JP4162942B2 - 構造物または地盤の調査方法 - Google Patents

構造物または地盤の調査方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造物の内部またはその周囲の地盤との間に生じた空洞の有無や大きさ及び位置、構造物自体の劣化等の状況、あるいは地盤自体の性状等を調査するための、構造物または地盤の調査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
構造物を構築する際に、その内部あるいはその周囲に発生する空洞は、構造物の強度や寿命に重大な影響を及ぼすことから、それを早期に発見するとともに確実に充填することが一般に求められている。
【0003】
空洞の充填作業を確実に行うには、構造物内の空洞の量の算定が重要であり、電磁波レーダや超音波、弾性波などの非破壊の物理探査による調査が一般的となっている。
また、地盤の状況を、打撃圧、打撃数、穿孔速度をパラメータとする、削岩機の穿孔エネルギーで推定する方法もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、トンネル構造物の例では、覆工コンクリートが厚い(例えば、600mm以上)場合、覆工背面に崩落土砂がある場合、背面地山が緩んでいる場合、あるいは滞水がある場合などでは、電波や超音波等の減衰などにより誤差が大きくなる。また、調査結果の判読は経験者に依存するため、調査結果に客観性が欠けていた。これらの事情は既設トンネルでは一般的であるため、結果的に物理探査手法では精度が期待できない場合が多いが、他に適切な調査手法がないため、物理探査に頼っているのが実情である。
また、穿孔エネルギーで地盤の状況を推定する方法を応用するにしても、穿孔エネルギーは前記各種パラメータを組合せた代表値(各々のパラメータをそれぞれ評価せずに、それらを掛け合わせて一つの代表値としている)であるため、地盤や構造物の詳細な状況を推定するには困難な状況であった。
【0005】
昨今、物理探査手法では上記課題があるため、覆工に実際にコアボーリングで削孔し、空洞の調査を行うことも実施されている。しかしながら、このコアボーリングによる手法では、削孔速度が遅いために調査費用が高くなる欠点があり、より廉価な調査手法が求められていた。
【0006】
このような事情に鑑みて、本発明においては、構造物または地盤に対して強度上や管理上の悪影響を与えず、なおかつ、物理探査手法の精度が期待できない箇所においても、簡易かつ高精度に、構造物の内部またはその周囲の地盤との間に生じた空洞の有無や大きさ及び位置、構造物自体の劣化等の状況あるいは地盤自体の性状等をその位置や大きさを含めて推定することができる、構造物または地盤の調査方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明においては以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1記載の構造物または地盤の調査方法は、打撃機構および回転機構をもつ削岩機を用いて、構造物の内部または地盤の状況を調査する構造物または地盤の調査方法であって、調査対象位置を、フィード圧および打撃圧を一定値に保ちながら削岩機のビットにより削孔しつつ、そのときのビットの削孔速度およびビットに加わるトルク負荷のそれぞれの変化によって、構造物の内部または地盤の状況を調査し、しかも、前記フィード圧および打撃圧を一定値に保ちながら削岩機のビットによる削孔が行えない場合には、前記フィード圧を一定値に保ちながら前記打撃圧のみを一定量毎に増加させる削孔を削孔速度が所定量を超えるまで順次行い、削孔速度が所定量を超えるようになった時点で、前記打撃圧をその値に保ちながら削孔して、構造物の内部または地盤の状況を調査することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の構造物または地盤の調査方法は、請求項1記載の方法において、
前記ビットの削孔速度の変化に代えて、単位時間あたりの前記ビットの削孔長の測定数を一定に設定したときのビットの削孔長の単位長さあたりの測定回数の変化によって、構造物の内部または地盤の状況を調査することを特徴としている。
【0009】
請求項3記載の構造物または地盤の調査方法は、請求項に記載の方法において、
前記ビットの削孔速度の変化とともに、単位時間あたりの前記ビットの削孔長の測定数を一定に設定したときのビットの削孔長の単位長さあたりの測定回数の変化によって、構造物の内部または地盤の状況を調査することを特徴としている。
【0010】
請求項4記載の構造物または地盤の調査方法は、請求項に記載の方法において、
構造物の削孔開始時から、ビットの削孔速度が予め設定した上限速度値以上まで上昇し、かつ、トルク負荷が予め設定した下限トルク値以下まで低下したときのビットの削孔長を測定することにより、前記構造物の空洞までの構成材料の厚さ寸法を推定することを特徴としている。
【0011】
請求項5記載の構造物または地盤の調査方法は、請求項に記載の方法において、
空洞を調査する場合に、前記ビットによる削孔時に、前記削孔速度が予め設定した上限速度値以上まで上昇し、かつ、トルク負荷が予め設定した下限トルク値以下まで低下したときのビットの削孔長を測定し、次いで前記ビットによる削孔を続け、前記削孔速度が予め設定した前記上限速度値より低下し、かつ、トルク負荷が予め設定した前記下限トルク値を超えるときのビットの削孔長を測定し、この値と前記測定したビットの削孔長との差に基づいて空洞の高さ寸法を推定することを特徴としている。
【0018】
削岩機により削孔するとき、ビットの削孔速度並びにビットに加わるトルク負荷は、削孔しようとする材料によって種々異なる。このため、種々の材料をビットにより削孔するときの削孔速度およびビットに加わるトルク負荷を、それぞれ予め実験等によって調べておけば、実際に削孔したとき、それらビットの削孔速度およびトルク負荷を調べることにより、そのときの削孔材料がわかる。
本発明はこれを利用したものであり、ビットの削孔速度およびビットに加わるトルク負荷を検出しあるいは演算により求め、それらを予め得ているデータと比較することにより、削孔箇所の材料が何であるかあるいは削孔箇所に空洞があるか否か、さらに空洞がどのような大きさであるかをその位置を含めて推定することができる。これにより、コアボーリングを行う場合に比較して、ごく小径の孔を形成するのみで、空洞の存在等を検知することが可能となる。
【0019】
なお、削孔箇所の材料が何であるかあるいは削孔箇所に空洞があるか否か等を推定する基準となるものとしては、前記ビットの削孔速度並びにビットに加わるトルク負荷に加えてあるいはそれらに代わり、前記ビットによって削孔するときに生じるくり粉を排出するためのフラッシングエアの圧力や、単位時間あたりのビットの削孔長の測定数を一定に設定したときのビットの削孔長の単位長さあたりの測定回数を利用することもできる。
【0020】
また、削孔速度と測定回数との関係は、削孔速度が大きくなれば測定回数は小さくなり、削孔速度が小さくなれば測定回数は大きくなると言う逆の関係にあるので、例えば、削孔速度が小さいときには、速度の変化が目立たないが、測定回数の方の変化ではっきりと表れるということもあり、この二つを利用することは、相互を補完する意味で都合がよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である構造物または地盤の調査方法を示す図であり、構造物または地盤の調査装置1を、既設トンネルの覆工コンクリートC背面における空洞Vの調査に用いた場合の状況を示す図である。
【0022】
図中に示す調査装置1は、先端にビット2を有するロッド3と、このロッド3を打撃する打撃機構並びにロッド3を回転させる回転機構をそれぞれ備える削岩機4と、削岩機4を支持するためのガイドシェル5と、削岩機4の動作等の制御を行う制御装置6とを備えた構成となっている。
【0023】
この調査装置1において、ビット2には、通常のボーリングと比較すると、はるかに小さい径寸法のもの(例えば、直径が33mmのもの)が用いられている。
【0024】
また、ガイドシェル5と削岩機4との間には、削岩機4を削孔方向に前後進させることが可能な移動機構7が備えられている。ガイドシェル5の延在方向は、削岩機4の削孔方向と同じになるように設定されており、削岩機4によりロッド3に打撃、回転を加えながら移動することにより、ロッド3の先端に取り付けたビット2によって覆工コンクリートCに対して削孔することができるようになっている。
【0025】
また、移動機構7には、ガイドシェル5上の削岩機4の位置を遠隔で測定可能な移動量測定センサ10が設けられている。なお、削孔時において削岩機の初期位置から現位置までの距離はビット2の移動量つまりビット2の削孔長に相当し、結局、削岩機4の位置を測定することは、ビット2の削孔長を測定することにもなる。
【0026】
また、削岩機4には、ロッド3を回転させるときにロッド3に作用するトルク負荷を検知するトルクセンサ11、削孔するときにくり粉を排出するためビット2の図示せぬエア吐出孔から吐出するフラッシングエアの圧力を検知するフラッシング圧センサ12、および前記移動量測定センサ10により測定される削岩機4の移動量の測定数を単位時間あたり一定(例えば、5回/秒)に設定したときの削岩機4の移動量(言い換えればビット2の削孔長)の単位長さあたりの測定回数を集計する測定回数検出機構13を備えている。それらセンサ11、12および測定回数検出機構13等は、前記移動機構7および移動量測定センサ10と同様に、制御装置6に電気的に接続されている。
【0027】
また、削岩機4には、ほかにもロッド3により既設トンネルの覆工コンクリートCを削孔するときに削岩機4の打撃機構を駆動する油圧源あるいは空気源の打撃圧を測定する打撃圧センサ14、および削岩機4を前後方向へスライドさせるシリンダを駆動する油圧源あるいは空気源のフィード圧を測定するフィード圧センサ15がそれぞれ設置されており、それらセンサ14,15は制御装置6に電気的に接続されている。そして、削岩機4は、削孔時において、図2に示されたフローチャートに基づき、打撃圧およびフィード圧が一定値になるように制御されながら、移動機構4を介して前後進するように運転される。
【0028】
また、制御装置6は、削岩機4および移動機構7の動作をそれぞれ制御するものであり、そこには構造物、例えば、既設トンネルの内周面から空洞Vまで覆工コンクリートCの厚さ寸法Chを推定する構成材料厚測定手段6a、および、空洞Vの高さ寸法Vhを推定する空洞寸法測定手段6bが備えられている。なお、これら構成材料厚測定手段6aおよび空洞寸法測定手段6bの詳細については、後述する調査方法の説明で明らかにする。
【0029】
次に、この調査装置1を用いた構造物または地盤の調査方法について説明する。
これには、まず、削岩機の移動機構7により、ロッド3の先端のビット2を覆工コンクリートCに対して当接させ、さらに、制御装置6により打撃圧、フィード圧を制御しながらロッド3を回転駆動させ、覆工コンクリートCの削孔を開始する。
【0030】
この場合の制御装置6の処理手順を図2のフローチャートに示す。
まず、削孔が開始されると(ステップ1)、制御装置6は打撃圧を予め設定した最小値(例えば2Mpa)およびフィード圧を予め設定した一定値(例えば5Mpa)になるよう保ちながら、削孔を開始する(ステップ2)。
【0031】
ここで、削孔が進むか否か、具体的にはビット2による削孔速度が予め設定した所定値を超えるか否か判断し(ステップ3)、削孔が進まない場合には、打撃圧を一定量増加させて削孔効率を上げる。(ステップ4)、それでも削孔が進まない場合にはさらに打撃圧を一定量増加させる。そして、削孔が進むまで順次打撃圧を上げ続ける(ステップ3,4)。
【0032】
そして、削孔が進むとつまり削孔速度が所定値を超えると、フィード圧および打撃圧をそのときの値に保ちながら削孔を続ける(ステップ5)。この削孔が進むのに伴い、削孔中の削孔長、削孔速度、フラッシング圧、測定回数の測定をそれぞれ開始する。すなわち、移動量測定センサ10でビット2による削孔長を測定し、この削孔長を時間で除して削孔速度を求め、またフラッシング圧センサ12でフラッシング圧を測定し、また、測定回数検出機構13によって得られる、ビット2の削孔長の単位長さあたりの測定回数を求める。そして、それら機械的なデータを図示略の記憶手段に記憶させながらそれら値の推移を調べ、それら値がどの程度変化しているかも調べる(ステップ6)。
【0033】
ここで、後述する覆工コンクリートCを抜けたと判定する前に、削孔速度が非常に小さくなり、図3中(イ)で示すように前記測定回数が突出するように急増する場合には、制御装置6はビット2が覆工コンクリートC中の鉄筋もしくは鋼製支保工にあたって削孔が不可能になったと判定する。
この際には、これ以上の削孔は困難であるために、移動機構7を駆動してロッド3を介してビット2を覆工コンクリートCから引き抜くとともに、調査装置1を図示せぬ支持台ごとガイドシェル5とともにトンネル内部を移動させ、再度フローチャートのステップ1のスタートに戻って、別の箇所の削孔を開始する。
【0034】
また、例えば、覆工コンクリートCを削孔中に、トルク負荷やフラッシング圧等のほかの機械データの傾向は変化しないものの、図3中(ロ)で示すように削孔速度が若干上昇する場合は、覆工コンクリートCの強度が劣化していると判定する。
【0035】
このように覆工コンクリートC中の削孔を持続するが、ロッド3の先端のビット2が覆工コンクリートCを貫通したとすると、図3に示すように、削孔速度が急増し、トルク負荷が急減する。この場合、制御装置6は、ビット2が覆工コンクリートCを貫通したと判定し、さらに、このときの移動機構7によるガイドシェル上の削岩機4の位置を、移動量測定センサ10の出力信号に基づき測定する。さらに、制御装置6は内蔵してある構成材料厚測定手段6aにより、この測定値と、予め測定しておいた削孔開始時の削岩機4の位置との差を覆工コンクリートCの覆工厚Chとして図示略の記憶手段に記憶する。
【0036】
制御装置6が覆工コンクリートCを抜けたと判定した場合には、図2のフローチャート上で新たな対象物を検知したことになるため(ステップ7)、ステップ2に戻る。このとき、覆工コンクリートCを抜くために打撃圧を、予め設定した最小値よりも大きな値に設定している場合には、再び打撃圧を最小値に戻して設定するとともにフィード圧を所定の一定値に保ち、この条件で削孔を開始する。
【0037】
前記状況にて削孔速度が予め設定した上限速度値以上まで上昇し、かつ、トルク負荷が予め設定した下限トルク値以下まで低下した場合、制御装置6はビット2による削孔対象位置が空洞Vに達したと判定する。
なお、上限速度値、下限トルク値は、当該削岩機4を用いて種々の実験を行い、ビット2が地山や覆工コンクリートを貫通してその先端が単に空気や水等の流体にしか当接していない場合のデータをとり、これらのデータ値を基に妥当な値を予め決定する。
【0038】
そして、そのままの状況にて削孔を持続し、削孔速度が上限速度値より低下し、かつトルク負荷が下限トルク値を超えた場合、制御装置6はビット2が空洞Vを抜けたと判定し、そのときのガイドシェル5上の削岩機4の位置を移動量測定センサ10の検出値に基づき測定する。
【0039】
さらに、制御装置6は内蔵してある空洞寸法測定手段6bにより、この測定値と予め測定しておいた空洞Vに入ったと判定したときの削岩機4の位置との差を空洞Vの高さ寸法Vhとして図示略の記憶手段に記憶する。
【0040】
一方、覆工コンクリートCを抜けたと判定した後、削孔速度が上昇するものの上限速度値近くまで上がらず、トルク負荷も下がるものの下限トルク値近くまで達しない場合は、覆工コンクリートCの背面には空洞Vがないと判定する。フラッシング圧センサ12で検出されるフラッシング圧が増加した場合、ビット2の先端が当たっている箇所の材料は、覆工コンクリートCとは異なった材料であり、軟かく、ビット先端が閉塞しやすいもの、例えば粘性地山と判定される。ちなみに、地山Gが砂質の場合には、フラッシング圧はそれほど上昇しない。
【0041】
上述したようにビット2による削孔を行いながら、削孔中の削孔長、削孔速度、フラッシング圧、測定回数といった機械的データを測定し、それら値がどのように変化するかを調べながら、既設トンネルの覆工コンクリートC背面における空洞調査を行うが、この調査は、ビット2による調査削孔長が、削岩機4の機能やロッド3およびガイドシェル5の長さによって定まる最大削孔長に達するまで行われ(ステップ5,6,8)、同調査削孔長が最大削孔長に達した時点で調査削孔を終了する(ステップ9)。
【0042】
以上述べた調査方法では、空洞調査対象位置を、ロッド3の先端に取り付けたビット2を用いて削孔しつつ、削孔時の削孔速度、トルク負荷、フラッシング圧などの変化から空洞Vの有無およびその大きさを推定するようにしているため、コアボーリングを行う場合に比較して、ごく小径の孔を形成するのみで、空洞Vの存在等を正確に検知することができる。これにより低コストでかつ管理上の問題を生じることなく、精度の高い空洞調査を実施することができる。
【0043】
また、上述の調査方法では、削孔開始時から削孔速度、トルク負荷がともに急変するまでの間の削岩機の移動寸法を測定することにより、覆工コンクリートCの厚さ寸法Chを測定するようにしている。そして、削孔速度が予め設定した上限速度値以上まで上昇し、かつ、トルク負荷が予め設定した下限トルク値以下まで低下した場合、空洞Vに入ったと判定し、次に削孔速度が上限速度値より低下し、かつ、トルク負荷が下限トルク値よりも上昇した場合、その変化時の位置から空洞Vの高さ寸法Vhを推定するしてするようにしている。こうすることにより、直接的に覆工コンクリートCの厚さ寸法Chや空洞Vの高さ寸法Vhを検知することができ、地山Gの物理的性状等に影響されることなく、物理探査等に比較して精度の高い調査が実施できる。
【0044】
さらに、削孔時に、打撃圧を上昇させても、削孔速度が非常に小さくかつ測定回数が突出するように急増する場合には、削孔を停止して別の箇所の削孔を行うようにしているため、支保工や鉄筋等を避けつつ、適切な箇所における空洞Vの調査を行うことができる。
【0045】
また、上述の調査装置1は、制御装置6が削孔開始時から削孔速度が急増し、トルク負荷が急減するまでの間の削岩機4の位置の差に基づいて空洞Vまでの覆工コンクリート厚の厚さ寸法Chを測定するようになっており、また空洞Vに入ってから削孔速度が低下し、トルク負荷が増加するまでの削岩機4の位置の差に基づいて空洞Vの高さ寸法Vhを測定するようになっているため、自動的に覆工コンクリートCの厚さ寸法Chや空洞Vの大きさを検知することができ、効率よい調査を実施することができる。
【0046】
加えて、空洞Vがあると推定されたとき、この空洞Vに連通する既存の調査孔を、調査孔を削孔するのに用いたビット2よりも大きな径の拡径ビット(図示略)を用い拡径することにより、図1中20で示すようなグラウト注入用孔を得ることができる。この場合、既存の調査孔を利用してグラウト注入用孔20を得るので、直接、削岩機によりグラウト注入用孔を形成する場合に比べ、芯抜き効果によって振動を低減できしかも工期を短縮することができる。
【0047】
なお、前記実施の形態においては、本発明をトンネル覆工の場合を例に挙げて説明したが、本発明に係る調査装置1による調査対象は、既設トンネルに限定されず、他のコンクリート構造物あるいはその他の材料によって構成された構造物であっても地盤そのものであっても勿論かまわない。要は、調査対象が、構造物の内部または地盤との間に生じた空洞の有無や大きさ及び位置、構造物自体の劣化等の状況、地盤自体の性状等を調査するものであれば、本発明は十分適用可能である。

例えば、建物の地下の状況を調べるときには、上述した調査方法を用いることにより、例えば、互いに隣り合う、地下側壁の厚さ、空洞の幅、地山幅をそれぞれ推定することができる。
【0048】
また、前記実施の形態では、空洞調査を行うにあたって、主に、ビット2の削孔速度および削孔時にビット2に加わるトルク負荷のそれぞれの変化を基に、空洞の有無やその大きさを推定しているが、前記ビット2の削孔速度に代えてあるいはそれに加えて、単位時間あたりのビットの削孔長の測定数を一定に設定したときのビットの削孔長の単位長さあたりの測定回数の変化を基に、空洞Vの有無等を推定してもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、空洞調査を行うにあたって、コアボーリングを行う場合に比べてごく小径の孔を形成するのみで、空洞の存在等を正確にかつ短時間で検知することができる。
これにより、低コストで、かつ、管理上の問題等を生じることなく、精度の高い空洞調査を少ない期間で実施することができる。
また、直接的に構造物または地盤の構成材料の厚さ寸法や空洞の大きさを検知することができるため、構造物または地盤やその周辺部の物理的性状等に関係なく精度の高い調査を実施できるとともに、構造材等の障害物を避けつつ空洞の調査を行うことも可能である。
また、フラッシングエアの圧力変化を加味すれば、構造物や地山の材料も推定することができる。また、打撃圧を適宜高い値に設定することにより、削孔速度を速めたり、硬い材料のものでも削孔することができ、調査の自由度を高めることができるとともに調査のために期間も短縮できる。また、推定するためのデータとして、単位時間あたりのビットの削孔長の測定数を一定に設定したときのビットの削孔長の単位長さあたりの測定回数を導入すれば、より精度の高い調査を行うことができる。さらに、空洞があると推定されたとき、この空洞に連通する既存の調査孔を拡径ビットを用いて拡径してグラウト注入用孔を得るようにすれば、直接、削岩機によりグラウト注入用孔を形成する場合に比べ、振動を低減できしかも注入孔形成のための工期を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態である調査装置により既設トンネルの空洞を調査する際の状況を示す立断面図である。
【図2】 図1に示した調査装置における制御装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】 図1に示した調査装置により既設トンネルの空洞を調査する際の覆工コンクリートおよびその背面における空洞および地山の状態と機械的データと関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 調査装置
2 ビット
3 ロッド
4 削岩機
5 ガイドシェル
6 制御装置
6a 構成材料厚測定手段
6b 空洞寸法測定手段
7 移動機構
10 移動量測定センサ
11 トルクセンサ
13 測定回数検出機構
14 打撃圧センサ
15 フィード圧センサ
C 覆工コンクリート
V 空洞

Claims (5)

  1. 打撃機構および回転機構をもつ削岩機を用いて、構造物の内部または地盤の状況を調査する構造物または地盤の調査方法であって、
    調査対象位置を、フィード圧および打撃圧を一定値に保ちながら削岩機のビットにより削孔しつつ、そのときのビットの削孔速度およびビットに加わるトルク負荷のそれぞれの変化によって、構造物の内部または地盤の状況を調査し、
    しかも、前記フィード圧および打撃圧を一定値に保ちながら削岩機のビットによる削孔が行えない場合には、前記フィード圧を一定値に保ちながら前記打撃圧のみを一定量毎に増加させる削孔を削孔速度が所定量を超えるまで順次行い、削孔速度が所定量を超えるようになった時点で、前記打撃圧をその値に保ちながら削孔して、構造物の内部または地盤の状況を調査することを特徴とする構造物または地盤の調査方法。
  2. 請求項1に記載の構造物または地盤の調査方法において、
    前記ビットの削孔速度の変化に代えて、単位時間あたりの前記ビットの削孔長の測定数を一定に設定したときのビットの削孔長の単位長さあたりの測定回数の変化によって、構造物の内部または地盤の状況を調査することを特徴とする構造物または地盤の調査方法。
  3. 請求項1に記載の構造物または地盤の調査方法において、
    前記ビットの削孔速度の変化とともに、単位時間あたりの前記ビットの削孔長の測定数を一定に設定したときのビットの削孔長の単位長さあたりの測定回数の変化によって、構造物の内部または地盤の状況を調査することを特徴とする構造物または地盤の調査方法。
  4. 請求項1に記載の構造物または地盤の調査方法において、
    構造物の削孔開始時から、ビットの削孔速度が予め設定した上限速度値以上まで上昇し、かつ、トルク負荷が予め設定した下限トルク値以下まで低下したときのビットの削孔長を測定することにより、前記構造物の空洞までの構成材料の厚さ寸法を推定することを特徴とする構造物または地盤の調査方法。
  5. 請求項1に記載の構造物または地盤の調査方法において、
    空洞を調査する場合に、前記ビットによる削孔時に、前記削孔速度が予め設定した上限速度値以上まで上昇し、かつ、トルク負荷が予め設定した下限トルク値以下まで低下したときのビットの削孔長を測定し、次いで前記ビットによる削孔を続け、前記削孔速度が予め設定した前記上限速度値より低下し、かつ、トルク負荷が予め設定した前記下限トルク値を超えるときのビットの削孔長を測定し、この値と前記測定したビットの削孔長との差に基づいて空洞の高さ寸法を推定することを特徴とする構造物または地盤の調査方法。
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