JP2007332194A - 水系ポリイソシアネート組成物及びそれを含有する水系塗料組成物 - Google Patents

水系ポリイソシアネート組成物及びそれを含有する水系塗料組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】水分散性に優れ、かつ高い架橋性、高い塗膜硬度を発現する水系ポリイソシアネート組成物、及びこれを硬化剤とした水系塗料組成物の提供。
【解決手段】(A)下記構造式で示され、イソシアネート基平均数nMが2.3〜10であり、イソシアネート基平均数nMと親水基平均数mMがmM/(mM+nM)=0.02〜0.40の関係を有する水系ポリイソシアネート組成物と(B)脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートの少なくとも1種以上から誘導される、溶剤を含まない状態で特定の条件を満足する親水基を含まないポリイソシアネート組成物とを90:10〜10:90の質量比で混合してなる、水に溶解または分散しうる水系ポリイソシアネート組成物。
(X)−R−(NCO)(X:親水基、m:親水基数、R:脂肪族ジイソシアネート及び/または脂環族ジイソシネートの少なくとも1種以上から誘導されるポリイソシアネートのイソシアネート基を除く残基)、
【選択図】なし

Description

本発明は、水系ポリイソシアネート組成物、及びこれを硬化剤とした水系塗料組成物に関する。
ポリイソシアネートを硬化剤とする2液ウレタン系塗料組成物はその塗膜の耐薬品性、かとう性などが優れている。特に、脂肪族、脂環族ジイソシアネートから得られるポリイソシアネートを使用した場合、更に耐候性に優れるため、その使用は常温硬化性、熱硬化性のそれぞれの形態で、自動車、建築、家電等の塗料として広く用いられている。
一方、近年、地球環境、安全、衛生などの観点から水性塗料が注目されている。建築外装から産業製品、例えば食缶用、コイルコーティング用等の工業塗料に使用されるようになってきた。ポリイソシアネートを硬化剤とした技術が特許文献1、2に開示されている。しかしながら、これらに用いられているポリイソシアネートは、分散性と架橋性をともに達成できない場合があった。また、特許文献3、4は原料イソシアネートとして、イソシアネート基平均数が高いポリイソシアネートを開示している。この場合には、硬化性は良好であるが、高度な水分散性を付与した場合、塗膜硬度が低下する場合があった。
塗膜硬度を高めるため、ヘキサメチレンジイソシアネートのポリイソシアネートとイソホロンジイソシアネートのポリイソシアネートの混合物であって、その一部を親水化した技術が開示されているが、イソホロンジイソシアネートのポリイソシアネートのイソシアネート基の反応性が低いため、架橋性が充分でない場合があった。(特許文献5)そのため、水分散性に優れ、かつ高い架橋性、高い塗膜硬度を発現する水系ポリイソシアネートが切望されていた。
特公平8−32851号公報 特開平5−222150号公報 特開平10−060073号公報 特開平11−100426号公報 特表2005−535775号公報
本発明は、水分散性に優れ、かつ高い架橋性、高い塗膜硬度を発現する水系ポリイソシアネート組成物、及びこれを硬化剤とした水系塗料組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究した結果、驚くべきことに、親水性基を有する水系ポリイソシアネート組成物(A)と特定の骨格を有するポリイソシアネート組成物(B)を混合することにより、水分散性に優れ、かつこれを硬化剤とした塗料組成物が高い架橋性を、更に得られた塗膜は高い塗膜硬度を発現するという知見に基づき本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は以下に記載するとおりの水系ポリイソシアネート組成物及びこれを含有する水系塗料組成物である。
(1)下記水系ポリイソシアネート組成物(A)、ポリイソシアネート組成物(B)を90:10〜10:90の質量比で混合してなる、水に溶解または分散しうる水系ポリイソシアネート組成物。
(A)下記構造式で示され、イソシアネート基数nの平均数(nM)が2.3〜10であり、イソシアネート基数nの平均数(nM)と親水基数mの平均数(mM)がmM/(mM+nM)=0.02〜0.40の関係を有する水系ポリイソシアネート組成物。
(X)−R−(NCO)
X:親水基
m:親水基数
R:脂肪族ジイソシアネート及び/または脂環族ジイソシネートの少なくとも1種以上から誘導されるポリイソシアネートのイソシアネート基を除く残基
(B)脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートの少なくとも1種以上から誘導される、溶剤を含まない状態で下記条件をすべて満足する親水基を含まないポリイソシアネート組成物。
・ イソシアヌレート3量体濃度;60質量%〜95質量%。
・ ウレトジオン2量体濃度;2〜25質量%。
・ ジイソシアネートモノマー濃度;1質量%以下
・ 25℃における粘度;150〜800mPa・s。
・ イソシアネート基濃度;22.0〜25.0質量%。
(2)ポリイソシアネート組成物(B)における脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートモノマーがヘキサメチレンジイソシアネートである上記(1)に記載のポリイソシアネート組成物。
(3)ポリイソシアネート組成物(B)のイソシアネート基平均数が2.5以上3.5以下である、上記(1)または(2)に記載のポリイソシアネート組成物。
(4)ポリイソシアネート組成物(B)がモノアルコールから誘導されるアロファネート基を更に含み、アロファネート基/イソシアヌレート基の官能基数比率;1〜20%であることを特徴とする上記(1)〜(3)に記載のポリイソシアネート組成物。
(5)上記(1)〜(4)に記載の水系ポリイソシアネート組成物を硬化剤として含むことを特徴とする水系塗料組成物。
(6)ポリオールを含むことを特徴とする上記(5)に記載の水系塗料組成物。
本発明の水系ポリイソシアネート組成物は水分散性に優れ、かつ高い架橋性、高い塗膜硬度を発現しうる塗料組成物を提供できる。
以下に、本発明について詳しく説明する。
本発明の水系ポリイソシアネート組成物(A)は、水系ポリイソシアネートの前駆体であるポリイソシアネートと親水基導入化合物との反応により得られる。
水系ポリイソシアネートの前駆体ポリイソシアネート(以下前駆体AAという)は、脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートから誘導される。本発明において用いることのできる脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートとは、その構造の中にベンゼン環を含まない化合物である。脂肪族ジイソシアネートモノマーとしては、炭素数4〜30のものが、脂環族ジイソシアネートモノマーとしては炭素数8〜30のものが好ましく、例えば、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ペンタメチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナートメチル)−シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等を挙げることが出来る。なかでも、耐候性、工業的入手の容易さから、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下HDIという)、イソホロンジイソシアネート(以下IPDIという)が好ましく、特にHDIが好ましい。単独で使用しても、併用しても良い。
前駆体AAは、各種結合を有することができる。具体的には、イソシアヌレート基、ウレトジオン基、ウレタン基、アロファネート基、ビウレット基、イミノオキサジアジンジオン基等が挙げられ、2種以上を含むことができる。
その中で次式(1)に示されるイソシアヌレート基を有することが好ましい。
Figure 2007332194
イソシアヌレート基を含むイソシアヌレート型ポリイソシアネートを製造するための触媒としては、一般的に使用されるイソシアヌレート化触媒が挙げられる。
イソシアヌレート化触媒としては、例えば一般に塩基性を有するものが好ましく、
1)例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや例えば酢酸、カプリン酸等の有機弱酸塩、2)例えばトリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム等のヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや例えば酢酸、カプリン酸等の有機弱酸塩、3)酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸等のアルキルカルボン酸の例えば錫、亜鉛、鉛等のアルカリ金属塩、4)例えばナトリウム、カリウム等の金属アルコラート、5)例えばヘキサメチルジシラザン等のアミノシリル基含有化合物、6)マンニッヒ塩基類、7)第3級アミン類とエポキシ化合物との併用、8)例えばトリブチルホスフィン等の燐系化合物等がある。
この中で4級アンモニウムの有機弱酸塩が好ましく、さらにテトラアルキルアンモニウムの有機弱酸塩がさらに好ましい。
イソシアヌレート化反応を停止するために用いた触媒を失活する。その失活方法としては例えば、リン酸、酸性リン酸エステルなどの酸性物質による中和、熱分解、化学分解等がある。
また、前駆体AAは、ジイソシアネートモノマー2分子からなるウレトジオン2量体を含んでも構わない。ウレトジオン基とは、2つのイソシアネート基からなり、次式(2)で示される。
Figure 2007332194
ウレトジオン化反応はウレトジオン化触媒を用いて得ることができる。この具体的な化合物の例としては、第3ホスフィンである、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン、トリス−(ジメチルアミノ)−ホスフィンなどのトリス(ジアルキルアミノ)ホスフィン、シクロヘキシル−ジ−n−ヘキシルホスフィンなどのシクロアルキルホスフィンなどがある。これらの化合物はアロファネート化触媒にもなり得る。また、これらの化合物の多くは、同時にイソシアヌレート化反応も促進し、ウレトジオン基含有ポリイソシアネートに加えてイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートを生成する。
また、前記のような触媒を用いることなく、加熱で得ることもできる。
本発明の前駆体(AA)は、ウレタン基および/またはアロファネート基を有しても構わない。ウレタン基とは水酸基とイソシアネート基から形成され、次式(3)で示され、アロファネート基とは水酸基と2個のイソシアネート基から形成され、次式(4)で示される。
Figure 2007332194
Figure 2007332194
ウレタン基、アロファネート基形成のために水酸基を有するアルコールを用いることができる。その具体例としては、例えば、モノアルコール、ジオール、ポリオール等が挙げられる。その中でモノアルコールとしては直鎖もしくは分岐アルコール、脂環式アルコールがあり、その具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、i―ブタノール、s−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、n−ノナノール、2−エチルブタノール、2,2−ジメチルヘキサノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、エチルシクロヘキサノールが挙げられる。
ジオールとは、1分子中に2個の水酸基を有する化合物であり、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、メチルペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、メチルペンタンジオール、メオペンチルグリコール、水添ビスフェノールA、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどが挙げられる。
上記アルコールの中でi−ブタノールや2−エチルヘキサノール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール等の分岐アルコールが特に好ましい。
前駆体AAのイソシアネート基平均数を高めるために、ポリオールを用いることが好ましい。そのポリオールとしては、分子量500未満の低分子ポリオールと分子量500以上の高分子ポリオールがある。トリオール類、テトラオール類などがある。低分子ポリオールとしては例えば、トリオール類としては、例えばグルセリン、トリメチロールプロパンなどがあり、テトラオール類としては、例えばペンタエリトリトールなどがある。この中でトリメチロールプロパンが特に好ましい。
高分子ポリオールとしてはアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオールなどがある。
アクリルポリオールとしては、例えば、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシブチル等の活性水素を持つアクリル酸エステル等、またはグリセリンのアクリル酸モノエステルあるいはメタクリル酸モノエステル、トリメチロールプロパンのアクリル酸モノエステルあるいはメタクリル酸モノエステル等の群から選ばれた単独または混合物とメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−4−ヒドロキシブチル等の活性水素を持つメタクリル酸エステル等の群から選ばれた単独または混合物を必須成分とし、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル等、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル等、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の不飽和アミド、及びメタクリル酸グリシジル、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、フマル酸ジブチル等のその他の重合性モノマーの群から選ばれた単独または混合物の存在下、あるいは非存在下において重合させて得られるアクリルポリオールが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のカルボン酸の群から選ばれた二塩基酸の単独または混合物と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの群から選ばれた多価アルコールの単独または混合物との縮合反応によって得られるポリエステルポリオール及び例えばε−カプロラクトンを多価アルコールに開環重合して得られるようなポリカプロラクトン類等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール類としては、多価ヒドロキシ化合物の単独または混合物に、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムなどの水酸化物、アルコラート、アルキルアミンなどの強塩基性触媒を使用して、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドの単独または混合物を付加して得られるポリエーテルポリオール類、更にエチレンジアミン類等の多官能化合物にアルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール類及び、これらポリエーテル類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られる、いわゆるポリマーポリオール類等が含まれる。
前記多価ヒドロキシ化合物としては
(1)例えばジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなど
(2)例えばエリトリトール、D−トレイトール、L−アラビニトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等糖アルコール系化合物
(3)例えばアラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等の単糖類、
(4)例えばトレハロース、ショ糖、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース
、ラクトース、メリビオースなどの二糖類、
(5)例えばラフィノース、ゲンチアノース、メレチトースなどの三糖類
(6)たとえはスタキオースなどの四糖類
などがある。
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレンなどが挙げられる。
ポリオールの統計的1分子が持つ水酸基数(以下水酸基平均数)は2〜8であることが好ましく、更に好ましくは3〜5である。水酸基平均数が2未満であると、本発明のnの範囲が得られず、硬化性が低下する。また、8を超えると、得られた前駆体AAの粘度が非常に高くなるか、この粘度を低下させるためにポリオールの分子量を大きくすると、これで得られた水系ポリイソシアネート組成物を用いて形成した塗膜の硬化性の低下を招く場合がある。
好ましいポリオールの例としては、前記の低分子量ポリオール及びこの低分子量ポリオールにε−カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンポリオールである。
低分子ポリオール、特にトリオールは高い塗膜硬度を得るために好ましい。また、ウレタン基、アロファネート基形成のためのアルコールは、イソシアヌレート化触媒と同時に添加することもできるし、触媒の添加に先立ち、添加することもできる。
反応終了後、未反応ジイソシアネートモノマーは薄膜蒸発缶、抽出などにより除去する。
前駆体AA中のジイソシアネートモノマー濃度としては1質量%以下、好ましくは0.7質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下である。
本発明の水系ポリイソシアネート組成物の親水基は特に制限されることはなく、アニオン性基、及び、ノニオン性基が挙げられる。アニオン性基には、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基などがある。ノニオン性基には、例えば、ポリエチレングリコール型、多価アルコール型などがある。親水基としては、ノニオン基またはカルボン酸基、スルホン酸基が好ましい。
以下、親水基導入方法について説明する。
上記に例示した親水基を前駆体AAに導入するためには親水基及び活性水素基をともに有する化合物を用いる。活性水素基とは、イソシアネート基と反応する官能基であり、例えば、水酸基、メルカプト基、カルボン酸基などがある。アニオン性基と活性水素基をともに有する化合物としては、水酸基とカルボン酸基をともに有する、オキシ酸があり、グリコール酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、オキシ酪酸、オキシ吉草酸、ヒドロキシピバリン酸、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、カルボン酸基を有するポリカプロラクトンなどが挙げられる。水酸基とスルホン酸基をともに有する化合物としては、例えばイセチオン酸などがある。活性水素基としメルカプト基とカルボン酸基をともに有する化合物としては、メルカプトカルボン酸であるメルカプト酢酸などがある。ノニオン性基と活性水素基をともに有する化合物としては、ポリエチレンオキサイドがある。ポリエチレンオキサイドは、例えばメタノール、エタノール、ブタノール等のモノアルコールにエチレンオキサイドを付加して得られ、プロピレンオキサイドを含んでも良い。
ポリエチレンオキサイド、ポリピレンオキサイド等の数平均分子量の好ましい範囲は、200〜1000であり、より好ましくは300〜800であり、その中でも400〜600が最も好ましい。
活性水素基としては水酸基が好ましい。
アニオン性基は、有機アミン、無機塩基で中和することが好ましい。この中和は水系ポリイソシアネート組成物に水分散性、水溶性を付与する。
上記の具体的な有機アミン化合物の例としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、エチレンジアミンなどの炭素数1から20の直鎖状、分岐状の1,2または3級アミン、モルホリン、N−アルキルモルホリン、ピリジンなどの環状アミン、モノイソプロパノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルイソプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの水酸基を分子内に有する水酸基含有アミンなどを挙げることができる。無機塩基としては、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが挙げられる。
これらの有機アミン化合物、無機塩基はカルボキシル基に対して0.5〜1.5当量の範囲で用いられる。 0.5未満の場合は、水系ポリイソシアネート組成物の水分散性、水溶性が低下する場合があり、1.5を超える場合は、水系ポリイソシアネート溶液のpHが高くなり、これを用いた塗料の安定性が低下する場合がある。
また、前駆体AAのイソシアネート基nの平均数nと親水基数mの平均数mとの合計数に対する親水基平均数mの比率m/(m+n)は、0.02〜0.40であり、好ましくは0.02〜0.30であり、より好ましくは0.04〜0.20、最も好ましくは0.05〜0.10である。0.02未満の場合、水分散性が不足する場合があり、0.40を超える場合、架橋性が低下する場合がある。
上記前駆体AAと親水基導入化合物との付加反応は、一般に−20〜150℃ で行うことが出来るが、好ましくは30〜100℃である。150℃を超える温度では副反応を起こす可能性があり、−20℃未満になると反応速度が小さくなり不利である。
また、この反応には、錫、亜鉛、鉛等の有機金属塩、及び、3級アミン系化合物、ナトリウムなどのアルカリ金属のアルコラート等を触媒として用いてもよい。
更に水分散性の向上などの目的に応じて、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、両性界面活性剤を添加することができる。具体的な前記界面活性剤としては、例えばポリエチレングリコール、多価アルコール脂肪酸エステル等のノニオン系、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩等のアニオン系、アルキルアミン塩、アルキルベタイン等のカチオン系、カルボン酸アミン塩、スルホン酸アミン塩、硫酸エステル塩等の界面活性剤がある。
前駆体AAの製造前、製造中、製造後のいずれの段階においても上記に例示した親水基導入化合物を付加することにより、本発明の水系ポリイソシアネート組成物(A)が得られるが、前駆体AAの製造後に親水基を付加させることが好ましい。
本発明の水系ポリイソシアネート組成物(A)には、塗料粘度を低下させる等の目的により溶剤を含有することができる。
上記の具体的な有機溶剤の例としては、例えば、1−メチルピロリドン、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、ペンタン、iso−ペンタン、ヘキサン、iso−ヘキサン、シクロヘキサン、ソルベントナフサ、ミネラルスピリットなどを挙げることができ、2種以上を併用できる。有機溶剤としては、水への溶解度が5質量%以上のものが好ましい。水への溶解度が5質量%未満の有機溶剤を用いると、水系ポリイソシアネート組成物の水分散性が低下する場合がある。また、沸点が100℃以上のものが好ましく、沸点が100℃未満の有機溶剤を用いると、塗膜形成時に有機溶剤の揮発が速くなり、塗膜表面外観に影響を及ぼす場合がある。溶剤の使用量は、水系ポリイソシアネート組成物の0〜20質量%であり、好ましくは、0〜10質量%、さらに好ましくは0〜5質量%である。20質量%を超えると、塗料として使用する場合に、揮発する溶剤が多くなり、環境上好ましくない。
本発明に用いる水系ポリイソシアネート組成物(A)は分子量分布を有する。
本発明のポリイソシアネート組成物(B)は、脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートから誘導されており、用いることのできる脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートとは、水系ポリイソシアネート組成物(A)で例示したものが使用される。
本発明のポリイソシアネート組成物(B)中のイソシアヌレート構造を有するジイソシアネート3量体の濃度(以下イソシアヌレート3量体と言う)は60〜95質量%である。60質量%未満であるとポリイソシアネート組成物(B)の粘度が増加し、95質量%を超えるとポリイソシアネート組成物(B)の収率が低下する。ジイソシアネートモノマーからイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートを誘導する場合は前述の前駆体AAに関する記載と同様の化合物を使用することができる。
得られるイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートは3量体以外に、5量体、7量体などを含む。本発明のイソシアヌレート3量体濃度範囲を得るためには、イソシアヌレート化反応の転化率(イソシアヌレート化反応で生成したポリイソシアネートの仕込み液に対する質量割合)が20%以下、好ましくは15%以下である。20%を超えると、本発明の構成要件である、イソシアヌレート3量体濃度の達成が困難となる場合があり、ポリイソシアネートの低粘度化と架橋性を両立できない場合がある。
この時、同時にウレトジオン基含有ポリイソシアネートなどのイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート以外のポリイソシアネートが生成する場合がある。本発明のポリイソシアネートを得る場合のイソシアヌレート化反応によるウレトジオン2量体の生成は好ましくない。イソシアヌレート化反応で生成するウレトジオン2量体濃度はイソシアヌレート化反応により生成したポリイソシアネートに対して2質量%以下、好ましくは1質量%以下が好ましい。2質量%を超えると、ポリイソシアネート組成物(B)を貯蔵した時のジイソシアネートモノマーの発生量が増加し、好ましくない。前記の如く、イソシアヌレート化反応で生成するウレトジオン2量体の抑制がポリイソシアネート組成物(B)貯蔵時のジイソシアネートモノマーの生成を抑制することは驚くべきことであった。
イソシアヌレート化反応に用いる触媒はイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートの選択率の高い前記の1)、2)、3)が好ましい。5)はビウレット基含有ポリイソシアネートも生成し、また、意外なことにポリイソシアネート貯蔵時にジイソシアネートモノマーが遊離し、好ましくない。
本発明のポリイソシアネート組成物(B)中のウレトジオン2量体濃度は2〜20質量%である。2質量%未満であると、ポリイソシアネート組成物の粘度が増加し、20質量%を超えると架橋性が低下する場合がある。
ウレトジオン2量体は前述の前駆体AAに関する記載と同様のウレトジオン触媒を用いて得ることができる。
また、前記のような触媒を用いることなく、加熱で得ることもできる。加熱により得ることのできるウレトジオン基含有ポリイソシアネートの収率は低く、ウレトジオン基含有ポリイソシアネートのみを得るための手段としては効率的ではなかった。
しかし、驚くべきことに触媒を使用せず、加熱のみにより得られるウレトジオン基含有ポリイソシアネートの貯蔵時に遊離するジイソシアネートモノマー量が格段に低いことが判明した。ウレトジオン基は加熱により分解しやすく、そのためウレトジオン基含有ポリイソシアネート貯蔵時にジイソシアネートモノマーが遊離すると考えられていた。本発明の構成成分の1つであるウレトジオン基含有ポリイソシアネートは加熱で製造することが好ましい。
本発明におけるポリイソシアネート組成物(B)はモノアルコールから誘導されるアロファネート基を更に含んでいることが好ましい。この場合、ポリイソシアネート組成物(B)中のモノアルコールから誘導されるアロファネート基/イソシアヌレート基の官能基数比率は1〜20%であり、好ましくは、2〜15%、更に好ましくは2〜10%である。1%未満では、得られるポリイソシアネートの粘度が増加する場合があり、20%を超えると架橋性が低下する場合がある。
本発明のポリイソシアネート組成物(B)に用いることができるモノアルコールとは、炭素、水素及び酸素のみで形成されるモノアルコールが好ましく。更に好ましくは分子量500以下である。その具体的な化合物は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノールなどの異性体を含む化合物であり、2種以上を併用しても良い。
本発明のポリイソシアネート組成物(B)におけるモノアルコールの添加量はポリイソシアネートのイソシアネート基とモノアルコールの水酸基との当量比で1000/1〜10/1、好ましくは1000/1〜100/1である。10/1を下回ると、モノアルコール2分子とジイソシアネートモノマー1分子からなる化合物が生成する場合があり、粘度の低いポリイソシアネート得るためには好ましくない。
アロファネート基を生成するためには、通常、アロファネート化触媒を用いる。この具体的な化合物としては、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、ジルコニウム、ジルコニルなどのアルキルカルボン酸塩である、2−エチルヘキサン酸錫、ジブチル錫ジラウレートなどの有機錫化合物、2−エチルヘキサン酸鉛などの有機鉛化合物、2−エチルヘキサン酸亜鉛などの有機亜鉛化合物、2−エチルヘキサン酸ビスマス、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム、2−エチルヘキサン酸ジルコニルなどがあり、2種以上を併用することができる。
また、前記のイソシアヌレート化触媒もアロファネート化触媒となり得る。前記のイソシアヌレート化触媒を用いて、アロファネート化反応を行う場合、イソシアヌレート基含有ポリイソシアネートも生成する。
本発明のポリイソシアネート組成物(B)にはビウレット型ポリイソシアネートを含まないことが好ましい。ビウレット型ポリイソシアネートの存在はポリイソシアネート組成物貯蔵後のジイソシアネートモノマーの増加をもたらし、好ましくない。好ましくは、0.5質量%以下である。
前述した、イソシアヌレート化反応、アロファネート化反応、ウレトジオン化反応はそれぞれを逐次行うこともできるし、並行して行うこともできる。好ましくは、イソシアヌレート化反応とアロファネート化反応を先行し、その後、ウレトジオン化反応を行うことが好ましく、イソシアヌレート化反応とアロファネート化反応は共通した触媒を用い、ウレトジオン化反応を熱により行うことが製造工程を簡略でき好ましい。
これらの反応が終了した後、未反応ジイソシアネートモノマーを薄膜蒸発缶、抽出などで除去する。
本発明のポリイソシアネート組成物(B)中のジイソシアネートモノマー濃度は1質量%以下であり、好ましくは0.5質量%以下である。1質量%を超えると、架橋性が低下し、好ましくない。
本発明のポリイソシアネート組成物(B)の25℃における粘度は150〜800mPa・sであり、好ましくは、150〜700mPa・sである。150mPa・s未満であると、架橋性が低下し、800mPa・sを超えると塗料の固形分濃度が低下し、好ましくない。
本発明のポリイソシアネート組成物(B)のイソシアネート基平均数は2.5以上である。好ましくは2.8以上、3.5以下である。2.5未満であると架橋性が低下する場合がある。イソシソシアネート基平均数は以下の式(I)により求められる。
Figure 2007332194
本発明のポリイソシアネート組成物(B)のイソシアネート基濃度は、22.0〜25.0質量%であり、好ましくは22.5〜24.0質量%、より好ましくは23.0〜24.0質量%である。22.0質量%未満の場合、形成された塗膜中のウレタン基濃度が低下しやすく、水分散性が低下する場合があり、25.0質量%を超える場合、架橋性が劣る場合がある。
本発明に用いるポリイソシアネート組成物(B)は分子量分布を有する。
本発明の水系ポリイソシアネート組成物は、上記水系ポリイソシアネート組成物(A)とポリイソシアネート組成物(B)を90:10〜10:90(質量比)で混合して得られ、好ましくは70:30〜10:90であり、より好ましくは50:50〜10:90である。90:10を超える場合、水分散性は満足するが、架橋性や塗膜硬度に劣る場合があり、10:90未満の場合、水分散性が低下する場合がある。
本発明に用いる水系ポリイソシアネート組成物は、分子量分布を有する。
本発明の水系ポリイソシアネート組成物は、ポリオールとともに本発明の水系塗料組成物の主成分を構成する。水系ポリイソシアネート組成物中のイソシアネート基はこのポリオールの水酸基と反応して、架橋塗膜を形成することができる。
本発明の水系塗料組成物に使用するポリオールとしては、通常、水系塗料用に用いるものであれば特に制限なく使用可能である。具体例としては、上記で例示したポリオール以外にエポキシポリオール、フッ素ポリオールなどがある。
エポキシポリオールとしては、ビスフェノール型エポキシ樹脂をアミン変性、または、アミノアルコール変性したものが挙げられる。
フッ素ポリオールとしては、フッ素化エチレンと共重合可能なモノマーからなる樹脂が挙げられる。
好ましいポリオールはアクリルポリオール、ポリエステルポリオールである。
前記のポリオールは水に乳化、分散あるいは溶解することが必須となる。そのために、ポリオールに含まれるカルボキシル基、スルホン基などを中和する事ができる。
カルボキシル基、スルホン基などを中和するための化合物としては、有機アミン、無機塩基が挙げられる。有機アミンとしては、例えば、水溶性アミノ化合物である例えばモノエタノールアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエタノールアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリンなどから選択される1種以上を用いることができる。無機塩基としては、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムを用いることができる。好ましくは、第3級アミンであるトリエチルアミン、ジメチルエタノールアミンなどが好ましい。
前記ポリオールの樹脂分当たりの水酸基価は20〜300mgKOH/gが好ましく、酸価は20〜100mgKOH/gが好ましい。
ポリオールの水酸基価が20mgKOH/g未満の場合、イソシアネート基との反応による架橋性が劣る場合があり、水酸基価が300mgKOH/gを超えると、逆に架橋密度が増大し、塗膜の伸び等の物性が低下する場合がある。また、酸価が20mgKOH/g未満の場合、水分散性が低下する場合があり、100mgKOH/gを超える場合、得られた塗膜の耐水性等の物性が低下する場合がある。
本発明の水系ポリイソシアネート組成物と上記ポリオールの配合比率は、水系ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基とポリオールの水酸基の当量比が0.3〜1.5の範囲で、必要に応じて選択される。
必要に応じて、本発明の塗料組成物にウレタンディスパージョンなどの樹脂を併用することができる。
本発明は硬化促進剤として酸性化合物、塩基性化合物を含む事ができる。
前記酸性化合物の具体例としては、例えば、酢酸、コハク酸等のカルボン酸類、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸類、ジオクチルホスフェート等の酸性リン酸エステルが挙げられる。
これらの酸性化合物はアミン化合物と反応させ、貯蔵安定性を向上させることができる。そのアミン化合物としては、例えばエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのアルキルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミンなどがある。
塩基性化合物の具体例としては、例えばトリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロオクタンなどのアミン化合物、ジブチル錫ジラウレート、ナフテン酸亜鉛金属カルボン酸塩などがある。
硬化促進剤の添加量は配合される塗料樹脂分に対して、0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。
また、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、例えば、アルミ等の金属粉顔料、酸化チタン、カーボンブラックなどの無機顔料、レオロジーコントロール剤、レベリング剤、溶剤等を添加してもよい。
通常は、水系ポリイソシアネート組成物、ポリオール、添加剤等を混合し、水を主成分とする媒体を添加し、塗装方法に応じた塗料粘度に調整することにより水系塗料組成物となる。
このように調製した水系塗料組成物の被塗装材質としては、金属、プラスチック、無機等が挙げられる。
また、用途としては、上中塗り、下塗り用として、建築外装塗料、バンパー等のプラスチック部品用塗料、自動車補修用塗料、プレコートメタル等の有機被覆用塗料等として有用である。
塗装方法としては、ベル塗装、スプレー塗装、ロール塗装、シャワー塗装、浸漬塗装等が挙げられる。
本発明の水系ポリイソシアネート組成物は塗料以外にインキ、接着剤、繊維・フィルム・セラミック等の無機材料・紙・木材・樹脂等の改質剤または表面処理剤としても有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
まず、測定方法について述べる。
(数平均分子量の測定)
数平均分子量は下記の装置を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下GPCという)測定によるポリスチレン基準の数平均分子量である。
装置:東ソー(株)HLC−8120GPC
カラム:東ソー(株)TSKgel superH1000×1本
TSKgel superH2000×1本
TSKgel superH3000×1本
キャリアー:テトラハイドロフラン
検出方法:示差屈折計
(未反応ジイソシアネートモノマー濃度)
前記GPC測定で得られる未反応ジイソシアネートモノマー相当の分子量(例えばHDIであれば168)のピーク面積%をその質量濃度として表した。
(イソシアヌレート3量体濃度の測定)
前記GPC測定で得られるジイソシアネートの3倍の分子量に相当するピーク面積%をイソシアヌレート3量体濃度として示した。
(モノアルコール由来のアロファネート基/イソシアヌレート基数比率)
日本電子社製JNM-LA400を用いた、プロトン核磁気共鳴スペクトルの測定から、アロファネート基とイソシアヌレート基の数比率を求めた。
(ウレトジオン2量体濃度の測定)
前記GPC測定で得られるジイソシアネートの2倍の分子量に相当するピーク面積%をウレトジオン2量体濃度として示した。
(イソシアヌレート化反応転化率の測定)
反応液屈折率の測定により求めた。
(粘度の測定)
E型粘度計(東機産業株式会社製RE−80R)を用いて、25℃で測定した。
(水系ポリイソシアネート組成物の水分散性)
水系ポリイソシアネート組成物と純水を質量比2:10で混合し、その後の溶液状態を肉眼で観察した。混合液が均一で沈降物のない状態を〇とし、沈降物がある場合を×とした。結果を表2に示した。
(ゲル分率)
硬化塗膜を、アセトン中に20℃、24時間浸漬後、未溶解部質量の浸漬前質量に対する割合を計算し、60質量%未満の場合を×、60質量%以上の場合を〇で表した。結果を表3に示した。
(塗膜硬度)
ケーニッヒ硬度計(BYK Garder社の商品名Pendulum hardness tester)を用いて、測定温度20℃、塗膜膜厚40μmで測定した。塗膜硬度が20以上を〇、20未満を×とした。結果を表3に示した。
<製造例1> (前駆体AAの製造)
攪拌器、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 600部を仕込み、60℃、2Hr保持した。その後、イソシアヌレート化触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、イソシアヌレート化反応を行い、4時間後、転化率が40%になった時点で、リン酸を添加して反応を停止した。
その後、反応液を濾過した後、未反応のHDIモノマーを薄膜蒸留装置により除去した。
得られた前駆体AAの物性を表1に示す。
<製造例2> (前駆体AAの製造)
攪拌器、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 1000部、3価アルコールであるポリカプロラクトンポリオール系ポリエステルポリオール「プラクセル303」(ダイセル化学の商品名 分子量300)50部を仕込み、攪拌下反応器内温度を90℃1時間保持しウレタン化反応を行った。その後反応器内温度を60℃に保持し、シソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、反応液の屈折率を測定し、HDIとポリオールを足した質量を100とした時の収率54質量%に相当する時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液を濾過した後、薄膜蒸留缶を用いて未反応HDIを除去した。得られた前駆体AAの物性を表1に示す。
<製造例3> (水系ポリイソシアネート組成物(A)の製造)
攪拌器、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、製造例1で得られた水性ポリイソシアネート前駆体(AA)を100部、分子量550のメトキシポリエチレングリコール(日本油脂の商品名「ユニオックスM550」)85部(前駆体AAの全イソシアネート基の30%と反応する)を仕込み、80℃で6時間保持した。得られた水系ポリイソシアネート組成物(A)の物性及び水分散性評価結果を表2に示す。
<製造例4,5>(水系ポリイソシアネート組成物(A)の製造)
表2に示す以外は、製造例3と同様に行った。得られた水系ポリイソシアネート組成物(A)の物性を表2に示す。
<製造例6> (ポリイソシアネート組成物(B)の製造)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 600部、イソブタノール0.6部を仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2Hr保持した。その後、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、イソシアヌレート化反応を行い、転化率が13%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。ウレトジオン2量体質量濃度の増加は1%以下であった。反応液を更に160℃、1Hr保持した。この加熱によりウレトジオン基含有ポリイソシアネートが生成した。反応液を冷却後、ろ過後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去した。得られたポリイソシアネート組成物(B)の特性を表3に示す。
<製造例7> (ポリイソシアネート組成物(B)の製造)
イソシアヌレート化反応後の転化率を17%とした以外は製造例6と同様に行った。得られたポリイソシアネート組成物(B)の物性を表3に示す。
[実施例1〜5] (水系ポリイソシアネート組成物の製造)
製造例3〜5に示された水系ポリイソシアネート組成物(A)と製造例6〜7に示されたポリイソシアネート組成物(B)を表4に示された質量比で混合した。その時の水分散性を表4に示す。
[比較例1〜4] (水系ポリイソシアネート組成物の製造)
表4に示す以外は実施例1と同様に行った。その時の水分散性を表4にします。
[実施例6〜10] (水系塗料組成物の調整)
ジメチルエタノールアミンでカルボン酸/アミンのモル比1.0で中和された水分散性アクリルポリオール(アクゾノーベル社の商品名「SETALUX6512」、樹脂分濃度42質量%、水酸基価69mgKOH/樹脂g、酸価16mgKOH/樹脂g)と実施例1−5で得られた水系ポリイソシアネート組成物を用いて、イソシアネート基/水酸基の当量比1.0で混合した。更に水を添加し塗料粘度が、フォードカップNo.4で30秒になるように調整した。この塗料をアプリケーター塗装し、80℃、30分で硬化させた。塗膜評価結果を表5に示す。
[比較例5〜7] (水系塗料組成物の調整)
比較例1〜3で得られた水系ポリイソシアネート組成物を用いた以外は、実施例6と同様に行った。結果を表5に示す。
Figure 2007332194
Figure 2007332194
Figure 2007332194
Figure 2007332194
Figure 2007332194
本発明の水性ポリイソシアネート組成物は、水分散性に優れ、かつ高い架橋性、高い塗膜硬度を発現するので水性塗料組成物の硬化剤として好適である他、インキ、接着剤、繊維・フィルム・セラミック等の無機材料・紙・木材・樹脂等の改質剤または表面処理剤としても有用である。

Claims (6)

  1. 下記水系ポリイソシアネート組成物(A)、ポリイソシアネート組成物(B)を90:10〜10:90の質量比で混合してなる、水に溶解または分散しうる水系ポリイソシアネート組成物。
    (A)下記構造式で示され、イソシアネート基数nの平均数(nM)が2.3〜10であり、イソシアネート基数nの平均数(nM)と親水基数mの平均数(mM)がmM/(mM+nM)=0.02〜0.40の関係を有する水系ポリイソシアネート組成物。
    (X)−R−(NCO)
    X:親水基
    m:親水基数
    R:脂肪族ジイソシアネート及び/または脂環族ジイソシネートの少なくとも1種以上から誘導されるポリイソシアネートのイソシアネート基を除く残基
    (B)脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートの少なくとも1種以上から誘導される、溶剤を含まない状態で下記条件をすべて満足する親水基を含まないポリイソシアネート組成物。
    ・ イソシアヌレート3量体濃度;60質量%〜95質量%。
    ・ ウレトジオン2量体濃度;2〜25質量%。
    ・ ジイソシアネートモノマー濃度;1質量%以下
    ・ 25℃における粘度;150〜800mPa・s。
    ・ イソシアネート基濃度;22.0〜25.0質量%。
  2. ポリイソシアネート組成物(B)における脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートモノマーがヘキサメチレンジイソシアネートである請求項1記載のポリイソシアネート組成物。
  3. ポリイソシアネート組成物(B)のイソシアネート基平均数が2.5以上3.5以下である、請求項1または2記載のポリイソシアネート組成物。
  4. ポリイソシアネート組成物(B)がモノアルコールから誘導されるアロファネート基を更に含み、アロファネート基/イソシアヌレート基の官能基数比率;1〜20%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物。
  5. 請求項〜4のいずれかに記載の水系ポリイソシアネート組成物を硬化剤として含むことを特徴とする水系塗料組成物。
  6. ポリオールを含むことを特徴とする請求項5に記載の水系塗料組成物。
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