JP2007510257A - 電気絶縁性及び機械的構造の外装を導電体上に製造する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、特に、超電導磁石の製造に適用されるものであり、本発明によれば、セラミック前駆体(10)は、流体溶液の形態で形成され、このセラミック前駆体(10)は、有機元素を全く含まず、水、ガラスフリット、及び粘土の懸濁水溶液を含む溶液からなる液体であり、導電体(2)用の被膜は、このセラミック前駆体で形成され、この被膜には、セラミックを形成するために熱処理が施される。

Description

本発明は、電気絶縁性及び機械的構造の外装を導電体上に製造する方法に関する。
本発明は、幅広い温度範囲内で、特に、強力な磁界を生成するのに用いられる超電導磁石の活用分野に相当する4.2K以下の非常に低温において、使用することができる電気絶縁導体を得ることができる。このため、本発明は、特に、かかる超電導磁石などの製造に適用可能である。また、本発明は、電動機の磁極片の製造にも適用可能である。
既に、NbSn型合金からなる超電導電磁石が知られている。かかる合金は、24テスラほどの強力な磁界を生じ得るものであり、このような超電導電磁石に一般的に用いられるNbTi型合金よりも明らかに優れた利点を有する。しかしながら、NbSnの特性は、非常に延性に優れ容易く押し出し成形される合金であるNbTiとは異なり、NbSnの多心構造材を製造しにくいため、扱い難いものである。
実際、NbSnは、多結晶の金属間材料であり、その形成には、不活性雰囲気下で600℃〜720℃の温度にて3週間ほど継続可能な長い熱処理を施さなければならない。一旦、処理を受けると、脆くなり、その超電導性は、若干の機械的変形にも非常に敏感である。このため、NbSn合金から電磁石を製造する場合には、最後には、この合金の“前駆体”を用いて生成されたケーブルを用いて電磁石の巻線を製造し、それを次に続く処理、すなわち、温度サイクル処理に通過させることが必要となり、これによりNbSnを形成可能としている。
この処理はまた、以後本文を通して“反応”と称するものとし、NbSnの前駆体を用いて生成されたケーブルは、“未反応ケーブル”と称する。特に、このケーブルの電気絶縁材の配置は、従来の有機系材料をこの絶縁用に用いることが困難であるため扱いにくい。実際、このような材料は、600℃を超える温度の工程中での熱処理に耐えない。
以下、次の参考文献について言及する。国際公開第03/010781A号パンフレットは、ジーン−マイケル レイ(Jean−Michel Rey)、サンドリン マーチャント(Sandrine Marchant)、アルノー デヴレッド(Arnaud Devred)、及びエリック プロウゼット(Eric Prouzet)による発明である。本文献は、電気絶縁性及び機械的構造の外装を導電体上に製造する方法を開示しており、絶縁化する導体上に直接、又はこの導体を取り囲むようになるテープ上のいずれかに、セラミックの前駆体を堆積させるための有機結合剤を含有するゲル化溶液を用いることを提案している。
しかしながら、ゲルの使用は、ゲルを生成するために酸の使用を必要とする。さらに、有機結合剤の存在は、セラミックの絶縁性に弊害を与える残留炭素が生成される可能性があるため、望ましくない。よって、このような望ましくない作用があるため、有機結合剤を取り除く段階が必要となる。
以下、同様に次の文献について言及する。米国特許第6,387,852号明細書は、発明者E・セリック(E.Celik)、Y.ハサイセック(Y.Hascicek)、及びI.ムトゥル(I.Mutlu)による発明である。本文献は、電気絶縁体で超電導体を被覆する方法を開示している。しかしながら、この方法は、セラミック前駆体を形成するため、酸化物、及びイソプロパノールやアセチルアセトンなどの有機溶媒を必要とするゾルゲル溶液を用いている。
本発明の目的は、前述した不利な点を解消することである。
本発明は、有機結合剤を用いておらず、セラミック前駆体の形成に用いた懸濁液は、ゲルではなく、有機元素を含まない流体溶液である。本発明の目的である本方法によれば、後述するように、実施に用いた組成の簡略化や、絶縁導体の製造段階間の明確な区別につながる。
より正確には、本発明の目的は、電気絶縁性及び機械的構造の外装を、導電体上に、特に、非超電導金属導体、超電導金属導体、又は超電導体前駆体導体上に製造する方法である。本方法は、有機元素を全く含まず、水、ガラスフリット、及び粘土の懸濁水溶液を含む溶液からなる液体であるセラミック前駆体を、流体溶液の形態で形成する工程と、導体用の被膜を前記セラミック前駆体で形成する工程と、セラミック前駆体からセラミックを形成可能とする熱処理を被膜に施す工程とを含むことである。
より好ましくは、粘土は、スメクタイト族から選択され、この族の中では、モンモリロナイトが好ましくは選択される。本発明の好ましい実施形態によれば、溶液は、重量%で、水35%〜50%、粘土8%〜15%、及びガラスフリット35%〜55%を含む。本発明の目的である本方法を実施する第1の特定のモードによれば、導電体は、超電導体前駆体、特に、NbSnからなり、被膜を設けた前記導電体の全体熱処理を行い、超電導体及びセラミックを形成可能とする。また、本発明の第2の特定の実施形態によれば、導電体は、非超電導金属、又は超電導金属のいずれかからなり、被膜を設けた前記導電体の熱処理を行い、セラミックを形成可能とする。
本発明の特定の一実施形態によれば、被膜を形成する工程は、セラミック前駆体をファイバーテープ上に堆積する工程と、次いでセラミック前駆体を設けたファイバーテープを導電体周りに配する工程とを有する。この場合、ファイバーテープは、セラミック前駆体で被膜されており、ファイバーは、E型ガラス、C型ガラス、R型ガラス、S2型ガラス、純シリカ、アルミナ、及びアルミノケイ酸塩から選ばれる材料から構成され得る。特に、ファイバーテープは、最初に、例えば、熱的又は化学的に糊抜きされる。本発明の目的である本方法を実施するある特定の形態によれば、被膜を設けた導電体は、セラミック形成を可能とする熱処理前に形成される。また、導電体を形成するには、例えば、セラミックを形成可能とする熱処理工程の前に(被膜を設けた)前記導電体を巻回することができる。
本発明は、純粋に例示を目的とし限定を意図しない下記の例示的実施形態に関する記載を、添付図面を参照しながら検討することにより、より理解されるものであろう。
本発明により提案された電気絶縁技術によれば、超電導磁石コイルを形成する前に、未反応導体ケーブル(NbSn前駆体)上にセラミック外装を堆積することができる。セラミック外装は、NbSn超電導体を形成するのに必要な温度サイクル中に同時に反応し、これによりコイルの電気絶縁性及び機械的粘着力(構造的機能)に寄与する。ところで、絶縁方法の工業的活用を容易にするためには、セラミック前駆体の準備段階、セラミック外装の準備段階(例えば、ガラスファイバーテープをコーティングすることにより)、及び導体ケーブルの被覆段階(巻装)が、互いに区別される。
導体のセラミック外装は、最終的に形成される超電導ケーブルの適切な機能を保障するため、特定の特性を有していなければならない。この外装は、次の性能を有していなければならない。すなわち、導体ケーブルの電気絶縁性を確保し、絶縁導体の形成で生じるコイルの機械的粘着力を保障し、大気温度(約300K)〜1.6Kの温度範囲で適当なレベルの機械的抵抗力を維持し、可能であれば、超電導磁石に関連する応用例の場合には、導体の表面にヘリウムの拡散を可能とするように、一定の程度の多孔性を有していなければならない。
本発明の一実施例においては、電気絶縁性のNbSn超電導体ケーブルは、次の幾つかの完全に異なった段階で製造される。すなわち、セラミック前駆体を形成する懸濁液を準備する段階と、ガラスファイバーテープを上記懸濁液でコーティングすることにより、セラミック外装を製造する段階と、上記テープにより、未反応NbSn前駆体からなる導体ケーブルを巻装する段階と、このように巻装された導体ケーブルを用いて、コイルを形成する段階と、NbSn前駆体の反応に必要な温度サイクル動作を正常に完了する段階とである。この温度サイクル動作は、NbSn前駆体を超電導体に、セラミック前駆体被膜をセラミックに同時に変換する。このようにして、電気絶縁性及び機械的粘着性を有するNbSn超電導コイルが得られる。
以下、セラミック前駆体の準備について説明する。本発明によりこの前駆体を形成するために用いた溶液は、適切な電気絶縁性にとって弊害をもたらすと知られる、残留炭素の形成を阻止するため、特に結合剤のタイプの有機成分を有していない。この溶液は、好ましくは、モンモリロナイト型粘土、ガラスフリット、及び水の三成分混合物からなり、セラミック懸濁液を形成する。一実施例では、用いたモンモリロナイトは、商標名Expansとして、Arvel SA社により製造されたものである。この粘土は、導体ケーブル(NbSn合金の前駆体から形成される)の巻装中に用いられる含浸テープに、必要な程度の可塑性を付与することができる。さらに、この粘土は、外装テープとして、2mmオーダの半径の折り曲げを可能とする。
また、この粘土は、他の粘土と比べて、その高い可塑化能力によって、使用量を減少し、ガラスフリットの量を比例的に増加することができる。用いたガラスフリットは、参照番号2495Fとして、Johnson&Mattey社により製造されたものである。その融点は、538℃である。ガラスフリットは、セラミック絶縁材の粘着力を増す可溶性要素であり、熱処理に続く。水は、懸濁液の粘度を調整することができる。特に、セラミック懸濁液の2つの組成の流動的挙動については、本記載の末尾で検討する。また、後述するように、実験条件は、関連する流量が挙動曲線の始まりで示された量となるように設定される。
粘土及びガラスフリットは、存在し得る微量の水分を除去するため、オーブン中で12時間、100℃に加熱される。その後、粘土及びガラスフリットからなる2つの粉末を、20μm以下の粒径が得られるまで、個別に粉砕する。次いで、このガラスフリットを、マグネチックスターラを用いて水と混合する。その後、この混合物から生じる溶液に、300ワットの電力で動作する、ヴィブラセル(Vibracell)72412モデル、ビオブロック科学(Bioblock Scientific)商標の超音波銃の作用を与える。この処理の目的は、存在し得る粒子の凝集体を破壊することである。
次に、この溶液を、PH値を安定化可能とするため、4時間撹拌させたままとする。このような安定化を待機する時間を持つことにより、セラミック前駆体を準備する際の実験条件の再現性を確実とすることができる。次いで、粘土を連続添加により導入する。この添加では、全体の混合動作が容易となり、その後、得られた懸濁液を、再び超音波銃を用いて処理して、均質混合物が得られる。実験結果を観察すると、懸濁液のゲル化が得られることが示される。
その後、この懸濁液を撹拌する。これを実現するには、上述した実施例では、この懸濁液を、直径20mmの約20個の磁器製ボールを含むポリエチレンフラスコ中で、12時間ローラスターラ上に載置する。この撹拌技術により、溶液に適切な均質化が得られ、懸濁液が流体の外観を呈する。実用的には、この撹拌は、従来の知られたゲル化工程を混乱させるものである。導体の外装に用いられるガラスファイバーテープを適切に含浸するには、混合物の粘度が低いことが必要である。また、体積約600ミリリットルの混合物が各準備段階で生成される。
以下、懸濁液の組成について開示する。セラミック前駆体では、重量%は、以下のような範囲内で変化し得る(なお、重量%の合計は、無論、特定のセラミック前駆体ごとに100%に等しくならなければならない)。すなわち、水を35%〜50%、ガラスフリットを35%〜55%、及びモンモリロナイト型粘土を8%〜15%含む。
以下、セラミック外装の製造について説明する。上記実施例では、セラミック外装は、上述したセラミック懸濁液に含浸させたガラスファイバーテープからなる。このテープのファイバーは、E、C、R、又はS2型ガラスから構成され得る。これらのファイバーは、同様に、純シリカ、アルミナ、又はアルミノケイ酸塩からも形成される。また、このテープには、含浸前に、それを構成するファイバーから有機集束剤を取り除くために、熱処理(350℃で12時間維持)を与える。実際、この集束剤は、セラミック懸濁液によるファイバーの適切なコーティングに弊害を及ぼすものであり、おそらく、炭素元素源を構成し、セラミックの絶縁性を低減する。
セラミック溶液によるガラスファイバーのコーティングは、図1で概略を示した含浸装置により行われる。ロール2の形態の糊抜きされたテープは、制動装置4に固定される。この制動装置は、同時に一定の程度の張力を維持しながら、テープを展開することができる。滑車6は、テープを含浸装置の多様な構成部材を通して案内することができる。この移動の方向を、矢印Fで示す。第1の段階では、テープを、セラミック懸濁液10を含む含浸タンク8に通過させる。後者は、上記テープの平坦性を維持し沈殿問題を防ぐために、テープの含浸段階中でマグネチックスターラ12により連続的に撹拌される。テープ2は、含浸タンク8を出ると、テープ上に形成された(セラミック懸濁液に通過することによる)セラミック堆積物16の厚みを限定することができるスクレーパ14の装置を通過する。
乾燥カラム18は、150℃に加熱すると、テープ上に堆積されたセラミック溶液から水分を完全に蒸発することができる。セラミック前駆体の外装は、カラムを出ると、完全に乾燥される。これは、1分当たり20cmの一定の進出速度を維持するモータ22により、ロール20の形態で前処理される。
以下、本発明を用いた本発明に係る4極電磁石の製造について説明する。このような電磁石の構造は、各々が75mのラザフォード型超電導体ケーブルからなる4つの同一の巻線を製造することが必要である。ラザフォード型超電導体ケーブルは、略台形の断面を有し、互いにねじれられ、例えば、最終的にNbSnからなる36本の導電性素線からなる。これらの素線は、断面がほぼ小さい側で1.3mm、大きい側で1.6mm、幅15.1mmの大きさを有する平坦な2層の導体を形成するように分布される。セラミック外装は、セラミック前駆体で含浸されたガラスファイバーテープからなり、図2に示すように、半幅分相殺された2つの層でラザフォード導体ケーブル(NbSn前駆体からなる)の周りを巻装される。
この図では、参照番号24、26、28、及び30は、ケーブル(NbSnの形成を意図する処理の前に)、ケーブルの素線、テープの第1の層、及びテープの第2の層をそれぞれ表わしている。これらの層の各々では、テープの1つの折り返し点での縁部が隣接する折り返し点の縁部に対照に位置する。加えて、図2に示すように、第1の層28は、まずケーブル上に位置され、第2の層30は、電気絶縁性の連続性を確実とすることができる。導体ケーブルにセラミック外装の2層28及び30を巻装した後、上記ケーブルを、当該技術分野で知られた手段により複数の巻線に形成する。その後、このように導体ケーブルから得られた巻線は、セラミック外装に巻装されたセラミック前駆体からなり、アルゴンなどの中性ガス中で熱処理が施される。
この処理は、1時間当たり6℃に近い速度のゆっくりとした温度上昇で660℃まで上昇し、その後、660℃で24時間安定段階とし、さらにその後、処理オーブン室内で大気温度(20℃〜23℃)までゆっくりと冷却する。この処理により、前駆体ケーブルを反応させ、所望の特性を有するNbSn超電導材料を得ることができる。この熱処理中、中性ガスは、オーブン内を連続して循環する。熱処理中には、このような不活性雰囲気を用いることによって、形成される超電導体の特性を低減し得る多様な金属酸化物を生じる虞のある、NbSn前駆体と大気中の酸素との間の有害な反応を防止することができる。
中性ガス中において660℃の温度とするのは、適切なセラミック絶縁材を生じる際の重要な制約である。実際、本発明の実施例で用いたガラスフリットは、540℃の融点を有する。したがって、このガラスフリットは、NbSn超電導体を形成するのに必要な熱処理中(温度を660℃に維持した工程中)で溶解し、大気温度まで冷却した後、これにより、超電導巻線の形成などの本発明の応用例により要求される電気絶縁性及び機械的粘着力を提供する。
超電導電磁石の動作中には、各巻線は、巻線ケーブルを形成する導体を構成するNbSn合金を超電導とするために、液体ヘリウム温度(大気圧で4.2K)まで、又は超流動ヘリウム温度(減圧下で2.1K以下の温度)まで冷却される。励起電流が電磁石を通ると、大きなローレンツ力が各巻線内に生じる。また、セラミック絶縁材により機械的粘着力が提供されることにより、熱処理に続く巻線の扱いが容易となり、強い磁界下での電磁石の動作により生じる応力に耐えることができる。
本発明は、モンモリロナイトの代わりに、スメクタイト族の他の任意の粘土を用いても良い。さらに、本発明は、NbSn前駆体とは異なる導体を用いても実施することができる。例えば、NbAl前駆体、又はYBaCu、BiSrCaCu、又はBiSrCaCu10などの銅酸化物系超電導体の前駆体、又は、例えば、銅などの超電導性でない金属、又は、セラミック前駆体に施す熱処理に耐える超電導体を含む任意の導体が挙げられる。
本発明は、特に、任意の金属構造要素を有さず、主として低温で用いられる小さく、コンパクトな超電導ソレノイドの製造、超電導回転電気機械用の巻線の製造、従来の導体を用いることにより、300℃超の温度で動作するように設計された非超電導回転電気機械用の巻線の製造、及び火災の際に有害な蒸気を全く放出せずに、一定の時間、高温に耐えねばならない導体ケーブルの電気絶縁材に適用される。
以下、本発明で用いることができる2つの特定のセラミック懸濁液の流動的挙動について検討する。ここで、異なる組成を有する2つのセラミック懸濁液における粘度曲線を示す図3及び図4を参照する。図3は、第1の組成に対応し、図4は、第1の組成とは異なる第2の組成に対応する。これらの粘度曲線の各々は、せん断速度γ(s−1で表わされる)に関して、応力τ(Paで表わされる)の変化を示している。この挙動は、ニュートン型ではなく、2つの組成の平均粘度が互いに近似しており、約45 mPa.sであるが、第1の組成のみ(図3)がガラステープ上に適切な堆積物を提供する。
この相違点は、2つの懸濁液の揺変性挙動の変動により説明される。実際、2つの下方に向く曲線D1及びD2は、等価であるが、上方に向く曲線M1及びM2の場合には、第1の組成がより外装の薄い挙動を示し、その結果、より高度な揺変性を有するようになる。ガラステープがセラミック懸濁液を通って低速で循環することによって、せん断速度が低速になる。このため、含浸段階中では、実験条件は、流動的挙動が粘度曲線の始まり部分に対応するように設定される。
2つの懸濁液の組成を下記表1に示す。これら2つの懸濁液に用いた粘土は、商標Expansとして、Arvel SA社により市販されるモンモリロナイトである。
Figure 2007510257
本発明の目的である方法を実施する1つの特定のモードの工程の概略を示す図である。 本発明の1つの特定の応用例の概略を示す図である。 異なる組成を有するセラミック懸濁液の粘度曲線を示す図である。 異なる組成を有するセラミック懸濁液の粘度曲線を示す図である。

Claims (12)

  1. 電気絶縁性及び機械的構造の外装を、導電体(2)、特に、非超電導金属導体、超電導金属導体、又は超電導体前駆体導体上に製造する方法であって、
    有機元素を全く含まず、水、ガラスフリット、及び粘土の懸濁水溶液を含む溶液からなる液体であるセラミック前駆体(10)を、流体溶液の形態で形成する工程と、
    前記導体用の被膜を前記セラミック前駆体で形成する工程と、
    前記セラミック前駆体からセラミックを形成可能とする熱処理を前記被膜に施す工程とを含むことを特徴とする電気絶縁性及び機械的構造の外装の製造方法。
  2. 前記粘土は、スメクタイト族から選択されることを特徴とする請求項1に記載の電気絶縁性及び機械的構造の外装の製造方法。
  3. 前記粘土は、モンモリロナイトであることを特徴とする請求項2に記載の電気絶縁性及び機械的構造の外装の製造方法。
  4. 前記溶液は、重量%で、水35%〜50%、粘土8%〜15%、及びガラスフリット35%〜55%を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電気絶縁性及び機械的構造の外装の製造方法。
  5. 前記導電体(2)は、超電導体前駆体、特に、NbSnであり、前記被膜を設けた前記導電体の全体熱処理を行い、前記超電導体及び前記セラミックを形成可能とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電気絶縁性及び機械的構造の外装の製造方法。
  6. 前記導電体(2)は、非超電導金属、又は超電導金属のいずれかから構成され、前記被膜を設けた前記導電体の熱処理を行い、前記セラミックを形成可能とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電気絶縁性及び機械的構造の外装の製造方法。
  7. 前記被膜を形成する工程は、前記セラミック前駆体をファイバーテープ上に堆積する工程と、次いで前記セラミック前駆体を設けた前記ファイバーテープを前記導電体周りに配する工程とを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電気絶縁性及び機械的構造の外装の製造方法。
  8. 前記ファイバーは、E型ガラス、C型ガラス、R型ガラス、S2型ガラス、純シリカ、アルミナ、及びアルミノケイ酸塩から選ばれる材料から形成されることを特徴とする請求項7に記載の電気絶縁性及び機械的構造の外装の製造方法。
  9. 前記ファイバーテープは、最初に、糊抜きされることを特徴とする請求項7又は8のいずれかに記載の電気絶縁性及び機械的構造の外装の製造方法。
  10. 前記ファイバーテープは、最初に、熱的又は化学的に糊抜きされることを特徴とする請求項9に記載の電気絶縁性及び機械的構造の外装の製造方法。
  11. 前記被膜を設けた前記導電体(2)は、前記セラミック形成を可能とする前記熱処理工程の前に形成されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の電気絶縁性及び機械的構造の外装の製造方法。
  12. 前記被膜を設けた前記導電体(2)は、前記セラミック形成を可能とする熱処理工程前に巻回されることを特徴とする請求項11に記載の電気絶縁性及び機械的構造の外装の製造方法。
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