JP2007510793A - シリコーン組成物及びポリマー分散液晶 - Google Patents

シリコーン組成物及びポリマー分散液晶 Download PDF

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Abstract

2つのパラフェニレン基を含有する液晶と相溶化剤とを含むシリコーン組成物、並びに上記のシリコーン組成物を硬化することを含む方法によって調製されるポリマー分散液晶(PDLC)であって、PDLCは、透明であり、且つ589nmの波長を有する光に対して25℃で1.42〜1.6の屈折率を有する。

Description

[発明の分野]
本発明は、シリコーン組成物に関し、特に2つのパラフェニレン基を含有する液晶と相溶化剤とを含む付加硬化性シリコーン組成物に関する。本発明はまた、シリコーン組成物を硬化することにより調製されるポリマー分散液晶(PDLC)に関する。
[発明の背景]
液晶を含有するシリコーン組成物及びこのようなシリコーン組成物から形成されるPDLCのわずかな例は、当該技術分野で既知である。例えば、ネラド(Nerad)他に対する米国特許第5,585,035号明細書は、液晶を、シロキサン結合を含むポリマーマトリクスに分散させた光応答性フィルムを開示している。このフィルムは、20℃での該フィルムの透過率とほぼ等しい−20℃での透過率、及び20℃での値の2倍未満の−20℃でのV90を有し、ここでV90とは、半透明状態と透過状態との間でフィルムを切り換えるのに必要とされる最大透過の90%での動作過電圧(switching voltage)を示す。
ジャコビン(Jacobine)他に対する米国特許第5,516,455号明細書は、はっきりと認められるような単独重合を受けない少なくとも1つの多官能性の電子に富むアルケン、多官能性チオール、光開始剤、及び液晶材料から調製されるPDLC複合体を開示している。‘455特許によると、多官能性の電子に富むアルケンは、シリコーン部位を有するノルボルネニル化合物であり得る。
上述のPDLCは通常、電場の非存在下では入射光に対して不透光であり、電場を印加すると透明となる(逆もまた同様)。さらに、PDLCは、電場の強度に応じて可変強度を有する光を透過する。これらの材料は、住宅及び自動車における切換可能な窓(window)として潜在的に有用である。しかしながら、このような材料は、入射光からの異なる位相を有する光を透過するのに用いられる電気光学機器に有用ではない。従って、透過光ビームの位相を制御する、電気的に調整可能なPDLCに対する必要性が残っている。
[発明の概要]
本発明は
(A)1分子当たり平均少なくとも2つのアルケニル基、1,000〜50,000の数平均分子量、及びケイ素と結合したフェニル基を、1分子当たり平均10〜90モル%有する100重量部のオルガノポリシロキサンと、
(B)硬化剤であって、
(1)(a)組成物を硬化するのに十分な量の、ケイ素と結合した水素原子を1分子当たり平均少なくとも2個有するオルガノ水素シロキサン、及び(b)触媒量のヒドロシリル化触媒を含む、混合物、ならびに
(2)(a)組成物を硬化するのに十分な量のメルカプト官能性化合物であって、(i)1分子当たり平均少なくとも2つのメルカプトアルキル基を有するメルカプト官能性オルガノシロキサン、及び(ii)1分子当たり平均少なくとも2つのメルカプト基を有するメルカプト官能性有機化合物から選択される、メルカプト官能性化合物、及び(b)触媒量の光開始剤を含む、混合物
から選択される硬化剤と、
(C)結合した、成分(A)及び成分(B)中で混和性の1〜200重量部の液晶であって、液晶は、
(i)式
Figure 2007510793
を有する少なくとも1つの化合物、及び
(ii)(i)と、1〜10%の、式
Figure 2007510793
を有する少なくとも1つのテルフェニル化合物とを含む、混合物から選択される液晶、
(式中、各Rは独立して、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、−OR、−O(O=)CR、−C≡N、−NO、−CH=CHCOOR、−F,−Cl、−Br及び−Iから選択され、ここでRはC〜C20アルキルであり、Xは、−CH=N−、−N=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−C≡C−、−C(=O)O−及び−CH=N−N=CH−から選択される二価有機基であり、且つnは0又は1である)、ならびに
(D)1〜20重量部の相溶化剤であって、
(i)式
SiO(R SiO)SiR
を有する少なくとも1つのシリコーン液、
(ii)式
Figure 2007510793
を有する少なくとも1つのビフェニル化合物、及び
(iii)1−フェニルナフタレン
から選択される相溶化剤、
(式中、Rは、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、−OR、−O(O=)CR、−C≡N、−NO、−CH=CHCOOR、−F,−Cl、−Br及び−Iから選択され、ここでRはC〜C20アルキルであり、各Rは独立して、不飽和脂肪族を含まないC〜Cヒドロカルビルであり、ここで40〜90モル%のRはフェニルであり、Rは、R Si(OSiR (CH−及びR Si(OSiR (CHO−から選択され、ここでRはC〜Cヒドロカルビルであり、yは2〜12の整数であり、且つzは0〜20の整数であり、nは0又は1であり、且つwは1〜10の値を有する)
を含むシリコーン組成物に関する。
本発明はまた、上述のシリコーン組成物を硬化することを含む方法によって調製されるPDLCに関し、PDLCは透明であり、且つ589nmの波長(ナトリウムD線)を有する光に対して25℃で1.42〜1.6の屈折率を有する。
本発明のシリコーン組成物は、優れた保存性を有する一液系組成物として好適に配合され得る。また、組成物は、スピンコーティング、プリント及び噴霧等の従来の高速法によって基板に塗工され得る。また、そのシリコーン組成物は、硬化剤次第で、適度な温度又は放射線に曝すことによって容易に硬化され得る。重要なことは、液晶、すなわち成分(B)が、結合した、成分(A)及び成分(B)中で混和性であるということである。結果として、組成物は硬化して、非常に小さい直径を有する液晶小滴を含有するPDLCを形成する。
本発明のPDLCは、電場の非印加時及び印加時で共に、非常に低い光散乱及び高い透明度を有する。PDLCにおける光散乱度は直接、液晶とポリマーマトリクスとの屈折率の差に関連付けられ、並びに液晶小滴の直径にも関連付けられる。従来のPDLCは典型的に、光散乱を引き起こす液晶の屈折率とポリマーマトリクスの屈折率との不一致、及び比較的大きい小滴サイズのためにオフの状態(ゼロ電場)で不透明となる。これらのPDLCは、光透過方向で測定された液晶の屈折率がポリマーマトリクスの屈折率と一致し、これが光散乱を低減するため、オンの状態(電場の印加)で透明となる。このようなPDLCは、電場を変更することによって入射光とは異なる強度を有する光を透過するように調整され得る。その一方で、本発明のPDLCは、非常に小さい直径、典型的に1μm未満を有する液晶小滴を含有し、これが光散乱を大幅に低減するため、オンの状態及びオフの状態で共に透明となる。重要なことは、PDLCが、電場を変更することによって入射光からの位相シフトを有する光を透過するように調整され得ることである。
本発明のシリコーン組成物は、PDLCを調製するのに用いられ得る。PDLCは、特定の用途のための透過光の位相を制御する可変(tunable)導波装置に有用である。導波装置の例としては、干渉型変調器、減衰器、スイッチ、スプリッタ、ルータ、フィルタ、回折格子が挙げられる。
本発明のこれらの及び他の特徴、態様及び利点は、以下の記述及び添付の特許請求の範囲を参照してより良く理解されるであろう。
[発明の詳細な説明]
本明細書中で使用される場合、「PDLC」という用語は、ポリマー分散液晶の略語である。また、ケイ素と結合したフェニル基の「モル%」は、オルガノポリシロキサン[成分(A)]又はシリコーン液[成分(D)(i)]中のケイ素と結合した基の総モル数に対するケイ素と結合したフェニル基の数比率に100を乗じたものとして定義される。また、「透明」という用語は、電磁スペクトルの可視領域(約400〜約700nm)の光に関してPDLCが少なくとも80%の透過率を有することを意味している。さらに、PDLCの「屈折率」は、589nmの波長(ナトリウムD線)を有する光に関して25℃でPDLC中の光の速度に対する真空中の光の速度の比率として定義される。さらに、「不飽和脂肪族を含まない」という用語は、基が脂肪族炭素−炭素二重結合及び脂肪族炭素−炭素三重結合を含まないことを意味する。
本発明によるシリコーン組成物は、
(A)1分子当たり平均少なくとも2つのアルケニル基、1,000〜50,000の数平均分子量、及びケイ素と結合したフェニル基を、1分子当たり平均10〜90モル%有する100重量部のオルガノポリシロキサンと、
(B)硬化剤であって、
(1)(a)該組成物を硬化するのに十分な量の、ケイ素と結合した水素原子を1分子当たり平均少なくとも2個有するオルガノ水素シロキサン、及び(b)触媒量のヒドロシリル化触媒を含む、混合物、ならびに
(2)(a)該組成物を硬化するのに十分な量のメルカプト官能性化合物であって、(i)1分子当たり平均少なくとも2つのメルカプトアルキル基を有するメルカプト官能性オルガノシロキサン、及び(ii)1分子当たり平均少なくとも2つのメルカプト基を有するメルカプト官能性有機化合物から選択される、メルカプト官能性化合物、及び(b)触媒量の光開始剤を含む、混合物
から選択される硬化剤と、
(C)結合した、成分(A)及び成分(B)中で混和性の1〜200重量部の液晶であって、液晶は、
(i)式
Figure 2007510793
を有する少なくとも1つの化合物、及び
(ii)(i)と、1〜10%の、式
Figure 2007510793
を有する少なくとも1つのテルフェニル化合物とを含む、混合物から選択される液晶、
(式中、各Rは独立して、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、−OR、−O(O=)CR、−C≡N、−NO、−CH=CHCOOR、−F,−Cl、−Br及び−Iから選択され、ここでRはC〜C20アルキルであり、Xは、−CH=N−、−N=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−C≡C−、−C(=O)O−及び−CH=N−N=CH−から選択される二価有機基であり、且つnは0又は1である)、ならびに
(D)1〜20重量部の相溶化剤であって、
(i)式
SiO(R SiO)SiR
を有する少なくとも1つのシリコーン液、
(ii)式
Figure 2007510793
を有する少なくとも1つのビフェニル化合物、及び
(iii)1−フェニルナフタレン
から選択される相溶化剤と、
(式中、Rは、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、−OR、−O(O=)CR、−C≡N、−NO、−CH=CHCOOR、−F,−Cl、−Br及び−Iから選択され、ここでRはC〜C20アルキルであり、各Rは独立して、不飽和脂肪族を含まないC〜Cヒドロカルビルであり、ここで40〜90モル%のRはフェニルであり、Rは、R Si(OSiR (CH−及びR Si(OSiR (CHO−から選択され、ここでRはC〜Cヒドロカルビルであり、yは2〜12の整数であり、且つzは0〜20の整数であり、nは0又は1であり、且つwは1〜10の値を有する)
を含む。
成分(A)は、1分子当たり平均少なくとも2つのアルケニル基、1,000〜50,000の数平均分子量、及びケイ素と結合したフェニル基を、1分子当たり平均10〜90モル%有する少なくとも一つのオルガノポリシロキサンである。オルガノポリシロキサンは、直鎖構造又は分枝鎖構造を有することができる。オルガノポリシロキサンは、ホモポリマー又はコポリマーであり得る。アルケニル基は典型的に、2〜10個の炭素原子、あるいは2〜6個の炭素原子を有する。オルガノポリシロキサン中のアルケニル基は、末端、ペンダント、又は末端とペンダントとの両方の位置に配置され得る。アルケニル基の例としては、ビニル、アリル、ブテニル及びヘキセニルが挙げられるが、これらに限定されない。
オルガノポリシロキサン中の残りのケイ素と結合した有機基(アルケニル以外)は独立して、不飽和脂肪族を含まない、ヒドロカルビル及びハロゲン置換ヒドロカルビルから選択される。これらの一価基は典型的に、1〜20個の炭素原子、あるいは1〜10個の炭素原子、あるいは1〜6個の炭素原子を有する。ヒドロカルビル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル及びオクタデシル等のアルキル;シクロペンチル、シクロヘキシル及びメチルシクロヘキシル等のシクロアルキル;フェニル及びナフチル等のアリール;トリル及びキシリル等のアルカリール;並びにベンジル及びフェネチル等のアラルキルが挙げられるが、これらに限定されない。ハロゲン置換ヒドロカルビル基の例としては、3,3,3−トリフルオロプロピル、3−クロロプロピル、クロロフェニル及びジクロロフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。
オルガノポリシロキサンは典型的に、1,000〜50,000、あるいは1,500〜20,000、あるいは2,000〜10,000の数平均分子量を有し、この際、分子量は、低角レーザー光散乱検出器を使用したゲル浸透クロマトグラフィによって測定される。
オルガノポリシロキサンは一般的に、ケイ素と結合したフェニル基を、1分子当たり平均10〜90モル%、あるいは20〜60モル%、あるいは30〜55モル%有する。ケイ素と結合したフェニル基のモル%が10モル%未満の場合、シリコーン組成物を硬化することにより形成されるPDLCは、80%未満の透明度を有する。
シリコーン組成物に有用なオルガノポリシロキサンの例としては、以下のポリシロキサン、
(i)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサン)、
(ii)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(メチルフェニルシロキサン)、
(iii)ジフェニルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサン)、
(iv)PhSiO3/2単位及びMeViSiO1/2単位を含むオルガノポリシロキサン樹脂、
(v)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(フェニルビニルシロキサン)、
(vi)ジフェニルビニルシロキシ末端ポリ(フェニルビニルシロキサン)、
(式中、Phはフェニルであり、Meはメチルである)が挙げられるが、これらに限定されない。
成分(A)は、単一のオルガノポリシロキサン、又は構造、粘度、平均分子量、シロキサン単位及び配列等の少なくとも1つの特性において異なる2つ以上のオルガノポリシロキサンの混合物であり得る。
オルガノハロシランの加水分解及び縮合、又は環状ポリジオルガノシロキサンの平衡化等の、シリコーン組成物の使用に好適なオルガノポリシロキサンを調製する方法は、当該技術分野で既知である。
成分(B)は、(1)(a)ケイ素と結合した水素原子を1分子当たり平均少なくとも2個有するオルガノ水素シロキサン、及び(b)ヒドロシリル化触媒を含む混合物、ならびに(2)(a)組成物を硬化するのに十分な量のメルカプト官能性化合物であって、メルカプト官能性化合物は、(i)1分子当たり平均少なくとも2つのメルカプトアルキル基を有するメルカプト官能性オルガノシロキサン、及び(ii)1分子当たり平均少なくとも2つのメルカプト基を有するメルカプト官能性有機化合物から選択される、メルカプト官能性化合物、ならびに(b)触媒量の光開始剤を含む混合物から選択される硬化剤である。ただし、硬化剤が成分(B)(2)である場合、成分(A)中のアルケニル基はノルボルネニルではないこととする。
成分(B)(1)(a)は、1分子当たり平均少なくとも2個のケイ素と結合した水素原子を有する少なくとも1つのオルガノ水素シロキサンである。成分(A)中の1分子当たりのアルケニル基の平均数と成分(B)(1)(a)中の1分子当たりのケイ素と結合した水素原子の平均数との合計が4より大きい場合、架橋が起こることは一般的に理解される。オルガノ水素シロキサン中のケイ素と結合した水素原子は、末端、ペンダント、又は末端とペンダントとの両方の位置に配置され得る。
オルガノ水素シロキサンは、ジシロキサン、トリシロキサン又はポリシロキサンであり得る。オルガノ水素シロキサンの構造は、直鎖状、分枝鎖状、環状又は樹脂状であり得る。オルガノ水素シロキサンは一般的に、1,000未満、あるいは800未満、あるいは600未満の数平均分子量を有する。
オルガノ水素シロキサンの例としては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン及び1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン等のジシロキサン;フェニルトリス(ジメチルシロキシ)シラン及び1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン等のトリシロキサン;並びにトリメチルシロキシ末端ポリ(メチル水素シロキサン)、トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチル水素シロキサン)、ジメチル水素シロキシ末端ポリ(メチル水素シロキサン)、及びH(CHSiO1/2単位、(CHSiO1/2単位及びSiO4/2単位から主に成る樹脂等のポリシロキサンが挙げられるが、これらに限定されない。
成分(B)(1)(a)は、単一のオルガノ水素シロキサン、又は構造、平均分子量、粘度、シロキサン単位及び配列等の少なくとも1つの特性において異なる2つ以上のオルガノ水素シロキサンを含む混合物であり得る。
本発明のシリコーン組成物中の成分(B)(1)(a)の濃度は、組成物を硬化(架橋)するのに十分であるものとする。成分(B)(1)(a)の正確な量は所望の硬化度に応じて、これは一般的に成分A中のアルケニル基のモル数に対する成分(B)(1)(a)中のケイ素と結合した水素原子のモル数の比率が増大するにつれて、増加する。成分(B)(1)(a)の濃度は一般的に、成分(A)中の1つのアルケニル基当たり、0.5〜2.5個のケイ素と結合した水素原子、あるいは0.9〜1.9個のケイ素と結合した水素原子を供給して十分なものとする。
オルガノハロシランの加水分解及び縮合等のオルガノ水素シロキサンを調製する方法は、当該技術分野で既知である。
成分(B)(1)(b)は、成分(A)と成分(B)(1)(a)との付加反応を促す少なくとも1つのヒドロシリル化触媒である。ヒドロシリル化触媒は、白金族金属、白金族金属を含有する化合物、又は白金族金属含有触媒マイクロカプセルを含む既知のヒドロシリル化触媒のいずれかであり得る。白金族金属としては、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム及びイリジウムが挙げられる。ヒドロシリル化反応における高い活性に基づいて、白金族金属は白金であることが好ましい。
ヒドロシリル化触媒の例としては、塩化白金酸の錯体、及び米国特許第3,419,593号明細書(参照されて本明細書中の一部とする)でウィリング(Willing)により開示された特定のビニル含有オルガノシロキサンが挙げられる。このような触媒の具体例としては、塩化白金酸と1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンとの反応生成物である。
ヒドロシリル化触媒は、光活性化ヒドロシリル化触媒であり得る。光活性化ヒドロシリル化触媒は、150〜800nmの波長を有する放射線に曝す際に、成分(A)と成分(B)(1)(a)とのヒドロシリル化を触媒可能な任意のヒドロシリル化触媒であり得る。
光活性化ヒドロシリル化触媒の例としては、白金(II)ビス(2,4−ペンタンジオエート)、白金(II)ビス(2,4−ヘキサンジオエート)、白金(II)ビス(2,4−ヘプタンジオエート)、白金(II)ビス(1−フェニル−1,3−ブタンジオエート)、白金(II)ビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオエート)及び白金(II)ビス(1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオエート)等の白金(II)β−ジケトネート錯体;(Cp)トリメチル白金、(Cp)エチルジメチル白金、(Cp)トリエチル白金、(クロロ−Cp)トリメチル白金及び(トリメチルシリル−Cp)トリメチル白金(Cpは、シクロペンタジエニルを表わす)等の(η−シクロペンタジエニル)トリアルキル白金錯体;Pt[CNNNOCH、Pt[p−CN−CNNNOC11、Pt[p−HCOCNNNOC11、Pt[p−CH(CH−CNNNOCH、1,5−シクロオクタジエンPt[p−CN−CNNNOC11、1,5−シクロオクタジエンPt[p−CHO−CNNNOCH、[(CP]Rh[p−CN−CNNNOC11]及びPd[p−CH(CH−CNNNOCH(xは1、3、5、11又は17である)等の酸化トリアゼン遷移金属錯体;及び(η−1,5−シクロオクタジエニル)ジフェニル白金、η−1,3,5,7−シクロオクタテトラエニル)ジフェニル白金、(η−2,5−ノルボラジエニル)ジフェニル白金、(η−1,5−シクロオクタジエニル)ビス−(4−ジメチルアミノフェニル)白金、(η−1,5−シクロオクタジエニル)ビス−(4−アセチルフェニル)白金及び(η−1,5−シクロオクタジエニル)ビス−(4−トリフルオロメチルフェニル)白金等の等の(η−ジオレフィン)(σ−アリール)白金錯体が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、光活性化ヒドロシリル化触媒はPt(II)β−ジケトネート錯体であり、より好ましくは、触媒は白金(II)ビス(2,4−ペンタンジオエート)である。
成分(B)(1)(b)は、単一のヒドロシリル化触媒又は混合物、又は構造、形状、白金族金属、錯体リガンド及び熱可塑性樹脂等の少なくとも1つの特性において異なる2つ以上の異なる触媒から成る混合物であり得る。
成分(B)(1)(b)の濃度は、成分(A)と成分(B)(1)(a)との付加反応を触媒するのに十分なものとする。成分(B)(1)(b)の濃度は一般的に、成分(A)、(B)及び(C)の総重量に基づいて、0.1〜1,000ppmの白金族金属、あるいは1〜500ppmの白金族金属、あるいは5〜150ppmの白金族金属を生じさせるのに十分なものとする。硬化速度は、0.1ppm未満の白金族金属で非常に遅い。1,000ppmを超える白金族金属の使用は、硬化速度をさほど増大させず、それゆえ不経済的である。
光活性化ヒドロシリル化触媒を調製する方法は、当該技術分野で既知である。例えば、白金(II)βジケトネートを調製する方法は、グオ(Guo)他(Chemistry of Materials, 1998, 10, 531-536)により報告されている。(η−シクロペンタジエニル)トリアルキル白金錯体を調製する方法は、米国特許第4,510,094号明細書で開示されている。酸化トリアゼン遷移金属錯体を調製する方法は、米国特許第5,496,961号明細書で開示されている。(η−ジオレフィン)(σ−アリール)白金錯体を調製する方法は、米国特許第4,530,879号明細書で教示されている。
成分(B)(2)(a)は、(i)1分子当たり平均少なくとも2つのメルカプトアルキル基を有するメルカプト官能性オルガノシロキサン、及び(ii)1分子当たり平均少なくとも2つのメルカプト基を有するメルカプト官能性有機化合物から選択されるメルカプト官能性化合物である。成分(A)中の1分子当たりのアルケニル基の平均数と成分(B)(2)(a)中の1分子当たりのメルカプト基の平均数との合計が4より大きい場合、架橋が起こることが一般的に理解される。
成分(B)(2)(a)(i)は、1分子当たり平均少なくとも2つのメルカプトアルキル基を有する少なくとも1つのメルカプト官能性オルガノシロキサンである。メルカプト官能性オルガノシロキサンは一般的に、5,000未満、あるいは2,000未満、あるいは1,000未満の数平均分子量を有する。メルカプト官能性オルガノシロキサンは、ジシロキサン、トリシロキサン又はポリシロキサンであり得る。メルカプト官能性オルガノシロキサンの構造は、直鎖状、分枝鎖状、環状又は樹脂状であり得る。オルガノシロキサン中のメルカプトアルキル基は、末端、ペンダント、又は末端とペンダントとの両方の位置に配置され得る。メルカプトアルキル基は一般的に、1〜10個の炭素原子、あるいは1〜6個の炭素原子を有する。メルカプトアルキル基の例としては、メルカプトメチル、2−メルカプトエチル、4−メルカプトブチル、3−メルカプト−2−メチルプロピル及び6−メルカプトヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
メルカプト官能性オルガノシロキサン中の残りのケイ素と結合した有機基(メルカプトアルキル以外)は独立して、不飽和脂肪族を含まない、ヒドロカルビル及びハロゲン置換ヒドロカルビルから選択される。これらの一価基は一般的に、1〜20個の炭素原子、あるいは1〜10個の炭素原子、あるいは1〜6個の炭素原子を有する。ヒドロカルビル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル及びオクタデシル等のアルキル;シクロペンチル、シクロヘキシル及びメチルシクロヘキシル等のシクロアルキル;フェニル及びナフチル等のアリール;トリル及びキシリル等のアルカリール;並びにベンジル及びフェネチル等のアラルキルが挙げられるが、これらに限定されない。ハロゲン置換ヒドロカルビル基の例としては、3,3,3−トリフルオロプロピル、3−クロロプロピル、クロロフェニル及びジクロロフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。
メルカプト官能性オルガノシロキサンの例としては、[HSCHCHCH(Me)Si]O等のジシロキサン;[HSCHCHCH(Me)SiO]Si等のトリシロキサン;及び3−メルカプトプロピルジメチルシロキシ末端ポリ(メチルシロキサン)及び3−メルカプトプロピルジメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン−3−メルカプトプロピルメチルシロキサン)等のポリシロキサン;及びHSCHCHCHSiO3/2単位及びMeSiO1/2単位から本質的に成るオルガノシロキサン樹脂が挙げられるが、これらに限定されない(式中、Meはメチルである)。
成分(B)(2)(a)(i)は、単一のメルカプト官能性オルガノシロキサン、又は2つ以上の異なるメルカプト官能性オルガノシロキサンを含む混合物である。メルカプト官能性オルガノシロキサンを調製する方法は、当該技術分野で既知である。
成分(B)(2)(a)(ii)は、1分子当たり平均少なくとも2つのメルカプト基を有する少なくとも1つのメルカプト官能性有機化合物である。メルカプト官能性有機化合物は典型的に、5,000未満、あるいは2,000未満、あるいは1,000未満の分子量を有する。
メルカプト官能性有機化合物の例としては、CHCHC(CHCOCHCH
SH)、2,2’−ジメルカプトジエチルエーテル、ジペンタエリスリトールハキサ(3−メルカプトプロピオネート)、グリコールジメルカプトアセテート、グリコールジメルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラ(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート、式HSCHCOOCH(CHOCH)CHOOCCHSHを有するポリエチレングリコールジメルカプトアセテート、式HSCHCHCOOCH(CHOCH)CHOOCCHCHSHを有するポリエチレングリコールジ(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリ(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリ(3−メルカプトプロピオネート)及びトリメチロールプロパントリチオグリコレートが挙げられるが、これらに限定されない。
成分(B)(2)(a)(ii)は、単一のメルカプト官能性化合物、又は2つ以上の異なるメルカプト官能性化合物を含む混合物である。メルカプト官能性有機化合物を調製する方法は、当該技術分野で既知であり、多数のこれらの化合物は市販されている。
本発明のシリコーン組成物中の成分(B)(2)(a)の濃度は、組成物を硬化(架橋)するのに十分なものとする。成分(B)(2)(a)の正確な量は、所望の硬化度に依存し、これは一般的に、成分(A)中のアルケニル基のモル数に対する成分(B)(2)(a)中のメルカプト基のモル数の比率が増大するにつれて、増加する。成分(B)(2)(a)の濃度は典型的に、成分(A)中の1つのアルケニル基当たり、0.5〜2つのメルカプト基、あるいは0.9〜1.1のメルカプト基を供給して十分である。
成分(B)(2)(b)は、少なくとも1つの光開始剤である。この光開始剤は、250〜400nmの波長を有する紫外放射線に曝す際に、成分(A)と成分(B)(1)(a)との付加反応を触媒可能な任意のフリーラジカル開始剤であり得る。
光開始剤の例としては、ベンゾフェノン、アセトナフトン、アセトフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、
Figure 2007510793
、及び
Figure 2007510793
が挙げられるが、これらに限定されない。
光開始剤はまた、米国特許第4,260,780号明細書(参照されて本明細書の一部とする)でウェスト(West)により定められるフェニルメチルポリシラン等のポリシラン、米国特許第4,314,956号明細書(参照されて本明細書の一部とする)でバネイ(Baney)他により定められるアミノ化メチルポリシラン、米国特許第4,276,424号明細書(参照されて本明細書の一部とする)におけるピーターソン(Peterson)他のメチルポリシラン、及び米国特許第4,324,901号明細書(参照されて本明細書の一部とする)でウェスト(West)他により定められるポリシラスチレンであり得る。
成分(B)(2)(b)は、単一の光開始剤又は2つ以上の異なる光開始剤を含む混合物であり得る。
成分(B)(2)(b)の濃度は、成分(A)と成分(B)(2)(a)との付加反応を触媒するのに十分なものとする。成分(B)(2)(b)は一般的に、成分(A)、(B)及び(C)の総重量に基づいて、0.1〜6%(w/w)、あるいは1〜3%(w/w)である。
成分(C)は、結合した、成分(A)及び成分(B)中で混和性の液晶であり、液晶は、(i)式
Figure 2007510793
を有する少なくとも1つの化合物、及び
(ii) (i)と、1〜10%の、式
Figure 2007510793
を有する少なくとも1つのテルフェニル化合物とを含む、混合物から選択される(式中、各Rは独立して、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、−OR、−O(O=)CR、−C≡N、−NO、−CH=CHCOOR、−F,−Cl、−Br及び−Iであり、ここでRはC〜C20アルキルであり、Xは、−CH=N−、−N=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−C≡C−、−C(=O)O−及び−CH=N−N=CH−から選択される二価有機基であり、且つnは0又は1である)。
本明細書中で使用される場合、「混和性」という用語は、成分(C)が、規定の割合で結合した、成分(A)及び成分(B)に完全に溶解されることを意味する。
液晶は、ネマチック、スメクチック又はコレステリックであり得る。さらに、液晶は、正又は負の反磁性異方性を有し得る。
成分(C)(i)は、式
Figure 2007510793
(式中、R、X及びnは、上記の通りである)
を有する少なくとも1つの化合物である。nが0の場合、成分(C)(i)は、式
Figure 2007510793
(式中、Rは、上記の通りである)
を有する。
及びRで示されるアルキル基は典型的に、1〜20個の炭素原子、あるいは1〜10個の炭素原子、あるいは1〜6個の炭素原子を有する。少なくとも3個の炭素原子を有するアルキル基は、分枝鎖又は非分枝鎖構造を有し得る。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル及びオクタデシルが挙げられるが、これらに限定されない。
で示されるシクロアルキル基は一般的に、5〜8個の炭素原子を有する。シクロアルキル基の例としては、シクロペンチル、シクロヘキシル及びメチルシクロヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
成分(C)(i)としての使用に好適な化合物の例としては、4−n−ペンチル−4’−シアノビフェニル、4−n−ヘキシル−4’−シアノビフェニル及び4−n−オクチル−4’−シアノビフェニル等の4−アルキル−4’−シアノビフェニル化合物;4−n−ペンチル−4’−エトキシビフェニル等の4−アルキル−4’−アルコキシビフェニル;4−n−ブチル−4’−フルオロビフェニル等の4−アルキル−4’−ハロビフェニル;及び式
Figure 2007510793
(式中、R及びRは、上記に例示されるようなC〜C20アルキルである)
を有する化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
成分(C)(i)は、各々上記のような、単一の化合物、又は2つ以上の異なる化合物を含む混合物であり得る。
成分(C)(i)としての使用に好適な液晶を調製する方法は、当該技術分野で既知であり、多数のこれらの化合物は市販されている。
成分(C)(ii)は、(C)(i)と、1〜10%の、式
Figure 2007510793
(式中、R1は、上記に定められ、且つ例示される通りである)
を有する少なくとも1つのテルフェニル化合物とを含む混合物である。
テルフェニル化合物の例としては、4−n−ペンチル−4’’−シアノテルフェニル、4−n−ヘキシル−4’’−シアノテルフェニル、4−n−オクチル−4’’−シアノテルフェニル等の4−アルキル−4’’−シアノテルフェニル化合物;4−n−ペンチル−4’’−エトキシテルフェニル等の4−アルキル−4’’−アルコキシテルフェニル;及び4−n−ブチル−4’’−フルオロテルフェニル等の4−アルキル−4’’−ハロールテルフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。
成分(C)(ii)中のテルフェニル化合物の濃度は一般的に、成分(C)(ii)の総重量に基づいて、1〜10%(w/w)、あるいは1〜8%(w/w)、あるいは4〜7%(w/w)である。
成分(C)(ii)としての使用に好適なテルフェニル化合物を調製する方法は、当該技術分野で既知であり、多数のこれらの化合物は市販されている。
成分(C)の濃度は一般的に、成分(A)100重量部当たり、1〜200重量部、あるいは1〜110重量部、あるいは10〜100重量部、あるいは30〜90重量部である。成分(C)の濃度が1重量部未満である場合。
成分(D)は、
(i)式
SiO(R SiO)SiR
を有する少なくとも1つのシリコーン液、
(ii)式
Figure 2007510793
を有する少なくとも1つのビフェニル化合物、及び
(iii)1−フェニルナフタレンから選択される相溶化剤である(式中、Rは、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、−OR、−O(O=)CR、−C≡N、−NO、−CH=CHCOOR、−F,−Cl、−Br及び−Iから選択され、ここでRはC〜C20アルキルであり、各Rは独立して、不飽和脂肪族を含まないC〜Cヒドロカルビルであり、ここで40〜90モル%のRはフェニルであり、Rは、R Si(OSiR (CH−及びR Si(OSiR (CHO−から選択され、ここでRはC〜Cヒドロカルビルであり、yは2〜12の整数であり、且つzは0〜20の整数であり、nは0又は1であり、且つwは1〜10の値を有する)。この相溶化剤は、結合した成分(A)および(B)中の液晶の混和性を、とりわけ規定された範囲内の高い濃度において改善する。
成分(D)(i)は、式
SiO(R SiO)SiR
(式中、各Rは独立して、不飽和脂肪族を含まないC〜Cヒドロカルビルであり、ここで40〜90モル%のRはフェニルであり、且つwは1〜10の値を有する。あるいは、50〜90モル%のR又は60〜90モル%のRはフェニルである。あるいは、wは1〜6の値を有する)
を有する少なくともシリコーン液である。
で示されるヒドロカルビル基は、不飽和脂肪族を含まない。これらの基は一般的に、1〜6個の炭素原子、あるいは1〜3個の炭素原子を有する。少なくとも3個の炭素原子を有する非環式ヒドロカルビル基は、分枝鎖又は非分枝鎖構造を有し得る。不飽和脂肪族を含まないヒドロカルビル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル及びヘキシル等のアルキル;シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル;及びフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。
シリコーン液の例としては、以下の式、MePhSiO(PhMeSiO)SiPhMe、MePhSiO(MeSiO)SiPhMe、MePhSiO(PhMeSiO)SiPhMe、MePhSiO(PhMeSiO)(MeSiO)SiPhMe、及びMePhSiO(PhMeSiO)(MeSiO)SiPhMe(式中、Meはメチルであり、Phはフェニルである)を有するシロキサンが挙げられるが、これらに限定されない。
成分(D)(i)は、各々上記されるような、単一のシリコーン液、又は2つ以上の異なるシリコーン液を含む混合物であり得る。シリコーン液を調製する方法は、当該技術分野で既知であり、多数のこれらの液は市販されている。
成分(D)(ii)は、式
Figure 2007510793
(式中、Rは、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、−OR、−O(O=)CR、−C≡N、−NO、−CH=CHCOOR、−F,−Cl、−Br及び−Iから選択され、ここでRはC〜C20アルキルであり、Rは、R Si(OSiR (CH−及びR Si(OSiR (CHO−から選択され、ここでRはC〜Cヒドロカルビルであり、yは2〜12の整数であり、且つzは0〜20の整数であり、且つnは0又は1である。あるいは、yは4〜10の整数である。また、あるいは、zは2〜12又は2〜6の整数である)
を有する少なくとも1種類のビフェニル化合物である。
で示されるヒドロカルビル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル及び1,1−ジメチルエチル等のアルキル;ビニル、アリル及びプロペニル等のアルケニル;及びエチニル及びプロピニル等のアルキニルが挙げられるが、これらに限定されない。
成分(D)(ii)としての使用に好適なビフェニル化合物の例としては、以下の式を有する化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2007510793
Figure 2007510793
Figure 2007510793
Figure 2007510793
及び
Figure 2007510793
成分(D)(ii)は、各々上記のような、単一のビフェニル化合物、又は2つ以上の異なるビフェニル化合物を含む混合物であり得る。
成分(D)(ii)は、(c)ヒドロシリル化触媒及び(d)有機溶媒の存在下で、式R Si(OSiR z−1OSiR Hを有する(a)オルガノ水素シロキサンを式
Figure 2007510793
を有するアルケニル置換ビフェニル化合物と反応させることによって調製され得る(式中、R、R、X,n及びzは上記に定められた通りであり、Rは、CH=CH−(CHy−2−及びCH=CH−(CHy−2O−から選択され、ここでyは上記に定められた通りである)。オルガノ水素シロキサン、アルケニル置換ビフェニル化合物、ヒドロシリル化触媒及び有機溶媒は、任意の順序で混合され得る。反応は一般的に、室温(約22℃)〜150℃で実行される。反応時間は、成分(a)及び成分(b)の構造、並びに温度等のいくつかの要因によって決まる。反応時間は典型的にに、45〜90℃の温度で30分〜24時間である。ヒドロシリル化触媒の例は、上記の成分(B)(1)(b)に記載される通りである。有機溶媒の例としては、n−ペンタン及びn−ヘキサン等の脂肪族飽和炭化水素、並びにベンゼン及びトルエン等の芳香族炭化水素が挙げられるが、これらに限定されない。
アルケニル置換ビフェニル化合物(b)に対する成分(a)のモル比は典型的に、1.5〜1、あるいは1〜1である。ヒドロシリル化触媒(c)の濃度は、オルガノ水素シロキサン(a)とアルケニル置換ビフェニル化合物(b)との付加反応を触媒するのに十分なものとする。典型的に、ヒドロシリル化触媒(c)の濃度は、成分(a)及び成分(b)の総重量に基づいて、0.1〜1,000ppmの白金族金属、あるいは1〜500ppmの白金族金属、あるいは5〜150ppmの白金族金属を生じさせるのに十分なものとする。有機溶媒の濃度は典型的に、反応混合物の総重量に基づいて、1〜60%(w/w)、あるいは1〜10%(w/w)である。
成分(D)(iii)は、下記式を有する1−フェニルナフタレンである。
Figure 2007510793
成分(D)の濃度は典型的に、成分(A)の100重量部当たり、1〜20重量部、あるいは1〜10重量部、あるいは2〜7重量部である。
シリコーン組成物は、付加的な原料が下記のように組成物を硬化させてポリマー分散液晶を形成すること妨げないという条件で、この付加的な原料を含み得る。例えば、シリコーン組成物は、少なくとも1つの有機溶媒をさらに含み得る。有機溶媒の例としては、n−ペンタン、ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン及びドデカン等の飽和脂肪族炭化水素;シクロペンタン及びシクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレン等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン(THF)及びジオキサン等の環状エーテル;メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン;トリクロロエタン等のハロゲン化アルカン;並びにブロモベンゼン及びクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素が挙げられるが、これらに限定されない。有機溶媒は、各々上記のような、単一の有機溶媒、又は1つ以上の異なる有機溶媒を含む混合物であり得る。本発明のシリコーン組成物中の有機溶媒の濃度は典型的に、組成物の総重量に基づいて、1〜60%(w/w)、あるいは1〜10%(w/w)である。
シリコーン組成物が成分(B)(1)(b)を含有する場合、組成物は、少なくとも1つのヒドロシリル化触媒抑制剤をさらに含みうる。ヒドロシリル化触媒抑制剤の例としては、3−メチル−3−ペンテン−1−イン及び3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等の様々な「エン−イン」系;3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール及び2−フェニル−3−ブチン−2−オール等のアセチレン系アルコール;既知のジアルキル、ジアルケニル及びジアルコキシアルキルフマレート及びマレエート等のマレイン酸塩及びフマル酸塩;並びにシクロビニルシロキサンが挙げられる。
本発明のシリコーン組成物中のヒドロシリル化触媒抑制剤の濃度は、高温での硬化を阻害するか又は過度に長引かせることなく、室温での組成物の硬化を抑制するのに十分であるものとする。白金族金属1モル当たり抑制剤1モルという低い抑制剤濃度が場合によっては、満足のいく保存安定性及び硬化速度をもたらす。他の場合には、白金族金属1モル当たり抑制剤最高500モル以上の抑制剤濃度が要求されうる。所定のシリコーン組成物中の特定の抑制剤の最適濃度は、通常の実験によって容易に決定される。
本発明のシリコーン組成物は、1液中に成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含む一液系組成物、又は代替的に2つ以上の液中に成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含む多液系組成物であり得る。成分(B)(1)、成分(A)、(B)(1)(a)及び(B)(1)(b)を含有する多液系組成物は典型的に、抑制剤がまた存在しなければ、同一液中に存在しない。同様に、成分(B)(2)、成分(A)、(B)(2)(a)及び(B)(2)(b)を含有する多液系組成物は一般的に、組成物が光から保護されなければ、同一液中に存在しない。例えば、多液系シリコーン組成物は、成分(A)の一部、成分(B)(1)(b)の全て及び成分(C)の全てを含有する第1の液と、成分(A)の残部、成分(B)(1)(a)の全て及び成分(D)の全てを含有する第2の液とを含む。
本発明の一液系シリコーン組成物は、上記のように、所定の割合にて室温で溶媒を利用して、又はそれを利用せずに、成分(A)〜(D)及び任意選択的な原料を混合することによって調製され得る。シリコーン組成物がすぐに使用される場合、各種組成物の添加の順序は重要ではないが、ヒドロシリル化触媒、すなわち成分(B)(1)(b)は好ましくは、約30℃以下の温度で最後に添加され、組成物の早期硬化を防止する。また、本発明の多液系シリコーン組成物は、各液のために指定された特定の成分を混合することによって調製され得る。
混合は、バッチプロセス又は連続プロセスのいずれかで、磨砕、配合及び攪拌等の当該技術分野で既知のいずれの技法によっても達成し得る。特定の装置は、成分の粘度及び最終シリコーン組成物の粘度によって決定される。
本発明により、PDLCは上述のシリコーン組成物を硬化することを含む方法によって調製され、PDLCは透明であり、且つ589nmの波長(ナトリウムD線)を有する光に対して25℃で1.42〜1.6の屈折率を有する。PDLCは、電磁スペクトルの可視領域(約400〜約700nm)における光に対して、一般的に少なくとも80%、あるいは少なくとも90%、あるいは少なくとも95%の透過率を有する。PDLCは典型的に、589nmの波長を有する光に対して25℃で1.42〜1.6、あるいは1.48〜1.54の屈折率を有する。
シリコーン組成物は、硬化機構に応じて、室温、高温又は放射線に曝されることによって硬化され得る。例えば、成分(A)、成分(B)(1)(a)、成分(B)(1)(b)、成分(C)及び成分(D)を含む一液系ヒドロシリル化硬化性シリコーン組成物は、成分(B)(1)(b)が、光活性化ヒドロシリル化触媒ではなければ、典型的に、本発明のPDLCを形成するのに十分な時間、室温(約22℃)〜150℃、あるいは室温〜75℃の温度に組成物を曝すことによって硬化される。例えば、シリコーン組成物は一般的に、組成物を20〜30℃の温度に30分〜24時間、あるいは40〜75℃に1〜60分間曝すことによって硬化される。
成分(A)、(B)(1)(a)、(B)(1)(b)、(C)及び(D)を含むヒドロシリル化硬化性シリコーン組成物は、成分(B)(1)(b)が光活性化ヒドロシリル化触媒である場合、一般的に、150〜800nm、あるいは250〜400nmの波長を有する放射線に組成物を曝すことによって硬化される。光源は典型的に、中圧水銀アークランプである。放射線の照射量は典型的に、5〜200mJ/cm、あるいは20〜100mJ/cmである。
成分(A)、成分(B)(2)(a)、成分(B)(2)(b)、成分(C)及び成分(D)を含む放射線硬化性シリコーン組成物は一般的に、250〜400nmの波長を有する放射線に組成物を曝すことによって硬化される。光源は一般的に、中圧水銀アークランプである。放射線の照射量は一般的に、5〜200mJ/cm、あるいは20〜100mJ/cmである。
本発明のシリコーン組成物は便宜的に、優れた保存性を有する一液系組成物として配合されうる。また、本願組成物は、スピンコーティング、プリント及び噴霧等の好適な高速法によって基板に塗工され得る。また、シリコーン組成物は、硬化剤に応じて、適度な温度又は放射線に曝すことによって容易に硬化され得る。重要なことは、液晶、すなわち成分(B)が、結合した、成分(A)及び成分(B)中で混和性であるということである。結果として、組成物は硬化して、非常に小さい直径を有する液晶小滴を含有するPDLCを形成する。
本発明のPDLCは、電場の非印加時及び印加時で共に、非常に低い光散乱及び高い透明度を有する。PDLCにおける光散乱度は直接、液晶とポリマーマトリクスとの屈折率の差に関連付けられ、並びに液晶小滴の直径にも関連付けられる。従来のPDLCは通常、光散乱を引き起こす液晶の屈折率とポリマーマトリクスの屈折率との不一致、及び比較的大きい小滴サイズのためにオフの状態(ゼロ電場)で不透明となる。これらのPDLCは、光透過方向で測定された液晶の屈折率がポリマーマトリクスの屈折率と一致し、これが光散乱を低減するため、オンの状態(電場の印加)で透明となる。このようなPDLCは、電場を変更することによって入射光とは異なる強度を有する光を透過するように調整され得る。その一方で、本発明のPDLCは、非常に小さい直径、一般的に1μm未満を有する液晶小滴を含有し、これが光散乱を大幅に低減するため、オンの状態及びオフの状態で共に透明となる。重要なことは、PDLCが、電場を変更することによって入射光からの位相シフトを有する光を透過するように調整され得ることである。
本発明のシリコーン組成物は、PDLCを調製するのに用いられ得る。PDLCは、特定の用途のための透過光の位相を制御する可変導波装置に有用である。導波装置の例としては、干渉型変調器、減衰器、スイッチ、スプリッタ、ルータ、フィルタ、回折格子が挙げられる。
以下の実施例は、本発明のシリコーン組成物及びPDLCをより良好に例示するために示されるが、本発明を限定するとはみなされず、これは添付の特許請求の範囲に正確に概説される。他に特筆されなければ、実施例に示される、全ての部及び百分率は重量単位である。以下の方法及び材料は、実施例中で使用される。
円偏光度
長さ、幅及び厚みがそれぞれ10mm、0.5mm及び0.5mmであるPDLC試料は、ガラス顕微鏡用スライド上、0.5mmの距離で分離された2つの0.5mm厚黄銅電極間にシリコーン組成物を配置することによって調製され、組成物をガラスカバースリップで被覆し、次に携帯用UVランプを用いて窒素下で365nmで2分間組成物を硬化した。
印加電圧に応じたPDLCフィルムの円偏光度は、電場に対して45°の入射角で633nmの波長を有する面偏光を使用したThorModelPA510偏光計を用いて測定された。円偏光度は百分率で表わされ、0V、400V、800V及び1200V、10℃、17.5℃及び25℃の温度で測定された。
(実施例1)
硬化性シリコーン組成物は、アンバーボトル中で以下の成分を完全に混合することによって調製された。24.23gの、70モル%のPhMeSiO2/2単位、27モル%のMeSiO2/2単位及び3モル%のMeViSiO1/2単位から成るジメチルビニルシロキシ末端オルガノポリシロキサンであって、6,161の数平均分子量及び11,320の重量平均分子量を有するオルガノポリシロキサン;1.002gの式CHCHC(CHCOCHCHSH)を有するメルカプト官能性化合物;並びに0.218gのDarocur4265(BASF社(BASF Corporation))である50%の2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン及び50%の2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドから成る光開始剤。シリコーン組成物(0.409g)は、0.055gのDowCorning705液である90%トリメチルペンタフェニルトリシロキサン及び10%テトラメチルヘキサフェニルテトラシロキサンから成る混合物、並びに0.111gの液晶E7(メルク(Merck)NB−SC(英国))である51%の4−ペンチル−4’−シアノビフェニル、25%の4−ヘプチル−4’−シアノビフェニル、16%の4−オクチル−4’−シアノビフェニル及び8%の4−ペンチル−4’’−シアノテルフェニルから成る混合物と化合された。この組成物から調製されたPDLCの円偏光度を表1に示す。
Figure 2007510793

Claims (8)

  1. シリコーン組成物であって、
    (A)1分子当たり平均少なくとも2つのアルケニル基、1,000〜50,000の数平均分子量、及びケイ素と結合したフェニル基を、1分子当たり平均10〜90モル%有する100重量部のオルガノポリシロキサンと、
    (B)硬化剤であって、
    (1)(a)該組成物を硬化するのに十分な量の、ケイ素と結合した水素原子を1分子当たり平均少なくとも2個有するオルガノ水素シロキサン、及び(b)触媒量のヒドロシリル化触媒を含む混合物、ならびに
    (2)(a)該組成物を硬化するのに十分な量の、(i)1分子当たり平均少なくとも2つのメルカプトアルキル基を有するメルカプト官能性オルガノシロキサン、及び(ii)1分子当たり平均少なくとも2つのメルカプト基を有するメルカプト官能性有機化合物から選択される、メルカプト官能性化合物、ならびに(b)触媒量の光開始剤を含む混合物
    から選択される硬化剤、
    (C)結合した、成分(A)及び成分(B)中で混和性の1〜200重量部の液晶であって、該液晶は、
    (i)式
    Figure 2007510793
    を有する少なくとも1つの化合物、及び
    (ii)(i)と、1〜10%の、式
    Figure 2007510793
    を有する少なくとも1つのテルフェニル化合物とを含む混合物、から選択される、
    (式中、各Rは独立して、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、−OR、−O(O=)CR、−C≡N、−NO、−CH=CHCOOR、−F,−Cl、−Br及び−Iから選択され、ここでRはC〜C20アルキルであり、Xは、−CH=N−、−N=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−C≡C−、−C(=O)O−及び−CH=N−N=CH−から選択される二価有機基であり、且つnは0又は1である);ならびに
    (D)1〜20重量部の相溶化剤であって、
    (i)式
    SiO(R SiO)SiR
    を有する少なくとも1つのシリコーン液、
    (ii)式
    Figure 2007510793
    を有する少なくとも1つのビフェニル化合物、及び
    (iii)1−フェニルナフタレン
    から選択される相溶化剤
    (式中、Rは、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、−OR、−O(O=)CR、−C≡N、−NO、−CH=CHCOOR、−F,−Cl、−Br及び−Iから選択され、ここでRはC〜C20アルキルであり、各Rは独立して、不飽和脂肪族を含まないC〜Cヒドロカルビルであり、ここで40〜90モル%のRはフェニルであり、Rは、R Si(OSiR (CH−及びR Si(OSiR (CHO−から選択され、ここでRはC〜Cヒドロカルビルであり、yは2〜12の整数であり、且つzは0〜20の整数であり、nは0又は1であり、且つwは1〜10の値を有する)、
    を含む、シリコーン組成物。
  2. 成分(A)の前記オルガノポリシロキサンが、1分子当たり平均20〜60モル%のケイ素と結合したフェニル基を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 成分(B)が成分(B)の(1)である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 成分(B)が成分(B)の(2)である、請求項1又は2に記載の組成物。
  5. 成分(C)が成分(C)の(i)である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 成分(C)が成分(C)の(ii)である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 成分(C)の濃度が、成分(A)の100重量部当たり1〜110重量部である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の前記シリコーン組成物を硬化することを含む方法によって調製されるPDLCであって、該PDLCが透明であり、且つ589nmの波長を有する光に対して25℃で1.42〜1.6の屈折率を有する、PDLC。
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