JPS6024569B2 - 化合物超電導コイルおよびその製造法 - Google Patents

化合物超電導コイルおよびその製造法

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JPS6024569B2
JPS6024569B2 JP50054578A JP5457875A JPS6024569B2 JP S6024569 B2 JPS6024569 B2 JP S6024569B2 JP 50054578 A JP50054578 A JP 50054578A JP 5457875 A JP5457875 A JP 5457875A JP S6024569 B2 JPS6024569 B2 JP S6024569B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は化合物超電導コイルおよびその製造法に係り、
特に化合物超電導体を生成する金属を常電導性金属中に
埋設してなる複合体に絶縁物質を付着し、コイルに巻回
した後、熱処理して化合物超電導体を生成させる化合物
超電導コイルおよびその製造法に関する。
Nbぶn、V3Gaなどの化合物超電導体は、Nb−T
i合金で代表される合金系超電導体に比べて臨界温度、
臨界磁界、臨界電流密度が高く秀れた性能を持っている
が、本質的に脆いという欠点がある。
従って、直線状の短尺試料では高磁界で大電流を通電し
得ても、コイル状に巻回すると数分の1に電流が低下す
る現象が生じる。この現象は、コイル巻回時の曲げおよ
び引張り加工により化合物層が割れるためで、この現象
を防止するために次の2つの方法が知られている。第1
の方法は、常電導性金属のマトリックス中に化合物超電
導体を生成する金属を埋設して熱処理し、そのとき生成
する脆い化合物層を鋤性のあるマトリックス量に比べて
極めて薄くし、弾性歪み内でコイル加工することである
が、化合物層の断面積が小さいためにコイルの電流密度
を大きくすることが出来ない欠点がある。
最近では、化合物層を形成させる心材の表面積と断面積
の比を大きくした極細多心化合物超電導体も開発されて
いるが、10ミクロンメートル以下の極細線にまで加工
するのは容易でないばかりか、長尺線の場合には通電容
量の不均一性の影響が大きく、大電流を通電することが
出来ない欠点がある。第2の方法は、常電導性金属中に
化合物超電導体を形成する物質を埋設してなる複合体表
面に絶縁層を設け、コイル状に巻回した後、熱処理して
化合物層を形成させるものである。
この方法の難点は、化合物形成熱処理温度が600℃以
上の高温になるために一般に用いられる有機系絶縁物が
使用できないことである。これまでの絶縁例では石英ガ
ラステープを巻回する方法、ポリ酢酸ピニル等で被覆し
高温で分解させ炭素を形成する方法、水酸化マグネシウ
ムで被覆し高温で分解させ酸化マグネシウムを形成する
方法、セラミック粉末とエナメルとを混合したセラミッ
クエナメルを塗装し暁付ける方法などが知られている。
しかし、石英ガラステープは絶縁厚さが線材寸法に比べ
て大きくコイルの電流密度を低下させること、炭素、酸
化マグネシウムは複合体との密着性が悪くコイル巻回時
に剥離し易いこと、またセラミックエナメルは高温で分
解するために分解時の収縮等により絶縁性が低下し、時
には破壊する欠点がある。従って第2の方法による絶縁
物としては、コイル巻線に耐え得る接着力を持ち、60
0〜100ぴ0に耐える耐熱性があり、絶縁厚さが薄く
できること、極低温でも割れないこと等が必要条件とな
るが、現在のところ、これらすべての条件を満たす絶縁
物を付着した化合物超電導コイルは開発されていない。
本発明の目的は、複合体との密着性が良好な絶縁物質を
備えた化合物超電導コイルならびにその製造法を提供す
るにある。
本発明は、化合物超電導体を形成する物質を埋設した常
電導性金属と絶縁物質とを反応させ、接触面に両者の化
合物層を形成させるものである。
この発明によれば、複合体と絶縁物質との密着がきめて
強固になるので、絶縁物質の破損や剥離に起因する欠点
を防止することができる。絶縁物質はその全部が常電導
性金属と反応し絶縁性の化合物をつくってもよい。
本発明は、複合体外表面に付着させる物質として酸化ナ
トリウム、水酸化ナトリウム、酸化カリウム及び水酸化
カリウムの少なくとも1種類含むことを提案する。
これらの絶縁物質は、水あるいはアルコールを溶媒とし
た溶液を複合体外表面に塗布し、70000以下の温度
、好ましくは200〜700℃の温度で短時間加熱する
ことによって、該物質と常電導性金属との反応による密
着性のよい絶縁性の被膜が得られる。この被膜は薄くて
柔軟性があり、小さな曲げ半径をもつコイルに成形して
も絶縁性を破壊することはなく、化合物形成温度で長時
間熱処理しても耐熱性があり分解することはない。また
本発明は、前記酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム、酸
化カリウム及び水酸化カリウムの少なくとも1種類含み
、珪酸塩を主成分とするセラミックスと混合したものを
用いる。
これらのナトリウムあるいはカリウムの酸化物、水酸化
物は前述のように溶液にて塗布した後200〜70ぴC
の温度で、加熱することによりマトリックスと反応して
密着性のよい絶縁性被膜を形成するとともに、蓮酸塩を
主成分とするセラミックスと低融点の共融物を作り、柔
軟性のある絶縁物を形成する。この絶縁物は、更により
高温で長時間加熱すると、変形能は乏しくなるが絶縁性
は完全となる。従って、コイル巻回時には柔軟性のある
状態に加熱したものを用い、より高温の化合物形成温度
で熱処理すると複合超電導体間の絶縁性はより完全に保
たれる。ナトリウムあるいはカリウムを含まない珪酸塩
を主成分としたセラミックスのみでは、密着性のある絶
縁性被膜を形成することは出来ない。
本発明者らが検討した結果、ナトリウムあるいはカリウ
ムの酸化物、水酸化物は少なくとも15重量パーセント
以上含むことが必要であった。珪酸塩を主成分としたセ
ラミックスは、前記ナトリウムあるいはカリウムの他に
酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、
酸化カルシウム、酸化鉛等との混合割合によって、共雛
物の融点、粘性を変化させる。前記複合体の絶縁物とし
て用いる時には、珪酸塩は40パーセント以上含むこと
が望ましい。次に複合体外表面に絶縁物質を付着させる
方法としては、ナトリウムあるいはカリウムの酸化物、
水酸化物を含む溶液中に複合体を浸潰し、その後、加熱
槽を通過させるだけで十分である。
この加熱によってナトリウムあるいはカリウム酸化物、
水酸化物溶液は、常電導性金属のマトリックスと反応し
、電気化学的手法あるいは単なる物理的手法により付着
させた絶縁怪物質に比べて付着力が強く、コイル巻線に
耐え得るものが得られる。前記ナトリウムあるいはカリ
ウムの酸化物、水酸化物を含み、珪酸塩を主成分とする
セラミックスとの混合体を用いる製造方法においては、
原則的には珪酸塩を主成分とするセラミックスを含まな
い前記方法と同じである。
水あるいはアルコール中に前記混合体を懸濁させた場合
には、溶液を機械的に磯拝するか、電気泳動の手動でも
つて、前記複合体表面に均一に前記混合体を付着させる
ことが出来る。あるいは機械的に塗布してもかまわない
。いずれにしても、その後の加熱により、前記混合体は
マトリックスの1部と反応して絶縁性の酸化物を形成す
るとともに柔軟性のあるセラミックス共融物を作るので
、コイル巻線には十分耐えることが出来る。ただこれら
の絶縁物は、一般に極低温でも十分な付着力をもち物質
は少ないので、前記コイルを熱処理して化合物超電導層
を形成させた後、通常の超電導含浸コイルを製造するの
と同じ方法でさらに絶縁物質を含浸させ、固定すること
が望ましい。
超電導コイルは、大きな電磁力を受けるので励磁中に化
合物複合超電導体を化合物層が破壊したり、化合物複合
超電導体が移動してコイル特性を低下させないためにも
固定は重要である。本発明者らが検討した結果、本発明
による絶縁物質は、極低温でも割れないことが確認され
た。従って、本発明により形成された絶縁物質をもつ複
合体をコイル状に巻回する工程で、ナトリウムあるいは
カリウムの酸化物、水酸化物の少なくとも1種類含む溶
液を付着させると、化合物形成熱処理の工程で、前記複
合体同志が接着し、一体化した化合物超電導コイルを製
造することが出来る。この第2の付着工程は、コイル巻
回の直前であれば前記複合体を溶液中に浸潰し通過させ
るだけで十分であり、コイル巻回中であればコイルの層
間に塗布し、コイル巻回後であればコイル全体を溶液中
に浸薄することによって実施できる。なお本発明は通常
の超電導コイルを製造するのと同じ方法で合浸してもか
まわない。このようにすれば固定は完全となり、電流密
度の高いコイルが得られる。以上の説明では、選択拡散
法で製造するN&Sn化合物複合超電導体について述べ
たが化合物超電導体であれば、化合物質の材質、化合物
複合超電導体の形状を問わず、コイル巻線では同一の問
題が生じ、その問題解決には本発明によるコイルが極め
て有効である。
絶縁怪物質を付着させる手段は、浸贋、塗布、のほかに
電気化学的手法によってもよく、とくに付着方法は限定
しない。また、絶縁性物質を付着させた後の加熱雰囲気
についても、大気、真空、不活性ガス等、中性または酸
化性雰囲気であればよい。次に、本発明の具体例を示し
説明する。
試料は、選択拡散法によりN広Sn化合物複合超電導体
を形成するための複合体を用いた。
該複合体は、外径0.22ミリメートルの複合線を7本
撚線にし外径0.57ミリメ−トルまで伸線加工したも
ので、1本の複合線は、直径24ミクロンメートルのニ
オブ一1パーセントジルコニウム心材が17本、直径的
80ミクロンメートルの錫を中心として配置された銅マ
トリクス複合線である。なおマトリックスは銅を用いた
が、このほかに銀あるいはアルミニゥムを用いることも
可能である。複合体の横断面構造を第1図に示す。複合
体1は7本の複合線2を撚り合わせたものからなってお
り、1本の複合線2はニオブージルコニウム心材3およ
び錫線4を常電導性物質である鋼マトリックス5中に埋
め込んだものからなっている。また化合物超電導コイル
は、内径40ミリメートル、外径80ミリメートル、高
さ60ミリメートルのステンレス製ボビンに石英ガラス
テープで絶縁を施し、その上に表面に絶縁物質を付着さ
せた複合体をソレノィド状に巻回して得た。
この状態での構造を第2図に示す。図中6が複合体表面
に被覆した絶縁物質である。7はステンレス製ボビン、
8は石英ガラステープで試験は、すべて上記コイルを液
体ヘリウム中に浸潰し、コイルの端子電圧および中心磁
界を測定してクェンチ(急激な超電導破壊)が生じた点
の電流、磁界から化合物超電導コイルの性能を判定した
また別途、直線状の短尺試料の外部界磁−電流特性を測
定し、コイル特性に対して電流劣化の程度を判定した。
比較例 1 まず従来の化合物超電導コイルで性能を確認した。
これは前記複合体を700qoで5時間、1×10‐4
torrの真空中で熱処理し、ニオブ−1パーセントジ
ルコニウム心材の周囲に1ミクロンメートルのN広Sn
化合物層を生成させたのち、ステンレス製ボビンに巻く
ものである。また同じ試料を用いて、熱処理条件を75
0qoで10加時間(Nb3Snの厚さ5ミクロンメー
トル)、800午○で100時間(NQSnの厚さ8.
8ミクロンメートル)と変え、NはSn層の厚さの影響
を実験した。N広Sn化合物層を生成させた複合体には
、それぞれ35ミクロンメートルのカプトン絶縁テープ
(米デュポン社の商品名で、ポリイミドのフィルム上に
テフロンを被覆したもの)を2分の1ずつ重複させて巻
き付け全面被覆した。巻線は前記化合物複合超電導線に
約3k9の逆張力を加えた行なった。コイル試験の結果
を、第3図に本発明のコイルと対比して示した。
短尺試料(4センチメートル)の臨界電流特性は、熱処
理条件により第3図のa(700午0で5岬寿間熱処理
)、b(75ぴ0で10q時間熱処理)、c(8000
0で100時間熱処理)の如く変化するが、コイル試験
の結果、従来の製造法で製作したコイル1(700午0
で5時間熱処理)、コイル2(750℃で10加持間熱
処理)、コイル3(800qoで100時間熱処理)は
、いずれも短尺試料の臨界電流値まで到達せず、劣化が
大きいことがわかった。すなわち、この方法で製作され
たコイルでは、コイル1が最高値を示し、上記コイル形
状で最大24.0キロガウス、コイルの平均電流密度で
131アンペア/平方ミリメートルしか大きくすること
が出釆なかった。とくにN公Sn層の厚さの増大と共に
電流劣化の割合が大きいことがわかった。この原因を究
明するため上記と同じ試料を用いてコイル巻線に相応す
る曲げ加工、引張り加工を与えて短尺試料の磁界、電流
特性を液体ヘリウム中で測定した。外部磁界70キロェ
ルステツドにおける結果を第4図に示す。機軸は曲げ半
径の大きさを示し、縦鞠は曲げ引張り加工を加えた場合
の臨界電流値(lc)を、加えない場合の電流値(lc
o)で無次元化して示す。その結果、前記コイル試験の
結果とよく一致し、電流劣化の原因の1つはコイル成形
時の曲げ、引張り加工によるN公Sn層の割れにあるこ
とがわかった。比較例 2 複合体コイルに巻回した後、熱処理してN広Sn層が形
成された、従来例の性能を確認した。
複合線の絶縁は、アルコール中に酸化マグネシウムを懸
濁させた溶液中で、24ボルトの電圧をかけ、露気泳動
法で前記複合線表面に酸化マグネシウムを5〜20ミク
ロンメートル厚さで付着させて行なった。その後、20
0〜800℃で1〜2餌時間、アルゴンガス雰囲気中で
熱処理したが、複合体のマトリックスである銅とは全然
反応せず、接着力は極めて悪く、コイル巻線に耐え得る
絶縁層は形成出来なかつた。比較例 3 従来例のもう1つのものとして陽極酸化法によって形成
された銅酸化物について試みた。
複合体は前記と同じものを用い、アルカリ洗浄、腐食処
理といった前処理を施した後、水酸化ナトリウムとモリ
ブデン酸アンモニウムの約90qoの混合液中で陽極酸
化し複合体表面を黒化処理した。このものは銅マトリッ
クスとの密着性が秀れてし・たが、酸化層の厚さが不均
一で、酸化層を通しての絶縁性は不十分であった。また
この方法によるものは、撚線の内側部に酸化層が形成さ
れないので、コイル巻線時に複合線相互が接触、露出し
、健全なコイルを作ることが出来なかった。この試料を
アルゴンガス中と1×10‐4tomの真空中の両方で
800℃で2畑時間加熱したが、いずれの場合も黒化処
理層が高温で分解し、金属面をもつ表面状態となりコイ
ル成形後、熱処理してNはSn層を形成する絶縁層とし
ては不適当であることがわかった。実施例 1当初述べ
た第1図に示す構造の複合体を水酸化ナトリウム溶液中
に浸濃、その後200〜70ぴ○の温度で19秒間、大
気中で加熱した。
その結果、複合体表面に付着した水酸化ナトリウムは、
水分を分解、蒸発させると共に銅マトリックスと反応し
、前記複合体表面に密着性のよい2〜15ミクロンメー
トル厚さの酸化物絶縁層を形成した。その後、直径25
ミリメートルの鋼棒に巻き付け耐電圧試験を行なったが
、前記加熱温度における各試料共問題は、なかった。こ
れは水酸化ナトリウム溶液中に浸漉したために、複合体
の全面にわたって均一にしかも撚線内側まで酸化層が形
成出釆たことによる。上記水酸化ナトリウム溶液中に浸
糟後、650℃で19秒間加熱して、約10ミクロンメ
ートル厚さの酸化物絶縁層を形成させた試料をステンレ
ス製ボビンに巻回した後、熱処理してコイル4(700
午0で5q時間熱処理したコイル)、コイル5(750
℃で100時間熱処理したコイル)、コイル6(80ぴ
0で10畑時間熱処理したコイル)を製作した。この熱
処理で各試料には1〜9ミクロンメートル厚さのNAS
n化合物層が形成された。また試料表面の酸化物層は、
上記熱処理条件で何ら分解することなく絶縁性を保って
いることを確認した。液体ヘリウム中でこれらコイルを
励磁試験した結果、第3図に示すように、コイルの通電
電流、発生磁界を大中に向上させることが出来た。
とくにNASn層を厚くしても電流劣化はわずかで、上
託コイル形状で最大48.7キロガウス、コイルの平均
電流密度で266アンペア/平方ミリメートルの値が得
られた。また、この製造方法による著しい効果は、絶縁
層が液体ヘリウム中に浸潰しても割れることなく、従来
の絶縁法に比べて薄く出来ることであり、このため同じ
コイル寸法では同一電流を通電しても大きな磁界を発生
し得るようになった。
このことは云いかえれば、同一磁界を発生させるコイル
では、コイル形状を小さくすることが出来る利点がある
。実施例 2 次に本発明の更に改良として二酸化珪素60パーセント
、酸化アルミニウム10パーセント、水酸化ナトリウム
20パーセント、酸化マグネシウム10パーセントを含
む粉末に水を少量加えて、前記と同じ複合体表面に塗布
した酸化物の例を示す。
なお水酸化ナトリウムは600午0で焼成加熱したもの
を用いた。その後250〜640qoの温度で2分間、
大気中で加熱した。その結果混合粉末中に加えた水酸化
ナトリウムは、マトリックス表面の銅と反応し、密着性
のよい酸化物絶縁層を形成した。また、この加熱過程で
二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等は
水酸化ナトリウムと反応して共融物を形成した。その後
、直径25ミリメートルの銅棒に巻き付け、耐電圧試験
を行なったが、200〜私ぴ○の範囲で加熱したものは
絶縁層の割れ、剥離とも問題なく、コイル巻線に耐え得
ることがわかつた。加熱温度が700qC以上となると
、前記共融物は固化し、変形し難くなり、小さな曲げ半
径ではコイル巻線に耐えられない。しかし200〜64
0午0の範囲で加熱したものは、10〜40ミクロンメ
ートルのより完全な絶縁層を形成し、試料が撚線であっ
てもコイル巻線中に絶縁性が破壊されることはなかった
。次いで約30ミクロン〆−トルの上記絶縁層をもつ試
料をステンレスボビンに巻回した。なお、コイル巻線中
にコイルの各層毎に水酸化ナトリウム溶液を塗布しなが
ら巻回した。これと同じ方法で3通りのコイルを作り熱
処理した。コイル7(700℃で5q時間熱処理したコ
イル)、コイル8(75ぴ0で10畑時間熱処理したコ
イル)およびコイル9(800qoで10畑時間熱処理
したコイル)がそれである。この熱処理で各コイルには
1〜9ミクロンメートル厚さのNbぶn化合物層が形成
された。また複合体表面の酸化物層は、上記熱処理条件
で何ら分解することなく絶縁性を保っているばかりか、
各巻線相互間は水酸化ナトリウムの作用で絶縁物が融着
し、一体化したコイルにすることが出来た。液体ヘリウ
ム中でこれらコイルを励磁試験した結果、第3図に示す
ように、各短尺試料の臨界電流特性に一致させることが
出来た。
第5図にNQSn層の厚さと、上記コイル形状における
コィル特性の劣化状況を各製造法についてまとめて示す
。図中の記号×が比較例1、Yが実施例1、Zが実施例
2を示している。実施例2によるこれらコイルは、コイ
ル自体が完全に一体化されており、液体ヘリウム中に浸
潰しても割れることがなかったので、励磁中の電磁力に
よる化合物複合超電導体の動き、ならぴに化合物層の破
壊を完全に防止することが出釆た。その結果、コイル8
では中心磁界51.7キロガウス、コイルの平均電流密
度2班アンペア/平方ミリメートルを達成することが出
釆たoまた、本実施例による著しい効果は、コイル特性
が短尺試料の臨界電流特性に依存し、コイル巻回時の曲
げ加工や引張り加工の大きさに依存しないことである。
そのため、Nb3Sn層の厚さや化合物複合超電導体の
寸法に応じてコイル内径を大きくする必要はなく、コイ
ルがより小型になり高磁界を容易に発生させることが出
来る。また、コイルの口出部など小さな曲げ半径で加工
しなければならない部分についても、加工が容易で作業
性に秀れている。Nbぶn層の厚さを更に大きくしたり
、あるいはニオブ−1パーセントジルコニウム心材の全
断面積をNQSnに転化させたコイルも本発明によれば
良好な結果が得られる。しかし、選択拡散法による化合
物複合超電導体の製造においては、化合物層の厚さの増
大と共に臨界電流密度を低下させるので、現状の技術で
は、化合物層の厚さを余り大きくすることは得策ではな
い。将来、この原因が究明され、選択拡散法により製造
した化合物層の臨界電流密度が、化合物層の厚さに依存
しないことがわかり、その技術が確立されると、本発明
はコイルの電流密度を更に大きくすることができる。実
施例 3 比較例1で製造された複合体を、水酸化カリウム水溶液
中に浸糟し、その後200〜70ぴ0の温度で19段間
、大気中で加熱した。
その結果、複合体表面に付着した水酸化カリウム水溶液
は、水分を分解、蒸発させると共に銅マトリックスと反
応し、複合体表面に密着性の高い2〜15ミクロンメー
トルの厚さの酸化物絶縁層が形成された。その後、直径
35ミリメートルの鋼綾に巻付け、耐電圧試験を行った
結果、前記加熱温度における各試料共何ら分解すること
なく良好な絶縁性を有していた。実施例 4実施例2と
同様にして、酸化ナトリウム粉末にアルコールを少量加
えて複合体表面に塗布し、200〜700℃の温度で2
分間大気中で加熱した。
その結果、酸化ナトリウムはマトリックス表面の銅と反
応し、密着性の高い酸化物絶縁層が形成された。その後
、直径25欄の銅棒に巻き付け、耐電圧試験を行ったが
、絶縁層の割れ、剥離とも問題なく、コイル巻線として
絶縁性に優れていた。本発明によって、コイル巻線後、
熱処理して化合物層を形成するとコイル成形加工により
化合物層に曲げや引張応力が加わらず、短尺試料の臨界
電流特性とコイル特性を一致させることが出釆る。すな
わち、コイル巻線での電流劣化を防止し、コイルの電流
密度を高くすることが出釆る。
【図面の簡単な説明】
第1図は試験に適用した複合体の横断面図、第2図は超
電導コイルの一部断面斜視図、第3図は従釆の方法と本
発明の方法で製作した各超電導コイルの中心最大発生磁
界と通電電流の関係を示す特性図、第4図は従釆の方法
により製作した短尺試料の曲げ半径と通電電流劣化の関
係を示す特性図、第5図は従釆の方法と本発明の方法で
製作した各超電導コイルの特性劣化をNはSn化合物層
の厚さとの関係で示した特性図である。 1・・・・・・複合体、2・・・・・・複合線、3・・
・・・・ニオブージルコニウム心材、4・・・・・・錫
線、5・・・・・・鋼マトリックス、6・・・・・・絶
縁物質、7・・・・・・ステンレス製ボビン、8・・・
・・・石英ガラス。 治’四 苑Z函 為3図 幕49 努づ図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 常電導性金属中に化合物超電導体が埋設された複合
    体表面に絶縁層が形成されている超電導コイルにおいて
    、前記絶縁層は酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム、酸
    化カリウム及び水酸化カリウムの1種以上を15重量%
    以上を含む酸化物絶縁物質からなり、かつ前記常電導性
    金属表面に該常電導性金属と絶縁物質との反応によつて
    形成された酸化物層を有することを特徴とする化合物超
    電導コイル。 2 常電導性金属中に化合物超電導体が埋設された複合
    体表面に絶縁層が形成されている超電導コイルにおいて
    、前記絶縁層は珪酸塩を主成分とし、酸化ナトリウム、
    水酸化ナトリウム、酸化カリウム及び水酸化カリウムの
    1種以上を15重量%以上含む酸化物絶縁物質からなり
    、かつ前記常電導性金属表面に該常電導性金属と絶縁物
    質との反応によつて形成された酸化物層を有することを
    特徴とする化合物超電導コイル。 3 常電導性金属と反応して化合物超電導体を生成する
    金属を前記常電導性金属中に埋設して複合体を形成する
    工程、該複合体表面に酸化ナトリウム、水酸化ナトリウ
    ム、酸化カリウム及び水酸化カリウム溶液の1種以上か
    らなる絶縁物質を付着する工程、該絶縁物質を付着した
    前記複合体を加熱し前記常電導物質の表面に前記酸化ナ
    トリウム、水酸化ナトリウム、酸化カリウム及び水酸化
    カリウムの1種以上を15重量%以上を含む酸化物絶縁
    層を形成する工程、前記加熱後の前記複合体をコイルに
    巻回する工程および該コイルに巻回した前記複合体を加
    熱し前記化合物超電導体を形成する工程を含むことを特
    徴とする化合物超電導コイルの製造法。 4 常電導性金属と反応して化合物超電導体を生成する
    金属を前記常電導性金属中に埋設して複合体を形成する
    工程、該複合体表面に珪酸塩を主成分とし、酸化ナトリ
    ウム、水酸化ナトリウム、酸化カリウム及び水酸化カリ
    ウム溶液の1種以上を含む絶縁物質を付着する工程、該
    絶縁物質を付着した前記複合体を加熱し前記常電導物質
    の表面に前記珪酸塩を主成分とし、酸化ナトリウム、水
    酸化ナトリウム、酸化カリウム及び水酸化カリウムの1
    種以上を15重量%以上を含む酸化物絶縁層を形成する
    工程、前記加熱後の前記複合体をコイルに巻回する工程
    および該コイルに巻回した前記複合体を加熱し前記化合
    物超電導体を形成する工程を含むことを特徴とする化合
    物超電導コイルの製造法。
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