JP2007327880A - コンクリート圧縮強度測定装置及び測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】既設構造物のコンクリート強度を測定する際の測定精度向上、並びに測定作業性の向上を図ることができるコンクリート圧縮強度測定装置及び測定方法を提供すること。
【解決手段】コンクリート構造物の削孔によりコンクリート圧縮強度を測定する装置であって、コンクリート構造物を削孔する電動ドリル10と、電動ドリルを支持する支持機構20と、電動ドリルによる削孔部分へ冷却水を供給する冷水供給部30と、電動ドリルによる削孔変位を測定する変位測定部40とを備え、電動ドリルは、サーボモータにより回転するダイヤモンドビット型のドリル15を含む構成とした。
【選択図】図3
【解決手段】コンクリート構造物の削孔によりコンクリート圧縮強度を測定する装置であって、コンクリート構造物を削孔する電動ドリル10と、電動ドリルを支持する支持機構20と、電動ドリルによる削孔部分へ冷却水を供給する冷水供給部30と、電動ドリルによる削孔変位を測定する変位測定部40とを備え、電動ドリルは、サーボモータにより回転するダイヤモンドビット型のドリル15を含む構成とした。
【選択図】図3
Description
本発明は、既設コンクリート構造物のコンクリート圧縮強度を測定する技術として好適な湿式削孔によるコンクリート圧縮強度測定装置及び測定方法に関するものである。
従来、既設コンクリート構造物のコンクリート強度を測定する方法としては、(1)コア採取し、耐圧試験機を用いて圧縮強度を測定する方法(破壊試験)、(2)コンクリート表面の反発度や弾性波の伝搬速度から圧縮強度を推定する方法(非破壊試験)が代表的である。
また、これらの中間的な位置づけとなる、(3)ハンマードリルのコンクリート削孔時のエネルギーを利用し、圧縮強度を測定する方法(特許文献1)や、(4)コアドリルのコンクリート削孔時の反力、削孔速度により圧縮強度を測定する方法(特許文献2)がある。
特開2003−139670号公報
特開昭59−137839号公報
上記の測定方法のうち、(1)の方法では、一般的なコンクリートに対しては直径100mmコアが必要となり、構造物の規模によってはコア採取による損傷(鉄筋の切断)が懸念され、また、鉄筋の間隔によってはコア採取が不可能な場合もある。また、圧縮強度試験の実施についてはコア採取後、48時間の吸水が必要となり、迅速性に欠ける。
(2)の方法では、構造物に与える損傷はほとんど無く、迅速性はあるものの、測定値がコンクリートの表面状況、乾湿の状況、材齢等に影響を受けてバラツキが大きくなり、精度が低い。このため、反発度法ではコア試験との併用が推奨されている。
(3)及び(4)の方法は、構造物に損傷を与えるものの、その損傷規模を小さくしたものであるが、特に(4)の方法ではコアドリルを用いてあるため、機器重量が重く簡便性に欠ける問題がある。(3)の方法においても、機器自体が市販のハンマードリル、油圧ジャッキ、及びこれらを固定する剛なフレームから構成され、(2)の方法に比べて機器の操作性や簡便性に欠ける問題がある。
よって、本発明の課題は、既設構造物のコンクリート強度を測定する際の測定精度向上、並びに測定作業性の向上を図ることができるコンクリート圧縮強度測定装置及び測定方法を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明では以下の手段を採用した。
本発明は、コンクリート構造物の削孔によりコンクリート圧縮強度を測定する装置であって、コンクリート構造物を削孔する電動ドリルと、電動ドリルを支持する支持機構と、電動ドリルによる削孔部分へ冷却水を供給する冷水供給手段と、電動ドリルによる削孔変位を測定する変位測定部とを備え、電動ドリルは、サーボモータにより回転するダイヤモンドビット型のドリルを含む構成とした。
本発明は、コンクリート構造物の削孔によりコンクリート圧縮強度を測定する装置であって、コンクリート構造物を削孔する電動ドリルと、電動ドリルを支持する支持機構と、電動ドリルによる削孔部分へ冷却水を供給する冷水供給手段と、電動ドリルによる削孔変位を測定する変位測定部とを備え、電動ドリルは、サーボモータにより回転するダイヤモンドビット型のドリルを含む構成とした。
本発明によれば、電動ドリルは、サーボモータにより回転するダイヤモンドビット型の
ドリルを含む構成とし、さらにそのドリルの削孔部分へ冷却水を供給する湿式削孔方式としたので、コンクリート圧縮強度測定に必要な安定した削孔データ(削孔速度、時間、押し付け力、削孔トルク)を得ることができる。これにより、コンクリート圧縮強度の測定精度を格段に向上させることができる。また、電動ドリルの駆動源にサーボモータを用いたので、装置の軽量化や消費電力の低減に加え、削孔トルクの検出も容易に行うことが可能になる。
ドリルを含む構成とし、さらにそのドリルの削孔部分へ冷却水を供給する湿式削孔方式としたので、コンクリート圧縮強度測定に必要な安定した削孔データ(削孔速度、時間、押し付け力、削孔トルク)を得ることができる。これにより、コンクリート圧縮強度の測定精度を格段に向上させることができる。また、電動ドリルの駆動源にサーボモータを用いたので、装置の軽量化や消費電力の低減に加え、削孔トルクの検出も容易に行うことが可能になる。
本発明においては、前記電動ドリルと支持機構との間に設けられ、コンクリート構造物に対する電動ドリルの押し付け力を調整する調整機構を備えていることが望ましい。この調整機構には軽量化の点に配慮し、弾性部材の反発力を利用する構成とすることが望ましい。
本発明において、前記変位測定部は、前記電動ドリルと支持機構との間に設けられ、電動ドリルの削孔方向の変位を測定する変位計と、その変位計の出力に基づいて前記電動ドリルの削孔速度を算出する手段とを含む構成とすることができる。
本発明においては、測定精度の向上を図るために、前記電動ドリルによる削孔時のトルクを測定するトルク測定手段を更に備えていることが望ましい。ここで、前記トルク測定手段には、前記サーボモータから検出するトルクを用いることができる。
本発明は、上記のコンクリート圧縮強度測定装置を用いたコンクリート圧縮強度測定方法であって、測定対象のコンクリート構造物に対し、一定回転に保持した電動ドリルにより所定の深さまで削孔する第1工程と、前記変位測定部により、前記電動ドリルの削孔時における単位時間あたりの削孔方向の変位から、電動ドリルの削孔速度を求める第2工程と、前記電動ドリルの削孔速度とコンクリート圧縮強度との相関関係に基づいて、コンクリート圧縮強度を推定する第3工程とを有し、前記第1工程では、前記冷水供給部によって前記電動ドリルの削孔部分に冷却水を供給する工程を含む方法とした。
ここで、前記第2工程では、前記トルク測定手段によって削孔時のトルクを測定し、前記第3工程では、前記削孔時のトルクとコンクリート圧縮強度との相関関係に基づいて、コンクリート圧縮強度を推定する方法を採用することもできる。
本発明に係るコンクリート圧縮強度測定技術によれば、湿式削孔方式及びサーボモータで回転するダイヤモンドビット型のドリルを用いる技術を採用したことで、安定した削孔データ収集及び装置の軽量化を効果的に実現することができ、これにより、既設構造物のコンクリート強度を測定する際の測定精度向上、並びに測定作業性の向上を図ることができる。
以下、本発明の好適な実施例について、図面を参照して説明する。図1は本発明の実施例に係るコンクリート圧縮強度測定装置を示すブロック図である。図2は、電動ドリルを主体とする装置本体の使用形態を示す斜視図である。図3は装置本体の正面図であり、図4は装置本体の平面図である。図5(a)は装置本体の右側面図であり、図5(b)は左側面図である。図6(a)、(b)及び図7(c)、(d)は図3のそれぞれI〜IVで示す線に沿った断面図である。
この実施例のコンクリート圧縮強度測定装置は、図1に示すように、装置本体1と、制御装置2と、冷水供給装置3とを備えている。
装置本体1は、図3及び図4に示すように、コンクリート構造物を削孔する電動ドリル10と、電動ドリル10を支持する支持機構20と、電動ドリル10による削孔部分へ冷却水を供給する冷水供給部30と、図6(a)に示すように電動ドリル1による削孔変位を測定する変位測定部40とを備えている。そして、電動ドリル1は、サーボモータ11により回転するダイヤモンドビット型のドリル15を含む。
即ち、電動ドリル10は、低トルクで、任意の定速度回転に適したAC(交流)サーボモータ11と、サーボモータ11の出力軸12にカップリング13を介して連結されたドリルホルダ14と、このドリルホルダ14に基端部を保持されたダイヤモンドビット型のドリル15とを有している。
この電動ドリル10の支持機構20は、測定装置本体1の軸方向の両端側に配置される端部プレート21、21と、この両側の端部プレート21、21間に差し渡された三本の連結パイプ22、22、22と、それら三本の連結パイプ22の両端を、対応する端部プレート21、21に対してそれぞれネジ結合により固定する固定ネジ23とを有している。
端部プレート21、21は円形状に形成され、その外側に筒状の透明カバー24が設けられている。三本の連結パイプ22は、側面から見て三角形の頂点に配置された形態であり、両側の端部プレート21、21と共にいわゆる三点支持の支持フレームを構成している。
三本の連結パイプ22には、連結パイプ22の軸方向に間隔をおいて配置された第1可動プレート31、第2可動プレート32、第3可動プレート33が装着されている。各可動プレート31、32、33は、カバー24内に収容可能な概略三角形状であって、その各頂点部分に貫通孔がそれぞれ設けられている。そして、各貫通孔を各連結パイプ22がそれぞれ貫通することで、各可動プレートが連結パイプ22の軸方向に移動可能に構成されている。
第1可動プレート31と第2可動プレート32との間の各連結パイプ22の部分には、両可動プレート31、32を離間させる方向に附勢する圧縮バネ34がそれぞれ設けられている。これらの圧縮バネ34は、その附勢力をバランス良く働かせるために、図示のように三本の連結パイプ22のそれぞれについて設けられている。これらの圧縮バネ34、第1可動プレート31及び第2可動プレート32は、電動ドリル1の削孔時における押し付け力を調整する調整機構を構成している。
この電動ドリル1の削孔時における押し付け力を目視できるようにするために、第1可動プレート31と第2可動プレート32との間には、推力ゲージ37、38が設けられている。この推力ゲージ37、38は、圧縮バネ34の反発力に抗して押し付ける力を、第1可動プレート31と第2可動プレート32の間隔によりアナログ的に計測できるように構成されている。従って、この推力ゲージ37、38は、図2に示す作業者Mが見やすい位置に配置されている。
なお、第1可動プレート31と第2可動プレート32との間には、予め設定された相互の間隔がそれ以上開かないようにし、かつ、相互の間隔を必要に応じて微調整できるようにするためのタイロッド28が設けられている。
第2可動プレート32と第3可動プレート33との間の各連結パイプ22の部分には、連結ガイド35がそれぞれ嵌め込まれている。これらの連結ガイド35によって、第2可動プレート32と第3可動プレート33との相対間隔が保持された状態で両者が連結され
ている。この連結ガイド35は連結パイプ22との摩擦を極力抑えるために、例えば「商品名:MCナイロン」のように、摩擦係数の小さい樹脂製となっている。
ている。この連結ガイド35は連結パイプ22との摩擦を極力抑えるために、例えば「商品名:MCナイロン」のように、摩擦係数の小さい樹脂製となっている。
第2可動プレート32の、第1可動プレート31と相対する片面側には、サーボモータ11が取り付けられている。サーボモータ11の出力軸12は、第2可動プレート32の中心部分を貫通して第3可動プレート33側へ突出し、カップリング13を介してドリルホルダ14の回転軸に連結されている。従って、電動ドリル10は、ここではサーボモータ11、カップリング13、ドリルホルダ14及びドリル15等により構成され、第2可動プレート32及び第3可動プレート33と共に連結パイプ22の軸方向に移動可能となっている。
図3において右側の端部プレート21の中央部には、連結ロッド25の挿通孔が設けられ、連結ロッド25の一端は第1可動プレート31に連結されている。連結ロッド25の他端には、図5(a)に示すような取っ手26が設けられている。
図3において左側の端部プレート21の外側には、削孔対称面に対して均一に突き当てるための3点支持タイプのプレート状アタッチメント5が固定されている。このアタッチメント5は、図5(b)に示すように、三角形状に形成されていて、その各頂点近くには、外面側に突出した位置決めピン51が設けられている。このアタッチメント5の中心部分にはドリル15を貫通させる穴52が設けられている。なお、端部プレート22にも、このドリル15の先端をアタッチメント5よりも外側へ突出させるための穴22aが設けられている。
ドリルホルダ14の外側には、ドリルホルダ14を回転可能に保持すると共に、ドリル15への給水路を形成する給水ホルダ3aが設けられている。この給水ホルダ3aには、冷水供給装置3からの給水ホース3bを接続する接続ホース3cが下方に延びる形態で設けられている。ドリル15は、給水ホルダ3aに連通する給水路が内部に形成されていて、先端から冷却水を吐出可能に構成されている。これにより、装置本体1には冷水供給部30が装備されている。
このドリル15は、上述のようにダイヤモンドビット型のドリルであって、先端の切刃15aとボディーとはネジで結合されており、ボディーの直径は切刃より小さく、削孔時における周刃摩擦の影響を受けにくい形状となっている。また、このドリル15は、ダイヤモンドカッターを使用していることと、冷水供給部30による刃先の冷却により削孔能力を低下させることなく、長時間の削孔が可能なように配慮されている。
変位測定部40は、この実施例では図6(a)に示すように、電動ドリル10と支持機構20との間にエンコーダブラケット41を介して設けられ、電動ドリル10の削孔方向の変位を測定するリニアエンコーダ(変位計)42により構成されている。このリニアエンコーダ42はエンコーダケーブル43を介して制御装置2に接続されている。制御装置2は、このリニアエンコーダ42の出力に基づいて電動ドリル10の削孔速度を算出し、その算出結果を削孔速度データとして図示しないディスプレイ等の外部機器へ出力することができる。
さらに、この実施例では、電動ドリル10による削孔時の押し付け力を測定する手段としてのロードセル7を備えている。このロードセル7は、図3及び図7(c)に示すように、第1可動プレート32と連結ロッド25との間に設けられている。
サーボモータ11は、コネクタ16付きのモータケーブル17を介して制御装置2に接続されている。制御装置2は、削孔時におけるサーボモータ11の目標回転数を維持する
回転数制御と、目標トルクを維持するトルク制御の両方に切り替えることができる機能を有している。制御装置2は、サーボモータ11から検出される(削孔)時間を収集する機能も有している。
回転数制御と、目標トルクを維持するトルク制御の両方に切り替えることができる機能を有している。制御装置2は、サーボモータ11から検出される(削孔)時間を収集する機能も有している。
なお、装置本体1の第2可動プレート32と、第3可動プレート33との間の外側部分には、LEDブラケット8を介して設けられた四つのLED81(緑)、82(緑)、83(橙)、84(赤)からなる表示部が設けられている。LED81は、装置本体1の取っ手26を最も強く引くことによりリミットスイッチ85がオンとなったときに点灯するように構成されている。そして、この状態でフットスイッチ80をオンにすることで、電動ドリル10が回転するようになっている。各LEDの表示機能(制御系との関係)は、ここでは次のように設定されている。
LED81が点滅し、電動ドリル10の回転が徐々に上昇し、目標回転付近に達するとLED81が消灯してLED82が点灯する。このとき、速度制御により削孔を行う場合、目標速度に到達してから3秒後に、トルク制御の場合、約6秒後にLED82が点灯する。そして、LED82が消灯した段階で、削孔開始できる表示となる。
削孔による深さが目標深度(100mm)まで到達すると、LED83(到達LED)が点灯する。この状態では、取っ手26を図3において仮想線で示す位置まで引き戻し、再度実線で示す位置まで引き出してリミットスイッチ85をオンにすることで電動ドリル10の回転が停止する。完全に回転が停止すると、到達LED83は消灯し、最初の状態に戻る。ここで、LED84は運転状態の異常を示すアラーム表示用である。
この実施例では、図2に示すように、作業者Mが装置本体1を手に持ち、アタッチメント5を削孔対象のコンクリート構造物に所定の力で押し付け、電動ドリル10を回転させて削孔する構成としている。このとき、装置本体1を安定かつ楽に操作できるように、ショルダーベルト9を利用して削孔作業を行う。ショルダーベルト9の両端は端部プレート21とアタッチメント5に設けた取り付け金具91、92に対して着脱可能に設けられている。
この装置本体1の電動ドリル10は、サーボモータ11により回転するダイヤモンドビット型のドリル15を有し、さらにそのドリル15の削孔部分へ冷却水を供給する湿式削孔方式としているので、コンクリート圧縮強度測定に必要な安定した削孔データ(削孔変位、時間、押し付け力、削孔トルク)を得ることができる。特に、湿式削孔のため、切り屑が水と共に円滑に排出される。
その結果、ツイストドリルのように、切り屑がドリルの溝を伝って不定期に排出される際の脈動が生じないため、その分、測定精度を向上させることができる。これにより、コンクリート圧縮強度の測定精度を格段に向上させることができる。また、電動ドリルの駆動源にサーボモータを用いたので、装置の軽量化や消費電力の低減に加え、削孔トルクの検出も容易に行うことが可能になる。
さらに、電動ドリル10の所定の押し付け力を得るために、圧縮バネ34を介した人力制御としているので、この点も装置本体1の軽量化に寄与することができる。これらの結果、図2に示すような軽量かつコンパクトで、操作性に優れた測定装置を得ることが可能になる。
次に、ドリル削孔による既設コンクリートの品質(圧縮強度)測定法に関する解析的検討結果について、以下に説明する。
既設コンクリートの強度や劣化状況を調査する際には、既述のように、リバウンドハンマーに代表される非破壊検査や超音波法や採取コアを利用した強度試験等がある。前者の非破壊検査では、コンクリートの表層のみの性状を捉えており、深さ方向については捉えることができず、一方、後者のコア採取を伴う方法では、深さ方向のコンクリートの性状は捉えられるものの構造物の配筋状態により採取箇所に制限があることや、コア採取にコアドリルやボーリングマシン等比較的大掛かりな機器が必要となる等の課題がある。
ここでは、電動ドリルの削孔時の挙動(押付力、削孔速度、回転数)を基にコンクリート強度や劣化度を測定する方法について検討するものであり、削孔速度を指標とすることで圧縮強度を推定する方法を確立した。
<圧縮強度推定方法>
(1)削孔速度と圧縮強度との関係
削孔速度と圧縮強度の関係を把握するため、強度水準を変えた供試体100(図8参照)を対象に削孔試験を行った。なお、削孔101の数は9孔/体とし、削孔深さは100mmとした。削孔条件は、押付力100Nをバネを介した人力で保持し、削孔変位・削孔時間(削孔速度)、トルクを測定した。また、今回作製した装置では回転数の保持が可能であるため、3000rpmと5000rpmの2ケースについて実施した。試験結果を図9及び10に示す。
(1)削孔速度と圧縮強度との関係
削孔速度と圧縮強度の関係を把握するため、強度水準を変えた供試体100(図8参照)を対象に削孔試験を行った。なお、削孔101の数は9孔/体とし、削孔深さは100mmとした。削孔条件は、押付力100Nをバネを介した人力で保持し、削孔変位・削孔時間(削孔速度)、トルクを測定した。また、今回作製した装置では回転数の保持が可能であるため、3000rpmと5000rpmの2ケースについて実施した。試験結果を図9及び10に示す。
削孔速度の評価については、次のとおりとした。
削孔速度=0.1sec間の削孔変位/0.1sec …(式1)
平均削孔速度=削孔速度の平均値 …(式2)
削孔速度のうち、0.0011mm/sec未満となる低い速度領域(粗骨材を削孔)を棄却し、整理した結果が図11及び図12であるが、同図から、1孔毎のバラツキが小さくなっていることが認められる。
削孔速度=0.1sec間の削孔変位/0.1sec …(式1)
平均削孔速度=削孔速度の平均値 …(式2)
削孔速度のうち、0.0011mm/sec未満となる低い速度領域(粗骨材を削孔)を棄却し、整理した結果が図11及び図12であるが、同図から、1孔毎のバラツキが小さくなっていることが認められる。
また、図13に以前の装置を用いた測定結果を示すが、今回の装置では低強度領域の感度が向上していることが分かる。これは、以前と比べ、高い回転数、低い定格トルクで削孔したためと考えられる。図14に圧縮強度推定式を示す。
(2)圧縮強度推定式
図9及び図10に基づき、平均削孔速度を用いた圧縮強度推定式を作成した。
[3000rpm時]
圧縮強度(N/mm2)=−8795.7×平均削孔速度(m/sec)+33.48
9(R=0.82) …(式3)
[5000rpm時]
圧縮強度(N/mm2)=−13811×平均削孔速度(m/sec)+
57.529(R=0.99) …(式4)
図9及び図10に基づき、平均削孔速度を用いた圧縮強度推定式を作成した。
[3000rpm時]
圧縮強度(N/mm2)=−8795.7×平均削孔速度(m/sec)+33.48
9(R=0.82) …(式3)
[5000rpm時]
圧縮強度(N/mm2)=−13811×平均削孔速度(m/sec)+
57.529(R=0.99) …(式4)
<検証測定>
下記の3地点において検証測定を実施した。検証方法は、次のとおりとした。
(i)試験箇所1箇所当たりコア3本採取し、圧縮強度試験を実施。
(ii)試験箇所1箇所当たり9孔削孔し、式3あるいは式4により推定圧縮強度
を算出。図15より、今回の装置ならびに強度推定法は圧縮試験結果と良く対応していることが分かる。
下記の3地点において検証測定を実施した。検証方法は、次のとおりとした。
(i)試験箇所1箇所当たりコア3本採取し、圧縮強度試験を実施。
(ii)試験箇所1箇所当たり9孔削孔し、式3あるいは式4により推定圧縮強度
を算出。図15より、今回の装置ならびに強度推定法は圧縮試験結果と良く対応していることが分かる。
<トルクを指標とした圧縮強度推定式>
棄却後におけるトルク値と圧縮強度の関係は、図16に示すとおりである。分析結果によれば、単相関係数としては、圧縮強度と削孔速度の関係と比較して若干低いものの、回
転数を3000rpmとした場合には相関係数がR=0.7763であり、回転数を5000rpmとした場合にはR=0.9563となり良い相関関係を示していると考えられる。
棄却後におけるトルク値と圧縮強度の関係は、図16に示すとおりである。分析結果によれば、単相関係数としては、圧縮強度と削孔速度の関係と比較して若干低いものの、回
転数を3000rpmとした場合には相関係数がR=0.7763であり、回転数を5000rpmとした場合にはR=0.9563となり良い相関関係を示していると考えられる。
平均トルクによる圧縮強度の推定式は、式5及び式6に示す通りである。これらの推定式を基に、実構造物を対象とした削孔試験結果から圧縮強度を推定すると図17、図18に示すとおりとなる。
[3000rpm時]
圧縮強度=−{(平均トルク)/(0.0048)}+71.708(N/mm2)
…(式5)
[5000rpm時]
圧縮強度=−{(平均トルク)/(0.0035)}+77.914(N/mm2)
…(式6)
[3000rpm時]
圧縮強度=−{(平均トルク)/(0.0048)}+71.708(N/mm2)
…(式5)
[5000rpm時]
圧縮強度=−{(平均トルク)/(0.0035)}+77.914(N/mm2)
…(式6)
推定式(式5、式6)を基に推定した圧縮強度の検討結果を図17に示す。これによれば、推定値はコアによる圧縮強度試験値よりも大きく評価されるが、その傾向は一致しているため、平均トルクに補正などを行えば強度推定が可能である。
1 装置本体
11 サーボモータ
12 出力軸
13 カップリング
14 ドリルホルダ
15 ドリル
2 制御装置
20 支持機構
21 端部プレート
22 連結パイプ
23 固定ネジ
24 透明カバー
25 連結ロッド
26 取っ手
28 タイロッド
3 冷水供給装置
30 冷水供給部
31 第1可動プレート
32 第2可動プレート
33 第3可動プレート
34 圧縮バネ
35 連結ガイド
37、38 推力ゲージ
40 変位測定部
42 リニアエンコーダ
5 アタッチメント
11 サーボモータ
12 出力軸
13 カップリング
14 ドリルホルダ
15 ドリル
2 制御装置
20 支持機構
21 端部プレート
22 連結パイプ
23 固定ネジ
24 透明カバー
25 連結ロッド
26 取っ手
28 タイロッド
3 冷水供給装置
30 冷水供給部
31 第1可動プレート
32 第2可動プレート
33 第3可動プレート
34 圧縮バネ
35 連結ガイド
37、38 推力ゲージ
40 変位測定部
42 リニアエンコーダ
5 アタッチメント
Claims (7)
- コンクリート構造物の削孔によりコンクリート圧縮強度を測定する装置であって、
前記コンクリート構造物を削孔する電動ドリルと、
前記電動ドリルを支持する支持機構と、
前記電動ドリルによる削孔部分へ冷却水を供給する冷水供給部と、
前記電動ドリルによる削孔変位を測定する変位測定部とを備え、
前記電動ドリルは、サーボモータにより回転するダイヤモンドビット型のドリルを含む、コンクリート圧縮強度測定装置。 - 前記電動ドリルと支持機構との間に設けられ、コンクリート構造物に対する電動ドリルの押し付け力を調整する調整機構を備えている、請求項1に記載のコンクリート圧縮強度測定装置。
- 前記変位測定部は、前記電動ドリルと支持機構との間に設けられ、電動ドリルの削孔方向の変位を測定する変位計と、その変位計の出力に基づいて前記電動ドリルの削孔速度を算出する手段とを含む、請求項1または請求項2に記載のコンクリート圧縮強度測定装置。
- 前記電動ドリルによる削孔時のトルクを測定するトルク測定手段を更に備えている、請求項1〜請求項3の何れかに記載のコンクリート圧縮強度測定装置。
- 前記トルク測定手段は、前記削孔時のトルクをサーボモータから検出する、請求項4に記載のコンクリート圧縮強度測定装置。
- 請求項1〜請求項5の何れかに記載のコンクリート圧縮強度測定装置を用いたコンクリート圧縮強度測定方法であって、
測定対象のコンクリート構造物に対し、一定回転に保持した電動ドリルにより所定の深さまで削孔する第1工程と、
前記変位測定部により、前記電動ドリルの削孔時における単位時間あたりの削孔方向の変位から、電動ドリルの削孔速度を求める第2工程と、
前記電動ドリルの削孔速度とコンクリート圧縮強度との相関関係に基づいて、コンクリート圧縮強度を推定する第3工程とを有し、
前記第1工程では、前記冷水供給部によって前記電動ドリルの削孔部分に冷却水を供給する工程を含む、コンクリート圧縮強度測定方法。 - 前記第2工程では、前記トルク測定手段によって削孔時のトルクを測定し、前記第3工程では、前記削孔時のトルクとコンクリート圧縮強度との相関関係に基づいて、コンクリート圧縮強度を推定する、請求項6に記載のコンクリート圧縮強度測定方法。
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