JP2024060696A - 穿孔速度解析システム、穿孔速度解析方法及びプログラム - Google Patents

穿孔速度解析システム、穿孔速度解析方法及びプログラム Download PDF

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道彦 上澤
哲也 長谷川
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Abstract

【課題】コンクリートの穿孔速度の推定精度をより高めることができる。【解決手段】穿孔速度解析システムは、粗骨材とモルタルとを含む第1コンクリートの穿孔速度を推定する。穿孔速度解析システムは、前記第1コンクリートの第1穿孔面画像内の対象領域を、前記第1穿孔面画像内のモルタル部に対応付けられる第1領域と前記第1領域外の第2領域とに分割された結果を示す前記第1穿孔面画像の分割領域情報と、所定の大きさを超える前記第2領域を前記対象領域から除くように規定された抽出条件とを用いて、前記対象領域内の一部になる速度評価領域を決定し、前記第1コンクリートを穿孔することで前記第1穿孔面画像に係る断面を形成したときの穿孔速度を取得して、前記穿孔速度を示す第1穿孔速度情報のうちから、前記速度評価領域に対応する第2穿孔速度情報を抽出し、前記第2穿孔速度情報に基づいて前記穿孔速度を推定する解析処理部を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、穿孔速度解析システム、穿孔速度解析方法及びプログラムに関する。
コンクリートの圧縮強度を推定する方法として、ドリル法が知られている。このドリル法によれば、コンクリートを穿孔するドリルの先端が深さ方向に移動する速さである穿孔速度と、コンクリートの圧縮強度との関係を利用することで、測定された穿孔速度に基づいてコンクリートの圧縮強度を推定することができる。
特開2019-60686号公報
しかしながら、コンクリートの穿孔速度の推定精度が、コンクリートの圧縮強度の推定精度に影響することがあった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、コンクリートの穿孔速度の推定精度をより高めることができる穿孔速度解析システム、穿孔速度解析方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
(1)本発明の第1の態様に係る穿孔速度解析システムは、粗骨材とモルタルとを含む第1コンクリートの穿孔速度を推定する穿孔速度解析システムであって、前記第1コンクリートの第1穿孔面画像内の対象領域を、前記第1穿孔面画像内のモルタル部に対応付けられる第1領域と前記第1領域外の第2領域とに分割された結果を示す前記第1穿孔面画像の分割領域情報と、所定の大きさを超える前記第2領域を前記対象領域から除くように規定された抽出条件とを用いて、前記対象領域内の一部になる速度評価領域を決定し、前記第1コンクリートを穿孔することで前記第1穿孔面画像に係る断面を形成したときの穿孔速度を取得して、前記穿孔速度を示す第1穿孔速度情報のうちから、前記速度評価領域に対応する第2穿孔速度情報を抽出し、前記第2穿孔速度情報に基づいて前記穿孔速度を推定する解析処理部を備える穿孔速度解析システムである。
(2)上記の穿孔速度解析システムにおいて、前記第1穿孔面画像内の粗骨材部は、前記第2領域に含まれる。
(3)上記の穿孔速度解析システムにおいて、前記第1穿孔面画像の分割領域情報は、前記第1穿孔面画像内の対象領域内の領域分割を示す2次元画像を生成可能な情報である。
(4)上記の穿孔速度解析システムにおいて、前記第1穿孔面画像の分割領域情報の生成にかかわる学習モデルは、前記第1穿孔面画像内の対象領域から前記第1穿孔面画像内のモルタル部の領域と、前記第1穿孔面画像内のその他の領域とを識別可能に予め学習されている。
(5)上記の穿孔速度解析システムにおいて、前記第1穿孔面画像の分割領域情報の生成にかかわる学習モデルは、少なくとも前記第1穿孔面画像内の対象領域から前記第1穿孔面画像内のモルタル部の領域を識別可能に予め学習されている。
(6)上記の穿孔速度解析システムにおいて、前記第1穿孔面画像は、互いに直交する第1軸と第2軸によって画像内の位置が特定される2次元画像である。この場合の抽出条件は、前記第1軸方向に範囲を制限する第1条件と前記第2軸方向に範囲を制限する第2条件との組み合わせにより規定されているとよい。
(7)上記の穿孔速度解析システムにおいて、前記抽出条件の第1条件は、前記第1穿孔面画像の前記第2軸の特定の値における、前記第1軸方向に前記第1領域が占める範囲に関連付けて前記第1軸方向に範囲を制限するように規定されていて、前記抽出条件の第2条件は、前記第1穿孔面画像の前記第1軸の特定の値における、前記第2軸方向に前記第1領域が占める範囲に関連付けて前記第2軸方向に範囲を制限するように規定されている。
(8)上記の穿孔速度解析システムにおいて、前記抽出条件の第1条件は、前記第1穿孔面画像の前記第2軸の特定の値において、前記第1軸方向に前記第1領域が前記対象領域に占める比率と、前記第1軸方向に前記第1領域が占める延べ長さと、のうちの何れかを用いて規定されている。
(9)上記の穿孔速度解析システムにおいて、前記抽出条件の第2条件は、前記第1穿孔面画像の前記第1軸の特定の値において、前記第2軸方向に前記第1領域が連なる長さを用いて規定されている。
(10)上記の穿孔速度解析システムにおいて、前記解析処理部は、前記第1コンクリートを穿孔したときの前記穿孔速度を示す第1穿孔速度情報から、前記速度評価領域に対応する第2穿孔速度情報を抽出する。
(11)上記の穿孔速度解析システムにおいて、前記解析処理部は、前記第1領域に、前記モルタルと細骨材とが含まれるように識別し、前記第2領域に、前記粗骨材が含まれるように識別する。
(12)上記の穿孔速度解析システムにおいて、前記解析処理部は、前記第2穿孔速度情報によって対応付けられる前記速度評価領域内の各部の穿孔速度の平均値を導出して、前記穿孔速度の推定値にする。
(13)上記の穿孔速度解析システムにおいて、回転することにより前記第1コンクリートに孔を形成する穿孔部と、前記穿孔部を前記第1コンクリートに押し付ける押圧部と、前記穿孔部を回転させる駆動部と、を有する測定治具を利用して前記第1コンクリートを穿孔する際に、前記穿孔部における前記孔の深さ方向への移動速度又は前記孔の深さが測定されて、前記解析処理部は、前記測定結果の移動速度又は前記孔の深さの情報に基づいた前記第1穿孔速度情報を取得する。
(14)本発明の第1の態様に係る穿孔速度解析方法は、粗骨材とモルタルとを含む第1コンクリートの穿孔速度を推定するコンピュータによる穿孔速度解析方法であって、前記第1コンクリートの第1穿孔面画像内の対象領域を、前記第1穿孔面画像内のモルタル部に対応付けられる第1領域と前記第1領域外の第2領域とに分割された結果を示す前記第1穿孔面画像の分割領域情報と、所定の大きさを超える前記第2領域を前記対象領域から除くように規定された抽出条件とを用いて、前記対象領域内の一部になる速度評価領域を決定するステップと、前記第1コンクリートを穿孔することで前記第1穿孔面画像に係る断面を形成したときの穿孔速度を取得して、前記穿孔速度を示す第1穿孔速度情報のうちから、前記速度評価領域に対応する第2穿孔速度情報を抽出するステップと、前記第2穿孔速度情報に基づいて前記穿孔速度を推定するステップとを含む穿孔速度解析方法である。
(15)本発明の第1の態様に係るプログラムは、粗骨材とモルタルとを含む第1コンクリートの穿孔速度を推定する穿孔速度解析システムのコンピュータに、前記第1コンクリートの第1穿孔面画像内の対象領域を、前記第1穿孔面画像内のモルタル部に対応付けられる第1領域と前記第1領域外の第2領域とに分割された結果を示す前記第1穿孔面画像の分割領域情報と、所定の大きさを超える前記第2領域を前記対象領域から除くように規定された抽出条件とを用いて、前記対象領域内の一部になる速度評価領域を決定させるステップと、前記第1コンクリートを穿孔することで前記第1穿孔面画像に係る断面を形成したときの穿孔速度を取得して、前記穿孔速度を示す第1穿孔速度情報のうちから、前記速度評価領域に対応する第2穿孔速度情報を抽出させるステップと、前記第2穿孔速度情報に基づいて前記穿孔速度を推定させるステップとを実行させるためのプログラムである。
本発明に係る穿孔速度解析システムによれば、コンクリートの穿孔速度の推定精度をより高めることができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る穿孔速度解析システムの構成を説明する模式図である。 実施形態の情報処理装置のブロックである。 実施形態の穿孔速度解析処理のフローチャートである。 穿孔速度からモルタル部速度の抽出方法を説明するグラフである。 入出力部に表示する画面の一例である。 図4(a)に示した画像を説明するための図である。 図6Aに示す領域の識別結果から、穿孔速度の評価対象の範囲を決定する手法を説明するための図である。 抽出された穿孔速度の評価対象の範囲を説明するための図である。
この発明の一実施形態に係る穿孔速度解析システム、穿孔速度解析方法及びプログラムについて、図を参照しながら説明する。本実施形態の穿孔速度解析システム1は、建築物の鉄筋コンクリート躯体(コンクリート構造部)50におけるコンクリートの圧縮強度を推定するために、コンクリートの穿孔速度を算出する。なお、鉄筋コンクリート躯体50は、コンクリート51と、コンクリート51の内部に配置された鉄筋54と、コンクリート51の表面に配置された仕上げ層55と、から主に構成されるものである。
モルタル部52は、セメントと、砂等の細骨材及び微粒子骨材とが混合されたものである。モルタル部52は、細骨材と、細骨材が存在しない微粒子骨材が分布する領域とを有する。硬化したコンクリート51の強度は、砂等の細骨材及び微粒子骨材が適当に分布したモルタル部52が粗骨材の間に充填されていることによって発現する。コンクリート51に含まれているモルタル部52の領域を穿孔した際の測定データに基づくことにより、鉄筋コンクリート躯体50におけるコンクリートのモルタル部52の穿孔速度を得ることができ、さらに、その穿孔速度を用いてコンクリート51の圧縮強度を推定することが可能となる。なお、本実施形態では、粒径が約0.6mm以下の砂等を微粒子骨材、約0.6mmを超えて概ね5mm以下の砂等を細骨材に分類し、概ね5mmを超える砂利などを粗骨材53に分類して説明する。このコンクリート51は、モルタル部52及び砂利などの粗骨材53が組成物として混合されたものであり、コンクリート51を穿孔して形成された孔の内側面に、コンクリート51の組成物の断面が露出することがある。
穿孔速度解析システム1には、図1に示すように、鉄筋コンクリート躯体50に対して穿孔を行い、穿孔速度(移動速度)を測定する穿孔装置10(測定治具)と、測定された穿孔速度に基づいて鉄筋コンクリート躯体50におけるコンクリート51の圧縮強度を演算により推定する情報処理装置30と、が主に設けられている。
穿孔装置10には、円筒ケース11と、ドリル穿孔部(穿孔部)12と、電動モータ(駆動部)14と、定荷重バネ(押圧部)15と、変位測定センサ(測定部)16と、制御部17とが設けられている。
円筒ケース11は、穿孔装置10の外形を構成する円筒状の筺体である。円筒ケース11の内部には、ドリル穿孔部12、電動モータ14、定荷重バネ15、及び、変位測定センサ16が収納されている。制御部17は、円筒ケース11に収納されていてもよいし、円筒ケース11の外面に取り付けられていても良い。また、本実施形態では、円筒ケース11が円筒形状に形成された例に適用して説明するが、角筒状に形成されていてもよく形状を特に限定するものではない。
円筒ケース11には、両端が開放された円筒状に形成された内側ケース11aと、一端が閉塞された円筒状に形成された外側ケース11bとが主に設けられている。内側ケース11aは、その一部が外側ケース11bの内側に入り込むように配置され、外側ケース11bに対して挿入方向及び突出方向に相対移動が可能に配置されている。
ドリル穿孔部12は、鉄筋コンクリート躯体50に孔を形成するものである。本実施形態では、ドリル穿孔部12が円柱状に形成されたものであり、直径が約3mm、深さが約10mmの孔を形成可能なものである例に適用して説明する。また、ドリル穿孔部12の具体的な形状や、構成する材料、及び、形成する孔の形状や、直径及び深さの値は、コンクリートの圧縮強度を算出可能なものであればよく、特に限定するものではない。なお、鉄筋コンクリート躯体50の壁面などに直接孔を形成するのに代えて、鉄筋コンクリート躯体50の壁面などをコア抜きして採取した標本(所謂、「コア」。)の表面に孔を形成してもよい。
電動モータ14は、回転軸13の先端に配置されたドリル穿孔部12を回転駆動させるものである。電動モータ14は、制御部17により所定時間における回転数である回転速度が目標となる回転速度になるように制御されるものである。本実施形態では、目標となる回転速度が4000回転/分である例に適用して説明する。また、回転速度の変動幅が約200回転/分(第2所定値)以下となるように制御されている、言い換えると、回転速度が一定になるように制御されている。
なお、電動モータ14の形式は、公知の形式のものを用いることができ、具体的な形式を限定するものではない。さらに、本実施形態ではドリル穿孔部12を電動モータ14により回転駆動する例に適用して説明したが、ドリル穿孔部12により鉄筋コンクリート躯体50に孔を形成できるものであれば、電動モータ14以外のものを用いても良い。
定荷重バネ15は、ドリル穿孔部12を鉄筋コンクリート躯体50に目標の押し付け力で押し付けるものである。定荷重バネ15の一方の端部は外側ケース11bに取り付けられ、他方の端部は電動モータ14に取り付けられている。なお、定荷重バネ15としては、一定の押し付け力を発生できる公知の形式ものを用いることができ、具体的な形式を限定するものではない。
例えば、作業者が穿孔装置10の外側ケース11bを保持して穿孔装置10を作動させる。穿孔装置10のドリル穿孔部12が鉄筋コンクリート躯体50(コンクリート)に押し付けられた際に、定荷重バネ15によりその押し付け力が目標の値に調整される。本実施形態では、目標の押し付け力が約28N~約30Nである例に適用して説明する。また、押し付ける力の変動幅が約2N(第1所定値)以下である例に適用して説明する、言い換えると、押し付ける力が一定である例に適用して説明する。
変位測定センサ16は、ドリル穿孔部12における孔の深さ方向への移動速度である穿孔速度を測定するものである。変位測定センサ16は、測定した穿孔速度を表す信号を外部に出力可能な構成を有している。変位測定センサ16としては、公知の構成や形式のものを用いることができ、具体的な構成や形式などを限定するものではない。なお、図1に示すように3軸の座標系を規定してもよい。ここで例示するように、孔の深さ方向に+X軸方向を定めると、Y軸方向とZ軸方向が鉄筋コンクリート躯体50の面に沿うようになる。以下の説明で、「孔の深さ方向」、「穿孔方向」などは、ともに「+X軸方向」のことである。
制御部17は、電動モータ14の回転を制御するものであり、ドリル穿孔部12の回転速度を一定に保つ制御を行うものである。制御部17としては、電子回路を用いたアナログ制御を行うものであってもよいし、デジタル制御を行うものであってもよく、その実施態様及び制御方式を限定するものではなく、適宜選択できる。
図2は、実施形態の情報処理装置30のブロック図である。
例えば、穿孔速度解析システム1は、さらに情報処理装置30(解析処理部、情報処理部)、カメラ41、及び入出力部42を含めて構成される。
情報処理装置30は、変位測定センサ16により測定されたドリル穿孔部12の穿孔速度に基づいて鉄筋コンクリート躯体50におけるコンクリートの圧縮強度を演算により推定するものである。その際に、情報処理装置30は、粗骨材とモルタルとを含むコンクリートの穿孔速度を推定し、その推定結果を、上記のコンクリートの圧縮強度の演算に利用する。穿孔速度を推定するコンクリートのことを「第1コンクリート」と呼ぶ。
本実施形態では情報処理装置30が、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有する情報処理装置である例に適用して説明する。情報処理装置30は、パーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータ、携帯型の情報装置などを含めて構成される。
情報処理装置30には、前述の変位測定センサ16、カメラ41、及び入出力部42が接続されている。カメラ41は、後述するように評価対象の孔の内側面を撮像して、孔の内側面の画像の画像情報を生成する。カメラ41は、生成した画像の画像情報をそれぞれ情報処理装置30に供給する。入出力部42は、液晶表示装置、タッチパネルなどの入力装置を含む。入出力部42は、情報処理装置30が生成した画像を液晶表示装置に表示して、タッチパネルなどの入力装置で検出した結果を情報処理装置30に供給する。なお、情報処理装置30は、カメラ41及び入出力部42を外部装置として構成してもよく、これに代えて共通する筐体に内蔵していてもよい。
なお、情報処理装置30を1つの情報処理装置(コンピュータ)で構成することに制限はなく、適宜複数の情報処理装置(コンピュータ)に機能分散させて構成してもよい。同様に、情報処理装置30の物理的な構成に制限はなく、物理的な構成が他のシステムと共用されていてもよい。例えば、情報処理装置30は、上記の制御部17と一体化されていてもよく、制御部17が備える機能部として構成されていてもよい。また、情報処理装置30、カメラ41及び入出力部42は、上記の制御部17とともに、穿孔装置10として一体化されていてもよい。
上述のROM等の記憶装置に記憶されているプログラムは、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェースを協働させて取得部31、記憶部32、抽出部33、推定部34、画像取得部35、領域分割処理部36、速度評価領域決定部37、及びパラメータ設定部38の少なくともその一部を機能させるものである。
取得部31は、変位測定センサ16と信号の送受信が可能に接続されるものであり、変位測定センサ16から出力された穿孔速度を表す信号を取得するものである。
記憶部32は、少なくとも取得部31により取得された穿孔速度を表す信号、後述する評価対象のコンクリートの孔の内側面画像、後述する演算処理で利用する学習モデルのパラメータなどのほか、穿孔速度に基づいてコンクリートの圧縮強度を演算で求める際に必要な種々の情報を記憶するものである。
画像取得部35には、例えばカメラ41からの画像情報が受信可能にそのカメラ41が接続されている。画像取得部35には、カメラ41から出力された評価対象の穿孔面画像を取得する。
領域分割処理部36は、評価対象の穿孔面画像(第1穿孔面画像)内の対象領域内の領域分割を実施する。これにより領域分割された2次元画像に係る情報が生成される。
速度評価領域決定部37は、速度評価領域を決定する。速度評価領域決定部37は、例えば、所定の抽出条件を用いて、対象領域内の一部になる速度評価領域を決定する。所定の抽出条件は、所定の大きさを超える領域(モルタル部52以外の領域である第2領域)を対象領域から除くように規定されているものとする。
抽出部33は、速度評価領域内の穿孔速度の情報を用いて、当該孔の穿孔速度の代表値を決定する。当該孔の穿孔速度の代表値は、当該孔のモルタル部52と識別された領域を穿孔する穿孔速度に基づいて決定されるとよい。例えば、当該孔の穿孔速度の代表値を、当該孔のモルタル部52と識別された領域を穿孔する穿孔速度の平均値にするとよい。
推定部34は、抽出部33により導出された当該孔の穿孔速度の代表値に基づいてコンクリート51の圧縮強度を演算により推定する。
パラメータ設定部38は、上記の各部の機能を最適化するためのパラメータを設定するための処理を実施する。例えば、パラメータ設定部38は、入出力部42によって受付られた、上記のパラメータの情報を記憶部32に追加する。このパラメータには、各部の入力信号と出力信号の制限値、各部の処理のなかで判定に用いる閾値、学習モデルの構成を規定するためのパラメータなどが含まれてよい。このパラメータのより具体的な一例を後述する。
上記のように構成された穿孔速度解析システム1は、例えば、以下に示す解析手法を用いて、粗骨材とモルタルとを含む評価対象のコンクリート(第1コンクリート)のモルタル部分の穿孔速度を推定する。穿孔速度解析システム1は、さらに、モルタル部分の穿孔速度に基づいて、コンクリートの圧縮強度を演算により推定するとよい。
図3は、実施形態の穿孔速度解析処理のフローチャートである。図3に示すように、情報処理装置30は、例えば以下の処理を順に実行する。
S10:仕上げ層の除去の示唆。
S20:穿孔速度の測定の示唆。
S30:評価対象のコンクリートを穿孔したときに検出した穿孔速度の情報を取得。
S40:評価対象のコンクリートの孔の内側面画像の取得。
S50:上記の孔の内側面画像の領域分割処理。
S60:評価対象のコンクリートを穿孔したときの穿孔速度を示す第1穿孔速度情報のうちから、速度評価領域に対応する第2穿孔速度情報を抽出。
S70:第2穿孔速度情報に基づいて穿孔速度を算出。
S80:穿孔速度の推定結果に基づいて圧縮強度を推定。
なお、上記の「第1穿孔速度情報」は、実際に評価対象のコンクリートを穿孔したときの穿孔速度を示すものであり、実測により得られたものである。これに対し、「第2穿孔速度情報」は、速度評価領域に対応する範囲の穿孔速度情報から抽出されるものである。「第2穿孔速度情報」は、実測により得られた穿孔速度に基づいた演算処理の結果により得られる代表値であってよい。
以下、これらの処理について順に説明する。
(S10:仕上げ層の除去の示唆)
情報処理装置30は、最初に、評価対象として新たに設ける孔の位置(Y軸座標、Z軸座標)を示し、その位置のコンクリート部分の仕上げ層55を除去するように、この位置に関するガイド(示唆)を入出力部42に表示させる。作業者は、この示唆に従い必要に応じて仕上げ層55を除去する。なお、この表示の処理を省略してもよく、仕上げ層55を除去することを省略してもよい。各孔は、一意に識別可能な識別番号が付与される。
(S20:穿孔速度の測定の示唆)
情報処理装置30は、上記のS10の処理が終わると、評価対象として指定する位置(Y軸座標、Z軸座標)の穿孔を指示するガイドを入出力部42に表示させる。作業者は、この示唆に従い、コンクリート51に穿孔する。なお、この表示の処理を省略してもよい。
(S30:穿孔速度の情報を取得)
上記S20の指示に従い、作業者は穿孔装置10の外側ケース11bを保持し、ドリル穿孔部12を露出させたコンクリート51の表面に押し付ける。その後、穿孔装置10は、電動モータ14によりドリル穿孔部12を一定の回転速度で回転させてコンクリート51の穿孔を行う。
変位測定センサ16は、ドリル穿孔部12がコンクリート51を穿孔しているときの速度(コンクリート51の穿孔速度という。)を測定する。コンクリート51の穿孔速度を言い換えると、孔の深さ方向への移動速度である。例えば、穿孔する孔の深さを、露出させたコンクリート51の表面から10mm程度にする。ドリル穿孔部12によって穿孔が行われる際、定荷重バネ15によりドリル穿孔部12がコンクリート51に押し付けられる力は一定に保たれる。上記のように穿孔された結果、指定の位置に評価用の孔が設けられた状態になる。
情報処理装置30の取得部31は、上記の穿孔時に変位測定センサ16から出力された穿孔速度を表す信号を取得して、記憶部32にそれぞれ追加する。これによって、以下の解析処理に用いる穿孔速度の情報が設定される。例えば、コンクリートの表面(Y軸とZ軸を含む面)からの深さの情報(+X軸方向の値)を用いて、ドリル穿孔部12の先端の位置情報を示す。取得部31は、穿孔速度の情報を、ドリル穿孔部12の先端の位置情報又は上記の深さの情報に関連付けて、記憶部32に記録するとよい。上記のとおり、情報処理装置30の取得部31は、変位測定センサ16による測定の結果の移動速度又は孔の深さの情報に基づいた穿孔速度の情報(第1穿孔速度情報)を取得するとよい。
(S40:評価対象のコンクリートの孔の内側面画像の取得)
カメラ41は、評価対象であるコンクリート部材の孔の内側面を撮像する。
カメラ41は、モルタル部とその他の領域との識別処理を可能にする解像度の画像を出力するとよい。この解像度は、後段の識別処理で必要とされるものにする。
情報処理装置30の画像取得部35は、カメラ41によって撮像して得られた孔の内側面の画像を、そのカメラ41から取得して、各孔の識別情報に関連付けて記憶部32に追加する。
なお、評価対象であるコンクリートの孔部を破壊せずに撮影する場合には、このカメラ41の光学系に孔部の内側面を撮影可能な光学系(ファイバースコープなど)を設けて構成してもよい。
一方で、同孔部を+X軸方向に沿って割裂できる場合には、この場合に用いられるカメラ41の光学系にマクロレンズを適用するとよい。これにより、カメラ41は、孔部の内側面の法線方向からマクロレンズを通して撮像して、孔部の側面の拡大画像を取得できる。
上記の何れの場合も、画像取得部35は、取得した孔の内側面の画像を取得して、この画像を孔の掘削方向(+XP軸)と、孔の周方向(+YP軸)を基準にした2次元画像(図4(a)など、)に変換して、評価用の画像として利用するとよい。上記の2次元画像を、単に「穿孔面画像」ということがある。
(S50:孔の穿孔面画像の領域分割処理)
領域分割処理部36は、第1コンクリートの第1穿孔面画像を取得して、第1コンクリートの第1穿孔面画像内の対象領域を、第1穿孔面画像内のモルタル部52に対応付けられる第1領域と、その第1領域外の第2領域とに分割する。領域分割処理部36は、その結果として、第1穿孔面画像の分割領域情報を生成する。
例えば、「第1コンクリートの第1穿孔面画像」は、「穿孔面画像」の一例であり、評価対象とするコンクリート(第1コンクリート)に設けた孔の内側面画像から変換して得られた2次元画像のことである。例えば、図4の(a)に示す画像は、第1コンクリートの第1穿孔面画像の一例である。この画像から図4の(b)に示すような画像(「領域分割画像」という。)を得る。
領域分割処理部36による、上記の第1コンクリートの第1穿孔面画像の解析に、画像解析用モデルを用いるとよい。この画像解析用モデルは、「第1コンクリートの第1穿孔面画像」の特徴に類似性がある「第2コンクリートの第2穿孔面画像」を用いて予め学習されている学習モデルの一例である。例えば、上記の特徴に類似性について、「第1コンクリートと同種のコンクリート」であったり、「第1コンクリート」と組成が同じのコンクリートである場合に、上記の第1穿孔面画像の特徴に類似性が認められることがある。画像解析用モデルのより具体的な説明を後述する。
領域分割処理部36は、画像解析用モデルを用いて、「穿孔面画像」内の各部の特徴の類似性に基づいて、「穿孔面画像」を複数の領域に分割する。この識別結果によれば、各部の特徴の類似性に基づいた分類を、領域ごとに識別可能になる。
例えば、第1穿孔面画像内のモルタル部52は、細骨材部、微粒子骨材などを含む。このモルタル部52は、第1領域に含まれる。第1穿孔面画像内の粗骨材53(粗骨材部)は、第2領域に含まれる。なお、識別が困難と判断された領域を、この第2領域に含めるとよい。
この第1穿孔面画像の分割領域情報は、第1穿孔面画像内の対象領域内の領域分割を示す2次元画像又は2次元方向の分布を生成可能な情報であるとよい。後段の処理に適用可能であれば、データの形式に制限されることはなく、適宜所望の形式を選択してよい。
例えば、領域分割処理部36は、領域分割処理に最適化されている画像解析用モデルを用いて、第1穿孔面画像の分割領域情報を生成するとよい。
この場合の画像解析用モデルは、少なくとも第1穿孔面画像内の対象領域からモルタル部の領域(第1領域)を識別可能なものとして形成されている。これにより、第1穿孔面画像の分割領域情報は、少なくとも前記第1穿孔面画像内の対象領域から前記第1穿孔面画像内のモルタル部の領域を識別した結果として生成されているものになる。
また、これに代わり、画像解析用モデルは、第1穿孔面画像内の対象領域から第1領域と、第2領域とを識別可能に予め学習されていてもよい。これにより、第1穿孔面画像の分割領域情報は、前記第1穿孔面画像内の対象領域から前記第1穿孔面画像内のモルタル部の領域と、前記第1穿孔面画像内のその他の領域とを識別した結果として生成されているものになる。
なお、上記の被写体である孔の内側面が曲面であっても、第1穿孔面画像は、互いに直交する第1軸と第2軸によって画像内の位置が特定される2次元画像に変換するとよい。なお、曲面の法線上にカメラが存在しない地点については、必要に応じて、曲面を撮影して得られた画像に対する歪補正の処理を行って、撮影方向の違いによる影響を低減させるとよい。
(S60:モルタル部の領域識別)
穿孔時におけるドリル穿孔部12の先端の位置又は速度は、そのドリル穿孔部12の先端が達した深さに存在するものの種類、孔断面に占める粗骨材の比率、モルタル部52の強度に依存する。
この場合、明らかにモルタル部52以外のものがあると、モルタル部52の強度の解析に支障が生じることがある。
速度評価領域決定部37は、モルタル部52の強度の解析に支障が生じると判断できる領域を、穿孔速度の評価対象の範囲から除外して、残った領域に基づいて速度評価領域を決定する。
例えば、速度評価領域決定部37は、以下に示す2つの条件を用いて、この条件の何れかが満たされた場合に、その領域を評価対象の範囲から除外するとよい。
抽出に係る条件(抽出条件)のうちの第1条件は、第1穿孔面画像のX軸(第2軸)の特定の値における、Y軸方向(第1軸方向)に第1領域が占める範囲に関連付けてY軸方向(第1軸方向)に範囲を制限するように規定されている。この第1条件は、第1穿孔面画像のX軸(第2軸)の特定の値において、Y軸方向(第1軸方向)に第1領域が対象領域に占める比率と、Y軸方向(第1軸方向)に第1領域が占める延べ長さと、のうちの何れかを用いて規定されているとよい。
抽出に係る条件(抽出条件)のうちの第2条件は、第1穿孔面画像のY軸(第1軸)の特定の値における、X軸方向(第2軸方向)に第1領域が占める範囲に関連付けてX軸方向(第2軸方向)に範囲を制限するように規定されている。この第2条件は、第1穿孔面画像のY軸(第1軸)の特定の値において、X軸方向(第2軸方向)に第1領域が連なる長さを用いて規定されているとよい。この抽出条件を適用した結果の一例を図7に示して後述する。
(S70:第2穿孔速度情報に基づいて穿孔速度を算出)
上記のS60の処理の結果の第2穿孔速度情報に基づいて、+X軸方向の対象範囲の各部の穿孔速度に基づいて、この孔のモルタル部の穿孔速度Viを算出する。例えば、第2穿孔速度情報によって、解析対象範囲として抽出された+X軸の各部の穿孔速度の平均を導出して、この平均値をこの孔のモルタル部の穿孔速度Viとするとよい。
(S80:穿孔速度の推定結果に基づいて圧縮強度を推定)
穿孔速度Viが求められると、推定部34は、コンクリート51の圧縮強度を推定する演算処理を行う。具体的には、推定部34は、下記の式(1)と平均穿孔速度Viに基づいて圧縮強度を求める(詳しくは、特開2019-60686号公報参照。)。
FC=kV-1.4 (1)
この式(1)におけるFCは圧縮強度であり、Vは平均穿孔速度Viである。
図5から図7を参照して、実施形態の解析処理の変数の調整について説明する。
図5は、入出力部42に表示する画面の一例である。
図5に示す画像IMGは、入出力部42の表示範囲内に表示可能な尺度で表示可能な画面の一例である。画像IMG内に、領域Z1と領域Z2が設けられている。
領域Z1には、穿孔面画像が配置される。領域Z2には、穿孔速度を示すグラフが配置されている。領域Z1と領域Z2の横方向が穿孔方向(+XP軸方向)に向けられていて、穿孔深さを示す。領域Z1の縦方向が穿孔深さの断面の周方向に対応付けられている(+YP軸方向)。領域Z2の縦方向が穿孔深さの穿孔速度を示す。領域Z1、Z2の+XP軸方向に揃った位置は、孔の同じ深さを示す。
このように、画像IMG内に、穿孔面画像と、穿孔速度を示すグラフとを並べて配置したことにより、孔の深さ方向を揃えて2つの情報を対応付けて表示できる。例えば、穿孔面画像内に、粗骨材と認められる像が存在しているときに、穿孔速度を示すグラフの方で穿孔速度が低下していることが生じうる。このような関連付けが、容易に観測することが可能なった。
上記説明は、例えば作業者が読み取るための情報を提供するものであるが、このような関連付けの判定を自動化することができれば、例えば、粗骨材が存在する部分を評価対象から除くことが容易になる。
図6Aと図6Bと図7とを参照して、孔と粗骨材との位置関係について説明する。図6Aは、図4(a)に示した画像を説明するための図である。この図に示す各部は、図4(a)に示した画像から代表的な領域を抽出したものである。
例えば、図6Aに示した画像内に、領域G、領域B、領域R、領域GRが存在する。
上記の各領域は、領域Gがモルタル部52(図1)に対応し、領域Bが粗骨材53(図1)に対応し、領域Rが、コンクリート51の打設時などに生じた空隙(図1中に不図示)に対応し、領域GRが、領域G、領域B、領域GRの何れにも識別できなかった領域を示す。
図6Bは、図6Aに示す領域の識別結果から、穿孔速度の評価対象の範囲を決定する手法を説明するための図である。図7は、抽出された穿孔速度の評価対象の範囲を説明するための図である。
前述したとおり、速度評価領域決定部37は、2つの条件を用いて、この条件の何れかを満たした場合に、その領域を評価対象の範囲から除外する、と仮定する。
図6Bに示すように、+X軸方向に穿孔が進む。この横軸は、穿孔方向を示す。横軸に沿って示す0から11の数字は、+X軸上の位置、即ち「0」を起点とする孔の深さを示す。この縦軸は、孔の周方向を示す。縦軸に沿って示す0から11の数字は、+Y軸上の位置、即ち「0」を起点とする周上の位置を示す。
X軸とY軸を含む2次元平面に所定の間隔で格子を配置する。速度評価領域決定部37は、この格子の位置で、2次元平面の画像に現れた像を識別して、その格子が属する分類を識別する。
速度評価領域決定部37は、2次元平面のなかで黒丸●が配置された格子の位置を、例えば上記の領域B、領域R,領域GRの何れかであると識別する。これに対して、速度評価領域決定部37は、2次元平面のなかで黒丸●が配置されていない格子の位置を、例えば上記の領域Gであると識別する。
横軸に沿って示されている0から11の数字に、0から6の間の数字が付与されている。この付与されている数字は、X軸の各位置における黒丸●の個数を示している。
例えば、X軸の原点「0」の位置の黒丸●の個数は、0である。X軸の「1」の位置の黒丸●の個数も、0である。X軸の「2」の位置の黒丸●の個数は、3である。X軸の「3」の位置の黒丸●の個数は、6である。同様に、X軸の「4」と「5」の位置の黒丸●の個数は、6である。X軸の「6」の位置の黒丸●の個数は、1である。以下同様である。
上記のように、黒丸●が2次元平面内に偏在していることが、図6Bから読み取ることができる。つまり、粗骨材が存在する位置を穿孔すると、孔の周方向に粗骨材53の断面が現れる。上記のX軸が「2」から「5」の範囲に、穿孔速度に影響しうる粗骨材53が存在しているとみなすとする。換言すれば、この深さに、粗骨材53が存在しているとみなすことができる。
その場合に、画像の周方向の幅(Y軸方向の幅)に対する粗骨材53の断面が確認される範囲の総長が比較的長いとすれば、その粗骨材53の影響により、穿孔速度に干渉が生じたとみなすことができる。これに対して、画像の周方向(Y軸方向)の幅に対する粗骨材53の断面が確認される範囲の総長が比較的短いとすれば、その粗骨材53の影響により、穿孔速度に干渉が生じなかった可能性が高いとみなすことができる。
より具体的には、上記のように格子を規定して、これを基準にして説明する。同じ深さの全格子数のなかで所定の比率(例えば50%)以上の範囲で黒丸●の配置が検出された場合には、その深さに、粗骨材53など支障物が存在するとみなし、穿孔速度の評価対処の範囲から除外する。上記の単位格子は、画像を識別する単位に対応付けられていて、例えば、1つの画素として規定してもよい。
その一方で、同じ深さの全格子数のなかで所定の比率(例えば50%)の範囲まで黒丸●の配置が検出されなかった場合には、その深さに、粗骨材53などの支障物が存在していないとみなし、穿孔速度の評価対処の範囲に含めるものとする。上記の同じ深さの全格子数のなかに占める比率を規定する閾値は、前述のパラメータの一例である。
上記のように、孔の周方向(Y軸方向)に、所定値を超える支障物が存在する場合には、その深さの穿孔速度の情報を、評価対処の範囲に含めないことで、粗骨材53などの支障物の有無による穿孔速度のばらつきを低減させることができる。
上記のように、孔の深さ方向の幅に所定値を超える支障物が存在するか否を、上記の黒丸●の個数から識別できることを示した。1つの粗骨材53は、孔の周方向(Y軸方向)だけではなく、穿孔方向(X軸方向)に存在していて、穿孔に影響することがある。例えば、孔径に対する粒度が大きな粗骨材53の場合、孔の深さ方向に黒丸●が連続することがある。
このような状況を、孔の深さ方向に黒丸●が所定数を超えて連続することによって検出するとよい。
速度評価領域決定部37は、2次元平面のなかで孔の深さ方向に、所定数を超えて黒丸●が連続して配置された位置を、例えば上記の領域B、領域R,領域GRの何れかであると識別する。そして、速度評価領域決定部37は、このような位置を除くように領域Gの範囲を識別する。上記のように深さ方向に連続する格子の数判定する際に用いる閾値は、前述のパラメータの一例である。
より具体的には、速度評価領域決定部37は、孔の深さ方向に、3個以上の黒丸●が連続することが検出された深さを、領域Gの範囲から除き、評価対処の範囲に含めないように識別するとよい。
上記のような方法で、穿孔速度の解析処理の対象領域の範囲を定める。
穿孔速度の解析処理の対象領域の範囲を定めるための抽出条件は、X軸(第1軸)方向に範囲を制限する第1条件とY軸(第2軸)方向に範囲を制限する第2条件との組み合わせにより規定されている。
例えば、図7に示す画像に基づいて、Y軸方向に所定数を超える範囲で粗骨材53が検出された範囲(第1除外範囲)と、X軸方向に所定数を超えて連続する連続性が検出される範囲が、領域Gの範囲から除かれる。このように、領域Gの範囲から除く領域に双方向矢印をつけている。
このように、カメラ41によって撮像された孔の内側面の画像から、粗骨材53の影響を受けることが見込まれる領域と、その影響を受けないと見込まれる領域とを識別することができる。
なお、速度評価領域決定部37は、第2穿孔速度情報によって対応付けられる速度評価領域内の各部の穿孔速度の平均値を導出して、その平均値を穿孔速度の推定値にするとよい。
上記のとおり、速度評価領域決定部37は、第1穿孔面画像の分割領域情報の生成にかかわる画像解析用モデル(学習モデル)を用いた解析処理によって、第1穿孔面画像の分割領域情報を生成させるように解析処理を制御してよい。
(画像解析用モデルについて)
画像解析用モデルのより具体的な一例について説明する。
本実施形態の「S50:孔の穿孔面画像の領域分割処理」において、孔の穿孔面画像の画像解析により、その領域を分割する。領域分割処理部36は、例えば、このような画像解析に、人工ニューラルネットを含むディープラーニングを適用するとよい。領域分割処理部36は、画像解析用モデルの一部または全部を含めて形成されていてよい。
ここで用いる画像解析用モデルは、例えば人工ニューラルネットを含む。画像解析用モデルは、穿孔面画像を利用して生成した教師データに用いた機械学習によって予め最適化されている。
2次元画像の領域分割の手法は、幾つかの一般的な手法が知られている。ここで利用する2次元画像の領域分割の手法に、エンコーダ部分とデコーダ部分とを併せ持つエンコーダ・デコーダ・ネットワークを用いる手法を適用することで、2次元画像の処理に適用できる。エンコーダ・デコーダ・ネットワークにSegNetを用いてもよい。エンコーダ・デコーダ・ネットワークの構成はSegNetに限らず適宜目的に沿ったものを用いてもよい。上記のように構成した画像解析用モデルの学習方法には、既知の手法を適用してよい。
上記の機械学習に用いる教師データとして、モルタル部52の領域と粗骨材53の領域とを識別するように、2つ以上の領域を指定した画像データを適用するとよい。このモルタル部52の領域と粗骨材53の領域とを識別したデータを付与するコンクリートの画像は、評価対象のコンクリート51と同種の組成のものを用いるとよい。
実施形態によれば、穿孔速度解析システム1は、粗骨材53とモルタル部52とを含むコンクリート51(第1コンクリート)の穿孔速度を推定する。穿孔速度解析システム1において、情報処理装置30(解析処理部)は、第1穿孔面画像の分割領域情報と、所定の大きさを超える第2領域をその対象領域から除くように規定された抽出条件とを用いて、対象領域内の一部になる速度評価領域を決定する。第1穿孔面画像の分割領域情報は、コンクリート51の第1穿孔面画像内の対象領域を、その第1穿孔面画像内のモルタル部52に対応付けられる第1領域とその第1領域外の第2領域とに分割された結果を示すものである。情報処理装置30は、コンクリート51を穿孔することで第1穿孔面画像に係る断面を形成したときの穿孔速度を取得して、その穿孔速度を示す第1穿孔速度情報のうちから、速度評価領域に対応する第2穿孔速度情報を抽出する。その第2穿孔速度情報に基づいて穿孔速度を推定する。これにより、コンクリートの穿孔速度の推定精度をより高めることができる。
例えば、情報処理装置30は、カメラ41によって撮影された画像又は上記の第1穿孔面画像と、穿孔速度のグラフとを、上記の図5に示すように同じ画面上に並べて表示させている。これにより、作業者は、モルタル部52、粗骨材53などの位置と、それぞれの位置に対する穿孔速度の関係を、容易に確認することができる。
情報処理装置30は、第1穿孔面画像のうち所定の大きさを超える第2領域をその対象領域から除くように規定された抽出条件を用いて、この抽出条件を満たしている範囲を、モルタル部52に対応する範囲(第1領域)として抽出する。これにより、上記の抽出条件の判定時に、その位置が抽出条件を満たしている範囲として識別できる。
(第1変形例)
上記の実施形態の図4(a)に示した画像は、対応する孔の周方向に2分割して得られたものである。つまり、1周の半分程度の範囲にある。
これに対し、孔の周方向に2分割した画像を夫々用いて、1周の半分程度の範囲の画僧に対する処理と同様の処理を、2回に分けて実施することにより、孔の周方向の大半の状況を判定することができる。
例えば図7に示す画像は、図4(a)に示した画像に対応する孔の周方向を、2分割した残りの範囲の画像を示すとすれば、図4(a)に示した画像と図7に示す画像を組み合わせることで、孔の内側面の大半を表すことができる。
(第2変形例)
穿孔速度解析システム1における画像解析用モデル(学習モデル)の学習は、識別対象のコンクリートの種別ごとに予め実施されていれば、同じ種別のコンクリートの穿孔速度の解析に、同画像解析用モデルを学習モデルとして利用できる。このように、画像解析用モデルの学習処理を必要により実施するようにしてもよい。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記の実施形態では穿孔装置10と情報処理装置30とが離れて配置されている例に適用して説明したが、穿孔装置10と情報処理装置30とが一体に構成されていても良い。
1…穿孔速度解析システム、12…ドリル穿孔部(穿孔部)、14…電動モータ(駆動部)、15…定荷重バネ(押圧部)、16…変位測定センサ(測定部)、17…制御部、30…情報処理装置(解析処理部)、50…鉄筋コンクリート躯体、51…コンクリート、52…モルタル部、53…粗骨材

Claims (15)

  1. 粗骨材とモルタルとを含む第1コンクリートの穿孔速度を推定する穿孔速度解析システムであって、
    前記第1コンクリートの第1穿孔面画像内の対象領域を、前記第1穿孔面画像内のモルタル部に対応付けられる第1領域と前記第1領域外の第2領域とに分割された結果を示す前記第1穿孔面画像の分割領域情報と、所定の大きさを超える前記第2領域を前記対象領域から除くように規定された抽出条件とを用いて、前記対象領域内の一部になる速度評価領域を決定し、
    前記第1コンクリートを穿孔することで前記第1穿孔面画像に係る断面を形成したときの穿孔速度を取得して、前記穿孔速度を示す第1穿孔速度情報のうちから、前記速度評価領域に対応する第2穿孔速度情報を抽出し、
    前記第2穿孔速度情報に基づいて前記穿孔速度を推定する解析処理部
    を備える穿孔速度解析システム。
  2. 前記第1穿孔面画像内の粗骨材部は、前記第2領域に含まれる、
    請求項1に記載の穿孔速度解析システム。
  3. 前記第1穿孔面画像の分割領域情報は、前記第1穿孔面画像内の対象領域内の領域分割を示す2次元画像を生成可能な情報であり、
    請求項1に記載の穿孔速度解析システム。
  4. 前記第1穿孔面画像の分割領域情報の生成にかかわる学習モデルは、
    前記第1穿孔面画像内の対象領域から前記第1穿孔面画像内のモルタル部の領域と、前記第1穿孔面画像内のその他の領域とを識別可能に予め学習されている、
    請求項1に記載の穿孔速度解析システム。
  5. 前記解析処理部は、
    前記第1穿孔面画像の分割領域情報の生成にかかわる学習モデルを用いた解析処理によって、前記第1穿孔面画像の分割領域情報を生成させる、
    請求項4に記載の穿孔速度解析システム。
  6. 前記第1穿孔面画像は、互いに直交する第1軸と第2軸によって画像内の位置が特定される2次元画像である、
    前記抽出条件は、前記第1軸方向に範囲を制限する第1条件と前記第2軸方向に範囲を制限する第2条件との組み合わせにより規定されている、
    請求項1に記載の穿孔速度解析システム。
  7. 前記抽出条件の第1条件は、
    前記第1穿孔面画像の前記第2軸の特定の値における、前記第1軸方向に前記第1領域が占める範囲に関連付けて前記第1軸方向に範囲を制限するように規定されていて、
    前記抽出条件の第2条件は、
    前記第1穿孔面画像の前記第1軸の特定の値における、前記第2軸方向に前記第1領域が占める範囲に関連付けて前記第2軸方向に範囲を制限するように規定されている、
    請求項6に記載の穿孔速度解析システム。
  8. 前記抽出条件の第1条件は、
    前記第1穿孔面画像の前記第2軸の特定の値において、前記第1軸方向に前記第1領域が前記対象領域に占める比率と、前記第1軸方向に前記第1領域が占める延べ長さと、のうちの何れかを用いて規定されている、
    請求項6に記載の穿孔速度解析システム。
  9. 前記抽出条件の第2条件は、
    前記第1穿孔面画像の前記第1軸の特定の値において、前記第2軸方向に前記第1領域が連なる長さを用いて規定されている、
    請求項6に記載の穿孔速度解析システム。
  10. 前記解析処理部は、
    前記第1コンクリートを穿孔したときの前記穿孔速度を示す第1穿孔速度情報から、前記速度評価領域に対応する第2穿孔速度情報を抽出する、
    請求項6に記載の穿孔速度解析システム。
  11. 前記解析処理部は、
    前記第1領域に、前記モルタルと細骨材とが含まれるように識別し、
    前記第2領域に、前記粗骨材が含まれるように識別する、
    請求項1に記載の穿孔速度解析システム。
  12. 前記解析処理部は、
    前記第2穿孔速度情報によって対応付けられる前記速度評価領域内の各部の穿孔速度の平均値を導出して、前記穿孔速度の推定値にする
    請求項6に記載の穿孔速度解析システム。
  13. 回転することにより前記第1コンクリートに孔を形成する穿孔部と、
    前記穿孔部を前記第1コンクリートに押し付ける押圧部と、
    前記穿孔部を回転させる駆動部と、
    を有する測定治具を利用して前記第1コンクリートを穿孔する際に、前記穿孔部における前記孔の深さ方向への移動速度又は前記孔の深さが測定されて、
    前記解析処理部は、
    前記測定の結果の移動速度又は前記孔の深さの情報に基づいた前記第1穿孔速度情報を取得する
    請求項1に記載の穿孔速度解析システム。
  14. 粗骨材とモルタルとを含む第1コンクリートの穿孔速度を推定するコンピュータによる穿孔速度解析方法であって、
    前記第1コンクリートの第1穿孔面画像内の対象領域を、前記第1穿孔面画像内のモルタル部に対応付けられる第1領域と前記第1領域外の第2領域とに分割された結果を示す前記第1穿孔面画像の分割領域情報と、所定の大きさを超える前記第2領域を前記対象領域から除くように規定された抽出条件とを用いて、前記対象領域内の一部になる速度評価領域を決定するステップと、
    前記第1コンクリートを穿孔することで前記第1穿孔面画像に係る断面を形成したときの穿孔速度を取得して、前記穿孔速度を示す第1穿孔速度情報のうちから、前記速度評価領域に対応する第2穿孔速度情報を抽出するステップと、
    前記第2穿孔速度情報に基づいて前記穿孔速度を推定するステップと
    を含む穿孔速度解析方法。
  15. 粗骨材とモルタルとを含む第1コンクリートの穿孔速度を推定する穿孔速度解析システムのコンピュータに、
    前記第1コンクリートの第1穿孔面画像内の対象領域を、前記第1穿孔面画像内のモルタル部に対応付けられる第1領域と前記第1領域外の第2領域とに分割された結果を示す前記第1穿孔面画像の分割領域情報と、所定の大きさを超える前記第2領域を前記対象領域から除くように規定された抽出条件とを用いて、前記対象領域内の一部になる速度評価領域を決定させるステップと、
    前記第1コンクリートを穿孔することで前記第1穿孔面画像に係る断面を形成したときの穿孔速度を取得して、前記穿孔速度を示す第1穿孔速度情報のうちから、前記速度評価領域に対応する第2穿孔速度情報を抽出させるステップと、
    前記第2穿孔速度情報に基づいて前記穿孔速度を推定させるステップと
    を実行させるためのプログラム。
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