JP2005510016A - 酸化物超伝導素材上に電気抵抗層を適用する方法、電気抵抗層を有する酸化物超伝導素材およびその使用方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、電気的に分断された超伝導フィラメントを素材として含むために、酸化物超伝導素材上に、電気抵抗層を適用する方法に関する。また、電気抵抗層を有する、酸化物超伝導素材及び特に交流に適用する使用に関する。前記電気抵抗層は、超伝導性コアを被覆した伝導性金属皮膜の表面を、前記伝導性皮膜を構成する金属を金属塩に、化学的に変換することにより形成される。

Description

本発明は、伝導性の金属皮膜で被覆される酸化物超伝導材料のコアから構成された少なくとも1本のフィラメントを含む、酸化物超伝導素材上に電気抵抗層を適用する方法である。例えば、電気抵抗層を有する酸化物超伝導素材、およびその使用であって、特に交流電気に使用される。
超伝導は電気抵抗が完全に損失がないことによって特徴づけられる。しかしながら、これは直流適用だけに有効である。近年ますます関心が高くなる交流適用では、誘導電流が電力損失(交流損失)を引き起こす。
77K以上の高い臨界温度Tcを有する金属酸化物化合物は知られている。その高いTcにより、これらの化合物は高温超伝導材料(hts材料)と呼ばれる。そのような金属酸化物材料用の特別な例は、ビスマス-ストロンチウム-カルシウム-銅系(BSCCO)の超伝導材料である。この系の中には、結晶の単位格子中の酸化銅層の数が異なり、異なる臨界温度Tcを示し、いくつかのTcの高い相が存在する。
例えば、公知の化合物Bi2Sr2CaCu2Oyの相は、2層を有し、80K(2212の相)のTcを示すこと、化合物Bi2Sr2Ca2Cu3Oyの相は、3層を有し、約110K(2223の相)のTcを示すことが挙げられる。
応用する際は、そのようなhts材料が、ワイヤーかバンドのように伸展された超伝導材料に形成され、伝導性皮膜に被覆された超伝導材料のコアから構成された複数のフィラメントは、1つの線材へ束ねられる。そのようなマルチフィラメントを作るために、例えばWO96/28853、あるいはWO98/13859に記述された「チューブ形状のパウダー技術」が知られている。
この技術によって、超伝導材料に変形されるのに適した開始パウダー材料あるいは前駆体材料は、一般に、所望の超伝導層を有さないか若しくは非常に少量有し、チューブにつめこまれる、あるいはマトリックスへ組み込まれる。前記チューブあるいはマトリックスは、従来の伝導性を有する材料から成り、通常は金属である。
その後、生成した構造体は、線引き、及び圧延のようないくつかの形成段階を含む形成過程を受け、そして、必要によって、高い温度で温度処理段階を含み、前述の慣用の伝導材料の皮膜かマトリックス中に被覆された、超伝導を示す(前駆体)材料のコアを有するフィラメントを形成する。前記成形加工プロセスにより、複数のモノフィラメントを束ねてマルチフィラメントにすることができる。
このようにして、モノフィラメント、あるいはマルチフィラメントの形式で得られたコンダクタ材料の中間体は、前駆体材料を最終の超伝導を示す相に変換するため、あるいは超伝導特性を最適化するため最終の温度処理を受ける。
この温度処理は、高い温度で、酸素を含んでいる雰囲気中で少なくとも部分的に実施される。
例えば、(Bi、Pb)SCCO系については、温度処理は空気中で通常、酸素分圧を減圧し、835°Cから約840°Cの間の温度で実施されることができる。そのことは、「超伝導科学技術」4巻、1991年、165〜171ページに開示されている。
生成したモノ-及びマルチフィラメントは、それぞれ超伝導状態若しくは超伝導を示し、マルチフィラメント伝導体の生成のために使用される、そのことは、例えば「応用超伝導のIEEEの処理」5巻、2番、1995年6月、1145〜1149ページ、に開示され、直流と交流に適用される。
しかしながら、交流適用において、そのようなマルチフィラメント伝導体は、フィラメントを被覆した電気的によい伝導性の皮膜が、伝導体の超伝導を示す特性を損なうので、やや高い交流損失を生じる。
単一フィラメントの多結晶間における超伝導の中断は、伝導性皮膜により架橋される。しかしながら、伝導性皮膜は、長さ方向のみならず、また、異なるコア間の断面方向にも、低い抵抗を示す。
そのような伝導体が交流に対して使用されれば、電流渦を生ずる。その中で、超伝導を示す異なったコアの断面内で、電流は反対の方向へ流れ、交流損失を生じる。
この問題を克服し、かつマルチフィラメントhts伝導体中の渦電流を減少させるために、そのような電流渦が引き起こされる前記コンダクタの断面を縮小しなければならない。
断面の縮小は、フィラメント間の伝導性皮膜より高い比電気抵抗値を有してフィラメントの電気的な分断を得る層(電気抵抗層)の提供により達成することができる。
電気抵抗層に適した材料は、いくつかの必須条件を満たさなくてはならない。したがって、それは、超伝導を示す相の形成のための最終の温度処理中に、コアのhts材料若しくは前駆体材料への酸素の拡散を許すに違いない。それは、フィラメント生成の間の温度処理段階のために必要な高温において、伝導性被覆を破損しないばかりでなく、伝導性被覆を通じて拡散し、異質の材料によってhts材料の汚染を引き起こさないに違いない。さらに、それは、フィラメントへの良好な接着を示すに違いない。例えば、フィラメント生成過程における線引き、圧延段階の間もはがれない。
EP0977281は、前記非伝導性のビスマス-ストロンチウム-銅材料の溶解したものからフィラメントを引いた、ビスマス- ストロンチウム- 銅に基づいた超伝導材料と同じ系の非伝導性の酸化物材料を含む、銀又は、銀を含む伝導性皮膜に被覆された、BSCCO系の超伝導材料を提供することを開示する。しかしながら、この方法によって得られるようなセラミック被覆は脆く、後の操作段階の間に破損されることがありそうである。
EP0977281 A1とWO98/13859によると、伝導性の層の外部表面上に酸化可能な金属を適用することによって、電気抵抗性の金属酸化物層は、フィラメント上に被覆される。前記酸化可能な金属は、超伝導フィラメントを生成するために、フィラメントが温度および酸素処理を受ける間に、非伝導性の酸化物に酸化される。
さらに、電気抵抗層のための非伝導性の金属酸化物の使用に加えて、WO98/13859は、電気抵抗性の皮膜に金属硫化物を使用することを示唆する。しかしながら上記に述べた酸化物生成のための酸化方法以外に、フィラメントにそのような硫化物皮膜を供給するのにふさわしい方法も、硫化物皮膜のフィラメントも開示されていない。
米国特許6,110,873は、電気抵抗層としての非伝導性のセラミック皮膜を開示する、この皮膜は、押圧、焼成により、伝導性皮膜上の所望の非伝導性のセラミックに変換されるのに適したセラミック開始材料を含むポリマー混合物の適用により得られ、得られた構造体は、ポリマーを除去する温度に耐えられる。前記セラミック開始材料は、引き続いてフィラメントを温度処理および酸素処理する間に、非伝導性のセラミックに変換される。米国特許6,110,873によれば、Bi2212に基づくセラミックの材料は、更に、アルミニウム、マグネシウムあるいはチタンを含んでいる。
JP08007675およびJP11203958は超伝導素材を開示する。その中で超伝導酸化物材料で作られた複数のコアは、金属マトリックスおよび金属マトリックスの表面に埋め込まれていて、硫黄化によってマトリックスの金属より高い抵抗がある皮膜に変換される。
JP08007675によれば、マトリックスの金属は銀であって、その硫化物に変換される。
しかしながら、交流損失の減少の改善の必要がまだある。
WO96/28853 WO98/13859 「超伝導科学技術(Supercond.Sci.Technol.)」4巻、1991年、165〜171ページ 「応用超伝導のIEEEの処理(IEEE Transactions on applied Superconductivity)」5巻、2番、1995年6月、1145〜1149ページ EP0977281 米国特許6,110,873 JP08007675 JP11203958
本発明の目的は、伝導性皮膜内に被覆された超伝導材料のコア又は超伝導材料の前駆体のコアから構成された少なくとも1本のフィラメントを含む、電気的に分断された超伝導素材を有する、hts伝導体が簡単に提供されることができる方法を提供することである。前記素材は伝導性皮膜より高い電気抵抗がある電気抵抗層を供給され、前記電気抵抗層は、伝導性皮膜の外部の表面に良好な接着を見せ、伝導性の層を損なわず、またコア材料中への酸素の拡散を許すが、自身がコアへ拡散することなく、異質の材料であり、コアを汚染しない。
本発明のさらなる目的は、それは交流の適用に有利な酸化物超伝導材料を提供することである。
この目的は、電気抵抗層を備えた酸化物超伝導素材を、提供する方法によって解決される。前記酸化物超伝導素材は、酸化物超伝導材料のコア、あるいは前記酸化物超伝導材料へ変換することができる前駆体材料のコアから構成された1本のフィラメント及び電気抵抗層が伝導性金属皮膜の表面上で、伝導性の金属皮膜の表面の少なくとも一部を、伝導性の金属の皮膜の金属組成の少なくとも1つの塩に化学的に変換することにより生成する前記コアを被覆する伝導性金属皮膜を含む。前記塩は、金属皮膜の比電気抵抗より高い、比電気抵抗がある。
マルチフィラメントの酸化物超伝導素材は、1本以上のフィラメントを含み、例えばワイヤーあるいはバンドの形状を有する酸化物超伝導体に束ねることができる。
本発明によると、1本ずつのフィラメントに、個々の抵抗層を供給することにより、交流損失の減少を改善することができる。
本発明のコアのために使用されるような酸化物超伝導材料は少なくとも1つの超伝導層から成るか、又は、それを含む。
用語「前駆体材料」とは、ここでは、適切な条件の下の熱処理によって、所望の酸化物超伝導材料に変換することができるすべての材料を意味し、たとえば酸化物、塩類あるいは金属である。
好ましくは、本発明は、上記に示した良く知られたチューブ形状のパウダー技術によって得られる酸化物超伝導体に関係がある。
本発明については、原則として、どんな種類の酸化物超伝導材料も、コア形成のために用いられることができる。実施例は、(Y、SE)-(Ba、Ca、Sr)-Cu-O系、(Tl、SE)-Ea-Cu-O系の酸化物超伝導材料であって、Eaはアルカリ土類金属、SEは希土類元素である。あるいは、酸化物超伝導材料は、水銀、希土バリウム銅系超伝導体類を含む、例えば、水銀-バリウム-ストロンチウム-カルシウム-銅タイプ超伝導体、タリウム-ストロンチウム-カルシウム-バリウム-銅タイプ超伝導体が挙げられる。
超伝導材料は、好ましくは、2212及び最も好ましくは2223材料のようなビスマス-ストロンチウム-カルシウム-銅系である。特にビスマスの一部がPb(Pb-)Bi-Sr-Ca-Cu-Oによって置換されたものである。
さらに、2223系の材料はさらに1つ以上の他の適切な素材あるいは化合物を含むことができる。例えばアルカリ土類金属の硫酸塩が挙げられ、前記硫酸塩は、高い融点を有し、例えばBaSO4、SrSO4および/または(Ba、Sr)SO4が挙げられる。
コアを被覆する従来の伝導性金属皮膜は、超伝導材料あるいは超伝導材料の前駆体を含み、貴金属のような、超伝導材料で使用するのに適したどんな種類の金属でもよい。通常、金属層の厚さは約0.05mmから約3mmまでの範囲内にある。
好ましくは、被覆のための金属は、銀、銅、金、パラジウム、プラチナ、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム、およびそれらの互いの合金から成るグループから、少なくとも1つ選ばれ、銀と銀の合金が、特に好ましい。
本発明によれば、電気抵抗層は、前記金属皮膜表面の全体あるいは部分を非伝導性の塩に化学的に変換することにより、伝導性の金属皮膜上に提供される。金属皮膜が異なる金属組成から構成される場合、金属組成のすべて若しくはほんの1つあるいは異なる金属組成のいくらかは、所望の塩に変換することができる。
適用において、前記電気抵抗層の厚さは、通常、約13μmから約200μmまである。完成したマルチフィラメント酸化物超伝導素材では、この層の厚さが、通常、約1μmから約10μmまである。
電気抵抗層は、金属皮膜の表面全体あるいは一部を覆ってもよい。被覆の度合いがいずれの場合も、すなわち、表面が電気抵抗層によって覆われた程度は、電流渦を十分抑制し、また、交流損失を抑えるのに十分であるべきである。
本発明の目的で、電気抵抗層の伝導性は、それぞれの金属層における伝導性より、マグニチュードで少なくとも2桁低い。
化学変換については、表面は、個別の酸で処理することができる。ガスの形態でもよく、あるいは例えば水溶液でも可能である。
一般に、伝導性皮膜の表面は、最終の伝導体の生成用の過程段階に耐えることができるかぎり、その塩のいずれにも変換することができる。
さらに、塩層の厚さおよび被覆程度は、適切な方法で交流損失を減少するのに十分でなければならない。
好ましくは、酸は無機酸である。例えば、無機酸は、硫化水素、セレン化水素、テルル化水素、硫酸およびリン酸から成るグループから少なくとも1つ選ばれる。従って、形成される好ましい塩類は硫化物、セレン化物、テルル化物、硫酸塩およびリン酸塩である。
変換については、伝導性皮膜の表面は、ガス状の酸、例えばガス状の硫化水素、あるいは液体の形態、例えば水溶液、と接触することができる。
酸が水溶液のような溶液中で使用される場合、濃度の適切な値は、約0.1mol/lから約10mol/lまで変動することができる。
酸性の処理の強度、および形成された塩層の厚さは、露出時間、酸の濃度および温度のような処理の条件により調節することができる。適切な処理条件は、もちろん、例えば、伝導性皮膜を形成する金属材料の種類、電気抵抗性の塩層を形成するのに望まれる厚さに依存して変わることができる。
例えば、もしリン酸のような弱い酸化力の酸が使用される場合、前記皮膜に電気的な電圧を印加することにより、伝導性皮膜材料の表面の変換を支援することは有用なときもある。一般に電圧に対する適切な値は、約0.5〜5ボルトまで変動する。しかしながら、特定の材料そして必要性に依存して、値は変わることができる。
さらなる態様によると、変換は、形成される金属塩の存在下で行なうことができる。すなわち、例えば、もし伝導性皮膜の表面が、硫酸で処理されると、伝導性皮膜の金属組成のそれぞれの硫黄の塩が、酸の溶液中で存在することができる。好ましくは、塩は、飽和濃度となる量を加えられる。もし、処理されるフィラメントが、その後溶液から取り除かれる場合、金属硫酸塩硫酸付加物は、冷却してフィラメントの表面で結晶する。そこから、短い熱の処理によって硫酸を取り除くことができ、非常に粘着性のある硫酸塩層となる。
通常、その金属塩類に変換される前に、伝導性の金属層の表面は洗浄される。特に適切な溶媒を用いた処理によって脱脂される。脱脂のための溶媒は例えばアセトン、ジクロロメタンなどである。
以下に、塩が形成されるための温度要件が、好ましい態様で例証される。その中で、伝導性の層は銀からなる。
通常、フィラメントは前駆体材料を超伝導材料に変換するために、最終の熱処理に先立って酸の処理を受ける。前記熱処理は、通常約820°Cの温度で実行される。
熱処理中に、電気抵抗層を形成する材料の分解は、回避されるべきである。なぜなら、分解の際、素材の中でガスが形成され泡を生じるからである。従って、電気抵抗層の形成された金属塩は、熱処理に適用された温度より高い分解温度を持っているべきである。
例えば、伝導性の銀皮膜の場合には、伝導性皮膜の表面上に形成される銀塩は820°C以上の分解温度を有すべきである。つまり分解温度は、熱処理のために適用された温度より高い。
この要求を満たす銀の塩類は、銀の硫化物(842°Cで分解)、銀のセレン化物(約880°Cで分解)および銀のリン酸塩(化学および物理学のCRCハンドブック(第70版)によると850°C以上で分解)である。
しかしながら、熱処理の上記条件は、大気条件を述べるのみで、銀のマトリックスの媒介の層における条件を述べていないので、減圧下、より低い分解温度あるいは融点を有する塩もまた、分解、そして泡の生成を回避できる場合には、適切に電気抵抗層になりうる。
したがって、銀の硫酸塩は、656°Cで溶けるが、そのような条件の下で適切な電気抵抗層としても使用することができる。
本発明のhts伝導性素材は、伝導性皮膜の表面の金属組成を非伝導性の金属塩に化学的に変換することにより、形成された電気抵抗層を含み、そのようにして、電気抵抗層を形成することは、電気抵抗層の中に異質の金属が存在しないことにおいて有利である。即ち、電気抵抗層は、伝導性の金属皮膜の表面の直接の変換によって容易に形成可能である。伝導性皮膜の表面の金属の変化によって得られた層は、非常によい接着を示し、得られた電気抵抗層の厚さは、非常に薄い層が形成されることが可能となり、非常に均質である。
また、強い接着により、改善された成形加工特性が得られ、層の厚さは、伝導性皮膜の表面に酸が作用する反応時間の単純な変化によって容易に調節することができる。
酸素の半径と比較して、陰イオンの大きなイオン半径により、伝導性皮膜を通過して超伝導材料の中への陰イオン拡散は、生じないか、あるいはわずかに少しである。そして、本発明の方法によって得られる非常に薄い層により、超伝導材料の中への伝導性皮膜を通過した酸素拡散は、さまたげられないか、あるいはわずかにさまたげられる。
上に述べられるような有利な特性により、本発明の超伝導素材は交流適用にふさわしい。
好ましい交流適用の例は、ケーブル、磁石、磁気軸受、コイル、変圧器、電動機、SMES(超伝導磁気エネルギー記憶装置)、電流制限器および電流供給器の生成である。
以下に、本発明は、特定の実施例によってさらに例証される。
実施例において、使用されるフィラメントは、2223-材料のコアを有する。
さらに、Ag層の厚さは、以下の実施例の中で使用されるモノフィラメントの伝導性の金属層のことであるが、約200μmから約500μmであった。
銀の伝導性皮膜を有するいくつかのモノフィラメントは、表面の洗浄の後に石英・チューブの中に入れられ、室温で1時間H2Sガスの流れにさらされた。モノフィラメントの表面上のこの処理の後に、連続したAg2S層が3μmの厚さを持って形成された。
200°Cの温度へのチューブの加熱の場合には、6μmの増加した層厚さが得られた。
得られた層は、除去に金属道具が必要な程、モノフィラメントに非常に強く接着した。
銀の伝導性皮膜を有するいくつかのモノフィラメントは、表面洗浄後、水で満たされた石英・チューブへ入れられ、それを通して拡散媒体としてのグラス・フリットによって底から頂上へH2Sガスを流した。形成されたAg2S層の厚さは約9μmだった。
いくつかのモノフィラメントは、10mol/lの濃度の沸騰するリン酸を入れた容器に、浸漬された。
伝導性皮膜上に、銀のオルトリン酸塩の層が約10μmの厚さを持って形成された。
銀の伝導性皮膜があるモノフィラメントに、1から2Vの電圧を印加した。そして、モノフィラメントを、室温で10mol/lの濃度のリン酸に浸漬された。
いくつかのモノフィラメント(銀の伝導性皮膜を有する)は、それらの表面を洗浄後、沸騰する硫酸を備えた容器に20分間浸漬された。さらに、沸騰する硫酸に、飽和するまで、銀の硫酸塩は加えられた。酸化させていない硫酸は、銀の皮膜の表面に影響して、わずかに約1μmの厚さがある銀の硫酸塩の層になった。
銀の硫酸塩の飽和濃度により、モノフィラメントが冷却されて容器から取り出された時、銀の硫酸塩-硫酸付加物はモノフィラメントの表面で結晶した。続いて、表面上に結晶化した銀の硫酸塩-硫酸付加物を有するモノフィラメントは、250°Cの短い熱処理を持続して10分から20時間まで受けた。そして、硫酸を除去して、約10μmの厚さを有する銀の硫酸塩の強く接着する電気抵抗層を生じた。

Claims (19)

  1. 酸化物超伝導材、または、前記酸化物超伝導材に変換可能な前駆物質からなるコアと、前記コアを被覆する伝導性金属皮膜とからなるフィラメントを備えた酸化物超伝導素材に電気抵抗層を形成する方法であって、
    前記伝導性金属皮膜の少なくとも一部を、前記金属皮膜の比電気抵抗値よりも高い比電気抵抗値を有する、前記金属皮膜の金属組成を少なくとも1つの塩に化学的に変換することによって、前記伝導性金属の表面に抵抗層を形成することを特徴とする酸化物超伝導素材に電気抵抗層を形成する方法。
  2. 前記伝導性の金属皮膜の表面を、酸で処理して、少なくとも前記表面の一部を金属皮膜の比電気抵抗値より高い、比電気抵抗値を有する個々の前記金属塩化合物に化学的に変換することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記伝導性の金属皮膜が、銀、銅、金、パラジウム、プラチナ、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウムおよびこれらの合金から成るグループから選ばれた少なくとも1つの金属から構成されることを特徴とする請求項1あるいは2記載の方法。
  4. 前記伝導性の金属皮膜が銀、あるいは銀の合金からなる被覆であることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 前記酸が、硫化水素、セレン化水素、テルル化水素、硫酸およびリン酸から成るグループから選ばれる少なくとも1つの酸であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記酸が、硫化水素、および硫化水素を含む酸混合物のグループから選ばれることを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 前記化学的変換が高い温度で行なわれることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記化学的変換が、前記伝導性の金属皮膜にさらに電気的な電圧を印加することにより行なわれることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記において、酸を用いた処理が塩の化合物の存在下で行なわれることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記抵抗性の層が、前記伝導性の金属皮膜によって囲まれた前記コアを含む2本以上のフィラメントを鞘に納めることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 酸化物超伝導材、または、前記酸化物超伝導材に変換可能な前駆物質からなるコアと、前記コアを被覆する伝導性金属皮膜とからなるフィラメントを備えた酸化物超伝導素材であって、
    前記金属皮膜の比電気抵抗値よりも高い比電気抵抗値を有する前記金属皮膜の少なくとも1つの金属組成の、少なくとも1つの塩の電気抵抗層が、前記伝導性金属皮膜の表面の少なくとも一部に用いられることを特徴とする酸化物超伝導素材。
  12. 前記伝導性の金属皮膜が、銀、銅、金、パラジウム、プラチナ、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウムおよびこれらの合金から成るグループから選ばれた少なくとも1つの金属から構成されることを特徴とする請求項11記載の酸化物の超伝導素材。
  13. 前記伝導性の金属皮膜が、銀あるいは銀の合金から構成されることを特徴とする請求項12記載の酸化物超伝導素材。
  14. 前記金属塩が、硫酸塩、硫化物、セレン化物、テルル化物およびリン酸塩から成るグループから選ばれる、少なくとも1つであることを特徴とする請求項11から13のいずれか一項に記載の酸化物超伝導素材。
  15. 前記伝導性の金属皮膜の表面の少なくとも一部が、銀の硫化物の抵抗性の層によって覆われることを特徴とする請求項14記載の酸化物超伝導素材。
  16. 超伝導材料はBi-Sr-Ca-Cu-O系であることを特徴とする請求項11から15のいずれか一項に記載の酸化物超伝導素材。
  17. 請求項11から16のいずれか一項に記載の酸化物超伝導素材が、複数のフィラメントを含むワイヤーあるいはバンドの形状であることを特徴とする酸化物超伝導素材。
  18. 交流電流を適用のために、請求項11から17のいずれか一項に記載の酸化物超伝導素材を使用する方法。
  19. ケーブル、磁石、コイル、磁気軸受、変圧器、電動機、超伝導を示す磁気エネルギー貯蔵装置、電流制限器および電流供給器に、請求項17に記載の酸化物超伝導素材を使用する方法。
JP2003544825A 2001-11-14 2002-11-11 酸化物超伝導素材上に電気抵抗層を適用する方法、電気抵抗層を有する酸化物超伝導素材およびその使用方法 Pending JP2005510016A (ja)

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