JP2007501227A - 炎症性疾患を治療するためのオルニチン誘導体のアンモニウム塩 - Google Patents

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Abstract

本発明は、医薬として有効なオルニチン化合物、特にNα-(4-アミノ-4-デオキシプテロイル)-L-オルニチン化合物のNδ-アシル誘導体の製薬上許容されるアンモニウム塩、ならびに前記アンモニウム塩の1種以上を利用するまたは含む治療方法および医薬組成物に関する。本発明により提供されるアンモニウム塩は、対応するNα-(4-アミノ-4-デオキシプテロイル)-L-オルニチン化合物の酸性Nδ-アシル誘導体よりも優れた化学的安定性を示す。

Description

1. 発明の分野
本発明は、医薬として有効なオルニチン化合物、特にNα-(4-アミノ-4-デオキシプテロイル)-L-オルニチン化合物のNδ-アシル誘導体の製薬上許容されるアンモニウム塩に関する。本発明の好ましいアンモニウム塩は、対応する遊離酸製剤よりも優れた化学的安定性を備えている。
2. 発明の背景
Nα-(4-アミノ-4-デオキシプテロイル)-L-オルニチン(「APA-L-Orn」)は式I:
Figure 2007501227
[式中、Rは水素である]
で表される構造を有する。この化合物は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)およびホリルポリグルタメートシンテターゼ(folylpolyglutamate synthetase: FPGS)の強力な阻害剤であるが、培養細胞の増殖の阻害剤としては比較的不活性であると報告されている。また、この化合物のアミノ置換プロドラッグ誘導体は、細胞への取込みが増大しうるため、興味をひく化合物であると提案されている。Rosowskyら, J. Med. Chem., Vol. 29, pp 655-660 (1986)。
式Iで表される一連の酸性化合物が米国特許第4,767,761号に開示されており、そこでは式IのRがベンゾエート誘導体、例えば、-CO-Ar-COOR1(ここで、Arは芳香族基であり、R1は水素または炭素原子数1〜5の低級アルキルである)である。以後、このような化合物を式Iaの酸性化合物と呼ぶことにする。
‘761特許に開示された式Iaの酸性化合物は、メトトレキセートに耐性の腫瘍細胞(例えば、ヒト細胞系SCC 15/R1およびSCC 25/R1)の増殖に対して著しく高い阻害活性を示す。式Iaの酸性化合物の阻害活性は、APA-L-Ornの他のNδ-アシル誘導体の阻害活性と比べて、予期せざるほどに高いものであった。式Iaの酸性化合物は、粉末として乾燥状態で保存したとき、またはpHが約7.5以上、より典型的にはpHが約7.5〜9のアルカリ性溶液中で保存したとき、徐々に分解されやすい。さらに、式Iaの酸性化合物は、塩基性の添加剤を加えないと、水溶液中で溶解しない。
メトトレキセートは、急性リンパ芽球性白血病、絨毛癌、菌状息肉腫、骨原性肉腫、乳癌、頭頸部癌、肺癌を含むがこれらに限らない様々な腫瘍性疾患の治療に使用されてきた。Goodman and Gillman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics, 第9版, McGraw-Hill, New York, 1996, p. 1227。
また、メトトレキセートは炎症性疾患の治療にも使用されている。こうした炎症性疾患としては、限定するものではないが、慢性関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患、および多発性硬化症が挙げられる。
慢性関節リウマチは原因不明の慢性の炎症性疾患であるが、この疾患は主に活性化T細胞によって引き起こされる自己免疫疾患であると考えられている。Goodman and Gillman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics, 第9版, McGraw-Hill, New York, 1996, p. 619。慢性関節リウマチは人口の1%ほどに発症し、男性よりも女性の罹患率が高い。40代と50代の間に発症することが最も多く、大多数の患者はこの病気を35才から50才までに発症している。慢性関節リウマチの主な特徴は持続的な関節の炎症であり、通常は左右対称に現れる。一般的に、手指、足指、手、足、手首、ひじ、足首の小関節が最初に炎症を起こす。炎症を起こした関節はひどく痛み、こわばる。この炎症が軟骨の破壊、骨侵食、関節の構造変化を引き起こすこともある。罹患した関節は変形するようになり、ある位置で動かなくなる(拘縮)。しかし、慢性関節リウマチの経過は様々であり、ある患者は最小限の関節損傷を受けるにすぎないし、また、ある患者は衰弱性の病態へと至ることもある。The Merck Manual of Medical Information 227-230 (R. Berkow編, 1997)。
典型的には、慢性関節リウマチの治療は休養、十分な栄養摂取、薬物、ある場合には手術により行なわれる。慢性関節リウマチの治療に用いられる薬物には、以下のものが含まれる:非ステロイド系の抗炎症薬;遅効性薬物、例えば、金化合物、ペニシラミン、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン;コルチコステロイド;および免疫抑制剤。金化合物は肝臓、肺、腎臓、神経を含めていくつかの器官に有害作用を及ぼすことがある。遅効性薬物は骨髄での血球生産を抑制し、また腎臓病、筋疾患、発疹を起こすことがある。ヒドロキシクロロキンは筋肉痛、発疹、眼のトラブルを起こしうる。スルファサラジンは胃の不調、肝臓の問題、血液障害、発疹を起こすことがある。The Merck Manual of Medical Information 227-230 (R. Berkow編, 1997)。
また、メトトレキセートはヨーロッパと米国において慢性関節リウマチの治療薬として広く使用されている。Williams H.J., Willkens R.F., Samuelsin C.O. Jr, Alarcon G.S., Guttadauria M., Yarboro C., Polisson R.P., Weiner S.R., Luggen M.E., Billingsley L.M. 「慢性関節リウマチの治療における低用量経口パルス投与のメトトレキセートとプラシーボの比較」Arthritis Rheumatoid 28.7 (1985): 721-30、およびWeinblatt M.E., Weissman B.N., Holdsworth D.E., Fraser P.A., Maier A.L., Falchuk K.R., Coblyn J.S. 「慢性関節リウマチの治療におけるメトトレキセートの長期展望研究:84-月更新版」Arthritis Rheumatoid 35.2 (1992): 129-37。しかし、メトトレキセートは、肺繊維症や肝臓酵素の上昇を含めて、有害な副作用を示すことがある。
乾癬はよく見られる普通の皮膚病である。乾癬は皮膚細胞の異常に高い増殖率および代謝回転率を伴う。これは、銀色の鱗屑で覆われた、境界の明瞭な紅斑性の丘疹および円斑として現れる慢性の炎症性皮膚疾患である。多くの場合、乾癬はゆっくりと増える斑点を伴い、こうした斑点はひじ、膝および頭皮に発生する。乾癬患者の約5〜10%は関節の異常を訴えている。重症のケースでは、乾癬が全身を覆いつくし、剥脱性乾癬性皮膚炎(皮膚全体が炎症を起こすようになる)を発生させる。
乾癬の病因はよく理解されていないが、免疫機構が何らかの役割を果たすと考えられている。限定された局所疾患を有する患者は、皮膚を滑らかにして保湿性のある皮膚軟化薬を用いて管理することが可能である。他の治療薬としては、外用グルココルチコイド、外用ビタミンD、プソラレン(この薬物は紫外線に対して皮膚を超過敏にする)と組み合わせた紫外線、サリチル酸、およびコールタールが挙げられる。メトトレキセートはより重症の乾癬を治療するのに有効であることが分かっている。臨床実験からも乾癬治療におけるメトトレキセートの効力が証明されている。Haustein UF, Rytter M. 「乾癬におけるメトトレキセート:長期にわたる低用量治療による26年の経験」Journal European Academy Dermatology and Venereology 14.5 (2000): 382-8。
炎症性腸疾患は、腸が炎症を起こして、しばしば再発性の腹部痙攣と下痢を引き起こす慢性疾患である。炎症性腸疾患には2つのタイプがあり、クローン病と潰瘍性大腸炎である。炎症性腸疾患の患者の25%ほどは、関節痛から関節炎までの範囲にわたる関節の症状をも発現している。
クローン病は、局所腸炎、肉芽腫性大腸炎、および回結腸炎を含みうる、腸壁の慢性炎症である。クローン病は男性にも女性にも等しく発生し、東ヨーロッパ系のユダヤ人により多く見られる。クローン病の大半のケースでは発病が30才前であり、大多数は14才と24才の間に発症している。潰瘍性大腸炎とクローン病の原因は不明であるが、この病気では遺伝的、感染的、免疫的、心理的な要因がすべて重なって何らかの役割を果たしうると提唱されている。炎症性腸疾患の患者は、大腸細胞に対する抗体や、細菌抗原、リポ多糖、および外来タンパク質に対する抗体をもつことがある。細胞性免疫の異常(例えば、種々の細胞分裂刺激に対する応答の減少および末梢T細胞数の減少)も炎症性腸疾患と関連している。この疾患は一般的に腸壁の全層を冒す。通常は小腸(回腸)と大腸の最下部が冒されるが、消化管部分にも発生することがある。
炎症性腸疾患の臨床経過はしばしば慢性となり、予測することができない。クローン病の初期症状としては慢性の下痢、痙攣性の腹痛、発熱、食欲不振、および体重減少が見られる。クローン病と関連した合併症には、腸閉塞、異常な導管(フィステル)、および膿瘍の発生が含まれる。クローン病を患うヒトでは大腸癌のリスクが高まる。往々にして、クローン病は次のような他の疾患・障害とも関連している:胆石、不十分な栄養吸収、アミロイドーシス、関節炎、上強膜炎、アフタ性口内炎、結節性紅斑、壊疽性膿皮症、強直性脊椎炎、仙腸骨炎、ブドウ膜炎、および原発性硬化性胆管炎。クローン病の治療法は知られていない。
クローン病に関連した副作用である痙攣と下痢は、抗コリン作動薬、ジフェノキシレート、ロペラミド、脱臭アヘンチンキ剤、またはコデインによって緩和することができる。一般に、薬物は食事の前に経口的に摂取される。
クローン病の症状を治療するために広域抗生物質を投与することも多い。この病気が大腸を冒したり、肛門のまわりに膿瘍やフィステルを生じさせる場合には、抗生物質メトロニダゾールがしばしば投与される。しかしながら、メトロニダゾールの長期服用は神経を損なうことがあり、腕や足にピリピリ感が生じさせる。スルファサラジンおよび化学的に近縁の薬物は、特に大腸において、温和な炎症を抑えることができる。ところが、これらの薬物は突発性の重篤な症状にはあまり効き目がない。プレドニゾンのようなコルチコステロイドは発熱と下痢を抑え、腹痛と圧痛を和らげる。しかし、長期にわたるコルチコステロイド治療では、例外なく重大な副作用が現れ、例えば高血糖値、感染リスクの増加、骨粗鬆症、水貯留、皮膚脆弱性などが現れる。アザチオプリンやメルカプトプリンといった薬物は免疫系の作用を調節し、他の薬物に応答しない患者のクローン病にしばしば効果的である。だが、これらの薬物は効果が現れるまでに通常3〜6ヵ月を要し、またアレルギー、膵炎、白血球数の減少といった重大な副作用を起こすことがある。メトトレキセートもクローン病の治療に使用されてきた。Feagan B.G., Rochon J., Fedorak R.N., Irvine E.J., Wild G., Sutherland L., Steinhart A.H., Greenberg G.R., Gillies R., Hopkins M. 「クローン病治療のためのメトトレキセート;北米クローン病研究グループ調査」New England Journal of Medicine 332.5 (1995): 292-7; Arora S., Katkov W., Cooley J., Kemp J.A., Johnston D.E., Schapiro R.H., Podolsky D. 「クローン病におけるメトトレキセート:無作為化二重盲検プラシーボ比較対照試験の結果」Hepatogastroenterology, 46.27 (1999): 1724-9、およびKozarek R.A., Patterson D.J., Gelfand M.D., Botoman V.A., Ball T.J., Wilske K.R. 「メトトレキセートは難治性炎症性腸疾患の患者において臨床上および組織学上の寛解を引き出す」Annals of Internal Medicine 110.5 (1989): 353-6。
潰瘍性大腸炎は、大腸が炎症を起こして潰瘍になり、血液の混じった下痢、腹部痙攣、および発熱の症状をもたらす慢性疾患である。通常、潰瘍性大腸炎には15才から30才の間で発病するが、中には50〜70才で初めてこの病気にかかるヒトもいる。クローン病と違って、潰瘍性大腸炎は小腸を冒すことはなく、また腸の全層を冒すこともない。この病気は直腸とS状結腸で始まるのが常であり、最終的には大腸にわたって部分的にまたは全体的に広がる。潰瘍性大腸炎の原因は不明である。
潰瘍性大腸炎の治療は、炎症を制御し、症状を抑え、失われた水分と養分を補うことに向けられる。軽い下痢の治療には抗コリン作動薬と低用量のジフェノキシレートまたはロペラミドが投与される。より重症の下痢には、高用量のジフェノキシレートまたはロペラミド、あるいは脱臭アヘンチンキ剤またはコデインが投与される。炎症を抑えるためにスルファサラジン、オルサラジン、プレドニゾン、またはメサラミンを使用してもよい。アザチオプリンとメルカプトプリンは、さもなくば長期のコルチコステロイド治療が必要となる潰瘍性大腸炎患者において、寛解を維持するために使用されている。重症の潰瘍性大腸炎の場合には、患者を入院させて、コルチコステロイドを静脈内投与する。またメトトレキセートも潰瘍性大腸炎の治療に使用されている。The Merck Manual of Medical Information 530-532 (R. Berkow編, 1997)、およびGoodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics (J. HardmanおよびL. Limbird編, 第9版, 1996)。
多発性硬化症は中枢神経系ミエリンの慢性炎症、脱髄、グリオーシス、および選択的破壊を呈する。間接的な証拠により、病因は、環境に曝されたことがきっかけで起こる自己免疫疾患であることが裏付けられる。多発性硬化症には遺伝も一役を担っている可能性がある。約400,000人のアメリカ人が多発性硬化症に罹患している。他の慢性炎症性疾患に見られるように、多発性硬化症の発現は千差万別であり、良性の症状から寝たきりの症状にまで及んでいる。治療としては、病気の進行を抑えるように計画された治療法から、病気の症状を管理するように計画された治療法まである。多発性硬化症の治療に用いられる薬物としては、β-インターフェロン、他のインターフェロン、経口ミエリン、およびコポリマー1が挙げられる。経口プレドニゾンや静注メチルプレドニゾロンのようなコルチコステロイドも多発性硬化症の治療に使用されている。しかし、コルチコステロイドの長期使用は、感染に対する感受性の増加、糖尿病、体重増加、疲労感、骨粗鬆症、および潰瘍といった副作用を伴う。The Merck Manual of Medical Information 319-321 (R. Berkow編, 1997)。また、メトトレキセートも多発性硬化症の治療に使用されている。Lugaresi A., Caporale C., Farina D., Marzoli F., Bonanni L., Muraro P.A., De Luca G., Iarlori C., Gambi D. 「慢性進行性多発性硬化症の低用量経口メトトレキセート治療」Neurological Science 22.2 (2001): 209-10、およびGoodkin D.E., Rudick R.A., VernderBrug Medendorp S., Daughtry M.M., Van Dyke C. 「慢性進行性多発性硬化症における低用量経口メトトレキセート:連続MRI解析」Neurology 47.5 (1996): 1153-7。
上述したように、メトトレキセートは悪性疾患や、乾癬、炎症性腸疾患、慢性関節リウマチ、多発性硬化症といった炎症性疾患の治療に用いられてきた。ところが、メトトレキセートには重大かつ有害な副作用がある。それらには肺繊維症や肝酵素の上昇が含まれる。その結果、メトトレキセートよりも強力で、メトトレキセートに関連した有害作用を回避しうる他の薬物が必要とされており、同時にメトトレキセート耐性細胞に対して有効な薬物が必要とされている。
また、乾燥製剤中で良好な貯蔵寿命を有しかつ塩基性添加剤を加えなくとも水に容易に溶ける式Iaの化合物を含む新規製剤を提供することが望ましいだろう。悪性疾患の治療に使用することができる式Iaの化合物の製薬上許容される塩、特にメトトレキセート耐性細胞の増殖に対して高い阻害活性を示し、炎症性疾患の治療に使用することができ、また対応する式Iaの酸性化合物と比較して安定性が増大している式Iaの化合物の製薬上許容される塩が特に望ましいだろう。
発明の概要
本発明は、新しいクラスのNδ-アシル化されたNα-(4-アミノ-4-デオキシプテロイル)-4-オルニチン化合物のアンモニウム塩、ならびにそれを含む治療用組成物に関する。本発明はまた、メトトレキセート耐性細胞の増殖に対して高い阻害活性を示す本発明のアンモニウム塩を癌患者に投与することによる、癌に罹っているかまたは罹りやすい患者、特に細胞性腫瘍増殖、腫瘍増殖もしくは転移を示しているかまたは示しやすい患者の治療方法に関する。さらに、本発明のアンモニウム塩は、乾癬、炎症性腸疾患、慢性関節リウマチ、および多発性硬化症を含むがこれらに限らない炎症性疾患を治療するために使用される。本発明のアンモニウム塩はメトトレキセートよりも効力のあるジヒドロ葉酸レダクターゼ阻害剤であり、メトトレキセートに関連した副作用がより少ないと考えられる。本発明のアンモニウム塩はメトトレキセート耐性細胞に対しても効果がある。本発明のアンモニウム塩は、対応する式Iaの酸性化合物と比較して、水への溶解性と改善された化学的安定性という優れた性質を併せ持っている。
本発明のアンモニウム塩は優れた化学的安定性を示し、その結果本発明のアンモニウム塩は対応する式Iaの酸性化合物と比較して貯蔵寿命が増加する。化学的安定性が改善されると、式IIのアンモニウム塩の単離が容易となり、式IIのアンモニウム塩を含む医薬組成物の処方が容易となり、さらに式IIの純粋なアンモニウム塩と式IIのアンモニウム塩を含む医薬組成物との双方の貯蔵寿命が長引くようになる。
本発明は、式II:
Figure 2007501227
[式中、R2は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C1-6アルコキシ、クロロ、フルオロ、ヒドロキシ、および-COOHからなる群より独立に選択される最大4個までの基を表し、
R3、R4およびR5は、水素およびC1-6アルキルからそれぞれ独立に選択されるか、あるいはNR3R4は、一緒になって、少なくとも1個の窒素環原子を有する5〜7員複素環を形成することができ、
xは、0より大きく約4よりも小さい実数である]
で表されるアンモニウム塩を特徴とする。
好適な式IIのアンモニウム塩には、NR3R4R5がアンモニア、すなわちNH3、ピペラジニウム、2-ヒドロキシエチルアンモニウム、または製薬上許容されるアルカロイドを表す、そのような塩が含まれる。さらに好適な式IIのアンモニウム塩は、NR3R4R5がアンモニアを表すものである。
好ましい式IIの化合物は、メトトレキセートに耐性の腫瘍細胞、特に白血病細胞、リンパ芽球、ヒト腫瘍細胞株SCC 15/R1およびSCC 25/R1などの増殖に対する高度に活性な阻害剤である。
本発明はまた、上記式IIのアンモニウム塩を製薬上許容される担体と共に含有する医薬組成物を提供する。
本発明の他の態様については以下で説明することにする。
発明の詳細な説明
好ましい実施形態においては、本発明は式III:
Figure 2007501227
[式中、x、R2、R3、R4およびR5は、式IIの塩について定義した通りである]
で表されるアンモニウム塩を特徴とする。
好適な式IIIのアンモニウム塩には、NR3R4R5がアンモニア、すなわちNH3、ピペラジニウム、2-ヒドロキシエチルアンモニウム、または製薬上許容されるアルカロイドを表す、そのような塩が含まれる。さらに好適な式IIIのアンモニウム塩は、NR3R4R5がアンモニアを表すものである。
本発明は、式IIまたは式IIIにおいてNR3R4R5がアンモニアを表し、xが約4、3.5、3または2.5より小さく約0、0.5または1より大きい、好適なアンモニウム塩を特徴とする。好ましい実施形態では、xが約0.75〜2.5、より好ましくは約0.8〜2.4、または約0.9〜2の実数である。さらに好ましくは、xは約1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、または2.0である。
好ましい実施形態において、本発明は式IV:
Figure 2007501227
[式中、R3、R4およびR5は、水素およびC1-6アルキルからそれぞれ独立に選択されるか、あるいはNR3R4は、一緒になって、少なくとも1個の窒素環原子を有する5〜7員複素環を形成することができ、
xは、0より大きく約4よりも小さい実数である]
で表されるアンモニウム塩を提供する。
好適な式IVのアンモニウム塩には、NR3R4R5がアンモニア、すなわちNH3、または製薬上許容されるアルカロイドを表す、そのような塩が含まれる。さらに好適な式IVのアンモニウム塩は、NR3R4R5がアンモニアを表すものである。
好ましい実施形態において、本発明は、NR3R4R5がアンモニアを表す式IVのアンモニウム塩を提供し、前記アンモニウム塩は1〜2当量のアンモニアを含み、例えば1x2であり、場合によっては水和水をさらに含んでいてもよい。
本発明のアンモニウム塩の製造方法
アンモニウム塩を対応するカルボン酸またはカルボン酸の金属塩から製造するのに適した方法はすべて、本発明により提供されるアンモニウム塩の製造に使用することができる。NR3R4R5がNH3である式II、IIIまたはIVのアンモニウム塩を製造するための好適な方法は、対応する遊離酸を希水酸化アンモニウム水溶液中で溶媒和し、不溶性の物質を濾過により除去し、その水溶液を凍結乾燥させて純粋なアンモニウム塩を得ることを含む。
別の実施形態においては、本発明は式II、IIIまたはIVのアンモニウム塩を製造する方法を提供し、前記方法は、遊離酸を適当な溶媒中で溶媒和し、式NR3R4R5のアミンを気体または液体として前記遊離酸組成物の溶液に導入し、その結果としての式II、IIIまたはIVのアンモニウム塩を溶液から沈殿させることを含む。一般的に、アミンがアンモニアやメチルアミンのような気体である場合は、少なくとも気体アミンを含む気体混合物を前記溶液中に泡立てながら導入する。アミンが液体である場合には、純粋なアミンまたは水混和性液体中に溶解したアミンの溶液を遊離酸の溶液に導入して、アンモニウム塩の形成を誘導する。
本発明の方法において使用するのに適した化合物には、あらゆる個々の純粋な異性体および2以上の異性体の混合物が含まれる。異性体という用語は、ジアステレオ異性体、鏡像異性体(エナンチオマー)、位置異性体、構造異性体、回転異性体、互変異性体などを含むものとする。1以上の立体中心を含む化合物、例えばキラル化合物の場合には、エナンチオマー的に富化された化合物、ラセミ体、またはジアステレオマー混合物を用いて本発明の方法を実施することができる。好適なエナンチオマー的に富化された化合物は50%またはそれ以上のエナンチオマー過剰率を有し、さらに好ましくは、前記化合物は60%、70%、80%、90%、95%、98%または99%以上のエナンチオマー過剰率を有する。好ましい実施形態では、キラルなピロリドン化合物のただ1つのエナンチオマーまたはジアステレオマーを添加する。
上述したように、本発明に従って投与される典型的な被験者は哺乳類、例えば霊長類、特にヒトである。
本発明に従う他の好適な式II〜IVのアンモニウム塩には、メトトレキセート耐性細胞(ヒトリンパ芽球またはマウス白血病細胞のような癌細胞を含む)の増殖を1μM以下のIC50で阻止することができるアンモニウム塩が含まれる。より好ましくは、本発明のアンモニウム塩は、癌細胞に対して500nM、250nM、100nM、50nM、25nMまたはそれ以下の細胞増殖阻止IC50を有する。最も好ましい化合物は、癌細胞、肉腫細胞または他の腫瘍性細胞に対して25nM、20nM、15nM、10nM、5nM、2nM、1nMまたはそれ以下の細胞増殖阻止IC50を有する。
本発明の他の好適なアンモニウム塩は、米国特許第4,767,761号に記載されるNα-(4-アミノ-4-デオキシプテロイル)-L-オルニチン化合物の対応する酸性Nδ-アシル誘導体が示す細胞増殖阻止とほぼ同じ細胞増殖阻止を示すものである。
本発明に従う式II〜IVのアンモニウム塩は炎症性疾患の治療にも使用することができる。代表的な炎症性疾患には、限定するものではないが、乾癬、炎症性腸疾患、慢性関節リウマチ、および多発性硬化症が挙げられる。
本発明はまた、式II〜IVのいずれか1つに従うアンモニウム塩および製薬上許容される担体を含有する医薬組成物を特徴とする。
本発明の組成物はまた、本明細書に記載した癌または炎症性疾患を治療するための使用説明書(すなわち、印刷物のような書面)、例えば癌に罹っているか罹りやすい被験者、好ましくは細胞がメトトレキセートに耐性である腫瘍細胞増殖を示す癌に罹っているか罹りやすい被験者、または炎症性疾患に罹っているか罹りやすい被験者を治療するための使用説明書、と一緒に包装されてもよい。
好ましい本発明の方法は、本明細書に記載したような癌またはメトトレキセートに耐性の腫瘍細胞(例えば、癌細胞、肉腫細胞、および他の腫瘍性細胞)の増殖を有する被験者(例えば、哺乳類、好ましくはヒト)を同定および/または選別する方法を含む。
本発明の化合物(先に定義した式I、II、III、IVおよびVの化合物を含む)の適当なハロゲン置換基またはハライド基には、F、Cl、BrおよびIが含まれる。本発明の化合物のアルキル基は、好ましくは1〜約12個の炭素原子、より好ましくは1〜約8個の炭素原子、さらに好ましくは1〜約6個の炭素原子を有する。本明細書中で用いる場合、アルキルという用語は、特に断らないかぎり、環式基と非環式基の両方を指す。当然のことながら、環式基は少なくとも3個の炭素環員を含む。一般には、直鎖状または分枝鎖状の非環式アルキル基が環式基よりも好ましく、特にイソプロピル、t-ブチルといった分枝鎖基が好ましい。本発明の好ましいアルケニル基は、1つ以上の不飽和結合と2〜約12個の炭素原子、より好ましくは2〜約8個の炭素原子、さらに好ましくは2〜約6個の炭素原子を有する。本明細書中で用いるアルケニルという用語は、環式基と非環式基の両方を指すが、一般的には直鎖状または分枝鎖状の非環式基、特に分枝鎖基がより好ましいものである。本発明の化合物の好適なアルコキシ基には、1つ以上の酸素結合と1〜約12個の炭素原子、より好ましくは1〜約8個の炭素原子、さらに好ましくは1〜約6個の炭素原子を有する基が含まれる。本発明の化合物の好適なチオアルキル基には、1つ以上のチオエーテル結合と1〜約12個の炭素原子、より好ましくは1〜約8個の炭素原子、さらに好ましくは1〜約6個の炭素原子を有する基が含まれる。好ましいアミノアルキル基には、1個以上の1級、2級および/または3級アミン基と1〜約12個の炭素原子、より好ましくは1〜約8個の炭素原子、さらに好ましくは1〜約6個の炭素原子を有する基が含まれる。好ましいアリールアミノ基には、1または2個のアリール基で置換されたアミノ基を有する基が含まれる。好ましいヘテロアリールアミノ基には、1または2個のヘテロアリール基で置換されたアミノ基を有する基が含まれる。置換および非置換のモノおよびジアルキルアミノ基、特に前記基の各アルキル鎖が1〜約6個の炭素原子を有するものが好ましい。本発明の化合物の好ましいアルキルスルホキシドは、1個以上のスルホキシド基(より一般的には1個のスルホキシド基)と1〜約12個の炭素原子、より好ましくは1〜約8個の炭素原子、さらに好ましくは1〜約6個の炭素原子を有する。本発明の化合物の好ましいスルホノアルキル基は、1個以上のスルホノ(SO2)基(より一般的には1または2個のスルホノ基)と1〜約12個の炭素原子、より好ましくは1〜約8個の炭素原子、さらに好ましくは1〜約6個の炭素原子を有する。本発明の化合物の好ましいアルカノイル基には、1個以上のカルボニル基(より一般的には1または2個のカルボニル基)と1〜約12個の炭素原子、より好ましくは1〜約8個の炭素原子、さらに好ましくは1〜約6個の炭素原子を有する基が含まれる。好ましいアルコキシカルボニルアミノ基には、式-NHCOOR(ここで、Rは1〜約10個の炭素原子、より好ましくは1〜約6個の炭素原子を有する置換または非置換アルキル基である)の基が含まれる。本発明の化合物の好適なヘテロ芳香族基は1個以上のN、OまたはS原子を含み、例えば以下の基が含まれる:キノリニル、ピリジル、ピラジニル、インドリル、カルバゾイル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、アミノチアゾリル(例えば、2-アミノチアゾリル)、ピラゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、およびピリジル(2-ピリジルおよび4-ピリジル、特に1つ以上の環位置がヒドロキシ、アセテートのようなアルカノイル、1〜約8個の炭素原子を有するアルキルアミノカルボニル、および1〜約8個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルのような基で置換されたピリジルを含む)。本発明の化合物の適当なヘテロ脂環式基は1個以上のN、OまたはS原子を含み、例えば以下の基が含まれる:アジリジニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、およびチオモルホリニル。
本発明の化合物の置換された基(置換されたR2、R3、R4およびR5基を含む)は「場合により置換された」ものであってもよく、すなわち、前記の基は1以上の利用可能な位置で以下のような1個以上の適当な基により置換されていてもよい:ハロゲン(例:フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード)、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、アルキル基(1〜約12個の炭素原子または1〜約6個の炭素原子を有する基、好ましくは非環式アルキル基、例えばイソプロピルおよびt-ブチルのような分枝鎖基を含む)、アルケニルおよびアルキニル基(1つ以上の不飽和結合と2〜約12個の炭素原子または2〜約6個の炭素原子を有する基を含む)、アルキルチオ基(1つ以上のチオエーテル結合と1〜約12個の炭素原子または1〜約6個の炭素原子を有する基を含む)、ならびに、本発明の少なくとも好ましい形態においては、アルコキシ基(1つ以上の酸素結合と1〜約12個の炭素原子または1〜約6個の炭素原子を有する基を含む)、およびアミノアルキル基(例えば、1個以上のN原子(1級、2級および/または3級N基として存在しうる)と1〜約12個の炭素原子または1〜約6個の炭素原子を有する基)。
本発明のアンモニウム塩は、慣用の無毒性の製薬上許容される担体、アジュバントおよびビヒクルを含む投薬単位製剤として局所的に、非経口的に、吸入もしくは噴霧により、または直腸に投与することができる。特に、本発明のアンモニウム塩のうちの1種の水溶液を非経口投与することが好ましい。本明細書中で用いる非経口という用語は、注射など、例えば皮下、皮内、血管内(例:静脈内または動脈内)、筋肉内、胸骨下、脊髄、硬膜下腔内、および同様の注射または注入技法を含み、皮下、筋肉内および血管内注射または注入が好適である。
さらに、本発明の化合物および製薬上許容される担体を含有する医薬組成物が提供される。1種以上の本発明の化合物が、1種以上の無毒性の製薬上許容される担体および所望により他の活性成分と共に存在しうる。典型的な医薬組成物は、本発明のアンモニウム塩を、慣用の賦形剤(すなわち、活性化合物と有害に反応することなくかつそのレシピエントに有害作用を及ぼさない、所望の投与経路に適した製薬上許容される有機または無機担体物質)と混合した状態で含有する。適当な製薬上許容される担体としては、限定するものではないが、水、塩溶液、アルコール、植物油、ポリエチレングリコール、ゼラチン、乳糖、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、香油、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、ペトロエーテル脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、L-アルギニン、マンニトール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。医薬製剤は滅菌することができ、また、所望により補助剤、例えば滑沢剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与える塩類、バッファー、フレーバーおよび/または芳香物質などの、活性化合物と有害に反応することのないものと混合してもよい。
本発明の化合物は、好ましくは無菌で無毒性の発熱物質フリーの媒体中に存在させて、非経口的に投与することができる。薬物は、用いるビヒクルおよび濃度に応じて、ビヒクル中に懸濁または溶解される。有利には、局所麻酔剤、防腐剤、緩衝剤といった補助剤をビヒクル中に溶解させる。本発明の化合物を含有する医薬組成物は、経口使用に適した形態をしており、例えば水溶液として、または本発明のアンモニウム塩の水溶液を凍結乾燥することにより得られる固体残留物などの乾燥粉末組成物として提供される。非経口使用の場合には、一般的に、投与に先だって、滅菌水または製薬上許容される無菌の水溶液を、本発明のアンモニウム塩の乾燥粉末組成物を含む真空バイアルに添加する。
水の添加により水性懸濁液を調製するのに適した分散性の粉末および顆粒は、活性成分を分散剤、湿潤剤、懸濁化剤、および1種以上の防腐剤と混合したものである。適当な分散剤、湿潤剤、および懸濁化剤の例は、すでに上で挙げたものである。さらなる賦形剤、例えば着色剤を存在させてもよい。
合成方法
Nα-(4-アミノ-4-デオキシプテロイル)-Nδ-ヘミフタロイル-L-オルニチン(PT 523)、すなわち化合物8はスキーム1に記載した手順に従って製造した。
2,4,5,6-テトラアミノピリミジンとジヒドロキシアセトンとを縮合させて6-ヒドロキシメチルプテリジン1を得た。化合物1をジメチルアセトアミド中で臭素およびトリフェニルホスフィンにより処理すると、対応する6-ブロモメチルプテリジンが得られ、これをその場で4-アミノ安息香酸とカップリングさせてプテロイル安息香酸2を得た。粗生成物の純度は、HPLCで分析して約85%であった。この化合物はほとんどの溶媒に難溶性であるため、再結晶による精製は実用的でないことがわかった。しかしながら、対応するナトリウム塩は温水に可溶であり、冷却すると結晶化した。化合物2は水酸化物の温かい水溶液中では分解するが、粗生成物を炭酸水素ナトリウムの希薄な水溶液で処理すると、分解を認めることなくナトリウム塩が得られた。この塩を炭酸水素塩の希薄な水溶液から再結晶すると、生成物の純度が93%またはそれ以上に上昇した。その後、精製した塩を酢酸水溶液で処理して酸へと変換した。
化合物2のホルミル化は容易に進行して、良好な品質の中間体3をもたらした。この物質をオルニチン酸エステル5とカップリングさせて化合物6を得たが、この化合物は比較的良好な溶解特性を有するのでカラムクロマトグラフィーで精製した。非ホルミル類似体のために使用した反応条件下での化合物6の塩基による加水分解(溶媒としてメタノール-THF)は、良好な品質の生成物7を与えなかった。フタルイミドの開環とメチルエステルの加水分解は容易に進行したものの、ホルミル基の切断が遅く、しかも不完全であった。共溶媒としてのTHFをジメチルスルホキシドと置き換えると、より良好な結果が得られた。こうして、DMSO-メタノール(1:4)中で6当量の塩基を用いると、この反応は30〜45分で完了した。より短い反応時間では、生成物が未反応のN-ホルミル化合物をいくらか含んでおり、また反応時間を延長すると、数種の他の不純物の生成が認められた。こうした理由のため、加水分解工程は複数の小規模実験(2〜10g)で行い、反応の進行をしっかりとモニター(HPLC)した。
本発明者らが最初に均質な10〜15gロットの化合物7を得ようとした際には、純度93〜96%の生成物の小バッチをいくつか一緒にして、炭酸水素塩の希薄な水溶液中に溶解し、酸を添加して化合物を再沈殿させた。この方法は受け入れがたい手法であることが判明した。主要な不純物が生成され、均質なロットがたった85%の純度になってしまった。我々はこの化合物を再度精製しようとして、失敗した。これとは別に、我々は、化合物7が希薄な水酸化アンモニウム中に溶解したとき比較的安定していることを見いだした。この溶液を凍結乾燥することにより、アンモニウム塩8が黄色の粉末として得られた。生成物の分解は、あるにしても、最小限であった。
Figure 2007501227
表題化合物は、文献に記載の手順に従って、上に示した順序を経て製造した。2,4,5,6-テトラアミノピリミジンとジヒドロキシアセトンとを縮合させて、6-ヒドロキシメチルプテリジン(1)を生成させた。これを対応する臭化物に変換させ、その場で4-アミノ安息香酸とカップリングさせてプテロイン酸2を得た。化合物2をギ酸と無水酢酸の還流混合物中でホルミル化するとホルミルプテロイン酸3が得られた(全体で24%)。
上記分子の他の部分はL-オルニチン塩酸塩から製造した。すなわち、L-オルニチン塩酸塩を対応する銅複合体に変換し、炭酸水素ナトリウムの存在下でカルボエトキシフタルイミドとカップリングさせ、その後塩酸で処理して塩酸塩4を生成させた。化合物4を塩化チオニルの存在下でメタノールによりエステル化すると、オルニチン酸メチル5が得られた(全体で43%)。
ホルミルプテロイン酸3とオルニチン酸メチル5との縮合を、混合無水物法(イソブチルクロロホルメートとトリエチルアミン)を用いて行なって、化合物6を得た(化合物3から63%)。中間体6の「PT523」7への変換は、2N水酸化ナトリウムを用いてメタノールとジメチルスルホキシドの混合物(4:1)中で室温にて30分間、注意しながら加水分解することで達成された(90%)。最後に、化合物7の異なるバッチを一緒にして50〜55gのロットを2つ作り、それぞれを希薄な水酸化アンモニウム中に溶解し続いて凍結乾燥することによりアンモニウム塩8に変換した。55gおよび54gの「PT523」(NH4 +塩として、HPLC純度96.5%+)のサンプルをロット番号ML-07G-15およびML-07G-23として2000年1月26日にNCIに出荷した。
実施例1:4-アミノ-4-デオキシ-6-ヒドロキシメチルプテリジン(1)
テトラアミノピリミジン硫酸塩(119g, 0.5mol)を、水(2.5L)中に塩化バリウム(122g, 0.5mol)を溶解した溶液に80℃で添加した。この懸濁液を85〜90℃で15分間撹拌し、次いで35℃に冷却してから濾過した。濾液を合わせて、効率のよい機械的撹拌装置と酸素流入用のフリット化ガラスチューブを備えた5Lの三つ口フラスコに入れた。L-システイン塩酸塩(87.8g, 0.5mol)を添加し、続いて塩化アンモニウム(642g, 12mol)および水酸化アンモニウム(63mL, 1mol、1Lの水で希釈した)を添加した。この混合物を酸素下で0℃に冷却し(アセトン/CO2浴)、ジヒドロキシアセトン二量体(135g, 0.75mol)を添加した。反応混合物のpHを6に調整し(約4mLの濃NH4OHを使用)、冷却浴を取り除き、混合物を酸素流の下で40時間激しく撹拌した。固体1(主に塩酸塩)を濾過により集め、水(2 x 100mL)とエタノール(100mL)で洗い、減圧下に100℃で一晩乾燥させた。
乾燥済みの塩酸塩(114.0g, 0.5mol)を、氷酢酸(205mL, 3.4mol)を含む温(75℃)水(2052mL)に添加した。この懸濁液を75〜80℃で15分間撹拌した。不溶性の物質を濾過により除き、透明な濾液をNoritタイプの活性炭により85℃で5分間処理した。濾過後、混合物を45℃に冷却し、濃NH4OH(245mL, 19mol)を用いてpH6に調整した。明るい黄色の沈殿物を回収し、水(100 mL)、エタノール(100mL)、最後に少量のエーテルを用いて洗浄した。生成物を減圧下に100℃で一晩乾燥させると、鮮黄色の固体(ロットJK-1-106)が66.0g(68%)得られた。
上記の手順をさらに2回繰り返して、ロットJK-1-108を54.0g(56%)およびロットJK-1-112を60.0g(64%)製造した。
ロットJK-1-106、JK-1-108およびJK-1-112を合わせて(179g, 0.92mol)、75℃の10%酢酸水溶液(3.6L, 5.99mol)中に濃HC1(65mL, 0.8mol)の助けをかりて溶解した。橙色の溶液をNorit活性炭(30g)で処理し、濾過してから40℃に冷却した。この溶液を濃NH4OH(435mL, 6.9mol)により中和した。鮮黄色の固体を集め、水(2 x 200mL)、エタノール(200mL)、およびエーテル(100mL)で洗った。この生成物を減圧下に100℃で一晩乾燥させると、鮮黄色の固体(ロットJK-1-114)が163.2g(テトラアミノピリミジン硫酸塩から57%)得られた;HPLC純度:96.0%(カラム-prontosil 120-3-C18 AQ, 4.6 x 150mm, 3.0μ; 254nmで検出; 移動相 - 2分から7分までの間に0.01%TFA水溶液中の2〜20%アセトニトリル, 1mL/分; サンプル - 0.5mg/mL, 注入10μL)。
実施例2:4-アミノ-4-デオキシプテロイン酸(2)
滴下ロート、温度計、および乾燥チューブを備えた2Lの三つ口丸底フラスコに、トリフェニルホスフィン(216g, 0.83mol)と無水ジメチルアセトアミド(0.66L)を添加した。生じた透明な溶液を5℃に冷却し、温度を8℃より低く保ちながら臭素(132g, 0.83mol)を45分かけて添加した。得られた白色スラリーに2,4-ジアミノ-6-ヒドロキシメチルプテリジン(53g, 0.28mol)を添加した。発熱作用のため温度が35℃に上昇した。錆色に着色したスラリーを1時間かけてゆっくりと溶解させると暗赤色の溶液となった。この混合物を周囲温度で一晩(約17時間)撹拌して暗赤色のスラリーを得た。酸化バリウム(53g, 0.35mol)と4-アミノ安息香酸(57g, 0.42mol)を激しく撹拌しながらそれぞれ一度に添加した。発熱作用のため温度が70℃に上昇し、混合物が15分以内で錆色のスラリーになった。この反応混合物を55±2℃で24±2時間撹拌した。得られた黄褐色のスラリーを20℃に冷却し、次いでCH2Cl2 (6.9L)とMeOH (0.2L)の混合物中に注いだ。固形分を濾過により分離し、水(2.5L)中にスラリー化し、この混合物を再度濾過して固体を分離した。得られた固体をMeOH (2.5L)中にスラリー化し、濾過により分離し、周囲温度で自然乾燥させると、粗生成物が褐色を帯びた黄色の粉末として85g(99%)得られた(ロットBM-02G-54)。
同様に、追加の化合物1 (106g)を2つのロットで処理して、粗生成物2を83g (ロットBM-02G-56)および85g (ロットBM-02G-57)得た。
粗生成物2(ロットBM-02G-54、-56、-57;250g)を一緒に合わせて、メタノール(10L)中にスラリー化した。この混合物を激しく撹拌しながら還流下で30分間加熱した。混合物を25℃に冷却し、濾過し、得られた固体を周囲温度で一晩(約16時間)自然乾燥させて、褐色を帯びた黄色の粉末238g(回収率95%)を得た(ロットBM-02G-58)。
実施例3:Na + 塩への変換
工程A: 上記の固体 (237g, ロットBM-02G-58)を4%NaHC03水溶液(9.5L)中で85℃にて15〜20分間撹拌した。未溶解物質を濾過により分離し、16時間自然乾燥させて褐色の固体91gを得た(ロットBM-02G-59A)。濾液をNorit活性炭(35g)で処理し、加温(85℃)濾過し、一晩で20〜25℃に冷却させた。黄色の沈殿物を濾過により分離し、周囲温度で一晩(約18時間)自然乾燥させると、褐色を帯びた黄色の固体109gが得られた(ロットBM-02G-59B)。
工程B: 上記工程Aからの未溶解褐色固体(91g, ロットBM-02G-59A)を4%NaHC03水溶液(7.1L)中で90℃に徐々に加熱した。この溶液にNorit活性炭(10g)を添加し、混合物を90℃で15分間撹拌した。活性炭を濾過により除去し、濾液を一晩で20〜25℃に冷却させた。(活性炭の濾過後15分で約65℃にて黄色の固体が析出し始めた。)スラリーを濾過し、分離した固体を自然乾燥させて72gの化合物2をナトリウム塩として得た(ロット番号BM-02G-61)。
実施例3a:Na + 塩への別の変換方法
実施例3の工程Aと工程Bは、1つの工程に合体させることができ、その場合には、実施例2で得られた固体2を90℃の4%NaHC03水溶液中で15〜20分間撹拌する。痕跡量の未溶解物質を加温濾過で分離する。その後、濾液をNorit活性炭(35g)で処理し、加温(約65℃)濾過し、一晩で20〜25℃に冷却させる。その後、化合物2のナトリウム塩の黄色の沈殿物を濾過により分離し、周囲温度で自然乾燥させる。
実施例4:Na + 塩の再結晶
褐色を帯びた黄色の物質(107g, ロットBM-02G-59B)を90℃で1%炭酸水素ナトリウム水溶液(4.1L)中に溶解させた。この溶液をNorit活性炭で処理し、90℃で15分間撹拌してから濾過した。濾過後直ちに生成物が析出し始めた。スラリーを25℃に冷却させ、その後さらに氷上で15℃まで冷却した。固体を濾過により分離し、一晩自然乾燥させて鮮黄色の固体95gを得た(ロットBM-02G-62)。
実施例5:Na + 塩の遊離酸(2)への変換
一緒に合わせたナトリウム塩 (71gのロットBM-02G-61および94gのロットBM-02G-62)を、炭酸水素ナトリウム(30g)を含む水(18L)中に85℃で溶解させた。生じた橙色の溶液を加温濾過して少量の不溶性物質(乾燥後9.5g)を除去し、この物質を廃棄した。温かい濾液を酢酸(0.1L)でpH4に酸性化した。得られたスラリーを氷水浴中で25℃に冷却した。固体を濾過により回収し、冷水(0.5L,10℃)で洗い、一晩自然乾燥させ、その後70±5℃/30inHgで5時間乾燥させて117g(46%)の化合物2を黄橙色の固体として得た(ロットBM-02G-63B)。HPLC純度: 96.9%(カラム-prontosil 120-3-C 18 AQ, 4.6 x 150mm, 3.0μ, 254nmで検出; 移動相 - 水性10mM Tris, pH8.0(希HClを含む)中の20%メタノール, 1mL/分; サンプル - 0.05mg/mL, 注入10μL)。
実施例6:4-アミノ-4-デオキシ-N l0 -ホルミルプテロイン酸(3)
無水酢酸(510mL, 5.4mol)を濃縮(96%)ギ酸(2.05L, 54.3mol)に一度に加えた。発熱作用がおさまった後(45分)、プテロイン酸2 (54g, 0.17mol)を38℃で導入した。次いでこの反応混合物を還流下に3時間加熱した。混合物を減圧(約40mmHg)下に濃縮乾固させた。ベージュ色の固体を、濃水酸化アンモニウム(0.54L, 8.4mol)を含む水(3.8L)に取り上げた。この懸濁液を溶解するまで加熱し(70℃)、少量の不溶性物質を濾過により除去し、濾液にロットBM-02G-72のラベルを付けた。
追加のプテロイン酸2 (62g, 0.20mol)を上記と同様にホルミル化して濾液を得、これにロットBM-02G-73のラベルを付けた。
2つの濾液(BM-02G-72 & 73)を一緒にして、35℃に冷却した。この混合物を酢酸(0.95L)で酸性化してpH5.5 (pH試験紙)とした。得られたスラリーをさらに20℃まで冷却した。固体を濾過により分離して、一晩自然乾燥させた。この物質を、酢酸(0.26L)を含む水(7.0L)中に40±5℃で再懸濁させた。懸濁液を激しく0.5時間撹拌し、濾過し、固体を水(2 x 0.5L)、エタノール(0.5L)およびエーテル(0.1L)で順次洗浄して、24時間自然乾燥させた後に130g(>100%)の化合物3を灰白色固体として得た。この固体(130g)を、酢酸(0.35L)を含む水(7.0L)中に40±5℃で4時間スラリー化した。固体を濾過により分離し、水(1.0L)で洗い、36時間自然乾燥させた。次いで灰白色の固体を70±5℃/30inHgで3時間さらに乾燥させて、126g(91%)の化合物3を1.75水和物として取得し、これをロットBM-02G-76とした。元素分析(Cl5H13N703-1.75H20): 計算値: C, 48.58; H, 4.48; N, 26.44; 実測値: C, 48.55; H, 4.38; N, 26.63。
実施例7:Nδ-フタロイル-L-オルニチン塩酸塩(4)
L-オルニチン塩酸塩(100g, 0.59mol)を、水酸化ナトリウム(47.4g, 1.18mol)を含む水(1.0L)中に溶解した。水(1.0L)中の硫酸第二銅五水和物(74.0g, 0.30mol)を上記溶液と混合すると、濃い青色が生じた。炭酸水素ナトリウム(59.2g, 0.71mol)とカルボエトキシフタルイミド(148g, 0.65mol)を添加し、得られた薄い青色の懸濁液を室温で0.5時間撹拌した。沈殿物を濾過により回収し、水(0.3L x 2)、エタノール(0.3L x 2)、およびエーテル(0.3L x 3)で順次洗い、一晩自然乾燥させて165gの青色固体を得た。次いでこのフタロイルオルニチンの銅塩を6N塩酸(825mL)と共に室温で1時間撹拌した。この混合物をガラスフィルターにより濾過し、濾液がほぼ無色(非常に薄い緑色)になるまで固体を6N塩酸(1.25L)で洗浄した。粗塩酸塩をフィルター上に吸引濾過し、64時間自然乾燥させて粗化合物4 (123g, 70%)を薄緑色の固体として取得し、これをロットBM-02G-65Aとした。濾液は週末にかけて冷蔵して、固体をさらに沈殿させた。この固体を濾過により回収し、4時間自然乾燥させて、さらに4.5g (2.5%)の薄緑色の固体を取得し、これをロットBM-02G-65Bとした。.
粗製のNδ-フタロイル-L-オルニチン塩酸塩(4)(122gのロットBM-02G-65Aおよび4.5gのロットBM-02G-65B)をメタノール(1.3L)中に室温で溶解した。この薄緑色の溶液を撹拌しながら酢酸エチル(3.5L)で希釈した。直ちに沈殿物が生じた。このスラリーを30分間撹拌した。固体を濾過により分離し、酢酸エチル(0.3L)で洗い、室温で一晩自然乾燥させて72gの生成物を取得し(L-オルニチン塩酸塩から41%)、これをロットBM-02G-67とした。融点217〜219℃(分解)。
上記の手順を、68gおよび130gのL-オルニチン塩酸塩から出発して2回繰り返して、精製生成物4をそれぞれ56g(46%)(ロットBM-02G-69)および117g(51%)(ロットBM-02G-84)取得した。融点217〜219℃(分解)。薄層クロマトグラフィー:AnaltechシリカゲルGF: 溶離剤: 酢酸エチル-エタノール-水 (7:2:1); Rf 0.33; 注釈: 均一。
実施例8:Nδ-フタロイル-L-オルニチン酸メチル塩酸塩(5)
メタノール(2.7L)中のNδ-フタロイル-L-オルニチン塩酸塩(4)(126g, 0.42mol)の懸濁液を撹拌しながら-20℃に冷却し、塩化チオニル(350mL, 4.8mol)を45分かけて滴下した(その間、温度を0℃より低く保った)。滴下している間に白色沈殿物が現れた。滴下後、冷却浴を取り除き、反応混合物を室温で一晩(約18時間)撹拌した。生じた薄黄色の透明な溶液を濃縮(アスピレーター)乾固させ、残留するメタノールをトルエン(650mL)との共蒸留により除去した。残留物をメタノール(65mL)と酢酸エチル(650mL)とアセトン(650mL)の混合溶媒で細かくすり砕いた。固体を濾過により集め、ヘキサン(250mL x 2)で洗い、一晩自然乾燥させ、さらに55±5℃/30inHgで6時間乾燥させて、純粋な化合物5 (123g, 94%)を白色粉末(融点195〜197℃)として取得し、これをロットBM-02G-70とした。元素分析: 計算値(Cl4H17N2ClO4): C 53.77; H 5.48; N 8.96; Cl 11.34; 実測値: C 53.78; H 5.44; N 8.96; Cl 11.37。
Nδ-フタロイル-L-オルニチン塩酸塩(116g)の別のバッチを同様にしてエステル化して、116gの純粋な化合物5(半水和物として93%)を取得し、これをロットBM-02G-85とした。融点195〜197℃。元素分析: 計算値(Cl4H17N2ClO4 0.5H2O): C 52.26; H 5.64; N 8.71; Cl 11.02; 実測値: C 52.38; H 5.64; N 8.66; Cl 11.13。薄層クロマトグラフィー:AnaltechシリカゲルGF: 溶離剤: メタノール-塩化メチレン (1:9); Rf 0.66; 注釈: 均一。
実施例9:Nα-(4-アミノ-4-デオキシ-N 10 -ホルミルプテロイル-Nδ-フタロイル-L-オルニチン酸メチル(6)
イソブチルクロロホルメート(3.9mL, 30mmol)を、トリエチルアミン(33.4mL, 0.24mol)を含む乾燥DMF(0.4L)中の水和プテロイン酸3 (11.0g, 30mmol)の懸濁液に添加した。固体の大部分を溶解させて、この混合物を20分間撹拌した。Nδ-フタロイル-L-オルニチン酸メチル塩酸塩(5)(9.4g, 30mmol)を添加し、この混合物を20分間撹拌した。イソブチルクロロホルメートの次なる部分(1.9mL, 15mmol)を加えた。10分後、追加のオルニチン酸メチル5 (4.7g, 15mmol)を導入した。イソブチルクロロホルメート(1.0mL, 8mmol)および化合物5 (2.4g, 8mmol)を10分間隔でそれぞれ添加して、この手順をさらに2回繰り返した。最後の添加後、混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を半固体となるまで濃縮し、橙色の残留物(約80mL)を得た。この残留物を水(0.6L)と共に激しく撹拌すると、黄褐色の沈殿物が生じた。この固体を濾過により分離し、その後メタノール(0.4L)中にスラリー化した。固体を濾過により再度回収し、メタノール(0.1L)で洗浄し、2時間自然乾燥させて21gの粗生成物6を得た。この粗生成物を塩化メチレン-メタノール(95:5, 110mL)中に溶解し、この溶液を、塩化メチレン(2L)のみで充填したシリカゲルカラム(440g, 5.5 x 38cm)にアプライした。このカラムを塩化メチレン-メタノール(95:5, 0.4L)、続いて塩化メチレン-メタノール(90:10, 3.2L)で溶出した。純粋な生成物を含む画分(それぞれ0.25L)を一緒に合わせ、濃縮乾固させて12.5gの鮮明な黄色の固体を得た。この粗生成物を(11.5g)をDMF(58mL)とメタノール(58mL)の混合溶媒に還流下で溶解した。この溶液に穏やかに撹拌しながら加温(70℃)酢酸エチル(575mL)を徐々に添加した。透明な黄色の溶液を室温まで冷却させ、一晩ゆっくりと撹拌した。翌日、混合物を4±2℃へと2時間冷却し、濾過し、自然乾燥させ、次いで80±5℃/30inHgで14時間乾燥させると、11.9g(67%)の淡黄色の結晶質化合物6が得られ、これをロットBM-02G-80とした。HPLC: 96.5%。NMRスペクトルは、この生成物が約0.2mol%の上記3種の結晶化溶媒を含むことを示した。この部分的に溶媒和された生成物は変換反応に適していた。
水和された化合物3の2回目のバッチ(58g, 0.156mol)を同様にイソブチルクロロホルメートと化合物5で処理した。DMFの除去後、残留物を水(2.5L)と共に撹拌し、固体を回収し、自然乾燥させて143gの粗生成物6を得た。この物質を上記のようにクロマトグラフにかけると、精製された生成物が101g得られ、これをロットBM-02G-81とした。この精製した生成物を水(2L)と共に一晩撹拌した。固体を濾過により分離し、水(0.5L)で洗い、40時間自然乾燥させて、90gの黄色の固体(ロットBM-020-87)を得た。
この物質の一部(5.0g)を還流中の塩化メチレン-メタノール(93:7, 0.55L)に溶解した。シリカゲル(10g)と活性炭(0.2g)を加え、室温へと冷却しながらこの混合物を15分間撹拌した。セライト(5g)のパッドを通して混合物を濾過し、セライトパッドを塩化メチレン(50mL)ですすいだ。濾液を合わせて濃縮乾固させ、残留物(4.3g)をDMF(25mL)とMeOH(25mL)の混合溶媒に還流(72℃)下で溶解した。加温した酢酸エチル(70℃, 0.25L)を少しずつ加え、この溶液を撹拌しながら周囲温度へと冷却させた。生じたスラリーを一晩撹拌し、その後8℃に冷却して濾過した。固体を酢酸エチル(25mL)で洗い、室温で一定の重量になるまで自然乾燥させて、3.8gの淡黄色の結晶(ロットBM-02G-89)を得た。HPLC: 98.8%。
ロットBM-02G-87の残部(84g)を同様に精製して63gの淡黄色の結晶(ロットBM-02G-92)を得た。HPLC: 98.0%。合計収量は66.8g (72%)であった。
化合物6の最後のバッチは、54g(0.15mol)の化合物3から出発して製造した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーの後、純粋な画分から69g (ロットBM-02G-95A)の固体残留物を取得し、(TLCに基づいて)痕跡量の不純物を含む画分から25g (ロットBM-02G-95B)の固体(あまり純粋でない)を得た。残留DMFを除くために、両方の生成物(BM-02G-95Aおよび95B)を水(それぞれ2Lおよび1L)中で4時間激しく撹拌した。固体を濾過により分離し、水で洗い、64時間自然乾燥させ、その後40±5℃/30inHgで5時間さらに乾燥させると、それぞれ66g (ロットBM-020-102A)および22g (ロットBM-02G-102B)の黄色の固体が得られた。ロットBM-02G-102Bを以下のようにしてさらに精製した。固体を塩化メチレン-メタノール(93:7, 2.4L)中に還流(約35℃)下で溶解した。シリカゲル(44g)と活性炭(1g)を加え、この混合物を室温へと冷却しながら30分間撹拌した。塩化メチレン(0.25L)中で調製したセライト(40g)の床を通して混合物を濾過し、セライトを塩化メチレン-メタノール(93:7, 269mL)で洗った。濾液を合わせて濃縮し、19gの固体残留物を得た。この物質をロットBM-020-102A(66g)と一緒にし、DMF(435mL)とメタノール(435mL)の混合溶媒中に還流下で溶解した。加温した酢酸エチル(65℃, 4.3L)を撹拌しながらゆっくりと添加し、この溶液を室温まで冷却させた。加熱を中止した後15分ほどで沈殿が生じ、スラリーを得た。このスラリーを一晩撹拌してから、5±5℃へと2時間冷却した。固体を濾過により分離し、酢酸エチル(0.25L)で洗い、一晩自然乾燥させて69gの黄色の結晶質固体(ロットBM-02G-103)を得た(HPLC 96.6%)。純度が望ましいと考えられる純度より低かったので(プローブ加水分解実験に基づく)、このロットを上記のように塩化メチレン-メタノール(93:7, 7.6L)中のシリカゲル(138g)と活性炭(2.8g)で再処理した。得られた67gの固体をDMF-MeOH-EtOAc (0.3L-0.3L-3.5L)から再結晶させて、50gの化合物6 (56%)を淡黄色の結晶質固体(ロットBM-02G-105)として得た。HPLC: 98.9%(カラム-Phenomonex Kromasil C8, 100Å, 4.6 x 250mm, 10μ; 254nmでのUV検出; 移動相 - 10分間にわたる0.01%TFA水溶液中の26%から62%のメタノール, pH2.4(トリエチルアミンを含む); サンプル - 約1mg/mL, 注入10μL)。薄層クロマトグラフィー: EM Separations Technology, シリカゲル60 F254; 溶離剤: 塩化メチレン-メタノール(9:1); Rf 0.34; 注釈: Rf 0.24に痕跡量の不純物。
実施例10:Nα-フタロイル-L-オルニチン(7)
氷水浴中で10℃に冷却した、メタノール(36.8mL)とジメチルスルホキシド(9.2mL)の混合溶媒中のオルニチン酸エステル6 (9.2g, 15.4mmol)の懸濁液に、2N水酸化ナトリウム溶液(46mL, 92.0mmol)を2分かけて添加し、この間反応温度を20℃より低く保った。添加後、冷却浴を取り除き、混合物を室温で30分間撹拌した。生じた透明な黄褐色の溶液を水(180mL)で希釈して、10℃に冷却した。pHを1N塩酸(48mL)で約8.5に調整し、この溶液を酢酸エチル(180mL x 3)で抽出した。水相を水(370mL)で希釈し、その後1N酢酸(55mL)で約pH4.7にさらに調整した。得られたゼラチン状の溶液に種結晶を入れて室温で30分間撹拌した。固体を濾過により回収し、水(40mL x 4)、エタノール(40mL x 3)、およびエーテル(40mL x 3)で洗浄し、自然乾燥させた。この固体を25℃/0.1mmHgで一晩(約16時間)さらに乾燥させると、7.8g(88%)の化合物7(ロットML-07G-01)が黄色の粉末として得られた。薄層クロマトグラフィー: AnaltechシリカゲルGF; 溶離剤:CH2C12-MeOH-濃NH40H (5:4:1); Rf 0.68; 注釈: 若干のテーリングあり。
同様にして、追加の化合物6 (116g)を13のロットで処理して100.6gの化合物7を得た。
ロット 収量 ロット 収量
ML-07G-06 3.0g (87%) MIL-07G-12 8.8g (92%)
ML-07G-07 8.8g (92%) ML-07G-13 2.4g (89%)
MIL-07G-08 8.7g (91%) ML-07G-17 8.6g (90%)
ML-07G-09 8.8g (92%) ML-07G-18 8.7g (91%)
ML-07G-10 8.5g (89%) ML-07G-19 8.5g (89%)
実施例11:Nα-(4-アミノ-4-デオキシプテロイル)-Nδ-ヘミフタロイル-L-オルニチンアンモニウム塩(8)
遊離酸7、ML-07G-07、-08、-09、-10、-11、-12、-13 (54.0g, 94.1mmol)を合わせて、水(200mL)中に懸濁させた。この懸濁液に、赤褐色の透明な溶液が観察されるまで(pH9.0)5%水酸化アンモニウム溶液(75mL, 107mmol)を添加した。セライトパッド(5.0g)を通して溶液を濾過し、約30時間凍結乾燥させて55.6gの目的化合物8を黄色の粉末として得、これを空気中で室温にて一定の重量になるまで平衡化させて、56.4g (93%、2.4水和物として)のロットML-07G-I5を得た。
同様にして、遊離酸7、ML-07G-01、-06、-17、-18、-19、-20、-21 (52.8g, 92.1mmol)を合わせて処理し、追加の目的化合物8(ロットML-07G-23)を55.4g (93%、2.6水和物として)得た。
物理・分析データ
Nα-(4-アミノ-4-デオキシプテロイル)-Nδ-ヘミフタロイル-L-オルニチンのアンモニウム塩
ロット番号 ML-07G-15、55g
融点: 175℃以上(分解)
外観: 黄色の粉末
元素分析: C27H27N9O6 1.5 NH3・2.4 H20 (642.35)として計算
計算値 実測値
C 50.49 50.53
H 5.70 5.63
N 22.90 22.91
赤外線スペクトル:構造と一致
NMRスペクトル:構造と一致
HPLC純度:97.3%

薄層クロマトグラフィー:AnaltechシリカゲルGF
溶離剤 Rf 注釈
塩化メチレン-メタノール 0.68 均質
-濃水酸化アンモニウム(5:4:1)

水-メタノール-濃水酸化 0.90 わずかにテーリング
アンモニウム(1:9:0.25)

室温でのおよその溶解度:
水: >20mg/mL
エタノール: <1mg/mL
ジメチルホルムアミド: <1mg/mL
ジメチルスルホキシド: >10mg/mL
物理・分析データ
Nα-(4-アミノ-4-デオキシプテロイル)-Nδ-ヘミフタロイル-L-オルニチンのアンモニウム塩
ロット番号 ML-07G-23、54g
融点: 175℃以上(分解)
外観: 黄色の粉末
元素分析: C27H27N9O6 1.5 NH3・2.6 H20 (645.95)として計算
計算値 実測値
C 50.20 50.14
H 5.73 5.78
N 22.77 22.70
赤外線スペクトル:構造と一致
NMRスペクトル:構造と一致
HPLC純度:96.5%

薄層クロマトグラフィー:AnaltechシリカゲルGF
溶離剤 Rf 注釈
塩化メチレン-メタノール 0.68 均質
-濃水酸化アンモニウム(5:4:1)

水-メタノール-濃水酸化 0.90 わずかにテーリング
アンモニウム(1:9:0.25)

室温でのおよその溶解度:
水: >20mg/mL
エタノール: <1mg/mL
ジメチルホルムアミド: <1mg/mL
ジメチルスルホキシド: >10mg/mL
本明細書で引用した全ての文献は参照により本明細書に含めるものとする。

Claims (12)

  1. 有効量の式II:
    Figure 2007501227
    [式中、R2は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C1-6アルコキシ、クロロ、フルオロ、ヒドロキシ、および-COOHからなる群より独立に選択される最大4個までの基を表し、
    R3、R4およびR5は、水素およびC1-6アルキルからそれぞれ独立に選択されるか、あるいはNR3R4は、一緒になって、少なくとも1個の窒素環原子を有する5〜7員複素環を形成することができ、
    xは、0より大きく約4よりも小さい実数である]
    で表される化合物を哺乳動物に投与することを含んでなる、哺乳動物の炎症性疾患を治療または予防する方法。
  2. 炎症性疾患が乾癬、炎症性腸疾患、慢性関節リウマチ、および多発性硬化症からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 哺乳動物がヒトである、請求項1に記載の方法。
  4. 有効量の式III:
    Figure 2007501227
    [式中、R2は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C1-6アルコキシ、クロロ、フルオロ、ヒドロキシ、および-COOHからなる群より独立に選択される最大4個までの基を表し、
    R3、R4およびR5は、水素およびC1-6アルキルからそれぞれ独立に選択されるか、あるいはNR3R4は、一緒になって、少なくとも1個の窒素環原子を有する5〜7員複素環を形成することができ、
    xは、0より大きく約4よりも小さい実数である]
    で表される化合物を哺乳動物に投与することを含んでなる、哺乳動物の炎症性疾患を治療または予防する方法。
  5. 炎症性疾患が乾癬、炎症性腸疾患、慢性関節リウマチ、および多発性硬化症からなる群より選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 哺乳動物がヒトである、請求項4に記載の方法。
  7. 有効量の式IV:
    Figure 2007501227
    [式中、R3、R4およびR5は、水素およびC1-6アルキルからそれぞれ独立に選択されるか、あるいはNR3R4は、一緒になって、少なくとも1個の窒素環原子を有する5〜7員複素環を形成することができ、
    xは、0より大きく約4よりも小さい実数である]
    で表される化合物を哺乳動物に投与することを含んでなる、哺乳動物の炎症性疾患を治療または予防する方法。
  8. 炎症性疾患が乾癬、炎症性腸疾患、慢性関節リウマチ、および多発性硬化症からなる群より選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 哺乳動物がヒトである、請求項7に記載の方法。
  10. 有効量の式V:
    Figure 2007501227
    [式中、xは、0より大きく約4よりも小さい実数である]
    で表される化合物を哺乳動物に投与することを含んでなる、哺乳動物の炎症性疾患を治療または予防する方法。
  11. 炎症性疾患が乾癬、炎症性腸疾患、慢性関節リウマチ、および多発性硬化症からなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 哺乳動物がヒトである、請求項10に記載の方法。
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