JP6552219B2 - 光硬化性樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
〔1〕
下記一般式(7)で表される構成単位と、下記一般式(8)で表される構成単位のみを環状オルガノポリシロキサンを構成する単位として有するハイドロジェンポリシロキサン(a)と、
ケイ素原子に直接結合したビニル基を1個有し、加水分解性基を1個以上含有する、下記一般式(14)で表される化合物(b1)と、
ケイ素原子に直接結合したビニル基を1個有し、加水分解性基を有しない、一般式(15)で表される化合物(b2)と、
不飽和結合含有基を2個以上有する一般式(16)で表される有機化合物(c)と、を、
ヒドロシリル化反応触媒(d)の存在下で付加反応させて得られる環状オルガノポリシロキサン(I)100質量部と、
無機粒子10〜200質量部と、
光ラジカル発生剤0.050〜20質量部と、を含有する、
光硬化性樹脂組成物。
〔2〕
前記無機粒子の平均粒径が、0.1〜100nmである、〔1〕に記載の光硬化性樹脂組成物。
〔3〕
前記無機粒子が、シリカ、酸化銅、酸化亜鉛、酸化インジウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、過塩素酸カリウム、シアン化カリウム、硝酸ナトリウム、臭化ナトリウム、シアン化ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、フッ化バリウム、塩化バリウム、リン酸水素バリウム、硫化バリウム、フッ化ソーダ、フッ化カルシウム、フッ化ランタン、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、合成石英、炭酸ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、酸化セリウム、酸化ハフニウム、五酸化ニオブ、五酸化タンタル、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化ベリリウム、カオリンクレー、タルク、珪酸マグネシウム、セリサイト、ワラスナイト、及びマイカからなる群より選ばれる1種以上である、〔1〕又は〔2〕に記載の光硬化性樹脂組成物。
〔4〕
下記一般式(5)で表される構成単位F1'と、下記一般式(6)で表される構成単位T'のみからなる環状オルガノポリシロキサン(II)0.10〜100質量部をさらに含有する、
〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
〔5〕
前記R 1' が、炭素数1〜10のアルキル基である、〔4〕に記載の光硬化性樹脂組成物。
〔6〕
前記R 1' が、メチル基である、〔4〕又は〔5〕に記載の光硬化性樹脂組成物。
〔7〕
前記光ラジカル発生剤の含有量が、前記環状オルガノポリシロキサン(I)及び前記環状オルガノポリシロキサン(II)の合計100質量部に対して、0.50〜10質量部である、〔4〕〜〔6〕のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
〔8〕
ヒドロシリル化反応触媒をさらに含有し、
該ヒドロシリル化反応触媒の含有量が、前記環状オルガノポリシロキサン(I)及び前記環状オルガノポリシロキサン(II)の合計100質量部に対して、0.0010質量部以下である、〔4〕〜〔7〕のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
〔9〕
下記一般式(7)で表される構成単位と、下記一般式(8)で表される構成単位のみを環状オルガノポリシロキサンを構成する単位として有するハイドロジェンポリシロキサン(a)と、
ケイ素原子に直接結合したビニル基を1個有し、加水分解性基を1個以上含有する、下記一般式(14)で表される化合物(b1)と、
アルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換又は非置換のア
リール基、及び置換又は非置換のアラルキル基からなる群より選ばれるいずれかを示し、
Y''は、炭素数0〜8の二価の炭化水素基を示し、nは1〜3の整数である。)
ケイ素原子に直接結合したビニル基を1個有し、加水分解性基を有しない、一般式(15)で表される化合物(b2)と、
不飽和結合含有基を2個以上有する一般式(16)で表される有機化合物(c)と、を、
ヒドロシリル化反応触媒(d)の存在下で付加反応させて、環状オルガノポリシロキサンを得る付加反応工程と、
前記環状オルガノポリシロキサンと、無機粒子(e)と、光ラジカル発生剤と、を混合する混合工程と、を有する、
光硬化性樹脂組成物の製造方法。
〔10〕
〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を含む、光半導体用封止材。
〔11〕
〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を含む、光半導体用ダイボンド材。
〔12〕
〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を含む、接着剤。
〔13〕
〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を含む、コーティング材。
〔14〕
〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を含む、ナノインプリント用硬化性樹脂組成物。
〔15〕
〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を含む、光学用レンズ。
〔16〕
〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物と、着色剤と、を含む、インク。
〔17〕
〔10〕に記載の光半導体用封止材を成形した、光半導体パッケージ。
〔18〕
〔10〕に記載の光半導体用封止材を用いて製造された、光半導体装置。
本実施形態の光硬化性樹脂組成物は、下記一般式(1)で表される構成単位F1と、下記一般式(2)で表される構成単位M1と、を、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位として有する、オルガノポリシロキサン(I)100質量部と、無機粒子10〜200質量部と、光ラジカル発生剤0.050〜20質量部と、を含有する。
オルガノポリシロキサン(I)は、下記一般式(1)で表される構成単位F1と、下記一般式(2)で表される構成単位M1と、を、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位として有する。
上記一般式(1)で表される構成単位F1は、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位である。
上記一般式(2)で表される構成単位M1は、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位である。
オルガノポリシロキサン(I)は、下記一般式(3)で表される構成単位M2を、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位としてさらに有してもよい。
オルガノポリシロキサン(I)は、下記一般式(4)で表される構成単位Sを、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位としてさらに有してもよい。
本実施形態において無機粒子とは、無機単体又は無機化合物からなる粒子である。具体的には、炭化水素を含まない化合物を指す。無機粒子を用いることにより、線膨張率がより低下する。
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、上記オルガノポリシロキサン(I)100質量部に対して、下記一般式(5)で表される構成単位F1’と、下記一般式(6)で表される構成単位T’と、を環状オルガノポリシロキサンを構成する単位として有するオルガノポリシロキサン(II)0.10〜100質量部をさらに含有してもよい。オルガノポリシロキサン(II)を含有することにより、硬化性樹脂組成物により得られる硬化物の架橋密度が増加し、線膨張率がより低下する傾向にある。
上記一般式(5)で表される構成単位F1’は、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位である。
上記一般式(6)で表される構成単位T’は、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位である。
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、上記オルガノポリシロキサン(I)100質量部に対して、炭素数2〜10の不飽和結合含有基を有する直鎖のオルガノポリシロキサン(III)0.10〜100質量部をさらに含有してもよい。オルガノポリシロキサン(III)を含有することにより、硬化性樹脂組成物により得られる硬化物の耐光性が向上する傾向にある。
光ラジカル発生剤は、光によって不飽和結合含有基同士をラジカル重合させるものであれば特に制限されないが、例えば、特公昭59−1281号公報、特公昭61−9621号公報、及び特開昭60−60104号公報等に記載のトリアジン誘導体;特開昭59−1504号公報、及び特開昭61−243807号公報等に記載の有機過酸化物;特公昭43−23684号公報、特公昭44−6413号公報、特公昭44−6413号公報、及び特公昭47−1604号公報等、並びに米国特許第3,567,453号明細書に記載のジアゾニウム化合物;米国特許第2,848,328号明細書、米国特許第2,852,379号明細書、及び米国特許2,940,853号各明細書に記載の有機アジド化合物;特公昭36−22062号公報、特公昭37−13109号公報、特公昭38−18015号公報、及び特公昭45−9610号公報等に記載のオルト−キノンジアジド類;特公昭55−39162号公報、及び特開昭59−14023号公報等の各公報、並びに「マクロモレキュルス(Macromolecules)、第10巻、第1307頁(1977年)」に記載の各種オニウム化合物;特開昭59−142205号公報に記載のアゾ化合物;特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109,851号明細書、ヨーロッパ特許第126,712号明細書、及び「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.Imag.Sci.)、第30巻、第174頁(1986年)」等に記載の金属アレン錯体;特開平6−213861号公報、及び特開平6−255347号公報に記載の(オキソ)スルホニウム有機ホウ素錯体;特開昭61−151197号公報に記載のチタノセン類;「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(Coordination Chemistry Review)、第84巻、第85・第277頁(1988年)」、及び特開平2−182701号公報に記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体;特開平3−209477号公報に記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;四臭化炭素;特開昭59−107344号公報に記載の有機ハロゲン化合物等が挙げられる。光ラジカル発生剤は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、ヒドロシリル化反応触媒をさらに含有していてもよい。ヒドロシリル化反応触媒としては、後述するものが挙げられる。
本実施形態の光硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、光エネルギーに対する硬化性を促進する(感度の向上)目的で、(メタ)アクリレートモノマー類やオリゴマー類及びビニル(メタ)アクリレート等のラジカル重合性化合物等を添加してもよい。
本実施形態の硬化性樹脂組成物の製造方法は、
下記一般式(7)で表される構成単位を、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位として有するハイドロジェンポリシロキサン(a)と、
ケイ素原子に直接結合したビニル基を1個有し、加水分解性基を1個以上含有するオルガノシロキサン(b1)と、
不飽和結合含有基を2個以上有する有機化合物(c)と、を、
ヒドロシリル化反応触媒(d)の存在下で付加反応させて、オルガノポリシロキサンを得る付加反応工程と、
前記オルガノポリシロキサンと、無機粒子(e)と、光ラジカル発生剤と、を混合する混合工程と、を有する。
〔ハイドロジェンポリシロキサン(a)〕
ハイドロジェンポリシロキサン(a)は、上記一般式(7)で表される構成単位を、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位として有する化合物である。
オルガノシロキサン(b1)は、ケイ素原子に直接結合したビニル基を1個有し、加水分解性基を1個以上含有する化合物である。このようなオルガノシロキサン(b1)としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(14)で表される化合物が挙げられる。なお、オルガノシロキサン(b1)には、オルガノポリシロキサンも含まれうる。
付加反応工程において、ケイ素原子に直接結合したビニル基を1個有し、加水分解性基を有しないオルガノシロキサン(b2)を、さらに付加反応させてもよい。オルガノシロキサン(b2)としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(15)で表される化合物が挙げられる。なお、オルガノシロキサン(b2)には、オルガノポリシロキサンも含まれうる。
有機化合物(c)は、不飽和結合含有基を2個以上有する化合物である。有機化合物(c)としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(16)で表される化合物が挙げられる。
有機化合物(c)の使用量割合=[有機化合物(c)のモル量]/[(ハイドロジェンポリシロキサン(a)のSiH基のモル量)−(オルガノシロキサン(b1)のビニル基のモル量+オルガノシロキサン(b2)のビニル基のモル量]
ヒドロシリル化反応触媒(d)としては、特に限定されず、従来公知のものを全て使用することができる。より具体的には、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応生成物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒;パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の、白金系触媒以外の白金族金属系触媒が挙げられる。ヒドロシリル化反応触媒(d)は、1種単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
上記付加反応は、必要に応じて溶剤中で行ってもよい。溶剤としては、特に限定されないが、例えば、トルエン及びキシレン等の芳香族系溶剤;ヘキサン及びオクタン等の脂肪族系溶剤;メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル及び酢酸イソブチル等のエステル系溶剤;ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル系溶剤;並びに、イソプロパノール等のアルコール系溶剤;又はこれらの混合溶剤が挙げられる。
オルガノポリシロキサンの製造方法は、付加反応後に、オルガノポリシロキサンからヒドロシリル化反応触媒(d)を除去する触媒除去工程を有してもよい。触媒除去としては、特に限定されないが、例えば、水洗、活性アルミナや活性炭等の吸着材によって除去する方法が挙げられる。
混合工程は、得られたオルガノポリシロキサンと、無機粒子と、光ラジカル発生剤と、を混合する工程である。当該工程により、硬化性樹脂組成物中に、無機粒子と光ラジカル発生剤が分散する。混合分散の方法としては、特に限定されないが、オルガノポリシロキサンを含む溶液と、無機粒子を含む溶液と、光ラジカル発生剤を含む溶液と、を混合して溶媒を除去する湿式法、ビーズミル分散法、ジェットミル分散法、ボールミル分散法、超音波ホモジナイザ分散法、ペイントシェイカー分散法等が挙げられる。このうち、分散性と簡易性の観点から、湿式法、ビーズミル分散法、ジェットミル分散法がより好ましい。なお、湿式法においては、無機粒子と光ラジカル発生剤を含む溶液を用いてもよい。
本実施形態の光硬化性樹脂組成物は、硬化前は、液状又は固形であり、所定の処理を施すことにより硬化物となりうる。例えば、光硬化性樹脂組成物に紫外線照射処理を施すことにより、光ラジカル発生剤を始点として不飽和結合含有基が重合し、硬化物が得られる。以下、本実施形態の光硬化性樹脂組成物の各用途について説明するが、本実施形態の光硬化性樹脂組成物の用途は以下に限られない。
本実施形態の光硬化性樹脂組成物は、光半導体用封止材として用いることができる。本実施形態の光硬化性樹脂組成物を含む光半導体用封止材は、OLEDディスプレイ素子や太陽光発電モジュール等の封止材として用いることができる。本実施形態の光半導体用封止材を成形した光半導体パッケージ、本実施形態の光半導体用封止材を用いて製造された光半導体装置も本発明の範囲内である。
本実施形態の光硬化性樹脂組成物は、感光性を有するコーティング剤としても用いることができる。本実施形態の光硬化性樹脂組成物を含むコーティング材は、空気中において薄膜を高速に硬化することができることから、非加熱で高速に硬化することが要求される樹脂フィルム、基板等へのコーティング材としても好適に使用される。具体的には、フラットパネルディスプレイ(FPD)等に用いられる反射防止膜形成用コーティング材が挙げられる。
本実施形態の光硬化性樹脂組成物は、光照射によって硬化するため、感光性を有する接着剤として好適に用いることができる。本実施形態の光硬化性樹脂組成物を含む接着剤は、上述した液体、固体、ゾル状などの形態等にして用いることができ、湿度による硬化阻害がなく優れた接着性を発揮できる。
本実施形態の光硬化性樹脂組成物は、ナノインプリント用光硬化性樹脂としても好適に用いることができる。本実施形態の光硬化性樹脂組成物を含むナノインプリント用光硬化性樹脂を用いることにより、従来の露光装置を使わずに、原版を光硬化性樹脂を塗布した基板に押し当てることで微細加工を実現することができる。
本実施形態の光硬化性樹脂組成物に着色剤を添加することによって、感光性を有するインクとすることができる。本実施形態の光硬化性樹脂組成物と着色剤とを含むインクは、比較的低粘度化が容易であるという特徴も有しており、優れた光硬化性とあいまって、着色剤と混合することによって感光性を有するインクとしても好適に用いることが可能である。
顔料インク中の顔料粒子の平均粒径は、インク中での安定性、画像濃度、光沢感、耐光性等を考慮して選択するが、光沢向上、質感向上の観点からも粒径は適宜選択することが好ましい。
本実施形態の光硬化性樹脂組成物の硬化物は、その耐熱黄変性や高い透明性を活かして、光学用レンズとして好適に用いることができる。本実施形態の光硬化性樹脂組成物を含む光学用レンズは、例えば、眼鏡レンズ、光学機器用レンズ、CDやDVDのピックアップ用レンズ、自動車ヘッドランプ用レンズ、及びプロジェクター用レンズ等のレンズ材料、光ファイバー、光導波路、光フィルター、光学用接着剤、光ディスク基板及びディスプレイ基板等、各種光学部材にも好適に使用される。
反応開始前の溶液と、サンプリングした反応溶液(後述する実施例、比較例中のオルガノポリシロキサン合成における反応溶液であって、反応開始から72時間経過後の溶液)0.05gを重水素化クロロホルム溶媒1gにそれぞれ溶解して測定試料とした。この測定試料の1H NMRの測定を、日本分光社製α−400(400MHz)を用いて積算回数100回にて行い、得られた結果を解析した。
SiHの反応率(%)=[((X1−Y1)/X1]×100
X1:反応前のピーク面積比:(反応前のSiHのピーク面積)/(反応前のSi−CH3のピーク面積)
Y1:反応後のピーク面積比:(反応後のSiHのピーク面積)/(反応後のSi−CH3のピーク面積)
後述する実施例、比較例において作製したオルガノポリシロキサン(A1)〜(A2)及び(B1)の各サンプル20mgを、1gの重水素化クロロホルム溶媒にそれぞれ溶解した溶液を測定試料とした。この測定試料の1H NMRの測定を、日本分光社製α−400(400MHz)を用いて積算回数200回にて行い、得られた結果を解析した。
後述する実施例、比較例において作製したオルガノポリシロキサン(A1)〜(A2)及び(B1)の各サンプル30mgを、1gの重水素化クロロホルム溶媒にそれぞれ溶解した溶液を測定試料とした。この測定試料の1H NMRの測定を、日本分光社製α−400(400MHz)を用いて積算回数200回にて行い、得られた結果を解析してオルガノポリシロキサン1分子中の平均組成を求めた。
後述する実施例、比較例において作製したオルガノポリシロキサン(A1)〜(A2)及び(B1)の各サンプル100mgを、2gのクロロホルム溶媒にそれぞれ溶解し、0.45μmのフィルターにて濾過したものを測定試料溶液とした。
ガードカラム:東ソー(株)社製TskguardcolumnH−H(登録商標)
分離カラム :東ソー(株)製Tskgel(登録商標)G5000H、及び東ソー(株)製Tskgel(登録商標)G3000H、東ソー(株)製Tskgel(登録商標)G1000Hの各1本ずつを直列に配置
後述する実施例、比較例において作製したオルガノポリシロキサン(A1)〜(A2)及び(B1)の測定用サンプルの25℃における粘度を、東機産業社製TVE−22Hを用いて測定した。
後述する実施例、比較例において作製した厚さ3mmの硬化物を測定用サンプルとして用い、コニカミノルタ社製、分光測色計CM−3600d(商品名)でYI(黄色度)を測定した。次に、当該硬化物をアルミホイルに包み、空気下で150℃、150時間加熱処理を行った。その後、再びコニカミノルタ社製、分光測色計CM−3600d(商品名)でYI(黄色度)を測定した。この加熱処理前後におけるYIの変化をΔYIとし、下記評価基準により、耐熱黄変性を評価した。
(評価基準)
◎:ΔYIが1.0未満である場合
○:ΔYIが1.0以上3.0未満である場合
×:ΔYIが3.0以上である場合
後述する実施例、比較例において作製した厚さ3mmの硬化物を測定用サンプルとして用い、コニカミノルタ社製、分光測色計CM−3600d(商品名)でYI(黄色度)を測定した。次に、当該硬化物を50℃一定にした恒温乾燥機中にセットし、365nmバンドパスフィルターを備えたUV照射装置(ウシオ電機社製、商品名:SP−7)を用いて、365nmの波長の光を照度4W/cm2で100時間照射した。その後、再びコニカミノルタ社製分光測色計CM−3600d(商品名)でYI(黄色度)を測定した。このUV照射前後におけるYIの変化をΔYIとし、下記評価基準により、耐光性を評価した。
(評価基準)
◎:ΔYIが1.0未満である場合
○:ΔYIが1.0以上3.0未満である場合
×:ΔYIが3.0以上である場合
後述する実施例、比較例において作製した厚さ1mmの硬化物を測定用サンプルとして用い、日本電色工業株式会社製ヘーズメーターNDH 5000W(商品名)を用いて、「JIS K7105:プラスチックの光学的特性試験方法」に準じて、全光線透過率を測定した。得られた全光線透過率に基づいて、下記評価基準により、透明性を評価した。
(評価基準)
◎:全光線透過率が95%以上である場合
○:全光線透過率が85%以上95%未満である場合
×:全光線透過率が85%未満である場合
後述する実施例、比較例において作製した厚さ1mmの硬化物を測定用サンプルとして用い、セイコーインスツルメンツ社製TMA/SS120(商品名)を用いて、JIS K7197に基づき応力:40gf/cm2、昇温速度:5℃/分、雰囲気:空気にて、線膨張係数を測定した。線膨張係数の評価基準を以下に示す。
(評価基準)
◎:150℃における線膨張係数が150未満である場合
○:150℃における線膨張係数が150以上180未満である場合
×:150℃における線膨張係数が180以上である場合
バーコーターを用いて、ガラス基板上に実施例及び比較例の各光硬化性樹脂組成物を厚さ12μmで均一に塗布した。その後、高圧水銀灯を備えた紫外線照射装置(センエンジニアリング社製)を用いて、積算光量2000mJ/cm2となるように上記ガラス基板を露光した。硬化は、温度:23℃、湿度:60%RHの環境で行った。露光終了30秒後の硬化膜を指で触り、表面タック性を以下の評価基準に従い評価した。
(評価基準)
◎:べたつきがなく、指がくっつかない。
×:べたつきがあり、指がくっつく。
<オルガノポリシロキサン(A1)の製造>
撹拌装置、温度計、還流冷却器を取り付けた0.5Lの3つ口フラスコに、下記成分を添加し、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら80℃に加温した。
(a)成分 :1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン15g(0.06モル)
(b1)成分:ビニルトリメトキシシラン3.7g(0.03モル)
(b2)成分:ジメチルフェニルビニルシラン28.34(0.18モル)
(c)成分 :3−ブテニルメタクリレート14g(0.1モル)
溶媒 :トルエン216g
重合禁止剤 :ハイドロキノンモノメチルエーテル0.05g
F1:−19.9ppm
M1:−41.5ppm
M2:−1.2ppm
S :−34.6ppm
構成単位F1と構成単位M1の比率(a/b)は、2.0であった。
構成単位F1と構成単位Sの比率(d/a)は、0.05であった。
オルガノポリシロキサン(A1)100質量部にコロイダルシリカ(E1)のメチルエチルケトン分散液(日産化学工業製、商品名:MEK−ST、平均粒径:15nm、30質量%溶液)をコロイダルシリカ換算で100質量部混合し、50℃で12時間撹拌した。その後、揮発成分を留去して光硬化性樹脂組成物を得た。
<硬化物の製造と特性評価>
オルガノポリシロキサン(A1)100質量部に、硫酸バリウム(E2)(堺化学工業製、商品名:BARIFINE−40、平均粒径:10nm)をメタノールに分散させたものを、硫酸バリウム換算で100質量部混合し、50℃で12時間撹拌した。その後、揮発成分を留去して光硬化性樹脂組成物を得た。
<オルガノポリシロキサン(A2)の製造>
撹拌装置、温度計、還流冷却器を取り付けた0.5Lの3つ口フラスコに、下記成分を添加し、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら80℃に加温した。
(a)成分 :1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン20g(0.08モル)
(b1)成分:ビニルトリメトキシシラン4.9g(0.03モル)
(b2)成分:ビニルトリメチルシラン23.3g(0.2モル)
(c)成分 :3−ブテニルメタクリレート19g(0.1モル)
溶媒 :トルエン230g
重合禁止剤 :ハイドロキノンモノメチルエーテル0.05g
F1:−20.0ppm
M1:−41.5ppm
M2:3.1ppm
S :−34.6ppm
構成単位F1と構成単位M1の比率(a/b)は、2.0であった。
構成単位F1と構成単位Sの比率(d/a)は、0.04であった。
オルガノポリシロキサン(A2)100質量部に、コロイダルシリカ(E1)のメチルエチルケトン分散液(日産化学工業製、商品名:MEK−ST、平均粒径:15nm、30質量%溶液)をコロイダルシリカ換算で100質量部混合し、50℃で12時間撹拌した。その後、揮発成分を留去して光硬化性樹脂組成物を得た。
<オルガノポリシロキサン(B1)の製造>
撹拌装置、温度計、還流冷却器を取り付けた0.5Lの3つ口フラスコに、下記成分を添加し、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら80℃に加温した。
(a)成分:1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン15g(0.06モル)
(c)成分:3−ブテニルメタクリレート70g(0.5モル)
溶媒 :トルエン200g
重合禁止剤:ハイドロキノンモノメチルエーテル0.05g
F1:−19.9ppm
オルガノポリシロキサン(A1)50質量部、オルガノポリシロキサン(B1)50質量部に、コロイダルシリカ(E1)のメチルエチルケトン分散液(日産化学工業製、商品名:MEK−ST、平均粒径:15nm、30質量%溶液)をコロイダルシリカ換算で100質量部混合し、50℃で12時間撹拌した。その後、揮発成分を留去して光硬化性樹脂組成物を得た。
<オルガノポリシロキサン(B2)>
オルガノポリシロキサン(B2)は、下記一般式(18)で示される信越化学社製X−22−164Bを用いた。
オルガノポリシロキサン(A1)50質量部、オルガノポリシロキサン(B2)50質量部に、コロイダルシリカ(E1)のメチルエチルケトン分散液(日産化学工業製、商品名:MEK−ST、平均粒径:15nm、30質量%溶液)をコロイダルシリカ換算で100質量部混合し、50℃で12時間撹拌した。その後、揮発成分を留去して光硬化性樹脂組成物を得た。
<硬化物の製造と特性評価>
オルガノポリシロキサン(A1)100質量部に、コロイダルシリカ(E1)のメチルエチルケトン分散液(日産化学工業製、商品名:MEK−ST、平均粒径:15nm、30質量%溶液)をコロイダルシリカ換算で10質量部混合し、50℃で12時間撹拌した。その後、揮発成分を留去して光硬化性樹脂組成物を得た。
<硬化物の製造と特性評価>
オルガノポリシロキサン(A1)100質量部に、コロイダルシリカ(E1)のメチルエチルケトン分散液(日産化学工業製、商品名:MEK−ST、平均粒径:15nm、30質量%溶液)をコロイダルシリカ換算で200質量部混合し、50℃で12時間撹拌した。その後、揮発成分を留去して光硬化性樹脂組成物を得た。
<硬化物の製造と特性評価>
オルガノポリシロキサン(B1)100質量部に、コロイダルシリカ(E1)のメチルエチルケトン分散液(日産化学工業製、商品名:MEK−ST、平均粒径:15nm、30質量%溶液)をコロイダルシリカ換算で100質量部混合し、50℃で12時間撹拌した。その後、揮発成分を留去して光硬化性樹脂組成物を得た。
<硬化物の製造と特性評価>
オルガノポリシロキサン(B2)100質量部に、コロイダルシリカ(E1)のメチルエチルケトン分散液(日産化学工業製、商品名:MEK−ST、平均粒径:15nm、30質量%溶液)をコロイダルシリカ換算で100質量部混合し、50℃で12時間撹拌した。その後、揮発成分を留去して光硬化性樹脂組成物を得た。
<エポキシ基含有オルガノポリシロキサン(C1)>
エポキシ基含有オルガノポリシロキサン(C1)としては、下記一般式(21)で示される信越化学工業製エポキシ基含有オルガノポリシロキサンを用いた。
エポキシ基含有オルガノポリシロキサン(C1)100質量部にジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロホスフェート(サンアプロ社製、商品名:CPI−100P)3質量部を混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡した。
<エポキシ樹脂(C2)>
エポキシ樹脂(C2)としては、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(ダイセル化学製、セロキサイド2021P)を用いた。
3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(ダイセル化学製、セロキサイド2021P)にジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロホスフェート(サンアプロ社製、商品名:CPI−100P)3質量部を混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡した。
<メタクリル樹脂(C3)>
メタクリル樹脂(C3)としては、イソボルニルメタクリレート30質量部、ポリブチレングリコールジメタクリレート(三菱レイヨン製、アクリエステルPBOM)70質量部、を用いた。
イソボルニルメタクリレート30質量部、ポリブチレングリコールジメタクリレート(三菱レイヨン製、アクリエステルPBOM)70質量部にビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(日油製、パーロイルTCP)を1質量部混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡した。
Claims (18)
- 下記一般式(7)で表される構成単位と、下記一般式(8)で表される構成単位のみを環状オルガノポリシロキサンを構成する単位として有するハイドロジェンポリシロキサン(a)と、
ケイ素原子に直接結合したビニル基を1個有し、加水分解性基を1個以上含有する、下記一般式(14)で表される化合物(b1)と、
ケイ素原子に直接結合したビニル基を1個有し、加水分解性基を有しない、一般式(15)で表される化合物(b2)と、
不飽和結合含有基を2個以上有する一般式(16)で表される有機化合物(c)と、を、
ヒドロシリル化反応触媒(d)の存在下で付加反応させて得られる環状オルガノポリシロキサン(I)100質量部と、
無機粒子10〜200質量部と、
光ラジカル発生剤0.050〜20質量部と、を含有する、
光硬化性樹脂組成物。 - 前記無機粒子の平均粒径が、0.1〜100nmである、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 前記無機粒子が、シリカ、酸化銅、酸化亜鉛、酸化インジウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、過塩素酸カリウム、シアン化カリウム、硝酸ナトリウム、臭化ナトリウム、シアン化ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、フッ化バリウム、塩化バリウム、リン酸水素バリウム、硫化バリウム、フッ化ソーダ、フッ化カルシウム、フッ化ランタン、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、合成石英、炭酸ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、酸化セリウム、酸化ハフニウム、五酸化ニオブ、五酸化タンタル、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化ベリリウム、カオリンクレー、タルク、珪酸マグネシウム、セリサイト、ワラスナイト、及びマイカからなる群より選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 下記一般式(5)で表される構成単位F1'と、下記一般式(6)で表される構成単位T'のみからなる環状オルガノポリシロキサン(II)0.10〜100質量部をさらに含有する、
請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
- 前記R1'が、炭素数1〜10のアルキル基である、請求項4に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 前記R1'が、メチル基である、請求項4又は5に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 前記光ラジカル発生剤の含有量が、前記環状オルガノポリシロキサン(I)及び前記環状オルガノポリシロキサン(II)の合計100質量部に対して、0.50〜10質量部である、請求項4〜6のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
- ヒドロシリル化反応触媒をさらに含有し、
該ヒドロシリル化反応触媒の含有量が、前記環状オルガノポリシロキサン(I)及び前記環状オルガノポリシロキサン(II)の合計100質量部に対して、0.0010質量部以下である、請求項4〜7のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。 - 下記一般式(7)で表される構成単位と、下記一般式(8)で表される構成単位のみを環状オルガノポリシロキサンを構成する単位として有するハイドロジェンポリシロキサン(a)と、
ケイ素原子に直接結合したビニル基を1個有し、加水分解性基を1個以上含有する、下記一般式(14)で表される化合物(b1)と、
アルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換又は非置換のア
リール基、及び置換又は非置換のアラルキル基からなる群より選ばれるいずれかを示し、
Y''は、炭素数0〜8の二価の炭化水素基を示し、nは1〜3の整数である。)
ケイ素原子に直接結合したビニル基を1個有し、加水分解性基を有しない、一般式(15)で表される化合物(b2)と、
不飽和結合含有基を2個以上有する一般式(16)で表される有機化合物(c)と、を、
ヒドロシリル化反応触媒(d)の存在下で付加反応させて、環状オルガノポリシロキサンを得る付加反応工程と、
前記環状オルガノポリシロキサンと、無機粒子(e)と、光ラジカル発生剤と、を混合する混合工程と、を有する、
光硬化性樹脂組成物の製造方法。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を含む、光半導体用封止材。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を含む、光半導体用ダイボンド材。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を含む、接着剤。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を含む、コーティング材。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を含む、ナノインプリント用硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を含む、光学用レンズ。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物と、着色剤と、を含む、インク。
- 請求項10に記載の光半導体用封止材を成形した、光半導体パッケージ。
- 請求項10に記載の光半導体用封止材を用いて製造された、光半導体装置。
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