JP2007329056A - 燃料電池の運転方法と燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池の低温起動時における起動性を高める。
【解決手段】燃料電池10の内部の水の凍結が起き得るとして予め定めた状況では、アノードガス供給流路24とカソードガス供給流路34における水素分岐バルブ26と空気分岐バルブ36を駆動し、アノードへは、空気分岐流路38を経て空気を供給し、カソードへは水素ガスを供給する。これにより、凍結起動時において水の凍結によりガス拡散性が阻害されても、アノード側では分子サイズが小さく含有率も高い水素が供給されることから、凍結起動時におけるアノードでの水素の拡散は、空気供給の場合に比して高まる。
【選択図】図2
【解決手段】燃料電池10の内部の水の凍結が起き得るとして予め定めた状況では、アノードガス供給流路24とカソードガス供給流路34における水素分岐バルブ26と空気分岐バルブ36を駆動し、アノードへは、空気分岐流路38を経て空気を供給し、カソードへは水素ガスを供給する。これにより、凍結起動時において水の凍結によりガス拡散性が阻害されても、アノード側では分子サイズが小さく含有率も高い水素が供給されることから、凍結起動時におけるアノードでの水素の拡散は、空気供給の場合に比して高まる。
【選択図】図2
Description
本発明は、電解質を第1の電極と第2の電極で挟持し、発電用の燃料ガスを第1の電極に供給し、酸素含有ガスを第2の電極に供給して発電を行う燃料電池に関する。
燃料電池は、発電用の燃料ガスと酸素含有ガスの供給を経た発電に際しては、燃料ガス中の燃料種(例えば、水素ガスであれば水素)と酸素含有ガス中の酸素との電気化学反応を利用している。このため、発電に伴って水が生成される。この生成水が不用意に電極や電極に密着した多孔質のガス拡散層内に残存すると、生成水の凝集によりフラッディングを招いてガス拡散性が低下する。このガス拡散性の低下は、生成水の凍結によっても起き得る。このため、生成水の処置に関する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1)。
この特許文献で提案された燃料電池では、燃料電池の運転停止の状況下において、一旦、アノードとカソードの残存ガスを掃気し、通電発電時に供給されていたガスの供給先を切り替えている。詳しくは通常発電時にアノードに供給していた燃料ガスをカソードに供給し、通常発電時にカソードに供給していた空気をアノードに供給して発電させている。こうすることで、通常発電の際にカソード側で生成されてカソード側に残存する生成水を、水素イオンと共にアノード側に移動させておいて、運転停止後の起動時におけるアノード側の水分確保を図り、起動性を高めようとしている。
しかしながら、運転停止状況下での生成水の上記した措置では、以下に記す理由から起動性の向上の改善余地が残されている。運転停止状況下におけるカソード側からアノード側への生成水移動によりアノード側で水分確保がなされているとしても、この停止状況前の状況においてはカソード側での水の生成が継続されている。よって、カソード側の方が生成水の残存は多くなり、この状態は次回の起動時まで変わることはない。また、運転起動時においても、通電発電時と同様にアノードには燃料ガスが供給され、カソードには空気が供給されることから、カソード側で水が生成されることには変わりはなく、カソード側ではアノード側より水(生成水)はより多く残存することになる。
このため、低温起動時にあっては、カソード側では既述したように残存水が多いことから、アノード側に比べて残存水の凍結が起きやすくなる。残存水に限らず、上記した起動時のガス供給に伴うカソード側の生成水がその生成の直後からカソード側で凍結するような事態が起き得る。そうすると、カソード側では、供給されてきた空気の拡散が残存水や生成水の凍結により阻害されるので、低温起動時にあってはガス供給に伴う発電ができないという事態や、一旦は発電したとしてもカソード側での空気の拡散阻害により短時間の内に出力が低下してしまい、継続発電ができないといった事態も起き得る。
本発明は、燃料電池を起動させる際の上記問題点を解決するためになされ、低温起動時における起動性を高めることをその目的とする。
かかる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明では、電解質を第1の電極と第2の電極で挟持した燃料電池に対して、発電用の燃料ガスを前記第1の電極に供給し、酸素含有ガスを前記第2の電極に供給して発電を行うに当たり、発電のための起動時において、燃料電池の内部での水の凍結が起き得るとして予め定めた状況(以下、説明の便宜上、凍結誘起状況、とも呼ぶ)であるかを判定し、凍結誘起状況であれば、前記燃料ガスと前記酸素含有ガスの供給先を、前記燃料ガスの供給先が前記第2の電極になり、前記酸素含有ガスの供給先が前記第1の電極になるように変更する。つまりは、起動時以外の通常の発電時にあっては、発電用の燃料ガスを第1の電極に供給し、酸素含有ガスを第2の電極に供給するのに対し、起動時において、燃料電池の内部が凍結誘起状況で無ければ、その起動時にあっても通常の発電時と同様にガス供給を行う一方、起動時に凍結誘起状況であれば、燃料ガスと酸素含有ガスとを既述したように通常発電時と逆の電極側に供給する。そして、通常発電時と逆の電極にガス供給を行って起動した後に、凍結誘起状況から脱すると、前記燃料ガスと前記酸素含有ガスの供給先を通常発電時の電極に戻す。
上記した本発明にあっても、通常発電時に酸素含有ガスの供給を受ける第2の電極では第1の電極の側より残存水が多い状況が起き得るが、水の凍結誘起状況での起動時(以下、この状況を凍結起動時と称する)においては、この第2の電極には燃料ガスが供給される。燃料ガスは、燃料電池における電解質の性質によって採択されるが、一般的には、水素を燃料種として含有するガス(水素ガス)が用いられる。そうすると、凍結起動時において、第2の電極の側では、残存水が多いために多くの水の凍結によりガスの拡散性が阻害されていたとしても、この凍結起動時において第2の電極に燃料ガスを供給する本発明によれば、こうした凍結起動時に第2の電極に酸素含有ガスを供給する場合に比して、燃料ガス中の水素と酸素含有ガス中の酸素との分子サイズの相違から、水の凍結によるガス拡散性の阻害程度は小さくなる。換言すれば、凍結起動時において第2の電極に燃料ガスを供給する本発明によれば、こうした凍結起動時に第2の電極に酸素含有ガスを供給する場合に比して、第2の電極の側でのガス拡散(燃料ガスの拡散)は進むことになる。また、燃料ガス中の水素含有率は酸素含有ガス中の酸素含有率より大きいことからも、凍結起動時において第2の電極に燃料ガスを供給する本発明によれば、こうした凍結起動時に第2の電極に酸素含有ガスを供給する場合に比して、第2の電極の側でのガス拡散(燃料ガスの拡散)は進むことになる。
また、通常発電時に燃料ガスの供給を受ける第1の電極では、既述したように第2の電極の側より残存水が少ないことから、凍結起動時における凍結によるガス拡散性の阻害程度は小さくなる。よって、本発明によれば、ガス拡散性の阻害程度の小さい第1の電極の側へ酸素含有ガスを供給するので、凍結起動時においてこの第1の電極の側でのガス拡散(酸素含有ガスの拡散)はある程度進むことになる。第1と第2の電極での上記したガス拡散の確保により、本発明では、凍結起動時にあっても、ガス供給に伴う発電(起動時発電)を継続して実行でき、この凍結起動時発電の継続の結果、水の凍結が起きなくなれば、通常時のガス供給に伴う発電に移行できる。この結果、上記構成を有する本発明によれば、凍結起動時における起動性を高めることができる。
以上説明した本発明は、電解質を第1の電極と第2の電極で挟持し、発電用の燃料ガスを前記第1の電極に供給する燃料ガス第1供給ラインと、酸素含有ガスを前記第2の電極に供給する酸素含有ガス第1供給ラインとを備える燃料電池システムにも適用でき、当該燃料電池システムは、前記燃料ガスを前記第2の電極に供給する燃料ガス第2供給ラインと、前記酸素含有ガスを前記第1の電極に供給する酸素含有ガス第2供給ラインとを備え、起動時において、凍結判定手段が燃料電池の内部での水の凍結が起き得るとして予め定めた状況(凍結誘起状況)にあることを判定すると、燃料ガスと酸素含有ガスの供給先を定める供給モードを、前記燃料ガスの供給先が前記第1の電極となり前記酸素含有ガスの供給先が前記カソードとなる第1供給モードから、前記燃料ガスの供給先が前記カソードとなり前記酸素含有ガスの供給先が前記第1の電極となる第2供給モードに変更する。これにより、既述したように起動時に凍結誘起状況であれば、燃料ガスと酸素含有ガスとを、それぞれのガスについての第2供給ラインを経て、既述したように通常発電時と逆の電極側に供給する。よって、本発明の燃料電池システムによっても、凍結起動時における起動性を高めることができる。
上記した本発明の燃料電池システムにおいて、ガス供給を切り替えるに当たり、前記燃料ガス第2供給ラインを、前記燃料ガス第1供給ラインから分岐して前記第2の電極に到る燃料ガス分岐ラインとし、前記酸素含有ガス第2供給ラインを、前記酸素含有ガス第1供給ラインから分岐して前記第1の電極に到る酸素含有ガス分岐ラインとした上で、燃料ガスの通過経路を前記燃料ガス第1供給ラインと前記燃料ガス分岐ラインのいずれかに切り替える燃料ガス切替バルブと、酸素含有ガスの通過経路を前記酸素含有ガス第2供給ラインと前記酸素含有ガス分岐ラインのいずれかに切り替える酸素含有ガス切替バルブとを有するものとできる。
また、本発明の燃料電池システムにおいて、前記第1と第2の電極で前記電解質を挟持した単セルを単位として、前記第1と第2の電極ごとに、それぞれの電極に対してガスを供給するセル内流路を備えるものとした上で、少なくとも前記第1の電極についての前記セル内流路を、ガスの流入ポートと流出ポートとを前記第1の電極の電極面において並行に並んだ複数の並行流路にて結び、該並行流路にてガスを前記第1の電極に供給しつつ、前記流入ポートからの流入余剰ガスを前記並行流路を経て前記流出ポートに通過させる第1流路と、前記流入ポートから前記第1の電極の電極面の側に延びた複数の流入側並行流路と、前記流出ポートから前記第1の電極の電極面の側に延びた複数の流出側並行流路とを、その経路に亘って非干渉で交錯して備え、前記流入側並行流路にてガスを前記第1の電極に供給しつつ、前記流入ポートから前記流入側並行流路を経て流入した余剰ガスを前記第1の電極を経由した後に前記流入側並行流路の隣の前記流入側並行流路を経て前記流出ポートに通過させる第1流路とを備えるものとする。そして、更に、前記第1供給モードでのガス供給時にはセル内ガス流路を前記第1流路に切り替え、前記第2供給モードでのガス供給時にはセル内ガス流路を前記第2流路に切り替えるセル内流路切替手段を備えるようにする。こうすれば次の利点がある。
発電用の燃料ガスを第1の電極に供給し、酸素含有ガスを第2の電極に供給する第1供給モードでの通常時の発電に際して、少なくとも第1の電極では、上記したセル内流路の第1流路にて燃料ガスがこの第1の電極に供給される。つまり、燃料ガスは、通常発電時においては、第1の電極に対して、ガスの流入ポートから流入して、この第1の電極の電極面において並行に並んだ複数の並行流路を通過する。この並行流路通過の間に、燃料ガスは第1の電極に供給され、余剰分の燃料ガスは、複数の並行流路を通過してガスの流出ポートからセル外に流出する。
その一方、起動時に凍結誘起状況であれば、ガスの供給モードは、燃料ガスを第2の電極に供給し、酸素含有ガスを第1の電極に供給する第2供給モードとなることから、少なくとも第1の電極の側では次のようになる。この第1の電極には、酸素含有ガスが供給されるが、この場合のセル内流路は、上記した第2流路となる。よって、酸素含有ガスは、凍結起動時においては、第1の電極に対して、ガスの流入ポートから流入して、この第1の電極の電極面において並行に並んだ複数の流入側並行流路を通過する。この流入側並行流路通過の間に、酸素含有ガスは第1の電極に供給される。この流入側並行流路はガスの流出ポートに連通していないことから、流入側並行流路を通過してきた余剰分の酸素含有ガスは、流入側並行流路から第1の電極に流れ込む。第2の流路は、この流入側並行流路とその経路に亘って非干渉で交錯した複数の流出側並行流路を流出ポートから第1の電極の電極面の側に延ばして備えることから、流入側並行流路から第1の電極に流れ込んだ余剰の酸素含有ガスは、流入側並行流路の隣の流出側並行流路に流れ込み、この流出側並行流路のそれぞれを通過してガスの流出ポートからセル外に流出する。つまり、凍結起動時における第1の電極では、供給された酸素含有ガスの余剰分は隣り合う流入側並行流路と流出側並行流路との間における電極を通過した後に、セル外に排出される。
上記したガス通過を起こす第1の電極では、凍結起動時における供給ガスが酸素含有ガスであることから、水が生成される。この生成水は、隣り合う流入側並行流路と流出側並行流路との間における電極を通過する余剰分の酸素含有ガスにより電極から取り除かれ、余剰分の酸素含有ガスと共に、流出側並行流路のそれぞれを通過してガスの流出ポートからセル外に流出する。よって、次の利点がある。
凍結起動時において上記のように生成された水が第1の電極に留まっていると、その水自体が凍結してガス拡散性を阻害することになる。しかしながら、上記の本発明の態様では、凍結起動時の生成水を上記したようにセル外に排出するので、凍結起動時における第1の電極の側でのガス拡散性を確保できる。この結果、上記の本発明の態様によれば、凍結起動時の始動性をより高めることができる。
しかも、第2供給モードでのガス供給の実行後に凍結誘起状況から脱すれば、ガスの供給モードは第2供給モードから第1供給モードとなるので、それ以降では、第1の電極には燃料ガスが供給される。そして、この際のセル内流路は第1流路となるので、供給ガスたる燃料ガスは複数の並行流路を通過しつつ第1の電極に供給され、余剰分の燃料ガスは、複数の並行流路を通過してセル外に流出するのであり、第1の電極の水を当該電極から取り除くようには機能しない。このため、第1の電極、延いては電解質を不用意に乾燥させないようにできるので、発電の際の電気化学反応を円滑に進行させることができ、発電の安定性に寄与できる。
上記した本発明の態様において、前記第1の電極についての前記セル内流路を、前記流入ポートとしての第1の流入ポートと第2の流入ポートとを非干渉に並べて備えると共に、前記流出ポートとして第1の流出ポートと第2の流出ポートとを非干渉に並べて備えた上で、前記第1の流入ポートと前記第1の流出ポートとを複数の並行流路にて結ぶ第1の並行流路群と、前記第2の流入ポートと前記第2の流出ポートとを結ぶ複数の並行流路を前記第1の並行流路群の前記並行流路と非干渉の状態で備えた第2の並行流路群と、前記第1と第2の並行流路群の一方の並行流路群における流入ポートからのガス流入を阻止しつつ、他方の並行流路群における流出ポートからのガス流出を阻止する阻止手段とを備えるものとし、この前記セル内流路切替手段を、前記第1供給モードでのガス供給時には前記阻止手段によるガスの流入・流出阻止を行わず、前記第2供給モードでのガス供給時には前記阻止手段によるガスの流入・流出阻止を行うものとできる。
こうすれば、第1の電極についてのセル内流路を構成する既述した第1流路と第2流路を、第1の並行流路群と第2の並行流路群、および阻止手段により簡便に実現できる。つまり、第1供給モードでのガス供給時には、阻止手段によるガスの流入・流出阻止を行わないので、この第1供給モードで第1の電極に供給された燃料ガスは、第1の流入ポートと第1の流出ポートとを結ぶ複数の並行流路と、第2の流入ポートと第2の流出ポートとを結ぶ複数の並行流路とをいずれもその経路に沿って通過し、隣り合う並行流路間の電極を通過することはない。
その一方、第2供給モードでのガス供給時には、阻止手段によるガスの流入・流出阻止を行う。よって、この場合は、第1と第2の並行流路群の一方の並行流路群、例えば第1の並行流路群の第1の流入ポートからのガス流入が阻止されるので、この第1の並行流路群の並行流路は、第1の流出ポートから延びた並行流路となる。また、他方の並行流路群たる第2の並行流路群では、第2の流出ポートからのガス流出が阻止されるので、この第2の並行流路群の並行流路は、第2の流入ポートから延びた並行流路となる。しかも、第1と第2の並行流路群のそれぞれの並行流路は、非干渉である。このため、第2供給モードで第1の電極に供給された酸素含有ガスは、第1の流入ポートからのガス流入が阻止された第1の並行流路群の各並行流路には流れず、ガス流入が阻止されていない第2の流入ポートから第2の並行流路群の各並行流路に流れ込む。そして、この第2の並行流路群は、その第2の流出ポートからのガス流出が阻止されていることから、第2の並行流路群の各並行流路に流れ込んだ酸素含有ガスは、その余剰分が、この第2の並行流路群の各並行流路と隣り合う第1の並行流路群の各並行流路に第1の電極を通過して流れ込む。この場合の第1の並行流路群では、第1の流出ポートからのガス流出が阻止されていないので、第1の電極を通過して第1の並行流路群の各並行流路に流れ込んだ酸素含有ガスの余剰分は、第1の並行流路群の第1の流出ポートを経てセル外に排出される。
このように、第1と第2の並行流路群を備える態様によれば、それぞれの流路群の複数の流路を非干渉な並行流路とした上で、各並行流路群に対応した第1、第2の流入・流出ポートを非干渉とすればよいことから、構成の簡略化を図ることができる。加えて、流路や流入・流出ポートの形状に特段の制約がないので形状の単純化を図ることができることから、製造工程の簡略化、コスト低減の上でも有益である。
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき次の順序で説明する。図1は実施例の燃料電池システム100の構成を概略的に示すブロック図である。この燃料電池システム100は、主に燃料電池10と、水素タンク20と、ブロワ30と、制御装置200と、加湿器32とを備えている。
燃料電池10は、水素分離膜型の燃料電池であり、構成単位である単セルを複数積層したスタック構造を有している。各単セルは、電解質膜を挟んで水素極(以下、アノードと呼ぶ)と酸素極(以下、カソードと呼ぶ)とを配置した構成となっている。各々の単セルのアノード側に水素を含有する燃料ガス(以下、アノードガスと呼ぶ)を供給し、カソード側に酸素を含有する酸化ガスを供給することで、電気化学反応が進行し、燃料電池10は発電する。燃料電池10で生じた電力は、燃料電池10に接続される所定の負荷(図示せず)に供給される。なお、燃料電池10としては、上記した水素分離膜型燃料電池の他、固体高分子型燃料電池や、アルカリ水溶液電解質型や、リン酸電解質型や、あるいは溶融炭酸塩電解質型等、種々のタイプの燃料電池を用いることができる。
ブロワ30は、酸化ガスとしての空気を燃料電池10のカソード側に供給するための装置である。ブロワ30は、カソードガス供給流路34を介して燃料電池10のカソード側に接続されている。カソードガス供給流路34には、加湿器32が設けられている。ブロワ30で圧縮された空気は、加湿器32によって加湿された後に燃料電池10に供給される。燃料電池10には、カソード排ガス流路39が配されており、電気化学反応に供された後のカソードからの排ガスは、カソード排ガス流路39を通じて外部に排出される。
水素タンク20は、高圧の水素ガスが貯蔵される貯蔵装置であり、アノードガス供給流路24を介して燃料電池10のアノード側に接続されている。アノードガス供給流路24上において、水素タンク20の近傍にはアノードガス遮断弁23、およびレギュレータ22が設けられている。アノードガス遮断弁23は、レギュレータ22よりも水素ガスの流れ方向に対して上流側に設けられている。このアノードガス遮断弁23が、閉弁状態であると、水素タンク20からの水素ガスの供給が遮断され、開弁状態であると、水素タンク20からの水素ガスが供給される。このアノードガス遮断弁23の開閉は、制御装置200により制御される。
水素タンク20からアノードガス供給流路24へ供給された高圧の水素ガスは、レギュレータ22によって調圧される。調圧された水素ガスは、アノードガスとして燃料電池10のアノード側へ供給される。調圧後の圧力は、燃料電池10に接続される負荷の大きさ等に応じて適宜設定すればよい。そして、燃料電池10には、アノード排ガス流路29が配されており、電気化学反応に供された後のアノードからの排ガスは、アノード排ガス流路29を通じて外部に排出される。アノードおよびカソードからの排ガスは、電気化学反応に供されたガスの余剰分でもある。
既述したように、燃料電池10のアノードは、アノードガス供給流路24を経て発電用の燃料ガスである水素ガスの供給を受けることから、本発明の第1の電極に該当し、アノードガス供給流路24は本発明における燃料ガス第1供給ラインに該当する。カソードは、カソードガス供給流路34を経て酸素含有ガスたる空気の供給を受けることから、本発明の第2の電極に該当し、カソード排ガス流路39は本発明における酸素含有ガス第1供給ラインに該当する。
本実施例の燃料電池システム100は、上記した供給ライン構成に加え、次の供給ラインを備える。即ち、アノードガス供給流路24は、燃料電池10の側に水素分岐バルブ26を備え、当該バルブからカソードガス供給流路34まで分岐した水素供給ラインを形成する水素分岐流路28を有する。カソードガス供給流路34は、燃料電池10の側に空気分岐バルブ36を備え、当該バルブからアノードガス供給流路24まで分岐した空気供給ラインを形成する空気分岐流路38を有する。上記した両バルブは、後述するように制御装置200により駆動制御され、燃料電池10の通常の運転時にあっては、水素・空気の分岐流路側を遮断し、後述の凍結起動時においては、水素・空気の分岐流路側を開放する。図2は水素分岐バルブ26と空気分岐バルブ36のバルブ切替によるガス供給の様子を燃料電池セル単位で表した説明図である。両バルブがそれぞれの分岐流路側を開放すると、燃料電池10のアノードには、水素ガスに変わって空気が供給され、カソードには、空気に変わって水素ガスが供給される。よって、水素分岐流路28と空気分岐流路38は、本発明における燃料ガス・酸素含有ガスの第2供給ライン、ガス分岐ラインに該当し、水素分岐バルブ26とカソード排ガス流路39は、本発明における燃料ガス・酸素含有ガスの切替バルブに該当する。
水素分岐バルブ26と空気分岐バルブ36は上記したように駆動するが、両バルブのイニシャルポジションは、図2の通常運転時のように、アノードにはアノードガス供給流路24をへて水素ガスが供給され、カソードにはカソードガス供給流路34を経て空気が供給されるバルブ位置とされている。
なお、水素タンク20に代えて、アルコール、炭化水素、アルデヒドなどを原料とする改質反応によって水素を生成し、アノードガス遮断弁23、レギュレータ22を介して燃料電池10のアノード側へ供給するものとしてもよい。また、電解質膜の性質によっては、水素とそれ以外のガスを含有する燃料ガスを供給するような構成とすることもできる。
この他、燃料電池システム100は、燃料電池10の温度を検出するための温度センサ12を燃料電池10の筐体表面に装着して備える。
制御装置200は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、詳しくは、予め設定された制御プログラムに従って所定の演算などを実行するCPU(図示せず)と、CPUで各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納されたROM(図示せず)と、同じくCPUで各種演算処理をするのに必要な各種データが一時的に読み書きされるRAM(図示せず)と、各種信号を入出力する入出力ポート(図示せず)等を備える。この制御装置200は、負荷要求に関する情報等を取得して、燃料電池システム100を構成する各部、すなわち、ブロワ30および加湿器32等に駆動信号を出力し、燃料電池システム100全体の運転状態を勘案してこれらを制御する。
また、制御装置200は、凍結判定部210と、起動時ガス供給制御部220と、通常運転制御部230とを構成する。凍結判定部210は、温度センサ12からのセンサ出力に基づいて後述のプログラムと協働して燃料電池10における水の凍結状態を判定する。起動時ガス供給制御部220は、燃料電池10の起動時におけるガスの供給の様子を設定する水素分岐バルブ26や空気分岐バルブ36を後述のプログラムに基づき制御する。通常運転制御部230は、アノードガス遮断弁23の開閉制御を行う他、起動後の通常運転状況下におけるブロワ30や加湿器32、延いては水素分岐バルブ26やカソード排ガス流路39についても制御する。
次に、上記の機器構成を有する燃料電池システム100の制御装置200が行う起動時ガス供給制御について説明する。図3は起動時ガス供給制御の処理内容を表わすフローチャートである。
図3の起動時ガス供給制御は、図示しないイグニッションスイッチのON操作を契機に実行され、当該ON操作から所定期間の間において繰り返し実行され、制御装置200は、まず、温度センサ12のセンサ出力に基づいて燃料電池10の温度(筐体温度Tm)を読み込む(ステップS100)。制御装置200は、読み込んだ筐体温度Tmに基づいて、燃料電池10の内部における水が凍結する可能性の有無の判定と(ステップS110)、電池内部の水が凍結している状況か否かの判定(ステップS120)とを行う。ステップS110の凍結の可能性判定に際しては、例えば、筐体温度Tmが5℃以上であれば、その温度では電池内部の水の凍結は起きる可能性が無いと判定(否定判定)し、筐体温度Tmが5℃を下回っていれば、電池内部の水の凍結が起きる可能性が残されていると判定(肯定判定)する。
ステップS120の凍結状況の判定に際しては、例えば、筐体温度Tmが0℃以下であれば、電池内部の水の凍結が起き得るとして予め定めた凍結誘起状況であると肯定判定し、筐体温度Tmが0℃を越えていれば、電池内部の水の凍結が起きる可能性はあるものの凍結が起きてはいないと否定判定する。本ルーチンは繰り返し実行されるものであることから、当初、筐体温度Tmが0℃以下であれば、ステップS110とステップS120では共に否定判定される。しかし、時間の経過(即ち、燃料電池10の起動運転の経過)と共に筐体温度Tmは上昇するので、ステップS110での肯定判定(Tm<5℃)に続いてステップS120で否定判定されるときがある(例えば、Tm=3℃)。つまり、ステップS120で肯定判定した状況は、燃料電池10の内部の水の凍結が起き得る凍結起動時の状況であるといえ、ステップS110での肯定判定に続いてステップS120で否定判定した状況は、当初から筐体温度Tmが0℃<Tm<5℃の状況にあるために水の凍結がないと予想される状況、或いは、当初は水の凍結誘起状況であったが筐体温度Tmの上昇と共に水の凍結誘起状況から脱した状況であるといえる。
制御装置200は、ステップS120の肯定判定により燃料電池10の内部では水の凍結が起き得る凍結起動時の状況であると判定すると、アノードガス供給流路24の水素分岐バルブ26およびカソードガス供給流路34の空気分岐バルブ36に駆動信号を出力し、ガス供給モードを水素分岐流路28と空気分岐流路38を経た凍結起動時のガス供給に設定・維持する(ステップS130)。よって、この凍結起動時には、燃料電池10のアノードとカソードには、通常運転時とは逆のガス供給となり、アノードへの空気供給とカソードへの水素ガス供給とが行われ(図2参照)、燃料電池10は、こうしたガスに伴って発電する。この場合、水素分岐バルブ26と空気分岐バルブ36のイニシャルポジションは、既述したようにアノードには水素ガスが、カソードには空気が供給されるバルブ位置であることから、ステップS130の実行に伴って、ガスの供給先が変更されることになる。
一方、制御装置200は、ステップS110において電池内部の水の凍結は起きる可能性が無いと判定(否定判定)すると、或いはステップS120において水の凍結がないと予想される状況か水の凍結誘起状況から脱した状況であると判定すると、アノードガス供給流路24の水素分岐バルブ26およびカソードガス供給流路34の空気分岐バルブ36に駆動信号を出力し、ガス供給モードをアノードガス供給流路24とカソードガス供給流路34を経た通常運転時のガス供給に設定・維持する(ステップS140)。よって、この通常運転時には、燃料電池10のアノードへの水素ガス供給とカソードへの空気供給とが行われ、燃料電池10は、こうしたガスに伴って発電する。この場合、水素分岐バルブ26と空気分岐バルブ36のイニシャルポジションは、既述したようにアノードには水素ガスが、カソードには空気が供給されるバルブ位置であることから、両バルブが既にこのバルブ位置にあれば、当該位置が維持され、ステップS130により既述したようにバルブが切り替えれていれば、両バルブをイニシャルポジションに戻し、ガス供給モードにあっても、凍結起動時の供給モードから通常運転時の供給モードに復帰することになる。
なお、ステップS130におけるガス供給の際には、燃料電池10の例えばアイドリング運転に適した発電要求を達成できるよう、制御装置200は、ブロワ30等を制御(発電制御)する。また、ステップS140におけるガス供給にあっても同様である。
制御装置200は、イグニッションスイッチのON操作を受けた起動時において、上記した起動時処理を行う。そして、起動から所定時間経過すると、負荷要求に基づいたガス供給量でのアノードへの水素ガス供給とカソードへの空気供給を行う通常運転時の図示しないガス供給制御(運転制御)にて、燃料電池10の発電を行う。この場合、図3のステップS140における処理を、負荷要求に基づいたガス供給量でのアノードへの水素ガス供給とカソードへの空気供給を行うものとすることもできる。
以上説明したように、本実施例では、燃料電池10の通常運転状況下では、燃料電池10のアノードに水素ガスを供給し、カソードへは空気を供給して燃料電池10の発電を行うものの、イグニッションスイッチのON操作を経た起動時において
燃料電池10の内部の水の凍結が起き得る凍結起動時であれば(ステップS120)、水素ガスと空気の供給先を、水素ガスの供給先が通常運転時とは逆のカソードになり、空気の供給先が通常運転時とは逆のアノードになるように変更する(ステップS130)。また、燃料電池10の起動時において電池内部の水の凍結誘起状況で無ければ、その起動時にあっても通常の発電時と同様にガス供給を行う(ステップS140)。そして、通常発電時と逆の電極にガス供給を行って起動した後に、凍結誘起状況から脱すると(ステップS120否定判定)、水素ガスと空気の供給先を通常発電時の電極(アノード・カソード)に戻す(ステップS140)。上記したように、凍結起動時にガス供給を逆にする本実施例によれば、次の利点がある。
燃料電池10の内部の水の凍結が起き得る凍結起動時であれば(ステップS120)、水素ガスと空気の供給先を、水素ガスの供給先が通常運転時とは逆のカソードになり、空気の供給先が通常運転時とは逆のアノードになるように変更する(ステップS130)。また、燃料電池10の起動時において電池内部の水の凍結誘起状況で無ければ、その起動時にあっても通常の発電時と同様にガス供給を行う(ステップS140)。そして、通常発電時と逆の電極にガス供給を行って起動した後に、凍結誘起状況から脱すると(ステップS120否定判定)、水素ガスと空気の供給先を通常発電時の電極(アノード・カソード)に戻す(ステップS140)。上記したように、凍結起動時にガス供給を逆にする本実施例によれば、次の利点がある。
上記した本実施例の燃料電池10にあっても、通常発電時に空気の供給を受けるカソードでは、アノードの側から電解質膜を透過してきた水素イオンとの電気化学反応により水が生成する。よって、このカソードの側は、アノードの側より残存水が多い状況が起き得るが、凍結起動時においては、このカソードには水素ガスが供給され、供給された水素ガスがカソードの電極面に拡散することになる。水素ガス中の水素は、空気中の酸素よりその分子サイズが小さいことから、カソード電極面における拡散性は酸素より高い。また、水素ガス中の水素含有率も空気中の酸素含有率より大きいことから、カソード電極面における拡散性は、空気を供給した場合より水素ガスを供給した場合の方が高まる。
このため、凍結起動時において、カソードの側では、残存水が多いために多くの水の凍結によりガスの拡散性が阻害されていたとしても、この凍結起動時においてカソードに水素ガスを供給する燃料電池システム100によれば、こうした凍結起動時においてカソードに空気を供給する場合に比して、水の凍結によるガス拡散性の阻害程度は小さくなり、カソードの側での水素ガス拡散は進むことになる。
しかも、通常発電時に水素ガスの供給を受けるアノードでは、既述したようにカソードの側より残存水が少ないことから、凍結起動時における凍結によるガス拡散性の阻害程度はそもそも小さい。そして、燃料電池システム100は、ガス拡散性の阻害程度の小さいアノードの側へ空気を供給するので、凍結起動時においてこのアノードの側でのガス拡散(空気の拡散)はある程度進むことになる。これらの結果、凍結起動時におけるアノード・カソードの両電極でのガス拡散の確保により、本実施例の燃料電池システム100では、凍結起動時にあっても、ガス供給に伴う発電(起動時発電)を確実に継続して実行できる(ステップS130)。そして、この凍結起動時発電の継続の結果、燃料電池10での電気化学反応の進行に伴って燃料電池10の温度が上がり、電池内部での水の凍結が起きなくなれば、通常時のガス供給に伴う発電に移行できる(ステップS140)。こうしたことから、本実施例の燃料電池システム100によれば、凍結起動時における起動性を高めることができる。
次に、変形例について説明する。図4は変形例の燃料電池システム100の構成を概略的に示すブロック図である。
図4に示す変形例の燃料電池システム100は、アノードガス供給流路24への空気分岐流路38の合流箇所より下流において、アノードガス供給流路24から分岐したガス供給分岐流路24aを備え、当該分岐流路から各セルのアノードに供給されたガスの排ガス流路としてガス排気分岐流路29aを備え、当該分岐流路をアノード排ガス流路29に接続させている。また、変形例の燃料電池システム100は、アノードガス供給流路24から分岐したガス供給分岐流路24aの経路中の燃料電池10の上流に供給開閉バルブ40を備え、アノードガス供給流路24からの供給系統においては、排気開閉バルブ41をアノード排ガス流路29の経路中に備える。この場合、ガス排気分岐流路29aは、排気開閉バルブ41より下流側でアノード排ガス流路29に合流している。
燃料電池システム100は、アノード側のこうしたガス供給経路を有することから、次のようにして各セルのアノードにガスを供給する。今、ガス供給分岐流路24aの供給開閉バルブ40と、アノード排ガス流路29の排気開閉バルブ41とを共に管路開放の状態とすれば、アノードには、アノードガス供給流路24を経たガス供給と、ガス供給分岐流路24aを経たガス供給とが可能となる。その一方、供給開閉バルブ40と排気開閉バルブ41とを共に管路閉鎖の状態とすれば、アノードには、アノードガス供給流路24をへてガスが供給される。この場合、アノードガス供給流路24に繋がるアノード排ガス流路29は、排気開閉バルブ41により管路閉鎖とされているので、アノードガス供給流路24から供給されたガスは、後述するようにガス排気分岐流路29aを経てセル外に排出される。
燃料電池システム100は、上記したようなガス供給を受けて発電すべく、各セルのアノード側の流路を次のように構成している。図5は変形例における特徴的な構成であるアノード側流路の構成部材を概略的に説明する説明図、図6はアノード側流路を経たガス供給の様子とガスの挙動を説明する説明図である。
図5に示すように、燃料電池10を構成するセルは、MEGAプレート50を備え、そのアノード側に、流路形成第1プレート60と、流路形成第2プレート70とを積層して備える。この場合のアノードは、既述した通常運転時に水素ガスが供給される電極である。MEGAプレート50は、その中央領域を膜・電極・拡散層接合体(MEGA)として備える。このMEGAは、電解質膜をその両側の電極と接合させたMEA(Membrane Electrode Assembly)と、その両側のガス拡散層とを備え、MEAを両側のガス拡散層で挟持して構成される。MEGAプレート50は、このMEGA周囲に、ガス通過孔51〜54を備える。
これらガス通過孔は、アノードガス供給流路24やガス供給分岐流路24aから供給されたガス、およびカソードガス供給流路34から供給されたガスを、隣り合うセルに透過させるためのものである。通常運転時を例に挙げ説明すると、アノードガス供給流路24を経て供給された水素ガスは、ガス通過孔51を図における下方から上方側に通過して隣のセルに供給され、水素ガスの余剰分は、隣のセルからの排ガスおよびそのセル自体の排ガスとしてガス通過孔52を図における上方から下方側に通過する。カソードガス供給流路34を経て供給された空気は、ガス通過孔53を図における下方から上方側に通過して隣のセルに供給され、空気の余剰分は、隣のセルからの排ガスおよびそのセル自体の排ガスとしてガス通過孔54を図における上方から下方側に通過する。なお、説明の便宜上、ガス通過孔52やガス通過孔54におけるガス通過方向をガス通過孔51とガス通過孔53の場合と逆向きにしたが、各通過孔のガス通過方向を総て同じにすることもできる。
流路形成第2プレート70は、MEGAプレート50と積層された状態で、MEGAプレート50のガス通過孔51と重なる第1ガス通過孔71と第2ガス通過孔72とを、互いに非干渉に並べて備えると共に、ガス通過孔52と重なる第3ガス通過孔73と第4ガス通過孔74とを、互いに非干渉に並べて備える。また、MEGAプレート50のガス通過孔53とガス通過孔54に重なる第5ガス通過孔75と第6ガス通過孔76も備える。そして、流路形成第2プレート70は、図示しないマニホールドを介して、第1ガス通過孔71を図4のアノードガス供給流路24に、第2ガス通過孔72をガス供給分岐流路24aに、第3ガス通過孔73をアノード排ガス流路29に、第4ガス通過孔74をガス排気分岐流路29aに、第5ガス通過孔75をカソードガス供給流路34に、第6ガス通過孔76をカソード排ガス流路39にそれぞれ接続させている。よって、第1ガス通過孔71と第2ガス通過孔72は、本発明におけるセル内流路の第1、第2の流入ポートに該当し、第3ガス通過孔73と第4ガス通過孔74は、本発明におけるセル内流路の第1、第2の流出ポートに該当する。
流路形成第1プレート60は、MEGAプレート50と流路形成第2プレート70に挟持されて積層された状態で、MEGAプレート50のガス通過孔53と流路形成第2プレート70の第5ガス通過孔75と重なるガス通過孔61と、MEGAプレート50のガス通過孔54と流路形成第2プレート70の第6ガス通過孔76と重なるガス通過孔62とを備える。また、流路形成第1プレート60は、複数の第1並行流路63と第2並行流路64とを、互いに非干渉の状態で備える。この場合、第1並行流路63は、その両端において流路形成第2プレート70の第1ガス通過孔71と第3ガス通過孔73に連通する端部貫通孔63aを備え、この両端の端部貫通孔63aの間に亘って形成された凹状の溝で構成される。この溝の開口側はMEGAプレート50の側(つまり、アノード側)とされている。つまり、第1並行流路63は、図5に示すように第2ガス通過孔72と交差するものの、溝状であるためにこの第2ガス通過孔72とは非連通である。第2並行流路64も同様であり、第2ガス通過孔72と第4ガス通過孔74に連通する端部貫通孔64aの間の凹状の溝で構成されている。こうした流路構成であることから、第1並行流路63は、本発明におけるセル内流路の第1、第2の流入ポートに該当する第1ガス通過孔71と第3ガス通過孔73とを結ぶ本発明における第1の並行流路群を構成する。同じく、第2並行流路64は、第2の並行流路群を構成する。そして、ガス供給分岐流路24aの供給開閉バルブ40と、アノード排ガス流路29の排気開閉バルブ41とは、第1と第2の並行流路群の一方の並行流路群における流入ポートからのガス流入を阻止しつつ、他方の並行流路群における流出ポートからのガス流出を阻止するものであることから、本発明の阻止手段に該当し、これらバルブとその制御を行う制御装置200は、本発明におけるセル内流路切替手段を構成する。
図5においては図示を省いたが、図5のMEGAプレート50の上面側では、流路形成第1プレート60Aと流路形成第2プレート70Aとが積層され、この両流路形成プレートにて、ガス通過孔53とガス通過孔54との間の並行流路をMEGAプレート50のMEGAにガス供給できるよう、形成している。図6は、上記したMEGAプレート50と流路形成第1プレート60と流路形成第2プレート70とを積層したセルでの流路の様子を示しており、MEGAプレート50の下面側(アノードの側)では、ガス供給路となる第1並行流路63と第2並行流路64が交互に並び、プレート上面側にあっても、ガス供給路となる並行流路65が並ぶことになる。
次に、上記したセル内流路におけるガス供給の様子について説明する。上記した変形例の燃料電池システム100にあっても、図3で説明した起動時ガス供給制御を実行するが、ガス供給分岐流路24aとアノード排ガス流路29に有する供給開閉バルブ40と排気開閉バルブ41を図3の起動時ガス供給制御の際に次のように駆動制御する。
今、図3のステップS120の肯定判定を受けて凍結起動時であるとすると、制御装置200は、ステップS130において、まず、ガス供給分岐流路24aにおける供給開閉バルブ40と、アノード排ガス流路29における排気開閉バルブ41とを共に管路閉鎖駆動させる。こうなると、アノードガス供給流路24と第1ガス通過孔71を介して連通した複数の第1並行流路63は、ガス流入が可能であるものの、下流側においてガス流出ができない閉塞した流路となり、ガス排気分岐流路29aと第4ガス通過孔74を介して連通した複数の第2並行流路64は、上流側からのガス流入が止められ、ガス排気分岐流路29aの側へのガス流出が可能な閉塞した流路となり、これらの閉塞した流路は、互いに非干渉でありつつ、櫛歯を両側から交錯させたような状態となる。制御装置200は、供給開閉バルブ40と排気開閉バルブ41の閉鎖によりこのようなセル内流路とした上で、アノードガス供給流路24の水素分岐バルブ26およびカソードガス供給流路34の空気分岐バルブ36に駆動信号を出力し、ガス供給モードを水素分岐流路28と空気分岐流路38を経た凍結起動時のガス供給に設定・維持する。これにより、通常運転時には水素ガスが供給されていたアノードには空気が、空気が供給されていたカソードには水素ガスが供給される。
よって、図5においては、供給開閉バルブ40の閉鎖により、第2ガス通過孔72を経て第2並行流路64にはガス(空気)が流れ込まず、MEGAへの空気の供給は、第1ガス通過孔71とこれに連通する複数の第1並行流路63にて行われる。この第1並行流路63に流入した空気(詳しくは、酸素)は、流路通過の間にMEGAに電気化学反応に供せられると共に、余剰の空気は、第1並行流路63の下流が既述したように閉塞していることから、MEGAを通過した後に、第1並行流路63の隣の第2並行流路64に流れ込み、この第2並行流路64を経てガス排気分岐流路29aからセル外に排出される。つまり、凍結起動時におけるアノードでは、供給された空気の余剰分は隣り合う第1並行流路63と第2並行流路64との間におけるMEGAを、図6に符号Rで記したように通過した後に、セル外に排出される。
その一方、ステップS140では、制御装置200は、ガス供給分岐流路24aにおける供給開閉バルブ40と、アノード排ガス流路29における排気開閉バルブ41とを共に管路開放駆動させる。こうなると、燃料電池10の各セルのアノードには、アノードガス供給流路24とガス供給分岐流路24aとからのガス供給が可能とされる。そして、制御装置200は、アノードガス供給流路24の水素分岐バルブ26およびカソードガス供給流路34の空気分岐バルブ36に駆動信号を出力し、ガス供給モードを通常運転時のガス供給とする、即ちアノードには水素ガスを、カソードには空気を供給する。
この通常運転時のセル内では、第1並行流路63と第2並行流路64は、それぞれアノードガス供給流路24或いはガス供給分岐流路24aとガス流入側で連通し、流出側では、アノード排ガス流路29或いはガス排気分岐流路29aと連通する。よって、各セルのアノードに供給されたガスたる空気は、第1並行流路63と第2並行流路64をそのまま通過して、アノード排ガス流路29とガス排気分岐流路29aからセル外に排出される。つまり、この通常運転時にあっては、図6で示したように隣り合う第1並行流路63と第2並行流路64との間におけるMEGAを通過することはない。
以上説明した変形例では、次のような利点がある。既述した凍結起動時において、各セルのアノードでは、供給ガスが空気であることから、この凍結起動時における発電により水が生成される。しかしながら、この生成水は、隣り合う第1並行流路63と第2並行流路64との間におけるMEGAを通過する余剰分の空気によりMEGAから取り除かれ、第2並行流路64のそれぞれを通過してガス排気分岐流路29aからセル外に排出される。よって、凍結起動時において生成された水が不用意にアノードに残留しないようにできるので、生成水自体の凍結によるガス拡散性阻害を抑制でき、凍結起動時におけるアノードの側でのガス拡散性を確保できる。この結果、上記の変形例の燃料電池システム100は、凍結起動時の始動性向上により有益である。
また、凍結起動時の処理であるステップS130を経てステップS140に移行したように、凍結誘起状況から脱すれば、燃料電池10の各セルにおけるアノードには、アノードガス供給流路24とガス供給分岐流路24aとから水素ガスが供給される。そして、この際には、この供給ガスたる水素ガスは複数の第1並行流路63と第2並行流路64のそれぞれを通過しつつアノードに供給され、余剰分は、上記の各並行流路が連通したアノード排ガス流路29とガス排気分岐流路29aを経てセル外に流出するのであり、アノードの水を取り除くようには機能しない。このため、各セルのアノード、延いてはMEGAにおける電解質を不用意に乾燥させないようにできるので、発電の際の電気化学反応を円滑に進行させることができ、発電の安定性を高めることができる。
加えて、上記したようなセル内流路の使い分けを図るに当たり、流路形成第1プレート60と流路形成第2プレート70における流路形成においては、互いに平行な第1ガス通過孔71〜第4ガス通過孔74を形成すると共に、互いに平行な第1並行流路63と第2並行流路64とを干渉しないように上記ガス連通孔を結ぶよう形成すればよく、その形状も矩形の単純なものとできる。その上で、ガス供給分岐流路24aの供給開閉バルブ40とアノード排ガス流路29の排気開閉バルブ41とを開閉制御すればよい。よって、簡便な構成で、上記した効果を奏することができると共に、製造工程の簡略化、コスト低減も進めることができる。特に、各セルにおけるアノードへのガス供給流路を形成する上で、第1並行流路63と第2並行流路64とをプレート貫通孔としつつ、流路形成第1プレート60と流路形成第2プレート70を接合することで形成した。よって、第1並行流路63や第2並行流路64を、打ち抜きプレスと言った高い生産性や高精度の製造手法で作成できることから、製造工程の短縮、寸法精度の向上、組み付け時の位置あわせの簡略化等の利点がある。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記した実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
例えば、上記の実施例では、温度センサ12により電池筐体の温度を検出しているが、外気温を検出するセンサ出力に基づいて、電池筐体温度を推定したり、電池内部の水の凍結の発現状況を推定するように構成することもできる。
また、上記した変形例では、第1並行流路63と第2並行流路64とを両端の貫通孔間の凹状の溝としたが、第1並行流路63にあっては、第2ガス通過孔72との交差箇所において溝とし、その他の流路経路にあっては貫通孔とすることもできる。第2並行流路64についても同様である。
10...燃料電池
12...温度センサ
20...水素タンク
22...レギュレータ
23...アノードガス遮断弁
24...アノードガス供給流路
24a...ガス供給分岐流路
26...水素分岐バルブ
28...水素分岐流路
29...アノード排ガス流路
29a...ガス排気分岐流路
30...ブロワ
32...加湿器
34...カソードガス供給流路
36...空気分岐バルブ
38...空気分岐流路
39...カソード排ガス流路
40...供給開閉バルブ
41...排気開閉バルブ
51〜54...ガス通過孔
60...流路形成第1プレート
60A...流路形成第1プレート
61〜62...ガス通過孔
63...第1並行流路
64...第2並行流路
65...並行流路
70...流路形成第2プレート
70A...流路形成第2プレート
71...第1ガス通過孔
72...第2ガス通過孔
73...第3ガス通過孔
74...第4ガス通過孔
75...第5ガス通過孔
76...第6ガス通過孔
100...燃料電池システム
200...制御装置
210...凍結判定部
220...起動時ガス供給制御部
230...通常運転制御部
12...温度センサ
20...水素タンク
22...レギュレータ
23...アノードガス遮断弁
24...アノードガス供給流路
24a...ガス供給分岐流路
26...水素分岐バルブ
28...水素分岐流路
29...アノード排ガス流路
29a...ガス排気分岐流路
30...ブロワ
32...加湿器
34...カソードガス供給流路
36...空気分岐バルブ
38...空気分岐流路
39...カソード排ガス流路
40...供給開閉バルブ
41...排気開閉バルブ
51〜54...ガス通過孔
60...流路形成第1プレート
60A...流路形成第1プレート
61〜62...ガス通過孔
63...第1並行流路
64...第2並行流路
65...並行流路
70...流路形成第2プレート
70A...流路形成第2プレート
71...第1ガス通過孔
72...第2ガス通過孔
73...第3ガス通過孔
74...第4ガス通過孔
75...第5ガス通過孔
76...第6ガス通過孔
100...燃料電池システム
200...制御装置
210...凍結判定部
220...起動時ガス供給制御部
230...通常運転制御部
Claims (5)
- 電解質を第1の電極と第2の電極で挟持し、発電用の燃料ガスを前記第1の電極に供給し、酸素含有ガスを前記第2の電極に供給して発電を行う燃料電池の運転方法であって、
発電のための起動時において、燃料電池の内部での水の凍結が起き得るとして予め定めた状況であるかを判定し、
前記凍結が起き得るとして予め定めた状況であれば、前記燃料ガスと前記酸素含有ガスの供給先を、前記燃料ガスの供給先が前記第2の電極になり、前記酸素含有ガスの供給先が前記第1の電極になるように変更し、
ガス供給先の変更後に前記凍結が起き得るとして予め定めた状況から脱すると、前記燃料ガスと前記酸素含有ガスの供給先を元に戻す
燃料電池の運転方法。 - 電解質を第1の電極と第2の電極で挟持し、発電用の燃料ガスを前記第1の電極に供給する燃料ガス第1供給ラインと、酸素含有ガスを前記第2の電極に供給する酸素含有ガス第1供給ラインとを備える燃料電池システムであって、
前記燃料ガスを前記第2の電極に供給する燃料ガス第2供給ラインと、
前記酸素含有ガスを前記第1の電極に供給する酸素含有ガス第2供給ラインと、
前記燃料ガスの供給先が前記第1の電極となり前記酸素含有ガスの供給先が前記第2の電極となる第1供給モードと、前記燃料ガスの供給先が前記第2の電極となり前記酸素含有ガスの供給先が前記第1の電極となる第2供給モードのいずれかの供給モードを達成するため、前記供給ラインの開閉を行うガス供給先変更手段と、
燃料電池の内部での水の凍結が起き得るとして予め定めた状況の発現状態を判定する凍結判定手段と、
発電のための起動時において、前記凍結判定手段により前記凍結が起き得るとして予め定めた状況であると判定された場合には、前記供給先変更手段を制御して前記供給モードを前記第1供給モードから前記第2供給モードに変更する起動時供給先変更手段と、
前記第2供給モードでのガス供給の実行後に前記凍結が起き得るとして予め定めた状況から脱したと前記凍結判定手段により判定されると、前記供給先変更手段を制御して前記供給モードを前記第1供給モードに復帰させる供給先復帰手段とを備える
燃料電池システム。 - 請求項2に記載の燃料電池システムであって、
前記燃料ガス第2供給ラインは、前記燃料ガス第1供給ラインから分岐して前記第2の電極に到る燃料ガス分岐ラインとされ、
前記酸素含有ガス第2供給ラインは、前記酸素含有ガス第1供給ラインから分岐して前記第1の電極に到る酸素含有ガス分岐ラインとされ、
前記ガス供給先変更手段は、燃料ガスの通過経路を前記燃料ガス第1供給ラインと前記燃料ガス分岐ラインのいずれかに切り替える燃料ガス切替バルブと、酸素含有ガスの通過経路を前記酸素含有ガス第2供給ラインと前記酸素含有ガス分岐ラインのいずれかに切り替える酸素含有ガス切替バルブとを含む
燃料電池システム。 - 請求項2または請求項3に記載の燃料電池システムであって、
前記第1と第2の電極で前記電解質を挟持した単セルを単位として、前記第1と第2の電極ごとに、それぞれの電極に対してガスを供給するセル内流路を備え、
少なくとも前記第1の電極についての前記セル内流路は、
ガスの流入ポートと流出ポートとを前記第1の電極の電極面において並行に並んだ複数の並行流路にて結び、該並行流路にてガスを前記第1の電極に供給しつつ、前記流入ポートからの流入余剰ガスを前記並行流路を経て前記流出ポートに通過させる第1流路と、
前記流入ポートから前記第1の電極の電極面の側に延びた複数の流入側並行流路と、前記流出ポートから前記第1の電極の電極面の側に延びた複数の流出側並行流路とを、その経路に亘って非干渉で交錯して備え、前記流入側並行流路にてガスを前記第1の電極に供給しつつ、前記流入ポートから前記流入側並行流路を経て流入した余剰ガスを前記第1の電極を経由した後に前記流入側並行流路の隣の前記流出側並行流路を経て前記流出ポートに通過させる第2流路とを備え、
前記第1供給モードでのガス供給時にはセル内ガス流路を前記第1流路に切り替え、前記第2供給モードでのガス供給時にはセル内ガス流路を前記第2流路に切り替えるセル内流路切替手段を備える
燃料電池システム。 - 請求項4に記載の燃料電池システムであって、
前記第1の電極についての前記セル内流路は、
前記流入ポートとしての第1の流入ポートと第2の流入ポートとを非干渉に並べて備えると共に、前記流出ポートとして第1の流出ポートと第2の流出ポートとを非干渉に並べて備え、
前記第1の流入ポートと前記第1の流出ポートとを複数の並行流路にて結ぶ第1の並行流路群と、
前記第2の流入ポートと前記第2の流出ポートとを結ぶ複数の並行流路を前記第1の並行流路群の前記並行流路と非干渉の状態で備えた第2の並行流路群と、
前記第1と第2の並行流路群の一方の並行流路群における流入ポートからのガス流入を阻止しつつ、他方の並行流路群における流出ポートからのガス流出を阻止する阻止手段とを備え、
前記セル内流路切替手段は、
前記第1供給モードでのガス供給時には前記阻止手段によるガスの流入・流出阻止を行わず、前記第2供給モードでのガス供給時には前記阻止手段によるガスの流入・流出阻止を行う
燃料電池システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006160363A JP2007329056A (ja) | 2006-06-09 | 2006-06-09 | 燃料電池の運転方法と燃料電池システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006160363A JP2007329056A (ja) | 2006-06-09 | 2006-06-09 | 燃料電池の運転方法と燃料電池システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007329056A true JP2007329056A (ja) | 2007-12-20 |
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ID=38929370
Family Applications (1)
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JP2006160363A Pending JP2007329056A (ja) | 2006-06-09 | 2006-06-09 | 燃料電池の運転方法と燃料電池システム |
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JP (1) | JP2007329056A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101048141B1 (ko) | 2009-09-23 | 2011-07-08 | 현대자동차주식회사 | 냉 시동성 개선을 위한 연료 전지 시스템의 제어 방법 |
KR101144045B1 (ko) | 2009-10-23 | 2012-05-09 | 현대자동차주식회사 | 연료전지 냉시동 장치 및 방법 |
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2006
- 2006-06-09 JP JP2006160363A patent/JP2007329056A/ja active Pending
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