JP2007505878A - キナゾリン誘導体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(I)(式中、R1、R2、X1、R5、およびmのそれぞれは、本明細書に記載の意味のいずれかを有する)のキナゾリン誘導体、これらの誘導体の製造法、これらの誘導体を含有する医薬組成物、およびEGF受容体チロシンキナーゼとerbB受容体チロシンキナーゼの阻害に対して感受性の腫瘍を予防もしくは治療する上で、抗増殖薬として使用するための医薬の製造におけるこれらの誘導体の使用に関する。

Description

本発明は、抗腫瘍活性を有する、したがって人体もしくは動物体を処置する方法において有用である、特定の新規キナゾリン誘導体または前記誘導体の医薬として許容されうる塩に関する。本発明はさらに、前記キナゾリン誘導体の製造法、前記キナゾリン誘導体を含有する医薬組成物、および治療法における前記キナゾリン誘導体の使用(たとえば、ヒト等の温血動物の充実性腫瘍疾患を予防もしくは治療する上で使用するための医薬の製造における使用)に関する。
細胞増殖の制御異常によって生じる疾患(たとえば、乾癬や癌)に対する現在の治療計画の多くは、DNA合成と細胞増殖を阻害する化合物を利用する。これまでのところ、このような処置に使用される化合物は、一般には細胞に対して毒性ではあるが、急速に分裂していく細胞(たとえば腫瘍細胞)に対する阻害作用が強化されているので有用でありうる。こうした細胞毒性の抗腫瘍薬に代わる別のアプローチが現在開発されつつある(たとえば、細胞情報伝達経路の選択的阻害薬)。これらのタイプの阻害薬は、腫瘍細胞に対する作用の選択性向上を示す可能性を有するようであり、したがって、望ましくない副作用を有する療法となる懸念が減少するものと思われる。
真核細胞は、有機体中の細胞間の情報伝達を可能にする多くのさまざまな細胞外シグナルに絶えず応答している。これらのシグナルは、増殖、分化、アポトーシス、および運動性を含めた、細胞中の種々の物理的応答を調整する。細胞外シグナルは、パラクリン因子やエンドクリン因子のみならず、増殖因子も含めた種々の可溶性因子という形をとる。特定の膜貫通型受容体に結びつくことによって、これらのリガンドは、細胞外シグナルを細胞内情報伝達経路に取り込み、これにより原形質膜を横切ってシグナルが変換され、個々の細胞が細胞外シグナルに応答できるようになる。これらのシグナル変換プロセスの多くは、こうした種々の細胞応答の促進に関与するタンパク質リン酸化反応の可逆プロセスを利用している。標的タンパク質のリン酸化状態は、哺乳類ゲノムによってコード化された全タンパク質の約1/3の調整をつかさどる特定のキナーゼとホスファターゼによって調整される。リン酸化反応は、シグナル変換プロセスにおける極めて重要な調整メカニズムであるので、これらの細胞内経路に異常が生じると、異常な細胞増殖と分化が起こり、したがって細胞形質転換が促進される(「Cohen et al,Curr Opin Chem Biol,1999,3,459-465」に概説されている)。
これらのチロシンキナーゼの多くは、本質的に活性な形に突然変異するか、および/または、過剰に発現すると種々のヒト細胞の形質転換を引き起こす、ということが広く知られている。キナーゼのこうした突然変異形と過剰発現形は、ヒト腫瘍の大部分に存在している(「Kolibaba et al,Biochimica et Biophysica Acta,1997,133,F217-F248」に概説されている)。種々の組織の増殖と分化においてはチロシンキナーゼが基本的な役割を果たしているので、新規抗癌療法の開発に際してはこれらの酵素に重点が置かれている。この系列の酵素は2つのグループ〔受容体チロシンキナーゼと非受容体チロシンキナーゼ(たとえば、それぞれEGF受容体とSRCファミリー)〕に分けられる。ヒトゲノムプロジェクトを含めた多くの研究の結果から、ヒトゲノムにおいて約90種のチロシンキナーゼが確認され、このうちの58種が受容体型であり、32種が非受容体型である。これらは、20種の受容体チロシンキナーゼ・サブファミリーと10種の非受容体チロシンキナーゼ・サブファミリーに区分することができる(「Robinson et al,Oncogene,2000,19,5548-5557」)。
受容体チロシンキナーゼは、細胞の複製を開始させるマイトジェン・シグナルの伝達において特に重要である。細胞の原形質膜に広がっている、これらの大きな糖タンパク質は、特定のリガンド〔たとえば、EGF受容体に対する上皮細胞増殖因子(EGF)〕のための細胞外結合ドメインを有する。リガンドが結合することで、受容体のキナーゼ酵素活性の活性化が起こり、これが受容体の細胞内部分によってコード化される。この作用により標的タンパク質中の主要なチロシンアミノ酸がリン酸化され、その結果、細胞の原形質膜を横切って増殖シグナルの変換が起こる。
erbBファミリーの受容体チロシンキナーゼ(EGFR、erbB2、erbB3、およびerbB4を含む)は、腫瘍細胞の増殖と生存を駆り立てることにしばしば関与する、ということが知られている(「Olayioye et al.,EMBO J.,2000,19,3159」に概説されている)。これがなされうる1つのメカニズムは、タンパク質レベルでの受容体の過剰発現(一般には、遺伝子増幅の結果として)によるメカニズムである。このことは、乳癌(Sainsbury et al.,Brit.J.Cancer,1988,58,458;Guerin et al.,Oncogene Res.,1988,3,21;Slamon et al.,Science,1989,244,707;Klinjin et al.,Breast Cancer Res.Treat.,1994,29,73;およびSalomon et al.,Crit.Rev.Oncol.Hematol.,1995,19,183)、腺癌含めた非小細胞肺癌(NSCLC)(Cerny et al.,Brit.J.Cancer,1986,54,265;Reubi et al.,Int.J.Cancer,1990,45,269;Rusch et al.,Cancer Research,1993,53,2379;Brabender et al.,Clin.Cancer Res.,2001,7,1850)、他の肺癌(Hendler et al.,Cancer Cells,1989,7,347;Ohsaki et al.,Oncol.Rep.,2000,7,603)、膀胱癌(Neal et al.,Lancet,1985,366;Chow et al.,Clin.Cancer Res.,2001,7,1957;Zhau et al.,Mol Carcinog.,3,254)、食道癌(Mukaida et al.,Cancer,1991,68,142)、結腸癌、直腸癌、もしくは胃癌等の消化管癌(Bolen et al.,Oncogene Res.,1987,1,149;Kapitanovic et al.,Gastroenterology,2000,112,1103;Ross et al.,Cancer Invest.,2001,19,554)、前立腺癌(Visakorpi et al.,Histochem.J.,1992,24,481;Kumar et al.,2000,32,73;Scher et al.,J.Natl.Cancer Inst.,2000,92,1866)、白血病(Konaka et al.,Cell,1984,37,1035;Martin-Subero et al.,Cancer Genet Cytogenet.,2001,127,174)、卵巣癌(Hellstrom et al.,Cancer Res.,2001,61,2420)、頭頚部癌(Shiga et al.,Head Neck,2000,22,599)、または膵臓癌(Ovotny et al.,Neoplasma,2001,48,188)等の、多くの一般的なヒト癌において観察されている(「Klapper et al.,Adv.Cancer Res.,2000,77,25」に概説されている)。より多くのヒト腫瘍組織が、erbBファミリーの受容体チロシンキナーゼの発現に関して試験されているので、それらの広範囲にわたる広がりと重要性が将来さらに増すものと思われる。
これら受容体の1種以上に調整の誤りが起こると、多くの腫瘍が臨床的により攻撃的になり、したがって患者に対するより不良な予後に関係してくる、と広く考えられている(Brabender et al.,Clin.Cancer Res.,2001,7,1850;Ross et al.,Cancer Investigation,2001,19,554;Yu et al.,Bioassays,2000,22.7,673)。これらの臨床所見に加えて、erbBファミリーの受容体チロシンキナーゼが細胞形質転換に関与している、ということを大量の前臨床情報が示している。こうした情報は、多くの腫瘍細胞株がerbB受容体の1種以上を過剰発現するという知見、そして、EGFRやerbB2は、非腫瘍細胞中にトランスフェクトされると、これらの細胞を形質転換させる能力をもつようになる、という知見を含む。こうした腫瘍遺伝子の可能性(tumourigenic potential)は、erbB2を過剰発現するトランスジェニックマウスが乳腺において自然発生的に腫瘍を生じる、ということからさらに確認されている。このほかにも、多くの前臨床研究は、小分子阻害薬、優性ネガティブ、または阻害抗体によって1つ以上のerbB活性を失わせることで抗増殖効果を起こさせることができる、ということを示している(「Mendelsohn et al.,Oncogene,2000,19,6550」に概説されている)。したがって、これら受容体チロシンキナーゼの阻害薬は、哺乳類の癌細胞の増殖に対する選択的阻害薬として有用のはずである、と認識されている(Yaish et al.,Science,1988,242,933;Kolibaba et al.,Biochimica et Biophysica Acta,1997,133,F217-F248;Al-Obeidi et al.,Oncogene,2000,19,5690-5701;Mendelsohn et al.,Oncogene,2000,19,6550-6565)。こうした前臨床データのほかに、EGFRとerbB2に対する阻害抗体(それぞれ、c-225とトラスツマブ)を使用するという知見は、選定された充実性腫瘍を処置するための診療所において有用であることが実証されている(「Mendelsohn et al.,Oncogene,2000,19,6550-6565」に概説されている)。
erbB型受容体チロシンキナーゼのメンバーの増幅および/または活性が検出され、したがって、乾癬(Ben-Bassat,Curr.Pharm.Des.,2000,6,933;Elder et al.,Science,1989,243,811)、良性の前立腺肥大(BPH)(Kumar et al.,Int,Urol.Nephrol.,2000,32,73)、アテローム性動脈硬化症、および再狭窄(Bokemeyer et al.,Kidney Int.,2000,58,549)等の、多くの悪性でない増殖性障害においてある役割を果たしていることが示されている。したがって、erbB型受容体チロシンキナーゼの阻害薬は、過剰な細胞増殖によるこれら悪性でない障害および他の悪性でない障害の治療に対して有用であると考えられる。
ヨーロッパ特許出願EP566226は、受容体チロシンキナーゼ阻害薬である特定の4-アニリノキナゾリンを開示している。
国際特許出願WO96/33977、WO96/33978、WO96/33979、WO96/33980、WO96/33981、WO97/30034、およびWO97/38994は、4位にアニリノ置換基を、そして6位および/または7位に置換基をもつ特定のキナゾリン誘導体は、受容体チロシンキナーゼの阻害活性を有する、ということを開示している。
ヨーロッパ特許出願EP837063は、キナゾリン環上の6位もしくは7位にアリール基またはヘテロアリール基を含有する部分をもつアリール置換4-アミノキナゾリン誘導体を開示している。これらの化合物は、過剰増殖性障害を治療するのに有用であるとされている。
国際特許出願WO97/30035とWO98/13354は、7位が置換された特定の4-アニリノキナゾリンは血管内皮増殖因子受容体チロシンキナーゼの阻害薬である、ということを開示している。
WO00/55141は、6位および/または7位における置換基がエステル連結部分(RO-CO)を有していることを特徴とする6,7-置換4-アニリノキナゾリン化合物を開示している。
WO00/56720は、癌またはアレルギー反応を治療するための6,7-ジアルコキシ-4-アニリノキナゾリン化合物を開示している。
WO02/41882は、6位および/または7位が置換ピロリジニル-アルコキシ基もしくは置換ピペリジニル-アルコキシ基で置換された4-アニリノキナゾリン化合物を開示している。
WO03/082290は、特定の6,7-置換4-アニリノキナゾリン化合物が受容体チロシンキナーゼ阻害活性を有する、ということを開示している。このような化合物の特定の例は4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-[1-(tert-ブチルオキシカルボニル)-ピペリジン-4-イル-オキシ]-7-メトキシ-キナゾリンである。
上記先行技術のいずれも、4-(2,3-ジハロゲノアニリノ)キナゾリン化合物または4-(2,3,4-トリハロゲノアニリノ)キナゾリン化合物を開示していない。
同時係属中の国際特許出願番号PCT/GB03/01306は、特定の4-(2,3-ジハロゲノアニリノ)キナゾリン誘導体が強力な抗腫瘍活性を有し、特にEGFRに対して選択的である、ということを説明している。このような化合物の特定の例は、6-(1-アセチルピペリジン-4-イルオキシ)-4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-キナゾリンである。
しかしながら本出願者らは、驚くべきことに、側鎖を変えると、そして必要に応じてアニリン基にさらなる置換基を加えると、該化合物が、EGFR阻害作用に加えて良好なerbB2キナーゼ阻害作用を有するようになり、したがって該化合物は、これら両方のキナーゼが関与する腫瘍の治療に対して臨床的に特に有用なものとなる、ということを見出した。
本発明において開示されている化合物が、単一の生物学的プロセスに及ぼす作用によってのみ薬理活性を有する、ということを示そうとするつもりはないが、本発明に開示の化合物は、腫瘍細胞の増殖につながるシグナル変換段階において関与するerbBファミリーの受容体チロシンキナーゼの2種を阻害することによって抗腫瘍作用をもたらす、と考えられる。本発明の化合物は特に、EGFR受容体チロシンキナーゼおよび/またはerbB2受容体チロシンキナーゼを阻害することによって抗腫瘍作用をもたらす、と考えられる。
本発明の第1の態様によれば、式I
Figure 2007505878
〔式中、
nは0、1、2、または3であり;
各R5は、ハロゲノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、スルファモイル、トリフルオロメチル、(1-6C)アルキル、(2-8C)アルケニル、(2-8C)アルキニル、(1-6C)アルコキシ、(2-6C)アルケニルオキシ、(2-6C)アルキニルオキシ、(1-6C)アルキルチオ、(1-6C)アルキルスルフィニル、(1-6C)アルキルスルホニル、(1-6C)アルキルアミノ、ジ-[(1-6C)アルキル]アミノ、(1-6C)アルコキシカルボニル、N-(1-6C)アルキルスルファモイル、N,N-ジ-[(1-6C)アルキル]スルファモイル、またはC(O)NR6R7(式中、R6とR7は、水素、置換されていてもよい(1-6C)アルキル、置換されていてもよい(3-8C)シクロアルキル、または置換されていてもよいアリールから独立的に選択されるか、あるいはR6とR7が、それらが結合している窒素と一緒になって、さらなるヘテロ原子を含有してよい置換されていてもよい複素環を形成する)から独立的に選択され;
X1は、直接結合またはOであり;
R1は水素と(1-6C)アルキルから選択され、このとき(1-6C)アルキル基は、ヒドロキシとハロゲノから選択される、同一であっても異なっていてもよい1つ以上の置換基で、および/または、アミノ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロゲノ、(1-6C)アルコキシ、ヒドロキシ(1-6C)アルコキシ、(2-8C)アルケニル、(2-8C)アルキニル、(1-6C)アルキルチオ、(1-6C)アルキルスルフィニル、(1-6C)アルキルスルホニル、(1-6C)アルキルアミノ、ジ-[(1-6C)アルキル]アミノ、カルバモイル、N-(1-6C)アルキルカルバモイル、N,N-ジ-[(1-6C)アルキル]カルバモイル、(2-6C)アルカノイル、(2-6C)アルカノイルオキシ、(2-6C)アルカノイルアミノ、N-(1-6C)アルキル-(2-6C)アルカノイルアミノ、(1-6C)アルコキシカルボニル、スルファモイル、N-(1-6C)アルキルスルファモイル、N,N-ジ-[(1-6C)アルキル]スルファモイル、(1-6C)アルカンスルホニルアミノ、およびN-(1-6C)アルキル-(1-6C)アルカンスルホニルアミノから選択される置換基で置換されていてもよく;
R2は、(1-6C)アルキル、(2-6C)アルケニル、または(2-6C)アルキニルであって、これらのいずれかが、フルオロ、(1-6C)アルコキシ、(1-6C)アルキルチオ、(1-6C)アルキルスルフィニル、(1-6C)アルキルスルホニル、または下位の式(i)
Figure 2007505878
で示される基で置換されていてもよく;
mは0、1、2、または3であり;
R3とR4は、水素または(1-6C)アルキルから独立的に選択されるか、あるいはR3とR4が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、O、S、SO、SO2、またはNR8(式中、R8は、水素、(1-6C)アルキル、(2-6C)アルケニル、(2-6C)アルキニル、(1-6C)アルキルスルホニル、または(1-6C)アルキルカルボニルである)から選択されるさらなるヘテロ原子を含有してもよい5員もしくは6員の飽和複素環を形成し;
但し、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-[1-(tert-ブチルオキシカルボニル)-ピペリジン-4-イル-オキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-[1-(イソプロピルオキシカルボニル)-ピペリジン-4-イル-オキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-[1-(tert-ブチルオキシカルボニル)-ピペリジン-4-イル-オキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、または6-{[(1-tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシキナゾリンではない〕で示されるキナゾリン誘導体、または前記誘導体の医薬として許容されうる塩が提供される。
本発明の他の態様によれば、式I
Figure 2007505878
〔式中、
nは0、1、2、または3であり;
各R5は、ハロゲノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、スルファモイル、トリフルオロメチル、(1-6C)アルキル、(2-8C)アルケニル、(2-8C)アルキニル、(1-6C)アルコキシ、(2-6C)アルケニルオキシ、(2-6C)アルキニルオキシ、(1-6C)アルキルチオ、(1-6C)アルキルスルフィニル、(1-6C)アルキルスルホニル、(1-6C)アルキルアミノ、ジ-[(1-6C)アルキル]アミノ、(1-6C)アルコキシカルボニル、N-(1-6C)アルキルスルファモイル、N,N-ジ-[(1-6C)アルキル]スルファモイル、またはC(O)NR6R7(式中、R6とR7は、水素、置換されていてもよい(1-6C)アルキル、置換されていてもよい(3-8C)シクロアルキル、または置換されていてもよいアリールから独立的に選択されるか、あるいはR6とR7が、それらが結合している窒素と一緒になって、さらなるヘテロ原子を含有してよい置換されていてもよい複素環を形成する)から独立的に選択され;
X1は、直接結合またはOであり;
R1は水素と(1-6C)アルキルから選択され、このとき(1-6C)アルキル基は、ヒドロキシとハロゲノから選択される、同一であっても異なっていてもよい1つ以上の置換基で、および/または、アミノ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロゲノ、(1-6C)アルコキシ、ヒドロキシ(1-6C)アルコキシ、(2-8C)アルケニル、(2-8C)アルキニル、(1-6C)アルキルチオ、(1-6C)アルキルスルフィニル、(1-6C)アルキルスルホニル、(1-6C)アルキルアミノ、ジ-[(1-6C)アルキル]アミノ、カルバモイル、N-(1-6C)アルキルカルバモイル、N,N-ジ-[(1-6C)アルキル]カルバモイル、(2-6C)アルカノイル、(2-6C)アルカノイルオキシ、(2-6C)アルカノイルアミノ、N-(1-6C)アルキル-(2-6C)アルカノイルアミノ、(1-6C)アルコキシカルボニル、スルファモイル、N-(1-6C)アルキルスルファモイル、N,N-ジ-[(1-6C)アルキル]スルファモイル、(1-6C)アルカンスルホニルアミノ、およびN-(1-6C)アルキル-(1-6C)アルカンスルホニルアミノから選択される置換基で置換されていてもよく;
R2は、(1-6C)アルキル、(2-6C)アルケニル、または(2-6C)アルキニルであって、これらのいずれかが、フルオロ、(1-6C)アルコキシ、(1-6C)アルキルチオ、(1-6C)アルキルスルフィニル、(1-6C)アルキルスルホニル、または下位の式(i)
Figure 2007505878
で示される基で置換されていてもよく;
mは0、1、2、または3であり;
R3とR4は、水素または(1-6C)アルキルから独立的に選択されるか、あるいはR3とR4が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、O、S、SO、SO2、またはNR8(式中、R8は、水素、(1-6C)アルキル、(2-6C)アルケニル、(2-6C)アルキニル、(1-6C)アルキルスルホニル、または(1-6C)アルキルカルボニルである)から選択されるさらなるヘテロ原子を含有してもよい5員もしくは6員の飽和複素環を形成し;
但し、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-[1-(tert-ブチルオキシカルボニル)-ピペリジン-4-イル-オキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-[1-(イソプロピルオキシカルボニル)-ピペリジン-4-イル-オキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-[1-(tert-ブチルオキシカルボニル)-ピペリジン-4-イル-オキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、または6-{[(1-tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシキナゾリンではない〕で示されるキナゾリン誘導体、または前記誘導体の医薬として許容されうる塩が提供される。
本明細書においては、“アルキル”という総称は、直鎖アルキル基(たとえば、プロピル、イソプロピル、およびtert-ブチル)と分岐鎖アルキル基〔たとえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチル等の(3-7C)シクロアルキル〕を含む。しかしながら、“プロピル”等の個々の直鎖アルキル基への言及は直鎖体に対してのみ特定しており、“イソプロピル”等の個々の分岐鎖アルキル基への言及は分岐鎖体にのみ特定しており、そして“シクロペンチル”等の個々のシクロアルキル基への言及は5員環に対してのみ特定している。他の総称に対しても類似の約定が適用される。たとえば、(1-6C)アルコキシは、メトキシ、エトキシ、シクロプロピルオキシ、およびシクロペンチルオキシを含み、(1-6C)アルキルアミノは、メチルアミノ、エチルアミノ、シクロブチルアミノ、およびシクロヘキシルアミノを含み、そしてジ-[(1-6C)アルキル]アミノは、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N-シクロブチル-N-メチルアミノ、およびN-シクロヘキシル-N-エチルアミノを含む。
“アリール”とは、フェニルやナフチル等の芳香族炭化水素環を表わしている。“ヘテロサイクリック(hetrocyclic)”や“ヘテロサイクリル(heterocyclyl)”という用語は、単環式であっても二環式であってもよく、3〜15個の原子を含有していて、そのうちの少なくとも1個(適切には1〜4個)が、酸素、イオウ、または窒素等のヘテロ原子であるような環構造を含む。環は、縮合環系の一方の環が芳香族で、他方の環が非芳香族であってよいという意味において、芳香族であっても、非芳香族であっても、あるいは部分芳香族であってもよい。このような環系の特定の例としては、フリル、ベンゾフラニル、テトロヒドロフリル、クロマニル、チエニル、ベンゾチエニル、ピリジル、ピペリジニル、キノリル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、イソキノリル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、ピラジニル、ピペラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、ピロリル、ピロリジニル、インドリル、インドリニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラゾリル、インダゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、モルホリニル、4H-1,4-ベンゾオキサジニル、4H-1,4-ベンゾチアジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、オキサジアゾリル、フラザニル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、オキシラニル、オキセタニル、アゼチジニル、テトラヒドロピラニル、オキセパニル(oxepanyl)、オキサゼパニル(oxazepanyl)、テトラヒドロ-1,4-チアジニル、1,1-ジオキソテトラヒドロ-1,4-チアジニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロチオピラニル、またはチオモルホリニルなどがある。
複素環基の特定の例としては、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、N-(1-6C)アルキルピロリジン、またはN-(1-6C)アルキルピペリジンなどがある。
環が窒素原子を含む場合、窒素原子は、窒素の結合要件を満たすために、必要に応じて、水素原子または(1-6C)アルキル基等の置換基を有していてもよく、あるいは窒素原子を介して構造の残部に連結していてもよい。ヘテロサイクリル基中の窒素原子は、対応するNオキシドが得られるよう酸化することもできる。
本発明の化合物は一般に、好ましい物理的特性(たとえば、高い抗増殖活性を保持しつつ高い溶解性を有する)を示す。さらに、本発明の化合物の多くは、hERGアッセイにおいて不活性であるか、または幾らか活性であるにすぎない。
理解しておかなければならないことは、前記式Iの化合物のうちの特定の化合物が、1つ以上の不斉置換炭素原子および/またはイオウ原子のために光学活性体またはラセミ体にて存在する場合、こうした特定の化合物は、エナンチオマー的に純粋な化合物としても、ジアステレオ異性体の混合物としても、あるいはラセミ化合物としても単離することができる、という点である。本発明は、その定義上、上記の活性を有する全てのラセミ化合物、光学活性化合物、エナンチオマー的に純粋な化合物、ジアステレオ異性体の混合物、および式(I)の化合物の立体異性形もしくはそれらの混合物を含む。光学活性体の合成は、当業界によく知られている有機化学の標準的な方法(たとえば、光学活性の出発物質からの合成による方法、またはラセミ体の分割による方法)によって行うことができる。同様に、上記の活性は、後述する標準的な実験室的手法を使用して評価することができる。
本発明は、抗増殖活性を有する、式Iの化合物の全ての互変異性体に関する。
さらに理解しておかなければならないことは、式Iの特定の化合物は、非溶媒和形のみならず溶媒和形(たとえば水和形)でも存在してよい、という点である。本発明が、抗増殖活性を有するこうした全ての溶媒和形を含むことは言うまでもない。
さらに理解しておかなければならないことは、式Iの特定の化合物が多形を示すことがあり、本発明は、抗増殖活性を有するこうした全ての形態の化合物を含む、という点である。
上記の総称基に対する適切な意味は下記の基を含む。
本明細書において前述したか、または後述する基R1、R2、R3、R4、もしくはR5のいずれかに対する適切な意味は下記の基を含む:
ハロゲノに対しては: フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨード;
(1-6C)アルキルに対しては: メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、ペンチル、およびヘキシル;
(1-4C)アルキルに対しては: メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、およびtert-ブチル;
(1-6C)アルコキシに対しては: メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、およびブトキシ;
(2-8C)アルケニルに対しては: ビニル、イソプロペニル、アリル、および2-ブテニル;
(2-8C)アルキニルに対しては: エチニル、2-プロピニル、および2-ブチニル;
(2-6C)アルケニルオキシに対しては: ビニルオキシとアリルオキシ;
(2-6C)アルキニルオキシに対しては: エチニルオキシと2-プロピニルオキシ;
(1-6C)アルキルチオに対しては: メチルチオ、エチルチオ、およびプロピルチオ;
(1-6C)アルキルスルフィニルに対しては: メチルスルフィニルとエチルスルフィニル;
(1-6C)アルキルスルホニルに対しては: メチルスルホニルとエチルスルホニル;
(1-6C)アルキルアミノに対しては: メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、およびブチルアミノ;
ジ-[(1-6C)アルキル]アミノに対しては: ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N-エチル-N-メチルアミノ、およびジイソプロピルアミノ;
(1-6C)アルコキシカルボニルに対しては: メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、およびtert-ブトキシカルボニル;
N-(1-6C)アルキルカルバモイルに対しては: N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N-プロピルカルバモイル、およびN-イソプロピルカルバモイル;
N,N-ジ-[(1-6C)アルキル]カルバモイルに対しては; N,N-ジメチルカルバモイル、N-エチル-N-メチルカルバモイル、およびN,N-ジエチルカルバモイル;
(2-6C)アルカノイルに対しては; アセチル、プロピオニル、およびイソブチリル;
(2-6C)アルカノイルオキシ: アセトキシとプロピオニルオキシ;
(2-6C)アルカノイルアミノに対しては; アセトアミドとプロピオンアミド;
N-(1-6C)アルキル-(2-6C)アルカノイルアミノに対しては; N-メチルアセトアミドとN-メチルプロピオンアミド;
N-(1-6C)アルキルスルファモイルに対しては; N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイル、およびN-イソプロピルスルファモイル;
N,N-ジ-[(1-6C)アルキル]スルファモイルに対しては; N,N-ジメチルスルファモイルとN-メチル-N-エチルスルファモイル;
(1-6C)アルカンスルホニルアミノに対しては; メタンスルホニルアミノとエタンスルホニルアミノ;
N-(1-6C)アルキル-(1-6C)アルカンスルホニルアミノに対しては; N-メチルメタンスルホニルアミノとN-メチルエタンスルホニルアミノ;
ヒドロキシ-(1-6C)アルコキシに対しては; ヒドロキシメトキシ、2-ヒドロキシエトキシ、1-ヒドロキシエトキシ、および3-ヒドロキシプロポキシ。
言うまでもないことであるが、R1が、たとえば2-アミノエチル基を得るべくアミノで置換された基(1-6C)アルキルである場合、このR1は、基X1に(または、X1が直接結合であるときはキナゾリン環に)結合した(1-6C)アルキル基である。
本明細書においては、(1-4C)アルキル基に言及がなされる場合、このような基は、最大で4個の炭素原子を含有するアルキル基を表わしている、と理解しなければならない。当業者は周知しているが、このような基の代表的な例は、(1-6C)アルキルの項で上記した、最大で4個の炭素原子を含有するアルキル基(たとえば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、およびtert-ブチル)である。同様に、(1-3C)アルキル基への言及は、最大で3個の炭素原子を含有するアルキル基(たとえば、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピル)を表わしている。上記した他の基〔たとえば、(1-4C)アルコキシ、(2-4C)アルケニル、(2-4C)アルキニル、および(2-4C)アルカノイル〕に対しても同様の約定が適用される。
式Iの化合物においては、キナゾリン環上の2位、5位、および8位に水素原子が存在する。
式Iの化合物の医薬として許容されうる適切な塩は、たとえば、式Iの化合物の酸付加塩(塩酸、臭化水素酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、またはマレイン酸等の無機酸や有機酸との酸付加塩);式Iの化合物の充分に酸性である塩(カルシウム塩やマグネシウム塩等のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩、またはアンモニウム塩);あるいは有機塩基(メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリン、またはトリス-(2-ヒドロキシエチル)アミン等)との塩;である。
nの特定の例は1、2、または3であり、適切なのは2または3である。
各R5は、ハロゲノ、トリフルオロメチル、(1-6C)アルキル、(2-8C)アルケニル、(2-8C)アルキニル、または基C(O)NR6R7(式中、R6とR7は前記した通りである)から独立的に選択されるのが適切である。
特に、各R5は、クロロやフルオロ等のハロゲノから独立的に選択される。
R6とR7に対する特定の置換基(R6とR7が水素以外である場合)としては、ハロゲノ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、スルファモイル、トリフルオロメチル、(2-8C)アルケニル、(2-8C)アルキニル、(1-6C)アルコキシ、(2-6C)アルケニルオキシ、(2-6C)アルキニルオキシ、(1-6C)アルキルチオ、(1-6C)アルキルスルフィニル、(1-6C)アルキルスルホニル、(1-6C)アルキルアミノ、ジ-[(1-6C)アルキル]アミノ、(1-6C)アルコキシカルボニル、N-(1-6C)アルキルカルバモイル、N,N-ジ-[(1-6C)アルキル]カルバモイル、N-(1-6C)アルキルスルファモイル、N,N-ジ-[(1-6C)アルキル]スルファモイル、(3-8C)シクロアルキル、アリール、または複素環基がある。
R6またはR7に対するアリール置換基の特定の例としては、フェニルやナフチルがあり、特にフェニルがある。
R6またはR7に対する複素環置換基の特定の例としては、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、ピリジル、ピペリジニル、ピラジニル、ピペラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、ピロリジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、モルホリニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、オキサジアゾリル、フラザニル、チアジアゾリル、またはテトラゾリル等の5員または6員の複素環がある。
R6とR7が、それらが結合している窒素と一緒になって置換されていてもよい複素環を形成する場合、該複素環は、飽和もしくは不飽和の、たとえば5員環または6員環である。特定の例としては、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、またはチオモルホリノなどがある。これとは別に、R6とR7が一緒になって(3-6C)アルケニル基を形成する。
R6とR7が、それらが結合している窒素と一緒になることによって形成される複素環は、R6とR7に関して前述した基のいずれかで置換することができる。これらの複素環はさらに、1つ以上の(1-6C)アルキル基で置換することができ、これらの(1-6C)アルキル基自体が、ハロゲノ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、スルファモイル、トリフルオロメチル、(2-8C)アルケニル、(2-8C)アルキニル、(1-6C)アルコキシ、(2-6C)アルケニルオキシ、(2-6C)アルキニルオキシ、(1-6C)アルキルチオ、(1-6C)アルキルスルフィニル、(1-6C)アルキルスルホニル、(1-6C)アルキルアミノ、ジ-[(1-6C)アルキル]アミノ、(1-6C)アルコキシカルボニル、N-(1-6C)アルキルカルバモイル、N,N-ジ-[(1-6C)アルキル]カルバモイル、N-(1-6C)アルキルスルファモイル、またはN,N-ジ-[(1-6C)アルキル]スルファモイルから選択される1つ以上の基で置換されていてもよい。
水素以外である場合のR6またはR7に対する置換基の代表的な基は、シアノ、ヒドロキシ、(2-8C)アルケニル、(2-8C)アルキニル、(1-6C)アルコキシ、(1-6C)アルキルチオ、(1-6C)アルキルアミノ、アリール(たとえばフェニル)、または複素環基(たとえばフリル)であり、そしてさらに、R6とR7が、それらが結合している窒素原子と一緒になって環を形成する場合は(1-6C)アルキル基(たとえばメチル)である。
nが1、2、または3である場合は、1つの基R5がベンゼン環上のオルト位に位置するのが適切である。
nが1、2、または3である場合は、1つの基R5がベンゼン環上のメタ位に位置するのが適切である。
したがって、nが1であるとき、基R5がベンゼン環上のオルト位またはメタ位に位置するのが適切である。
本発明の1つの態様においては、nが2であるとき、第1のR5基がベンゼン環上のメタ位置に、そして第2のR5基がベンゼン環上のオルト位もしくはパラ位に位置するのが適切であり、したがって環は、ベンゼン環上の2位と3位に、または3位と4位に置換基を有する。
本発明の他の態様においては、nが2または3であるとき、第1のR5基がベンゼン環上のオルト位に、第2のR5基がベンゼン環上のメタ位に、そして必要に応じて(nが3であるとき)第3のR5基がベンゼン環上のパラ位に位置するのが適切である。したがって、nが2であるとき、環は、ベンゼン環上の2位と3位に置換基を有するのが適切であり、そしてnが3であるとき、環は、ベンゼン環上の2位と3位と4位に置換基を有するのが適切である。
驚くべきことに、ベンゼン環上の2位と3位に、または2位と3位と4位に置換基(たとえばハロゲノ置換基)を有するキナゾリン誘導体は、ベンゼン環上の3位と4位に置換基を有するキナゾリン誘導体と比較して、細胞アッセイにおいて、erbB2および/またはEGFR(特にerbB2)受容体チロシンキナーゼに対してより高い効力を有するという点において、活性が増大した一群の選定された化合物をもたらす、ということを本出願人らは見出した。ベンゼン環上の2位と3位に、または2位と3位と4位に置換基(たとえばハロゲノ置換基)を有するキナゾリン誘導体はさらに、インビボにおいて、erbB2および/またはEGFR(特にerbB2)受容体チロシンキナーゼに対してより高い効力を有する、と考えられている。
nが2または3であるとき、各R5基は同一または異なったハロゲノ原子(たとえば、クロロやフルオロ)であるのが適切である。少なくとも1つのR5基がフルオロであって、少なくとも1つのフルオロがベンゼン環上のオルト位(2位)に位置するのが適切である。
nが2であるとき、各R5基は同一または異なったハロゲノ原子であるのが適切である。特に、一方のR5基がクロロであって、ベンゼン環上のメタ位(3位)に位置するのが好ましく、そして他方のR5基がフルオロであって、ベンゼン環上のオルト位(2位)またはパラ位(4位)(好ましくはオルト位(2位))に位置するのが好ましい。
nが3であるとき、各R5基は同一または異なったハロゲノ原子であるのが適切である。特に、1つのR5基がクロロであって、これがベンゼン環上のメタ位(3位)に位置するのが好ましく、他の2つのR5基がいずれもフルオロであって、これらがベンゼン環上のそれぞれオルト位(2位)とパラ位(4位)に位置するのが好ましい。
したがって、式I中の下位の式(ii)
Figure 2007505878
で示される基の特定の例は下位の式(iii)
Figure 2007505878
で示される基であり、このとき(a)R10とR12の一方が水素であり、他方がハロゲノ(たとえば、クロロやフルオロ)であり、そしてR11がハロゲノ(たとえば、クロロやフルオロ、特にクロロ)であるか、あるいは(b)R10がハロゲノ(たとえば、クロロやフルオロ、特にフルオロ)であり、R11がハロゲノ(たとえば、クロロやフルオロ、特にクロロ)であり、そしてR12が水素またはハロゲノ(たとえば、クロロやフルオロ、特にフルオロ)であるか、あるいは(c)R10がフルオロであり、R11がクロロであり、そしてR12が水素またはフルオロである。R10、R11、およびR12は、(b)および/または(c)に記載の通りであるのが特に好ましい。
1つの実施態様においては、nが2であるとき、各R5基は同一または異なったハロゲノ原子(たとえば、フルオロおよび/またはクロロ)であり、第1のR5基がベンゼン環上のオルト位に、そして第2のR5基がメタ位に位置していて、R2は(置換されていてもよい)(1-6C)アルキルではない。特に、R2は、フルオロ、(1-6C)アルコキシ、または下位の式(i)
Figure 2007505878
(式中、mは0であり、R3とR4は、水素または(1-4C)アルキルから独立的に選択される)の基で置換されていてもよい(1-6C)アルキルではない。
X1は酸素であるのが適切である。
R1は特に、水素、(1-6C)アルキル、および(1-6C)アルコキシ(1-6C)アルキルから選択され、このときR1中のいずれかの(1-6C)アルキル基が、1つ以上(適切には1つ又は2つ)のヒドロキシ置換基またはハロゲノ置換基を有していてもよい。さらに詳細には、R1は(1-6C)アルキルから選択され、好ましくは(1-4C)アルキルから、さらに好ましくは(1-2C)アルキルから選択される。R1は、たとえばメチルであってよい。
R1-X1-は、たとえば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、シクロプロピルメトキシ、2-ヒドロキシエトキシ、2-フルオロエトキシ、2-メトキシエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、または3-ヒドロキシ-3-メチルブトキシから選択される。
R1-X1-は、特に、水素、(1-4C)アルコキシ、および(1-4C)アルコキシ(1-4C)アルコキシから選択される。R1-X1-は、たとえば、水素、メトキシ、エトキシ、および2-メトキシエトキシから選択される。基R1-X1-の特定の例はメトキシである。
R2は、適切には(1-6C)アルキル〔好ましくは(1-3C)アルキル、さらに好ましくは(1-2C)アルキル〕であり、前記(1-6C)アルキルは、フルオロ、(1-6C)アルコキシ、(1-6C)アルキルチオ、(1-6C)アルキルスルフィニル、(1-6C)アルキルスルホニル、または上記下位の式(i)の基で置換されていてもよい。R2に対する置換基の特定の例は、前記下位の式(i)の基である。
R2は特に(1-3C)アルキル基(たとえば、メチルやエチル)であり、上記下位の式(i)の基で置換されていてもよい。R2が下位の式(i)の置換基を含有するとき、mは0、1、または2であるのが適切である。
R2が下位の式(i)の置換基を含有するとき、mは1または2であるのが適切であり、2であるのが好ましい。他の実施態様においては、mは特に0または1である。
R3とR4が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、さらなるヘテロ原子を含有してもよい5員もしくは6員の飽和複素環を形成する場合、この複素環は、OとNR8(式中、R8は、式Iに関して記載した通りである)から選択されるさらなるヘテロ原子を含有するのが適切である。
R3とR4が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、さらなるヘテロ原子を含有してもよい5員もしくは6員の飽和複素環を形成する場合、この複素環は、利用可能な窒素原子上が上記の基R8で置換されていてもよいピロリジン環、モルホリン環、ピペリジン環、またはピペラジン環を含むのが適切である。R8基の特定の例としては、メチル等の(1-3C)アルキル;メチルスルホニル等の(1-3C)アルキルスルホニル;アセチル等の(1-3C)アルキルカルボニル;アリル等の(2-4C)アルケニル;またはプロパルギル等の(2-4C)アルキニル;などがある。R8は特に、メチル等の(1-3C)アルキル基である。
これとは別に、R3とR4は(1-6C)アルキルから、特に、メチルやエチル等の(1-3C)アルキルから独立的に選択することもできる。たとえば、基R3とR4のそれぞれが(1-3C)アルキルであるのが適切である。たとえば、1つの態様においては、基R3とR4のそれぞれがエチルであってよい。
基R2の特定の例としては、メチル、2-(ピロリジン-1-イル)エチル、2-(ジメチルアミノ)エチル、2-(ジエチルアミノ)エチル、2-(ピペリジニル)エチル、2-(モルホリン-4-イル)エチル、または2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチルなどがある。さらに詳細には、基R2の例としては、メチル、2-(ピロリジン-1-イル)エチル、2-(ジメチルアミノ)エチル、2-(ピペリジン-1-イル)エチル、2-(モルホリン-4-イル)エチル、または2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチルなどがある。
特定の実施態様においては、R2はメチルである。他の実施態様においては、R2は、2-(ピペリジン-1-イル)エチル、2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル、および2-(ピロリジン-1-イル)エチルから選択され、R2は特に2-(ピロリジン-1-イル)エチルである。さらに他の実施態様においては、R2は、2-(ジメチルアミノ)エチルと2-(ジエチルアミノ)エチルから選択される。さらに他の実施態様においては、R2は2-(モルホリン-4-イル)エチルである。
式Iの化合物の特定の例は式IA
Figure 2007505878
の化合物であり、このときR2は、式Iに関して前記した通りであり、R10、R11、およびR12は、下位の式(iii)に関して前記した通りであり、R13は、水素、メトキシ、エトキシ、および2-メトキシエトキシから選択され、特にメトキシである。
疑義を避けるため、式Iの化合物が式IAの化合物として記載される場合、キナゾリン誘導体は、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-[1-(tert-ブチルオキシカルボニル)-ピペリジン-4-イル-オキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-[1-(イソプロピルオキシカルボニル)-ピペリジン-4-イル-オキシ]-7-メトキシ-キナゾリン、6-{[(1-tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシキナゾリン、またはこれら化合物の医薬として許容されうる塩ではない。
式Iの化合物の他の特定の例は、式IBおよび/または式IC
Figure 2007505878
の化合物であり、このときR2は、式Iに関して前記した通りであり、R13は、水素、メトキシ、エトキシ、および2-メトキシエトキシから選択され、特にメトキシである。
疑義を避けるため、式Iの化合物が式IBの化合物として記載されている場合、キナゾリン誘導体は、6-{[(1-tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシキナゾリンまたは前記化合物の医薬として許容されうる塩ではない。
式Iの化合物の他の特定の例は式ID
Figure 2007505878
〔式中、
R5aとR5bは、ハロゲノ(たとえば、フルオロおよび/またはクロロ)から独立的に選択され;
X1は直接結合またはOであり;
R1は水素と(1-6C)アルキルから選択され、このとき前記(1-6C)アルキルは、ヒドロキシとハロゲノから選択される、同一であっても異なっていてもよい1つ以上の置換基で、および/または、アミノ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロゲノ、(1-6C)アルコキシ、ヒドロキシ(1-6C)アルコキシ、(2-8C)アルケニル、(2-8C)アルキニル、(1-6C)アルキルチオ、(1-6C)アルキルスルフィニル、(1-6C)アルキルスルホニル、(1-6C)アルキルアミノ、ジ-[(1-6C)アルキル]アミノ、カルバモイル、N-(1-6C)アルキルカルバモイル、N,N-ジ-[(1-6C)アルキル]カルバモイル、(2-6C)アルカノイル、(2-6C)アルカノイルオキシ、(2-6C)アルカノイルアミノ、N-(1-6C)アルキル-(2-6C)アルカノイルアミノ、(1-6C)アルコキシカルボニル、スルファモイル、N-(1-6C)アルキルスルファモイル、N,N-ジ-[(1-6C)アルキル]スルファモイル、(1-6C)アルカンスルホニルアミノ、およびN-(1-6C)アルキル-(1-6C)アルカンスルホニルアミノから選択される置換基で置換されていてもよく;
R2は(1-6C)アルキルであって、前記(1-6C)アルキルは、フルオロ、(1-6C)アルコキシ、または下位の式(iv)
Figure 2007505878
で示される基で置換されていてもよく、このときR3とR4は、水素または(1-4C)アルキルから独立的に選択されるか、あるいはR3とR4が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、O、S、SO、またはNR8(式中、R8は、水素、(1-4C)アルキル、または(1-4C)アルキルスルホニルである)から選択されるさらなるヘテロ原子を含有してもよい5員もしくは6員の飽和複素環を形成する〕の化合物、または前記化合物の医薬として許容されうる塩である。
疑義を避けるために、式Iの化合物が式IDの化合物として記載される場合、キナゾリン誘導体は、6-{[(1-tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシキナゾリンまたは本化合物の医薬として許容されうる塩ではない。
式IDの化合物において、基R2は(1-6C)アルキルであるのが適切であり、未置換の(1-6C)アルキルであるのが特に適切である。たとえば、基R2はメチルまたはエチルであってよく、特にメチルである。
式IDの化合物においては、X1は酸素であるのが適切である。R1は水素と(1-6C)アルキルから選択されるのが適切であり、このときR1におけるいずれかの(1-6C)アルキル基が、1つ以上の(適切には1つ又は2つの)ヒドロキシ置換基またはハロゲノ置換基を有していてもよい。さらに詳細には、R1は(1-6C)アルキルから選択され、(1-4C)アルキルから選択されるのが好ましく、(1-2C)アルキルから選択されるのがさらに好ましい。たとえば、R1はメチルであってよい。式IDの化合物における基R1-X1-の特定の例はメトキシである。
当業者には明らかなことであるが、本発明の特定の新規化合物は、特に明記しない限り、R1、R2、R3、R4、R5、X1、m、およびnのそれぞれが、前記した意味のいずれかを有する場合の式Iの化合物(IA、IB、IC、およびIDを含む)を含む。
式Iの化合物の例は、
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-(メトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピロリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-(2-(N,N,-ジメチルアミノ)エトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-4-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピロリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピロリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-(メトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピロリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピペリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピペリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-6-{[1-{2-(ジエチルアミノ)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-メトキシキナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(モルホリン-4-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;および
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
の1種以上、または上記化合物の医薬として許容されうる塩を含む。
式Iの化合物の好ましい例は、
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-(メトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピロリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-(メトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピロリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピペリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピペリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-6-{[1-{2-(ジエチルアミノ)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-メトキシキナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(モルホリン-4-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;および
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
の1種以上、または上記化合物の医薬として許容されうる塩を含む。
式IAのキナゾリン誘導体の例の特定の群は、
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-(メトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピロリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-(2-(N,N,-ジメチルアミノ)エトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-4-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピロリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-(メトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピロリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピペリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピペリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-6-{[1-{2-(ジエチルアミノ)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-メトキシキナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(モルホリン-4-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;および
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
の1種以上、または上記化合物の医薬として許容されうる塩を含む。
式IBのキナゾリン誘導体の例の特定の群は、
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-(メトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピロリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-(2-(N,N,-ジメチルアミノ)エトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピペリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-6-{[1-{2-(ジエチルアミノ)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-メトキシキナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(モルホリン-4-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;および
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
の1種以上、または上記化合物の医薬として許容されうる塩を含む。
式ICのキナゾリン誘導体の例の特定の群は、
4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-(メトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピロリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;および
4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピペリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
の1種以上、または上記化合物の医薬として許容されうる塩を含む。
式IDのキナゾリン誘導体の例の特定の群は、
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-(メトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピロリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-(2-(N,N,-ジメチルアミノ)エトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピペリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-6-{[1-{2-(ジエチルアミノ)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-メトキシキナゾリン;
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(モルホリン-4-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;および
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
の1種以上、または上記化合物の医薬として許容されうる塩を含む。
式Iの好ましい化合物は、たとえば、
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-(メトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;および
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピロリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
の1種以上、または上記化合物の医薬として許容されうる塩を含む。
式Iのキナゾリン誘導体の合成
本発明のさらなる態様は、式Iのキナゾリン誘導体または前記誘導体の医薬として許容されうる塩の製造法を提供する。言うまでもないが、下記のプロセスの特定の段階において、好ましくない反応を防ぐために特定の置換基を保護する必要がある。熟練化学者であれば、どの段階でこうした保護が必要とされるかを、またこのような保護基をどのようにして所定の位置に導入し、そしてあとの段階でどのようにして取り除くかをよく認識している。
保護基の例については、この主題に関する多くの一般的なテキストの1つを参照のこと〔たとえば、Theodora Greenによる‘Protective Groups in Organic Synthesis’(出版社:John Wiley & Sons)〕。保護基は、当該保護基を除去する必要に応じて、文献に記載されているか又は熟練化学者に公知のいかなる簡便な方法によっても除去することができる。このような方法は、分子中の他の位置の基に及ぼす影響をできるだけ抑えつつ、保護基の除去を果たすように選択される。
したがって反応物が、たとえば、アミノ、カルボキシ、またはヒドロキシ等の基を含む場合は、ここに記載の反応の幾つかにて当該基を保護するのが望ましい。
アミノ基やアルキルアミノ基に対する適切な保護基は、たとえばアシル基〔たとえばアセチル等のアルカノイル基、アルコキシカルボニル基(たとえば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、またはt-ブトキシカルボニル)、アリールメトキシカルボニル基(たとえばベンジルオキシカルボニル)、またはアロイル基(たとえばベンゾイル)〕である。上記の保護基に対する脱保護条件は、保護基の選択に応じて必然的に変わる。したがってアシル基(アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、またはアロイル基)は、たとえば、アルカリ金属水酸化物(たとえば、水酸化リチウムや水酸化ナトリウム)等の適切な塩基による加水分解によって除去することができる。これとは別に、t-ブトキシカルボニル基等のアシル基は、たとえば、塩酸、硫酸、リン酸、またはトリフルオロ酢酸等の適切な酸を使用する処理によって除去することができ、またベンジルオキシカルボニル基等のアリールメトキシカルボニル基は、たとえば、触媒(たとえば炭素担持パラジウム)上での水素化によって、あるいはルイス酸(たとえばボロントリス(トリフルオロアセテート))を使用する処理によって除去することができる。第一アミノ基に対する適切な代替保護基は、たとえばフタロイル基であり、この基は、アルキルアミン(たとえばジメチルアミノプロピルアミン)またはヒドラジンを使用する処理によって除去することができる。
ヒドロキシル基に対する適切な保護基は、たとえば、アシル基(アセチル等のアルカノイル基や、ベンゾイル等のアロイル基)、またはアリールメチル基(たとえばベンジル)である。上記の保護基に対する脱保護条件は、どの保護基を選択するかによって必然的に変わる。したがってたとえば、アルカノイル基やアロイル基等のアシル基は、たとえば、アルカリ金属水酸化物(たとえば、水酸化リチウムや水酸化ナトリウム)またはアンモニア等の適切な塩基を使用する加水分解によって除去することができる。これとは別に、ベンジル基等のアリールメチル基は、たとえば、炭素担持パラジウム等の触媒上での水素化によって除去することができる。
カルボキシ基に対する適切な保護基は、たとえば、水酸化ナトリウム等の塩基を使用する加水分解によって除去できるメチル基やエチル基、酸(たとえばトリフルオロ酢酸等の有機酸)を使用する処理によって除去できるt-ブチル基、または炭素担持パラジウム等の触媒上での水素化によって除去できるベンジル基などのエステル形成基である。
樹脂も保護基として使用することができる。
保護基は、合成において好都合などの段階においても、当業界によく知られている従来の方法を使用して除去することができる。
式Iのキナゾリン誘導体または前記誘導体の医薬として許容されうる塩は、化学的に関連した化合物の製造に適用可能であることが知られているいかなる方法によっても製造することができる。このような方法は、式Iのキナゾリン誘導体または前記誘導体の医薬として許容されうる塩を製造するのに使用される場合は、本発明のさらなる特徴として提供され、下記の代表的な例によって説明される。必要な出発物質は、有機化学の標準的な方法〔たとえば、Jerry MarchによるAdvanced Organic Chemistry(Wiley-Interscience)を参照〕によって得ることができる。このような出発物質の製造は、後述の実施例(これらに限定されない)において説明されている。これとは別に、必要な出発物質は、有機化学者の通常の技術として含まれる類似の方法によって得ることもできる。必要な出発物質、また必要な出発物質を形成させるのに使用することができる関連化合物はさらに、下記の特許と公開特許出願(これら特許文献の内容と関連したプロセス部分を参照により本明細書に含める)において見出すことができる:WO94/27965、WO95/03283、WO96/33977、WO96/33978、WO96/33979、WO96/33980、WO96/33981、WO97/30034、WO97/38994、WO01/66099、US5,252,586、EP520722、EP566226、EP602851、およびEP635507。
本発明はさらに、下記の方法(a)〜(k)(特に明記しない限り、可変記号は前記した通りである)によって製造することができる、式Iのキナゾリン誘導体または前記誘導体の医薬として許容されうる塩を提供する。
方法(a) 式II
Figure 2007505878
(式中、R1、X1、R5、およびnは、必要に応じていずれかの官能基が保護されていること以外は、前記した意味のいずれかを有する)の化合物と、式III
Figure 2007505878
(式中、R2は、必要に応じていずれかの官能基が保護されていること以外は、前記した意味のいずれかを有し、Lgは置換可能な基である)の化合物とを、適切な塩基の存在下で簡便に反応させ、その後、保護基が存在する場合は保護基を従来の方法によって除去する、という方法。
好都合な置換可能基Lgは、たとえば、ハロゲノ基、アルカンスルホニルオキシ基、またはアリールスルホニルオキシ基〔たとえば、クロロ基、ブロモ基、メタンスルホニルオキシ基、4-ニトロベンゼンスルホニルオキシ基、またはトルエン-4-スルホニルオキシ基(適切なのはメタンスルホニルオキシ基、4-ニトロベンゼンスルホニルオキシ基、またはトルエン-4-スルホニルオキシ基)〕である。
この反応は、塩基の存在下で行うのが有利である。適切な塩基は、たとえば、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、2,6-ルチジン、コリジン、4-ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、またはジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ-7-エン等の有機アミン塩基、あるいはたとえば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウム等の、アルカリ金属炭酸塩もしくはアルカリ金属水酸化物、またはアルカリ土類金属炭酸塩もしくはアルカリ土類金属水酸化物である。これとは別に、適切な塩基としては、たとえば、アルカリ金属水素化物(たとえば水素化ナトリウム)、アルカリ金属アミドもしくはアルカリ土類金属アミド〔たとえば、ナトリウムアミドやナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド〕、または充分に塩基性のアルカリ金属ハロゲン化物(たとえば、フッ化セシウムやヨウ化ナトリウム)などがある。この反応は、不活性の溶媒もしくは希釈剤(たとえば、メタノール、エタノール、2-プロパノール、もしくは酢酸エチル等のアルカノールまたはエステル;塩化メチレン、トリクロロメタン、もしくは四塩化炭素等のハロゲン化溶媒;テトラヒドロフランや1,4-ジオキサン等のエーテル;トルエン等の芳香族炭化水素溶媒;あるいは、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリジン-2-オン、もしくはジメチルスルホキシド等の、(適切には)双極性の非プロトン性溶媒;の存在下にて行うのが適切である。この反応は、たとえば10〜150℃の範囲の温度(または溶媒の沸点)で、適切には20〜90℃の範囲の温度で行うのが好都合である。
特に好適な塩基はフッ化セシウムである。この反応は、N,N-ジメチルアセトアミドまたはN,N-ジメチルホルムアミド等の、不活性の双極性非プロトン性溶媒中で行うのが適している。この反応は、25〜85℃の温度で行うのが適している。
方法(b) 必要に応じていずれかの官能基が保護されていること以外は、前記した式Iの別のキナゾリン誘導体または前記誘導体の医薬として許容されうる塩中の置換基を変える、あるいは必要に応じていずれかの官能基が保護されていること以外は、前記した式Iの別のキナゾリン誘導体または前記誘導体の医薬として許容されうる塩中に置換基を導入し、その後、保護基が存在する場合は保護基を従来の方法によって除去する、という方法。
ある置換基を他の置換基に変える方法は当業界に公知である。たとえば、アルキルチオ基はアルキルスルフィニル基やアルキルスルホニル基に酸化することができ、シアノ基はアミノ基に還元することができ、ニトロ基はアミノ基に還元することができ、ヒドロキシ基はメトキシ基にアルキル化することができ、ブロモ基はアルキルチオ基に変えることができ、アミノ基をアシル化してアルカノイルアミノ基を得ることができ(たとえば、適切な酸塩化物や酸無水物との反応によって)、あるいはアルカノイルオキシ基をヒドロキシ基に加水分解することができる(たとえば、アセチルオキシアセチル基をヒドロキシアセチル基に変えることができる)。式Iの化合物の製造における最終工程として、あるR1基を別のR1基に変えるのが適切である。
方法(c) 式IV
Figure 2007505878
(式中、R1、X1、R5、およびnは、式Iに関して記載した通りである)の化合物と、式V
Figure 2007505878
(式中、R2は前記した通りであり、Lgは置換可能な基であって、たとえばクロロやブロモ等のハロゲノ、または1-イミダゾリルである)の化合物とを反応させる、という方法。上記の反応は、適切な塩基(方法(a)において上記したもの、たとえば炭酸カリウムやジイソプロピルエチルアミン)の存在下にて、および不活性の溶媒もしくは希釈剤(たとえば、アセトニトリル、N,N-ジメチルアセトアミド、メタノール、エタノール、または塩化メチレン等の、方法(a)において記載した不活性の溶媒および希釈剤)の存在下で行うのが好都合である。
方法(d) 式Iのキナゾリン誘導体または前記誘導体の医薬として許容されうる塩から保護基を除去する、という方法。
保護基を除去するための適切な方法はよく知られており、本明細書において説明されている。たとえば、R1が第一アミノ基もしくは第二アミノ基を含有する場合の式Iの化合物の製造に対しては、R1が保護された第一アミノ基もしくは第二アミノ基を含有する場合の式Iの対応する化合物を開裂させる。
アミノ基に対する適切な保護基は、たとえば、アミノ基に関して前記にて開示した保護基のいずれかである。このようなアミノ保護基を開裂させるための適切な方法も、前記にて開示されている。特に、適切な保護基はtert-ブトキシカルボニル基等の低級アルコキシカルボニル基であり、このような基は、従来の反応条件下にて〔たとえば酸触媒による加水分解(たとえばトリフルオロ酢酸の存在下で)〕開裂させることができる。
方法(e) 前記した式IIの化合物と、LgがOHであること以外は前記した式IIIの化合物とをミツノブ条件下で反応させ、その後、保護基が存在する場合は保護基を従来の方法によって除去する、という方法。
適切なミツノブ条件は、たとえば、THFまたは適切にはジクロロメタン等の有機溶媒中での、適切な第三ホスフィンとジアルキルアゾジカルボキシレートの存在下における0℃〜60℃の温度範囲(適切には周囲温度)での反応を含む。適切な第三ホスフィンとしては、たとえば、トリ-n-ブチルホスフィンやトリフェニルホスフィンがある。適切なジアルキルアゾジカルボキシレートとしては、たとえば、ジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)やジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレートがある。ミツノブ反応についての詳細は、Tet.Letts.,31,699(1990);Mitsunobu Reaction,D.L.Hughes,Organic Reaction,1992,Vol.42,335-656;およびProgress in Mitsunobu Reaction,D.L.Hughes,Organic Preparations and Procedures International,1996,Vol.28,127-164;に記載されている。
方法(f) R1-X1がヒドロキシ基である場合の式Iの化合物の製造に対しては、R1-X1が(1-6C)アルコキシ基である場合の式Iのキナゾリン誘導体を開裂させる、という方法。
開裂反応は、このような変換に関して知られている多くの方法のいずれによっても簡便に行うことができる。R1が(1-6C)アルコキシ基である場合の式Iの化合物の開裂反応は、たとえば、キナゾリン誘導体をアルカリ金属(1-6C)アルキルスルフィド(たとえばナトリウムエタンチオラート)で処理することによって、あるいはたとえば、キナゾリン誘導体をアルカリ金属ジアリールホスファイド(たとえばリチウムジフェニルホスファイド)で処理することによって行うことができる。これとは別に、開裂反応は、たとえば、キナゾリン誘導体を三ハロゲン化ホウ素もしくは三ハロゲン化アルミニウム(たとえば三臭化ホウ素)で処理することによって、あるいは有機酸もしくは無機酸(たとえばトリフルオロ酢酸)と反応させることによって簡便に行うこともできる。このような反応は、前記した好適な不活性溶媒もしくは不活性希釈剤の存在下で行うのが適切である。好ましい開裂反応は、式Iのキナゾリン誘導体を塩酸ピリジンで処理してなされる反応である。開裂反応は、たとえば10〜200℃の範囲の温度で行うのが適切である。幾つかのケースでは、開裂反応は、たとえば25〜80℃の温度で果たすことができるが、他のケースにおいては、塩酸ピリジンによる脱保護を利用して、一般には160〜200℃で溶融させるのが適切である。
方法(g) X1がOである場合の式Iの化合物の製造に対しては、式VI
Figure 2007505878
(式中、R2、R5、およびnは、必要に応じていずれかの官能基が保護されていること以外は前記した意味のいずれかを有する)の化合物と、式R1-Lg(式中、R1は、必要に応じていずれかの官能基が保護されていること以外は、前記した意味のいずれかを有し、Lgは置換可能な基である)の化合物とを反応させ(このとき適切な塩基の存在下で反応を行うのが好都合である)、その後、保護基が存在する場合は保護基を従来の方法によって除去する、という方法。
適切な置換可能基Lgは方法(a)に関して前記した通りであり、たとえばクロロやブロモである。この反応は、好適な塩基の存在下で行うのが適切である。適切な溶媒、希釈剤、および塩基としては、たとえば方法(a)に関して前記したものがある。これとは別に、LgはOHであってもよく、このとき方法(e)において記載したミツノブ条件下で反応を行う。
方法(h) R1が、(1-6C)アルコキシ基、置換(1-6C)アルコキシ基、(1-6C)アルキルアミノ基、または置換(1-6C)アルキルアミノ基を含有する場合の式Iの化合物の製造に対しては、R1が、必要に応じて、ヒドロキシ基または第一もしくは第二アミノ基を含有する場合の式Iのキナゾリン誘導体を、方法(a)に関して前記した適切な塩基の存在下にて簡便にアルキル化する、という方法。
適切なアルキル化剤は、たとえば、ヒドロキシからアルコキシもしくは置換アルコキシへのアルキル化に対して、あるいはアミノからアルキルアミノもしくは置換アルキルアミノへのアルキル化に対して当業界に公知の試剤であり、たとえばハロゲン化アルキルや置換ハロゲン化アルキル〔たとえば、塩化(1-6C)アルキル、臭化(1-6C)アルキル、ヨウ化(1-6C)アルキル、置換塩化(1-6C)アルキル、置換臭化(1-6C)アルキル、または置換ヨウ化(1-6C)アルキル〕がある。このアルキル化反応は、前記した適切な不活性溶媒もしくは不活性希釈剤中において前記した適切な塩基の存在下にて、たとえば10〜140℃(簡便には周囲温度またはその近傍温度)の範囲の温度で行うのが好都合である。類似の方法を使用して、置換されていてもよい(2-6C)アルカノイルオキシ基、(2-6C)アルカノイルアミノ基、および(1-6C)アルカンスルホニルアミノ基をR1中に導入することができる。
R1が(1-6C)アルキルアミノ基または置換(1-6C)アルキルアミノ基を含有する場合の式Iの化合物の製造に対しては、ホルムアルデヒドまたは(2-6C)アルカノールアルデヒド(たとえば、アセトアルデヒドやプロピオンアルデヒド)を使用する還元アミノ化を行うことができる。たとえば、R1がN-メチル基を含有する場合の式Iの化合物の製造に対しては、N-H基を含有する対応した化合物を、適切な還元剤の存在下にてホルムアルデヒドと反応させることができる。適切な還元剤は、たとえば水素化物還元剤であり、たとえば、ギ酸、アルカリ金属アルミニウム水素化物(水素化リチウムアルミニウム等)、または適切には、アルカリ金属ホウ水素化物(ホウ水素化ナトリウム、シアノホウ水素化ナトリウム、トリエチルホウ水素化ナトリウム、トリメトキシホウ水素化ナトリウム、およびトリアセトキシホウ水素化ナトリウム等)である。この反応は、適切な不活性溶媒もしくは不活性希釈剤〔たとえば、より強力な還元剤(水素化リチウムアルミニウム等)に対してはテトラヒドロフランやジエチルエーテル、それほど強力ではない還元剤(トリアセトキシホウ水素化ナトリウムやシアノホウ水素化ナトリウム等)に対しては塩化メチレンやプロトン性溶媒(メタノールやエタノール等)〕中で行うのが好都合である。還元剤がギ酸である場合、ギ酸の水溶液を使用して反応を行うのが好都合である。この反応は、たとえば10〜100℃(70〜90℃等)の範囲の温度で、あるいは周囲温度もしくはその近傍温度で行う。還元剤がギ酸である場合、アルキル化しようとするNH基(たとえば、出発物質の合成から存在している)に対するtert-ブトキシカルボニル等の保護基は、反応中にその場で除去することができる。
方法(i) R1が基Tで置換されていて、Tが、(1-6C)アルキルアミノ、ジ-[(1-6C)アルキル]アミノ、(2-6C)アルカノイルアミノ、(1-6C)アルキルチオ、(1-6C)アルキルスルフィニル、および(1-6C)アルキルスルホニルから選択されるという場合の式Iの化合物の製造に対しては、式VII
Figure 2007505878
(式中、R2、R5、X1、n、およびmは、必要に応じていずれかの官能基が保護されていること以外は、前記した意味のいずれかを有し、R1’は、いずれかのT基がLgで置換されていること以外は前記した基R1であり、Lgは置換可能な基、たとえば、クロロ、ブロモ、またはメシラート等のアリール/(1-6C)アルキルスルホネートである)の化合物と、式TH(式中、Tは、必要に応じていずれかの官能基が保護されていること以外は前記した通りである)の化合物とを反応させ、その後、保護基が存在する場合は保護基を従来の方法によって除去する、という方法。
この反応は、適切な塩基の存在下で行うのが好都合である。この反応は、適切な不活性溶媒もしくは不活性希釈剤中で簡便に行うことができる。適切な塩基、溶媒、および希釈剤は、たとえば方法(a)において記載した物質である。この反応は、たとえば10〜150℃(たとえば30〜60℃)の温度で行うのが適切である。
周知のように、種々の環置換基のうちの特定の置換基を、標準的な芳香族置換反応によって本発明の化合物中に導入することもできるし、あるいは従来の官能基変性法によって、上記プロセスの前もしくは直後に生成させることもでき、こうした点も本発明のプロセス態様に含まれる。このような反応および変性法としては、たとえば、芳香族置換反応による置換基の導入、置換基の還元、置換基のアルキル化、および置換基の酸化などがある。このような方法に対する試剤と反応条件は、当業界においてよく知られている。芳香族置換反応の特定の例としては、濃硝酸を使用することによるニトロ基の導入;フリーデル・クラフツ条件下で、たとえばハロゲン化アシルとルイス酸(三塩化アルミニウム等)を使用することによるアシル基の導入; フリーデル・クラフツ条件下で、ハロゲン化アルキルとルイス酸(三塩化アルミニウム等)を使用することによるアルキル基の導入;およびハロゲノ基の導入;などがある。
方法(j) 式VIII
Figure 2007505878
(式中、R1、R2、X1、およびmは、必要に応じていずれかの官能基が保護されていること以外は、前記した意味のいずれかを有し、Lgは、前記した置換可能な基である)の化合物と、式IX
Figure 2007505878
(式中、R5は、必要に応じていずれかの官能基が保護されていること以外は前記した意味、すなわち本方法(j)に関して上記した意味のいずれかを有する)のアニリンとを適切な酸の存在下にて簡便に反応させ、その後、保護基が存在する場合は保護基を従来の方法によって除去する、という方法。
Lgで示される適切な置換可能基は前記した基であり、特にクロロ等のハロゲノである。
この反応は、不活性溶媒もしくは不活性希釈剤(たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、もしくは酢酸エチル等のアルカノールまたはエステル;塩化メチレン、クロロホルム、もしくは四塩化炭素等のハロゲン化溶媒;テトラヒドロフランや1,4-ジオキサン等のエーテル;トルエン等の芳香族炭化水素溶媒;あるいは、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリジン-2-オンアセトニトリル、もしくはジメチルスルホキシド等の、双極性の非プロトン性溶媒;の存在下にて行うのが好都合である。この反応は、たとえば10〜250℃(好都合なのは40〜120℃)の範囲の温度で、あるいは溶媒もしくは希釈剤が使用される場合は還流温度で行うのが好都合である。式VIIIの化合物と式IXの化合物とは、プロトン性溶媒(たとえばイソプロパノール)の存在下において、適切には酸(たとえば触媒量の酸)の存在下にて上記の条件下で反応させることができる。適切な酸としては、ジエチルエーテルもしくはジオキサン中塩化水素ガス、および塩酸(たとえば、ジオキサン中塩化水素の4M溶液)がある。これとは別に、この反応は、非プロトン性溶媒(ジオキサン等)または双極性の非プロトン性溶媒(N,N-ジメチルアセトアミドやアセトニトリル等)中にて、酸(たとえば、ジエチルエーテルもしくはジオキサン中塩化水素ガス、または塩酸)の存在下で適切に行うこともできる。
Lgがハロゲノである場合の式VIIIの化合物は、酸が存在しなくても、式IXの化合物と反応させることができる。この反応では、ハロゲノ離脱基が置換されることで、その場で酸HLgが形成され、これにより自己触媒反応が起こる。この反応は、適切な不活性有機溶媒(たとえば、イソプロパノール、ジオキサン、またはN,N-ジメチルアセトアミド)中で行うのが好都合である。この反応に対する適切な条件は前記した通りである。
これとは別に、式VIIIの化合物と式XIの化合物とは、適切な塩基の存在下で反応させることもできる。この反応に対する適切な塩基は、方法(a)において前記した通りである。たとえば、適切な塩基はアルカリ土類金属アミド〔ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド等〕である。この反応は、不活性溶媒もしくは不活性希釈剤(たとえば、方法(j)に関して前記したもの)中で行うのが好都合である。
方法(k) 式X
Figure 2007505878
〔式中、R5、X1、R1、およびnは前記した通りであり、Lgは離脱基(ハロゲノ、特にクロロ、または1-イミダゾリル等〕の化合物と、式R2-OH(式中、R2は前記した通りである)のアルコールとを反応させる、という方法。この反応は、非プロトン性溶媒(DCM等)中にて塩基(第三アミン/ピリジン等)の存在下で行うのが適切である。適切な温度は、当業者にとっては明らかであろう。
方法(l) R2が下位の式(i)の基を含む化合物に対しては、式XI
Figure 2007505878
(式中、R1、X1、R5、およびnは前記した通りであり、R15は(1-6C)アルキレン基であり、Lgは離脱基である)の化合物と、式R3R4NH(式中、R3とR4は、上記の下位の式(i)に関して前記した通りである)の化合物とを反応させる、という方法。この場合の適切な離脱基Lgとしては、ハロゲノ(クロロ等)やアルキル/アリールスルホネート(メシラート等)がある。この反応は、有機溶媒(ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、またはジメチルホルムアミド等)中にて、ヨウ素供給源(ヨウ化カリウムやヨウ化テトラブチルアンモニウム等)の存在下で行うのが適切である。アミンR3R4NHを過剰に使用するのが適切である。これは、たとうばLgがクロロであるときに、反応の過程で形成される塩化水素をクエンチするのに有効である。高温(たとえば50〜120℃、たとえば約80℃)を使用するのが適切である。
当業者にとっては周知のことであるが、本発明の化合物を別の方法で、そして場合によってはより簡便な方法で得るために、上記した個々のプロセス工程を異なった順序で行うことができ、および/または、個々の反応を、全体としての経路における異なった段階において行うことができる(すなわち、化学的変換は、ある特定の反応に関連した中間体とは異なる中間体を生成させて行うこともできる)。
式Iのキナゾリン誘導体の医薬として許容されうる塩(たとえば酸付加塩)が必要とされる場合は、たとえば、前記キナゾリン誘導体と適切な酸とを従来の方法を使用して反応させる。製造時における化合物の単離を容易にするために、化合物を、医薬品として許容されうる塩ではない塩の形態で作製することができる。こうして得られる塩を、従来の方法によって変性して、本発明の化合物の医薬として許容されうる塩とすることができる。このような方法としては、たとえば、イオン交換法、または医薬として許容されうる対イオンの存在下での当該化合物の再沈殿がある。たとえば、適切な酸(HCl等)の存在下にて再沈殿させることで、塩酸塩である酸付加塩が得られる。
上記のセクションにおける“不活性溶媒”とは、出発物質、試剤、中間体、または生成物と、所望する生成物の収率に悪影響を及ぼすような仕方では反応しない溶媒を表わしている。
出発物質の製造
式IIの化合物は、市販されているか、あるいは従来の方法を使用して、もしくは先行技術に記載の方法と類似の方法を使用して製造することができる。具体的には、前記した特許と特許出願(たとえば、WO96/15118、WO01/66099、およびEP566226)。たとえば、式IIの化合物は、反応スキーム1
Figure 2007505878
にしたがって製造することができ、このときR1、X1、R5、Lg、およびnは前記した通りであり、Pgはヒドロキシ保護基である。
(i) 不活性のプロトン性溶媒(たとえば、イソプロパノール等のアルカノール)、非プロトン性溶媒(たとえばジオキサン)、または双極性非プロトン性溶媒(たとえばN,N-ジメチルアセトアミド)中において、酸(たとえば、ジエチルエーテルもしくはジオキサン中塩化水素ガス、または塩酸)の存在下にて、方法(i)において前記した条件と類似の条件下で適切に反応させる。
これとは別に、この反応は、上記不活性溶媒の1種中にて、適切には塩基(たとえば炭酸カリウム)の存在下で行うこともできる。上記の反応は、たとえば0〜150℃の範囲の温度にて(適切には反応溶媒の還流温度もしくはその近傍温度にて)行うのが好都合である。
(ii) Pgの開裂は、このような反応に対する標準的な条件下で行うことができる。たとえば、Pgがアセチル等のアルカノイル基であるときは、メタノール性アンモニア溶液の存在下で加熱することによって開裂させることができる。
式XIIの化合物は、公知であるか、あるいは類似化合物の製造に対して知られている方法を使用して製造することができる。市販されていない場合、式XIIの化合物は、標準的な化学的方法、構造的に似た既知化合物の合成に類似した方法、または実施例に記載の方法に類似した方法から選択される方法によって製造することができる。たとえば、Houben Weyl中に標準的な化学的方法が記載されている。たとえば、R1-X1-がメトキシであり、Lgがクロロであり、そしてPgがアセチルである場合の式XIIの化合物は、反応スキーム2に示すプロセスを使用して製造することができる。
Figure 2007505878
反応スキーム2は、具体的に説明されていない本明細書中の化合物に適用するために(たとえば、メトキシ以外の置換基をキナゾリン環中の7位に導入するために)、当業者であれば一般化することができる。
式IIIの化合物は、市販されているか、あるいは標準的な方法(たとえば、米国特許第5,252,586号とWO94/27965に記載の方法)を使用して製造することができる。
式IVの化合物は、式IIの化合物と、式XVaもしくはXVb
Figure 2007505878
(式中、Lgは前記した置換可能な基であり、Pgは適切な保護基である)の化合物とを反応させることによって製造することができる。
式IIの化合物と式XVaの化合物との反応は、上記の方法(a)に記載の条件と類似の条件を使用して行うことができ、次いで標準的な条件下で保護基を除去する。
式IIの化合物と式XVbの化合物との反応は、上記の方法(e)に記載のミツノブ条件下で行うことができ、次いで標準的な条件下で保護基を除去する。
式IVの化合物はさらに、式IXの化合物と式XVc
Figure 2007505878
(式中、Lg、X1、およびR1は前記した通りであり、Pgは適切な保護基である)の化合物とを反応させることによって製造することもできる。
式IXの化合物と式XVcの化合物との反応は、上記の方法(j)に記載の条件と類似の条件を使用して行うことができ、次いで標準的な条件下で保護基を除去する。
式VとIXの化合物は、市販されているか、あるいは標準的な方法を使用して製造することができる。
式VIの化合物は、たとえば方法(a)を使用して製造した化合物からスタートして、方法(e)を使用して製造することができる。
式VIIの化合物は、たとえば、方法(a)、方法(d)、または方法(e)〔このとき、R1で示される基が、適切な置換可能基(たとえば、クロロやブロモ)で適切に官能化されている〕を使用して製造することができる。
式VIIIの化合物は、当業界によく知られている従来の方法を使用して製造することができる。たとえば、反応スキーム1において前記した式XIIの化合物中のヒドロキシ保護基Pgは、式XIV
Figure 2007505878
の化合物が得られるように除去される。保護基Pgは、従来の方法を使用して式XIIの化合物から除去することができる。
式XIVの化合物は、次いで、方法(a)または方法(e)に記載の条件と類似の条件を使用して、前記式IIIの化合物とカップリングさせることができる。
式Xの化合物は、当業界によく知られている従来の方法を使用して製造することができる。たとえば、式IVの化合物と式Lg-CO-Lg〔式中、Lgは、ハロゲノ(たとえば、クロロやブロモ)やイミダゾリル等の置換可能な基である〕とを反応させることによって製造することができる。式IVの化合物と式Lg-CO-Lgの化合物との反応は、弱塩基(ピリジンやルチジン等)の存在下にて、そして不活性溶媒(たとえば、アセトニトリルや塩化メチレン)の存在下にて、上記の方法(c)に記載の条件と類似の条件を使用して行うことができる。式Lg-CO-Lgの適切な化合物の例は、ホスゲンと1,1’-カルボニルジイミダゾールである。
上記の方法において使用される特定の新規中間体は、それらの製造法と共に、本発明のさらなる特徴として提供される。
本発明のさらなる特徴によれば、前記した式VI、VII、X、およびXIの化合物、またはこれらの化合物の塩(これら化合物の医薬として許容されうる塩を含む)が提供される。
生物学的アッセイ
細胞ベースの増殖アッセイだけでなく非細胞ベースのタンパク質チロシンキナーゼアッセイに対しても化合物の阻害活性を評価してから、化合物のインビボ活性を異種移植実験にて評価した。
a) タンパク質チロシンキナーゼ
この試験では、EGFRチロシンキナーゼ酵素とerbB2チロシンキナーゼ酵素によるチロシン含有ポリペプチド基質のリン酸化を、試験化合物が阻害する能力を測定する。
EGFR、erbB2、およびerbB4の遺伝子組換え型細胞内フラグメント(アクセス番号はそれぞれ、X00588、X03363、およびL07868)のクローンを作製し、バキュロウイルス/Sf21系中に発現させた。これらの細胞を氷冷した細胞溶解緩衝液〔20mMのN-2-ヒドロキシエチルピペリジン-N’-2-エタンスルホン酸(HEPES)(pH7.5)、150mMのNaCl、10%のグリセロール、1%のトリトンX-100、1.5mMのMgCl2、1mMのエチレングリコール-ビス(β-アミノエチルエーテル)-N’,N’,N’,N’-四酢酸(EGTA)、およびプロテアーゼ阻害薬〕で処理することによって、これらの細胞から溶解物を調製し、次いで遠心分離によって透明にした。
遺伝子組換えタンパク質の構成キナーゼ活性を、それが合成ペプチド(グルタミン酸、アラニン、およびチロシンの6:3:1のランダムコポリマーで構成)をリン酸化する能力によって決定した。具体的には、マキシソーブ(Maxisorb)(商標)96ウェル・イムノプレートに合成ペプチドを塗被し(100μlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液中0.2μgのペプチド)、4℃で一晩インキュベートした。プレートを、PBS-T(0.5%のツイーン20を含んだリン酸緩衝生理食塩水)中にて、次いで室温で50mMのHEPES(pH7.4)中にて洗浄して、結合していない過剰の合成ペプチドを除去した。EGFR、ErbB2、またはErbB4のチロシンキナーゼ活性を、100mMのHEPES(pH7.4)、それぞれの酵素に対するKm濃度でのアデノシン三リン酸(ATP)、10mMのMnCl2、0.1mMのNa3VO4、0.2mMのDL-ジチオトレイトール(DTT)、および0.1%のトリトンX-100を試験化合物と共にDMSO中に混合して得た混合物(試験化合物の最終濃度は2.5%)中にて、ペプチドを塗被したプレートにおいて22℃で20分インキュベートすることによって評価した。アッセイの液体成分を除去することによって反応を終結させ、次いでプレートをPBS-Tで洗浄した。
本反応の固定化ホスホ-ペプチド生成物を、免疫学的方法によって検出した。最初にプレートを、マウスにおいて生成させた抗ホスホチロシン一次抗体と共に、室温で90分インキュベートした。充分洗浄してから、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)複合シープ抗マウス二次抗体(conjugated sheep anti-mouse secondary antibody)(アマーシャム社から市販のNXA931)で室温にて60分処理した。さらに洗浄した後、プレートの各ウェルにおけるHRP活性を、2,2’-アジノ-ジ-[3-エチルベンゾチアゾリンスルホネート(6)]ジアンモニウム塩結晶(ロシュ社から市販のABTS(商標))を基質として使用して、比色分析法にて測定した。
発色(したがって酵素活性)の定量化を、モレキュラーデバイス・サーモマックス(Molecular Devices ThermoMax)マイクロプレートリーダーを使用して405nmで吸光度を測定することによって達成した。ある特定の化合物に対するキナーゼ阻害をIC50値として表した。IC50値は、本アッセイにおけるリン酸化反応を50%阻害するのに必要とされる化合物の濃度を算出することによって決定した。リン酸化反応の範囲は、ポジティブ(ビヒクル+ATP)コントロール値とネガティブ(ビヒクル−ATP)コントロール値から算出した。
b) EGBRで駆り立てられるKB細胞増殖のアッセイ
本アッセイでは、試験化合物がKB細胞〔American Type Culture Collection(ATCC)から入手できるヒトの鼻咽頭癌腫〕の増殖を阻害する能力を測定する。
KB細胞(ATCCから入手できるヒトの鼻咽頭癌腫)を、7.5%CO2空気インキュベーター中において、10%のウシ胎仔血清、2mMのグルタミン、および非必須アミノ酸を含有するダルベッコ変法イーグル培地中にて37℃で培養した。トリプシン/エチルアミンジアミン四酢酸(EDTA)を使用して、ストックフラスコから細胞を採取した。血球計を使用して細胞密度を測定し、トリパンブルー溶液を使用して生存率を算出してから、2.5%の活性炭処理した血清、1mMのグルタミン、および非必須アミノ酸を含有するDMEM中に、7.5%CO2雰囲気にて、96ウェルプレートのウェル1つ当たり1.25×103細胞の密度で37℃で播種し、4時間静置した。
プレートに接着させた後、細胞をEGF(最終濃度1ng/ml)で処理するか又は処理せず、またはジメチルスルホキシド(DMSO)中ある範囲の濃度(最終濃度0.1%)の化合物で処理するか又は処理せず、そして4日間インキュベートした。インキュベーション後に、50μlの臭化3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウム(MTT)(ストック5mg/ml)を2時間で加えることによって、細胞の数を測定した。次いでMTT溶液をチップ・オフし(tipped off)、プレートを穏やかにたたいて乾燥させ、100μlのDMSOを加えて細胞を溶解した。
可溶化した細胞の吸光度を、モレキュラーデバイス・サーモマックス・マイクロプレートリーダーを使用して540nmにて読み取った。増殖の阻害をIC50値として表わした。IC50値は、増殖を50%阻害するのに必要とされる化合物の濃度を算出することによって決定した。増殖の範囲は、ポジティブ(ビヒクル+EGF)コントロール値とネガティブ(ビヒクル−EGF)コントロール値から算出した。
c) インビボの異種移植片アッセイ
(i) LOVO
本アッセイでは、雌のスイス胸腺欠損マウス(Female Swiss athymic mice)(Alderley Park,nu/nu遺伝子型)において、試験化合物がLoVo腫瘍(ATCCから入手できる結腸直腸腺癌)の増殖を阻害する能力を測定する。
雌のスイス胸腺欠損(nu/nu遺伝子型)マウスを繁殖させ、負圧アイソレーター(negative pressure Isolator)(PFIシステムズ社)中にてAlderley Park中に保持した。12時間の明/暗サイクルを組み込んだバリアー・ファシリティー(a barrier facility)中にマウスを収容し、殺菌処理した餌と水を無制限に与えた。手順は全て、少なくとも8週齢のマウスに対して施した。LoVo腫瘍細胞(ATCCから入手できる結腸直腸腺癌)異種移植片を、動物1匹当たり、100μlの無血清培地中1×107の新たに培養した細胞を皮下注射することによって、ドナーマウスの後部脇腹に定着させた。着床5日後に、マウスを無作為に7グループに分けてから化合物またはビククルコントロールで処理した。化合物またはビククルコントロールは、体重10g当たり0.1mlにて毎日1回投与した。腫瘍容積を、(長さ×幅)×√(長さ×幅)×(π/6)という式(式中、長さは、腫瘍を横切る最大直径であり;幅は、それに対応した直角方向の長さである)を使用して、バイラテラルのノギス測定によって毎週2回評価した。実験のスタートからの増殖阻害を、対照標準グループと処理したグループに対する腫瘍容積の平均変化を比較することによって算出し、2つのグループ間の統計的有意性を、Students t試験を使用して評価した。
(ii) インビボのBT-474異種移植片アッセイ
本アッセイでは、雌のスイス胸腺欠損マウス(Alderley Park,nu/nu遺伝子型)〔Baselga,J.et al.(1998) Cancer Research,58,2825-2831〕において、試験化合物がBT-474腫瘍細胞異種移植片(Dr Baselgaから入手できるヒト乳癌、Laboratorio Recerca Oncologica,Paseo Vall D’Hebron 119-129,バルセロナ08035,スペイン)の増殖を阻害する能力を測定する。
雌のスイス胸腺欠損(nu/nu遺伝子型)マウスを繁殖させ、負圧アイソレーター(PFIシステムズ社)中にてAlderley Park中に保持した。12時間の明/暗サイクルを組み込んだバリアー・ファシリティー中にマウスを収容し、殺菌処理した餌と水を無制限に与えた。手順は全て、少なくとも8週齢のマウスに対して施した。BT-474腫瘍細胞異種移植片を、動物1匹当たり、50%マトリゲル(Matrigel)を含んだ100μlの無血清培地中1×107の新たに培養した細胞を皮下注射することによって、ドナーマウスの後部脇腹に定着させた。着床14日後に、マウスを無作為に10グループに分けてから化合物またはビククルコントロールで処理した。化合物またはビククルコントロールは、体重1kg当たり0.1mlにて毎日1回投与した。腫瘍容積を、(長さ×幅)×√(長さ×幅)×(π/6)という式(式中、長さは、腫瘍を横切る最大直径であり;幅は、それに対応した直角方向の長さである)を使用して、バイラテラルのノギス測定によって毎週2回評価した。処理のスタートからの増殖阻害を、対照標準グループと処理したグループに対する腫瘍容積の平均変化を比較することによって算出し、2つのグループ間の統計的有意性を、Students t試験を使用して評価した。
d) hERGコード化カリウムチャンネルの阻害アッセイ
本アッセイでは、ヒトのether-a-go-go-related-gene(hERG)コード化カリウムチャンネルを流れるテール電流を試験化合物が阻害する能力を測定する。
hERGコード化チャンネルを発現するヒトの胚性腎臓細胞を、10%のウシ胎仔血清(ラボテック・インターナショナル社;製品番号4-101-500)、10%のM1無血清補足物(Eggテクノロジー社;製品番号70916)、および0.4mg/mlのゲネチシンG418(シグマ-アルドリッチ;社カタログ番号G7034)を補足した最小必須培地イーグル(EMEM;シグマ-アルドリッチ社カタログ番号M2279)中にて増殖させた。各実験の1日または2日前に、標準的な組織培養法を使用して、Accutaseを含んだ組織培養フラスコから細胞を分離した。次いで細胞を、12ウェルプレートのウェル中に置かれているカバースリップ上にのせ、2mlの増殖培地で覆った。
記録した各細胞について、細胞を含有するカバースリップガラスを、バス溶液(下記を参照)を含有するパースペックス(Perspex)チャンバーの底部に室温(約20℃)にて置いた。このチャンバーを反転位相差顕微鏡の台に固定した。カバースリップをチャンバー中に配置した直後に、バス溶液を、重力式リザーバーからチャンバー中に、約2ml/分の割合で2分間まきちらした。この時間後、まきちらしを止めた。
ホウケイ酸塩ガラス管で造られたパッチピペット(GC120F,ハーバード・アパレイタス社)に、P-97マイクロピペットプラー(サッター・インスツルメンツ社)を使用してピペット溶液(後記を参照)を充填した。このピペットを、銀/塩化銀ワイヤーを介して、パッチクランプ増幅器(アクソパッチ200B,アクソン・インスツルメンツ社)のヘッドステージ(headstage)に連結した。ヘッドステージの基部を接地電極に連結した。この接地電極は、0.85%の塩化ナトリウムを使用して造られた3%寒天中に埋め込まれた銀/塩化銀からなった。
パッチクランプ法の全細胞構成に対して細胞を記録した。“ならし運転(break-in)”〔−80mV(増幅器によって設定)の保持電位にて行った〕、および直列抵抗とキュパシタンス制御の適切な調整の後、電気生理学のソフトウェア(Clampex,アクソン・インスツルメンツ社)を使用して、保持電位(−80mV)を設定し、電圧プロトコルを供給した。このプロトコルを15秒ごとに適用し、1s step to +40mVに次いで1s step to −50mVで構成された。加えられたそれぞれの電圧プロトコルに対する電流レスポンスは、1kHzにて増幅器によってフィルター処理された低いパス(low pass)であった。次いでアナログ・デジタル変換器を使用して、増幅器からのアナログシグナルをデジタル化することによって、フィルター処理されたシグナルをオンラインで得た。次いでデジタル化されたシグナルを、コンピューター駆動のClampexソフトウェア(アクソン・インスツルメンツ社)上に捕捉した。保持電位とstep to +40mV時に、電流を1kHzにてサンプリングした。次いで、電圧プロトコルの残りに対しては、サンプリング速度を5kHzに設定した。
バス溶液とピペット溶液の組成、pH、およびオスモル濃度を下記の表に記す。
Figure 2007505878
Figure 2007505878
+40mVから−50mVまでのステップを流れるhERGコード化カリウムチャンネルのテール電流の振幅を、Clampexソフトウェア(アクソン・インスツルメンツ社)によりオンラインで記録した。テール電流の振幅が安定した後、試験化合物のためのビヒクルを含有するバス溶液を細胞に施した。ビヒクルを加えてもテール電流の振幅にそれほど影響を与えなかったので、試験化合物に対する累積濃度-効果曲線を作成した。
試験化合物の各濃度の影響を、所定濃度の試験化合物の存在下におけるテール電流の振幅を、ビヒクルの存在下におけるテール電流の振幅の百分率として表わすことによって定量化した。
試験化合物の効力(IC50)は、濃度-効果を構成している阻害率(%)(percentage inhibitionvalue)を4パラメーターのヒル式(a four parameter Hill equation)に、標準的なデータ適合パッケージ(data-fitting package)を使用して適合させることによって決定した。最も高い試験濃度でも阻害のレベルが50%を超えなかった場合は、全く効力が得られなかったものとし、当該濃度における阻害率(%)は見積もった。
e) クローン24ホスホ-erb細胞のアッセイ
この免疫蛍光エンドポイントアッセイでは、ノーカットの(full length)erbB2遺伝子を含んだMCF7細胞を、標準的な方法を使用してトランスフェクトして、ノーカットの野生型erbB2タンパク質(以後、‘クローン24’細胞と呼ぶ)を過剰発現する細胞株を得ることによって生成させた、MCF7(乳癌)由来の細胞株中におけるerbB2のリン酸化反応を試験化合物が阻害する能力を測定する。
クローン24細胞を、7.5%CO2空気インキュベーター中にて、10%のウシ胎仔血清、2mMのグルタミン、および1.2mg/mlのG418を含有する培養基(フェノールレッドを含有しないダルベッコ変法イーグル培地(DMEM))中37℃で培養した。細胞を、T75ストックフラスコから、PBS中で1回洗浄することによって採取し、そして2mlのトリプシン(1.25mg/ml)/エチルアミンジアミン四酢酸(EDTA)(0.8mg/ml)溶液を使用して採取した。細胞を増殖培地中に再び懸濁させた。血球計を使用して細胞密度を測定し、トリパンブルー溶液を使用して生存率を算出してから、増殖培地中にてさらに希釈し、透明ボトムの96ウェルプレート(パッカード社、No.6005182)中に、ウェル(100ul)1つ当たり1×104細胞の密度で播種した。
3日後、ウェルから増殖培地を取り除き、erbB阻害剤化合物を加えて、あるいは加えないで、100ulのアッセイ培地(フェノールレッドを含有しないDMEM、2mMのグルタミン、1.2mg/mlのG418)で置き換えた。プレートをインキュベーターに戻して4時間置き、次いで20μlのPBS中20%ホルムアルデヒド溶液を各ウェルに加え、プレートを室温で30分静置した。マルチチャンネルピペットを使用してこの定着液(fixative solution)を除去し、各ウェルに100μlのPBSを加え、次いでマルチチャンネルピペットを使用して除去し、次いで50μlのPBSを各ウェルに加えた。プレートをシールし、4℃で最大2週間貯蔵した。
室温にて免疫染色を行った。プレート洗浄器を使用して、ウェルを200μlのPBS/ツイーン20〔1袋のPBS/ツイーン乾燥粉末(シグマ社、番号P3563)を1リットルの2回蒸留H2Oに加えることによって作製〕で1回洗浄し、次いで200μlのブロッキング溶液〔PBS/ツイーン20中5%のMarvel乾燥スキムミルク(ネッスル社)〕を加え、10分インキュベートした。プレート洗浄器を使用してブロッキング溶液を除去し、細胞を浸透可能にするために200μlの0.5%トリトンX-100/PBSを加えた。10分後、プレートを200μlのPBS/ツイーン20で洗浄し、再び200μlのブロッキング溶液を加え、15分インキュベートした。プレート洗浄器を使用してブロッキング溶液を除去した後、30μlのウサギのポリクローナル抗ホスホerbB2 IgG抗体(エピトープ・ホスホ-Tyr1248、サンタクルーズ社、番号SC-12352-R)(ブロッキング溶液中に1:250で希釈)を各ウェルに加え、2時間インキュベートした。この一次抗体溶液を、プレート洗浄器を使用してウェルから除去し、次いでプレート洗浄器を使用して200μlのPBS/ツイーン20で2回洗浄した。次に30μlのAlexa-Fluor488ヤギ抗ラビットIgG二次抗体(モレキュラー・プローブ社、番号A-11008)(ブロッキング溶液中に1:750で希釈)を各ウェルに加えた。この段階において黒裏地テープでシールすることによって、これから先は可能な限り、プレートに光が当たらないようにした。プレートを45分インキュベートし、二次抗体溶液をウェルから除去し、次いでプレート洗浄器を使用して200ulのPBS/ツイーン20で2回洗浄した。100ulのPBSを各ウェルに加え、10分インキュベートし、次いでプレート洗浄器を使用して除去した。さらに100ulのPBSを各ウェルに加え、インキュベーションを延長することなく、プレート洗浄器を使用して除去した。次いで50μlのPBSを各ウェルに加え、プレートを黒裏地テープで再びシールし、4℃で最大2日間貯蔵してから分析に付した。
各ウェルの蛍光シグナルを、アキュメン・エクスプローラ・インスツルメント(Acumen Explorer Instrument)(アキュメン・バイオサイエンス社)(レーザー走査によって生成される画像の特徴を速やかに定量化するのに使用することができるプレートリーダー)を使用して測定した。この機器を、あらかじめ設定された閾値より上の蛍光物体の数を測定するようにセットし、これにより、erbB2タンパク質のリン酸化状況の目安が得られた。各化合物を使用して得られた蛍光線量レスポンスデータを、適切なソフトウェアパッケージ(たとえばOrigin)にエクスポートして、曲線当てはめ解析を行った。erbB2リン酸化反応の阻害をIC50値として表示した。IC50値は、erbB2リン酸化シグナルの50%阻害をもたらすのに必要とされる化合物の濃度を算出することによって求めた。
式Iの化合物の薬理学的特性は、推定される構造上の変化に応じて変わるけれども、一般には、式Iの化合物がもつ活性は、上記試験の1つ以上において下記の濃度と用量にて示すことができる。
試験(a):- たとえば0.001〜10μMの範囲におけるIC50;
試験(b):- たとえば0.001〜10μMの範囲におけるIC50;
試験(e):- たとえば0.001〜10μMの範囲におけるIC50;
試験(c):- たとえば1〜200mg/kg/日の範囲における活性;
たとえば、表Aは、本発明の代表的な化合物の活性を示している。表Aのカラム2は、EGFRチロシンキナーゼタンパク質リン酸化の阻害に関する試験(a)からのIC50データを示しており;カラム3は、erbB2チロシンキナーゼタンパク質リン酸化の阻害に関する試験(a)からのIC50データを示しており;カラム4は、上記の試験(b)におけるKB細胞の増殖の阻害に関するIC50データを示しており;そしてカラム5は、上記の試験(e)におけるMCF7由来の細胞株中のerbB2リン酸化の阻害に関するIC50データを示している。
Figure 2007505878
本発明の他の態様によれば、前記した式Iのキナゾリン誘導体または前記誘導体の医薬として許容されうる塩を、医薬として許容されうる希釈剤またはキャリヤーと関連させて含んだ医薬組成物が提供される。
本発明の組成物は、経口使用に適した形態(たとえば、錠剤、トローチ剤、硬もしくは軟カプセル剤、水性もしくは油性懸濁液、エマルジョン、分散性の粉末もしくは顆粒、シロップ剤、またはエリキシル剤)であっても、局所使用に適した形態(たとえば、クリーム、軟膏、ゲル、水性液もしくは油性溶液、または懸濁液)であっても、吸入による投与に適した形態(たとえば、微粉末や液体エーロゾル)であっても、通気による投与に適した形態(たとえば微粉末)であっても、あるいは非経口投与に適した形態(たとえば、静脈内投与、皮下投与、もしくは筋内投与のための、無菌の水性もしくは油性溶液、または直腸投与のための坐剤)であってもよい。
本発明の組成物は、当業界によく知られている従来の医薬品賦形剤を使用する従来の方法によって得ることができる。したがって、経口使用が意図されている組成物は、たとえば、1種以上の着色剤、甘味剤、風味剤、および/または保存剤を含有してよい。
単位剤形を得るために1種以上の賦形剤と組み合わせる活性成分の量は、処置されるホストおよび個々の投与経路に応じて必然的に変わる。たとえば、ヒトへの経口投与が意図されている製剤は一般に、たとえば、0.5mg〜0.5g(より適切には0.5〜100mg、たとえば1〜30mg)の活性剤を、適切で好都合な量の賦形剤(全組成の約5重量%〜約98重量%の範囲で変わってよい)と配合した形で含有する。
式Iの化合物の治療目的もしくは予防目的に対する用量の程度は、医薬に関してよく知られている原則にしたがって、疾病の特質と発病度、動物もしくは患者の年齢と性別、および投与経路に応じて必然的に変わる。
治療目的もしくは予防目的に対して式Iの化合物を使用するとき、式Iの化合物は、分割用量にて必要とされる場合は、体重1kg当たりたとえば0.1mg〜75mgの範囲の日用量が摂取されるように投与される。一般に、非経口経路が使用されるときは、より少ない用量が投与される。したがって、たとえば静脈内投与の場合、一般には、体重1kg当たり0.1mg〜30mgの範囲の用量が使用される。同様に、たとえば吸入による投与の場合は、体重1kg当たり0.05mg〜25mgの範囲の用量が使用される。しかしながら経口投与が好ましく、錠剤の形態で使用するのが特に好ましい。一般には、単位剤形は、本発明の化合物を約0.5mg〜0.5g含有する。
本発明の化合物は、erbBフアミリーの受容体チロシンキナーゼに対する阻害活性(そして特に、erbB2/EGFの混合プロフィール)に起因すると考えられる抗増殖特性(たとえば抗癌特性)を有する、ということを我々は見出した。
したがって本発明の化合物は、erbB受容体チロシンキナーゼだけで媒介される、または一部がerbB受容体チロシンキナーゼで媒介される疾患もしくは病状の処置に対して有用であると考えられる(すなわち、本発明の化合物を使用して、このような処置を必要とする温血動物において、erbB受容体チロシンキナーゼ阻害活性を生成させることができる)。したがって本発明の化合物は、erbBファミリーの受容体チロシンキナーゼの1種以上を阻害することを特徴とする、悪性細胞の治療法をもたらす。特に、本発明の化合物を使用して、erbB受容体チロシンキナーゼの阻害によってのみ媒介される、あるいはerbB受容体チロシンキナーゼの阻害によって一部媒介される抗増殖作用および/または前アポトーシス作用(pro-apoptotic effect)および/または抗浸潤作用を生成させることができる。本発明の化合物は特に、erbB受容体チロシンキナーゼ(腫瘍細胞の増殖と生存を促すシグナル変換段階において関与する)の1種以上を阻害することで影響を受けやすい腫瘍の予防もしくは治療に対して有用であると考えられる。したがって本発明の化合物は、乾癬、良性前立腺過形成(BPH)、アテローム性動脈硬化症、および再狭窄、および/または抗増殖作用をもたらすことによって処置される癌の治療に対して、そして特に、erbB受容体チロシンキナーゼに感受性の癌の治療に対して有用であると推定される。このような良性腫瘍や悪性腫瘍は、あらゆる組織に悪影響を及ぼす可能性があり、非充実性腫瘍(たとえば、白血病、多発性骨髄腫、およびリンパ腫)と充実性腫瘍(たとえば、胆管癌、骨肉腫、膀胱癌、脳/CNS腫瘍、乳癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、胃癌、頭頚部癌、肝臓癌、肺癌、神経癌、食道癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎臓癌、皮膚癌、睾丸癌、甲状腺癌、子宮癌、および外陰癌)を含む。
本発明のこの態様によれば、医薬として使用するための、式Iの化合物または前記化合物の医薬として許容されうる塩が提供される。
本発明の他の態様によれば、ヒト等の温血動物において抗増殖作用を生成させるのに使用するための、式Iの化合物または前記化合物の医薬として許容されうる塩が提供される。
したがって本発明のこの態様によれば、ヒト等の温血動物において抗増殖作用を生成させるのに使用するための医薬の製造に際して、前記した式Iのキナゾリン誘導体または前記誘導体の医薬として許容されうる塩を使用することが提供される。
本発明のこの態様のさらなる特徴によれば、前記した式Iのキナゾリン誘導体または前記誘導体の医薬として許容されうる塩の有効量を、抗増殖作用を生成させる処置を必要とする温血動物(たとえばヒト)に投与することを含む、前記動物において抗増殖作用を生成させる方法が提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、腫瘍細胞の増殖をまねくシグナル変換段階において関与するerbB受容体チロシンキナーゼ(たとえば、EGFRとerbB2との組み合わせ)の阻害に対して感受性の腫瘍を予防もしくは治療する上で使用するための医薬の製造に際して、前記した式Iのキナゾリン誘導体または前記誘導体の医薬として許容されうる塩を使用することが提供される。
本発明のこの態様のさらなる特徴によれば、前記した式Iのキナゾリン誘導体または前記誘導体の医薬として許容されうる塩の有効量を前記動物に投与することを含む、腫瘍細胞の増殖および/または生存をもたらすシグナル変換段階において関与するerbBファミリーの受容体チロシンキナーゼ(たとえば、EGFRとerbB2との組み合わせ)の1種以上の阻害に対して感受性の腫瘍を予防もしくは治療する方法が提供される。
本発明のこの態様のさらに他の特徴によれば、腫瘍細胞の増殖をまねくシグナル変換段階において関与するerbB受容体チロシンキナーゼ(たとえば、EGFRとerbB2との組み合わせ)の阻害に対して感受性の腫瘍を予防もしくは治療する上で使用するための、式Iの化合物または前記化合物の医薬として許容されうる塩が提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、EGFRチロシンキナーゼとerbBチロシンキナーゼとの組み合わせ阻害作用をもたらす上で使用するための医薬の製造において、前記した式Iのキナゾリン誘導体または前記誘導体の医薬として許容されうる塩を使用することが提供される。
本発明のこの態様の他の特徴によれば、前記した式Iのキナゾリン誘導体または前記誘導体の医薬として許容されうる塩の有効量を前記動物に投与することを含む、EGFRチロシンキナーゼとerbBチロシンキナーゼとの組み合わせ阻害作用をもたらす方法が提供される。
本発明のこの態様のさらに他の特徴によれば、EGFRチロシンキナーゼとerbBチロシンキナーゼとの組み合わせ阻害作用をもたらす上で使用するための式Iの化合物または前記化合物の医薬として許容されうる塩が提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、癌(たとえば、白血病、多発性骨髄腫、リンパ腫、胆管癌、骨肉腫、膀胱癌、脳/CNS腫瘍、乳癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、胃癌、頭頚部癌、肝臓癌、肺癌、神経癌、食道癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎臓癌、皮膚癌、睾丸癌、甲状腺癌、子宮癌、および外陰癌から選択される癌)を治療するのに使用するための医薬の製造に際して、前記した式Iのキナゾリン誘導体または前記誘導体の医薬として許容されうる塩を使用することが提供される。
本発明のこの態様の他の特徴によれば、前記した式Iのキナゾリン誘導体または前記誘導体の医薬として許容されうる塩の有効量を、癌の治療を必要とする温血動物に投与することを含む、癌(たとえば、白血病、多発性骨髄腫、リンパ腫、胆管癌、骨肉腫、膀胱癌、脳/CNS腫瘍、乳癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、胃癌、頭頚部癌、肝臓癌、肺癌、神経癌、食道癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎臓癌、皮膚癌、睾丸癌、甲状腺癌、子宮癌、および外陰癌から選択される癌)の治療を必要とする温血動物(たとえばヒト)において癌を治療する方法が提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、癌(たとえば、白血病、多発性骨髄腫、リンパ腫、胆管癌、骨肉腫、膀胱癌、脳/CNS腫瘍、乳癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、胃癌、頭頚部癌、肝臓癌、肺癌、神経癌、食道癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎臓癌、皮膚癌、睾丸癌、甲状腺癌、子宮癌、および外陰癌から選択される癌)の治療において使用するための式Iの化合物または前記化合物の医薬として許容されうる塩が提供される。
前述したように、個々の疾患の治療処置もしくは予防処置に対して必要とされる用量の程度は、処置を受けるホスト、投与経路、および処置される疾病の発病度に応じて必然的に変わる。
上記の抗増殖処置は、単独療法として施してもよいし、あるいは本発明のキナゾリン誘導体に加えて、従来の外科的療法、放射線療法、もしくは化学療法を組み込んでもよい。このような化学療法は、下記のカテゴリーの抗腫瘍薬の1種以上を含んでよい:
(i) 内科的腫瘍学において使用される抗増殖薬/抗腫瘍薬とこれらの組み合わせ物(アルキル化剤等)(たとえば、シスプラチン、カーボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、およびニトロソウレア);代謝拮抗剤(たとえば、5-フルオロウラシルやテガフル等のフルオロピリミジン、ラルチトレキセド、メトトレキセート、シトシンアラビノシド、およびヒドロキシウレア等の葉酸拮抗剤);抗腫瘍抗生物質(たとえば、アドリアマイシン、ベロマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトマイシン-C、ダクチノマイシン、およびミトラマイシン等のアントラサイクリン);抗分裂剤(たとえば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、およびビノレルビン等のビンカアルカロイド、ならびにタキソールやタキソテレ等のタキソイド);およびトポイソメラーゼ阻害薬(たとえば、エトポシドやテニポシド等のエピポドフィロトキシン、アムサクリン、トポテカン、およびカンプトテシン);
(ii) 抗エストロゲン剤(たとえば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、およびヨードキシフェン(iodoxyfene))、エストロゲン受容体ダウンレギュレータ(たとえばフルベストラント)、抗アンドロゲン剤(たとえば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、および酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニストもしくはLHRHアゴニスト(たとえば、ゴセレリン、ロイプロレリン、およびブセレリン)、プロゲストゲン(たとえば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害薬(たとえば、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾール、およびエキセメスタン)、および5α-レダクターゼの阻害薬(たとえばフィナステリド)等の細胞増殖抑制剤;
(iii) 癌細胞の浸潤を抑える薬剤(たとえば、マリマスタット等のメタロプロテイナーゼ阻害薬、およびウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベータ受容体機能の阻害薬);
(iv) 増殖因子機能の阻害薬〔このような阻害薬としては、増殖因子抗体、増殖因子受容体抗体(たとえば、抗erbB2抗体トラスツマブ[ヘルセプチン(Herceptin)(商標)]や抗erbB1抗体セツキシマブ[C225])、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害薬、チロシンキナーゼ阻害薬、およびセリン/トレオニンキナーゼ阻害薬などがある〕、たとえば上皮細胞増殖因子ファミリーの他の阻害薬〔たとえば、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-メトキシ-6-(3-モルホリノプロポキシ)キナゾリン-4-アミン(ゲフィチニブ、AZD1839)、N-(3-エチルフェニル)-6,7-ビス(2-メトキシエトキシ)キナゾリン-4-アミン(エルロチニブ、OSI-774)、および6-アクリルアミド-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)キナゾリン-4-アミン(CI1033)〕、たとえば血小板由来の増殖因子ファミリーの阻害薬、およびたとえば肝細胞増殖因子ファミリーの阻害薬;
(v) 血管内皮増殖因子の作用を阻害する薬剤(たとえば、抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシズマブ[アバスチン(Avastin)(商標)]、ならびに国際特許出願WO97/22596、WO97/30035、WO97/32856、およびWO98/13354に開示されている化合物)、および他のメカニズムによって作用する化合物(たとえば、リノミド(linimide)、インテグリンαvβ3機能の阻害薬、およびアンギオスタチン)、等の抗血管新生薬;
(vi) コンブレタスタチンA4、ならびに国際特許出願WO99/02166、WO00/40529、WO00/41669、WO01/92224、WO02/04434、およびWO02/08213に開示されている化合物、等の血管障害剤(vascular damaging agents);
(vii) アンチセンス治療薬、たとえば上記の標的に向けられたアンチセンス(たとえば、抗ラットアンチセンスであるISIS2503);
(viii) 遺伝子療法アプローチ〔たとえば、異常な遺伝子(たとえば、異常なp53、または異常なBRCA1もしくはBRCA2)を置き換えるためのアプローチ、GDEPT(gene-directed enzyme pro-drug therapy)アプローチ(たとえば、シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼ、またはバクテリアニトロレダクターゼ酵素を使用するアプローチ)、および化学療法もしくは放射線療法に対する患者の耐容性を高めるためのアプローチ(たとえば、多剤耐性遺伝子療法)を含む〕;および
(ix) 免疫療法アプローチ〔たとえば、患者の腫瘍細胞の免疫原性を高めるためのエクスビボアプローチとインビボアプローチ(たとえば、インターロイキン2、インターロイキン4、または顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子等のサイトカインによるトランスフェクション)、T細胞アレルギーを低下させるためのアプローチ、トランスフェクトされた免疫細胞(サイトカインでトランスフェクトされた樹状細胞等)を使用するアプローチ、サイトカインでトランスフェクトされた腫瘍細胞株を使用するアプローチ、および抗イディオタイプの抗体を使用するアプローチを含む〕。
こうした共同療法(conjoint therapy)は、処置の個々の成分を同時投与、逐次投与、または個別投与することによって達成することができる。このような組み合わせ物は、本発明の化合物を上記の用量範囲内にて、そして他の医薬的に活性な薬剤をその認可された用量範囲内にて使用する。
本発明のこの態様によれば、前記した式Iのキナゾリン誘導体と、癌の共同療法のための、前記した追加の抗腫瘍薬とを含む医薬製品が提供される。
式Iの化合物は、主として、温血動物(ヒトを含む)に使用するための治療薬として有用であるけれども、さらに、erbB受容体チロシンタンパク質キナーゼの作用を阻害するのに必要とされるときはいつでも有用である。したがって式Iの化合物は、新たな生物学的試験の開発に使用するための薬理学的な基準として、また新たな薬物の研究開発において有用である。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、特に明記しない限り下記の通りである:
(i) 温度は摂氏温度(℃)にて表示してあり;操作は、室温もしくは周囲温度(すなわち、18〜25℃の範囲の温度で行った;
(ii) 有機溶液は無水硫酸マグネシウムで乾燥し;溶媒の除去は、ロータリーエバポレーターを使用して、減圧(600〜4000パスカル;4.5〜30mmHg)にて最高60℃の浴温度で行った;
(iii) クロマトグラフィーはシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーを意味しており、薄層クロマトグラフィー(TLC)はシリカゲルプレートにて行った;
(iv) 一般には、反応の進行はTLCおよび/または分析用LCMSによって追跡し、反応時間は例示のためだけに記載してある;
(v) 最終的な生成物は、満足できるプロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトルおよび/または質量スペクトルのデータを示した;
(vi) 収率は例示のためだけに記載してあり、必ずしも、入念なプロセス開発によって得ることができる値というわけではない;
(vii) NMRデータが記載されている場合、これらのデータは、主要な特徴的プロトン(major diagnostic protons)に対するデルタ値として与えられており、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対するパーツ・パー・ミリオン(ppm)で表示されており、特に明記しない限り、全重水素のジメチルスルホキシド(DMSO-d6)を溶媒として使用して400MHzで測定した;以下の略語を使用した:s,一重項;d,二重項;t,三重項;q,四重項目;m,多重項;b,ブロード;
(viii) 化学記号は通常の意味を有しており;SI単位と記号が使用されている;
(ix) 溶媒の比は、体積:体積(v/v)の用語で記載されている;
(x) 質量スペクトル(MS)の測定は、直接暴露プローブ(a direct exposure probe)を使用して、化学イオン化(CI)モードにて70エレクトロンボルトの電子エネルギーで行い、イオン化はエレクトロンスプレーによって行い;m/zに対する値が記載されており;一般には、元の質量を示すイオンだけが記載されており;特に明記しない限り、示されている質量イオンは(MH)+である;
(xi) 特に明記しない限り、非対称的に置換された炭素原子および/またはイオウ原子を含有する化合物は分割されていない;
(xii) ある合成が、それ以前の実施例に記載のものと類似の合成として記載されている場合、使用される量は、それ以前の実施例において使用されているものと同等のミリモル比(millimolar ratio)である;
(xiii) 以下の略語が使用されている:
DCM ジクロロメタン;
DMF N,N-ジメチルホルムアミド;
DMA N,N-ジメチルアセトアミド;
THF テトラヒドロフラン;
(xiv) ある合成が、酸付加塩(たとえばHCl塩)をもたらすものとして記載されている場合、当該塩の明確な化学量論は確認しなかった;
(xv) 実施例1〜2と参考例(Reference Examples)においては、特に明記しない限り、NMRデータは全て遊離の塩基物質について記載されており、単離された塩が、特性決定の前に遊離塩基形に転化される。
(実施例1)
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-(メトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-[(ピペリジン-4-イル)オキシ]キナゾリン(120mg,0.3ミリモル)とジイソプロピルエチルアミン(63μl,0.36モリモル)をジクロロメタン(5ml)中に混合して得た混合物を氷冷し、これにクロロギ酸メチル(23μl,0.3ミリモル)を滴下した。本混合物を0℃で1時間攪拌した。有機溶液を水とブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧にて溶媒を蒸発除去した後、残留物を、シリカゲルによるクロマトグラフィーによって精製して(溶離液:ジクロロメタン中7Nメタノール性アンモニアが2%)、表記化合物を白色固体(80mg,58%)として得た。
1 H NMRスペクトル: (CDCl3) 1.90 (m, 2H), 2.00 (m, 2H), 3.44 (m, 2H), 3.72 (s, 3H), 3.84 (m, 2H), 4.01 (s, 3H), 4.64 (m, 1H), 7.17 (m, 3H), 7.30 (m, 2H), 8.48 (m, 1H), 8.71 (s, 1H); 質量スペクトル: MH+ 461.
出発物質として使用した4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-[(ピペリジン-4-イル)オキシ]キナゾリンは、下記のように製造した。
工程1
6-アセトキシ-4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシキナゾリン塩酸塩
6-アセトキシ-4-クロロ-7-メトキシキナゾリン(WO01/66099の実施例25-5に記載の手順に従って製造,6.00g,23.8ミリモル)と3-クロロ-2-フルオロアニリン(3.46g,23.8ミリモル)をイソプロパノール(200ml)中に懸濁させた。本混合物を80℃で3時間加熱還流した。溶媒を蒸発除去し、残留物をアセトニトリルから再結晶させて、塩酸塩生成物を淡いピンク色の結晶質固体(8.16g,92%)として得た。
1 H NMR: 2.37 (s, 3H), 4.00 (s, 3H), 7.34 (ddd, 1H), 7.48 (s, 1H), 7.52 (ddd, 1H), 7.61 (ddd, 1H), 8.62 (s, 1H), 8.86 (s, 1H); 質量スペクトル: 362.4, 364.4.
工程2
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-6-ヒドロキシ-7-メトキシキナゾリン
工程1からの6-アセトキシ-4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシキナゾリン塩酸塩(8.72g,21.9ミリモル)をメタノール(200ml)中に溶解した。濃アンモニア水(15ml)を加え、攪拌しながら溶液を50℃で2時間加熱し、クリーム色固体の沈殿を生じさせた。固体を濾過によって捕集し、ジエチルエーテル(3×200ml)で洗浄し、五酸化二リン上で減圧にて60℃で乾燥して、生成物をオフホワイト色の固体(5.40g,77%)として得た。
1 H NMR: 3.95 (s, 3H), 7.19 (s, 1H), 7.23 (dd, 1H), 7.42 (dd, 1H), 7.50 (dd, 1H), 7.64 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 9.43 (s, 1H), 9.67 (br.s, 1H); 質量スペクトル: 320.4, 322.4.
工程3
6-{[(1-tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシキナゾリン
工程2からの4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-6-ヒドロキシ-7-メトキシキナゾリン(1870mg,5.85ミリモル)をDMA(50ml)中に溶解した。tert-ブチル(4-メタンスルホニルオキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート(「Chemical & Pharmaceutical Bulletin 2001,49(7),822-829」に記載の手順に従って製造;490mg,1.76ミリモル)とフッ化セシウム(890mg,5.85ミリモル)を加え、攪拌しながら本混合物を85℃で加熱した。2時間、4時間、および6時間の間隔で、tert-ブチル(4-メタンスルホニルオキシ)ピペリジン-1-カルボキシレートとフッ化セシウムを上記の量にて反応混合物に加えた。最終添加の後に、加熱を85℃でさらに6時間続けた。溶媒を蒸発除去し、残留物をDCM(150ml)とH2O(150ml)とに分配した。水性層をDCM(4×100ml)で抽出し、DCM抽出物を合わせた。合わせたDCMフラクションをMgSO4で乾燥し、溶媒を蒸発除去した。残留物をクロマトグラフィーによって精製した〔DCM中0〜2.5%の(7:1 MeOH/濃アンモニア水)で溶離〕。適切なフラクションを合わせて、溶媒を蒸発除去し、生成物を淡褐色の泡状物(2.40g,58%,2.3当量の残留DMAが存在)として得た。
1 H NMR: 1.40 (s, 9H), 1.60-1.65 (m, 2H), 1.95-2.00 (m, 2H), 3.20-3.25 (m, 2H), 3.65-3.70 (m, 2H), 3.92 (s, 3H), 4.68 (m, 1H), 7.21 (s, 1H), 7.27 (dd, 1H), 7.47 (ddd, 1H), 7.51 (dd, 1H), 7.85 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 9.53 (s, 1H); 質量スペクトル: 503.5, 505.5.
工程4
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-[(ピペリジン-4-イル)オキシ]キナゾリン
工程3からの6-{[(1-tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシキナゾリン(350mg,0.70ミリモル)をトリフルオロ酢酸(5ml)中に溶解し、得られた溶液を2時間静置した。過剰のトリフルオロ酢酸を蒸発除去し、残留物をDCMと共に2回共沸蒸留した。残留物をクロマトグラフィーによって精製した〔DCM中0〜4%の(7:1 MeOH/濃アンモニア水)で溶離〕。適切なフラクションの溶媒を蒸発除去して、生成物をオフホワイト色の固体(270mg,96%)として得た。
1 H NMR: 1.53-1.64 (m, 2H), 2.00-2.05 (m, 2H), 2.64-2.72 (m, 2H), 3.00-3.07 (m, 2H), 3.92 (s, 3H), 4.60 (m, 1H), 7.20 (s, 1H), 7.26 (ddd, 1H), 7.47 (dd, 1H), 7.50 (dd, 1H), 7.82 (s, 1H), 8.34 (s, 1H), 9.56 (s, 1H); 質量スペクトル: 403.2, 405.2.
(実施例2)
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピロリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン
6-{[1-(2-クロロエトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシキナゾリン(510mg,1ミリモル)、ピロリジン(0.33ml,4ミリモル)、およびヨウ化カリウム(330mg,2ミリモル)をジメチルアセトアミド中に混合して得た混合物を80℃で4時間加熱した。冷却後、高度の減圧にて溶媒を蒸発除去した。残留物を水とジクロロメタンとに分配し、ジクロロメタンで抽出した。
有機層を水とブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を蒸発除去した後、残留物をシリカゲルによるクロマトグラフィーによって精製し(溶離液:ジクロロメタン中7Nメタノール性アンモニアが2〜3%)、水とアセトニトリルとの混合物(5%のメタノールと1%の酢酸を含有)(勾配)で溶離する分取HPLC-MSシステムのHPLCカラム(C18,5ミクロン,直径19mm,長さ100mm)によってさらに精製した。溶媒を蒸発除去した後、残留物をジクロロメタンと炭酸カリウム水溶液との混合物中に溶解した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を蒸発除去し、残留物をペンタン中ですりつぶして、表記化合物を白色固体(230mg,42%)として得た。
1 H NMRスペクトル: (CDCl3) 1.80 (m, 4H), 1.91 (m, 2H), 2.00 (m, 2H), 2.60 (m, 4H), 2.77 (t, 2H), 3.45 (m, 2H), 3.83 (m, 2H), 4.01 (s, 3H), 4.26 (t, 2H), 4.64 (m, 1H), 7.16 (m, 2H), 7.20 (s, 1H), 7.30 (m, 2H), 8.48 (m, 1H), 8.71 (s, 1H); 質量スペクトル: MH+ 544.
出発物質として使用した6-{[1-(2-クロロエトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシキナゾリンは下記のように製造した:
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-[(ピペリジン-4-イル)オキシ]キナゾリン(2g,5ミリモル)とジイソプロピルエチルアミン(1.05ml,6ミリモル)をジクロロメタン(100ml)中に混合して得た混合物を氷冷し、これにクロロギ酸2-クロロエチル(0.52ml,5ミリモル)を滴下した。本混合物を0℃で1時間攪拌した。有機溶液を水とブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧にて蒸発除去した後、残留物をシリカゲルによるクロマトグラフィーによって精製して(溶離液:ジクロロメタン中7Nメタノール性アンモニアが2%)、表記化合物を白色固体(1.6g,65%)を得た。
1 H NMRスペクトル: (CDCl3) 1.90 (m, 2H), 2.00 (m, 2H), 3.47 (m, 2H), 3.71 (t, 2H), 3.83 (m, 2H), 4.01 (s, 3H), 4.36 (t, 2H), 4.65 (m, 1H), 7.15 (m, 2H), 7.21 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.34 (s br, 1H), 8.46 (m, 1H), 8.71 (s, 1H); 質量スペクトル: MH+ 509, 511.
(実施例3)
4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-(メトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン
4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-[(ピペリジン-4-イル)オキシ]キナゾリン(200mg,0.48ミリモル)とジイソプロピルエチルアミン(170μ1,0.95ミリモル)をジクロロメタン(2ml)中に混合して得た混合物を氷冷し、これにクロロギ酸メチル(40μl,0.48ミリモル)を滴下した。本混合物を0℃で90分攪拌した。溶媒を蒸発除去した後、残留物をDMSO中に溶解し、水とアセトニトリルとの混合物(2g/lのギ酸アンモニウムを含有)(勾配)で溶離する分取HPLC-MSシステムのHPLCカラム(C18,5ミクロン,直径19mm,長さ100mm)によってさらに精製した。溶媒を減圧にて蒸発除去した後、残留物をシリカゲルによるクロマトグラフィーによって精製した(溶離液:ジクロロメタン中7Nメタノール性アンモニアが0〜3%)。溶媒を蒸発除去した後、残留物をアセテニトリル中ですりつぶして、表記化合物を白色固体(35mg,15%)として得た。
1 H NMRスペクトル: (DMSOd6) 1.67 (m, 2H), 2.02 (m, 2H), 3.35 (m, 2H), 3.61 (s, 3H), 3.73 (m, 2H), 3.94 (s, 3H), 4.72 (m, 1H), 7.23 (s, 1h), 7.42 (m, 1H), 7.58 (m, 1H), 7.86 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 9.61 (s br, 1H); 質量スペクトル: MH+479.
出発物質として使用した4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-[(ピペリジン-4-イル)オキシ]キナゾリンは下記のように製造した:
4-[(4-クロロ-7-メトキシキナゾリン-6-イル)オキシ]ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(4g,10.1ミリモル,PCT Int.Appl.WO2003082831,アストラゼネカ社)をイソプロパノール(50ml)中に混合して得た懸濁液に、3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリン(1.7g,10.1ミリモル)とイソプロパノール中5NのHCl(2ml)を加えた。本混合物を80℃で3時間攪拌した。溶媒を蒸発除去した後、残留物をシリカゲルによるクロマトグラフィーによって精製して(溶離液:ジクロロメタン中7Nメタノール性アンモニアが5〜10%)、4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-[(ピペリジン-4-イル)オキシ]キナゾリンを白色固体(3.63g,85%)として得た。
1 H NMRスペクトル: (CDCl3 + CD3CO2D): 2.15 (m, 2H), 2.30 (m, 2H), 3.34 (m, 2H), 3.47 (m, 2H), 4.01 (s, 3H), 4.91 (m, 1H), 7.03 (m, 1H), 7.58 (m, 2H), 7.90 (s, 1H), 8.55 (s, 1H); 質量スペクトル: MH+ 421.
(実施例4と5)
4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-6-{[1-(2-クロロエトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-メトキシキナゾリン(350mg,0.66ミリモル)、適切なアミン(2.6ミリモル)、およびヨウ化カリウム(220mg,1.33ミリモル)をジメチルアセトアミド(5ml)中に混合して得た混合物を95℃で2時間加熱した。冷却後、高度の減圧にて溶媒を蒸発除去した。残留物をジクロロメタン中に希釈し、固体を濾別した。濾液から溶媒を蒸発除去した後、残留物をシリカゲルによるクロマトグラフィーによって精製した(溶離液:ジクロロメタン中7Nメタノール性アンモニアが2%)。溶媒を蒸発除去して表記化合物を得た。
出発物質として使用した4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-6-{[1-(2-クロロエトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-メトキシキナゾリンは、クロロギ酸2-クロロエチルと4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-[(ピペリジン-4-イル)オキシ]キナゾリンから、実施例2に記載の手順と同じ手順を使用して製造した。収量464g、収率74%。
1 H NMRスペクトル: (DMSOd 6 ) 1.70 (m, 2H), 2.03 (m, 2H), 3.30 (m, 2H), 3.74 (m, 2H), 3.83 (t, 2H), 3.94 (s, 3H), 4.28 (t, 2H), 4.73 (m, 1H), 7.23 (s, 1H), 7.40 (m, 1H), 7.58 (m, 1H), 7.86 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 9.59 (s, 1H).
(実施例4)
4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピロリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン
使用したアミンはピロリジン(0.22ml,2.6ミリモル)であった。収量190mg、収率51%。
1 H NMRスペクトル: (CDCl3) 1.80 (m, 4H), 1.90 (m, 2H), 2.00 (m, 2H), 2.57 (m, 4H), 2.76 (t, 2H), 3.43 (m, 2H), 3.83 (m, 2H), 4.01 (s, 3H), 4.25 (t, 2H), 4.64 (m, 1H), 7.07 (m, 1H), 7.21 (s, 2H), 7.30 (s, 1H), 8.32 (m, 1H), 8.66 (s, 1H); 質量スペクトル: MH+ 562.
(実施例5)
4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピペリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン
使用したアミンはピペリジンであった。収量63mg、収率52%。
1 H NMRスペクトル: (CDCl3) 1.45 (m, 2H), 1.60 (m, 4H), 1.90 (m, 2H), 2.00 (m, 2H), 2.46 (m, 4H), 2.63 (t, 2H), 3.43 (m, 2H), 3.83 (m, 2H), 4.01 (s, 3H), 4.24 (t, 2H), 4.64 (m, 1H), 7.07 (m, 1H), 7.18 (s br, 1H), 7.21 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 8.33 (m, 1H), 8.67 (s, 1H); 質量スペクトル: MH+ 574.
(実施例6〜9)
6-{[1-(2-クロロエトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシキナゾリン(204mg,0.4ミリモル)、ヨウ化カリウム(134mg,0.8ミリモル)、および適切なアミン(1.6ミリモル)をジメチルアセトアミド(4ml)中に混合して得た混合物を80℃で4時間加熱した。冷却後、高度の減圧にて溶媒を蒸発除去した。残留物を水とジクロロメタンとに分配し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水とブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を蒸発除去した後、残留物をシリカゲルによるクロマトグラフィーによって精製し(溶離液:ジクロロメタン中7Nメタノール性アンモニアが2〜3%)、ペンタン中ですりつぶして表記化合物を得た。
(実施例6)
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピペリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン
使用したアミンはピペリジンであった。収量150mg、収率54%(0.5ミリモルのスケールで反応行った)。
1 H NMRスペクトル: (CDCl3) 1.44 (m, 2H), 1.60 (m, 4H), 1.88 (m, 2H), 2.00 (m, 2H), 2.46 (m, 4H), 2.63 (t, 2H), 3.43 (m, 2H), 3.82 (m, 2H), 4.01 (s, 3H), 4.24 (t, 2H), 4.64 (m, 1H), 7.16 (m, 2H), 7.20 (s, 1H), 7.30 (m, 2H), 8.48 (m, 1H), 8.71 (s, 1H); 質量スペクトル: MH+ 556.
(実施例7)
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-6-{[1-{2-(ジエチルアミノ)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-メトキシキナゾリン
使用したアミンはジエチルアミンであった。収量100mg、収率46%(過剰のジエチルアミンと共に封管中で反応を行った)。
1 H NMRスペクトル: (CDCl3) 1.04 (m, 6H), 1.90 (m, 2H), 1.99 (m, 2H), 2.59 (m, 4H), 2.73 (t, 2H), 3.72 (m, 2H), 3.82 (m, 2H), 4.01 (s, 3H), 4.18 (t, 2H), 4.64 (m, 1H), 7.16 (m, 2H), 7.20 (s, 1H), 7.31 (m, 2H), 8.48 (m, 1H), 8.71 (s, 1H); 質量スペクトル: MH+ 546.
(実施例8)
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(モルホリン-4-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン
使用したアミンはモルホリンであった。収量140mg、収率62%。
1 H NMRスペクトル: (CDCl3) 1.91 (m, 2H), 2.00 (m, 2H), 2.53 (m, 4H), 2.65 (t, 2H), 3.44 (m, 2H), 3.72 (m, 4H), 3.83 (m, 2H), 4.01 (s, 3H), 4.25 (t, 2H), 4.64 (m, 1H), 7.16 (m, 2H), 7.20 (s, 1H), 7.31 (m, 2H), 8.48 (m, 1H), 8.71 (s, 1H); 質量スペクトル: MH+ 560.
(実施例9)
4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン
使用したアミンは4-メチルピペリジンであった。収量110mg、収率50%。
1 H NMRスペクトル: (CDCl3) 1.89 (m, 2H), 2.00 (m, 2H), 2.28 (s, 3H), 2.6-2.3 (m, 8H), 2.68 (t, 2H), 3.44 (m, 2H), 3.82 (m, 2H), 4.01 (s, 3H), 4.25 (t, 2H), 4.64 (m, 1H), 7.16 (m, 2H), 7.20 (s, 1H), 7.31 (m, 2H), 8.48 (m, 1H), 8.71 (s, 1H); 質量スペクトル: MH+ 573.
(実施例10)
医薬組成物
下記は、ヒトにおける治療もしくは予防用途のための、本明細書に記載の本発明の代表的な医薬剤形を示している:
Figure 2007505878
上記の製剤は、医薬業界によく知られている従来の方法によって得ることができる。たとえば錠剤は、成分を一緒にブレンドし、混合物を錠剤に圧縮することによって作製することができる。

Claims (45)

  1. 式Iで示されるキナゾリン誘導体
    Figure 2007505878
    〔式中、
    nは0、1、2、または3であり;
    各R5は、ハロゲノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、スルファモイル、トリフルオロメチル、(1-6C)アルキル、(2-8C)アルケニル、(2-8C)アルキニル、(1-6C)アルコキシ、(2-6C)アルケニルオキシ、(2-6C)アルキニルオキシ、(1-6C)アルキルチオ、(1-6C)アルキルスルフィニル、(1-6C)アルキルスルホニル、(1-6C)アルキルアミノ、ジ-[(1-6C)アルキル]アミノ、(1-6C)アルコキシカルボニル、N-(1-6C)アルキルスルファモイル、N,N-ジ-[(1-6C)アルキル]スルファモイル、またはC(O)NR6R7(式中、R6とR7は、水素、置換されていてもよい(1-6C)アルキル、置換されていてもよい(3-8C)シクロアルキル、または置換されていてもよいアリールから独立的に選択されるか、あるいはR6とR7が、それらが結合している窒素と一緒になって、さらなるヘテロ原子を含有してよい置換されていてもよい複素環を形成する)から独立的に選択され;
    X1は、直接結合またはOであり;
    R1は水素と(1-6C)アルキルから選択され、このとき(1-6C)アルキル基は、ヒドロキシとハロゲノから選択される、同一であっても異なっていてもよい1つ以上の置換基で、および/または、アミノ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロゲノ、(1-6C)アルコキシ、ヒドロキシ(1-6C)アルコキシ、(2-8C)アルケニル、(2-8C)アルキニル、(1-6C)アルキルチオ、(1-6C)アルキルスルフィニル、(1-6C)アルキルスルホニル、(1-6C)アルキルアミノ、ジ-[(1-6C)アルキル]アミノ、カルバモイル、N-(1-6C)アルキルカルバモイル、N,N-ジ-[(1-6C)アルキル]カルバモイル、(2-6C)アルカノイル、(2-6C)アルカノイルオキシ、(2-6C)アルカノイルアミノ、N-(1-6C)アルキル-(2-6C)アルカノイルアミノ、(1-6C)アルコキシカルボニル、スルファモイル、N-(1-6C)アルキルスルファモイル、N,N-ジ-[(1-6C)アルキル]スルファモイル、(1-6C)アルカンスルホニルアミノ、およびN-(1-6C)アルキル-(1-6C)アルカンスルホニルアミノから選択される置換基で置換されていてもよく;
    R2は、(1-6C)アルキル、(2-6C)アルケニル、または(2-6C)アルキニルであって、これらのいずれかが、フルオロ、(1-6C)アルコキシ、(1-6C)アルキルチオ、(1-6C)アルキルスルフィニル、(1-6C)アルキルスルホニル、または下位の式(sub-formula)(i)
    Figure 2007505878
    で示される基で置換されていてもよく;
    mは0、1、2、または3であり;
    R3とR4は、水素または(1-6C)アルキルから独立的に選択されるか、あるいはR3とR4が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、O、S、SO、SO2、またはNR8(式中、R8は、水素、(1-6C)アルキル、(2-6C)アルケニル、(2-6C)アルキニル、(1-6C)アルキルスルホニル、または(1-6C)アルキルカルボニルである)から選択されるさらなるヘテロ原子を含有してもよい5員もしくは6員の飽和複素環を形成する〕
    または前記キナゾリン誘導体の医薬として許容されうる塩;
    但し、前記キナゾリン誘導体は
    4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-[1-(tert-ブチルオキシカルボニル)-ピペリジン-4-イル-オキシ]-7-メトキシ-キナゾリン;
    4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-[1-(イソプロピルオキシカルボニル)-ピペリジン-4-イル-オキシ]-7-メトキシ-キナゾリン;
    4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-[1-(tert-ブチルオキシカルボニル)-ピペリジン-4-イル-オキシ]-7-メトキシ-キナゾリン;または
    6-{[(1-tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシキナゾリン、ではない。
  2. R2が、(1-6C)アルキル、(2-6C)アルケニル、または(2-6C)アルキニルであって、これらのいずれかが、フルオロ、(1-6C)アルコキシ、(1-6C)アルキルチオ、(1-6C)アルキルスルフィニル、(1-6C)アルキルスルホニル、または下位の式(i)
    Figure 2007505878
    で示される基で置換されていてもよく;
    mは1、2、または3であり;
    R3とR4は、水素または(1-6C)アルキルから独立的に選択されるか、あるいはR3とR4が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、O、S、SO、SO2、またはNR8(式中、R8は、水素、(1-6C)アルキル、(2-6C)アルケニル、(2-6C)アルキニル、(1-6C)アルキルスルホニル、または(1-6C)アルキルカルボニルである)から選択されるさらなるヘテロ原子を含有してもよい5員もしくは6員の飽和複素環を形成する;
    請求項1に記載のキナゾリン誘導体。
  3. nが1、2、または3である、請求項1または請求項2に記載のキナゾリン誘導体。
  4. nが2または3である、請求項3に記載のキナゾリン誘導体。
  5. nが2である、請求項4に記載のキナゾリン誘導体。
  6. nが3である、請求項4に記載のキナゾリン誘導体。
  7. 各R5基がハロゲノ基である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のキナゾリン誘導体。
  8. 各R5基がクロロとフルオロから選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のキナゾリン誘導体。
  9. ベンゼン環上のオルト位すなわち2-位に位置するR5基を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のキナゾリン誘導体。
  10. オルト位すなわち2-位に位置するR5基がフルオロである、請求項9に記載のキナゾリン誘導体。
  11. 式Iにおける下位の式(ii)
    Figure 2007505878
    の基が下位の式(iii)
    Figure 2007505878
    で示される基であり、このとき(a)R10とR12の一方が水素であり、他方がハロゲノであり、そしてR11がハロゲノであるか、あるいは(b)R10がハロゲノであり、R11がハロゲノであり、そしてR12が水素またはハロゲノから選択されるか、あるいは(c)R10がフルオロであり、R11がクロロであり、そしてR12が水素またはフルオロから選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載のキナゾリン誘導体。
  12. R10とR12の一方が水素であって、他方がフルオロであり、R11がクロロである、請求項11に記載のキナゾリン誘導体。
  13. R10がフルオロであり、R11がクロロであり、R12が水素である、請求項11に記載のキナゾリン誘導体。
  14. R10がフルオロであり、R11がクロロであり、R12がフルオロである、請求項11に記載のキナゾリン誘導体。
  15. X1がOである、請求項1〜14のいずれか一項に記載のキナゾリン誘導体。
  16. R1が、水素、(1-6C)アルキル、および(1-6C)アルコキシ(1-6C)アルキルから選択され、R1中のいずれかの(1-6C)アルキル基が1つ以上のヒドロキシ置換基またはハロゲノ置換基を有していてもよい、請求項1〜15のいずれか一項に記載のキナゾリン誘導体。
  17. R1が、1つ以上のヒドロキシ置換基またはハロゲノ置換基を有していてもよい(1-6C)アルキルから選択される、請求項16に記載のキナゾリン誘導体。
  18. R1-X1-が、水素、メトキシ、エトキシ、および2-メトキシエトキシから選択される、請求項1〜17のいずれか一項に記載のキナゾリン誘導体。
  19. R1-X1-がメトキシである、請求項18に記載のキナゾリン誘導体。
  20. 式IA
    Figure 2007505878
    (式中、R2は、請求項1に記載の通りであり、R10、R11、およびR12は、請求項11〜14のいずれか一項に記載の通りであり、R13は、水素、メトキシ、エトキシ、および2-メトキシエトキシから選択される)で示される、請求項1に記載のキナゾリン誘導体。
  21. 式IB
    Figure 2007505878
    (式中、R2は、請求項1に記載の通りであり、R13は、水素、メトキシ、エトキシ、および2-メトキシエトキシから選択される)で示される、請求項1に記載のキナゾリン誘導体。
  22. 式IC
    Figure 2007505878
    (式中、R2は、請求項1に記載の通りであり、R13は、水素、メトキシ、エトキシ、および2-メトキシエトキシから選択される)で示される、請求項1に記載のキナゾリン誘導体。
  23. R13がメトキシである、請求項20〜22のいずれか一項に記載のキナゾリン誘導体。
  24. R2が(1-6C)アルキル基であって、前記(1-6C)アルキル基が、フルオロ、(1-6C)アルコキシ、(1-6C)アルキルチオ、(1-6C)アルキルスルフィニル、(1-6C)アルキルスルホニル、または請求項1もしくは請求項2に記載の下位の式(i)の基で置換されていてもよい、請求項1〜23のいずれか一項に記載のキナゾリン誘導体。
  25. R2が(1-3C)アルキル基であって、前記(1-3C)アルキル基が、フルオロ、(1-6C)アルコキシ、(1-6C)アルキルチオ、(1-6C)アルキルスルフィニル、(1-6C)アルキルスルホニル、または請求項1もしくは請求項2に記載の下位の式(i)の基で置換されていてもよい、請求項1〜24のいずれか一項に記載のキナゾリン誘導体。
  26. R2が(1-6C)アルキル基であって、前記(1-6C)アルキル基が、請求項1もしくは請求項2に記載の下位の式(i)の基で置換されていてもよい、請求項1〜25のいずれか一項に記載のキナゾリン誘導体。
  27. R2が(1-3C)アルキル基であって、前記(1-3C)アルキル基が、請求項1もしくは請求項2に記載の下位の式(i)の基で置換されていてもよい、請求項1〜26のいずれか一項に記載のキナゾリン誘導体。
  28. R2がメチルである、請求項1〜27のいずれか一項に記載のキナゾリン誘導体。
  29. R2が、請求項1もしくは請求項2に記載の下位の式(i)の置換基を含有する、請求項1〜28のいずれか一項に記載のキナゾリン誘導体。
  30. mが1または2である、請求項29に記載のキナゾリン誘導体。
  31. mが2である、請求項30に記載のキナゾリン誘導体。
  32. mが1である、請求項30に記載のキナゾリン誘導体。
  33. R3とR4が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、利用可能な窒素原子上が(1-3C)アルキルで置換されていてもよいピロリジン環、モルホリン環、ピペリジン環、またはピペラジン環を形成する、請求項29〜32のいずれか一項に記載のキナゾリン誘導体。
  34. R3とR4が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、利用可能な窒素原子上がメチルで置換されていてもよいピロリジン環、モルホリン環、ピペリジン環、またはピペラジン環を形成する、請求項33に記載のキナゾリン誘導体。
  35. R3とR4が、それらが結合している窒素原子と一緒になってピロリジン環を形成する、請求項33または請求項34に記載のキナゾリン誘導体。
  36. R3とR4が(1-3C)アルキルから独立的に選択される、請求項29〜32のいずれか一項に記載のキナゾリン誘導体。
  37. R2が、メチル、2-(ピロリジン-1-イル)エチル、2-(ジメチルアミノ)エチル、2-(ジエチルアミノ)エチル、2-(ピペリジニル)エチル、2-(モルホリン-4-イル)エチル、および2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチルから選択される、請求項1〜36のいずれか一項に記載のキナゾリン誘導体。
  38. R2が2-(ピロリジン-1-イル)エチルである、請求項37に記載のキナゾリン誘導体。
  39. 4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-(メトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
    4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピロリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
    4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-(2-(N,N,-ジメチルアミノ)エトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
    4-(3-クロロ-4-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピロリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
    4-(3-クロロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピロリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
    4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-(メトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
    4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピロリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
    4-(3-クロロ-2,4-ジフルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピペリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
    4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(ピペリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
    4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-6-{[1-{2-(ジエチルアミノ)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-メトキシキナゾリン;
    4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(モルホリン-4-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;および
    4-(3-クロロ-2-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-{[1-{2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エトキシカルボニル}ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン;
    の1種以上から選択される請求項1記載のキナゾリン誘導体、または前記誘導体の医薬として許容されうる塩。
  40. 方法(a) 式II
    Figure 2007505878
    (式中、R1、X1、R5、およびnは、必要に応じていずれかの官能基が保護されていること以外は、請求項1に記載の意味のいずれかを有する)の化合物と、式III
    Figure 2007505878
    (式中、R2は、必要に応じていずれかの官能基が保護されていること以外は、前記した意味のいずれかを有し、Lgは置換可能な基である)の化合物とを反応させる、という方法;
    方法(b) 必要に応じていずれかの官能基が保護されていること以外は、前記した式Iの別のキナゾリン誘導体または前記誘導体の医薬として許容されうる塩中の置換基を変える、あるいは必要に応じていずれかの官能基が保護されていること以外は、前記した式Iの別のキナゾリン誘導体または前記誘導体の医薬として許容されうる塩中に置換基を導入する、という方法;
    方法(c) 式IV
    Figure 2007505878
    (式中、R1、X1、R5、およびnは、式Iに関して記載した通りである)の化合物と、式V
    Figure 2007505878
    (式中、R2は前記した通りであり、Lgは置換可能な基であって、たとえばクロロやブロモ等のハロゲノである)の化合物とを反応させる、という方法;
    方法(d) 式Iのキナゾリン誘導体または前記誘導体の医薬として許容されうる塩から保護基を除去する、という方法;
    方法(e) 前記した式IIの化合物と、LgがOHであること以外は前記した式IIIの化合物とをミツノブ条件(Mitsunobu conditions)下で反応させる、という方法;
    方法(f) R1-X1がヒドロキシ基である場合の式Iの化合物の製造に対しては、R1-X1が(1-6C)アルコキシ基である場合の式Iのキナゾリン誘導体を開裂させる、という方法;
    方法(g) X1がOである場合の式Iの化合物の製造に対しては、式VI
    Figure 2007505878
    (式中、R2、R5、およびnは、必要に応じていずれかの官能基が保護されていること以外は請求項1に記載の意味のいずれかを有する)の化合物と、式R1-Lg(式中、R1は、必要に応じていずれかの官能基が保護されていること以外は、前記した意味のいずれかを有し、Lgは置換可能な基である)の化合物とを反応させる、という方法;
    方法(h) R1が、(1-6C)アルコキシ基、置換(1-6C)アルコキシ基、(1-6C)アルキルアミノ基、または置換(1-6C)アルキルアミノ基を含有する場合の式Iの化合物の製造に対しては、R1が、必要に応じてヒドロキシ基、第一アミノ基、または第二アミノ基を含有する場合の式Iのキナゾリン誘導体をアルキル化する、という方法;
    方法(i) R1が基Tで置換されていて、Tが、(1-6C)アルキルアミノ、ジ-[(1-6C)アルキル]アミノ、(2-6C)アルカノイルアミノ、(1-6C)アルキルチオ、(1-6C)アルキルスルフィニル、および(1-6C)アルキルスルホニルから選択されるという場合の式Iの化合物の製造に対しては、式VII
    Figure 2007505878
    (式中、R2、R5、X1、n、およびmは、必要に応じていずれかの官能基が保護されていること以外は、請求項1に記載の意味のいずれかを有し、R1’は、いずれかのT基がLgで置換されていること以外は前記した基R1であり、Lgは置換可能な基、たとえばクロロやブロモである)の化合物と、式TH(式中、Tは、必要に応じていずれかの官能基が保護されていること以外は前記した通りである)の化合物とを反応させる、という方法;
    方法(j) 式VIII
    Figure 2007505878
    (式中、R1、R2、X1、およびmは、必要に応じていずれかの官能基が保護されていること以外は、請求項1に記載の意味のいずれかを有し、Lgは、前記した置換可能な基である)の化合物と、式IX
    Figure 2007505878
    (式中、R5は、必要に応じていずれかの官能基が保護されていること以外は前記した意味、すなわち本方法(j)に関して上記した意味のいずれかを有する)のアニリンとを反応させる、という方法;
    方法(k) 式X
    Figure 2007505878
    (式中、R5、X1、R1、およびnは、必要に応じていずれかの官能基が保護されていること以外は請求項1に記載した通りであり、Lgは離脱基である)の化合物と、式R2-OH(式中、R2は請求項1に記載した通りである)のアルコールとを反応させる、という方法;または
    方法(l) R2が下位の式(i)の基を含む化合物に対しては、式XI
    Figure 2007505878
    (式中、R1、X1、R5、およびnは前記した通りであり、R15は(1-6C)アルキレン基であり、Lgは離脱基である)の化合物と、式R3R4NH(式中、R3とR4は、上記の下位の式(i)に関して前記した通りである)の化合物とを反応させる、という方法;
    を含み、前記方法のいずれかの後に、保護基が存在する場合は保護基を除去する、請求項1〜39のいずれか一項に記載のキナゾリン誘導体の製造法。
  41. 請求項1〜39のいずれか一項に記載の式Iのキナゾリン誘導体または前記誘導体の医薬として許容されうる塩を、医薬として許容されうる希釈剤またはキャリヤーと関連させて含んだ医薬組成物。
  42. 医薬として使用するための、請求項1〜39のいずれか一項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、または前記誘導体の医薬として許容されうる塩。
  43. 請求項1〜39のいずれか一項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、または前記誘導体の医薬として許容されうる塩の、温血動物において抗増殖作用を生じさせるのに使用するための医薬の製造における使用。
  44. 請求項1〜39のいずれか一項に記載の式Iのキナゾリン誘導体、または前記誘導体の医薬として許容されうる塩を温血動物に投与することを含む、抗増殖作用の生起を必要とする温血動物において抗増殖作用を生じさせる方法。
  45. 請求項40に記載の式VI、VII、X、またはXIの化合物、または前記化合物の塩。
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