JP2007333228A - 送風機用ベルマウス及びレンジフード - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水平据付式送風機1の下向きに開口するケーシング吸込み口11と相対するベルマウス12の円周部分に、下向きに湾曲させた環状の膨出部13を備えている。この膨出部13の下向き膨出形状を、ベルマウス12の円周上において、平面視で軸芯Pを通る直線Lと交わる円周部P1側が傾斜最下部20となるように、この傾斜最下部20に向けて傾斜させたテーパー形状に形成することで、廃ガスの流入抵抗に伴う騒音値dB(A)を効果的に下げる。
【選択図】図2
Description
そのために、近年のレンジフードにおいては、調理により発生する廃ガスなどを捕集するためのフード部を深型タイプ(ブーツ型タイプ)のものから薄型タイプに変更され、この薄型タイプのレンジフードが主流になってきている。
しかし、遠心ファンを用いた場合、廃ガスの捕集率を高めるなどのファンの排気(吸引)性能が向上する反面、遠心ファンが内蔵されるファンケーシングの下向きに開口するケーシング吸込み口に生じる廃ガスの取り入れ流入抵抗が大きくなり、それが騒音の発生原因になっている。
つまり、従来のベルマウス33は、図7の(a)及び(b)に示すように、排気ファン31aの円周と相対する内側円周縁を排気ファン31a方向に向けて立ち上げ湾曲させたラッパ口33aを備えている。
そして、ベルマウス33をケーシング吸込み口32にネジ止めによって取り付けるためのフランジ部34を、ラッパ口33aの湾曲下端円周縁から外向き円周状の水平に延設させた断面形状に形成されている。
ここで、例えば、前記水平式送風機をレンジフード内に内蔵し、該送風機の下向きに開口するケーシング吸込み口に前記ベルマウス本体を取り付ける場合には、膨出部の傾斜最下部がレンジフードの後側に位置するように取り付けることが好適なものとなる。
そして、前記送風機のファンケーシング内に一旦溜まり、前記ケーシング吸込み口から前記ベルマウス本体の上に滴下する油脂分や水分などを流下させるための排液口を、前記膨出部の傾斜最下部に開口することが好適なものとなる。
そして、前記送風機のファンケーシングの内部に一旦溜まり、前記ケーシング吸込み口から前記ベルマウスの上に滴下する油脂分や水分などを流下させるための排液口を、前記膨出部の傾斜最下部に開口することが好適なものとなる。
つまり、ベルマウスの円周部における一部に、他の円周における膨出部の下向き膨出量よりも膨出量が大きい傾斜最下部となる土手部を設けるたことで、この土手部が廃ガスの流入抵抗に伴う騒音値を下げるための騒音抑制部として作用する。これにより、ファンの排気能力を低下させることなく、ケーシング吸込み口(ベルマウス)で発生する流入抵抗に伴う騒音値を下げることができる。
これにより、ケーシング吸込み口から膨出部の内側に滴下された油脂分や水分などを膨出部の傾斜に沿ってその傾斜最下部へと流下させ、該傾斜最下部の排液口から例えばベルマウスの下方に備えられるグリスフィルタなどへと滴下させることができる。つまり、ケーシング吸込み口から膨出部に滴下した油脂分や水分などが膨出部の内側に溜まることはない。
図1は、本実施形態に係るベルマウスを送風機に備えているレンジフードを示す縦断側面図であり、図2は、要部を拡大して示す同縦断側面図である。
レンジフードAは、ガスレンジなどの調理器(図示省略)の略真上である指定された高さ位置において壁面Bなどに設置され、調理により発生する油煙や水蒸気、熱気などの廃ガスGを、排気ダクト3を介して屋外に排気するように構成されている。
このレンジフードAは、図1に示すように、下向きに開口する扁平箱形状のフード部2の天板2a上に、水平据付式送風機1を配置している。そして、フード部2の上部空間の送風機1や排気ダクト3などを隠すように、フード部2の天板2a上から天井Cに至る高さの前板4を備えている。
この整流板6は、フード部2の下向き開口よりも一回りほど小さめの平面視が矩形形状を呈しており、その周囲には立ち上げ縁部6aを備えている。
これにより、廃ガスGがグリスフィルタ7を通過するときに、廃ガスGに含まれている油脂分などが分離されて捕獲されるようにしている。グリスフィルタ7によって捕獲された油脂分や水分Mなどは、整流板6の上に一旦滴下し、この整流板6の下に着脱可能に備えられているオイルパック(回収容器)9に回収されるようにしている。
送風機1は、図1及び図2に示すように、フード部2の天板2aの上に水平状に取り付けられるファンケーシング1bにファンモータ1cを略同軸直立状に取り付けている。そして、ファンケーシング1b内に、モータボディーとともに略同軸状に臨ませたファンモータ1cのモータ軸には、排気ファン1aが抜き差し着脱自在に取り付けられている。
ちなみに、排気ファン1aは、排気能力が高い遠心ファン(通称:シロッコファンと称されている)である。
図3は、本実施形態に係るベルマウスを示す斜視図であり、図4は、同平面図である。図5及び図6は、図4における縦断面図である。ここでは、図1及び図2を適宜参照しながら説明する。
ベルマウス12は、プレス加工と絞り曲げ加工などに一体に形成されるものであり、図2及び図3に示すように、ケーシング吸込み口11の開口直径よりも一回りほど大きめ円盤状に形成されるとともに、ケーシング吸込み口10に相対する円周部分に下向きに湾曲させた膨出部12を環状に備えている。
すなわち、ネジ止め孔15は、図3及び図4に示すように、膨出部13の下向きの膨出幅を一部において狭めるように、膨出部13の外側壁部13bを内側に凹ますことにより確保されるフランジ部14に形成される。
つまり、1ヶ所の止めネジ18を取り外し、2ヶ所の止めネジ19は取り外さずに、緩めることによって、ベルマウス13をケーシング吸込み口11から簡単に取り外すことができる。
膨出部13は、図3及び図4に示すように、ベルマウス12の円周部分に、所定の膨出幅を有するように断面を略半円形状や略コの字形状などの下向き凹状に湾曲させることで、ラッパ口12aを囲繞するように形成される。
また、ベルマウス12の円周における円周部P2から円周部P1に向けて傾斜する膨出部12の傾斜角度θは、1〜8°の角度範囲に設定することが好適なものとなる。
特に、他の円周における膨出部13の下向き膨出量よりもその膨出量が大きい傾斜最下部20が廃ガスGの流入抵抗を緩和するための土手部となり、この土手部が廃ガスGの流入抵抗を抑えて騒音値を下げるための騒音抑制部として作用する。これにより、送風機1のケーシング吸込み口11(ベルマウス12)で発生する流入抵抗に伴う騒音値dB(A)を下げることができる。
次に、下向き傾斜構造の膨出部13を備えたベルマウス12を、図1に示すフード構成のレンジフードAのフード部2の上に連通状に配置される送風機1のケーシング吸込み口10に対し、図1に示すように、膨出部13の傾斜最下部20がレンジフードAの後側(壁面B側)に位置するように取り付けて、廃ガスGの取り入れ流入抵抗に伴う騒音値dB(A)の低減効果を調べるために、以下に示す試験条件に基づいて騒音試験を行い。その結果を表1及び表2に示す。
試験条件
a.電圧 :100V 50Hz/60Hz
b.排気ファンの羽形状 :遠心ファン(シロッコファン)
c.排気 :天井方向
d.温度(室温) :15.0℃
e.気圧(室圧) :1010.6hPa(758.0mmHg)
f.膨出部の傾斜角度 :2°
なお、この試験は、JISC9603換気扇に基づく。そして、表2の項目中、前側は図4に示す円周部P2側であり、右側は図4に示す軸芯Pを通る断面指示線のVI−VI線上において紙面下側であり、左側はその紙面上側である。
また、比較例1として、図7の(b)に示す従来のベルマウスを、同じく図1に示すフード構成のレンジフードAの送風機1のケーシング吸込み口11に取り付けて、実施例1と同じ試験条件により試験を行った。
一方、騒音値を示す表2を見ると、Hi(50Hz)のときの平均値では、比較例1に比べて実施例1の方が、1.4dB(A)も低くなっていることが分かる。また、Lo(50Hz)のときの平均値においても、比較例1に比べて実施例1の方が、0.3dB(A)低いことが分かる。
これにより、本実施形態に係る送風機用ベルマウス及びこの送風機を備えるレンジフードによれば、ファンの排気能力を低下させることなく、ケーシング吸込み口(ベルマウス)で発生する流入抵抗に伴う騒音値dB(A)を効果的に下げることができる。
つまり、ベルマウス12に下向きの膨出部13を備えることによって、膨出部13の内側に形成される断面が略半円形状や略コの字形状の上向き開口の環状溝22が、図1及び図2に示すように、送風機1のファンケーシング1bの内周面などに付着して堆積する油脂分や水分Mなどがケーシング吸込み口11を介して滴下(流下)した際の受け樋としての役目をなす。
これにより、図1及び図2に示すように、環状溝22に滴下した油脂分や水分Mなどは排液口21に向かって傾斜する環状溝22を流下し、排液口21から排液管23を通ってグリスフィルタ7へと滴下し、グリスフィルタ7の下側に配設されている整流板6からオイルパック9に回収される。
例えば、膨出部12の傾斜最下部20に向けた傾斜形態として、円周部P2からベルマウス12の軸芯Pに至る範囲、つまり、図4に示す円周部P2から断面指示線のVI−VI線上に至る範囲においては傾斜角度を緩やかに、そして、このVI−VI線上から円周部P1側の傾斜最下部20に至る範囲においては傾斜角度を大きくするなどの円周部P2から円周部P1に向けた傾斜角度に変化を付けるなどのテーパー形状に形成することができる。
1 送風機
1a 排気ファン
1b ファンケーシング
1c ファンモータ
2 フード部
3 排気ダクト
11 ケーシング吸込み口
12 ベルマウス
13 膨出部
20 傾斜最下部
21 排液口
Claims (4)
- 水平据付式送風機の下向きに開口するケーシング吸込み口に備えられるベルマウスであって、
前記ケーシング吸込み口と相対するベルマウス本体の円周部分に、下向きに湾曲させた環状の膨出部を備え、
前記膨出部の下向き膨出形状は、前記ベルマウス本体の円周上において、平面視で軸芯を通る直線と交わるその一方の円周部側が傾斜最下部となるように、該傾斜最下部に向けて傾斜させたテーパー形状に形成されていることを特徴とする送風機用ベルマウス。 - 前記膨出部の傾斜最下部に排液口が開口されていることを特徴とする請求項1に記載の送風機用ベルマウス。
- 調理により発生する廃ガスなどを捕集するためのフード部と、
捕集された廃ガスなどを吸引して屋外に排気するための下向きに開口するケーシング吸込み口に、ベルマウスを備える水平据付式送風機と、を備えて構成されているレンジフードであって、
前記ケーシング吸込み口と相対する前記ベルマウスの円周部分に、下向きに湾曲させた環状の膨出部を備え、
前記膨出部の下向き膨出形状は、前記ベルマウスの円周上において、平面視で軸芯を通る直線と交わるその一方の円周部側が傾斜最下部となるように、該傾斜最下部に向けて傾斜させたテーパー形状に形成されていることを特徴とするレンジフード。 - 前記膨出部の傾斜最下部に排液口が開口されていることを特徴とする請求項3に記載のレンジフード。
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