JP6434375B2 - 岩盤探査方法、及び岩盤探査装置 - Google Patents

岩盤探査方法、及び岩盤探査装置 Download PDF

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本発明は、岩盤の一軸圧縮強度を推定する岩盤探査方法、及び岩盤探査装置に関する。
従来、岩盤の一軸圧縮強度を求める技術としては、例えば、非特許文献1に記載の技術がある。この非特許文献1に記載の技術では、岩盤から試験片を採取し、採取した試験片の長軸方向に圧縮荷重を加えて試験片を破壊する。これにより、試験片が耐えることができる最大荷重を測定し、測定結果を試験片の断面積で割った値を一軸圧縮強度とする。
JISM0302 岩石の圧縮強さ試験方法
しかしながら、上記非特許文献1に記載の技術では、試験片の搾取や圧縮荷重の印加等、多くの手間がかかるため、岩盤の一軸圧縮強度を求めることは困難であった。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、岩盤の一軸圧縮強度を容易に推定可能な岩盤探査方法、及び岩盤探査装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、岩石または岩盤の一軸圧縮強度を非破壊試験器で測定する第1の工程と、岩石または岩盤の一軸圧縮強度を測定した部分を岩盤用の穿孔装置で穿孔し、単位体積あたりの岩石または岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギを測定する第2の工程と、第1の工程と第2の工程とを複数回実行して得た一軸圧縮強度と穿孔エネルギとに基づき一軸圧縮強度と穿孔エネルギとの関係を表す近似式を導出する第3の工程と、探査対象の岩盤を穿孔装置で穿孔し、深さ位置毎に、単位体積あたりの探査対象の岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギを測定する第4の工程と、第3の工程で導出された近似式を用いて、第4の工程で測定された穿孔エネルギから探査対象の岩盤の各深さ位置における一軸圧縮強度を推定する第5の工程と、を実行することを特徴とする。
また、探査対象の岩盤は、トンネル工事における切羽の岩盤であり、第4の工程では、切羽の岩盤に穿孔装置で装薬孔が穿孔されると、深さ位置毎に、単位体積あたりの切羽の岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギの測定を行い、第5の工程では、第3の工程で導出された近似式を用いて、第4の工程で測定された穿孔エネルギから第4の工程で穿孔された切羽の岩盤の各深さ位置における一軸圧縮強度を推定してもよい。
さらに、非破壊試験器は、岩石または岩盤の表面に打撃を与え、返ってきた衝撃で岩石または岩盤の表層部の一軸圧縮強度を推定する打撃式試験器としてもよい。
また、第1及び第2の工程の岩盤は、トンネル工事における切羽の岩盤であり、第1の工程では、切羽の岩盤の表層部の一軸圧縮強度を打撃式試験器で測定し、第2の工程では、表層部に穿孔装置で装薬孔を穿孔し、単位体積あたりの切羽の岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギを測定してもよい。
さらに、穿孔ロッドの後端部に打撃圧を付与し探査対象の岩盤を穿孔するドリフタを備えた穿孔装置を用いて、探査対象の岩盤の一軸圧縮強度を推定する岩盤探査装置であって、ドリフタによる打撃圧を検出する打撃圧検出部と、打撃圧検出部で検出した打撃圧に基づき、深さ位置毎に、単位体積あたりの探査対象の岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギを測定するエネルギ測定部と、非破壊試験器で測定した岩石または岩盤の一軸圧縮強度と、単位体積あたりの岩石または岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギとの関係を表す近似式を用いて、エネルギ測定部で測定された穿孔エネルギから探査対象の岩盤の各深さ位置における一軸圧縮強度を推定する一軸圧縮強度推定部と、を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、近似式を用いることで穿孔エネルギから岩盤の一軸圧縮強度を推定できる。これにより、岩盤の一軸圧縮強度を容易に推定できる。
穿孔装置4の概略構成を表す概念図である。 岩盤探査処理を表すフローチャートである。 第1〜第5の工程を説明するための図である。 岩盤情報の解析方法の一例を示す図である。 実施例で導出した近似式を表すグラフである。
本発明に係る岩盤探査方法の実施形態について図面を参照して説明する。
(構成)
まず本実施形態に係る岩盤探査方法に用いる岩盤探査装置1について説明する。
図1に示すように、岩盤探査装置1は、トンネル工事における切羽2に対し、装薬用の装薬孔3を穿孔するための作業用車両(以下、「穿孔装置4」とも呼ぶ)に搭載される。穿孔装置4としては、例えば、ドリルジャンボを採用することができる。
穿孔装置4は、車輪で走行可能な移動台車5と、移動台車5上に取り付けられたブーム6と、ブーム6に取り付けられて穿孔機7を支持するガイドシェル8とを備える。
ブーム6には、ブーム6を水平方向に揺動させるブームスイング9と、ブーム6を前後に進退動させるブームスライド10と、ガイドシェル8を水平方向に揺動させるガイドスイング11と、ガイドシェル8を垂直方向に揺動させるガイドチルト12と、ガイドシェル8を前後に進退動させるガイドスライド13とが取り付けられる。これにより、ブーム6は、ユーザの操作に応じて、穿孔機7の位置及び姿勢を変更可能となっている。
穿孔機7は、先端部に穿孔用ビット14が取り付けられた穿孔ロッド15と、穿孔ロッド15の後端部に周期的に打撃圧を付与するドリフタ16とを備える。ドリフタ16としては、例えば、図示しない油圧供給ラインから供給され、周期的に変動する油圧を駆動源とする油圧ドリフタを採用できる。また、穿孔機7には、穿孔機7を前後、つまり、穿孔ロッド15の軸方向に進退動させるフィーダ17が取り付けられる。これにより、穿孔機7は、ユーザの操作に応じて、穿孔ロッド15の後端部にドリフタ16で周期的に打撃圧を付与し、前方向に移動することで、切羽2に装薬孔3を穿孔可能となっている。
これにより、ユーザは、穿孔装置4を操作し、穿孔ロッド15の先端を切羽2に押し当てる動作と、穿孔ロッド15の後端部に打撃を付与すると共に穿孔機7を前方向に移動させる動作とを繰り返すことで、切羽2に複数の装薬孔3を穿孔可能となっている。
岩盤探査装置1は、2つの水平角検出部18、19と、垂直角検出部20と、2つの進退量検出部21、22と、打撃圧検出部23と、ドリフタ状態検出部24とを備える。
水平角検出部18は、ブームスイング9に配置され、ブーム6の水平方向への揺動角を検出する。そして、水平角検出部18は、検出結果を演算装置26に出力する。また、水平角検出部19は、ガイドスイング11に配置され、ガイドシェル8の水平方向への揺動角を検出する。そして、水平角検出部19は、検出結果を演算装置26に出力する。
垂直角検出部20は、ガイドチルト12に配置されガイドシェル8の垂直方向への揺動角を検出する。そして、垂直角検出部20は、検出結果を演算装置26に出力する。
進退量検出部21は、ブームスライド10に配置され、ブーム6の前後方向への進退量を検出する。そして、進退量検出部21は、検出結果を演算装置26に出力する。また、進退量検出部22は、フィーダ17に配置され、ガイドシェル8の前後方向への進退量を検出する。そして、進退量検出部22は、検出結果を演算装置26に出力する。
打撃圧検出部23は、ドリフタ16による打撃圧を検出する。具体的には、打撃圧検出部23は、油圧供給ラインから供給され、ドリフタ16の駆動原である油圧を検出する。そして、打撃圧検出部23は、検出結果(打撃圧)を演算装置26に出力する。
ドリフタ状態検出部24は、ドリフタ16に配置され、ドリフタ16が作動状態にあるか停止状態にあるか(以下、「ドリフタ状態」とも呼ぶ)を検出する。ここで、作動状態としては、例えば、ドリフタ16が穿孔ロッド15の後端部への周期的な打撃圧の付与を行っている状態がある。また、停止状態としては、例えば、油圧の周期的な変動が行われずドリフタ16が穿孔ロッド15の後端部への周期的な打撃圧の付与を行っていない状態がある。そして、ドリフタ状態検出部24は、検出結果を演算装置26に出力する。
また、岩盤探査装置1は、情報記憶部25と、演算装置26とを更に備える。
情報記憶部25は、演算装置26で生成された後述する岩盤情報を記憶する。
演算装置26は、エネルギ測定部26aと、一軸圧縮強度推定部26bとを備える。エネルギ測定部26aと、一軸圧縮強度推定部26bとは、水平角検出部18、19、垂直角検出部20、進退量検出部21、22、打撃圧検出部23及びドリフタ状態検出部24それぞれが出力した検出結果に基づき、後述する岩盤探査処理を実行する。
(岩盤探査処理)
次に、エネルギ測定部26aと一軸圧縮強度推定部26bとが実行する岩盤探査処理について説明する。岩盤探査処理は、サンプリング時間が経過するたびに実行される。
図2に示すように、まずステップS101では、エネルギ測定部26aは、ドリフタ16が作動状態になるまで待機する。具体的には、ドリフタ状態検出部24で作動状態が検出されるまで待機し、作動状態が検出されると、ステップS102に移行する。
続いてステップS102に移行して、エネルギ測定部26aは、水平角検出部18、19、垂直角検出部20、及び進退量検出部21、22が出力した検出結果を取得する。続いて、取得した検出結果に基づき、穿孔用ビット14の深さ位置、つまり、現在穿孔を行っている箇所の深さ位置(以下、「現在穿孔位置」とも呼ぶ)を算出する。ここで、深さ位置としては、装薬孔3の穿孔開始位置、つまり、開口部からの距離を用いる。
なお、本実施形態では、深さ位置として、装薬孔3の穿孔開始位置からの距離を用いる例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、切羽2の表面に基準点を設定し、その基準点からの三次元位置を、深さ位置として用いる構成としてもよい。
続いてステップS103に移行して、エネルギ測定部26aは、打撃圧検出部23が出力した検出結果(打撃圧)に基づき、現在穿孔位置における、単位体積あたりの切羽2の岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギを算出する。
続いてステップS104に移行して、一軸圧縮強度推定部26bは、予め導出しておいた一軸圧縮強度と穿孔エネルギとの関係を表す近似式を用いて、ステップS102で算出した穿孔エネルギから、現在穿孔位置における岩盤の一軸圧縮強度を推定する。
続いてステップS105に移行して、一軸圧縮強度推定部26bは、ステップS102で算出した現在穿孔位置と、ステップS103で算出した穿孔エネルギーと、ステップS104で算出した一軸圧縮強度とを含む岩盤情報を情報記憶部25に記憶させる。
続いてステップS106に移行して、一軸圧縮強度推定部26bは、ドリフタ16が作動状態であるか否かを判定する。そして、ドリフタ16が作動状態であると判定した場合には(Yes)、ステップS102に戻る。一方、一軸圧縮強度推定部26bは、ドリフタ16が作動状態にないと判定した場合には(No)、この演算処理を終了する。
(岩盤探査方法)
次に、岩盤探査装置1を用いて実行される岩盤探査方法について説明する。
岩盤探査方法は、第1、第2、第3、第4、及び第5の工程を実行する。
第1の工程では、図3(a)に示すように、ユーザは、岩石または岩盤の一軸圧縮強度を非破壊試験器27で測定する。具体的には、ユーザは、用意した岩石または岩盤の表層部の一軸圧縮強度を非破壊試験器27で測定する。非破壊試験器27としては、例えば、岩石または岩盤の表面に打撃を与え、返ってきた衝撃で岩石または岩盤の表層部の一軸圧縮強度を推定する打撃式試験器(例えば、シュミットロックハンマー)を採用できる。非破壊試験器27による測定は、測定精度向上のために、複数回実行することが望ましい。
なお、本実施形態では、非破壊試験器27として、岩石または岩盤の表層部の一軸圧縮強度を推定する打撃式試験器を用いる例を示したが、他の試験器を採用してもよい。
第2の工程では、図3(b)に示すように、ユーザは、岩石または岩盤の一軸圧縮強度を測定した部分を穿孔装置4で穿孔し、単位体積あたりの岩石または岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギを測定する。具体的には、ユーザは、穿孔装置4を操作し、岩石または岩盤の一軸圧縮強度を測定した部分を穿孔装置4で穿孔する。そして、その穿孔が終了した後、穿孔装置4の打撃圧検出部23が出力した検出結果、つまり、ドリフタ16による打撃圧に基づき、単位体積あたりの岩石または岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギを算出する。
そして、ユーザは、上記第1の工程と第2の工程とを複数種類の岩石または岩盤に対して実行する。これにより、ユーザは、複数の一軸圧縮強度と穿孔エネルギとを取得する。
第3の工程では、図3(c)に示すように、ユーザは、上記第1の工程と第2の工程とを複数回実行して得た一軸圧縮強度と穿孔エネルギとに基づき、一軸圧縮強度と穿孔エネルギとの関係を表す近似式を導出する。例えば、取得した一軸圧縮強度と穿孔エネルギとに基づき、近似式の候補(例えば、1次式、2次式、3次式)のなかから、最も相関の高い近似式を選択し、選択した近似式のパラメータを同定することで、近似式の導出を行う。図3(c)の例では、穿孔エネルギを変数とし、一軸圧縮強度を1次関数で表す近似式が導出される。これにより、ユーザは、トンネル工事の開始前に近似式を導出しておく。
ここで、一軸圧縮強度と穿孔エネルギとの関係を表す近似式は、上記第1の工程と第2の工程とを繰り返して、データ数を増やすことで、より精度の高い近似式を導出できる。
第4の工程では、岩盤探査装置1が、探査対象の岩盤を穿孔装置4で穿孔し、深さ位置毎に、単位体積あたりの探査対象の岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギを測定する。本実施形態では、図3(d)に示すように、トンネル工事における切羽2の岩盤を、探査対象の岩盤として用いる。そして、切羽2の岩盤に穿孔装置4で装薬孔3が穿孔されると、深さ位置毎に、単位体積あたりの切羽2の岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギの測定を行う。
具体的には、トンネル工事が開始され、ユーザが、岩盤探査装置1の動作状態にした後、ドリフタ16を作動状態とし、穿孔装置4で装薬孔3の穿孔を開始したとする。すると、岩盤探査装置1が、ドリフタ16が作動状態になったと判定して待機を解除する(図2のステップS101)。続いて、岩盤探査装置1が、穿孔用ビット14の深さ位置、つまり、現在穿孔を行っている箇所の深さ位置(現在穿孔位置)を算出する(図2のステップS102)。続いて、岩盤探査装置1が、算出した現在穿孔位置における、単位体積あたりの切羽2の岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギを算出する(図2のステップS103)。
第5の工程では、岩盤探査装置1が、図3(e)に示すように、第3の工程で導出された近似式を用いて、第4の工程で測定された穿孔エネルギから第4の工程で穿孔された探査対象の岩盤の各深さ位置における一軸圧縮強度を推定する。本実施形態では、第4の工程で穿孔された切羽2の岩盤の各深さ位置における一軸圧縮強度の推定を行う。このように、本実施形態では、第3の工程で導出された近似式を用いることで穿孔エネルギから岩盤の一軸圧縮強度を推定できる。これにより、岩盤の一軸圧縮強度を容易に推定できる。
具体的には、演算装置26が、第3の工程で導出された近似式を用いて、現在穿孔位置の岩盤の一軸圧縮強度を算出する(図2のステップS104)。続いて、演算装置26が、第4の工程で算出された現在穿孔位置、穿孔エネルギと、第5の工程で算出された一軸圧縮強度とを含む岩盤情報を情報記憶部25に記憶させる(図2のステップS105)。
そして、岩盤探査装置1は、ドリフタ16が作動状態にある間、上記第4の工程と第5の工程とを複数回実行する(図2のステップS106「Yes」)。これにより、現在穿孔中の装薬孔3の位置の岩盤に対し、複数の深さ位置における一軸圧縮強度が推定される。また、新たな装薬孔3の穿孔が開始されるたびに、岩盤探査装置1は、上記第4の工程と第5の工程とを複数回実行し(図2のステップS101〜S106)、新たに穿孔された装薬孔3の位置の岩盤に対しても、複数の深さ位置における一軸圧縮強度が推定される。
これにより、情報記憶部25には、複数の装薬孔3の位置と深さ位置とに対応した岩盤情報が記憶される。それゆえ、情報記憶部25が記憶している岩盤情報(現在穿孔位置、一軸圧縮強度)を解析することで、切羽2の岩盤の性状を容易に判断することができる。例えば、図4の例では、岩盤情報の解析方法として、第1〜第3の装薬孔3それぞれの位置の岩盤に対し、各深さ位置毎に、一軸圧縮強度がグラフで表す方法が示されている。
さらに、上記手順を繰り返し、切羽2の岩盤への装薬孔3の穿孔が完了すると、装薬孔3に爆薬が装填され、発破掘削によってトンネルの内部空間が形成される。その後、形成された内空間の坑壁に支保工が施工され、坑壁の崩落が防止される。ここで、支保工は、強度を高くするほど施工コストが増大する。それゆえ、トンネル工事の施工業者は、施工コストの増大が抑制されるように、坑壁の強度を適切に把握し、支保工の強度を適切に決定する必要がある。しかしながら、例えば、装薬孔3の穿孔に要した穿孔エネルギを提示する方法では、穿孔エネルギは相対値であるので、坑壁の強度を適切に把握できない。
これに対し、本実施形態に係る岩盤探査方法では、複数の装薬孔3の位置と深さ位置とに対応した岩盤情報を取得できる。それゆえ、取得した岩盤情報を解析することで、坑壁の強度を推定でき、支保工の強度を適切に決定することができる。その際、支保工の強度を高くする場合には、施工コストが増大するので施主の了承を得る必要があるが、一軸圧縮強度、つまり、絶対値を提示できるため、支保工の強度向上の必要性を説明しやすい。
また、単に打撃式試験器(例えば、シュミットロックハンマ)を用いる方法では、切羽2の岩盤の表層部の一軸圧縮強度(性状)しか評価できなかった。これに対し、本実施形態に係る岩盤探査方法では、切羽2の岩盤の深層部の性状を比較的容易に評価できる。
(本実施形態の効果)
本実施形態に係る発明は、次のような効果を奏する。
(1)本実施形態に係る岩盤探査方法は、岩石または岩盤の一軸圧縮強度を非破壊試験器27で測定する第1の工程と、岩石または岩盤の一軸圧縮強度を測定した部分を岩盤用の穿孔装置4で穿孔し、単位体積あたりの岩石または岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギを測定する第2の工程と、第1の工程と第2の工程とを複数回実行して得た一軸圧縮強度と穿孔エネルギとに基づき一軸圧縮強度と穿孔エネルギとの関係を表す近似式を導出する第3の工程と、探査対象の岩盤を穿孔装置4穿孔し、深さ位置毎に、単位体積あたりの探査対象の岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギを測定する第4の工程と、第3の工程で導出された近似式を用いて、第4の工程で測定された穿孔エネルギから、探査対象の岩盤の各深さ位置における一軸圧縮強度を推定する第5の工程と、を実行する。
このような構成によれば、近似式を用いることで穿孔エネルギから岩盤の一軸圧縮強度を推定できる。これにより、岩盤の一軸圧縮強度を容易に推定できる。
(2)本実施形態に係る岩盤探査方法は、探査対象の岩盤は、トンネル工事における切羽2の岩盤である。そして、第4の工程では、切羽2の岩盤に穿孔装置4で装薬孔3を穿孔し、深さ位置毎に、単位体積あたりの切羽2の岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギの測定を行い、第5の工程では、第3の工程で導出された近似式を用いて、第4の工程で測定された穿孔エネルギから切羽2の岩盤の各深さ位置における一軸圧縮強度を推定する。
このような構成によれば、装薬孔3の各深さ位置における一軸圧縮強度を推定できる。
(3)本実施形態に係る岩盤探査方法は、非破壊試験器27は、岩石または岩盤の表面に打撃を与え、返ってきた衝撃で岩石または岩盤の表層部の一軸圧縮強度を推定する打撃式試験器である。
このような構成によれば、打撃式圧縮試験機で打撃を与えることで、一軸圧縮強度を測定できる。これにより、岩盤の一軸圧縮強度を容易に測定できる。それゆえ、一軸圧縮強度と穿孔エネルギとの近似式の導出をより容易なものとすることができる。
(4)本実施形態に係る岩盤探査装置1は、ドリフタ16による打撃圧を検出する打撃圧検出部23と、打撃圧検出部23で検出した打撃圧に基づき、深さ位置毎に、単位体積あたりの探査対象の岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギを測定するエネルギ測定部26aと、非破壊試験器27で測定した岩石または岩盤の一軸圧縮強度と、単位体積あたりの岩石または岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギとの関係を表す近似式を用いて、エネルギ測定部26aで測定された穿孔エネルギから、探査対象の岩盤の各深さ位置における一軸圧縮強度を推定する一軸圧縮強度推定部26bと、を備えた。
このような構成によれば、近似式を用いることで穿孔エネルギから岩盤の一軸圧縮強度を推定できる。これにより、岩盤の一軸圧縮強度を容易に推定できる。
(変形例)
(1)なお、本実施形態では、トンネル工事の開始前に岩石や岩盤の一軸圧縮強度と穿孔エネルギとを複数回測定し、これらの測定結果を用いて、一軸圧縮強度と穿孔エネルギとの関係を表す近似式を導出する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、トンネル工事の初期段階、つまり、工事開始後の予め定められた期間に得られた切羽2の岩盤の一軸圧縮強度と穿孔エネルギとを用いて、近似式を導出する構成としてもよい。
具体的には、トンネル工事における切羽2の岩盤を、第1及び第2の工程の岩盤として用いる。そして、第1の工程では、切羽2の岩盤の表層部の一軸圧縮強度を非破壊試験器27(打撃式試験器)で測定する。また、第2の工程では、その表層部に装薬孔3を穿孔し、単位体積あたりの表層部の穿孔に要した穿孔エネルギを測定する。これにより、トンネル工事の開始前に、岩石や岩盤の一軸圧縮強度や穿孔エネルギの測定を行わずに済み、一軸圧縮強度と穿孔エネルギとの関係を表す近似式の導出に要する手間を軽減できる。
(2)また、例えば、トンネル工事の開始前に測定した一軸圧縮強度及び穿孔エネルギや、トンネル工事初期段階に測定した一軸圧縮強度及び穿孔エネルギに加え、トンネル工事中に得られた切羽2の岩盤の一軸圧縮強度及び穿孔エネルギを更に用いて、近似式を更新してもよい。これにより、データ数が増え、より精度の高い近似式を導出できる。
(実施例)
次に、本実施形態に係る岩盤探査方法の第1〜第3の工程の実施例について説明する。
まず、第1の工程を実行し、用意した複数種類の岩石から一の岩石を選択し、選択した岩石の表層部の一軸圧縮強度を非破壊試験器27で測定した。非破壊試験器27としては、山陽試験器工業株式会社のシュミットロックハンマーKS型を用いた。
続いて、第2の工程を実行し、岩石の一軸圧縮強度を測定した部分を穿孔装置4で穿孔し、単位体積あたりの岩石の穿孔に要した穿孔エネルギを測定した。穿孔装置4としては、古河ロックドリル株式会社のドリルジャンボJTH3200Rを用いた。穿孔深さは、岩石の表面から深さ1.35m±0.15mまでの範囲とした。
そして、第1及び第2の工程を繰り返し実行し、複数の一軸圧縮強度と穿孔エネルギとを取得した。その後、第3の工程を実行し、取得した一軸圧縮強度と穿孔エネルギとに基づき、近似式の候補のなかから、最も相関の高い近似式として1次式を選択した。そして、図5に示すように、選択した1次式(近似式)のパラメータを同定することで、穿孔エネルギを変数として、一軸圧縮強度を1次関数で表す近似式を導出した。
本実施例により、図5から、非破壊試験器27で測定した岩石の一軸圧縮強度と、一次圧縮強度を測定した部分を穿孔装置4で穿孔して得た、単位体積あたりの岩石の穿孔に要した穿孔エネルギとの間には、相関関係があることが確認できた。そして、これらの相関関係が、近似式で適切に表せることが確認できた。それゆえ、近似式を用いれば、第5の工程で、穿孔エネルギから一軸圧縮強度を適切に算出可能と判断できる。
1 岩盤探査装置
2 切羽
3 装薬孔
4 穿孔装置
16 ドリフタ
26 演算装置
26a エネルギ測定部
26b 一軸圧縮強度推定部
27 非破壊試験器

Claims (5)

  1. 岩石または岩盤の一軸圧縮強度を非破壊試験器で測定する第1の工程と、
    前記岩石または岩盤の一軸圧縮強度を測定した部分を岩盤用の穿孔装置で穿孔し、単位体積あたりの前記岩石または岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギを測定する第2の工程と、
    前記第1の工程と前記第2の工程とを複数回実行して得た一軸圧縮強度と穿孔エネルギとに基づき一軸圧縮強度と穿孔エネルギとの関係を表す近似式を導出する第3の工程と、
    探査対象の岩盤を前記穿孔装置で穿孔し、深さ位置毎に、単位体積あたりの前記探査対象の岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギを測定する第4の工程と、
    前記第3の工程で導出された近似式を用いて、前記第4の工程で測定された穿孔エネルギから前記探査対象の岩盤の各深さ位置における一軸圧縮強度を推定する第5の工程と、を実行することを特徴とする岩盤探査方法。
  2. 前記探査対象の岩盤は、トンネル工事における切羽の岩盤であり、
    前記第4の工程では、切羽の岩盤に前記穿孔装置で装薬孔が穿孔されると、深さ位置毎に、単位体積あたりの切羽の岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギの測定を行い、
    前記第5の工程では、前記第3の工程で導出された近似式を用いて、前記第4の工程で測定された穿孔エネルギから前記第4の工程で穿孔された切羽の岩盤の各深さ位置における一軸圧縮強度を推定することを特徴とする請求項1に記載の岩盤探査方法。
  3. 前記非破壊試験器は、岩石または岩盤の表面に打撃を与え、返ってきた衝撃で岩石または岩盤の表層部の一軸圧縮強度を推定する打撃式試験器であることを特徴とする請求項1または2に記載の岩盤探査方法。
  4. 前記第1及び前記第2の工程の岩盤は、トンネル工事における切羽の岩盤であり、
    前記第1の工程では、切羽の岩盤の表層部の一軸圧縮強度を打撃式試験器で測定し、
    前記第2の工程では、前記表層部に前記穿孔装置で装薬孔を穿孔し、単位体積あたりの切羽の岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギを測定することを特徴とする請求項3に記載の岩盤探査方法。
  5. 穿孔ロッドの後端部に打撃圧を付与し探査対象の岩盤を穿孔するドリフタを備えた穿孔装置を用いて、前記探査対象の岩盤の一軸圧縮強度を推定する岩盤探査装置であって、
    前記ドリフタによる打撃圧を検出する打撃圧検出部と、
    前記打撃圧検出部で検出した打撃圧に基づき、深さ位置毎に、単位体積あたりの前記探査対象の岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギを測定するエネルギ測定部と、
    非破壊試験器で測定した岩石または岩盤の一軸圧縮強度と、単位体積あたりの前記岩石または岩盤の穿孔に要した穿孔エネルギとの関係を表す近似式を用いて、前記エネルギ測定部で測定された穿孔エネルギから前記探査対象の岩盤の各深さ位置における一軸圧縮強度を推定する一軸圧縮強度推定部と、を備えたことを特徴とする岩盤探査装置。
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