JP2015212637A - コンクリート強度の推定方法及びコンクリート強度の推定システム - Google Patents

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【課題】コンクリート構造物の強度を更に簡易に高精度に推定することができるコンクリート強度の推定方法を提供することを課題とする。【解決手段】コンクリート強度の推定方法は、既存のコンクリート構造物Wに孔Waを穿孔する穿孔部41を有する穿孔装置1を用い、制御手段7によってコンクリート構造物Wのコンクリート強度を推定する方法である。この推定方法は、対象となるそれぞれのコンクリート構造物についてコンクリート強度に対する穿孔速度を予め計測しておくと共に、その計測した結果に基づいて、コンクリート強度と穿孔速度との関係を特定しておき、制御手段7が、コンクリート構造物に孔Waを穿孔する際に、穿孔部41の送り速度を定トルク電動機32によって一定に制御して穿孔するときの穿孔速度を計測し、当該計測した穿孔速度の変化からコンクリート強度を、コンクリート構造物Wのコンクリート強度として推定する。【選択図】図1

Description

本発明は、橋梁床板等の既設のコンクリート構造物の強度を推定するコンクリート強度の推定方法及びコンクリート強度の推定システムに関する。
戦後の高度経済成長期に都市部を中心として建設された橋梁、トンネル、高速道路等の各種の土木インフラ(infrastructure)の多くは、寿命を迎え始め、大規模な修繕や、建て替えが必要な時期となっている。特に、コンクリート構造物は、経年劣化に加え、塩害や、中性化等の影響によって、強度が著しく低下するケースもあり、早急な対応が迫られている。このような修繕が必要なコンクリート構造物に対しては、まず、劣化の度合いを客観的に判断できるコンクリート強度の推定を可能にすることが不可欠である。
従来、既設されたコンクリート構造物のコンクリート強度を測定する方法としては、次の3つの方法が実際に使用されている。
1つ目の測定方法は、既設のコンクリート構造物からコア試験体を採取して、このコア試験体を圧縮強度試験機によって圧縮強度試験を行うことにより、コンクリート構造物の圧縮強度を測定する方法である。
2つ目の測定方法は、テストハンマーでコンクリート構造物の表面を打撃して、その反発硬度から反射時間を測定することによって、コンクリート構造物の圧縮強度を測定する方法、または、弾性波の伝播速度と反射時間を測定することによって、コンクリート構造物の圧縮強度を測定する方法である。
3つ目の測定方法は、試験体に超音波を発信して、その伝播速度の変化から圧縮強度を計測することによって、コンクリート構造物の圧縮強度を測定する方法である。
しかし、1つ目の圧縮強度試験機を用いる測定方法の場合は、コア採取や、コンクリート強度試験機や、測定作業等に膨大な時間と費用がかかるという問題点があった。
また、2つ目の測定方法の打撃法の場合は、簡易で使い易いという利点があるものの、コンクリートの表面に比較的近い表層付近の強度しか計測することができないという問題点があった。
また、3つ目の測定方法の超音波計測の場合は、粗骨材の粒径や位置によっては散乱減衰が起こり、伝播速度の計測精度が低下するという問題点があった。
このようなことから、さらに、作業現場で簡易にコンクリート強度を測定することが求められていた。
これまで発明者は、小口径深穴用の穿孔装置を利用してコンクリート構造物に孔を開けたときの穿孔速度と、穿孔装置の押圧力との関係からコンクリート強度を推定する方法を発明している(例えば、特許文献1参照)。そのコンクリート強度の推定方法は、圧縮空気で穿孔装置の穿孔部を一定な押圧力で押し付けてコンクリート構造物を切削することにより、穿孔速度が一定となり、穿孔速度がコンクリート強度によって相違することから、穿孔速度を計測することでコンクリート強度を推定する方法である。
特開2008−128831号公報(図1)
しかしながら、特許文献1に記載されたコンクリート強度の推定方法は、圧縮空気によって押された穿孔装置の穿孔部の切削面でコンクリート構造物の被切削面を押圧して切削しているので、圧縮空気が穿孔部の被切削面の変動を直接吸収する。このため、圧縮空気を利用した穿孔装置を用いたコンクリート強度の推定方法は、コンクリート材料(骨材や強度のばらつき)の影響によって、穿孔装置の穿孔部が大きく変動して計測精度が低下するという可能性があった。
また、その推定方法では、設定する圧縮空気の圧力によって穿孔が決定されるので、圧縮空気の空気圧の変動により、実用上、適切な穿孔速度に設定することができない可能性があった。
これらの問題点を鑑みると、圧縮空気を利用した穿孔装置によるコンクリート強度の推定方法は、計測精度を高い水準で満たす観点から、未だ改善すべき点が残されていた。特に、コンクリート構造物のコンクリート強度の推定を行う作業現場では、コンクリート強度を更に簡易に高精度に推定することができるコンクリート強度の推定方法及び穿孔装置が望まれていた。
また、従来のコンクリート強度の推定方法は、リアルタイムでコンクリート強度を推定することができないため、リアルタイムでコンクリート強度を推定できる推定方法が望まれていた。
そこで、本発明は、前記実情に鑑み創案されたものであり、コンクリート構造物の強度を更に簡易に高精度に推定することができるコンクリート強度の推定方法及びコンクリート強度の推定システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係るコンクリート強度の推定方法は、コンクリート構造物に直径が38mm以下の孔を開ける穿孔部を有する穿孔装置を定トルク電動機により送り、制御手段によって前記コンクリート構造物のコンクリート強度を推定するコンクリート強度の推定方法であって、基準となるそれぞれのコンクリート構造物についてコンクリート強度に対して前記定トルク電動機のトルクが一定となる範囲で、前記穿孔部を前記コンクリート構造物に向けて移動させる送り速度を予め計測しておくと共に、前記トルクの一定の値を変えて計測した結果に基づいて、前記コンクリート強度と、前記穿孔部が前記コンクリート構造物に前記孔を開けながら移動する穿孔速度との強度及び速度の関係を予め特定しておき、前記制御手段は、測定対象のコンクリート構造物に前記孔を開ける際に、前記定トルク電動機のトルクを一定に制御して前記孔を開けるときの前記穿孔速度を計測し、前記強度及び速度の関係と前記計測した穿孔速度の変化値から前記コンクリート強度を、前記測定対象のコンクリート構造物のコンクリート強度として推定することを特徴とする。
かかる構成によれば、本発明のコンクリート強度の推定方法は、対象となるそれぞれのコンクリート構造物についてコンクリート強度に対する穿孔速度を一定のトルクで予め計測しておき、コンクリート構造物に孔を開ける際に、穿孔部の送り速度を定トルク電動機で一定に制御して穿孔速度を計測することによって、計測した穿孔速度の変化からコンクリート強度を容易にかつ高精度に推定することができる。
また、前記穿孔部を送る際に前記定トルク電動機に与える設定トルクは、前記基準となるそれぞれのコンクリート構造物について予め求めておいた前記定トルク電動機の既知のトルクの強度域の標準値よりも、高強度域に設定されていることが好ましい。
かかる構成によれば、穿孔装置は、対象となるそれぞれのコンクリート構造物について予め求めておいた定トルク電動機の既知のトルクの強度域の標準値よりも、高強度域の想定されるトルクに設定されていることによって、柔らかくて弱いコンクリート構造物に孔を開ける場合、定トルク電動機のトルクが一定となる。
また、硬くて強いコンクリート構造物に孔を開ける場合は、定トルク電動機のトルクが負けて低化し、穿孔速度及び回転数が遅くなる。このため、コンクリート構造物のコンクリート強度は、変化した穿孔速度及び回転数の値から推定することができる。なお、高強度のコンクリートの定義は、例えば、土木学会のコンクリート標準示方書では設計基準強度が50〜100[N/mm]であり、また、日本建築学会の建築工事仕様書・同解説JASS5では設計基準強度が36[N/mm](計画供給期間が超長期の場合)超えるものとなっている。このようにコンクリートにおける高強度は、コンクリートが使用される場所によって基準値が相違しているので、設定される高強度域もそれに合わせて相違した値となる。
なお、本発明のコンクリート強度の推定方法で推定するコンクリート強度域には、例えば、圧縮強度18[N/mm]からの普通コンクリート域と、[100N/mm]以上の設計強度を求める高強度コンクリート域と、がある。また、コンクリートの圧縮強度は、使用目的、施工環境によっても基準値が相違しているので、設定されるコンクリート強度域もそれに合わせて相違した値となる。
例えば、層状に(バームクーヘンのように)ひび割れた状態のコンクリート構造物におけるコンクリート強度の推定方法は、限りなく0[N/mm]に近いコンクリート強度が推定される。また、超高強度コンクリートとしては、200[N/mm]のコンクリートが実フィールドで使用されることが計画されている。このため、本発明のコンクリート強度の推定方法で推定するコンクリート強度域は、0〜200[N/mm]である。
また、前記穿孔部を送る際に前記定トルク電動機のトルクの定格値は、コンクリート強度の設定された絶対値に対して、前記定トルク電動機の定格トルクが前記絶対値を含む範囲の間に入るように設定されていることが好ましい。
かかる構成によれば、定トルク電動機の定格トルク値は、コンクリート強度の設定された絶対値に対して、前記定トルク電動機の定格トルクが前記絶対値を含む範囲の間に入るように設定されていることにより、穿孔部で孔を開けるときのトルクが常に設定値にほぼ等しくなる。
また、前記制御手段は、前記コンクリート構造物に前記孔を開けるときの前記穿孔部が前記コンクリート構造物を押圧する負荷力Fを、前記コンクリート強度σのa乗に比例するものと仮定して、
F=k・σ
で表し、
前記コンクリート構造物の前記コンクリート強度σを、前記計測した穿孔速度vと下記式(1)を用いて推定することが好ましい。
ただし、
F=負荷力
σ:コンクリート強度[N/mm
a:定数
:比例定数
:電動機の効率、歯車の摩擦係数を含む定数
:比例定数
(=2πNT):定トルク電動機の出力
N:定トルク電動機の回転数[rpm]
T:定トルク電動機のトルク[Nm]
v:穿孔部の穿孔速度[mm/s]
かかる構成によれば、コンクリート構造物のコンクリート強度は、定トルク電動機の回転数、設定トルク、及び、穿孔装置の穿孔部の穿孔速度から推定することができる。
また、前記穿孔装置は、前記穿孔部を回転駆動させる駆動手段と、前記穿孔部を推進させる前記定トルク電動機を備えた推進手段と、前記駆動手段を支持して前記推進手段によって上下動される移動台と、前記移動台を上下動自在に支持する支柱と、を備え、前記定トルク電動機は、前記穿孔装置を用いてコンクリート強度を推定する場合、前記穿孔部を下方向に向けて下向きで孔を開けるときの設定トルクと比較して、前記穿孔部を上方向に向けて上向きで孔を開けるときの設定トルクの方が、大きく設定されていることが好ましい。
かかる構成によれば、穿孔装置を用いてコンクリート構造物のコンクリート強度を推定するときに、穿孔部を上方向に向けて孔を開ける場合は、穿孔機等の荷重が負荷としてかかるのを考慮して、穿孔部を下方向に向けて孔を開けるときの定トルク電動機の設定トルクと比較して、設定トルクを大きく設定する。このように設定トルクに設定すれば、さらに、コンクリート強度を正確に推定することができる。
また、本発明に係るコンクリート強度の推定システムは、コンクリート構造物に孔を開ける穿孔装置と制御手段とを用いて前記コンクリート構造物のコンクリート強度を推定するコンクリート強度の推定システムであって、前記穿孔装置は、前記コンクリート構造物に直径が38mm以下の孔を開ける穿孔部と、前記穿孔部を回転駆動させる駆動手段と、前記穿孔部を推進させる定トルク電動機を備えた推進手段と、前記駆動手段を支持して前記推進手段によって上下動される移動台と、前記コンクリート構造物上に設置される基台と、前記基台上に設けられ前記移動台を上下動自在に支持する支柱と、前記穿孔部が前記コンクリート構造物に開けた孔の穿孔深さを検出するためのセンサと、を備え、前記制御手段は、基準となるそれぞれのコンクリート構造物についてコンクリート強度に対して前記定トルク電動機のトルクが一定となる範囲で、前記穿孔部を前記コンクリート構造物に向けて移動させる送り速度を予め計測しておくと共に、前記トルクの一定の値を変えて計測した結果に基づいて、前記コンクリート強度と、前記穿孔部が前記コンクリート構造物に前記孔を開けながら移動する穿孔速度との強度及び速度の関係を特定したデータを記憶する記憶部と、前記コンクリート構造物に前記孔を開けている穿孔時間を計測する計測部と、測定対象のコンクリート構造物に前記孔を開ける際に、前記トルク電動機のトルクを一定に制御して前記孔を開けるときの前記穿孔速度を、前記孔の穿孔深さと前記穿孔時間とから算出する演算部と、前記強度及び速度の関係と、前記算出した穿孔速度の変化値と、前記記憶しておいた既知のデータと、に基づいて求められた前記コンクリート強度を、前記コンクリート構造物のコンクリート強度として推定する推定部と、を有することを特徴とする。
本発明のコンクリート強度の推定システムによれば、制御手段は、種々の基準となるコンクリート構造物について、コンクリート強度と穿孔速度との強度及び速度の関係を特定したデータを記憶部に記憶しておく。演算部では、測定対象のコンクリート構造物に孔を開ける際に、記定トルク電動機のトルクを一定に制御して孔を開けるときの穿孔速度を、センサで検出した孔の穿孔深さと、計測部で計測した穿孔時間とから算出する。推定部では、強度及び速度の関係と、算出した穿孔速度の変化値から、記憶しておいた既知のデータに基づいて求められたコンクリート強度を、コンクリート構造物のコンクリート強度として推定する。
本発明に係るコンクリート強度の推定方法及びコンクリート強度の推定システムによれば、コンクリート構造物の強度を更に簡易に高精度に推定することができる。また、本発明は、今までできなかった穿孔深さと穿孔時間とから瞬時に穿孔速度が確定できるため、既知データと比較することで、リアルタイムでコンクリート強度の推定ができる。
本発明の実施形態に係るコンクリート強度の推定方法に使用される穿孔装置を示す概略図である。 穿孔装置の要部拡大概略図である。 実施例1で使用した穿孔装置の要部拡大概略図である。 穿孔装置の穿孔部の移動速度(穿孔速度)とコンクリート強度の関係を模式的に示すグラフである。 実施例1の実験に使用した穿孔装置の仕様を示す表である。 実施例1の実験で使用したコンクリート試験体(コンクリート構造物)のコンクリートの基本配合を示す表である。 実施例1の実験で使用したその他のコンクリート試験体のコンクリートの基本配合を示す表である。 実施例1の実験で使用したコンクリート試験体の材齢日とコンクリート強度との関係を示す表である。 実施例1の実験で孔を開けたコンクリート試験体の結果を示す平面図である。 (a)〜(f)は、抜粋したコンクリート試験体の実験を行ったときの穿孔深さと穿孔時間との関係を示すグラフである。 各コンクリート試験体に対して孔を開ける実験を行った結果を示す表であり、コンクリート強度と穿孔速度との関係を示す。 実施例1の実験で得られた穿孔速度とコンクリート試験体のコンクリート強度との関係を示すグラフである。 穿孔装置の推進手段に与えるトルクの設定値を変えて、穿孔速度の計測を行った実験結果を示す表である。 実験1で得られた電動機の設定トルクによる穿孔速度とコンクリート強度との関係を示すグラフである。 穿孔装置を下向き及び上向きにした実施例2の実験で得られた既設のコンクリート構造物のコンクリート強度と穿孔速度との関係を示す表である。 実施例2の実験で使用した上向き状態の穿孔装置を示す要部側面図である。 穿孔装置を下向き及び上向きにした実施例2の実験で得られた既設のコンクリート構造物のコンクリート強度と穿孔速度との関係を示すグラフである。
次に、本発明の実施形態に係るコンクリート強度の推定方法を図1を主に参照して説明する。まず、本発明の実施形態に係るコンクリート強度の推定方法を説明する前に、本発明のコンクリート強度の推定方法によってコンクリート強度が推定される試験体としてのコンクリート構造物Wと、コンクリート強度を推定するのに用いられるコンクリート強度の推定システム(以下、「推定システム」という)SYについて説明する。
なお、穿孔装置1でコンクリート構造物Wのコンクリート強度を推定する場合は、推定する被測定物であるコンクリート構造物Wの被穿孔面Wbの状態によって穿孔装置1の設置状態が相違する。例えば、被穿孔面Wbが床面の場合は下向きで行ない、被穿孔面Wbが天井面の場合は穿孔部41を上に向けた上向きで行ない、被穿孔面Wbが側壁面の場合は横向きで行う。以下、穿孔装置1で下向きの状態でコンクリート構造物Wのコンクリート強度を推定する場合を例に挙げて説明する。
また、説明の便宜上、図1に示す穿孔装置1において、支柱22が延設されている方向を上下方向とし、その支柱22に直交する方向の左側を左、右側を右として説明する。
≪コンクリート構造物≫
図1に示すように、コンクリート構造物Wは、砂、砂利、水等をセメント等の糊状のもので結合させたコンクリートによって既設された構造物であり、例えば、道路、橋梁、ビル(建築物)、ダム、トンネル、堤防等や、コンクリートで製造された二次製品等の種々の種々のものから成る。被測定物であるコンクリート構造物Wの厚さ、及び穿孔装置1によって開ける孔Waの穿孔深さd(図2参照)は、任意であって、特に限定されない。なお、孔Waは、貫通孔や、予め定めた深さの有底の穴でもよい。なお、二次製品には、荷重によって生ずる引張応力の一部あるいは全部を打ち消すように、予め圧縮応力を加えてあるプレストレストコンクリートと、PC鋼材を予め所定の力・位置に緊張しておき、これにコンクリートを打込み、硬化した後に緊張力を解放してプレストレスを与えるプレテンションコンクリートと、がある。
≪推定システム≫
推定システムSYは、コンクリート構造物Wに孔Waを開ける穿孔装置1を用いてコンクリート構造物Wのコンクリート強度を推定するシステムである。推定システムSYは、前記穿孔装置1と、穿孔装置1の基台21をコンクリート構造物W上に固定するための基台固定装置5と、穿孔装置1に流体を供給する流体供給装置6と、穿孔装置1の駆動状況及び推定されるコンクリート強度等を表示する表示手段8と、を備えている。
≪穿孔装置≫
穿孔装置1は、本発明のコンクリート強度の推定方法で、既存のコンクリート構造物Wのコンクリート強度を推定するのに使用される装置であり、コンクリート構造物Wに対して孔Waを開けるための穴開け装置である。穿孔装置1は、穿孔装置1の骨組を形成する基台21及び支柱22を有するフレーム2と、穿孔部41及び移動台31を上下動させる定トルク電動機32を備えた推進手段3と、穿孔部41を回転駆動させる電動駆動手段43(駆動手段)を有する穿孔機4と、穿孔部41がコンクリート構造物Wに開けた孔Waの穿孔深さd(図2参照)を間接的に検出するセンサ35と、推進手段3及び穿孔機4を制御する制御手段7と、を主に備えている。
≪フレーム≫
フレーム2は、コンクリート構造物Wの被穿孔面Wb上に載置される基台21と、基台21上に垂直に配置された支柱22と、支柱22の側面に設けられたラック23と、から主に構成されている。
<基台>
基台21は、下面に形成された逆凹溝形状の複数の凹部21aと、基台固定装置5に設けられた配管52が接続される配管接続口21bと、穿孔部41が挿入される穿孔部挿入口21cと、穿孔部挿入口21cに連通する穿孔部挿通孔21dと、穿孔部挿通孔21dが形成された支持部21eと、穿孔部挿通孔21dに連通する排水管接続口21fと、基台21の下端面全体に設けられたパッキン(図示省略)と、を備えている。基台21は、被穿孔面Wb上に密着した状態に固定されて、穿孔機4及び推進手段3が支持された支柱22を保持している。また、基台21には、コンクリート構造物Wに孔Waを開ける際に、穿孔部41が、この基台21の穿孔部挿入口21cから穿孔部挿通孔21dを挿通してコンクリート構造物Wに向けて送り出される。なお、基台21の高さH1(図2参照)は、特に限定されない。
複数の凹部21aは、例えば、基台21の下面部を四つに区画するように形成されている。その四つに区画された凹部21aは、連通孔(図示省略)を介して相互に連通するように形成されている。
配管接続口21bは、基台21の上面の端部から凹部21a内に連通した状態に形成されている。配管接続口21bは、複数の凹部21aのうちの一つに形成され、この配管接続口21bに真空ポンプ51に連通した配管52が接続されている。
穿孔部挿入口21cは、基台21の上面において、穿孔部41の真下の位置に上下方向に形成された貫通孔から成る。穿孔部挿入口21cは、穿孔部41及びシャンク42が上下方向に挿通可能に形成されている。このため、穿孔部挿入口21cの内壁は、この中に挿入された穿孔部41及びシャンク42を下降して穿孔部41によってコンクリート構造物Wに孔Waを開ける際(以下「穿孔時」という)に、穿孔部41及びシャンク42を、回転自在に支持して上下方向に移動するようにガイドする。また、穿孔部挿入口21cの内壁は、穿孔部41及びシャンク42の回転振れを防止する機能も果たす。
穿孔部挿通孔21dは、穿孔部挿入口21cから真下方向へ支持部21eを貫通してコンクリート構造物Wの孔Waに連続するように形成されて、穿孔部41及びシャンク42が挿通可能になっている。このため、穿孔部挿通孔21dも穿孔部挿入口21cと同様に、穿孔部41及びシャンク42を回転自在に支持して上下方向に移動するように案内すると共に、穿孔部41及びシャンク42の回転振れを防止する機能を果たす。
支持部21eには、穿孔部41からコンクリート構造物Wに向けて上下方向に形成された穿孔部挿通孔21dと、穿孔部挿通孔21dから横方向に向けて支持部21eの外壁面まで形成された排水管接続口21fと、が形成されている。支持部21eは、基台21の穿孔部挿入口21cの下側に設置されて、凹部21aの排水管64側の側壁を形成している。このため、基台21の下端部位は、下面視して、凹部21aと支持部21eとによって外周部がロ字状に形成されている。その凹部21a及び支持部21eの下面の周縁部と、穿孔部挿通孔21dの周縁には、空気漏れ及び水漏れを防止するためのパッキン(図示省略)が設けられている。
排水管接続口21fは、流体供給装置6の排水管64が取り付けられる排水路の連結部位である。排水管接続口21fは、穿孔時の切削加工で発生する切粉を、給水ポンプ62によって排水管64を介して貯留タンク61に水と共に送り出すための排出口である。排水管接続口21fは、図1に示す左端側が穿孔部挿通孔21dに連通し、右端側が基台21の外周側に開口して形成されて、その開口部位に排水管64が接続されている。
パッキン(図示省略)は、各凹部21aの開口周縁部に各凹部21aを囲むように設けられた環状のシール材である。パッキン(図示省略)は、基台21をコンクリート構造物Wの被穿孔面Wbに載置して真空ポンプ51で凹部21a内の空気を吸引した際に、基台21の下端部とコンクリート構造物Wとの間をシールして、各凹部21a内をそれぞれ密閉状態に保つ機能を果たす。
<基台固定装置>
前記基台固定装置5は、一端が凹部21a内に連通した状態に接続された配管52と、この配管52の他端に接続されて凹部21a内を真空吸引する真空ポンプ51と、真空ポンプ51の駆動、及び、配管52に設けられた不図示の制御バルブを制御する基台固定制御部(図示省略)と、を備えて構成されている。基台固定装置5は、凹部21a内の空気を吸引して負圧状態にすることにより、基台21がコンクリート構造物Wの上部に真空吸着され、穿孔装置1の全体をコンクリート構造物Wの被穿孔面Wb上に固定することができる。
<支柱>
支柱22は、推進手段3を上下動自在に支持するポールベースであり、基台21の上部に垂直に設けられている。支柱22には、穿孔機4側の側面の上部から下部までラック23が設けられ、その反対側の側面にスライドブロック本体31aが回転自在に軸支されたローラ36の外周面が当接している。支柱22には、推進手段3及び穿孔機4を支持した移動台31が上下動可能に支持されている。なお、支柱22及び基台21には、支柱22と基台21に対して傾斜させることができる角度調節機構(図示省略)が設けられている。このため、穿孔機4及び推進手段3は、コンクリート構造物Wに対して様々な角度に孔Waを開けることができると共に、様々な角度の被穿孔面Wbにも対応できるようになっている。
<ラック>
ラック23は、推進手段3のピニオン33が噛合して配置され、定トルク電動機32が回転駆動すると、推進手段3全体がラック23に沿って上下動するように配置されている。
≪推進手段≫
推進手段3は、穿孔部41を上下方向に進退させる定トルク電動機32を備え、穿孔機4を支持した移動台31を支柱22に沿って上下動させる送り装置である。推進手段3は、板状の部材によって形成された移動台31と、移動台31に設けられた定トルク電動機32と、定トルク電動機32の駆動歯車(図示省略)に連動回転するピニオン33と、定トルク電動機32を駆動させる電動機ドライバ34と、移動台31に取り付けられた前記センサ35と、移動台31に軸支された複数のローラ36と、を備えている。推進手段3は、支柱22に上下動自在に支持されて、定トルク電動機32の回転によって推進手段3及び穿孔機4全体を上昇、下降させる。
<移動台>
移動台31は、推進手段3及び穿孔機4を、支柱22に上下動可能に支持させるためのスライドブロックである。移動部材は、支柱22に支持されたスライドブロック本体31aと、スライドブロック本体31aに取り付けられた支持台31bと、支持台31bに取り付けられた取付治具31cと、支持台31bに内設されたジョイント31dと、から主に構成されている。移動台31は、定トルク電動機32の作動によって上下方向に進退されることにより、移動台31に追従して電動駆動手段43及び穿孔部41が上下方向に進退する。なお、移動台31は、穿孔機4の電動駆動手段43(穿孔部41)を、支持装置(図示省略)によって下向き、上向き等に向きを変えて支持することができるようになっている。
スライドブロック本体31aは、支柱22の背面側に支持された矩形の厚板状部材から成る。スライドブロック本体31aは、左端部側の上下に軸支されたローラ36,36と、右端部側の中央に設置された定トルク電動機32及びピニオン33と、左端部側の下部に設けられた支持台31bと、を備えている。このスライドブロック本体31aは、ローラ36,36とピニオン33とでラック23を介在して支柱22を挟持した状態に配置されている。
支持台31bは、スライドブロック本体31aに対して水平に固定された厚板状の部材から成る。支持台31bには、略中央部に形成されてジョイント31dが内嵌される縦孔32eと、給水管63が接続されて縦孔32eに連通する横孔31fと、が形成されている。支持台31bには、上面の右端部に立設された取付治具31cと、下面に取り付けられたセンサ35と、が設けられている。
取付治具31cは、電動駆動手段43を支持台31bに上方に配置するための固定具である。取付治具31cは、支持台31bの上面から上方向に延設された縦フレームと、縦フレームの上端部から支柱22方向に向けて水平に延設された横フレームと、を逆L字状に連結して構成されている。
ジョイント31dは、中央部に中空形状のシャンク42が上下動自在及び回転自在に挿入された中空部(図示省略)を有する筒状の部材から成り、支持台31bに上下方向に向けて形成された貫通孔に挿着されている。ジョイント31dは、給水管63の先端部が接続された流入口(図示省略)と、この流入口から浸入した水が流れ込むシャンク42の給水口(図示省略)の周辺部位を覆うように形成されて、シャンク42を回転自在に軸支する中空部(図示省略)と、を有している。このため、ジョイント31dは、給水管63と水が流動する管形状のシャンク42とを接続する継手の機能と、回転するシャンク42の振れを防止する軸受の機能と、を果たす。なお、ジョイント31d、後記のシャンク42及び穿孔部41は、特許文献1に記載されたジョイント、砥石ホルダ及び砥石ビットと同じ構造をしている。
<定トルク電動機>
定トルク電動機32は、移動台31と、移動台31に設けられた電動駆動手段43及びセンサ35と、電動駆動手段43に連結された穿孔部41と、を上下方向に移動させるためのモータである。定トルク電動機32には、回転数を計測するためのエンコーダ(図示省略)等が回転軸に設けられている。穿孔時に定トルク電動機32の定格トルク値(定格値)は、コンクリート強度の設定された絶対値に対して、前記定トルク電動機の定格トルクが前記絶対値を含む範囲の間に入るように設定されている。定トルク電動機32の定格トルクは、定格値が絶対値を含む相対的な範囲(例えば、定格値の10〜80%の範囲)に設定されている。
また、定トルク電動機32の回転数は、例えば、500(0〜4,000)[rpm]に設定されている。なお、定トルク電動機32の回転数は、ラック23とピニオン33とのギヤ比等によって相違するが、例えば、200[rpm]ではゆっくり過ぎ、また、4,000[rpm]では速過ぎるため、実用的な回転数の範囲の一例を挙げると、500〜1,000[rpm]が望ましい。
<ピニオン>
ピニオン33は、ラック23に噛合した状態に配置される駆動歯車である。ピニオン33は、例えば、定トルク電動機32のロータ(図示省略)に歯車減速機構を介在して減速して正転及び反転し、ラック23に沿って回転しながら下降、上昇するように配置されている。
<電動機ドライバ>
電動機ドライバ34は、定トルク電動機32の駆動を制御する装置であり、定トルク電動機32のトルクTを制御するトルク制御部(図示省略)と、定トルク電動機32に流す電流量、電流の方向(回転方向)、タイミング等の回転駆動を制御する駆動制御回路部(図示省略)と、を備えている。
<センサ>
センサ35は、移動台31の上下方向の変位、すなわち、移動台31に電動駆動手段43等を介在して取り付けられている穿孔部41の上下方向の変位を検出するための変位検出手段であり、例えば、レーザー距離計から成る。センサ35は、取り付けられた支持台31bからその下方の基台21の上面に向けてレーザー光を送信し、基台21の上面で反射して戻って来るレーザー光の反射波を受信するまでのレーザー光の往復時間を検出して、その時間の差からセンサ35から基台21の上面までの距離Cを計測する距離計である。計測した距離Cは、センサ35及び穿孔部41と一体に動く移動台31の上下動によって変位する。このため、センサ35は、センサ35から基台21の上面までの距離の変位と同じ距離だけ下方に移動する穿孔部41によってコンクリート構造物Wに開けた孔Waの穿孔深さd(図2参照)、及び穿孔距離を間接的に検出している。
センサ35で距離Cを検出する場合は、基台21の高さをH、基台21の上面から穿孔部41までの間隔をHとすると、穿孔部41を図2に示す位置状態からH+Hの距離だけ下降させて、被穿孔面Wbに当接する位置を検出時のスタート地点として位置合わせを行ってから距離Cの検出を行う。
なお、センサ35から穿孔部41までの長さBは、
B>H+d
に設定する。また、穿孔部41は、
+H+d<H+B
になるように設定する。
センサ35は、レーザー光を送信及び受信するレーザー光送受信部(図示省略)と、センサ35から発振されたレーザー光が戻って来るまでのレーザー光の往復時間を計測する時間計測部(図示省略)と、レーザー光の往復時間から穿孔距離(穿孔深さd)を算出する距離演算部(図示省略)と、を備え、センサ35自体で穿孔距離を計測できるようになっている。センサ35で検出した穿孔距離及び穿孔深さdのデータは、制御手段7の演算部73に送られる。
<ローラ>
図1に示すローラ36は、支柱22の左側の側面に圧接するように配置されて、定トルク電動機32の回転でピニオン33が連動してスライドブロック本体31aが上昇、下降することによって回転する。
<穿孔機>
穿孔機4は、シャンク42の先端に取り付けた穿孔部41を高速回転させることによって、コンクリート構造物Wの被穿孔面Wbを研磨しながら深穴切削して孔Waを開ける穿孔ドリル装置から成る。穿孔機4は、推進手段3の支持台31bに穿孔部41を下向きにして取り付けられている。穿孔機4は、孔Waを開けるための穿孔部41と、穿孔部41を先端に取り付けたシャンク42と、シャンク42及び穿孔部41を回転駆動させる電動駆動手段43と、シャンク42を電動駆動手段43に取り付けためのチャック44と、を主に備えている。穿孔機4は、穿孔時に、定トルク電動機32によって回転したピニオン33が噛合したラック23を転動することにより、穿孔部41及びシャンク42と共に支柱22に沿って下降しながら穿孔部41でコンクリート構造物Wに孔Waを開ける。
<穿孔部>
穿孔部41は、コンクリート構造物Wに直径が38mm以下(更に好ましくは4mm〜25mm)の小口径の穿孔ドリルの機能を果たすダイヤモンドビットといわれる砥石ビートから成る。穿孔部41は、コンクリート構造物Wの被穿孔面Wbに対して研削面が平面に形成される円筒状の砥石本体と、砥石本体の上端部をシャンク42の下端部に取り付ける円筒状の取付部と、から主に構成されている。穿孔部41の砥石本体は、研磨砥粒を結合材で焼結したものであって、周知の各種の砥石ビットから成る。穿孔部41は、穿孔時に、水が供給される後記する水循環路の一部を形成する不図示のコア孔及び側孔を有している。そのコア孔及び側孔は、穿孔時に発生した磨ぎ水及び切削粉を穿孔部41のコア孔(図示省略)と流体供給装置6との内外間で循環させることによって、穿孔部41とコンクリート構造物Wとの間の摩擦熱の上昇を抑制させると共に、切削粉を孔Waから自動排出させている。
<シャンク>
シャンク42は、水を穿孔部41に供給する中空状の供給路を有する円筒状(管状)の部材であり、砥石ホルダとも言われている。シャンク42は、上端部がジョイント31dを介してチャック44に固定され、下端部に穿孔部41の取付部が内嵌されている。ジョイント31d内に設けられたシャンク42の上端部側面には、給水管63内に連通する流入孔(図示省略)が形成されている。シャンク42及び穿孔部41は、基台21の穿孔部挿入口21c内、及び、支持部21eの穿孔部挿通孔21d内に、上下方向に移動可能に挿入できるように構成されている。
<電動駆動手段>
電動駆動手段43(駆動手段)は、穿孔部41及びシャンク42を回転させる電動モータから成る。電動駆動手段43は、取付治具31c上に取り付けられて、定トルク電動機32が回転することによって、移動台31と一体に上昇、下降する。
<チャック>
チャック44は、シャンク42の上端を着脱自在に固定する保持装置であり、電動駆動手段43の下側に設けられている。このため、シャンク42は、チャック44を締め付けを緩めることによって、別のものに交換することが可能になっている。
<流体供給装置>
流体供給装置6は、穿孔時に、摩擦熱が発生する穿孔部41及びコンクリート構造物Wの孔Waに磨ぎ水等の液体を供給して冷却及び潤滑させると共に、切削したコンクリートの切削粉を排出するための冷却水供給装置である。流体供給装置6は、水が貯留された貯留タンク61と、貯留タンク61に設けられた給水ポンプ62と、貯留タンク61内の水が送られる給水管63と、穿孔部挿通孔21d及び排水管接続口21fに連通する排水管64と、給水ポンプ62の駆動、及び給水管63に設けられた不図示のバルブを制御する注水制御部(図示省略)と、を備えている。流体供給装置6は、貯留タンク61と、給水ポンプ62と、給水管63と、ジョイント31d内の中空部と、シャンク42内の中空部と、穿孔部41内のコア孔と、基台21の穿孔部挿入口21cと、支持部21eの穿孔部挿通孔21d及び排水管接続口21fと、排水管64と、によって水の循環流路を形成している。
<貯留タンク>
貯留タンク61は、磨き水等の液を貯留させておくタンクであり、その内部に穿孔部41から戻った磨ぎ水の中の穿孔粉を取り除いて、穿孔性能を維持するためのフィルタ(図
示省略)が内設されている。磨ぎ水は、例えば、水道水であるが、特に制限はなく、ゲル状液、泡状液等であってもよい。
給水ポンプ62は、貯留タンク61から給水管63を介して穿孔部41に磨ぎ水を供給すると共に、穿孔部41に供給した磨ぎ水を排水管64を介して貯留タンク61に戻して循環させる動力源である。
給水管63は、上流側が給水ポンプ62に接続され、下流側がジョイント31dに接続されている。給水管63には、貯留タンク61から供給される磨ぎ水の量を調整するバルブ(図示省略)が設けられている。
排水管64は、穿孔部41によって孔Waを開けた際に発生する切削粉を磨ぎ水と共に貯留タンク61に送るための配管である。排水管64は、上流側が排水管接続口21fに接続され、下流側が貯留タンク61に接続されている。
<制御手段>
制御手段7は、コンクリート構造物Wに孔Waを開けている穿孔時間を計測する機能を備えた制御装置である。制御手段7は、種々のデータを記憶する記憶部71と、穿孔時間を計測する計測部72と、穿孔速度v及びコンクリート強度σを算出する演算部73と、コンクリート強度σを推定する推定部74と、表示手段8を制御する表示制御部75と、を備えている。なお、制御手段7は、その他に推進手段3等を制御する制御部をまとめて有するコントローラとして構成してもよい。
記憶部71は、定トルク電動機32等の種々のデータを記憶するフラッシュメモリや、ハードディディスク、光ディスク等である。記憶部71には、基準となるそれぞれの既存のコンクリート構造物Wのコンクリート強度σに対して定トルク電動機32のトルクTが一定となる範囲で、穿孔部41をコンクリート構造物Wに向けて移動させる送り速度を予め計測してそのデータが記憶させてある。また、記憶部71には、トルクTの一定の値を変えて計測した結果に基づいて、基準となるコンクリート構造物Wのコンクリート強度σと、穿孔部41がコンクリート構造物Wに孔Waを開けながら移動する穿孔速度vとの速度関係を特定したデータも記憶させてある。
計測部72は、センサ35で遂次計測して送られて来る穿孔距離が変位している間の時間からコンクリート構造物Wに孔Waを開けるのにかかった穿孔時間を計測する部位である。計測部72で計測された穿孔時間のデータは、演算部73に送られる。
演算部73は、センサ35で計測した穿孔距離の変位と、計測部72で計測した穿孔時間とから穿孔速度vを算出する部位である。さらに詳述すると、演算部73は、測定対象のコンクリート構造物Wに孔Waを開ける際に、定トルク電動機32のトルクTを一定に制御して孔Waを開けるときの穿孔速度vを、孔Waの穿孔深さd(穿孔距離)と穿孔時間とから算出する。演算部73で算出された値は、推定部74に送られる。
推定部74は、演算部73で算出した穿孔速度vの変化値から、記憶部71に記憶しておいた基準となるコンクリート強度σと穿孔速度vとの関係の既知のデータに基づいて求められたコンクリート強度σを、コンクリート構造物Wのコンクリート強度σとして推定する部位である。つまり、推定部74は、予め計測して記憶部71に記憶しておいた基準となるコンクリート構造物Wのコンクリート強度σに対する穿孔速度vと、演算部73で算出した被測定物のコンクリート構造物Wの穿孔時の穿孔速度vと、を比較して一致する穿孔速度vの基準のコンクリート構造物Wのコンクリート強度σを、その被測定物(コンクリート構造物W)のコンクリート強度σとして推定する。推定部74で推定したコンクリート強度σの値は、表示手段8にコンクリート強度情報として出力される。
この推定部74による穿孔速度vからコンクリート構造物Wのコンクリート強度σを推定する場合の一例を挙げる。推定部74では、下記の式(1)を用いて算出した値をコンクリート強度σとしてもよい。ここで、定数をa、比例定数をK,k、電動機の効率、歯車の摩擦係数を含む定数をk、定トルク電動機32の出力をP(=2πNT)、定トルク電動機32の回転数[rpm]をN、定トルク電動機32のトルク[Nm]をT、穿孔部41の穿孔速度[mm/s]をvとすると、コンクリート強度[N/mm]σは、例えば、後記する近似式
σ=8.1×v−2.8

とすることができ、この値をコンクリート強度σとしてもよい。なお、予め測定されている既知のコンクリート強度σは、予め推定部74に入力されてある。
制御条件設定部70は、式(1)〜(4)、定トルク電動機32の回転数、その他の値等を入力する部位である。
表示制御部75は、モニタ等である表示手段8の駆動表示を制御する部位であり、推定部74で推定したコンクリート強度σ等を表示手段8に表示させる。
≪作用≫
次に、本発明の実施形態に係るコンクリート強度の推定方法及びコンクリート強度の推定システムの作用を作業工程順に説明する。
図1に示す穿孔装置1を用いて、コンクリート構造物Wのコンクリート強度σを推定する場合は、推定作業を行う前に予め対象となるそれぞれのコンクリート構造物Wのコンクリート強度σと、コンクリート強度σに対する穿孔速度vと、を予めそれぞれ計測して制御手段7の記憶部71に記憶させておくと共に、その計測した結果に基づいて、コンクリート強度σと穿孔速度vとの関係を特定して記憶部71にそのデータを予め記憶させておく(準備工程)。
実際に、コンクリート構造物Wのコンクリート強度σを推定する場合は、まず、穿孔装置1をコンクリート構造物W上の被計測位置に載置する(穿孔装置載置工程)。次に、基台固定装置5の真空ポンプ51を作動させ、フレーム2の基台21をコンクリート構造物Wの上に真空吸着させ、穿孔装置1をコンクリート構造物W上の被穿孔面Wbに固定する(穿孔装置固定工程)。
続いて、推進手段3の定トルク電動機32を作動させて、穿孔機4を下降させ、穿孔部41を穿孔部挿通孔21d内に挿入させてコンクリート構造物Wの被穿孔面Wbに当接する位置(孔開け、及びセンサ35による距離Cの検出が行われるスタート位置)まで下降させる位置合わせを行う(穿孔部位置合わせ工程)。
次に、電動駆動手段43を作動させて、チャック44、シャンク42を介して穿孔部41を回転させる(穿孔機駆動工程)。さらに、流体供給装置6の給水ポンプ62を作動させて、貯留タンク61から給水管63、ジョイント31d、シャンク42、穿孔部41、穿孔部挿通孔21d、排水管64を介して貯留タンク61に戻る循環路に磨ぎ水を循環させる(流体供給装置駆動工程)。なお、給水ポンプ62により磨ぎ水を循環させるタイミングは、穿孔機4を回転駆動させる前であっても構わない。
この状態で、定トルク電動機32を作動させてトルクTを一定に制御して、移動台31、電動駆動手段43、センサ35、シャンク42、及び穿孔部41を下方に一定の送り速度で推進させて孔開けを開始する。これにより、穿孔部41が、コンクリート構造物Wの被穿孔面Wbに孔Waを開けながら下方に向かって下降し、コンクリート構造物Wに所定の径、深さの孔Waを形成する(孔開工程)。
コンクリート構造物Wに孔Waを開ける際に、センサ35は、移動台31及び穿孔部41と一緒に下降する。センサ35は、レーザー光が発射されてから基台21の表面で反射されて戻って来た反射波を受信するまでのレーザー光の往復時間をセンサ35に内設された時間計測部(図示省略)で計測すると共に、レーザー光の往復時間から孔Waの穿孔距離(穿孔深さd)をセンサ35に内設された不図示の距離演算部で算出する(穿孔距離計測工程)。センサ35で計測された穿孔距離のデータは、逐次に制御手段7の演算部73に送られる。
制御手段7の計測部72は、センサ35で計測した穿孔距離が変位している間の時間からコンクリート構造物Wに孔Waを開け始めてから終了するまでにかかった穿孔時間を計測する(穿孔時間計測工程)。
制御手段7の演算部73は、定トルク電動機32のトルクTを一定に制御して孔Waを開けるときの穿孔速度vを、センサ35で逐次に計測した穿孔距離(孔Waの穿孔深さd)と、計測部72で計測した穿孔時間と、から逐次に算出する(穿孔速度算出工程)。制御手段7の推定部74は、演算部73で逐次に穿孔速度vを算出するので、算出した穿孔速度vが多数ある。推定部74は、その逐次の穿孔速度vと、予め計測して記憶部71に記憶しておいた基準となるコンクリート構造物Wのコンクリート強度σに対する穿孔速度vと、を比較して一致する穿孔速度vの基準のコンクリート構造物Wのコンクリート強度σを、記憶部71のデータからコンクリート構造物Wのコンクリート強度σとして推定する(コンクリート強度推定工程)。推定されたコンクリート強度σは、表示手段8に表示される。
このように、本発明の実施形態に係るコンクリート強度σの推定方法は、対象となるそれぞれの既存のコンクリート構造物Wについてコンクリート強度σに対する穿孔速度vを予め計測しておき、コンクリート構造物Wに孔Waを開ける際に、穿孔部41の送り速度を定トルク電動機32で一定に制御して穿孔速度vを計測することによって、計測した穿孔速度vの変化からコンクリート強度σを容易にかつ高精度に推定することができる。
本発明は、今までできなかった穿孔深さd(穿孔距離)と穿孔時間とから瞬時に穿孔速度vが確定できるため、既知データと比較することで、リアルタイムでコンクリート強度σの推定ができる。
≪変形例≫
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造および変更が可能であり、本発明はこれら改造および変更された発明にも及ぶことは勿論である。
前記実施形態では、コンクリート構造物Wのコンクリート強度σを推定する方法の一例として、基準となるコンクリート構造物Wのコンクリート強度σに対する穿孔時の穿孔速度vとコンクリート強度σとの関係を特定しておき、測定対象のコンクリート構造物Wの穿孔時に計測した穿孔速度vの変化値からコンクリート強度σを、測定対象のコンクリート構造物Wのコンクリート強度σとして推定する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
コンクリート構造物Wのコンクリート強度σの推定は、予め実験行って計測して記憶部71に記憶しておいた基準となる既知のコンクリート構造物Wのコンクリート強度σ、及び、そのコンクリート強度σに対して予め特定しておいた定トルク電動機32の回転数と、計測部72で計測したコンクリート構造物W(被測定対物)の穿孔時の定トルク電動機32の回転数と、を推定部74で比較して一致する回転数の基準のコンクリート構造物Wのコンクリート強度σを、測定対象のコンクリート構造物Wのコンクリート強度σとして推定してもよい。
その場合、記憶部71には、基準となるコンクリート構造物Wのコンクリート強度σと、穿孔部41がコンクリート構造物Wに孔Waを開けるときの定トルク電動機32の回転数と、を予め実験を行うなど計測しておくと共に、コンクリート強度σと回転数との関係を予め特定しておき、そのデータを記憶部71に記憶させておく。
また、定トルク電動機32には、回転子に定トルク電動機32の回転数を検出するためのエンコーダ(図示省略)を設ける。そのエンコーダのパルス信号は、制御手段7の演算部73に送られる。演算部73では、そのエンコーダのパルス信号から定トルク電動機32の回転数を算出して、その回転数のデータを推定部74に送る。推定部74では、予め記憶部71に記憶されてある既知のコンクリート構造物Wのコンクリート強度σから予め特定しておいた定トルク電動機32の回転数と、穿孔時の回転数と、から既知のコンクリート構造物Wのコンクリート強度σに一致、あるいは、一番近い値のものを測定対象のコンクリート構造物Wのコンクリート強度σとして推定する。
穿孔装置1は、対象となるそれぞれのコンクリート構造物Wについて予め求めておいた定トルク電動機32の既知のトルクTの強度域おける標準値よりも、高強度域の想定されるトルクTに設定されていることによって、柔らかくて弱いコンクリート構造物Wに孔Waを開ける場合、定トルク電動機32のトルクTが一定となる。また、硬くて強いコンクリート構造物Wに孔Waを開ける場合は、定トルク電動機32のトルクTが負けて低化し、穿孔速度v及び回転数が遅くなる。このため、コンクリート構造物Wのコンクリート強度σは、穿孔速度vの値以外に、定トルク電動機32の変化した回転数の値からも推定することができる。
≪その他の変形例≫
また、前記実施形態では、センサ35の一例として、移動台31の上下方向の変位を検出するレーザー距離計を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。センサ35は、穿孔部41の上下方向の変位を検出することが可能なものであれば、その種類、構造、取付手段、取付場所等は適宜変更しても構わない。センサ35は、例えば、光学式あるいは超音波式のものであってもよい。
また、制御手段7の一例として、記憶部71と、計測部72と、演算部73と、推定部74と、表示制御部75と、を備えた場合を例に挙げて説明したが、制御手段7は、その他に、定トルク電動機32を制御する不図示のトルク制御部及び駆動制御回路部を有する電動機ドライバ34と、流体供給装置6の給水ポンプ62の駆動、及び給水管63に設けられた不図示の制御バルブを制御する注水制御部(図示省略)と、基台固定装置5の真空ポンプ51の駆動、及び、配管52に設けられた不図示の制御バルブを制御する基台固定制御部(図示省略)と、を備えていてもよい。
次に、図3〜図14を参照しながら実施例1を説明する。
実施例1では、穿孔装置1でコンクリート構造物Wに孔Waを開けるときの穿孔速度v及び回転数の値からコンクリート強度σを推定できることを穿孔実験を行って確認した。その実験を説明する前に、穿孔部41の穿孔速度vと、コンクリート強度σの関係を説明する。
≪穿孔部の穿孔速度とコンクリート強度の関係≫
図1に示す穿孔装置1には、コンクリート構造物Wの孔Waを穿孔部41で切削して形成する際に、穿孔部41の送りを自動化するために、移動台31内の歯車(図示省略)に減速機を介在させて定トルク電動機32を設けた。定トルク電動機32は、定格トルク内の負荷に対して、設定した回転数(定格内)で運転できる特性を有している。このため、定トルク電動機32は、設定した回転数が0の状態でも連続回転が可能である。また、コンクリート構造物Wの内部の粗骨材の影響で穿孔速度vが急激に低下しても、定トルク電動機32への負荷は小さく抑えることができる。
一般に、ラック・ピニオン機構を用いた穿孔部41の穿孔速度vについては、図3に示すように、定トルク電動機32のトルクをT、定トルク電動機32の設定回転数をN、穿孔部41の穿孔速度をv、穿孔部41の切削に対する負荷力をFとすると、穿孔速度vは、
v=k・2πNT/F (2)
という関係がある。ただし、kは、定トルク電動機32の効率や、ラック23及びピニオン33の摩擦係数を含む定数を表す。このk、式(1)〜(4)、定トルク電動機32の回転数、その他の値は、予め定めた値等として、制御条件設定部70(図1参照)から入力されることになる。
定トルク電動機32を用いた制御では、穿孔部41の負荷力Fが設定トルクTの範囲であれば、負荷力Fに追随したトルクT=kF(kは比例定数)が出力されるため、穿孔速度vは、
となり、穿孔速度vは、一定となる。
一方、穿孔部41の負荷力Fが設定トルクT以上であれば、定トルク電動機32の回転数Nは負荷力Fに応じて変化するが、定トルク電動機32の出力P(=2πNT)は一定であるため、穿孔速度はvは式(4)に示すことができる。
v=k・P/F (T>T) (4)
この場合、穿孔速度vは、負荷力Fに反比例した関係が得られる。
穿孔機4でコンクリート構造物Wに孔Waを開ける負荷力Fが、コンクリート強度σのa乗に比例する関係があると仮定すれば、
F=k・σ(k,aは比例定数)
で表され、この関係を式(4)に代入してコンクリート強度σで表すと、

が得られる。式(1)を用いてコンクリート構造物Wのコンクリート強度σを推定することが可能である。
図4は、穿孔部の移動速度(穿孔速度)とコンクリート強度の関係を模式的に示すグラフである。
すなわち、定トルク電動機32の設定トルクTが一定となる範囲(負荷力Fが設定トルクT以上)で使用して複数の孔Waをそれぞれの条件で開けることで、図4に示すように、穿孔速度vは、コンクリート強度σの値に対して右下がりに変化した曲線となることが分かる。
このことから、穿孔装置1を用いて穿孔実験を行い、コンクリート強度σに対する穿孔速度vを求めておき、k,aを決定することにより、コンクリート強度σを簡易的に推定することができる経験式を得ることができる。
≪実施例1の穿孔装置≫
図5は、実験に使用した穿孔装置の仕様を示す表である。
実施例1では、図5に示す仕様の穿孔装置1を使用して穿孔実験を行った。使用した穿孔装置1は、ダイヤモンドビットから成る穿孔部41と、定格トルクが0.1Nmの定トルク電動機32と、レーザー変位計から成るセンサ35と、流量が2.5m/minの水を循環させる流体供給装置6と、真空圧が750mmHgの真空ポンプ51と、を備えている。
≪コンクリート構造物(試験体)≫
図6は、実験で使用したコンクリート構造物W(コンクリート試験体)のコンクリートの基本配合を示す表である。実験で使用したコンクリート構造物W(コンクリート試験体)は、図6に示す基本配合のコンクリートであって、水セメント比W/Cを37.8%とし、セメントに早強セメントを用いている。
図7は、実験で使用したその他のコンクリート構造物W(コンクリート試験体)のコンクリートの基本配合を示す表である。
また、本実験では、コンクリート強度σを変動させる目的で、基本配合に混合して基本配合で混練を行った後、図7に示すように、加水を実施し、パン型ミキサーを用いて再度2分間の混練を行った試験体も作製した。加水量は、1m当たり、11.6kg、23.2kg、34.8kg、69.6kgの4種類である。コンクリート試験体の大きさは、100cm×100cm×深さ20cmである。加水したコンクリート試験体の大きさは、100cm×50cm×深さ20cmである。
図8は、実験で使用したコンクリート構造物W(コンクリート試験体)の材齢日が1日、3日、7日とコンクリート強度との関係を示す表である。
図7に示すように配合して製作したコンクリート試験体の材齢日が1日、3日、7日と、コンクリート強度σとは、図8に示すような関係がある。つまり、コンクリート構造物W(コンクリート試験体)のコンクリート強度σは、材齢が1日から3日、7日と経過するのに従って強度が向上する。
≪実験方法≫
穿孔機4の自動送りの設定を確定するために、基準トルクT(0.1Nm)に対する設定値(定格トルク値の10〜20%)を変化させ、コンクリート試験体に孔Waを開けるときのトルクTを計測した。各試験体に対し、穿孔時のトルクが設定値と常に等しく、負荷力Fが設定トルクT0 以上となる条件を選定した。また、定トルク電動機32の回転数Nは、実際の現場作業で利用できる実用的な値(N=500rpm)を採用した。
前記コンクリート試験体に孔Waを開けるときのトルクTの設定値を基に、各コンクリート試験体に約150mmの深さまで孔Waを開け、孔Waを開けるのにかかった経緯と穿孔時間tとを記録した。孔Waの穿孔深さd(図2参照)は、穿孔機4の支持台31bに取り付けたセンサ35で計測し、合わせて定トルク電動機32の出力トルクTを時系列に制御手段7の記憶部71(メモリーハイコーダ)に記録した。
各コンクリート試験体に対して5回孔Waを開ける作業を行い、穿孔実験による再現性が得られるように工夫した。実験開始に合わせて孔Waの状態を表示手段8(モニタ)で観察し、穿孔速度vの大きさの変化や、異常状況を確認した。穿孔間隔は予備実験によって10(mm)間隔でも実験データには影響がないことを確認したが、粗骨材の最大寸法(25(mm))を考慮して約20(mm)の間隔を開けて実施した。なお、ダイヤモンドビットは、最初に約400(mm)の予備穿孔を行い、ダイヤモンドの目出しを確認してから、穿孔実験を開始した。ダイヤモンドビットの限界穿孔長は8〜10(m)であることを実験で確認しており、本実験では安定な性能が確保できる穿孔長5(m)を限界として、ダイヤモンドビットの交換を実施した。実験の経過に伴って穿孔部41のダイヤモンド砥粒の消耗が生じたが、実験毎に摩耗度を記録し、切削能が同じになるように考慮した。
図9は、実験で孔を開けたコンクリート試験体の結果を示す平面図である。この実験では、図9に示すように、材齢日が1日、3日、7日のコンクリート試験体に多数の孔Waを開けて強度試験を行った。コンクリート試験体の被穿孔面Wbのほぼ全体の範囲を使用して孔Waを多数開けたことによって、穿孔部位の違いによる影響も考慮した。
≪実験結果≫
図10(a)〜(f)は、抜粋したコンクリート試験体(試験体No.3、及びNo.5)の穿孔実験を行ったときの実際の穿孔深さと穿孔時間との関係を示すグラフである。
図10(a)〜(f)のデータから、コンクリート試験体の穿孔深さdは、穿孔時間tにほぼ比例して右上がりに増加し、コンクリート強度σが同じあれば、ほぼ同じ穿孔状態となることが分かる。また、コンクリート強度σが高いほど、穿孔速度は低下する傾向が見られる。その結果、穿孔速度v(図10(a)〜(f)のグラフの直線を直線とみなしたときのその傾き)の変化は、骨材等の影響と考えられ、粗骨材の種類によっても穿孔時間が異なるものと推定される。これは粗骨材を穿孔する部位を過ぎれば、再び穿孔速度が元の傾きになることからも確認できる。そこで、明らかに粗骨材の影響による時間のロスが見られた実験では、ロス時間を全体の穿孔時間から差引き、差引いた時間と穿孔深さの関係から各穿孔速度を決定した。
図11は、各コンクリート試験体に対して孔を開ける穿孔実験を行った結果を示す表であり、コンクリート強度と穿孔速度の関係を示す。
図11に示すように、前記粗骨材の影響を考慮して、穿孔速度vを決定した。また、コンクリート強度σが高くなるほど、穿孔速度vは、低下する傾向がある。これは、穿孔部41(穿孔ドリル)に作用する負荷力Fが増加したためと考えられる。
図12は、実施例1の実験で得られた穿孔速度とコンクリート試験体のコンクリート強度との関係を示すグラフである。
図12に示すように、コンクリート強度σの値は、穿孔速度vに対して考えられる右下がりの曲線を描く値となり、冪数関数を用いて最少二乗近似したσの式はk=8.1、1/a=2.8として、
σ=8.1×v−2.8
で表され、相関係数(r =0.86)も1に近く、各データの相関が高いことが分かる。このことから、穿孔速度を計測して近似式に代入することで、コンクリート強度σを推定することが可能となった。また、式(4)の中では、穿孔機4に作用する負荷力Fが、コンクリート強度σのα乗に比例する仮定をしたが、実験結果でも同様な関係が見られた。今後、各種の定数値を求めることで、精度の高い推定式が得られるものと考えられる。
≪穿孔速度とコンクリート強度の推定≫
図13は、穿孔装置の推進手段に与えるトルクの設定値を変えて、穿孔速度の計測を行った実験結果を示す表である。図14は、実験1で得られた電動機の設定トルクによる穿孔速度とコンクリート強度との関係を示すグラフである。
穿孔装置1の推進手段3の定トルク電動機32に与えるトルクTの設定値を定格トルク値の10%、15%、及び20%に変えて、穿孔速度vを計測する実験を行ったところ、図13に示す結果が得られた。その実験結果のデータから穿孔速度vとコンクリート強度σの関係は、図14に示す結果が得られた。
図14に示すように、定トルク電動機32のトルクTの値が定格トルク値の10%では、コンクリート強度σが穿孔速度vに対して右下がりの曲線となった。一方、トルクTの値を定格トルク値の15%及び20%にした場合は、孔Waを開けるときのトルクTがほぼ一定となり、穿孔負荷に対して十分に余裕があることが分かった。この場合、穿孔速度vは、コンクリート強度σにかかわらず、ほぼ等しい値となっている。また、定格トルク値が15%及び20%では、与えたトルクTが相違するので、穿孔速度vも相違した値になると推定される。
≪既設のコンクリート構造物のコンクリート強度の推定≫
図15は、穿孔装置を下向き及び上向きにした実施例2の実験で得られた既設のコンクリート構造物のコンクリート強度と穿孔速度との関係を示す表である。穿孔装置を下向き及び上向きにした実施例2の実験で得られた既設のコンクリート構造物のコンクリート強度と穿孔速度との関係を示す表である。図16は、実施例2の実験で使用した上向き状態の穿孔装置を示す要部側面図である。
実施例2では、前記実施形態で得られたコンクリート強度σの推定方法を用いて、既設のコンクリート構造物Wの穿孔実験を行い、穿孔装置1の性能を確認すると共に、コンクリート強度σの推定方法の検証を実施した。実施例2の実験では、既設のコンクリート構造物Wとして、図15に示す低強度試験体(コンクリート強度σ:21.6N/mm)と、高強度試験体(コンクリート強度σ:57.6N/mm)を使用して、図1〜図3に示す穿孔部41が下向き方向の穿孔装置1と、図16に示す穿孔部41が上向き方向の穿孔装置1とで穿孔実験を行うことによって、重力方向の相違と、穿孔機4の自重量の影響などの相関関係を実証した。
この実験では、図16に示すように、穿孔装置1の穿孔部41を上向きにした場合では、穿孔機4の自重が定トルク電動機32にかかるので、トルク設定に穿孔機4の自重を考慮した値を用いる必要があるため、図15に示すように、トルクTの設定値を穿孔部41が下向きのときと変えることで、最適な値を確認した。
図17は、穿孔装置を下向き及び上向きにした実施例2の実験で得られた既設のコンクリート構造物のコンクリート強度と穿孔速度との関係を示すグラフである。
前記図15に示した穿孔速度vの平均と、コンクリート強度σとの関係を、グラフにすると図17に示すようになる。下向き穿孔実験(定格トルク値の10%)による穿孔速度vは、本実験で得られた近似式(例えば、図12に記載した経験式)に沿う値となり、近似式が既設のコンクリート構造物Wでも対応することが確認できた。
また、上向き穿孔実験では、穿孔機4の自重が定トルク電動機32に負荷されるのを考慮したトルク値(定格トルク値の20%)とすることで、近似式(例えば、図12に記載した経験式)とほぼ等しくなる。穿孔部41を上向きにして孔Waを開ける上向き穿孔では、穿孔部41を下向きにする下向き穿孔に対してトルク値を定格トルク値の10%増加させることによって、コンクリート強度σの推定のための設定ができるものと考えられる。その他のデータは、穿孔時の定トルク電動機32の設定トルクが設定値より小さいデータであり、近似式とは大きく異なることが分かる。
以上のことから、穿孔装置1を用いてコンクリート構造物Wのコンクリート強度σの推定を行う場合、下向き穿孔では定格トルク値の10%以下のトルク値、上向き穿孔では定格トルク値の20%のトルク値に設定すればよいことが確認できた。つまり、穿孔装置1を用いてコンクリート強度σを推定する場合は、穿孔部41を下向きにして穿孔するときの定トルク電動機32の設定トルクTと比較して、穿孔部41を上向きにして穿孔するときの定トルク電動機32の設定トルクTを、大きく設定して行えばよい。
このように、本発明では、小口径で深い孔Waを開ける穿孔装置1に対して、穿孔部41の送り速度を定トルク電動機32で制御して穿孔速度vの変化からコンクリート構造物Wのコンクリート強度σを推定した。定トルク電動機32を用いた穿孔速度vと負荷力F、回転数の関係からコンクリート構造物Wのコンクリート強度σを推定する簡易な方法を、実験で検証した。
穿孔実験では、コンクリート強度σが相違するコンクリート試験体を作製し、穿孔深さdと穿孔時間tとの関係から穿孔速度vを測定した。続いて、得られたデータを基にコンクリート強度σと穿孔速度vとの関係を確認し、近似式(例えば、図12に記載した経験式)を導出した。近似式では、同じトルク設定の範囲(下向き穿孔では定格トルク値の10%以下、上向き穿孔では定格トルク値の20%)では、既設のコンクリート構造物Wにも適用できることを確認した。本発明の穿孔装置1とコンクリート強度σの推定方法を用いることによって、コンクリート強度σの推定を簡易に実施できることを確認することができた。
1 穿孔装置
3 推進手段
7 制御手段
21 基台
22 支柱
31 移動台
32 定トルク電動機
35 センサ
41 穿孔部
43 電動駆動手段(駆動手段)
71 記憶部
72 計測部
73 演算部
74 推定部
a 比例定数
d 穿孔深さ
比例定数
電動機の効率、歯車の摩擦係数を含む定数
比例定数
N 定トルク電動機の回転数
定トルク電動機の設定回転数
SY コンクリート強度の推定システム
T 定トルク電動機のトルク
定トルク電動機の設定トルク
W コンクリート構造物
Wa 孔
σ コンクリート強度
v 穿孔部の穿孔速度

Claims (6)

  1. コンクリート構造物に直径が38mm以下の孔を開ける穿孔部を有する穿孔装置を定トルク電動機により送り、制御手段によって前記コンクリート構造物のコンクリート強度を推定するコンクリート強度の推定方法であって、
    基準となるそれぞれのコンクリート構造物についてコンクリート強度に対して前記定トルク電動機のトルクが一定となる範囲で、前記穿孔部を前記コンクリート構造物に向けて移動させる送り速度を予め計測しておくと共に、前記トルクの一定の値を変えて計測した結果に基づいて、前記コンクリート強度と、前記穿孔部が前記コンクリート構造物に前記孔を開けながら移動する穿孔速度との強度及び速度の関係を予め特定しておき、
    前記制御手段は、測定対象のコンクリート構造物に前記孔を開ける際に、前記定トルク電動機のトルクを一定に制御して前記孔を開けるときの前記穿孔速度を計測し、前記強度及び速度の関係と前記計測した穿孔速度の変化値から前記コンクリート強度を、前記測定対象のコンクリート構造物のコンクリート強度として推定すること
    を特徴とするコンクリート強度の推定方法。
  2. 前記穿孔部を送る際に前記定トルク電動機に与える設定トルクは、前記基準となるそれぞれのコンクリート構造物について予め求めておいた前記定トルク電動機の既知のトルクの強度域の標準値よりも、高強度域に設定されていること
    を特徴とする請求項1に記載のコンクリート強度の推定方法。
  3. 前記穿孔部を送る際に前記定トルク電動機の定格トルク値は、コンクリート強度の設定された絶対値に対して、前記定トルク電動機の定格トルクが前記絶対値を含む範囲の間に入るように設定されていること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンクリート強度の推定方法。
  4. 前記制御手段は、前記コンクリート構造物に前記孔を開けるときの前記穿孔部が前記コンクリート構造物を押圧する負荷力Fを、前記コンクリート強度σのa乗に比例するものと仮定して、
    F=k・σ
    で表し、
    前記コンクリート構造物の前記コンクリート強度σを、前記計測した穿孔速度vと下記式(1)を用いて推定すること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のコンクリート強度の推定方法。
    ただし、
    F=負荷力
    σ:コンクリート強度[N/mm
    a:定数
    :比例定数
    :電動機の効率、歯車の摩擦係数を含む定数
    :比例定数
    (=2πNT):定トルク電動機の出力
    N:定トルク電動機の回転数[rpm]
    T:定トルク電動機のトルク[Nm]
    v:穿孔部の穿孔速度[mm/s]
  5. 前記穿孔装置は、前記穿孔部を回転駆動させる駆動手段と、
    前記穿孔部を推進させる前記定トルク電動機を備えた推進手段と、
    前記駆動手段を支持して前記推進手段によって上下動される移動台と、
    前記移動台を上下動自在に支持する支柱と、を備え、
    前記定トルク電動機は、前記穿孔装置を用いてコンクリート強度を推定する場合、前記穿孔部を下方向に向けて下向きで孔を開けるときの設定トルクと比較して、前記穿孔部を上方向に向けて上向きで孔を開けるときの設定トルクの方が、大きく設定されていること
    を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のコンクリート強度の推定方法。
  6. コンクリート構造物に孔を開ける穿孔装置と制御手段とを用いて前記コンクリート構造物のコンクリート強度を推定するコンクリート強度の推定システムであって、
    前記穿孔装置は、前記コンクリート構造物に直径が38mm以下の孔を開ける穿孔部と、
    前記穿孔部を回転駆動させる駆動手段と、
    前記穿孔部を推進させる定トルク電動機を備えた推進手段と、
    前記駆動手段を支持して前記推進手段によって上下動される移動台と、
    前記コンクリート構造物上に設置される基台と、
    前記基台上に設けられ前記移動台を上下動自在に支持する支柱と、
    前記穿孔部が前記コンクリート構造物に開けた孔の穿孔深さを検出するためのセンサと、を備え、
    前記制御手段は、基準となるそれぞれのコンクリート構造物についてコンクリート強度に対して前記定トルク電動機のトルクが一定となる範囲で、前記穿孔部を前記コンクリート構造物に向けて移動させる送り速度を予め計測しておくと共に、前記トルクの一定の値を変えて計測した結果に基づいて、前記コンクリート強度と、前記穿孔部が前記コンクリート構造物に前記孔を開けながら移動する穿孔速度との強度及び速度の関係を特定したデータを記憶する記憶部と、
    前記コンクリート構造物に前記孔を開けている穿孔時間を計測する計測部と、
    測定対象のコンクリート構造物に前記孔を開ける際に、前記トルク電動機のトルクを一定に制御して前記孔を開けるときの前記穿孔速度を、前記孔の穿孔深さと前記穿孔時間とから算出する演算部と、
    前記強度及び速度の関係と、前記算出した穿孔速度の変化値と、前記記憶しておいた既知のデータと、に基づいて求められた前記コンクリート強度を、前記コンクリート構造物のコンクリート強度として推定する推定部と、を有すること
    を特徴とするコンクリート強度の推定システム。
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