JPH11166464A - 高圧燃料噴射管の製造方法および高圧燃料噴射管 - Google Patents
高圧燃料噴射管の製造方法および高圧燃料噴射管Info
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- JPH11166464A JPH11166464A JP6935998A JP6935998A JPH11166464A JP H11166464 A JPH11166464 A JP H11166464A JP 6935998 A JP6935998 A JP 6935998A JP 6935998 A JP6935998 A JP 6935998A JP H11166464 A JPH11166464 A JP H11166464A
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Abstract
いう現在の燃料噴射条件より過酷な管内ピーク圧が12
00barを超えかつ負圧を含みキャビテーションが発
生する特殊な噴射条件の下でも内圧繰返し疲労強度や曲
げ振動疲労強度を向上することができるとともに、その
内周面において十分な耐エロージョン性能を発揮し得る
高圧燃料噴射管の製造方法および高圧燃料噴射管を提供
する。 【解決手段】 内管を製品寸法まで芯引きによる伸管加
工によって縮径し、ついで該内管の少なくとも内周面側
にNi、Cr、Mo、Co、Al、Cuから選ばれた少
なくとも1種またはこれら基合金をめっき層を形成し、
その後該内管を加熱することにより前記めっき層を内管
に拡散し、ついでこのようにして少なくとも内周面側に
拡散層を有する内管を外管内に内挿し、空引きによる伸
管加工によって前記外管のみを縮径するか、あるいは場
合によっては前記外管を縮径せしめるとともに、前記内
管を僅かに縮径して前記外管の内周面を該内管の外周面
に密着ないし圧接せしめることを特徴とする。
Description
にあって、燃料供給路としてシリンダーヘッド側のそれ
ぞれノズルホルダーと燃料ポンプ側とに接続して配置さ
れる管径20mm程度以下の比較的細径からなる高圧燃
料噴射管や蓄圧式燃料噴射システムにおいてるコモンレ
ールからのフィードパイプなど(以下単に高圧燃料噴射
管という)の製造方法および高圧燃料噴射管に関するも
のである。
圧燃料噴射管材としては、本出願人が所有する特公平1
−46712号公報が知られている。この公報記載の高
圧燃料噴射管材は、厚肉の鋼管からなる外管に、内側に
流通路が形成されたステンレス鋼管からなる薄肉の内管
を内挿して、両管に同時かつ一体的な空引きによる伸管
加工を施して内外管を圧嵌して二重金属管を構成したも
のであり、この際内管の肉厚を二重金属管材全体の外径
に対し、1.2ないし8.5%としたものである。
は、NOxの低減や黒煙対策の1つとして噴射時間1〜
2ミリ秒、流速が最大で50m/sec、内圧600〜
1000bar(ピーク圧)という現在の燃料の噴射圧
の高圧化に対応した条件で動作させても、内周面におけ
るキャビテーション・エロージョン(以下単にエロージ
ョンという)の発生が防止できるのみならず、繰り返し
高圧疲労に対する耐久性もほぼ満足できるものであっ
た。しかしながら近年NOxの低減や黒煙対策の条件が
一層厳しくなり、管内ピーク圧が1200barを超え
かつ負圧を含む過酷で特殊な噴射条件でも繰返し高圧疲
労による破壊が発生しない高圧燃料噴射管が要求される
傾向となり、特公平1−46712号公報の高圧燃料噴
射管ではその強度が不足する事態も考慮しなければなら
なくなってきた。
条件でも内圧繰返し疲労強度を有する高圧燃料噴射管
を、本出願人は特開平2−247085号公報により提
案した。この公報による高圧燃料噴射管は、内管の内周
壁にNi、Cr、Mo、Co、Al、Cuから選ばれた
少なくとも1種またはこれら基合金の拡散層を有するた
め、該内管の硬度が高くエロージョンの防止の観点から
は好ましいものであった。しかしながら特開平2−24
7085号公報の技術はその製造工程において次の点で
問題があった。すなわち内管側はエロージョンの発生の
防止のために十分な硬度の拡散層を有しているが、二重
金属管を形成するために外管に内管を内挿して重合さ
せ、伸管加工した後に加熱して拡散させるので、外管は
該加熱によって焼きなまし状態となり、したがって伸管
加工後は熱処理をしないか、あるいは焼鈍程度の熱処理
しかしない従来技術の二重金属管の外管に比べて硬度が
低く、曲げ振動疲労強度の一層の向上が求められてい
た。
り過酷な管内ピーク圧が1200barを超えかつ負圧
を含みキャビテーションが発生する特殊な噴射条件の下
でも前記公報において問題となった内圧繰返し疲労強度
や曲げ振動疲労強度を向上するとともに、その内周面に
おいて十分な耐エロージョン性能を発揮できかつ曲げ振
動疲労強度を向上した高圧燃料噴射管の製造方法および
高圧燃料噴射管を提供することを目的とするものであ
る。
からなる外管と、該外管に圧嵌された硬質の薄肉の鋼管
からなる内管とから構成された二重金属管による高圧燃
料噴射管において、少なくとも内周面側にNi、Cr、
Mo、Co、Al、Cuから選ばれた少なくとも1種ま
たはこれら基合金の拡散層を有する内管を外管に内挿
し、空引きによる伸管加工によって外管のみ、もしくは
外管とともに内管を僅かに縮径して前記外管の内周面を
前記内管の外周面に少なくとも密着せしめることにより
内圧繰返し疲労強度および曲げ振動疲労強度をともに向
上できることを見出だし本発明を完成するに至った。
第1の第1の実施態様は、厚肉の鋼管からなる外管に、
該外管より硬質の薄肉の鋼管からなる内管を内挿せしめ
伸管加工を実施して二重金属管を形成する方法におい
て、前記内管を製品寸法まで芯引きによる伸管加工によ
って縮径し、ついで該内管の少なくとも内周面側にN
i、Cr、Mo、Co、Al、Cuから選ばれた少なく
とも1種またはこれら基合金をめっき層を形成し、その
後該内管を加熱することにより前記めっき層を内管に拡
散し、ついでこのようにして少なくとも内周面側に拡散
層を有する内管を外管内に内挿し、空引きによる伸管加
工によって前記外管のみを縮径せしめ該外管の内周面を
前記内管の外周面に少なくとも密着せしめた高圧燃料噴
射管の製造方法を特徴とするものである。
管からなる外管に、該外管より硬質の薄肉の鋼管からな
る内管を内挿せしめ伸管加工を実施して二重金属管を形
成する方法において、前記内管をほぼ製品寸法まで芯引
きによる伸管加工によって縮径し、ついで該内管の少な
くとも内周面側にNi、Cr、Mo、Co、Al、Cu
から選ばれた少なくとも1種またはこれら基合金をめっ
き層を形成し、その後該内管を加熱することにより前記
めっき層を内管に拡散し、ついでこのようにして少なく
とも内周面側に拡散層を有する内管を外管内に内挿し、
空引きによる伸管加工によって前記外管を縮径せしめる
とともに、前記内管を僅かに縮径して前記外管の内周面
を該内管の外周面に少なくとも密着せしめた高圧燃料噴
射管の製造方法を特徴とするもので、この際の前記内管
の断面減少率(リダクション)を10%以下とするもの
である。
鋼管からなる外管に、該外管より硬質の薄肉の鋼管から
なる内管を嵌合して形成した二重金属管において、空引
きによる伸管加工によって縮径された外管の内周面が少
なくとも密着してなる前記内管の少なくとも内周面側に
Ni、Cr、Mo、Co、Al、Cuから選ばれた少な
くとも1種またはこれら基合金の拡散層を有してなる高
圧燃料噴射管を特徴とするものである。
て説明すれば、図1は本発明の高圧燃料噴射管の一実施
例を示す正面図、図2は本発明のその製造方法を示す図
で、(a)は内管の伸管加工を示す部分概略説明図、
(b)は内管と外管を重合する伸管加工を示す部分概略
説明図、図3は本発明の高圧燃料噴射管と従来の高圧燃
料噴射管との曲げ振動疲労強度とを示すため曲げ破壊ま
での振動サイクルと繰返し応力との関係を示すグラフ図
であって、1は管径20mm以下の比較的厚肉で細径の
内径を有する高圧配管用炭素鋼鋼管で、例えばSTS
370、410、480、あるいはDIN St 52
などの炭素鋼や合金鋼などから形成された単層または多
重巻管からなる外管である。
密着ないし僅かに圧接されて内部に流通路を形成する該
外管より硬質の、例えばSUS 301、SUS 30
4などのような主としてオーステナイト系ステンレス鋼
管などから形成されたものである。そして前記内管2の
内周面側もしくは内、外周面側に予めNi、Cr、M
o、Co、Al、Cuから選ばれた少なくとも1種また
はこれら基合金の被覆層を電気めっき法、溶融めっき法
または化学めっき法などによってめっき処理し、その後
該内管を真空炉、非酸化性または還元性雰囲気炉中でめ
っき材料の拡散温度まで加熱処理して急速冷却するもの
で、この加熱処理により前記めっき層を内管に拡散させ
て拡散層3を形成する。なお予め施されるめっき層の層
厚は特に制限されるものではないが、通常1〜20μm
である。前記した真空炉、非酸性または還元性雰囲気炉
中で拡散させるための加熱処理条件は、めっき材料や母
材である内管の種類などにより異なるが、一般的には温
度700〜1200℃で、1〜60分間である。
硬度(Hv)は、使用しためっき材料の種類や内管の材
質などによって若干異なるが、通常硬度(Hv)300
〜800、好ましくは(Hv)400〜650とするこ
とが必要で、硬度(Hv)300未満では高圧燃料噴射
管に用いる高圧燃料に対する耐エロージョン性能が十分
に得られず、一方硬度(Hv)が800を超えると硬度
が高過ぎて接続頭部成形や曲げ加工時にこの拡散層に亀
裂や剥離が発生する可能性が大であるからである。
とも内周面側に拡散層3が形成された内管2を内挿した
後、伸管加工によって外管1のみ、もしくは外管1とと
もに内管2を僅かに縮径して前記外管1の内周面を前記
内管2の外周面に密着ないし僅かに圧接せしめることに
より二重金属管からなる噴射管材を形成する。この際、
形成された二重金属管の外径に対する内管2の肉厚の割
合は、前記特公平1−46712号公報記載と同様に
1.2〜8.5%が好ましいが、内管の肉厚をこの割合
より厚くすることもできる。
からなる高圧燃料噴射管の製造方法を図2に基づいて説
明する。まず図2(a)に図示するように内管2は予め
プラグ6とダイス7を用いて2〜4回芯引きによる伸管
加工によって製品寸法の肉厚またはほぼ製品寸法に近い
肉厚まで縮径され、該芯引きによる伸管加工により加工
硬化する。
法に近い肉厚まで縮径された内管2の少なくとも内周面
側にNi、Cr、Mo、Co、Al、Cuから選ばれた
少なくとも1種またはこれら基合金の被覆層を電気めっ
き法、溶融めっき法または化学めっき法などによってめ
っきした後、この内管2を真空炉、非酸性または還元性
雰囲気炉中やソルトバス中で加熱処理して前記めっき層
を内管2に拡散させて拡散層3を形成し、ついで急速冷
却する。
され、かつ少なくとも内周面側に拡散層3を有する内管
2を外管1内に間隙をおいて内挿し、図2(b)に示す
ようにダイス8を用いて少なくとも1回空引きによる伸
管加工することにより該外管1を縮径し、内挿した内管
2の外周面にその内周面を密着ないし僅かに圧接する。
この際内管2は図2(b)のように前記した製品寸法の
肉厚のまま、もしくは外管1の縮径とともに僅かに縮径
するよう伸管加工される必要がある。その理由は前工程
において内管2の少なくとも内周面側に形成された拡散
層3が当該内管2の伸管加工による縮径によって亀裂や
剥離などの発生のないようにするためであって、製品寸
法の肉厚のままであれば当然前記拡散層の亀裂や剥離な
どの発生を防止できるが、本発明者は10%以下、好ま
しくは5%以下の僅かな縮径でも前記亀裂や剥離などの
発生を防止できることを見出した。
用いて空引きにより伸管加工をする際に、内管2の断面
減少率(リダクション)が10%を超えると内管2の少
なくとも内周面側に形成された拡散層3に亀裂や剥離な
どの現象の発生が顕著となり、結果として前記した管内
ピーク圧が1200barを超えかつ負圧を含みキャビ
テーションが発生する過酷な噴射条件下では繰返し高圧
疲労による破壊の発生率が急上昇するとともに、拡散層
の剥落により該拡散層の剥落片が噴射ノズルなどに詰ま
りエンジン不調の発生が急激に上昇することが分かっ
た。したがって内管2は伸管加工の際に縮径しないこと
が好ましいが、その断面減少率を10%以下、好ましく
は5%以下にすることにより前記した拡散層の亀裂や剥
離などの問題が発生せず、これにより繰返し高圧疲労に
よる破壊の発生率を大幅に減少させ、かつエンジン不調
の原因を大幅に取除くことができる。なお空引きによる
伸管加工の際には、内管2の内周面が塑性変形せずに僅
かに弾性変形する程度に外管1の内周面により内管2の
外周面を圧縮するのが好ましい。
る高圧燃料噴射管は、通常公知のように割型チャックに
よりチャックされてパンチ部材を用いてプレス加工によ
り接続端部に截頭円錐状、円弧状または算盤珠状の接続
頭部が成形されるか、あるいは該接続頭部成形をせずに
内周にねじを設けたフランジやスリーブを取付けるため
にその外周にねじ加工し、ナットとともにフランジやス
リーブをねじ込み、通常その後にディーゼル内燃機関付
近に配管するために曲げ加工が施される。
に説明する。 実施例1 清浄化のための前処理を施して長さ2000mmに切断
したSUS 301からなるステンレス鋼管の内管を3
回の芯引きによる伸管加工によって、外径3.5mm、
内径2.5mm、肉厚0.5mmに縮径した。ついで、
この内管の内周面側にワット浴を使用して液温52〜5
7℃、電流密度3A/dm2で、厚さ7μmのNi電気
めっき層を形成し、その後無酸化雰囲気の連続加熱処理
炉中を通過させ、温度1100℃、保持時間5分間の加
熱処理を施し、これによりNiめっき層が内管の内周面
近傍に拡散してNi成分がリッチな拡散層を形成した。
この際該拡散層の硬度(Hv)は400であった。つい
で清浄化のための前処理を施した長さ2000mmのS
TS 370からなる鋼管の外管(外径12mm、内径
7.2mm、肉厚2.4mm)の内部に前記内管を緩や
かに内挿せしめた。その後固定したダイスを用いて空引
きによる伸管加工を1回行って外管側を縮径せしめ、つ
いで矯正加工して外径8.0mm、内径2.5mm、肉
厚2.75mmの二重金属管からなる噴射管材を得、し
かる後に300mmの長さに切断した試料を20本準備
した。
らなる噴射管材を、ディーゼル機関用燃料噴射ポンプお
よびインジェクターを使用して、該ポンプとインジェク
ターの間に配設し、燃料噴射ポンプを駆動してキャビテ
ーションの発生する管内のピーク圧が1250barで
かつ負圧を含む噴射条件でキャビテーション試験を20
0時間行なった。その結果得られた全ての試料について
試験終了後にエロージョンの発生は見られなかった。ま
た管内のピーク圧が1250barでかつ負圧を含まな
い噴射条件で内圧繰返し疲労強度試験を107回実施し
たが、破壊には至らなかった。さらにJASO M 1
04−66に準じた曲げ振動疲労強度試験を行ったが、
疲労限は約230PMaであり、図3の実線に示すよう
な曲げ振動疲労強度を有することが分かった。
鋼管を3回の芯引きして伸管加工により縮径した後、厚
さ9μmのAl合金めっき層を溶融めっき法により形成
し、その後無酸化雰囲気の連続加熱処理炉中を通過さ
せ、温度950℃、保持時間60分間の加熱処理を施
し、これによりAl合金めっき層が内管の内周面近傍に
拡散してAl成分がリッチな拡散層を形成した。この際
該拡散層の硬度(Hv)は750であった。ついで実施
例1と同様の寸法と材質の外管内部に前記内管を緩やか
に内挿せしめて外管とともに内管を僅かに縮径するよう
ダイスを用いて空引きにより伸管加工を行い、その後矯
正加工して外径8.0mm、内径2.4mm、肉厚2.
8mm(断面減少率:約3%)の二重金属管からなる噴
射管材を得、しかる後に300mmの長さに切断した試
料を20本準備した。
らなる噴射管材について実施例1と同様のキャビテーシ
ョン試験と内圧繰返し疲労強度試験を行った結果、得ら
れた全ての試料試料について試験終了後にエロージョン
の発生は見られず、また107回の圧力繰返し終了まで
破壊には至らなかった。さらに曲げ振動疲労強度試験の
結果も図3の実線に示すように大幅に向上した。
mに切断したSUS301からなる鋼管からなるステン
レス鋼管の内管を3回の芯引きによる伸管加工によっ
て、外径4.8mm、内径3.8mm、肉厚0.5mm
になるよう縮径し、ついで清浄化のための前処理を施し
た長さ2000mmのSTS 370の鋼管からなる外
管(外径12mm、内径6.9mm、肉厚2.55m
m)の内部に前記内管を緩やかに内挿せしめた。その後
固定したダイスを用いて前記内外管を圧嵌するよう両管
を同時に、かつ一体的に空引きによる伸管加工を1回行
って縮径せしめ、ついで矯正加工して外径8.0mm、
内径2.5mm、肉厚2.75mm(断面減少率:約3
0%)の二重金属管からなる噴射管材を得、しかる後に
300mmの長さに切断した試料を20本準備した。な
お得られた試料における内管の硬度(Hv)は490で
あった。
らなる噴射管材について、実施例1と同様にして200
時間のキャビテーション試験を行なった結果、エロージ
ョンの発生したものが見られた。また実施例1と同様に
して内圧繰返し疲労強度試験を行ったが内管に破壊に至
るものが見られた。さらにJASO M 104−66
に準じた曲げ振動疲労強度試験を行ったが、疲労限は約
170PMaであり、図3の一点鎖線に示すように曲げ
振動疲労強度が劣っていることが分かった。
較例1と同様に両管を同時に、かつ一体的に空引きによ
る伸管加工を1回行って縮径せしめ、ついで矯正加工し
て噴射管材を得、しかる後に300mmの長さに切断し
た試料を20本準備した。ただし内径は2.4mm(断
面減少率:約32%)とした。
らなる噴射管材について、実施例1と同様にして200
時間のキャビテーション試験を行なった結果、エロージ
ョンの発生したものが見られた。また実施例1と同様に
して内圧繰返し疲労強度試験を行ったが内管に破壊に至
るものが見られた。さらに曲げ振動疲労強度試験の結果
も図3の一点鎖線に示すように劣っていることが分かっ
た。
4からなるステンレス鋼管を3回の芯引きして伸管加工
により縮径した後、厚さ5μmのCrめっき層を電気め
っき法により形成し、その後還元雰囲気の連続加熱処理
炉中を通過させ、温度1200℃、保持時間30分間の
加熱処理を施し、これによりCrめっき層が内管の内周
面近傍に拡散してCr成分がリッチな拡散層を形成し
た。この際該拡散層の硬度(Hv)は800であった。
一方実施例1と同様の寸法であるがSTS 410の鋼
管からなる外管の内部に前記内管を緩やかに内挿せしめ
た。その後固定したダイスを用いて空引きによる伸管加
工を1回行って外管側を縮径せしめ、ついで矯正加工し
て外径8.0mm、内径2.5mm、肉厚2.75mm
の二重金属管からなる噴射管材を得、しかる後に300
mmの長さに切断した試料を20本準備した。
らなる噴射管材について実施例1と同様のキャビテーシ
ョン試験と内圧繰返し疲労強度試験を行った結果、得ら
れた全ての試料試料について試験終了後にエロージョン
の発生は見られず、また107回の圧力繰返し終了まで
破壊には至らなかった。さらに曲げ振動疲労強度試験の
結果も図3の実線に示すように大幅に向上した。
鋼管を3回の芯引きして伸管加工により縮径した後、厚
さ5μmのNiと13μmのCrめっき層を電気めっき
法により形成し、その後硼砂と硼酸との混合物中で温度
900℃、保持時間60分間の加熱処理を施し、これに
よりNi−Crめっき層が内管の内周面近傍に拡散して
NiとCr成分がリッチな拡散層を形成した。この際該
拡散層の硬度(Hv)は500であった。ついで実施例
3と同様の寸法と材質の外管内部に前記内管を緩やかに
内挿せしめて外管とともに内管を僅かに縮径するようダ
イスを用いて空引きにより伸管加工を行い、その後矯正
加工して外径8.0mm、内径2.4mm、肉厚2.8
mm(断面減少率:約3%)の二重金属管からなる噴射
管材を得、しかる後に300mmの長さに切断した試料
を20本準備した。
らなる噴射管材について実施例1と同様のキャビテーシ
ョン試験と内圧繰返し疲労強度試験を行った結果、得ら
れた全ての試料試料について試験終了後にエロージョン
の発生は見られず、また107回の圧力繰返し終了まで
破壊には至らなかった。さらに曲げ振動疲労強度試験の
結果も図3の実線に示すように大幅に向上した。
4からなるステンレス鋼管を3回の芯引きして伸管加工
により縮径した。一方比較例1と同様の寸法であるがS
TS 410に相当する鋼管からなる外管の内部に前記
内管を緩やかに内挿せしめた。その後固定したダイスを
用いて前記内外管を圧嵌するよう両管を同時かつ一体的
に空引きによる伸管加工を2回行って縮径せしめ、つい
で矯正加工して外径8.0mm、内径2.5mm、肉厚
2.75mmの二重金属管からなる噴射管材を得、しか
る後に300mmの長さに切断した試料を20本準備し
た。なお得られた試料における内管の硬度(Hv)は4
30であった。
らなる噴射管材について、実施例1と同様にして200
時間のキャビテーション試験を行なった結果、エロージ
ョンの発生したものが見られた。また実施例1と同様に
して内圧繰返し疲労強度試験を行ったが内管に破壊に至
るものが見られた。さらに曲げ振動疲労強度試験の結果
も図3の一点鎖線に示すように劣っていることが分かっ
た。
較例3と同様に両管を同時に、かつ一体的に空引きによ
る伸管加工を1回行って縮径せしめ(断面減少率:約3
2%)、ついで矯正加工して噴射管材を得、しかる後に
300mmの長さに切断した試料を20本準備した。た
だし肉厚は2.8mmとした。
らなる噴射管材について、実施例1と同様にして200
時間のキャビテーション試験を行なった結果、エロージ
ョンの発生したものが見られた。また実施例1と同様に
して内圧繰返し疲労強度試験を行ったが内管に破壊に至
るものが見られた。さらに曲げ振動疲労強度試験の結果
も図3の一点鎖線に示すように劣っていることが分かっ
た。
00〜1000bar(ピーク圧)という現在の燃料噴
射条件より過酷な管内ピーク圧が1200barを超え
かつ負圧を含みキャビテーションが発生する特殊な噴射
条件の下でも内圧繰返し疲労強度と曲げ振動疲労強度を
向上することができるとともに、その内周面において十
分な耐エロージョン性能を発揮し得る高圧燃料噴射管の
製造方法および高圧燃料噴射管を提供することができる
ものである。
図である。
管の伸管加工を示す部分概略説明図、(b)は内管と外
管を重合する伸管加工を示す部分概略説明図である。
管との曲げ振動疲労強度とを示すため曲げ破壊までの振
動サイクルと繰返し応力との関係を示すグラフ図であ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 厚肉の鋼管からなる外管に、該外管より
硬質の薄肉の鋼管からなる内管を内挿せしめ伸管加工を
実施して二重金属管を形成する方法において、前記内管
を製品寸法まで芯引きによる伸管加工によって縮径し、
ついで該内管の少なくとも内周面側にNi、Cr、M
o、Co、Al、Cuから選ばれた少なくとも1種また
はこれら基合金をめっき層を形成し、その後該内管を加
熱することにより前記めっき層を内管に拡散し、ついで
このようにして少なくとも内周面側に拡散層を有する内
管を外管内に内挿し、空引きによる伸管加工によって前
記外管のみを縮径せしめ該外管の内周面を前記内管の外
周面に少なくとも密着せしめたことを特徴とする高圧燃
料噴射管の製造方法。 - 【請求項2】 厚肉の鋼管からなる外管に、該外管より
硬質の薄肉の鋼管からなる内管を内挿せしめ伸管加工を
実施して二重金属管を形成する方法において、前記内管
をほぼ製品寸法まで芯引きによる伸管加工によって縮径
し、ついで該内管の少なくとも内周面側にNi、Cr、
Mo、Co、Al、Cuから選ばれた少なくとも1種ま
たはこれら基合金をめっき層を形成し、その後該内管を
加熱することにより前記めっき層を内管に拡散し、つい
でこのようにして少なくとも内周面側に拡散層を有する
内管を外管内に内挿し、空引きによる伸管加工によって
前記外管を縮径せしめるとともに、前記内管を僅かに縮
径して前記外管の内周面を該内管の外周面に少なくとも
密着せしめたことを特徴とする高圧燃料噴射管の製造方
法。 - 【請求項3】 前記内管を、断面減少率(リダクショ
ン)が10%以下となるよう縮径することを特徴とする
請求項2記載の高圧燃料噴射管の製造方法。 - 【請求項4】 厚肉の鋼管からなる外管に、該外管より
硬質の薄肉の鋼管からなる内管を嵌合して形成した二重
金属管において、空引きによる伸管加工によって縮径さ
れた外管の内周面が少なくとも密着してなる前記内管の
少なくとも内周面側にNi、Cr、Mo、Co、Al、
Cuから選ばれた少なくとも1種またはこれら基合金の
拡散層を有してなることを特徴とする高圧燃料噴射管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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