1513、1998 Wall et al.、1966、J. Am. Chem. Soc.、88:3888 米国特許第4894456号 米国特許第5225404号 米国特許第5053512号 米国特許第4981968号 米国特許第5049668号 米国特許第5106742号 米国特許第5180722号 米国特許第5244903号 米国特許第5227380号 米国特許第5122606号 米国特許第5122526号 米国特許第5340817号 米国特許第4943579号 米国特許第5646159号 米国特許第5916892号 米国特許第5932588号 Brangi et al.、Cancer Research、59、5938〜5946 December 1、1999
しかし、7-置換カンプトテシン化合物を調製する方法への必要性が存在し続けている。(参考文献):Du et al.、Biorg. and Med. Chem. 10、103〜110(2002)、Dallavalle et al.、J. Med. Chem. 44、3264〜3274(2001)。
7-アルキル化合物を調製するためのSawada et al.、Chem. Pharm. Bull. 39、2574〜2580(1991)の手順は、C1−3アルキル化合物について十分な収率を示しているが、C4、C5、C6-アルキルについての収率は急速に悪くなっている。本発明者らは、オルトアミノベンゾニトリルまたは適正に置換したオルトアミノベンゾニトリルの、広く様々な有機金属試薬との反応により、広く様々なアルキルおよびアリールでC7-置換化合物を優れた収率において調製する新規な方法を明らかにしており、その方法は本出願において詳細に記述されるであろう。
したがって、本発明の一目的は、優れた収率における、かつSawadaらの手順(Sawada et al.、Chem. Pharm. Bull. 39、2574〜2580(1991))によって調製することができない7-置換カンプトテシン化合物を調製する方法であって、数多くの7-置換基に広く適用可能となるであろう方法を提供することである。
本発明の他の目的は、Sawadaらの手順によって作製することができない7-置換カンプトテシン化合物であって、sec-ブチル、tert-ブチル、シクロペンチル、p-フルオロフェニル、p-トリル、p-トリフルオロメチルフェニルなどの様々な7-置換基が含まれる化合物を提供することである。
本発明の他の目的は、7位置において種々の置換基を有する親油性カンプトテシン化合物を提供することである。
本発明の他の目的は、7-置換カンプトテシン化合物の投与によって、その治療を必要とする哺乳類における白血病または充実性腫瘍を治療する方法を提供することである。
本発明の他の目的は、DNA-トポイソメラーゼI錯体を7-置換カンプトテシン化合物と接触させることによって、酵素トポイソメラーゼIを阻害し、かつ/または結合したDNA-トポイソメラーゼIのDNAをアルキル化する方法を提供することである。
本発明のこれらおよび他の目的は、下記の式(I)または(II)の7-置換カンプトテシン化合物、およびそれらの塩の調製のための合成方法であって:
Figure 2007522083
[式中、
Xは、H、NH2、F、Cl、Br、アルキル、O-C1〜6アルキル、NH-C1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル)2、もしくはC1〜8アルキルであり、
あるいはXが-Z-(CH2)a-N-(C1〜6アルキル)2であり、但し、Zは、O、NH、およびSからなる群から選択され、aは、整数2または3であり、
あるいは、Xは、-CH2NR2R3であり、但し、(a)R2およびR3は、独立に水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキル-C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、ヒドロキシ-C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ-C1〜6COR4(但し、R4は水素、C1〜6アルキル、パーハロ-C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキル-C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、ヒドロキシ-C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルコキシ-C1〜6アルキルである)であり、または(b)R2とR3は、それらが結合している窒素原子と共に飽和3〜7員複素環を形成し、その環は、O、S、またはNR5基を含有していてもよく、ここで、R5は、水素、C1〜6アルキル、アリール;C1〜6アルキル、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルコキシ-C1〜6アルキルからなる群から選択された1つまたは複数の基で置換されたアリールであり、またR5は、アルキル、C1〜6アルコキシ、アリール、および1つまたは複数のC1〜6アルキル、C1〜6アルキル、またはC1〜6アルコキシ-C1〜6アルキル基で置換されたアリールであり、
Rは、C1〜30アルキル、置換C1〜30アルキル、C1〜30アルケニル、置換C1〜30アルケニル、C1〜30アルキニル、置換C1〜30アルキニル、C3〜30シクロアルキル、置換C3〜30シクロアルキル、C6〜18アリール、置換C6〜18アリール、C6〜18アリールアルキル、(C1〜30アルキル)3シリル、(C1〜30アルキル)3シリルC1〜30アルキルであり、
Yは、独立にHまたはFであり、
nは、整数1または2である]
i)式(III)または(IV)のオルトアミノシアノ芳香族化合物
Figure 2007522083
を有機金属試薬R-Mと反応させるステップと、
ii)得られた生成物を、式(VII)の20(S)三環式ケトン
Figure 2007522083
と縮合させるステップと
を含む方法によって可能になる。
別段の記載がない限り、本明細書において使用している用語「アルキル」は、炭素原子1〜30個、好ましくは1〜18個を、より好ましくは炭素原子1〜8個を有する、直鎖または分岐鎖アルキル基を意味しており、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、2-エチルヘキシル、n-ノニル、n-デシル、ウンデシル、ドデシル、ミリスチル、ヘプタデシル、およびオクタデシル基が含まれる。他に別段の記載がない限り、用語「アルキル」には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチル基などのC3〜30シクロアルキル基も含まれる。
「置換」は、1種または複数のヘテロ原子、および/またはハロゲン、および/または炭素原子1〜4個のアルキル基、および/または炭素原子2〜4個のアルケニルおよび/もしくはアルキニル基、および/または炭素原子3〜7個のシクロアルキル基、および/または炭素原子6〜12個のアリール基、および/またはヘテロアリール基で置換していることを意味し、またその場合、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基は1種または複数のヘテロ原子でさらに置換できる。それらの原子価が許容すれば、ヘテロ原子は、炭素鎖内においてか、または単結合もしくは二重結合による炭素鎖への結合によるかのいずれかで置換できる。例えば、-CH2-CH2-O-CH3、CH3-CH2-CH2O-、-CH2-CH2-C(=O)-NH2、CH3-CH2-C(O)-NH-、およびCF3-CC-は全てこの定義内に含まれる。
別段の記載がない限り、本明細書において使用している用語「アリール」は、芳香環構造内に炭素原子6〜18個、好ましくは炭素原子6〜10個を有する炭素環状の芳香環を意味する。この芳香環は、1種または複数のアルキル基、好ましくは炭素原子1〜10個を有するアルキル基により置換できる。特に好ましいアリール基はフェニルである。
別段の記載がない限り、本明細書において使用している用語「アラルキル」は、用語「アリール」について上記において定義したアリール基に結合した、用語「アルキル」について上記において定義した直鎖または分岐鎖アルキル基を意味する。好ましいアラルキル基は、ベンジル、フェネチルなどである。
本方法は、式IIIまたはIVのオルトアミノシアノフェニル化合物
Figure 2007522083
(式中、Yは、独立にHまたはFであり、nは、整数1または2であり、
Xは、H、NH2、F、Cl、Br、O-C1〜6アルキル、S-C1〜6アルキル、NH-C1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル)2、またはC1〜8アルキルであり、
あるいはXは-Z-(CH2)a-N-(C1〜6アルキル)2であり、但し、ZがO、NH、およびSからなる群から選択され、aは、整数2または3であり、
あるいは、Xは-CH2NR2R3であり、但し、(a)R2およびR3は、独立に水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキル-C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ-C1〜6COR4(但し、R4は水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキル-C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルコキシ-C1〜6アルキルである)であり、または(b)R2とR3は、それらが結合している窒素原子と共に飽和3〜7員複素環を形成し、その環は、O、S、またはNR5基を含有でき、ここで、R5は、水素、C1〜6アルキル、アリール;C1〜6アルキル、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、パーハロ-C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルコキシ-C1〜6アルキルからなる群から選択された1つまたは複数の基で置換されたアリールであり、またR5が水素、C1〜6アルキルC1〜6アルコキシ、アリール、および1つまたは複数のC1〜6アルキルまたはC1〜6アルコキシ-C1〜6アルキル基で置換されたアリールである)を、有機金属化合物R-Mと縮合させることにより実施できる。
式IおよびIIの化合物は、過度の実験なしで、当業者に知られている従来の方法によって調製できる。例えば、式(I)および(II)の化合物は一方が保護されたジアミンの酸化に続いて、アミン保護基を除去することにより調製できる。
適切な有機金属化合物の非限定的な例は、ハロゲン化シクロヘキシルマグネシウム、ハロゲン化アリルマグネシウム、ハロゲン化ビニルマグネシウム、ハロゲン化エチルマグネシウム、ハロゲン化4-フルオロフェニルマグネシウム、ハロゲン化イソプロペニルマグネシウム、ハロゲン化イソプロピルマグネシウム、ハロゲン化メチルマグネシウム、ハロゲン化エチニルマグネシウム、ハロゲン化シクロペンチルマグネシウム、ハロゲン化フェニルマグネシウム、ハロゲン化ベンジルマグネシウム、ハロゲン化プロピルマグネシウム、ハロゲン化1-プロピニルマグネシウム、ハロゲン化p-トリルマグネシウム、ハロゲン化o-トリルマグネシウム、ハロゲン化1-トリメチルシリメチルマグネシウム、ハロゲン化ヘキシルマグネシウム、ハロゲン化2-チオフェニルマグネシウム、ハロゲン化4-ジメチルアミノフェニルマグネシウム、ハロゲン化4-クロロ1-ブテニル2-マグネシウム、ハロゲン化p-メトキシルベンジルマグネシウム、ハロゲン化メトキシメチルマグネシウム、ハロゲン化p-トリフルオロメチルフェニルマグネシウム、およびハロゲン化p-クロロフェニルマグネシウムである。これらの有機金属試薬は、過度の実験なしで、当業者に知られている従来の方法によって調製できる。
式Iまたは式IIの化合物との有機金属試薬化合物の反応は、触媒の添加により促進できる。適切な触媒には、CuBr、CuCl、またはCuIが含まれるが、それらに限定されない。
式Iまたは式IIの化合物との有機金属試薬化合物の反応は、有機溶媒内で実施できる。使用される最も一般的な溶媒はエーテル、好ましくはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどである。
この反応は、0〜70℃から、好ましくは還流しているテトラヒドロフラン内で実施できる。
式IIIまたは式IVの化合物との有機金属試薬化合物の縮合の生成物は、構造VまたはVIのo-アミノケトンである。
Figure 2007522083
生成物o-アミノケトンは単離しかつ精製でき、または下記において記述するように三環式ケトン(VII)と直接反応できる。式VIIの三環式ケトンとの縮合により、7-置換カンプトテシンを生じる。
Figure 2007522083
式VIIの三環式ケトンは、参照によりその関連部分が本明細書に組み込まれている、Wallらの米国特許第5122526号により記述されているものなどの、当技術分野における通常の技術者に知られている従来の方法によって調製できる。
三環式ケトン(VII)との縮合は、酸触媒作用を受けた条件下で典型的に行われる。縮合反応の進行を助けるため、脱水を行うことが好ましい。
アミノケトンVまたはVIとの三環式ケトン(VII)の縮合は、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの適切な有機溶媒内において行うことができる。
オルトアミノケトンと三環式ケトンとのFriedlander反応は、好ましくは還流しているトルエン内で実施できる。
カンプトテシン化合物は、20-位に不斉炭素原子を有し、2つの鏡像異性体形態、すなわち(R)および(S)立体配置、を可能にしている。本発明には、両方の鏡像異性体形態、およびこれらの形態の任意の組合せまたは混合物が含まれる。本発明には、溶媒和物、水和物、多形相、塩などを含む、他の形態のカンプトテシン化合物も含まれる。特に好ましい化合物は、20-位において(S)立体配置を有するカンプトテシン誘導体である。
本出願全体にわたって、構造IまたはIIにおいて示した置換基Xにより多くのCPT化合物を定義しており、その構造IおよびIIではXを定義し、かつ多くの置換基を示す。RがC1〜5アルキルである単純な置換基の場合(Sawadaらの方法(Chem. Pharm. Bull.39、2574〜2580(1999))によって調製することができる)を除いて、本明細書において列挙している他の化合物は、従来の方法によって作製することができず、本発明者らの知識が及ぶ限り、本発明の方法の使用を要する。Sawadaらの方法を使用すると、アルキルの収率は段々低くなり、RがC5アルキルになると限界に達した。本明細書に示した全ての他のR置換基は、特に7-t-ブチル-10,11-メチレンジオキシ-CPT、7-トリメチルシリルメチル-10,11-メチレンジオキシ-CPT、7-ナフチルメチル-10,11-メチレンジオキシ-CPT、7-p-フルオロフェニル-10,11-メチレンジオキシ-CPT、7-p-トリフルオロメチル-10,11-メチレンジオキシ-CPT、および7-p-トリル-10,11-メチレンジオキシ-CPTなどの類似体は、グリニャール反応を伴う本方法によるだけで作製することができる。本方法により作製したいくつかの化合物は、並はずれた性質を示している。例えば、表1は、本特許が記述している方法によって作製しているいくつかの化合物の塩化メチレン溶解性を示す。例えば、本手順により作製した7-ブチル-10-アミノカンプトテシンは著しく親油性である。10-アミノカンプトテシンは、0.2mg/mlの溶解度を有する。しかし、7-n-ブチル-10-アミノカンプトテシンは、塩化メチレン中の140mg/mLの溶解度を有し、図らずもこの化合物は知られている最も親油性のカンプトテシンとなっている。いくつかの基により、7位置における親油性置換基が、トポイソメラーゼIの阻害における、また試験管内および生体内癌治療における優れた活性を有することが見出されている。
Figure 2007522083
細胞毒性の効力の増加についての(参考文献):Dallavale et al. Novel Cytotoxic 7-Aminomethyl and 7-Aminomethyl Derivatives of Camptothecin、Biorg. & Med. Chem.Lett. 11、291〜294(2001)、Bom et al.Novel A,B,E-Ring Modified Camptothecins Displaying High Lipophilicity and Markedly Improved Blood Stability、J. Med. Chem. 42、3018〜3022(1999)、Bom et al.Novel Silotecan 7-Tertbutyldimethylsilyl-10-hydroxycamptothecin Displays High Lipophilicity, Improved Human Blood Stability, and Potent Anticancer Activity、J. Med. Chem. 43、3970〜3980(2000)。
本発明者らは、いくつかのカンプトテシン類似体の親油性を確認する標準的方法を利用している。この方法は、塩化メチレン中の溶解度を含む。この溶媒は油溶性化合物向けの優れた溶媒である。唯一の例外と共に示すことができるが、7-ブチル置換基を有する化合物は、この置換基がない化合物よりもかなり可溶性である。すなわちカンプトテシンは0.6mg/mlの範囲までしか可溶性ではないが、7-ブチル-カンプトテシンは20mg/mlの溶解度を有する。10-アミノ-カンプトテシンは0.2mg/mlの範囲までしか可溶性ではない。非常に思いがけないことに、7-ブチル-10-アミノ-カンプトテシンは145mg/mlと非常に可溶性である。7-ペンチルもしくは7-ヘキシル置換基、または7-シクロペンチルもしくは7-シクロヘキシル置換基を有するカンプトテシン類似体が増加した溶解度を有するであろうことも考えられる。
特別な性質を有する他の化合物は、IC50 0.692を有する7-p-フルオロフェニル-10,11-メチレンジオキシカンプトテシンである。これに反して、10,11-メチレンジオキシ-CPTはIC50 1.24を有する。7-p-フルオロフェニル-10,11-メチレンジオキシカンプトテシンは、これまで作っている最も細胞毒性のある化合物である。
本発明の範囲内において、上記において示したカンプトテシン化合物のラクトン環を、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基(MOH)、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カルシウム、によって開環して、例えばアルキレンジオキシ化合物についてのみ例示している、カンプトテシン化合物の開環塩形態のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩を生成できる。
Figure 2007522083
開環化合物は、一般により良好な水中溶解度を有する。基Mは、任意の医薬的に許容可能なカチオンとすることができ、開環によって直接得られたか、または開環塩のカチオン交換によって得られたものである。適切な基には、Li+、Na+、K+、およびMg+2が含まれる。
本発明のC20OHCPT化合物は、参照によりその関連部分が本明細書に組み込まれている、Wallらの米国特許第5122526号により記述されているものなどの、当業者に知られている従来の方法によって調製できる。
C20におけるアミノ酸によるエステル化は、当業者に知られている従来の方法によって可能である。C20において形成される適切なエステルは、参照によりその関連部分が本明細書に組み込まれている、米国特許第6268375号中に記述されているものである。その文献中に記述されるものと同様な方法で、ニトロおよびアミノなどの基によるC9における置換も可能である。
C9において基-CH2-Lを有する本発明の化合物は、C9位置においてハロゲン、例えば臭素原子、を有する知られている20(S)-CPT化合物から調製される。ハロゲン原子は、CuCNとの反応により対応するシアノ類似体に容易に変換され、続いて加水分解により対応するカルボキシ類似体を形成することができる。このカルボキシ類似体は、対応するヒドロキシメチル類似体に還元されて、この類似体はPh3P-CCl4と反応して対応するクロロメチル類似体をもたらすことができる。このクロロメチル類似体は、LiBrまたはLiIを使用して、ブロモメチルおよびヨードメチル類似体に容易に変換させることができる。残余の本発明の化合物は、これらの化合物から、対応する酸塩化物、スルホニルクロリドなどとの反応により調製される。これらの反応は、当業者によく知られている。
LがBrまたはIである化合物は、ジメチルホルムアミド(DMF)溶液内においてLiBrまたはLiIを使用し、単純なハロゲン化物交換によってLがClである化合物から容易に調製される(Larock, R.C.、Comprehensive Organic Transformations、VCH Publishers, Inc.、337頁、N.Y. 1989)。
C20エステルは、カンプトテシン化合物の20-位ヒドロキシル基をエステル化して、水溶性部分を含有するエステルを生成させることにより調製できる。一般に、カンプトテシン化合物は最初塩化メチレンまたは他の不活性溶媒中に懸濁させ、攪拌し、かつ冷却する。冷却した混合物に1当量の、式HOOC-CH2-CH2-NR8R9を有する酸を添加する。但し、上式においてR8およびR9は、独立に水素、C1〜8アルキル、C(O)-(CH2)m-NR10R11(式中mは整数1〜6である)、または-C(O)CHR12NR13R14であり、但し、R12は、天然産のα-アミノ酸の1種の側鎖であり、またR10、R11、R13およびR14は、それぞれ独立に水素またはC1〜8アルキルである。適切な側鎖R12は、アミノ酸であるグリシン、α-アラニン、β-アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ロイシン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン、グルタミン、システイン、およびメチオニンの側鎖である。特に有用なエステルは、非常に水溶性のジヒドロクロリド塩を形成するペプチドであるβ-アラニン-リシンから調製することができる。この混合物に、1当量のジヒドロヘキシルカルボジイミド(DCC)、および触媒量のアミン塩基、好ましくは第二級もしくは第三級アミン、をも添加し、次いでこれを攪拌して反応を完結させる。濾過により、生成されるどんな沈殿をも除去し、また溶媒を除去した後生成物を単離する。
医薬的に許容可能な酸の添加によって、1種または複数の遊離アミンを、酸付加塩に変換できる。適切な酸には、有機酸および無機酸が共に含まれる。適切な付加塩には、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、パルモエート、サリチル酸塩、およびステアリン酸塩が含まれるが、それらに限定されない。この塩は、適切な溶媒からの晶出により精製できる。
カンプトテシン化合物は、腫瘍の成長を阻害するのに有効である用量で投与する。本明細書において使用する、有効な量のカンプトテシン化合物は、腫瘍の成長を阻害するであろう、すなわち、腫瘍をカンプトテシン化合物で治療していない対照標準に対して、成長している腫瘍の部位を縮小させるであろう量の化合物を意味することを意図している。これらの有効な量は、一般に1週間当り約1〜60mg/体重kg、好ましくは1週間当り約2〜20mg/kg、である。
本発明の化合物は、カンプトテシン化合物と、医薬的に許容可能な担体または希釈剤とを含有する医薬組成物として投与できる。この活性物質は、所望の作用を付与しない、かつ/または所望の作用を補う他の活性物質と混合することもできる。本発明による活性物質は、液体または固体の形態で任意の経路により、例えば経口的に、非経口的に、静脈内的に、皮内的に、皮下的に、または局所的に投与することができる。
非経口的治療投与の目的で、本活性物質は、溶液または懸濁液として混和できる。この溶液または懸濁液には、下記の成分:注射用水、食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の合成溶媒などの無菌希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウムなどの酸化防止剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート化剤;酢酸塩、クエン酸塩、またはリン酸塩などの緩衝剤、および、塩化ナトリウムまたはブドウ糖などの等張化剤、が含まれてよい。非経口的調製物は、ガラスまたはプラスチック製のアンプル、使い捨て注射器、または多用量バイアル中に封入することができる。
本発明の化合物の他の投与方法は、経口的方法である。経口組成物には、一般に不活性希釈剤または可食担体が含まれるであろう。経口的治療用投与の目的で、前述の化合物は賦形剤と混和でき、また錠剤、ゼラチン質カプセル剤、トローチ、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁液、シロップ剤、ウェハ、チューインガムなどの形態で使用できる。組成物は、医薬組成物の製造向けに当技術分野で知られている任意の方法で調製でき、またこのような組成物は、甘味料、香味剤、着色剤、および保存剤からなる群から選択した1種または複数の薬剤を含有できる。錠剤の製造に適している無毒性の医薬的に許容可能な賦形剤と混和して活性成分を含有する錠剤は、許容可能である。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;トウモロコシデンプン、またはアルギン酸などの造粒および崩壊剤;デンプン、ゼラチン、またはアラビアゴムなどの結合剤;およびステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクなどの滑剤とすることができる。錠剤は無被覆とすることができ、または胃腸管内における崩壊および吸着を遅らせ、それにより長期間にわたり持続する作用をもたらすため、知られている技術により被覆できる。例えば、モノステアリン酸グリセリルもしくはジステアリン酸グリセリル単独、またはワックス併用による、などの時間遅延物質を使用できる。経口使用向け製剤は、活性成分を不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリン、と混合している硬質ゼラチン質カプセル剤として、あるいは、活性成分を水、またはラッカセイ油、流動パラフィンもしくはオリーブ油などの油媒質と混合している軟質ゼラチン質カプセル剤として、提供することもできる。
錠剤、丸薬、カプセル剤、トローチなどは、下記の成分:微結晶セルロース、トラガカントゴム、またはゼラチンなどの結合剤;デンプンまたはラクトースなどの賦形剤;アルギン酸、Primogel、コーンスターチなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムまたはSterotesなどの滑剤;コロイド状二酸化ケイ素などの滑沢剤;ならびに、スクロースもしくはサッカリンなどの甘味剤、またはペパーミント、サリチル酸メチルもしくはオレンジ香料などの香味剤、を添加できる。用量単位形態がカプセル剤である場合、カプセル剤は、上記のタイプの物質のほかに、脂肪油などの液体担体を含有できる。他の用量単位形態は、例えばコーティングとして、その用量単位の物理的形態を変更する他の種々の物質を含有できる。したがって、錠剤または丸薬は、糖、セラック、または他の腸内被覆剤で被覆できる。シロップ剤は、活性化合物のほかに、甘味剤としてのスクロース、およびある種の保存剤、染料および着色剤、ならびに香味剤を含有できる。これらの種々の組成物を調製するのに使用する物質は、医薬的にまたは獣医学的に純粋な、かつ使用する量において無毒性のものとすべきである。
本発明の水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混和して活性物質を含有する。このような賦形剤には、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、およびアラビアゴムなどの懸濁剤;ならびに、天然産ホスファチド(例えばレシチン)、脂肪酸とのアルキレンオキシドの縮合生成物(例えばポリオキシエチレンステアレート)、長鎖脂肪族アルコールとのエチレンオキシドの縮合生成物(例えばヘプタデカエチレンオキセタノール)脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルとのエチレンオキシドの縮合生成物(例えばポリオキシエチレンソルビトールモノ-オレエート)、または脂肪酸および無水ヘキシトール由来の部分エステルとのエチレンオキシドの縮合生成物(例えばポリオキシエチレンソルビタンモノ-オレエート)などの分散または湿潤剤、が含まれる。この水性懸濁液は、エチルもしくはn-プロピルp-ヒドロキシベンゾエートなどの1種または複数の保存剤、1種または複数の着色剤、1種または複数の香味剤、および、スクロース、アスパルテーム、サッカリン、またはスクラロースなどの1種または複数の甘味剤、をも含有できる。
活性成分を、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、またはヤシ油などの植物油中に、または流動パラフィンなどの鉱油中に懸濁させることにより、油懸濁液を製剤できる。この油懸濁液は、みつろう、硬質パラフィン、またはセチルアルコールなどの増粘剤を含有できる。口当りのよい経口調製物を提供するため甘味剤を添加できる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤の添加により保存できる。
水の添加により水性懸濁液を調製するのに適した、本発明の分散可能な粉末および顆粒は、分散、懸濁、および/もしくは湿潤剤、ならびに1種または複数の保存剤と混和した活性成分から製剤できる。適切な分散または湿潤剤、および懸濁剤は、上記において開示したものにより例示している。追加的な賦形剤、例えば甘味、芳香および着色剤も存在できる。
本発明の医薬組成物は、水中油型エマルションの形態としてもよい。油相は、オリーブ油もしくはラッカセイ油などの植物油、流動パラフィンなどの鉱油、またはこれらの混合物とすることができる。適切な乳化剤には、アラビアゴムおよびトラガカントゴムなどの天然産ガム、ダイズレシチンなどの天然産ホスファチド、ソルビタンモノオレエートなど脂肪酸およびヘキシトール無水物から由来するエステルまたは部分エステル、ならびに、ポリオキシエチレンソルビタンモノ-オレエートなどこれらの部分エステルのエチレンオキシドとの縮合生成物、が含まれる。このエマルションは、甘味および香味剤を含有することもできる。
シロップ剤およびエリキシル剤は、グリセロール、ソルビトール、またはスクロースなどの甘味剤により製剤できる。このような製剤は、粘滑剤、保存剤、芳香および着色剤を含有することもできる。
本発明の医薬組成物は、無菌注射用水性または油性懸濁液などの無菌注射用調製物の形態とすることができる。この懸濁液は、上記において言及している適切な分散または湿潤剤、および懸濁剤を使用して、知られている技術により製剤できる。この無菌注射用調製物は、1,3-ブタンジオールの溶液などの無毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒中の無菌注射用溶液または懸濁液とすることもできる。使用できる許容可能な賦形剤および溶媒を挙げると、水、および、等張性塩化ナトリウムであるリンゲル液である。さらに、溶媒または懸濁媒として無菌不揮発性油を従来通り使用できる。この目的で、合成モノ-またはジグリセリドを含む、任意のブランドの不揮発性油を使用できる。さらに、注射液の調製においてオレイン酸などの脂肪酸を同様に使用できる。滅菌は、無菌濾過、放射線照射、または最終滅菌(例えばオートクレーブ処理)などの当業者に知られている従来の方法により実施できる。
水性製剤(すなわち水中油型エマルション、シロップ剤、エリキシル剤、および注射用調製物)は、最適な安定性のあるpHを達成するために製剤できる。最適なpHの測定は当業者に知られている従来の方法により実施できる。適切な緩衝液を使用して、製剤のpHを維持することもできる。
本発明の化合物は、医薬品を直腸投与するための坐薬の形態でも投与できる。医薬品を、常温で固体であるが直腸温度で液体であり、したがって直腸内で融解して医薬品を放出するであろう適切な無刺激性賦形剤と混合することによりこれらの組成物を調製することができる。このような物質の非限定的な例は、カカオ脂、およびポリエチレングリコールである。
本発明の化合物は、鼻腔内、眼内、膣内、および直腸内経路によっても投与でき、坐薬、吸入、粉末、およびエーロゾル製剤が含まれる。
本発明の化合物は、リポソームまたはミクロベシクル製剤の形態でも投与できる。リポソームは、脂質またはポリマー膜内に液体をカプセル封入しているミクロベシクル(微小小胞)である。リポソーム、およびリポソームを調製する方法は知られており、例えば米国特許第4452747号、米国特許第4448765号、米国特許第4837028号、米国特許第4721612号、米国特許第4594241号、米国特許第4302459号、および米国特許第4186183号中において記述されている。これらの米国特許の開示は、参照により本明細書に組み込まれている。本発明において使用するための適切なリポソーム調製物は、WO-9318749-A1、J-02056431-A、およびEP-276783-A中においても記述されている。
カンプトテシン化合物は、腫瘍の成長を抑制するために、個別に使用できる。別法として、2つ以上のカンプトテシン化合物の組合せ、または1種または複数の知られている抗腫瘍化合物との1種または複数のカンプトテシン化合物の組合せを使用できる。カンプトテシン化合物を従来の抗腫瘍化合物と組み合せる場合、カンプトテシン化合物は、カンプトテシン化合物と従来の抗腫瘍化合物とを組み合せた量の約1〜99重量%、好ましくは5〜95重量%の範囲にある量で一般に存在するであろう。上記に挙げている医薬組成物は、許容可能な担体または希釈剤と一緒に、これらの化合物の組合せ物を含有できる。
本発明のエステル化合物は、ヒトを含む哺乳類における白血病および充実性腫瘍を治療するために投与できる。本発明のエステルは、トポイソメラーゼIへの阻害活性を示すカンプトテシン化合物に加水分解されるプロドラッグである。本発明のエステルの加水分解により生成されるカンプトテシン化合物も、哺乳類における白血病および充実性腫瘍を治療するのに有効である。標準L1210白血病アッセイ(Wall et al.(1993)、Journal of Medicinal Chemistry、36:2689〜2700)を使用して、数多くのカンプトテシン化合物が白血病に対して有効であることが示されている。カンプトテシンおよびカンプトテシン類似体の高活性も、P388白血病アッセイ(Wall (1983)、Medical and Pediatric Oncology、11:480A〜489A)中に示されている。後者の参考文献は、充実性腫瘍に対するカンプトテシン化合物の効力との、L1210およびP388白血病アッセイで測定した抗白血病活性との間の相関関係をも提供している。白血病アッセイにおいて活性と報告された化合物は、結腸異種移植片、肺異種移植片、ウォーカー肉腫、および乳房異種移植片を含む、いくつかの充実性腫瘍における活性をも実証している(Wall(1983)、表IV、484A頁)。最近の研究により、カンプトテシン化合物のトポイソメラーゼI阻害活性と抗白血病/抗腫瘍活性との間の相関関係が確認されている(Giovanella et al.(1989)、Science、246:1046〜1048)。本発明の化合物は、結腸、肺、乳房、および卵巣の充実性腫瘍、脳神経膠腫、および白血病の治療において、特に有効である。これらの化合物は、マラリアを治療するのにも使用できる。
適正なグリニャール試薬をニトリルと反応させ、かつその生成物を加水分解させる一般的手順に従って、使用される種々のアミノケトンを作製した。
(実施例1)
2-アミノ-4,5-メチレンジオキシ-フェニルベンジルメタノン
THF(40mL)中における1.5g(10.0ミリモル)の2-アミノ-4,5-メチレンジオキシ-ベンゾニトリルの攪拌した溶液に、CuBr(50mg、0.34ミリモル)と塩化ベンジルマグネシウム(40mL、Et2O中の1.0M溶液)とを添加した。反応混合物を12時間還流させた。25℃まで冷却した後、H2O(5mL)を添加し、続いて15%H2SO4(15mL)を添加した。14時間攪拌した後、エーテル(50mL)を添加した。有機層を分離した。水性層についてエーテルで抽出を行った(2×50mL)。集合した有機層を乾燥し、蒸発させた。クロマトグラフィ(シリカゲル、CHCl3)に従い、1.2g(52%)の主題の化合物が得られた。IR(CHCl3) 1675cm-1 MS m/z 255(M+)。
(実施例2)
7-ベンジル-10,11-MD-20(S)-カンプトテシン
トルエン(100mL)中におけるS-三環式ケトン(1.0g、4.2ミリモル)、2-アミノ-4,5-メチレンジオキシ-フェニルベンジルメタノン(1.1g、4.3ミリモル)、酢酸(1mL)、p-TsOH(50mg)の混合物を15時間還流させた。溶媒を除去した後、粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、CHCl3)により精製して、クリーム状粉末として生成物をもたらした(1.33g、66%)。1H-NMR (DMSO-d6) δ0.89 (t, 3H)、1.91 (m, 2H)、4.62 (s, 2H)、5.22 (s, 2H)、5.41 (s, 2H)、6.10 (s, 2H)、6.50 (s, IH)、6.90〜7.10 (m, 5H)、7.21 (s, IH)、8.07 (s, IH)、8.22 (s, IH); MS: m/z 483 (M+1)+
(実施例3)
7-トリメチルシリルメチル-10,11-MD-20(S)-カンプトテシン
実施例1および2において記述した手順と同様の手順に従って、かつグリニャール試薬として塩化トリメチルシリルマグネシウムの使用を含み、主題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6 + CDCl3) δ0.87 (t, 3H)、1.83 (m, 2H)、2.28 (s, 2H)、5.11 (s, 2H)、5.37 (s, 2H)、6.25 (s, 2H)、6.47 (s, 1H)、7.20 (s, 1H)、7.43 (s, 1H)、7.48 (s, 1H)。MS m/z 478 (M+)。
(実施例4)
7-t-ブチル-10,11-MD-20(S)-カンプトテシン
実施例1および2において記述した手順と同様の手順に従って、かつグリニャール試薬として塩化t-ブチルマグネシウムの使用を含み、主題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6): δ0.88 (t, 3H)、1.77 (s, 9H)、1.91 (m, 2H)、5.40 (s, 2H)、5.55 (s, 2H)、6.25 (s, 2H)、6,50 (s, 1H)、7.22 (s, 1H)、7.44 (s, 1H)、7.56 (s, 1H)。MS m/z 448 (M+)。
(実施例5)
7-ベンジル-20(S)-カンプトテシン
実施例1および2において記述した手順と同様の手順に従って、かつ塩化ベンジルマグネシウムおよびオルトアミノベンゾニトリルの使用を含み、主題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ0.89 (t, 3H)、1.92 (m, 2H)、4.62 (s, 2H)、5.20 (s, 2H)、5.38 (s, 2H)、6.58 (s, 1H)、7.1〜7.3 (m, 5H)、7.35 (s, 1H)、7.68 (t, 1H)、7.84 (t, 1H)、8.18 (d, 1H)、8.29 (d, 2H)。MS m/z 439 (M+1)+
(実施例6)
7-ベンジル-10,11-DFMD-20(S)-カンプトテシン
実施例1および2において記述した手順と同様の手順に従って、かつ2-アミノ-3,4-ジフルオロメチレンジオキシベンゾニトリル、および塩化ベンジルマグネシウムの使用を含み、主題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6): δ0.85 (t, 3H)、1.82 (m, 2H)、4.60 (s, 2H)、5.29 (s, 2H)、5.39 (s, 2H)、6.51 (s, 1H)、6.88〜7.12 (m, 5H)、8.08 (s, 1H)、8.26 (s, 1H)。MS m/z 518 (M+)。
(実施例7)
7-ベンジル-10-ヒドロキシ-20(S)-カンプトテシン
実施例1および2において記述した手順と同様の手順に従って、かつ適正に保護したオルトアミノシベンゾニトリル、および塩化ベンジルマグネシウムの使用を含み、主題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6): δ0.89 (t, 3H)、1.86 (m, 2H)、4.57 (s, 2H)、5.25 (s, 2H)、5.41 (s, 2H)、6.5 (s, 1H)、7.05〜7.19 (m, 5H)、7.23 (s, 1H)、7.30 (s, 1H)、7.36 (d, 1H)、7.92 (d, 1H)、10.29 (s, 1H)。MS m/z 454 (M+)。
(実施例8)
7-p-フルオロフェニル-10,11-MD-20(S)-カンプトテシン
実施例1および2において記述した手順と同様の手順に従って、かつ臭化p-フルオロフェニルマグネシウムの使用を含み、主題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6): δ0.91 (t, 3H)、1.86 (m, 2H)、5.00 (2H)、5.43 (s, 2H)、6.30 (s, 2H)、6.55 (s, 1H)、6.99 (s, 1H)、7.29 (s, 1H)、7.52〜7.75 (m, 5H。MS: m/z 486 (M+)。
(実施例9)
7-p-クロロフェニル-10,11-MD-20(S)-カンプトテシン
実施例1および2において記述した手順と同様の手順に従って、かつ臭化p-クロロフェニルマグネシウムの使用を含み、主題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6): δ0.93 (t, 3H)、1.89 (m, 2H)、5.08 (s, 2H)、5.46 (s, 2H)、6.33 (s, 2H)、6.55 (s, 1H)、7.05 (s, 1H)、7.34 (s, 1H)、7.67 (s, 1H)、7.71 (d, 2H)、7.79 (d, 2H)。MS: m/z 502 (M+)。
(実施例10)
7-p-トリル-10,11-MD-20(S)-カンプトテシン
実施例1および2において記述した手順と同様の手順に従って、かつ臭化p-トリルマグネシウムの使用を含み、主題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6): δ0.85 (t, 3H)、1.82 (m, 2H)、2.45 (s, 3H)、4.94 (s, 2H)、5.39 (s, 2H)、6.24 (s, 2H)、6.49 (s, 1H)、6.97 (s, 1H)、7.24 (s, 1H)、7.44 (m, 4H)、7.83 (s, 1H)。MS: m/z 482 (M+)。
(実施例11)
7-シクロヘキシル-10,11-MD-20(S)-カンプトテシン
実施例1および2において記述した手順と同様の手順に従って、かつ臭化シクロヘキシルマグネシウムの使用を含み、主題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6 + CDCl3) δ0.86 (t, 3H)、1.2〜1.95 (m, 12H)、2.42 (m, 1H)、5.20 (s, 2H)、5.36 (s, 2H)、6.25 (s, 2H)、6.48 (s, 1H)、7.15 (s, 1H)、7.42 (s, 1H)、7.66 (s, 1H)。MS: m/z 474 (M+)。
(実施例12)
7-n-ヘキシル-10,11-MD-20(S)-カンプトテシン
実施例1および2において記述した手順と同様の手順に従って、かつ臭化n-ヘキシルマグネシウムの使用を含み、主題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6 + CDCl3): δ0.84〜1.89 (m, 15H)、2.63 (m, 2H)、5.19 (s, 2H)、5.34 (s, 2H)、6.26 (s, 2H)、6.49 (s, 1H)、7.16 (s, 1H)、7.39 (s, 1H)、7.68 (s, 1H)。MS: m/z 476 (M+)。
(実施例13)
7-p-トリフルオロメチルフェニル-10,11-MD-20(S)-カンプトテシン
実施例1および2において記述した手順と同様の手順に従って、かつ臭化p-トリフルオロメチルフェニルマグネシウムの使用を含み、主題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6 + CDCl3): δ0.89 (t, 3H) 1.87 (m, 2H)、5.08 (s, 2H)、5.41 (s, 2H)、6.29 (s, 2H)、6.57 (s, 1H)、7.01 (s, 1H)、7.30 (s, 1H)、7.48〜8.06 (m, 5H)。MS: m/z 536 (M+)。
(実施例14)
7-n-ブチル-10-アミノ-20(S)-カンプトテシン
実施例1および2において記述した手順と同様の手順に従って、かつ2,5-ジアミノベンゾニトリルおよび臭化n-ブチルマグネシウムの使用を含み、主題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6): δ0.86 (t, 3H)、0.95 (t, 3H)、1.42〜1.86 (m, 6H)、2.97 (m, 2H)、5.19 (s, 2H)、5.39 (s, 2H)、5.94 (s, 2H)、6.44 (s, 1H)、7.04 (s, 1H)、7.15 (s, 1H)、7.22 (d, 1H)、7.82 (d, 1H)。MS: m/z 419 (M+)。
明らかに、上記の教示に照らして、本発明の数多くの修正および変形が可能である。したがって、添付している特許請求範囲の範囲内において、本明細書において具体的に記述されているものと別の方法で本発明を実施できることが理解されるべきである。

Claims (20)

  1. 式(I)または(II)の7-置換カンプトテシン化合物、およびそれらの塩の調製方法であって:
    Figure 2007522083
    [式中、
    Xは、H、NH2、H、F、Cl、Br、O-C1〜6アルキル、S-C1〜6アルキル、NH-C1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル)2、またはC1〜8アルキルであり、
    あるいは、Xは、-Z-(CH2)a-N-(C1〜6アルキル)2であり、但し、Zは、O、NH、およびSからなる群から選択され、aは、整数2または3であり、
    あるいは、Xは、-CH2NR2R3であり、但し、(a)R2およびR3は、独立に水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキル-C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ-C1〜6COR4(但し、R4は水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキル-C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルコキシ-C1〜6アルキルである)であり、または(b)R2とR3は、それらが結合している窒素原子と共に飽和3〜7員複素環を形成し、その環は、O、S、またはNR5基を含有していてもよく、ここでR5は、水素、C1〜6アルキル、アルキル、アリール;C1〜6アルキル、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルコキシ-C1〜6アルキルからなる群から選択された1つまたは複数の基で置換されたアリール;C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、アリール、および1つまたは複数のC1〜6アルキルまたはC1〜6アルコキシ-C1〜6アルキル基で置換されたアリールであり、
    Rは、C1〜30アルキル、置換C1〜30アルキル、C1〜30アルケニル、置換C1〜30アルケニル、C1〜30アルキニル、置換C1〜30アルキニル、C3〜30シクロアルキル、置換C3〜30シクロアルキル、C6〜18アリール、置換C6〜18アリール、C6〜18アリールアルキル、(C1〜30アルキル)3シリル、または(C1〜30アルキル)3シリルC1〜30アルキルであり、
    Yは、独立にHまたはFであり、
    nは、整数1または2である]、
    i)式(III)または(IV)のオルトアミノシアノ芳香族化合物
    Figure 2007522083
    を有機金属試薬R-Mと反応させるステップと、
    ii)得られた生成物を、式(VII)の20(S)三環式ケトン
    Figure 2007522083
    と縮合させるステップと
    を含む方法。
  2. R-Mが、ハロゲン化シクロヘキシルマグネシウム、ハロゲン化アリルマグネシウム、ハロゲン化ビニルマグネシウム、ハロゲン化エチルマグネシウム、ハロゲン化4-フルオロフェニルマグネシウム、ハロゲン化イソプロペニルマグネシウム、ハロゲン化イソプロピルマグネシウム、ハロゲン化メチルマグネシウム、ハロゲン化エチニルマグネシウム、ハロゲン化シクロペンチルマグネシウム、ハロゲン化フェニルマグネシウム、ハロゲン化ベンジルマグネシウム、ハロゲン化プロピルマグネシウム、ハロゲン化1-プロピニルマグネシウム、ハロゲン化p-トリルマグネシウム、ハロゲン化o-トリルマグネシウム、ハロゲン化1-トリメチルシリメチルマグネシウム、ハロゲン化ヘキシルマグネシウム、ハロゲン化2-チオフェニルマグネシウム、ハロゲン化4-ジメチルアミノフェニルマグネシウム、ハロゲン化4-クロロ1-ブテニル2-マグネシウム、ハロゲン化p-メトキシルベンジルマグネシウム、ハロゲン化メトキシメチルマグネシウム、およびハロゲン化p-クロロフェニルマグネシウム、ハロゲン化n-ブチルマグネシウム、ハロゲン化s-ブチルマグネシウム、ハロゲン化t-ブチルマグネシウム、ならびにハロゲン化p-トリフルオロメチルフェニルマグネシウムからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記オルトアミノシアノ芳香族化合物が式(III)の化合物であり、R-Mがハロゲン化n-ブチルマグネシウムであり、R7がn-ブチルである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記オルトアミノシアノ芳香族化合物が式(III)の化合物であり、R-Mがハロゲン化ベンジルマグネシウムであり、R7がベンジルである、請求項2に記載の方法。
  5. 前記オルトアミノシアノ芳香族化合物が式(III)の化合物であり、R-Mがハロゲン化p-トリルマグネシウムであり、R7がp-トリルである、請求項2に記載の方法。
  6. 前記オルトアミノシアノ芳香族化合物が式(III)の化合物であり、R-Mがハロゲン化4-フルオロフェニルマグネシウムであり、R7が4-フルオロフェニルである、請求項2に記載の方法。
  7. 前記オルトアミノシアノ芳香族化合物が式(III)の化合物であり、R-Mがハロゲン化p-クロロフェニルマグネシウムであり、R7がp-クロロフェニルである、請求項2に記載の方法。
  8. 前記オルトアミノシアノ芳香族化合物が式(III)の化合物であり、R-Mがハロゲン化p-トリフルオロメチルフェニルマグネシウムであり、R7がp-トリフルオロメチルフェニルである、請求項2に記載の方法。
  9. 前記オルトアミノシアノ芳香族化合物が式(IV)の化合物であり、R-Mがハロゲン化n-ブチルマグネシウムであり、R7がn-ブチルである、請求項2に記載の方法。
  10. 前記オルトアミノシアノ芳香族化合物が式(IV)の化合物であり、R-Mがハロゲン化s-ブチルマグネシウムであり、R7がs-ブチルである、請求項2に記載の方法。
  11. 前記オルトアミノシアノ芳香族化合物が式(IV)の化合物であり、R-Mがハロゲン化t-ブチルマグネシウムであり、R7がt-ブチルである、請求項2に記載の方法。
  12. 式(I)または(II)の7-置換カンプトテシン化合物、およびそれらの塩:
    Figure 2007522083
    [式中、
    Xは、H、NH2、H、F、Cl、Br、O-C1〜6アルキル、S-C1〜6アルキル、NH-C1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル)2、またはC1〜8アルキルであり、
    あるいは、Xは、-Z-(CH2)a-N-(C1〜6アルキル)2であり、但し、Zは、O、NH、およびSからなる群から選択され、aは、整数2または3であり、
    あるいは、Xは、-CH2NR2R3であり、但し、(a)R2およびR3は、独立に水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキル-C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ-C1〜6COR4(但し、R4は水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキル-C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルコキシ-C1〜6アルキルである)であり、または(b)R2とR3は、それらが結合している窒素原子と共に飽和3〜7員複素環を形成し、その環は、O、S、またはNR5基を含有していてもよく、ここで、R5は、水素、C1〜6アルキル、アルキル、アリール;C1〜6アルキル、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルコキシ-C1〜6アルキルからなる群から選択された1つまたは複数の基で置換されたアリール;C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、アリール、および、1つまたは複数のC1〜6アルキルまたはC1〜6アルコキシ-C1〜6アルキル基で置換されたアリールであり、
    Rは、C7〜30アルキル、置換C1〜30アルキル、C1〜30アルケニル、置換C1〜30アルケニル、C1〜30アルキニル、置換C1〜30アルキニル、C3〜30シクロアルキル、置換C3〜30シクロアルキル、C6〜18アリール、置換C6〜18アリール、C6〜18アリールアルキル、(C1〜30アルキル)3シリル、または(C1〜30アルキル)3シリルC1〜30アルキルであり、
    Yは、独立にHまたはFであり、
    また
    nは、整数1または2である]。
  13. Rが、シクロヘキシル、アリル、ビニル、4-フルオロフェニル、エチニル、シクロペンチル、フェニル、ベンジル、1-プロピニル、p-トリル、o-トリル、1-トリメチルシリメチル、ヘキシル、2-チオフェニル、4-ジメチルアミノフェニル、2-(4-クロロ1-ブテニル)、p-メトキシルベンジル、メトキシメチル、p-クロロフェニル、s-ブチル、t-ブチル、およびp-トリフルオロメチルフェニルからなる群から選択される、請求項12に記載の7-置換カンプトテシン化合物。
  14. Rがベンジルである、請求項13に記載の7-置換カンプトテシン化合物。
  15. Rがp-トリルである、請求項13に記載の7-置換カンプトテシン化合物。
  16. Rがp-フルオロフェニルである、請求項13に記載の7-置換カンプトテシン化合物。
  17. Rがp-クロロフェニルである、請求項13に記載の7-置換カンプトテシン化合物。
  18. Rがp-トリフルオロメチルフェニルである、請求項13に記載の7-置換カンプトテシン化合物。
  19. Rがs-ブチルである、請求項13に記載の7-置換カンプトテシン化合物。
  20. Rがt-ブチルである、請求項13に記載の7-置換カンプトテシン化合物。
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