JP2007503348A - ２つの引き締め装置を備えたベルトローラ - Google Patents

Abstract

セルフロック式ベルトリトラクタが、ベルトシャフト用に設けられていて特に事故の際に引き外すことができる緊急引き締め装置及びこれ又、ベルトシャフトに連結されていて可逆的に動作する予備引き締め装置として設計されている第２の引き締め装置を有する。本発明は、緊急引き締め装置（１５）が、予備引き締め装置（１１）により生じる回転速度よりも高い回転速度で働くよう設計され、予備引き締め装置（１１）とベルトシャフト（１４）との間の結合装置（１３，１７，２０）が、緊急引き締め装置（１５）を引き外した後、それによりより速い回転運動に設定されたベルトシャフト（１４）が結合装置（１３，１７，２０）をその解除位置に戻し、かくしてベルトシャフト（１４）と予備引き締め装置（１１）との間の結合装置による連結を解除するようになっている。

Description

本発明は、特に事故の場合にトリガできるベルトシャフト用の緊急引き締め装置及びこれまたベルトシャフトに連結された可逆的に動作する予備引き締め装置の形態に設計された第２の引き締め装置を有するセルフロック式ベルトローラであって、第２の引き締め装置は、緊急引き締め装置をトリガしたときに予備引き締め装置によって行なわれる引き締めプロセスを終了させるために設けられているベルトローラに関する。

上述した形式のベルトローラは、日本国特許出願公開第２００２−３２６５５８号公報に記載されている。このベルトローラは、２つの引き締め装置、即ち、第１に駆動装置としての電気モータを備えた可逆的に動作する装置を備えている。この予備引き締め装置は、通常の運転動作において、事故が発生しなくても、車両の強い加速力又は減速力の発生まで着用されているシートベルトを引き締め状態に保つようになっており、ベルトがだらりと垂れ下がる恐れを阻止するようになっている。事故が発生すると、点火（pyrotechnic）駆動式、すなわち、火工駆動式引き締め装置の形態をした別の緊急引き締め装置がトリガされ、それによりベルトシャフトをこれに対応した力及び回転速度で巻回方向に回転させ、車両の乗員をシートに積極的に引き戻すまでベルトの弛みが無いようにしている。

かかる形態の汎用型ベルトローラでは、電気モータの予備引き締め装置が依然として機能しているとき、火工緊急引き締め装置をトリガすることができる限り、２つのベルト引き締め装置に関して調和の問題があり、これにより、２つの引き締め装置が互いに干渉する場合があり、したがって、設置状態の引き締めエネルギが最適には利用されないようになる。この問題を解決するために、電気モータとベルトシャフトとの間の駆動連結の信号制御解除方式が、既に日本国特許出願公開第２００２−３２６５５８号公報に提供されている。

この解決策には、制御技術及び結合設計がそれに対応して複雑であるという欠点がある。一方、火工緊急引き締め装置を判定しなければならない時点を決定しなければならず、しかもこれに対応した信号を処理する必要があり、即ち、ベルトシャフトと予備引き締め装置との間の駆動連結の解除が、これに対応した力伝達方式で既に動作している引き締めプロセスに入るので、包括的な日本国特許出願公開第２００２−３２６５５８号公報に記載されているベルトテンショナに形成された結合装置は、それに応じて複雑である。

日本国特許出願公開第２００２−３２６５５８号公報

したがって本発明は、一般的な特徴を備えたセルフロック式ベルトローラの２つの引き締め装置の駆動効果のオーバラップを簡単な仕方で排除する技術を利用している。

本発明の有利な形態及び別の改造例を含むこの仕事の解決策は、本明細書に添付された特許請求の範囲の内容にある。

本発明の背後にある基本的な技術的思想は、緊急引き締め装置が、予備引き締め装置によって生じる回転速度よりも高い回転速度を有するよう設計され、結合装置が、予備引き締め装置とベルトシャフトとの間に形成されていて、緊急引き締め装置のトリガに続き、それによりより迅速に回転するようにされたベルトシャフトが、結合装置をその解除位置に戻し、したがってベルトシャフトと予備引き締め装置との間の結合装置による連結を解除するようになっている、。利点は、本発明と関連しており、予備引き締め装置をオフにするために設けなければならない特定の制御機構は無く、緊急引き締め装置をトリガしたときに必然的に生じるベルトシャフトの早い回転加速力は、ベルトシャフトと予備引き締め装置との間の結合装置による連結の解除を保証するからである。

本発明の一実施形態によれば、ベルトシャフトと予備引き締め装置との間の結合装置は、固定された仕方でベルトシャフトに連結されていて、内歯を備えた結合ベルと、結合ベルの内歯に係合するようトリガできる予備引き締め装置のテイクオフホイールに設けられた歯付きディスクとを有し、それにより、結合ベルと歯付きディスクの歯は、結合ベルが停止状態にあり又は駆動ホイールをゆっくりと回転させているとき、係止が巻回方向に行なわれ、結合ベルがテイクオフホイールよりも高い速度で回転しているとき、結合ベルの内歯の歯フランクが、割り当てられた歯フランクを備えた歯付きディスクを押して位置合わせ状態から離脱させるように互いに調和している。かかる結合装置による連結方式は、ドイツ国特許第１００５９２２７号明細書において既に知られているが、この特許文献には、特定の歯の幾何学的形状については開示されていない。これに対応して、又、本発明の別の改造例では、歯付きディスクは、テイクオフホイールの輪郭の内側の解除位置と、テイクオフホイールの周囲上に突き出た妨害位置との間でテイクオフホイールに形成された凹部内に摺動自在に配置され、歯付きディスクは、摩擦要素によって解除位置に保持される。

本発明の実施形態によれば、予備引き締め装置は、電気モータを備えるのがよく、緊急引き締め装置は、上述の基本的な日本国特許出願公開において知られている仕方で火工駆動装置を備えるのがよい。

本発明の実施形態は、図面に示されており、以下かかる実施形態について説明する。

図１に示すベルトローラ１０は、単純化された図において、ベルトシャフト１４の配列体及びこのベルトシャフトの駆動装置としての電気モータ１１の形態をした予備引き締め装置を有しており、ベルトローラ配列体及び電気モータ１１は、連結ハウジング１２によって互いに連結されており、この連結ハウジングは、電気モータ１１の駆動運動をこの図には詳細には示されていない歯車装置により伝達してこれをテイクオフホイール１３の回転に代えることができ、それによりテイクオフホイール１３が連結ハウジング１２内に嵌まり込むような仕方で歯車ハウジングとして形成されている。

好ましくは性質的に火工方式である緊急引き締め装置１５は、ベルトシャフト１４に影響を及ぼし、緊急引き締め装置は、それ自体既に知られているベルトテンショナの形態をしているのがよく、公知のボール形引き締め装置の一部品としての引き締めホイールが、符号１６で示されており、この引き締めホイールは、固定された状態でベルトシャフト１４上に載る。内歯を備えた結合ベル１７も又、固定された仕方でベルトシャフト１４に連結され、このベルトシャフトは、テイクオフホイール内に入って依然として説明されるべき結合装置を形成できるような仕方でテイクオフホイール１３の内側付属品２８とオーバラップしている。この結合装置の細部は、図２及び図３で理解できる。

テイクオフホイール１３と結合ベル１７との間の結合装置による連結方式が、図２及び図３に示されている。この目的のため、外歯を備えた歯付きホイール２０が、摺動できるようテイクオフホイール１３に形成された凹部１９内に収納されている。歯付きホイール２０が図２及び図３に示す位置と比較して、外歯２１がテイクオフホイール１３の内側付属品２８の周囲上に突き出るような仕方で内部に押される位置では、歯付きディスク２０の外歯２１は、結合ベル１７の内歯２２と噛み合い、それにより予備引き締め装置のテイクオフホイール１３とベルト１４との間の結合装置による連結が得られるようになっている。図２及び図３に示す位置から外部に向かう歯付きホイール２０の摺動運動を行なわせるためには、図１に符号１８で示した摩擦要素が設けられ、この摩擦要素は、テイクオフホイール１３が回転し始めると、歯付きディスク２０を固定された仕方で保持し、テイクオフホイール１３と摩擦要素１８との間で始まる相対的な運動に基づいて、歯付きホイール２０が上述のドイツ国特許第１００５９２２７号明細書に記載されているように、案内経路２７に沿って外部に向かって押されるようになっている。

図２を参照して電気モータ１１のトリガが行なわれたときの動作シーケンスについて以下に説明し、かかるトリガにより、先ず最初にテイクオフホイール１３を矢印３０の方向に、換言すると時計回りの方向に回転させる。歯付きディスク２０が当初摩擦要素１８の効果に起因してテイクオフホイール１３の凹部１９内に固定状態に保持されているので、歯付きディスク２０のスラスト運動が、矢印２１の方向に案内経路２７に沿って生じ、したがって外歯２１が結合ベル１７の内歯２２と噛み合うようになっている。この構成では、テイクオフホイール１３の回転方向（矢印３０）に差し向けられた外歯２１及び内歯２２のそれぞれの歯フランク２３，２４は、しっかりとした歯の噛み合いが結果として生じるような仕方でほぼ半径方向に差し向けられる。これは、結合ベル１７が矢印３２の方向（時計回りの方向）に駆動され、結合ベル１７とベルトシャフト１４のしっかりとした連結により、ベルトシャフト１４も又、引き締め方向に回転するようになることを意味する。

次に、歯付きディスク２０の歯と結合ベル１７の係合中、火工緊急引き締め装置１５をトリガした場合、結合ベル１７は、矢印３３の方向（時計回りの方向）にこれに対応した大きな回転加速力で回転して結合ベル１７が回転中のテイクオフホイール１３を追い越すようになる。すると、歯フランク２３，２４は、互いに持ち上がり、対応の角度で配置された外歯２１の歯フランク２５及び内歯２２の歯フランク２６は、互いに接触し、これら歯フランクは、回転方向に関し、テイクオフホイール１３の回転速度が低いので、内歯２２の歯フランク２６上で動いている歯フランク２５を備えた歯付きディスク２０がテイクオフホイール１３の凹部１９内に押し込められてテイクオフホイール１３とベルトシャフト１４との間の結合装置による連結が解除されるようになっている。テイクオフホイール１３に対する結合ベル１７の「追い越し操作」に鑑みて、テイクオフホイール１３と結合ベル１７との間においてはそれ以上の力は働かないので、歯付きディスク２０は、支障無くその解除位置に押される。

上述の特許文献の目的の性質、特許請求の範囲、発明の概要及び図面の説明は、種々の実施形態を個々に又互いに任意所望の組合せで本発明の具体化にとって基本的に重要である。

２つの引き締め装置を備えたベルトローラの断面側面図である。 予備引き締め装置とベルトシャフトとの結合関係を拡大断面図で示しており、予備引き締め中における状況を明らかにする図である。 図２と類似した図であり、緊急引き締め中における関係を明らかにする図である。

Claims (5)

1. 特に事故の場合にトリガすることができるベルトシャフト用の緊急引き締め装置と、前記ベルトシャフトに連結された可逆的に動作する予備引き締め装置の形態に設計された第２の引き締め装置とを有するセルフロック式ベルトローラであって、
   前記緊急引き締め装置がトリガされたときに前記予備引き締め装置によって行なわれる引き締めプロセスを終了させるための装置が設けられ、
   前記緊急引き締め装置（１５）は、前記予備引き締め装置（１１）によって生じる回転速度よりも高い回転速度を有するよう設計され、結合装置（１３，１７，２０）が、予備引き締め装置（１１）とベルトシャフト（１４）との間に形成され、前記緊急引き締め装置（１５）のトリガに続き、それによりより迅速に回転するようにされた前記ベルトシャフト（１４）が、前記結合装置（１３，１７，２０）をその解除位置に戻し、したがって前記ベルトシャフト（１４）と前記予備引き締め装置（１１）との間の前記結合装置による連結を解除するようになっている、
   ベルトローラ。
2. 前記ベルトシャフト（１４）と予備引き締め装置（１１）との間の結合装置は、固定された仕方で前記ベルトシャフト（１４）に連結されていて、内歯を備えた結合ベル（１７）と、前記結合ベル（１７）の前記内歯（２２）に係合するようトリガできる前記予備引き締め装置（１１）のテイクオフホイール（１３）に設けられた歯付きディスク（２０）とを有し、前記結合ベル（１７）及び前記歯付きディスク（２０）の歯（２３，２４，２５，２６）は、結合ベル（１７）が、停止状態にあり又はテイクオフホイール（１３）を回転させる結合ベル（１７）よりもゆっくりと回転している場合、妨害が、巻回方向に生じ、前記結合ベル（１７）が、前記テイクオフホイール（１３）よりも高い速度で回転している場合、前記結合ベル（１７）の前記内歯（２２）の歯フランク（２６）が、前記歯付きディスク（２０）を押して割り当てられた前記歯フランク（２６）から離脱させるよう互いに調和している、請求項１記載のベルトローラ。
3. 前記歯付きディスク（２０）は、前記テイクオフホイール（１３）の輪郭の内側の解除位置と、前記テイクオフホイール（１３）の前記周囲上に突き出た妨害位置との間で前記テイクオフホイール（１３）に形成された凹部（１９）内に摺動自在に配置され、前記歯付きディスクは、摩擦要素（１８）によって前記解除位置に保持される、請求項２記載のベルトローラ。
4. 前記予備引き締め装置は、駆動装置として逆に作動する電気モータ（１１）を備える、請求項１〜３のうちいずれか一項に記載にベルトローラ。
5. 前記緊急引き締め装置（１５）は、火工駆動装置を備えている、請求項１〜４のうちいずれか一項に記載のベルトローラ。

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