JP2006169942A - 振動併用回転式杭打機および振動併用回転式杭打工法 - Google Patents

振動併用回転式杭打機および振動併用回転式杭打工法 Download PDF

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和幸 永渕
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Abstract

【課題】 回転螺入式の杭打機を改良して、硬質の地層の中へも無公害で杭を貫入せしめ得るようにする。
【解決手段】 杭チャック11を備えた起振機10を旋回ベース4に装着するとともに、静止ベース2によって、前記旋回ベース4をZ軸周りの回転自在に支持する。上記静止ベース2に搭載された旋回駆動モータ17によってピニオンギア18を回転駆動すると、旋回ギア19がZ軸周りに回転し、これに固着された旋回ベース4および旋回アーム9が回転せしめられ、該旋回アーム9を介して起振機10、杭チャック11が回転し、該チャックに把持された先端螺旋付住宅基礎杭1がZ軸周りに回転し、地中に螺入される。硬質の地層に到達して螺入が難渋すると、起振機10を作動させて振動を与えることによって回転螺入を促進する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、杭を回転させながら地中に貫入させる装置、および同工法に係り、特に、振動を併用して貫入を促進するように改良したものである。
杭を地上に立て、軸心周りに回転させながら地中に貫入させる技術は周知である。
最近、住宅建設に際し、杭を打設して基礎を固めるように法定されたので、上記の回転圧入工法が注目を浴びている。
この場合、先端に螺旋羽根を有する先端螺旋付住宅基礎杭が多く用いられる。
基礎杭を打たねばならない地域は、一般に地表が軟弱であるから、羽根付杭を地表に突き立てて回転させると比較的容易に地中へ貫入させることができる。
しかし乍ら、地中に貫入した杭の先端が硬質地層に到達すると、回転圧入だけでは、それ以上の貫入が困難になる。
杭の支持力のみに着目すると、杭の先端(下端)が硬質地層に達したならば、それ以上の貫入は不必要と考えられるが、建築予定地に打設された数十本の杭の天端が、高低まちまちに不揃いであると、その上方に構築物を作るについて甚しく不都合であるから、深部地質の如何に拘らず、所定深度まで杭を打ち込まなければならない。
このため、回転圧入作業中に杭の貫入が停止したとき、貫入を促進する技術の開発が要望される。
こうした必要に応じて開発された技術として、特開平8−291681号公報(特許文献1の欄に示した)が公知である。
この技術は、ハンマを併設しておいて、回転圧入操作に加えてハンマによる打撃を与えるものである。
特開平8−291681号公報
前述の特開平8−291681号公報に記載された技術によると、回転圧入だけでは杭の貫入が困難な場合、打撃式の杭打ちを併用して貫入を促進できるが、ハンマによる打撃を与える作業は振動公害,騒音公害を発生する。
本発明は上述の事情に鑑みて為されたものであって、その目的とするところは、
回転圧入方式で杭を地中に貫入させている場合、比較的硬質の地盤に到達して貫入が停止し、もしくは著しく停滞したとき、振動公害や騒音公害を発生する虞れ無く、杭の貫入を促進し得る技術を提供するにある。なお本発明は、アースオーガを併用した杭打作業にも適用することができる。
上記の目的を達成するために創作した本発明の基本的原理を要約すると次の如くである。すなわち、回転圧入によって貫入しつつあった杭が、硬質地盤に到達して貫入が停滞したとき、該杭に対して、回転と併せて振動を与える。
いま仮に、振動だけで杭を貫入させようとすると振動公害や騒音公害を発生する虞れが有る。しかし、回転圧入を主体とし、高サイクル(例えば2000回/分)の微振動(例えば振幅2ミリメートル)を与えることにより、振動・騒音公害発生の虞れほとんど無く、杭の貫入を有効に促進することができる。
この程度の振動(振幅2ミリメートル)を杭に与えるだけでは、いわゆる振動杭打作業を行なうことは困難である。しかし、この程度の微振動であっても、これを回転螺入に併用することによって回転螺入が顕著に促進される。
比較的軽微な振動や騒音が公害として問題化するか否かについては、杭打ち作業現場の環境条件によって左右されるから、本発明の実施によって公害発生が絶無であると断言することはできないが、平均的な作業環境条件下においては公害発生の虞れが無い。
上述の原理に基づく具体的な構成として、請求項1に係る発明装置は、(図1参照)杭(1)を挿通し得る孔が、中心線に沿って上下に貫通しており、
かつ、杭を把持する杭チャック(11)と、
上記杭チャックに振動を与える起振機(10)と、
杭チャックに把持された杭(1)に対して、該杭の長手方向中心線周りの回転を与える機構と、を具備していることを特徴とする。
以上に説明した請求項1の発明装置を適用すると、杭を把持する杭チャックに対して振動を与えることができ、かつ、該杭に対して軸心周りの回転を与えることができるので、地中に貫入可能な状態においては杭を回転圧入することができ、
回転圧入だけでは貫入が難渋したとき、さらに振動を与えることができる。
このようにして回転圧入による杭の貫入を振動によって促進し、公害を発生させることなく硬質地層の中へ杭を打ち込むことができる。
請求項2に係る発明の構成は、前記請求項1の発明装置の構成要件に加えて、
杭(1)を挿通する孔を有する旋回ベース(4)と、
上記旋回ベースを回転可能に支持する静止ベース(2)と、
前記旋回ベースに固定された、杭と同心をなす旋回ギア(19)、および該旋回ギアに噛合するピニオンギア(18)と、
前記静止ベースに搭載されて、上記ピニオンギアを駆動する旋回駆動モータ(17)と、
前記旋回ベース(4)に、緩衝部材(16)を介して装着された起振機(10)と、
上記の起振機に固着された杭チャック(11)と、を具備していることを特徴とする。
以上に説明した請求項2の発明装置によると、杭を把持した杭チャックに対して、起振機によって振動を与えることができ、
かつ、該起振機、杭チャック、および杭を一体として回転させることができるので、杭を回転させながら、適切に振動を加えることができる。
これにより、情況に応じて適切な振動併用回転式の杭打作業を行なうことができる。
請求項3に係る発明装置の構成は、前記請求項2の発明装置の構成要件に加えて、杭を把持した状態において、該杭の長手方向中心線と一致する座標軸Zと、上記Z軸に直交するX軸とを想定し、
静止ベース(2)に対してX軸周りに回動可能なハンガ(8)を備えていて、車両系建設機械に対し、フロントアタッチメントとして装着できるようになっており、
または前記静止ベース(2)が、車両系建設機械のフロントアタッチメントであるリーダ(21)によって上下動可能に案内されていることを特徴とする。
以上に説明した請求項3の発明装置によると、当該杭打機を建設車両に装着して、該建設車両の走行機能やブーム・アーム、またはリーダの作動を利用して、所望の箇所に杭を打設することができ、多くの人手を煩わさずに迅速な作業遂行が可能になる。
請求項4に係る発明装置の構成は、
車両系建設機械によって、垂直軸周りの回動を阻止して支持される静止ベース(23)と、
上記静止ベースに対して、垂直軸周りの回動可能に装着された旋回ベースと、
上記旋回ベースに設置された起振機と、
上記起振機に対して固定的に装着された杭チャック(11)と、を具備しており、
かつ、前記静止ベースに対して旋回ベースを往復回動せしめる揺動シリンダが設けられていることを特徴とする。
以上に説明した請求項4の発明装置は、鋼管杭の打設に好適であり、各種の杭の引き抜きにも適用することができる。本発明によると、杭に対して軸心周りの往復回動を与えつつ、公害を生じない程度に上下方向の微振動を与えて、能率よく杭を打ち,抜くことができる。
請求項5に係る発明工法の構成は、
螺旋羽根付きの杭に、その軸心周りの回転を与えるとともに、軸心方向の押圧力を与えて地中に貫入させる工法において、
杭の回転圧入によって地中に貫入し得る所まで回転圧入し、
比較的硬質の地層に到達して杭の貫入が困難になったとき、該杭に対し、回転に加えて振動を与えることにより、杭の貫入を促進することを特徴とする。
以上に説明した請求項5の発明工法によると、無公害で迅速に杭を打設することができて、特に住宅用基礎工事に好適である。
すなわち、杭の先端に位置している地層が比較的軟弱なときは、該杭に回転を与えて螺入するので無公害であり、
杭が地中に貫入して、比較的硬質の地層に到達すると、回転に加えて振動が与えられるので、該硬質地層に貫入することができる。
この際に与えられる振動は、回転螺入を補助する程度で足り、しかも短時間で済むから振動,騒音は軽微であり、付近住民の認容を得ることができる。
前記の振動を、高サイクル(例えば2500/分)、小振幅(例えば2mm)とすることにより、実用上、無公害杭打ち工事が可能となる。
請求項1の発明装置を適用すると、杭を把持する杭チャックに対して振動を与えることができ、かつ、該杭に対して軸心周りの回転を与えることができるので、地中に貫入可能な状態においては杭を回転圧入することができ、
回転圧入だけでは貫入が難渋したとき、さらに振動を与えることができる。
このようにして回転圧入による杭の貫入を振動によって促進し、公害を発生させることなく硬質地層の中へ杭を打ち込むことができる。
請求項2の発明装置によると、杭を把持した杭チャックに対して、起振機によって振動を与えることができ、
かつ、該起振機、杭チャック、および杭を一体として回転させることができるので、杭を回転させながら、適切に振動を加えることができる。
これにより、情況に応じて適切な振動併用回転式の杭打作業を行なうことができる。
請求項3の発明装置によると、当該杭打機を建設車両に装着して、該建設車両の走行機能やブーム・アーム、又はリーダの作動を利用して、所望の箇所に杭を打設することができ、多くの人手を煩わさずに迅速な作業遂行が可能になる。
請求項4の発明装置を適用すると、杭を把持する杭チャックに対して振動を与えることができ、かつ、該杭に対して軸心周りの往復回転を与えることができるので、地中に貫入可能な状態においては杭を回転圧入することができ、
往復回転圧入だけでは貫入が難渋したとき、さらに振動を与えることができる。
このようにして、往復回転圧入による杭の貫入を振動によって促進し、公害を発生させることなく硬質地層の中へ杭を打ち込むことができる。
請求項5の発明工法によると、無公害で迅速に杭を打設することができて、特に住宅用基礎工事に好適である。
すなわち、杭の先端に位置している地層が比較的軟弱なときは、該杭に回転を与えて螺入するので無公害であり、
杭が地中に貫入して、比較的硬質の地層に到達すると、回転に加えて振動が与えられるので、該硬質地層に貫入することができる。
この際に与えられる振動は、回転螺入を補助する程度で足り、しかも短時間(硬質地層を突破する間だけ)で済むから振動,騒音は軽微であり、付近住民の認容を得ることができる。
前記の振動を、高サイクル(例えば2500/分)、小振幅(例えば2mm)とすることにより、実用上、無公害杭打ち工事が可能となる。
図1は、本発明に係る振動併用回転式杭打工法を実施するために構成した振動併用回転式杭打機の1実施形態を示し、杭チャックによって先端螺旋付住宅基礎杭を把持した状態を模式的に描いた断面図である。
静止ベース2は、ハンガ8によって、X軸周りの回動可能に支持されている。ただし、この静止ベース2は、上記ハンガ8に対してZ軸周りには回動できない。
上記静止ベース2に対し、軸受3を介して旋回ベース4が、Z軸周り回転自在に装着されている。この旋回ベース4には、杭1を挿通し得る中心孔が設けられている。
前記旋回ベース4に、Z軸を中心線とする旋回ギア19が固定されている。この旋回ギア19にも、杭1を挿通し得る中心孔が設けられている。
上記旋回ギアに噛合するピニオンギア18は、旋回駆動モータ17の出力軸に固着されており、かつ、該旋回駆動モータは前記静止ベース2に設置されている。これにより、ピニオンギア18が回転すると、旋回ベース4がZ軸周りに回転駆動される。
前記旋回ベース4には旋回アーム9が固着されており、該旋回アームは緩衝ゴム16を介して起振機10を支持している。この起振機10にも杭1を挿通し得る中心孔が設けられている。
上記の起振機には、杭チャック11が一体的に結合されていて、該杭チャックは先端螺旋付住宅基礎杭1を把持する。符号1aを付して示したのは先端羽根である。
以上のようにして、本例の振動併用回転式杭打機には、装置全体を貫通する中心孔が、Z軸に沿って設けられており、杭を挿通し得るようになっている。
図3は、上記の孔に杭を挿通して杭打作業を行なっている状態の1例を示す。
車両系建設機械20のフロントアタッチメントであるリーダ(21)によって、本発明に係る振動併用回転式杭打機22を支持するとともに、該振動併用回転式杭打機に挿通した先端螺旋付住宅基礎杭1を打設している。本図から容易に理解できるように、杭打機に対して杭を上下に貫通させることにより、杭打用機械装置全体の重心が低くなり、作業の安全に有効である。
図示を省略するが、本図3における先端螺旋付住宅基礎杭1の代りにアースオーガを把持し、これを地中に螺入して穿孔することもできる。
本例においては、前記旋回駆動モータ17、起振機10、および杭チャック1を油圧駆動式の機器として構成したが、本発明を実施するとき、必ずしも油圧式に限定されない。
前記のハンガ8は車両系建設機械に対し、フロントアタッチメントとして装着できるようになっている。
上記車両系建設機械(図外)を杭置場まで自走させ、ブーム,アームを昇降操作して本発明装置(図1)の杭チャックで先端螺旋付住宅基礎杭1を把持する。
前記図外の車両用建設機械を杭打ち地点付近まで自走させ、ブーム,アームを昇降操作して、先端螺旋付住宅基礎杭1を杭打ち地点に立てる。
このとき、静止ベース2がX軸周りに回動可能であるから、吊持された先端螺旋付住宅基礎杭1がほぼ垂直姿勢となる。
先端羽根1aの下方に当接している土砂が比較的柔軟なときは、旋回駆動モータ17を作動させて、旋回ベース4、および、これと一体的に連設されている部材をZ軸周りに回転させる。
本図1において「静止ベース4、ハンガ8、旋回駆動モータ17、およびピニオンギア18」以外の部材がZ軸周りに回転せしめられる。これにより、先端螺旋付住宅基礎杭1がZ軸周りに回転する。
杭打ち地点の表層は一般に、余り硬質ではない(特殊な場合を除いて、硬質の地盤に住宅用の基礎杭を打設することは考え難い)。
比較的柔軟ないし通常硬さの地層に対しては、前記先端螺旋付住宅基礎杭のZ軸周り回転によって、先端羽根1aが地中に螺入され、杭全体が地中に貫入してゆく。
杭の先端(下端)が硬質地層に到達すると、該杭の沈下が停滞する。沈下が停滞すると、運転者は起振機10を作動させる。
起振機で発生した振動は、チャック11を介して先端螺旋付住宅基礎杭1に伝えられる。
この場合の振動は、通常の振動式杭打ち作業におけるが如く強烈であることを要しない。
本実施形態では、高サイクル(2500回/分)の微振動(振幅1ミリメートル)を加えた。
杭全体が高サイクルで微振動すると、先端羽根1aの螺入が促進される。その理由を概要的にいえば次のとおりである。
当業者の通用語によると、杭の振動によって、杭と土砂との摩擦が切れる。という現象を呈する。
これを初等力学的に表現すると、静止摩擦状態が動摩擦状態に変化する。
これは、摩擦力学の計算から出てくるというよりは、本発明者による多年の経験的事実として確認した現象である。
先端羽根1aが土砂との摩擦から開放されると、本来の螺入作用が効果的に発揮されて先端螺旋付住宅基礎杭1が地中に貫入してゆく。
このように「螺入を助勢する程度の微振動を発生させるだけであるから、振動公害や騒音公害を発生する虞れが無い。
螺入作用を振動で補助すると、いうのが本発明の基本である。
図1に表されているように、旋回アーム9と起振機10との間に緩衝ゴム16が介装されているので、旋回ベース4の回転は杭チャック11を介して先端螺旋付住宅基礎杭1に伝動されるが、起振機10の振動はハンガ8に伝わらない。
振動がハンガ8に伝わらないから、このハンガを車両系建設機構のブーム,アーム機構に装着しても、該車両系建設機械が共振して破損するなどの不具合を生じない。
また、上記のようにハンガ8を車両系建設機械のブーム・アーム機構に対して、フロントアタッチメントとして装着しておくと、該ブーム・アーム機構を操作することにより、先端螺旋付住宅基礎杭に対して下向きの押圧力を加えて、地中への貫入を促進することができる。
杭を打設する場合、アースオーガを併用することが一般に行なわれている。
図1に示した本発明装置で先端螺旋付住宅基礎杭を打設する場合、別途にアースオーガ駆動機械を準備しなくても、この振動併用回転式杭打機を利用して、有効に縦穴を掘削することができる。
専用のアースオーガ駆動機器を必要としないので経済的であるのみでなく、従来のアースオーガ機よりも強力な掘削を無公害で施工できる。
図1において、杭チャック11を弛めて先端螺旋付住宅基礎杭1を取り外し、その代りにアースオーガ(図示省略)を把持して、これを地面に突き立てて、回転を与えると土砂を掘削して地中に貫入させることができる。地層が硬くても、振動を与えることによって螺入掘削を助長することができるので、高能率の施工が可能である。
アースオーガの併用は、先端螺旋付住宅基礎杭1の貫入が難渋したとき、一旦、該先端螺旋付住宅基礎杭を引き抜いて、その跡にアースオーガ(図外)を差し入れて掘削し、土砂を掘り弛めた後に再び先端螺旋付住宅基礎杭を差し込んで杭打ち工事を続行するという工法を採ることもできる。
また、杭の打設予定地点を予めアースドリルで掘り緩めてから、その跡に先端螺旋付住宅基礎杭を差し込んで、さらに回転と振動とを与えて打設するという工法を採ることもできる。
図2は、前掲の図1と異なる実施形態を示す縦断面図である。
前記の実施形態(図1)では、プラネットギアの位置を固定してサンギアを被動回転させたが、図2の実施形態ではサンギヤの回転を固定してプラネットギアを自転・公転させる構成とした。
符号Mはプラネットギアの駆動モータであり、符号mは起振機の駆動モータである。
プラネットギア6が回転すると、サンギア5の周りを自転しながら公転する。
上記プラネットギアおよびプラネット駆動モータ14が旋回ケース13に搭載されているので、該旋回ケース13がZ軸周りに回転する。
これにより、旋回ケース13に設置されている起振機10および杭チャック11がZ軸周りに回転し、先端螺旋付住宅基礎杭1を回転させる。
起振機10が作動すると、その振動が杭チャック11を介して先端螺旋付住宅基礎杭1に伝えられる。
上述の実施形態(図2)によっても、先端螺旋付住宅基礎杭(またはアースドリル)に対して、回転と振動とを与えることができ、前記実施形態(図1)におけると同様ないし類似の作用効果が得られる。
図4は、前掲の図1および図2と異なる実施形態を示す模式図である。
前記の実施形態においては、杭を連続的に回転させたが、本例では往復回転させるようになっている。
本図4においては、起振機と一体的に連結された旋回ベース23に対して回動自在に支承されている。
本図4において起振機は静止ベース23によって隠されている。該静止ベース23の中心孔23aに、「起振機に装着された杭チャック11」の一部分が現れている。
1対の揺動シリンダ24が、トラニオン24aによって静止ベース24に装着されていて、該トラニオンの周りにX−Y面内で揺動(往復回動)し得るようになっている。
上記1対の揺動シリンダ24が交互に伸長・収縮すると、ピストンロッド24bの先端に、ピン25で連結されている旋回ベース26および起振機が、Z軸(紙面と直交)回りに往復回動する。
静止ベース23は、ブラケット23bを介してリーダ21に支持され、Z軸方向(紙面と直角)に案内され、駆動される。
ただし、本図4の実施例のように杭を往復回動させる構造の振動併用回転式杭打機は、先端螺旋付住宅基礎杭には不適であって、鋼管杭の打込み、および、非螺旋形の各種の既設杭の抜き取りに好適である。
本発明に係る振動併用回転式杭打工法を実施するために構成した振動併用回転式杭打機の1実施形態を示し、杭チャックによって先端螺旋付住宅基礎杭を把持した状態を模式的に描いた断面図 前掲の図1と異なる実施形態を示す縦断面図 杭打ち作業の1例を示す模式的な正面図 前掲の図1、図2と更に異なる実施形態における模式的な要部平面図
符号の説明
1…先端螺旋付住宅基礎杭
1a…先端羽根
2…静止ベース
3…軸受
4…旋回ベース
5…サンギア
6…プラネットギア
7…プラネット駆動モータ
8…ハンガ
9…旋回アーム
10…起振機
11…杭チャック
12…静止ベース
13…旋回ケース
14…プラネット駆動モータ
15…起振モータ
16…緩衝ゴム
17…旋回駆動モータ
18…ピニオンギア
19…旋回ギア
20…車両系建設機械
21…フロントアタッチメントとしてのリーダ
22…振動併用回転式杭打機
23…静止ベース
23a…中心孔
23b…ブラケット
24…揺動シリンダ
24a…トラニオン
24b…ピストンロッド
25…ピン

Claims (5)

  1. 杭(1)を挿通し得る孔が、中心線に沿って上下に貫通しており、
    かつ、杭を把持する杭チャック(11)と、
    上記杭チャックに振動を与える起振機(10)と、
    杭チャックに把持された杭(1)に対して、該杭の長手方向中心線周りの回転を与える機構と、を具備していることを特徴とする、振動併用回転式杭打機。
  2. 杭(1)を挿通し得る孔を有する旋回ベース(4)と、
    上記旋回ベースを回転可能に支持する静止ベース(2)と、
    前記旋回ベースに固定された、杭と同心をなす旋回ギア(19)、および該旋回ギアに噛合するピニオンギア(18)と、
    前記静止ベースに搭載されて、上記ピニオンギアを駆動する旋回駆動モータ(17)と、
    前記旋回ベース(4)に、緩衝部材(16)を介して装着された起振機(10)と、
    上記の起振機に固着された杭チャック(11)と、を具備していることを特徴とする、請求項1に記載した振動併用回転式杭打機。
  3. 杭を把持した状態において、該杭の長手方向中心線と一致する座標軸Zと、上記Z軸に直交するX軸とを想定し、
    静止ベース(2)に対してX軸周りに回動可能なハンガ(8)を備えていて、車両系建設機械に対し、フロントアタッチメントとして装着できるようになっており、
    または前記静止ベース(2)が、車両系建設機械のフロントアタッチメントであるリーダ(21)によって上下動可能に案内されていることを特徴とする、請求項2に記載した振動併用回転式杭打機。
  4. 車両系建設機械によって、垂直軸周りの回動を阻止して支持される静止ベース(23)と、
    上記静止ベースに対して、垂直軸周りの回動可能に装着された旋回ベースと、
    上記旋回ベースに設置された起振機と、
    上記起振機に対して固定的に装着された杭チャック(11)と、を具備しており、
    かつ、前記静止ベースに対して旋回ベースを往復回動せしめる揺動シリンダが設けられていることを特徴とする、請求項1に記載した振動併用回転式杭打機。
  5. 螺旋羽根付きの杭に、その軸心周りの回転を与えるとともに、軸心方向の押圧力を与えて地中に貫入させる工法において、
    杭の回転圧入によって地中に貫入し得る所まで回転圧入し、
    比較的硬質の地層に到達して杭の貫入が困難になったとき、該杭に対し、回転に加えて振動を与えることにより、杭の貫入を促進することを特徴とする、振動併用回転式杭打工法。
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