以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
[画像形成装置の全体構成]
図1は、本発明の一実施例に係る画像形成装置の概略断面構成を示す。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いて転写材P、例えば、記録用紙、OHPシート、布などにフルカラー画像を形成することができるフルカラーデジタル複写機である。又、本実施例では、画像形成装置100は、タンデム方式、直接転写方式を採用している。
本実施例の画像形成装置100は、フルカラー出力モード時のプロセススピードは200mm/sで、毎分40枚の出力が可能である。一方、黒出力モード時のプロセススピードは300mm/sで、毎分60枚の高速出力が可能である。又、本実施例の画像形成装置100の寸法は、幅(転写材Pの搬送方向に沿う方向の長さ)800mm、高さ790mmである。
本実施例の画像形成装置100は、複数の画像形成部として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための第1、第2、第3、第4の画像形成部(プロセスユニット)Sa、Sb、Sc、Sdを有する。
尚、各画像形成部Sa〜Sdに共通して設けられる実質的に同一又は相当する機能、構成を有する要素について、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを示す図中の符号の添え字a、b、c、dは省略して総括的に説明する。
画像形成部Sは、図中矢印R2方向に回転可能な円筒型の感光体、即ち、感光ドラム1を有する。感光ドラム1の周囲には、一次帯電手段としての一次帯電器2、露光手段としてのレーザースキャナ3、現像手段としての現像装置4、転写手段としての転写ローラ5、クリーニング手段としてのクリーニング装置6等が設けられている。又、各感光ドラム1a〜1dに対向して周回移動可能な、転写材担持体としてのベルト体、即ち、転写ベルト51が設けられている。
転写ベルト51は、複数の支持部材として、駆動ローラ52と従動ローラ53とに掛け渡されている。転写ベルト51の内周面側において、各感光ドラム1a〜1dに対向する位置に、各転写ローラ5a〜5dが配置されている。各転写ローラ5a〜5dは、それぞれ転写ベルト51を各感光ドラム1a〜1dに向けて押圧し、転写ベルト51と各感光ドラム1a〜1dとが接触する転写部(転写ニップ)Na〜Ndを形成する。
又、第4の画像形成部Sdでは、感光ドラム1dの回転方向において現像装置4dの直ぐ上流には、電位センサ9dが配置されている。又、感光ドラム1dの回転方向において現像装置4dの直ぐ下流には、感光ドラム1dの近傍を浮遊する飛散現像剤を回収するための飛散現像剤回収装置10dが設けられている。更に、感光ドラム1dの回転方向において飛散現像剤回収装置10dの直ぐ下流には、感光ドラム1d上に形成されたトナー像の帯電量を増加させるためのポスト帯電器11dが配設されている。又、感光ドラム1dの回転方向において一次帯電器2dの直ぐ上流には、感光ドラム1dの表面の露光を行って、残留電荷を除去する帯電前露光装置8dが配置されている。
尚、第1〜第3の画像形成部Sa〜Scにおいては、上記電位センサ、飛散現像剤回収装置、ポスト帯電器、帯電前露光装置はいずれも配設されていない。
ここで、本実施例では、第1〜第3の画像形成部Sa〜Scの感光ドラム(第1〜第3の感光ドラム)1a〜1cにおいては、トナー像を形成すべき部分が露光される(画像部露光)。本実施例では、第1〜第3の感光ドラム1a〜1cとして、外径30mmの有機感光体を用いた。本実施例では、第1〜第3の感光ドラム1a〜1dは負帯電性である。有機感光体は、a−Si(アモルファスシリコン)感光体に比べて耐久性は低い(例えば、寿命10万枚)が、小径にすることができ、オフィス用のフルカラー機に適している。
そして、第1〜第3の画像形成部Sa〜Scにおいては、第1〜第3の感光ドラム1a〜1c上に形成された静電像は、反転現像によってトナー像として可視像化される。第1〜第3の画像形成部Sa〜Scの現像装置(第1〜第3の現像装置)4a〜4cは、現像剤として非磁性トナー粒子(トナー)と磁性キャリア粒子(キャリア)とを備える二成分現像剤を用いる二成分現像方式を採用している。二成分現像方式は、フルカラー画像に求められる均一性に優れている。第1〜第3の現像装置4a〜4cは、現像剤担持体として1個の現像スリーブを有する。そして、この現像スリーブ上に薄層化されて担持された二成分現像剤からトナーを第1〜第3の感光ドラム1a〜1cにそれぞれ供給することによってトナー像を形成する。第1〜第3の現像装置4a〜4cには、現像剤補給容器13a〜13cから適時トナーが補給される。本発明においては、これらの二成分現像方式を用いた現像装置自体の構成は任意であるので、これ以上の詳しい説明は省略する。
一方、本実施例では、第4の画像形成部Sdの感光ドラム(第4の感光ドラム)1dにおいては、トナー像を形成すべきでない部分が露光される(背景部露光)。本実施例では、第4の感光ドラム1dとして、外径84mmのa−Si感光体を用いた。本実施例では、第4の感光ドラム1dは正帯電性である。a−Si感光体は、有機感光体に比べて高耐久(例えば、寿命500万枚)であり、黒出力の比率の高いオフィス用の高速機に適している。
そして、第4の画像形成部Sdにおいては、第4の感光ドラム1d上に形成された静電像は、正規現像によってトナー像として可視像化される。第4の画像形成部Sdの現像装置(第4の現像装置)4dは、現像剤として実質的に磁性トナー粒子のみから成る磁性一成分現像剤(磁性トナー)を用いる磁性一成分現像方式を採用している。本実施例で用いた磁性トナーは、取り扱いが簡易で、現像スリーブの寿命(例えば、200万枚)まで保守作業が要らないものである。又、本実施例では、第4の現像装置4dは、現像剤担持体としての2個の現像スリーブを有する。そして、この2個の現像スリーブ上に担持されたトナーを第4の感光ドラム1dに供給することによってトナー像を形成する。第4の現像装置4dの詳細については後述する。
尚、画像出力速度を高速化しつつ、装置の大型化を避けるためには、像担持体がドラム形状とされる場合、その外径は、25mm以上109mm以下であることが好ましい。
フルカラー出力モード時には、第1〜第4の画像形成部Sa〜Sdにおいて、回転する感光ドラム1a〜1dが、一次帯電器2a〜2dによって一様に帯電される。次いで、帯電した感光ドラム1a〜1dは、レーザースキャナ3a〜3dによって、各分解色の画像情報に従って露光され、感光ドラム1a〜1d上に静電像が形成される。この静電像は、次いで現像装置4a〜4dによって現像される。そして、第1〜第3の画像形成部Sa〜Scの感光ドラム1a〜1c上に形成されたY、M、Cの各色のトナー像は、それぞれの転写部Na〜Ncにおいて転写ローラ5a〜5cによって転写ベルト51上の転写材Pに順次に重ね合わせて転写される。この時、各転写ローラ5a〜5cにはそれぞれ、Y、M、Cの各色のトナーの正規の帯電極性(本実施例では負極性)とは逆極性の転写バイアスが印加される。これにより、感光ドラム1a〜1cと転写ローラ5a〜5cとの間にそれぞれ発生する静電力によって、トナー像の転写が行われる。更に、第4の画像形成部Sdにおいて、感光ドラム1d上に形成されたトナー像がポスト帯電器11によって帯電された後に転写部Ndに達すると、転写ローラ5dによって転写ベルト51上の転写材PのY、M、Cのトナー像に重ね合わせて転写される。この時、転写ローラ5dには、K色のトナーの正規の帯電極性(本実施例では負極性)とは逆極性の転写バイアスが印加され、感光ドラム1dと転写ローラ5dとの間に発生する静電力によってトナー像の転写が行われる。
その後、分離バイアスが印加された分離帯電器12によって、転写材Pを転写ベルト51から分離して、定着装置7に搬送する。そして、定着ローラ71と加圧ローラ72との間の定着ニップ部にて、トナー像を転写材Pに加熱、加圧して定着させる。その後、転写材Pは、画像形成装置100の外部に出力される。
又、上記転写工程後に感光ドラム1a〜1d上に残留しているトナー(転写残トナー)は、クリーニング装置6a〜6dによって除去されて回収される。
尚、黒出力モードが選択された場合、第1〜第3の画像形成部Sa〜Scは動作せず、第4の画像形成部Sdのみ動作する。黒出力モード時における第4の画像形成部Sdの動作自体は、上記フルカラー出力モード時と実質的に同じである。
[装置動作シーケンス]
本実施例の画像形成装置100のデフォルトの装置動作シーケンスは次のように設定されている。図2は、その工程図である。
a.前多回転工程:
画像形成装置100の始動動作期間である。主電源スイッチ(図示せず)のオンにより、画像形成装置100の主駆動モータ(図示せず)を駆動させて、感光ドラム1を回転駆動させ、所定のプロセスユニットの準備動作を実行させる。
b.前回転工程:
出力前動作を実行させる工程であり、前多回転工程中に出力開始信号が入力したときには、前多回転工程に引き続いて実行される。出力開始信号の入力がないときには、前多回転工程の終了後に主駆動モータの駆動が一旦停止されて感光ドラム1の回転駆動が停止され、画像形成装置100は出力開始信号が入力されるまで待機状態に保たれる。出力開始信号が入力すると前回転工程が実行される。
c.印字工程(画像形成工程、作像工程):
所定の前回転工程が終了すると、引き続いて回転する感光ドラム1に対する作像プロセスが実行される。感光ドラム1に形成されたトナー像の転写材Pへの転写ローラ5による転写、定着装置7によるトナー像の定着処理がなされて、転写材Pが出力される。連続出力モードの場合は、上記の印字工程が所定の設定出力枚数n回繰り返して実行される。
d.紙間工程:
連続印字モードにおいて、一の転写材Pの後端部が、感光ドラム1と転写ベルト51の接触部(転写部)Nを通過した後、次の転写材Pの先端部が同転写部Nに到達するまでの間の、転写部Nにおける転写材Pの非通紙状態に相当する期間である。即ち、紙間工程は、複数の転写材に対する一連の画像形成動作における転写材と転写材との間に対応する期間である。
e.後回転工程:
最後であるn枚目の印字工程が終了した後もしばらくの間、主駆動モータの駆動を継続させて感光ドラム1を回転駆動させ、所定の後動作を実行させる期間である。即ち、後回転工程は、1回のジョブ(一の画像形成動作開始指示による一連の画像形成動作)の終了後の整理動作の期間である。
f.待機:
所定の後回転工程が終了すると、主駆動モータの駆動が停止され、感光ドラム1の回転駆動が停止され、画像形成装置は次の出力開始信号が入力するまで待機状態に保たれる。
1枚だけの出力の場合は、その出力終了後、画像形成装置100は後回転工程を経て待機状態になる。待機状態において出力開始信号が入力すると、画像形成装置100は前回転工程に移行する。
以上の各工程のうち、cの印字工程時が画像形成時である。又、上記各工程のうち、aの前多回転工程、bの前回転工程、dの紙間工程、及びeの後回転工程が非画像形成時(非作像時)になる。
[a−Si感光体]
次に、図3を参照して、a−Si感光体について説明する。
ランニングコストの低減の目的で、a−Si(非晶質珪素)感光体を用いることができる。a−Si感光体は、有機感光体に比べて耐久性に優れているため、典型的には、画像形成装置が寿命を迎えるまで交換不要であるなど、長寿命であるという利点がある。従って、近年、高速機・高級機を中心に急速に普及してきている。
図3は、本実施例において第4の感光ドラム1dとして用いられる円筒状のa−Si感光体の表面付近の一部を切り取って断面を示したものである。この感光体は、感光体用の基体111と、基体111上に設けられた非晶質の珪素原子を含有する感光層としてのa−Si:H,Xから成る感光層112とを有している。感光層112上には、必要に応じてa−Si:H,X又はa−SiC:H,Xから成る中間層又は第2表面層113が設けられる。更に、最外周面にはa−SiC:H,X又は交流:H,Xからなる表面層114が設けられる。
a−Si:Hを用いた画像形成装置用の感光体は、一般的には、次のような方法で製造される。導電性の基体111を加熱し、基体111上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD(法、光CVD法、プラズマCVD法(以下、「PCVD法」という。)などの成膜法によりa−Siからなる光導電層が形成される。中でもPCVD法、即ち、原料ガスを直流又は高周波あるいはマイクロ波のグロー放電によって分解し、分解された原料ガスを基体111上に堆積させてa−Si堆積膜を形成する方法が好適である。
図3に示す感光体の表面層114は、上記のような製造方法により、表面粗さが0.01μmRa以上0.9μmRa以下になるようにすることが好ましい。
尚、表面粗さ(中心線平均粗さRa)は、ISO 4287:1997に準じて作成されたJIS B 0601:2001で規定されており、本明細書においては、表面粗さ測定器SE−3300(小坂研究所製)によって測定したものである。
[現像装置構成]
次に、図4を参照して、本実施例の画像形成装置100の第4の画像形成部Sdが備える現像装置4dについて更に詳しく説明する。
現像装置4dは、現像剤収容部(現像装置本体)40を有する。現像剤収容部40には、現像剤として負帯電性の磁性一成分現像剤(磁性トナー)が収容されている。
そして、本実施例では、現像装置4dは、複数の現像剤担持体として第1の現像スリーブ41と第2の現像スリーブ42との2個の現像スリーブを備えている。
第1、第2の現像スリーブ41、42は、現像剤収容部40の感光ドラム1dに対向した開口部に互いに近接して感光ドラム1dの長手方向に沿って並設された筒状の回転体である。本実施例では、第1の現像スリーブ41と感光ドラム1dとの最近接位置における間隔(Gsd1)、及び、第2の現像スリーブ42と感光ドラム1dとの最近接位置における間隔(Gsd2)は、共に200μmである。
本実施例では、第1、第2の現像スリーブ41、42と感光ドラム1dとの対向部(現像領域)における感光ドラム1dの移動方向に対し上流側の現像剤担持体が第1の現像スリーブ41である。又、同方向に対し下流側の現像剤担持体が第2の現像スリーブ42である。
第1の現像スリーブ41の内部には、磁界発生手段としての第1のマグネット(永久磁石)47が固定配置されている。又、第2の現像スリーブ42の内部には、磁界発生手段としての第2のマグネット(永久磁石)48が固定配置されている。第1、第2のマグネット47、48は、周方向に沿って複数の磁極を有する円柱状の永久磁石で構成されている。第1、第2のマグネット47、48の発生する磁界によって、トナーは対応する現像スリーブ上に磁気的に拘束されて担持される。
感光ドラム1dは図示矢印R2方向に回転し、第1の現像スリーブ41及び第2の現像スリーブ42は図示矢印R1方向に回転する。即ち、感光ドラム1dに対して第1の現像スリーブ41が近接している位置では、感光ドラム1dの移動方向と第1の現像スリーブ41の移動方向とは同じである。又、感光ドラム1dに対して第2の現像スリーブ42が近接している位置では、感光ドラム1dの移動方向と第2の現像スリーブ42の移動方向とは同じである。そして、第1の現像スリーブ41と第2の現像スリーブ42とが近接して対向するSS部では、第1の現像スリーブ41の移動方向と第2の現像スリーブ42の移動方向とは逆方向である。
第1、第2の現像スリーブ41、42は、それぞれの回転軸が現像剤収容部40の両側壁に軸受けを介して回転自在に支持されている。
第1の現像スリーブ41の図中上方に位置する現像剤収容部40の開口部には、第1の現像スリーブ41の表面に近接して、SPCC(冷延鋼板)製の層厚規制部材44が設けられている。層厚規制部材44は、第1の現像スリーブ41の表面に担持するトナーの層厚を規制して、第1の現像スリーブ41の表面にトナーの薄層を形成する。本実施例では、層厚規制部材44と第1の現像スリーブ41との最近接位置における間隔は240μmである。又、本実施例では、層厚規制部材44の幅(短手方向長さ)10mm、厚さ1.6mmの板状部材である。又、層厚規制部材44の長手方向の長さは、第1の現像スリーブ41の長手方向(回転軸方向)の長さと同等である。
尚、本実施例では、層厚規制部材44として、第1の現像スリーブ41に非接触に配置されるものを用いているが、これに限定されるものではなく、第1の現像スリーブ41に接触する弾性体で形成された層厚規制部材を用いても良い。
現像剤収容部40内には、その中に収容している磁性トナーを攪拌及び搬送する2個の羽根状の攪拌搬送部材45、46が設けられており、これら攪拌搬送部材45、46の回転によってトナーを第2の現像スリーブ42の近傍に搬送する。
第2の現像スリーブ42の近傍に搬送されたトナーは、第2の現像スリーブ42の図示矢印R1方向の回転に伴って、互いに近接して配置されている第1の現像スリーブ41と第2の現像スリーブ42との間のSS部の近傍に送られる。それと共に、トナーは、第1の現像スリーブ41に送られる。本実施例では、第1の現像スリーブ41と第2の現像スリーブ42との最近接における間隔(Gss)は400μmである。
更に説明すると、現像剤収容部40内のトナーは、攪拌搬送部材45、46によって第2の現像スリーブ42の近傍に搬送される。又、このトナーは、更に第2の現像スリーブ42の図示矢印R1方向の回転に伴って、第1の現像スリーブ41と第2の現像スリーブ42とが近接して対向するSS部の近傍に送られる。ここで、トナーがSS部をすり抜ける際に、その層厚が第1の現像スリーブ41によって規制され、第2の現像スリーブ42の表面にトナー層が形成される。このトナー層は、感光ドラム1dとの最近接点近傍でその一部が現像に供されるが、現像に供されなかったトナーは、現像剤収容部40内に回収される。
一方、SS部の近傍まで搬送されたトナーのうち、第2の現像スリーブ42の表面に担持されなかったトナーは、第1の現像スリーブ41の図示矢印R1方向の回転に伴って層厚規制部材44の近傍に搬送される。トナーが層厚規制部材44と第1の現像スリーブ41との間の隙間をすり抜ける際に、その層厚が層厚規制部材44によって規制され、第1の現像スリーブ41の表面にトナー層が形成される。このトナー層は感光ドラム41との最近接点近傍でその一部が現像に供されるが、現像に供されなかったトナーは、第1の現像スリーブ41と第2の現像スリーブ42とが近接して対向するSS部に送られる。SS部に送られたトナーは、一部が現像剤収容部40内に回収され、残りは第2の現像スリーブ42へ移送され、第2の現像スリーブ42上のトナー層の一部となる。
このように、現像装置4dは、複数の現像剤担持体を有しており、現像剤の層厚規制部材としては、感光ドラム1dの移動方向に対して最上流側に位置する第1の現像スリーブ41に対するもののみを備えている。又、複数の現像剤担持体のうちの隣り合う2個の現像剤担持体は、最近接部において逆方向に移動する。本実施例では、特に、複数の現像剤担持体として、隣り合う第1の現像スリーブ41及び第2の現像スリーブ42のみを有する。
本実施例では、第1、第2の現像スリーブ41、42のそれぞれの上のトナーの単位面積当たりの質量mは0.7g/cm2である。
尚、この現像スリーブ上のトナーの単位面積当たりの質量mは、次のようにして測定した。現像スリーブ上のトナーの薄層から、トナーを掃除機で吸引して捕集し、捕集した現像剤の質量(M(mg))を測定し、現像スリーブの表面のトナーの吸引領域の面積(S(cm2))を計測し、MをSで除してmを算出する。
又、現像剤収容部40の外部には、現像剤補給容器13d(図1)が設けられている。現像剤補給容器13dには、補給用の磁性トナーが収容されている。そして、トナー残量検知センサ(図示せず)で検知した現像装置4d内のトナー残量情報に基づいて、現像剤補給容器13dからトナーが現像剤収容部40内に補給される。
上述のように、第1の現像スリーブ41と第2の現像スリーブ42とは、それぞれ同方向(図示矢印R1方向)に回転する。より詳しくは、第1、第2の現像スリーブ41、42は、それらの各表面に担持されているトナーが感光ドラム1d側に転移するときに、第1、第2の現像スリーブ41、42の上方からトナーがそれぞれ転移するような回転方向に回転する。つまり、第1、第2の現像スリーブ41、42は、それらの各表面に担持されているトナーが感光ドラム1d側に転移するときに、トナーが感光ドラム1dの回転方向(図示矢印R2方向)に対して従動するように回転する。
本実施例では、第1、第2の現像スリーブ41、42の回転速度度は共に300mm/sである。本実施例では、この第1、第2の現像スリーブ41、42の回転速度は、フルカラー出力モード時と黒出力モード時とで同じである。
ここで、図5を参照して、本実施例にて用いられる第1、第2の現像スリーブ41、42について更に説明する。
第1、第2の現像スリーブ41、42には、金属メッキを施すことが好ましい。第1、第2の現像スリーブ41、42の基材121の材料としては、一般的に、SUS(ステンレススチール)やアルミニウム等が用いられている。第1、第2の現像スリーブ41、42の基材121の材料としては、特に、アルミニウム、アルミニウム合金、又は銅合金が好ましい。
これらの材料は、非磁性であるため、磁性トナーを用いた現像方式に適している。又、これらの材料は、比較的軟らかい金属であるため、粗面化処理等の加工を施し易く、又熱伝導係数が高く、熱が蓄積し難い。そのため、例えば、感光ドラム1dとして、感光体ヒータを使用して温度調節することが望ましいa−Si感光体を用いる場合においても、第1、第2の現像スリーブ41、42の熱膨張に対する寸法精度を維持する上で好適である。
この場合、問題となる点として、これらの材料の持つ「軟らかさ」に起因する第1、第2の現像スリーブ41、42の表面層の摩耗、及び、それに伴うトナー搬送性能の劣化が挙げられる。この対策のためにも、第1、第2の現像スリーブ41、42に対する金属メッキの施工が有効である。トナーには、場合によっては第1、第2の現像スリーブ41、42の表面層に対して研磨効果を発現する成分が含有されることがあり、この点で金属メッキを施す意義は大きい。
第1、第2の現像スリーブ41、42の表面に施す金属メッキとしては、高耐久性の面から、ビッカース硬度Hvが200以上であることが好ましく、更には450以上であることがより好ましい。
第1、第2の現像スリーブ41、42の表面のビッカース硬度Hvについては、上述のような現像スリーブの一般的な材料であるSUS316がHv≒200程度であることから、これを下回ることは、実用上好ましくない。
又、磁性トナーを用いた現像方式に適用されることから、金属メッキ層自体が非磁性であることが望ましい。Crメッキは、Hvが600以上と高く、このため非常に耐摩耗性に優れている。そのため、メッキ層厚を薄く抑制できることから、強磁性体であるものの、磁気遮蔽の弊害を無視できる範囲にメッキ層厚を抑制することで、特に好ましく用いられる。
尚、金属メッキ層は、無電界メッキ法、電気メッキ法等の何れの方法で形成しても良いが、金属メッキ層を形成する方法は、高温加熱処理(300℃以上)を伴わない方法が好ましい。高温加熱処理を施す場合は、第1、第2の現像スリーブ41、42の基材121の熱変形が生じ易く、寸法精度の面で良品率が低下するため好ましくない。
金属メッキ層厚については、実使用上での摩耗量との兼ね合いにより決定すれば良いが、0.5μm以上であることが好ましい。金属メッキ層厚が0.5μm未満の場合は、安定したメッキ層を形成することが困難となることがあるため好ましくない。
又、第1、第2の現像スリーブ41、42の表面は、適度の表面粗さを有することが好ましい。より詳細には、表面粗さが0.3μmRa以上0.9μmRa以下の範囲であることが好適である。
第1、第2の現像スリーブ41、42の表面粗さについては、主にトナーの搬送性に関わる問題である。特に、本実施例にて好適に用いられる特定のトナー(後述)との組み合わせにおいては、第1、第2の現像スリーブ41、42上でのトナーの流動と、SS部の付近でのトナーの滞留とのバランスを取る上で、上述の表面粗さRaの範囲が好適である。
第1、第2の現像スリーブ41、42の金属メッキ層を形成した後に、第1、第2の現像スリーブ41、42の表面の粗面化処理を施すことも可能である。しかし、メッキ層自体の剥離やブラスト砥粒の付着の可能性の点から、予め第1、第2の現像スリーブ41、42の基材121の表面に粗面化処理を施し、0.2μmRa〜1.0μmRa程度の表面粗さにしておくことが好ましい。この粗面化処理としては、例えば球形粒子によるブラスト処理が好適に使用できる。
尚、第1の現像スリーブ41と第2の現像スリーブ42とは、それぞれ同じ処理、同じ表面粗さを有する必要性はなく、用途に応じて適当な組み合わせを選択できる。
本実施例では、第1、第2の現像スリーブ41、42の基材121として、外径20mm、肉厚0.6mmのアルミニウム素管を用いた。そして、ブラスト処理を行うことで、アルミニウム素管の表面を粗面化した。ブラスト粒子としては#300球形ガラスビーズを用い、任意の速度で回転させたアルミニウム素管に対し、ブラスト圧2.5kg/cm2で吹きつけ処理を行い、洗浄乾燥後の表面粗さRaが1.0μmになるように処理した。
次に、上記粗面化処理の終わったアルミニウム素管の表面をジンケート処理した後に、Ni−Pメッキ液(S−754、日本カニゼン株式会社製)中に浸して、無電界メッキを行った。これにより、アルミニウム素管上に5μm厚のNi−Pメッキ層を形成した。Ni−Pメッキ層中のP濃度は10.3質量%である。
続いて、Ni−Pメッキ処理が施されたアルミニウムローラをNiメッキ液(硫酸ニッケル液)に浸して電気メッキを行い、0.4μm厚のNiメッキ層122を形成した。
引き続き、Niメッキ処理が施されたアルミニウムローラをCrメッキ液(市販の触媒 無水クロム酸液)中に浸して電気メッキを行い、1.5μm厚のCrメッキ層123を形成し、最終的に第1、第2の現像スリーブ41、42を得た。
上述のようにして作製された第1、第2の現像スリーブ41、42の表面粗さRaは0.6μm、表面硬さはビッカース硬度Hvが630であった。
尚、現像能力を維持しつつ、装置の小型化を達成するためには、現像剤担持体がローラ形状である場合、その外径は、10mm以上21mm以下であることが好ましい。
次に、図6を参照して、本実施例にて用いられる第1、第2のマグネット47、48について更に説明する。
本実施例では、第1の現像スリーブ41は、その内部に固定配置された磁界発生手段としての第1のマグネット(永久磁石)47を備えている。第1のマグネット47は、第1の現像スリーブ41と感光ドラム1dとの最近接部の近傍に位置する磁極S11から第1の現像スリーブ41の回転方向に沿って順に、磁極S11、N13、S12、N14、N11、S13、N12の7個の磁極を有する。又、第2の現像スリーブ42は、その内部に固定配置された磁界発生手段としての第2のマグネット(永久磁石)48を備えている。第2のマグネット48は、第2の現像スリーブ42と感光ドラム1dとの最近接部近傍に位置する磁極S21から第2の現像スリーブ42の回転方向に沿って順に、S21、N22、S22、S23、N21の5個の磁極を有する。
第1、第2のマグネット47、48は、それぞれ第1、第2の現像スリーブ41、42の内面に対して500μmの間隙をもって設置される。
尚、磁界発生手段として、永久磁石の代わりに、電磁石のように任意の時期及び強度の磁界を発生する手段を有していても良い。
更に説明すると、図6に示すように、第1のマグネット47には、カット極N11、搬送・取り込み極N14、現像極S11等が形成されている。カット極N11は、第1の現像スリーブ41のトナーを規制するための磁極である。搬送・取り込み極N14は、現像剤収容部40に収容されているトナーを第1の現像スリーブ41に担持させるための磁極である。現像極S11は、第1の現像スリーブ41上のトナーで感光ドラム1d上の静電像を現像するための磁極である。更に、磁極S12、N12、S13、N13は、それぞれトナーを搬送するための磁極である。磁極N13、S12が、SS部の近傍のトナーを第1の現像スリーブ41に引き付ける磁力を発生する。
又、第2のマグネット48には、搬送・取り込み極S22及びS23、シール極N22、現像極S21等が形成されている。搬送・取り込み極S22及びS23は、現像剤収容部40に収容されているトナーを第2の現像スリーブ42に担持させるための磁極である。シール極N22は、現像剤収容部40の開口部における第2の現像スリーブ42側から現像剤収容部40内のトナーの漏出を防止するための磁極である。現像極S21は、第2の現像スリーブ42のトナーで感光ドラム1d上の静電像を現像するための磁極である。更に、磁極N21は、トナーを搬送するための磁極である。磁極N21が、SS部の近傍のトナーを第2の現像スリーブ42に引き付ける磁力を発生する。
全ての磁極の磁力は、対応する現像スリーブの表面で、20mT以上120mT以下であることが好ましい。各磁極の磁力が20mTを下回る場合には、各々の磁極間での磁力線が十分に形成されないため、SS部の付近での適度な磁気的拘束力が発揮されないことがある。又、製造コストを考慮すると、各磁極の磁力は120mT以下であることが好ましい。
尚、各磁極の磁気特性は、米国BELL社のガウスメーターモデル640のアクシャルプローブを用いて、対応する現像スリーブの表面から約100μm離間した位置にセットして測定した。
[現像剤]
次に、本実施例の画像形成装置100の第4の画像形成部Sdが備える現像装置4dにて用いられる現像剤について更に詳しく説明する。本実施例では、現像装置4dは、現像剤として、磁性一成分現像剤、即ち、磁性トナーを用いる。
本実施例で用いた磁性トナーは、負帯電性で、重量平均粒径は約5.8μmである。
尚、本明細書において、重量平均粒径は、MULTISIZER(米国商標)(米国COULTER社製)を用い、電解液はISOTON R−II(米国商標)(米国COULTER社製)を用いて測定した。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散機で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、体積、個数を測定して、重量平均粒径を算出する。重量平均粒径が6.0μmより大きい場合は、100μmのアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子を測定する。重量平均粒径が3.0〜6.0μmの場合は、50μmのアパーチャーを用いて1〜30μmの粒子を測定する。又、重量平均粒径が3.0μm未満の場合は、30μmのアパーチャーを用いて0.6〜18μmの粒子を測定する。
又、本実施例で用いた磁性トナーは、少なくとも結着樹脂と磁性体を含有するトナー粒子を有する。結着樹脂としては、例えば、スチレン系共重合体もしくはポリエステル樹脂が挙げられる。これらは単独で使用しても良く、又は混合して使用しても良いが、混合して使用する場合は、少なくともその一部が反応していることが好ましい。スチレン系重合体又はスチレン系共重合体は、架橋されていてもよく、又他の樹脂と混合して用いても良い。結着樹脂の架橋剤としては、主として二個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いても良い。一方、磁性体としては、マグネタイトが好ましく用いられる。
又、このトナーは、荷電制御剤を含有させることによって、帯電性を保持させ、帯電特性を制御することができる。トナーを負帯電性に制御するものとしては、例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効である。このような錯体や化合物としては、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸金属錯体、芳香族ジカルボン酸金属錯体が挙げられる。トナーを負帯電性に制御する荷電制御剤として、上記の他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類等が挙げられる。荷電制御剤をトナーに含有させる方法として、トナー内部に添加する方法と外添する方法がある。
トナー粒子は、着色剤を含有していて良い。このような着色剤としては、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。例えば顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、等が挙げられる。又、前記染料としては、例えばアゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、メチン系染料が挙げられる。
本実施例においては、トナーに離型性を与える観点から、トナー粒子がワックス類を含有することが好ましい。更に、このワックス類は、ビニル系モノマーによりブロック共重合体、グラフト変性等を施した変性ワックスでも良く、又、酸化処理を施した酸化ワックスでも良い。これらワックスは、トナーの製造に際し、予め重合体成分中に添加・混合しておくこともできる。その場合は、重合体成分の調製時に、ワックスと高分子量重合体とを溶剤に予備溶解した後、低分子重合体溶液と混合する方法が好ましい。これによりミクロな領域での相分離が緩和され、高分子量成分の再凝集が制御され、低分子重合体との良好な分散状態が得られる。尚、二種類以上のワックスを併用して添加しても良い。
又、本実施例においては、トナーは、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のため、シリカ微粉末をトナー粒子に外添することが好ましい。シリカ微粉末は、必要に応じて、疎水化、帯電性のコントロール等の目的で、次のような処理が施されていることが好ましい。即ち、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシラン化合物、その他の有機ケイ素化合物等の処理剤で、或いは種々の処理剤を併用して処理されていることが好ましい。
トナーには、必要に応じて他の外部添加剤を添加しても良い。このような外部添加剤としては、例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラ定着時の離型剤、滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子等が挙げられる。
又、複数の現像剤担持体間に渡るスムーズなトナーの流動(供給/移動)を維持し、更に、SS部の付近でのトナーの滞留を抑制するためには、トナーの粒度分布は、次のように設定されることが好ましい。即ち、トナーの重量平均粒径D4が4μm以上10μm以下であり、2D4(D4の2倍)以上の粒子が4体積%以下であり、1/2D4(D4の1/2倍)以下である粒子が35個数%以下である。
D4が4μm未満の場合、或いは1/2D4以下である粒子の含有が35個数%を超える場合は、第1、第2の現像スリーブ41、42の各磁極にトナー微粉がトラップされ易くなり、SS部の付近でのトナーの滞留を招くことがある。
又、D4が10μmを超える場合、或いは2D4以上の粒子が4体積%を超えて含まれる場合は、間隙部で受ける磁気的拘束力に対してトナーの磁気的追従性が低下し、トナー滞留こそ発生しない。しかし、第2の現像スリーブ42のトナーコート不良を招きやすい。
このようなトナーの粒度分布は、トナーの分級等によって調整することが可能である。
[現像装置動作]
次に、本実施例の画像形成装置100の第4の画像形成部Sdが備える現像装置4dの動作について更に詳しく説明する。
現像工程時には、第1の現像スリーブ41に、+300Vの直流バイアスと、ピーク間電圧が1500V、周波数が2.4kHzの矩形波を交流バイアスと、を重畳した現像バイアスを印加する。こうして、第1の現像スリーブ41と感光ドラム1dとの間に現像電界を発生させ、第1の現像スリーブ41上のトナー層からトナーを感光ドラム1d上の静電像に転移させて、感光ドラム1dにトナー像を形成する。この際、現像コントラスト(画像部電位と現像バイアスの直流成分との電位差)は200V、かぶり除去コントラスト(感光ドラム上の非画像部電位と現像バイアスの直流成分との電位差)は100Vである。上記現像バイアスは、現像バイアス出力手段としての現像バイアス電源49によって出力され、第1の現像スリーブ41に対して印加される。
一方、第2の現像スリーブ42は、本実施例では、後述する転移バイアス発生手段152(図7)を経由して、現像バイアス電源49によって、第1の現像スリーブ41と同じバイアスが印加される。これにより、第2の現像スリーブ42上のトナー層からトナーを感光ドラム1d上の静電像に転移させて、感光ドラム1dにトナー像を形成する。
ここで、画像形成装置100は、本発明に従って、現像装置4dの第1、第2の現像スリーブ41、42の最近接部の近傍に滞留するトナーを、感光ドラム1dの移動方向に対して上流側に位置する第1の現像スリーブ41側へ転移させる手段を有する。又、画像形成装置100は、本発明に従って、該滞留するトナー(滞留トナー)の転移の時期及び/又は量を制御する手段を備えている。そして、非画像形成時に、上記滞留トナーに対して、第1、第2の現像スリーブ41、42のうち感光ドラム1dの移動方向において上流側に位置する第1の現像スリーブ41側へ転移させる力を適用する転移動作を行う。
本実施例では、図7に示すように、SS部の近傍に滞留するトナーを第1の現像スリーブ41に転移させる手段として、転移バイアス発生手段152を有する。本実施例では、転移バイアス発生手段152は可変抵抗器を備えている。そして、この転移バイアス発生手段152の可変抵抗器の抵抗を適宜変化させる。これにより、現像バイアス電源49に直接接続された第1の現像スリーブ41と、転移バイアス発生手段152を介して現像バイアス電源49に接続された第2の現像スリーブ42との間に電位差(転移バイアス)を発生する。これにより、SS部の近傍に滞留するトナーを第1の現像スリーブ41側に転移させるようにする。第1の現像スリーブ41側に転移されたトナーは、第1の現像スリーブ41上に拘束され、第1の現像スリーブ41の回転によってSS部から離れる方向に搬送され、前述のような第1、第2の現像スリーブ41、42の回転に伴うトナーの循環の流れに乗る。
本実施例では、層厚規制部材44の長手中央部には、温度検知手段151が配設されており、層厚規制部材44の温度T(℃)を検知する。温度検知手段151の検知結果を示す出力信号は、制御手段150に入力される。
そして、本実施例では、画像形成装置100のコントローラが、滞留トナーを第1の現像スリーブ41側に転移させる転移動作を行う時期及び/又はその転移動作における滞留トナーを転移させる力の適用量を可変に制御する制御手段150としての機能を有する。本実施例では、制御手段150は、温度検知手段151の検知結果に基づいて、上記時期及び/又は適用量を制御する。制御手段150としての画像形成装置100が備えるコントローラは、滞留トナーの転移動作に係る制御だけではなく、画像形成装置100の動作を統括的に制御するものであってよい。
具体的には、制御手段150は、図8に示す転移バイアスB*(V)と温度T(℃)との関係に基づいて、転移バイアスB*(V)を決定する。転移バイアスB*の印加による滞留トナーの転移動作は、非画像形成時、より詳しくは、現像工程以外の第1、第2の現像スリーブ41、42の回転中に行われる。滞留トナーの転移動作は、非画像形成時として、例えば紙間に行うことができる。
更に説明すると、本実施例では、制御手段150は、図8に示す転移バイアスB*(V)と温度T(℃)との関係から、次の非画像形成時の所定タイミングにて転移バイアスB*を印加するべきか否か(即ち、転移バイアスB*の印加時期)を決定する。又、転移バイアスB*を印加する場合にはその最適な値(即ち、転移バイアスB*の適用量)を決定する。そして、制御手段150は、決定した転移バイアスB*(V)に変更するように、転移バイアス発生手段152を制御する。
図8に示す関係は、トナーの特性等に合わせて最適化されるものである。更に、上記温度に対して他の情報も合わせて考慮して転移バイアスを決定することも勿論可能である。
転移バイアスB*は、マイナス極性の直流成分のみである。即ち、本実施例では、第1の現像スリーブ41と第2の現像スリーブ42との間に、第2の現像スリーブ42側が負極性側に高い電位差が形成される。この転移バイアスB*は、現像バイアス電源49により第1の現像スリーブ41に印加されるバイアスが、転移バイアス発生手段152を経由して第2の現像スリーブ42に印加されることにより発生される。
第1の現像スリーブ41の電位P1、第2の現像スリーブ42の電位P2、転移バイアスB*の間には、次式(1)の関係がある。
P2=P1+B* ・・・(1)
本実施例において転移バイアスB*の極性をマイナスとする理由は、SS部の近傍に滞留するトナーもその大半の帯電極性が負であるためである。つまり、第2の現像スリーブ42の電位を、第1の現像スリーブ41の電位よりもトナーの正規の帯電極性と同極性側、即ち、負極性側に高くすることにより、滞留トナーを第1の現像スリーブ41に転移させる静電気力が与えられる。
又、本実施例において、温度が高いほど転移バイアスB*の絶対値を大きくするのは、次のような理由による。即ち、第1、第2の現像スリーブ41、42の表面近傍の温度が高いほど、SS部の近傍の滞留トナーの第1、第2の現像スリーブ41、42に対する融着が発生し易くなるので、これを抑制するためである。
尚、温度検知手段151は、層厚規制部材44の長手方向中央部に設けることによって、良好に第1、第2の現像スリーブ41、42の近傍の温度を検知することができるが、この配置に限定されるものではない。画像形成装置の雰囲気、より好ましくは現像装置の雰囲気、更に好ましくは現像剤担持体の雰囲気の温度が検知できるようになっていればよく、予めそれぞれの配置に対して温度と転移バイアスとの関係を設定することができる。
このように、本実施例では、SS部の近傍の滞留トナーの転移を、滞留トナーに接触する第1、第2の現像スリーブ41、42間に電位差を設けることにより行う。本実施例では、画像形成時には、第1の現像スリーブ41と第2の現像スリーブ42との間の電位差は実質的にゼロである。即ち、本実施例では、滞留トナーを第1の現像スリーブ41側に転移させる力は、第1、第2の現像スリーブ41、42間に、画像形成時とは異なる電位差を設けることによって適用する。より詳細には、この電位差は、第1の現像スリーブ41の電位に対する第2の現像スリーブ42の電位が、画像形成時よりもトナーの帯電極性側に大きくなるように設ける。このように、SS部の近傍に滞留するトナーを低減する手段として、2個の現像剤担持体間に電位差を設けて、滞留トナーを移動させることによって、滞留トナーの劣化を回避することができる。
以上のような構成とすることによって、本実施例によれば、フルカラー出力が可能な画像形成装置の大型化を回避することができる。そして、SS部の近傍に滞留するトナーを第1の現像スリーブ41へと転移させることで、現像装置近傍の温度上昇を抑えてトナー融着を防止することができる。これにより、高速且つ高画質の画像が出力可能である。又、本実施例によれば、トナー消費量が少なく、保守頻度の低減を図ることができる。
次に、本実施例の効果を評価するために以下の試験を行った。
23℃50%RHの環境で、1日12時間の連続出力を反復して行い、黒画像を50万枚出力した際の、画像形成装置の性能を評価した。表1に性能評価結果を示す。又、表2に、本実施例における各種設定をまとめた。
尚、表1、表2には、後述して説明する実施例2〜13及び比較例1〜6についての画像形成装置の性能、各種設定をそれぞれ合わせて示している。
表1において、画質が良好とは、画像濃度が十分で、現像スリーブゴースト、白地部かぶり、縦スジなどの画像欠陥がないことを意味する。これらの画像不具合が全く見られないものから、見られる場合があるが実用上問題ない程度であるものまで、順に「優」、「良」、「可」の3段階で示した。又、これらの画像不具合が実用上問題となる程度に見られた場合には「不可」とした。
「現像スリーブゴースト」とは、現像スリーブ上の画像濃度の高いベタ画像(最高濃度レベルの画像)等を現像した位置が次回以降に現像位置に来たときに、中間程度の画像濃度の画像を現像すると、画像上に先のベタ画像等の跡が現れてしまう画像欠陥をいう。これは、主にトナーの搬送不良が原因と考えられる。
「白地部かぶり」とは、トナーが付着すべきではない非画像部へトナーが付着してしまう画像欠陥をいう。これは、主にトナーの帯電不良が原因と考えられる。
「縦スジ」とは、感光ドラムの回転方向に沿ったスジが画像上に現れてしまう画像欠陥をいう。これは、主に現像スリーブへのトナーの融着が原因と考えられる。
又、表1において、トナー飛散は、次のような基準によって評価した。画像形成装置の前扉を開けただけでその裏側に付着した現像剤が舞えば「多」、そうではないが前扉を外から指で弾いて現像剤が舞えば「やや多」、そうではないが前扉の裏が汚れていれば「少」とした。又、前扉の裏を倍率5のルーペで拡大してはじめて現像剤が観察できるならば「極少」と評価した。
又、表1において、トナー消費量は、現像装置外からの自動トナー補給を不可とした状態で、画像比率6%の文字原稿をA4サイズの転写材に50枚連続して複写した際の、現像剤込みの現像装置の質量の低下ΔMdu(mg)を50で除した値である。
表1に示すように、後述する比較例1〜6と比較して、本実施例の画像形成装置100が優れていることが分かる。
実施例2
次に、本発明の第2の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1のものと同じである。従って、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
本実施例では、実施例1における温度検知の代わりに、第1の現像スリーブ41及び/又は第2の現像スリーブ42の回転トルク検知を行う。
図9を参照して、本実施例では、第1の現像スリーブ41と第2の現像スリーブ42とは、それぞれ独立した駆動手段として駆動モータによって回転駆動される。そして、本実施例では、第1の現像スリーブ41の回転トルクを、第1の現像スリーブ41の駆動モータ153に内蔵されたトルク検知手段154により行う。トルク検知手段154の検知結果を示す出力信号は、制御手段150に入力される。
具体的には、制御手段150は、図10に示す転移バイアス印加頻度F*とトルク検知手段154の出力信号Rm(mV)との関係に基づいて、転移バイアスB*を印加する頻度、即ち、転移バイアス印加頻度F*を変更する。転移バイアスB*の印加による滞留トナーの転移動作自体は、実施例1と同様に、非画像形成時、より詳しくは、現像工程以外の第1、第2の現像スリーブ41、42の回転中に行われる。滞留トナーの転移動作は、非画像形成時として、例えば紙間に行うことができる。
このように、本実施例では、制御手段150は、トルク検知手段154の検知結果に基づいて、滞留トナーの転移動作を行う時期及び/又はその転移動作における滞留トナーを転移させる力の適用量を制御する。
ここで、転移バイアス印加頻度F*は、A4サイズの転写材Pを横向きに給紙した場合に、何枚おきに変更するかを意味する。
又、本実施例では、第1の現像スリーブ41の回転トルクが大きくなると、出力信号Rm(mV)も大きくなるようになっている。
即ち、図10に示すように、本実施例では、SS部の近傍に滞留するトナーが増えると、第1、第2の現像スリーブ41、42の回転トルクが大きくなる。従って、この回転トルクの増大を検知して、転移バイアス印加頻度F*を大きくする。これにより、SS部の近傍に滞留するトナーを減らすことができる。
図10に示す関係は、トナーの特性や現像スリーブの表面性等に合わせて最適化されるものである。更に、上記回転トルクに対して他の情報も合わせて考慮して転移バイアス印加頻度を決定することも勿論可能である。
尚、本実施例では、転移バイアスB*は、−100Vで一定とした。但し、転移バイアスB*の値は、これに限定されるものではない。即ち、本実施例では、制御手段150は、トルク検知手段154の検知結果に基づいて、特に、滞留トナーの転移動作を行う時期を可変に制御する。
又、例えば、本実施例に従って転移バイアス印加頻度F*を決定し、実施例1に従って転移バイアスB*を決定することもできる。
更に、上記回転トルクの検知態様は本実施例のものに限定されるものではなく、複数の現像剤担持体のうち隣り合う2個の現像剤担持体の一方又は両方の回転トルクを検知することができる。そして、その検知結果に応じて、滞留トナーの転移動作を行う時期及び/又はその転移動作における滞留トナーを転移させる力の適用量を制御することができる。例えば、隣り合う2個の現像剤担持体が共通の駆動手段としての駆動モータによって駆動される場合には、その駆動モータに上記同様の回転トルク検知手段を設けて、隣り合う2個の現像剤担持体の両方の回転負荷に基づく回転トルクを検知することができる。
実施例1と同様に、本実施例の効果を評価する試験を行った。表1に結果を示す。又、本実施例における各種設定を表2に示す。
表1に示すように、本実施例によっても、実施例1と同等の性能が得られた。
実施例3
次に、本発明の第3の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1のものと同じである。従って、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
本実施例では、実施例1における転移バイアスの印加の代わりに、第1の現像スリーブ41の回転速度(周速度)を変更する。
図11を参照して、本実施例では、第1の現像スリーブ41と第2の現像スリーブ42とは、それぞれ独立した駆動手段としての駆動モータによって回転駆動される。そして、本実施例では、第1の現像スリーブ41の駆動モータ153が、SS部の近傍に滞留するトナーを第1の現像スリーブ41側に転移させる手段として機能する。第1の現像スリーブ41の駆動モータ153は、第1の現像スリーブ41の回転速度Vを変更することにより、SS部の近傍に滞留するトナーを第1の現像スリーブ41側に転移させるようにする。
具体的には、制御手段150は、図12に示す第1の現像スリーブの回転速度V(mm/s)と温度T(℃)の関係に基づいて、第1の現像スリーブ41の回転速度V(mm/s)を決定する。本実施例では、第1の現像スリーブ41の回転速度Vを変更することによる滞留トナーの転移動作は、非画像形成時として、1回のジョブの終了後の第1、第2の現像スリーブ41、42の回転中(後回転工程)に行うのが好適である。ここで、ジョブとは、画像形成装置100の使用者による出力命令の最小単位である(例えば、「A3サイズ用紙への拡大両面印刷+二箇所ステープル×100部」)。勿論、これに限定されるものではなく、比較的長い紙間期間を設けて、この期間に滞留トナーの転移動作を行うなどしてもよい。
本実施例において滞留トナーの転移のために第1の現像スリーブ41の回転速度を大きくするのは、それによって滞留トナーが第1の現像スリーブ41によって回転方向上流方向に搬送されるためである。
ここで、好ましくは、第1の現像スリーブ41の回転速度を第2の現像スリーブ42の回転速度よりも大きくして、第1、第2の現像スリーブ41、42間に速度差を設ける。本実施例では、第1の現像スリーブ41の回転速度を変更して、第1の現像スリーブ41の回転速度を第2の現像スリーブ42の回転速度よりも大きくした。但し、これに限定されるものではなく、第2の現像スリーブ42の回転速度を代わりに又は加えて変更できるようにしてもよい。この場合も、好ましくは、第2の現像スリーブ42の回転速度を小さくするなどして、相対的に第1の現像スリーブ41の回転速度が第2の現像スリーブ42の回転速度よりも大きくなるようにする。
このように、本実施例では、SS部の近傍の滞留トナーの転移を、滞留トナーに接触する第1、第2の現像スリーブ41、42の一方又は両方の回転速度を変更することにより行う。即ち、本実施例では、滞留トナーを第1の現像スリーブ41側に転移させる力は、第1、第2の現像スリーブ41、42のうち一方又は両方の回転速度を、画像形成時における回転速度に対して変更することによって適用する。より詳細には、この回転速度の変更は、第2の現像スリーブ42の回転速度に対する第1の現像スリーブ41の回転速度が、画像形成時よりも大きくなるように行う。本実施例では、画像形成時には、第1の現像スリーブ41と第2の現像スリーブ42との間の回転速度差は実質的にゼロである。即ち、換言すれば、滞留トナーの転移動作時に、該2個の現像剤担持体間の速度差を画像形成時とは変更する。
図12に示す関係は、トナーの特性や現像スリーブの表面性等に合わせて最適化されるものである。更に、上記温度に対して他の情報も合わせて考慮して現像スリーブの回転速度を決定することも勿論可能である。
実施例1と同様に、本実施例の効果を評価する試験を行った。表1に結果を示す。又、本実施例における各種設定を表2に示す。
実施例1に比べると、滞留トナーの転移動作を頻繁に行うことが難しいが、表1に示すように、実施例1とほぼ同等の性能が得られた。
実施例4
次に、本発明の第4の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1のものと同じである。従って、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
本実施例では、実施例1における転移バイアスの印加の代わりに、第1のマグネット47の固定位置を変更する。
図13を参照して、本実施例では、第1の現像スリーブ41が内蔵する第1のマグネット47は、第1の現像スリーブ41の回転方向に沿って回動可能に現像装置4dに取り付けられている。又、第1のマグネット47は、マグネット駆動手段としてのマグネット駆動モータ155によって回動されるようになっている。本実施例では、このマグネット駆動モータ155が、SS部の近傍に滞留するトナーを第1の現像スリーブ41側に転移させる手段として機能する。マグネット駆動モータ155は、第1のマグネット47の周方向の固定位置を変更することにより、SS部の近傍に滞留するトナーを第1の現像スリーブ41側に転移させるようにする。
具体的には、制御手段150は、図14に示す第1のマグネット47の周方向の固定位置Θ(°)と温度T(℃)との関係に基づいて、第1のマグネット47の周方向の固定位置Θを決定する。本実施例では、第1のマグネット47の周方向の固定位置Θを変更することによる滞留トナーの転移動作は、非画像形成時として、1回のジョブの終了後の第1、第2の現像スリーブ41、42の回転中(後回転工程)に行うのが好適である。勿論、これに限定されるものではなく、比較的長い紙間期間を設けて、この期間に滞留トナーの転移動作を行うなどしてもよい。
ここで、第1のマグネット47の周方向の固定位置Θが「+」であることは、その固定位置が現像工程中よりも第1の現像スリーブ41の回転方向上流にあることを意味する。又、第1のマグネット47の周方向の固定位置Θが「−」であることは、その固定位置が現像工程中よりも現像スリーブの回転方向下流にあることを意味する。
本実施例において滞留トナーの転移のために第1のマグネット47の周方向の固定位置Θを「+」にするのは、次のような理由のためである。即ち、図6を参照して、第1のマグネット47の固定位置を第1の現像スリーブ41の回転方向上流側に移動させることにより、第1のマグネット47のS12極による第1の現像スリーブ41方向への滞留トナーに対する磁気的吸引力を大きくすることができる。
即ち、SS部の近傍のトナーを第1の現像スリーブ41へ引き付ける磁力を、画像形成時の第1の磁力と、この第1の磁力よりも大きい第2の磁力とで切り替え可能とする。本実施例では、第1のマグネット47の周方向の固定位置を、第1の現像スリーブ41の回転方向上流側に移動させることにより、SS部の近傍のトナー搬送磁極S12をよりSS部に近接させて、これを実現した。但し、これに限定されるものではなく、第2のマグネット48の周方向の固定位置を代わりに又は加えて変更できるようにすることができる。この場合も、第2のマグネット48の周方向の固定位置を移動させてSS部の近傍のトナー搬送磁極N21をよりSS部から遠ざけるなどして、相対的にSS部近傍のトナーを第1の現像スリーブ41へ引き付ける磁力を画像形成時よりも大きくすることが好ましい。
このように、本実施例では、SS部の近傍の滞留トナーの転移を、滞留トナーに接触する第1、第2の現像スリーブ41、42がそれぞれ内蔵する磁界発生手段の一方又は両方の磁界分布を変更することにより行う。即ち、滞留トナーを第1の現像スリーブ41側に転移させる力は、第1、第2のマグネット47、48のうち一方又は両方の発生する磁界分布を、画像形成時における磁界分布に対して変更することによって適用する。より詳細には、この磁界分布の変更は、滞留トナーを、第2の現像スリーブ42へ引き付ける磁力に対する第1の現像スリーブ41へ引き付ける磁力が、画像形成時よりも大きくなるように行う。
図14に示す関係は、トナーの特性やマグネットの磁極配置等に合わせて最適化されるものである。更に、上記温度に対して他の情報も合わせて考慮してマグネットの周方向の固定位置を決定することも勿論可能である。
実施例1と同様に、本実施例の効果を評価する試験を行った。表1に結果を示す。又、本実施例における各種設定を表2に示す。
実施例1に比べると、滞留トナーの転移動作を頻繁に行うことが難しいが、表1に示すように、実施例1とほぼ同等の性能が得られた。
実施例5
次に、本発明の第5の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1のものと同じである。従って、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
本実施例では、第1、第2の現像スリーブ41、42の最表面層123(図5)がCrメッキではなく、Ni−Bメッキである。
ニッケル(Ni)は、単体では強磁性体であるが、ホウ素(B)と結合することにより非晶質となり非磁性化することが知られている。Ni−Bメッキ被覆中のホウ素含有量は2〜8質量%が好ましい。
実施例1と同様に、本実施例の効果を評価する試験を行った。表1に結果を示す。又、本実施例における各種設定を表2に示す。
実施例1に比べると、第1、第2の現像スリーブ41、42がやや磨耗し易いため、耐久後の画質低下がやや顕著であった。しかし、実用上問題ないレベルであり、比較例に対する優位性が認められた。
実施例6
次に、本発明の第6の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1のものと同じである。従って、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
本実施例では、実施例1における第1、第2の現像スリーブ41、42の基材121上の表面層122、123は存在せず、基材121もアルミニウムではなく、SUS(ステンレススチール)である。即ち、本実施例では、図15に示すように、SUSから成る基材121にメッキを施さずに、球状粒子吹き付けによる粗面化処理のみが施されている。
実施例1と同様に、本実施例の効果を評価する試験を行った。表1に結果を示す。又、本実施例における各種設定を表2に示す。
実施例1に比べると、第1、第2の現像スリーブ41、42がやや磨耗し易いため、耐久後の画質低下がやや顕著であり、感光体ヒータによる熱膨張もし易く、ベタ画像のムラもやや大きかった。しかし、実用上問題ないレベルであり、比較例に対する優位性が認められた。
実施例7
次に、本発明の第7の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1のものと同じである。従って、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
本実施例では、実施例1と比較して、第1、第2の現像スリーブ41、42の表面粗さが0.15μmRaと小さい。本実施例では、第1、第2の現像スリーブ41、42の製造において、粒子吹き付けによる粗面化処理を行わず、研磨加工がなされている。
実施例1と同様に、本実施例の効果を評価する試験を行った。表1に結果を示す。又、本実施例における各種設定を表2に示す。
実施例1に比べると、第1、第2の現像スリーブ41、42上のトナーの帯電量が高まり、画質は向上する傾向にある。しかし、極端な低湿環境では、更にトナーの帯電量が高まり、「ブロッチ」という異常が発生することがある。
ここで、「ブロッチ」とは、現像スリーブ上のトナーの薄層形成の異常であり、画像上で、不定形のあばたの様相を呈する。
上述のような極端な低湿環境以外の環境では、実用上問題はなく、比較例に対する優位性が認められた。
実施例8
次に、本発明の第8の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1のものと同じである。従って、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
本実施例では、実施例1と比較して、第1、第2の現像スリーブ41、42の表面粗さが1μmRaと大きい。これは、実施例1よりも高い粒子吹き付け圧による粗面化処理を行ったためである。
実施例1と同様に、本実施例の効果を評価する試験を行った。表1に結果を示す。又、本実施例における各種設定を表2に示す。
実施例1に比べると、第1、第2の現像スリーブ41、42上のトナーの帯電量が低下し、画質も低下し、トナー飛散も悪化する。しかし、実用上問題はなく、比較例に対する優位性が認められた。
実施例9
次に、本発明の第9の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1のものと同じである。従って、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
本実施例では、実施例1と比較して、第1、第2の現像スリーブ41、42の外径が共に24.5mmと大きい。
実施例1と同様に、本実施例の効果を評価する試験を行った。表1に結果を示す。又、本実施例における各種設定を表2に示す。
現像スリーブの大径化に伴い、画像形成装置100もやや大型化する。しかし、現像能力も向上し、画像形成装置の更なる高速度化が可能となる。
実施例10
次に、本発明の第10の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1のものと同じである。従って、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
本実施例では、第4の画像形成部Sdの感光ドラム1dとして、直径84mmの負帯電性の有機感光体を用いた。そして、第4の画像形成部Sdの感光ドラム1dにおいて、トナー像を形成すべき部分が露光される(画像部露光)。
又、本実施例では、第1の現像スリーブ41、第2の現像スリーブ42には共に、−500Vの直流バイアスと、ピーク間電圧が1300Vで周波数が3kHzの矩形波を交流バイアスと、が重畳された現像バイアスが印加される。この際、現像コントラストは300Vであり、かぶり除去コントラストは200Vである。
実施例1と同様に、本実施例の効果を評価する試験を行った。表1に結果を示す。又、本実施例における各種設定を表2に示す。
有機感光体の寿命が30万枚と短いため保守頻度が高いが、a−Si感光体より電位ムラが少なく、画質の点でも遜色はない。
実施例11
次に、本発明の第11の実施例について説明する。
図16は、本実施例の画像形成装置200の概略断面構成を示す。本実施例の画像形成装置200は、電子写真方式を用いて転写材、例えば、記録用紙、OHPシート、布などに白黒画像を形成することができる白黒デジタル複写機である。又、本実施例の画像形成装置200は、プロセススピードが550mm/sで、毎分120枚の白黒画像を出力することができる。一方、本実施例の画像形成装置200は、フルカラー出力はできない。
図16に示す本実施例の画像形成装置200において、図1の画像形成装置100のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例の画像形成装置200では、高速化に対応すべく、感光ドラム1dとして、直径110mmのa−Si感光体を用いる。
実施例1と同様に、本実施例の効果を評価する試験を行った。表1に結果を示す。又、本実施例における各種設定を表2に示す。
本実施例では、高速化に対応するための感光体や定着装置等の大型化に伴い、そうでない場合よりも画像形成装置の寸法は大きくなるが、本実施例の画像形成装置200は白黒画像形成装置であるため、その寸法は、幅640mm、高さ790mmであった。プロセススピードが実施例1の画像形成装置100の黒出力モード時のプロセススピード(330mm/s)と同程度の白黒画像形成装置に比べれば若干大型化すると考えられるが、それに見合った生産性を確保することができる。
又、本実施例の画像形成装置200のように高速な画像形成装置は、一般に、オフィス向けではなく、専用の設置場所が用意されるのが普通である。そのため、上述のような若干の大型化は実用上問題にならないことが多い。又、実施例1と比較して、画質の点でも遜色はない。
実施例12
次に、本発明の第12の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1のものと同じである。従って、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
本実施例では、図17に示すように、第4の画像形成部Sdの現像装置4dは、複数の現像剤担持体として、外径16mmの3個の現像スリーブ、即ち、第1、第2、第3の現像スリーブ41、42、43を備えている。本実施例では、第1の現像スリーブ41が感光ドラム1dの移動方向に対して最上流側の現像剤担持体である。又、第3の現像スリーブ43が感光ドラム1dの移動方向に対して最下流側の現像剤担持体である。第2の現像スリーブ42は、感光ドラム1dの移動方向に対して第1の現像スリーブ41と第3の現像スリーブ43との間に位置する中流の現像剤担持体である。
これら第1、第2、第3の現像スリーブ41、42、43の材質、回転速度等は、実施例1と同じである。又、本実施例では、複数の現像剤担持体のうち隣り合う2個、即ち、第1の現像スリーブ41と第2の現像スリーブ42、及び、第2の現像スリーブ42と第3の現像スリーブ43は、それぞれのSS部において互いに逆方向に移動する。
図18を参照して、本実施例では、第1、第2、第3の現像スリーブ41、42、43は、それぞれ独立した駆動手段として駆動モータによって回転駆動される。そして、本実施例では、第1の現像スリーブ41の回転トルクを、第1の現像スリーブ41の駆動モータ153に内蔵された第1のトルク検知手段154により行う。又、第2の現像スリーブ42の回転トルクを、第2の現像スリーブ42の駆動モータ156に内蔵された第2のトルク検知手段157により行う。第1、第2のトルク検知手段154、157の検知結果を示す出力信号は、制御手段150に入力される。
本実施例では、制御手段150は、図10に示す転移バイアス印加頻度F*と第1のトルク検知手段154の出力信号Rm(mV)との関係に基づいて、第1の現像スリーブ41と第2の現像スリーブ42との間への転移バイアス印加頻度F*を決定する。又、制御手段150は、図19に示す転移バイアス印加頻度F2*と第2のトルク検知手段157の出力信号Rm2(mV)との関係に基づいて、第2の現像スリーブ42と第3の現像スリーブ43と間への転移バイアス印加頻度F2*を決定する。
ここで、第2の現像スリーブ42の電位P2、第3の現像スリーブ43の電位P3、第2、第3の現像スリーブ42、43間に印加する転移バイアスB2*の間には、次式(2)の関係がある。
P3=P2+B2* ・・・(2)
尚、第1の現像スリーブ41の電位P1、第2の現像スリーブ42の電位P2、第1、第2の現像スリーブ41、42間に印加する転移バイアスB*の間には、前述の式(1)の関係がある。
転移バイアスB*は、現像バイアス電源49により第1の現像スリーブ41に印加されるバイアスが、第1の転移バイアス発生手段152を経由して第2の現像スリーブ42に印加されることにより発生される。又、転移バイアスB2*は、現像バイアス電源49により第1の現像スリーブ41に印加されるバイアスが、第2の転移バイアス発生手段158を経由して第3の現像スリーブ43に印加されることにより発生される。転移バイアスB*、B2*の印加による滞留トナーの転移動作自体は、非画像形成時、より詳しくは、現像工程以外の第1、第2の現像スリーブ41、42の回転中に行われる。滞留トナーの転移動作は、非画像形成時として、例えば紙間に行うことができる。
尚、本実施例では、転移バイアスB*は、−100Vで一定とした。又、転移バイアスB2*は、−100Vで一定とした。但し、転移バイアスB*、B2*の値は、これに限定されるものではない。
図10及び図19に示す関係は、トナーの特性や現像スリーブの位置、磁界発生手段の磁極配置等に合わせて最適化されるものである。更に、上記回転トルクに対して他の情報も合わせて考慮して転移バイアス印加頻度F*、F2*を決定することも勿論可能である。
又、上記回転トルクの検知態様は本実施例のものに限定されるものではなく、複数の現像剤担持体のうち隣り合う2個の現像剤担持体の一方又は両方の回転トルクを検知することができる。そして、その検知結果に応じて、滞留トナーの転移動作を行う時期及び/又はその転移動作における滞留トナーを転移させる力の適用量を制御することができる。例えば、隣り合う2個の現像剤担持体が共通の駆動手段としての駆動モータによって駆動される場合には、その駆動モータに上記同様の回転トルク検知手段を設けて、隣り合う2個の現像剤担持体の両方の回転負荷に基づく回転トルクを検知することができる。更に、3個の現像剤担持体が共通の駆動手段としての駆動モータで駆動される場合には、その駆動モータに上記同様の回転トルク検知手段を設けて、3個の現像剤担持体の回転負荷に基づく回転トルクを検知することができる。
実施例1と同様に、本実施例の効果を評価する試験を行った。表1に結果を示す。又、本実施例における各種設定を表2に示す。
表1に示すように、本実施例によっても、実施例1と同等の性能が得られた。但し、本実施例では、現像装置等の大型化に伴い、画像形成装置の寸法も若干大型化した。しかし、それに見合った生産性を確保することができる。
実施例13
次に、本発明の第13の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1のものと同じである。従って、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
本実施例では、実施例1における温度検知の代わりに、湿度検知を行う。即ち、図20を参照して、本実施例では、第4の画像形成部Sdの現像装置4dの層厚規制部材44の長手中央部には、湿度検知手段159が配設されており、層厚規制部材44の近傍の湿度(相対湿度:%RH)を検知する。湿度検知手段159の検知結果を示す出力信号は、制御手段150に入力される。
具体的には、制御手段150は、図21に示す転移バイアスB*(V)と湿度(%RH)との関係に基づいて、転移バイアスB*(V)を決定する。転移バイアスB*の印加による滞留トナーの転移動作は、非画像形成時、より詳しくは、現像工程以外の第1、第2の現像スリーブ41、42の回転中に行われる。滞留トナーの転移動作は、非画像形成時として、例えば紙間に行うことができる。
本実施例において、湿度が高いほど転移バイアスB*の絶対値を大きくするのは、本実施例では湿度が高いほどトナーの流動性が低下し、滞留トナー量が増えるので、それを抑制するためである。
このように、本実施例では、制御手段150は、湿度検知手段159の検知結果に基づいて、滞留トナーの転移動作を行う時期及び/又はその転移動作における滞留トナーを転移させる力の適用量を制御する。
尚、湿度検知手段159は、層厚規制部材44の長手方向中央部に設けることによって、良好に第1、第2の現像スリーブ41、42の近傍の湿度を検知することができるが、この配置に限定されるものではない。画像形成装置の雰囲気、より好ましくは現像装置の雰囲気、更に好ましくは現像剤担持体の雰囲気の湿度が検知できるようになっていればよく、予めそれぞれの配置に対して湿度と転移バイアスとの関係を設定することができる。
図21に示す関係は、トナーの特性等に合わせて最適化されるものである。更に、上記湿度に対して他の情報を合わせて考慮して転移バイアスを決定することも勿論可能である。
実施例1と同様に、本実施例の効果を評価する試験を行った。表1に結果を示す。又、本実施例における各種設定を表2に示す。
表1に示すように、本実施例によっても、実施例1と同等の性能が得られた。
比較例1〜6
実施例1〜13との対象のために、比較例1〜6の画像形成装置を用意して、実施例1と同様にして画像形成装置の性能を評価する試験を行った。比較例1〜6についてのそれぞれの結果は、表1に示す通りである。又、比較例1〜6の画像形成装置における詳細な各種設定は表2に示す通りである。尚、比較例1〜6の画像形成装置は、実施例1の画像形成装置と実質的に同じカラー画像形成装置における、黒用の現像装置を種々変更したものである。
比較例1の画像形成装置は、黒用の現像装置として、図22を参照して前述した、複数の現像剤担持体として第1、第2の現像スリーブ341、342を有し、磁性一成分現像剤を用いる従来の現像装置を備える。隣り合う現像剤担持体が近接して対向する部分に滞留するトナーを転移させる動作は有していない。
比較例2の画像形成装置は、黒用の現像装置として、図23を参照して前述したように、隣り合う現像剤担持体の両方に対してトナーの層厚規制部材を有する現像装置を備える。
比較例3の画像形成装置は、図24を参照して前述したように、黒色用の現像装置を2個有する。
比較例4の画像形成装置は、黒用の現像装置として、複数の現像剤担持体を有し、トナーとキャリアとを備える二成分現像剤を使用する従来の現像装置を備える。
比較例5の画像形成装置は、黒用の現像装置として、図25を参照して前述したように、隣り合う現像剤担持体が最近接位置において同方向に回転する現像装置を備える。
比較例6の画像形成装置は、黒用の現像装置として、図26を参照して前述したように、1個の現像剤担持体を有し、磁性一成分現像剤を用いる現像装置を備える。現像剤担持体は、感光体の回転速度の2倍程度に設定されている。
尚、図23〜図26において、同一又は相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付している。
以上、本発明を具体的な実施例に則して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。
例えば、像担持体はドラム状のものに限定されるものではなく、ベルト状或いはシート状であっても良い。又、上記各実施例では、転写方式として、ベルト上に担持された転写材に像担持体からトナー像を転写した後、このベルトから転写材を分離するベルト転写方式を用いた。しかし、本発明は転写方式を何ら限定するものではない。例えば、転写部に、転写帯電器と、像担持体から転写材を分離するために転写材を帯電させる分離帯電器と、を有するような構成であっても良い。又、上記各実施例では、画像形成装置は、直接転写方式を採用するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。像担持体に形成されたトナー像を一旦中間転写体に一次転写した後、この中間転写体から転写材にトナー像を二次転写する中間転写方式を採用した画像形成装置においても本発明は等しく適用することができる。