JP6170088B2 - Pcグラウトの充填調査及び再注入用孔削孔時のシース管検知方法、並びにpcグラウトの充填調査及び再注入用孔の削孔方法 - Google Patents

Pcグラウトの充填調査及び再注入用孔削孔時のシース管検知方法、並びにpcグラウトの充填調査及び再注入用孔の削孔方法 Download PDF

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Description

本発明は、既設のプレストレストコンクリート(以下PCと略す)構造物のグラウト充填調査と機能回復のため、PCグラウトを再注入するための孔をPC構造物に削孔するPCグラウト再注入用孔の削孔方法、並びにPCグラウトが充填されているか否かの微破壊調査のための孔及びPCグラウトを再注入するための孔を削孔する際に削孔している孔がシース管に到達したか否かを検知するPCグラウト再注入用孔削孔時のシース管検知方法に関するものである。
PC鋼材等の緊張材でコンクリートにプレストレスを付与したPC構造物では、PCグラウトの充填不足箇所におけるPC鋼材の腐食・破断のおそれがあり、これらに起因して、PC構造物の耐荷性能の低下が懸念されている。そして、このようなPC構造物の機能回復には、充填不足箇所にPCグラウトを再注入することが有効と考えられている。
PC構造物にPCグラウトを再注入するには、PC構造物のコンクリート部分を削孔するとともに、PC鋼材が挿通されているシース管にも孔をあける必要がある。従来は、シース管がPC構造物のどの深さに埋設されているかを電磁波レーダ等で推定して削孔し、実際に削孔した孔が、シース管に到達したか否かは、目視等で確認するのが一般的であった。
このため、従来、PCグラウト充填調査のため、又はPCグラウト再注入用の孔を削孔するには、削孔した孔がシース管に到達した後、ドライバー等の工具類でシース管を切り開くスペースを確保するため、また、空洞が見つかった場合は、耐圧性の注入口(キャップ)の取付けが必要となるため、ダイヤモンドコアビット等を用いて直径60mm〜100mm程度の孔を削孔していた。
しかし、片持ち梁のように基端側に強い曲げ応力が掛かかるため鋼棒が密に配置されている張出架設により施工されたPC構造物には、多数の鋼材が過密配置されているので、削孔による構造物の損傷度合いが大きくなるため、削孔径を小径化する必要があった。
メタルセンサー機能付湿式小径コアによりPC構造物を削孔する方法もあるが、メタルセンサー機能付湿式小径コアにより削孔する場合は、構造物の劣化程度は様々であり、施工部位ごとに異なるため、メタルセンサーの感度調整が必要になる。しかし、感度を高感度に調整すると、削孔先端付近の劣化部に水が浸透した場合、シース管のかなり手前でシース管と削孔機が導通されてしまい、微弱電流が通電して装置が停止してしまうという問題がある。逆に、感度を低感度に調整すると、シース管に接触して停止するが、シース管は0.8mm厚さの薄肉であるため、削孔時に貫通して内部のPC鋼材を損傷させる危険があるという問題がある。
また、メタルセンサー付小径振動回転ドリルで削孔する方法もあるが、メタルセンサー付回転振動ドリルは、乾式で行うため、劣化部への浸透水による誤作動の影響はないものの、振動による衝撃の影響で削孔部周辺部に微細クラックが発生するため、構造物への損傷程度が危惧されるという問題がある。
さらに、ウォータージェット(WJ)により削孔する方法もあるが、ウォータージェット(WJ)により削孔する場合は、骨材片のシース管内混入により、グラウト再注入時に閉塞してしまう恐れがある。その上、鋼材の錆も同時に洗い流されて、鋼材の劣化度合いの観察が困難であることと、装置の固定や排水処理など手間が多いという問題もある。
また、従来、穿孔機のモータへ供給される電流値を計測し、計測した電流値が異常に高くなった場合に、ビットが構造物の補強鉄筋に接触したと判断することも行われていた。しかし、シース管の場合は、0.8mm程度の鋼板であることから、鉄筋接触時と比べて明確な異常値があらわれない場合もあり、PCグラウト再注入用の孔を削孔する時のシース管の検知には用いられていないのが現状であった。
一方、PC構造物にPCグラウト再注入用の孔を削孔するPCグラウト再注入用孔の削孔方法としは、特許文献1に、深穴明機100の基台11を作業面10に固定する第1ステップS1と、深穴明機の支柱に沿って移動する工具回転駆動機構に取り付けた削穴工具のシャフトを作業面の近傍位置で回転自在に支持する第2ステップS2と、冷却水を前記削穴工具の先端側に供給する第3ステップS3と、削穴工具で深穴を形成するときに、冷却水とコンクリート削粉の懸濁水を、作業面の穴周囲を囲った液溜めから吸引して排出する第4ステップS4と、排出した懸濁水を濾過して前記冷却水として供給するように循環させシャフトの長さに対応する深穴を形成する第5ステップS5と、を含む手順で行う深穴形成方法が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0032]〜[0049]、図面の図2〜図7等参照)。
特許文献1に記載の深穴形成方法によれば、シャフトが細くても穴開け作業においてぶれることがなく、深穴をPC構造物に形成することが可能となると共に、冷却水の供給および懸濁水の吸引によりコンクリート削粉が目詰まりすることがない状態で深穴を形成することができるとされている。
しかし、特許文献1に記載の深穴形成方法では、PC構造物のコンクリート部分を削孔することはできるものの、そのままシース管を開孔すると、シース管内に挿通されたPC鋼材等の緊張材を損傷するおそれがあり、シース管の外表面付近まで削孔できたか否かを判断する手法が望まれていた。
特開2009−160780号公報
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、既存のPC構造物にPCグラウト再注入用の孔を削孔する場合において、簡便で削孔作業を中断することなく、削孔している孔がシース管に到達したか否かを検知するPCグラウト再注入用孔削孔時のシース管検知方法、及びシース管に挿通されている緊張材を損傷することなく、PC構造物にPCグラウト再注入用の孔を削孔するPCグラウト再注入用孔の削孔方法を提供することにある。
第1発明に係るPCグラウト再注入用孔削孔時のシース管検知方法は、既設のPC構造物のシース管内にPCグラウトを再注入するための孔をPC構造物に削孔する際に、削孔している孔が前記シース管の外表面に達したか否かを検知するPCグラウト再注入用孔削孔時のシース管検知方法であって、穿孔機により前記PC構造物を削孔しながら、給排水装置により給水ホースを介して前記穿孔機で削孔している孔に水を供給し、排水ホースを介して削孔により発生した粉塵とともに供給した水を吸い上げ、前記排水ホースの途中に設置された金属センサにより金属を検知した場合に、削孔している孔が前記シース管の外表面に達したと判断することを特徴とする。
第2発明に係るPCグラウト再注入用孔削孔時のシース管検知方法は、第1発明において、前記穿孔機への通電量を計測する電流計により削孔時の通電量が所定量以上となった異常値を計測した場合にも削孔している孔が前記シース管の外表面に達したと判断することを特徴とする。
第3発明に係るPCグラウト再注入用孔の削孔方法は、既設のPC構造物のシース管内にPCグラウトを再注入するための孔をPC構造物に削孔するPCグラウト再注入用孔の削孔方法であって、穿孔機により前記PC構造物を削孔しながら、給排水装置により給水ホースを介して前記穿孔機で削孔している孔に水を供給し、排水ホースを介して削孔により発生した粉塵とともに供給した水を吸い上げ、前記排水ホースの途中に設置された金属センサにより金属を検知した場合に、前記穿孔機への通電を制御する制御ユニットにより前記穿孔機への通電を停止することを特徴とする。
第4発明に係るPCグラウト再注入用孔の削孔方法は、第3発明において、前記穿孔機への通電量を計測する電流計により削孔時の通電量より所定量以上高い異常値を計測した場合に、前記穿孔機への通電を制御する制御ユニットにより前記穿孔機への通電を停止することを特徴とする。
第1発明によれば、排水ホースの途中に設置された金属センサにより排水ホースを通過する鉄粉などの金属を検知することができるので、穿孔機により削孔している孔がシース管まで到達し、シース管が削れたことを確実に検知することができる。
特に、第2発明によれば、電流計により異常値を計測した場合にも穿孔機により削孔している孔がシース管の外表面に達したと判断するので、いわゆる金属センサと電流計とのダブルチェックとなり、より正確に穿孔機により削孔している孔がシース管まで到達しことを検知することができる。
第3発明によれば、排水ホースの途中に設置された金属センサにより金属を検知した場合に、前記穿孔機への通電を制御する制御ユニットにより前記穿孔機への通電を停止するので、特に金属センサによる検知を知らせる報知手段を設けずとも削孔がシース管に達したことが分かる。また、削孔がシース管に達したと同時に穿孔機を停止することができるので、シース管内に挿通された緊張材を損傷するおそれがない。
特に、第4発明によれば、金属センサと電流計によるダブルチェックにより、削孔がシース管に達したと同時に確実に穿孔機を停止することができる。
本発明の実施形態に係るPCグラウト再注入用孔の削孔方法に用いる削孔装置の全体構成を示す側面図である。 同上の削孔装置の穿孔機の位置決めプレート付近を示す斜視図である。 同上の位置決めプレートを示す部分拡大斜視図である。 本発明の実施形態に係るPCグラウト再注入用孔の削孔方法の手順を示す説明図である。
以下、本発明に係るPCグラウト再注入用孔削孔時のシース管検知方法及びPCグラウト再注入用孔の削孔方法を実施するための一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<削孔装置>
先ず、図1〜図3を用いて、本発明の実施形態に係るPCグラウト再注入用孔削孔時のシース管検知方法及びPCグラウト再注入用孔の削孔方法に用いる削孔装置について説明する。本発明の実施形態に係るPCグラウト再注入用孔削孔時のシース管検知方法及びPCグラウト再注入用孔の削孔方法に用いる削孔装置1は、PC構造物Xを削孔する穿孔機2と、この穿孔機2をスライド自在にガイドするガイド装置3と、削孔した孔に水を供給するとともに、削孔により発生した粉塵と供給した水を吸い上げる給排水装置4、後述の排水ホース42内を通過する金属を検知する金属センサ5、交流電源6から穿孔機2への通電量を計測する電流計7、これら金属センサ5及び電流計7と電気的に接続して穿孔機2への通電を制御する制御装置8などから構成されている。
(穿孔機)
穿孔機2は、図1に示すように、駆動モータとして回転数8000/min〜8500/min程度の通常の電動モータ20を有し、この電動モータ20でシャフト21を回転させて、シャフト21の先端に装着されたドリルビット22でPC構造物Xを削孔する機器である。なお、ラチェット機構により回転だけでなく軸方向に沿った打撃を加える振動ドリルを用いることも可能である。
このシャフト21は、削孔する孔の深さに応じて様々な長さのものが用意されているとともに、ネジ込むことにより複数本を適宜継ぎ足すことができる構造になっている。このため、穿孔機2によれば、5m以上の深い孔も削孔することができる。
また、本実施形態に係るドリルビット22には、直径15.5mm〜25mm程度の短尺の丸棒状のノンコアビットが採用されており、このドリルビット22は、人工ダイヤモンドを多数含有した合金からなるダイヤモンドビットでもある。このため、高強度のPC構造物Xにも直径30mm以下の小径の孔を削孔できるようになっている。
しかし、本発明に係るドリルビットには、従来のダイヤモンドのコアビットを採用することも可能であり、PC構造物Xを削孔(穿孔)できるものであれば、超硬合金のチップを多数含有したドラッグビットなど他の穿孔用のビットを採用しても構わない。
(ガイド装置)
ガイド装置3は、PC構造物Xに載置又は吸着する基台30と、この基台30に立設された支柱31と、この支柱31に沿ってスライド移動自在に構成され、穿孔機2を装着するガイド部材32と、基台30の脇に取り付けられ、穿孔機2のシャフト21及びドリルビット22を位置決めする位置決めプレート33などから構成され、穿孔機2の回転がブレないようにガイドする機能を有している。
基台30は、アンカーボルトでPC構造物Xにボルト固定されるか、又は図示しないバキュームポンプ(P1)と接続され、基台30の内部を大気圧より低圧(真空)にすることでPC構造物Xに固定される。このため、ガイド装置3は、PC構造物Xの水平面と垂直面のいずれにも固定することが可能となっている。
支柱31は、基台30に対して略垂直に立設され、一側面に後述のピニオンギアと噛合するラック(図示せず)が形成されている。また、支柱31は、ボルトと円弧状の長孔との構成により基台30に対して角度調整自在な構成としてもよい。支柱31を基台30に対して角度調整自在とすることで、穿孔機2をPC構造物Xの作業面に対して傾斜して案内することも可能となるからである。
ガイド部材32は、支柱31のラックと相対する位置にハンドル32aで回転するピニオンギア(図示せず)を有し、ハンドル32aを回すことによりピニオンギアが回転し、このピニオンギアが支柱31のラックと噛合することにより、支柱31に沿って昇降(スライド移動)するように構成されている。
また、ガイド部材32は、穿孔機2を装着する装着部32bを備え、この装着部32bには、後述の給排水装置4の給水ホース41が接続され、穿孔機2のシャフト21を伝って削孔する孔に冷却水を供給するための給水室(図示せず)が設けられている。
位置決めプレート33は、図2、図3に示すように、プレート本体33aの中央付近に、穿孔機2のシャフト21を挿通して削孔位置を位置決めし、回転時の横揺れを防止する位置決め部材33bが装着されている。この位置決め部材33bは、プレート本体33aに対して揺動自在に装着されており、基台30に対して支柱31を傾斜させて削孔する場合でも、シャフト21を所定位置に位置決めし、回転時の横揺れを防止できるようになっている。
また、プレート本体33aは、下面に空洞(図示せず)が形成されており、側方から後述の給排水装置4の複数本の排水ホース42が接続され、PC構造物Xに当接する前記空洞部分を低圧(真空)として削孔した孔に給水した水を吸引して吸い上げる仕組みとなっている。
(給排水装置)
給排水装置4は、図1〜図3に示すように、内部に冷却水を送り出すとともに排水を吸引するポンプ(図示せず)を有する装置本体40と、この装置本体40と装着部32bの給水室とを連通し、装置本体40から冷却水を給水室へ送り出す給水ホース41と、装置本体40と位置決めプレート33とを連通し、位置決めプレート33から装置本体40へ排水を回収する複数本の排水ホース42などから構成されている。
この給排水装置4は、装置本体40のポンプで給水ホース41を介して、穿孔機2で削孔した孔に冷却水を供給し、装置本体40のポンプで複数本の排水ホース42を介して削孔により発生した粉塵とともに供給した水を排水として吸い上げる機能を有している。
(金属センサ)
金属センサ5は、排水ホース42のいずれかの途中に排水ホース42を取り囲むように配置され、排水ホース42内を流れる排水に金属が含まれていることを検知する非接触透過型の金属センサである。
この金属センサ5は、非接触透過型の金属センサであれば市販の金属センサでよいが、例えば、誘導形近接センサなどが好適である。この誘導形近接センサの仕組みは、次のようなものである。発振回路と接続する検出コイルにより発生した高周波磁界中に金属物体が接近すると、近接金属中に電磁誘導現象による誘導電流が流れ、金属内に熱損失が発生する。すると、発振回路は、発振を維持できずに発振回路の発振が減衰又は停止する。この発振回路の発振状態を検出する回路を別途設け、この回路により発信回路の減衰を検出することによりセンサに近づいた金属を検出する仕組みとなっている。
また、シース管は、一般的にブリキや亜鉛めっき鋼板からなるため、金属センサ5は、金属一般を検知できる金属センサではなく、鉄(鉄粉)のみを検知できるものであっても構わない。
(電流計)
電流計7は、商用電源である交流電源6から穿孔機2の電動モータ20への電流経路の途中に設けられ、電動モータ20への通電量を計測する一般的な市販の電流計である。
(制御装置)
制御装置8は、金属センサ5と電流計7とに電気的に接続しており、穿孔機2の電動モータ20への通電を制御する制御装置である。具体的には、制御装置8は、金属センサ5で金属が通過したこと検知した場合には、電動モータ20への通電をストップするよう制御し、電流計7で計測した通電量が所定量以上となった場合には、電動モータ20への通電をストップするよう制御する。
この所定量は、PC構造物の強度や粗骨材の種類により削孔時の電動モータ20への通電量が相違するので、具体的に規定しにくいが、PC構造物Xのコンクリート部分を削孔している通常状態の通電量を超える異常な通電量(例えば、通常状態の通電量の倍以上)である。一般的な強度のコンクリートを削孔しているときの通電量は、3〜5アンペア程度なので、その場合は、6〜10アンペアで通電をストップするように制御装置8を設定する。このように、制御装置8で通電をストップする所定量は、PC構造物の強度や粗骨材の種類に応じて、また、削孔時の通電量を勘案して現場で微調整して設定される。
<PCグラウト再注入用孔削孔時のシース管検知方法>
次に、本発明の実施形態に係るPCグラウト再注入用孔削孔時のシース管検知方法について、前述の削孔装置1を用いる場合で説明する。
前述の削孔装置1により、既設のPC構造物Xのシース管内にPCグラウトを再注入するための孔を削孔する場合は、電動モータ20を駆動させて穿孔機2によりPC構造物Xを削孔しながら、給排水装置4により給水ホース41を介して穿孔機2で削孔している孔に給水し、排水ホース42を介して削孔により発生した粉塵と混ざり合った混濁水を吸い上げ排水している。
しかも、排水ホース42の途中に設置された金属センサ5で排水ホース42内を流れる混濁水に金属が含まれているかを継続的に検知してモニタリングしている。
一方、削孔装置1により削孔している孔がシース管の外表面に達した場合は、穿孔機2のドリルビット22がシース管に接触することとなり、ドリルビット22に削られてシース管を構成する金属の金属粉(鉄粉)が発生し、コンクリートの削り粉とともに混濁水として、排水ホース42中を金属センサ5付近まで流れて行く。
このため、穿孔機2により削孔している孔がシース管まで到達し、シース管が削れたことを確実に検知することができ、結果的に、削孔している孔がシース管の外表面に達したか否かを検知することができる。
また、削孔装置1では、金属センサ5とは別に、電流計7により電動モータ20への通電量を計測しモニタリングしている。
このため、ドリルビット22がコンクリート以外のものに接触して電動モータ20への通電量が異常値を示すと、そのことにより、削孔装置1により削孔している孔がシース管の外表面に達したことを推認することができる。
従来、このような電流計による異物接触の検知は、鉄筋などの異物にドリルビット22が接触したか否かの検知として用いられていた。しかし、シース管が0.8mm程度と薄く、明確な異常値が現れず検出漏れとなる場合があり、削孔している孔がシース管の外表面に達したか否かの検知に適用することが困難であった。
しかし、金属センサ5との二重チェックとすることにより、検知精度が大幅に上がり、削孔している孔がシース管の外表面に達したか否かの検知にも適用することができる。
以上述べた本発明の実施形態に係るPCグラウト再注入用孔削孔時のシース管検知方法によれば、排水ホース42の途中に設置された金属センサ5により排水ホース42を通過する鉄粉などの金属を検知することができるので、穿孔機2により削孔している孔がシース管まで到達し、シース管が削れたことを確実に検知することができる。
また、実施形態に係るPCグラウト再注入用孔削孔時のシース管検知方法によれば、電流計7により異常値を計測した場合にも穿孔機2により削孔している孔がシース管の外表面に達したと判断するので、いわゆる金属センサ5と電流計7とのダブルチェックとなり、より正確に穿孔機2により削孔している孔がシース管まで到達しことを検知することができる。
<PCグラウト再注入用孔の削孔方法>
次に、図4を用いて、本発明の実施形態に係るPCグラウト再注入用孔の削孔方法について、前述の削孔装置1を用いて削孔する場合で説明する。
(1)支柱位置決め
実施形態に係るPCグラウト再注入用孔の削孔方法では、図4に示すように、先ず、削孔する孔の(墨出し)位置に応じて、ガイド装置3をPC構造物Xの表面に固定するため、バキュームポンプP1で真空パッドを吸引して真空パッドP2内を負圧にし、PC構造物Xの表面に吸着する。
(2)ガイド装置の固定
次に、真空パッドP2の定着ボルトに前述の基台30を挿通してネジ止めし、支柱31がPC構造物Xの表面に垂直となるようにガイド装置3を固定する。
なお、PC構造物Xの表面が劣化しているなどの理由で真空パッドP2を吸着することができない場合は、ホールインアンカーやケミカルアンカーなどのアンカーをPC構造物Xに打ち込んで、基台30(ガイド装置3)をネジ止め固定してもよい。
(3)削孔位置の調整
そして、穿孔機2をガイド部材32の装着部32bに装着し、穿孔機2が、削孔する孔の中心の印(墨出し位置)の直上に位置するように調整する。
(4)位置決めプレート、給排水装置のセット
次に、ガイド装置3の基台30の脇に、前述の位置決めプレート33をセットし、穿孔機2のシャフト21がPC構造物Xの表面に垂直となるようにさらに微調整する。
このとき、ガイド部材32の装着部32bに給水ホース41を接続し、位置決めプレート33に排水ホース42を接続するとともに、給排水装置4の装置本体40に、これらの給水ホース41及び排水ホース42を接続し、給排水装置4を給排水可能なようにセットする。
(5)削孔開始
そして、穿孔機2のシャフト21の先端に、前述のドリルビット22を装着し、穿孔機2の電動モータ20及び給排水装置4の装置本体40内のポンプを作動させ、PC構造物XにPCグラウト再注入用の孔の削孔(穿孔)を開始する。
このとき、穿孔機2で削孔しつつ、給排水装置4で給水ホース41を介して削孔した孔に冷却水を供給し、複数本の排水ホース42を介して削孔により発生した粉塵とともに供給した水を排水として吸い上げる。
(6)シャフト延長
次に、電動モータ20を駆動させて穿孔機2でPC構造物Xを削孔しつつ、適宜、ガイド部材32のハンドル32aを回転させて穿孔機2を下降させ(PC構造物X側へ移動させ)PC構造物Xにグラウト注入用の孔を掘り進んで行く。
このとき、200mm程度の長さのロッド(丸棒状の鋼材)からなるシャフト21を、次々継ぎ足して延長していき、所望の深さ、即ち、シース管の外表面に達するまで削孔していく。
(7)シース管に達した否かの判断
穿孔機2で削孔している孔がース管の外表面に達した否かの判断は、前述の実施形態に係るPCグラウト再注入用孔削孔時のシース管検知方法で行う。具体的には、金属センサ5で排水ホース42内を流れる排水に金属粉が含まれていることを検知し、電気的に接続された金属センサ5からの情報により制御装置8が、穿孔機2の電動モータ20への通電をストップする。
また、制御装置8には、電動モータ20への通電量が電流計7からの計測値として伝達されており、この計測値が前述の所定量以上となった場合に、制御装置8が異常値として判断し、穿孔機2の電動モータ20への通電をストップする。
要するに、制御装置8は、金属センサ5が金属を検知した場合、又は電流計7の計測値が所定量以上となった場合のいずれかの場合に、電動モータ20への通電をストップする。
このように、前述のいずれかの場合に通電をストップし、直ぐに削孔を停止することで、シース管内に挿置された緊張材を損傷するおそれがなくなる。
しかし、電流計7の検知精度が悪い場合は、金属センサ5で金属を検知しなければ、電動モータ20への通電をストップしない構成とすることもできる。但し、緊張材を絶対に損傷しないとの観点からは、本実施形態のように、いずれかの場合通電をストップする構成の方が好ましい。
これにより、PCグラウト再注入用孔の削孔作業を終了し、その後、シース管にPCグラウト再注入用孔を開けるシース管開孔工程など、PCグラウト再注入のための後工程を行う。
以上述べた本実施形態に係るPCグラウト再注入用孔の削孔方法によれば、穿孔機2による削孔がシース管に達したと同時に穿孔機2を停止することができるので、シース管内に挿通された緊張材を損傷するおそれがない。また、金属センサ5と電流計7によるダブルチェックにより、削孔がシース管に達したと同時に確実に穿孔機2を停止することができ、緊張材を損傷するおそれがさらになくなる。
以上、本発明の実施形態に係るPCグラウト再注入用孔削孔時のシース管検知方法、本発明の実施形態に係るPCグラウト再注入用孔の削孔方法、及びその方法に用いる削孔装置について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。特に、ドリルビットの材質は、PC構造物の強度やシース管の種類に応じて適宜選択すればよい。また、穿孔機を駆動するモータも電動のものを例示したが、エンジンその他、シャフトを回転駆動できるものであれば適用することができる。
1 :削孔装置
2 :穿孔機
20 :電動モータ(駆動モータ)
21 :シャフト
22 :ドリルビット
3 :ガイド装置
30 :着台
31 :支柱
32 :ガイド部材
32a :ハンドル
32b :装着部
33 :位置決めプレート
33a :プレート本体
33b :位置決め部材
P1 :バキュームポンプ
P2 :真空パッド
4 :給排水装置
40 :装置本体
41 :給水ホース
42 :排水ホース
5 :金属センサ
6 :交流電源(商用電源)
7 :電流計
8 :制御装置
X :PC構造物

Claims (4)

  1. 既設のPC構造物のシース管内にPCグラウトを再注入するための孔をPC構造物に削孔する際に、削孔している孔が前記シース管の外表面に達したか否かを検知するPCグラウト再注入用孔削孔時のシース管検知方法であって、
    穿孔機により前記PC構造物を削孔しながら、給排水装置により給水ホースを介して前記穿孔機で削孔している孔に水を供給し、排水ホースを介して削孔により発生した粉塵とともに供給した水を吸い上げ、前記排水ホースの途中に設置された金属センサにより金属を検知した場合に、削孔している孔が前記シース管の外表面に達したと判断すること
    を特徴とするPCグラウト再注入用孔削孔時のシース管検知方法。
  2. 前記穿孔機への通電量を計測する電流計により削孔時の通電量が所定量以上となった異常値を計測した場合にも削孔している孔が前記シース管の外表面に達したと判断すること
    を特徴とする請求項1に記載のPCグラウト再注入用孔削孔時のシース管検知方法。
  3. 既設のPC構造物のシース管内にPCグラウトを再注入するための孔をPC構造物に削孔するPCグラウト再注入用孔の削孔方法であって、
    穿孔機により前記PC構造物を削孔しながら、給排水装置により給水ホースを介して前記穿孔機で削孔している孔に水を供給し、排水ホースを介して削孔により発生した粉塵とともに供給した水を吸い上げ、前記排水ホースの途中に設置された金属センサにより金属を検知した場合に、前記穿孔機への通電を制御する制御ユニットにより前記穿孔機への通電を停止すること
    を特徴とするPCグラウト再注入用孔の削孔方法。
  4. 前記穿孔機への通電量を計測する電流計により削孔時の通電量より所定量以上高い異常値を計測した場合に、前記穿孔機への通電を制御する制御ユニットにより前記穿孔機への通電を停止すること
    を特徴とする請求項3に記載のPCグラウト再注入用孔の削孔方法。
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