JP2007332953A - 接続頭部と曲げ部を有する高圧用燃料噴射管およびその製造方法 - Google Patents
接続頭部と曲げ部を有する高圧用燃料噴射管およびその製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 厚肉細径鋼管の接続端部に、球面状のシート面と、環状フランジ部と、前記シート面に連なる円錐面を有し、前記環状フランジ部と係合する締付ナットを組込んでなる、高圧用燃料噴射管において、t(肉厚)/D(外径)<0.3の厚肉細径鋼管の場合に、接続頭部端末から前記環状フランジ部背面までの軸方向距離L1が0.38D〜0.6D、前記シート面の球体半径Rが0.45D〜0.65D、前記環状フランジ部外径D1が1.2D〜1.4Dであって、該頭部内周面が当該鋼管の内周面に近いフラットな面を有する接続頭部と、内径偏平率が6%以下の曲げ部を有し、かつ硬さHvが285以上、引張強度が900MPa以上であることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
従来、噴射管の接続頭部については、前記したごとく、配設使用時の高圧流体に起因して該ポケット部付近に発生するキャビテーションエロージョンによる前記亀裂の発生を防止する手段として、頭部内側のポケットを深さが浅くかつなだらかとする方法や、頭部内側のポケットを金属製円筒部材で被覆する方法等が提案されているが、200MPa以上の内圧疲労強度を確保するためには技術的には必ずしも十分とは言えなかった。
すなわち、最近の蓄圧式燃料噴射システムの高圧仕様に伴い、燃料噴射による脈動が大きくなり、その影響は多数回噴射を行う場合、プレ噴射による圧力変動がメイン噴射時の圧力すなわち噴射量に影響を与える時の弊害が大きいため、この脈動を減少させるためには管内径を大きくする必要が生じ、前記した肉厚/外径の比率が小さくなる傾向にあること、コモンレールシステムの場合は、ポンプとノズルの間にコモンレールが入るために噴射管自体の長さが短くなり、かつ狭い場所(空間)での配管が必要となったことにより、曲げ加工部(屈曲部分)の曲げRが小さくなり、内径偏平率が10%を超えるようになったこと、内圧による繰返し疲労に起因する破壊を防止するために噴射管の内表面精度をより高める必要があること(内面疵を小さくすること)等である。
また、本発明法では、前記厚肉細径鋼管の熱処理工程における熱処理雰囲気を脱炭雰囲気とすることにより、前記脱炭層を設けることができる。またその場合、前記厚肉細径鋼管の接続頭部の少なくともシート面が形成される部位を露出させ、他の外周表面をマスキングして熱処理工程を実施することが好ましいが、マスキングをしないで熱処理工程を実施してもよい。
前記接続頭部の形成後に行う方法として、該接続頭部のシート面と首下部付近に配設した電極間に通電しシート面を加熱する方法、前記接続頭部のシート面を除く先端側端面と首下部付近に配設した電極間に通電しシート面を加熱する方法、前記電極のシート面の接触面に高電気抵抗材料製チップを設けてシート面を加熱する方法、前記シート面の加熱後、加熱電流より小さな電流をさらに通電してシート面を徐冷する方法、前記シート面に近接して電気ヒーターを設け、該ヒーターに通電して発熱させて該ヒーター表面からの輻射熱により前記シート面を加熱し当該シート面表層を軟化させる方法、前記シート面に高温に加熱した昇温パンチ部材を接触・押圧して該昇温パンチ部材の熱をシート面に伝熱させて該シート面の表面層を軟化させる方法、前記シート面を火炎により直接加熱して該シート面の表面層を軟化させる方法、前記シート面を溶融した軟質金属またはガラスに浸漬し、その後シート面を仕上げ成形する方法、前記所定長さの厚肉細径鋼管の端部の少なくともシート面形成部位と該鋼管の他の部位に電極を配置し、該電極間に通電しシート面形成部位を加熱して該シート面形成部位の表面層を軟化させる方法、前記電極のシート面形成部位との接触部に高電気抵抗材料製チップを設けてシート面形成部位を加熱する方法、前記所定長さの厚肉細径鋼管の端部の少なくともシート面形成部位の外周表面を電熱ヒーターの輻射熱により加熱して該シート面の表面層を軟化させる方法、前記接続頭部の形成後、該接続頭部のシート面を高周波誘導加熱方式により加熱する方法等を用いることができる。
また、前記接続頭部の形成前に行う方法として、該所定長さの厚肉細径鋼管の端部の少なくともシート面形成部位を高周波誘導加熱方式により加熱し軟化させる方法、前記シート面形成部位に高温に加熱した昇温チャック部材を接触させて該昇温チャック部材の熱をシート面形成部位に伝熱させて該シート面形成部位の表面層を軟化させる方法、前記シート面形成部位を火炎により直接加熱して該シート面形成部位の表面層を軟化させる方法、前記シート面形成部位を溶融した軟質金属またはガラスに浸漬して該シート面形成部位の表面層を軟化させる方法等を用いることができる。
さらに、前記シート面またはシート面形成部位の加熱による軟化時、加熱前に予熱および/または加熱後に徐冷する方法を用いてもよく、その場合前記予熱および/または徐冷は加熱炉中にて保持または通電による加熱を用いるのが好ましい態様である。その理由は、この方法によりシート面が急冷されて硬化することを防止できるからである。
さらに、本発明に係る噴射管の製造方法によれば、前記したポケット(環状凹部)がほとんど存在しない接続頭部を得ることができるのみならず、当該接続頭部の内周面であって管軸方向の中央付近に圧縮残留応力を発生させることができるので、該頭部内周面からの疲労破壊を大幅に減少させることが可能となり、さらに曲げ加工部における疲労破壊を可及的に防止することが可能となるので、200MPa以上の内圧疲労強度を有する噴射管を得ることができる。
なお、前記シート面に脱炭による軟質層または加熱焼鈍による軟質層を形成させてシール性を高める方法は、噴射管材端部にスリーブを螺合し、かつ該噴射管材先端部にシート面を形成した、挫屈成形を伴わない接続頭部(環状フランジを有しないフラットな接続頭部)を有する噴射管(Hv≧285、引張強度900MPa以上)にも適用できることはいうまでもない。
さらにまた、本発明の噴射管において、t(肉厚)/D(外径)≧0.3の厚肉細径鋼管の場合に、接続頭部端末から前記環状フランジ部背面までの軸方向距離L1を0.38D〜0.7Dと限定したのは、0.38D未満では頭部を形成できず、他方、0.7Dを超えると、ポケットが発生するとともに該ポケットが次第に大きくなるためである。なお、前記シート面の球体半径Rおよび前記環状フランジ部外径D1の数値限定理由については、前記t(肉厚)/D(外径)<0.3の厚肉細径鋼管の場合と同様である。
さらに、該噴射管の硬さHvを285以上、引張強度を900MPa以上としたのは、硬さHvが285未満あるいは引張強度が900MPa未満では耐内圧疲労性が確保できず、疲労破壊を生じることが危惧されるためである。
なお、本発明方法は、前記成形加工の際、予め先端側に接続頭部の加工代を残してワッシャー部材を組込み、しかる後に端部付近をチャックに保持した状態でプレス成形すると、該頭部の形成に伴って、当該直管部分に位置して前記ワッシャー部材を圧嵌せしめることができる。また、所定長さの厚肉細径鋼管に前記ワッシャー部材を遊嵌せしめた状態で前記プレス成形を施して接続頭部を成形し、しかる後に該頭部首下部に前記短寸筒状のワッシャー部材を移動させて圧嵌もしくは遊嵌させて嵌着せしめてもよい。
誘導加熱方式としては、頭部成形前に行う場合は直管状の厚肉細径鋼管端部の少なくともシート面形成部位を高周波で誘導加熱する方式を採用し、頭部成形後に行う場合は接続頭部のシート面部を高周波で誘導加熱する方式を採用することができる。通電加熱方式としては、例えば接続頭部のシート面と該頭部首下部付近に配設した電極間に通電してシート面の表層を加熱し、好ましくはその後徐冷して軟化焼鈍する方法を採用することができる。その際、シート面側電極のシート面との接触部に高電気抵抗材料製チップを取付けてシート面の表面に通電すると、高電気抵抗材料製チップが集中的に発熱するのでシート面の表面を選択的に軟化することができ、より効果的に軟化焼鈍することができる。頭部成形前の直管の状態での少なくともシート面形成部位を加熱する場合も同様である。ここで、高電気抵抗材料としては、例えばタングステン、モリブデン、ニッケル−クロム合金、シリコン−カーバイド等を用いることができる。電熱ヒーターの輻射熱による間接加熱方式、好ましくはシート面の形状にほぼ沿うように形成した電熱ヒーターの輻射熱により、好ましくは噴射管を回転させながらシート面を加熱して軟化焼鈍する方法を採用することができる。高温パンチ部材または高温チャック部材による直接加熱方式は、例えばプレス成形装置と同様の装置に昇温パンチ部材または高温チャック部材を退避位置で高温に加熱しておき、その高温に加熱された昇温パンチ部材または高温チャック部材を前進動させてシート面またはシート面形成部位に相当する鋼管端部に当接させて該シート面またはシート面形成部位を加熱軟化させる方式を採用することができる。火炎による直火加熱方式は、例えば可燃性ガス等によるバーナーフレームで好ましくは噴射管を回転させながら直接シート面またはシート面形成部位を加熱して軟化焼鈍する方法を採用することができる。浸漬方式は、高温液体にシート面形成部位に相当する部分を浸漬して当該部分を加熱軟化する方式であり、溶融状態の金属(Sn、Al、Bi、Sb、およびこれらの基合金等)、ガラス等の高温液体中に接続頭部のシート面形成部位に相当する部分を浸漬して軟化焼鈍する方法を採用することができる。この方式の場合、シート面部に付着した溶融金属は切削あるいはエッチング等により除去することができるが、僅かに残留させてこれをプレスで押圧してシート面表層として使用することも可能である。また、シート面に付着したガラスは、焼入れ温度以下まで冷却されたことを確認後、水冷により破砕して除去することができる。
なお、上記した各種加熱軟化方式によるシート面およびシート面形成部位の軟化焼鈍は700〜800℃程度で行なわれることが好ましい。
前記した曲げ加工方法を実施するための装置としては、例えば上下二分割構造の曲げロール、この曲げロールの周面に噴射管を押圧しながら、この噴射管を介してロール周面上を所定角度回動して当該噴射管を順次曲げ加工する上下二分割構造のクランプ治具および反力受具を有する曲げ手段を備えた装置を用いることができる。
[実施例]
まず最終伸管後の素管を熱処理工程で焼き入れ・焼戻し処理を施す。焼き入れは、前記したごとく、例えば最終伸管後の素管を連続炉またはバッチ炉にて950℃の温度に10分保持後、油または水による焼入れを行う方法、または最終伸管後の素管を高周波加熱機にて1050℃〜1100℃の温度に5秒保持後、油または水による焼入れを行う方法により行なう。また、焼戻しは、600℃の温度に20分保持後、徐冷する方法により行なう。
Pr=[(Maxh−Minh)/ h ]×100(%)
Maxh:曲げ加工後の管の最大内径(mm)
Minh:曲げ加工後の管の最小内径(mm)
h :曲げ加工前の管の平均内径(mm)
すなわち、燃料噴射管の高圧繰返し試験を行うと、曲げ部の曲げ平面に垂直な管内(中立軸付近)壁を起点に疲労破壊が発生する。この要因としては、管の曲げ加工により曲げ部は加工硬化されるが、特に中立軸付近では他の部位に比べ変形が少なく硬化が少ないため、疲労限界の向上が乏しく、また、断面が曲げ加工により潰れるため、中立軸付近が応力集中し易い形になることが考えられる。このため、曲げ加工品のFEM解析を行うと、曲げ部3の内径偏平率Prが6%を超える7%の潰れ部分では最大40%アップの応力増加となっていることが判明した。かかる知見より、本発明では曲げ部3の内径偏平率Prを6%以下と規定した。
まず図4に示す方法は、通電加熱方式により噴射管1の接続頭部2のシート面2−1を加熱軟化する方法を例示したもので、接続頭部2のシート面2−1側にカップ状電極7を、接続頭部2の首下部付近にチャック状電極8をそれぞれ配設する。この方法の場合は、より効果的にシート面を加熱するために、パイプ側のチャック状電極8の接触面積をシート面2−1側のカップ状電極7の接触面積より大きく、好ましくは2倍以上大きくしてシート面2−1以外の表面の軟化を防止する。そして、両電極7、8間に通電してシート面2−1の表層を軟化温度(700〜800℃程度)に加熱した後、通電電流を小さくしながら継続して通電することにより徐冷して急冷されることによる硬化を防止する。このようにしてシート面2−1の表層を軟化させる。
また、曲げ加工部の偏平率が6%以下と小さいので、当該曲げ部が内周面から疲労破壊することがなく、偏平部分の破損の危険性が大幅に少なくなる。
さらに、本発明に係る高圧用燃料噴射管の製造方法によれば、前記したポケット(環状凹部)がほとんど存在しない接続頭部を得ることができるのみならず、当該接続頭部の内周面であって管軸方向中央付近に圧縮残留応力を発生させることができるので、該頭部内周面からの疲労破壊を大幅に減少させることが可能となり、さらに曲げ加工部における疲労破壊を可及的に防止することが可能となるので、200MPa以上の内圧疲労強度を有する高圧用燃料噴射管を得ることができる。
したがって、本発明は、ディーゼル内燃機関における燃料の供給路として配設多用される高圧用燃料噴射管に限らず、比較的細径からなる厚肉鋼管による接続頭部を有する各種の高圧金属配管にも適用可能である。
さらに、本発明の接続頭部はシート面の表層に脱炭雰囲気中の熱処理により形成された脱炭による軟質層または加熱により形成された焼鈍による軟質層が存在するので相手部品(コモンレール、インジェクター、高圧ポンプ)継手部の受圧座面の塑性変形を防止することができ、高いシール性が得られる。また、焼入れや焼戻しの熱処理時の雰囲気を脱炭雰囲気とすることにより接続頭部のシート面の表層に脱炭層としての軟質層を得ることができ、さらに接続頭部または直管の端部を通電などにより直接もしくは間接に加熱することによりシート面に加熱による軟質層を得ることができので、前記と同様、相手部品継手部の受圧座面の塑性変形を防止することができ、高いシール性が得られる。
なお、本発明の前記シート面に脱炭による軟質層または加熱焼鈍による軟質層を形成させてシール性を高める方法は、噴射管材端部にスリーブを螺合し、かつ該噴射管材先端部にシート面を形成した、挫屈成形を伴わない接続頭部(環状フランジを有しないフラットな接続頭部)を有する噴射管(Hv≧285、引張強度900MPa以上)にも適用できることはいうまでもない。
2 接続頭部
3 曲げ部
4 ワッシャー
5 締付ナット
6−1 下型
6−2 上型
7 カップ状電極
7’ 小径電極
8 チャック状電極
9 高電気抵抗材料製チップ
10 皿状電熱ヒーター
11 昇温パンチ部材
12 狭幅電極
13 広幅電極
14 環状電熱ヒーター
15 昇温チャック部材
16 バーナー
17 渦巻状電極
18 溶融金属または溶融ガラス等の高温液体
19 スリーブ
Claims (24)
- 比較的細径からなる厚肉細径鋼管の接続端部に、球面状のシート面と、該シート面から軸芯方向に間隔をおいて形成された環状フランジ部と、前記シート面に連なって前記環状フランジ部まで先端に向かって先細りとなる円錐面を有し、前記環状フランジ部の受圧面と係合する締付ナットを組込んでなる、曲げ部を有する高圧用燃料噴射管において、t(肉厚)/D(外径)<0.3の厚肉細径鋼管の場合に、接続頭部端末から前記環状フランジ部背面までの軸方向距離L1が0.38D〜0.6D、前記シート面の球体半径Rが0.45D〜0.65D、前記環状フランジ部外径D1が1.2D〜1.4Dであって、該頭部内周面が当該鋼管の内周面に近いフラットな面を有する接続頭部と、内径偏平率が6%以下の曲げ部を有し、かつ硬さHvが285以上、引張強度が900MPa以上であることを特徴とする、接続頭部と曲げ部を有する高圧用燃料噴射管。
- 比較的細径からなる厚肉細径鋼管の接続端部に、球面状のシート面と、該シート面から軸芯方向に間隔をおいて形成された環状フランジ部と、前記シート面に連なって前記環状フランジ部まで先端に向かって先細りとなる円錐面を有し、前記環状フランジ部の受圧面と係合する締付ナットを組込んでなる、曲げ部を有する高圧用燃料噴射管において、t(肉厚)/D(外径)≧0.3の厚肉細径鋼管の場合に、接続頭部端末から前記環状フランジ部背面までの軸方向距離L1が0.38D〜0.7D、前記シート面の球体半径Rが0.45D〜0.65D、前記環状フランジ部外径D1が1.2D〜1.4Dであって、該頭部内周面が当該鋼管の内周面に近いフラットな面を有する接続頭部と、内径偏平率が6%以下の曲げ部を有し、かつ硬さHvが285以上、引張強度が900MPa以上であることを特徴とする、接続頭部と曲げ部を有する高圧用燃料噴射管。
- 前記接続頭部内周面に円周方向の圧縮応力が残留していることを特徴とする請求項1または2に記載の接続頭部と曲げ部を有する高圧用燃料噴射管。
- 前記環状フランジ部の首下部にワッシャーを圧嵌もしくは遊嵌させて組込んでなる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の接続頭部と曲げ部を有する高圧用燃料噴射管。
- 少なくとも前記シート面に軟質層を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の接続頭部と曲げ部を有する高圧用燃料噴射管。
- 前記軟質層が脱炭層であることを特徴とする請求項5に記載の接続頭部と曲げ部を有する高圧用燃料噴射管。
- 前記軟質層が加熱による軟化層であることを特徴とする請求項5に記載の接続頭部と曲げ部を有する高圧用燃料噴射管。
- 内径偏平率が6%以下の曲げ部を有し、かつ硬さHvが285以上、引張強度が900MPa以上の高圧用燃料噴射管の製造方法であって、最終伸管後の厚肉細径鋼管を熱処理工程にて焼き入れ・焼戻し処理し伸びが5%以上の管材を得た後、該管材を規定の製品長さに切断し、次いで該所定長さの厚肉細径鋼管の端部に、予め先端側に接続頭部の加工代を残してチャックに保持した状態で押型を備えたパンチ部材による軸方向先端部外方からプレス成形して、端部に外側周面を球面となすシート面を有する接続頭部と、該頭部に連なる拡径した環状フランジ部および前記シート面に連なって前記環状フランジ部まで先端に向かって先細りとなる円錐面を形成せしめると共に、前記接続頭部内周面に円周方向の圧縮応力を残留せしめた後、当該鋼管に内径偏平率が6%以下の曲げ加工を施すことを特徴とする高圧用燃料噴射管の製造方法。
- 内径偏平率が6%以下の曲げ部を有し、かつ硬さHvが285以上、引張強度が900MPa以上の高圧用燃料噴射管の製造方法であって、最終伸管後の厚肉細径鋼管を規定の製品長さに切断した後、該所定長さの厚肉細径鋼管を熱処理工程にて焼き入れ・焼戻し処理し伸びが5%以上の管材を得た後、該管材の端部に、予め先端側に接続頭部の加工代を残してチャックに保持した状態で押型を備えたパンチ部材による軸方向先端部外方からプレス成形して、端部に外側周面を球面となすシート面を有する接続頭部と、該頭部に連なる拡径した環状フランジ部および前記シート面に連なって前記環状フランジ部まで先端に向かって先細りとなる円錐面を形成せしめると共に、前記接続頭部内周面に円周方向の圧縮応力を残留せしめた後、当該鋼管に内径偏平率が6%以下の曲げ加工を施すことを特徴とする高圧用燃料噴射管の製造方法。
- 前記接続頭部が、t(肉厚)/D(外径)<0.3の厚肉細径鋼管の場合に、該頭部端末から前記環状フランジ部背面までの軸方向距離L1が0.38D〜0.6D、前記シート面の球体半径Rが0.45D〜0.65D、前記環状フランジ部外径D1が1.2D〜1.4Dであって、該頭部内周面が当該鋼管の内周面に近いフラットな面を有することを特徴とする請求項8または9に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
- 前記接続頭部が、t(肉厚)/D(外径)≧0.3の厚肉細径鋼管の場合に、該頭部端末から前記環状フランジ部背面までの軸方向距離L1が0.38D〜0.7D、前記シート面の球体半径Rが0.45D〜0.65D、前記環状フランジ部外径D1が1.2D〜1.4Dであって、該頭部内周面が当該鋼管の内周面に近いフラットな面を有することを特徴とする請求項8または9に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
- 前記厚肉細径鋼管の熱処理工程における熱処理雰囲気を脱炭雰囲気とすることを特徴とする請求項8または9に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
- 前記厚肉細径鋼管の接続頭部の少なくともシート面が形成される部位を露出させ、他の外周表面をマスキングして熱処理工程を実施することを特徴とする請求項12に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
- 前記所定長さの厚肉細径鋼管の端部に、予め先端側に接続頭部の加工代を残して短寸筒状のワッシャー部材を組込み、しかる後に端部付近をチャックに保持した状態でプレス成形し、かつ前記接続頭部の形成に伴って、該直管部分に位置して前記ワッシャー部材を圧嵌して嵌着せしめることを特徴とする請求項8ないし11のいずれか1項に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
- 所定長さの厚肉細径鋼管に前記短寸筒状のワッシャー部材を遊嵌せしめた状態で、当該鋼管の先端側に接続頭部の加工代を残して端部付近をチャックに保持してプレス成形し、接続頭部成形後に該頭部首下部に前記短寸筒状のワッシャー部材を移動させて圧嵌もしくは遊嵌させて嵌着せしめることを特徴とする請求項8ないし11のいずれか1項に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
- 前記接続頭部の形成後、該接続頭部のシート面と首下部付近に配設した電極間に通電しシート面を加熱することを特徴とする請求項8、9、10、11、14、15のいずれか1項に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
- 前記電極のシート面との接触部に高電気抵抗材料製チップを設けたことを特徴とする請求項16に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
- 前記接続頭部の形成後、該接続頭部のシート面を除く頭部先端面と首下部付近に配設した電極間に通電しシート面を加熱することを特徴とする請求項8、9、10、11、14、15のいずれか1項に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
- 前記シート面を高周波誘導加熱方式により加熱することを特徴とする請求項8、9、10、11、14、15のいずれか1項に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
- 前記所定長さの厚肉細径鋼管の端部の少なくともシート面形成部位と該鋼管の他の部位に電極を配置し、該電極間に通電しシート面形成部位を加熱して該シート面形成部位の表面層を軟化させることを特徴とする請求項8、9、10、11、14、15のいずれか1項に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
- 前記所定長さの厚肉細径鋼管の端部の少なくともシート面形成部位を高周波誘導加熱方式により加熱し軟化させることを特徴とする請求項8、9、10、11、14、15のいずれか1項に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
- 前記電極のシート面形成部位との接触部に高電気抵抗材料製チップを設けたことを特徴とする請求項21に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
- 前記シート面またはシート面形成部位の加熱による軟化時、加熱前に予熱および/または加熱後に徐冷することを特徴とする請求項16ないし22のいずれか1項に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
- 前記予熱および/または徐冷を加熱炉中にて保持または通電による加熱により行うことを特徴とする請求項23に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
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