JP2007330966A - 液体浸透板および加熱気化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 液体を全体的に均一に浸透させる性能の高い液体浸透板およびこの液体浸透板を用いた低コストの加熱気化装置を提供すること。
【解決手段】 液体浸透板は、多孔質材によって形成され、立てた状態で使用されるようになっており、上部に設けられた液体の供給位置31の下方に、水平方向に延びる空隙32を設けている。加熱気化装置は、軸方向を上下に向け、所定の間隔をおいて二重に配置された内筒1と外筒2とを備え、内筒1の外周面等には多孔質材によって形成された液体浸透板3を設け、内筒1内等を加熱することにより、液体浸透板3の上部に供給された液体を気化させるように構成し、液体浸透板3には、液体の供給位置31の下方に、周方向に延びる空隙32を設けている。
【選択図】 図2
Description
そして、外管に螺旋溝が形成されているので、焼結金属管の全体に液を浸透させることができる。
したがって、液体を液体浸透板の全体にわたってより均等に浸透させることができる。
したがって、液体を液体浸透板の全体にわたってより均等に浸透させることができる。
しかも、液体浸透板に空隙を設けるだけで済み、液体浸透板を内筒および外筒に密着させることも、内筒や外筒に螺旋溝や流路を設けることも必要ないので、コストの低減を図ることができる。
したがって、液体を液体浸透板の全体にわたってより均等に浸透させることができる。
まず、本発明の液体浸透板および加熱気化装置の第1の実施の形態を図1〜図4を参照して説明する。この実施の形態で示す加熱気化装置は、固体高分子型燃料電池(PEFC)で利用する水素含有量の高い改質ガスを得るため、メタノール、水、これらの混合物等の液体を加熱して気化させるものであり、軸方向を上下に向け、所定の間隔をおいて二重に配置された内筒1と外筒2とを備え、上記内筒1の外周面に多孔質材によって形成された液体浸透板3を設けたもので構成されている。
また、内筒1内は、図示しないバーナや電気ヒータ等の加熱手段によって加熱されるようになっている。そして、例えばバーナを用いる場合には、固体高分子型燃料電池で未利用の水素を燃料として用いることが可能である。
ただし、液体浸透板3は、その両側の面に、上記環状口3bおよび面状部3cを有するように形成してもよい。
そして、液体浸透板3には、上記液体の供給位置31の下方に、周方向に直線状に延在する複数(この実施の形態では4つ)の空隙32が設けられている。各空隙32は、その幅が約1〜5mm程度(好ましくは2〜3mm、本実施の形態では3mm)に一定に形成されているとともに、その長さが約100〜300mmに形成されている。
まず、図4に示すように、上述した組成の発泡性スラリー60をドクターブレード法を用いた成形装置Xによって内筒1の素材金属板1A上に塗工し、発泡、乾燥させる。なお、素材金属板1Aは、帯状に長く形成されたものであり、所定の大きさに切断されることにより、平面状に展開された状態の内筒1となるようになっている。
上記発泡性スラリー60の塗工に際しては、巻き出しリール12から連続的に繰り出される素材金属板1Aの上面(内筒1の外周面に相当)に、まず型設置部16によって、空隙32を成形するための型が設置される。そして、その素材金属板1Aの上面にホッパ9から発泡性スラリー60を連続的に供給するとともに、ドクターブレード8によって均一な厚さに延ばす。これによって、素材金属板1A上には、空隙32用の型の部分を除いた範囲に均一な厚さの発泡性スラリー60が塗工されることになる。
次ぎに、切断により所定の大きさに形成された複合板をジルコニア製の平板状圧縮部材(図示せず)の間に挟んで、当該複合板に対して10〜100g/cm2 押圧力が作用するように荷重を加える。これにより、グリーン板61の面状部は素材金属板1Aの上面に所定の圧力で押し付けられた状態になる。なお、上記押圧力は、上記加重を、グリーン板61における素材金属板1A側の全面積で割ることによって単純に計算した値である。また、上記平板状圧縮部材は、素材金属板1Aやグリーン板61と反応しないものであれば、ジルコニア以外の材質のものであってもよい。
以上により、円筒形状の内筒1の外周面に例えば0.3mmの液体浸透板3が拡散接合されたものが完成する。
しかも、最上位置の空隙32の各端部から下方に流れた液体は、上から第2位の位置の各空隙32によって周方向に浸透する流れとなることから、最上位置と第2位の位置との間に液体がより十分に浸透することになる。
しかも、液体浸透板3の面状部3cを内筒1の外周面に拡散接合しているので、内筒1と液体浸透板3との間の接合部の伝熱面積を増大させることができる。したがって、液体浸透板3を効率良く加熱することができる。
また、液体浸透板3で蒸発した気体は、液体浸透板3と外筒2との間の隙間を通してそのまま回収することができるとともに、固体高分子型燃料電池用の改質装置に供給することができる。
供給水量が多い場合は、上部(後述する図8の内側部分34、図9の上側部分37)だけは液体浸透板3の厚みを厚くすると、下部(図8の外側部分35、図9の下側部分38)に速やかに全面均一に液体を流出させることができる。
この製造方法では、まず、上述した組成の発泡性スラリー60をドクターブレード法を用いた成形装置Yによって、後述するキャリヤシート7上に塗工し、発泡、乾燥させる。
また、この場合も、グリーン板61を素材金属板の表面に押し付けながら焼結しているので、液体浸透板3に割れが生じるのを防止することができるとともに、面状部3cと素材金属板との拡散接合を速やかに行わせることができる。しかも、液体浸透板3の焼成と、素材金属板の表面への拡散接合とを同時に行うことができることから、加熱気化装置のコストの低減を図ることができる。
また、液体浸透板3を素材金属板の表面に押し付けながら加熱することにより、液体浸透板3の面状部3cと素材金属板の表面とを速やかに拡散接合することができる。そして、この場合、液体浸透板3がすでに焼成されていて収縮することがないので、液体浸透板3を押圧する荷重等の管理を厳密に行わなくても液体浸透板3に割れが生じることがないという利点がある。
また、ろう付けやスポット溶接の場合も、平板状の素材金属板の表面に平面状の液体浸透板3を接合した後、この液体浸透板3を有する素材金属板を円筒状に曲げ加工して、その素材金属板の付き合わせ部を溶接等により接合することが好ましい。ただし、ろう付けやスポット溶接の場合は、円筒状の内筒1の外周面に液体浸透板3を巻き付けた状態で、上記ろう付けやスポット溶接によって液体浸透板3を内筒1に固定するようにしてもよい。
次ぎに、本発明の液体浸透板および加熱気化装置の第2の実施の形態を図6を参照して説明する。ただし、図1〜図3に示す第1の実施の形態の構成要素と共通する要素には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。
この第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、各空隙32の上辺32aが三角形状に上方に突出している点、および最下位置の一の空隙32が排除されている点である。
なお、図6は、液体浸透板3を固定した状態の内筒1を、供給位置31を中心にして周方向に展開した図を示している。
また、最上位置以外の他の空隙32(この実施の形態では2つの空隙32)は、その上辺32aが直上位置(この実施の形態では最上位置)の空隙32の周方向の端部に対応する位置から周方向の各端部に向かって漸次下方に位置すべく直線状に傾斜した形状になっている。
そして、最上位置以外の他の空隙32の上辺32aが直上位置の空隙32の周方向の端部に対応する位置から周方向の各端部に向かって漸次下方に傾斜しているので、他の各空隙においても、下方に向かう液体をより速く周方向に流すことができる。
したがって、液体が液体浸透板の全体に浸透する時間を短縮することができる。
次ぎに、本発明の液体浸透板および加熱気化装置の第3の実施の形態を図8を参照して説明する。ただし、図1〜図3に示す第1の実施の形態の構成要素と共通する要素には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。
この第3の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、液体の供給位置31の近傍部と、この近傍部以外とを別体の液体浸透板3で構成している点である。
次ぎに、本発明の液体浸透板および加熱気化装置の第4の実施の形態を図9を参照して説明する。ただし、図1〜図3に示す第1の実施の形態の構成要素と共通する要素には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。
この第4の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、液体の供給位置31の下方近傍に沿う周方向のライン36の上側と下側とを別体の液体浸透板3で構成している点である。
2 外筒
3 液体浸透板
31 供給位置
32 空隙
32a 上辺
33、36 ライン
34 内側部分
35 外側部分
37 上側部分
38 下側部分
Claims (16)
- 多孔質材によって形成され、立てた状態で使用される液体浸透板であって、
上部に設けられた液体の供給位置の下方に、水平方向に延びる空隙を設けたことを特徴とする液体浸透板。 - 多孔質材によって形成され、立てた状態で使用される液体浸透板であって、
上部に設けられた液体の供給位置の下方に、水平方向に延びる空隙を複数設けてなり、
上記各空隙は、最上位置の一の空隙が上記液体の供給位置の下方に位置し、他の空隙が直上位置の空隙の水平方向の端部の下方に位置すべく配置されていることを特徴とする液体浸透板。 - 上記液体の供給位置の直下位置の空隙は、その上辺が上記液体の供給位置に対応する位置から水平方向の端部に向かって漸次下方に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体浸透板。
- 上記他の空隙は、その上辺が直上位置の空隙の水平方向の端部に対応する位置から水平方向の端部に向かって漸次下方に位置するように形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の液体浸透板。
- 多孔質材によって形成され、立てた状態で使用される液体浸透板であって、
上部に設けられた液体の供給位置の周囲における当該供給位置の近傍に沿うラインより当該供給位置側の内側部分と外側部分とが別体のもので形成されていることを特徴とする液体浸透板。 - 多孔質材によって形成され、立てた状態で使用される液体浸透板であって、
上部に設けられた液体の供給位置の下方でかつ当該供給位置の近傍を水平方向に延びるラインより上側部分と下側部分とが別体のもので形成されていることを特徴とする液体浸透板。 - 上記外側部分には、少なくとも内側部分の下方に、水平方向に延びる空隙を設けたことを特徴とする請求項5に記載の液体浸透板。
- 上記下側部分には、水平方向に延びる空隙を設けたことを特徴とする請求項6に記載の液体浸透板。
- 軸方向を上下に向け、所定の間隔をおいて二重に配置された内筒と外筒とを備え、上記内筒の外周面および/または上記外筒の内周面には多孔質材によって形成された液体浸透板を設けてなり、上記内筒内および/または上記外筒外を加熱することにより、上記液体浸透板の上部に供給された液体を気化させるように構成してなる加熱気化装置であって、
上記液体浸透板には、上記液体の供給位置の下方に、周方向に延びる空隙を設けたことを特徴とする加熱気化装置。 - 軸方向を上下に向け、所定の間隔をおいて二重に配置された内筒と外筒とを備え、上記内筒の外周面および/または上記外筒の内周面には多孔質材によって形成された液体浸透板を設けてなり、上記内筒内および/または上記外筒外を加熱することにより、上記液体浸透板の上部に供給された液体を気化させるように構成してなる加熱気化装置であって、
上記液体浸透板には、周方向に延びる空隙を複数設け、
上記各空隙は、最上位置の一の空隙が上記液体の供給位置の下方に位置し、他の空隙が直上位置の空隙の周方向の端部の下方に位置すべく配置されていることを特徴とする加熱気化装置。 - 上記液体の供給位置の直下位置の空隙は、その上辺が上記液体の供給位置に対応する位置から周方向の端部に向かって漸次下方に位置するように形成されていることを特徴とする請求項9または10に記載の加熱気化装置。
- 上記他の空隙は、その上辺が直上位置の空隙の周方向の端部に対応する位置から周方向の端部に向かって漸次下方に位置するように形成されていることを特徴とする請求項10または11に記載の加熱気化装置。
- 軸方向を上下に向け、所定の間隔をおいて二重に配置された内筒と外筒とを備え、上記内筒の外周面および/または上記外筒の内周面には多孔質材によって形成された液体浸透板を設けてなり、上記内筒内および/または上記外筒外を加熱することにより、上記液体浸透板の上部に供給された液体を気化させるように構成してなる加熱気化装置であって、
上記液体浸透板は、上記液体の供給位置の周囲における当該供給位置の近傍に沿うラインより当該供給位置側の内側部分と外側部分とが別体のもので形成されていることを特徴とする加熱気化装置。 - 軸方向を上下に向け、所定の間隔をおいて二重に配置された内筒と外筒とを備え、上記内筒の外周面および/または上記外筒の内周面には多孔質材によって形成された液体浸透板を設けてなり、上記内筒内および/または上記外筒外を加熱することにより、上記液体浸透板の上部に供給された液体を気化させるように構成してなる加熱気化装置であって、
上記液体浸透板は、上記液体の供給位置の下方でかつ当該供給位置の近傍を周方向に延びるラインより上側部分と下側部分とが別体のもので形成されていることを特徴とする加熱気化装置。 - 上記外側部分には、少なくとも内側部分の下方に、周方向に延びる空隙を設けたことを特徴とする請求項13に記載の加熱気化装置。
- 上記下側部分には、周方向に延びる空隙を設けたことを特徴とする請求項14に記載の加熱気化装置。
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