JP2019060686A - コンクリート強度の推定システム、コンクリート強度の推定方法およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】サンプルの採取を行うことなく、コンクリートにおける圧縮強度の推定精度の向上を図りやすいコンクリート強度の推定システム、コンクリート強度の推定方法およびプログラムを提供する。【解決手段】コンクリート構造部50に孔を形成する削孔部12と、削孔部12をコンクリート構造部50に押し付ける押圧部15と、削孔部12を回転させる駆動部14と、削孔部12における孔の深さ方向への移動速度を測定する測定部16と、測定された移動速度に基づいてコンクリート構造部50の圧縮強度を演算により求める演算部30と、が設けられ、演算部30は、移動速度を取得し、取得した移動速度からモルタル部52について削孔部12が孔を形成している部分の移動速度であって、微粒子骨材が分布する領域の移動速度である微粒子骨材モルタル部速度を抽出し、抽出した微粒子骨材モルタル部速度に基づいて圧縮強度を求めることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、コンクリート強度の推定システム、コンクリート強度の推定方法およびプログラムに関する。
従来のコンクリートの圧縮強度を測定する方法としてコア採取法が知られている。コア採取法は、建物の一部をサンプルとして採取して調査するものであるため、多くの時間と費用を要する問題があった。また、建物の一部をサンプルとして採取する必要があるという問題もあった。
これに対して、コンクリートテスターを用いた調査方法などのようにサンプルの採取が不要な非破壊調査法も知られている。これらの調査方法は、コア採取法と比較して時間と費用が節約可能というメリットが有している。その一方で、コア採取法と比較して調査結果の精度が低いという問題があった。
コンクリートの圧縮強度を推定する他の非破壊調査法としてドリル法による圧縮強度測定方法も知られている(例えば、特許文献1参照。)。ドリル法は、コンクリート構造物に対して孔をあける際に、ドリルや砥石などの孔を形成する部分の先端が移動する速さである穿孔速度と、コンクリートの圧縮強度とが所定の関係を有することを利用した調査方法である。
特開2015−212637号公報
上述のドリル法を用いた調査方法では、コンクリート構造部におけるモルタル部および骨材部分を含むコンクリートの削孔を行い、その際の削孔速度に基づいてコンクリートの圧縮強度を推定している。そのため、コンクリートの圧縮強度の推定精度の向上が図りにくいという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、サンプルの採取を行うことなく、コンクリートにおける圧縮強度の推定精度の向上を図りやすいコンクリート強度の推定システム、コンクリート強度の推定方法およびプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の第1の態様に係るコンクリート強度の推定システムは、コンクリート構造部に孔を形成する削孔部と、前記削孔部を前記コンクリート構造部に押し付ける押圧部と、前記削孔部を回転させる駆動部と、前記削孔部における前記孔の深さ方向への移動速度を測定する測定部と、前記測定部に測定された前記移動速度に基づいて前記コンクリート構造部における圧縮強度を演算により求める演算部と、が設けられ、前記演算部は、前記測定部から前記移動速度を取得し、取得した前記移動速度から、前記コンクリート構造部に含まれるモルタル部について前記削孔部が孔を形成している部分の移動速度であって、微粒子骨材が分布する領域の移動速度である微粒子骨材モルタル部速度を抽出し、抽出した前記微粒子骨材モルタル部速度に基づいて前記コンクリート構造部の圧縮強度を演算により求めることを特徴とする。
本発明の第2の態様に係るコンクリート強度の推定方法は、コンクリート構造部に対して削孔部を所定の力で押しつけつつ所定トルクで回転させることにより孔を形成し、当該孔を形成する際の前記削孔部における前記孔の深さ方向への移動速度を測定する測定ステップと、測定した前記移動速度を取得する取得ステップと、取得した前記移動速度から、前記コンクリート構造部に含まれるモルタル部について前記削孔部が孔を形成している部分の移動速度であって、微粒子骨材が分布する領域の移動速度である微粒子骨材モルタル部速度を抽出する抽出ステップと、抽出した前記微粒子骨材モルタル部速度に基づいて前記コンクリート構造部の圧縮強度を演算により求める演算ステップと、を有することを特徴とする。
本発明の第3の態様に係るプログラムは、コンピュータに、コンクリート構造部に対して削孔部を所定の力で押しつけつつ所定トルクで回転させることにより孔を形成し、当該孔を形成する際の前記削孔部における前記孔の深さ方向への移動速度を取得する取得機能と、取得した前記移動速度から、前記コンクリート構造部に含まれるモルタル部について前記削孔部が孔を形成している部分の移動速度であって、微粒子骨材が分布する領域の移動速度である微粒子骨材モルタル部速度を抽出する抽出機能と、抽出した前記微粒子骨材モルタル部速度に基づいて前記コンクリート構造部の圧縮強度を演算により求める演算機能と、を実現させることを特徴とする。
本発明の第1の態様に係るコンクリート強度の推定システム、第2の態様に係るコンクリート強度の推定方法、第3の態様に係るプログラムによれば、削孔部における孔の深さ方向への移動速度(言い換えると削孔速度)であって、削孔部がコンクリート構造部に含まれるモルタル部を削孔している際の移動速度のうちの、微粒子骨材が分布する領域の移動速度である微粒子骨材モルタル部速度に基づいてコンクリート構造部の圧縮強度を演算により求める。つまり、圧縮強度の演算に用いられるモルタル部を削孔する移動速度から、削孔部がコンクリート構造部に含まれる粗骨材を削孔している際の移動速度、及びモルタル部に含まれる細骨材を削孔している際の移動速度が除かれた微粒子骨材モルタル部の削孔速度を抽出することにより、コンクリート構造部の圧縮強度の推定精度を高めやすくしている。また、コンクリート構造部からサンプルの採取を行うことなく圧縮強度の推定を行うことができる。
なお、コンクリート構造部は、少なくともモルタル部および粗骨材を有するコンクリートと、鉄筋から少なくとも構成されているものである。コンクリートは、セメントと細骨材および微粒子骨材(砂等)と水を練り混ぜたモルタルに砂利(粗骨材)を加えて硬化させたものである。コンクリートには、モルタルが硬化した部分であるモルタル部と、粗骨材の部分とが含まれる。
上記発明の第1の態様において前記演算部は、取得した前記移動速度から前記微粒子骨材モルタル部速度を抽出する際に、前記深さ方向に対する前記移動速度の振幅が第1閾値以下である部分を前記微粒子骨材モルタル部速度として抽出することが望ましい。
このように深さ方向への移動速度の振幅が第1閾値以下である部分を微粒子骨材モルタル部速度として抽出することにより、削孔部が粗骨材など微粒子骨材モルタル部以外の箇所を削孔している際の移動速度を除きやすくなる。そのため、圧縮強度の推定精度向上を図りやすくなる。
上記発明の第1の態様において前記演算部は、取得した前記移動速度から前記微粒子骨材モルタル部速度を抽出する際に、前記深さ方向に対する前記移動速度の振幅が前記第1閾値以下である部分であって、当該部分の前記深さ方向の長さが第2閾値以上の部分を前記微粒子骨材モルタル部速度として抽出することが望ましい。
このように移動速度の振幅が第1閾値以下である部分の深さ方向の長さが第2閾値以上の部分を微粒子骨材モルタル速度として抽出することにより、削孔部が粗骨材及びモルタル部に含まれる細骨材など微粒子骨材モルタル部以外の箇所を削孔している際の移動速度を更に除きやすくなる。そのため、圧縮強度の推定精度向上を図りやすくなる。
上記発明の第1の態様において前記押圧部は、前記コンクリート構造部に対する前記削孔部の位置が変動した際に、前記削孔部を前記コンクリート構造部に押し付ける力の変動幅が第1所定値以下であることが望ましい。
このように押圧部による押し付け力の変動幅を第1所定値以下とすることにより、コンクリート構造部の圧縮強度以外の要因による移動速度の変動を抑制しやすくなる。そのため、圧縮強度の推定精度向上を図りやすくなる。
上記発明の第1の態様において前記駆動部は、前記削孔部における所定時間の回転数である回転速度の変動幅が第2所定値以下であることが望ましい。
このように削孔部の回転速度の変動幅を第2所定値以下にすることにより、コンクリート構造部の圧縮強度以外の要因による移動速度の変動を抑制しやすくなる。そのため、圧縮強度の推定精度向上を図りやすくなる。
本発明のコンクリート強度の推定システム、コンクリート強度の推定方法およびプログラムによれば、削孔部がコンクリート構造部に含まれる微粒子骨材モルタル部を削孔している際の移動速度である微粒子骨材モルタル部速度に基づいてコンクリート構造部の圧縮強度を演算により求めるため、サンプルの採取を行うことなく、コンクリートにおける圧縮強度の推定精度の向上を図りやすいという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るコンクリート強度の推定システムの構成を説明する模式図である。 図1の情報処理部における構成を説明するブロック図である。 コンクリート強度の推定方法を説明するフローチャートである。 削孔速度からモルタル部速度の抽出方法を説明するグラフである。
この発明の一実施形態に係るコンクリート強度の推定システムについて、図1から図4を参照しながら説明する。本実施形態の推定システム1は、建築物の鉄筋コンクリート躯体(コンクリート構造部)50におけるコンクリートの圧縮強度を推定するものである。なお、鉄筋コンクリート躯体50は、モルタル部52および砂利などの粗骨材53が混合されたコンクリート51と、コンクリート51の内部に配置された鉄筋54と、コンクリート51の表面に配置された仕上げ層55と、から主に構成されるものである。
モルタル部52は、セメントと砂等の細骨材および微粒子骨材とが混合されたものである。モルタル部52は、細骨材と、細骨材が存在しない微粒子骨材が分布する領域とを有する。硬化したコンクリート51は、モルタル部52によって強度が発現している。モルタル部52における微粒子骨材が分布する領域を削孔した際の測定データに基づくことにより、鉄筋コンクリート躯体50におけるコンクリートの圧縮強度を推定することが可能となる。なお、本実施形態では、粒径が約0.6mm以下の砂等を微粒子骨材、約0.6mmを超えて概ね5mm以下の砂等を細骨材に分類し、概ね5mmを超える砂利などを粗骨材53に分類して説明する。
推定システム1には、図1に示すように、鉄筋コンクリート躯体50に対して削孔を行い、削孔速度(移動速度)を測定する削孔装置10と、測定された削孔速度に基づいて鉄筋コンクリート躯体50におけるコンクリートの圧縮強度を演算により推定する情報処理部(演算部)30と、が主に設けられている。
削孔装置10には、円筒ケース11と、ドリル削孔部(削孔部)12と、電動モータ(駆動部)14と、定荷重バネ(押圧部)15と、変位測定センサ(測定部)16と、制御部17と、が主に設けられている。
円筒ケース11は、削孔装置10の外形を構成する円筒状の筺体である。円筒ケース11の内部には、ドリル削孔部12、電動モータ14、定荷重バネ15、および、変位測定センサ16が収納されている。制御部17は、円筒ケース11に収納されていてもよいし、円筒ケース11の外面に取り付けられていても良い。また、本実施形態では、円筒ケース11が円筒形状に形成された例に適用して説明するが、角筒状に形成されていてもよく形状を特に限定するものではない。
円筒ケース11には、両端が開放された円筒状に形成された内側ケース11aと、一端が閉塞された円筒状に形成された外側ケース11bとが主に設けられている。内側ケース11aは、その一部が外側ケース11bの内側に入り込むように配置され、外側ケース11bに対して挿入方向および突出方向に相対移動が可能に配置されている。
ドリル削孔部12は、鉄筋コンクリート躯体50に孔を形成するものである。本実施形態では、ドリル削孔部12が円柱状に形成されたものであり、直径が約3mm、深さが約10mmの孔を形成可能なものである例に適用して説明する。また、ドリル削孔部12の具体的な形状や、構成する材料、および、形成する孔の形状や、直径および深さの値は、コンクリートの圧縮強度を算出可能なものであればよく、特に限定するものではない。
電動モータ14は、回転軸13の先端に配置されたドリル削孔部12を回転駆動させるものである。電動モータ14は、制御部17により所定時間における回転数である回転速度が目標となる回転速度になるように制御されるものである。本実施形態では、目標となる回転速度が4000回転/分である例に適用して説明する。また、回転速度の変動幅が約200回転/分(第2所定値)以下となるように制御されている、言い換えると、回転速度が一定になるように制御されている。
なお、電動モータ14の形式は、公知の形式のものを用いることができ、具体的な形式を限定するものではない。さらに、本実施形態ではドリル削孔部12を電動モータ14により回転駆動する例に適用して説明したが、ドリル削孔部12により鉄筋コンクリート躯体50に孔を形成できるものであれば、電動モータ14以外のものを用いても良い。
定荷重バネ15は、ドリル削孔部12を鉄筋コンクリート躯体50に目標の押し付け力で押し付けるものである。定荷重バネ15の一方の端部は外側ケース11bに取り付けられ、他方の端部は電動モータ14に取り付けられている。なお、定荷重バネ15としては、一定の押し付け力を発生できる公知の形式ものを用いることができ、具体的な形式を限定するものではない。
作業者が外側ケース11bを保持してドリル削孔部12を鉄筋コンクリート躯体50に押し付けた際に、定荷重バネ15により押し付け力が目標の値に調整される。本実施形態では、目標の押し付け力が約28N〜約30Nである例に適用して説明する。また、押し付ける力の変動幅が約2N(第1所定値)以下である例に適用して説明する、言い換えると、押し付ける力が一定である例に適用して説明する。
変位測定センサ16は、ドリル削孔部12における孔の深さ方向への移動速度である削孔速度を測定するものである。変位測定センサ16は、測定した削孔速度を表す信号を外部に出力可能な構成を有している。変位測定センサ16としては、公知の構成や形式のものを用いることができ、具体的な構成や形式などを限定するものではない。
制御部17は、電動モータ14の回転を制御するものであり、ドリル削孔部12の回転速度を一定に保つ制御を行うものである。制御部17としては、電子回路を用いたアナログ制御を行うものであってもよいし、マイクロコンピュータを用いたデジタル制御を行うものであってもよく、その形式を限定するものではない。
情報処理部30は、変位測定センサ16により測定されたドリル削孔部12の削孔速度に基づいて鉄筋コンクリート躯体50におけるコンクリートの圧縮強度を演算により推定するものである。本実施形態では情報処理部30が、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するパーソナルコンピュータやマイクロコンピュータなどの情報処理機器である例に適用して説明する。
上述のROM等の記憶装置に記憶されているプログラムは、図2に示すように、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェースを協働させて取得部31、記憶部32、抽出部33、および、推定部34として機能させるものである。
取得部31は、変位測定センサ16と信号の送受信が可能に接続されるものであり、変位測定センサ16から出力された削孔速度を表す信号を取得するものである。
記憶部32は、少なくとも取得部31により取得された削孔速度を表す信号や、削孔速度に基づいてコンクリートの圧縮強度を演算で求める際に必要な種々の情報を記憶するものである。
抽出部33は、取得された削孔速度から、コンクリートの圧縮強度を演算に用いる部分であるフラット波形部Vmを抽出するものである(図3参照。)。フラット波形部Vmを抽出する演算処理の内容については後述する。
推定部34は、抽出部33により抽出されたフラット波形部Vmに基づいてコンクリートの圧縮強度を演算により推定するものである。圧縮強度を推定する演算処理の内容については後述する。
次に、上記の構成からなる推定システム1における鉄筋コンクリート躯体50のコンクリート圧縮強度を推定する方法について図1から図4を参照しながら説明する。鉄筋コンクリート躯体50のコンクリート圧縮強度を推定する場合、まず図1および図3に示すように、鉄筋コンクリート躯体50における推定を行う箇所の仕上げ層55を取り除き、コンクリート51の表面を露出させる(S10)。
なお、本実施形態では鉄筋コンクリート躯体50のコンクリート圧縮強度を推定する際に、推定を行う箇所の仕上げ層55を取り除いてコンクリート51の表面を露出させる例に適用して説明したが、仕上げ層55を取り除くことなく鉄筋コンクリート躯体50のコンクリート圧縮強度を推定してもよい。
次いで、露出させたコンクリート51における削孔速度の測定が行われる(S20:測定ステップ)。具体的には、作業者は削孔装置10の外側ケース11bを保持し、ドリル削孔部12を露出させたコンクリート51の表面に押し付ける。その後、電動モータ14によりドリル削孔部12を一定の回転速度で回転させてコンクリート51の削孔を行う。ドリル削孔部12によるコンクリート51の削孔速度、言い換えると孔の深さ方向への移動速度は、変位測定センサ16に測定される。
削孔する孔の深さは、露出させたコンクリート51の表面から10mm程度を例示することができる。ドリル削孔部12による削孔が行われる際、定荷重バネ15によりドリル削孔部12がコンクリート51に押し付けられる力は一定に保たれる。なお、ドリル削孔部12により削孔が行われる箇所は、露出させたコンクリート51の表面における脆弱部を除いた部分から選択される。
変位測定センサ16は測定した削孔速度を表す信号を出力し、情報処理部30の取得部31は出力された信号を取得する(S30:取得ステップ)。なお、信号の取得は、削孔速度の測定と同時に並行して行われても良いし、測定した削孔速度を表す信号を削孔が終わった後にまとめて取得してもよい。取得された信号は、情報処理部30の記憶部32に記憶される。
情報処理部30の抽出部33は、取得した信号により表される削孔速度の波形を解析することにより、フラット波形部(微粒子骨材モルタル部速度)Vmを複数(本実施形態では3以上)抽出する演算処理を行う(S40:抽出ステップ)。ここで、フラット波形部Vmは、削孔速度のうちドリル削孔部12がモルタル部52のうち微粒子骨材が分布している領域を削孔している部分である。言い換えると、ドリル削孔部12が粗骨材や空隙を削孔している際の削孔速度や、モルタル部52に含まれる細骨材を削孔している際の削孔速度の部分を除いた箇所の削孔速度のことである。
具体的には、図4に示すように、抽出範囲ERに含まれる削孔速度において、削孔速度の振幅が所定の第1閾値(例えば、0.05mm/s)以下であり、かつ、削孔速度の振幅が所定の第1閾値以下である状態を維持して削孔される深さが、所定の第2閾値(例えば、0.5mm)以上である部分をフラット波形部Vmとして抽出する。
第1閾値を設けることにより、ドリル削孔部12がモルタル部52のうちの微粒子骨材が分布している領域を削孔しているか、粗骨材53などモルタル部52のうちの微粒子骨材が分布している領域以外の箇所を削孔しているかの判別が容易となる。つまり、セメントと細骨材及び微粒子骨材とが混合するモルタル部52を削孔しているとき、削孔速度の振幅は第1閾値以下に収まる。これに対して、ドリル削孔部12が粗骨材53のように細骨材及び微粒子骨材よりも粒径が大きなものを削孔している場合、削孔速度の振幅は第1閾値を超える。また、第2閾値を設けることにより、第2閾値を設けない場合と比較して、フラット波形部Vmを安定して抽出しやすくなる。
ここで、第1閾値として例示した0.05mm/sは、モルタル部52に含まれる微粒子骨材の粒径が約0.6mm以下であることを前提条件の一つとした場合の値である。したがって、微粒子骨材の粒径が変化した場合には、第1閾値の値は0.05mm/s以外の値となる。
なお、本実施形態では抽出範囲ERとして、0.1mm/s以上、0.5mm/s以下の範囲である例に適用して説明する。削孔速度が抽出範囲ERの下限よりも遅い場合には、ドリル削孔部12がモルタル部52のうちの微粒子骨材が分布している領域よりも硬い他のものを削孔していると考えられる。削孔速度が抽出範囲ERの上限よりも早い場合には、ドリル削孔部12がモルタル部52のうちの微粒子骨材が分布している領域よりも軟らかい他のものを削孔しているか、空隙を移動していると考えられる。抽出範囲ERの範囲は、調査対象の材質や、ドリル削孔部12の材質形状、削孔時の回転速度、押し付け力などにより適宜変動するものであり、上述の値に限定するものではない。
また、第1閾値および第2閾値についても、同様に、調査対象の材質や、ドリル削孔部12の材質形状、削孔時の回転速度、押し付け力などにより適宜変動するものであり、上述の値に限定するものではない。
複数のフラット波形部Vmが抽出されると、推定部34は、フラット波形部Vmの平均である平均削孔速度Viを求める演算処理を行う(S50)。本実施形態では算術平均(相加平均とも表記する。)により平均削孔速度Viを求める例に適用して説明する。
平均削孔速度Viが求められると、推定部34は、コンクリート51の圧縮強度を推定する演算処理を行う(S60:演算ステップ)。具体的には、下記の式(1)と平均削孔速度Viに基づいて圧縮強度を求める演算処理が行われる。
ここで、FCは圧縮強度であり、Vは平均削孔速度Viである。
上記の構成の推定システム1によれば、ドリル削孔部12における孔の深さ方向への移動速度(言い換えると削孔速度)であって、ドリル削孔部12が鉄筋コンクリート躯体50に含まれるモルタル部52のうちの微粒子骨材が分布している領域を削孔している際の移動速度であるフラット波形部Vmに基づいて鉄筋コンクリート躯体50の圧縮強度を演算により求めることができる。そのため、圧縮強度の演算に用いられるフラット波形部Vmから、ドリル削孔部12が鉄筋コンクリート躯体50に含まれる粗骨材53を削孔している際の移動速度や、モルタル部52のうちの微粒子骨材が分布している領域以外を削孔している際の移動速度が除かれ、鉄筋コンクリート躯体50の圧縮強度の推定精度を高めやすくなる。また、鉄筋コンクリート躯体50からサンプルの採取を行うことなく圧縮強度の推定を行うことができる。
孔の深さ方向への削孔速度の振幅が第1閾値以下である部分をフラット波形部Vmとして抽出することにより、ドリル削孔部12が粗骨材53などモルタル部52のうちの微粒子骨材が分布している領域以外の箇所を削孔している際の削孔速度を除きやすくなる。そのため、圧縮強度の推定精度向上を図りやすくなる。
削孔速度の振幅が第1閾値以下である部分であって、孔の深さ方向への削孔長さが第2閾値以上の部分をフラット波形部Vmとして抽出することにより、ドリル削孔部12が粗骨材53などモルタル部52のうちの微粒子骨材が分布している領域以外の箇所を削孔している際の削孔速度を更に除きやすくなる。そのため、圧縮強度の推定精度向上を図りやすくなる。
定荷重バネ15による押し付け力の変動幅を第1所定値以下とすることにより、鉄筋コンクリート躯体50の圧縮強度以外の要因による削孔速度の変動を抑制しやすくなる。そのため、圧縮強度の推定精度向上を図りやすくなる。
ドリル削孔部12の回転速度の変動幅を第2所定値以下にすることにより、鉄筋コンクリート躯体50の圧縮強度以外の要因による削孔速度の変動を抑制しやすくなる。そのため、圧縮強度の推定精度向上を図りやすくなる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記の実施形態では削孔装置10と情報処理部30とが離れて配置されている例に適用して説明したが、削孔装置10と情報処理部30とが一体に構成されていても良い。
1…推定システム、12…ドリル削孔部(削孔部)、14…電動モータ(駆動部)、15…定荷重バネ(押圧部)、16…変位測定センサ(測定部)、17…制御部、30…情報処理部(演算部)、50…鉄筋コンクリート躯体(コンクリート構造部)、52…モルタル部、Vm…フラット波形部(微粒子骨材モルタル部速度)、S20…測定ステップ、S30…取得ステップ、S40…抽出ステップ、S60…演算ステップ

Claims (7)

  1. コンクリート構造部に孔を形成する削孔部と、
    前記削孔部を前記コンクリート構造部に押し付ける押圧部と、
    前記削孔部を回転させる駆動部と、
    前記削孔部における前記孔の深さ方向への移動速度を測定する測定部と、
    前記測定部に測定された前記移動速度に基づいて前記コンクリート構造部における圧縮強度を演算により求める演算部と、
    が設けられ、
    前記演算部は、前記測定部から前記移動速度を取得し、
    取得した前記移動速度から、前記コンクリート構造部に含まれるモルタル部について前記削孔部が孔を形成している部分の移動速度であって、微粒子骨材が分布する領域の移動速度である微粒子骨材モルタル部速度を抽出し、抽出した前記微粒子骨材モルタル部速度に基づいて前記コンクリート構造部の圧縮強度を演算により求めることを特徴とするコンクリート強度の推定システム。
  2. 前記演算部は、取得した前記移動速度から前記微粒子骨材モルタル部速度を抽出する際に、前記深さ方向に対する前記移動速度の振幅が第1閾値以下である部分を前記微粒子骨材モルタル部速度として抽出することを特徴とする請求項1記載のコンクリート強度の推定システム。
  3. 前記演算部は、取得した前記移動速度から前記微粒子骨材モルタル部速度を抽出する際に、前記深さ方向に対する前記移動速度の振幅が前記第1閾値以下である部分であって、当該部分の前記深さ方向の長さが第2閾値以上の部分を前記微粒子骨材モルタル部速度として抽出することを特徴とする請求項3記載のコンクリート強度の推定システム。
  4. 前記押圧部は、前記コンクリート構造部に対する前記削孔部の位置が変動した際に、前記削孔部を前記コンクリート構造部に押し付ける力の変動幅が第1所定値以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のコンクリート強度の推定システム。
  5. 前記駆動部は、前記削孔部における所定時間の回転数である回転速度の変動幅が第2所定値以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のコンクリート強度の推定システム。
  6. コンクリート構造部に対して削孔部を所定の力で押しつけつつ所定トルクで回転させることにより孔を形成し、当該孔を形成する際の前記削孔部における前記孔の深さ方向への移動速度を測定する測定ステップと、
    測定した前記移動速度を取得する取得ステップと、
    取得した前記移動速度から、前記コンクリート構造部に含まれるモルタル部について前記削孔部が孔を形成している部分の移動速度であって、微粒子骨材が分布する領域の移動速度である微粒子骨材モルタル部速度を抽出する抽出ステップと、
    抽出した前記微粒子骨材モルタル部速度に基づいて前記コンクリート構造部の圧縮強度を演算により求める演算ステップと、
    を有することを特徴とするコンクリート強度の推定方法。
  7. コンピュータに、
    コンクリート構造部に対して削孔部を所定の力で押しつけつつ所定トルクで回転させることにより孔を形成し、当該孔を形成する際の前記削孔部における前記孔の深さ方向への移動速度を取得する取得機能と、
    取得した前記移動速度から、前記コンクリート構造部に含まれるモルタル部について前記削孔部が孔を形成している部分の移動速度であって、微粒子骨材が分布する領域の移動速度である微粒子骨材モルタル部速度を抽出する抽出機能と、
    抽出した前記微粒子骨材モルタル部速度に基づいて前記コンクリート構造部の圧縮強度を演算により求める演算機能と、
    を実現させることを特徴とするプログラム。
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