JPH10247428A - 酸化物超電導線材 - Google Patents

酸化物超電導線材

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JPH10247428A
JPH10247428A JP9048951A JP4895197A JPH10247428A JP H10247428 A JPH10247428 A JP H10247428A JP 9048951 A JP9048951 A JP 9048951A JP 4895197 A JP4895197 A JP 4895197A JP H10247428 A JPH10247428 A JP H10247428A
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JP
Japan
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material layer
oxide
wire
oxide superconducting
superconducting wire
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JP9048951A
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English (en)
Inventor
Kenji Tazaki
賢司 田崎
Kazuo Yamamoto
一生 山本
Hiroko Onoda
裕子 小野田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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Abstract

(57)【要約】 【課題】交流損失や接続部での発熱等のいわゆる損失を
効果的に抑制できる酸化物超電導線材を提供する。 【解決手段】酸化物超電導体11を金属材層12で被覆
してなる素線3を複数配置した多芯構造の酸化物超電導
線材において、素線3は、金属材層12の外側にこの金
属材層12より抵抗率の高い高抵抗率材層13を備えて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化物超電導線材
に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、イットリウム系、ビスマ
ス系、タリウム系などの酸化物超電導線材は、臨界温度
が液体窒素温度レベル以上であるため、各種の電気機器
に使用されつつある。酸化物超電導線材を構造的に分類
すると、幾つかのタイプに分類される。酸化物超電導体
を銀で被覆してなる銀シーステープ線材もそのうちの一
つのタイプである。このタイプの酸化物超電導線材は、
臨界電流密度が高いうえに、長尺化が比較的容易で、し
かも銀という低抵抗マトリクスを備えているので熱的安
定性にも優れており、様々な超電導コイルへの適用が期
待されている。
【0003】しかしながら、銀は低抵抗で、かつ高熱伝
導という性質を持っている。この性質を備えているがゆ
えに、銀マトリクスを備えた酸化物超電導線材は、交流
損失が問題となる交流用線材や、オフ時に高抵抗を必要
とする永久電流スッチ用線材や、低熱伝導が必要な電流
リード線材には不向きであった。
【0004】そこで、このような問題を解決するため
に、純銀より1〜2桁も抵抗率が高い銀・金合金マトリ
クスを備えた酸化物超電導線材が開発された。このよう
な高抵抗マトリクスを備えた酸化物超電導線材の出現に
より、交流マグネット、永久電流スイッチおよび極低温
電流リードの製作が可能となった。
【0005】しかしながら、このような高抵抗マトリク
スを備えた酸化物超電導線材にあっても、交流損失を十
分に低減させるには至っていないのが実状である。ま
た、マトリクスに銀・金合金を用いると、コストの上昇
を招くという問題もあった。また、高抵抗マトリクスを
備えた酸化物超電導線材では、線材同士の接続あるいは
線材と電極部との接続部において、その接続抵抗が大き
く、この接続部分での発熱が大きいという問題があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来の酸
化物超電導線材にあっては、交流損失や接続部での発熱
等のいわゆる損失が大きいという問題があった。そこで
本発明は、上述した損失を効果的に抑制できる酸化物超
電導線材を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、酸化物超電導体を金属材層
で被覆してなる素線を複数配置した多芯構造の酸化物超
電導線材において、前記素線が、前記金属材層の外側に
上記金属材層より抵抗率の高い高抵抗率材層を備えてい
ることを特徴としている。
【0008】なお、前記高抵抗率材層は、金属の酸化物
層で形成されていてもよいし、また素線の長手方向に不
連続に設けられていてもよい。また、上記目的を達成す
るために、請求項4に係る発明は、酸化物超電導体と該
酸化物超電導体を取巻く金属マトリクス材とを備えた酸
化物超電導線材において、前記金属マトリクス材が、線
材の長手方向の少なくとも一箇所に抵抗率の小さい領域
を備えていることを特徴としている。
【0009】なお、前記抵抗率の小さい領域は、他の領
域に比べて金属マトリクス材の構成物質、あるいは構成
物質の合金比、あるいは構成物質中の不純物の混合比の
異なりによって形成されていてもよい。また、前記金属
マトリクス材は、構成物質の一つとして銀を含んでいて
もよい。
【0010】請求項1に係る酸化物超電導線材は、外側
に抵抗率の高い高抵抗率材層を備えた素線を複数配置し
てなる多芯構造に形成されている。したがって、この線
材では、各素線中に存在している酸化物超電導体間の電
気抵抗を十分に高めることがきるため、交流損失のうち
の結合損失を十分に低減することが可能となる。この結
果、ランニングコストの少ない交流超電導マグネット、
極低温用電流リード、超電導ケーブルの製作に寄与でき
る。
【0011】また、請求項4に係る酸化物超電導線材で
は、線材を構成している材料のうちの酸化物超電導体以
外の材料部分について、全体としては高抵抗を保持しな
がら局部的に低抵抗部を形成することができ、この低抵
抗部を接続部として使用することができる。したがっ
て、この請求項4に係る酸化物超電導線材は、高抵抗マ
トリクスが必要となる交流マグネット用線材、極低温電
流リード用線材あるいは永久電流スイッチ用線材として
使用でき、しかも線材同士あるいは線材と電極部との低
抵抗接続を可能とする。特に、永久電流スイッチ用線材
として用いた場合には、低抵抗接続により、永久電流マ
グネットの磁場減衰を抑制することが可能となり、極め
て有益である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら発明の
実施形態を説明する。図1(a) には本発明の第1の実施
形態に係る酸化物超電導線材1の模式的な断面図が示さ
れている。
【0013】この酸化物超電導線材1は、銀や銅からな
る金属マトリクス2中に素線3を複数本配置した多芯構
造に形成されている。各素線3は、図1(b) に示すよう
に、イットリウム系、ビスマス系、タリウム系などから
なる酸化物超電導体11を銀や銀合金などの金属材層1
2で被覆し、さらにその外側に金属材層12よりも抵抗
率の高い材料層、たとえば酸化銅やアルミナなどの絶縁
材層13を配置したものとなっている。
【0014】ここで、絶縁材層13は、線材製作過程の
熱処理終了後の状態であり、熱処理前においては、必ず
しも絶縁体である必要はない。たとえば、絶縁材層13
が酸化銅である場合には、熱処理前の段階では、銅であ
ってもよいし、酸化銅であってもよい。酸化物超電導体
を合成する場合、熱処理は通常、800℃以上の高温
で、かつ酸素の存在する雰囲気で行われる。このため、
多くの金属は熱処理の過程で酸化される。
【0015】このように、外側に抵抗率の極めて高い高
抵抗率材層、具体的には絶縁材層13を備えた素線3を
複数配置してなる多芯構造の酸化物超電導線材1である
と、各素線3中に存在している酸化物超電導体11間の
電気抵抗を絶縁材層13の存在によって十分に高めるこ
とがきるため、交流損失のうちの結合損失を十分に低減
することができる。したがって、ランニングコストの少
ない交流超電導マグネット、極低温用電流リード、超電
導ケーブルの製作に寄与できる。
【0016】なお、線材同士や電極との接続を必要とす
る部分では、絶縁材層13を除去して低抵抗の金属材層
12を露出させ、この露出部分を接続部に用いることに
よって、十分な低抵抗接続を行うことができる。
【0017】図2(a) 、(b) には本発明の第2の実施形
態に係る酸化物超電導線材1aの模式的な断面図が示さ
れている。この例に係る酸化物超電導線材1aが図1に
示した線材と異なる点は、素線3aの構成にある。すな
わち、各素線3aは、酸化物超電導体11を銀や銀合金
などの金属材層12で被覆し、その外側に金属材層12
よりも抵抗率の高い材料層、たとえば酸化銅やアルミナ
などの絶縁材層13を配置し、さらにその外側に金属材
層14を配置したものとなっている。
【0018】このように構成された酸化物超電導線材1
aにあっても、図1に示される線材と同様の効果を発揮
する。図3(a) 、(b) には本発明の第3の実施形態に係
る酸化物超電導線材に組込まれた素線3bの横断面図お
よび縦断面図が示されている。
【0019】この素線3bは、線材の横断面内の構成に
ついては図1(b) に示した素線とほぼ同じであるが、線
材の長手方向に絶縁材層13を不連続に分布させてい
る。このような素線構成であると、多芯構造の線材を構
成したとき、各酸化物超電導体11間の電気的な絶縁性
は得られないものの、絶縁材層13が存在しない場合に
比べて、線材断面内における線材半径方向の抵抗率を高
めることができる。したがって、この素線3bを組込ん
だ線材においても結合損失を抑制することができる。
【0020】図4には本発明の第4の実施形態に係る酸
化物超電導線材1cの斜視図が示されている。この酸化
物超電導線材1cは、金属マトリクス21中に酸化物超
電導体22を複数分布配置したものとなっている。ここ
で、金属マトリクス21のうち、接続に供される部分2
1aは低抵抗マトリクスに形成され、接続には供されな
い部分21bは高抵抗マトリクスに形成されている。す
なわち、この例では、接続に供される部分21a が銀マ
トリクスによって構成され、接続には供されない部分2
1b が銀より抵抗率の高い銀・金合金マトリクスによっ
て構成されている。具体的な製作方法を説明すると、ま
ず、銀シース線材上の高抵抗化したい部分21bに金メ
ッキする。なお、金メッキに限らず、金の蒸着など、高
抵抗化したい部分の銀表面に金が付着している状態が形
成されればよい。その後、金メッキの施された、つまり
金の付着された銀シース線材を熱処理する。この熱処理
によって、メッキした金が銀中に拡散して、金と銀との
合金が形成される。メッキを施していない部分21a
は、合金が形成されないため、低抵抗のままであり、こ
の低抵抗の部分21a を接続部として使用するようにし
ている。
【0021】このような構成であると、金属マトリクス
21について、線材の長手方向に亙っては高抵抗を維持
させることができ、しかも接続に供される部分について
は十分な低抵抗を維持させることができる。したがっ
て、高抵抗マトリクスが必要となる交流マグネット用線
材、極低温電流リード用線材あるいは永久電流スイッチ
用線材として使用でき、しかも線材同士あるいは線材と
電極部との低抵抗接続を可能とする。
【0022】なお、この例では、複数の酸化物超電導
体、つまり複数の酸化物超電導フィラメントを備えた多
芯構造の酸化物超電導線材を形成しているが、酸化物超
電導フィラメントの数が1本の単芯線構造としてもよ
い。
【0023】図5には本発明の第5の実施形態に係る酸
化物超電導線材1dの斜視図が示されている。この例に
係る酸化物超電導線材1d では、線材の長さ方向に対し
て、酸化物超電導体22の周囲に配置される金属マトリ
クス21中の不純物や金属と銀との比率に分布が設けて
ある。すなわち、この例おいて、接続に供される部分2
1a におけるマトリクスは、銀の比率が90%以上に設
定されている。そして、接続には供されない部分21b
のマトリクスは、必要な抵抗あるいは熱伝導に応じた任
意の合金比率あるいは不純物混合率となっている。した
がって、このような構成の酸化物超電導線材1dであっ
ても図4に示した線材と同様の効果を発揮させることが
できる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
酸化物超電導線材の交流損失や接続抵抗による損失等の
損失を大幅に低減することが可能となり、交流マグネッ
トや極低温用電流リードに適用したときには省電力化
に、また永久電流スイッチに適用したときには磁場減衰
率の抑制に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は本発明の第1の実施形態に係る酸化物超
電導線材の模式的横断面図で、(b) は同酸化物超電導線
材を構成する素線の横断面図
【図2】(a) は本発明の第2の実施形態に係る酸化物超
電導線材の模式的横断面図で、(b) は同酸化物超電導線
材を構成する素線の横断面図
【図3】(a) は本発明の第3の実施形態に係る酸化物超
電導線材に組み込まれた素線の横断面図で、(b) は同素
線の縦断面図
【図4】本発明の第4の実施形態に係る酸化物超電導線
材の斜視図
【図5】本発明の第5の実施形態に係る酸化物超電導線
材の斜視図
【符号の説明】
1,1a,1c,1d…酸化物超電導線材 2,21…金属マトリクス 3,3a,3b…素線 11,22…酸化物超電導体 12,14…金属材層 13…絶縁材層 21a…接続に供される部分 21b…接続には供されない部分

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物超電導体を金属材層で被覆してなる
    素線を複数配置した多芯構造の酸化物超電導線材におい
    て、前記素線は、前記金属材層の外側に上記金属材層よ
    り抵抗率の高い高抵抗率材層を備えていることを特徴と
    する酸化物超電導線材。
  2. 【請求項2】前記高抵抗率材層は、金属の酸化物層で形
    成されていることを特徴とする請求項1に記載の酸化物
    超電導線材。
  3. 【請求項3】前記高抵抗率材層は、素線の長手方向に不
    連続に設けられていることを特徴とする請求項1に記載
    の酸化物超電導線材。
  4. 【請求項4】酸化物超電導体と該酸化物超電導体を取巻
    く金属マトリクス材とを備えた酸化物超電導線材におい
    て、前記金属マトリクス材は、線材の長手方向の少なく
    とも一箇所に抵抗率の小さい領域を備えていることを特
    徴とする酸化物超電導線材。
  5. 【請求項5】前記抵抗率の小さい領域は、他の領域に比
    べて金属マトリクス材の構成物質、あるいは構成物質の
    合金比、あるいは構成物質中の不純物の混合比が異なっ
    ていることを特徴とする請求項4に記載の酸化物超電導
    線材。
  6. 【請求項6】前記金属マトリクス材は、構成物質の一つ
    として銀を含んでいることを特徴とする請求項4または
    5に記載の酸化物超電導線材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001035423A1 (fr) * 1999-11-08 2001-05-17 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Conducteur supraconducteur haute temperature en oxyde et procede de preparation dudit conducteur
CN1293576C (zh) * 2004-10-10 2007-01-03 西北有色金属研究院 一种带有绝缘层的高温超导材料及其制备方法
US7162287B2 (en) 2000-08-29 2007-01-09 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Oxide high-temperature superconducting wire and method of producing the same

Cited By (4)

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US6828508B1 (en) 1999-11-08 2004-12-07 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Oxide high-temperature superconductor wire and method of producing the same
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