JP2007509360A - 重合トナー及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、懸濁重合により製造される重合トナーに関するものであって、(1)副産物として生成されるエマルジョン粒子の大きさが0.05〜2μmとなるようにする量に水系分散剤を使用し、懸濁重合によりトナーを製造する段階;及び(2)前記分散剤をトナー表面から除去し、エマルジョン粒子の濃度がトナーに対し0.01〜2重量%となるように精製した後、フィルタリングして真空乾燥する段階を含むことを特徴とするトナーの製造方法を提供する。
また、本発明は、水系分散剤を使用する懸濁重合により製造されるトナーであって、エマルジョン粒子の濃度が0.01〜2%であり、エマルジョン粒子の粒径が0.05〜2μmであることを特徴とするトナーを提供する。
本発明では、従来の重合トナーに比べ、懸濁重合の副産物として発生するエマルジョン粒子の濃度を効果的に調節し、高定着性及び優れた現像特性を有するトナーを確保することができる。
また、本発明は、水系分散剤を使用する懸濁重合により製造されるトナーであって、エマルジョン粒子の濃度が0.01〜2%であり、エマルジョン粒子の粒径が0.05〜2μmであることを特徴とするトナーを提供する。
本発明では、従来の重合トナーに比べ、懸濁重合の副産物として発生するエマルジョン粒子の濃度を効果的に調節し、高定着性及び優れた現像特性を有するトナーを確保することができる。
Description
本発明は、高定着性及び優れた現像特性を有するトナー及びその製造方法に関するものであって、さらに詳細には、懸濁重合により重合トナーを製造する場合に発生するエマルジョン粒子を、機械的な方法により除去することにより、トナー内のエマルジョン粒子の濃度を最適化して、重合トナーの現像特性及び定着性を向上したトナー及びその製造方法に関するものである。
一般に、トナーは、電子写真の現像及び静電気的プリンター、複写機などに使用されるものであって、転写作業時、被転写物に画像を現像する塗料を称する。最近、コンピューターを利用した文書作成などが一般化されるにつれて、プリンターのような画像形成装置の需要が急激に増加しており、これにより、トナーの使用量も増加している実情である。
トナーを製造する方法には、様々な方法がある。
最も広く知られた一般的な方法である溶融−混合工程は、樹脂と顔料とを共に入れて、溶融−混合あるいは押出した後、粉砕して、分級し、トナー粒子を製造する。しかし、この工程により製造されたトナー粒子は、粒径の分布が広く、尖った角を有するなど、非常に不規則的な形状を有するため、荷電性や流れ性がよくないという問題があった。
このような問題を解決するために、重合法により丸形のトナー粒子を製造する方法が提示された。前記重合法によるトナーの製造方法としては、エマルジョン重合法と懸濁重合法が知られているが、エマルジョン重合法は、製造工程が複雑で、これにより、トナー品質の再現性に問題があるため、懸濁重合による方法がより好まれている。
懸濁重合によりトナーを製造する方法は、米国特許第5,605,992号に開示されており、懸濁重合によりトナーを製造する場合、分散媒として使用される水に対する開始剤と重合単量体の溶解度により、エマルジョン粒子の生成が一般的な現象である。エマルジョン粒子の生成は、主反応である懸濁重合の安定性を低下させて、且つ、最終製品から十分除去されなかった場合、トナー粒子に吸着されて、トナーの現像特性及び定着性を低下させる結果を招くようになる。
前記米国特許第5,605,992号で主張することは、水溶性重合抑制剤を使用することにより、エマルジョン粒子の生成を最少化することであるが、この方法の場合、エマルジョン粒子の生成を完璧に抑制することは不可能であり、また、この際使用する水溶性重合抑制剤は、主反応である懸濁重合に影響を及ぼすか、最終トナー粒子に残存し、究極的にトナーの特性を低下させるという短所がある。
即ち、トナーの現像特性を阻害しないようにするためには、生成されたエマルジョン粒子をトナーから機械的に取り除く方法が求められている実情であった。
米国特許第5,605,992号
上記のような問題を解決するために、本発明者らは、懸濁重合中に生成されて、トナーの現像特性及び定着性を低下させるエマルジョン粒子が、効果的に除去されて一定な濃度を満足する時、過度なエマルジョン粒子による帯電現象の妨害効果が防止されて、帯電特性が均一になることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、従来の重合トナーに比べ、懸濁重合の副産物として発生するエマルジョン粒子の濃度を効果的に調節して、高定着性及び優れた現像特性を確保することができるトナーを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、(1)副産物として生成されるエマルジョン粒子の大きさが0.05〜2μmとなるようにする量に水系分散剤を使用し、懸濁重合によりトナーを製造する段階;及び(2)前記分散剤をトナー表面から除去し、エマルジョン粒子の濃度がトナーに対し0.01〜2重量%となるように精製した後、フィルタリングして真空乾燥する段階;を含むことを特徴とするトナーの製造方法を提供する。
また、水系分散剤を使用する懸濁重合により製造されるトナーに関するものであって、トナー中のエマルジョン粒子の濃度が0.01〜2%であり、エマルジョン粒子の粒径が0.05〜2μmであることを特徴とするトナーを提供する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明により提供されるトナーは、下記の懸濁重合段階を経て製造される。
(1)重合トナーの製造段階
水系無機分散剤、水溶性有機高分子分散剤、及びアニオン性界面活性剤からなる群から選択される水系分散剤を、全単量体100部に対し、0.1〜20重量部使用して、水系分散液を用意する。
水系無機分散剤、水溶性有機高分子分散剤、及びアニオン性界面活性剤からなる群から選択される水系分散剤を、全単量体100部に対し、0.1〜20重量部使用して、水系分散液を用意する。
単量体としては、芳香族ビニル系単量体やアクリレート系単量体、メタクリレート系単量体、ジエン系単量体、またはこれらの混合物が使用でき、選択的に、酸性や塩基性オレフィン系単量体を使用することができる。
芳香族ビニル系単量体を、全体単量体100部に対し、30〜95重量部;アクリレート系単量体、メタクリレート系単量体、及びジエン系単量体からなる群から選択された1以上の単量体を、全体単量体100部に対し、5〜70重量部;及び選択的に酸性または塩基性オレフィン系単量体を、全体単量体100部に対し、0.1〜30重量部;顔料を、全体単量体100部に対し、1〜20重量部;ワックスを、全体単量体100部に対し、0.1〜30重量部;架橋剤を、全体単量体100部に対し、0.001〜10重量部;電荷調節剤を、全体単量体100部に対し、0.1〜20重量部;分子量調節剤を、全体単量体100部に対し、0.001〜8重量部;及び反応開始剤を、全体単量体100部に対し、0.01〜5重量部含んでなる単量体複合体を、水系分散液100重量部に対し、1〜60重量部用意して、水系分散液と混合し混合物を製造する。
前記混合物にホモジナイザーで剪断力を加えながら重合をして、トナーコアを作る。
また、選択的に、前記単量体に、ポリエステル系及びスチレンアクリル系極性高分子の中から選択された1種以上を0.01〜10重量部添加して使用することができる。
芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、モノクロロスチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレンなどを使用することができ、これらは、全体単量体100部に対し、30〜95重量部使用することが好ましい。
アクリレート系単量体としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ドデシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどが使用でき、メタクリレート系単量体としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどを使用することができ、ジエン系単量体としては、ブタジエン、イソプレンなどを使用することができる。
前記アクリレート系単量体、メタクリレート系単量体、及びジエン系単量体の中から一つ以上が、全単量体100部に対し、5〜70重量部使用されることが好ましい。
酸性オレフィン系単量体としては、カルボキシル基を有するα、β−エチレン化合物などを使用することができ、塩基性オレフィン系単量体としては、アミン基や4次アンモニウム基を有する脂肪族アルコールのメタクリル酸エステル系、メタクリルアミド系、ビニルアミン系、ジアリルアミン系やこれのアンモニウム塩などを使用することができる。
前記酸性または塩基性オレフィン系単量体の中から一つ以上を使用する場合は、全単量体100部に対し、0.1〜30重量部使用することが好ましい。
前記ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックスなどの石油精製ワックス;カルナバワックスなどの天然ワックス;または、エステル系ワックス、ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックスなどの合成ワックスの中から選択される1種以上である。
前記ワックスは、全単量体100部に対し、0.1〜30重量部使用することが好ましい。
前記反応開始剤としては、油溶性開始剤と水溶性開始剤を使用することができる。具体的には、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリルなどのアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシドなどの有機パーオキシド;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの一般的に使われる水溶性開始剤などを使用することができる。
前記反応開始剤は、全単量体100部に対し、0.01〜5.00重量部使用することが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜2.0重量部使用される。
前記分子量調節剤としては、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン系化合物を1種以上使用することができるが、これらの分子量調節剤は、全単量体100部に対し、0.001〜8.000重量部使用することが好ましい。
前記顔料としては、金属粉末型顔料、金属物酸化型、カーボン型、硫化物型、クロム塩型、フェロシアニド型などの無機顔料や、アゾ型、酸性染料型、塩基性染料型、モーダント(mordant)染料型、フタロシアニン、キナクリドン型、ジオキサン型などの有機顔料、またはこれらの混合物を使用することができて、全単量体100部に対し、1〜20重量部使用される。
電荷調節剤としては、ニグロシン型の電子受容染料、高脂肪族の金属塩、アルコキシアミン、キレート、4次アンモニウム塩、アルキルアミド、フッ素処理活性剤、ナフタレン酸の金属塩などのカチオン性電荷調節剤や電子受容有機錯体、塩素化されたパラフィン、塩素化されたポリエステル、過量の酸を含有したポリエステル、銅フタロシアニンのスルホニルアミン、スルホン酸基を含むスチレン−アクリル系高分子などのアニオン性電荷調節剤、またはこれらの混合物が使用されるが、これらの電荷調節剤は、全単量体100部に対し、0.1〜20重量部使用することが好ましい。
架橋剤としては、ジビニルベンゼン、エチレンジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサメチレンジアクリレート、アリルメタクリレート、1,1,1−トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、テトラアリルオキシエタンなどが使用されて、全単量体100部に対し、0.001〜10重量部使用することが好ましい。
前記水系分散剤としては、無機分散剤、水溶性有機高分子分散剤、及びアニオン性界面活性剤からなる群から1種以上選択して、全単量体100部に対し、0.1〜20重量部使用することができる。
前記無機分散剤としては、不溶性カルシウム塩、不溶性マグネシウム塩、親水性シリカ、疎水性シリカ、コロイダルシリカなどを使用することができる。
前記水溶性有機高分子分散剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリビニルアルコール、アルキルセルロース、ポリビニルピロリドンなどの非イオン性高分子分散剤、及びポリアクリルアミド、ポリビニルアミン、ポリビニルアミンN−オキシド、ポリビニルアンモニウム塩、ポリジアルキルジアリルアンモニウム塩、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアミノアルキルアクリル酸塩などのイオン性高分子分散剤を使用することができる。
前記アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリール硫酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩などを使用することができる。
前記トナー製造段階において、副産物として生成されるエマルジョン粒子の粒径は、0.05〜2μmが好ましい。0.05μm未満である場合は、エマルジョン粒子の高い表面積によるトナーに対する高吸着力により、エマルジョン粒子をトナーから除去することが非常に難しくて、汚染による現像特性の低下を招き、2μmを超過する場合は、エマルジョン粒子による定着性の低下及び画像部の汚染が発生しうる。
前記エマルジョン粒子の粒径は、水系分散剤の濃度により調節可能であり、エマルジョン粒子の粒径が0.05〜2μmとなるようにするためには、使用する水系分散剤の総量が、全単量体100部に対し、0.1〜20重量部であることが好ましい。0.1重量部未満であると、反応システムの安定性が維持できず、20重量部を超過すると、エマルジョン粒子の生成が過度になり、均一なトナー重合が不可能になる。
(2)エマルジョン粒子の除去段階
上記で製造された重合トナーを含む溶液において、まず、適宜な方法により分散剤をトナーから除去させる。水系分散剤としてコロイダルシリカを使用する場合は、NaOH水溶液を投入するが、NaOHの濃度を0.05〜0.2Nに調節して、シリカをトナー表面から除去することが可能である。
上記で製造された重合トナーを含む溶液において、まず、適宜な方法により分散剤をトナーから除去させる。水系分散剤としてコロイダルシリカを使用する場合は、NaOH水溶液を投入するが、NaOHの濃度を0.05〜0.2Nに調節して、シリカをトナー表面から除去することが可能である。
次に、エマルジョン粒子の濃度が、トナーに対し、0.01〜2%となるように洗浄し、トナーを分離した後、真空オーブンを使用し常温で48時間乾燥して、最終のトナー粒子を得る。エマルジョン粒子の濃度が0.01%未満であると、ドラムフィルミングの発生が観察されて、エマルジョン粒子の濃度が2%を超過する場合は、エマルジョン粒子による現像特性及び定着性の低下が観察される。
フィルター装置、フィルタープレス装置、一般遠心分離装置、連続式デカンター型高速遠心分離装置などを使用し、分離及び洗浄工程を通じて、分散剤とエマルジョン粒子とをトナーから分離することができ、遠心分離の回数、遠心分離時の遠心力、洗浄工程の繰り返し回数、洗浄に使用する水量などを調節することにより、エマルジョン粒子濃度の調節が可能であり、さらには、トナー中の微粒子の分級効果も期待できる。
本発明は、従来の重合トナーに比べ、懸濁重合の副産物として発生するエマルジョン粒子の濃度を効果的に調節し、高定着性及び優れた現像特性を確保することができるトナーを提供する、有用な発明である。
以下、実施例を通じて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
(重合トナーの製造)
内容積500mlの反応器に、蒸留水400g、分散剤としてコロイダルシリカ10gを溶かし、反応温度である70℃に温度を上げて、水系分散液を用意した。
(重合トナーの製造)
内容積500mlの反応器に、蒸留水400g、分散剤としてコロイダルシリカ10gを溶かし、反応温度である70℃に温度を上げて、水系分散液を用意した。
単量体として、スチレン160g、n−ブチルアクリレート36g、及びアクリル酸4gを使用し、架橋剤としてアリルメタクリレート4g、分子量調節剤としてn−ドデシルメルカプタン0.02gを入れて、スルホン酸基を含むスチレン−アクリル系高分子電荷調節剤1gを十分溶かした後、これにカーボンブラック10gを入れて、ビーズミルにより2000rpmで2時間攪拌した後、ビーズを除去し、単量体と顔料の混合物105gを用意した。
前記混合物を、水浴により70℃に温度を上げた後、パラフィンワックス5gを入れて20分間攪拌し、十分に溶かした。この最終単量体混合物に重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル2gを入れて、5分間攪拌した。
この反応混合物を、上記で用意した水系分散液に入れて、ホモジナイザーを使用し、10000rpmで20分間攪拌しながら反応を持続させ、その後、一般攪拌機を使用し600rpmで15時間反応させて、重合トナーを製造した。
(遠心分離による洗浄)
上記合成されたトナーにNaOH水溶液を投入し、NaOHの濃度を0.1Nに調節して、シリカをトナー表面から除去した。
上記合成されたトナーにNaOH水溶液を投入し、NaOHの濃度を0.1Nに調節して、シリカをトナー表面から除去した。
シリカを除去した反応物を、遠心分離装置(Beckman J2-21M, Rotor JA-14)を使用し、3000rpmで15分間、蒸留水で遠心分離−デカンテーション−再分散を10回繰り返して、シリカとエマルジョン粒子とを除去することにより、エマルジョン粒子のトナーに対する量が0.4%となるように精製した。最終的に、フィルタリングを通じて水分を取り除き、トナーケーキを真空オーブンに入れて、常温で48時間真空乾燥することにより、トナーを製造した。
製造されたトナー粒子の大きさと形状は、全て、マルチサイザーコールターカウンターとSEMを使用して測定、観察した。この際、得られたトナーの平均粒径は、7.2μmであり、エマルジョン粒子の粒径は、0.2μmであった。
表面処理されたシリカRY200S(ドイツDEGUSSA社製)を、製造されたトナーに2重量部添加し、4000rpmで3分間、混合器で混合して表面処理し、HP4600プリンター(ヒューレットパッカード社製)を使用してプリントテストを行い、画像濃度(ID)は、マクベス(Macbeth, Model No. RD918)で測定した。その結果を表1に示した。
実施例2〜9
表1に示されたように、コロイダルシリカの濃度を調節することにより、エマルジョン粒子の粒径を調節し、遠心分離の回数を調節することにより、エマルジョン粒子の濃度を調節した。
表1に示されたように、コロイダルシリカの濃度を調節することにより、エマルジョン粒子の粒径を調節し、遠心分離の回数を調節することにより、エマルジョン粒子の濃度を調節した。
表面処理されたシリカRY200Sを、製造されたトナーに2重量部添加し、4000rpmで3分間、混合器で混合して表面処理し、HP4600プリンター(ヒューレットパッカード社製)を使用してプリントテストを行い、画像濃度(ID)は、マクベス(Macbeth, Model No. RD918)で測定した。その結果を表1に示した。
比較例1
実施例1と同様にトナーを合成し、合成されたトナーにNaOH水溶液を投入したが、NaOHの濃度を0.1Nに調節して、シリカをトナー表面から除去した。
実施例1と同様にトナーを合成し、合成されたトナーにNaOH水溶液を投入したが、NaOHの濃度を0.1Nに調節して、シリカをトナー表面から除去した。
シリカの除去された反応物を、遠心分離装置(Beckman J2-21M, Rotor JA-14)を使用して3000rpmで15分間、蒸留水で遠心分離−デカンテーション−再分散を10回繰り返して、トナーを再び蒸留水に分散し、ホモジナイザーを使用して剪断力を10分間加えた後、遠心分離装置を使用して遠心分離−デカンテーション−再分散を10回繰り返し、トナーに対するエマルジョン粒子の量が0.008%となるように精製した。最終的に、フィルタリングを通じて水分を取り除き、トナーケーキを真空オーブンに入れて、常温で48時間真空乾燥することにより、トナーを製造した。
製造されたトナー粒子の大きさと形状は、全て、マルチサイザーコールターカウンターとSEMを使用して測定、観察した。
表面処理されたシリカRY200Sを、製造されたトナーに2重量部添加し、4000rpmで3分間、混合器で混合して表面処理し、HP4600プリンター(ヒューレットパッカード社製)を使用してプリントテストを行い、画像濃度(ID)は、マクベス(Macbeth, Model No. RD918)で測定した。その結果を表1に示した。
比較例2
(単純フィルタリングにより洗浄)
実施例1と同様にトナーを合成し、合成されたトナーを水で3回洗浄−フィルタリングを繰り返して、主に分散剤のみを除去しエマルジョン粒子の濃度を2.5%となるように維持して、トナーケーキを真空オーブンに入れ、常温で48時間真空乾燥することにより、トナーを製造した。
(単純フィルタリングにより洗浄)
実施例1と同様にトナーを合成し、合成されたトナーを水で3回洗浄−フィルタリングを繰り返して、主に分散剤のみを除去しエマルジョン粒子の濃度を2.5%となるように維持して、トナーケーキを真空オーブンに入れ、常温で48時間真空乾燥することにより、トナーを製造した。
製造されたトナー粒子の大きさと形状は、全て、マルチサイザーコールターカウンターとSEMを使用して測定、観察した。
表面処理されたシリカRY200Sを、製造されたトナーに2重量部添加し、4000rpmで3分間、混合器で混合して表面処理し、HP4600プリンター(ヒューレットパッカード社製)を使用してプリントテストを行い、画像濃度(ID)は、マクベス(Macbeth, Model No. RD918)で測定した。その結果を表1に示した。
比較例3
(エマルジョン粒子のサイズが大きい場合)
表1に示されたように、コロイダルシリカを1gのみ使用しコロイダルシリカの濃度を減少して、生成されるエマルジョン粒子の粒径を2.2μmに調節した。合成されたトナーにNaOH水溶液を投入したが、NaOHの濃度を0.1Nに調節して、シリカをトナー表面から除去した。
(エマルジョン粒子のサイズが大きい場合)
表1に示されたように、コロイダルシリカを1gのみ使用しコロイダルシリカの濃度を減少して、生成されるエマルジョン粒子の粒径を2.2μmに調節した。合成されたトナーにNaOH水溶液を投入したが、NaOHの濃度を0.1Nに調節して、シリカをトナー表面から除去した。
シリカの除去された反応物を、遠心分離装置(Beckman J2-21M, Rotor JA-14)を使用して3000rpmで15分間、蒸留水で遠心分離−デカンテーション−再分散を10回繰り返して精製し、フィルタリングを通じて水分を除去した後、得られたトナーケーキを真空オーブンに入れて、常温で48時間真空乾燥することにより、トナーを製造した。
製造されたトナー粒子の大きさと形状は、全て、マルチサイザーコールターカウンターとSEMを使用して測定、観察した。
表面処理されたシリカRY200Sを、製造されたトナーに2重量部添加し、4000rpmで3分間、混合器で混合して表面処理し、HP4600プリンター(ヒューレットパッカード社製)を使用してプリントテストを行い、画像濃度(ID)は、マクベス(Macbeth, Model No. RD918)で測定した。その結果を表1に示した。
表1から分かるように、現像特性の場合、エマルジョン粒子が効果的に除去されないと、印刷を進行するほど、画像濃度(ID)の減少する幅が大きくなるか、画像濃度自体の絶対値が小さい。そして、定着性も劣ることが確認できた。
しかし、エマルジョン粒子の濃度が低すぎると(比較例1)、現像特性及び定着性は優秀であるが、ドラムフィルミングが発生した。
上記の結果から、本発明よる実施例1〜9のトナーにおいては、エマルジョン粒子の効果的な処理程度により、現像特性及び定着性が左右されることが分かった。
以上、本発明の望ましい具体例について詳細に説明したが、当業界の通常の知識を有する者にとって、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、多様な変形及び修正が可能であることは明らかであり、このような変形及び修正が添付の請求の範囲に含まれることは自明なことである。
Claims (6)
- (1)副産物として生成されるエマルジョン粒子の大きさを0.05〜2μmとなるようにする量で水系分散剤を使用し、懸濁重合によりトナーを製造する段階;及び
(2)前記分散剤をトナー表面から除去し、前記エマルジョン粒子の濃度がトナーに対し0.01〜2重量%となるように精製した後、フィルタリングして真空乾燥する段階;を含むことを特徴とする、トナーの製造方法。 - 前記水系分散剤が、不溶性カルシウム塩、不溶性マグネシウム塩、親水性シリカ、疎水性シリカ及びコロイダルシリカからなる群から選択される無機分散剤;
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリビニルアルコール、アルキルセルロース及びポリビニルピロリドンからなる群から選択される非イオン性高分子分散剤;
ポリアクリルアミド、ポリビニルアミン、ポリビニルアミンN−オキシド、ポリビニルアンモニウム塩、ポリジアルキルジアリルアンモニウム塩、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩及びポリアミノアルキルアクリル酸塩からなる群から選択されるイオン性高分子分散剤;及び
脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリール硫酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸塩及びアルキルリン酸塩からなる群から選択されるアニオン性界面活性剤;からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載のトナーの製造方法。 - 前記水系分散剤が、全単量体100重量部に対し、0.1〜20重量部使用されることを特徴とする、請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 水系分散剤としてコロイダルシリカを使用し、重合トナーを製造した後、0.05〜0.2NのNaOH水溶液を投入して、コロイダルシリカをトナー表面から除去することを特徴とする、請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 遠心分離装置を使用し、遠心分離−デカンテーション−再分散を繰り返して、エマルジョン粒子の濃度がトナーに対し0.01〜2%となるように精製することを特徴とする、請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 水系分散剤を使用する懸濁重合により製造されるトナーであって、エマルジョン粒子の濃度が0.01〜2%であり、エマルジョン粒子の粒径が0.05〜2μmであることを特徴とするトナー。
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