JP2007502114A - 改良されたグルコースデヒドロゲナーゼポリペプチドおよび関連ポリヌクレオチド - Google Patents

改良されたグルコースデヒドロゲナーゼポリペプチドおよび関連ポリヌクレオチド Download PDF

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Abstract

本発明は、中心的野生型グルコースデヒドロゲナーゼポリペプチドと比較して、増強されたGDH活性および/または熱安定性を有する、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)に関する。さらに、本発明は、本発明のGDHポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、上記ポリヌクレオチドを含有する核酸配列、プロモーターに作動可能に連結したポリヌクレオチドを包含する発現ベクター、GDHポリペプチドを発現するように形質転換された宿主細胞および本発明のGDHポリペプチドを産生する方法。

Description

(発明の分野)
本発明は、酵素学の分野、特にグルコースデヒドロゲナーゼ酵素学に関する。より詳細には、本発明は、改良酵素活性(即ち、高い基質ターンオーバー)、安定性を有するグルコースデヒドロゲナーゼポリペプチドおよび改良グルコースデヒドロゲナーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに関する。本発明は、グルコースデヒドロゲナーゼポリペプチドが、酸化酵素または還元酵素と共役して、高収率で合成有機化学品または前駆体を産生し得るので有用である。
(発明の背景)
グルコースデヒドロゲナーゼ[EC.1.1.1.47]または「GDH」は、β−グルコースおよびニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)のグルコノラクトンンおよび還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドへの反応を触媒する。NADは、この反応において補因子としての役目を果たし、そしてNADPの形態でリン酸化され得る。GDHは、臨床検査および食品産業において使用される重要な酵素である。GDHはまた、化学的変換のための触媒として使用され、アルデヒドおよびケトンなどの酵素的カルボニル還元においてNADHおよびNADPHの再生において役目を果たす。
Bacillus種は、GDHの優れた供給源である。B.megaterium M1286は、均質なまでに精製され、そして緩衝条件に依存し8.0〜9.0の最適pHを有する30,000DAのサブユニットのホモテトラマーであることがわかった。その酵素は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)またはニコチンアミドアデニンンジヌクレオチドリン酸(NADP)のいずれかを補因子として使用する(Pauly H.E.およびPfleiderer G.、Hoppe Seylers Z.Physiol.Chem.1975 356:1613〜23)。Cryptococcus uniguttulatus Y 0033由来の酵素は、6.0〜8.0の最適pH、55℃の最適温度および110kDaの分子量を有する(米国特許第4,877,733号)。Pseudomonas sp.FH1227由来の酵素は、8.5〜9.5の最適pH、55℃の最適温度および101kDaの分子量を有する(米国特許第5,298,411号)。
市販のGDHは、主に微生物由来である。最初は、GDHは、天然宿主の生物体(例えば、B.megaterium ATCC39118(米国特許第4,542,098号)、Bacillus cereus DSM 1644(US4397952)、Cryptococcus uniguttulatus Y 0033(米国特許第4.877,733号)およびPseudomonas sp. FH1227(米国特許第5,298,411号)の発酵により産生された。それ以降は、GDHをコードする遺伝子が同定され、クローンニングされ、そしてEscherichia coliのような異種宿主において発現された。
Bacillus subtilis 61297 GDH遺伝子は、E.coliで発現され、そしてその天然宿主で産生される酵素と同じ物理化学的性質を示した(Vasanthaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1983 80:785)。B.SubtilisGDH遺伝子の遺伝子配列が、Lampel、K.A.、Uratani、B.、Chaudhry、R.、Ramaley、R.F、およびRudikoff S.、「Characterization of the developementally regulated Bacillus subtilis glucose dehydrogenase gene」、J.Bacteriol.166、238〜243(1986)およびYamane、K.、Kumano、M.およびKurita、K.、「 The 25 degrees−36 degrees region of the Bacillus subtilis chromosome:determination of the sequence of a 146kb segment and identification of 113 genes」、Microbiology 142(Pt 11)、3047〜3056(1996)により報告され、そして登録番号M12276およびD50453で、Genbankにおいて見出される。
同様に、B.cereus ATCC14579(Nature 2003 423:87〜91;Genbank 登録番号AE017013)およびB.megaterium(Eur.J.Biochem.1988 174:485〜490、Genbank Acc.No.X12370;J.Ferment.Bioleng.1990 70:363〜369、Genbank 登録番号D90044)由来のGDHの遺伝子配列が、測定された。B.subtilis由来のGDH酵素とB.megaterium由来のGDH酵素とは、ほぼ85%の相同性である(J.Theor.Biol.1986、120:489〜497)。
GDH酵素が、限られた安定性に問題があることは十分立証されてきた。RamaleyおよびVasanthaは、抽出緩衝液および精製緩衝液中のグリセロールの存在が、B.subtilis由来のGDHの安定性維持には絶対に必要であることを報告した(J.Biol.Chem.1983 258:12558〜12565)。上記酵素の安定性は、テトラマーのそのモノマーへの解離に大きく起因し得る。その解離は、pHおよびイオン強度のような環境因子により制御される平衡プロセスである(MaurerおよびPfleiderer、Z.Naturforsh.1987 42:907〜915)。これでB.magateriumのような他のBacillus sp由来のGDHの単離および研究につながった。例えば、米国特許第5,114,853号および同第5,126,256号およびBaikら Appl.Microbiol.Biotechnol.2003 61:329〜335は、高い熱安定性を示し、かつ組換えE.coli宿主で産生され得るB.megateriumおよびその変異体由来のGDHをコードする遺伝子を記載している。しかしながら熱安定性が高いだけでなく酵素活性も高いGDH酵素の工業的必要性は依然として存在する。上で参考としている刊行物および特許、および本明細書で参考としている全ての他の刊行物および特許は、これによって全体として本明細書に参考として援用される。
(発明の要旨)
本発明は、複数の局面を有する。1つの局面では、本発明は、配列番号2の野生型GDHの少なくとも1.5倍、典型的には1.5〜約25倍、より典型的には1.5〜約11培のGDH活性(実施例4の方法により決定される)を有するポリペプチドに関し、そして、以下からなる群より選択される:
(a)配列番号54、74、84、160、164または168のアミノ酸配列と少なくとも91%の相同性、好ましくは少なくとも95%の相同性、そしてより好ましくは少なくとも98%の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド(以降「相同性ポリペプチド」という);
(b)(i)配列番号53、73、83、159、163または167のヌクレオチド配列、(ii)少なくとも100ヌクレオチドの(i)の部分配列、または(iii)(i)もしくは(ii)の相補鎖のいずれかと中程度のストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるポリペプチド(J.Sambrook、E.F.FritschおよびT.Maniatis、1989、Molecular Cloning、A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor、N.Y.);
(c)1〜6のアミノ酸の置換、欠失および/または挿入を含む、配列番号54、74、84、160、164または168のポリペプチドの改変体;
(d)配列番号2の野生型GDHの1.5〜約11倍のGDH活性を有する(a)、(b)または(c)のフラグメント;および
(e)50℃およびpH7での20分間のインキュベーション後、初期のGDH活性の80%より高い活性を保持する(a)、(b)または(c)のポリペプチド。
一つの実施形態では、本発明はまた、本明細書で記載されているように単離されそして精製された形態の改変体GDHポリペプチドに関する。別の実施形態では、本発明は本明細書に記載されているように凍結乾燥された形態の改変体GDHポリペプチドに関する。さらに別の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されているような改変体GDHポリペプチドおよび適切なキャリア、典型的には緩衝液、より典型的にはpH6.0〜8.0を有する緩衝溶液を含有する組成物に関する。
本発明の新規なGDHポリペプチドは、配列番号2のB.subtilis由来の中心的GDHポリペプチドに比較して高いGDH活性を有し、そして典型的には配列番号2と1個〜7個のアミノ酸残基、より典型的には1個〜6個のアミノ酸残基、さらにより典型的には1個〜5個のアミノ酸残基、そして最も典型的には1個〜4個のアミノ酸残基が異なる。本発明の目的のために、2つのアミノ酸配列の相同性の程度は、Needleman Wunschグローバルアラインメントアルゴリズム、即ち、導入ギャップ(introducing gap)=−22.183および伸長ギャップ(extending gap)=−1.396のギャップペナルティを有するGlobal Alignment Scoring Matrix:PAM 120マトリックスのための動的計画法アルゴリズムを使用して決定された。第1の配列と第2配列との同一性%=同一残基の数を、部分一致を示すアライメント(ギャップを有する)(p)における第1配列の長さで割ったものと等しい。Needleman、S.B.& Wunsch、C.D.「A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequence of two proteins」Journal of Molecular Biology、48:443〜453(1970)を参照のこと。
置換されてGDH活性および熱安定性が増強するB.subtilis GDHポリペプチドの種々の残基位置が、本明細書の表1にまとめられている。GDH活性および50℃での熱安定性が増強することが例証されている本発明のGDHポリペプチドは本明細書に以下に記載されている。
Figure 2007502114
本発明の別のGDHポリペプチド(配列番号52)は、配列番号51のポリヌクレオチドによりコードされているが、B.megaterium由来GDH(配列番号4)のアミノ酸に基づいており、6つのアミノ酸残基が異なる。
好ましい実施形態では、本発明は、配列番号2の野生型グルコースデヒドロゲナーゼと比較して増強されたグルコースデヒドロゲナーゼ活性および/または増強された熱安定性を有する、配列番号54、74、84、160、164および168の新規なグルコースデヒドロゲナーゼに関する。
さらに別の実施形態では、本発明は、グルコースデヒドロゲナーゼ活性を有し、かつ配列番号52と少なくとも84%の配列同一性を有するGDHポリペプチド;配列番号72と少なくとも98%の配列同一性を有するGDHポリペプチドおよび配列番号58と少なくとも98%の配列同一性を有するGDHポリペプチドからなる群より選択されるポリペプチドに関する。
第2の局面では、本発明は、対応する参考GDHポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに関する。遺伝子コードの縮重が与えられる場合、本発明はまた、本発明の上記参考GDHポリペプチドをコードする全てのポリヌクレオチドに関する。別の好ましい実施形態では、本発明は配列番号54、74、84、160、164および168の新規なグルコースデヒドロゲナーゼを、それぞれコードする配列番号53、73、83、159、163および167のある特定のポリヌクレオチドに関する。
第3の局面では、本発明は、プロモータと作動可能に連結した本発明のGDHポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を包含する、核酸構築物、ベクターまたは宿主に関する。
第4の局面では、本発明は、本発明のGDHポリペプチドを作製する方法であって、(a)上記ポリペプチドを産生するのに適切な条件下で本発明のGDHポリペプチドをコードする核酸配列を含有する核酸構築物を包含する宿主細胞を培養する工程;および上記ポリペプチドを回収する工程からなる、GDHポリペプチドを作製する方法に関する。
前述の概要および以下の本発明の特定の実施形態の詳細な説明は、添付図と共に読まれる場合、より理解される。本発明の例示を目的として、図、特定の実施形態が示される。しかしながら本発明は添付の図に示されるような配列および手段に限定されないと解釈されるべきである。
(発明の詳細な説明)
本発明は、複数の局面を有する。1つの局面では、本発明は、配列番号2の野生型GDHの少なくとも1.5倍、典型的には1.5〜約25倍、より典型的には1.5〜約11培のGDH活性(例えば、実施例4の方法により決定される)を有するポリペプチドに関し、そして、以下からなる群より選択される:
(a)配列番号54、74、84、160、164または168のアミノ酸配列と少なくとも91%の相同性、好ましくは少なくとも95%の相同性、より好ましくは少なくとも98%の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド(以降「相同性ポリペプチド」という);
(b)(i)配列番号53、73または83のヌクレオチド配列、(ii)少なくとも100ヌクレオチドの(i)の部分配列、または(iii)(i)もしくは(ii)の相補鎖のいずれかと中程度のストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるポリペプチド(J.Sambrook、E.F.FritschおよびT.Maniatis、1989、Molecular Cloning、A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor、N.Y.);
(c)1個〜6個のアミノ酸の置換、欠失および/または挿入を含む、配列番号54、74、84、160、164または168のポリペプチドの改変体;
(d)配列番号2の野生型GDHの1.5〜約11倍のGDH活性を有する(a)、(b)または(c)のフラグメント;および
(e)50℃およびpH7での20分間のインキュベーション後、初期のGDH活性の80%より高い活性を保持する(a)、(b)または(c)のポリペプチド。
他に注釈しない限り、本明細書の全体で使用される場合、用語「同一性パーセント」「同一性%」「同一のパーセント」および「同一の%」は、Needleman Wunschグローバルアラインメントアルゴリズムを使用して即ち、導入ギャップ=−22.183および伸長ギャップ=−1.396のギャップペナルティを有するGlobal Alignment Scoring Matrix:PAM 120マトリックスのための動的計画法アルゴリズムを使用して)決定される、アミノ酸配列同一性パーセントを本明細書でいうのに、互換的に使用される。同一性%=第1の配列と第2配列との間の同一残基の数を、部分一致を示すアライメント(ギャップを有する)(p)における第1配列の長さで割ったもの。Needleman、S.B.& Wunsch、C.D.「A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequence of two proteins」Journal of Molecular Biology、48:443〜453(1970)を参照のこと。
本明細書で使用される場合、用語「グルコースデヒドロゲナーゼ」および「GDH」は、グルコースとニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)が、グルコノラクトンと還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)へ変換するのを触媒する能力を有するポリペプチドを本明細書でいう時に互換的に使用される。代替的に、リン酸化された補因子NADPおよびNADPHは、上記の反応においてNADとNADHとに置き換わり得る。本質的には、GDHは、ホモテトラマーとなって、緩く一緒に保持される4個のサブユニットからなる。野生型B.megaterium GDHポリペプチド(配列番号4)の結晶構造(Yamamotoら、J.Biochem.2001 129:303〜312)に基づいて、上記ポリペプチドの188〜217の残基が、NADおよびグルコース結合に関与しているタンパク質ループ領域を規定する。
使用される場合、本発明の増強されたGDHポリペプチドは、還元型補因子の連続的な供給源を提供する補因子再生系として、好ましくは合成反応と共役される(図1を参照のこと)。本明細書に使用される場合、用語「補因子」とは、目的とする反応を触媒する酵素との組合せにより作動する非蛋白性化合物をいう。本発明のGDHポリペプチドと一緒に用いられる適切な補因子としては、NADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)およびNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)が挙げられる。
用語「補因子再生系」とは、本明細書では、使用された補因子を反応前の状態に再生し戻す反応に関与する一連の反応体をいう。例としては、例えばNADPからNADPHへ、酸化型補因子再生の還元型補因子への再生をいう。その還元された(再生された)補因子は、次いで基質と還元酵素のような酵素との反応に関与し、還元型基質および酸化型(使用済みの)補因子を産生することができ、それは再び、補因子再生系によって再生され得る。上記のグルコース/グルコースデヒロゲナーゼ補因子再生系の上述の作動は、図1に例示される。
図1において、還元酵素により触媒される反応はグルコースデヒドロゲナーゼ補因子再生系と共役されるように示される。用語「共役される」は、基質の還元における補因子の還元型形態の使用および、同じ補因子の還元型形態を生成する補因子再生系の成分(例えば、グルコース)の酸化において、上述の反応で生成される同じ補因子の酸化型形態の同時使用をいう。共役系における全体的な反応速度において1つの考えられる制限因子は、補因子再生におけるGDHポリペプチドの速度(活性)である。
本発明のGDHポリペプチドは、配列番号2のB.subtilis由来の中心的なGDHポリペプチドの1.5倍〜約11倍を超える増強されたGDH活性(実施例4の方法により測定される)を有し、典型的には配列番号2と、1個〜7個のアミノ酸残基、より典型的には1個〜6個のアミノ酸残基、さらにより典型的には1個〜5個アミノ酸残基、そして最も典型的には1個〜4個のアミノ酸残基が異なる。好ましくは、本発明のGDHポリペプチドは、配列番号2のB.subtilis由来の中心的なGDHポリペプチドの2.5〜約11倍を超える増強したGDH活性を有した。より好ましくは、本発明のGDHポリペプチドは、50℃で20分間の加熱処理後に、配列番号2のB.subtilis由来の中心的なGDHポリペプチドの1.5倍〜約15倍を超えるGDH活性である増強された熱安定性を有した。熱安定性は、GDHポリペプチドの50℃で20分間の加熱処理後保持される残存するGDH活性(例えば、実施例4の方法によって)を測定して決定される。
増強したGDH活性および/または50℃での熱安定性を示した本発明の多くのGDHポリペプチドのアミノ酸配列を以下に開示する。
Figure 2007502114
さらに別の局面では、本発明は、共役反応において増強された活性を有するGDHポリペプチドに関する。
別の実施形態では、本発明は(i)配列番号53、73、83、159、163または167のヌクレオチド配列、(ii)少なくとも100ヌクレオチドの(i)の部分配列、または(iii)(i)もしくは(ii)の相補鎖のいずれかと中程度のストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるGDHポリペプチド(J.Sambrook、E.F.FritshおよびT.Maniatis、1989、Molecular Cloning、A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor、N.Y.)に関する。長さが少なくとも100ヌクレオチドのポリヌクレオチドに関して、低いストリンジェントな条件から非常に高いストリンジェントな条件が、5xSSPE、0.3%SDS、200mμg/mlの剪断され、かつ変性したサケ精子DNA中で、低いストリンジェンシーに対しては25%ホルムアミド、中程度および中程度から高いストリンジェンシーに対しては、35%のホルムアミド、または高いおよび非常に高いストリンジェンシーに対しては50%ホルムアミドのいずれかで、42℃での予備ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーション、引き続く標準的なサザンブロッティング手順として規定される。
長さが少なくとも100のヌクレオチドのポリヌクレオチドに関して、上記キャリア物質は最終的に、2xSSC、0.2%SDSを使用して、少なくとも50℃(低ストリンジェンシー)で、少なくとも55℃(中ストリンジェンシー)で、少なくとも60℃(中高ストリンジェンシー)で、少なくとも65℃(高ストリンジェンシー)そして少なくとも70℃(極高ストリンジェンシー)で、15分間ずつ3回洗浄される。
別の実施形態では、本発明は、配列番号2の野生型GDHから1個〜6個のアミノ酸の置換、欠失および/または挿入を有し、野生型GDHの1.5〜約11倍のGDH活性(例えば、実施例4の方法で決定される)を有する、配列番号54、74、84、160、164および168のポリペペプチドの改変体に関する。好ましくは、アミノ酸変化は、以下のような小さな性質のものである:そのタンパク質のフォールディングおよび/もしくは活性にそれ程影響しない保存的なアミノ酸置換;典型的には1個〜6個のアミノ酸の小さな欠失;アミノ末端もしくはカルボキシ末端の小さな伸長;小さなリンカーペプチド;または総電荷もしくはポリヒスチジン領域、抗原エピトープもしくは結合ドメインのような他の機能を変化させることにより精製を容易にする小さな伸長である。
保存的置換の例としては、塩基性アミノ酸群(アルギニン、リジンおよびヒスチジン)、酸性アミノ酸群(グルタミン酸、アスパラギン酸)、極性アミノ酸群(グルタミンおよびアスパラギン)、疎水性アミノ酸群(ロイシン、イソロイシンおよびバリン)、芳香族アミノ酸群(フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシン)ならびに小アミノ酸群(グリシン、アラニン、セリン、スレオニン、プロリン、システインおよびメチオニン)の範囲内である。特定の活性をあまり変化させないアミノ酸置換は、当該分野では公知であり、例えば、H.NeurathおよびR.L.Hill、1979、In The Proteins、Academic Press、New Yorkに記載されている。通常最もよくある交換は、Ala/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Tyr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/GluおよびAsp/Glyならびにこれらの逆である。
別の実施形態では、本発明は、例えば、実施例4に記載の方法により測定される、配列番号2の野生型GDHの1.5倍〜約11倍のGDH活性を有する、上述の発明の詳細な説明の第1パラグラフに記載のフラグメント(a)、(b)または(c)のフラグメントに関する。用語「フラグメント」とは、そのポリペプチドがカルボキシ末端、アミノ末端またはその両方から1個〜10個のアミノ酸残基の欠失を有することを意味する。好ましくは、欠失がカルボキシ末端から1個〜10個の欠失、さらに好ましくは、欠失がカルボキシ末端から1個〜5個の欠失である。
さらに別の実施形態では、本発明は、上述の発明の詳細な説明の第1パラグラフに記載の(a)、(b)または(c)のGDHポリペプチドであって、50℃およびpH7での20分間のインキュベーション後、初期の(インキュベーション前の)GDH活性の80%より高い活性を保持するGDHポリペプチドに関する。好ましくは、本発明のポリペプチドは、50℃およびpH7での20分間のインキュベーション後、初期活性の少なくとも85%の残留活性、より好ましくは少なくとも90%の残留活性を保持する。上記初期GDH活性は、例えば、本明細書の実施例4に記載されるようにGDH活性のアッセイにより容易に測定される。
本発明の別のGDHポリペプチド(配列番号52)は、B megaterium由来のGDHポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号4)に基づき、6個のアミノ酸残基によりそれらと異なる。本GDHポリペプチドは、配列番号51のポリヌクレオチドによりコードされる。
さらに別の実施形態では、本発明は、グルコースデヒドロゲナーゼ酵素活性を有し、配列番号52と少なくとも84%の配列同一性を有するGDHポリペプチド、配列番号72と少なくとも98%の配列同一性を有するGDHポリペプチド、および配列番号58と少なくとも98%の配列同一性を有するGDHポリペプチドからなる群より選択されるポリペプチドに関する。これらの同一パーセントは、ClustalW分析(European Bioinfomatics Institute、Cambridge、UKから入手可能なバージョンW8.1)(アラインメントの中で同一一致の数を数え、同一一致のその数を参照配列の長さで割って、そして以下のデフォルトのClustalWパラメータを使用する:緩徐/正確なペア最適アラインメント−ギャップオープンペナルティ:10;ギャップ伸長ペナルティ:0.10;タンパク質重量マトリックス:Gonnetシリーズ;DNA重量マトリックス:IUB;Toggle Slow/Fastペアアラインメント=SLOWまたはFULLアラインメント)により得られた。
(ポリヌクレオチド)
第2の局面では、本発明は、本発明のGDHポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列に関する。遺伝子コードの縮重が与えられる場合、本発明はまた、本発明の上記参照GDHポリペプチドをコードする全てのポリヌクレオチドに関する。好ましい実施形態では、本発明は、配列番号54、74、84、160、164および168の新規なグルコースデヒドロゲナーゼポリペプチドを、それぞれコードする配列番号53、73、83、159、163および167のある特定のポリヌクレオチドに関する。
本発明の改良されたGDHポリペプチドを作製するために、GDHポリペプチドをコードする1以上の野生型ポリヌクレオチドから始める。用語「野生型」ポリヌクレオチドは、上記核酸フラグメントが天然から単離された形態からいかなる変異も含まないことを意味する。用語「野生型」タンパク質とは、そのタンパク質が、天然に見出された活性レベルで活性であり、典型的には天然に見出されたアミノ酸配列を含むことを意味する。このように、用語「野生型」または「親配列」とは、本発明の操作を行う前の出発配列または参照配列を指す。
改良されるべき出発物質としての野生型GDHの適切な供給源は、本明細書に記載されているGDH活性についてゲノムライブラリーをスクリーニングすることにより容易に同定される。例えば、実施例4を参照のこと。GDHの特に適切な供給源としては、天然に見出されるBacillus種の細菌である。実施例1を参照のこと。公開されたB.subtilis(例えば、EP955375)およびB.megaterium(例えば、米国特許第5,114,853号)のグルコースデヒドロゲナーゼの遺伝子配列を使用して、それぞれの遺伝子ライブラリーから遺伝子を増幅するためのプライマーが、従来技術を使用して作製され、上記プライマーは、以下の配列を有する。
Figure 2007502114
B.subtilisおよびB.megaterium由来の遺伝子の適切な部分を増幅する従来のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)においてフォーワードプライマーおよびリバースプライマーのプライマー対を使用して、いくつかのPCR産物が得られた。それぞれのPCR産物を発現ベクターにクローニングし、lacプロモータの後ろに作動可能に連結した。GDH活性について、クローンをスクリーニング(例えば、実施例4のアッセイによる)する際に、いくつかのクローンが活性型GDHを発現することが分かり、これらの遺伝子が配列分析された。S06−3として設計され、公開されたBacillus subtilis GDH(配列番号2)と同一のGDHポリペプチドをコードする第1のDNA配列(配列番号1)が、Bacillus subtilisから得られた。M02−6として設計され、公開されたBacillus megaterium GDH(配列番号4)と98.5%同一であるGDHポリペプチドをコードする第2のDNA配列(配列番号3)が、Bacillus megateriumから得られた。これらのDNA配列は、本発明の改良されたポリペプチドおよびポリヌクレオチドを開発するための出発物質として利用された。
上述のPCRプライマーに加えて、異なる長さの他のPCRプライマーは、同様に使用され得る。例えば、Innisら、1990、PCR:A Guide to Methods and Application、Academic Press、New Yorkを参照のこと。リガーゼ連鎖反応(LCR)、連結活性化転写(LAT)および核酸配列ベースの増幅(NASBA)などの他の従来の核酸増幅手順が使用され得る。
一度、適切な出発物質が同定されると、未知のグルコースデヒドロゲナーゼ活性を有する非天然および変異された酵素ならびに/または進化酵素は、周知の変異誘発または指向性進化法(directed evolution method)のいずれか1つを使用して容易に生成される。
Figure 2007502114
これらの方法のいずれも、GDHポリヌクレオチドを生成するために使用され得る。いかなる多様性をも最大化するために、上述の技術のいくつかは、連続的に使用され得る。典型的には、種々のポリヌクレオチドのライブラリーは、変異誘発、進化技術により作製されそしてそれらの発現産物は、細孔のGDH活性を有するポリペプチドを見出すためにスクリーニングされる。次いで、第2変異誘発または進化技術が、第2ライブラリーを作製するためにもっとも活性の高いポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに適用され、そして同じ方法により、順次スクリーニングされる。変異およびスクリーニングのプロセスは、点変異の挿入を含め、所望の活性、熱安定性および補因子選択性を有するポリペプチドをコードするポリペプチドリンヌクレオチドに到達するために、必要なだけ何度も繰り返され得る。
代替的に、本発明のポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドは、公知の合成法に従って標準的な固相法により調整され得る。典型的には、約100塩基までのフラグメントは個別に合成され、次いで任意の所望の連続配列を本質的に形成するために、結合される(例えば、酵素的結合法、化学合成法またはポリメラーゼ介在法により)。例えば、本発明のポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドは、例えば、Beaucageら、(1981)Tetrahedron Letters 22:1859〜69に記載されている古典的なホスホルアミド法、またはMatthesら、(1984)EMBO J.3:801〜05に記載されている方法(例えば典型的には自動合成法で実施される)を使用して化学合成で調製され得る。ホスホルアミド方に従って、オリゴヌクレオチドは合成され得る。例えば自動DNAシンセサイザーで合成され、精製され、アニールされ、結合されそして適切なベクターにクローニングされる。
さらに、本質的にいかなる核酸もThe Midland Certified Reagent Company、Midland、TX、The Great American Gene Company(Ramona、CA)、ExpressGen Inc.、Chicago、IL、Operon Technologies Inc.(Alameda、CA)などのような種々の任意の業者からカスタム注文され得る。同様にペプチドおよび抗体は、PeptidoGenic(pkim@ccnet.com)、HTI Bioproducts、Inc.(http://www.htibio.com)、BMA Biomedicals Ltd.(U.K.)、Bio.Synthesis、Inc.などの種々の任意の業者からカスタム注文され得る。
ポリヌクレオチドはまた、技術文献に記載の周知の技術により合成され得る。Carruthersら、Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.47:411〜418(1982)、およびAdamsら、J.Am.Chem.Soc.105:661(1983)を参照のこと。次いで2重鎖DNAフラグメントは、相補鎖を合成して適切な条件下で一緒に鎖をアニーリングするか、または適切なプライマー配列を有するDNAポリペプチドリマラーゼを使用して相補鎖を添加するかのいずれかにより、得られ得る。
Figure 2007502114
遺伝子コードの縮重により、本発明のGDHポリペプチドをコードする多数のヌクレオチド配列が産生され得、そのいくつかは、本明細書で明確に開示される核酸配列と実質的同一性を有することが当業者に理解される。
本ケースでは、いくつかのラウンド1番ライブラリーが、種々の変異誘発技術を、PCRにより得られたように、B.subtilis gdh遺伝子(配列番号1)のコード領域またはB.megaterium gdh遺伝子(配列番号3)のコード領域に適用することにより作製された。
GDHをコードする改変体遺伝子の発現を得るために、その改変体遺伝子は、例えば、発現ベクターまたは発現カセットのような核酸構築物を作製する遺伝子発現を制御する1以上の異種制御配列に最初に作動可能に連結された。その後、発現ベクターまたは発現カセットのような、得られた核酸構築物は、配列を入れ換えられた遺伝子によりコードされるGDHポリペプチドの究極の発現のための適切な宿主細胞に挿入された。「核酸構築物」とは、本明細書において、天然に存在する遺伝子から単離されるか、または天然には存在しない様式で組み合わされそして並べられた核酸の断片を含むように改変された、1重鎖または2重鎖のいずれかの核酸分子として定義される。このように、1つの局面では、本発明は、本発明のGDHポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有する核酸構築物に関する。
用語「核酸構築物」は、核酸構築物が、本発明のコード配列の発現に必要な全ての制御配列を含有する場合、用語「発現カセット」と同義である。用語「コード配列」とは、本明細書において、そのタンパク質産生物のアミノ酸配列を直接的に特定する、核酸配列として定義される。ゲノムコード配列の境界は一般的に、mRNAの5’末端におけるオープンリーディングフレームの丁度上流に位置するリボソ−ム結合部位(原核細胞)またはATG開始コドン(真核細胞)およびmRNAの3’末端におけるオープンリーディングフレームの丁度下流に位置する転写終結配列により決定される。コード配列としては、DNA、cDNAおよび組換え核酸配列が挙げられ得るが、これらに限定されない。
本発明のGDHポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドは、上記ポリペプチドの発現を提供する種々の方法で操作され得る。ベクターに挿入する前の、上記の単離されたポリヌクレオチドの操作は、発現ベクターに依存して望ましいか、または必要であり得る。組換えDNA法を使用して、ポリヌクレオチドおよび核酸配列を改変するための技術は、当業者には周知である。
用語「制御配列」は、本明細書では、本発明のポリペプチドの発現に必要なまたは有利な全ての成分を含むと定義される。各制御配列は、上記ポリペプチドをコードする核酸配列と同じ起源でも、外来性でも良い。そのような制御配列としては、リーダー配列、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター配列、シグナルペプチド配列および転写停止配列が挙げられるが、限定されない。最低限で、制御配列としては、プロモーターシグナル、転写シグナルおよび転写終結シグナルが挙げられる。上記制御配列は、制御配列とポリペプチドをコードする核酸配列のコード領域と結合するのを容易にする特定の制限部位を導入するためのリンカーと共に提供され得る。
用語「作動可能に連結」とは、制御配列が、制御配列がポリペプチドの発現に向くように、上記DNA配列をコードする配列に関連する位置に適切に配列される配置として、本明細書で定義される。
上記制御配列は、適切なプロモーター配列であり得る。上記「プロモーター配列」は、後に続くより長いコード領域の発現のための宿主細胞により認識される、相対的に短い核酸配列である。上記プロモーター配列は、上記ポリペプチドの発現を媒介する、転写制御配列を含有する。上記プロモーターは、変異体プロモーター、短縮されたプロモーターおよびハイブリッドプロモーターを含む、選択された宿主細胞において、転写活性を示す任意の核酸配列であり得、そしてその宿主細胞に相同性か、もしくは非相同性のいずれかである細胞外ポリペプチドまたは細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から獲られ得る。
細菌宿主細胞にとって、本発明の核酸構築物の転写を導くのに適切なプロモーターとしては、以下から得られるプロモーターが挙げられる:
Figure 2007502114
糸状菌宿主細胞にとって本発明の核酸構築物の転写を導くのに適切なプロモーターとしては、以下の遺伝子から得られるプロモーターが挙げられる:
Figure 2007502114
酵母宿主において、有用なプロモーターは以下の遺伝子から得られる:
Figure 2007502114
上記制御配列はまた、適切な転写終結配列で、転写を終結する宿主細胞により認識される配列であり得る。上記終結配列は、上記ポリペプチドをコードする核酸配列の3’末端に作動可能に連結される。選択された宿主で機能的である、任意のターミネーターは、本発明に使用され得る。
糸状菌宿主細胞にとって、好ましいターミネーターは、以下の遺伝子から得られる:
Figure 2007502114
上記制御配列はまた、適切なリーダー配列、宿主細胞による翻訳に重要なmRNAの非翻訳領域であり得る。上記リーダー配列は、上記ポリペプチドをコードする核酸配列の5’末端に作動可能に連結される。選択された宿主細胞において機能がある、任意のリーダー配列は、本発明で使用され得る。糸状菌宿主細胞の好ましいリーダー配列は、以下の遺伝子から得られる:
Figure 2007502114
上記制御配列はまた、ポリアデニル化配列(上記核酸配列の3’末端に作動可能に連結され、それが転写される場合、転写されるmRNAにポリアデノシン残基を加えるシグナルとして宿主細胞に認識される、配列)であり得る。選択された宿主細胞において機能性である、任意のポリアデニル化配列は本発明で使用され得る。糸状菌宿主細胞において、好ましいポリアデニル化配列は、以下の遺伝子から得られ得る
Figure 2007502114
上記制御配列はまた、ポリペプチドのアミノ末端に連結されるアミノ酸配列をコードし、そしてコードされたそのポリペプチドを細胞分泌経路に向けるシグナルペプチドコード領域であり得る。上記核酸配列のコード配列の5’末端は、分泌されるポリペプチドをコードするコード領域の断片を有する翻訳リーディングフレームにおいて天然に連結されているシグナルペプチドコード領域を、固有に含み得る。あるいは、上記コード配列の5’末端は、上記コード配列とは、異なる外来性のシグナルペプチドコード領域を含み得る。上記外来性のシグナルペプチドコード領域は、上記コード配列が、天然にシグナルペプチドコード領域を含まない場合、要求され得る。
あるいは、外来性シグナルペプチドコード領域は、上記ポリペプチドの分泌を高めるために天然のシグナルペプチドコード領域に単に代わり得る。しかしながら、選択された宿主細胞の分泌経路に発現ポリペプチドを向ける、任意のシグナルペプチドコード領域が、本発明において使用され得る。
細菌宿主細胞にとって効果的なシグナルペプチドコード領域は、以下の遺伝子から得られるシグナルペプチドコード領域である:
Figure 2007502114
糸状菌宿主細胞にとって効果的なシグナルペプチド領域は、以下の遺伝子から得られたシグナルペプチド領域である:
Figure 2007502114
上記制御配列はまた、ポリペプチドのアミノ末端に位置するアミノ酸配列をコードするポリペプチドコード領域であり得る。得られたポリペプチドは、プロ酵素またはプロポリペプチド(またはある場合には、チモーゲン)として公知である。プロポリペプチドは、一般的には不活性で、プロポリペプチドから触媒的または自動触媒的なプロペプチドへの切断により成熟した活性ポリペプチドへ変換され得る。上記プロペプチドコード領域は、Bacillus subtilisアルカリプロテアーゼ(aprE)、Bacillus subtilis中性プロテアーゼ(nprT)、Saccharomyces cervisiae α因子、Rhizomucor mieheiアスパラギン酸プロティナーゼおよびMyceliophthora Themophiliaラクターゼ(WO 95/33836)からの遺伝子から獲られ得る。
シグナルペプチド領域とプロペプチド領域との両方が、ポリペプチドのアミノ末端に存在する場合、上記プロペプチド領域は、ポリペプチドのアミノ末端の隣に位置し、そして上記シグナルペプチド領域は、上記ポリペプチド領域のアミノ末端の隣に位置する。
宿主細胞の増殖に関連するポリペプチドの発現の調節を可能にする調節配列を加えることもまた、望ましいことであり得る。調節系の例としては、調節性化合物の存在を含む、化学的または物理的な刺激に応答して、遺伝子の発現を作動させるかまたは停止させる原因となるものである。原核宿主細胞において、適切な調節配列としては、lac、tac、およびtrpオペレータ系が挙げられる。酵母宿主細胞において、適切な調節系としては、ADH2系またはGAL1系が挙げられる。糸状菌において適切な調節配列としては、TAKAαアミラーゼプロモーター、Aspergillus nigerグルコアミラーゼプロモーターおよびAsperugillus oryzaeグルコアミラーゼプロモーターが挙げられる。
調節配列の他の例としては、遺伝子増幅を可能にする配列である。真核生物系において、調節配列とは、メトトレキセートの存在下で増幅されるジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子および、重金属により増幅されるメタロチオネイン遺伝子が挙げられる。これらの場合、本発明のGDHポリペプチドをコードする核酸配列は、作動可能に調節配列に連結され得る。
(発現ベクター)
別の局面では、本発明はまた、本発明のポリヌクレオチド(本発明のGDHポリペプチドをコードする)、そして例えばプロモーターおよびターミネーター、複製起点等のような1以上の発現調節領域を、それらが導入される宿主のタイプに依存して、含有する、組換え発現ベクターに関する。上述の種々の核酸配列および制御配列は、そのような部位において上記ポリペプチドをコードする核酸配列の挿入または置換を可能にする、1以上の都合の良い制限部位を含み得る組換え発現ベクターを産生するために一緒に結合され得る。代替的に、本発明の核酸配列は、核酸配列またはその核酸配列を含む核酸構築物を発現に適切なベクターに挿入することにより発現され得る。その発現ベクターを作製する際に、上記コード配列は、そのコード配列が発現のための適切な制御配列に作動可能に連結されるようにベクターの中で位置付けられる。
その組換え発現ベクターは、都合良く組換えDNA手順を受け得、そして上記ポリヌクレオチド配列の発現を引き起こし得る任意のベクター(例えば、プラスミドまたはウイルス)であり得る。ベクターの選択は、典型的には、そのベクターとそのベクターが導入される宿主細胞との適合性に依存する。上記ベクターは線形プラスミドであり得、または閉環プラスミドであり得る。
上記発現ベクターは、自律的に複製するベクター(即ち染色体外のものとして存在するベクター)であり得、その複製は、染色体複製とは無関係である、即ち、プラスミド、染色体外要素、ミニ染色体、または人工的染色体である。上記ベクターは、自己複製を保証する任意の手段を含み得る。あるいは上記ベクターは、上記宿主細胞に導入される場合、ゲノムに組込まれて、組込まれた染色体と一緒に複製されるベクターであり得る。さらに、単一のベクターもしくはプラスミド、または上記宿主細胞のゲノムに導入される全DNAを合わせて含有する2以上のベクターもしくはプラスミド、またはトランスポゾンが使用され得る。
本発明の発現ベクターは、好ましくは1以上の選択マーカーを含有し、形質転換細胞の容易な選択を可能にする。選択マーカーは、その産物が殺菌耐性もしくはウイルス耐性、重金属に対する耐性、原栄養体への栄養要求性などを提供する遺伝子である。細菌選択可能マーカーの例としては、Bacillus subutilisもしくはBacillus licheniformisからのdal遺伝子、またはアンピシリン耐性、カナマイシン耐性、クロラムフェニコール耐性(実施例1)またはテトラサイクリン耐性のような抗生物質耐性を与えるマーカーである。酵母宿主細胞にとって適切なマーカーとしては、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1およびURA3である。
糸状菌宿主細胞に使用される選択マーカーとしては、amdS(アセトアミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar(ホスフィノスリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hph(ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD(硝酸レダクターゼ)、およびpyrG(オロチジン−5’−リン酸デカルボキシラーゼ)、sC(硫酸アデニルトランスフェラーゼ)およびtrpC(アントラニル酸シンターゼ)ならびにそれらの等価物が挙げられるが、それらに限定されない。Aspergillus細胞において使用される好ましいものは、Aspergillus nidulansまたはAspergillus oryzaeのamdS遺伝子およびpyrG遺伝子ならびにStreptmyces hygroscopicusのbar遺伝子である。
本発明のベクターは、好ましくは、ベクターの宿主細胞ゲノムへの組込みまたはゲノムとは無関係に細胞におけるベクターの自律的な複製を可能にする要素を含む。宿主細胞ゲノムへの組込みにとって、上記ベクターは、上記ポリペプチドをコードする核酸配列または同種または非同種組換えによるゲノムへのベクターの組込みのためのベクターの他の要素に依存し得る。
代替的に、ベクターは、上記宿主細胞のゲノムへの同種の組換えによる組込みを導くためのさらなる核酸配列を含有し得る。上記さらなる核酸配列は、そのベクターが染色体の正確な位置で宿主細胞ゲノムへ組込まれることを可能にする。正確な位置における組み込みの可能性を増加させるために、組込み要素は、好ましくは、例えば100〜10,000塩基対、好ましくは400〜10,000塩基対そして最も好ましくは800〜10,000塩基対のような十分な量の核酸を含み、それは同種組換えの可能性を高める対応する標的配列と非常に相同性が高い。組込み要素は、上記宿主細胞のゲノムにおける上記標的配列と相同性がある任意の配列であり得る。さらに上記組込み要素は、核酸配列をコード−し得ないか、またはコードし得る。一方、上記ベクターは非同種組込みによる宿主細胞のゲノムへ組込まれ得る。
自律的複製のために、上記ベクターは、問題の宿主細胞におけるそのベクターが自律的に複製できるのを可能にする複製起点を、さらに含み得る。細菌の複製起点の例としては、P15Aであり、P15A(複製起点)を有するpBR322、pUC19、pACYC177というプラスミドの複製起点、またはE.coliにおいて複製を可能にするpACYC184;ならびにBacillusで複製できるpUB110、pE194、pTA1060もしくはpAMβ1である。酵母宿主細胞において使用される複製起点の例としては、2micronの複製起点、ARS1、ARS4、ARS1とCEN3との組合せ、およびARS4とCEN6との組合せがある。複製起点は、宿主細胞において温度感受性の機能をなすような変異を有し得る(例えば、Ehrlich、1978、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75:1433を参照のこと)。
本発明の核酸配列の1以上のコピーは、遺伝子産物の産生を増加させるために宿主細胞への挿入され得る。核酸配列のコピー数の増加は、少なくとも1の付加的な上記配列のコピーを宿主細胞ゲノムへ組込むことにより、または選択マーカー遺伝子の増幅されたコピーを含み、それにより上記核酸配列の付加的なコピーを含有する細胞が、適切な選択可能な薬剤の存在下に上記細胞を培養することにより選択され得る、核酸配列を有する増幅し得る選択マーカー遺伝子を包含することにより、得られ得る。
本発明の組換え核酸構築物および発現ベクターを構築する上述の要素を結合するために使用される手順は、当業者には周知である(例えば、J.Sambrook、E.F.およびT.Maniatis、1989、Molecular Cloning、A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor、N.Y.を参照のこと)
本発明で使用される発現ベクターの多くは、市販のものである。適切な市販の発現ベクターとしては、SigmaーAldrich Chemicals、St.Louis MO.、からのp3xFLAGTMTM発現ベクター(哺乳動物細胞宿主において発現するためのCMVプロモーターおよびhGHポリアデニル化部位およびpBR322複製起点ならびにE.coliにおける増幅のためのアンピシリン耐性マーカーを包含する)が挙げられる。他の適切な発現ベクターは、pBluescriptII SK(−)およびpBK−CMVであり、それらは、Stratagene、LaJolla CAから市販されており、pBR322(Gibco BRL)、pUC(Gibco BRL)、pREP4、pCEP4(Invitrogene)またはpPoly(Latheら、1987、Gene 57、193〜201)由来のプラスミドである。
(宿主細胞)
本発明の発現ベクターを発現させるのに使用される宿主細胞としては、例えば、E.coli、StreptmycesおよびSalmonella typhimurium細胞のような細菌細胞;真菌細胞、例えば、酵母細胞(例えば、Saccharomyces cerevisiae またはPichia pastoris(ATCC受託番号201178));例えば、Drosophila S2およびSpodoptera Sf9細胞のような昆虫細胞;例えば、CHO、COS、293およびBowesメラーノーマ細胞のような動物細胞;ならびに植物細胞が挙げられるが、これらに限定されない。上述の宿主細胞にとっての適切な培養培地および条件は、当業者に周知である。
例として、Escherichia coli W3110は、本発明の配列入れ換え遺伝子を発現するための発現ベクターにより形質転換された。上記発現ベクターは、lacIレプレッサー遺伝子の制御下で上記lacプロモーターに本発明の改変体遺伝子を作動可能に連結することにより作製された。上記発現ベクターはまた、P15A複製起点およびクロラムフェニコール耐性遺伝子を包含した。上記形質転換されたEscherichia coli W3110は、上記発現ベクターを発現した、形質転換されたE.coli細胞のみが生存するようにクロラムフェニコールを含有する適切な培養培地で培養された。実施例1を参照のこと。
(精製)
一度、上記GDHポリペプチドが、E.coliにおいて上記改変体遺伝子により発現されると、上記ポリペプチドは、リゾチーム処理、超音波処理、濾過、塩析、超遠心、アフィニティクロマトグラフィーなどを含む、タンパク質精製の周知の1以上の技術のいずれかを使用して、細胞およびまたは培養培地から精製される。例えばE.coliのような細菌由来のタンパク質の高効率的な抽出のための適切な溶液は、St.Louis MO.のSigma−AldrichからCelLytic BTMという商品名で市販されている。化学的プロセスにおいて適用されるために細胞ライゼートから十分にGDHポリペプチドを精製するのに適切なプロセスは、本明細書の実施例3に開示されている。
(スクリーニング)
増強されたGDH活性の発現ライブラリーからGDHポリペプチドのクローンをスクリーニングすることは、典型的にはNADHまたはNADPHの生成速度を、吸収もしくは蛍光の増加を通じてモニタリングする標準的な生化学的技術を使用して実施される。そのような手順は、本明細書の実施例4に記載されている。
第1ラウンド目の変異の後の上記ライブラリーのスクリーニング後に、改良されたGDHポリペプチドは、配列番号2のB.subtilis GDHに比較して変異I165Tを有し、野生型B.subtilis GDH(配列番号2)に比較して初期GDH活性において2.6倍の増加を提供した。その後、指向的進化の付加的ラウンド数が実施され、得られた本発明の例示的なGDHポリペプチドが、それらの変異および配列番号2の野生型(w−t)B.subtilis中心的GDHと比較した活性が、下の表1に列挙されている:
Figure 2007502114
上の表1における配列番号64および84のGDHポリペプチドを比較すると、Q252L変異は、GDHポリペプチドに熱安定性を与えたが、一方初期のGDH活性をいくらかを減少させたことがわかる。
配列番号74の上記GDHポリペプチドは、配列番号2の野生型B.subtilis中心的GDHと比較して単一変化I165Lを有し、野生型B.subtilis GDH(配列番号2)と比較して初期GDH活性の5倍増加および共役化学プロセスにおいて活性の13倍増加を提供する。
本発明のより好ましいGDHポリペプチドは、配列番号160、164および168のポリペプチドと、95%の相同性、より好ましくは97%の相同性およびさらにより好ましくは100%の相同性を有するそれらのポリペプチドである。上に示されるように、これらのポリペプチドの各々は、5個〜8個の変異、しかし以下の5つの変異を共通に有する:I165M、P194T、A197K、K204E、およびK206R。このように、以前述べられたように、本発明の1つの実施形態では、5個〜8個の残基置換を有し、そのうちの残基置換の5個が、I165M、P194T、A197K、K204E、およびK206Rである、配列番号2のGDHポリペプチドに関する。
野生型B.subtilis中心的GDH(配列番号2)に対してほんの僅かの(<0.5%)変異は、有益であることが分かった。詳細には、スクリーニングされる各1000クロ−ンごとに、3〜5個の有益であった単一点変異または2点変異しか起こらなかった。事実、変異の多くが有害であることが見出された。例えば、Y253Cは、上記GDHポリペプチドを不活化し、Q252Lは僅かに野生型B.subtilis GDH(配列番号2)の初期GDH活性を減少させた。興味深いことに、1個の変異の有益な効果は、別の変異の有益な効果に加算的であることはなかった。このように、例えば、野生型活性と比較して2倍GDH活性を増加した第1変異と、野生型活性と比較して3倍GDH活性を増加した第2の残基位置における第2変異との組合せは、GDH活性の5〜6倍の増加を有するGDHポリペプチドを得る結果には、殆どならなかった。
本発明のGDHポリペプチドは、本明細書で記載した活性および他の望ましい特性、例えば、改変された温度最適性および/またはpH最適性、溶媒耐性(例えば、酢酸ブチル)などを有する。さらに、上記GDHポリヌクレオチドは、例えば,NADP(NADPとも呼ばれる)のような補因子として他の化合物を優先的に受容する能力を有する改変されたGDHポリペプチドを、同定するためにスクリーニングされ得るライブラリーを作成するよう変異または進化され得る。
本発明のGDHポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、発現のために選択された宿主生物体からの最適産生のために最適化されたコドンであり得る。当業者は、広い範囲の生物体のコドン選択性情報を提供する表および他の参考文献は容易に入手できることを認識する。例えば、HenautおよびDanchin、「Escherichia coliおよびSalmonella」、Neidhardtら、編、ASM Press Washington D.C.、p2047〜2066(1996)を参照のこと。
GDHを発現する形質転換細胞をスクリーニングすることは、一般的には2工程のプロセスである。第1に、細胞を物理的に分離し、そして次いでどの細胞が望ましい性質を有するか、有しないかを決定する。選択とは、同定および物理的分離が選択マーカーの発現により同時に達成され、それはある遺伝学的環境において、他の細胞は死んでいく中で上記マーカーを発現する細胞が生存可能である(または、その逆)スクリーニング形式である。例示的なスクリーニングマーカーとしては、ルシフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼおよび緑色蛍光タンパク質が挙げられる。選択マーカーとしては、クロラムフェニコール耐性、アンピシリン耐性などのような薬物および毒素耐性遺伝子が挙げられる。自然の進化の過程において同時選択は起こり得るし、起こるが、本方法においては、選択は人為的に実施される。
変異誘発または指向進化法により生成される上記GDHポリヌクレオチドは、実施例4に記載されているプロトコールに従って、本発明の改良されたGDHポリペプチドとして包含されるのに適切な増強された活性を有するものを同定するためにスクリーニングされる。
以下の配列は、配列番号2の野生型B.subtilisのGDHポリペプチドに比較して本発明のGDHポリペプチドの多様性を要約する。また、EP955375にもまた開示されるように、そこでは、残基数が後に記載されている「X」と指定された1以上のアミノ酸残基が、本発明の上記GDHポリペプチドに置換わり得る。
Figure 2007502114
本発明のGDHポリペプチドの種々の残基位置での変化の多様性は、下の表2において矢印の右側に示され、そして対応する配列番号2(EP055375)の野生型GDHのアミノ酸残基が、矢印の左側に示される:
Figure 2007502114
(実施例1:グルコースデヒドロゲナーゼの発現のための発現構築物の構築)
上記グルコースデヒドロゲナーゼの遺伝子を、Bacillus subtilisおよびBacillus megateriumのゲノムDNA調製物からポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して増幅した。増幅反応のプライマーは、公開されたB.subtilisおよびB.megateriumグルコースデヒドロゲナーゼ遺伝子配列を使用して以下の通り、設計した:
Figure 2007502114
プラスミドpGDHS06またはpGDHM02を作製する、lacIリプレッサー遺伝子の制御下で、上記PCR産物を、図3の発現ベクターのlacプロモーターの後ろにクローン化した。上記発現ベクターは、P15A複製起点(P15A ori)およびクロラムフェニコール耐性遺伝子(camR)を含んだ。いくつかのクローンが、活性GDHを発現することが分かり、そしてそれらの配列を確認するために、これらの遺伝子を配列決定した(配列番号1(グルコースデヒドロゲナーゼS06−3)および配列番号3(グルコースデヒドロゲナーゼM02−6)を参照のこと。
(実施例2:GDHの産生)
通気攪拌発酵槽において、0.528g/L、硫酸アンモニウム、7.5g/Lのリン酸水素二カリウム三水和物、3.7g/Lのリン酸二水素カリウム、2g/LのTastone−154酵母抽出物、0.05g/Lの硫酸鉄(II)、および、2g/L塩化カルシウム二水和物、2.2g/Lの硫酸亜鉛七水和物、0.5g/Lの硫酸マンガン一水和物、1g/Lの硫酸第1銅七水和物、0.1g/Lのホウ酸ナトリウム十水和物ならびに0.5g/LのEDTAを含む、3ml/Lの微量元素溶液を含む,10.0Lの増殖培地を30℃の温度にした。
発酵槽に、LB、1%グルコース(Sigma Chemical Co.,St.Louis、MO)および30μg/mlのクロラムフェニコール(Sigma Chemical Co.,St.Louis、MO)を含有する振盪フラスコで増殖したEscherichia coli W3110(pGDHS06またはpGDHM02)の後期指数的増殖培養物を、600nm(OD600)での開始光学密度0.5〜2.0まで播種した。上記発酵槽を500〜1500rpmで攪拌し、空気を発酵槽に1.0〜15.0L/分で供給し、培養液のpHを20%容積/容積水酸化アンモニウムの添加により7.0に調整した。培養液のOD600が40に到達した後、上記温度を25℃に下げ、グルコースデヒドロゲナーゼの発現をイソプロピル−β−D−チオガラクトシド(IPTG)(Sigma Chemical Corp.,St.Louis、MO)を最終濃度1mMまで添加することにより誘導した。上記培養物をさらに15時間増殖させた。誘導後に、細胞を遠心分離により収穫し10mMリン酸カリウム緩衝液、pH7.0で洗浄した。上記細胞ペーストを下流回収プロセスに直接使用するか、使用されるまで−80℃で貯蔵した。
(実施例3:GDH酵素調製)
上記細胞ペーストを、1容量の細胞湿重量の細胞ペーストを、3容量の100mMトリス/硫酸(pH7.2)に懸濁して洗浄し、その後Sorval 12BPにおいて5000gで40分間遠心分離する。上記洗浄した細胞ペーストを、2容量の100mMトリス/硫酸(pH7.2)に懸濁した。上記細胞内GDHについて、上記懸濁液を、第1回の通過は14,000psigの圧力そして第2回の通過については8,000psigを使用して、ホモジナイザーを通して、計2回の通過をさせて、細胞から放出した。そのホモジネートをBeckman lab遠心分離器で、10,000rpmで60分遠心分離した。上記上清を、デカントして浅い容器に分配し−20℃で凍結し、凍結乾燥した。
(実施例4:GDH酵素活性アッセイ)
細胞を0.5%グルコースおよび30μg/mlクロラムフェニコールを有する2xYTの中で30℃で一晩増殖した。この培養液を、次いで30μg/mlクロラムフェニコールを含有する新鮮なLBに、20倍に希釈し、37℃で2時間増殖後、1mMのIPTG(イソプロピルチオガラクトシド)を添加した。その培養液(0.3ml)を、さらに4〜5時間、37℃で増殖した。
溶解緩衝液は、100mMトリエタノ−ルアミン緩衝液(pH7.0)、2mg/ml PMBS(ポリミキシンB硫酸塩)、1mg/mlリゾチーム、1mM PMSF(フェニルメチルスルホニルフルオリド)を含有する。
細胞を、遠心によりペレット化し0.2mlの溶解緩衝液で室温で1.5時間浸透しながら溶解した。
100mMトリエタノ−ルアミン緩衝液(pH7.0)、0.1〜0.2mMのNADPHまたはNADHおよび100mMグルコースからなる水溶液アッセイミックスを調製した。1部の4−クロロアセト酢酸エチル(ECAA)および2部の酢酸ブチルからなる溶媒混合物を、アッセイミックスに添加し反応混合物を作製した。溶媒混合物とアッセイミックスとの比は、それぞれ1:2である。熱安定性を試験するために、希釈しないライゼートを、50℃に加熱し、次いで反応混合物に添加した。反応は、100mMトリエタノールアミン緩衝液(pH7.0)に予め溶解した溶液として希釈されたグルコースデヒドロゲナーゼを添加することにより開始した。反応の過程を340nmにおける吸光度の増加の測定、または440nmの光の蛍光発光より、経時的に追跡した。その結果を、時間に対して、吸光単位としてまたは相対的蛍光単位(RFU)(NADPHまたはNADH)としてプロットし、プロットの傾きを決定した(吸光単位/分、またはRFU/分)。
(実施例5:KRED/GDH共役化学アッセイ)
pH電極制御自動滴定器を装備した100mLの反応槽に、100mMのトリエタノールアミンpH7緩衝液(25mL)中におけるグルコース(7.5g)溶液を入れた。この溶液に、上記2種の酵素(100mg KRED;50mg GDH)およびNADP(6.25mg)を入れた。(「KRED」はケトレダクターゼまたはカルボニルレダクターゼ分類(EC1.1.1.184)で、対応するプロキラルのケトン基質から光学的に活性のアルコールの合成に有用である)。酢酸ブチル(10ml)を、次いでいれた。最終的には、酢酸ブチル(10mL)中に、4−クロロアセト酢酸エチル(6g)をその反応槽に入れた。4MNaOHを自動滴定器(pH6.85を最下限としてセットした)により、必要に応じて滴下して常にpHを7.0に調節した。上記反応を、苛性ソーダを必要としなくなった場合に完結した。上記反応速度は、時間当たりに添加した塩基の量を測定することにより、または上記反応混合物のサンプルを取って、そのサンプルを3回等容量の酢酸エチルで抽出して、合わせた有機層をガスクロマトグラフィーで単位時間当たり産生されるエチル−S−4−クロロ−3−ヒドロキシ酪酸の量を決定して分析することにより、決定した。
本発明は、特定の実施形態に関連して記載されているが、種々の変更がなされ得、等価物は本発明の範囲から離れずに置換され得ることは、当業者に理解される。さらに、多くの改変が、その範囲から離れずに本発明の教示にしたがって特定の状況または物質に適用され得る。従って、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されないが、本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入る全ての実施形態を包含することが意図される。
図1は、NAD(またはNADP)存在下でグルコースがGDHによりグルコン酸に酸化され、対応する還元型NADH(またはNADPH)を、それぞれ産生する酸化−還元サイクルを例示する。それは、順に還元型基質への基質の還元を引き起こす一方、レダクターゼによりNAD(またはNADP)に酸化され戻る。この反応で生成されるグルコン酸は、水酸化ナトリウムでグルコン酸ナトリウムに中和される。 図2A−2Bを組み合わせて、本発明のGDHポリペプチドと上に示された先行技術文献のGDHポリペプチドとのアミノ酸同一性%を比較する表を提供する。図2の4列目においてB.subtilis(S06−3)のGDHポリペプチドは、EP955375(8列目)に開示されているのと同じアミノ酸配列を有している。図2A−2Bを作成するために、Global Alignment Scoring Matrix:導入ギャップ=−22.183および伸長ギャップ=−1.396のギャップペナルティを有するPAM120マトリックスのための動的計画法アルゴリズムを使用して、アラインメントを行った。同一性%は、第1配列と第2配列との間の同一残基の数を、部分一致を示すアラインメント(ギャップを有する)(p)において第1の配列の長さで割ったものと等しい。Needleman、S.B.& Wunsch、C.D.「A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequence of two proteins」Journal of Molecular Biology、48:443〜453(1970)を参照のこと。 図2A−2Bを組み合わせて、本発明のGDHポリペプチドと上に示された先行技術文献のGDHポリペプチドとのアミノ酸同一性%を比較する表を提供する。図2の4列目においてB.subtilis(S06−3)のGDHポリペプチドは、EP955375(8列目)に開示されているのと同じアミノ酸配列を有している。図2A−2Bを作成するために、Global Alignment Scoring Matrix:導入ギャップ=−22.183および伸長ギャップ=−1.396のギャップペナルティを有するPAM120マトリックスのための動的計画法アルゴリズムを使用して、アラインメントを行った。同一性%は、第1配列と第2配列との間の同一残基の数を、部分一致を示すアラインメント(ギャップを有する)(p)において第1の配列の長さで割ったものと等しい。Needleman、S.B.& Wunsch、C.D.「A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequence of two proteins」Journal of Molecular Biology、48:443〜453(1970)を参照のこと。 P15A複製起点(P15A ori)、lacIリプレッサー、CAP結合部位、lacプロモーター(lac)、T7リボソーム結合部位(T7g10RBS)、およびクロラムフェニコール耐性遺伝子(camR)を含有する本発明の4036bpの発現ベクター(pCK110900)である。

Claims (21)

  1. 配列番号2の野生型GDHの少なくとも1.5倍のGDH活性を有するペプチドであって、
    (a)配列番号54、74、84、160、164または168のアミノ酸配列と少なくとも91%の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド;
    (b)
    (i)配列番号53、73、83、159、163または167のヌクレオチド配列、
    (ii)少なくとも100ヌクレオチドの(i)の部分配列、または
    (iii)(i)もしくは(ii)の相補鎖のいずれかと中程度のストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるポリペプチド;
    (c)1個〜6個のアミノ酸の置換、欠失および/または挿入を含む、配列番号54、74、84、160、164または168のポリペプチドの改変体;
    (d)配列番号2の野生型GDHの1.5〜約11倍のGDH活性を有する(a)、(b)または(c)のフラグメント;および
    (e)50℃およびpH7での20分間のインキュベーション後、初期のGDH活性の80%より高い活性を保持する(a)、(b)または(c)のポリペプチド
    からなる群より選択される、ポリペプチド。
  2. 請求項1に記載のグルコースデヒドロゲナーゼポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド。
  3. 請求項1に記載のポリペプチドをコードする核酸配列を含む、単離された、核酸配列。
  4. 作動可能にプロモータに連結される請求項2に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクター。
  5. 請求項2に記載のポリヌクレオチドを発現するように形質転換された、宿主細胞。
  6. 請求項1に記載のGDHポリペプチドを作製する方法であって、該ポリペプチドをコードする核酸配列を含む核酸構築物を含有する宿主細胞を、該ポリペプチドの産生に適切な条件下で培養する工程;ならびに該ポリペプチドを回収する工程を包含する、GDHポリペプチドを作製する方法。
  7. 請求項1に記載の単離および精製された、GDHポリペプチド。
  8. 凍結乾燥された形態の請求項1に記載のGDHポリペプチド。
  9. 配列番号54、74、84、160、164または168のアミノ酸配列と少なくとも91%の相同性を有するアミノ酸配列を有する、請求項1に記載のポリペプチド。
  10. (i)配列番号53、73、83、159、163または167のヌクレオチド配列、
    (ii)少なくとも100ヌクレオチドの(i)の部分配列、または
    (iii)(i)もしくは(ii)の相補鎖
    のいずれかと中程度のストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされる、請求項1に記載のポリペプチド。
  11. 1個〜6個のアミノ酸の置換、欠失および/または挿入を含む、配列番号54、74、84、160、164または168のポリペプチドの改変体である、請求項1に記載のポリペプチド。
  12. 配列番号2の野生型GDHの1.5〜約11倍のGDH活性を有する(a)、(b)または(c)のフラグメントである、請求項1に記載のポリペプチド。
  13. 配列番号2の野生型GDHの1.5〜約11倍のGDH活性を有する(a)のフラグメントである、請求項12に記載のポリペプチド。
  14. 配列番号2の野生型GDHの1.5〜約11倍のGDH活性を有する(b)のフラグメントである、請求項12に記載のポリペプチド。
  15. 配列番号2の野生型GDHの1.5〜約11倍のGDH活性を有する(c)のフラグメントである、請求項1に記載のポリペプチド。
  16. 50℃およびpH7での20分間のインキュベーション後、初期のGDH活性の80%より高く保持する(a)、(b)または(c)のポリペプチドである、請求項1に記載のポリペプチド。
  17. 50℃およびpH7での20分間のインキュベーション後、初期のGDH活性の80%より高く保持する(a)のポリペプチドである、請求項16に記載のポリペプチド。
  18. 50℃およびpH7での20分間のインキュベーション後、初期のGDH活性の80%より高く保持する(b)のポリペプチドである、請求項16に記載のポリペプチド。
  19. 50℃およびpH7での20分間のインキュベーション後、初期のGDH活性の80%より高く保持する(c)のポリペプチドである、請求項16に記載のポリペプチド。
  20. 緩衝媒体中に請求項1に記載のポリペプチドを含有する、組成物。
  21. グルコースデヒドロゲナーゼ酵素活性を有するポリペプチドであって、配列番号52と少なくとも84%の配列同一性を有するGDHポリペプチド、配列番号72と少なくとも98%の配列同一性を有するGDHポリペプチドおよび配列番号58と少なくとも98%の配列同一性を有するGDHポリペプチドからなる群より選択される、ポリペプチド。
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