JP2016196783A - Pcグラウト再注入用のシース管開孔方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】PC構造物にあける孔ができるだけ小径でPC構造物に与える損傷が少ないとともに、シース管内に挿通された緊張材を損傷するおそれがなく、短時間でシース管を開孔することができるPCグラウト再注入用のシース管開孔方法を提供する。
【解決手段】既設のPC構造物Xのシース管Y内にPCグラウトを再注入するための孔をシース管Yに開孔するPCグラウト再注入用のシース管開孔方法において、シャフト21を回転させる駆動モータ20とシャフト21の先端に直径30mm以下のドリルビット22が装着された穿孔機2を用いてシース管Yの外表面付近までPC構造物Xのコンクリート部分を削孔するコンクリート削孔工程と、シース管Y内に挿通された緊張材より硬度が低い材質からなる開孔治具5〜7でシース表面を打撃してコンクリート削孔工程で削孔した孔H1の終端からシース管Yの一部を貫通するまで開孔するシース管開孔工程と、を行う。
【選択図】図13
【解決手段】既設のPC構造物Xのシース管Y内にPCグラウトを再注入するための孔をシース管Yに開孔するPCグラウト再注入用のシース管開孔方法において、シャフト21を回転させる駆動モータ20とシャフト21の先端に直径30mm以下のドリルビット22が装着された穿孔機2を用いてシース管Yの外表面付近までPC構造物Xのコンクリート部分を削孔するコンクリート削孔工程と、シース管Y内に挿通された緊張材より硬度が低い材質からなる開孔治具5〜7でシース表面を打撃してコンクリート削孔工程で削孔した孔H1の終端からシース管Yの一部を貫通するまで開孔するシース管開孔工程と、を行う。
【選択図】図13
Description
本発明は、既設のPC構造物の機能回復のため、PCグラウトをシース管に再注入する際のシース管開孔方法に関するものである。
PC鋼材等の緊張材でコンクリートにプレストレスを付与したPC構造物では、PCグラウトの充填不足箇所におけるPC鋼材の腐食・破断のおそれがあり、これらに起因して、PC構造物の耐荷性能の低下が懸念されている。そして、このようなPC構造物の機能回復には、充填不足箇所にPCグラウトを再注入することが有効と考えられている。
PC構造物にPCグラウトを再注入するには、PC構造物のコンクリート部分を削孔するとともに、PC鋼材が挿通されているシース管にも孔をあける必要がある。PCT桁橋において,従来のシース管開削(開孔)は、ドライバー等の工具をてこの原理を使って開削していたため、削孔深さに応じた削孔径が必要であった。よって、従来のPCグラウト再注入用のシース管開孔方法では、ダイヤモンドコアビット等を用いてPC構造物のコンクリート部分に直径60mm〜90mm程度のコアを抜き、そのコア孔に手や工具を入れてシース管を破ることによりシース管を開孔していた。
一方では、片持ち梁のように基端側に大きい曲げ応力が作用するため鋼棒が密に配置されている張出架設により施工されたPC構造物には、前述の従来の削孔径では、PC構造物の損傷が大きいうえに、鋼棒を切断するおそれがあるため適用できないという問題があった。また、削孔径を小径化した場合,従来工具によるシース開削が困難になるという問題があった。
また、特許文献1には、既設のプレストレストコンクリート構造物のグラウト充填不良箇所10を特定し、グラウト充填不良箇所10へコンクリート構造物の外部から連通孔20、30、40をウォータージェット工法によって削孔し、連通孔20、30には真空ポンプ27を接続し、連通孔40にグラウトポンプ45を連結し、真空ポンプ27でグラウト充填不良箇所10の内部の空気を吸引し、他方の孔40からグラウトを注入するプレストレストコンクリートグラウト再注入方法及びウォータージェット工法によるPC構造物の削孔方法が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1〜3、明細書の段落[0048]〜[0069]、図面の図11等参照)。
しかし、特許文献1に記載のプレストレストコンクリートグラウト再注入方法及びウォータージェット工法による削孔方法では、テンションがかけられたPC鋼材の損傷は防ぐことはできるものの、削孔できる孔も50mm程度とPC構造物の損傷を防ぐ観点からは、さらに小径の孔であることが望まれるうえ、大量の水を使用するため大型の排水設備が必要であり、使用した水の回収や排水処理に多大な時間と手間がかかるという問題もあった。また,本工法は鋼棒タイプについては検証されていないため,シースのみが適切に破れるか不明であるという問題も有る。
一方、特許文献2には、深穴明機100の基台11を作業面10に固定する第1ステップS1と、深穴明機の支柱に沿って移動する工具回転駆動機構に取り付けた削穴工具のシャフトを作業面の近傍位置で回転自在に支持する第2ステップS2と、冷却水を前記削穴工具の先端側に供給する第3ステップS3と、削穴工具で深穴を形成するときに、冷却水とコンクリート削粉の懸濁水を、作業面の穴周囲を囲った液溜めから吸引して排出する第4ステップS4と、排出した懸濁水を濾過して前記冷却水として供給するように循環させシャフトの長さに対応する深穴を形成する第5ステップS5と、を含む手順で行う深穴形成方法が開示されている(特許文献2の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0032]〜[0049]、図面の図2〜図7等参照)。
特許文献2に記載の深穴形成方法によれば、シャフトが細くても穴開け作業においてぶれることがなく、深穴をPC構造物に形成することが可能となると共に、冷却水の供給および懸濁水の吸引によりコンクリート削粉が目詰まりすることがない状態で深穴を形成することができるとされている。
しかし、特許文献2に記載の深穴形成方法では、PC構造物のコンクリート部分を削孔することはできるものの、そのままシース管を開孔すると、シース管内に挿通されたPC鋼材等の緊張材を損傷するおそれがあるという問題があった。
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、PC構造物にあける孔ができるだけ小径でPC構造物に与える損傷が少ないとともに、シース管内に挿通された緊張材を損傷するおそれがなく、短時間でシース管を開孔することができるPCグラウト再注入用のシース管開孔方法を提供することにある。
第1発明に係るPCグラウト再注入用のシース管開孔方法は、既設のPC構造物のシース管内にPCグラウトを再注入するための孔をシース管に開孔するPCグラウト再注入用のシース管開孔方法であって、シャフトと、このシャフトを回転させる駆動モータを有し、前記シャフトの先端に直径30mm以下のドリルビットが装着された穿孔機を用いて前記シース管の外表面付近まで前記PC構造物のコンクリート部分を削孔するコンクリート削孔工程と、前記シース管内に挿通された緊張材より硬度が低い材質からなる開孔治具でシース表面を打撃して前記コンクリート削孔工程で削孔した孔の終端から前記シース管の一部を貫通するまで開孔するシース管開孔工程と、を有することを特徴とする。
第2発明に係るPCグラウト再注入用のシース管開孔方法は、第1発明において、前記シース管開孔工程では、シャフトと、このシャフトを回転させる駆動モータを有し、前記モータの回転力を前記シャフト方向への打撃力に変換可能な振動ドリルの先端に前記開孔治具を装着して前記シース管に孔をあけることを特徴とする。
第3発明に係るPCグラウト再注入用のシース管開孔方法は、第1発明又は第2発明において、前記コンクリート削孔工程では、削孔した孔に水を供給し、削孔により発生した粉塵とともに供給した水を吸い上げる給排水装置を用いて、前記ドリルビットを冷却しながら前記PC構造物のコンクリート部分を削孔することを特徴とする。
第4発明に係るPCグラウト再注入用のシース管開孔方法は、第1発明ないし第3発明のいずれかの発明において、前記開孔治具は、前記緊張材より硬度が低い材質からなる円筒状の治具本体を有し、その治具本体の先端に、先端側に行くにしたがって薄くなる刃先加工が施された刃先開孔治具であり、前記シース管開孔工程では、当該刃先開孔治具を打撃して前記シース管に孔をあけることを特徴とする。
第5発明に係るPCグラウト再注入用のシース管開孔方法は、第4発明において、前記刃先開孔治具の先端には、複数の円弧状の切欠きが形成されており、前記シース管開孔工程では、複数の円弧状の切欠きが形成された当該刃先開孔治具を打撃して前記シース管に孔をあけることを特徴とする。
第6発明に係るPCグラウト再注入用のシース管開孔方法は、第1発明ないし第3発明のいずれかの発明において、前記開孔治具は、後端側が閉塞された円筒体からなる治具本体を有し、この治具本体の先端側に緊張材より硬度が低い材質からなる複数の開孔針が取り替え可能に装着されており、前記シース管開孔工程では、前記開孔針が装着された当該開孔治具を打撃して前記シース管に孔をあけることを特徴とする。
第7明に係るPCグラウト再注入用のシース管開孔方法は、第1発明又は第3発明において、前記開孔治具は、シャフトを有し、このシャフトの先端に、前記緊張材より硬度が低い材質からなる円筒体の先端の一部が突出して回切刃が形成された開孔円筒体が嵌着されているとともに、前記シャフトの後端に、前記シャフトを回動する回動ハンドルが固着されており、前記シース管開孔工程では、前記開孔円筒体が嵌着された当該開孔治具を打撃して前記シース管に前記回切刃を突き刺した後、前記回動ハンドルを回して前記シース管に孔をあけることを特徴とする。
第1発明〜第7発明によれば、直径30mm以下のドリルビットが装着された穿孔機を用いてPC構造物を削孔するので、PC構造物にあける孔を直径30mm程度以下の小径とすることができ、PC構造物に与える損傷を最小限にすることができる。また、第1発明〜第7発明によれば、緊張材より硬度が低い材質からなる開孔治具を打撃して開孔するので、開孔治具が緊張材に当接した場合であっても、緊張材を損傷するおそれがない。このため、削孔した孔にファイバースコープ等を挿入して緊張材までの距離等を確認しながら開孔(穿孔)する必要がなく、短時間でシース管を開孔することができる。
特に、第2発明によれば、振動ドリルを用いて開孔治具を打撃するので、人力で開孔治具に打撃を加える必要がなく、効率的で短時間でシース管開孔工程を完了することができる。
特に、第3発明によれば、冷却水でドリルビットを冷却しながら削孔するので、ドリルビットの摩耗を抑えて、短時間でコンクリート削孔工程を完了することができる。また、排水を吸引する際に削孔により発生したコンクリートの粉塵も一緒に回収することができるので、粉塵により目詰まりしてドリルビットの回転が阻害されるのを防ぎ、コンクリートを削孔するのに掛かる時間を短縮することができる。
特に、第4発明及び第5発明によれば、刃先加工が施された刃先開孔治具を打撃してシース管に孔をあけるので、シース管を刃先で容易に切り裂いて開孔することができるともに、その刃先が万が一緊張材に当接したとしても、刃先が緊張材より硬度が低い材質からなるため、緊張材に傷がつくおそれがない。
特に、第6発明によれば、開孔針が装着された開孔治具を打撃してシース管に孔をあけるので、シース管を開孔針で容易に切り裂いて開孔することができるとともに、この開孔針が、取り替え可能となっているので、開孔により硬度が低い開孔針が損耗しても、開孔針だけを交換すれば済むので経済的である。
特に、第7発明によれば、シース管に回切刃を突き刺した後、回動ハンドルを回してシース管に孔をあけるので、振動ドリルなどの電動工具を使用しなくても、人力により容易に短時間でシース管を開孔することができる。
以下、本発明に係るPCグラウト再注入用のシース管開孔方法を実施するための一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<削孔装置>
先ず、図1〜図3を用いて、本発明の実施形態に係るPCグラウト再注入用のシース管開孔方法に用いる削孔装置について説明する。本発明の実施形態に係るPCグラウト再注入用のシース管開孔方法に用いる削孔装置1は、PC構造物Xを削孔する穿孔機2と、この穿孔機2をスライド自在にガイドするガイド装置3と、削孔した孔H1に水を供給するとともに、削孔により発生した粉塵と供給した水を吸い上げる給排水装置4などから構成されている。
先ず、図1〜図3を用いて、本発明の実施形態に係るPCグラウト再注入用のシース管開孔方法に用いる削孔装置について説明する。本発明の実施形態に係るPCグラウト再注入用のシース管開孔方法に用いる削孔装置1は、PC構造物Xを削孔する穿孔機2と、この穿孔機2をスライド自在にガイドするガイド装置3と、削孔した孔H1に水を供給するとともに、削孔により発生した粉塵と供給した水を吸い上げる給排水装置4などから構成されている。
(穿孔機)
穿孔機2は、図1に示すように、駆動モータとして回転数8000/min〜8500/min程度の通常の電動モータ20を有し、この電動モータ20でシャフト21を回転させて、シャフト21の先端に装着されたドリルビット22でPC構造物Xを削孔する機器である。なお、ラチェット機構により回転だけでなく軸方向に沿った打撃を加える振動ドリルを用いることも可能である。
穿孔機2は、図1に示すように、駆動モータとして回転数8000/min〜8500/min程度の通常の電動モータ20を有し、この電動モータ20でシャフト21を回転させて、シャフト21の先端に装着されたドリルビット22でPC構造物Xを削孔する機器である。なお、ラチェット機構により回転だけでなく軸方向に沿った打撃を加える振動ドリルを用いることも可能である。
このシャフト21は、削孔する孔の深さに応じて様々な長さのものが用意されているとともに、ネジ込むことにより複数本を適宜継ぎ足すことができる構造になっている。このため、穿孔機2によれば、5m以上の深い孔も削孔することができる。
また、本実施形態に係るドリルビット22には、直径15.5mm〜25mm程度の短尺の丸棒状のノンコアビットが採用されており、このドリルビット22は、人工ダイヤモンドを多数含有した合金からなるダイヤモンドビットでもある。このため、高強度のPC構造物Xにも直径30mm以下の小径の孔を削孔できるようになっている。
しかし、本発明に係るドリルビットには、従来のダイヤモンドのコアビットを採用することも可能であり、PC構造物Xを削孔(穿孔)できるものであれば、超硬合金のチップを多数含有したドラッグビットなど他の穿孔用のビットを採用しても構わない。
(ガイド装置)
ガイド装置3は、PC構造物Xに載置又は吸着する基台30と、この基台30に立設された支柱31と、この支柱31に沿ってスライド移動自在に構成され、穿孔機2を装着するガイド部材32と、基台30の脇に取り付けられ、穿孔機2のシャフト21及びドリルビット22を位置決めする位置決めプレート33などから構成され、穿孔機2の回転がブレないようにガイドする機能を有している。
ガイド装置3は、PC構造物Xに載置又は吸着する基台30と、この基台30に立設された支柱31と、この支柱31に沿ってスライド移動自在に構成され、穿孔機2を装着するガイド部材32と、基台30の脇に取り付けられ、穿孔機2のシャフト21及びドリルビット22を位置決めする位置決めプレート33などから構成され、穿孔機2の回転がブレないようにガイドする機能を有している。
基台30は、アンカーボルトでPC構造物Xにボルト固定されるか、又は図示しないバキュームポンプと接続され、基台30内部を大気圧より低圧(真空)にすることでPC構造物Xに固定される。このため、ガイド装置3は、PC構造物Xの水平面と垂直面のいずれにも固定することが可能となっている。
支柱31は、基台30に対して略垂直に立設され、一側面に後述のピニオンギアと噛合するラック(図示せず)が形成されている。また、支柱31は、ボルトと円弧状の長孔との構成により基台30に対して角度調整自在な構成としてもよい。支柱31を基台30に対して角度調整自在とすることで、穿孔機2をPC構造物Xの作業面に対して傾斜して案内することも可能となるからである。
ガイド部材32は、支柱31のラックと相対する位置にハンドル32aで回転するピニオンギア(図示せず)を有し、ハンドル32aを回すことによりピニオンギアが回転し、このピニオンギアが支柱31のラックと噛合することにより、支柱31に沿って昇降(スライド移動)するように構成されている。
また、ガイド部材32は、穿孔機2を装着する装着部32bを備え、この装着部32bには、後述の給排水装置4の給水ホース41が接続され、穿孔機2のシャフト21を伝って削孔する孔に冷却水を供給するための給水室(図示せず)が設けられている。
位置決めプレート33は、図2、図3に示すように、プレート本体33aの中央付近に、穿孔機2のシャフト21を挿通して削孔位置を位置決めし、回転時の横揺れを防止する位置決め部材33bが装着されている。この位置決め部材33bは、プレート本体33aに対して揺動自在に装着されており、基台30に対して支柱31を傾斜させて削孔する場合でも、シャフト21を所定位置に位置決めし、回転時の横揺れを防止できるようになっている。
また、プレート本体33aは、下面に空洞(図示せず)が形成されており、側方から後述の給排水装置4の複数本の排水ホース42が接続されており、PC構造物Xに当接する前記空洞部分を低圧(真空)として削孔した孔に給水した水を吸引して吸い上げる仕組みとなっている。
(給排水装置)
給排水装置4は、図1〜図3に示すように、内部に冷却水を送り出すとともに排水を吸引するポンプ(図示せず)を有する装置本体40と、この装置本体40と装着部32bの給水室とを連通し、装置本体40から冷却水を給水室へ送り出す給水ホース41と、装置本体40と位置決めプレート33とを連通し、位置決めプレート33から装置本体40へ排水を回収する複数本の排水ホース42などから構成されている。
給排水装置4は、図1〜図3に示すように、内部に冷却水を送り出すとともに排水を吸引するポンプ(図示せず)を有する装置本体40と、この装置本体40と装着部32bの給水室とを連通し、装置本体40から冷却水を給水室へ送り出す給水ホース41と、装置本体40と位置決めプレート33とを連通し、位置決めプレート33から装置本体40へ排水を回収する複数本の排水ホース42などから構成されている。
この給排水装置4は、装置本体40のポンプで給水ホース41を介して、穿孔機2で削孔した孔に冷却水を供給し、装置本体40のポンプで複数本の排水ホース42を介して削孔により発生した粉塵とともに供給した水を排水として吸い上げる機能を有している。
<開孔治具>
次に、図4〜図11を用いて、本発明の実施形態に係るPCグラウト再注入用のシース管開孔方法に用いる開孔治具について説明する。本発明の実施形態に係るPCグラウト再注入用のシース管開孔方法に用いる開孔治具は、前述の穿孔機2で削孔した孔H1の終端からシース管Yの一部を貫通してシース管YにPCグラウトを再注入するための孔H2を開孔する際に使用され、緊張材より硬度が低い材質からなるためシース管Y内に挿通された緊張材を損傷しない構成となっている。
次に、図4〜図11を用いて、本発明の実施形態に係るPCグラウト再注入用のシース管開孔方法に用いる開孔治具について説明する。本発明の実施形態に係るPCグラウト再注入用のシース管開孔方法に用いる開孔治具は、前述の穿孔機2で削孔した孔H1の終端からシース管Yの一部を貫通してシース管YにPCグラウトを再注入するための孔H2を開孔する際に使用され、緊張材より硬度が低い材質からなるためシース管Y内に挿通された緊張材を損傷しない構成となっている。
この開孔治具は、モータの回転力をシャフト方向への打撃力に変換可能な振動ドリルなど電動工具のシャフトの先端に装着され、その電動工具で打撃が加えられるか、又は、人力でハンマー等により打撃が加えられることで、コンクリート削孔工程で削孔した孔H1の終端に打ち付けて使用される。
[第1実施形態]
先ず、図4を用いて、本発明の第1実施形態に係る開孔治具5について説明する。第1実施形態に係る開孔治具5は、図4(a)に示すように、シース管Yに挿通されている緊張材より硬度が低い材質からなる円筒管状の治具本体を備えている。この治具本体は、先端面が、その縁に沿って緩やかに波打つ形状となっているとともに、図4(b)に示すように、先端側に行くにしたがって薄くなる刃先加工が施された刃先5aを有している。
先ず、図4を用いて、本発明の第1実施形態に係る開孔治具5について説明する。第1実施形態に係る開孔治具5は、図4(a)に示すように、シース管Yに挿通されている緊張材より硬度が低い材質からなる円筒管状の治具本体を備えている。この治具本体は、先端面が、その縁に沿って緩やかに波打つ形状となっているとともに、図4(b)に示すように、先端側に行くにしたがって薄くなる刃先加工が施された刃先5aを有している。
ところで、シース管Yに挿通されている緊張材は、一般に、PC鋼線、PC鋼線より線、PC鋼棒などのPC鋼材であり、このようなPC鋼材は、炭素を0.6%以上含有する高炭素鋼からなる。このため、緊張材の表面硬度は、ロックウェル硬さHRC44〜52程度と考えられる。よって、本発明の第1実施形態に係る開孔治具5は、それより硬度が低く、且つ、開孔するシース管Yの硬度より高いHRC(ロックウェル硬さ)44以下の中硬度の鋼材(例えば、中硬度炭素鋼)からなる。
勿論、硬度(硬さ)の測定方法はどのような方法でもよく、開孔治具5の硬さを決める基準は、HV(ビッカース硬さ)、HB(ブリネル硬さ)、HS(ショア硬さ)など他の硬度測定方法より測定された硬度を基準にしてもよいことは云うまでもない。
一方、シース管Yは、一般に、0.8mm厚程度のブリキや亜鉛めっき鋼板からなるため硬度はあまり高くない。このため、中硬度の鋼材からなる開孔治具5で十分突き刺して開孔することができる。また、開孔治具5の先端には、刃先5aが設けられているため、刃先5aでさらに容易にシース管Yを切り開くことができる。
また、この開孔治具5は、ネジ切りされたカップリング等を介して振動ドリルなどの電動工具の先端に装着されて使用される。勿論、単純に棒材の先端に溶接等で固定してハンマー等で打撃を加えて使用してもよい。
このような第1実施形態に係る開孔治具5によれば、刃先5aでさらに容易にシース管Yを切り開くことができるとともに、その刃先5aが万が一緊張材に当接したとしても、刃先5aが緊張材より硬度が低い材質からなるため、緊張材に傷がつくおそれがない。
[第2実施形態]
次に、図5を用いて、第1実施形態に係る開孔治具5の変形例である第2実施形態に係る開孔治具5’について説明する。開孔治具5と相違する点は、刃先5aに切り欠きが形成されている点だけなので、その点について主に説明する。
次に、図5を用いて、第1実施形態に係る開孔治具5の変形例である第2実施形態に係る開孔治具5’について説明する。開孔治具5と相違する点は、刃先5aに切り欠きが形成されている点だけなので、その点について主に説明する。
本発明の第2実施形態に係る開孔治具5’は、開孔治具5と同様に、その先端面が緩やかに波打つ形状となった概略円筒管状の治具本体を備え、その治具本体の先端面に、先端側に行くにしたがって薄くなる刃先加工が施されているとともに、鋸刃状に複数の円弧状の切欠きが形成された刃先5a’を有している。
このような第2実施形態に係る開孔治具5’によれば、刃先5a’が複数の円弧状の切欠きが形成された鋸刃状となっているので、開孔治具5と比べてもシース管Yをさらに開孔し易くなっている。このため、例えば、PC構造物Xに削孔した孔H1と、シース管Yとが芯ズレを起こしているような場合であっても、刃先5a’でシース管Yの襞状の凹凸を確実に捉えて開孔することができる。
[第3実施形態]
次に、図6〜図10を用いて、本発明の第3実施形態に係る開孔治具6について説明する。本発明の第3実施形態に係る開孔治具6は、図6(a)に示すように、後端側が閉塞された円筒体からなる治具本体60と、針状の鋼材からなる複数の開孔針61と、これらの開孔針61を装填するための装填リング62と、開孔治具6を電動工具に接続するための接続ボルト63などから構成されている。
次に、図6〜図10を用いて、本発明の第3実施形態に係る開孔治具6について説明する。本発明の第3実施形態に係る開孔治具6は、図6(a)に示すように、後端側が閉塞された円筒体からなる治具本体60と、針状の鋼材からなる複数の開孔針61と、これらの開孔針61を装填するための装填リング62と、開孔治具6を電動工具に接続するための接続ボルト63などから構成されている。
開孔針61は、図6(b)に示すように、緊張材より硬度が低い前述のHRC(ロックウェル硬さ)44以下の中硬度の鋼材(例えば、中硬度炭素鋼)からなり、先端側が針状の針状端61aと、後端側が平ノミ状のチゼル端61bとなった両刃の部材である。
装填リング62は、図7に示すように、概略円盤状のリング本体を備え、そのリング本体部の円周の縁に沿って開孔針61を装填する複数の装填孔62aが穿設され、中央に、接続ボルト63を挿通するためのボルト挿通孔62bが穿設された金属からなる部材である。
この装填リング62の装填孔62aに、後端側から針状端61aが先端側となるように開孔針61を装填し、図示しない別のプレートでチゼル端61bを挟み込んで、接続ボルト63を先端側からボルト挿通孔62bを挿通し、装填リング62の縁を治具本体60に当接させて治具本体60の後端をナットで螺着することで開孔治具6が組み立てられる。即ち、開孔針61は、治具本体60及び装填リング62に取り替え可能に装着されている。
この開孔治具6は、後端の接続ボルト63で雌ネジが形成されたカップリング等を介して振動ドリルなどの電動工具の先端に装着されて使用される。勿論、単純に棒材の先端に固定してハンマー等で打撃を加えて使用してもよい。
なお、開孔針61は、図8に示すように、チゼル端61bが尖った尖端状のチゼル端61b’となった変形例1に係る開孔針61’や、図9に示すように、チゼル端61bが彫刻刀状のチゼル端61b”となった変形例2に係る開孔針61”でもよい。
また、開孔針61は、図10に示すように、チゼル端61bを先端側となるように装着してもよい。
このような第3実施形態に係る開孔治具6によれば、緊張材より硬度が低い材質からなる開孔針61が、治具本体60及び装填リング62に取り替え可能に装着されているので、開孔により硬度が低い開孔針が損耗しても、開孔針だけを交換すれば済むので経済的である。また、開孔の際に緊張材より硬度が低い開孔針61が緊張材に当接しても緊張材を傷つけるおそれがない。
[第4実施形態]
次に、図11を用いて、本発明の第4実施形態に係る開孔治具7について説明する。本発明の第4実施形態に係る開孔治具7は、図11(a)に示すように、丸棒状の鋼材からなるシャフト70を有し、このシャフト70の先端に開孔円筒体71が嵌着されているとともに、シャフト70の後端にシャフト70を回動する鋼材からなる回動ハンドル72が固着されている。
次に、図11を用いて、本発明の第4実施形態に係る開孔治具7について説明する。本発明の第4実施形態に係る開孔治具7は、図11(a)に示すように、丸棒状の鋼材からなるシャフト70を有し、このシャフト70の先端に開孔円筒体71が嵌着されているとともに、シャフト70の後端にシャフト70を回動する鋼材からなる回動ハンドル72が固着されている。
開孔円筒体71は、図11(b)に示すように、緊張材より硬度が低い材質からなる円筒体からなり、その円筒体の先端の一部が突出して回切刃71aが形成された部材であり、回切刃71aの両側端は、研磨されて薄くなり鋭利な刃先となっている。
なお、シャフト70は、長さの異なる数種類のものを用意し、先端及び後端にネジを切り、開孔円筒体71及び回動ハンドル72をネジ込んで装着できるようにし、削孔した孔H1の深さにより応じて取り替え可能としてもよい。
この開孔治具7は、回動ハンドル72の中央部に人力によりハンマー等で打撃を加え、シース管Yに回切刃71aを突き刺した後、回動ハンドル72を回して使用する。
このような第4実施形態に係る開孔治具7によれば、回動ハンドル72の中央部に人力によりハンマー等で打撃を加え、シース管Yに回切刃71aを突き刺した後、回動ハンドル72を回して使用するので、振動ドリルなどの電動工具を使用しなくても、人力により容易に短時間でシース管Yを開孔することができる。また、開孔の際に緊張材より硬度が低い回切刃71aが緊張材に当接しても緊張材を傷つけるおそれがない。
<PCグラウト再注入用のシース管開孔方法>
次に、本発明の実施形態に係るPCグラウト再注入用のシース管開孔方法について説明する。既存のPC構造物Xの表面から垂直に削孔して、PC構造物Xの表面に対して平行に挿置されているシース管YにPCグラウト注入用の孔を開孔する場合を例示して説明する。
次に、本発明の実施形態に係るPCグラウト再注入用のシース管開孔方法について説明する。既存のPC構造物Xの表面から垂直に削孔して、PC構造物Xの表面に対して平行に挿置されているシース管YにPCグラウト注入用の孔を開孔する場合を例示して説明する。
実施形態に係るPCグラウト再注入用のシース管開孔方法は、主に、シース管Yの外表面付近までPC構造物Xのコンクリート部分を削孔するコンクリート削孔工程と、コンクリート削孔工程で削孔した孔H1の終端からシース管Yの一部を貫通するまで開孔するシース管開孔工程と、からなり、既設のPC構造物Xのシース管YにPCグラウトを再注入するために開孔する方法である。
[コンクリート削孔工程]
(1)支柱位置決め
コンクリート削孔工程は、図12に示すように、先ず、削孔する孔の(墨出し)位置に応じて、ガイド装置3をPC構造物Xの表面に固定するため、バキュームポンプP1で真空パッドを吸引して真空パッドP2内を負圧にし、PC構造物Xの表面に吸着する。
(1)支柱位置決め
コンクリート削孔工程は、図12に示すように、先ず、削孔する孔の(墨出し)位置に応じて、ガイド装置3をPC構造物Xの表面に固定するため、バキュームポンプP1で真空パッドを吸引して真空パッドP2内を負圧にし、PC構造物Xの表面に吸着する。
(2)ガイド装置の固定
次に、真空パッドP2の定着ボルトに前述の基台30を挿通してネジ止めし、支柱31がPC構造物Xの表面に垂直となるようにガイド装置3を固定する。
次に、真空パッドP2の定着ボルトに前述の基台30を挿通してネジ止めし、支柱31がPC構造物Xの表面に垂直となるようにガイド装置3を固定する。
なお、PC構造物Xの表面が劣化しているなどの理由で真空パッドP2を吸着することができない場合は、ホールインアンカーやケミカルアンカーなどのアンカーをPC構造物Xに打ち込んで、基台30(ガイド装置3)をネジ止め固定してもよい。
(3)削孔位置の調整
そして、穿孔機2をガイド部材32の装着部32bに装着し、穿孔機2が、削孔する孔の中心の印(墨出し位置)の直上に位置するように調整する。
そして、穿孔機2をガイド部材32の装着部32bに装着し、穿孔機2が、削孔する孔の中心の印(墨出し位置)の直上に位置するように調整する。
(4)位置決めプレート、給排水装置のセット
次に、ガイド装置3の基台30の脇に、前述の位置決めプレート33をセットし、穿孔機2のシャフト21がPC構造物Xの表面に垂直となるようにさらに微調整する。
次に、ガイド装置3の基台30の脇に、前述の位置決めプレート33をセットし、穿孔機2のシャフト21がPC構造物Xの表面に垂直となるようにさらに微調整する。
このとき、ガイド部材32の装着部32bに給水ホース41を接続し、位置決めプレート33に排水ホース42を接続するとともに、給排水装置4の装置本体40に、これらの給水ホース41及び排水ホース42を接続し、給排水装置4を給排水可能なようにセットする。
(5)削孔開始
そして、穿孔機2のシャフト21の先端に、前述のドリルビット22を装着し、穿孔機2の電動モータ20及び給排水装置4の装置本体40内のポンプを作動させ、PC構造物XにPCグラウト再注入用の孔の削孔(穿孔)を開始する。
そして、穿孔機2のシャフト21の先端に、前述のドリルビット22を装着し、穿孔機2の電動モータ20及び給排水装置4の装置本体40内のポンプを作動させ、PC構造物XにPCグラウト再注入用の孔の削孔(穿孔)を開始する。
このとき、穿孔機2で削孔しつつ、給排水装置4で給水ホース41を介して削孔した孔に冷却水を供給し、複数本の排水ホース42を介して削孔により発生した粉塵とともに供給した水を排水として吸い上げる。
(6)シャフト延長
次に、電動モータ20を駆動させて穿孔機2でPC構造物Xを削孔しつつ、適宜、ガイド部材32のハンドル32aを回転させて穿孔機2を下降させ(PC構造物X側へ移動させ)PC構造物Xにグラウト注入用の孔を掘り進んで行く。
次に、電動モータ20を駆動させて穿孔機2でPC構造物Xを削孔しつつ、適宜、ガイド部材32のハンドル32aを回転させて穿孔機2を下降させ(PC構造物X側へ移動させ)PC構造物Xにグラウト注入用の孔を掘り進んで行く。
このとき、200mm程度の長さのロッド(丸棒状の鋼材)からなるシャフト21を、次々継ぎ足して延長していき、所望の深さ、即ち、シース管Yの外表面に達するまで削孔していく。
なお、シース管Yの外表面に達した否かの判断は、電動モータ20への通電量を電流計等で計測しておき、通電量が一定値を超えたときに、電動モータ20への通電をストップするように制御すると、ファイバースコープ等で確認する手間が省けてこのましい。
また、排水ホース42の途中に金属センサ等をセットしておき、この金属センサでシース管Yとの接触により排水に金属が混じることを検知した場合に、電動モータ20への通電をストップするように制御してもよい。
[シース管開孔工程]
次に、図13を用いて、シース管開孔工程について説明する。ここでは、第1実施形態〜第4実施形態に係る開孔治具5,5’,6,7のいずれかの開孔治具を用いて、前述のコンクリート削孔工程で削孔した孔H1の終端からシース管Yの一部を貫通するまで開孔する場合をまとめて説明する。
次に、図13を用いて、シース管開孔工程について説明する。ここでは、第1実施形態〜第4実施形態に係る開孔治具5,5’,6,7のいずれかの開孔治具を用いて、前述のコンクリート削孔工程で削孔した孔H1の終端からシース管Yの一部を貫通するまで開孔する場合をまとめて説明する。
(1)削孔装置撤去
先ず、前述のコンクリート削孔工程で使用した削孔装置1を撤去する。
先ず、前述のコンクリート削孔工程で使用した削孔装置1を撤去する。
(2)開孔治具の装着
次に、前述の開孔治具5,5’,6のいずれかを、ラチェット機構によりモータの回転力を回転だけでなく軸方向に沿った打撃力に変換可能な振動ドリルなどの電動工具のシャフトの先端に装着する。そして、装着した開孔治具5,5’,6をコンクリート削孔工程で削孔した孔H1に挿入し、孔H1の終端である底に開孔治具5,5’,6が当接するまで下降させる。
次に、前述の開孔治具5,5’,6のいずれかを、ラチェット機構によりモータの回転力を回転だけでなく軸方向に沿った打撃力に変換可能な振動ドリルなどの電動工具のシャフトの先端に装着する。そして、装着した開孔治具5,5’,6をコンクリート削孔工程で削孔した孔H1に挿入し、孔H1の終端である底に開孔治具5,5’,6が当接するまで下降させる。
勿論、前述の開孔治具7を使用する場合は、人力で打撃を加えるので、電動工具への装着は不要である。
(3)開孔開始
次に、図13(a)に示すように、電動工具の電動モータを駆動させて打撃を加え、開孔治具5,5’,6を孔H1の底に打ち付け、シース管Yの開孔を開始する。
次に、図13(a)に示すように、電動工具の電動モータを駆動させて打撃を加え、開孔治具5,5’,6を孔H1の底に打ち付け、シース管Yの開孔を開始する。
勿論、人力で打撃を加える場合は、開孔治具5,5’,6,7をハンマー等で叩いて打撃を加え、開孔治具5,5’,6,7を孔H1の底に打ち付け、シース管Yの開孔を開始する。
(4)開孔停止
そして、開孔治具5,5’,6,7の刃先5a,5a’、開孔針61,61’の針状端61a,61a’又はチゼル端61b,61b’、回切刃71aでシース管Yを突き刺してシース管Yの一部を貫通する。作業員は、打撃の反力がなくなったことをもってシース管Yを貫通したことを判断できるので、その時に電動工具を停止させる。
そして、開孔治具5,5’,6,7の刃先5a,5a’、開孔針61,61’の針状端61a,61a’又はチゼル端61b,61b’、回切刃71aでシース管Yを突き刺してシース管Yの一部を貫通する。作業員は、打撃の反力がなくなったことをもってシース管Yを貫通したことを判断できるので、その時に電動工具を停止させる。
勿論、人力で打撃を加える場合は、反力がなくなった時点でハンマー等で打撃を加えるのをやめればよい。
そして、開孔治具5,5’,6を引き抜けば、貫通したシース管Yの一部の開孔片も開孔治具5,5’,6と一緒についてくるので、図13(b)に示すように、シース管Yに開孔した孔H2が穿設されることとなる。
なお、開孔治具7を使ってシース管Yに開孔する場合は、回動ハンドル72の中央部に人力によりハンマー等で打撃を加え、シース管Yに回切刃71aを突き刺した後、回動ハンドル72を回してシース管Yに孔H2を開孔する。
このとき、回し切ったシース管Yの一部の開孔片は、電動工具のモータで回転する螺旋状の刃のついた回転ビット等を用い、その螺旋状の刃で開孔片を突き刺してそれを引き抜くようにして取り外すとよい。
これにより、シース管開孔工程を終了し、その後、PC構造物Xを削孔した孔H1にPCグラウト注入用のホースを接続するなど、PCグラウト再注入のための後工程を行う。
以上に説明した本発明の実施形態に係るPCグラウト再注入用のシース管開孔方法によれば、直径30mm以下のドリルビット22が装着された穿孔機2を用いてPC構造物Xを削孔するので、PC構造物Xにあける孔H1を直径30mm程度以下の小径とすることができ、PC構造物Xに与える損傷を最小限にすることができる。
また、第1実施形態〜第4実施形態に係る開孔治具5,5’,6,7の開孔治具5,5’,6,7の刃先5a,5a’、開孔針61,61’の針状端61a,61a’又はチゼル端61b,61b’、回切刃71aは、いずれも緊張材より硬度が低い素材からなるため、シース管Yを突き刺してシース管Yの一部を貫通して開孔する場合でもシース管Y内に挿通された緊張材を損傷するおそれがない。このため、削孔した孔H1にファイバースコープ等を挿入して緊張材までの距離等を確認しながら開孔する必要がなく、短時間でシース管Yを開孔することができる。
以上、本発明の実施形態に係るPCグラウト再注入用のシース管開孔方法、及びその方法に用いる削孔装置について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。特に、ドリルビットや回転ビットの材質は、PC構造物の強度やシース管の種類に応じて適宜選択すればよい。また、穿孔機を駆動するモータも電動のものを例示したが、エンジンその他、シャフトを回転駆動できるものであれば適用することができる。
1 :削孔装置
2 :穿孔機
20 :電動モータ(駆動モータ)
21 :シャフト
22 :ドリルビット
3 :ガイド装置
30 :着台
31 :支柱
32 :ガイド部材
32a :ハンドル
32b :装着部
33 :位置決めプレート
33a :プレート本体
33b :位置決め部材
P1 :バキュームポンプ
P2 :真空パッド
4 :給排水装置
40 :装置本体
41 :給水ホース
42 :排水ホース
5,5’ :刃先開孔治具(開孔治具)
5a,5a’ :刃先
6 :開孔治具
60 :治具本体
61 :開孔針
61a,61a’ :針状端
62 :装填リング
63 :接続ボルト
7 :開孔治具
70 :シャフト
71 :開孔円筒体
71a :回切刃
72 :ハンドル
X :PC構造物
H1 :削孔した孔
Y :シース管
H2 :開孔した孔
2 :穿孔機
20 :電動モータ(駆動モータ)
21 :シャフト
22 :ドリルビット
3 :ガイド装置
30 :着台
31 :支柱
32 :ガイド部材
32a :ハンドル
32b :装着部
33 :位置決めプレート
33a :プレート本体
33b :位置決め部材
P1 :バキュームポンプ
P2 :真空パッド
4 :給排水装置
40 :装置本体
41 :給水ホース
42 :排水ホース
5,5’ :刃先開孔治具(開孔治具)
5a,5a’ :刃先
6 :開孔治具
60 :治具本体
61 :開孔針
61a,61a’ :針状端
62 :装填リング
63 :接続ボルト
7 :開孔治具
70 :シャフト
71 :開孔円筒体
71a :回切刃
72 :ハンドル
X :PC構造物
H1 :削孔した孔
Y :シース管
H2 :開孔した孔
Claims (7)
- 既設のPC構造物のシース管内にPCグラウトを再注入するための孔をシース管に開孔するPCグラウト再注入用のシース管開孔方法であって、
シャフトと、このシャフトを回転させる駆動モータを有し、前記シャフトの先端に直径30mm以下のドリルビットが装着された穿孔機を用いて前記シース管の外表面付近まで前記PC構造物のコンクリート部分を削孔するコンクリート削孔工程と、前記シース管内に挿通された緊張材より硬度が低い材質からなる開孔治具でシース表面を打撃して前記コンクリート削孔工程で削孔した孔の終端から前記シース管の一部を貫通するまで開孔するシース管開孔工程と、を有すること
を特徴とするPCグラウト再注入用のシース管開孔方法。 - 前記シース管開孔工程では、シャフトと、このシャフトを回転させる駆動モータを有し、前記モータの回転力を前記シャフト方向への打撃力に変換可能な振動ドリルの先端に前記開孔治具を装着して前記シース管に孔をあけること
を特徴とする請求項1に記載のPCグラウト再注入用のシース管開孔方法。 - 前記コンクリート削孔工程では、削孔した孔に水を供給し、削孔により発生した粉塵とともに供給した水を吸い上げる給排水装置を用いて、前記ドリルビットを冷却しながら前記PC構造物のコンクリート部分を削孔すること
を特徴とする請求項1又は2に記載のPCグラウト再注入用のシース管開孔方法。 - 前記開孔治具は、前記緊張材より硬度が低い材質からなる円筒状の治具本体を有し、その治具本体の先端に、先端側に行くにしたがって薄くなる刃先加工が施された刃先開孔治具であり、
前記シース管開孔工程では、当該刃先開孔治具を打撃して前記シース管に孔をあけること
を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のPCグラウト再注入用のシース管開孔方法。 - 前記刃先開孔治具の先端には、複数の円弧状の切欠きが形成されており、
前記シース管開孔工程では、複数の円弧状の切欠きが形成された当該刃先開孔治具を打撃して前記シース管に孔をあけること
を特徴とする請求項4に記載のPCグラウト再注入用のシース管開孔方法。 - 前記開孔治具は、後端側が閉塞された円筒体からなる治具本体を有し、この治具本体の先端側に緊張材より硬度が低い材質からなる複数の開孔針が取り替え可能に装着されており、
前記シース管開孔工程では、前記開孔針が装着された当該開孔治具を打撃して前記シース管に孔をあけること
を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のPCグラウト再注入用のシース管開孔方法。 - 前記開孔治具は、シャフトを有し、このシャフトの先端に、前記緊張材より硬度が低い材質からなる円筒体の先端の一部が突出して回切刃が形成された開孔円筒体が嵌着されているとともに、前記シャフトの後端に、前記シャフトを回動する回動ハンドルが固着されており、
前記シース管開孔工程では、前記開孔円筒体が嵌着された当該開孔治具を打撃して前記シース管に前記回切刃を突き刺した後、前記回動ハンドルを回して前記シース管に孔をあけること
を特徴とする請求項1又は3に記載のPCグラウト再注入用のシース管開孔方法。
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JP2015077633A JP2016196783A (ja) | 2015-04-06 | 2015-04-06 | Pcグラウト再注入用のシース管開孔方法 |
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- 2015-04-06 JP JP2015077633A patent/JP2016196783A/ja active Pending
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