JP2023542688A - 超分岐ポリマー、その製造方法、及びそれを含む硬化性組成物 - Google Patents

超分岐ポリマー、その製造方法、及びそれを含む硬化性組成物 Download PDF

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Abstract

ヒドロシリル化反応触媒、並びに成分a)及び成分b)の反応生成物を含み、成分a)及び成分b)が合わせて、15重量%~60重量%の芳香族炭素原子を含有する、超分岐ポリマー。成分a)は、独立してp個のビニル基を有し、且つC、H、Si、及び任意のO原子からなり、各pが独立して2以上の整数である、少なくとも1つの第1のオルガノシランである。成分b)は、独立してq個のSi-H基を有し、且つC、H、Si、及び任意のO原子からなり、各qが独立して2以上の整数である、少なくとも1つの第2のオルガノシランであり、p/qが少なくとも3.1である。硬化性組成物は、超分岐ポリマーと、架橋剤系と、を含む。硬化性組成物の少なくとも部分的な反応生成物、及びそれを含む電子物品も開示される。

Description

本開示は、概して、超分岐オルガノシランポリマー、それらを含有する組成物、及びその製造方法に関する。
光学デバイスはますます複雑化し、ますます多くの機能層を伴うようになりつつある。光が光学デバイスの層を通って移動するとき、光は、多種多様な方法で層によって変化させることができる。例えば、光は、反射し、屈折し、又は吸収され得る。多くの場合、非光学的理由で光学デバイスに含まれる層は、光学特性に悪影響を及ぼす。例えば、光学的に透明ではない支持層が含まれる場合、この光学的に透明でない支持層による光の吸収は、デバイス全体の光透過率(light transmission)に悪影響を及ぼし得る。
多層光学デバイスに関する1つの一般的な難点は、屈折率の異なる層が互いに隣接していると、それらの界面で光の屈折が起こり得ることである。この光の屈折が望ましいデバイスもあるが、屈折が望ましくないデバイスもある。また、臨界角よりも大きい入射角では、光は2つの層の間の界面で反射され得る。2つの層の間の界面におけるこの光の屈折若しくは反射を最小化するか又は排除するために、界面を形成する2つの層の間の屈折率の差を最小化する努力がなされてきた。
しかし、光学デバイス内でより広範囲の材料が使用されるにつれて、屈折率の整合はますます困難になってきている。光学デバイスにおいて頻繁に使用される有機ポリマーフィルム及びコーティングは、限定された範囲の屈折率を有する。屈折率のより高い材料が光学デバイスにますます使用されるにつれて、望ましい屈折率及び光学的透明度などの好適な光学特性を有し、更に例えば加工性及び可撓性などの望ましい特徴を保持する有機組成物を調製することがますます困難になってきている。
光学デバイスが電子デバイス(例えば、携帯電話又はタブレットコンピュータ)に組み込まれる用途では、デバイスの性能に悪影響を及ぼさないように、低誘電率を有する材料を使用する必要がある。
高い屈折率を有する多くの材料はまた、典型的には、高い誘電率も有する。逆に、低い誘電率を有する材料は、典型的には、例えばOLEDなどの光学電子デバイスでの使用に適していない低い屈折率を有する。
有利なことに、本開示は、そのような用途(例えば、OLED)に適した誘電率と屈折率のバランスを達成することができる材料及び方法を提供する。
一態様では、本開示は、超分岐ポリマーであって、下記の成分:
a)独立してp個のビニル基を有し、且つC、H、Si及び任意のO原子からなり、各pが独立して2以上の整数である、少なくとも1つの第1のオルガノシラン、
b)独立してq個のSi-H基を有し、且つC、H、Si及び任意のO原子からなり、各qが独立して2以上の整数である、少なくとも1つの第2のオルガノシラン、並びに
c)少なくとも1つのヒドロシリル化反応触媒
の反応生成物を含み、
p/qが少なくとも3.1であり、
成分a)及び成分b)が合わせて、15重量%~60重量%の芳香族炭素原子を含有する、超分岐ポリマーを提供する。
別の態様では、本開示は、超分岐ポリマーを製造する方法であって、当該方法は、下記の成分:
a)独立してp個のビニル基を有し、且つC、H、Si及び任意のO原子からなり、各pが独立して2以上の整数である、少なくとも1つの第1のオルガノシラン、
b)独立してq個のSi-H基を有し、且つC、H、Si及び任意のO原子からなり、各qが独立して2以上の整数である、少なくとも1つの第2のオルガノシラン、並びに
c)少なくとも1つのヒドロシリル化反応触媒
を混合することを含み、
p/qが少なくとも3.1であり、
成分a)及び成分b)が合わせて、15重量%~60重量%の芳香族炭素原子を含有する、方法を提供する。
更に別の態様では、本開示は、少なくとも部分的に硬化した、本開示による硬化性組成物を提供する。
更に別の態様では、本開示は、光学電子部品上に配置された、少なくとも部分的に硬化した硬化性組成物を含む、電子物品を提供する。
本明細書で使用するとき、
「芳香族炭素原子」という用語は、炭素系芳香環(例えば、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル)又は基(例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニリル)中の炭素原子を指し、
「ヒドロカルビル基」という用語は、炭素原子及び水素原子で構成される一価の基を指し、
「ヒドロカルビレン基」という用語は、炭素原子及び水素原子で構成される二価の基を指し、
「炭化水素基」という用語は、炭素原子及び水素原子で構成される一価の基又は多価の基を指し、
「超分岐ポリマー」という用語は、密に分岐しており(しかし、典型的にはデンドリマーほど密ではない)、典型的には1つの合成ステップで得られる(デンドリマーとは対照的に)高分子を指し、
「オルガノシラン」という用語は、少なくとも1つのSi-C結合を含有する化合物を指し、
基「Si-H」は、それに結合した単一のHを有するケイ素原子を指す。残りの3つの結合は、炭素、及び/又は酸素、好ましくは炭素及び/又は酸素に対するものである。
「ビニル」という用語は、基-CH=CHを指す。
本開示の特徴及び利点は、詳細な説明及び付属する特許請求の範囲を考慮することで、更に理解されるであろう。
電子物品100の概略側面図である。
当業者は多くの他の修正形態及び実施形態を考案することができ、それらは本開示の原理の範囲及び趣旨に含まれることを理解されたい。図は、縮尺通りに描かれていないことがある。
本開示による超分岐ポリマーは、少なくとも1つのヒドロシリル化触媒によって促進される、少なくとも1つの第1のオルガノシランと少なくとも1つの第2のオルガノシランとのヒドロシリル化反応によって調製することができる。
有用な第1のオルガノシランは、独立してp個のビニル基を有し、且つC、H、Si及び任意のO原子からなることができる。いくつかの実施形態では、有用な第1のオルガノシランは、4個~50個の炭素原子(例えば、4個~50個、4個~36個、4個~18個又は4個~12個の炭素原子)、2個~10個のケイ素原子(例えば、2個~10個、2個~6又は2個~4個のケイ素原子)及び0個~9個の酸素原子(例えば、0個~9個、0個~6個、0個~4個、0個~2個又は0個~1個の酸素原子)を有する。Oが存在する場合、それは、好ましくはエーテル結合(すなわち、C-O-C)である。各pは独立して2以上の整数(例えば、3、4、5、6、7又は8)である。いくつかの実施形態では、有用な第1のオルガノシランは、C、H及びSi原子からなる。いくつかの実施形態では、有用な第1のオルガノシランは芳香族炭素原子を含むが、他の実施形態では芳香族炭素原子を含まない。
いくつかの実施形態では、有用な第1のオルガノシランは、独立して、下記の式
Figure 2023542688000002
によって表される。
各Rは、独立して、直接結合(すなわち、共有結合)又は1個~12個の炭素原子を有するヒドロカルビレン基である。例としては、メチレン、エチレン、プロパン-1,3-ジイル、プロパン-1,2-ジイル、ブタン-1,4-ジイル、ブタン-1,3-ジイル、ペンタン-1,5-ジイル、ペンタン-1,4-ジイル、ヘキサン-1,6-ジイル、オクタン-1,8-ジイル、デカン-1,10-ジイル、ドデカン-1,12-ジイル、1,4-フェニレン及び1,8-ビフェニレンが挙げられる。
各Rは、独立して、1個~12個の炭素原子を有するヒドロカルビル基(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、フェニル、ビフェニリル及びアルキル置換されたフェニル)である。いくつかの実施形態では、Rは、任意に置換されたフェニル基(例えば、フェニル、ビフェニリル、トリル、キシリル、メトキシフェニル)を含む。
bは0~4の整数(すなわち、0、1、2、3又は4)であり、cは0~4の整数(すなわち、0、1、2、3又は4)であり、dは0~2の整数(すなわち、0、1又は2)であり、ただし、b+c≧2(いくつかの実施形態では、b+c≧3)且つb+c+d=4である。
例示的な第1のオルガノシランとしては、1,3-ジビニル-1,3-ジフェニル-1,3-ジメチルジシロキサン、1,1,3,3-テトラフェニル-1,3-ジビニルジシロキサン、1,4-ビス(ビニルジメチルシリル)ベンゼン、1,5-ジビニル-3-フェニル-ペンタメチル-トリシロキサン、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,4-ジビニル-1,1,4,4-テトラメチル-1,4-ジシラブタン、ジビニルジメチルシラン、1,5-ジビニル-3,3-ジフェニル-1,1,5,5-テトラメチルトリシロキサン、1,3-ジビニルテトラキス(トリメチルシロキシ)ジシロキサン、1,5-ジビニルヘキサメチルトリシロキサン、ビス(ジビニル)-末端ポリジメチルシロキサン、1,3-ジビニルテトラエトキシジシロキサン、1,3-ジビニル-1,3-ジメチル-1,3-ジメトキシジシロキサン、トリビニルメトキシシラン、1,3,5-トリビニル-1,3,5-トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5-トリビニル-1,1,3,5,5-ペンタメチルトリシロキサン、1,3,5,7-テトラビニル-1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3-テトラビニルジメチルジシロキサン、テトラビニルシラン、テトラアリルシラン、1,3,5,7,9-ペンタ-ビニル-1,3,5,7,9-ペンタメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサビニルジシロキサン及び1,3,5,7,9,11-ヘキサ-ビニル-ヘキサ-メチル-シクロヘキサシロキサンが挙げられる。これらのビニル化合物は、例えば、Gelest,Inc.(Morrisville,Pennsylvania)などから市販されており、及び/又は公知の方法によって合成することができる。これらのうち、テトラビニルシラン、テトラアリルシラン及び1,1,3,3-テトラフェニル-1,3-ジビニルジシロキサンが、いくつかの実施形態では好ましい。
有用な第2のオルガノシランは、独立してq個のSi-H基を有し、且つC、H、Si及び任意のO原子からなることができる。いくつかの実施形態では、有用な第2のオルガノシランは、4個~50個の炭素原子(例えば、4個~50個、4個~36個、4個~18個又は4個~12個の炭素原子)、2個~10個のケイ素原子(例えば、2個~10個、2個~6又は2個~4個のケイ素原子)及び0個~9個の酸素原子(例えば、0個~9個、0個~6個、0個~4個、0個~2個又は0個~1個の酸素原子)を有する。Oが存在する場合、Zは、好ましくは単一の酸素原子であるか、又は、酸素はエーテル結合中に存在する。各qは独立して2以上の整数(例えば、3、4、5、6、7又は8)である。いくつかの実施形態では、有用な第2のオルガノシランは、C、H及びSi原子からなる。いくつかの実施形態では、有用な第2のオルガノシランは芳香族炭素原子を含むが、他の実施形態では芳香族炭素原子を含まない。
いくつかの実施形態では、有用な第2のオルガノシランは、独立して、下記の式
Figure 2023542688000003
によって表される。
各Zは、独立して、Si及びOで構成されるa価の基であるか、又は、Zは、C、H及び任意のOで構成されるa価の基である。
各Zは、独立して、1個~12個の炭素原子を有する。例えば、Zは、炭素原子(四価)、酸素原子(二価)、メチレン(二価)、エタン-1,2-ジイル(二価)、プロパン-1,3-ジイル(二価)、CHCH(CH-)(三価)であってもよい。いくつかの実施形態では、Zはフェニレン基である。
各Rは、独立して、上記で先に定義されたとおりである。
aは、2~8の整数(すなわち、2、3、4、5、6、7又は8)である。
例示的な第2のオルガノシランとしては、1,1,4,4-テトラメチル-1,4-ジシラブタン、1,4-ビス(ジメチルシリル)-ベンゼン、1,2-ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、トリス(ジメチルシロキシ)フェニルシラン、1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3-ジシラプロパン、ビス[(p-ジメチルシリル)フェニル]エーテル、1,3,5,7,9-ペンタメチルシクロペンタシロキサン、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルトリシロキサン、1,3,5,7-テトラメチル-シクロテトラシロキサン、1,3-ジフェニルテトラキス(ジメチルシロキシ)ジシロキサン、トリス(ジメチルシロキシ)エトキシシラン、メチルトリス(ジメチルシロキシ)-シラン、1,1,1,3,3,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサン、4,4’-ビス(ジメチルシリル)ビフェニル及びテトラキス(ジメチルシロキシ)シランが挙げられる。これらのSi-H基含有化合物は、例えば、Gelest,Inc.などから市販されており、及び/又は公知の方法によって合成することができる。これらのうち、1,1,4,4-テトラメチル-1,4-ジシラブタン、1,4-ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、ビス[(p-ジメチルシリル)フェニル]エーテル、テトラキス(ジメチルシロキシ)シランが、いくつかの実施形態では好ましい。
いくつかの実施形態では、芳香族炭素原子は、成分a)(すなわち、少なくとも1つの第1のオルガノシラン)及び成分b)(すなわち、少なくとも1つの第2のオルガノシラン)のいずれか又は両方に存在する。いくつかの実施形態では、芳香族炭素原子は成分a)及び成分b)の両方に存在する。
ヒドロシリル化は、触媒ヒドロシリル化とも呼ばれ、不飽和結合に対するSi-H結合の付加を表す。本開示による超分岐ポリマーを合成するためにヒドロシリル化が使用される場合、第1のオルガノシラン上のビニル基は、第2のオルガノシラン上のSi-H基と反応する。反応物の化学量論は、Si-H基に対して少なくとも3.1当量過剰のビニル基が存在するように、すなわち、p/qが少なくとも3.1であるように調整される。これは、超分岐ポリマーがペンダントビニル基を有することを確実にし、その合成中のポリマーの不要な架橋を制限するのに役立つ。いくつかの実施形態では、p/qの比率は少なくとも3.5、4、4.5、又は更には少なくとも5である。
ヒドロシリル化反応は、典型的には白金触媒により触媒され、概して、熱を加えて硬化反応をもたらす。この反応では、Si-Hが二重結合に対して付加されて、新しいC-H結合及びSi-C結合を形成する。このプロセスは、例えば、国際公開第2000/068336号(Koら)、及び国際公開第2004/111151号、及び国際公開第2006/003853号(Nakamura)に記載されている。
有用なヒドロシリル化触媒は、熱触媒及び/又は光触媒を含み得る。これらの中でも、長期間の貯蔵安定性及び取り扱いの容易さにより、光触媒が好ましい場合がある。例示的な熱触媒としては、HPtCl(スペイラー触媒)などの白金錯体、例えば、白金とジビニルシロキサンとの配位錯体(Karstedtの触媒)との配位錯体、及びトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)クロリド(ウィルキンソン触媒)などの有機金属白金錯体が挙げられる。
有用な白金光触媒は、例えば、米国特許第7,192,795号(Boardmanら)及びその中に引用された参考文献に開示されている。特定の好ましい白金光触媒は、Pt(II)β-ジケトネート錯体(米国特許第5,145,886号(Oxmanら)に開示されているものなど)、(η5-シクロペンタジエニル)トリ(σ-脂肪族)白金錯体(米国特許第4,916,169号(Boardmanら)、米国特許第4,510,094号(Drahnak)に開示されているものなど)、及びC7~20-芳香族置換(η5-シクロペンタジエニル)トリ(σ-脂肪族)白金錯体(米国特許第6,150,546号(Butts)に開示されているものなど)からなる群から選択される。ヒドロシリル化光触媒は、例えば、公知の方法に従って、化学線、典型的には紫外線への曝露によって活性化される。
ヒドロシリル化触媒の量は、任意の有効量であり得る。いくつかの実施形態では、ヒドロシリル化触媒の量は、Si-H及びビニル基含有化合物の合わせての総重量の100万部当たり約0.5部~約30部の白金の量であるが、より多くの量及びより少ない量も使用され得る。
超分岐ポリマーを製造するために、第1及び第2のオルガノシランは、ヒドロシリル化が起こるような条件下でヒドロシリル化触媒と組み合わされる。いくつかの場合には、単なる混合で十分である。他の場合には、加熱及び/又は紫外線による照射が有用であり得る。
超分岐ポリマーの屈折率を増加させるために、合わせた成分a)及び成分b)は、15重量%~60重量%、好ましくは30重量%~60重量%、より好ましくは40重量%~60重量%の芳香族炭素原子を含有する。芳香族炭素原子は、成分a)及び成分b)のいずれかにあっても両方にあってもよい。
少なくともいくつかの実施形態では、硬化性組成物及びそれらの対応する硬化反応生成物は、1.50~1.60の屈折率を有するが、より高い値及びより低い値も許容される。
同様に、少なくともいくつかの実施形態では、硬化性組成物及びそれらの対応する硬化反応生成物は、1メガヘルツの測定周波数で3.0未満の誘電率を有する。
本開示による超分岐ポリマーは、例えば硬化性組成物を調製するのに有用である。硬化性組成物は、超分岐ポリマーと、有効量の架橋剤系と、を含む。
架橋剤系は、少なくとも2つ(場合によっては少なくとも3つ又は更には少なくとも4つ)のSi-H基を有する第2のオルガノシランと同じであっても異なっていてもよい第3のオルガノシランと、ヒドロシリル化反応触媒とを含む。好適な第3のオルガノシランは、第2のオルガノシランの説明において上に列挙されている。第3のオルガノシランは、1分子当たり少なくとも2個(好ましくは2、3又は4個)のSi-H基を有するべきであり、硬化性組成物に低粘度を維持/付与するように比較的低分子量であることが好ましい。好適な第3のオルガノシランの例としては、テトラキス(ジメチルシロキシ)シラン及び1,1,4,4-テトラメチル-1,4-ジシラブタンが挙げられる。
架橋剤系は、任意の量で添加され得るが、典型的には、硬化性組成物の総重量に基づいて約20重量%以下の量で存在する。硬化系が第3のオルガノシランを含む場合、最も多い量が典型的には使用され、硬化系がフリーラジカル(光)開始剤を含む場合、最も少ない量(例えば、5重量%未満)が典型的には使用される。
硬化性組成物は、例えば、有機溶媒、ナノ粒子充填剤、紫外線吸収剤、接着促進剤、湿潤剤、及び酸化防止剤などの他の成分を含有してもよいが、それらを含まないことが好ましい。
有用なヒドロシリル化触媒は上に記載されているが、硬化性組成物又は本開示において、フリーラジカル開始剤(熱及び/又は光開始剤)が代わりに又は加えて使用されてもよい。光開始剤は、I型及び/又はII型光開始剤、好ましくはI型であってもよい。
例示的な熱フリーラジカル開始剤としては、典型的には約10重量%未満、より典型的には5重量%未満の量の過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル)及びアゾ化合物(例えば、アゾビスイソブチロニトリル)を挙げることができるが、これが要件というわけではない。
例示的な光開始剤(すなわち、光活性化フリーラジカル開始剤)としては、α-開裂型光開始剤(I型)、例えばα-メチルベンゾイン;α-フェニルベンゾイン;α-アリルベンゾイン;α-ベンゾイルベンゾインなどのベンゾイン及びその誘導体;ベンジルジメチルケタル(Ciba Specialty Chemicals(Tarrytown,New York)からIRGACURE651として入手可能)、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn-ブチルエーテルなどのベンゾインエーテル;2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン及び1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのアセトフェノン及びその誘導体;並びにアシルホスフィン、アシルホスフィンオキシド、及びジフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイド及びエチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネートなどのアシルホスフィネートが挙げられる。1つの有用な光開始剤である二官能性α-ヒドロキシケトンは、IGM Resins(Waalwijk,The Netherlands)からESACURE ONEとして入手可能である。他の例示的な光開始剤としては、アントラキノン(例えば、アントラキノン、2-エチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、1,4-ジメチルアントラキノン、1-メトキシアントラキノン)並びにベンゾフェノン及びその誘導体(例えば、フェノキシベンゾフェノン、フェニルベンゾフェノン)などのII型光開始剤が挙げられる。
架橋剤系は、任意の量、典型的には約10重量%未満、より典型的には5重量%未満で存在してもよいが、これが要件というわけではない。
本開示による硬化性組成物は、例えば、スクリーン印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷及びステンシル印刷を含む任意の好適な方法によって基材上に分配/コーティングされてもよい。これらのうち、インクジェット印刷(例えば、サーマルインクジェット印刷又はピエゾインクジェット印刷)は、本開示による硬化性組成物で使用するのに特によく適している。インクジェット印刷技術において有用であるために、好ましくは、硬化性組成物は無溶媒であるように配合されるが、有機溶媒が含まれてもよい。インクジェット印刷は、ある範囲の温度(例えば、20℃~60℃)にわたって実施され得る。インクジェット印刷可能な硬化性組成物は、典型的には、印刷温度で約100センチポアズ未満、好ましくは50センチポアズ未満、より好ましくは30センチポアズ未満、最も好ましくは20センチポアズ未満の剪断粘度を有するべきである。
硬化は、例えば、加熱(例えば、オーブン内で又は赤外線への曝露によって)及び/又は化学線(例えば、紫外線及び/又は電磁波可視光線)への曝露によって達成/加速され得る。化学線源(例えば、キセノンフラッシュランプ、中圧水銀アークランプ)及び露光条件の選択は、当業者の能力の範囲内である。
いくつかの実施形態では、本開示による硬化性組成物は、例えば、電子ディスプレイ及びその光学電子部品などの基材に適用することができるインク(例えば、スクリーン印刷インク又はインクジェット印刷可能インク)又は他の分配可能な流体として配合される。例としては、有機発光ダイオード(OLED)、量子ドット発光ダイオード(QDLED)、マイクロ発光ダイオード(μLED)、及び量子ナノロッド電子デバイス(QNED)が挙げられる。有利なことに、本開示によるインクジェット印刷可能な硬化性組成物は、低誘電率と高屈折率とのバランスにより、光学電子部品で使用するのに適している。
本開示による硬化性組成物は、基材上に配置され、少なくとも部分的に硬化されて(例えば、C段階まで硬化されて)、例えばOLEDディスプレイなどの光学電子部品を含む電子物品を提供することができる。
ここで図1を参照すると、例示的な電子デバイス100は、OLEDマザーガラス基材110上の薄膜トランジスタ(TFT)120アレイ上に支持されたOLEDディスプレイ130の形態の光学電子部品を含む。薄膜封止(TFE)層140は、本開示による硬化した組成物を含む。本開示による組成物140は、OLEDディスプレイ130上に配置され、OLEDディスプレイ130を封止する。タッチセンサアセンブリ(例えば、オンセルタッチアセンブリ(OCTA))150は、硬化した組成物140上に配置される。
タッチセンサとOLED/TFTアレイとが近接しているため、OLEDディスプレイからの電子信号は、タッチセンサ(例えば、OCTA)と干渉する可能性がある。したがって、TFE中の硬化した組成物は、OCTA層をOLEDから電子的に絶縁し、デバイスにおけるタッチ感度を改善するために、より低い誘電率を必要とする。硬化した組成物の誘電率が大きすぎる場合(例えば、1MHzで4より大きい)、容量式タッチセンサで典型的な単位面積当たりの低い静電容量に到達するために、TFEの非常に厚い層が必要とされる。逆に、低誘電率材料(例えば、1MHzで3より小さい)は、OLED層とOCTA層との間の電子的絶縁の機能を依然として果たしながら、TFE層がわずか数ミクロンの厚さであることを可能にする。このような薄いTFE層はまた、より厚い層よりも印刷が容易且つ迅速であり、より良好な全体的な光学特性を有する。
本開示の目的及び利点は以下の非限定的な実施例によって更に例証されるが、これらの実施例に引用される具体的な材料及びそれらの量、並びに他の条件及び詳細は、本開示を過度に制限するものと解釈されるべきではない。
別段の記載がない限り、実施例及び本明細書のその他の箇所における全ての部、百分率、比などは、重量基準である。
以下の表1に、実施例で使用した材料を一覧で示す。
Figure 2023542688000004
実施例1
超分岐ポリカルボシラン1(HB-PCS-1)の調製
1,4-ビスジメチルシリルベンゼン(9.20g、0.0473mol)を、トルエン(50mL)中のテトラビニルシラン(10.0g、0.0734mol、3.1モル過剰のビニル)及び白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(1滴)の溶液に滴下した。反応混合物を60℃で3日間撹拌し、トルエン及び過剰のモノマーを減圧下で除去して、生成物を粘性液体として得た。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC、トルエン、ELSD):M=2500g/mol、M=4900g/mol、多分散度=1.9。示差走査熱量測定(DSC、10℃分-1、N):-45℃(T)。屈折率=1.538。
実施例2
超分岐ポリカルボシラン2(HB-PCS-2)の調製
1,4-ビスジメチルシリルベンゼン(9.20g、0.0473mol)を、トルエン(50mL)中のテトラアリルシラン(14.12g、0.0734mol、3.1モル過剰のアリル)及び白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(1滴)の溶液に滴下した。反応混合物を60℃で2日間撹拌し、トルエンを減圧下で除去した。粗生成物をアセトニトリル(3×20mL)で洗浄し、乾燥させ、生成物を粘性液体として得た。GPC(トルエン、ELSD):M=2700g/mol、M=10,000g/mol、多分散度=3.7。DSC(10℃分-1、N):-75℃(T)。屈折率=1.525。
実施例3
超分岐ポリカルボシラン3(HB-PCS-3)の調製
ビス-p-ジメチルシリルフェニルエーテル(6.79g、0.0237mol)を、トルエン(20mL)中のテトラビニルシラン(5.0g、0.0367mol、3.1モル過剰のビニル)及び白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(1滴)の溶液に滴下した。反応混合物を60℃で4日間撹拌し、トルエンを減圧下で除去した。粗生成物をアセトニトリル(3×20mL)で洗浄し、乾燥させ、生成物を粘性液体として得た。GPC(トルエン、ELSD):M=2600g/mol、M=7600g/mol、多分散度=2.9。DSC(10℃分-1、N):-19℃(T)。屈折率=1.557。
実施例4
超分岐ポリカルボシラン4(HB-PCS-4)の調製
ビス-p-ジメチルシリルフェニルエーテル(4.27g、0.0149mol)を、トルエン(20mL)中のテトラアリルシラン(4.44g、0.0231mol、3.1モル過剰のアリル)及び白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(1滴)の溶液に滴下した。反応混合物を70℃で3日間撹拌し、トルエンを減圧下で除去した。粗生成物をアセトニトリル(3×20mL)で洗浄し、乾燥させ、生成物を粘性液体として得た。GPC(トルエン、ELSD):M=3000g/mol、M=18,000g/mol、多分散度=6.0。DSC(10℃分-1、N):-55℃(T)。屈折率=1.544。
実施例5
超分岐ポリカルボシラン5(HB-PCS-5)の調製
1,2-ビスジメチルシリルベンゼン(4.60g、0.0237mol)を、トルエン(25mL)中のテトラビニルシラン(5.0g、0.0367mol、3.1モル過剰のビニル)及び白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(1滴)の溶液に滴下した。反応混合物を60℃で3日間撹拌し、トルエンを減圧下で除去した。粗生成物をアセトニトリル(3×20mL)で洗浄し、乾燥させ、生成物を粘性液体として得た。GPC(トルエン、ELSD):M<1500。DSC(10℃分-1、N:-67℃(T)。屈折率=1.538。
実施例6
超分岐ポリカルボシラン6(HB-PCS-6)の調製
1,2-ビスジメチルシリルベンゼン(5.33g、0.0274mol)を、トルエン(25mL)中のテトラアリルシラン(8.07g、0.042mol、3.1モル過剰のアリル)及び白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(1滴)の溶液に滴下した。反応混合物を60℃で5日間撹拌し、トルエンを減圧下で除去した。粗生成物をアセトニトリル(3×20mL)で洗浄し、乾燥させ、生成物を粘性液体として得た。GPC(トルエン、ELSD):M=1000g/mol、M=2600g/mol、多分散度=2.9。DSC(10℃分-1、N):-84℃(T)。屈折率=1.520。
実施例7
超分岐ポリカルボシロキサン7(HB-PCSOX-7)の調製
テトラキス(ジメチルシロキシ)シラン(0.61g、1.85mmol)を、トルエン(15mL)中の1,3-ジビニルテトラフェニルジシロキサン(5.0g、0.0115mol、3.1モル過剰のビニル)及び白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(1滴、キシレン中2.1~2.4%のPt)の溶液に滴下した。反応混合物を70℃で3日間撹拌し、トルエンを減圧下で除去した。アセトニトリル(20mL)を粗生成物に添加し、室温で24時間放置した。白色固体が沈殿し、溶液成分を単離し、アセトニトリルを減圧下で除去し、生成物を粘性液体として得た。GPC(トルエン、ELSD):M=1000g/mol、M=1200g/mol、多分散度=1.2。DSC(10℃分-1、N:-40℃(T)。屈折率=1.594。
試験方法
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
およその濃度1.5mg/mLの溶液をトルエン中で調製した。試料を、オービタルシェーカー上で12時間かき混ぜた。試料溶液を0.45ミクロンのPTFEシリンジフィルターを通して濾過し、次いでGPCによって分析した。Agilent(Santa Clara,California)1260LC機器を、40℃のAgilent PLgel MIXED B+Cカラム、1.0mL/分のトルエン溶離液、NISTポリスチレン標準(SRM 705a)、及びAgilent1260蒸発光散乱検出器と共に使用した。
示差走査熱量測定(DSC)
材料を秤量し、TA InstrumentsのアルミニウムDSC試料パンに載せることにより、DSC試料を熱分析のために調製した。試料片は、標準モード(10℃/分で-155℃~約50℃)で加熱-冷却-加熱法を用いて、TA Instruments Discovery示差走査熱量計(DSC-SN DSC1-0091)を使用して分析した。データ収集後、TA Universal Analysisプログラムを使用して、熱遷移を分析した。ガラス転移温度は、標準熱流量(HF)曲線における階段状変化を用いて評価した。第2の熱遷移の中点(半分の高さ)温度が例示されている。
屈折率の測定
屈折率は、Milton Roy Company屈折計(モデル番号:334610)で測定した。液体試料を2つのプリズムの間に密封し、屈折率をナトリウムランプの589nm線で20℃にて測定した。
100kHz~1MHzでの液体の誘電分光法
誘電特性及び液体の導電率の測定は、Novocontrol Technologies GmbH(Montabaur,Germany)のAlpha-A High Temperature Broadband Dielectric Spectrometerモジュール式測定システムを用いて実行した。Keysight Model 16452A液体誘電体試験装置を使用して、平行板コンデンサとして液体を収容した。Alpha-Aモジュール測定システムのZG2伸張試験インターフェースを使用して、Novocontrolソフトウェアを通してKeysight Model 16452A液体誘電体試験装置の自動インピーダンス測定を可能にした。誘電率は、液体を含む試験セルの静電容量の、空気を含む試験セルの静電容量に対する比から計算した。より高い粘度の液体を16452A試験セルで測定するために、まず液体を50~55℃に加熱し、この温度で15~30分間保持した。次に、液体をシリンジで液体試験セルに注入した。注入後、気泡の形成を最小限に抑え、回避するために、液体を最大30分間沈降させた。30分間の沈降後、試料を試験した。
配合成分の誘電率
超分岐ポリマー1~4、6及びTMDSBの誘電率は、20℃にて100キロヘルツ(kHz)及び1メガヘルツ(MHz)の周波数で測定した。結果を以下の表2に報告する。
Figure 2023542688000005
実施例8~17
2成分の100%固形分/無溶剤配合物(表3の実施例8~10)を、様々な条件下で白金触媒ヒドロシリル化によって硬化させて、硬質で透明なハードコーティングを得た。配合物は、Si-H官能基を有するシラン成分(TMDSB)及びビニル官能基を有する成分(HB-PCS-1、2又は3)を有していた。1成分の100%固形分/無溶媒配合物(表3の実施例11~14)を過酸化物硬化させ、硬質で透明なハードコーティングを得た。
Figure 2023542688000006
実施例8~10は、配合物が0.0015重量%の白金含有量を有するように白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(Karstedtの触媒)を添加し、ピペットを介して顕微鏡スライドガラス上に0.25mLの配合物を堆積させ、100℃にて5分間、加熱することによって熱硬化させた。
実施例9はまた、配合物が0.01重量%の白金含有量を有するように白金(II)アセチルアセトネート(Pt acac)を添加し、ピペットを介して顕微鏡スライドガラス上に0.25mLの配合物を堆積させ、Clearstone CF1000 UV LEDシステムを使用して硬化させることによって(395nm、試料の表面から1cmの距離で5分間、319mW/cmに対応する100%強度)、独立して、室温でUV硬化された。
実施例11~14は、過酸化ジクミルを2重量%で添加し、ピペットを介して0.25mLの配合物を顕微鏡スライドガラス上に堆積させ、150℃で120分間、加熱することによって熱硬化させた。
配合物の屈折率
実施例8~14の配合物の屈折率を、硬化前に20℃で測定した。結果を以下の表4に報告する。
Figure 2023542688000007
前述の記載は、当業者が、特許請求の範囲に記載の開示を実践することを可能にするためのものであり、本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではなく、本開示の範囲は特許請求の範囲及びその全ての等価物によって定義される。

Claims (25)

  1. 超分岐ポリマーであって、下記の成分:
    a)独立してp個のビニル基を有し、且つC、H、Si及び任意のO原子からなり、各pが独立して2以上の整数である、少なくとも1つの第1のオルガノシラン、
    b)独立してq個のSi-H基を有し、且つC、H、Si及び任意のO原子からなり、各qが独立して2以上の整数である、少なくとも1つの第2のオルガノシラン、並びに
    c)少なくとも1つのヒドロシリル化反応触媒
    の反応生成物を含み、
    p/qが少なくとも3.1であり、
    成分a)及び成分b)が合わせて、15重量%~60重量%の芳香族炭素原子を含有する、超分岐ポリマー。
  2. p/qが少なくとも4である、請求項1に記載の超分岐ポリマー。
  3. 前記芳香族炭素原子が成分b)中に存在しない、請求項1に記載の超分岐ポリマー。
  4. 前記芳香族炭素原子が成分a)中に存在しない、請求項1に記載の超分岐ポリマー。
  5. 前記芳香族炭素原子が前記成分a)及び前記成分b)の両方に存在する、請求項1に記載の超分岐ポリマー。
  6. 成分b)における前記少なくとも1つの第2のオルガノシランが、独立して、式
    Figure 2023542688000008
    [式中、Zは、Si及びOで構成されるa価の基であるか、又は、Zは、C、H及び任意のOで構成されるa価の基であり、Zは1個~12個の炭素原子を有し、各Rは、独立して、1個~12個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、aは2~8の整数である]
    によって表される、請求項1に記載の超分岐ポリマー。
  7. 成分b)における前記少なくとも1つの第2のオルガノシランが、H(CHSiCHCHSi(CHH、H(CHSiCSi(CHH、H(CHSiCOCSi(CHH、Si(OSi(CHH)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の超分岐ポリマー。
  8. Zがフェニレン基を含む、請求項1に記載の超分岐ポリマー。
  9. が任意に置換されたフェニル基を含む、請求項1に記載の超分岐ポリマー。
  10. 成分a)における前記少なくとも1つの第1のオルガノシランが、独立して、式
    Figure 2023542688000009
    [式中、各Rは、独立して、直接結合又は1個~12個の炭素原子を有するヒドロカルビレン基であり、各Rは、独立して、1個~12個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、bは0~4の整数であり、cは0~4の整数であり、dは0~2の整数であり、ただしb+c≧2且つb+c+d=4である]
    によって表される、請求項1に記載の超分岐ポリマー。
  11. 成分a)における前記少なくとも1つの第1のオルガノシランが、テトラビニルシラン、テトラアリルシラン及び1,1,3,3-テトラフェニル-1,3-ジビニルジシロキサンからなる群から選択される、請求項1に記載の超分岐ポリマー。
  12. 及びRが、任意に置換されたフェニル基を含む、請求項10に記載の超分岐ポリマー。
  13. 超分岐ポリマーを製造する方法であって、前記方法が、下記の成分:
    a)独立してp個のビニル基を有し、且つC、H、Si及び任意のO原子からなり、各pが独立して2以上の整数である、少なくとも1つの第1のオルガノシラン、
    b)独立してq個のSi-H基を有し、且つC、H、Si及び任意のO原子からなり、各qが独立して2以上の整数である、少なくとも1つの第2のオルガノシラン、並びに
    c)少なくとも1つのヒドロシリル化反応触媒
    を混合することを含み、
    p/qが少なくとも3.1であり、
    成分a)及び成分b)が合わせて、15重量%~60重量%の芳香族炭素原子を含有する、方法。
  14. p/qが少なくとも4である、請求項13に記載の方法。
  15. 請求項1~12のいずれか一項に記載の前記超分岐ポリマーと、
    有効量の架橋剤系と、を含む、硬化性組成物。
  16. 前記架橋剤系が、少なくとも2つのSi-H基を有する第3のオルガノシラン及びヒドロシリル化反応触媒を含む、請求項15に記載の硬化性組成物。
  17. 前記第3のオルガノシランが少なくとも3つのSi-H基を有する、請求項16に記載の硬化性組成物。
  18. 前記ヒドロシリル化反応触媒が、光ヒドロシリル化反応触媒を含む、請求項15に記載の硬化性組成物。
  19. 前記架橋剤系が、フリーラジカル熱開始剤又はフリーラジカル光開始剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載の硬化性組成物。
  20. 前記硬化性組成物が1.50~1.60の屈折率を有する、請求項15~19のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  21. 前記硬化性組成物が、1メガヘルツの測定周波数で3.0未満の誘電率を有する、請求項15~21のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  22. 少なくとも部分的に硬化した、請求項15~21のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  23. 光学電子部品上に配置された、少なくとも部分的に硬化した請求項15~22のいずれか一項に記載の硬化性組成物を含む、電子物品。
  24. 前記光学部品が、有機発光ダイオード、量子ドット発光ダイオード、マイクロ発光ダイオード又は量子ナノロッド電子デバイスのうちの少なくとも1つを含む、請求項23に記載の電子物品。
  25. 前記光学部品が有機発光ダイオードを含む、請求項23に記載の電子物品。
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