JP2008534506A - 急性骨髄性白血病の治療又は予防法 - Google Patents

急性骨髄性白血病の治療又は予防法 Download PDF

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Abstract

本発明は概して、急性骨髄性白血病(「AML」)を治療又は予防する方法であって、それを必要とする患者へ、下記構造を有するインダゾール化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、立体異性体もしくはエナンチオマーの有効量を投与することを含む、前記方法に関する。
【化1】
Figure 2008534506

(式中、R1、R2及びAは、本明細書中において定義されたものである。)。
【選択図】なし

Description

本出願は、2005年3月23日に出願された米国特許出願第60/664,572号の優先権の恩恵を請求するものであり、この出願はその全体が、本明細書に引用により組入れられている。
(1.本発明の分野)
本発明は概して、急性骨髄性白血病(「AML」)を治療する方法であって、それを必要とする患者へ、インダゾール化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグもしくは異性体の有効量を投与することを含む、前記方法に関する。また、AMLを予防する方法であって、それを必要とする患者へ、インダゾール化合物又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグもしくは異性体の有効量を投与することを含む、前記方法も提供される。
(2.本発明の背景)
Jun N-末端キナーゼ(JNK)経路は、環境ストレスへの細胞の曝露によるか、又はプロ炎症性サイトカインによる細胞の処理により活性化される。JNK経路の活性化は、多くの疾患状況において報告されており、創薬のためにこの経路を標的化することの論理的根拠が提示されている。加えて、分子遺伝学的方法が、癌などのいくつかの疾患におけるこの経路の病因的役割について証明されている。
癌は、細胞の制御できない成長、増殖及び移動により特徴付けられる。癌は、1996年に米国において、500,000名が死亡した主な死因の第二位であり、新たな症例数は130万と推定される。細胞の悪性転換及び癌に寄与するシグナル伝達経路の役割は、一般に受け入れられた概念である。活性化タンパク質-1(AP-1)へつながるJNK経路は、癌において重要な役割を果たすように見える。c-junの発現は、初期の肺癌において変化され、非小細胞肺癌における増殖因子シグナル伝達を媒介することができる(Yin T.、Sandhu G.、Wolfgang CD.、Burrier A.、Webb R.L.、Rigel D.F.、Hai T.、及びWhelan J.の論文、J. Biol. Chem.、272:19943-19950, 1997)。実際、細胞におけるc-junの過剰発現は、悪性転換を生じ、及びc-jun活性のブロックは、MCF-7コロニー形成を阻害する(Szabo E.、Riffe M.、Steinberg S.M.、Birrer M.J.、Linnoila R.I.の論文、Cancer Res.、56:305-315, 1996)。DNA損傷剤、電離放射及び腫瘍壊死因子は、JNK経路を活性化する。JNK活性化は、c-jun産生及び活性を調節することに加え、p53のリン酸化を調節することができ、その結果細胞周期の進行を変更することができる(Chen T.K.、Smith L.M.、Gebhardt D.K.、Birrer M.J.、Brown P.H.の論文、Mol. Carcinogenesis、15:215-226, 1996)。慢性骨髄性白血病のt(9,22)フィラデルフィア染色体の転座に関連した癌遺伝子BCR-Ablは、JNKを活性化し、造血細胞の悪性転換につながる(Milne D.M.、Campbell L.E.、Campbell D.G.、Meek D.W.、J. Biol. Chem.、270:5511-5518, 1995)。JIP-1と称される天然のJNK阻害タンパク質によるJNK活性化の選択的阻害は、BCR-Abl発現により引き起こされた細胞の悪性転換をブロックする(Raitano A.B.、Halpern J.R.、Hambuch T.M.、Sawyers CL.、Proc. Nat. Acad. Sci USA、92:11746-11750, 1995)。従って、JNKインヒビターは、形質転換及び腫瘍細胞増殖をブロックすることができる。
骨髄増殖性疾患(MPD)は一般に、造血幹細胞の獲得されたコロニー異常により引き起こされ、真性赤血球増加、骨髄線維症、本態性血小板減少症及び慢性骨髄性白血病を含む。CA. Linkerの論文、Blood、CURRENT MEDICAL DIAGNOSIS & TREATMENT 2002 535 (第41版、2002)。MPDに関連した症状は、頭痛、眩暈、耳鳴り、かすみ目、疲労、寝汗、微熱、全身性掻痒、鼻出血、かすみ目、脾腫、腹部膨満、血栓症、増加した出血、貧血、脾梗塞、重度の骨痛、肝臓での造血、腹水、食道静脈瘤、肝不全、呼吸窮迫、及び持続勃起症を含むが、これらに限定されるものではない。
MPDに関連した異常は、1種以上の形成された血液要素の過剰生成による、多能性造血前駆細胞のクローン増殖(例えば、上昇した赤血球数、上昇した白血球数、及び/又は上昇した血小板数)、フィラデルフィア染色体又はbcr-abl遺伝子の存在、末梢血塗沫における涙型奇形赤血球増加症、白血赤芽球様血液像、巨大な異常な血小板、網膜又はコラーゲンの線維症を伴う過形成骨髄、TNF-α、IL-1、IL-2及びIL-6を含むがこれらに限定されるものではない炎症性サイトカイン類の過剰発現、iNOS(誘導型酸化窒素合成酵素)及びCOX-2を含むがこれらに限定されるものではない炎症関連酵素の過剰発現、並びに低い割合の前骨髄球及び芽球を伴う顕著に左側に偏った骨髄系細胞を含むが、これらに限定されるものではない。
従って当該技術分野において、急性骨髄性白血病のようなMPDの治療又は予防に有効な化合物の必要性が存在する。本発明はこれらの必要性を満たし、更に関連した利点を提供する。
(3.本発明の要旨)
本発明は、急性骨髄性白血病(「AML」)を治療又は予防する方法であって、それを必要とする患者へ、有効量の本発明の化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体もしくはエナンチオマーを投与することを含む、前記方法に関する。本発明は更に、AMLを予防する方法であって、それを必要とする患者へ、有効量の本発明の化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体もしくはエナンチオマーを投与することを含む、前記方法に関する。
本発明の化合物は、下記一般式(I)を有するものであって:
Figure 2008534506
(式中、A、R1及びR2は、以下に規定されたものである。)、それらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、立体異性体もしくはエナンチオマーを含む。式(I)の化合物は、2005年5月24日に発行された米国特許第6,897,231 B2号、及び2002年2月7日に公開された国際公開公報第02/10137号に開示されており、これらは両方ともそれらの全体が本明細書に引用により組入れられている。
式(I)の化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、立体異性体及びエナンチオマーは、以後、「インダゾール化合物(複数)」と称されることとする。
ひとつの実施態様において、本発明は、AMLを治療する方法であって、それを必要とする患者へ、有効量のインダゾール化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、立体異性体もしくはエナンチオマーを投与することを含む、前記方法に関する。
別の実施態様において、本発明は、AMLを予防する方法であって、それを必要とする患者へ、有効量のインダゾール化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、立体異性体もしくはエナンチオマーを投与することを含む、前記方法に関する。
別の実施態様において、本発明は、AMLを治療する方法であって、それを必要とする患者へ、有効量のインダゾール化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、立体異性体もしくはエナンチオマーを含有した医薬組成物を投与することを含む、前記方法に関する。
別の実施態様において、本発明は、AMLを予防する方法であって、それを必要とする患者へ、有効量のインダゾール化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、立体異性体もしくはエナンチオマーを含有した医薬組成物を投与することを含む、前記方法に関する。
別の実施態様において、本発明のAMLを治療又は予防する方法は更に、AMLを治療又は予防するのに有用な別の治療薬の有効量の投与を含む。この実施態様において、別の治療薬の治療作用が発揮される期間は、インダゾール化合物の治療作用が発揮される期間と重複する。
これら及びその他の本発明の態様は、以下の詳細な説明を参照し明らかであろう。その目的のために、ある特許及びその他の文書が、本明細書に引用され、本発明の様々な態様をより詳細に説明している。これらの各文書は、それらの全体が本明細書中に引用により組入れられている。
(4.本発明の詳細な説明)
前述のように、本発明は、AMLを治療又は予防する方法であって、それを必要とする患者へ、有効量のインダゾール化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、立体異性体もしくはエナンチオマーを投与することを含む、前記方法に関する。本発明は更に、AMLを予防する方法であって、それを必要とする患者へ、有効量のインダゾール化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、立体異性体もしくはエナンチオマーを投与することを含む、前記方法に方向付けられる。ある実施態様において、本明細書に説明された方法及び組成物は、インダゾール化合物の遊離塩基の使用を含む。
インダゾール化合物は、下記構造(I)を有するものであって:
Figure 2008534506
(式中、Aは、直接結合、-(CH2)a-、-(CH2)bCH=CH(CH2)c-、又は-(CH2)bC≡C(CH2)C-であり;
R1は、アリール、ヘテロアリール又はフェニルに縮合したヘテロ環であり、各々、R3から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換され;
R2は、-R3、-R4、-(CH2)bC(=O)R5、-(CH2)bC(=O)OR5、-(CH2)bC(=O)NR5R6、-(CH2)bC(=O)NR5(CH2)cC(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)NR6R7、-(CH2)bNR5R6、-(CH2)bOR5、-(CH2)bSOdR5又は-(CH2)bSO2NR5R6であり;
aは、1、2、3、4、5又は6であり;
b及びcは、同じ又は異なり、かつ各出現で、0、1、2、3又は4から独立して選択され;
dは、各出現で、0、1又は2であり;
R3は、各出現で独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アシルオキシ、チオアルキル、スルフィニルアルキル、スルホニルアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、-C(=O)OR8、-OC(=O)R8、-C(=O)NR8R9、-C(=O)NR8OR9、-SO2NR8R9、-NR8SO2R9、-CN、-NO2、-NR8R9、-NR8C(=O)R9、-NR8C(=O)(CH2)bOR9、-NR8C(=O)(CH2)bR9、-0(CH2)bNR8R9、又はフェニルに縮合したヘテロ環であり;
R4は、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロ環又はヘテロシクロアルキルであり、各々は、R3から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換されるか、又はR4は、ハロゲンもしくはヒドロキシであり;
R5、R6及びR7は、同じ又は異なり、並びに各出現で独立して水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロ環又はヘテロシクロアルキルであり、ここでR5、R6及びR7の各々は、R3から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換され;かつ
R8及びR9は、同じ又は異なり、並びに各出現で独立して水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロ環、もしくはヘテロシクロアルキルであるか、又はR8及びR9は、それらが結合した1個以上の原子と一緒に、ヘテロ環を形成し、ここでR8、R9の各々並びに一緒にヘテロ環を形成するR8及びR9は、R3から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換される。)、それらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、立体異性体及びエナンチオマーを含む。
ひとつの実施態様において、インダゾール化合物は:
Aが直接結合であり、及びR1がフェニルである場合、R2は、メチル、メトキシ、C(=O)CH3又はC(=O)Hではないもの;
Aが直接結合であり、及びR1が4-Me-フェニルである場合、R2は、メチルではないもの;
Aが直接結合であり、及びR1が4-F-フェニルである場合は、R2は、トリフルオロメチルではないもの;
Aが直接結合又は-C≡C-であり、及びR1がフェニルである場合は、R2は、-COOEtではないもの;並びに
Aが直接結合であり、及びR1が6,7-ジメトキシイソキノリン-1-イルである場合は、R2は、ヒドロキシではないもの;である。
ひとつの実施態様において、-A-R1は、ハロゲン、アルコキシ、-NR8C(=O)R9、-C(=O)NR8R9、及び-0(CH2)bNR8R9から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換された、フェニルであり、ここでbは2又は3であり、並びにR8及びR9は、先に定義されたものである。
別の実施態様において、R2は、-R4、-(CH2)bC(=O)R5、-(CH2)bC(=O)OR5、-(CH2)b(C=O)NR5R6、-(CH2)bC(=O)NR5(CH2)cC(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)NR6R7、-(CH2)bNR5R6、-(CH2)bOR5、-(CH2)bSOdR5又は-(CH2)bSO2NR5R6であり、かつbは、0〜4の間の整数である。
別の実施態様において、R2は、-(CH2)bC(=O)NR5R6、-(CH2)bNR5C(=O)R6、3-トリアゾリル又は5-テトラゾリルであり、ここでbは0であり、並びにR8及びR9は、先に定義されたものである。
好ましい実施態様において、R2は、3-トリアゾリル又は5-テトラゾリルである。
別の好ましい実施態様において:
(a)-A-R1は、ハロゲン、アルコキシ、-NR8C(=O)R9、-C(=O)NR8R9、及び-0(CH2)bNR8R9から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換された、フェニルであり、ここでbは2又は3であり;かつ
(b)R2は、-(CH2)bC(=O)NR5R6、-(CH2)bNR5C(=O)R6、3-トリアゾリル又は5-テトラゾリルであり、ここでbは0であり、並びにR5、R6、R8及びR9は、先に定義されたものである。
より好ましい実施態様において:
(a)-A-R1は、ハロゲン、アルコキシ、-NR8C(=O)R9、-C(=O)NR8R9、及び-0(CH2)bNR8R9から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換された、フェニルであり、ここでbは2又は3であり;かつ
(b)R2は、3-トリアゾリル又は5-テトラゾリルである。
別の好ましい実施態様において、R2は、R4であり、かつR4は、その5-位で下記の基で任意に置換された3-トリアゾリルである:
a)ヒドロキシル、メチルアミノ、ジメチルアミノ又は1-ピロリジニル基により任意に置換された、C1-C4の直鎖又は分枝鎖のアルキル基;又は
(b)2-ピロリジニル基。
より好ましい実施態様において、R2は、R4であり、かつR4は、その5-位で、メチル、n-プロピル、イソプロピル、1-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、メチルアミノメチル、ジメチルアミノメチル、1-(ジメチルアミノ)エチル、1-ピロリジニルメチル又は2-ピロリジニルにより、任意に置換された3-トリアゾリルである。
ひとつの実施態様において、インダゾール化合物は、Aが直接結合である場合、構造(II)を有し、かつAが-(CH2)a-である場合、構造(III)を有する。
Figure 2008534506
別の実施態様において、インダゾール化合物は、Aが(CH2)bCH=CH(CH2)c-である場合、構造(IV)を有し、かつAが-(CH2)bC≡C(CH2)C-である場合、構造(V)を有する。
Figure 2008534506
本発明の更なる実施態様において、R1は、アリール又は置換されたアリールであり、例えば下記構造(VI)により表されたように、フェニル又は置換されたフェニルである。
Figure 2008534506
別の実施態様において、R2は、-(CH2)bNR4(C=O)R5である。本実施態様のひとつの態様において、b=0であり、かつインダゾール化合物は下記構造(VII)を有する。
Figure 2008534506
代表的R2基は、アルキル(例えばメチル及びエチル)、ハロ(例えばクロロ及びフルオロ)、ハロアルキル(例えばトリフルオロメチル)、ヒドロキシ、アルコキシ(例えばメトキシ及びエトキシ)、アミノ、アリールアルキルオキシ(例えばベンジルオキシ)、モノ-又はジ-アルキルアミン(例えば-NHCH3、-N(CH3)2及び-NHCH2CH3)、-NHC(=O)R4(ここでR6は、置換又は非置換のフェニル又はヘテロアリールである)(例えばヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルエステル、アルコキシ、アルキル、アリール、ハロアルキル、ハロ、-CONH2及び-CONHアルキルで置換された、フェニル又はヘテロアリール)、-NH(ヘテロアリールアルキル)(例えば-NHCH2(3-ピリジル)、-NHCH2(4-ピリジル))、ヘテロアリール(例えばピラゾロ、トリアゾロ及びテトラゾロ)、-C(=O)NHR6(ここでR6は、水素、アルキル、又は先に定義されたものである)(例えば-C(=O)NH2、-C(=O)NHCH3、-C(=O)NH(H-カルボキシフェニル)、-C(=O)N(CH3)2)、アリールアルケニル(例えばフェニルビニル、3-ニトロフェニルビニル、4-カルボキシフェニルビニル)、ヘテロアリールアルケニル(例えば2-ピリジルビニル、4-ピリジルビニル)である。
代表的R3基は、ハロゲン(例えばクロロ及びフルオロ)、アルキル(例えばメチル、エチル及びイソプロピル)、ハロアルキル(例えばトリフルオロメチル)、ヒドロキシ、アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ及びイソブチルオキシ)、アミノ、モノ-又はジアルキルアミノ(例えばジメチルアミン)、アリール(例えばフェニル)、カルボキシ、ニトロ、シアノ、スルフィニルアルキル(例えばメチルスルフィニル)、スルホニルアルキル(例えばメチルスルホニル)、スルホンアミドアルキル(例えば-NHSO2CH3)、-NR8C(=O)(CH2)bOR9(例えば-NHC(=O)CH2OCH3)、NHC(=O)R9(例えば-NHC(=O)CH3、-NHC(=O)CH2C6H5、-NHC(=O)(2-フラニル))、及び-0(CH2)bNR8R9(例えば-O(CH2)2N(CH3)2)を含む。
別の実施態様において、インダゾール化合物は、構造(VIII)を有するものであって:
Figure 2008534506
(式中、Aは、直接結合、-(CH2)a-、-(CH2)bCH=CH(CH2)C-、又は-(CH2)bC≡C(CH2)c-であり;
R1は、アリール、ヘテロアリール、又はフェニルに縮合したヘテロ環であり、各々は、R3から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換され;
R2は、-R3、-R4、-(CH2)bC(=O)R5、-(CH2)bC(=O)OR5、-(CH2)b(C=O)NR5R6、-(CH2)bC(=O)NR5(CH2)CC(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)R6、-(CH2)bNR5C(=O)NR6R7、-(CH2)bNR5R6、-(CH2)bOR5、-(CH2)bSOdR5又は-(CH2)bSO2NR5R6であり;
aは、1、2、3、4、5又は6であり;
b及びcは、同じ又は異なり、かつ各出現で、0、1、2、3又は4から独立して選択され;
dは、各出現で、0、1又は2であり;
R3は、各出現で、独立して、-NR8C(=O)(CH2)bNR8R9であり;
R4は、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロ環又はヘテロシクロアルキルであり、各々は、R3から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換されるか、又はR4は、ハロゲンもしくはヒドロキシであり;
R5、R6及びR7は、同じ又は異なり、かつ各出現で独立して、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロ環又はヘテロシクロアルキルであり、ここで、R5、R6及びR7の各々は、R3から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換され;並びに
R8及びR9は、同じ又は異なり、かつ各出現で独立して水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロ環、もしくはヘテロシクロアルキルであるか、又はR8及びR9は、それらが結合した1個又は複数の原子と一緒に、ヘテロ環を形成し、ここでR8、R9の各々並びに一緒にヘテロ環を形成するR8及びR9は、R3から独立して選択された1〜4個の置換基により任意に置換される。)、それらの異性体、プロドラッグ及び医薬として許容し得る塩を含む。
特定の実施態様において、インダゾール化合物は、1-(5-(1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)(1H-インダゾール-3-イル))-3-(2-ピペリジルエトキシ)ベンゼンであり、これは下記構造を有するものであって:
Figure 2008534506
それらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ及び異性体を含む。
ひとつの実施態様において、本発明は、AMLを治療する方法であって、それを必要とする患者へ、有効量のインダゾール化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、立体異性体もしくはエナンチオマーを投与することを含む、前記方法に関する。
別の実施態様において、本発明は、AMLを予防する方法であって、それを必要とする患者へ、有効量のインダゾール化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、立体異性体もしくはエナンチオマーを投与することを含む、前記方法に関する。
特定の実施態様において、本発明は、AMLを治療する方法であって、それを必要とする患者へ、有効量の下記構造を有する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、立体異性体もしくはエナンチオマーを投与することを含む、前記方法に関する。
Figure 2008534506
別の実施態様において、本発明は、AMLを治療する方法であって、それを必要とする患者へ、有効量のインダゾール化合物、又は、それらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、立体異性体もしくはエナンチオマーを含有した医薬組成物を投与することを含む、前記方法に関する。
別の実施態様において、本発明は、AMLを予防する方法であって、それを必要とする患者へ、有効量の下記構造を有する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、立体異性体もしくはエナンチオマーを投与することを含む、前記方法に関する:
Figure 2008534506
別の実施態様において、本発明は、AMLを予防する方法であって、それを必要とする患者へ、有効量のインダゾール化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、立体異性体もしくはエナンチオマーを含有した医薬組成物を投与することを含む、前記方法に関する。
別の実施態様において、本発明は、AMLを治療する方法であって、それを必要とする患者へ、有効量の下記構造を有する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、立体異性体もしくはエナンチオマーを含有した医薬組成物を投与することを含む、前記方法に関する。
Figure 2008534506
別の実施態様において、本発明は、AMLを予防する方法であって、それを必要とする患者へ、有効量の下記構造を有する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、立体異性体もしくはエナンチオマーを含有した医薬組成物を投与することを含む、前記方法に関する。
Figure 2008534506
別の実施態様において、AMLを治療又は予防する本方法は、更に、AMLを治療又は予防するのに有用な別の治療薬を有効量投与することを含む。この実施態様において、別の治療薬の治療作用が発揮される期間は、インダゾール化合物の治療作用が発揮される期間と重複する。
本明細書において使用される用語は、以下の意味を有する。
「アルキル」は、直鎖又は分枝した、飽和又は不飽和のアルキルで、1〜10個の炭素原子を有する環式又は非-環式炭化水素を意味する。代表的飽和した直鎖アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシルなどを含むが;飽和し分枝したアルキルは、イソプロピル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、イソペンチルなどを含む。不飽和アルキルは、隣接炭素原子間に少なくとも1個の二重結合又は三重結合を含む(各々、「アルケニル」又は「アルキニル」とも称される)。代表的直鎖又は分枝したアルケニルは、エチレニル、プロピレニル、1-ブテニル、2-ブテニル、イソブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-メチル-1-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニルなどを含む;代表的直鎖及び分枝したアルキニルは、アセチレニル、プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-メチル-1-ブチニルなどを含む。代表的飽和した環式アルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含む;不飽和の環式アルキルは、シクロペンテニル及びシクロヘキセニルなどを含む。シクロアルキルは、ここでは「炭素環式」環システムとも称され、8〜14個の炭素原子を有する二-及び三-環式環システムで、例えば1個以上の芳香族(例えばフェニル)又は非-芳香族(例えばシクロヘキサン)炭素環式環に縮合されたシクロアルキル(例えばシクロペンタン又はシクロヘキサン)を含む。
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。
「ケト」は、カルボニル基(すなわち、C=O)を意味する。
「アリール」は、芳香族炭素環式部分、例えばフェニル又はナフチルを意味する。
「アシルオキシ」は、-OC(O)アルキル基を意味し、ここで「アルキル」は、先に定義されたものである。
「アリールアルキル」は、少なくとも1個のアルキル水素原子がアリール部分と置換されたアルキル、例えば、ベンジル、-(CH2)2フェニル、-(CH2)3フェニル、-CH(フェニル)2などを意味する。
「ヘテロアリール」は、5〜10員であり、かつ窒素、酸素及びイオウから選択された少なくとも1個のヘテロ原子を有し、並びに少なくとも1個の炭素原子を含む、芳香族ヘテロ環を意味し、単環及び二環式の両環システムを含む。代表的ヘテロアリールは、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、ピリジル、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、及びキナゾリニルである。
「ヘテロアリールアルキル」は、少なくとも1個のアルキル水素原子がヘテロアリール部分で置換されたアルキル、例えば、-CH2ピリジニル、-CH2ピリミジニルなどを意味する。
「ヘテロ環」は、5〜10個の環原子を含む、ヘテロ環を意味する。
「ヘテロ環」は、5〜7員の単環式、又は7〜10員の二環式の、飽和、不飽和、又は芳香族のいずれかであり、並びに窒素、酸素及びイオウから独立して選択された1〜4個のヘテロ原子を含み、ここで窒素及びイオウのヘテロ原子は、任意に酸化されることができ、並びに窒素ヘテロ原子は、任意に四級化されることができる、ヘテロ環を意味し、前記ヘテロ環のいずれかがベンゼン環に縮合された二環式環を含む。ヘテロ環は、任意のヘテロ原子又は炭素原子を介して結合することができる。ヘテロ環は、先に定義されたヘテロアリールを含む。従ってヘテロ環は、先に列記されたヘテロアリールに加え、モルホリニル、ピロリジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ヒダントイニル、バレロラクタミル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニルなども含む。
「ヘテロシクロアルキル」は、少なくとも1個のアルキル水素原子がヘテロ環で置換されたアルキル、例えば、-CH2モルホリニルなどを意味する。
本明細書において使用される用語「置換された」とは、少なくとも1個の水素原子が、置換基と交換されている、前述の基(すなわち、アリール、アリールアルキル、ヘテロ環及びヘテロシクロアルキル)のいずれかを意味する。ケト置換基の場合、2個の水素原子が交換される。置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、置換アルキル(例えばハロアルキル、一-又は二-置換されたアミノアルキル、アルキルオキシアルキルなど)、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、-NRaRb、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)NRaRb、-NRaC(=O)ORb、-NRaSO2Rb、-ORa、-C(=O)Ra、C(=O)ORa、-C(=O)NRaRb、-OC(=O)Ra、-OC(=O)ORa、-OC(=O)NRaRb、-NRaSO2Rb、又は式-Y-Z-Raのラジカル(式中、Yはアルカンジイル、置換アルカンジイル、又は直接結合であり、Zは、-O-、-S-、-N(Rb)-、-C(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-N(Rb)C(=O)-、-C(=O)N(Rb)-又は直接結合である。)を含み、ここでRa及びRbは、同じ又は異なり、並びに独立して、水素、アミノ、アルキル、置換アルキル(ハロゲン化されたアルキルを含む)、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、ヘテロシクロアルキル又は置換ヘテロシクロアルキルであるか、又はRa及びRbは、それらが結合した窒素原子と一緒に、ヘテロ環又は置換されたヘテロ環を形成する。
「ハロアルキル」は、1個以上の水素原子がハロゲンで交換されたアルキル、例えば-CF3を意味する。
「ヒドロキシアルキル」は、1個以上の水素原子がヒドロキシで交換されたアルキル、例えば-CH2OHを意味する。
「スルホニルアルキル」は、-SO2-(アルキル)を意味し、ここで「アルキル」は先に定義されており;
「スルフィニルアルキル」は、-SO-(アルキル)を意味し、ここで「アルキル」は先に定義されており;
「チオアルキル」は、-S-(アルキル)を意味し、ここで「アルキル」は先に定義されており;
「カルボキシル」は、-COOHを意味する。
「アルコキシ」は、-O-(アルキル)を意味し、ここで「アルキル」は先に定義されている。
インダゾール誘導体と関連して使用される場合、「有効量」は、急性骨髄性白血病を治療又は予防するのに有効な量である。
本明細書において使用される用語「水和物」は、非-共有的分子間力により結合された化学量論的な又は非-化学量論的な量の水を更に含むインダゾール化合物を意味する。
本明細書において使用される用語「溶媒和物」は、非-共有的分子間力により結合された化学量論的な又は非-化学量論的な量の溶媒を更に含むインダゾール化合物を意味する。
本明細書において使用される用語「プロドラッグ」は、動物の体内に導入された際に、活性型へ代謝されるか、又はそうでなければ転換される、インダゾール化合物の任意の誘導体を意味する。プロドラッグは、薬化学分野の業者には周知であり、例えば増加した吸着及び半減期のような恩恵を提供する。本発明のプロドラッグは、例えば、ヒドロキシ基がエステル化又はアルキル化される場合、又はカルボキシル基がエステル化される場合に、形成することができる。ドラッグレリバリー分野の業者は、インダゾール化合物の薬物動態特性は、プロドラッグ誘導体を作製するための部分の適当な選択により制御することができることを、容易に理解するであろう。
インダゾール化合物の立体異性体は、例えばキラルカラム又はキラル分割剤などの、標準技術を使用し、非対称に合成されるか又は分割される。例えば、Jacques, J.らの著書、「エナンチオマー、ラセミ体及び分割(Enantiomers, Racemates and Resolutions)」(Wiley-Interscience, ニューヨーク, 1981);Wilen, S. H.らの論文、Tetrahedron 33:2725 (1977);Eliel, E. L.の著書、「炭素化合物の立体化学(Stereochemistry of Carbon Compounds)」(McGraw-Hill, NY, 1962);及び、Wilen, S. H.の著書、「分割剤及び光学分割(Resolving Agents and Optical Resolutions)」の268頁の表(E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, ノートルダム, IN, 1972)を参照のこと。
「患者」は、動物(例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、シチメンチョウ、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ又はモルモット)を含み、ひとつの実施態様においては、哺乳類、例えば非霊長類及び霊長類(例えば、サル及びヒト)などを含み、別の実施態様においては、ヒトを含む。ある実施態様において、患者は、幼児、小児、青年又は成人である。特定の実施態様において、患者は、AMLに罹患しているか、又は易罹患性(例えば、環境因子又は遺伝因子により)である。
インダゾール化合物は一般に、下記の一般的技術により及び実施例に示された手順に加え、当業者に公知の有機合成技術により、生成することができる。その目的のために、インダゾール化合物は、下記の反応スキーム1から7に従い生成することができる(下記反応スキームにおいて、水素原子は時には示されないことに留意することとし、及び有機化学分野の業者は、そのような許容される簡単な表記法を理解するであろう。):
Figure 2008534506
反応スキーム1において、インダゾール化合物は、有機合成分野の業者に周知の技術により調製することができる。適宜5-置換されたインダゾールから出発し、適当なジハロゲン(X2)の使用による置換のために3-位を活性化することができる。必要ならば、その後保護基を、1-位(N-1)の窒素に付加し、1を生じる。このハロゲンを、適宜活性化されたA-R1部分で置換し、2を生じることができる;例えば、反応スキーム2及び5を参照のこと。あるいは、適宜置換されたフェニルケトンを環化し、インダゾール2を生じることができる;例えば、反応スキーム3及び4を参照のこと。その後G部分を未変化のまま残し、所望のR2へ置換又は転換することができる;例えば、反応スキーム3から6を参照のこと。N-1の脱保護は、構造(I)のインダゾールを生じる。
Figure 2008534506
反応スキーム2は、様々なA部分を含むインダゾール化合物を得る、合成手順を図示している。好適な出発材料は、所望のR2を持つ市販のインダゾールであるか、又は例えば反応スキーム5及び6として、容易に調製することができる。出発インダゾールは、好適な試薬、例えばBr2により、3-位でハロゲン化される。その後、N-1を、いずれか好適な窒素保護基により保護し、3を生じる。好適な保護基は、アセチル、メトキシエトキシメチル及びテトラヒドロピラニルを含むが、これらに限定されるものではない。インダゾールは、Aが直接結合である場合、3から、ハロゲンの適宜活性化されたR1部分との置換により、生成することができる。例えば、好適なPd(O)又はPd(II)触媒の存在下、R1-ボロン酸を、スズキ反応を介してカップリングすることができ、脱保護後、化合物(II)を生じる。同様に化合物(IV)及び(V)を、好適なアルケン及びアルキン前駆体から、適当なPd(O)触媒の存在下で調製することができる。インダゾール(IV)のcis異性体も、例えば、キノリンで処理されたBaSO4上での水素化などによる、(V)の部分還元により調製することができる。化合物(III)は、例えば、Pd-Cの存在下での水素による還元により、(IV)から調製することができる。
Figure 2008534506
反応スキーム3は、単に例証を目的として、R1が置換されたフェニル基として記された化合物(VI)のいくつかの合成を図示している。スキーム3Aにおいて、Y及びR2で適宜置換されたフェニルケトンが、出発材料として使用される。Yがアミノ基である場合、出発材料は、最初にHNO2への、次にSnCl2のような還元剤への曝露により、環化され、化合物(VI)を生じる。あるいは、Yが、ハロゲン(例えばF又はCl)などの脱離基である場合、フェニルケトンのヒドラジン存在下での加熱は、インダゾール(VI)への環化を実現する。
スキーム3Bにおいて、ハロゲン化されたインダゾール3を、好適な置換されたフェニル部分とカップリングし、及び脱保護し、Aは直接結合である化合物(VI)を生じることができる。例として、0-4個のR3基で置換されたフェニルボロン酸は、Pd(II)触媒の存在下で、保護された3-ブロモ-1H-インダゾールと反応し、化合物(VI)を生成するであろう。
スキーム3Cは、5-ハロ-フェニルケトンからの化合物(VI)の別の合成を図示しており;この経路は、この順番の後半でのR2基の導入を可能にしている。4-ブロモ-アニリンは、ZnCl2などの適当なルイス酸の存在下で加熱され、適宜活性化されたA-R1部分によりアシル化される。例えば、適宜活性化されたA-R1基は、塩化カルボニルのような酸ハロゲン化物である。得られるケトン4は、スキーム3Aにおけるように環化され、スキーム2のようにN-1位置で適当な基により保護される。R2基は、スキーム2のようにPd-触媒によるカップリングを介して導入することができ、この保護基は除去され、化合物(VI)を生成する。
Figure 2008534506
R2がアミノカルボニル-含有基である化合物の合成は、反応スキーム4により示される。スキーム3Aと同様に、適宜置換された4-ニトロ-フェニルケトンは、Yに応じ、ヒドラジン又はHNO2のいずれか、及び還元剤への曝露により、環化することができる。N-1の保護後、ニトロ基は、例えば、Pd-C上での水素化により還元され、7を生じることができる。得られるアミンは、例えば有機合成分野の業者に周知の手順を使用する還元的アミノ化により、R4で任意に置換することができる。化合物8は、好適な活性化されたカルボニル部分でアシル化され、及び脱保護され、化合物(VII)を生じる。あるいは、7は、加水分解され、5-ヒドロキシ化合物9を生じる。
Figure 2008534506
反応スキーム5は、R2がカルボキシアミドである式(I)の化合物を調製するための合成経路を図示している。市販の5-アミノ-1H-インダゾールを、HNO2による処理、それに続く約pH7への中和後の、例えば、CuCn及びNaCNの混合物のような、シアニド給源による処理により、シアニドにより5-位が置換された10を生じる。ニトリル10は、スキーム2の手順に従い、3-位で活性化され、N-1位で保護され、引き続き適当なA-R1部分で置換される。得られる化合物12は、酸水溶液中で加水分解され、カルボキシラート13を生じる。好適な方法による13の活性化、それに続くR5R4NHによる処理及び脱保護は、カルボキシアミド14を生じる。好適な活性化法は、1)カルボキシラートのハロゲン化アシル(例えば塩素)への転換、及びピリジン又は関連する塩基の存在下でのカップリング;並びに、2)アミド結合形成に適したカップリング剤の使用(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド);を含むが、これらに限定されるものではない。
Figure 2008534506
反応スキーム6は、追加の実施態様を図示し、ここでR2は、5-員のヘテロ環式置換基である。スキーム6Aにおいて、ニトリル12を、N-1で脱保護し、求電子アジド給源(例えば、(Bu)3SnN3のようなトリアルキルスズ)の使用により、テトラゾール15へ転換する。ニトリル12は、4工程で非置換のトリアゾール17にも転換することができる。このニトリルは最初に、酸化条件下での塩基水溶液への曝露(例えば、NaOH及びH2O2)により、カルボキシアミドへ転換される。N-1保護基は除去され、中間体16を生じる。このカルボキシアミドを、DMFアセタールと共に加熱し、引き続き酸性条件下でヒドラジンで処理し、所望のトリアゾールを生じる。
スキーム6Bは、イミダゾール及びR2で置換されたトリアゾール誘導体の合成を図示している。ニトリル12は、脱保護され、酸性条件下適当なアルコール又はチオール中での加熱により、イミダート又はチオイミデートへ転換され、18を生じる。引き続きの1-アミノ-2,2-ジメトキシエタンへの曝露及び穏やかな加熱は、イミダゾール19の形成を実現する。あるいは、塩基性条件下(例えば、トリエチルアミンのような、第3級有機アミンの存在下)での、18のアルキルヒドラジド、アリールヒドラジド又はヘテロ環式ヒドラジドとの加熱は、3-置換されたトリアゾール20の生成をもたらす。
インダゾール化合物は、スキーム6Cに従い合成することができる。ニトリル12は、N-1で脱保護し、出発材料21を生じることができる。このニトリルの好適な有機金属試薬、例えばメチルリチウムによる処理は、メチルケトン中間体を生じる。DMFアセタールとの加熱、それに続くヒドラジンへの曝露による連続処理は、ピラゾール22を生じる。
スキーム7は、1H-インダゾールの5-トリアゾール誘導体への別の経路を示している。スキーム7Aにおいて、ニトリル11は、スキーム6Bで使用された条件に類似した条件下で、トリアゾール23へ転換する。好適な保護基、例えばトリチルを、結合していないトリアゾール窒素へ組み込み、24を生じる。次にA-R1を、ボロン酸又は他の好適な誘導体により、位置-3に付加する。最後に、トリアゾール保護基を、例えば酸性条件下などで除去し、インダゾール17を生じる。
スキーム7Bにおいて、出発材料25は、例えば塩素のような、酸ハロゲン化物としての、13の活性化により調製される。保護されたヒドラジドとの、それに続く保護基の除去の連続反応は、ヒドラジド26を生じる。例として、PG=アセチル及びPG2=t-ブチルオキシカルボニルである場合、これらの保護基は、アンモニア、それに続く酸、例えばHClによる逐次処理により除去される。インダゾール26を、適当なイミデートにより処理し、27を生じ、極性溶媒、例えばDMF中での加熱により、トリアゾール20へ転換する。
Figure 2008534506
インダゾール化合物は、医薬として許容し得る塩又は遊離塩基の形であることができる。インダゾール化合物の医薬として許容し得る塩は、有機酸又は無機酸から形成することができる。好適な無毒の酸は、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フロ酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸、及びp-トルエンスルホン酸などの、無機酸及び有機酸を含むが、これらに限定されるものではない。具体的な無毒の酸は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及びメタンスルホン酸を含む。インダゾール化合物は、塩基付加塩の形で使用することもできる。インダゾール化合物に適した医薬として許容し得る塩基付加塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛から形成された金属塩、又はリシン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)及びプロカインから形成された有機塩を含むが、これらに限定されるものではない。従って具体的塩の例は、塩酸塩及びメシル酸塩を含む。その他のものも、当該技術分野において周知であり、例えば、「レミントン薬科学」(第18版, Mack Publishing, イーストン, PA (1990))又はRemingtonの「調剤科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)」(第19版, Mack Publishing, イーストン, PA (1995))を参照のこと。従って用語インダゾール化合物の「医薬として許容し得る塩」は、許容できる塩の形のいずれか及び全てを包含することが意図されている。
本発明の医薬として許容し得る塩は、例えば、本発明の化合物の先に明らかにされた好適な酸との反応によるなど、通常の技術及び公知の技術により形成することができる。このような塩は典型的には、適温で高収率で形成され、合成の最終工程で化合物を好適な酸性洗浄液から単に単離することにより、調製されることが多い。塩を形成する酸は、適当な有機溶媒、又は水性有機溶媒、例えばアルカノール、ケトン又はエステル中に、溶解することができる。他方で、遊離塩基形のインダゾール化合物が望ましい場合は、これは、公知の技術に従い、塩基性の最終洗浄工程から単離することができる。例えば、塩酸塩を調製する典型的技術は、遊離塩基の好適な溶媒中への溶解、分子篩上のような、この溶液の完全な乾燥、その後のそれを通る塩化水素ガスの泡立てである。
インダゾール化合物は、立体異性体、幾何異性体及び配座異性体を含む、様々な異性体形で存在することに加え、更には様々な互変異性体形、特に水素原子の結合点が異なるもので存在することもできる。本明細書において使用される用語「異性体」は、インダゾール化合物の互変異性体形を含む、インダゾール化合物の全ての異性体形を包含することが意図されている。
インダゾール化合物は、例えばカプセル剤、マイクロカプセル剤、錠剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤、丸剤、坐剤、注射剤、懸濁剤及びシロップ剤を含む、通常かつ周知の調製物中で、動物(ヒトを含む)へ、経口又は非経口投与することができる。これに関する好適な製剤は、通常の有機又は無機の添加剤、例えば賦形剤(例えば、ショ糖、デンプン、マンニトール、ソルビトール、乳糖、ブドウ糖、セルロース、タルク、リン酸カルシウム又は炭酸カルシウム)、結合剤(例えば、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリプロピルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、ショ糖又はデンプン)、崩壊剤(例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、低置換されたヒドロキシプロピルセルロース、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム又はクエン酸カルシウム)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸(sicilic acid)、タルク又はラウリル硫酸ナトリウム)、香味剤(例えば、クエン酸、メントール、グリシン又はオレンジ粉末)、保存剤(例えば、安息香酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メチルパラベン又はプロピルパラベン)、安定剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム又は酢酸)、懸濁化剤(例えば、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン又はステアリン酸アルミニウム)、分散剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、希釈剤(例えば、水)、及び/又は基剤ワックス(例えば、カカオ緩衝液、白色ワセリン又はポリエチレングリコール)を使用する方法により調製することができる。インダゾール化合物は、例えば、輸液又はボーラス注射による、上皮層又は粘膜層(例えば、口腔粘膜、直腸及び小腸の粘膜など)を通る吸収によるなどの、いずれか他の都合の良い経路で投与することもでき、並びに別の生物学的活性物質と一緒に投与することができる。投与は、全身性又は局所的であることができる。リポソーム、微小粒子、マイクロカプセル、カプセルなどへの封入などの、様々な送達システムが公知であり、並びに本発明の化合物を投与するために使用することができる。ある実施態様において、2種以上のインダゾール化合物が、患者へ投与される。投与法は、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、硬膜外、経口、舌下、鼻腔内、脳内、膣内、経皮、経直腸、吸入による、又は局所、特に耳、鼻、目もしくは皮膚への投与を含むが、これらに限定されるものではない。投与の好ましい様式については、実務者の判断の余地があり、ある程度は病態(medical condition)の部位に左右されるであろう。ほとんどの場合において、投与は、インダゾール化合物の血流への放出を生じるであろう。
具体的実施態様において、1種以上のインダゾール化合物を、治療が必要な部分へ局所的に投与することが望ましいことがある。これは、非限定的に、例えば術中の局所的輸液、例えば術後の創傷包帯と組合せた外用塗布、注射、カテーテルの使用、坐剤の使用、又はインプラントの使用により実現され、該インプラントは、例えばシラスティック(sialastic)メンブレンなどのメンブレン、又はファイバーを含む、多孔質、非孔質、又はゼラチン状の材料であることができる。ひとつの実施態様において、投与は、アテローム斑組織の部位(又は、前方の部位)への直接注射によることができる。
特定の実施態様において、インダゾール化合物は、静脈内輸液により投与される。
例えば吸入器もしくはネブライザー、及びエアロゾル化剤を含む製剤の使用による、又はフルオロカーボンもしくは合成肺用界面活性剤中の灌流による、肺投与も、利用することができる。ある実施態様において、インダゾール化合物は、従来の結合剤及びビヒクル、例えばトリグリセリドを含む、坐剤として製剤することができる。
別の実施態様において、インダゾール化合物は、ベシクル、特にリポソーム中で送達することができる(Langerの論文、1990, Science 249:1527-1533;Treatらの著書、「感染症及び癌治療におけるリポソーム(Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer)」、Lopez-Berestein及びFidler(編集), Liss, ニューヨーク, 353-365頁(1989);Lopez-Beresteinの論文、前掲、317-327頁を参照;全般的に前記参照)。
更に別の実施態様において、インダゾール化合物は、放出制御システムにおいて送達することができる。ある実施態様において、インダゾール化合物は、持続放出システム又は間欠放出システムにおいて送達することができる。ある実施態様において、ポンプを使用することができる(Langerの論文, 前掲;Seftonの論文, 1987, CRC Crit. Ref. Biomed. Eng. 14:201;Buchwaldらの論文、1980, Surgery 88:507;Saudekらの論文、1989, N. Engl. J. Med. 321:574を参照のこと)。別の実施態様において、高分子材料を使用することができる(「放出制御の医薬適用(Medical Applications of Controlled Release)」, Langer及びWise(編集), CRC Pres., ボカラトン, フロリダ州(1974);「放出制御薬の生体利用性、薬品デザイン及び性能(Controlled Drag Bioavailability, Drag Product Design and Performance)」, Smolen及びBall(編集), Wiley, ニューヨーク (1984);Ranger及びPeppasの論文、1983, J. Macromol. ScL Rev. Macromol Chem. 23:61を参照のこと;Levyらの論文、1985, Science 228:190;Duringらの論文、1989, Ann. Neurol 25:351;Howardらの論文、1989, J. Neurosurg. 71: 105も参照のこと)。更に別の実施態様において、放出制御システムは、インダゾール化合物の標的、例えば肝臓の近傍に配置することができ、従って全身投与量の一部のみが必要である(例えば、Goodsonの著書、「放出制御の医薬適用」, 前掲, 第2巻, 115-138頁(1984)を参照のこと)。Langerの総説(1990, Science 249:1527-1533)において考察された別の放出制御システムを使用することができる。
本組成物は、患者への適切な投与の形を提供するために、有効量のインダゾール化合物、任意に2種以上のインダゾール化合物を、好ましくは純粋な形で、適量の医薬として許容し得るビヒクルと共に、含有することができる。
具体的な実施態様において用語「医薬として許容し得る」とは、米連邦もしくは州政府の規制機関により承認されること、又は米国薬局方もしくは他の一般に承認された動物、より特定するとヒトにおける使用に関する局方に列挙されることを意味する。用語「ビヒクル」は、それと一緒にインダゾール化合物が投与される、希釈剤、補助剤、賦形剤、又は担体を意味する。そのような医薬用ビヒクルは、液体、例えば水、及び石油、動物、植物又は合成を起源とするものを含む油類、例えばピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などであることができる。医薬用ビヒクルは、生理食塩水、アカシアゴム、ゼラチン、デンプンペースト、タルク、ケラチン、コロイド状シリカ、尿素などを含む。加えて、佐剤、安定剤、増粘剤、滑沢剤及び着色剤を使用することができる。患者へ投与する場合、インダゾール化合物及び医薬として許容し得るビヒクルは、無菌であることが好ましい。水は、インダゾール化合物が静脈内投与される場合に、好ましいビヒクルである。生理食塩水並びにデキストロース及びグリセロール水溶液も、液体ビヒクルとして、特に注射用液剤のために使用することができる。好適な医薬用ビヒクルは同じく、賦形剤、例えばデンプン、ブドウ糖、乳糖、ショ糖;ゼラチン、麦芽、米、小麦、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、乾燥脱脂粉乳、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなどを含む。本組成物は、望ましいならば、少量の湿潤剤又は乳化剤、又はpH緩衝剤も含む。
本組成物は、液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、丸剤、ペレット剤、カプセル剤、液体を含有するカプセル剤、散剤、徐放性製剤、坐剤、エマルション類、エアロゾル、噴霧剤、サスペンジョンの形、又はいずれか他の使用に適した形を取ることができる。ひとつの実施態様において、医薬として許容し得るビヒクルは、カプセルである(例えば、米国特許第5,698,155号参照)。他の好適な医薬用ビヒクルの例は、E. W. Martinの「レミントン薬科学」に記載されている。
好ましい実施態様において、インダゾール化合物は、ヒトへの静脈内投与に適合された医薬組成物としての慣習的手順に従い製剤される。典型的には、静脈内投与のためのインダゾール化合物は、滅菌された等張の水性緩衝液中の溶液である。必要ならば、この組成物は、可溶化剤を含有することもできる。静脈内投与のための組成物は、注射部位の疼痛を緩和するために、任意に、局所麻酔薬、例えばリグノカインを含有することができる。一般に構成成分は、例えば、有効物質の量を記したアンプル又はサシェのような、密封された容器内の、無水の凍結乾燥された散剤又は水非含有の濃縮物として、単位剤形において、個別に又は組合せのいずれかで供給される。インダゾール化合物が輸液により投与される場合、これは、例えば、無菌の医薬等級の水又は生理食塩水を含有する輸液瓶と共に販売される。インダゾール化合物が注射により投与される場合、構成成分を投与前に混合することができるよう、注射用滅菌水又は生理食塩水のアンプルを提供することができる。
更にインダゾール化合物の作用は、適切な製剤により、遅延又は延長することができる。例えば、インダゾール化合物のゆっくり溶解するペレットを調製し、及び錠剤又はカプセル剤中に混入することができる。この技術は、いくつかの異なる溶出性のペレットの製造、並びにペレットの混合物のカプセル充填により改善することができる。錠剤又はカプセル剤は、予め決められた期間、溶出を阻止するフィルムで被覆することができる。例え非経口調製物であっても、血清中に緩徐にのみ分散されることを可能にする、油性又は乳化されたビヒクル中にインダゾール化合物を溶解又は懸濁することにより、持続作用することができる。
特定の実施態様において、インダゾール化合物は、水性緩衝溶液中で提供される。
経口送達用組成物は、例えば、錠剤、菓子錠剤、水性又は油性懸濁剤、顆粒剤、散剤、乳剤、カプセル剤、シロップ剤、又はエリキシル剤の形であることができる。経口投与される組成物は、医薬として口当たりの良い調製物を提供するために、1種以上の任意の物質、例えば、甘味剤、例えば果糖、アスパルタム又はサッカリン;香味剤、例えばペパーミント、冬緑樹油又はチェリー油;着色剤;並びに、保存剤を含有することができる。更に、錠剤又は丸剤の形である場合、本組成物は、胃腸管内での崩壊及び吸収を遅延するために、被覆することができ、これにより長期間にわたる持続作用を提供することができる。浸透圧能動輸送(osmotically active driving)化合物を取り囲む選択透過膜も、本発明の経口投与用化合物に適している。これらの基本構造(platform)において、カプセル剤を取り囲む環境からの液体は、輸送化合物により内蔵(imbed)され、これは膨潤し、物質又は物質組成物を開口部を通り移動させる。これらの送達の基本構造は、速放性製剤のスパイク型プロファイルとは対照的である、本質的にゼロ次の送達プロファイルを提供することができる。グリセロールモノステアレート又はステアリン酸グリセロールのような遅延型材料も使用することができる。経口組成物は、標準のビヒクル、例えばマンニトール、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどを含有することができる。そのようなビヒクルは医薬等級が好ましい。
インダゾール化合物の量は、例えば患者へ投与される経路などであるが、これに限定されるものではない要因に応じ、異なることができる。しかし本発明の典型的剤形は、約0.10mg〜約3500mg、約1mg〜約2500mg、約10mg〜約500mg、約25mg〜約250mg、約50mg〜約100mgの量のインダゾール化合物を含有する。典型的剤形は、約0.1、1、2、5、7.5、10、12.5、15、17.5、20、25、50、100、150、200、250、500、750、1000、1500、2000、2500、3000又は3500mgの量のインダゾール化合物を含有する。特定の実施態様において、剤形は、約1、2、5、10、25、50、100、250又は500mgの量のインダゾール化合物を含有する。別の特定の実施態様において、剤形は、インダゾール化合物を約1、2、5、7、10、25、50、100、150、200、250、300、350、400、450又は500mgの量含有する。
別の具体的実施態様において、剤形は、インダゾール化合物濃度が約1mg/mL〜約10mg/mL、約1mg/mL〜約50mg/mL、又は約1mg/mL〜約100mg/mL、例えば、1mg/mL、2mg/mL、5mg/mL、10mg/mL、20mg/mL、25mg/mL、50mg/mL、75mg/mL又は100mg/mLである、緩衝された水溶液(例えば無菌の緩衝された水溶液)を含む。別の具体的実施態様において、インダゾール化合物を約1mg/mL〜約100mg/mL、例えば、1mg/mL、2mg/mL、5mg/mL、10mg/mL、20mg/mL、25mg/mL、50mg/mL、75mg/mL又は100mg/mL含有する、単回用単位剤形(すなわち、単回使用又は単回投与が意図された剤形)が提供される。本明細書に提供された単回用単位剤形の具体的で非限定的な例は、インダゾール化合物5mg/mLの緩衝された水溶液を100mL含有するバイアルである。この緩衝された水溶液は、無菌であるか及び/又は静脈内投与に適することができる。当然、一日の様々な時刻に、化合物の1日量を一度に投与することが実用的であることが多い。しかしいずれの場合においても、投与されるインダゾール化合物の量は、活性成分の溶解度、使用される製剤、対象の状態(例えば体重)、及び/又は投与経路などのような要因に左右されるであろう。
適当な投与量は、当業者により、公知の方法(例えば、用量-反応試験)を使用し決定され得る。ある実施態様において、インダゾール化合物は、それを必要とする患者へ、0.1mg/kg〜500mg/kg、1mg/kg〜250mg/kg、1mg/kg〜150mg/kg、1mg/kg〜100mg/kg、1mg/kg〜50mg/kg、1mg/kg〜25mg/kg、又は1mg/kg〜10mg/kgの単回量又は分割量で投与される。ひとつの実施態様において、インダゾール化合物は、それを必要とする患者へ、1.4mg/kg、2.8mg/kg、4.7mg/kg又は7.0mg/kgの単回量で投与される。
別の実施態様において、インダゾール化合物は、200、300又は400mgの単回量又は分割量で、それを必要とする患者へ経口投与される。
適当な投与計画は、当業者により、公知の方法(例えば、用量-反応試験)を使用し決定され得る。ある実施態様において、インダゾール化合物は、それを必要とする患者へ毎日、約1時間、約2時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約22時間又は約24時間かけた、静脈内への輸液により投与される。
療法の過程に関する治療期間は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年又はそれよりも長い期間であることができる。治療期間は、1日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年又はそれよりも長い期間であることができる休薬期間により、中断することができる。特定の実施態様において、療法の過程は、インダゾール化合物の、5連続日にわたる毎日の投与(例えば、輸液による)、それに続く更に2日間の休薬(すなわち、インダゾール化合物を投与しない)、それに続く更に5日間の毎日の投与、それに続く2日間の休薬を含む。そのような決定は、当業者(例えば医師)により行うことができる。
具体的投与計画の非限定的例は、以下を含む:(1)1.4mg/kgのインダゾール誘導体のそれを必要とする患者へ、12時間にわたるq.d.(毎日)による、1〜5日目及び8〜12日目の静脈内投与を含み、6、7、13又は14日目にはインダゾール化合物を投与しない、14日間の治療コース;(2)2.8mg/kgのインダゾール誘導体のそれを必要とする患者へ、12時間にわたるq.d.(毎日)による、1〜5日目及び8〜12日目の静脈内投与を含み、6、7、13又は14日目にはインダゾール化合物を投与しない、14日間の治療コース;(3)4.7mg/kgのインダゾール誘導体のそれを必要とする患者へ、12時間にわたるq.d.(毎日)による、1〜5日目及び8〜12日目の静脈内投与を含み、6、7、13又は14日目にはインダゾール化合物を投与しない、14日間の治療コース;並びに、(4)7.0mg/kgのインダゾール誘導体のそれを必要とする患者へ、12時間にわたるq.d.(毎日)による、1〜5日目及び8〜12日目の静脈内投与を含み、6、7、13又は14日目にはインダゾール化合物を投与しない、14日間の治療コース。
本明細書に説明された実施態様において、インダゾール化合物が必要な患者への適量の投与に必要である、例えば、5mg/mLのインダゾール化合物溶液の量は、下記式を用い決定することができる:
XmL=[投与量レベル(mg/kg)X対象体重(kg)]/[5mg/mL]
ここでXは、適量を得るために必要な5mg/mLインダゾール化合物溶液の容積である。
下記実施例は、限定ではなく例証として提供される。(この目的のために、そのような有機化合物の許容できる簡略化された表記法に従い、1個以上の水素原子又はメチル基は、描かれた構造から省略することができ、当業者はそれらの存在を容易に理解することに留意しなければならない。)。
(5. 実施例)
(実施例1)
1-(5-(1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)(1H-インダゾール-3-イル))-3-(2-ピペリジルエトキシ)ベンゼン
Figure 2008534506
(A. 3-{1-ペルヒドロ-2H-ピラン-2-イル-5-[1-(トリフェニルメチル)(1,2,4-トリアゾール-3-イル)]-1H-インダゾール-3-イル}フェノール)
ジメトキシエタン(27.1mL)中の2-{3-ブロモ-5-[1-(トリフェニルメチル)(1,2,4-トリアゾール-3-イル)]-1H-インダゾイル}ペルヒドロ-2H-ピラン(3.22g, 5.46mmol)の攪拌溶液へ、3-ヒドロキシフェニルボロン酸(1.81g, 8.22mmol)、ジクロロ[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(0.447g, 0.485mmol)、及びリン酸カリウム(5.78g, 27.2mmol)を添加し、この混合物を、約48時間還流加熱した。この混合物を、ジクロロメタンで希釈した。有機抽出物を、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣の20-50%酢酸エチル/ヘキサンによるカラムクロマトグラフィーを使用する精製は、生成物(3.16g, 収率96%)を提供した。ES-MS (m/z) 362 [M+1(-Tr)]+
(B. 1-(5-(1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)(1H-インダゾール-3-イル))-3-(2-ピペリジルエトキシ)ベンゼン)
トリフェニルホスフィン(0.694g, 2.65mmol)、テトラヒドロフラン(2.12mL)、2-ピペリジルエタノール(0.352mL, 2.65mmol)及びジエチルアゾジカルボキシラート(0.418mL, 2.65mmol)を、3-{1-ペルヒドロ-2H-ピラン-2-イル-5-[1-(トリフェニルメチル)(1,2,4-トリアゾール-3-イル)]-1H-インダゾール-3-イル}フェノール(0.400g, 0.662mmol)へ添加した。この混合物を、周囲温度で約23時間攪拌し、6N塩酸水溶液(30mL)へ注いだ。周囲温度で約4時間攪拌後、混合物を、エーテル(3x)で抽出した。水性画分を、6N水酸化ナトリウム水溶液(30mL)へ添加し、pHを11に調節した。この溶液を、酢酸エチル(3x)で抽出し、有機画分を一緒にし、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣を、2%トリエチルアミン/酢酸エチルで予備処理したシリカ上での、引き続き0-20%メタノール/酢酸エチルの溶離のフラッシュクロマトグラフィーを用い、精製した。所望の画分を濃縮し、酢酸エチルに溶解し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、蒸発させ、標題化合物(化合物(I))を得た(0.124g, 収率48%)。1H NMR (CD3OD) δ 8.72 (m, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.10 (dd, 1H), 7.67 (dd, 1H), 7.62 (dt, 1H), 7.58 (m, 1H), 7.47 (t, 1H), 7.04 (m, 1H), 4.27 (t, 2H), 2.89 (t, 2H), 2.63 (m, 4H), 1.68 (m, 4H), 1.51 (m, 2H)。 ES-MS (m/z) 389 [M+l]+
(実施例2)
(化合物の活性を測定するアッセイ)
本発明の化合物は、以下の手順に従い、それらの活性についてアッセイすることができる。
(JNK2アッセイ)
20%のDMSO/80%の水を溶媒とする20mM HEPES(pH7.6)、0.1mM EDTA、2.5mM塩化マグネシウム、0.004%Triton X100、2μg/mLロイペプチン、20mMβ-グリセロールリン酸、0.1mMバナジン酸ナトリウム、及び2mM DTTからなる希釈緩衝液中の被験化合物10μLを、同じ希釈緩衝液中の50ng His6-JNK2の30μLへ添加した。この混合物を、室温で30分間プレインキュベーションした。水中20mM HEPES(pH7.6)、50mM塩化ナトリウム、0.1mM EDTA、24mM塩化マグネシウム、1mM DTT、25mM PNPP、0.05% Triton X100、11μM ATP、及び0.5μCi γ-32P ATPからなるアッセイ緩衝液中の10μg GST-c-Jun(1-79) 60μLを添加し、反応を、室温で1時間進行させた。c-Junリン酸化は、12.5%トリクロロ酢酸150μLの添加により終結した。30分後、沈殿をフィルタープレート上に収集し、シンチレーション液50μLで希釈し、カウンターにより定量した。IC50値は、c-Junリン酸化が対照値の50%に低下される被験化合物の濃度として計算した。本発明の好ましい化合物は、本アッセイにおいて0.01-10μMの範囲のIC50値を有した。
(JNK3アッセイ)
20%のDMSO/80%の水を溶媒とする20mM HEPES(pH7.6)、0.1mM EDTA、2.5mM塩化マグネシウム、0.004%Triton X100、2μg/mLロイペプチン、20mMβ-グリセロールリン酸、0.1mMバナジン酸ナトリウム、及び2mM DTTからなる希釈緩衝液中の被験化合物10μLを、同じ希釈緩衝液中の200ng His6-JNK2の30μLへ添加した。この混合物を、室温で30分間プレインキュベーションした。水中20mM HEPES(pH7.6)、50mM塩化ナトリウム、0.1mM EDTA、24mM塩化マグネシウム、1mM DTT、25mM PNPP、0.05% Triton X100、11μM ATP、及び0.5μCi γ-32P ATPからなるアッセイ緩衝液中の10μg GST-c-Jun(1-79) 60μLを添加し、反応を、室温で1時間進行させた。c-Junリン酸化は、12.5%トリクロロ酢酸150μLの添加により終結した。30分後、沈殿をフィルタープレート上に収集し、シンチレーション液50μLで希釈し、カウンターにより定量した。IC50値は、c-Junリン酸化が対照値の50%に低下される被験化合物の濃度として計算した。本発明の好ましい化合物は、本アッセイにおいて0.001-10μMの範囲のIC50値を有した。
(ラットのインビボにおけるLPS-誘導したTNF-α産生アッセイ)
Charles River Laboratoriesから入手した7週齢の雄のCDラットを、使用前に1週間馴化させた。短時間のイソフルラン麻酔下で、側方尾静脈を、22-ゲージオーバー-ザ-ニードルカテーテルにより皮下にカニューレ挿管した。ラットには、0.05mg/kg LPS(大腸菌055:BS)の注射の15〜180分間前に、尾静脈カテーテルを介した静脈内注射によるか又は経口強制摂取のいずれかにより、被験化合物を投与した。カテーテルには、通常の注射用生理食塩水2.5mL/kgをフラッシュした。血液を、LPSチャレンジの90分後に、心穿刺により採取した。血漿を、ヘパリンリチウム分離管を用いて調製し、分析時まで-80℃で凍結した。TNF-αレベルは、ラット特異的TNF-αELISAキット(Biosource)を用いて決定した。ED50値は、TNF-α生成が、対照値に対し50%低下される被験化合物の投与量として計算した。本発明の好ましい化合物は、本アッセイにおいて1-30mg/kgの範囲のED5O値を有する。
(実施例3)
(投与計画)
好適な用量及び投与計画を、医師のような当業者は決定することができる。ひとつの実施態様において、インダゾール化合物をそれを必要とする患者へ投与するために、下記の投与計画が使用される。
インダゾール化合物は、5mg/mL緩衝された水溶液100mLとして提供される。それを必要とする患者へ、インダゾール化合物1.4mg/kg、2.8mg/kg、4.7mg/kg又は7.0mg/kgのいずれかが、5連続日の間、毎日の静脈内輸液として12時間にわたり投与される。これに、2週間の休薬が続く。それを必要とする患者へ再度、インダゾール化合物1.4mg/kg、2.8mg/kg、4.7mg/kg又は7.0mg/kgのいずれかが、更に5連続日の間、毎日の静脈内輸液として12時間にわたり投与される。その後これに、更に2週間の休薬が続く。適当な投与量をそれを必要とする患者へ投与するために必要な5mg/mLインダゾール化合物溶液の量は、下記式を用い決定することができる:
XmL=[投与量レベル(mg/kg)x対象体重(kg)]/[5mg/mL]
ここでXは、適量を得るために必要な、5mg/mLインダゾール化合物溶液の容積である。この治療の過程は、当業者(例えば医師)により必要と決定される回数、繰り返すことができる。効能を決定するために、骨髄穿刺及び/又は生検を、インダゾール化合物の投与後行うことができる。
本発明の具体的な実施態様は、例証を目的として本明細書において説明されているが、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限りは、様々な修正を行うことができることは明らかであろう。そのような修正は、添付された「特許請求の範囲」内であることが意図されている。
多くの参考文献が引用されており、それらの全体の開示は本明細書に引用により組入れられている。

Claims (20)

  1. 急性骨髄性白血病を治療する方法であって、それを必要とする患者へ、下記構造を有する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩の有効量を投与することを含む、前記方法:
    Figure 2008534506
  2. 前記化合物を、医薬組成物として投与する、請求項1記載の方法。
  3. 前記化合物を、経口投与する、請求項1記載の方法。
  4. 前記化合物を、非経口投与する、請求項1記載の方法。
  5. 前記化合物を、静脈内、筋肉内、皮内、又は皮下投与する、請求項4記載の方法。
  6. 前記化合物を、静脈内投与する、請求項5記載の方法。
  7. 前記化合物を、輸液により投与する、請求項6記載の方法。
  8. 前記化合物を、毎日投与する、請求項6記載の方法。
  9. 急性骨髄性白血病を予防する方法であって、それを必要とする患者へ、下記構造を有する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩の有効量を投与することを含む、前記方法:
    Figure 2008534506
  10. 前記化合物を、医薬組成物として投与する、請求項9記載の方法。
  11. 前記化合物を、経口投与する、請求項9記載の方法。
  12. 前記化合物を、非経口投与する、請求項9記載の方法。
  13. 前記化合物を、静脈内、筋肉内、皮内、又は皮下投与する、請求項12記載の方法。
  14. 前記化合物を、静脈内投与する、請求項13記載の方法。
  15. 下記構造を有する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩を1mg/mL〜10mg/mL含む、医薬組成物:
    Figure 2008534506
  16. 前記組成物が、液体の形状である、請求項15記載の医薬組成物。
  17. 前記組成物が、水性である、請求項16記載の医薬組成物。
  18. 前記組成物が、無菌である、請求項16記載の医薬組成物。
  19. 下記構造を有する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩を5mg/mL含む、静脈内投与に適した、単回用単位剤形:
    Figure 2008534506
  20. 前記剤形が、水性である、請求項19記載の単回用単位剤形。
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